1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 18:35:07.93 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「さーさーのーは さーらさら」
鶴屋「のーきーばーに ゆーれーる」
みくる「おーほしさーま きーらきら」
長門「…」
ハルヒ「ちょっと有希、歌ってよ!」
長門「…しらない」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 18:50:18.50 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「そういや、アタシも続き覚えてないわね。なんだっけ?」
みくる・鶴屋「…」
ハルヒ「誰も知らないの?もう!」
ハルヒ・みくる・鶴屋「アハハハハ」 長門「クスッ」
キョン「…楽しそうだな」
古泉「女性が笹に飾り付けをしながらはしゃぐなんて、
実に微笑ましい光景ではないですか」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 18:52:32.51 ID:BRvkoSKK0
キョン「まぁ、そうだな」
古泉「んふっ」
ハルヒ「何、男同士でボケッとしてんのよ。飾り付けが出来たから、
いよいよ短冊に願いを書くわよ!」
キョン「俺はいいぞ。去年みたいにお前にケチつけられそうだからな」
ハルヒ「駄目よ!この笹はつるした願いは必ず叶える、ありがたい笹なの。
…そんな気がするわ。だからアンタも好きな娘の名前でも書けば?
…付き合えるかもよ?」モジモジ
古泉(なんですとっ!)
キョン「古泉…お茶こぼれてんぞ」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:03:22.90 ID:BRvkoSKK0
古泉「鶴屋さん。ちょっとこちらへ来てくれませんか?」
鶴屋「なんだい一樹くん?お姉さんを呼びつけるなんて怪しいなぁ~」
古泉「お願いがあるのですが、涼宮さんを5分程、この部屋の外に
連れ出して欲しいんです」
鶴屋「ふふ、ワケありだね?了解にょろ」
古泉「すいません。助かります」
鶴屋「ハルにゃーん。アイスお汁粉飲みたくなっちゃったさー。
一緒に自販機行こう!奢るよ〜」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:04:21.86 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「まぁいいけど…キョン!ちゃんと願い事考えときなさいよ」
バタン
キョン「どうかしたのか?古泉」
みくる「そうですよ〜。鶴屋さんにコソコソ話してましたけど」
古泉「実はですね…先程の涼宮さんの話を皆さん聞いていましたね?」
キョン「ああ、まぁな。それがどうかしたのか?」
古泉「思い出してみて下さい。彼女はこう言ってましたよね。
−この笹につるした願いは必ず叶う気がする−と」
キョン「…まさか」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:06:21.63 ID:BRvkoSKK0
古泉「ええ、短冊に書かれたとおりの願いが叶うでしょうね。まだ涼宮さんの能力
が発揮されるかどうかはわかりませんが」
キョン「じゃあ10億円欲しいと書けば」
古泉「あなたの貯金通帳の0の数が、倍以上になってるかもしれませんね」
キョン「…それにしよう」
古泉「いや、そういった願いは、無駄に涼宮さんを刺激しかねません。
避けて頂きたいですね」
長門「心配しなくても、10億円が手に入るようなことは起こらない」
キョン「なんでだ?長門」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:08:04.93 ID:BRvkoSKK0
長門「涼宮ハルヒは、口では何でも叶うと言ったが、
おそらく叶うのは人間関係、特に恋愛に関しての願いだけと思われる」
キョン「何故だ?」
長門「…そこまでは私は理解できない」
古泉「なるほど、今回の七夕で彼女が願うのは恋愛関係のことなのでしょう。
だから、先程あなたに好きな娘の名前でも書けと言ったんでしょう」
みくる「あぁ〜そういうことだったんですねぇ」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:17:08.55 ID:BRvkoSKK0
キョン「はぁ、そういうことかよ。恋愛成就ねぇ、こりゃ滅多なこと書けねぇな」
みくる「ほんとですぅ」(このチャンスを使えば鶴屋さんとレズHできるかも)
古泉「とりあえず、気がついてないフリをして、家内安全とでも、僕は書きますよ」
(鶴屋たんとついに結ばれるチャンスが来ましたね)
長門「……」(つるぴーとぺ二パンセックスができるチャンス)
キョン「まっ叶わないにしても、10億くれって書いとくか」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:36:16.56 ID:BRvkoSKK0
鶴屋「やぁやぁただいまー」
ハルヒ「みんな、願い事ちゃんと考えたー?さぁ気合い入れて書くわよ!」
