ハルヒ「キョン!超能力者は捕まえて解剖よ!」古泉「!!」


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8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:59:04.20 ID:474tRHByO

キョン「唐突になんなんだ」

ハルヒ「だから超能力者を捕まえたら解剖するのよ!きっとすごい秘密を隠してるに違いないわ!!」

キョン「超能力者といえども人間だぞ?それをわかってて言ってるのか?」

ハルヒ「わかってるわよ!ああ、その変に適当な超能力者いないかしら…」


古泉「……………」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:02:06.30 ID:474tRHByO

キョン「……古泉」

古泉「……なんでしょう?」

キョン「…大丈夫なのか?」

古泉「……はっきり言ってかなりまずいですね」

キョン「……どうするんだ?」

古泉「……どうしましょう?」

キョン・古泉「………」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:10:07.08 ID:474tRHByO

長門「……」パタッ

ハルヒ「じゃあ今日は解散ね!明日はSOS団全員で超能力者を探すわよ!!!」

キョン「おいおい……」

ハルヒ「キョン、遅刻したら死刑よ!!それじゃまた明日!!」


キョン「やれやれ、あいつは1人でも会話出来るんじゃないか?」

みくる「キョンくん…古泉くんが………」
キョン「そうだった。おい、古泉どうするんだ?このままじゃ解剖されちまうぞ。流石にハルヒもそこまではしないと思うが……」

古泉「あの、みなさん少し付き合っていただけませんか?」

キョン・みくる「?」

長門「……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:15:26.17 ID:474tRHByO

キョン「付き合うのは構わんが、なににだ?」

古泉「とりあえずついて来て頂ければわかるかと…お二人はよろしいですか?」

みくる「ふぇ、私はいいですよぅ」

長門「構わない」

古泉「ありがとうございます。では、少しついて来てください」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:23:32.12 ID:474tRHByO

古泉「こちらへどうぞ」

キョン「これはすごいな………」

みくる「ふぇえ、大きい車ですねぇ」

古泉「んっふ、機関の所有車ですよ」

キョン「車もそうだが、いつの間に校舎裏に隠し通路なんて作ったんだ?」

古泉「つい、先日完成したばかりです。機関は涼宮さんを観察対象としていますので、なるべく目立たない連絡用通路が必要だったのですよ。」

キョン(通路が目立たなくてもこの馬鹿みたいにデカい車に乗るのなら意味がないと思うのだがな……)

古泉「僕もそう思っていたところですよ」

キョン「心を読むな」

古泉「これは失礼」

長門「ゆにーく」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:26:44.89 ID:474tRHByO

古泉「さて、時間もないですし少し急ぎましょう。皆さん乗ってください」

キョン「なんか緊張するな…」

みくる「ふぇえ…高いですぅ………」

長門「………」

古泉「皆さん乗ったようですね。それではよろしくお願いします」

新川「お任せを」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:29:14.98 ID:474tRHByO

キョン「ところで古泉。」

古泉「なんでしょう?」

キョン「この車はどこに向かっているんだ?それくらいは教えてくれてもいいだろう?」

古泉「そうですね。只今この車は僕の所属する機関の本部へと向かっています」


キョン・みくる「!!」

長門「………」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:36:05.14 ID:474tRHByO

キョン「おい、それはマジなのか?」

古泉「ええ、えらくマジです」

キョン「そんな緊急事態なのか?いくらハルヒといえども説得すればなんとか……」

古泉「そうではないのです」

キョン「じゃあ、なんだってんだ?」

古泉「先ほど本部から連絡があったのですよ。涼宮さんが超能力者を探すと言い始めてから、異常な速度で僕と同じ超能力者の出現が確認されている、と」

キョン「おいおい……」

みくる「ふぇええ…」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:51:05.86 ID:474tRHByO

古泉「このまま増殖が続くと、いずれ全人類が超能力を得てしまうかもしれません」

キョン「ん?待てよ、それはむしろお前達にとっちゃ好都合なんじゃないのか?お前のバイトも楽になるだろうし、なにより超能力が居ると知ればハルヒが閉鎖空間を発生させることもなくなるだろう」

古泉「いえ、それが問題なのです。全人類が一般的に超能力を持っている世界に涼宮さんは好奇心を抱くでしょうか?」

キョン「それは……」

古泉「きっと今となんら変わりないか、今より酷いかもしれません。」

キョン「まずいな……」

古泉「まずいんです」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:57:55.23 ID:474tRHByO

キョン「そうだ、長門。お前は気づいてたのか?」

長門「涼宮ハルヒが超能力者を探すと発言した時刻から今現在まで異常な速度で情報が改変されている。」

キョン「そ、そうか……」

長門「そう」


キョン「はあ、何であいつは毎度毎度こんなくだらん理由で世界を変えるんだ」

古泉「困ったものです」

みくる(皆さん何の話をしてるんだろう…)

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:02:30.62 ID:uMfdA8hqO

古泉「おや、どうやら着いたようです」

キョン「ここが……って、え?……」

みくる「こんな所なんですかぁ?」

長門「………」

古泉「んっふ、皆さんが驚くのも無理はないでしょうね」

キョン「驚くなんてレベルじゃないぞ。ここ、いつもの喫茶店じゃないか…」

みくる「ふぇえ…驚きましたぁ……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:09:44.62 ID:n1Anv/tJO

古泉「んっふ、案外こういう場所の方が目立たないものですよ。さあ、こちらです」

キョン「にしても、まさかこことはね」

みくる「ふぇえ、すごいですねぇ」


古泉「この部屋に入ってください」

キョン「緊張するぜ…」

みくる「ふぇえ、お邪魔しますぅ」

長門「………」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:16:15.06 ID:n1Anv/tJO

キョン「……ここ、本当にあの喫茶店か?」

古泉「ええ、間違いなく」

みくる「未来を思い出しますねぇ…」

キョン「確かに現在の科学が集められたような場所だな…」

古泉「その通り、現在の科学力はほぼここに集められていると思っていいでしょう」

キョン「まじかよ」

長門「………」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:24:47.20 ID:n1Anv/tJO

幹部「やあ、どうもお待ちしておりました」

キョン「は、はあ……」

古泉「んっふ、おはようございます」


キョン「…おい、誰なんだあの人?」

古泉「…あの方は機関の重要幹部の1人ですよ」

キョン「…なんかすごいな…で、名前はなんていうんだ?」

古泉「…それが、あまり自分を知られたくない方のようで、名前は機関の中でもほんの一握りの上層部しか知らないんですよ」

キョン「…滅茶苦茶だな……」


幹部「古泉、あとは私が説明しよう」

古泉「すいません」

幹部「君がキョンくんかな?」

キョン「あ、はい。そうです」

幹部「うんうん、噂通りいい男だ」

キョン「………」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:27:57.51 ID:n1Anv/tJO

幹部「ははは、冗談だよ」

キョン「は、はは……」


幹部「それで君が朝比奈みくるさんかな?」

みくる「ふぇ、あ、はいそうですぅ」

幹部「それじゃ、君は長門有希さんだね?」

長門「………」コクッ

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:37:17.85 ID:n1Anv/tJO

幹部「今日君たちをここに呼んだ理由は古泉から聞いているかい?」

キョン「超能力者が増え続けると、世界がヤバい云々ってやつですか?」

幹部「ああ、そうだ。ご存知の通り今も超能力者は増え続けている。まだ自覚はないようだが、気づくのは時間の問題だろう……」

キョン「自覚して何か不都合なことでもあるんですか?」

幹部「ふむ、それでは君は全ての超能力者が私たちに協力的だと思うかね?」

キョン「……なるほど」

幹部「超能力を得たことに気づいた者の中には、それを利用して悪巧みを企てる輩も現れるだろう……」

古泉「………」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:44:46.38 ID:n1Anv/tJO

幹部「そこで、君たちに協力してもらいたいのだ。」

キョン「協力…ですか?」

幹部「ああ。どうにかして超能力者の増殖を止めなければ彼女が望まずとも世界は崩壊してしまうだろう…しかし、残念ながら我々の力だけではどうにも出来ないのだ………」

キョン「でも、長門や朝比奈さんならまだしも俺が力になれるとは到底思えませんがね…」

幹部「君のことは古泉から良く聞いている。そして、我々は君たちに賭けることにした」

キョン「賭ける…?」

幹部「ああ。世界の命運を君たちに託す」

キョン「んな滅茶苦茶な…」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:58:39.37 ID:n1Anv/tJO

幹部「もうこれしか方法がないのだよ…頼まれてくれないかい?」

キョン「……ハルヒを説得すればいいんですか?」

幹部「ああ。涼宮ハルヒの好奇心を超能力者とは別の無害なものに向けてもらいたい」

キョン「わかりました…出来る限りやってみます」

幹部「おお、ありがたい。そちらの2人は協力してくれるかい?」

みくる「ふぇえ、未来に連絡してみます」

幹部「わかった。君はどうだい?」

長門「涼宮ハルヒが我々の進化の可能性を失うことは情報統合思念体にとって大きな損失。」

幹部「それは協力すると受け取ってもいいのかな?」

長門「いい」

幹部「おお、ありがとう。これで役者は揃ったな。何か必要な物があれば我々が用意するから遠慮なく言ってくれ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:06:47.48 ID:n1Anv/tJO

幹部「それじゃ私は退席させてもらうよ。君たちが最後の砦なのだ。頑張ってくれ」

キョン「わかりました…」

みくる「わ、わかりましたぁ」

長門「………」コクッ


古泉「んっふ、それでは皆さんこちらへどうぞ、機関の車でお送りします」

キョン「そりゃありがたい。なんか今日はどっと疲れが溜まったぜ…」

みくる「私も疲れましたぁ……」

長門「……」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:14:24.77 ID:n1Anv/tJO

キョン「…またこの馬鹿デカい車に乗るのか。お前の機関には普通の車はないのか?」

古泉「んっふ、どうでしょうね」

キョン「まあいい。とっとと帰って眠ろう。ハルヒには明日適当なデマでも教えてやれば大喜びするだろう。」

古泉「そうだといいのですがね…」

キョン「ん?なんだ?引っかかることでもあるのか?」

古泉「いえ、なんでもありません。さあ、皆さん乗りましたね。それでは帰りましょう」

新川「お任せを」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:28:47.45 ID:n1Anv/tJO

みくる「あ、ここでいいですよぅ」

古泉「わかりました。御気をつけて、また明日」

みくる「はい、ありがとうございますぅ」


古泉「ここからだと長門さんのマンションの方が近いですね」

キョン「それじゃ次は長門だな」

長門「…………」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:34:56.64 ID:n1Anv/tJO

長門「……ここ」

キョン「なんだ?ここで降りるのか?まだマンションまでは少しあるぞ?」

長門「いい。ここ」

キョン「わかった。それじゃまた明日」

長門「あした」


古泉「んっふ、2人っきりになりましたね」

キョン「気色悪いこと言うな」

古泉「おや、これは失礼」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:44:50.79 ID:n1Anv/tJO

キョン「なあ、古泉」

古泉「はい、なんでしょう?」

キョン「お前はどう思ってるんだ?あいつらのこと」

古泉「涼宮さん達のことですか?」

キョン「それもだが、今聞いたのは機関の連中のことだ」

古泉「機関の方達ですか…そうですね………僕にとっては大切な方達ですよ」

キョン「意外だな…機関を恨んだりはしないのか?機関がなければお前も普通の高校生でいられただろうに」

古泉「確かに機関を恨んだこともありますが、結果的にそれがあなたや涼宮さん達と出会うきっかけとなったわけですから、今は逆に感謝しているくらいですよ」

キョン「そうか…」

古泉「そうです」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:50:26.42 ID:n1Anv/tJO

