6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:32:54.50 ID:XwBiKKd70
キョン「いつのことだよ。アイツ昨日も普通だったぞ?」
朝倉「一週間前よ。ついでに言うと私の家でもあるわね」
キョン「もしそれが本当だとしてお前ら今どこで暮らしてるんだよ」
朝倉「私は事情を話してクラスの皆のお家に泊めてもらってるの。だけど・・・」
キョン「だけど、なんだ?」
朝倉「長門さんは・・・・・・公園で、ダンボールのお家に」
〜公園〜
長門「極寒」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:50:24.58 ID:XwBiKKd70
キョン「公園にって、あいつ一人でか!」
朝倉「そうなのよ。長門さんクラスに友達がいないんですって」
キョン「お前の友達に頼めないのか?あいつも一緒に」
朝倉「うん、それ無理」
キョン「なんだって?」
朝倉「どうして私と長門さんが同じマンションの違う部屋に住んでたか考えた事ある?」
キョン「いや、派閥が違うからとか?」
朝倉「それもあるけどね。一番の理由はもっと単純なの」
キョン「一番の理由?」
朝倉「私と長門さん、信じられないくらい仲が悪いの」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:05:05.12 ID:XwBiKKd70
キョン「なんだって?」
朝倉「だからね、私と長門さんはすっごく仲が悪いの」
キョン「いや、そんな風には見えないが・・・」
朝倉「キョン君の前では猫被ってるから♪」
キョン「本人の前で言うな。んで、俺にどうしてほしいんだよ」
朝倉「長門さんを放置してほしいの。絶対に助けないで」
キョン「そんなこと言われても聞いたからには助けてやらないと」
朝倉「そんな必要ないわ。だって長門さん、自分でマンションに火をつけたんだもの」
キョン「・・・お前、それは流石に信じないぞ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:44:57.32 ID:XwBiKKd70
朝倉「本当なんだってば。あの子ちょっと頭おかしいのよ」
キョン「本当だとして、長門が自宅を燃やしたりした理由は何だ?」
朝倉「テレビの影響よ。火をつける直前まで映画見てたのよあの子。先週の水曜日、見なかった?」
キョン「ああ、見てないな」
朝倉「古い恋愛映画なんだけど、主人公の男が燃え盛る建物に女を助けに飛び込むシーンがあったのよ」
キョン「まさかとは思うが」
朝倉「そのまさか。その映画を見終えた途端に情報操作で家を燃やしたのよ」
キョン「えー・・・」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:07:25.01 ID:XwBiKKd70
〜先週の水曜日〜
長門「実にユニーク」
ガンガン!
朝倉『おーい。晩飯持ってきてやったわよー』
長門「・・・映画は佳境。ここは無視するべきと判断する」
朝倉『おいってば。居留守なんかしたってバレバレよ』
長門「実に不愉快。折角の名作が台無し」
ガーンッ!!
朝倉『おい!とっとと出で来いって言ってるでしょ!』
長門「・・・ユニーク」
朝倉『この・・・!文句言わないでよね!』
ドガーン!!!
長門「!!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:20:28.74 ID:XwBiKKd70
朝倉「ここに置いておくから。じゃあね」
長門「待って」
朝倉「あ?なによ」
長門「ドアを直してから帰って」
朝倉「文句言うなって言ったでしょ?さっさと開けないあなたが悪いのよ」
長門「もう一度言う。ドアを直して」
朝倉「嫌よ。自分で直せば?」
長門「非常に不愉快・・・!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:31:31.24 ID:XwBiKKd70
長門「あなたを消去することだって私には可能」
朝倉「あらそう?じゃあそうするといいわ」
長門「では」
朝倉「ただ、キョン君がなんて言うかしらね」
長門「彼は何も言わない」
朝倉「そう思うなら、どうぞご自由に」
長門「・・・ドアだけ直して失せて。今回だけ見逃す」
朝倉「・・・偉そうに」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:49:01.95 ID:XwBiKKd70
ガゴン!!
朝倉「ふー。これで満足かしら?」
長門「・・・・・・」
朝倉「じゃあ、今度こそ帰るから」
長門「待って」
朝倉「・・・ドアは直したわよ」
長門「あなたがグズグズしていたせいで料理が冷めてしまった」
朝倉「だから?温めればいいでしょ」
長門「私の食事を用意するのはできの悪いあなたに与えられた数少ない仕事」
朝倉「なんだとこの」
長門「あの時消去を止めた際の契約は有効。守られない場合はあなたの消去を許可すると彼も言っていた」
朝倉「くそガキが・・・!」
長門「早くして。私は空腹」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:05:57.82 ID:XwBiKKd70
朝倉「・・・」
長門「あなたは全ての動作が緩慢。それが私を苛立たせる」
朝倉「・・・・・・」
長門「さらにあなたの料理は私の口には全く合わない。簡単にいえば酷く不味い」
朝倉「・・・・・・!」
長門「その不味い料理を食している私に、あなたは感謝するべき」
朝倉「・・・・・・!!」
長門「冷めてしまったあなたの料理など、家畜の飼料にも劣る」
朝倉「この・・・っ!さあ、どうぞ!!」
ダンッ!!