〜5分後〜
ハルヒ「みんな書いたわね?一人づつ検閲するから見せなさい」
キョン「お前なぁ」
ハルヒ「まずはみくるちゃんね。…おいしいお茶がいれたいです。か、
かわいいじゃない」
みくる「そんなぁ。恥ずかしいですぅ」
(鶴屋さんに、私の汗とおしっこブレンド茶を飲んでほしい)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:37:13.91 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「次は有希ね。注入?何これ」
長門「…元気を注入」(つるぴーにぺ二パンを注入)
ハルヒ「まぁ、なんとなく分かったわ。ええと古泉君は家内安全か…」
古泉「ええ」ニコッ(鶴屋たん。僕の家内になってぇ)
ハルヒ「鶴屋さんは商売繁盛ね」
鶴屋「そうそう。この笹に吊るせば間違いナシッ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:39:13.41 ID:BRvkoSKK0
みくる・長門・古泉(かわいいよう)キュンキュン
ハルヒ「最後はキョンね。何よこれ、10億円よこせ?バカじゃないの」
キョン「いいだろ別に」
ハルヒ「好きな女の名前でも書けばいいじゃない。まだ紙残ってるわよ」
キョン「なんでこんなところで、好きな女の名前を発表せんといけないんだよ」
鶴屋「あっれ〜?その言い方は好きな子はいるけど…みたいな言い方だね〜」
ハルヒ(そういえばそうだわ。気になるよう)
キョン「ハルヒ。お前、睨みつけんなよ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:00:34.29 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「まぁいいわ。さぁみんな!短冊を吊るすわよ」
キョン「おい、お前はなんて書いたんだよ?」
ハルヒ「アタシはこれよ!SOS団世界が世界に旋風を巻き起こしますように」
キョン「はぁ〜」
ハルヒ「なに溜息ついてんのよ」
〜5分後〜
ハルヒ「ま、こんなもんね。じゃあ鶴ちゃんの持ってきた、お菓子と
ジュースでパーティしましょう!」
全員「かんぱーい」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:05:45.75 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ「はぁ、楽しかったわね。じゃあそろそろ帰りましょうか」・
キョン「そうだな」
鶴屋「よしっ!帰ろー。あれ?3人は帰らないのかい」
古泉「僕はもう少し残りますよ。どうぞお先に帰って下さい」
みくる「私も片付けがあるので残ります。さよならぁ」
長門「本の続きを読みたいから残る」
キョン「そうか…じゃあまた明日な」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:12:40.80 ID:BRvkoSKK0
バタン
古泉「それにしても、この3人が残るなんて珍しいですね」
みくる「ほんと、そうですね」(早く帰ってよ。短冊を吊るして鶴屋さんとのHを叶えたいのに)
長門「…古泉一樹と朝比奈みくる。その隠している短冊は何?」
古泉・みくる「!!!」
長門「見せられないもの?」
みくる「長門さんだって、隠れて短冊もう一枚書いてたじゃないですか。
私見てたんですよ!」
長門「…そう」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:21:54.95 ID:BRvkoSKK0
古泉「ふふ、どうやらここにいる全員、恋愛関係の願いを成就させたいようですね」
みくる「そっそんな私は…」
長門「今更、取り繕うとしても無駄」
みくる「うう…」
古泉「どうでしょう。同じSOS団のメンバーです。ここは短冊を見せ合って、
我々の恋の暴露大会といきませんか?」
長門「私はかまわない」
みくる「そうですね…このままじゃ、どうしようもないですし」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:28:18.54 ID:BRvkoSKK0
古泉「じゃあせーので行きますよ」
みくる「はい」ドキドキ
長門「…」コクリ
古泉「せーの!」バッ
‐鶴屋さんが僕の恋人になりますように‐
‐鶴屋さんとイチャラブHがしたいです‐
‐鶴屋とぺ二パンを交互で使い。絶頂‐
古泉「…これは」
みくる「ひぇぇ」
長門「チッ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:05:35.05 ID:BRvkoSKK0
古泉「これは予想外でしたよ。3人とも鶴屋さんのことが好きなんて」
みくる「わっ私は鶴屋さんと一番仲良しで…一番好きなんですぅ」
長門「彼女はとても慈悲深い。頭の弱いあなたをみて、憐れんで優しくしているだけ」
みくる「きぃぃぃ!いくらなんでもひどいです。それなら太陽のように明るい
鶴屋さんが、長門さんみたいなジメジメ暗い人と仲良くなるわけないじゃないですか」
長門「本性を表した。…醜い」
古泉「まぁまぁお二人とも、落ち着いて。それにお二人は女性でしょう?