キョン「お、着いたみたいだな。すまないな送ってもらって、新川さんにも伝えといてくれ」

古泉「いえ、お気になさらず。新川さんには伝えておきます」

キョン「じゃあ、また明日」

古泉「はい、くれぐれも涼宮さんを刺激しないように頼みますよ」

キョン「言われんでもわかってる」

古泉「んっふ、それでは僕はこれで。新川さん、頼みます」


新川「お任せを」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:55:37.44 ID:n1Anv/tJO

キョン「はあ…今日は疲れた……」

キョンの妹「あー!キョンくんおかえりー!!」

キョン「ああ、ただいま」

キョンの妹「あのね、キョンくん!オムライス作ったんだよ!!」

キョン「ほう…お前もとうとう料理を覚え始めたか」

キョンの妹「キョンくんの分も作ってるから食べてね!!」


キョン(…ああ、やっぱり我が妹は可愛いな)

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:10:33.50 ID:n1Anv/tJO

キョン(さて、オムライスを食って、風呂にも入ったし、そろそろ寝るかな)


ざーんーこーくーなーてんしーのテーゼ♪

キョン「ったく、こんな時間に電話しやがる非常識なやつは誰だ」


「ふぇええキョンくぅんん」

キョン「あ、朝比奈さん!?」

「そうですぅヒック…わたし…わたしぃ………ふぇえ」

キョン(前にもこんなことあった気がするぞ……)

キョン「あのとりあえず落ち着いてください朝比奈さん。古泉は一緒ですか?」

「す、すいません………一緒ですぅ……ヒック」

キョン「じゃあ、古泉に変わってもらっていいですか?」

「はい…わかりましたぁ………ふぇえ古泉くんキョンくんがぁ………」

キョン(なんでこいつらは毎度毎度俺を呼ばないんだ)

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:16:53.98 ID:n1Anv/tJO

「やあどうも、古泉です」

キョン「古泉か?今度は一体何だってんだ?」

「少し困った事態に陥りましてね…詳しく話ますので……」

キョン「あの公園に行けばいいのか?」

「ええ、良く分かりましたね」

キョン「前にもあったしな。それじゃすぐ行くから待ってろ」

「はい、助かります。それでは」


キョン「さて、支度するか……」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:39:24.13 ID:n1Anv/tJO

キョン「すまん遅かったか?」

古泉「いえ、なかなかの高タイムでしたよ」

キョン「そうか。で、今度はなんなんだ?」

みくる「ふぇえええんキョンくぅうんん…あの禁則事項でね…その禁則事項だったの………ふぇえそして禁則事項してみたのに禁則事項だったから……ふぇええ」

キョン「朝比奈さん…すみません…全然わかりません…」


古泉「僕が説明しましょう」

キョン「ああ、頼む」

古泉「朝比奈さんが言うには、また未来が消滅しているらしいのです」

キョン「…古泉…お前自分が何を言っているのかわかっているのか?」

古泉「ええ…嫌ってほどに理解してます………」

キョン「それじゃ俺達はまた何回も同じ時間をループしてるってことなのか?」

古泉「やはり聞いてみるしかないでしょう……」

キョン「……そうだな」

長門「………」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:42:56.15 ID:n1Anv/tJO

キョン「…長門」

長門「なに?」

キョン「今回のは何回目なんだ?」

長門「…今回は16665回目に該当する」

キョン「……だそうだ」

古泉「………困りましたね」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:49:39.89 ID:n1Anv/tJO

長門「ただし、前回とは違う点がある」

キョン「違う点?なんなんだそれは?」

長門「今回涼宮ハルヒは、一定の時間枠を切り取るのではなく、世界そのものの消去、再生を繰り返している」

キョン「世界そのものを消去……?」

長門「そう。今私達がいるのは16665個目の世界」

古泉「これは…驚きましたね……正直言葉が出ませんよ………」

キョン「今回ばかりはお前と同感だ………」

長門「………」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 08:57:08.50 ID:n1Anv/tJO

キョン「なんであいつはそんなことをしているんだ?」

長門「理由は不明。ただ毎回全人類が超能力を得た直後に世界がリセットされている。」

キョン「つまりそういうことか……」

古泉「ですね………」



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 09:11:51.58 ID:n1Anv/tJO

キョン「要は全員が超能力を得ちまったらハルヒはその世界を消してまた1から始めてるってことだよな?」

長門「そう」

キョン「やれやれ、とんでもないことをしてくれるやつだね。それで、全人類が超能力を得るまであとどの位時間があるんだ?」

長門「地球上の全ての人類が超能力者になるまであと18時間36分21秒ある。」

キョン「それだけしか…ないのか?…」

長門「ない」

古泉「んっふ、今が午前2時頃ですから、今日の午後8時までになんとかしないとまずいですね」

キョン「ああ。しかし、ハルヒは一体何が気に入らないんだ?」

古泉「それがわかれば、もう解決したも同然なんですけどね」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 09:26:23.47 ID:n1Anv/tJO

古泉「では、今夜はひとまず解散しましょう。また、学校で」

キョン「わかった。」

みくる「ふぇえわかりましたぁ……」

キョン「風邪ひかないでくださいね朝比奈さん…」

古泉「それじゃ皆さん、おやすみなさい」

みくる「お、おやすみなさい…」


キョン「さて、俺も帰るかな」

長門「………」

キョン「……長門」

長門「…なに?」

キョン「世界が変わる度にお前はその世界で過ごしてきたのか?」

長門「そう」

キョン「同じ事を繰り返す世界で退屈しなかったのか?」

長門「必ずしも全てが同じという訳ではない。それぞれが全て違う世界だった。」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 09:35:33.98 ID:n1Anv/tJO

キョン「同じじゃないのか?」

長門「そう。エヴァンゲリオンの世界に入った世界もあった」

キョン(ちくしょう。なんで俺はその世界に生まれなかったんだ……)

長門「朝倉涼子を孕ませる世界もあった。」

キョン「も、もういい。つまりは全ての世界は別々のものであったってことだな?」

長門「そう」

キョン「パラレルワールドってことか?」
長門「パラレルワールドではない。結末は全て同じでも、それぞれがまったく違う世界」

キョン「そ、そうか」

長門「…そう」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 09:40:32.13 ID:n1Anv/tJO

キョン(…今日の長門はやけに感情的だな………流石にこいつでも耐え難いのか………)

キョン「長門」

長門「なに?」

キョン「この世界で、最後にしような」

長門「………」コクッ

キョン「それじゃ帰るか…寒いしな……」

長門「………」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 10:09:23.13 ID:n1Anv/tJO

キョン(…世界を消去、再生、か……)

キョン(……ああ、もういい。起きてから考えよう)



キョンの妹「キョンくん起きてー!朝だよー!!」

キョン「んあ?朝か…眠いな………」

キョンの妹「キョンくん、またオムライス作ったよ!!食べてね!」

キョン(…朝からオムライスか………妹よ、そりゃちとキツいぜ……)

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 10:17:07.28 ID:n1Anv/tJO

キョン「じゃあ、俺は行くからな。お前も早く行くんだぞ」

キョンの妹「はーい!!」



古泉「やあどうも、おや?顔色が悪いですね」

キョン「朝っぱらから巨大オムライスを食わされたからな…」

古泉「それは災難でしたね」

キョン「まあ味は最高だったがな。流石は俺の妹だ」

古泉「…………」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 10:53:22.76 ID:n1Anv/tJO

古泉「おや、授業が始まるようです。ではまた放課後お会いしましょう」

キョン「ああ。じゃあな」



岡部「〜であるからして云々」

ハルヒ「ねぇキョン?」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「私気づいたのよ!実はみんな超能力者で、それを隠してるだけなんじゃないかって!!」

キョン「……それは気づいたとは言わないぞ。その台詞の半分以上はお前の妄想によって構成されているからな」

ハルヒ「本当つまらないわねあんた」

キョン「ああ、それで結構だ。」

ハルヒ「…………」

キョン(諦める気はないらしいな…)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 11:05:50.11 ID:n1Anv/tJO

キョン(そういや、今日は谷口休みなんだな…馬鹿でも風邪はひくのか)

ガラッ

谷口「はよーっす」

岡部「こら谷口、なにしてたんだ」

谷口「すいません」

岡部「ほら、早く席につけ」

谷口「はいはいっと」


谷口「………」ポトッ

キョン(…ん?なんだ手紙?)

キョン(なになに?「休み時間校舎裏へ来い」…なんなんだ一体?……)


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 11:16:04.54 ID:n1Anv/tJO

キョン「とりあえず校舎裏に来たが…アホの谷口のやつはまだ来てないようだな」

谷口「誰がアホの谷口だって?」

キョン「おお、いたのか」

谷口「ああ。ずっとお前の目の前にな」

キョン「…?目の前には誰もいなかったぞ?」

谷口「…なあキョン……信じられないかもしれんが聞いてくれ………俺、超能力者なんだ」

キョン「…!?」

谷口「朝、起きたらよ、超能力が使えるようになってたんだ。まあ、姿を消すくらいのことしか出来んがな」

キョン(……おいおい、そりゃ一番こいつが使えちゃいけない能力だろ………)

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 11:33:19.52 ID:n1Anv/tJO

右手がケチャップに…
谷口「なあキョン、これってなにか原因があるのか?お前こういうの詳しいだろ?」

キョン「生憎だがそんな分野には興味も感心も抱いたことはないね」

谷口「そうなのか?お前涼宮達と色々してるから詳しいのかと思ってたぜ」

キョン「そういうことならハルヒに聞けばいいだろ……あ」

谷口「そうだな!よし、ちょっと涼宮に聞いてみるぜ!じゃあなキョン!」


キョン「やっちまった………」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 11:41:42.10 ID:n1Anv/tJO

キョン「…とりあえず古泉に知らせなきゃな」



古泉「あなたらしからぬ失敗ですね…」

キョン「ああ、我ながらそう思うぜ……」

古泉「彼のことは機関に任せましょう。問題は涼宮さんがこの事を知ってしまっているのかです」

キョン「ハルヒが知っちまってた場合どうなるんだ?…」

古泉「恐らくですが、涼宮さんはこんなに身近に超能力者がいるのなら誰もが超能力を使えてもおかしくはない。とでも考えるのではないでしょうか?」

キョン「そういや、そんなこと言ってたな…」

古泉「…困ったことになりましたね」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 13:59:57.55 ID:n1Anv/tJO

谷口「よう涼宮!」

ハルヒ「っ!?あんたどこから出てきたのよ?」

谷口「ずっとお前の前にいたぜ?」

ハルヒ「はぁ?なに言ってんの?」

谷口「フフン、実はだな涼宮、俺は超能力が使え…うわなにをするやめろ」


ハルヒ「……連れてかれたわね…なんだったのかしら……超能力とか言ってたけど」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 15:17:14.46 ID:n1Anv/tJO

少し投下




キョン「………」

ハルヒ「キョン!ちゃんと聞いてんの!?」

キョン「谷口が超能力者ねぇ…」

ハルヒ「だって本人がそう言ったんだから本当に決まってるじゃない!」

キョン「本当にそう言ってたのか?」

ハルヒ「なんで私が嘘吐かなきゃいけないのよ」

キョン「…………」

キョン(…くそ、谷口の馬鹿め)

