3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:11:35.25 ID:dBxQ9loA0
朝・教室
キョン「またハルヒがいない………」
また改変されたのか? とりあえず文芸部室に行くべきだろうか。
今回は朝倉涼子の姿も見えないのが救いだが。
女子「涼宮さんおはよー」
しかし疑問なのは………
谷口「おい、涼宮ハルヒがなんだかご機嫌ナナメみたいだ。お前なんとかしろ」
当然のようにハルヒの席に座り、周りから「涼宮ハルヒ」と呼ばれているこの少女………いや、幼女。
キョン「………おい」
炎髪灼眼の討ち手「ん?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:14:02.66 ID:dBxQ9loA0
キョン「誰なんだ君は? ここはお子様の来るところじゃないぞ」
炎髪灼眼の討ち手(以下灼眼)「え!?」
キョン「あとなんで君がハルヒって呼ばれてるんだ?」
灼眼「アラストール、存在を割り込ませるの失敗したみたい」
アラス「むう、他の者には問題なく認識されているようだ。この者が特殊なのだろう」
灼眼「徒じゃないし………燐子でもミステスでもない普通の人間みたいだけど」
アラス「何か宝具をもっているのやも知れぬ。まずは事態を混乱させないようにするのだ」
灼眼「わかった。お前、ちょっと来なさい」
なんなんだこの子は? 今のは腹話術か? 妙に渋い声出してたが。
とりあえず付いて行ってみよう。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:16:33.51 ID:dBxQ9loA0
謎の幼女に人のいない場所に連れてこられた。
灼眼「お前、この私………じゃなかった、涼宮ハルヒの知り合い?」
キョン「ハルヒとは知り合いだが君は知らんぞ」
灼眼「何か宝具を持ってる? それとも紅世の関係者?」
キョン「ホウグ、グゼ? なんのこっちゃ」
灼眼「細かい説明は無駄だから省くわ。とにかくこれから数日間、私を涼宮ハルヒとして接しなさい」
キョン「意味不明な要求をいきなり突きつけるな。そもそも君は誰だ。年上に対する口の聞き方もなってないぞ」
灼眼「いいから言われた通りにしなさい!」
キョン「できるか!」
なんなんだこの高慢ちきなガキは。
とりあえず長門に相談しよう。
あいつは元のままだといいんだが……
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:19:12.47 ID:dBxQ9loA0
長門「涼宮ハルヒの存在の力が消滅している」
キョン「ソンザイノチカラ?」
長門「この世の物がこの世にある為に必要な力。これが消えるとこの世に存在出来ず、人の記憶や記録からも消える」
キョン「皆はあいつをハルヒと認識していたみたいだが」
長門「彼女が涼宮ハルヒの存在に自分を割り込ませている」
キョン「あの小さいのはなんなんだ」
長門「彼女はフレイムヘイズ」
キョン「フレイ……? えーと、要するに今はハルヒの代わりにあの子が存在してるって事か?」
長門「その考えで問題ない」
キョン「じゃあハルヒはどうなった?」
長門「消えた」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:21:55.18 ID:dBxQ9loA0
キョン「………なんで?」
長門「紅世の徒に喰われた」
キョン「そのグゼノトモガラってのは」
長門「紅世というのは(以下省略)」
キョン「つまりハルヒは………」
長門「喰われて消えた」
キョン「元に戻す方法は?」
長門「情報総合思念体も検証を続けているが、今のところ有効な手段は見つからない」
キョン「そうか………」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:24:10.02 ID:dBxQ9loA0
ガチャ
灼眼「そこのお前! どうしてそんなに紅世の事に詳しいの!?」
キョン「来たな偽ハルヒ」
灼眼「涼宮ハルヒとして接しろと言ったでしょう」
キョン「無理な話だ。俺は本物のハルヒを覚えてる。お前は偽物だ」
灼眼「だからと言って偽物呼ばわりは癇に障るわ」