鶴屋さんとはもともと、恋愛関係にはなれないではないですか」
みくる「鶴屋さんみたいな美しい人が、男みたいな獣を好きになるわけ無いじゃないですか」
長門「その点は同意。特に古泉一樹、あなたみたいな男は、彼女にとっては
寄生虫みたいなもの」
古泉「な、何ですって!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:39:32.80 ID:BRvkoSKK0
長門「とにかく、私は短冊を吊るさせてもらう」
みくる「ちょっと待って下さい。吊るすのは私のだけですぅ」
古泉「いい加減目を覚ましなさい!鶴屋さんは男と結婚するのが幸せなのです」
長門「うるさい」ビリッ
古泉「あぁ!人の短冊破るなんて最低ですよ」ビリビリ
みくる「ふふ、今のうち」
長門「何をしている」グシャ
みくる「ふぇぇぇ!ヒドイですう」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:57:38.34 ID:BRvkoSKK0
誰も来ないが完結させたいからゆっくり続ける!
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:04:24.04 ID:BRvkoSKK0
古泉「この性悪宇宙人!」
長門「このインチキ臭いオカマ男!」
みくる「ぶん殴ってやるぅ!」
みくるが振り上げた手が、笹に引っかかったその瞬間、一枚の短冊が、
ひらりと三人の足下に落ちた。
古泉「ちょっと待って下さい。…これは」
みくる「鶴屋さんの字ですね。もう一枚書いてたんだ」
‐SOS団のみんなといつまでも仲良くしたいにょろ。恥ずかしいからこれを
見つけた人は内緒にしててほしいっさ‐
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:16:38.72 ID:BRvkoSKK0
3人「…」
みくる「そういえば、鶴屋さんが一度話してくれたことがあるんです。
鶴屋さん、お金持ちでしょう?それだけで色々妬まれたりして、いじめまではいかないんですけど、
友達が欲しくても、距離を置かれたりしてたらしいんです」
古泉「しかもあの美しい容姿で、文武両道ときてますからね」
長門「男からはチヤホヤされることもあるが、下心が見えすぎて嫌気がさしているよう。
以前、サッカー部の男子から、馴れ馴れしくされているのを見たが、
普段の彼女からは、想像もつかないような嫌そうな顔をしていた」
みくる「そんな時に、SOS団の皆さんと野球を一緒にやって、
本当に楽しかったって、鶴屋さんは教えてくれたんです。
それなのに、わたし、わたしはぁ」グスッ
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:25:34.05 ID:BRvkoSKK0
古泉「…何をやってるんでしょうね僕たちは。鶴屋さんは、みんなと仲良くしたいって
望んでるのに)
長門「自分で自分が恥ずかしい」
みくる「あの…仲直りしませんか?鶴屋さんのため、私たちの為にも」
古泉「勿論。でも鶴屋さんを好きな気持ちは変わりませんよ」
長門「私も」
みくる「ふふ、多分3人とも片想いですけどね…」
3人は固く握手を交わした。
古泉「じゃあ、帰りましょうか」
アハハ ウフフ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:35:02.83 ID:BRvkoSKK0
ハルヒ(はぁ、あの三人ようやく帰ったわね)
キョン達と別れた後、ハルヒは学校に戻っていたのだ。
ハルヒは誰もいなくなった団室に入る。
ハルヒ(キョン好きな人がいるのかぁ。アタシだったらいいのになぁ)
ハルヒはそう思いながら、一枚の短冊を取り出す。その短冊にはこう書かれていた。
‐〇〇(キョンの本名)が私のことを好きでありますように‐
ハルヒ(明日の朝一番で、外せばばれないよね)
その時だった。部室のドアが開いた。
ハルヒ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:41:42.78 ID:BRvkoSKK0
キョン「おい、何でお前がここにいるんだよ?」
ハルヒ「キッキョン?アンタこそなんでこんな所に」
キョン「いや、俺は何となく…それよりお前、何か今隠さなかったか?」
ハルヒ「べっ別に。アンタこそ胸ポケットに短冊入れてどうしたのよ」
キョン「うっ…これは」
ハルヒ「10億欲しいとか嘘なんでしょ。それに書いてるのがホントの願い?