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 15:53:10.49 ID:n1Anv/tJO

ハルヒ「やっぱり超能力者は実在したのね!谷口はどこに行ったのかしら…詳しく話を聞きたいのに……」

キョン「やめとけやめとけ。どうせくだらん雑談に付き合わされるのがオチだろう」

ハルヒ「本っ当!!あんたは夢がないわね!!!」

キョン「……………はあ」

ハルヒ「…もういいわ、1人で探すから!フンッ!!」

キョン「………やれやれ」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 17:23:04.67 ID:n1Anv/tJO

古泉「すいません遅くなりました…おや、涼宮さんはまだ来てないのですか?」

キョン「ああ、あいつなら谷口を探すとか言って飛び出して行ったよ」

みくる「……ふぇえ」

長門「………」

古泉「…そうですか…いや、むしろこれは好都合かもしれませんよ」

キョン「なんでだ?」

古泉「涼宮さんがいない間に計画を練れますからね」

キョン「そうか、よしとりあえずこれからどうするかを考えよう」



長門「…………」ペラ

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 20:57:51.00 ID:n1Anv/tJO

遅くなって申し訳ない





キョン「で、これからどうするんだ?なにか考えでもあるのか?」

古泉「涼宮さんが興味を示し、その上無害なものですか…」

キョン「…どれも有害なもんばっかりだな」

みくる「…………」

長門「……………」ペラ

みくる「………あの深海魚とかはどうですかぁ?」

キョン「うーん…だめだと思いますよ。あいつなら深海には馬鹿デカい深海魚がいて、船をおそったりする。とか考えそうですからね……」

みくる「そ、そうですかぁ……」

古泉「……………」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 21:07:27.32 ID:n1Anv/tJO

長門「………」ペラ

キョン「…なんの本読んでるんだ?」

長門「……手芸」

キョン「手芸?…そんなもん読んで面白いのか?……」

長門「…………」

キョン「ま、まあいいか。今はハルヒをどうにかするのが先だ」

古泉「………困りものです」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 21:13:34.98 ID:n1Anv/tJO

たまっしいのルーフラーン♪


古泉「おや、電話ですね。少し失礼します」

キョン「…………」

みくる「…………」

長門「……………」ペラ



古泉「……ええ、はい。そうですか……わかりました。そう伝えます……」


古泉「…失礼しました」

キョン「誰からだったんだ?」

古泉「機関ですよ。例の超能力者の件です」

キョン「……悪い知らせか?」

古泉「…………残念ながら…」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 21:35:32.03 ID:n1Anv/tJO

古泉「先ほど機関から連絡がありました。……世界各地で超能力を使っているとしか考えられない事件が多発しているようです……」

キョン「気づき始めちまったってことか………」

古泉「…ええ、事態は悪い方向へ向かっています……」

キョン「…一応もう一度聞くが、そいつらはお前んとこの機関でどうにか出来ないのか?」

古泉「残念ながら…数が多すぎます……」

キョン「くそっ…どうすりゃいいんだ……」

長門「…………」ペラ

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 21:45:01.73 ID:n1Anv/tJO

たまっしいのルーフラーン♪


古泉「…失礼」

みくる「…………」

キョン(今度語り合うか………)

長門「………」ペラ



古泉「………失礼しました」

キョン「…また、機関か?」

古泉「………はい」

キョン「今度はどっちだ?いいのか?悪いのか?」

古泉「残念ですが後者です…」

キョン「そうか…」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 22:10:59.91 ID:n1Anv/tJO

キョン「今度はなんだってんだ?」

古泉「あなたのクラスメイトの谷口さんがどうやら機関から逃げ出したようです……」

キョン「……あの馬鹿」

古泉「すいません。機関の力不足です……」

キョン「気にするな。お前には何の責任もないからな。しかし、アホの谷口があんな御大層な機関から易々と逃げられるもんかね?」

古泉「どうやら姿を消しているようで…捜索は難航しています……」

キョン「……はぁ。面倒事を増やしやがって……」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 22:41:31.65 ID:n1Anv/tJO

古泉「…!…失礼」

キョン(マナーモードにしやがったな)

みくる(やっぱり恥ずかしかったんですねぇ)

長門「…………」ペラ



古泉「何度もすみません…」

キョン「構わんさ。また機関か?」

古泉「はい、機関によると、どうやら彼はこの学校の内部にいるようです。」

キョン「戻ってきたのか?」

古泉「そのようですね…理由はわかりませんが………」

キョン「まあいい。とりあえず探しに行こう!谷口とハルヒが会う前に俺達がどちらかを見つけるんだ」

古泉「わかりました。すぐに行きましょう」

キョン「長門、念の為お前も来てくれ」

長門「………」コクッ


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 22:50:45.87 ID:n1Anv/tJO

みくる「…あのぅ…私はどうすればいいですかぁ?……」

キョン「朝比奈さんはここで待っていてください。もしかしたらハルヒが来るかもしれませんから」

みくる「は、はい。わかりましたぁ…」

キョン(着いてきても邪魔になりそうだからな…すみません朝比奈さん…)

キョン「それじゃ、行ってきます」

みくる「頑張ってくださいねぇ」



みくる「…………」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 23:00:02.19 ID:n1Anv/tJO

キョン「…ったく、谷口のやつどこにいやがる…」

古泉「涼宮さんもいませんね…もしかしたらもう出会っているかも知れません………」

キョン「長門、2人の居場所わからないのか?」

長門「情報の更新が追いついていない。場所の特定にはかなり時間がかかる」

キョン「長門でもわからないのか…どこ行きやがったんだまったく……」

古泉「とにかく今は探すしかありませんね…ここからは手分けして探しましょう。僕はあちらへ向かいます」

キョン「そうだな。じゃあ俺はもう一度旧校舎を見てくる。長門は新校舎の方を頼む」

長門「…わかった」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 23:14:46.43 ID:n1Anv/tJO

キョン「くそ!どこだ…どこにいる…ハルヒ……!」


古泉「かなりまずいですね…早く見つけないと………」


長門「…………」




みくる「暇だなぁ…」


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 23:16:01.38 ID:n1Anv/tJO

バタンッ

みくる「!?…あ…」

ハルヒ「みくるちゃんだけ?他のみんなは?」

みくる「え、ええと…その……用事で今日は来れないって…言ってましたぁ……」

ハルヒ「……本当に?…」

みくる「は、はい…本当ですぅ………」

ハルヒ「……………」

みくる「…………」


みくる(……どうしよう…キョン君達に知らせないと……それに涼宮さん機嫌悪いみたい………)

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 23:44:38.89 ID:n1Anv/tJO

ハルヒ「…………」

みくる「…………」


ハルヒ(…谷口のやつどこ行ったのよ。バカキョン達もいないみたいだし……帰ろうかな…)

みくる(……な、なにか話しかけないとまずいなぁ………)


みくる「あ、あのぅ…どうしたんですかぁ?……」

ハルヒ「どうもしないわよ!」

みくる「ふぇえ…すいません……」


ハルヒ(なんでバカキョンの為にイライラしなきゃいけないのよ。ムカつくわね…)

みくる(…キョン君達早く帰って来ないかなぁ………)

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 00:10:03.02 ID:TZhkLYkgO

ハルヒ「………」


みくる(……暇だなぁ……あ、長門さんが読んでた本…長門さん手芸の本なんて読むんだぁ。ちょっと意外だなぁ)パサッ


ハルヒ(……暇ね…ホームページも訳わかんないし………はぁ…)

みくる(…そうだ、鶴屋さんとマフラー編む約束してたんだったなぁ…今のうちに進めておこう……)


ハルヒ(?…みくるちゃん何してるのかしら?編み物…?)


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 00:17:04.74 ID:TZhkLYkgO

谷口「…ったくなんなんだあいつら……危うく拉致されるところだったぜ……」

キョン「………おい」

谷口「?…おお!キョン!!」

キョン「お前今までどこ行ってたんだ?」

谷口「それがよ…涼宮に話を聞こうとしたら、訳わかんねえ奴らに拉致されてよ…
必死で逃げてきたんだよ……」

キョン「そ、そうか。なあ、今日は一緒に帰らないか?
ほら、そいつらがまたお前を襲いに来るかもしれないだろ?」

谷口「…キョン…お前って本当いいやつだな!!恩にきるぜ!!」

キョン(…よし!うまくいったようだ…)


121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 00:40:47.48 ID:TZhkLYkgO

キョン(古泉にメールしとくか…「谷口を確保した。ハルヒは任せる」と、送信)


古泉「…おや?メールですね。………なるほど、あとは涼宮さんを見つければ…………おや、今度は電話ですか…
どうも古泉です……はい、わかりましたすぐそちらへ向かいます…」



みくる「えぇと…こうで…こうで……あれぇ?………」

ハルヒ(…マフラー?誰に渡すつもりかしら……まさかキョンじゃないわよね…)

みくる(…難しいなぁ)

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 00:54:23.37 ID:TZhkLYkgO

古泉(……困りましたね……こんな時に超巨大規模の閉鎖空間が発生するなんて……神人も各地で出現しているようですし………
すみません長門さん、後は頼みます)


長門「………古泉一樹の校外への移動を確認。空間情報を正常化。………これでいい……」



ハルヒ「……ねぇみくるちゃん?」

みくる「ふぇ?あっ、はい。なんですかぁ?」

ハルヒ「それ、なに?」

みくる「これですかぁ?マフラーですよぉ」

ハルヒ「ふーん。…誰かにあげるの?」

みくる「はい。鶴屋さんと交換するんですよぉ」

ハルヒ「…そ、そう。ま、まあ頑張ってね」

みくる「?…はぁい」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:05:55.80 ID:TZhkLYkgO

ハルヒ(そういえばキョンのやつ、マフラー持ってなかったわね……)

みくる(…涼宮さんさっきからずっとこっち見てるなぁ……もしかしてマフラー作りたいのかな………)


みくる「あ、あのぅ……」

ハルヒ「なな、なによ?」

みくる「良かったら涼宮さんも一緒にマフラー作りませんかぁ?」

ハルヒ「……ま、まあ、どうしてもって言うんなら仕方ないわね。」

みくる(…やっぱり作りたかったんだ……可愛いなぁ)


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:18:42.10 ID:TZhkLYkgO

古泉「……神人が消滅…していきますね……
何が起きているのでしょう………」


谷口「…そうだ!おいキョン!俺の能力を使えば女湯や女子の着替え覗き放題じゃねえか!!」

キョン(気づいちまったか…)

キョン「ああ、そうだな。しかし、それを実行に移すようなやつとは友人ではいられんがな」

谷口「ぐっ…友達…と女湯…着替え…覗き放題………すまねえキョン!!俺は夢の為に生きるぜ!!!」

キョン「…簡単に友達を切り捨てやがった………くそっ…あの民家に住んでる人に知らせなきゃ…」

谷口「ギャァアアアアアア」

キョン「…なにしてるんだ?谷口」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:23:23.61 ID:TZhkLYkgO

谷口「……透明に…なってない?」

キョン「ああ。なってないぞ。アホ丸出しの顔がよく見える」

谷口「くそぉお!!能力が消えちまった!!俺の夢がぁ!覗き放題がぁあ!!!」

キョン(……能力が消えた?…どういうことだ?………)