キョン「じゃあお前の名前はなんだ。何て呼べば良い?」
灼眼「私はただのフレイムヘイズ。“天壌の劫火”アラストールのフレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』。
他のフレイムヘイズと区別する時は『贄殿遮那のフレイムヘイズ』と名乗っているわ」
キョン「じゃあ『シャナ』でいいか。俺はお前のことをシャナと呼ぶぞ」
シャナ「勝手になさい」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:27:05.52 ID:dBxQ9loA0
ガチャ
古泉「おや、皆さんおそろいでしたか」
みくる「あれ? 涼宮さんは? この子は誰ですか?」
古泉「涼宮さん、今日は機嫌が悪そうですね」
キョン「ハルヒはいないぞ」
古泉「いるじゃないですか」
みくる「いませんよ?」
古泉「?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:32:08.31 ID:dBxQ9loA0
キョン「おい、どうなってる?」
シャナ「わからない」
アラス「むぅ?」
長門「以前あなたと朝比奈みくるに注入したナノマシンの影響で、二人はこの世の事をありのままに認識できる」
キョン「それで古泉だけシャナをハルヒと認識してるのか?」
古泉「皆さん何の話をしてるんでしょう?」
シャナ「お前、妙に詳しいけど何者?」
長門「私は情報総合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
シャナ「???」
アラス「人間ではないようだが………害は無いようだ。放置してよかろう」
古泉「あの………」
キョン「おい、ハルヒを元に戻せないのか?」
シャナ「無理ね。存在の力を喰われたらどうにもならない」
古泉「………?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:35:49.63 ID:dBxQ9loA0
キョン「ハルヒを喰ったトモガラってのはどこにいるんだ」
シャナ「それを探してる。この近辺にいる可能性が高い」
キョン「よし、仇を討ってやる」
シャナ「無駄よ。人間が徒に勝てる訳がない」
ボワッ!!
キョン「なんだ?」
シャナ「封絶!?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:39:22.74 ID:dBxQ9loA0
アラス「徒か!」
みくる「なにがどうなってるんですかぁ〜?」
長門「危機的状況。避難を推奨する」
古泉「………………」
キョン「おい、古泉が動かなくなったぞ」
ドガン!
キョン「ああ! 古泉が!」
シャナ「問題ない。後で修復できる」
長門「敵は外にいる」
シャナ「お前たちはここにいなさい!」
シャナは窓から外に飛び出していった。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:41:34.60 ID:dBxQ9loA0
キョン「俺も行く!」
長門「あなたは無力。行っても彼女の邪魔になるだけ」
キョン「くっ………」
長門「涼宮ハルヒの仇討ちを望むなら、尚更邪魔をするべきではない」
キョン「何もできないのか俺は………」
長門「どうしても行くと言うならこれを」
長門が差し出したのは………コンタクトレンズ?
長門「使い方は知ってる筈」
キョン「………………」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:44:19.18 ID:dBxQ9loA0
俺はシャナを追って外に出た。
シャナ「大きな徒ね。王かな」
アラス「知能は低そうだな。ただ闇雲に暴れているだけのようだが、何が目的なのか」
キョン「あれは神人だ」
シャナ「神人?」
キョン「ハルヒが生み出した化物だよ」
シャナ「じゃあアレは燐子? ハルヒって徒? じゃなくて人間よね………意味がわからないわ」
キョン「俺もよくわからん」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:47:27.50 ID:dBxQ9loA0
シャナ「………まあいいか。はあっ!!」
ズパッ!