見せてよ!」
キョン「…お前の隠したものを見せてくれたらいいぞ」
ハルヒ「…いいわよ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:49:55.28 ID:BRvkoSKK0
キョン「ほら、早く見せろよ」
ハルヒ「…笑わないでよ」
ハルヒの夕日に照らされた顔は、真っ赤に染まっていた。
キョン「なんだよ。お前も短冊か…なになに」
短冊を読んでいたキョンの表情が、呆気にとられたような顔になる。
キョン「…」
ハルヒ「何か…いいなさいよ」
その瞬間、キョンはクックッと笑いだした。
ハルヒ「何がおかしいのよ?ひどい、ひどいよう」ポロポロ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 22:57:03.39 ID:BRvkoSKK0
キョン「おい、泣くなよハルヒ。笑ったのはすまなかった」
ハルヒ「いいわよ。どうせそんな事だろうと思った。アンタには好きな人が
いるんだもんね」
キョン「ああ、その人のことを短冊に書いたんだが…こんな笹に吊るさなくても
願いが叶うかもしれない」
ハルヒ「見せなさいよ」
ハルヒは泣きながら、キョンの胸ポケットから短冊を奪う。
ハルヒ「誰のこと…みくるちゃん?有希?」
短冊を読んだハルヒの目から、涙がさらに溢れだした。
‐ハルヒのそばにいつまでもいられたらいいと思う‐
ハルヒ「なんで短冊まで、こんなまどろっこしい言い方なのよ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 23:12:11.85 ID:BRvkoSKK0
キョン「俺の願い、叶いそうかな?」
ハルヒ「多分、叶うわ…いえ絶対叶うわ」
キョン「…ハルヒ」
ハルヒ「早く、態度で示しなさいよ」
キョンがハルヒに近づいて、二人は見つめ合う。
ハルヒの涙を、親指でキョンが拭った。
ハルヒ「今度は、夢じゃないよね」
二人は夕日の中で、唇を重ねるだけのキスをした。
ハルヒ「遠慮…しないでよ」
もう一度唇を重ねる、今度は舌をからめる情熱的なキスだ。
ハルヒ「んはぁ。キョン…」
その時二人は、あまりに夢中になりすぎていて、
ドアが開いていることにも気づいていなかった。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 23:24:59.21 ID:BRvkoSKK0
鶴屋「キョン君…ハルにゃん」
その声に、ようやくキスに夢中になっていた二人が気付いた。
ハルヒ「あっ鶴屋さん!あのっこれは。その」
鶴屋「あっははー。何かごめんねぇ。二人の邪魔しちゃったねぇ、あの、
とにかく帰るっさー。バイバーイ」
そういうと鶴屋は、ドアを大きな音で閉め、廊下を全力で走っていった。
キョン「ちょっと鶴屋さん。そんな急がなくても」
キョンが呼びとめようとする声が聞こえたが、鶴屋は振り返らなかった。
鶴屋「うっぅぅ。馬鹿みたい」
だいぶ走った後、立ち止まると。思わず声と涙がこぼれた。
鶴屋の手には、一枚の短冊が、クシャクシャになって握られていた。
‐キョン君と、休みの日に手をつないでクレープが食べたい!‐
楽しそうな自分の文字を見ると。さらに鶴屋の目からは涙が溢れた。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 23:58:31.91 ID:BRvkoSKK0
鶴屋「うっうぅ。なんでキョン君のこと好きになっちゃたんだろう?」
鶴屋が学校を出ようとしたその時だった。
用務員「おいっそこのお前何やってんだ!もうとっくに下校時刻過ぎてるんだぞ!」
50手前の脂ぎった顔と、下品な声。用務員の下衆田だ。何人もの女子生徒が、
