1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 18:57:58.49 ID:R6nQNPKE0
キョン「えっ?殺す…?」
朝倉「そうよ。あなたには死んでもらうわ」
キョン「おっおい!冗談はよせ!」
朝倉「本気よ。そういうわけだから死んで――」
キョン「許せ、朝倉!」
ギュッ
朝倉「ふぇっ!?」
朝倉「ちょ、ちょっと!いきなり抱きしめるなんてどういうつもりよ!」
キョン「どうだ。これで俺を殺すことができんだろ」
朝倉「やだ!離してよ!」
キョン「ダメだ。お前を絶対離さない!」ギュッ
朝倉「!?」ドキッ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:06:26.23 ID:R6nQNPKE0
朝倉「ど、どうしてよ…」
キョン「当たり前だろ。離した瞬間、また俺を殺そうとするんだろ?」
朝倉「そんなことないわ。もうあなたを殺そうとしないわ。だから離してちょうだい」
キョン「悪いが信用できんな。断わる」ギュッ
朝倉「そ、そんなに強く抱きしめちゃだめ…」
キョン「強く抱きしめないと俺の手元から離れてしまうだろ」
朝倉「そうだけど…こんなのダメよ…」
キョン「(んっ?朝倉の奴、なんか様子が変だな?)」
キョン「(なるほど、俺を油断させて殺そうって魂胆だな。その手に乗るか)」
キョン「悪いがもっと強く抱きしめさせてもらう」ギュッ
朝倉「ええっー!?」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:14:42.12 ID:R6nQNPKE0
朝倉「か、顔が近いわ…」
キョン「しょうがないだろ。我慢しろ」
朝倉「だって…」
キョン「だってもクソもあるか。いいから大人しくしてろ」
朝倉「私の胸がその…あなたの身体に当たってるし…」
キョン「あっいや、すまん!べつにそういうつもりでは」
朝倉「なら離してもらえる?」
キョン「それは無理だ」ギュッ
朝倉「こ、このままずっと私を抱きしめるつもりなの?」ドキドキ
キョン「お前が殺すのを諦めてくれるまではな」
朝倉「諦めるわ。だからもう離して…お願い(じゃないと私、あなたのことを…)」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:28:18.33 ID:R6nQNPKE0
キョン「う〜ん…(確かにこのまま一生抱きしめるわけにもいかんしな)」
朝倉「あなたをもう二度と殺そうとしないから。ねっ?だからお願い」
キョン「よ、よーし。いいだろう。お前を解放する」
朝倉「ほんと?」
キョン「ああ、ただし変なマネをするなよ」
朝倉「分かったわ」
キョン「……よし、これでお前はもう自由だ」
朝倉「(ほっ、なんとか解放されたわ。危ないからナイフもしまわないと…)」
キョン「おっおい!そのナイフをどうするつもりだ!」
朝倉「えっ?危ないからポケットに入れようと…」
キョン「嘘つくな!そいつで俺を殺そうとしたんだろ!」
朝倉「違うわ!もうあなたを殺さない――ふえっ!?」
ギュッ
キョン「やっぱりお前は信用ならん。このまま離さないぞ」
朝倉「(こ、今度は後ろから…!!)」ドキドキ
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:35:49.19 ID:R6nQNPKE0
キョン「クソ、危うく殺されるとこだったぜ」
キョン「だが今度は絶対、お前を離さないからな!」
朝倉「あなたの誤解よ…」
キョン「ダメだ!朝倉、お前を死んでも離さない」ギュッ
朝倉「(な、なんで胸がドキドキするのよ〜!)」
キョン「んっ?どうした?顔が赤くなってるぞ」
朝倉「な、なんでもないわ。ええ、大丈夫よ」
キョン「そうか…変な奴だな。――んっ?」
朝倉「こ、今度は何かしら…?」
キョン「お前を抱きしめて分かったんだが…朝倉、お前っていい匂いがするな」
朝倉「!?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:43:39.04 ID:R6nQNPKE0
キョン「お前、何のシャンプー使ってるんだ?」クンクン
