キョン妹「キョン君、警察から電話〜」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:古泉「もしも、SOS団の女性どなたかと恋仲になるとすれば」

ツイート

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 22:06:21.52 ID:eu57eAZn0

今、俺は久々に穏やかな休日を過ごしている
長門に借りていた本を読んでいるのだが、これがなかなか面白い…と思っていた時だった

キョン妹「キョン君、警察から電話〜」

キョン「…すまんよく聞いてなかった、何だって?」

キョン妹「キョン君警察から電話〜」

警察…だと?妹とした事がバレたのか?
…ディスプレイの前のみんな、今までありがとう。檻の中で再会しようぜ

キョン妹「キョン君早く〜」

キョン「はいはい……もしもし、お電話代わりました…」

キョン「はい…はい?…え?いや、俺そんな事した覚えは…」

キョン「はい、それは断じて俺じゃありません…それじゃ失礼します…」 ガチョンッ


…あーなんか俺、やちまったらしい

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 22:24:59.21 ID:eu57eAZn0

簡単に説明すると、今日俺が人助けをしたらしい
老人の荷物を持ち、サラリーマンの探し物を手伝い、子供のお守りをしたそうだ
…俺って奴は偉いんだな、それに比べて俺は何だ。妹とあんな事しかしていないじゃないか…

キョン「…って俺って誰だよ、なんなんだよ」

キョン妹「大丈夫?キョン君はキョン君だよ〜」

えぇっと、つまり今日、俺の知らない俺が、俺の知らない事をしたらしい

キョン「なにこれ怖い」

キョン妹「大丈夫だよキョン君、私がそばにいるから…」

キョン「おい、俺は今日ずっと家に居たよな?」

キョン妹「うん、ずっと一緒にいたよー」

やっぱこれはハルヒ絡み…だよな?
…と言うかそうであって欲しい。俺の精神衛生上

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 22:45:17.71 ID:eu57eAZn0

ポルルルル…ポルルルル…

キョン妹「キョン君電話〜」

キョン「分かってる…こんな時にかぎって」 ピッ

古泉「あ、古泉です。ちょっとよろs…」

キョン「俺だ、現在この電話番号は使われてない。ピーっとなったら電話を切る、ピー」

古泉「あ、ちょ!ちょちょっと待ってください!ちょっとでいいですから話を聞いてください!」

キョン「今忙しいんだ、手短に頼む」

古泉「は、はぁ…では、先ほどはどうして逃げ去ってしまったのですか?
    涼宮さんが残念がっていましたよ?」

キョン「…大体読めたぞ、お前は今日俺と会ってたんだな?
    その後俺はハルヒを見たとたん逃げ出したんだろ、違うか?」

古泉「はい、僕のほうも読めました、あなたは今日一歩も外に出ていないんですね?」

持つべきものは超能力者だな

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 23:05:09.90 ID:eu57eAZn0

とりあえず古泉の話によると
公園で子供と遊んでる俺を見つけた後、俺と二人で喫茶店に入ったそうだ
そこでスイーツを貪ってる最中ハルヒが喫茶店に入って来た…が、俺は逃走

キョン「これは絶対ハルヒ絡みだろ」

古泉「うーん…ですが涼宮さんがあなたの知らないあなたをを作り出すメリットはあるのでしょうか?」

キョン「…だがこんな事しでかす奴はアイツくらいだろ」

古泉「これはあくまで憶測なのですが…」

キョン「な、なんだよ…?」

古泉「…あなたの双子じゃないですか?」

キョン「じゃ、また明日」

古泉「あ、ちょちょ冗談でs」 ピッ トゥートゥートゥー…

やっぱり超能力者いらんわ

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 23:24:25.51 ID:eu57eAZn0

でも、別にいいんじゃないか?このままで
別に悪さしてる訳じゃないんだ、俺の好きにさせてやれよ
それに上手く行けば謝礼金とか貰えそうだし、可愛い女の子とお近づきになれるかもしれん