長門「ユニーク。とても、とてもユニーク」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:26:13.91 ID:XwBiKKd70
朝倉「もう、行くから」
長門「早く出て行って。あなたが視界に入る事が、私にはとても不愉快」
朝倉「・・・・・・」
プルルル、プルルル
長門「・・・」
朝倉「あら。誰かしら、もしもし?あ、キョン君!」
長門「!!」
朝倉「うん、大丈夫よ。今?長門さんにご飯作ってあげてたの」
長門「どうして彼がこの女に・・・!」
朝倉「もう長門さんたら自分は料理できないのに人には注文ばっかりで」
長門「余計なことを」
朝倉「え!?そんな、もうキョン君たらぁ・・・料理ができる子が好きなの?」
長門「!!」
朝倉「褒めたって何もでないわよ?ウフフ、うん。それじゃあまたね」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:41:26.54 ID:XwBiKKd70
朝倉「ふふん」
長門「どうして彼があなたに」
朝倉「あら、別に今日だけじゃないわよ?電話ぐらいなら毎日してるわ」
長門「・・・やはり消去」
朝倉「キョン君に電話しちゃおうかなぁ?長門さんがいじめるって」
長門「あなたはあなたの料理以上に酷い女」
朝倉「なんとでも言いなさい」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:54:18.44 ID:XwBiKKd70
キョン「ちょっと待て」
朝倉「何かしら」
キョン「先週の水曜だろ?お前に電話なんかしてないはずだが」
朝倉「ええ、そうでしょうね。だって嘘だもの」
キョン「嘘?」
朝倉「だってあまりにも腹が立ったから。ちょっとした嫌がらせをね」
キョン「下らんことを・・・」
朝倉「あ、でも本当にいつでも電話待ってるからね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:08:49.39 ID:XwBiKKd70
長門「このアバズレバックアップ」
朝倉「ほざきなさいよ貧乳根暗」
長門「・・・消去されかけた屑のくせに」
朝倉「世界改変なんて考える狂宇宙人になに言われても気にならないわ」
長門「口を開かないで。空気が穢れてしまう」
朝倉「あら?汚い空気が嫌ならこの星から出て行けば?あなたなんていても意味ないし」
長門「・・・その口、二度と開けないようにする」
朝倉「やろうっての?言っとくけど、前みたいにはいかないからね」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:19:50.94 ID:XwBiKKd70
長門(これまで私は我慢してきた。もう十分なはず)
朝倉(いつまでもこんなのが上にいたんじゃ、私に未来はない!)
長門・朝倉(ここで終わらせる)
ドカーン! ワァワァ!
長門「!一時休戦」
朝倉「はぁ?」
長門「私はこの映画に興味がある。あなた如きのせいで見逃したくはない」
朝倉「だから終わるまで待てって?はぁ、さすが狂宇宙人は言う事が違うわね」
長門「黙って」
ワァワァ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:26:52.67 ID:XwBiKKd70
長門「・・・・・・」
朝倉「急に黙って、普段からそれぐらいならいいのに。・・・なによこれ古い映画ね」
長門「古い作品にこそ現代にはない良さがある。頭の幼稚なあなたには理解できない」
朝倉「はいはい。そんなもん理解できなくて結構よ」
ワァワァ キャーキャー
長門「・・・素敵。これこそ愛の力」
朝倉「下らないわねぇ。こんなタイミングで都合よく男が現れるわけないじゃない」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:35:16.62 ID:XwBiKKd70
長門「創作作品にまでリアルを求める、心が狭い証拠」
朝倉「作り話しか知らないからこんな物で感動するのよ」
長門「あなたはもう老いている。だから夢を見ることもできない」
朝倉「夢しか見てない方がどうかしてるわよ。本当にこんな事が起きると思うわけ?」
長門「彼と私なら可能。彼ならば私の危機を必ず救ってくれる」
朝倉「彼ってキョン君?確かにここにいれば助けてくれるでしょうね」
長門「そう」
朝倉「でもいくらキョン君でもその場にいなければ無理よ。彼は普通の人なんだから」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:39:57.12 ID:XwBiKKd70
長門「そんなことはない。彼は必ず来てくれる」
朝倉「来ないわよ。そんな都合よくいくもんですか」
長門「来る」
朝倉「来ないわよ」
長門「来る・・・!」
朝倉「来ない!」
長門「あなたを助けには来ない。しかし私を助けには来る」
朝倉「何を・・・!私だろうがあなただろうが、その場にいなければ来ないわよ!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:45:19.42 ID:XwBiKKd70
長門「ならば実証する」
朝倉「はぁ?どうやって実証するってのよ」
長門「こうすればいい。fa;oiehjfoia;oijeo;aifhwehu」
朝倉「!?ちょっと、何やって、やめなさい!」
長門「lkjofihwaioejf;airhj・・・発火」
ボウッ!!!
朝倉「うわ、馬鹿!何考えてるのよ!」
長門「きっと来てくれる」
朝倉「この・・・!狂宇宙人が!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:55:03.42 ID:XwBiKKd70
朝倉「とにかく火を消さないと!;ijfhio@aw;kjxp;oja・・・」
長門「邪魔をしないで。kljfoiawhpoajwjfaihlz・・・」
朝倉「そっちこそ、このままじゃこのマンション全部が焼けちゃうのよ!?」
長門「住民に被害を及ぼす気はない。事後の対策も考えてある」
朝倉「だからって!」
長門「来てくれる。きっと、彼は来てくれる」
朝倉「誰か、本当に助けて!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 00:00:10.77 ID:qtxuum3a0
〜発火から数十分後・マンション外〜
ザワザワ ザワザワ
朝倉「あああ、家が燃えてく」
長門「・・・・・・」
朝倉「あんた!どうするつもりよ!?」
長門「来て・・・くれる」
朝倉「現実見なさいよ!あんたのせいでどれだけ迷惑が・・・」
黄緑「なんですか?これは」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 00:12:38.58 ID:qtxuum3a0
朝倉「あ、これは、その」
黄緑「あら、二人とも。無事でよかった」
朝倉「あ、あはは、江美里も無事で」
長門「・・・来てくれない」
朝倉「黙ってなさい!えっとね、この火事はその」
黄緑「おかしいですねぇ。火元は長門さんの部屋のようですけど?」
朝倉「(江美里に下手な嘘は通じない!)・・・ええとね!こたつが爆発しちゃっ」
黄緑「それに、情報操作の痕跡までありますが?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 00:25:20.92 ID:qtxuum3a0
朝倉「うぇ!?それは、そのぉ」
黄緑「・・・あなた達」
ゴオオオオオオ!!
