キョン「そうか・・・・・・これが答えだったんだな・・・・・・」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:SOS団と時定高校がコンマでカバディをするスレ

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:10:59.15 ID:IjMd/M4e0

俺は一通の手紙を書き、ある場所に来ていた・・・・・・




私の名前は朝比奈みくる

こんなことを言っても信じてもらえないでしょうけど私は未来からきました

いわゆる未来人です

どうやって今の時間にきたのかを説明するのはあまり気が進みません

だってあなたの顔を見たら半信半疑だってわかっちゃいます

まあそれは置いときますね

この世界には涼宮ハルヒという1人の女の子がいます

その女の子は分かりやすくいうと思考を現実化する力があるんです

私もそんな能力が欲しいな、なんて思っちゃいます

え?時間を無視できるだけで十分じゃないかって?

そんな訳にもいきません

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:13:22.01 ID:IjMd/M4e0

・・・・・・ある1人の男の子がいるんです

本名は知らないのだけれど、皆は彼のことを「キョン」って呼んでます

私は男の人を呼び捨てにするなんて恥ずかしいので「キョンくん」なんですけどね

キョンくんは私のこんな話をすぐに信じて受け入れてくれたんです

キョンくんは自分のことを平凡な高校生だ、なんて言ってますけど十分おかしいですよね

こんな話、普通すぐには信じられませんよ

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:17:24.97 ID:IjMd/M4e0







これは私の推測なんですけど涼宮さんはキョンくんのことが好きみたいです

そしてどうやらキョンくんも涼宮さんのことが好きみたいです

いわゆる両想いってやつなんですかね

でも私思うんです

「涼宮さんは思考を現実化できる」

ってことは・・・・・・もうわかりますよね?

涼宮さんはずるいなぁ・・・・・・

私だって時間を無視できる能力より思考を現実化する力の方が欲しかったです

そしたらキョンくんは私のものなのに・・・・・・

長門「・・・・・・そう」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:21:25.02 ID:IjMd/M4e0

そうですよ

仮にキョンくんが涼宮さんを能力関係なしに好きになっていたとしても

私が涼宮さんの能力を持ってさえいればどっちみちキョンくんは私のものになっちゃうんですから

長門「・・・・・・そう」

キョンくんが私のことを好きになるにはどうすればいいんでしょう

おかしいな・・・・・・キョンくんはドジっ子がタイプだと思ったんですけどねぇ

でも今更キャラは変えられませんし、困っちゃいましたね

長門「そう」

そうだ長門さん!

長門「何?」

私に涼宮さんに近い能力を与えることってできるんですか?

長門「できる」

ふふ・・・・・・なんでこんな簡単なことに気づかなかったのでしょう

じゃあお願いしますね、長門さん

長門「わかった」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:24:45.60 ID:IjMd/M4e0








