1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:13:07.41 ID:PvQr/Ebh0
長門「お腹の子……」
長門「名前、あなたが決めていいから……」
キョン「なにかがおかしい……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:18:07.08 ID:PvQr/Ebh0
キョン「待て」
キョン「それは本当に俺の子なのか?」
長門「……」
キョン「『なにをあなたはおかしいことを言っているの?』みたいな目で見るな!」
長門「……」
長門「こういうときはどういうい表情をすればいいかわからない」
キョン「泣けばいいんじゃないか?」
長門「……」
キョン「ええい、泣くな!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:20:01.95 ID:PvQr/Ebh0
長門「お腹の子はあなたの子」
長門「これは事実」
キョン「……お前がそういうならそうなんだろう」
キョン「何かが起こること自体には慣れた」
キョン「だが中身まで譲歩したつもりはなかったんだが……」
キョン「とりあえず、詳しい話を聞かせてくれ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:21:51.52 ID:PvQr/Ebh0
キョン「そのお腹」
キョン「いつからおかしくなった?」
長門「妊娠三ヶ月」
キョン「いや、一昨日までは普通だっただろう!?」
長門「……」
キョン「いや、だから『あなたはなにを無責任なことを言っているの?』みたいな目で見るな!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:24:03.37 ID:PvQr/Ebh0
キョン「昨日起こっていなかったことが、今日当たり前に起こっている」
キョン「みたいな経験はあるけれども…」
キョン「これはどうしたものか」
長門「……」
キョン(うーん、こいつに聞いてもラチがあかない…)
キョン(別の誰かに聞かないと…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:25:47.76 ID:PvQr/Ebh0
ガチャッ
キョン「!?」
キョン「朝比奈さん!?」
みくる「あ……」
みくる「………」
キョン「……ド」
キョン「ドブ虫を見るような目で見られている……!」
みくる「……あの」
みくる「まだいたんですか?」
キョン「ぐはあっ!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:27:48.50 ID:PvQr/Ebh0
キョン「こ、これはどういうことですか?」
みくる「さあ?」
みくる「自分で考えればいいんじゃないですか?」
キョン「……」
キョン(つ、冷たい…)
キョン(というか怖い…)
キョン(なにがあったんだ、三ヶ月前の俺…)
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:30:31.58 ID:PvQr/Ebh0
キョン「とりあえず古泉に話を聞かないと……」
キョン「こいつに当たれないなら本格的に終わりだ……」
プルルプルル
キョン(頼んだぞ…)
ガチャッ
キョン「おい、古泉か!」
古泉「……」
古泉「……」
古泉「……ああ、あなたですか」
キョン(この微妙な間……)
キョン(よそよそしい!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:32:08.98 ID:PvQr/Ebh0
古泉「今更何か話すことでも?」
キョン(この棘のある言い方…)
キョン(三ヶ月前の俺はなにをしたんだ……)
キョン「話を聞いてくれないか」
古泉「ははっ」
古泉「話すこと、まだあるんですか?」
古泉「ちゃんちゃらおかしいですね」
キョン「ち、逐一傷つく!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:33:58.41 ID:PvQr/Ebh0
キョン「いや、あるとかないとかじゃなく」
キョン「わけがわからないんだ」
キョン「普通に部室にきたら長門がいて…」
キョン「妊娠三ヶ月って…」
古泉「……」
古泉「話次第では拳が飛ぶという条件で」
古泉「あなたの話を聞いてあげましょう」
キョン「……」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:36:50.86 ID:PvQr/Ebh0
キョン「本当に話したとおりだ」
キョン「例の十二月の世界改変のときと同じで、朝起きたら長門が妊娠していて…」
古泉「……」
古泉「なるほど」
キョン「教えてくれ、この世界ではなにが起こってる!」
古泉「長門さんの言うとおりですよ」
古泉「長門さんのお腹の中にいるのはあなたの子です」
キョン「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:39:56.86 ID:PvQr/Ebh0
キョン「……」
古泉「……あの」
古泉「その様子だとあなたの話は本当のようですね」
古泉「苦し紛れの弁解などではなく」
キョン「……どうしてそう思う」
古泉「いえ、失敬」
古泉「あなたはある日突然、おかしくなったように人が変わってしまって」
古泉「どう表現すればいいのでしょう」
古泉「そうですね。あえて品のある言い方をすれば」
古泉「性豪に」
キョン「……」
キョン「品があるのか!?それは!」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:42:04.57 ID:PvQr/Ebh0
古泉「いや、これでも本当に表現を抑えたつもりです」
古泉「数ヶ月まえのあなたは本当に酷かった」
キョン「朝比奈さんの目が凄かったのも……」
古泉「当然です」
古泉「目の前であんなものを見せられたら」
キョン「おい、なにをしたんだ俺は!」
キョン「イチモツでも見せたのか!?」
古泉「それくらいならまだしも……」
古泉「おっと、そこから先は」
キョン「き、気になる…!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:45:32.13 ID:PvQr/Ebh0
古泉「長門さんに直接聞いてみたほうが良いでしょう」
