1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:07:27.40 ID:DeoPe56+0
先日、俺が妹の部屋で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきた。
最初は泥棒かと驚いたのだが、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけてくる。
ちょっと薄気味悪くなり、
「貴方は誰ですか、何をしているんですか?」と尋ねたら、
「バカヤロー!」って叫んでそのまま霞みたいに消えてしまった。
その後、帰宅した妹に事情を話したんだけど、泣き叫ぶばかりで話にならなかった。
両親も怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来なかった。
もしかすると家族は俺の知らない秘密を抱えているんだろうか?
次の日、俺は古泉にこの事を相談した。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:10:34.59 ID:DeoPe56+0
「心霊現象ですか……。涼宮さん絡みかもしれませんね……」
俺は確かに見たんだ。
ハルヒが関わっていなくとも、俺の家庭に何かあるのかもしれない。
「分かりました。僕も注意しておきましょう」
こう言っちゃなんだが、こんな時にこいつは頼りになる奴だ。
いつもの気持ち悪い笑顔が、きらめいて見える……というのは言いすぎだが。
しかし。
俺の期待は悪い方へと裏切られた。
次の日、団室で古泉と二人きりになった時。
俺は聞かされた。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:17:26.40 ID:DeoPe56+0
古泉「昨日、僕がが森さんの部屋で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきたんです」
「最初は泥棒かと驚いたんですけど、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけてくるんです」
「流石に僕もちょっと薄気味悪くなり」
「『貴方は誰ですか、何をしているんですか?』って尋ねたところ」
「『バカヤロー!』って叫んでそのまま霞みたいに消えてしまったのです」
古泉「その後、帰宅した森さんに事情を話したんですど、泣き叫ぶばかりで話になりませんでした。
「やってきた新川さんも怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来ませんでした」
俺と、まるで同じだな。
古泉「ええ。それが問題です」
「一体あの旧・日本兵の姿の男は何者なのでしょうか?」
「幽霊、といった類はあまり信じないのですが……」
「実際に見てしまうと、僕は……」
古泉は震えていた。
こいつが震えるなんて。
俺は、肩を叩き、励ましてやるのが精一杯だった。
と。
長門が喋り始めた。
「……その話、興味深い」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:23:29.17 ID:DeoPe56+0
長門「実は、最近になって朝倉涼子を再構成した」
「主にカレーを作成させるため」
「しかし」
長門「先日、私が朝倉涼子の部屋で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきた」
「最初は泥棒かと思い、消そうと思ったが、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけてきた」
「私はも不思議に思い」
「『貴方は誰? 何をしているの?』と尋ねたところ」
「『バカヤロー!』って叫んで、そのまま霞みたいに消えてしまった」
長門「その後、帰宅した朝倉涼子に事情を話したが、泣き叫ぶばかりで話にならなかった。
「事態を知り、やってきた喜緑江美里も怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来なかった」
古泉「なんと……」
おいおい、長門まで同じなのかよ。
一体全体、何なんだこの現象は?
俺たちは呪われてでもいるのか?
ふと、横を見ると朝比奈さんが真っ青な顔で立っていた。
まさか……。
みくる「じ、実はわたしも……」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:28:39.45 ID:DeoPe56+0
みくる「一週間ほど前、わたしが鶴屋さんの部屋で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきたんです」
「最初は使用人の方かと驚いたんですけど、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけてくるんです」
「わたし、薄気味悪くなって……」
「『貴方は誰ですか、何をしているんですか?』って尋ねたんです。そうしたら……」
「『バカヤロー!』って叫んでそのまま霞みたいに消えてしまったんです」
みくる「その後、部屋に戻ってきた鶴屋さんに事情を話したんですど、泣き叫ぶばかりで話になりませんでした。
「やってきた使用人さんも怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来ませんでした……」
みくる「それ以降、鶴屋さんはわたしと会話してくれなくなりました」
「わたし、怖い……!」
俺は朝比奈さんの肩を抱き、嗚咽を上げる彼女の背中を叩いた。
もし、これが。
ハルヒの力だとして、どうやったら解決できるんだ?
俺たちは、どうしようもないまま帰宅した。
そして、次の日の朝。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:33:11.14 ID:DeoPe56+0
坂道を歩く途中で古泉と出くわす。
古泉「考えたんですけどね」
「夏休みに、百物語をやりましたよね」
「もしかして、それが涼宮さんの深層心理に残っていて……」
「と、いうのはどうでしょう?」
確かにな……。
しかし、ハルヒ本人が出会わなくて、団員が出くわすってのはどういう事だ?