ハルヒ「みくるちゃん、ここはどうやるの?」

みくる「ここは、こうして…こうするんですよぉ」

ハルヒ「ありがとう!」

みくる(…熱心だなぁ……私も見習わなくちゃ)

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:32:20.13 ID:TZhkLYkgO

ハルヒ「ふぅ…もうこんな時間ね………みくるちゃん、今日は終わり!!」

みくる「はぁい」

ハルヒ「……その…良かったら明日も教えてくれない?……ま、まあ丁度良い暇潰しにはなるしね!」

みくる「ふぇ?いいですよぉ」

ハルヒ「本当!?ありがとう!!あ、でもみんなには内緒よ!」

みくる「わかりましたぁ」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:39:00.65 ID:TZhkLYkgO

ハルヒ「さ、それじゃ帰るわよ!みくるちゃん!」

みくる「はぁい」


みくる(…なにか忘れてる気がするなぁ………)


キョン「ん?電話か…古泉?どうしたんだ?」

「実は超巨大規模の閉鎖空間と神人が同時発生した為、涼宮さんのことは長門さんに任せて
僕は閉鎖空間へ向かい、神人と戦っていたのですが……」


キョン「…神人が消滅?」

「ええ、そうです。ほぼ同時に全ての神人が消滅していったのです…」

キョン「……実はな古泉…谷口の方も……」


古泉「…超能力が消滅…ですか…」

キョン「ああ。そうなんだ。一体なにが起こってやがる」

古泉「世界崩壊の前兆か……もしくは………」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 01:47:18.34 ID:TZhkLYkgO

ハルヒ「バカキョンがマフラー持ってないせいで私がこんなことしなきゃいけないなんて馬鹿馬鹿しいわね……ま、まあこれも団長としての責任よね!!
うん、きっとそうだわ!!」

みくる(……そういうことかぁ…なんか今日の涼宮さん女の子らしいなぁ)



キョン「ハルヒの興味が違うものに移った?」

「はい。超能力者よりも涼宮さんが興味を抱くものが現れたのかもしれません」

キョン「是非そうであってほしいものだな…」

「ですね…」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 02:47:26.42 ID:TZhkLYkgO

出ましたフラフラするお!





朝倉「長門さん…本当に良かったの?……」

長門「…………いい」

朝倉「でも…こんなのあんまりじゃない…!」

長門「私が決めたこと」

朝倉「………長門さん」

長門「朝倉涼子。彼らに伝えてほしい事がある」

朝倉「……なに?」



長門「……ありがとう。と伝えてほしい…」

朝倉「……わかったわ…それだけでいいの?………」

長門「………いい」


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:02:48.97 ID:TZhkLYkgO

キョン「結局世界は消えることなく、今日になったわけだが……」

古泉「……涼宮さんは一体何がしたかったのでしょうか?」

キョン「さあな。むしろ俺が教えてほしいくらいだ」


朝倉「…キョンくん」

キョン「ん?なんだ朝倉か。どうしたんだ?」

朝倉「何か変だとか思わない?…例えば、団員が1人いないとか…」

キョン「おいおい、お前まで壊れちまったのか?…
忌まわしきSOS団の面子は俺と古泉
そして、朝比奈さんとなぜか遅刻の団長殿。それとお前で、全員いるじゃないか?」

朝倉「そ、そうよね……ごめんなさい変な事聞いて……」

キョン「別に謝らなくてもいいが……」


古泉「………」

みくる「………」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:10:25.47 ID:TZhkLYkgO

古泉(……確かに彼の言うとおり団員は全員揃っていますが……なんでしょう?この違和感は……)

みくる(…変だなぁ…おかしいなぁ……)

キョン「それにしてもハルヒはなにをしてるんだ。いつも人に文句ばかり言ってるわりに自分はこうだからな…やれやれ」


朝倉(………長門さん…)

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:20:44.66 ID:TZhkLYkgO

朝倉「………り…とう…」

キョン「ん?なんだ?」

朝倉「……ありがとう…」

キョン「?…急にどうした…」

朝倉「ある人の言葉なの…
その人があなた達に伝えてほしいと願った最後の言葉よ……」

キョン「…!?……なんの話をしてるんだ…?…」

朝倉「……やっぱり無理…なのね……長門さん、約束は守ったわよ…」


キョン・古泉・みくる「!?」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:28:04.95 ID:TZhkLYkgO

キョン「…おい、朝倉。今なんて言った?」

朝倉「え?…約束は守ったって……」

キョン「違う、その前だ!誰かの名前を言わなかったか?…」

朝倉「ええ、言ったわ……長門さんって……」


キョン(……くそっ…なんだこの感覚は………大切なものを忘れちまっているような…
…長門?…長門って誰だ?……ダメだ…思い出せない………)

古泉(……長門……知らないはずなのに何故か懐かしく感じますね……)

みくる(……なんだろうこの感じ…誰かがいない気がするなぁ………)

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:42:58.20 ID:TZhkLYkgO

朝倉「………雪が降ってきたわね…」


キョン(………雪?……雪…ゆき…ユキ……ユキ…ナガト……ナガト?……ナガト…ユキ………長門有希…!!)


キョン「長門………」

朝倉「え?…今なんて?……」

キョン「長門だ…長門有希だ!おい、朝倉!長門はどこにいるんだ!?」

古泉・みくる「……!!」

朝倉「……そんな…信じられないわ………」


キョン「なんで忘れちまってたんだ………長門はどこにいるんだ?知ってるんだろ朝倉?…」

古泉「…僕も思い出しましたよ。この団にはもう1人部員が居たことを……」

みくる「長門さん……」

朝倉(………情報統合思念体の情報操作を打ち破るなんて……)

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 03:58:55.96 ID:TZhkLYkgO

朝倉(……でも、長門さんはもう………)


キョン「教えてくれ朝倉、長門はどこにいるんだ?
なんで俺たちはあいつの事を忘れちまってたんだ?」

朝倉「わかった……全部…話すわ……」



朝倉「長門さんはね、色んな世界を見てきたの……
色々な可能性の世界。涼宮さんが望めば消えてしまうような脆い世界だけれど、長門さんは全て見てきたわ………」

朝倉「…でも、世界の最後はいつも同じ……
“超能力者が普通にいるなんてつまらない”そんな小さな思いによって毎回世界は終わっていくのよ………」

朝倉「長門さんは寂しかったんだと思うの……あなた達と作り上げてきた信頼や絆をそんなちっぽけな事で消され、また他人になってしまうのが…………」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:17:32.47 ID:TZhkLYkgO

朝倉「だから今回長門さんは初めて情報統合思念体の意志に反した行動をしたの…………
その結果、世界が消えることはなかったけれど、情報統合思念体を裏切った長門さんは敵性と見なされ抹消されたわ……文字通り肉体も存在もね………」

キョン「…お前の力で復活させたりは出来ないのか?…」

朝倉「…………残念だけど…」


キョン「………長門は何をしたんだ?」

朝倉「…ほら、長門さん手芸の本を読んでたでしょ?あれがこのループを終わらせる為の鍵だったのよ……」

キョン「…それが情報統合思念体の意志に反するようなことだったのか?……」

朝倉「…長門さんの役目はあくまでも涼宮さんの“観察”なの……
だから、ヒントを与えたり、自ら何かを変えようとしてはいけないのよ……
いつだったか私もあなたを殺そうとして長門さんに抹消されたでしょ?」

キョン「…………」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:25:11.40 ID:TZhkLYkgO

キョン「……それだけで長門は消されたっていうのか?」

朝倉「あのループを止めるのは簡単だけどそれだけ大きなことでもあったのよ………」

古泉「……いたたまれませんね…」

みくる「……ふぇえ……」


キョン「……おい朝倉…」

朝倉「どうしたの?……」

キョン「俺を殺してくれ」

朝倉・古泉・みくる「!?」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:34:38.84 ID:TZhkLYkgO

朝倉「な、なに言ってるのよ?そんなこと出来るわけ…」

キョン「出来るだろ?」

朝倉「!?………な…にを………」

キョン「あの時みたいに避けないし、今は長門もいない。
殺せないはずがないよな、朝倉?」

古泉「少し落ち着いてください…あなたらしくない……」

みくる「ふぇえ……は、早まらないでくださぁい………」


キョン「…みんなには黙ってたがな、実は俺は長門のことが好きだったんだ」

みくる・朝倉「……!?…」

古泉「おやおや……」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:42:11.54 ID:TZhkLYkgO

キョン「……長門がいない世界なんて生きていても意味がないからな。
いっそのこと殺してくれはしないか?」

朝倉「そんなの間違ってるわよ……」

みくる「そ、そうです…考え直してくださぁい………」


キョン「すまん。これが俺の答えなんだ……朝倉…頼む………」

朝倉「………………わかったわ……」

みくる「…あ、朝倉さん!?」

朝倉「そこまで言うのなら殺してあげる………あなたがこんな人だなんて思ってなかったわ………」

キョン「………ありがとう」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:55:53.09 ID:TZhkLYkgO

朝倉「どうせ死ぬんだし、せめて苦しまないように楽に殺してあげるわ………」

キョン「ああ、そりゃありがたいね」

みくる「はわわ……キョンくぅん……」


キョン「…朝比奈さん、古泉。今までありがとうな…短い付き合いだったが、楽しかったぜ………」

古泉「…………あなたは馬鹿だ…」

キョン「………だな」

みくる「………考え直してはくれないんですかぁ?……」

キョン「…………すみません…」


158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 04:56:43.94 ID:TZhkLYkgO

朝倉「………最後のお別れは済んだかしら?」

キョン「…ああ、一気に決めてくれ………」

朝倉「……本当に後悔しないのね?…」

キョン「……………しないさ」





朝倉「………さよなら」


ザクッ


162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 05:05:03.18 ID:TZhkLYkgO







朝倉「………間に合ったみたいね」

キョン「…どうやら、そうらしいな……
やっぱり来てくれたか…………………………長門…」


長門「………」

みくる「…ふぇ?…な、長門さん?…」

古泉「……んっふ、一芝居見せられてしまったようですね」

みくる「ど、どういうことですかぁ?………」


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 05:16:37.91 ID:TZhkLYkgO

キョン「いや、まいったね。マジで殺されるかと思ったぜ………」

朝倉「あら?本気で殺すつもりだったのよ?」

キョン「……悪い冗談はやめてくれ」

朝倉「フフ、何はともあれ賭けには勝ったわね」

キョン「ヒヤヒヤしたがな…」


長門「………非常に危険な賭けだった。情報統合思念体が私を復活させない可能性も充分に考えられた。なのに、なぜ?」

キョン「……それはな、長門。お前が俺達の仲間だからだ」

長門「…仲間?」

キョン「……そうだ。ハルヒが作った訳のわからん団とはいえ、SOS団はお前を含める団員全員が揃ってのSOS団だからな」

長門「…………ありがとう」

キョン「………ああ」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 05:28:20.72 ID:TZhkLYkgO

古泉「んっふ、そろそろ僕達にもあなた達の悪巧みの詳細を教えてくれませんか?」

みくる「………教えてくださぁい」


キョン「まあ簡単に説明するとだな、一応ではあるが団員の1人である俺が消えるということは少なからずハルヒに影響を与えるだろ?
だから俺は朝倉に殺してくれと頼んだんだ。」