古泉「あなたの話が真実だとするなら、おそらく犯人は……」
キョン「またハルヒの仕業か?」
古泉「まさか」
古泉「おそらく長門さんの仕業でしょう」
キョン「……正直、そっちのほうが厄介だ」
古泉「さすが物分りがいい」
古泉「三ヶ月前のあなたが戻ってきて、私も安心しました」
古泉「とにかく、ひとまずは直接、長門さんと話してみるべきです」
キョン「ああ、そうだな」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:48:14.11 ID:PvQr/Ebh0
キョン「……長門」
キョン「話があるんだ」
長門「……」
長門「新居の話?」
キョン「違う」
キョン「というか、朝比奈さんの眼が痛いからそういう切り返しはやめろ」
長門「……」
キョン「とりあえず、人の見てる前ではどうかという話だ」
キョン「部室の外へ」
朝比奈「あーあ、またいやらしいことでもするんですね」
朝比奈「いつまで発情期やってるんですか、キョン君も長門さんも」
キョン「そんな性格でしたっけ!?あなた!?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:51:02.20 ID:PvQr/Ebh0
………
キョン「……とりあえずいつもの喫茶店だ」
長門「……」
キョン「話を聞かせてもらいたい」
キョン「三ヶ月前になにがあったのか」
長門「……どうしてそういうことを聞くの?」
キョン「眼が覚めたら、お前が突然妊娠していたからだ」
長門「………」
キョン「あーもう!聞き方が悪かった、だから泣くな!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:56:42.98 ID:PvQr/Ebh0
長門「三ヶ月前」
長門「あなたは……」
キョン「俺は……?」
長門「軋むベッドの上でやさしさを持ちより」
長門「私の身体をきつく抱きしめてくれた」
キョン「……」
長門「……」
キョン「……尾崎豊か!」
長門「ポッ」
キョン「ポッ、じゃない!真面目に答えろ!」
長門「怖い……」
長門「でもそういうときのあなたも素敵」
キョン「完全ホの字じゃねえか!」
キョン「なにをして、長門がここまでオチたんだ…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 19:59:44.89 ID:PvQr/Ebh0
長門「私もあなたに聞きたい……」
キョン「……」
長門「……」
長門「日本国憲法では…」
長門「結婚年齢は男性が18歳、女性が16歳」
長門「私たちが結婚できるまであと2年ある」
キョン「……」
長門「……」
キョン「……そういう話は」
キョン「後でいいから!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:20:04.82 ID:PvQr/Ebh0
キョン「どういう経緯でお前が妊娠したかという話だ!」
長門「……」
店員「……あの、お客様」
キョン「……あ、すんません」
長門「受精と」
長門「着床」
キョン「いや、そういう保健体育的な話でなくて…」
キョン「す、すみません!そんな変な話じゃなくて…」
キョン「ああ、もう!」
長門「?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:21:57.41 ID:PvQr/Ebh0
キョン「そういうことじゃなく、なんというか詳しい話を…」
キョン「ここでこういう話をするのもなんだが……」
長門「……」
長門「今日は、そういうプレイ?」
キョン「そういうことでもない!」
長門「?」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:25:54.70 ID:PvQr/Ebh0
………
キョン「結局、長門の部屋か…」
長門「ぬぎぬぎ」
キョン「部屋に入っていきなり服を脱ぐな!」
長門「『とりあえず一発ヤってから』と」
長門「いつもあなたが…」
キョン「どんなキャラ設定だ!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:46:12.16 ID:PvQr/Ebh0
長門「だけど」
長門「昨日あなたは『俺好みのいやらしい女になってきたな』って…」
キョン「いや、待て、そんな好みなんてある覚えは…」
長門「……」
キョン「じっと見るな!」
長門「……」
キョン「おい、なんだ、急に立ち上がって」
ガララッ
キョン「?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:47:12.36 ID:PvQr/Ebh0
ガララッ
長門「これを入れて一日過ごせ、って……」
キョン「……」
長門「……」
キョン「……それ」
キョン「バイブローターやないかーい!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:48:10.66 ID:PvQr/Ebh0
キョン「長門さん、それバイブローターやないかーい!」
長門「……」
キョン「バイブローターやないかーい!」
長門「……」
キョン「バイ……」
長門「……」
キョン「すまん、ちょっと気がおかしくなった」
長門「……」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:54:45.66 ID:PvQr/Ebh0
キョン(とりあえず、だ)
キョン(あのときの世界改変のときのエラーと同じと考えると…)
キョン(長門の奥底で、こう、ムラムラした気持ちが溜まってきて)
キョン(こんなキャラになったわけか…)
キョン(いや、まて…)
キョン(俺も変なキャラになっているということは)
キョン(俺にこういうことをしてほしいと、ずっと考えてたわけか…)
キョン(いや、待て、それは早計すぎる……)
キョン(でもそうじゃないと……)
長門「?」
キョン「くっ、まともに顔が見れない……」
長門「ぬぎぬぎ」
キョン「だから脱ぐなッ!今だけは脱ぐなッ!」
キョン「流される!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 20:57:40.78 ID:PvQr/Ebh0
キョン(しかし普段の長門に性欲はあるんだろうか…)
キョン(ないとするなら、この改変はハルヒの仕業になるわけか?)