ポルルルル…ポルルルル…

キョン妹「キョン君電話〜」

キョン「言わせない」 ピッ

みくる「うぅ…ひっぐ…うぐぅ…」

キョン「…?朝比奈さん?どうしたんですか?」

みくる「うっ…ひぐ…それは…ひっぐ…わたしがっ…ぅ…聞きたいです…」

キョン「ああはいもう分かりましたよ、俺が何かしたんですね?」

みくる「…どうして…ひっ…あんなこ、ひっぐぅ…うぅ…」

キョン「とりあえず落ち着いてください、はい吸ってー吐いてー」

みくる「うぅ…ひっ…ふぅー…ひっ…ふぅー…すぅー…ふぅー…」

キョン「もう大丈夫ですか?ゆっくりでいいですから…」

みくる「はい…じつは…街で…キョンさんに会って…それで…犬を…二人で…撫でて…それから…」

15分後

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/25(水) 23:51:46.72 ID:eu57eAZn0

みくる「その後…ケーキを…一緒に…あっ…ちなみに食べたのは…ショートケーキで…それで…」

朝比奈さん、話が進みません
とにかく話をまとめるとこうだ

街で俺にあったらしい、犬が可愛かったらしい
その後二人でスイーツを食ったらしい、俺はショートケーキ1ホール食ったらしい、食いすぎだろ
…で、その最中にハルヒがやって来て…

キョン「俺が突然逃げ出したんですか…」

みくる「はい…その拍子に…キョン君のチョコレートケーキが…勢いよく落ちちゃって…」

みくる「まだ一口しか手をつけてなかったみたいだから…3000円が…勿体無くて…」

キョン「…って、2ホール目かよ!流石に胃がもたれるだろ!」

みくる「でも…その時は「まだまだいけますよ!」って…言ってました…」

キョン「…で、そのひどい事ってケーキ落とした事ですか?」

みくる「っ!いえ!…それで去り際に…わたしに…わたしに…」

みくる「往復ビンタして足の指を踏んでいったんです」

キョン「どうしちゃったの俺」

俺の知らない俺の一面を知った

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 00:12:00.80 ID:5yxzNUf20

今までの俺の知らない俺は俺の正反対の俺だった、ややこしい
でも朝比奈さんの会った俺はどうだ?まるで子供のようだ
まさか…この世界には「俺」が三人もいるのか?

キョン「あの…すみませんでした、傷とか残ってますか?」

あぁ…俺がやった事じゃないのになんで謝ってるんだろうか…

みくる「いえ…傷とかはないんですけど、ちょっとびっくりしちゃって…・」

キョン「その時はちょっと焦っていた、と言うか混乱してたと言いますか…」

みくる「そ、そんなに気にしてませんから、キョン君も気にしないで…」

キョン「は、はい!今度おごります!おごらせてください!」

みくる「!…あ、ありがとうございます!楽しみにしてます!」

みくる「あ、それと6500円、ちゃんとかえしてくださいね?おやすみなさい」 プッ トゥートゥートゥー…

…もう一人の俺死んでくれ

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 00:32:41.48 ID:5yxzNUf20

…落ち着こう、素数を数えよう、1、2、3…だぁー
分からん…まったく意味がわからん…
だが古泉と朝比奈さんの件からしてハルヒが係わってる事は間違いないだろう

キョン「そうだ…長門の本、明日返さないと…」

まぁもしこれがハルヒの仕業だったら問題ないだろ…たぶん
もし緊急事態なら長門が知らせてくれるはずだ
それなのに長門からはまったく連絡がない

キョン「借りといて全然読んでなかったら悪いからな」

俺は最後に読んだページを開く
この本の主人公は罪を犯してしまった若者の話
若者は犯した罪を償うために人助けを始めるのだが…

ポルルルル…ポルルルル…

キョン妹「キョン君d…」

キョン「今度こそ言わせない!」ピッ

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 00:53:02.26 ID:5yxzNUf20

ハルヒ「…キョム…」

キョン「キョムじゃねーよ、どうした?」

ハルヒ「ごめんなさい…」

キョン「ど、どうしたんだ?お前が…謝るなんて…」

ハルヒ「わたし…キョンに酷い事言ってたのに全然気がつかなくて…」

どうなってる?これは夢か?現実か?