朝倉「らめぇー!髪の毛の匂に嗅いじゃだめー!」
キョン「うなじからもいい匂いがするような…」クンクン
朝倉「やだやだ!うなじの匂いも嗅いじゃだめ!」
キョン「この状態だ。自然といい匂いが入ってくるんだからしょうがないだろ」
朝倉「だったら私を離せばいいじゃない!」
キョン「それは無理だ。お前に殺されたくないからな」ギュッ
朝倉「ううっ…」
キョン「すまんな、朝倉」ボソッ
朝倉「!?」ドキッ
朝倉「(耳元で囁くなんて卑怯だわ…)」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 19:55:08.05 ID:R6nQNPKE0
キョン「お前さっきからどうしたんだ?顔が赤いぞ」
朝倉「大丈夫だから…(誰のせいだと思ってるのよ!)」
キョン「そうか…あんまり心配させるなよ」ボソッ
朝倉「だから耳元で囁いちゃダメなの!」
キョン「えっ?ああ、なんかすまん」
朝倉「もう!いい加減にしないと怒るわよ」
キョン「それは困る!頼むから大人しくしてくれ!」ギュッ
朝倉「いや!もう離して!」
キョン「ダメだ!絶対にお前を離さない!!」
ガラガラ
谷口「ういっ〜す」
キョン・朝倉「!?」
谷口「えっ?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 20:07:29.63 ID:R6nQNPKE0
谷口「キョンが朝倉を抱きしめてる…」
キョン「谷口、これはだな、その…」
朝倉「(これは離れるチャンスだわ)」
谷口「お前らそういう関係だったのかよ」
朝倉「違うの!キョンくんがいきなり抱きしめてきたのよ!」
谷口「マジかよ!キョン、てめぇ!」
キョン「落ち着け!これには訳があるんだ!」
谷口「うるせー!羨ましいことしやがって。兎に角、朝倉から離れろ!」
キョン「こ、断わる」ギュッ
朝倉「ひゃっ!?」
谷口「キョン、どういうつもりだ」
キョン「(どういうつもりも何も、離したら殺されるんだよ)」
国木田「谷口、忘れ物はあったかい……キョン!?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 20:18:42.18 ID:R6nQNPKE0
国木田「キョンが朝倉さんを!ふ、二人はそういう関係なのかい!?」
谷口「違う違う。キョンの奴が無理やり朝倉を抱きしめたんだとよ」
朝倉「そうなの!私を離してくれないのよ」
キョン「お前のせいだろ!」
国木田「キョン…君が朝倉さんを好きだってことは分かったよ」
キョン「(えっ?何言ってるんだ、こいつ?)」
国木田「けどね、強引に抱きつくのはいただけないな…」
谷口「そうだぞ!さっさと朝倉から離れろ!」
キョン「ダメだダメだ!俺は絶対にこいつから離れないぞ!」ギュッ
国木田「キョン、君はそんなに朝倉さんのことを…」
女子1「ねぇねぇ、誰か教室に残ってる…えっ!?」
女子2「きゃ〜朝倉さんとキョンくんがラブラブしてるー!」
男子「なんだと!」
キョン「(おいおい、なんでクラスの連中が集まって来るんだよ…)」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 20:27:44.71 ID:R6nQNPKE0
谷口「キョン、これでもまだ朝倉から離れないつもりか!」
キョン「もちろんだ…(俺の命がかかってるんだ)」
男子1「この野郎!朝倉さんから離れろ!」
男子2「そうだ!そうだ!」
キョン「なんと言われようとも俺はこいつから離れるつもりはない」ギュッ
朝倉「(あわわああ…彼と身体が密着してる)」
国木田「キョン、君の気持ちは分かるけど…」
ハルヒ「あんたたち教室の前で何してるのよ?」
キョン「げっ!ハルヒ!」
ハルヒ「んっ?――ちょっと!このエロキョン!あんた何してるのよ!」
キョン「ち、違うんだ!ハルヒ!」
ハルヒ「うるさい!いいからさっさと離れなさいよ!」
キョン「こ、断わる」
ハルヒ「!?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/03(水) 20:30:51.35 ID:R6nQNPKE0
世界が、崩壊した。
――END――