私は長門有希

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース

いわゆる宇宙人

情報統合思念体の意思により涼宮ハルヒを監視している

彼女の能力を詳しく説明すると情報の伝達に齟齬が発生するかもしれないから簡単に説明する

涼宮ハルヒの能力は思考を現実化すること

それは非常に危険なこと

私は涼宮ハルヒの意思によりSOS団へ入団させられた

でもそれは涼宮ハルヒの監視という役目を負う私には都合のいいこと

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:27:39.20 ID:IjMd/M4e0

そしてその団には他に未来人の朝比奈みくる、超能力者の古泉一樹そして彼がいる

涼宮ハルヒは彼のことを「キョン」と呼んでいる

私にはあだ名という概念が存在しないので「あなた」と呼んでいる

そしてこの中で今最も恐れるべき存在は朝比奈みくる

朝比奈みくるは私と二人きりの時に涼宮ハルヒに対する激しい憎悪をぶつけてきた

理由は嫉妬心

私にはよくわからない

感情が何かを理解できない私には仕方がないこと

でもそれが危険なものだということは分かる

・・・・・・小説のおかげ

彼女の性格は偽りに溢れているけどそれを理解しているのは私だけ

でもその時の涼宮ハルヒに対する憎悪は偽物だとは思えなかった

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:32:09.57 ID:IjMd/M4e0

朝比奈みくるは涼宮ハルヒを自分にとって邪魔な存在だと考えている

朝比奈みくるは時間平面を自由に移動することが可能

つまり朝比奈みくるという存在をまだ知らない涼宮ハルヒがいる時間平面へと移動し

涼宮ハルヒの存在を消すことができる

それは情報統合思念体の望むことではない

この世界に何が起こるのか予想もつかない

私は朝比奈みくるを危険因子として判断し彼女の記憶からSOS団に関わった全ての記憶を消去した

これにより彼に対する朝比奈みくるの感情は消滅し、同時に涼宮ハルヒも保護

危険因子はすべて取り除かれた

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:35:11.62 ID:IjMd/M4e0







あたしの名前は涼宮ハルヒ

東中出身、ただの人間には興味がない

あたしが関わりを持ちたいと考えるのは超能力者や宇宙人、未来人に異世界人みたいな不思議だらけの人たちだけ

そんな人たちと出会えることを願ってSOS団を作ったんだけど別に何も起こらないわ

ハッキリ言って期待外れね

でもなんだかんだ言って毎日が楽しかったりするのよ

不思議

キョンのおかげなのかな

恥ずかしいけどあたしの中に特別な存在として居座るキョン

でも最近みくるちゃんもそうなんじゃないかって思うようになってきたの

だとしたら相当なライバルになるわね・・・・・・

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:37:57.20 ID:IjMd/M4e0

キョンのやつ、いつもみくるちゃんの胸を見てデレデレするの

そんなキョンの姿を見ていると本当に腹が立つわ

あたしだけを見なさい!!!

なんて言えたらいいんだけどね

恥ずかしいに決まってる

キョンは誰のことが好きなのかなんてあたしにはわからないわ

聞いてみたい気持ちもあるけど怖いのよね

もしあたしじゃなかったらって考えるのが普通でしょ?

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:42:34.23 ID:IjMd/M4e0







どうも、古泉一樹です

説明は不要だと思いますが僕は超能力者です

涼宮さんの精神が不安定な状態にあるときに発生する閉鎖空間の処理をしています

僕は北高に転校してすぐに涼宮さんの手により「謎の転校生」という肩書を与えられてSOS団に入団しました

そこにはすでに宇宙人の長門さんと未来人の朝比奈さんがいました

まさかこんなに的確に僕達を集めてしまうなんて・・・・・・と驚きましたね

さすがは涼宮さんと言うべきでしょうか

そしてやはりというべきか、涼宮さんにとって鍵となる彼もいました

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:45:06.27 ID:IjMd/M4e0

今その彼をめぐって三角関係が成り立っているんですけど彼は全く気づいていないようですね

鈍感すぎます

そして僕はそんなお三方を観察している内にあることに気が付いてしまいました

朝比奈みくるの危険性です

彼女の演技にはまいりましたね

まさかあの性格が偽りだったなんて

長門さんに問いただしたらすぐに分かりました

やはり怪しいです

今度から朝比奈さんを注意深く観察する必要がありますね

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:48:01.96 ID:IjMd/M4e0







俺は誰からも本名で呼ばれない

いつの間にか妹まで俺のことをあだ名で呼ぶようになっていやがった

このままいくとこの俺ですら本名を忘れちまうんじゃないかと考えている

そんな俺のことを皆は「キョン」と呼ぶ

もう好きにしてくれ

そんな俺は高校に入学すると同時にとんでもないやつに出会ってしまった

そいつの名前は涼宮ハルヒだ

自己紹介の時点で飛びぬけて変だったそいつに何が起こったのかは知らないが俺は話しかけちまった

それからハルヒに振り回される毎日が始まった訳だ

正直認めたくないのだが俺はそんな毎日を楽しいと感じている

だから毎日のようにこうして文芸部室へと足を運んでいる

いよいよ到着だ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:50:37.37 ID:IjMd/M4e0

今日は何をするのだろうか

またハルヒがとんでもないことを言わなければいいのだが・・・・・・

コンコンッ

・・・・・・あれ?

いつもならここで朝比奈さんのかわいらしい声が聞けるのだが・・・・・・

まだ来ていないのだろうか

ガチャ

そこには長門がいた
よう、長門

まだ長門しか来ていないのか?