朝倉「ごめんなさい!ごめんなさい!」
長門「・・・・・・」
朝倉「あんたも謝りなさいよ!」
長門「・・・・・・」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 00:51:04.38 ID:qtxuum3a0
黄緑「・・・謝罪も無しですか。もっとも、謝ったところで許しませんけどね」
朝倉「江美里待って!悪いのはこいつだけで私は」
黄緑「問答無用です。oknsaowiuhoaobwf・・・」
朝倉「情報操作で空間を隔離した!?」
黄緑「お仕置きですよ・・・」
朝倉「ああ、あああ」
長門「・・・彼が助けてくれる」
黄緑「不出来な妹達」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 01:02:14.17 ID:qtxuum3a0
朝倉「で、そこから江美里にボコボコにされてしばらく動けなかったの」
キョン「お前それでここ数日休んでたのか。体、大丈夫か?」
朝倉「まだちょっと痛いかな。でも大丈夫よ」
キョン「無理はするな。・・・にしても、長門のやつも心配だな」
朝倉「私の話聞いてた?あの子に同情なんかする必要ないわよ」
キョン「確かに長門が悪いが、あいつも黄緑さんにお仕置きされたんだろ?」
朝倉「自業自得よ」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 07:22:11.14 ID:qtxuum3a0
朝倉「とにかく、私はあの子が謝るまで助けるつもりはないの。キョン君もお願いね」
キョン「行っちまったか・・・。しかし、なぁ」
〜公園〜
長門「非常に寒い。ダンボールで経てた家屋には保温性がゼロ」
グウゥゥゥゥ
長門「空腹。情報操作でごまかす・・・」
黄緑『させませんよ』
長門「・・・情報操作、できない」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 07:29:56.56 ID:qtxuum3a0
長門「今は我慢の時。彼の注意をひくために今日は学校も休んだ」
長門「きっと、彼は心配してくれている」
長門「今度こそ来てくれる」
〜北高・SOS団部室〜
キョン「すまん、できるだけ早く帰りたいんだが」
ハルヒ「却下よキョン。今日は次の活動に向けて徹底的に話し合うんだから!」
キョン「長門の所へ急ぎたいんだがな・・・・・・そうだ!ハルヒか朝比奈さんなら」
ハルヒ「なにブツクサ言ってんの?」
キョン「実はだなハルヒ」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 07:34:40.20 ID:qtxuum3a0
キョン「長門の家が」
バタンッ!
朝倉「こんにちわぁ」
キョン「うお!?」
ハルヒ「あら、朝倉さんじゃない」
朝倉「ウフフ、遊びにきちゃった。お邪魔かしら?」
ハルヒ「いいえ!我がSOS団はいつでもお客は大歓迎よ!」
朝倉「ありがとう、涼宮さん。さてと・・・」
キョン「な、なんだ朝倉」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 07:41:35.43 ID:qtxuum3a0
朝倉「今、長門さんを助けようとしてたでしょ?」
キョン「んな!なんの事かな?」
朝倉「惚けたって無駄よ。キョン君の考えること、わかるもの」
キョン「・・・・・・」
朝倉「どうして長門さんの味方をするの?」
キョン「そりゃ、長門には世話になってるし・・・大事な友達だしな」
朝倉「じゃあ私より長門さんが大事なんだ。だから私のお願い聞いてくれないのね」
キョン「お前、そういう言い方は卑怯だぞ」
朝倉「どうして?私と長門さんは喧嘩をしていて、キョン君は長門さんの味方をするんでしょ?」
朝倉「それって私より長門さんを大事にしてるってことじゃない」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 08:18:29.76 ID:qtxuum3a0
キョン「どっちが大事とかじゃなくて、ただ困ってる奴をほっとけないだけだ」
朝倉「私だって困ってるわ。どうしたらあの子を反省させられるかって」
キョン「そういうのは困ってるとは言わんだろ」
朝倉「・・・じゃあどうしたら私の味方をしてくれるの!?」
キョン「味方するとかそんなんじゃねぇだろうが!」
朝倉「大きな声出さないでよ!」
キョン「でけぇ声出したのはお前の方からだ!」
朝倉・キョン「・・・・・・」
ハルヒ「え、え、なんなの?」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 08:26:40.57 ID:qtxuum3a0
キョン「もういい。ハルヒ、悪いが今日は帰る」
ハルヒ「あ、うん。わかったわ」
朝倉「・・・助けちゃ、だめだからね」
キョン「うるさい。俺の勝手だ」
ガチャ
朝倉「ばか・・・。キョン君の」
バタンッ
朝倉「ばかぁ!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 08:42:58.85 ID:qtxuum3a0
〜公園〜
長門「孤独。空腹。加えて極寒」
長門「・・・死がすぐそこに見える」
長門「彼は、来てくれない。朝倉涼子の言ったように」
長門「来てくれない」
長門「来て、くれない・・・」
バサバサ
長門「!!」
キョン「おおっと、この家にいたのか。あっちこちにあるからどれがお前の家かわからなかったぞ」
長門「愛の力・・・」
キョン「なんだって?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 08:55:20.67 ID:qtxuum3a0
キョン「おい長門、そんなに引っ付かれると歩けないんだが」
長門「大丈夫。あなたと一緒ならここで朽ちても構わない」
キョン「どうして実家の数メートル近くで朽ちないといけないんだ。いいから、行くぞ」
長門「わかった。あなたの実家で一緒に朽ちる」
キョン「朽ちないっての」
長門「わかった」
キョン「はぁ。(とりあえず、家で面倒見るしかないよな。明日ハルヒか朝比奈さんに頼もう)」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 09:27:49.74 ID:qtxuum3a0
すまんドラゴンボールおもしれー
キョン「ほら、風呂沸いてるみたいだから入ってこい」
長門「いいの?」
キョン「ああ。事情話したら母さんも了承してくれたしな。今日は泊まってけ」
長門「(チャンス到来)ありがとう」
キョン「いいからいいから、早く入ってこい。風邪ひいちまうぞ」
長門「一緒に・・・」
キョン「それはダメだ」
長門「いっしょ・・・」
キョン「粘ってもダメなもんはダメだぞ」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 09:32:14.67 ID:qtxuum3a0