キョン「そうしたら案の定、情報統合思念体はそれを阻止する為に長門を復活させた。そして今に至るって訳だ」

古泉「…随分と大きな賭けをしましたね…………」

キョン「まあ、これ位しないと情報統合思念体とやらは気にも止めんだろうからな…」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:01:03.41 ID:TZhkLYkgO

古泉「まあ、結果的にはループも止まり、長門さんも無事でしたからこれが最良の策だったようですね」

キョン「ああ。上手くいきすぎてる気もするがな…」

古泉「んっふ、大丈夫でしょう。」

キョン「なぜそう言い切れるんだ?」

古泉「なんとなくですよ。」

キョン「なんとなく…か。まあ、今回ばかりはお前を信じてやろう」

古泉「んっふ、どうもありがとうございます」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:16:07.99 ID:TZhkLYkgO

長門「………」


キョン(…さっきから長門がこっちを見てる気がするが……気のせいか?…)


キョン「……ど、どうしたんだ長門?」

長門「……なにも」

キョン「そ、そうか」

長門「…………」


キョン(……やっぱり気のせいだよな………まだ見てるような……)

朝倉(やっぱり長門さん可愛いわねぇ……)

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:25:41.33 ID:TZhkLYkgO

キョン「にしても、えらく遅いなハルヒのやつ」

古泉「ええ、心配ですね…」

キョン「朝比奈さん、なにか知りませんか?」

みくる「あ、涼宮さんなら……あ…し、知りませんよぉ」

キョン(…?…なんか不自然だな)

みくる(……涼宮さんが毛糸を買いに行ってること、喋っちゃいそうだった……)

長門「…………」ペラ

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:35:40.91 ID:TZhkLYkgO

みくる「……あ、電話…ちょっと失礼しまぁす……」


キョン「………なあ、古泉」

古泉「……………なんですか?」

キョン「……怪しいよな…」

古泉「………怪しいですね…」


長門「………」ペラ

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:37:30.76 ID:TZhkLYkgO

みくる「…あ、涼宮さんからだ。もしもぉし?」

「みくるちゃん!?ちょっと教えてほしいのよ!!」

みくる「はい、なんですかぁ?」

「その…青と黒だったらどっちがいいと思う?……」

みくる(キョンくんのことかぁ…)


みくる「青がいいんじゃないですかぁ?そっちの方が似合…ち、違います!間違えましたぁ!!」

「?…まあいいわ!青がいいのね!!ありがとう!!あ、それと今日は行けそうにないからみんなに伝えといてね!」

みくる「あ、はぁい。わかりましたぁ」

「ありがとう!じゃあまた明日ね!!」

みくる「はぁい」

みくる(…頑張ってるなぁ涼宮さん)

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 16:48:13.70 ID:TZhkLYkgO

古泉「そういえば、朝倉さんはなぜ彼の考えに気がついたのですか?」

朝倉「気がついた、というよりはなんとなくって感じよ?
キョンくんが長門さんを大切に思ってるのは感じたけど、なにか引っかかるものがあったのよ
まあ、女の勘ってやつね」

古泉「女の勘…ですか……恐ろしいものです………」

キョン「…まったくだ」


長門「………」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 17:01:13.04 ID:TZhkLYkgO

朝倉「女の子を甘く見ちゃいけないのよ?それよりキョンくんはなんで私が本気じゃないってわかったの?」

キョン「なんだろうな……教室で襲ってきた時のような殺意がない気がしたんだ」

朝倉「殺意かぁ……そればっかりはどうしようもないものね」

キョン「顔は鬼のようだったけどな」

朝倉「キョンくん、今なら本気であなたを貫けるけど、どうする?…」

キョン「す、すまん……」


みくる「あのぅ………」

キョン「おや、朝比奈さん電話終わったんですか」

みくる「あ、はい…」

みくる(ずっと前からいたのになぁ………)

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 17:47:28.72 ID:TZhkLYkgO

みくる「あ、涼宮さん今日は来れないみたいです」

キョン「電話ハルヒだったんですか?」

みくる「はい。皆さんに伝えてと言われましたぁ」

古泉「珍しいですね…涼宮さんが部室に来ないなんて」

みくる「きっと用事があったんですよぉ」




キョン「……おい、やっぱり朝比奈さんおかしくないか?」

古泉「ええ、涼宮さんのこと何か知っているのでしょうか……」

朝倉(……面白いことになりそうね)

長門「…………」ペラ

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 18:43:15.21 ID:TZhkLYkgO

すまんカーチャンと話してた




みくる「………♪」

キョン「朝比奈さん、今日は随分機嫌がいいですね?」

みくる「えっ、そ、そんなことないですよぉ…」

古泉「おや、こんな所にゴミが落ちてますね。これは…毛糸?…」

みくる「ふぇっ?す、すいません!すぐに掃除します!」



長門「………」ペラ


197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 19:42:36.90 ID:TZhkLYkgO

働きたくないよママン…





キョン「…朝比奈さん、なにか俺たちに隠してないですか?」

みくる「!……そ、そんなことないですよぉ…」

朝倉「朝比奈さん、ちょっとお手洗い行きませんか?」

みくる「…ふぇっ…?…」

朝倉「…いいから、ついて来てください」

みくる「…は、はい。……それじゃちょっと行ってきます」

朝倉「そういうことだから、ちょっと待っててね?」

キョン「あ、ああ。」


キョン「なんか上手いこと逃げられた気がするな……」

古泉「そうですね……」

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 20:08:29.74 ID:TZhkLYkgO

みくる「…ど、どうしたんですかぁ?………」

朝倉「朝比奈さん、正直に話してほしいんです。」

みくる「ななな、なにをですかぁ………」

朝倉(恐ろしいくらいの棒読みね…)


みくる「わ、私はなにも隠してませんよぉ………」

朝倉「……朝比奈さん、誰にも言いません。だから私には教えてくれませんか?……………」

みくる「………わ、わかりましたぁ…実は…………」


200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 20:53:23.18 ID:TZhkLYkgO

朝倉「………涼宮さんがマフラーですか……?………」

みくる「はい、とっても器用なんですよぉ」

朝倉「……意外だわ……意外すぎるわ………」

みくる「どうしたんですかぁ?」

朝倉「…いえ、なんでもないです。さ、部室に戻りましょう」

みくる「?はぁい」




205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 22:18:13.69 ID:TZhkLYkgO

朝倉「お待たせ」

キョン「別に待っちゃいないがな」

朝倉「怒るわよ?」

キョン「す、すまん。それより朝倉ちょっといいか?」

朝倉「どうしたのキョンくん?」

キョン「…朝比奈さんなんて言ってたんだ?」

朝倉「さて、なんのことかしら?」

キョン「……もういい」

朝倉「フフ」

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 22:26:41.91 ID:TZhkLYkgO

長門「…………」パタン


キョン「…よし、今日は解散だな」

古泉「それではお先に失礼させていただきます」

キョン「ああ。また明日な」

朝倉「私は長門さんと一緒に帰るわ」

長門「…………」コクッ

キョン「さて、それじゃ俺も帰るかね…」


208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 22:55:32.82 ID:TZhkLYkgO

キョンの妹「あ、キョンくんおかえりー!!」

キョン「ただいま。……ん?この臭いは………」

キョンの妹「またオムライス作ったんだよ!!食べてね!!」

キョン(………まだ重大な問題が残ってたんだった………)

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/24(火) 23:27:16.06 ID:TZhkLYkgO

キョン「…流石にオムライスばかりだと精神的にくるな…………今日はもう寝るか………」



ハルヒ「ここをこうして……出来た!!…あいつ使うのかしら……使わなかったらただじゃおかないんだから!!」



朝倉「……長門さん、今度はうまくいくかしら?…」

長門「………わからない」

朝倉「………そうよね…」

長門「………」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 16:24:42.79 ID:4a/sCDDHO

すまん
今から続き投下する






キョンの妹「キョンくん朝だよ!!起きてー!!!」

キョン「……うぐ、おい、腹から降りろ………」

キョンの妹「朝ご飯作っといたよ!」

キョン「おいおい…勘弁してくれ………」

キョンの妹「今日はカレー作ったよ!」

キョン「……今日はオムライスじゃないのか?」

キョンの妹「うん!毎日オムライスじゃキョンくん飽きちゃうでしょ?」

キョン「ああ。…ありがとな」

キョン(……妹よ、カレーも朝から食うもんじゃないぞ)

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 16:31:59.77 ID:4a/sCDDHO

キョン「やれやれ、朝から疲労気味だ………」

キョンの妹「あれ〜、キョンくんもう学校行くの?」

キョン「ああ…今日は早めにな」

キョンの妹「じゃあ、はいこれ!」

キョン「なんだこれ?マフラーか?」

キョンの妹「うん!私が作ったんだよ!!」

キョン「ほう、ありがとな」

キョンの妹「えへへ」

キョン「じゃあ、行ってくる」

キョンの妹「行ってらっしゃーい!」

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 17:19:21.37 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ(どうやって渡そうかしら……うーん……ああ、もういい!何気なく渡せばいいのよ何気なく!!)


谷口「おはよーっす」


ハルヒ(来たみたいね………何気なく…何気なく……)

ハルヒ「キ、キョン!あんたマフラーしてなかっ………」

キョン「ん?どうしたハルヒ?」

ハルヒ「な、なんでもないわよ……!」

キョン「今日はえらく機嫌が悪いな……」

ハルヒ「そ、そんなことないわよ!!フンッ!」

キョン「出でっちまいやがった……なんなんだ?…」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 17:23:38.52 ID:4a/sCDDHO

バンッ


みくる「!?」

ハルヒ「………みくるちゃん…」

みくる「涼宮さん…?…ど、どうしたんですかぁ…?」

ハルヒ「…………来て」

みくる「…?…ふえっ………?……」

ハルヒ「来て!!」

みくる「は、はぁい!」

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 17:38:41.90 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「……………」

みくる「………あのぅ………涼宮さん……?…」

ハルヒ「……………マフラー……」

みくる「…………ふぇ?……」

ハルヒ「…………渡せなかったのよ…マフラー……」

みくる「…………」


ハルヒ「………みくるちゃん…?…」

みくる「……私行ってきます…!…」

ハルヒ「………え?…」

みくる「キョンくんの所に行ってきます!」

ハルヒ「み、みくるちゃん?」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 18:24:36.92 ID:4a/sCDDHO

みくる「わたしがキョンくんを説得します!涼宮さんは待っていてください!」

ハルヒ「い、いいわよ別に……」

みくる「よくないですよぉ!涼宮さんはキョンくんにマフラー使ってほしくないんですかぁ?」

ハルヒ「そ、それは……使って…ほしいわよ……」

みくる「それを伝えなきゃ駄目ですよぉ!とにかく私は行ってきます!」

ハルヒ「あ、待ってみくるちゃん!」

みくる「なんですかぁ?」

ハルヒ「あの……み、みくるちゃんだけじゃ心配だから……その…」

みくる「…一緒に来ますかぁ?」

ハルヒ「……し、仕方ないから行ってあげるわよ…!」

みくる(可愛いなぁ…)

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 18:42:26.83 ID:4a/sCDDHO

谷口「あれ?涼宮はどこ行ったんだ?」

キョン「知るか。今日は虫の居所が悪いらしい」

谷口「ふ〜ん。なあ、キョン。正直言ってどうなんだよ?」

キョン「…なにがだ?」

谷口「涼宮との関係だよ!付き合ってんのか?」

キョン「そんなわけないだろ…あいつはな……」

ガラッ


みくる「キョンくん!」

キョン「…あ、朝比奈さん…?」

みくる「ちょっと来てください!」

キョン「は、はあ…」


キョン(何の用だ?……)