セクハラまがいの言葉を投げかけられたりして、かなり評判が悪い。
下衆田「おいっ。お前、下校時刻も守れねぇのか?」
鶴屋「…すいませんでした」
下衆田「なんか反省してるようには聞こえねぇなぁ。ちょっと部屋にこい!」
下衆田が無理矢理、鶴屋の手を引く。
鶴屋「止めてください!お願いですから」
下衆田「うるせぇ。お前みたいなうるさそうな小娘は、一発オメコでも喰らわせねぇと
わからねぇんだ。可愛い顔してるし、胸も大きそうだな。グフフ。誰かにチクッたら殺すぞ」
鶴屋(武術使いたいのに、怖くて力がはいらないよぅ)
「たすけてぇ、助けてキョン君」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:14:47.02 ID:mNp+CJ5d0
その時だった。下衆田の後頭部から、ゴツンという鈍い音が聞こえた。
下衆田「ぐっううう」
下衆田は頭を抱えてうずくまる。鶴屋が振りかえると、キョンが拳を痛そうにして、
息を吹きかけていた。
鶴屋「キョン君?」
キョン「大丈夫ですか鶴屋さん」
うずくまっている下衆田に、ハルヒが何か囁いている。
ハルヒ「このこと誰かにチクッたら、さっきのアンタの言ったこと、学校中にバラすわよ」
そのまま3人は学校の外へ飛び出した。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:19:56.89 ID:mNp+CJ5d0
〜公園〜
キョン「鶴屋さん。もう大丈夫ですから泣きやんでください」
鶴屋「うん。安心したら涙がまた出てきちゃって、お姉さん恥ずかしいっさ」
ハルヒ「キョン。ちょっとジュースでも買ってきて」
キョン「今かよ、まぁ何か飲んだ方がいいかもな」
キョンが離れた後、鶴屋が口を開いた。
鶴屋「ハルにゃんごめんね。二人の時間を邪魔しちゃって…」
ハルヒ「鶴屋さん。これ落としてたわよ」
そういうとハルヒは、クシャクシャになった鶴屋の短冊を手渡した。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:28:07.71 ID:mNp+CJ5d0
鶴屋「…読んだ?」
ハルヒ「ええ」
鶴屋「心配しないで。アタシは二人の邪魔なんかしないから」
ハルヒ「当たり前じゃない。キョンはアタシにベタ惚れなんだから」
鶴屋「うん。羨ましい」
ハルヒ「でも、残念なことに、今日は七夕なのよね。一年に一度くらい、
人の願いを叶えるのも悪くないわ」
鶴屋「ハルにゃん?」
キョン「ジュース買って来たぞ」
ハルヒ「あぁ、キョン。ちょっとアタシ用事があるから先に帰るわ。
鶴屋さんをちゃんとアンタが送ってあげるのよ」
キョン「それはいいけど…」
ハルヒ「あっあと、鶴屋さん甘いもの食べたいらしいから、駅前通りのXXって
クレープ屋にでも行って奢りなさい!あそこならまだ開いてるわ。じゃあね」
そういうとハルヒは、走り去っていった。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 00:43:56.55 ID:mNp+CJ5d0
キョン「なんだ、アイツ?」
鶴屋「…」(ありがとう。ハルにゃん)
キョン「じゃあジュース飲んだら、クレープ屋に行きましょうか」
二人ベがンチでジュースを飲み終えると、キョンの手を鶴屋が強く握った。
鶴屋「…今日だけ」
キョンは何も言わず、もっと強い力で手を握り返した。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:02:33.60 ID:mNp+CJ5d0
鶴屋「こうして歩いてると、恋人同士に見えてるよね」
キョン「ええ、俺にはもったいない位です」
鶴屋「ふふ、めがっさ嬉しいよ。何クレープにしようかなぁ」