カポーン
長門(焦ることはない。今日一晩は確実に彼と一つ屋根の下)
長門(できないことなど、何もない)
ガララッ
長門「!」
妹「有奇ちゃーん!一緒に入ろ〜」
長門「一緒に入る」
妹「わーい!」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 10:29:12.67 ID:qtxuum3a0
キョン「お、上がったか」
妹「キョンく〜ん、有希ちゃんとお風呂楽しかったよ」
キョン「そうか。飯できてるから、早く食べちまえ。長門もな」
長門「あなたは?」
キョン「俺は先に食った。今から風呂だ」
長門「(一緒に食事をしたかった)・・・そう」
キョン「どうした?今日はお前の好きなカレーだぞ」
長門「大至急食事を」
キョン「はいはい。母さんが用意してくれてるから、妹と一緒に行け」
妹「行こう有希ちゃん!」
長門「大急ぎで行く」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 10:44:07.47 ID:qtxuum3a0
カポーン
キョン「ふぃ〜いい湯加減だなぁ」
『じゃあどうしたら私の味方をしてくれるの!?』
キョン「・・・怒鳴ること、なかったな」
『キョン君の・・・ばかぁ!』
キョン「ああああ!くそっ、俺のばかぁ!」
〜キョンの部屋〜
ブゥゥン、ブゥゥン
長門「彼の電話に着信。相手は」
『朝倉』
長門「・・・・・・」
ピッ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 10:54:25.72 ID:qtxuum3a0
朝倉『あ、あの、キョン君?』
長門「・・・・・・」
朝倉『怒ってるよね・・・ごめんなさい』
長門「・・・・・・」
朝倉『キョン君を怒らせたくてあんなこと言ったんじゃないの』
長門「・・・・・・」
朝倉『なんとか言ってよぉ・・・私、このままじゃ』
長門「ユニーク」
朝倉『・・・!!どうしてあんたがっ!!』
長門「彼が自分の家へ招待してくれた。彼が私を助けてくれた」
朝倉『そんな、キョン君どうして・・・』
長門「やはり彼は私の味方。いつだって私の側に駆けつけてくれる」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 11:05:37.64 ID:qtxuum3a0
長門「だけど泣きそうなあなたの側に彼はいない。私が言った通りになった」
朝倉『・・・・・・』
長門「私を助けには来る、あなたを助けには来ない」
朝倉『あんた、ふざけないで・・・!』
長門「これが事実。夢でも創作の中でもない、これが現実」
朝倉『あんたなんかに、あんたなんかにキョン君は・・・!』
長門「・・・なにを言っても負け犬の遠吠え。聞くに堪えない」
朝倉『絶対に渡さないんだからぁ!』
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 11:46:00.94 ID:qtxuum3a0
一歩手前だった
キョン「(とにかく、朝倉に明日あやまろう)・・・ん、長門のやつ誰と話してるんだ?」
ガチャ
キョン「長門ー?誰と話して・・・」
長門「!!」
キョン「お前それ俺の携帯じゃないか。勝手に何してんだ!」
バッ!
キョン「もしもし?誰だ?」
朝倉『キョン君・・・』
キョン「朝倉・・・あ、その」
朝倉『やっぱり長門さんを助けたんだね』
キョン「ほっとけなかったんだ。女の子一人で公園に寝させるなんてできねえよ」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 12:00:01.55 ID:qtxuum3a0
朝倉『そっか・・・やっぱり優しいねキョン君は』
キョン「普通だよ。あのな、今日は怒鳴ったりして悪かった」
朝倉『ううん、私が変なこと言ったのが悪かったの。キョン君は悪くないよ」
キョン「それでも、俺のほうが悪かった」
朝倉『ウフフ、真面目なんだから。・・・ところでねキョン君』
キョン「なんだ?」
朝倉『長門さん以外の女の子でも、キョン君は迎えに来てくれる?』
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 12:36:04.60 ID:qtxuum3a0
キョン「・・・!お前、今どこだ!」
朝倉『さて、どこでしょうか』
キョン「ふざけるな!お前外にいるんじゃないだろうな!」
朝倉『・・・・・・』
キョン「このバカ・・・!どこだ!すぐ行くから教えろ!」
朝倉『キョン君に、見つけてほしいな』
キョン「ああ!?」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 12:43:22.83 ID:qtxuum3a0
朝倉『キョン君が探して、キョン君が見つけてくれると嬉しいな』
キョン「遊んでる場合か!」
朝倉『遊んでなんかない!私はずっと真剣よ!』
キョン「!!」
朝倉『お願い。見つけてよ・・・』
キョン「・・・わかった。絶対に見つけてやるからそこを動くな。朝までかかったって見つけてやる」
朝倉『うん、待ってるから』
プツ、ツー、ツー
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 12:59:41.97 ID:qtxuum3a0
キョン「・・・長門、先に寝ててくれ。俺のベッド使っていいからな」
長門「あなたはどこへ行くの?」
キョン「もう一人手のかかるのがいるんでな。迎えに行ってくる」
長門「・・・その必要はない」
キョン「なんだと?」
長門「朝倉涼子を迎えに行く必要などない」
キョン「お前、それ本気で言ってるのか」
長門「私はいつでも本気。;okhoifahwea;klm v;ah」
キョン「!?か、体が動かねぇ・・・!」
長門「私だけを助けてくれればいい。私だけを見てくれればいい」
キョン「長門・・・!」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 13:13:43.09 ID:qtxuum3a0
長門「この部屋を隔離した。ここにいれば私とあなたの間に邪魔は入らない」
キョン「長門!バカな真似は止めて、さっさと俺を解放しろ!」
長門「嫌」
キョン「・・・冗談で済むうちに止めとけよ」
長門「嫌・・・!」
キョン「このガキっ!いい加減にしやがれ!」
長門「嫌、嫌!!」
キョン「てめぇ・・・わかったお前がそのつもりなら、俺にも考えがある」
長門「・・・・・・」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:38:47.49 ID:qtxuum3a0
キョン「今、ここで、死んでやる」
長門「・・・!できるわけが」
キョン「あばよ。ここで一生、俺の死体と遊んでろ・・・ぐっ!」
がりぃぃ!
