1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 17:56:18.78 ID:v60b2pFX0
「おじゃまします」
透き通った声が玄関に響く。
二年ほど前は最も身近だった声。そして一年のブランクを経て、再び耳にすることとなった懐かしい響き。
けれど、どこか取り澄ましたような調子に、思わず口元が緩んでしまう。
「何がそんなにおかしいのだい?」
リビングへと案内する道中、嘲弄の気配を察知したのだろうか、声の主はやや不機嫌そうに眉を上げていた。
別に。お前もそんな声が出せるんだなって感心してただけさ。
「キョン、相手を賞賛するならばもっと誠実な表情をしたまえ。さもなければ、自らの罪科を正直に告白することだ」
へいへい、次はそうさせてもらうよ。どっちを選択するにしろ、またお前に叱責されそうだけどな。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 17:57:06.37 ID:v60b2pFX0
「――僕だって人並みに緊張するのだ。キミのお母様や妹君に拝謁するのも久しぶりなのだからね」
母親はともかくとして、あの妹相手に緊張するなんてMPの無駄遣いだぞ? 俺からしてみればシャミセンと同レベルの生き物なんだからな。
まあ、逆の立場だった場合を考えれば、お前の気持ちにも共感できるかもしれん。
お前の家を訪問したら、緊張のあまり水槽の金魚にだって最敬礼しちまいそうだよ。――飼っていればの話だけどな。
「ふふ、それは興味深い話だね。その姿を拝むために、水槽を買い求めてしまいそうさ」
偽悪的にゆがめられた口からは、くつくつという独特の笑い声が漏れている。
その悪戯っぽい表情はいつものこいつであり、玄関先で垣間見えた緊張など消え去っているようだった。
さて、リビングのソファに列座し、試合開始を待つばかりとなった俺たちであったが、少しばかり奇妙なことが起こった。
肩も触れ合おうかという距離にちょこんと座る親友の姿を見ていると、とあるフレーズが脳裏に浮かび上がってきたのだ。
なぜなのか自分でもわからないし、それを伝えたところでお前を混乱させるだけだろうから、口には出さないことにする。
けどよ、これまたどうしてなのか皆目見当もつかないが、それを言わなければ俺の気が済まないらしい。
だから、お前には聞こえないよう細心の注意を払って呟く事にする。頼むから聞き取らないでくれよ?
――おかえり、佐々木。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 17:58:35.32 ID:v60b2pFX0
※このスッドレは『涼宮ハルヒの分裂』に登場した僕っ娘『佐々木さん』がファイターズを応援するスレです!
※原作『涼宮ハルヒの驚愕』までのネタバレがあるかもしれません。アニメだけしか観ていない方はご注意下さい。
※話の流れは実際の試合展開に順じます。
→ テレビ朝日系列の地上波、CS「GAORA」などで視聴できます。
【主な登場人物】
・佐々木さん:北海道日本ハムファイターズファン
・キョン:読売ジャイアンツファン
■お知らせ■
・当スレの佐々木さんとキョンは、2009年日本シリーズに登場したキャラクターと同一ではありますが、
. 諸事情により(一年間の時間遡行を受け)二人で試合観戦した記憶を失い、親友という関係に戻っています。
⇒『諸事情』について知りたい方は、2010年パ・リーグ開幕カードをご参照下さい。
三回戦:ttp://www.vipss.net/haruhi/1269230814.html
※「ハルヒSSまとめサイト+α」さんより
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:03:25.55 ID:v60b2pFX0
一回表 公0−0巨 一死 P:ケッペル
坂本 捕ゴ
「先発はケッペルって奴なのか」
「そのようだ。ケッペルは中五日の登板となるが好調を維持しているからね、きっといい仕事をしてくれるはずだよ」
「そういや去年いなかったよな。今年入ってきたピッチャーなのか?」
「そうだよ。ムービングファーストボールを中心にテンポのいい投球をするのだ」
「なるほどな、さっそく坂本が抑えられちまったよ……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:05:33.12 ID:v60b2pFX0
一回表 公0−0巨 一死一塁 P:ケッペル
古城 よんたま
「お、フォアか」
「ふむ、これは困ったね……」
佐々木が神妙な顔をしている。どうかしたのか?