店員「いらっしゃいませー」
鶴屋「キョン君。先に選んで」
キョン「じゃあ俺はこれで」
鶴屋「じゃあアタシも同じのでっ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:19:57.86 ID:mNp+CJ5d0
〜5年後・7月7日〜
キョン「じゃあハルヒ、行ってくるわ」
ハルヒ「鼻の下伸ばすんじゃないわよ。いくら綺麗だからって」
キョン「それは保障できないな」
ハルヒ「バカ。さっさと行きなさい」
キョン「ああ、行ってくるよ」
待ち合わせの場所に、キョンが着くと。見覚えのある長い髪の後ろ姿が見えた。
キョン「鶴屋さん!」
振りかえったその姿は、誰もがみとれてしまうような、
凛々しくて美しい大人の女性だった。
鶴屋「やぁ、彦星くん。一年ぶりだね」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:31:48.72 ID:mNp+CJ5d0
二人は当たり前のように手を繋ぐと、あの時のクレープ屋へ向かう。
そして当たり前のように、あの時と同じクレープを二人とも買った。
公園のベンチでクレープを食べながら、二人は空を見上げていた。
鶴屋「キョン君。アタシね、あと半年くらいしたら、アメリカに経営の勉強
しに行くことにしたよ。いつこっち戻るか分からないから…
今年でこの七夕デートも終り」
キョン「そうなんですか…残念です」
鶴屋「でも、ハルにゃんと結婚するような時には教えてね!
アタシもなにかしらお祝いしたいから」
キョン「わかりました」
鶴屋「…ねぇキョン君」
キョン「なんですか?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:46:08.51 ID:mNp+CJ5d0
鶴屋「今日で最期なんだからさ、アタシを抱いてくれないかな?」
キョン「…それは、出来ないです」
鶴屋「ふふ、そういうと思ったよ。さすがアタシとハルにゃんが惚れた男。
すごく嬉しくて…すごい寂しい」
キョン「すいません」
鶴屋「アメリカでめっちゃいいオトコ見つけてくるからね。嫉妬してもしらないよ〜」
キョン「これでも一応、彦星ですからね。そうなったら嫉妬はしますよ」
鶴屋「嬉しいこと言ってくれるね。じゃあそろそろお別れしようか」
キョン「あっ送っていきますよ」
鶴屋「いいの、いいの。今日は一人で帰りたい気分さ」
キョン「鶴屋さん。また会えますよね?」
鶴屋「うん、じゃあ彦星君。一旦さようなら」
キョン「…はい」
鶴屋が街の方へと、消えていく姿をキョンは見ていた。
車のライトの群れになじんでいく彼女の後ろ姿は、
天の川を渡る織姫のようだと、キョンは思った。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:47:50.78 ID:mNp+CJ5d0
おしまいです
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:59:59.45 ID:mNp+CJ5d0
あんま人こなかったなぁ。支援してくれた人ありがとう
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 10:41:16.88 ID:mNp+CJ5d0
おまけ
鶴屋「ここがアメリカかぁ〜。さすがに空港は外人さんばっかりにょろ」
古泉・みくる・長戸「ウェルカムトゥーザ・ユナイテッド・ステイツ・アメリカ!」
鶴屋「みくる?一樹君?有希っこ?」
みくる「来ちゃいました」テヘッ
古泉「ホントは新婚旅行で来ようと思ってたのですが」ンフッ
長門「…貴女の為に来た」ポッ
鶴屋「はは、賑やかになりそうにょろ。それでは一同レッツゴー!」
おしまい