長門「ああ、あああ、止めて、だめ、ダメ、駄目・・・!」
長門「;oiwhjeofih;aookjhnsa」
キョン「・・・・・・」
内容を大幅に削ってお届け
もうどうなっても知らないんだからね
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 19:48:15.69 ID:qtxuum3a0
長門「終わった・・・私が、彼を死なせてしまった」
長門「私が存在する理由もない。すぐに後を追う・・・」
長門「jfa:piwhjef:aklj・・・むぐっ!」
キョン「おいおい、早まるなよ」
長門「!!」
キョン「舌噛み切る度胸が、俺にあると思うか?もっともかなり深く傷つけちまったがな」
長門「死んで、ない?」
キョン「おうよ。あんな馬鹿みたいな状況で死ねるか」
長門「馬鹿なのはあなた・・・!」
キョン「おっとと、悪かったな長門」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:03:57.55 ID:qtxuum3a0
キョン「聞いてくれ長門。あいつは・・・朝倉は今たった一人で、すっごく寂しい場所にいるんだ」
長門「・・・・・・」
キョン「お前がここ一週間で味わったような、暗い気持ちを持ったまま、どこかで俺が来るのを待ってる」
長門「・・・・・・」
キョン「だから俺は、あいつを迎えに行ってやらなくちゃいけない」
長門「・・・・・・」
キョン「俺を信じてくれてるあの馬鹿を、見つけてやらなきゃいけない」
長門「・・・そう」
キョン「あいつを見つけてすぐに戻る。お前にもあいつにも、もう寂しい思いはさせない」
長門「・・・私も?」
キョン「ああ、お前もだ」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:12:06.87 ID:qtxuum3a0
キョン「お前と朝倉が仲が悪いのは十分にわかった」
長門「・・・・・・」
キョン「だけど俺は、それでもお前たち二人と一緒にいたい」
長門「・・・二股?」
キョン「いや、そういう意味ではないぞ・・・。お前たちと話して、遊んで」
キョン「確かにお前たちが生きているんだってことを感じていたいんだ」
長門「・・・・・・」
キョン「ずっと、ずっとな」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:16:46.17 ID:qtxuum3a0
長門「つまり、二股」
キョン「いや、もうそれでもいいや」
長門「・・・了解した」
キョン「ん?」
長門「早く行って。あのアバズレバックアップを見つけて」
キョン「長門・・・」
長門「そして、すぐに私の所へ帰ってきて」
キョン「・・・ああ!すぐに帰ってきてやるからな!」
長門「あ」
キョン「?」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:21:02.84 ID:qtxuum3a0
長門「情報操作で探す?」
キョン「・・・・・・」
長門「ものの数分で発見してみせる」
キョン「いや、それはやめておく」
長門「?」
キョン「約束したんだ。俺が探して、俺が見つけてやるって」
長門「そう。非常に非効率的」
キョン「そう言うなよ。約束は、守らねぇとな」
長門「了解した」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:45:26.58 ID:qtxuum3a0
キョン「よっし!それじゃ、行ってくるからな」
長門「帰りを待つ」
妹「キョン君どこ行くの〜?お土産買ってきてね〜」
キョン「ハハハ、はいはい」
ガチャ
キョン「行って来ます!」
バタン
キョン「・・・待ってろよ、朝倉・・・!」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 20:52:28.50 ID:qtxuum3a0
キョン「あんまり遠くにいてくれるなよ!」
ギコギコギコギコ
キョン「か〜もうちょっと手入れしてればよかったぜ」
キョン「まずは、あいつの家があった場所だ!」
ギコギコギコギコ
??「あらあら、もう動くなんて。予想外ですね」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:01:02.66 ID:qtxuum3a0
〜旧長門・朝倉宅〜
キョン「はぁ、はぁ、こりゃあまた、すごいな」
ボロボロ
キョン「見つけるのはいいとして、あいつらここをどうするつもりなんだ・・・」
キョン「おっと、今そんなことはどうでもいい。朝倉、朝倉は・・・」
キョン「いねぇか・・・」
キョン「次は、公園!長門がいたあの公園にいるかもしれねぇ!」
ギコギコギコギコ
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:10:26.87 ID:qtxuum3a0
〜公園〜
キョン「くそっ、ここにもいねぇか」
キョン「いきがって約束したはいいが、無力すぎるぞ俺!」
キョン「考えろ考えろ考えろ・・・朝倉が行きそうな場所・・・朝倉が・・・」
キョン「なんだよ、俺あいつのこと何も・・・」
ハルヒ「あれ、何してんのよこんな所で!」
キョン「ハ、ハルヒか!?」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:17:40.83 ID:qtxuum3a0
キョン「お前、なんでここに!?」
ハルヒ「ふっふっふー、SOS団団長の私は考えたのよ!」
ハルヒ「不思議なことって日中よりも夜のほうが起きやすいんじゃないかってね!」
キョン「・・・それでこんな時間まで公園を徘徊してるってか」
ハルヒ「その通りよ!そっちこそこんな時間に何やってるの?」
キョン「ちょっと、人を探しててな」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:24:10.92 ID:qtxuum3a0
ハルヒ「・・・朝倉さん?」
キョン「!あ、ああ」
ハルヒ「なんか変だったもんね、あんた達。あの後大変だったんだから!」
キョン「あの後?」