キョン(だが、こんな改変をしていったいどういうメリットが…)
キョン「あれ?」
キョン「そういやハルヒは……?」
長門「……」
キョン「……」
長門「ぬぎぬぎ」
キョン「身体でごまかそうとするな!」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:01:58.74 ID:PvQr/Ebh0
キョン「俺はお前をそんないやらしい娘に育てた覚えはありません!」
長門「……」
キョン「くっ、潤眼で上目遣いという高度な技を覚えやがって…」
キョン「なんか俺が悪いみたいじゃねえか……」
長門「……」
キョン「……というか」
キョン「そんなことよりハルヒだよ!」
長門「彼女は……」
長門「……ふふっ」
キョン「長門が笑っただと……」
キョン「しかも邪悪に……」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:05:26.73 ID:PvQr/Ebh0
長門「そんなことより……」
長門「いつもみたいに……」
キョン「くっ……」
キョン「待て、くるな……」
長門「あなたがもしこの事態に気づいたら……」
長門「二度と返さないように、プログラムを組んでいる」
キョン「な、なに…?」
キョン「くっ……」
ガチャガチャ
キョン「……開かない!?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:07:35.87 ID:PvQr/Ebh0
長門「……」
キョン「ま、待て!」
キョン「長門!」
長門「……あなたが悪い」
長門「あなたが、私を、こんな風にした」
キョン「な、長門、待て……」
キョン「長門……」
長門「××××」
キョン「えっ?」
キョン「今なんて……」
キョン「うわっ、う、うわああああああっ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:09:58.14 ID:PvQr/Ebh0
ガタンッ
キョン「うわあっ!」
キョン「………?」
キョン「ここは、部室……?」
キョン「はーっ」
キョン「なんか凄い夢を見た……」
長門「……」
キョン「うおっ!」
長門「?」
キョン「……ああ、いや、気にしないでくれ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:11:50.02 ID:PvQr/Ebh0
長門「……」
キョン「……」
キョン(や、やべえ)
キョン(顔合わせにくい…)
長門「……どうかした?」
キョン「いやいやいやいや!」
キョン「なんでもない!」
キョン(こ、このタイミングで急に顔を近づけてこないでくれ!)
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:15:24.43 ID:PvQr/Ebh0
キョン「……あの長門」
キョン「一応聞くけど、身体に異変とか、ないよな」
長門「ない」
キョン「……いや、ならいいんだ」
キョン「まさかと思っただけで」
長門「……」
キョン「とりあえずシャワーでも浴びてさっぱりとしたい…」
キョン「お前もそろそろ帰るか?長門」
長門「……」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:17:47.13 ID:PvQr/Ebh0
キョン「あ、そうだ」
キョン「そういえば他のみんなは?」
長門「……」
キョン「……長門?」
長門「……あなたは不思議なことを言う」
長門「ここには、あなたと私しかいない」
キョン「え、あ、いやハルヒとか古泉とか朝比奈さんは……」
長門「ここには、この世界には」
長門「あなたと私しかいない」
長門「そういう風にプログラムされている……」
キョン「……え?」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:20:06.35 ID:PvQr/Ebh0
キョン「どういうことだ」
キョン「何かの間違いだよな……おい!?」
長門「……確かに間違い」
長門「もう一人いる」
キョン「どういうことだ?」
長門「……コクリ」
長門「お腹の子は」
長門「あなたが名前を決めてもいいから」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/07(日) 21:21:35.22 ID:PvQr/Ebh0
おわり