4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:00:01.55 ID:VFb1WieHP
長門「官能小説」
キョン「は?」
長門「官能小説」
長門「できた」
長門「読んで」
キョン「どれ」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:01:52.65 ID:VFb1WieHP
「あっ!ダメぇ!太い!太すぎるよぉ!」
「気持ちいいいいい!イク!イッちゃうよぉぉぉ!!」プッシャアアアア
キョン「……」
長門「どう?」
キョン「どうかな…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:03:49.40 ID:VFb1WieHP
長門「ダメ?」
キョン「うーーんそうだな…これじゃちょっと…」
長門「……」シューン
キョン「これは官能小説ってよりエロSSだよな」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:07:13.59 ID:VFb1WieHP
長門「SS?」
キョン「ああ。まあつまり…登場人物に台本みたいにしゃべらせてるだけってこと」
長門「何が足りない?」
キョン「そうだな…小説なんて書いたことないから偉そうなことは言えんが」
キョン「やっぱりあれじゃないか。セリフよりも情景描写とか心情描写とかが大事なんじゃないか」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:13:41.21 ID:VFb1WieHP
長門「情景描写とは」
キョン「えーと…その、なんて言うのかな。その時起こっていることをナレーションっぽく書くことだ」
キョン「心情描写はその時の人物が思っていることを書くことで、二人称で書く場合と三人称で書く場合があるな」
長門「どんな風に?」
キョン「だからほら、例えばこのシーンだったらさ」
キョン「彼女は私の耳に熱く甘い息を撫でるように吐きかけたのである…みたいな」
キョン「って言わせんな恥ずかしい」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:17:56.35 ID:VFb1WieHP
長門「なるほど…」
キョン「やっぱりそういうのがないと内容が伝わってこないよな。エロさも」
長門「難しい」
キョン「長門はいつも小説読んでるだろ? あんな感じで書けばいいんだよ」
長門「覚えてない」
キョン「……」
長門「もう一度書いてみる」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:19:11.23 ID:VFb1WieHP
長門「……」
長門「……」プルプル
長門「……」ガリガリガリ
長門「…か…書けない…」
キョン「おいおい…あんま無理すんなよ…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:30:26.60 ID:VFb1WieHP
長門「できた」
キョン「どれ」
彼は私の胸を触った。触った後、揉みしだいた。
彼は私の恥部に指を入れた。入れた指をかき混ぜた。そして男性器を入れた。
「あっ!ダメぇ!太い!太すぎるよぉ!」
私は叫んだ。彼はピストン運動を開始した。
何回もピストンした。気持ち良さそうな顔をした。
「気持ちいいいいい!イク!イッちゃうよぉぉぉ!!」プッシャアアアア
私は絶叫してイッた。彼女は私の耳に熱く甘い息を撫でるように吐きかけたのである。
キョン「……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:32:09.14 ID:VFb1WieHP
長門「情景描写を入れた」
キョン「いや…っていうか俺が言った文章そのまま入ってるじゃねえか」
長門「あなたの意見を採用してあげた」
長門「どう?」
キョン「そ、そうだな…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:35:28.20 ID:VFb1WieHP
キョン「あのな…これはなんていうか…長門、こういのは情景描写って言わないと思うぞ」
キョン「これじゃまるで小学生の作文だ」
長門「!!」
長門「……」プルプルプル
長門「…どういうこと」
キョン「つまり…『た』を使いすぎっていうか…動作ばっかり表しても意味がないんだよ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:38:50.60 ID:VFb1WieHP
キョン「ほら、よくあるだろ?」
キョン「僕はA君と雪合戦をしました。僕はA君に雪玉を投げました」
キョン「A君も僕に雪玉を投げました。僕はまたA君に雪玉を投げました…みたいな」
キョン「あんな感じだな」
長門「……違う」
キョン「え?」
長門「なんでもない」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:41:02.94 ID:VFb1WieHP
キョン「あと…セリフも稚拙だな」
長門「!!」
長門「せ…セリフも…」
キョン「ああ。もっとさ、小説らしく高尚な感じにした方がいいと思うぞ」
キョン「なんか間抜けな感じがする」
長門「!!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:43:41.86 ID:VFb1WieHP
長門「で、でも」
長門「そのセリフを変えてしまってはこの小説は『この小説』ではなくなってしまう」
キョン「そ、そうか?…うーん、そんなこと言うほどのものでもないと思うが」
長門「……今日家に帰ってもう一度書いてくる」
長門「明日もう一度あなたに見てほしい」
キョン「わかった。いいぜ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:45:44.63 ID:VFb1WieHP
─────
長門「…フーッ…フーッ…」
長門「はあっ、はあっ…」
長門「……」
長門「……!!」カキカキカキ
長門「……」ニヤッ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:47:58.90 ID:VFb1WieHP
─────
キーンコーンカーンコーン
長門「書いてきた」
長門「読んで」
キョン「おう。どれどれ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:52:09.39 ID:VFb1WieHP
彼は私の胸をゆっくりと、まったりと触った。触った後で、揉みしだいたのである。
そして、彼は私の恥部に指を入れる。入れた指を、まるで電動ミキサーかのようにかき混ぜた。そして男性器を入れる。
「あっ!ダメぇ!太い!太すぎるよぉ!」
私は叫びました。彼はピストン運動を開始します。
何回もピストンして、彼はとても満足そうな顔をしました。
「気持ちいいいいい!イク!イッちゃうよぉぉぉ!!」プッシャアアアア
私は絶叫して絶頂をむかえた。彼女は私の耳に熱く甘い息を撫でるように吐きかけたのである。
キョン「……」
長門「どう…?」ドキドキ
キョン「そうだな…」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:53:20.47 ID:VFb1WieHP
キョン「はっきり言うと…」
長門「……」ゴクリ
キョン「あんまり変わってないな」
長門「!!」
キョン「ていうか悪化したかも…」
長門「!!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:55:55.04 ID:VFb1WieHP
長門「そ、そんなはずはない」
キョン「長門的にはどんなこと意識して書いたんだ?」
長門「『た』を減らした。あと、比喩を取り入れた」
キョン「あー…」
長門「そしてここ。絶叫して絶頂をむかえた。韻を踏んだ」
キョン「……」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 06:58:15.87 ID:VFb1WieHP
キョン「あのな…」
キョン「昨日は言い方悪かったな。『た』を減らすのが重要なんじゃなくて、動作を繰り返して書くのがダメなんだよ」
キョン「これあきらかに語尾おかしいだろ? 自分で何も感じなかったのか?」
長門「……」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 07:01:12.03 ID:VFb1WieHP
キョン「あと、いきなり丁寧語になるのもおかしいし、最後にいきなり男目線に変わるのも変だ」
キョン「あとこのプッシャアアアアアアってのいらない。効果音はつけたらダメなんだよ小説は。文章で書かなきゃ」
キョン「それと…この電動ミキサーって…くっ、死んじまうってそんな激しかったら…クックッ…」
長門「……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/11(金) 07:04:40.40 ID:VFb1WieHP
キョン「あとな…」
長門「もういい」バチンッ
キョン「いでっ!な、何すんだ!」
長門「あなたは勘違いしている。私の文が悪いのではなく、あなたが私の高尚な文章を理解できないだけ」
長門「あなたはもっと難しい本を読んだ方がいい」
バタン…
キョン「……」
キョン「なんなんだよ…」
終