キョン「おお、一刀両断」
シャナ「ちょろいわね」
キョン「まだ沢山いるみたいだが」
シャナ「! あなたは避難してなさい!」
シャナはまた斬りかかって行った。
キョン「ただ見てる訳にも行かないな」
メア「あら勇敢な人間ね。でもそれが命取りよ」
キョン「!?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:49:24.75 ID:dBxQ9loA0
メア「私は"戯睡郷"メア。あなたも食べてあげましょう」
キョン「あなた「も」? という事はハルヒもお前が………」
メア「ハルヒ? あのやかましい女の子の事かしら?」
キョン「許さん………ミ、ミ、ミ………」
メア「ミ?」
キョン「ミクルッビィーーーーーム!!!」
メア「きゃああ!?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:52:52.72 ID:dBxQ9loA0
キョン「はぁ、はぁ、はぁ………やったのか?」
メア「びっくりした………なにそれ? 宝具? 私にくれない?」
キョン「なにっ!?」
メア「人間ごときが私を討とうなんて無理な話」
キョン「くっ………」
メア「喰う前に遊んであげましょう。『パパゲーナ』!」
火の玉が数十発飛んできた。
キョン「うわわっ!?」
メア「あはははは! さあ踊り狂いなさい!」
わざと当てないように打って遊んでいるみたいだ。
キョン「くそう、ハルヒが喰われたとか紅世だとか徒とか………何なんだよ。まるで悪夢だ。夢だろこれは」
メア「あ、ちょ………」
パリーン………
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:55:41.86 ID:dBxQ9loA0
…
…
…
俺はシャナを追って外に出た。
シャナ「いないわね」
キョン「逃げたのか?」
フッ………
シャナ「封絶も消えた。なんだったの?」
アラス「うーむ?」
メア「逃げよう………(コソコソ)」
キョン「なんだろう。何か凄い恥ずかしい事をしたような………気のせいだな。きっと」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 11:59:21.71 ID:dBxQ9loA0
………
シャナ「交戦しようとして逃げたってことは徒はもうこの辺にはいないだろうし、私も行くわ」
キョン「結局ハルヒが消えたのはどうにもならないのか………」
古泉「涼宮さんならここに居るじゃないですか」
??「おや、もう終わってましたか?」
シャナ「誰?」
??「同業者ですよお嬢さん。私は“年表の干渉者”インターセプタのフレイムヘイズ『続編の書き手』ワナガル・タニカです」
シャナ「敵は逃げたみたい」
タニカ「そうですか。一足遅かったですね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 12:02:35.69 ID:dBxQ9loA0
キョン「なああんた、徒に喰われた人間を元に戻す方法って無いのか?」
シャナ「誰に聞いても同じよ。無い物は無い」
タニカ「無い事もないですが………」
アラス「何? そんな話は聞いた事も無いぞ」
タニカ「何せ実行するにはかなり限定的な状況かつ難しいもので、成功例もごくわずか。あまり知られていないのも無理も無いのです」
キョン「どんな方法だ?」
タニカは苦笑いしつつマネキンの手のような物を取り出した。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 12:05:54.88 ID:dBxQ9loA0
タニカ「これは『幻想殺し』という宝具で、異能の力や現象を打ち消す効果があります。これを対象が喰われる時に発動させれば良いのです」
シャナ「喰われた後じゃ意味がないじゃない」
タニカ「これを使用するには時間を制御する力が必要です。過去に遡って発動させる訳です」
キョン「………………」
タニカ「時間の制御という高等な自在法を扱える者はそうそういないので―――」
みくる「あのう、それ私できます」
シャナ「えっ?」
タニカ「更には対象が喰われる瞬間の時間座標と、その瞬間の情報が事細に必要でして」
長門「時間座標の特定完了。情報を取得中………完了した」
タニカ「あなたたちは何者ですか?」
古泉「SOS団です」
シャナ・タニカ「???」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 12:08:50.18 ID:dBxQ9loA0
翌日
キョン「元に戻ってメデタシメデタシだな」
ハルヒ「なにがよ?」
キョン「いや、なんでもない。こっちの話だ」
ハルヒ「何よソレ気になるじゃない! 言いなさい! 団長命令よ!」
おわり
細かい説明省いちゃったし、イマイチ活気が無かったけど
支援してくれた人ありがとう。