1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:15:36.49 ID:/wXcIlj00
キョン「悪い、遅れた。待ったか?」
佐々木「やぁ、キョン。僕も今k・・・いや、ここはあえて正直に言わせてもらうかな。30分ほど待ったよ。くつくつ」
キョン「う・・・すまん。・・・お詫びに何かおごろう。何がいい?」
佐々木「ではお言葉に甘えようかな。気になる新作があるんだ」
キョン「またあのケーキ屋か?本当に好きなんだな」
佐々木「くつくつ。これでも一応女の子なんでね」
キョン「わかっているさ。・・・ん?」
佐々木「どうしたんだい?」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:24:04.71 ID:/wXcIlj00
キョン「見てくれ、佐々木!雪だぞ、雪!」
佐々木「くつくつ。意外だな。君が雪でそんなにはしゃぐとは思わなかったよ、キョン」
キョン「俺もキャラじゃないのは重々承知さ。だが昔から好きなんだよ、雪。冬が好きってわけじゃないがな」
佐々木「なるほど、意外とロマンチストなんだね」
キョン「その言われ方は思いのほか恥ずかしいからやめてくれ」
佐々木「くつくつ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:49:24.30 ID:/wXcIlj00
二人でよく通ったケーキ屋。そこで君をまた発見した。
今年でもう何回目?いつまでもファッションは変わらないね。
茶色のコート。毛糸のニット。
全部があの日と一緒。
キョン「うー・・・寒い。寒すぎる」
キョン「だいたい冬はコタツでゆっくりするもんだ」
そして君の隣には・・・
ハルヒ「もう、ジジくさい奴ねぇ」
新しい恋人。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:52:13.98 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「あんたには若さがないのよ!若さが!」
キョン「お前がエネルギッシュすぎるんだ。それに・・・」
ハルヒ「それに、何よ?」
キョン「・・・冬は・・・嫌いなんだよ」
ハルヒ「!あ・・・」
キョン「・・・」
ハルヒ「・・・ごめん」
キョン「・・・いや、俺が悪かった。すまん」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:56:16.62 ID:/wXcIlj00
去年の12月末。君はまだ泣いていたんだ。
急にいなくなる僕はただ最低だった。
夜空には輝くオリオン座。もう涙も飲み込んだ。
君はそっちの世界で自分の幸せを描いて。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 00:59:35.29 ID:/wXcIlj00
二人を祝うかのように輝くイルミネーション。
一年に一度聖なる夜。街に流れるきよしこの夜。
降り出しそうな夜空の下。君の姿を探したんだ。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:12:40.60 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「・・・」
キョン「ぷっなんて暗い顔してんだよ」
キョン「似合わなすぎる。しおらしいハルヒなんて・・・いや、いいな」
ハルヒ「!な、何よ!このエロキョン!バカキョン!」
キョン「・・・前言撤回だ。やっぱそっちの方がハルヒっぽくていいぞ」
ハルヒ「〜〜っ、この・・・バーカ!」
キョン「む・・・まだ言うか」
ハルヒ(本当にバカよ・・・そんな元気ないくせに、あたしのことまで気にして・・・)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:21:05.30 ID:/wXcIlj00
キョン「どうしたハルヒ?」
ハルヒ「・・・なんでもないわよ。バカキョン」
キョン「ならいいが気分が悪ったら、ちゃんと言うんだぞ?」
キョン「あとそのバカ一点張りやめてくれ。いい加減へこむから」
ハルヒ「ん、ありがと。バカ」
キョン「・・・なぁ、俺ってそんなバカなのかな」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:31:51.86 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「あー、買ったー!歌ったー!遊んだー!」
キョン「なんでお前はそんなに元気なんだ・・・俺はもうヘトヘトだ」
ハルヒ「だらしないわねぇ・・・ん?あ!」
キョン「・・・雪、か」
ハルヒ「・・・」
キョン「?ハルヒ?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:43:07.77 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「キョン・・・」
キョン「どうした?」
ハルヒ「あのね、キョン。あたし、昨日夢をみたのよ」
ハルヒ「夢の中で誰かがあたしにお願いをするの」
キョン「・・・」
ハルヒ「『明日1日だけでいい』『あなたの力を自分にあずけてほしい』って」
キョン「!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:52:49.78 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「あたし怖かった。あたしにはその人が何を言ってるのかわからなかったから」
ハルヒ「でも、その人は必死だった。だから、あたし『いいわ』って言ってあげたの」
ハルヒ「あたしね、この雪ってその人が降らせてくれたんじゃないかと思うの」
ハルヒ「『あたしの力』ってのがよくわからないけど・・・あたしはそんな気がする。ううん、絶対そう!」
ハルヒ「ね、キョン。どう思う?」
ハルヒ「キョン?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 01:57:41.39 ID:/wXcIlj00
ねぇ、キョン。
あれから君と別れてずいぶん経つけど、元気でやってるかい?