長門「そう」

そうか・・・・・・

朝比奈さんが遅れるなんてめずらしいな

長門「・・・・・・」

そう言いながら俺は席に着いた

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:53:57.15 ID:IjMd/M4e0

長門の沈黙にはもう慣れているのでこの息の詰まりそうな静けさにも簡単に耐えることができる

俺は授業の疲れがまだ少し残っていたので机に突っ伏して寝ることにした

スタッ

トコトコトコトコ

・・・・・・ッス

長門が本を読み終えたのだろう、どうやら代わりに新たな本を手にとっているようだ

それにしても本当に静かだな

この落ち着いた時間を大切にしておかないとこれからやってくるトラブルメイカーについていくことができないだろう

そして俺の瞼は徐々に重くなっていきいつの間にか眠りについていた


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 14:56:59.59 ID:IjMd/M4e0






・・・・・・っすー・・・・・・っすー・・・・・・

「・・・・ょっと・・・・・ョン!!・・・・・・なさい!!」

「ちょっ・・・・・・やく・・・・・・・なさい・・・・・・・・ってるでしょうが!!」

なんだよ騒がしいな

人が折角疲れ切った体を癒しているというのに

と、同時に背中に鋭い痛みが走る

ッバーン!!

痛ぇ!!

ハルヒ「起きなさいよ!!!」

痛ぇだろうが!!

ハルヒ「もう部活は始まってるのよ!?団長が来ても寝ているなんてどういうつもりなの!?このバカキョン!!」

え?

寝ぼけたままあたりを見回すとそこにはすでに古泉とハルヒがやってきていた

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 14:59:46.56 ID:IjMd/M4e0

時間にして15分くらいしか寝ていなかったが確かに部活は始まっているようだった

とは言ってもとくに何もしていないが・・・・・・

朝比奈さんはまだきていないのか?

古泉「まだ来ていないようですね。」

朝比奈さんは今日学校を休んでいるのだろうか

部活を無断欠席するなんて絶対にありえない

ハルヒも何も聞いてないのか?

ハルヒ「さぁね、何も聞いてないわ」

おかしい、何かあったのか?

長門もなn「知らない」

お、おぉ・・・・・・そうか

古泉「僕が朝比奈さんの教室まで行って様子をみてきましょうか?」

ハルヒ「・・・・・・そうね、お願いするわ」

古泉「わかりました」

そうして古泉は部室から出て行った

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 15:02:56.11 ID:IjMd/M4e0

ハルヒ「どうしちゃったのかしらみくるちゃん」

さあな、何かよくないことに巻き込まれてなければいいのだが

まあとりあえず古泉が戻ってくるまで待つしかないか

俺がそういうとハルヒは「そうね」と呟き団長の席に座った

今はパソコンの電源を点け、なにやらカチカチとやっている

長門はずっと本を読んだままだ

俺はすることがないのでそんな長門をただなんとなく眺めていた

長門は本当にこの場所がよく似合うな

窓から差し込んでくる鮮やかなオレンジで長門の頬が染まっている

俺はそんな長門を美しい「景色」として眺めていた

すると

ハルヒ「あんた何有希をいやらしい目で見つめてるのよ・・・・・・」

はぁ?

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 15:05:44.53 ID:IjMd/M4e0

ハルヒ「気持ち悪いわよ」

うるせぇ!ただ見てただけだ!そういった変な気持は抱いちゃいない

ハルヒ「ふーん、やっぱり見てたのね」

見ていたのは事実だ、認めよう。だがな、ハルh

ハルヒ「よかったわね有希!キョンがあんたのこと好きみたいよ!」

ちょ!!おい!!

長門「そう」

そうっておいおい・・・・・・なんかそれはそれで悲しいもんがあるぞ、長門

ハルヒ「あはははははははは!!キョンったら有希に相手にもされてないわ!!傑作ね!!」

うるせぇ!!地味にショックだったんだぞこの野郎!!