ハルヒ「今度からみんなに優しくする…キョンにだって…同じくらい…それ以上に優しくするから…」

キョン「落ち着け!落ち着くんだ!今日何があった!?俺に何された!?」

携帯からはハルヒのすすり泣く声が聞こえる
奴をここまで泣かせるのは誰が頑張っても非常に困難だろう
なのに、泣いてる

ハルヒ「まだ怒ってるの…?もう…今までみたいに迷惑かけないから…」

キョン「だ、大丈夫だハルヒ。確かに迷惑だったが、もう怒ってないから、だから…」

ハルヒ「本当にごめんなさい…明日は…がんばるから…」 プッ トゥートゥートゥー…

…なんなんだよ一体

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 01:11:32.61 ID:5yxzNUf20

…おかしいな、古泉から電話がかかってこない
ハルヒがあんなに情緒不安定なのに、閉鎖空間は発生していないのだろうか?
仕方ないこちらから連絡してみるか、ありがたく思え古泉

キョン「…あぁ、古泉か?俺だ」

古泉「誰ですか?オレオレ詐欺ですか?」

キョン「すみません、間違えました」

古泉「あ!ちょちょ、冗談です!切らないでください!」

キョン「お前な、そう言う冗談つまらんからやめろ」

古泉「いえ、あなたから電話がくるのは珍しいですからね、嬉しかったんですよ。」

キョン「はいはい…で、閉鎖空間はまだ出てないのか?」

古泉「…?いえ、こちらではまだ確認できていませんが。また涼宮さんと喧嘩でもしましたか?」

キョン「いや、俺がした訳じゃないんだが…」

古泉「…?あなたと喋っていると疑問符が途切れませんね」

古泉「…それでその後のあなたの知らないあなたはどうなりました?何か進展が?」

キョン「じつはその後…」

俺は朝比奈さんの話とハルヒとのやり取りをそれとなく話した

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 01:32:30.22 ID:5yxzNUf20

キョン「…どう思う?」

古泉「犯人はヤスですね」

キョン「さっきその冗談やめろって言ったよな?ん?」

古泉「しかし…朝比奈さんの時のあなたの知らないあなた…何だか欲望に忠実ですね」

キョン「あぁ、ケーキ2ホール食おうとしてたからな。よほど腹を空かせてたんだろう」

古泉「ええ、その事もありますが朝比奈さんに暴力を振るった事…いえ、これは…」

古泉「なんか、子供みたいですね」

否定はしないが

キョン「納得いかん」

古泉「僕だってそんな自分が現れたr」 プッ トゥートゥートゥー…

何か言ってたけど気にしない

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 01:46:43.08 ID:5yxzNUf20

もう、本読もう、現実逃避しよう
しかしこの本の主人公は大変だな…
迷惑な友人に振り回され…大好物のケーキは台無しになり…ケーキは台無しになり…

キョン「大好物の…ケーキ…だと?」

ま、待て待て、何か似てないか?善行をして…ケーキ台無しになって…
まさか俺の知らない俺はこの本を元に動いてるのか…!?
つまりこの本の結末が俺の知らない俺の結末なのか!?

キョン「そう言えば俺の知らない俺の行動は丁度俺が読んでる場面に沿っている…」

キョン「考え過ぎ…か?いや、でも可能性はゼロじゃない」

と、とにかく結末だ
くそっ…腹減った…
なんやかんやで読み終わった

キョン「えっと…まぁ、俺には関係ないよね?」

俺の知らない俺は死亡したようだ

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 02:01:24.54 ID:5yxzNUf20

次の日、俺は爽やかな気分で登校した
あぁ…花達が美しく咲き乱れている
そして風が優しく俺の頬を撫でる

ハルヒ「おはようキョン!」

キョン「うぉ!お、おう!」

ハルヒが元気に話しかけてきた
相変わらず騒がしいが、どことなーく物腰柔らかだった
昨日の事で反省したのだろうか?

