涼宮ハルヒの聖夜


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:灰原(アガサ)「あっ///イくっ、博士えええぇぇ!!」シコシコ

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1 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 09:31:26 ID:Kvr0I3NI0

期末試験が終わり、2学期もあと一週間で終わる……

ハルヒ「キョン、すっかり忘れてたわ。もうこんな時期だってのに」

キョン「何を?」

ハルヒ「バカねえ、もうすぐクリスマスよ? 彼女とデートの予定とか無いの?」

キョン「ないけど?」

ハルヒ「そう。それは良かったわ。終業式の夜は部室に集合!」

一同「?」

ハルヒ「SOS団クリスマスパーティーをやるわよ!!」

キョン「ハア?」

ハルヒ「ハア、じゃないでしょ! 一年に一度のことなんだから、パーッといきましょ!」

(みんな白け気味)

ハルヒ「キョン、あんたは買い出しとか飾り付けとかね!」

キョン「何で俺がそんなことしなきゃならん」

ハルヒ「何? 雑用係の分際で団長の誘いを断る気!?」

キョン「お前が言い出したんだからお前がやるのが筋ってもんだ」

古泉「もっともですね」

ハルヒ「わ、わかったわよ。じゃあ、12月24日17時集合でいいわね?
各自、プレゼントも忘れないこと! 遅れたら罰金よ!」

みくる「た、楽しみですね」

長門「……」

キョン「やれやれ」

2 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 09:43:19 ID:Kvr0I3NI0

12月23日……

ハルヒ「みんなには早く帰ってもらったし、部室の使用許可は取れたし、
明日のパーティーに備えて掃除、掃除っと。まあ、準備を自分一人でやるのも悪くないかな。
思い出作りに」