・・・・・・それにしても遅いな、古泉の奴

ハルヒ「そうね、古泉くんのことだわ、今頃女の子に囲まれているのかも知れないわね」

それはけしからんな、ちょっと俺も様子を見てくる

ハルヒ「あんたって・・・・・まぁいいわ!行ってきなさい!」

へいへい

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 15:08:30.59 ID:IjMd/M4e0

そして俺は部室をでた

部室の中では何やらハルヒが長門に問いかけているような声が聞こえていた

えーっと、朝比奈さんのクラスはっと・・・・・・ここだな

そうして中に入る

「失礼します」

古泉「あ、来ましたか」

古泉?お前何やってんだ、随分遅いじゃないか

古泉「それが・・・・・・」

どうしたんだ?

みくる「だから私はそんな団知りません!やめてください迷惑です!」

・・・・・・え?

みくる「聞こえませんでしたか?迷惑だから帰ってくださいって言ってるんです!」

えーっと、どうしました朝比奈さん?

みくる「あなたもそのSOS団とかいう意味不明な団のメンバーなんですか?」

ちょ・・・意味不明?なんだ?どうなってやがる?

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 15:13:24.74 ID:IjMd/M4e0

古泉「それがどうやら朝比奈さんは記憶を失っているようでして・・・・・・」

古泉「思い出させようと必死に説得していたのですがどうも・・・・・・」

なるほど、それで時間がかかっている訳か

ところでなんで記憶を失っているんだ?

古泉「それが原因が一切不明なんです」

昨日の部活のときは普通だったのにどうしちまったんだろう

とりあえず確認をしてみないとな

朝比奈さん?

みくる「はい、なんですか?」

あの、変な質問をしますけど俺が誰だかわかりますか?

みくる「わかりません」

じゃあ涼宮ハルヒとは誰かわかりますか?

みくる「見たことも聞いたこともないです」

う〜ん・・・・・・訳がわからんな

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 15:16:52.21 ID:IjMd/M4e0

みくる「あの、もう用事は済んだでしょうか?私帰りたいんですけど」

え、あ、あ〜・・・・・そうですか、わかりましたすいません

訳のわからないことに付き合っていただいてありがとうございました

みくる「もうやめてくださいね」

そういうと朝比奈さんは帰ってしまった

とても演技には見えなかったな

というか朝比奈さんは演技ができるような人ではないだろう

どうやら記憶を失っているのは本当の様だ

古泉「困りましたね」

全くだ、ハルヒのやつが何て言うか

それにもう朝比奈さんのお茶が飲めないなんてそんなのは我慢ならない

長門なら何か知っているのかもしれないな・・・・・・

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:19:56.76 ID:IjMd/M4e0

でもあいつは「知らない」って言っていたか

しかし今はそれしかないだろう

もう一度長門に聞いてみるか

そして俺と古泉は部室へと戻って行った

部室に入るや否や俺達は長門のところへ一直線に向かい問いただしてみた

どうやら朝比奈さんが記憶を失っているようなんだが

長門「そう」

長門何か知らないか?

長門「放課後話がある」

そうか、やっぱり何か知っていたんだな

わかった

そういうと俺と古泉はいつもの席に着いた

そういえばハルヒはどこにいった?

長門「わからない」

わからない?

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:22:28.31 ID:IjMd/M4e0

長門「先ほどこの部室から出て行った」

なんでだ?帰ったのか?

長門「おそらく、そう」

それならさっきの話、今で良くないか?

長門「放課後がいい、私にも決心が必要」

決心?何を言ってるんだ長門は?
でも長門が言うのならそれはそうするべきなのだろう

ところで長門

長門「何?」

俺が古泉の様子を見に行った後、ハルヒと何を話してたんだ?

長門「あなたのこと」

俺のこと?

長門「そう」

どんな話だ?

長門「あなたが私に興味を持っているかどうかを聞かれた」

なんだと?それで何て言ったんだ?

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:25:07.30 ID:IjMd/M4e0

長門「あなたにしかわからない、でもその可能性がないとも言いきれない」

おいおいなんでそんなことを言ったんだ?

長門「あなたは私を見つめていた」

それはだな・・・・・・お前を景色として眺めていたんだ

長門「・・・・・・そう」

古泉「あなたは・・・・・・」

ん?なんだ?

古泉「なんでもないです・・・・・・」

古泉が呆れた顔をしている

俺何かまずいことでも言ったのか?