…今日の授業が終わった、部室に向かう
コンコンッとノックをする…うむ、誰もいないな
とりあえず自分でお茶を淹れて見る

キョン「うーん…マンダム」

そんな事を口走っているとノック音が聞こえた

古泉「おや?あなただけですか」

悪かったな、俺だけで

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 02:20:03.03 ID:5yxzNUf20

とりあえず今日は囲碁をしてみる
お茶と相まって和風テイストだ

古泉「はぁ…何だか喉が渇きますね」

キョン「お茶はセルフサービスだ」

そんなやりとりをしてると朝比奈さんが入ってきた
メイド服に着替えると言うので俺たちは部室を出た
少し耳を澄ませていると古泉がニヤニヤしていた、こっちみんな

朝比奈さんの着替えが終わったのでまた囲碁を始める
何だか外が騒がしいが気にしない

ポルルルル…ポルルルル…

「キョン君電話ー」…そんな幻聴が聞こえた

キョン「おう、俺だ」

ハルヒ「キョン?今日はちょっと部室に行けないかも!みんなにごめんって伝えてもらえる?」

キョン「ん?あぁ、わかった伝えとくよ」

ハルヒ「そう?ありがとね!じゃあまた明日!」

いつもだったら「何で俺が」と言うところだが、たまにはいいよな?

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 02:38:47.20 ID:5yxzNUf20

キョン「と言う事で今日は解散だな」

古泉「ではまた明日会いましょう」

みくる「あ、あの…キョン君」

キョン「あ、おごりの話ですか?今日はなんでもおごりますよ」

みくる「いえ…6000円…」

…財布が軽くなった
500円だけおまけしてくれたのは優しさだろうか、哀れみだろうか
ちなみに長門は今日学校を休んでいたそうだ、気になる

キョン「と言うわけで、お見舞いにきたんだが…迷惑だったか?」

長門「そんな事はない、それよりも大切な話がある、入って」

キョン「あ、あぁ、おじゃま…しま…す…」

何だか長門の顔に疲れと焦りがあるようにみえた

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 02:52:28.76 ID:5yxzNUf20

お茶を出された、お返しに借りていた本を出した
お見舞いの品はない
お金がないから!お金がないから!

長門「…本、どうだった?」

キョン「え?あぁ…読みやすくて面白かったけど最後が納得いかなかったな」

長門「あれは仕方なかった、こうでもしなければ子供が真似をする危険性がある」

本の背表紙をよく見たら児童向けと書かれていた
タイトルは「罪の足枷」
…こんな難しい児童向けがあるのか?

キョン「…で、大切な話ってこれだけか?」

長門「そう」

キョン「…………」

長門「ジョーク」

キョン「えっと…話はこれだけじゃないって事…だよな?」

長門「そう」

長門と言い古泉と言い…微妙な冗談ばかり言いやがる

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 03:16:09.95 ID:5yxzNUf20

長門「先に謝っておく、ごめんなさい」

キョン「な、なんだよ急に…」

長門「じつはあなたがどんな事を思っているのか興味があった」

つまり長門は俺が長門の事どんな風に思ってるのか知りたいって事か

キョン「そうだな…悪くはないな、ただもっとコミュニケーsy…」

長門「最後まで聞いて」

キョン「あ、はい」

長門「話を戻す、私はあなたがどんな事を思っているのか興味があった」

キョン「…………」

長門「そこで私はあなたがどんな事を思っているのか教えてくれる、あなたそっくりの人形を作った」

キョン「な、なんだってー」

長門「しかしリアルを追求しすぎて勝手に出歩くようになってしまった」

あぁ…俺の知らない俺はこいつだったんだな…

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 03:30:23.59 ID:5yxzNUf20

長門「人形はあなたの記憶と思考を読み取り、欲望を実行に移すようになった」

さらりと言ってるがこれはかなりの大問題だぞ
プライバシーの侵害とかそんなちゃちなもんじゃない、もう別次元だ

長門「でも大抵は思考の伝達じに歪みが生じており、直接的な行動はしていない」

これは安心しろと言う事ですか?できません

長門「でも安心はできない、すでに被害者が二人出ている」

なんて事だ、直接的ではないとは言え…被害者を出してしまったのか
…と言うか思考をすでに読まれてる気が

長門「一人目は朝比奈みくる、これはあなたも知っていると思う」

長門「あなたが朝比奈みくるに甘えたいという欲望があったため人形がこのような行動にでた」

長門「ちなみにケーキはあなたが本を読んでいる時に無意識に食べたいと思っていたため」

人形だよな?人形…なんだよな?