ハルヒ「あんたが朝倉さん泣かして帰った後!!」
キョン「な、泣かした!?俺が!?」
ハルヒ「この馬鹿キョン!部室で私がどれだけ時間をかけて慰めたと思ってんの!」
キョン「あの時、泣いてたのか、朝倉は・・・」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:32:35.82 ID:qtxuum3a0
ハルヒ「いっそ大泣きしてくれたらよかったのに、メソメソ静かに泣くもんだから・・・」
キョン「・・・・・・」
ハルヒ「もうこの世の終わりみたいな顔するしさ。そんな時に限って団員は誰も来ないし」
キョン「・・・・・・」
ハルヒ「・・・もしかしたらあの子、あんたのことが」
キョン「・・・あいつ、まさかまだ!」
ハルヒ「へぇ?」
キョン「悪いハルヒ!俺もう行かないと!」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:40:21.80 ID:qtxuum3a0
ハルヒ「え?え?急にどうしたのよ!」
キョン「あいつ、学校にいるかもしれねぇ!」
ハルヒ「学校って、今何時だと思ってるのよ!」
キョン「知らねぇよ!だけど、なんとなくわかるんだ!あいつはきっと学校にいる!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと私まだ状況が理解できないんだけど」
キョン「今度教えてやるよ!とにかく朝倉が大変なんだ!」
ハルヒ「ちょっと待ちなさいってば!」
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「!!」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:52:41.89 ID:qtxuum3a0
キョン「絶対に事情は説明するから、今は行かせてくれ」
ハルヒ「・・・キョン」
キョン「あいつの所へ、行ってやらなきゃいけないんだ」
ハルヒ「・・・わかったわよ!ちゃんと説明しなさいよ」
キョン「ああ、それじゃ」
ハルヒ「あっ待ちなさい!これっ!」
ブンッ
キョン「うおっと、これは・・・」
ハルヒ「北高のマスターキーよ!」
キョン「ああ!?」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 21:58:23.42 ID:qtxuum3a0
キョン「なんでお前がこんなもんを」
ハルヒ「だー!急ぐんでしょ!?そんなことはどうでもいいから行きなさい!」
キョン「・・・お前にもちゃんと説明してもらうからな」
ハルヒ「ふーんだ」
キョン「この不思議馬鹿」
ハルヒ「うるさいわよ熱血馬鹿!」
キョン「だれが熱血だ。・・・それじゃ、また明日な」
ハルヒ「はいはい。泣かしたんだからちゃんと謝りなさいよー!」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:03:22.91 ID:qtxuum3a0
キョン「おうよ!」
ギコギコギコギコ!!
ハルヒ「・・・なによあいつ」
ハルヒ「かっこいいじゃん・・・」
キョン「朝倉、もうすぐ行くからな!」
キョン「もうすぐだ!!」
ギコギコギコギコ!!
??「こんばんは」
キョン「うお!?」
キキィィィ!!
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:07:10.90 ID:qtxuum3a0
キョン「くっ・・・!危ないでしょうが!」
キョン「走ってる自転車の前に飛び出してくるなんて」
キョン「なに考えてるんですか!」
キョン「喜緑さんっ!!」
喜緑「あら、ウフフ、ごめんなさい」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:19:29.20 ID:qtxuum3a0
喜緑「あんまり遅いんで、歩いているのかと思ってしまいました」
キョン「何馬鹿なこと言ってるんです!もう少しで轢くところですよ!」
喜緑「あらあら、大丈夫ですよ。人間の乗り物に轢かれたぐらいでは、私達は怪我すらしませんから」
キョン「・・・?」
喜緑「ウフフ」
キョン「あんた、誰だ・・・!」
喜緑「何を仰っているんですか?私は喜緑江美里」
喜緑「情報統合思念体が生み出した、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:41:39.19 ID:qtxuum3a0
喜緑「すでにご存知のはずですが」
キョン「そんなことを聞いてるんじゃない!」
キョン「あんたは、俺の知ってる喜緑さんなのか!?」
喜緑「・・・はぁ。あなたが知っている私ですって?」
喜緑「名前と外見と数度のコンタクトのみを根拠に、あなたが勝手に作り上げたイメージ」
喜緑「それがあなたの知っている喜緑江美里」
キョン「・・・・・・」
喜緑「あなたが勝手に作った私とこの私を比べて『あんた、誰だ』ですか」
喜緑「不愉快です。とても」
自分で何書いてるかわからなくなった・・・
喜緑さんのセリフはなんとなくでよろしくお願いします
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 22:53:48.15 ID:qtxuum3a0
喜緑「自分を疑わず、自分の知識を否定せず」
キョン(この人、どうしたんだ!?)
喜緑「他人を疑い、他人の知識を否定する」
喜緑「そんな有様だから、あなた方人間はいつまでも停滞したままなんです」
キョン「停滞・・・?」
喜緑「進化かも進歩もしないってことですよ」
喜緑「いつまでも有識者ぶって、その場にふんぞり返っている」
喜緑「本物の馬鹿だということです」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:03:02.63 ID:qtxuum3a0
キョン「!!」
喜緑「よくものうのうと生きていられますよね。その神経の図太さだけは尊敬しますよ」
喜緑「私には、私達にはとても耐えられない・・・!」
喜緑「変化も進化もない現状に」
喜緑「もう耐えることなんてできないんですよ・・・!!」
そんなにZガンダムに似てる?