ハルヒ「キョン?」
キョン「・・・っ・・・」
突然君の前からいなくなって、毎日すごく辛い思いをさせたお返しに神に頼んだ白い雪。
今は幸せそうな君と、今の彼女にプレゼント。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:03:52.70 ID:/wXcIlj00
キョン「・・・うっ・・っ・・」ポロポロ
ハルヒ「キョン・・・」
僕はサンタクロース。
夜空の上からいつだって見守ってる。
僕が大好きだった君と君が大好きな彼女のために、真っ白な雪をプレゼント。
二人が寄り添えるように。
僕のことはもう忘れて、君は今の幸せを抱きしめて。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:08:23.75 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「・・・少しは落ち着いた?」
キョン「あぁ・・・我ながらみっともなかったな」
ハルヒ「いつものことじゃない」
キョン「・・否定できんのがつらいとこだな」
ハルヒ「ぷっ何よそれ」
キョン「・・・ハルヒ」
ハルヒ「何よ?」
キョン「ありがとな」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:15:35.46 ID:/wXcIlj00
ハルヒ「!・・・べ、別にいいわ。それより寒くなってきたわね、そろそろ帰りましょ」
キョン「・・・」
ハルヒ「?どうしたの?空なんか見上げて」
キョン「・・いや、何でもないさ」
ハルヒ「まさか星空がきれいだ、とか柄にもないこと言うんじゃないでしょうね?」
キョン「・・・知らなかったのか?俺は意外とロマンチストなんだぞ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:19:55.73 ID:/wXcIlj00
今宵はクリスマス。きらめくクリスタル。
君は振り向かず、通りすぎるはずだったのに。
ふいに空を見上げた。一瞬目と目が合った気がした。
僕はサンタクロース。
天国の方からいつだって祈っているよ。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:26:22.69 ID:/wXcIlj00
君からこぼれた涙の数だけ笑顔が訪れるように。
真っ白な雪をプレゼント。
ちょっとだけ寂しいけれど、また来年のクリスマスも遠くから君を見守っているよ。
Silent night Holy night.
Silent night Holy night.
佐々木「僕はサンタクロース」
(完)
30 名前:1[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:33:36.25 ID:/wXcIlj00
支援さんくすです。いざ見てみると非常に短いですが一応終わりです。
初めてSSかいたんだけどアレだね、支援とか本気で嬉しくて死ねますね。
33 名前:1[] 投稿日:2009/11/30(月) 02:50:52.35 ID:/wXcIlj00
ちょw画面が歪んでみえないぜw>>31>>32ありがとう!
ちなむと元ネタはファンモンの「ぼくはサンタクロース」って歌。
この歌の歌詞をちょっといじっただけの自己満SSでしたが読んでくれた人いてくれてよかった。
「ぼくはサンタクロース」よかったら聞いてみてください。名曲です。
もっと話広げれたらなぁ・・・orz