古泉「あなたにはお手上げですよ」

訳がわからん、説明してくれ

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:27:37.00 ID:IjMd/M4e0

長門「それと」

ん?

長門「私があなたに興味があるのかについても聞かれた」

なんだって!?な、なんて答えたんだ?

長門「ある」

えぇ!?ちょっと待て長門それh

長門「あなたは涼宮ハルヒにとって鍵となる存在。そのような存在に興味がわくのは当たり前」

あ、そういうことか・・・・・・

でもそれをちゃんと言わないとハルヒも勘違いするんじゃないか?

長門「盲点」

なんだって・・・・・・

長門?ハルヒが帰ったのってまさかその会話のすぐあとじゃないだろうな?

長門「そう」

やれやれ・・・・・・

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:30:18.65 ID:IjMd/M4e0

古泉「またアルバイトが入りそうですね」

とにかく明日ハルヒを説得しないとな・・・・・・

このまま勘違いされていると部室の中で過ごしにくくなる

そうこうしていると長門が本を閉じた

長門、話ってなんだ?決心はついたのか?

長門「ついた」

よし、聞かせてくれ

長門「朝比奈みくるの記憶を消失させたのは私」

その瞬間俺は固まった

何を言っているのかわからない、どうして、なぜ、なんのために、Why?

なんて全部同じ意味の言葉が俺の頭の中で繰り返されていた

それほど混乱していた

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:33:37.62 ID:IjMd/M4e0

な、なんだって?
朝比奈さんの記憶を消したのは長門だと?

長門「そう」

・・・・・・理由を聞かせてくれ

長門「朝比奈みくるが涼宮ハルヒにとって危険な存在であると判断した」

何故だ!?

長門「朝比奈みくるは憎悪の感情を抱いていた」

ハルヒに?

長門「そう」

ありえない・・・・・・何を言っているんだ

長門「事実」

古泉「やはりそうでしたか・・・・・・」

古泉、お前まで何を言ってやがる

古泉「あなたは気づいていなかったでしょうが長門さんの言っていることは確かです」

思い当たる節があるのか?

古泉「はい」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:36:06.88 ID:IjMd/M4e0

全然気がつかなかった・・・・・・

しかしどうだ?古泉とあの長門が言っていることだ

全く信じられんなんて言える訳がない

俺は朝比奈さんを疑っていた

それはハルヒに言うべきではないな

古泉「もちろんです」

ハルヒにはなんて説明すればいいんだ?

古泉「勉強が忙しくて当分部活に参加できないということにしておきましょう」

そんな理由で大丈夫なのか?

古泉「実際もう少しでテストですし、涼宮さんだって立派な常識人ですから大丈夫でしょう」

そうか、・・・・・しかしもしハルヒが朝比奈さんにコンタクトをとろうとした場合はどうするんだ?

長門「それなら心配ない」

何故だ?

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:39:04.12 ID:IjMd/M4e0

長門「涼宮ハルヒが朝比奈みくるに会いに行くことはない」

何故そう言いきれる

長門「涼宮ハルヒも心のどこかで朝比奈みくるを敵対視している」

なんだって?

長門「そんな相手にわざわざ会いに行くことはない」

俺は古泉を見た

古泉「事実です」

そういうと古泉は頷いた

一体俺の知らないところでどれだけのことが起こってるんだ?

そろそろついていけないぞ

まさかハルヒと朝比奈さんがお互いのことを嫌っていたとはな・・・・・・

古泉「それは少し違いますね」

え?

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:42:05.88 ID:IjMd/M4e0

古泉「朝比奈さんはともかく涼宮さんは「嫌い」という感情ではないでしょう」

なら、なんだって言うんだ?

古泉「ライバル・・・・・・ですかね」

ライバル?なんだ?また「俺の知らないところで起こっていること」がらみか?

古泉「まあそんなとこです」

なんだってんだ・・・・・・俺だけ完全に蚊帳の外だったって訳か

古泉「あくまで僕達は自分で考え事実に気がついたまでですよ」

古泉「お二人からそのような話を聞いたことはありません」

俺がバカってことか

まあいいそれは認める

長門

長門「何?」

朝比奈さんの記憶を再び戻すことは可能か?