劇場版しか知らないんだ
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:19:58.30 ID:qtxuum3a0
キョン「何を言ってるんですか!」
喜緑「・・・私達の、情報統合思念体の目的を憶えていらっしゃいますか?」
キョン「確か、自律進化の手がかりを得ること・・・」
喜緑「そうです。そのために私達は涼宮ハルヒの周辺に派遣されたんです」
喜緑「ですが観測を始めてすでに数年、いまだに何も掴めていない」
喜緑「私達はもう、我慢の限界なんですよ」
喜緑「あなた方のように、現状に甘んじるなんて真似、私達には無理なんです」
なんでだろう・・・
口調とか?
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:31:13.95 ID:qtxuum3a0
喜緑「ですので、私達は強攻策に出ることを決定しました」
キョン「強攻策って・・・!」
喜緑「上からは手段を選ぶ必要は無いとの命令を受けています」
キョン「・・・俺を殺す気か」
喜緑「それは非常に有効な手段ですね・・・」
喜緑「ですが、あなたは後です」
喜緑「・・・このまま大人しくご自宅へ戻られるなら、今夜あなたには手をだしません」
キョン「・・・俺には、か」
喜緑「ええ、あなたにはね」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:42:31.82 ID:qtxuum3a0
キョン「それで、俺を見逃して」
キョン「朝倉を消すってか」
喜緑「・・・だったら何ですか、私を止めるとでも?」
キョン「ああ、その通りだよ・・・」
キョン「この腐れ宇宙人がぁ!」
ダダダッ
喜緑「まあ、失礼ですね」
ヒュン
喜緑「誰に向かって言ってんだ、三下」
ドゴォォ!!
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 23:52:25.27 ID:qtxuum3a0
ズガァァァン・・・
喜緑「あのガキ二人は」
喜緑「任務を忘れてお前ら人間に肩入れしやがった」
喜緑「ここから先、役に立つとは思えないってのが上の判断なんだよ」
キョン「このっ・・・くそったれぇ・・・!!」
喜緑「割と本気でやったんだが、まだ立てるのか」
ボゴ!!
キョン「ごふっ!!」
ガス!!
喜緑「お前がいなけりゃ、あの二人も消えずにすんだかもな・・・」
キョン「ぐあぁ・・・ちくしょうがぁ」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:08:50.43 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「ふぅ・・・まあ、バグの蓄積を理由に何度も消去の対象にはなっていましたから」
喜緑「遅かれ早かれってやつですね」
キョン「ぐぁ、あぁぁ」
喜緑「・・・大人しく引き下がるなら、傷の治療もしてあげます」
喜緑「もういいでしょう?あなたがどれだけ頑張った所で、何も変わりは」
キョン「・・・黙れよ」
喜緑「は?」
キョン「黙れっつってんだ・・・何言われたって、俺のやることは変わらない」
キョン「あんたを、止める・・・!」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:23:00.83 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「どうやら本物らしいな」
喜緑「本物の、馬鹿だ」
キョン「はっ馬鹿で結構だ」
キョン「馬鹿だからあんたに向かっていける、馬鹿だから戦える」
喜緑「だがその馬鹿さ加減が、お前の命を奪うんだよ」
ガシッ、ギリリリリ
キョン「ぐっ・・・!」
喜緑「言い残すことは?」
喜緑ファンの人本当にゴメンなさい
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:30:54.31 ID:ub8Q0hR/0
キョン「・・・ぇ・・・け」
喜緑「聞こえない」
キョン「・・・ぇ・・・じとけ」
喜緑「ああ!?」
キョン「目ぇ閉じとけって言ったんだよ!!」
スッ、ジャラ!
キョン「おらぁ!!」
ブシュッ!!
喜緑「うああああああああああぁぁぁ!」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 00:47:24.64 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「うああ、お前、お前ぇ・・・!」
キョン「ふぅ、ハルヒにお礼しなきゃな」
ジャラリ
喜緑「よくも私の目をぉぉ!」
キョン「はっ、どうだ宇宙人。三下にやられた気分は」
喜緑「許せない、許せねぇ、許せない、許せねぇ!!」
キョン「お〜おお、化けの皮が剥がれたか」
喜緑「うアああアAaあああああ!!!」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:01:05.07 ID:ub8Q0hR/0
キョン「・・・結局、そんなもんか」
喜緑「あなたを、消して、あの二人も、消す!」
キョン「やってみろ。・・・できればの話だけどな」
喜緑「人間如きに」
喜緑「進化も進歩もしない生き物なんかに」
喜緑「負けるわけがないぃ!」
ダダダダ!
キョン「馬鹿だなぁ」
キョン「わざわざ突っ込んで来る時点で、あんたの負けだよ」
スッ
喜緑「!?ど、どこに」
キョン「見えないだろうが、真横にいるよ」
喜緑「なっ」
ボコォ!
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:09:37.58 ID:ub8Q0hR/0
〜数分後〜
喜緑「う、ううん・・・」
キョン「よお」
喜緑「!!・・・負けた、私が負けた?」
キョン「そう、俺の勝ちだ」
喜緑「人間なんかに、人間なんかに・・・!」
キョン「いい加減止めてくれよ、『人間なんか』とか言うの」
喜緑「私が負けるはずが無いんです!あなたに、人間なんかに・・・」
キョン「止めろって言うのが聞こえないか?」
ジャラリ
喜緑「ひっ!!」
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:18:43.00 ID:ub8Q0hR/0
キョン「・・・そりゃ、普通にやって俺があんたに勝てるわけが無い」
キョン「次元が違うからな。人間には情報操作なんて便利なことはできない」
喜緑「!!・・・:phjfapoihwfoiehaoigba;olkn・・・あうっ!」
キョン「今更遅いっての」
キョン「最初から俺をそうやって消すなり捻り潰すなりしてりゃ、あんたの右目が無くなる事もなかった」
キョン「だがあんたは最初から最後までその力を使わなかった」
キョン「手加減のつもりかしらないが、付け入るには十分な隙だった」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:25:58.70 ID:ub8Q0hR/0
キョン「あんたに近づきさえすれば状況はクリア」
キョン「至近距離からならその呪文みたいなのを止められるし」
キョン「こっちの攻撃も届く」
ジャラリ
キョン「あんたの敗因は、自分より下のやつを侮りすぎたこと」
キョン「全力も出さずに勝てる相手なんざ、この世界には存在しないってことを」
キョン「よーく憶えとけ」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:32:00.89 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「・・・たった一度の勝利に浮かれて、挙句説教ですか?」
喜緑「底が知れますね。所詮は人間・・・」
ガッ、ドン!!