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 03:54:41.79 ID:5yxzNUf20

長門「そして二人目は…た、谷」

キョン「谷…?谷さん?」

長門「違う、あなたのクラスメイトの谷…」

キョン「谷口か!?谷口がやられたのか?」

長門「そう、とても無残な状態になった」

長門「あなたが部室にいる時、彼が被害にあった」

長門「その時人形はあなたからマンダムと言う思考をうけカイゼルヒゲを連想し、それを生やした」

いや、そのくだりは必要か?

長門「しかしこのカイゼルヒゲで顔を隠す事に成功した」

あ、必要だったんだな

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 04:14:45.82 ID:5yxzNUf20

長門「その後人形は古泉一樹のニヤニヤ顔からを谷さんを連想、これで彼が標的となる」

長門「そして人形はお茶と囲碁から侍を連想、剣道部で胴衣と竹刀を持ち出す」

長門「この時涼宮ハルヒは人形を目撃、侍と誤認し竹刀が真剣へと変貌した」

ま、まさか谷口は…

長門「その8分と8秒後、谷さんが人形に襲われる」

長門「何度も斬られていたが…」

もう…言うな

長門「人形の生成により力を使い果たし、外に出る事さえ出来ない私には止められなかった」

もう、それ以上言わないでくれ

長門「谷さんは…」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 04:34:58.85 ID:5yxzNUf20