古泉「涼宮さんは、内心、幽霊に対して怯えているのかもしれません」
「近い身内が、恐怖体験にあった……それを聞く、それだけを望んでいるのかもしれませんね」
全く、厄介な話だ。
怖がらせられる俺たちの身にでもなれってんだ。
俺は下駄箱で靴を履き替え、教室に向かう。
教室は、ざわめいていた。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:36:52.88 ID:DeoPe56+0
教室は、悲鳴と怒号で溢れかえっていた。
なんだ? 何が起こった?
俺は近くにいたクラスメートに話を聞こうとした。
「fgsづぐるgほrひぎgrgりwg!」
……ダメだ。話にならない。
教室を観察する。
騒ぎ立てる者、泣き喚く者。
その中心に、あいつがいた。
ハルヒ。
ハルヒは俺に駆け寄り、泣きじゃくりながら抱きついてきた。
おい、しっかりしろ!
何があった!
ハルヒ「キョン、キョン!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:43:44.77 ID:DeoPe56+0
ハルヒ「あたし、今日は一番に教室に来たの」
「で、あたしが教室の真ん中で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が、教室に入ってきたのよ!」
「最初は泥棒かと驚いたんだけど、無言のまま血走った眼であたしをを睨みつけてくるのよ! 信じられる?」
「流石のあたしもちょっとだけ薄気味悪くなっちゃって」
「『あんた、誰よ! 教室で何をしているの?』って尋ねたら!」
「『お前の方が何をしてるんだよ!』って叫んでそのまま霞みたいに消えてしまったの!」
ハルヒ「その後、やってきたクラスのみんなに事情を話したんだけど、見ての通り、泣き叫ぶばかりで話にならないの」
「やってきた岡部も怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来なかったの!」
なんてこった……ハルヒまで!
古泉の予想は、外れって事だな。
ハルヒは、午前中を保健室で過ごし、午後は目に見える部分は普段通りになっていた。
しかし、クラスメートのハルヒを見る目は、変わらなかった。
恐怖、侮蔑、無視。
あの旧・日本兵の男め!
俺たちにできることは……ただ一つだった。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:48:24.96 ID:DeoPe56+0
午後、SOS団団室。
既に、教室での事件はみんなに話してあり、ハルヒにも俺たちの体験を話してある。
ハルヒ「……こうなったら、本人に問い詰めるほか無いわね」
古泉「本人、といいますと?」
みくる「まさか……」
長門「……そう」
ハルヒ「あの、旧・日本兵の男を呼び出すのよ!」
ああ。
ここまできたら、対決するしかなさそうだ。
いざとなったら長門もいるし……。
ん?
長門、震えてないか?
長門「問題、ない……」
……今回は当てになりそうもないな。
ま、相手が本物の幽霊だとすると、宇宙人パワーも効かない恐れもあるってか?
そして、俺たちは、奴が出現する状況を、全員で再現した。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 18:52:40.35 ID:DeoPe56+0
大便の音と、匂いが立ちこめる。
ふと気づくと、団室内には、旧・日本兵の姿の男が、いた。
数十人。
怖ええええええええええっ!
そいつらは、何やら叫びながら俺たちに掴みかかってきた!
やばい! 長門!
長門を見ると、腰が抜けて立てないようだ。
古泉! 朝比奈さん! ハルヒ!
皆、服を捕まれ、もがいている。
かくいう俺も、何とか逃げようとするので精一杯だった。
「バカヤロー……! バカヤロー……!」
「バカヤロー……!」
「バカヤロー……! バカヤロー……!」
このままでは、お終いだ。
そう思った瞬間。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 19:01:06.51 ID:DeoPe56+0
どこからとも無く、声がした。
「破ぁ!!」
光が団室内に溢れ、旧・日本軍の男達は身体を吹き飛ばし、消えていった。
数十人、全員が、だ。
団室のドアを見ると、谷口が立っていた。
谷口「教室での騒ぎで、胸騒ぎがしてきてみれば……」
谷口「遊び半分で百物語だの、降霊術だのやるんじゃねえよ」
谷口「いくら涼宮でも、超えちゃいけない一線ってのは見極めなくちゃ、な?」
お前、谷口……何でお前が?
谷口「俺は寺生まれでな……こういう事には慣れてる」
谷口「しかし、親父のように無言で霊を浄化まではできねぇな」
谷口「破ぁ!! ……叫ぶの、格好悪いだろ? キョン」
んな事ねぇよ……。
お前、凄えよ、谷口。
寺生まれって凄い……その時初めてそう思った。
―TさんEnd―
22 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/09/02(木) 19:02:43.39 ID:DeoPe56+0
便秘のせいか糞スレの出が悪い……。
まあ、コロコロした(糞スレ)のが出たので良しです。