256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 18:55:09.57 ID:4a/sCDDHO

キョン「どうしたんです朝比奈さん…?」

みくる「…あのマフラーは誰に貰ったんですかぁ?」

キョン「あのマフラーって朝俺が巻いてたやつですか?……」

みくる「そうです。」

キョン「あれは妹が………」

みくる「……妹ちゃんとそんな関係だったなんて………」

キョン「………え?」

みくる「見損ないました!」


キョン「またどこかに行っちまった……なんか誤解されている気がするな………」


258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 19:07:15.11 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「…みくるちゃん…本当にキョンがそう言ったの?…」

みくる「はい…キョンくんがロリコンだったなんて信じられませんねぇ………」

ハルヒ(………なんか違う気がするわ………)


みくる「あのぅ…お役にたてなくてすいません………」

ハルヒ「い、いいのよ気にしなくて!あ、もう授業始まるから私戻るわね!」

みくる「はぁい………ふぇえキョンくぅん………」


ハルヒ(…自分で聞くしか…ないわね………)

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 19:46:17.84 ID:4a/sCDDHO

にーとって暇なんだよ




ハルヒ「……………」

キョン「………なんだ?」

ハルヒ「…え…あ……あのマフラー!」

キョン「またマフラーか?……なんなんださっきから………」

ハルヒ「あのマフラー誰に貰ったのよ?…」

キョン「あれは妹に貰ったんだ。」

ハルヒ「……あんた、妹ちゃんのこと好きなの?」

キョン「…?ああ、好きだぞ。少々荒っぽいとこがあるが、自慢の妹だ」

ハルヒ「そうじゃなくて、恋愛対象に入るのかどうかって聞いてるのよ!」

キョン「……あのなぁ、おまえは俺はロリコンだとでも思ってるのか?」

ハルヒ「そ、そうよね!もういいわ!」

キョン(今度は機嫌が良くなったな。やれやれ、つくづく人に気をつかわすやつだ…)

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 20:04:39.70 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ(……やっぱりみくるちゃんの勘違いだったのね…)


キョン「今日は何かとマフラーのことを聞かれるが、俺がマフラーを巻いてるのがそんなにおかしいか?…」

ハルヒ「そ、そんなことないわよ!……」

キョン「ならいいが……」


ハルヒ(困ったわね…渡すタイミングがわからないわ……)

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 20:43:42.87 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ(…………そうだわ!)



キョン(……ん?なんだ手紙?……「休み時間、校舎裏に来なさい!」か………嫌な予感がするな………)

ハルヒ(上手くいったわね……!)


岡部「それじゃ今日はここまでだ」


ハルヒ「!…………」


キョン「一緒に行けばいいのになんで1人で出ていくんだ……?」


269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 21:04:31.47 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ(…あ、校舎裏に行く前にみくるちゃんの誤解を解かないといけないわね………)


ガラッ


ハルヒ「みくるちゃん!いる!?」

みくる「あ、涼宮さん。どうしたんですかぁ?」

ハルヒ「キョンのことなんだけど…実はね…………」



みくる「そ、そんなぁ……私キョンくんに酷いこと言ってしまいましたぁ…………ふぇえ…」

ハルヒ「な、泣かないでよ!そのことは私が説明しといてあげるわ!」

みくる「ほ、本当ですかぁ?………」

ハルヒ「ええ!任せなさい!」

みくる「ありがとうございますぅ………ふぇえ………」

ハルヒ「なんで泣くのよ!」



キョン「………遅いな…」

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 22:00:49.29 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「じゃあ行ってくるわね!」

みくる「はぁい。頑張ってくださいねぇ」

ハルヒ「な、なにを頑張るのよ!!!」

みくる「ふふ、なんでもないですよぉ」

ハルヒ「変なこと言わないでよねっ!」

みくる「そんなことより行かないでいいんですかぁ?」

ハルヒ「…そうだったわ…じゃあ今度こそ行ってくるわ!!じゃあね!」

みくる「はぁい」



鶴屋「ねぇみくる。今日のハルにゃんは随分ご機嫌だねぇ。なにか良いことでもあったのかい?」

みくる「ふふ、禁則事項ですよぉ♪」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 22:14:31.04 ID:4a/sCDDHO

キョン「…………遅い!」

ハルヒ「うるさいわね、あんたが早すぎるのよ!男ならそんな小さなこと気にしなくていいの!」

キョン「無茶苦茶言うな…第一お前だっていつも俺が遅れた時にはこれでもかというくらい俺を責めるだろ」

ハルヒ「そんな昔のこと忘れたわよ!」

キョン「やれやれ…。で、何の用なんだ?」

ハルヒ「えっと……その………」

キョン「なんだ?言いにくいことなのか?」

ハルヒ「あ、当たり前じゃない!それくらい察しなさいよ!」

キョン(?…なんなんだ一体……)

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 22:39:57.11 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「…………あんた、マフラー欲しくない?……」

キョン「え?なんだって?」

ハルヒ「だから!マフラー欲しくないかって聞いてんのよバカキョン!!」

キョン「!……まあいい。
マフラー欲しくないかと言われても、さっき言った通り妹がくれたから別に寒くはないのだが………」

ハルヒ「そうじゃないわよ!バカキョン!!」

キョン「じゃあなんだってんだよ!」

ハルヒ「……だから…あれよ……その……………わ、私が作ったマフラー欲しくないかって聞いてんのよ!!」

キョン「お前が作ったマフラー?」

ハルヒ「そ、そうよ!何か文句あんの!?」

キョン「いや、別に文句はないが…」

キョン(なんで突然こいつはこんな事言い出したんだ…?)

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 22:49:54.23 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「とにかく!いるのか、いらないのかはっきりしなさい!!」

キョン「ま、待てハルヒ!1つ聞かせてくれ。」

ハルヒ「な、なによ?」

キョン「どうして急にマフラーいらないかなんて言い出したんだ?」

ハルヒ「そ、それはあれよ………あ、あんたが寒そうにしてたからよ!
団員の体調管理も団長の仕事だから仕方なくなんだからね!
か、勘違いするんじゃないわよバカキョン!!」

キョン「なにをどう勘違いするってんだ……それに古泉のやつだってマフラー巻いてないだろ」

ハルヒ「っ!……こ、古泉くんはモテるから他の子にいっぱい貰ってるはずよ!きっとそうだわ!!」

キョン「まるで俺が他の子に貰ってないみたいな言い方だな」

ハルヒ「も、貰ってるの?……」

キョン「………すまん、見栄を張った」

ハルヒ「バカキョン!!」

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 23:00:09.60 ID:4a/sCDDHO

ハルヒ「………い、いらないんなら別に良いのよ…?……自分で使うから……!…」

キョン「…………」

ハルヒ「ど、どうなのよ?」

キョン「……………貰うよ」

ハルヒ「………ほ、本当に…?」

キョン「ああ、折角作ってくれたんだしな。ありがたく頂くとするよ」

ハルヒ「そ、それならそうとさっさと言いなさいよね!………心配しちゃったじゃない…」

キョン「ん?なにか言ったか?」

ハルヒ「な、なんでもない!!授業始まっちゃうじゃない!早く教室に戻るわよバカキョン!!」

キョン「やれやれ。…………なあ、ハルヒ」

ハルヒ「…?」

キョン「………ありがとな」

ハルヒ「っ!…なな、何言ってんのよ!!先に帰るわよ!早く来なさいバカキョン!」

キョン「………はいよ」


283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 23:40:28.34 ID:4a/sCDDHO

岡部「〜で、あるから云々」


ハルヒ(暇ね……早く授業終わらないかしら)

キョン(あ、飛行機が飛んでるな……)

ハルヒ(………キョンのやつマフラーちゃんと使うかしら……)

キョン(随分近いなぁ…)

キョン・ハルヒ(はあ……)

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/25(水) 23:53:21.51 ID:4a/sCDDHO

岡部「じゃあこれで終わり」


ハルヒ「やっと終わったわね……」

キョン「疲れたな………」

ハルヒ「じゃあ行くわよキョン!」

キョン「どこにだ?」

ハルヒ「決まってるじゃない!部室よ!!」

キョン「おいおい…まだ放課後じゃないんだぞ………」

ハルヒ「いいから来なさい!!」

キョン「やれやれ………」

286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 00:03:02.79 ID:4a/sCDDHO

キョン「なにしに来たんだ?わざわざ弁当まで持ってきて」

ハルヒ「本当バカね!お弁当食べるのよ!」

キョン「……それだけか?」

ハルヒ「それだけよ」

キョン「それなら教室でも食えるだろ」

ハルヒ「教室は人が多すぎて落ち着けないわ!やっぱりここは落ち着くわね!ほら、食べるわよキョン」

キョン「お前はとうに忘れてるだろうが、ここは一応文芸部室なんだぞ……
…まあ、たまにはいいか。腹も減ったしな」

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 00:12:01.99 ID:LtQluR5nO

キョン「…………」

ハルヒ「どうしたのよ?」

キョン「いやな、ちょっとこの弁当見てくれ」

ハルヒ「?……普通のお弁当じゃない?」

キョン「では、この料理の名前はなんだと思う?」

ハルヒ「ただのオムライスでしょ?」

キョン「そうだ、ただのオムライスだ。しかしなハルヒ、このオムライスを食すことによって受ける俺の精神的ダメージは計りきれない。
恐らくATフィールドを持ってしても防ぎきれんだろう………」

ハルヒ「………つまり、何が言いたいのよ?」

キョン「……弁当を交換してくれ」


288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 00:26:37.47 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「普通にそう言いなさいよ!本当ひねくれてるわねあんた」

キョン「ああ、なんとでも言え。オムライスとカレー以外の食べ物にありつけるのならなんだってするね」

ハルヒ「なんでそんなにオムライスを嫌ってるのよ?普通に美味しいじゃない」

キョン「話すと長くなるが、実はな……………」





ハルヒ「……それはキツいわね…」

キョン「…だろ?感謝するぜハルヒ。」

ハルヒ「べ、べつに…!私もオムライス食べたいと思ってたし丁度良かったから交換してあげただけよ!」

キョン「そうなのか?まあ、オムライス以外の食い物にありつけたことには変わりないからな。ありがとな」

ハルヒ「そ、そう。良かったじゃない!ほ、ほら、早く食べて不思議探しに行くわよ!!」

キョン「………ああ!」

290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 00:44:04.44 ID:LtQluR5nO

キョン・ハルヒ「ごちそうさま」


ハルヒ「さあキョン!ご飯も食べたし、不思議を探しに行くわよ!!
今なら宇宙人に未来人や超能力者に会える気がするわ!」

キョン(…お前の場合はそれが洒落にならんのだ…)


ガチャッ


長門「……………」

ハルヒ「有希じゃない、なにしに来たの?」

長門「読書」

ハルヒ「そう。…ねぇ有希!読書って面白い?」

長門「……ユニーク」

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 00:47:43.27 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「……キョン!予定変更よ!!ここで読書をしましょ!!」

キョン「やれやれ…まあ、たまには静かなのもいいな」

ハルヒ「決まりね!有希、オススメの本とかある!?」

長門「………」コクッ

キョン(おいおい長門……あんまり刺激の強い本は見せるなよ………)