長門「裸になった」

キョン「…は?」

長門「制服は細切れにされたが、下着だけ残ったのが唯一の救いだった」

…谷口は本当に可哀想だ

長門「同意する」

長門「あなたには多大な迷惑をかけたのは理解している」

いや、俺より谷口の方が迷惑被ってるだろ…

長門「でもこれはあなたにしか頼めない、私の作った人形を止めて欲しい」

キョン「あぁ、お前にいつも世話になってるし…何よりこれ以上俺に暴れられても困るからな」

長門「応援してる、オリジナルのあなたなら89%の確率で止められる」

不安要素が11%、意外と多いな

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 05:02:48.14 ID:5yxzNUf20

キョン「でもどうやって止めればいいんだ?」

長門「人形はある程度打撃などで攻撃されると生命活動を停止する」

もう人形じゃないと認めてるだろ

長門「人形の居場所は彼に任せる」

キョン「彼?」

ポルルルル…ポルルルル…

鳴り響いた携帯電話、嫌な予感が胸をよぎる

キョン「はいh…」

古泉「もしもし!僕ですけど、先ほど機関のにんg…」

キョン「誰ですか?僕僕詐欺ですか?流行りませんよ?」

古泉「そうですか!とにかく下で待ってますから!」 プッ トゥートゥートゥー…

軽く流されるとへこむよな

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 05:23:06.11 ID:5yxzNUf20

キョン「で、どうした?」

古泉「あなたのそっくりさんを機関の人間が目撃しました…が、すごいカイゼルヒゲだったそうです」

キョン「よし、そのカイゼルに会わせろ」

俺は車に乗り込み、古泉に人形についてそれとなく話した

古泉「なるほど、つまりその人形を殴ればよろしいんですね」

キョン「いや、お前はいい、俺が人形に会ったらすぐに帰れ」

古泉「安心してください、こう見えてもそれなりに戦闘訓練を受けていますから」

キョン「そう言う意味じゃねーよ」

古泉「あ、つきましたよ、この道を北に歩いていたそうです」

キョン「ここを北に…か、この先にあるのは公園くらいだな」

古泉「ですね、行ってみましょう」

ついに俺の知らない俺に会えるときが来た…谷口の仇、とってみせる

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 05:50:39.74 ID:5yxzNUf20

公園の中央、そこに奴はいた

たっぷりと蓄えたカイゼルヒゲ、凛々しい胴衣、輝く日本刀、厚い胸板、太い手足etcetc…

キョン「いやいや、あれは俺じゃない、絶対に俺じゃない」

そこには何処からどう見ても俺じゃない奴がいた

古泉「おそらくあなたの思考や記憶から自己進化したようですね」

そうか…カイゼルヒゲの段階で気付くべきだった…
こいつは自分の体を人間の許容範囲で変化させられるんだろう
その証拠に装備は変わっていない

キョン「どうする?素手じゃ勝ち目なさそうだぞ?」

古泉「安心してください、僕に策があります、あなたは人形の気を引いてください」

キョン「わかった、頼んだぞ」

キョン「…と言っても気を引くってどうすんだ?話し掛けりゃいいのか?」

キョン「……あの…立派なヒゲですね」

カイゼルヒゲ「…………あ゛ぁ゛ん゛?」

…古泉、俺、生きて帰ったらケーキ1ホール食うんだ…

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 06:09:14.75 ID:5yxzNUf20

とにかく、古泉の準備ができるまで時間を稼がなくては

キョン「そ、そのヒゲかっこいいな…と思いまして…」

カイゼルヒゲ「…………あ゛ぁ゛ん゛?」

キョン「だから…ヒゲかっこいいって言ってんだろ!」

カイゼルヒゲ「…………あ゛ぁ゛ん゛?」

…こいつそれしかいえねーのかよ!
そんな事を思っているとカイゼルヒゲがゆっくり迫ってきた

カイゼルヒゲ「…………あ゛ぁ゛ん゛?」

…駄目だ…俺は11%の可能性だったんだ…

その時、カイゼルヒゲの後方でゴッと鈍い音がした
ずぅうぅん…とやけにいい効果音を利かせながらカイゼルヒゲが倒れる

古泉「すみません、手ごろな石がなくて…怪我はないですか?」

…これが策か?囲碁で俺に勝ったのはまぐれか?

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 06:44:08.56 ID:5yxzNUf20

まぁ、結果よければ全てよしとも言うし…

キョン「よし、じゃあスイッチ切るか…」

俺はモゾモゾ動いているカイゼルヒゲに蹴りを入れる
あぁ…容赦なく人を蹴るのってこんなにいい気分なのか…

古泉「あの…それって本当に人形なんですよね?」

キョン「あぁ、長門が言ったんだ、間違いない」

キョン「だからお前も手伝ってくれ」

古泉「は、はぁ、じゃあ…はっ!…おお、これはなかなか…」

古泉「やぁっ!…何だか、すっきりしますね」

仲良くカイゼルヒゲに暴行を加える俺たち
はたから見たらただのリンチだよな…

ハルヒ「…何してんの…二人とも…」

ほら、お約束通り見てた人がいたよ

キョン・古泉「…これ、人形ですから」

血を流す人形、これ程説得力に欠けるものがあるだろうか

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 06:49:26.26 ID:5yxzNUf20

結局人形は俺たちの力では生命活動を停止せず、
古泉の機関で拘束してもらい長門の調子が戻った後消してもらった
ハルヒや谷口、他数十名の記憶を改変しすべてが丸く納まった…かに見えた


キョン「あー、ところで人形はどうやってハルヒを泣かせたんだ?」

長門「…?人形は涼宮ハルヒと会話をした事も接触した事もない」

キョン「だが俺はハルヒを泣かせた覚えはないぞ?」

長門「しかし記録には残っていない」

キョン「そう…なのか?」

長門「そう」

キョン「…人形は古泉と一緒にスイーツを食ったらしいがそれ以外の事はしてないよな?」

長門「人形と古泉一樹はカイゼル時にしか接触していない」

キョン「…人形が老人助けたり…サラリーマン手伝ったり子供のお守りした事は?」

長門「残念ながら、ない」


…ちなみにケーキ1ホールは挑戦しなかった


おわり

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/26(木) 06:55:45.41 ID:5yxzNUf20

筆がとてつもなく遅く内容もスッカラカンなのに支援を頂けて嬉しかったです



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ハルヒ「キョン・・・あんた今国木田とチューしてなかった?!」