「最近は解消されつつあるが、ケッペルはセットポジションになると崩れる傾向があるからね」
なるほど、つけいるスキはあるってことか。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:11:07.91 ID:v60b2pFX0
一回表 公0−0巨 チェンジ P:ケッペル
小笠原 からさん
ラミレス 左安
阿部 中飛
「むぅ、小笠原は抑えてくれたが、ラミレスに打たれてしまったね……」
「さっそく先制機か。頼むぞ慎之助! ――って初球打ちで凡退かよ……」
「ふふ、ランナーは出してしまったが今日も粘り強く投げているね」
まあ、捕らえ切れない相手じゃなさそうだけどな。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:14:01.66 ID:v60b2pFX0
一回裏 公0−0巨 一死 P:内海
賢介 左飛
「そちらの先発は内海なのだね」
「まあローテ通りだな」
「昨年の日本シリーズ第二戦ではノックアウトしているからね。キョン覚悟しておくのだよ」
佐々木、その第六戦でお前のチームは内海に抑えられたんだからな……。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:18:47.60 ID:v60b2pFX0
一回裏 公0−0巨 チェンジ P:内海
森本 みのさん
稲葉 二ゴ
「むぅ……」
「あっさり抑えちまったな」
「ま、まだまだ始まったばかりなのだ。勝負はこれからだよ」
佐々木、冷静そうな台詞には感心するがな。顔を赤くして言ったら台無しだぞ。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:25:00.46 ID:v60b2pFX0
ニ回表 公0−0巨 チェンジ P:ケッペル
由伸 投ゴ
谷 中飛
李 右飛
「って、こっちもあっさりだったか……」
「ふふ、ナイスピッチングだよケッペル!」
「まだまだ、勝負はこれからだ」
「キョン、臆面もなく僕の台詞を取らないでくれたまえ……」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:32:58.06 ID:v60b2pFX0
ニ回裏 公0−0巨 二死一三塁 P:内海
ニ岡 二ゴ
信二 二飛
糸井 一失
小谷野 右安
「よし、抑えたか――おい! 何やってんだよスンヨプ!」
「糸井の打球も強かったとはいえ、これは僥倖だ。このまま流れを引き寄せたいところだね」
「まあ次の打者を抑えれば……って、内海打たれてるじゃねえか……」
「ふふ、糸井が帰ってこられなかったのは残念だが、この流れは先制できそうだ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:38:24.74 ID:v60b2pFX0
ニ回裏 公0−0巨 チェンジ P:内海
鶴岡 遊ゴ(小谷野ディレイドスチール成功)
「お、坂田師匠がスタメンか」
「キョン、彼には鶴岡慎也という立派な名前があるのだよ……」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:42:15.13 ID:v60b2pFX0
三回表 公0−1巨 一死一ニ塁 P:ケッペル
長野 二ゴ
坂本 左安
古城 二失
「よっしゃ、そっちにもエラーが出たか」
「むぅ、また賢介にエラーが出てしまったか」
「あれ? こいつって守備がいいんじゃなかったか?」
「今期はそうも言えないのだ。これでもう8つ目のエラーなのだよ」
守備のチームなのにエラーで崩れてるのか。今の順位にも納得しちまうな。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:45:39.96 ID:v60b2pFX0
三回表 公0−1巨 チェンジ P:ケッペル
小笠原 右タイムリー!
ラミレス 遊併殺
「先制点は取られてしまったが、なんとか最小失点に留めてくれたようだね」
「こっちとしてはエラー絡みで一点取れたんだ。御の字ってところだ」
「相手のミスをつけず、こちらのエラーにつけいられてしまう。悪い流れだね……」
佐々木、まだ三回なんだ。涙目になるのは早いぞ。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:49:37.61 ID:v60b2pFX0
三回裏 公0−1巨 ニ死一塁 P:内海
金子 からさん
賢介 遊安
稀哲 中飛
「うん! 賢介さすがだよ!」
「打ち取った当たりだったんだがな……」
「ふふ、汚名返上のチャンスなのだ。しっかり走ってもらわなくてはね!」
「走る前に、森本が凡退しちまったがな」
佐々木すまん。俺が悪かった。
だから涙目で睨みつけるのはやめてくれ。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:51:56.49 ID:v60b2pFX0
三回裏 公0−1巨 ニ死三塁 P:内海
稲葉 (賢介盗塁成功・遊失)
「やったやった! さすがだよ賢介!」
「まだ点を取られたわけじゃない、これからだぜ」
「♪ラーラララーラーラーラーラー」
佐々木、俺を無視してジャンプに興じないでくれ……
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:53:51.60 ID:v60b2pFX0
三回裏 公1−1巨 ニ死一二塁 P:内海
稲葉 よんたま
ニ岡 右タイムリー!