長門「………これ」

ハルヒ「これね!ありがとう有希!」

長門「いい」


293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 01:13:13.24 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「……………」ペラ

長門「………………」ペラ


キョン(…あいつも黙ってりゃ可愛いものを………)


ガチャッ


古泉「おやおや、これは珍しいですね」

キョン「…お前も来たのか。なにか用があるのか?」

古泉「いえ、特に用があるという訳ではないのですが、何となく来たくなりまして」

キョン「なんだかんだ言ってお前もここが好きなんだな」

古泉「ふふ、それはあなたもでしょう?」

キョン「認めたくはないがな」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 14:05:00.57 ID:LtQluR5nO

古泉「ところで、皆さん何をされているのですか?」

キョン「読書だそうだ。ほら、ハルヒが本を睨みつけてるだろ?」

古泉「読書ですか。僕も仲間に入れていただきたいのですが…」

キョン「勝手にしろ。何人いても同じだからな」

古泉「ふふ、ありがとうございます」



ガチャッ


みくる「あれぇ?皆さん何してるんですかぁ?」

キョン「読書だそうですよ朝比奈さん」

みくる「あっ、キョンくん………」


みくる(さっきのこと謝らないと…)

キョン(なんか気まずいな………)


長門「…………」ペラ

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 14:17:05.47 ID:LtQluR5nO

みくる「あのぅ………キョンくん…さっきは私の勘違いでしたぁ……すいません!」

キョン「ああ、いいんですよ気にしなくて。」

みくる「あ、ありがとうキョンくぅん…


キョン「いえいえ」


みくる「皆さんですねぇ」

キョン「静かでいいですよ」

みくる「私もいていいんですかぁ?」

キョン「どうぞどうぞ、喜んで」



ハルヒ「……………」ペラ

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 14:23:25.68 ID:LtQluR5nO

キョン(………団員全員が読書か…なんか異様な光景だな……)

長門「………」パンッ

キョン(………もう読み終わったのか)


長門「………」

キョン「…………ど、どうした長門?」

長門「……これ」

キョン「…本?読めってことか?」

長門「………」コクッ

キョン「あ、ありがとな…」

長門「いい」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 14:37:47.35 ID:LtQluR5nO

キョン(なんの本なんだ?…よくわかる相対性理論…?…)

キョン「……おい、長門」

長門「………」コクッ



キョン(…もしかして馬鹿にされてるのか?……)

長門「…………」

キョン(…まあいいか、どうせ暇だしな……)

ハルヒ「………」パンッ

ハルヒ「…やめやめ!飽きたわ!この本訳わかんない!!」

キョン(…やっぱりこうなるか……)

317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 14:51:58.03 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「キョン!帰るわよ!!」

キョン「わかったから耳元で声を張り上げるのはやめろ」

ハルヒ「知らないわよ!早くしなさい!!」

キョン「へいへい…」






318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 15:04:56.46 ID:LtQluR5nO

古泉「さて、お二人もいなくなりましたので、そろそろ始めましょうか」

みくる「そうですねぇ…」

長門「………」コクッ




古泉「……つまり、ループはまだ終わってないと言うことですか長門さん?……」

長門「そう」

みくる「で、でも!涼宮さんの興味は超能力者以外のものに移ったんじゃないんですかぁ?…」

長門「確かに涼宮ハルヒの興味は超能力者以外のものに移った。しかし、このループの原因は他にある」

古泉「他、と言いますと?…」

長門「わからない。ただ……」

古泉「ただ?」

長門「………」

古泉「……そうですか…」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 16:16:57.72 ID:LtQluR5nO

古泉「朝比奈さん、あちらと連絡は出来ますか?」

みくる「あ、はい。今のところは…」

古泉「…おかしいですね」

みくる「なにがですかぁ?」

古泉「今まで発生したループでは未来との通信ができないということで確信が持てましたが…今回は通信ができるんですよね?」

みくる 「はい…」

古泉「これはどういうことでしょう、長門さん?」

長門「…涼宮ハルヒがループを引き起こす際、必ずある一定の時間枠にループ域というものが発生する。
そのループ域に入ると、それより先の未来が無いため朝比奈みくるが未来との通信を行えなくなる」

古泉「なるほど……では、まだループ域には達していない。と考えてよろしいんですね?」

長門「そう」

古泉「まだ時間はあるんですね?」

長門「…………」コクッ

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 17:12:56.95 ID:LtQluR5nO

古泉「それならばまだループを防ぐことが出来ると考えられますね」

みくる「でも、どうするんですかぁ?……」

古泉「それは……」


長門「………」ペラ


古泉「おや、残念ですが時間です……皆さん、放課後お時間いただけませんか?」

みくる「…私はいいですよぉ」

長門「……構わない」

古泉「ありがとうございます。それでは僕はこれで」

みくる「私も教室に戻りますねぇ…」

長門「……………」パタッ

325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 17:27:48.51 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「ねぇ、キョン?」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「あんた…その、す、好きな子とかいないわけ?……」

キョン「どういう意味でだ?」

ハルヒ「恋愛感情を抱くかって意味よ!……ま、まあ私は恋なんて精神病の一種だと思ってるんだけど……
だ、団長として団員のそういうことを把握しておくのも必要でしょ?」

キョン「……好きな子ねぇ…」

ハルヒ「……い、いるの?」

キョン「いや、今のところはいないな。面倒臭そうだしな」

ハルヒ「……そ、そう…!…」

キョン「ああ」

ハルヒ「……私ちょっと用事があるから、あんた先に戻ってなさい………」

キョン「ん?少しなら付き合うが……」

ハルヒ「いいから戻りなさいよ!バカキョン!!」


キョン「………また走って行っちまいやがった…なんなんだ………」


327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 17:46:02.39 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「………」

キョン(ハルヒのやつ授業中もずっと黙ってたが、何かあったのか?…)


みくる「…あのぅ…キョンくん?……」

キョン「どうしたんですか?」

みくる「涼宮さん何かあったんですかぁ?」

キョン「…さあ?さっきからずっとあの調子ですよ…。聞いても答えやしませんしね」


みくる(また、キョンくんが変なこと言ったのかなぁ……)


328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 18:06:20.68 ID:LtQluR5nO

古泉「…!……すみません、バイトです……」

みくる「は、はぁい…頑張ってください………」

古泉(まずいですね……再び巨大規模の閉鎖空間が発生するとは……)


キョン(また閉鎖空間か………やれやれ、ハルヒのやつは何が気に入らないんだ……)

長門「………」ペラ

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:05:06.79 ID:LtQluR5nO

長門「…………」パタッ

ハルヒ「…………帰る!」



みくる「…涼宮さん、帰っちゃいましたねぇ……」

キョン「まったく何がしたいんだか…。わかりかねますね」

みくる「キョンくん本当に心当たりないんですかぁ?…」

キョン「ええ。俺が聞きたいくらいですよ……」

みくる「…帰りますか……」

キョン「………ですね…」


長門「…………」ペラ

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:11:51.06 ID:LtQluR5nO

ガチャッ



朝倉「…長門さん……」

長門「…………」ペラ

朝倉「……これで最後ね……」

長門「…………」ペラ

朝倉「………今日は、ずっとここにいるの?……」

長門「…………」ペラ

朝倉「………」

長門「…………」ペラ


336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:18:16.36 ID:LtQluR5nO

古泉「これは一体どういうことでしょう……………」

古泉「神人が…消えない…?……」



みくる「未来と通信が出来なくなった………」

みくる「……キョンくん…」



キョンの妹「キョンくんおかえり!!」

キョン「ああ、ただいま。」

キョンの妹「キョンくんオムライスおいしかった!?」

キョン「ああうまかった(って言ってた)ぞ。それとマフラーもありがとな」

キョンの妹「えへへーまた作るね!」

キョン(……またやっちまった……そういえば結局マフラーは貰わず終いだな……まあ、別にいいか)

337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:24:09.86 ID:LtQluR5nO

キョン「……カレーオムライス」

キョンの妹「そうだよ!カレーが余っちゃったから合体させたの!!」

キョン(……このループはいつになれば終わるのやら………)




キョン「……やれやれ、あいつ料理はうまいが、レパートリーが少なすぎるな………」

キョン「…携帯に着信は………なし、か。……寝よう」


338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:29:21.17 ID:LtQluR5nO

キョン「…………ん……ここは…?………学校……?…」


ハルヒ「キョン!」

キョン「……ハルヒ…」

ハルヒ「やっぱりあんたもいたのね!!ねぇキョン、ここって前にも来たわよね?」

キョン「……ああ」

ハルヒ「最高ね!!やっぱり夢なんかじゃなかったんだわ………!」

キョン(…どうなってやがる………
ここに俺達がいるという事は、現実世界は……?…)


339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:34:30.51 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「ねぇキョン!探検しましょ!!不思議の匂いがプンプンするわ!!」


キョン「…なあ、ハルヒ」

ハルヒ「……なによ?」

キョン「お前は何がしたいんだ?」

ハルヒ「だから探検って言ってるじゃない!」

キョン「本当にそうか?……」

ハルヒ「………もういいわ!!1人で行ってくるから!」

キョン「…おい!」

ハルヒ「………フンッ…!」


キョン「……とりあえず部室に行くか………」

340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 20:41:26.89 ID:LtQluR5nO

キョン(……やっぱり誰もいないか……)

キョン(……!パソコンの電源がついてる…長門か?)



YUKI「みえてる?」

キョン「ああ。なんでまたこんな所に来たんだ?」

YUKI「わからない。でもあなたなら再びこちらに帰還できるはず」

キョン「なぜ言い切れる?」

YUKI「あなたを信じてる。あなたならきっと戻れる。あの時のように」


キョン(………あの時か…)

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 21:42:57.25 ID:LtQluR5nO

YUKI「もうあまり時間がない」

YUKI「私達はあなたに賭ける」

YUKI「もし再び会えることができたら」

YUKI「今度こそ」



キョン「…電源が落ちたか………」

キョン「……ハルヒを探そう…!」


344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 21:56:53.28 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「……なんなのよ…!」

ハルヒ(…何がしたいって………そんなの決まってるじゃない…バカキョン……)



キョン(ハルヒのやつ…どこに行きやがったんだ………)

古泉「おや、ここにいましたか」

キョン「…古泉!」

古泉「どうやら状況は理解されているようですね。僕らもたった今状況が把握できたところですよ…」

キョン「そんなことより、そっちはどうなってるんだ?やはりこのままじゃ………」

古泉「ええ、こちらの世界は消滅するでしょう…」

キョン「……どうにかならんのか?」

古泉「……残念ですが…」


345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 22:06:57.07 ID:LtQluR5nO

キョン「…ループは終わったはずじゃないのか?」

古泉「…いえ、あなたは知らないでしょうが、ループはまだ終わってはいません………」

キョン「……なんだと…?…」

古泉「長門さんが全てを教えてくれました。」

キョン「長門が?…」

古泉「はい。実を言うと、ここ数日間の間に涼宮さんがループを引き起こす可能性が複数存在していたんだそうです……」

キョン「……」


347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 22:19:53.41 ID:LtQluR5nO