ハルヒ「フンフンフン、フンフンフン、フンフンフンフフン……(鼻歌でジングルベル)」

マスク、エプロンをつけ、ほうき、ハタキをかけるハルヒ。

ハルヒ「わっ、すごい埃! ここ大掃除やってないのかしら」

次は飾り付け。

ハルヒ「よいしょ、よいしょっと……飾り付けくらいキョンに手伝ってもらっても良かったかな」

ハルヒ「みんなびっくりするかな。全部一人でやったの!? って。ふふふ……」

3 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 09:51:04 ID:Kvr0I3NI0

ハルヒ「ふーっ、やっと終わった。あとは招待状を書くだけね」

コンピ研部長「何、パソコン貸せ?」

ハルヒ「そうよ。神聖な目的のためよ」

コンピ研部長「……ああ、いいよ。(断るとまためんどくさそうだし)」

ハルヒ「原画をスキャナで取り込んで、印刷、印刷っと……」

『メリークリスマス SOS団クリスマスパーティー開催! ぜひ来て下さい 待ってます』

ハルヒ「来なさい、じゃ悪いもんね」

あっという間に放課後になった。

ハルヒ「さてと、みんな帰ったところで……」

招待客の机の中に招待状を入れるハルヒ。

ハルヒ「さて、最後はキョン……」

キョンの招待状にだけ、こう書き加えておいた。
『PS. 妹さんも連れてきなさい!』

ハルヒ「これでバッチリね! メリークリスマス!」

4 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 10:04:48 ID:Kvr0I3NI0

そして、翌日、終業式終了後……
キョン「あれ?」

部室のドアには、ハルヒの字で殴り書きの張り紙がしてあった。
『立入禁止、入ったら殺すわよ!! SOS団団長』

キョン「あいつ本気かよ」

長門「……本気みたい」

みくる「が、がんばってるようですね」

古泉「まあ、ここは好きにさせといてあげましょう」

キョン「そうだな。てっきり、買い出ししてこいって言われたらやだなって思ったけど、
なぜか言われなかったし。今夜は雨、いや雪かな」

長門「……それってホワイトクリスマス」

みくる「わーっ、素敵ですね」

古泉「僕なんか経験ありませんからね。それっていいかも」

キョン「あ、そうそう、俺の机の中に、パーティーの招待状が入ってたんだけど……
みんな来てた?」

一同頷く。

長門「……相当本気」

みくる「大変でしょうねえ」

古泉「他の人も呼んでるんでしょうかね? 鶴屋さんとか」

キョン「ま、いいけどさ」

5 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 10:29:09 ID:Kvr0I3NI0

夕刻……

ケーキ屋「はい、できてますよ」

ハルヒ「ありがと」

特注のクリスマスケーキを持って、ハルヒは学校へと向かった。

もしかしたら、みんなもう来てるかも知れない。

ウキウキしながらハルヒは部室のドアを開けた。

しかし、誰もいなかった。

ハルヒ「……ま、いっか。そのうちみんな来るって」

ピザ屋「涼宮さーん、ピザお届けに上がりました!」

ハルヒ「あ、ご苦労さん」

ピザ屋「ピザとチキンとドリンクですね、3500円になります。いやー、今日は立て込んでましてねー」

時計は集合時間の17時を回った。

ハルヒ「……」

誰も来ない。

6 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 10:42:53 ID:Kvr0I3NI0

同刻、キョンのクラスメートの家にて、パーティーが開かれていた。
そこにキョン、古泉、長門、キョンの妹が出席していた。

谷口「クリスマスの招待状、こいつは傑作だぜ。ハハハ」

国木田「あいつ、元からおかしいけど余計おかしくなったんじゃないの? それで、
お前ら行くのか。こっちと掛け持ちで」

古泉「まさか」

キョン「フン、ヘドが出る!」

キョンの妹「キョンくん、言いすぎ」

長門「……」

古泉「(僕はこんな涼宮さんを見たいんじゃありません)」

キョン「(ハルヒ、この頃どうしちまったんだ。お前らしくもない、何がクリスマスだ!)」

キョンの妹「(ハルにゃん、どうしちゃったの?)」

長門「(……違う、こんなの違う)」

7 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 10:54:21 ID:Kvr0I3NI0

別の場所で、みくる、鶴屋も出席してパーティーが開かれていた。

女友達「行かないでいいの? 招待状もらってるんでしょ」

みくる「あ、こっちの方が先約だから……」

鶴屋「学校行ってケーキを食べるってのも変にょろ」

女生徒「あははっ、涼宮ハルヒなんて、やめやめ〜!!」

みくる「(涼宮さん、あなたはわからないんですか?)」

鶴屋「(私らはそんな堕落したあなたを許せないにょろ)」

8 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 11:07:18 ID:Kvr0I3NI0

部室。
時計の音がチッチッチッとだけする。

ハルヒ「……」

飾り付けの中に、ハルヒ一人だけ。

ハルヒ「……」

『キョン』『朝比奈みくる』『長門有希』『古泉一樹』『鶴屋さん』『キョンの妹』……
テーブルにネームプレートが置かれた後ろの椅子は、空席のまま。

♪ピロリリリ……
携帯が鳴った。

ハルヒ「……鶴屋さん!」

鶴屋メール『今年あなたは何をやったの? 実績上げた?パーティーはそれからでも遅くはないにょろ』

ハルヒ「……」

その後も、欠席を告げるメールが次々届く。

みくるメール『ごめんなさい、やっぱり行けません』

古泉メール『メリークリスマス、そんな言葉はあなたには無用です』

キョンメール『悪いが行けない。妹も無理だ』

9 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 11:20:13 ID:Kvr0I3NI0

ハルヒ「……どうして……」

ネームプレートを一枚、また一枚と破っていく。
長門のを破ろうとした時だった。

ハルヒ「……有希は、まだ来ないってメールよこしてないし……もしかしたら……」

その時、携帯が鳴った。長門からのメールだった。

長門メール『残念、行けない』

いちるの望みは完全に絶たれた。

ハルヒ「……みんなの手前、来れないんだ。自分だけ抜け駆けしたと思われないために。だから
来ないんだ」

時計は既に10時を回っていた。

ハルヒ「結局、誰も来なかったと言うわけ!」

朝倉(うふふふ、それは当たり前よ)
ハルヒ「!?」

10 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 11:29:28 ID:Kvr0I3NI0

朝倉(クリスマスは人間同士でやるものよ。あなたはこれだけの支度をして待っていた。
でも誰も来なかった。それはあなたが人間じゃないことを知っていたからよ)

ハルヒ「ち、違う……!!」

朝倉(何ならどう? 人間じゃないもの同士、いっしょにやらない? メリークリスマス!
あっはっはっはっは!!)

ハルヒ「誰が、誰があんたなんかと!!」

朝倉(さあ、人の手を借りなければ何もできない非人間のために乾杯! あっはっはっはっは!)

ハルヒ「誰があんたなんかと!!」

ハルヒは椅子を壁に投げつけた。いるはずのない朝倉の声がまだ響いてくる。

朝倉(さあ、私と一緒に乾杯! あっはっはっはっは!)

ハルヒ「こんなもの!! こんなもの!!」

次々と飾り付けを壊し始めるハルヒ。

朝倉(メリークリスマス! あっはっはっはっは!)

ハルヒ「誰があんたなんかとー!!」

ケーキを投げつけた。潰れてぐちゃぐちゃになった。

ハルヒ「こんなものー!!」

クリスマスツリーを壁に叩き付けた。

11 名前:にょろーん名無しさん[] 投稿日:2010/06/20(日) 11:37:55 ID:Kvr0I3NI0

ハルヒ「……あんたなんか、あんたなんか殺してやる!! 殺してやるから!!」

部屋の中はメチャクチャになっていた。食べ物は全部ぶちまけられ、椅子もテーブルもひっくり返っていた。

ハルヒ「……ううっ、ぐやじ〜い……こんな、こんなことって……私は人間よ、人間なのよ……」

外は雪が降っていた。
聖なる夜は更けていく……。

HAPPY X'MAS!!

12 名前:にょろーん名無しさん[age] 投稿日:2010/06/20(日) 11:40:35 ID:Kvr0I3NI0

以上です。
夏にどうしてクリスマスの話? と思われた方、たまたまこれを見てしまったもので……
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm9033179
元ネタ、わかった人も多いでしょうね。
もっと面白く書いて下さる方、よろしくお願いします。



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