「ふむ、稲葉さんとの勝負は避けてしまったのか」
「いや、別に勝負を避けたわけじゃないと思うぞ」
「ふふ、今期のニ岡は当たっているからね! きっとタイムリーを……やったぁ!」
「おい、あっさり追いつかれてんじゃねえよ!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 18:56:52.41 ID:v60b2pFX0
三回裏 公2−1巨 ニ死一三塁 P:内海
信二 左タイムリー!(レフト悪送球)
「よし! ナイスだ信二!」
「いや、タイミング的にはクロスプレーになるぞ」
「やったぁ! 稲葉さんの力走で逆転だよっ!」
「しかも三塁まで進まれてるじゃねえか……」
「ふふ、僕のファイターズはまだまだこれからなんだからね!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:02:58.49 ID:v60b2pFX0
三回裏 公4−1巨 チェンジ P:内海
糸井 右ニタイムリー!
小谷野 中飛
「糸井も続いてくれたね! これで四点目だ!」
「どうしちまったんだよ、内海……」
「キョン、どうしたのだい? ふふ、先ほどまでの落ち着きが嘘のようだよ?」
いや、お前こそどうしたんだよ。えらくテンションが上がってたな。
「……あれ?」
佐々木、今さら顔を赤くしても手遅れだぞ……。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:05:53.27 ID:v60b2pFX0
四回表 公4−1巨 一死一塁 P:ケッペル
阿部 みのさん
由伸 よんたま
「しかし意外だな。冷静沈着を地で行くようなお前があれだけはしゃぐんだもんな」
いや佐々木、別に責めてるわけじゃないんだ。
だから、クッションに顔を埋めて足をバタバタさせなくてもいいんだぞ。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:09:25.66 ID:v60b2pFX0
四回表 公4−1巨 チェンジ P:ケッペル
谷 遊併殺
「キョン、その……笑わないで聞いて欲しい」
「…………もちろんだ」
「うぅ……、キョンのばか!」
佐々木、すまん。お前の恥ずかしがる姿があまりにおもしろかったから、
必死に笑いをこらえるような表情になったことは許して欲しい。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:20:05.72 ID:v60b2pFX0
四回裏 公4−1巨 チェンジ P:内海
鶴岡 二飛
金子 右飛
賢介 投安
稀哲 (賢介盗塁失敗)
「その……普段から僕は自分の感情を無意識的に抑えつけているらしいのだ」
伝聞調からすると、こいつにも古泉的な精神分析医が居るらしい。まあ、橘あたりだろうな。
「だから、ちょっとしたきっかけで、自分の感情を露見させてしまう……」
なるほどな、さっきは応援するチームのチャンスで喜びを爆発させたってことなのか。
「おかしいと思うだろうが、どうか笑わないでもらいたい」
いや、何にもおかしいところなんてないだろ。さっきのはしゃいでるお前もかわいかったぞ。
「キョン……」
俺の言葉をどう捉えたのだろうか。佐々木は妙に感じ入ったようにこちらを見つめていたが、
「わかったよキョン。少し恥ずかしいが、遠慮なく応援させてもらうからね!」
やれやれ、親友を相手に遠慮なんてするなよな、佐々木。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:23:08.97 ID:v60b2pFX0
四回裏 公4−1巨 二死一ニ塁 P:ケッペル
李 左飛
長野 死球
坂本 からさん
古城 死球(長野盗塁成功)
「よしよし、長野よく走った!」
「むぅ、鶴岡だって盗塁阻止率4割を超えるキャッチャーなのに……」
「なんだ、坂田師匠すごいじゃないか」
「キョン、だから鶴岡をアホ呼ばわりするのは……」
佐々木、何気にお前もひどいこと言ってるからな。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:26:06.54 ID:v60b2pFX0
五回表 公4−1巨 チェンジ P:ケッペル
小笠原 遊ゴ
「くそっ、連続タイムリーとはいかなかったか!」
「ふふ、多少球は荒れているが、それが幸いしているようだね」
まあ、狙いが絞りづらいのは認めるけどな。