古泉「1つは超能力者の件でしょう。このループは回避に成功しましたが、それは原因がわかっていたからです。しかし、今回は原因がまったくわかりません…」

キョン「……回避のしようがないってことか…?」

古泉「いえ、そうではありません。我々にはまだ可能性が残されています」

キョン「……それはなんだ?」

古泉「お分かりでしょう?…あなたです」

キョン「………随分簡単に言ってくれるが、俺だってなにをすればいいのやらさっぱりだ……」

古泉「すいません…しかし、我々にはあなたしかいないのです…。
出来ることならば、再びあなた達と過ごしたいものですよ…」

キョン「……ああ、わかった。」

古泉「…ふふ、ありがとうございます。………残念ながら時間のようですね……………」

キョン「……………」

古泉「……では、またこちらでお会いしましょう…」

キョン「………古泉…」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 22:32:31.10 ID:LtQluR5nO

神人「ウォオオオオオオオオオオ!!」

ハルヒ「!…この間の巨人だわ……」

ハルヒ「………キョンのやつ大丈夫かしら…?……」

ハルヒ「……部室から不思議の匂いがするわね!…行ってみましょ!」



キョン「…神人か…!…くそ、とりあえず外に避難だ…!……」



キョン「……ハルヒがいない…まさかまだ中にいるのか…!?……」

神人「ォオオオオオオオオオオ!!!」


キョン「…近寄れやしないな……」

キョン「!…旧校舎には神人が攻撃をしていない……あそこか…ハルヒっ!」


349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 22:56:22.71 ID:LtQluR5nO

ハルヒ「…キョンのやついないわね……」

ハルヒ「…ま、まあいいわ!不思議を探しましょ!!」


ガチャッ

ハルヒ「!…」

キョン「…ハルヒ!」



ハルヒ「………なによ?…」

キョン「…早く逃げるぞ…!…」

ハルヒ「はぁ…?」

キョン「いいから来い!」

ハルヒ「ちょ、ちょっと…!」


351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 23:11:50.43 ID:LtQluR5nO

キョン「……とりあえずここなら安全だろう…」

ハルヒ「…な、なんなのよ!」

キョン「あのままあそこにいれば、あの巨人に潰されていたかもしれないんだぞ!!」

ハルヒ「そんなことないわよ!あの巨人は味方なんだから!!」

キョン「どうしてそう言い切れるんだ!?」

ハルヒ「…理由なんてないわよ!なんとなくそんな気がするの!!」

キョン「お前な…!そんなことだからいつも俺達は……」

ハルヒ「…どうしてよ…!…どうしていつもこうなるのよ……」

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 23:22:24.17 ID:LtQluR5nO

キョン「!……ハルヒ……泣いてるのか?………」

ハルヒ「な、泣いてないわよ…!……」

キョン「…………」


キョン「…………なあ、ハルヒ?」

ハルヒ「…………なによ?……」

キョン「…俺はなんだかんだ言ってもあの団が好きだ。」

ハルヒ「…そ、それがどうしたのよ…!……」

キョン「古泉、長門、朝比奈さん。…そしてお前と一緒に過ごす時間が好きなんだよ。
もちろんそうでない部分もあるが、それ以上に好きな部分が大きいんだ」

ハルヒ「………………」

キョン「……だから、帰ろうぜ。」



ハルヒ「…………わかったわよ…」

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 23:32:05.92 ID:LtQluR5nO

キョン(!…神人が消えた……)


キョン「…行くぞ、ハルヒ」

ハルヒ「…ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

キョン「?…なんだ?」

ハルヒ「…………これ…!」


キョン「…マフラー…ずっと持ってたのか?………」

ハルヒ「た、たまたまよ!…あんたに風邪ひかれると団長として責任感じちゃうじゃない!…」

キョン「……ありがとな」

ハルヒ「…………う、うん…」


キョン「…じゃあ、行くか」

ハルヒ「私より先に行くんじゃないわよ!バカキョン!」

キョン「……ああ」

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/26(木) 23:50:14.47 ID:LtQluR5nO

キョン(…帰ると行ったものの、学校から出られるのか……?…)



ハルヒ「なにぼさっとしてんのよ!先に行くわよ!!」

キョン「…あ、ああ。すまん」


ハルヒ「…ねぇ、キョン?」

キョン「ん?なんだ?」

ハルヒ「……いつだったかしら…雨の日にあんたと一緒に帰ったことあったわよね?」

キョン「…ああ、あったな」

ハルヒ「あの時私思ったのよ。このままでもいいかなって…」

キョン「…………」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 00:05:56.66 ID:49S953ViO

ハルヒ「…宇宙人も未来人も異世界人も超能力者もいない世界もいいかなって………。
でも、次の日になるとやっぱり何も変わらない退屈な世界だったわ……」

キョン「……ハルヒ…」


ハルヒ「…結局は宇宙人も未来人も異世界人も超能力者も存在しないんだって諦めるしかないの。
これがちっぽけな1人に出来る精一杯のことなのよ…」

キョン「……いいんじゃないか?」

ハルヒ「え?…」

キョン「…俺は宇宙人も未来人も異世界人も超能力者もいると思うぞ。いないのならお前が見つければいいだろう?」

ハルヒ「…………」

キョン「それにお前は1人じゃない。お前にはSOS団があるじゃないか
…古泉も長門も朝比奈さんもお前の仲間だ。もちろん、俺もな。」


ハルヒ「……バ、バカキョンのくせに偉そうなこと言うんじゃないわよバカキョン!…早く来なさい!先に行くわよ!」

キョン「…ああ」

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 00:47:01.34 ID:49S953ViO

キョン「…ここで別れるな。どうする?送って行こうか?」

ハルヒ「……いや、いいわ。」

キョン「…そうか。…………なあ、ハルヒ」

ハルヒ「……なによ?」

キョン「…明日は不思議探しをしよう。…2人でな」

ハルヒ「!…バ、バカキョンのくせに団長に指図するんじゃないわよ!
……ま、まあどうしてもって言うんなら仕方ないわね…!」

キョン「…おう、ありがとな。…それとな、ハルヒ」

ハルヒ「…な、なによ?…」







キョン「好きだ」

361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 00:51:59.04 ID:49S953ViO

キョンの妹「キョンくん起きてー!朝だよー!!」

キョン「ん…朝か……」

キョンの妹「あれー?キョンくんマフラー巻いて寝てたの?」

キョン「!…ああ、疲れてたもんでな」

キョンの妹「変なキョンくん。朝ご飯食べてね!!」

キョン「……今日はなにを作ったんだ?」

キョンの妹「お味噌汁と玉子焼きだよ!!」

キョン「……そうか。ありがとな」

キョンの妹「えへへー…じゃあ下で待ってるね!」


キョン(…やっぱり夢じゃ、ないんだな………)

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 00:56:25.85 ID:49S953ViO

キョン「ごちそうさま」

キョンの妹「おいしかった!?」

キョン「ああ、そりゃもう美味かったぞ。また作ってくれ」

キョンの妹「うん!また作るね!あ、もう行かなきゃ!」

キョン「今日は随分と早いんだな?」

キョンの妹「友達と待ち合わせしてるんだ!じゃあキョンくん行ってきまーす!!」

キョン「…ああ、頑張れよ」


キョン(…俺も早めに出るか……)

364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 01:07:38.28 ID:49S953ViO

キョン(…そういや、マフラー2つあるんだったな………)

キョン「…ええい!この際両方使ってやれ!……」




古泉「やあ、おはようございます」

キョン「どうした?随分早いんだな」

古泉「ええ、お恥ずかしながら昨日は眠れなかったもので……
今やあなたは二度も世界を救ったヒーローですよ」

キョン「やめてくれ。そんな大層な肩書きを貰うようなことはしてないからな」

古泉「んっふ、あなたらしいですね。ところで、先ほどから気になっていたのですが、どうしたんです?それ」

キョン「…ん?マフラーのことか?」

古泉「ええ、見たところどちらも手作りのようですが?…あなたも中々隅に置けませんね」

キョン「そんなんじゃないさ。これはな…………」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 01:27:09.36 ID:49S953ViO

古泉「…ほう、涼宮さんがですか……」

キョン「どうせいつもの気まぐれだろうがな」

古泉「ふふ、そういうことでしたか」

キョン「…ん?なにがだ?」

古泉「…………」

古泉(…彼の鈍さは致命傷になりかねませんね………)



朝倉「…キョンくん!」

キョン「朝倉…それと、長門か」

朝倉「流石はキョンくんね!感謝してるわ!…」

キョン「…おいおい俺は………」

長門「……あなたは世界を救った。素直に誉められるべき」

キョン「…長門まで………」

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 01:37:25.34 ID:49S953ViO

みくる「…キョ、キョンくぅん!」

キョン「あ、朝比奈さん!?」

みくる「ふぇえ…私禁則事項出来なくなって禁則事項も出来なくて禁則事項だったからぁ……良かったです…」

キョン(…朝比奈さん、台詞の中身がまったくわかりません………)


古泉「おや、涼宮さんが来たようですね」

朝倉「…キョンくん行ってきなさい!」

キョン「…な、なんで俺なんだ?」

みくる「キョンくんだからですよぉ」

キョン「なんて理不尽な……」

朝倉「ほら、早く!」

キョン「な、長門…」

長門「…………」コクッ

古泉「どうやら満場一致のようですね」

キョン(…裏切りやがったな………)

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 01:43:13.63 ID:49S953ViO

キョン「……仕方ない…行くか………」



古泉「…彼の鈍さはどうにかなりませんかね………」

朝倉「…………」

みくる「………」

長門「…………」



キョン「……ハルヒ…!」

ハルヒ「…な、なによ?」

キョン「いや、何って特に用はないんだが……」

ハルヒ「そ、そう。まあいいわ……」

キョン「お、おう…」


キョン(…気まずいな…)

ハルヒ(…気まずいわね…)

368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 01:54:15.38 ID:49S953ViO

キョン「…なあ」

ハルヒ「……何」

キョン「…マフラー、ありがとな」

ハルヒ「…な、なによ急に改まって…!」

キョン「いや、なんとなくだが……」

ハルヒ「そ、そう…!」

キョン「………………」


ハルヒ「…ねえ、キョン?」

キョン「……ん?」

ハルヒ「…私あんたと会えて良かったわ…!」

キョン「…ああ、俺もだ」

ハルヒ「だからね…その……」

キョン「なんだ?」

370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 02:10:34.96 ID:49S953ViO

ハルヒ「…私この間、恋愛なんて精神病の一種だって言ったわよね?
……でもたまには精神病になるのもいいかな…なんて思ってるのよ…!だから…あ、あんた病原菌になりなさいよ……!」

キョン「…病原菌?」

ハルヒ「よ、呼び方なんてどうでもいいのよ!…なる気あるのかないのかどっちよ!?」

キョン「……………」

371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 02:12:10.18 ID:49S953ViO

キョン「………彼氏ならいいぞ」

ハルヒ「……え?」

キョン「だから、病原菌じゃなく、彼氏にならなってやる。」

ハルヒ「…バ、バカキョンのくせに命令するんじゃないわよ!!
ま、まあ仕方ないからそういうことにしといてあげるわ……!」


キョン「……なあ、ハルヒ」

ハルヒ「……な、なによ」

キョン「……2人で不思議、見つけような」






ハルヒ「……うん!」


終わり

381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/27(金) 08:13:47.04 ID:49S953ViO

ダラダラ引きずってすまん
当初BADEDの予定だったが、まあたまにはこんなのもいいかなぁと思ってしまって


ここまで読んでくれてありがとな!
それじゃ



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