長門「可能」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:44:13.01 ID:IjMd/M4e0

古泉「何故そのようなことを?」

古泉「朝比奈さんの記憶が戻ると涼宮さんが危険にさらされます」

朝比奈さんを説得することが絶対に不可能だと言い切れるのか?

古泉「それは・・・・・・」

説得もしないで一方的に朝比奈さんの記憶を消してそれで解決、なんてあんまりじゃないか?

古泉「確かにそうですが・・・・・・絶対に成功すると言い切れますか?」

・・・・・・それはやってみないとわからない

古泉「失敗した場合はもう一度記憶を奪うなんてそんなことは余計にあんまりだと思いませんか?」

でもやってみる価値はあるだろうが

記憶は迷わず失わせておいて説得という手段は試す前から価値がないとみなす意味が俺にはわからんな

普通順序が逆だろ

古泉「長門さんの考えはどうなんでしょう?」

長門「あなたがそういうのならば私は記憶を戻す」

古泉「・・・・・・無駄でした。僕の負けですね。」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:46:29.34 ID:IjMd/M4e0

すまんな古泉、俺はお前に憎しみなど抱いている訳ではないんだがな

古泉「わかっています、けれど僕も涼宮さんを守らなければならないので」

古泉「もっとも確実で安全な策を提案するのは当然のことです」

長門「これから朝比奈みくるの記憶をもとに戻す」

ああ、その後は任せてくれ

そうして俺達はその日、部室を後にした

俺は家に着くとすぐにベッドへ倒れこみ、色々なことを考えた

そこで大切なことに気がついた

というか俺はバカだ

古泉「もしもし」

古泉か?

古泉「そうですが、どうしたんですか?」

一つ大切なことを聞くのを忘れていた

古泉「なんでしょうか?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:49:42.31 ID:IjMd/M4e0

朝比奈さんは何故ハルヒに憎しみを抱いているんだ?

古泉「・・・・・・それについてはあなた自身が考えて気づくべきだと思いますが、無理でしょう」

教えてくれないか?

古泉「仕方ありませんね。わかりました」

古泉「朝比奈さんと涼宮さんはあなたに好意を抱いているでしょう」

古泉「そして気が付いていないでしょうがあなたは涼宮さんに好意を抱いているはずです」

古泉「そのことに気がついた朝比奈さんは涼宮さんに対して嫉妬心を持つようになりました」

古泉「そしていつしか嫉妬心は憎しみへと変化していった訳です」

古泉「涼宮ハルヒさえいなければ・・・・・・とね」

古泉「それに対して涼宮さんも朝比奈さんがあなたに好意を抱いていることに気がつきました」

古泉「だからライバルなんですよ。しかしライバルというのはすなわち好敵手。涼宮さんは朝比奈さんを嫌っている訳ではないです。」

古泉「理解できましたか?」

・・・・・・できる訳がないだろう?

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:52:17.19 ID:IjMd/M4e0

なんなんだそれは?何一つわからないぞ、分からないことだらけだ

ダメだ古泉

俺にこんなこと処理できるはずがないだろうが

どうやって説得すればいいんだ?

古泉「朝比奈さんの中の涼宮さんへの感情を拭い去ればいいんです」

そんなことは分かっている・・・・・・俺が知りたいのはその方法だ

古泉「あなたが朝比奈さんに好きだと伝えるしかないでしょうね」

古泉「それか涼宮さんを嫌いになるか」

古泉「どちらかでしょう」

全くお前の状況判断能力には感服するよ

無理に決まっているだろう?

思ってもいないことをやれってのか?

古泉「説得する、と言ったのはあなたです」

しかしだな・・・・・・

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:55:09.17 ID:IjMd/M4e0

古泉「それにすでに朝比奈さんの記憶は明日の朝に戻るようになっています」

そうなのだが・・・・・・

古泉「やると言った以上はやらなければなりません」

古泉「成功を祈っています。涼宮さんの安全のために」

ちょ、おい古泉!!