デッドボールは勘弁してくれ……。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:28:18.78 ID:v60b2pFX0
五回裏 公4−1巨 一死 P:内海
稀哲 左飛
稲葉
「稀哲が凡退してしまったか。でも稲葉さんなら……」
そういや、さっきも熱心に稲葉を応援してたな。こいつが好きな選手ってのは――
「なあ、佐々木。お前の好きな選手って……」
「キョン、うるさい! 静かにして!」
佐々木、遠慮がなくなりすぎだ。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:30:51.42 ID:v60b2pFX0
五回裏 公4−1巨 一死一塁 P:内海
稲葉 遊失
「やったぁ! 稲葉さんが出塁してくれたよ!」
「っていうか、五回途中でエラー4ってなんなんだよ……」
「ふふ、これも札幌ドームの魔力なのだろうね」
佐々木、満面の笑みを浮かべるんじゃない。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:37:24.73 ID:v60b2pFX0
五回裏 公4−1巨 チェンジ P:内海
ニ岡 捕邪飛
信二 遊ゴ
「ふむ、あとが続かなかったようだね。残念だ」
「これ以上点を取られたら試合が壊れちまうからな。まずまずってところだよ」
「それでは困るよキョン。僕はまだ応援したりないのだ。二桁得点くらいしてもわらなくてはね」
それだけ点を取ったら、試合だけじゃなくてお前まで壊れそうだな。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:46:36.66 ID:v60b2pFX0
六回表 公4−1巨 チェンジ P:ケッペル
ラミレス 二ゴ
阿部 中飛
由伸 遊ゴ(金子好守!)
「ケッペルの球数が少ないな。六回終わって80ちょいかよ……」
「打たせて取るピッチングだからね。ランナーは出しているがテンポの良さは相変わらずさ」
「このままじゃ完投ペースじゃねえか。巨人がんばれよ!」
「僕としてはこの調子を維持してもらいたいところさ。まだまだ借金生活なのだからね」
そういやお前のチームはリーグ最下位なんだよな……。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:51:48.59 ID:v60b2pFX0
六回裏 公5−1巨 ニ死ニ塁 P:内海
糸井 右飛
小谷野 中安
鶴岡 投犠打
金子 中二タイムリー!
「ふふ、また得点圏にランナーを進めたね。追加点のチャンスだよっ!」
「内海だってここまで負けなしの五連勝中なんだ。そう簡単に……っておい!」
「やったぁ! さすが金子だね、点が欲しい時に打ってくれるよ!」
なあ、佐々木。お前のチームは本当に最下位なんだよな……?
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:56:23.95 ID:v60b2pFX0
六回裏 公5−1巨 ニ死一ニ塁 P:内海 → 星野真澄
賢介 よんたま
「おや、この投手は新加入の選手なのかい?」
「星野真澄か、こいつは育成枠で入団してシーズン開幕前に支配下登録された期待の新人だよ」
「ふむ、星野、真澄……。なんとも大投手になりそうな名前ではないか……」
佐々木、ベタなネタにはつっこまないからな……。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:00:39.63 ID:v60b2pFX0
六回裏 公7−1巨 チェンジ P:星野真澄
稀哲 三タイムリー!
稲葉 二ゴ(古城好守!)
「あははっ! やったね稀哲! これでダメ押しだよっ!」
「しかも次は稲葉かよ……」
「キョン、札幌ドームの稲葉ジャンプをよく見ておくのだよ。せーの! ――ってああっ!」
「ふぅ……、危ない当たりだったが抑えてくれたか」
「むぅ……」
おい、さっきまでのハイテンションはどうした。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:05:50.32 ID:v60b2pFX0
七回表 公7−1巨 チェンジ P:ケッペル
谷 二飛
李 からさん
長野 中飛
「おい、いくらなんでもあっさりすぎるだろ……」
「ふふ、流れは完全にこちらのものだね!」
「流れは否定しないけどな……お? ケッペル交代なのか」
「なるほど、次の登板も中五日なのだろうね。次の回からは中継ぎが出てくるのか……」
佐々木どうした? 急に暗くなってるぞ?
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:10:39.94 ID:v60b2pFX0
七回裏 公7−1巨 一死一二塁 P:星野真澄 → 野間口
ニ岡 中飛
信二 二失
糸井 よんたま
「これでエラー5か……」
「ふむ、土のグラウンドならイレギュラーも考えられるのだが、人工芝でここまでエラーするのも珍しいね」
やれやれ、今日はウチの悪いところが全部出てる気がするぞ……。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:14:29.42 ID:v60b2pFX0
七回裏 公7−1巨 チェンジ P:野間口
小谷野 三併殺(小笠原好守!)
「あの強い打球を取られてしまうとは」
やれやれ、内野でエラーしてないのは小笠原だけかよ。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:16:41.62 ID:v60b2pFX0
八回表 公7−1巨 無死一塁 P:ケッペル → 武田久
坂本 左安
「武田久かよ。この点差で容赦ねえな……」
「ひ、久……。がんばって、くれたまえ……」
佐々木、なんでそんなに青い顔してるんだ……?
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:19:30.89 ID:v60b2pFX0
八回表 公7−1巨 二死 P:武田久
古城 遊併殺
「佐々木、なんでそんなに震えてるんだ?」
「キョン……。今シーズンの久は開幕から調子が悪くてね……」
「三月は、全て勝ちゲームに登板して、全ての試合で勝ちを取りこぼしているのだ……」
去年のペナント無敗だったやつとは思えないな……。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:22:30.89 ID:v60b2pFX0
八回表 公7−1巨 チェンジ P:武田久
小笠原 三邪飛
「って、三人で抑えてるじゃねえか!」
「あれ? ホントだ」
佐々木、期待して損したぞ……。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:26:33.78 ID:v60b2pFX0
八回裏 公7−1巨 チェンジ P:野間口 → 福田
鶴岡 からさん(ハーフスイング)
金子 中飛
賢介 からさん
「今のは振ってないぞ!」
「……キョン、鶴岡を応援してくれるのは嬉しいのだが、僕の言いたいことを先に言わないでもらいたい……」
すまんな佐々木。坂田師匠だけはなぜか憎めないんだ。
それにノーヒットだしな。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:41:03.18 ID:v60b2pFX0
九回表 公7−1巨 試合終了 P:武田久 → 宮西
ラミレス 右飛
阿部 遊ゴ
由伸 右安
谷 からさん
やれやれ、反撃の糸口さえつかめないまま終わっちまったか……。
「豪打の巨人打線を一点に抑えられたのだ。出来過ぎといってもいいくらいだね」
まったく、こいつは奔放なのか謙虚なのかわからんな。
「キョン、ありがとう。キミと一緒に見ることができて楽しかったよ」
そうかい。まあ、お前が楽しかったなら俺の辛苦も幾分和らぐさ。
「キョン……、その、厚かましいお願いだということはわかっている。でも、今日は本当に楽しかったのだ。だから……」
先ほどまでの饒舌が嘘であるかのように、たどたどしい言葉。僅かに覗く横顔は赤く染まっていた。
「だから、また明日もここに来てもいいだろうか? またキョンと一緒に観戦したいから……」
佐々木、さっきお前に言ったよな? 親友に遠慮はなしだって。
俺だってこのまま勝ち逃げされたくないからな。だから佐々木、明日も待ってるぞ。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:57:54.15 ID:v60b2pFX0
お疲れ様でした!
十二球団最高の戦力を誇る巨人相手に、初戦を飾ることができました。
ケッペルの好投や打線の繋がりなど、佐々木さんにはたまらない試合内容で嬉しかったです。
明日もまた18時前にスレを立てる予定です。
よろしければ是非お付き合い下さいませ。
最後になりますが、ご支援ありがとうございます。
返答する余裕がなく、大変申し訳なく思っているのですが、
私にとって皆様からの支援が一番の原動力となっております。
まとめてで申し訳ありませんが、この場で謝辞を述べさせて頂きます。
本日はお付き合い頂きまして本当にありがとうございました!