プツッ・・・プー・・・プー・・・

切りやがった・・・・・・

まずい、非常にまずい

どうすればいいんだ俺は

こんなことなら説得するなんて言わなければよかった

そうだ、長門に・・・・・・

長門「何?」

朝比奈さんの記憶を戻すの、やっぱりやめてくれないか?

長門「それはできない」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 15:57:43.77 ID:IjMd/M4e0

何故だ?

長門「今のあなたには失望している」

長門「これはあなた自身が言いだしたこと」

長門「あなたの手で解決するべき」

長門「じゃあ」

ちょっと待ってくれ!!

プツッ・・・プー・・・プー・・・

くそ!!

でもやはり無理か・・・・・・・

俺の勝手な意見で記憶をもとにもどさせといてやっぱりやめてくれなんてそんなのは虫がよすぎる・・・・・・

しかしどうすればいいのか見当もつかない

俺が朝比奈さんに好きだと言ったとして、その場合ハルヒは傷つくだろう

そして俺がハルヒのことを嫌いになったとしてもハルヒは傷つくだろう

そして俺はハルヒに好意を抱いている・・・・・・

これではまるで道がない・・・・・・

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 16:00:58.27 ID:IjMd/M4e0

古泉・・・・・・

古泉「またあなたですか・・・・・・」

すまん・・・・・・

古泉「どうされたんですか?閉鎖空間が現れたので忙しいんですよ」

すまんな・・・・・・

アドバイスをしてくれ・・・・・・

古泉「アドバイスなら先ほどしたはずですが」

でも俺にはできない・・・・・・

古泉「僕の中ではあの2つの方法以外考えられません、そういうことです」

古泉「いい加減閉鎖空間へ向かわなければならないので、それでは」
プツッ・・・プー・・・プー・・・



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 16:03:13.81 ID:IjMd/M4e0

長門・・・・・・

長門「何?」

長門「あなたに話すことは何もない」

俺はどうすればいいんだ・・・・・・

長門「朝比奈みくるを説得し、涼宮ハルヒへの感情を消す」

わかっている・・・・・・

長門「何を望んでいるの?」

俺は朝比奈さんに好きと言ってその後の人生ずっと偽り続けることはできない

かといってハルヒを嫌いになることなんて到底できない

俺は一体どうすれば・・・・・・

長門「あなたは自分が見えていない」

見えていない?

長門「そう」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 16:06:51.86 ID:IjMd/M4e0

長門「もっと考えれば自ずと答えは見えてくるはず」

長門「これ以上何も言うことはない」

長門「じゃあ」

プツッ・・・プー・・・プー・・・

俺は長門に言われたことを考えていた

自分が見えていない

どういうことなのだろう

俺はその日、何も口にすることなく、長い時間考え続けていた





49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/01/22(金) 16:09:14.11 ID:IjMd/M4e0

次の日

今日未明、○○駅前交差点で男性が倒れているのを近くにいた住民が発見し通報しました。
この男性は16歳〜18歳の高校生と見られ、制服や所持品などから県立北高校の生徒であることが判明しました
現場すぐ近くのビルからは遺書が発見され
「俺が消えれば全てが解決するだろう。」
とだけ書き残されていました。
詳しいことは地元警察が調査中とのことです。

=部室=
ハルヒ「なんで・・・・・・なんでなのキョン・・・・・・」

そこにはSOS団のメンバー全員が集まっていた

部屋の真ん中では1人の少女が崩れ落ちるように泣いている

古泉は長門有希に好意を抱いていた

しかし長門有希はいつも彼のことばかりを気にかけていた

そんな古泉は彼のことが気に入らなかった

古泉「計画どおりですね、朝比奈さん」ニタァ

みくる「そうね」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/01/22(金) 16:11:48.98 ID:IjMd/M4e0

そういうと朝比奈みくるは微笑んだ

長門有希もまた、彼のことを憎んでいた

景色、宇宙人、彼はまるで私のことを人間ではない何か奇妙なものとして見ていた

そんな彼に私は耐えられなかった

感情を持っていないだけで私は人間と同じなの

あなたが人間ではなくなるべき



その場で悲しそうに涙を流すのは、黄色いリボンを身に付けた1人の少女のみであった

〜終わり〜



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:阿笠「光彦君のペニスをでかくする装置が完成したぞい!!」