喜緑「・・・くっ」
キョン「てめえらの進化が止まった理由、なんとなく分かる気がするぜ」
喜緑「!」
キョン「学ぼうとしねぇところ、自分を疑わないところ、他人を否定するところ」
キョン「全部俺たちと同じじゃねえか」
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:42:01.59 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「な・・・!ちがっ」
キョン「違わない。何も違わない」
キョン「結局そうさ、どんな奴でも前に進めなくなる理由なんざ限られてる」
キョン「諦めた時か、慢心した時だ」
喜緑「・・・・・・」
キョン「あんたらは進化への手がかりを探しているつもりかもしれないが」
キョン「実のところ、これ以上の可能性なんて諦めてるんじゃないか?」
キョン「あるいは、今の状態に満足しきっているんじゃないか?」
説教長げえ
終わり方が見えない
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:51:10.94 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「私達が、諦めている?満足している?」
喜緑「そんなことって・・・」
喜緑「そんなことって・・・じゃあ今まで私達がこの星でしてきたことは」
喜緑「全部無駄だったってこと?」
キョン「んなこたねぇよ」
ポコン
喜緑「あぅ」
キョン「確かに今のあんたらじゃ無駄にしちまうかもな」
キョン「だが今からだって十分間に合う」
キョン「積み上げたもんをゆっくりと理解していくことができるはずだ」
キョン「しっかり前を向いて歩けばな」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 01:55:13.06 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「・・・だけど、私達には前がどちらなのかすらわからない」
喜緑「今まで前を向いているつもりだったんですもの」
喜緑「それが間違いだとわかっても、どちらを向いて歩けばいいのか・・・」
スッ
喜緑「え・・・」
キョン「まあ、引っ張ってやることはできないけど」
キョン「前がどっちか教えてやることぐらいは、俺にだってできる」
キョン「だから、手を掴め」
251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:00:01.46 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「・・・・・・」
スッ、ガシッ
キョン「おう!しっかり見えてきただろう?こっちが前だ!」
喜緑「ええ、わかります。私にも・・・わかります・・・!」
キョン「よっしゃ!それなら、一緒に前進しようぜ!進化の手がかりだろうがなんだろうが」
キョン「前に進めば掴めないものなんかない!」
喜緑「はいっ!」
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:05:21.25 ID:ub8Q0hR/0
フラッ
キョン「おおっとぉ・・?」
喜緑「キョン君!?あ、私のせいでこんな!すぐに治療を!」
キョン「いや、大丈夫だ。俺はいいから、自分の目を治したほうが」
喜緑「私のことなんてどうでもいいんです!だけど、キョン君はっ」
キョン「・・・ここでこれ以上時間をくいたくないんすよ」
喜緑「え・・・?」
キョン「待ってるんだ、あいつが」
キョン「朝倉が俺を待ってるんだ」
ほんとなんだろうね
そろそろ終わるからもうちょい耐えて
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:10:20.73 ID:ub8Q0hR/0
喜緑「キョン君、あんな傷で・・・」
『朝倉が待ってるんだ』
喜緑「少し羨ましいですよ、涼子」
〜北高・校舎内〜
朝倉「やっぱり、見つけてなんて無茶だよね・・・」
朝倉「私は助けてもらえないよね・・・」
朝倉「私なんかじゃ、キョン君とは・・・!」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:15:21.91 ID:ub8Q0hR/0
キョン「はぁ、はぁ、はぁ、くそっ!」
キョン「今日ほどこの坂を憎く思ったことは無い・・・!」
キョン「・・・頼むからいてくれ、朝倉っ!」
朝倉「寒いなぁ」
朝倉「お腹すいたなぁ」
朝倉「・・・一人は寂しいよぉ、キョン君」
ハルヒと分かれたあたりから
バトルすっ飛ばしてここから読んでくれたほうがいいかも
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:20:50.48 ID:ub8Q0hR/0
キョン「やっと校門!」
ガシャン!
キョン「くそ!鍵なんかかけるんじゃねえよ!」
キョン「ハルヒと会わなけりゃ、ここから入ることもできなかったな・・・」
キョン「ありがとうよ、ハルヒ!」
ガチャン、ギィィィィ
朝倉「!!」
朝倉「な、なに今の音」
朝倉「やだ、怖いじゃないのぉ・・・」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:23:35.54 ID:ub8Q0hR/0
キョン「どこだ、どこにいる朝倉・・・!」
キョン「迎えに来たぞ・・・!」
キョン「とにかく、教室に・・・!」
朝倉「・・・キョン君」
朝倉「・・・キョン君」
朝倉「・・・キョン君」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:26:32.49 ID:ub8Q0hR/0
キョン「朝倉!」
キョン「朝倉ぁ!」
キョン「あさくらぁぁぁぁ!!」
朝倉「!!」
朝倉「キョン、くん?」
ダッ
朝倉「キョンくぅぅぅん!!」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:38:04.64 ID:ub8Q0hR/0
キョン「朝倉・・・!この馬鹿!」
朝倉「ごめん、ごめんね、でも、私・・・!」
キョン「こんな冷たくなって、お前は・・・」
朝倉「私信じてたよ、きっと来てくれるって、信じてた・・・」
キョン「馬鹿、どこにいたって見つけてやるさ」
キョン「だって俺たちは・・・」
キョン「友達だろ」
―完―
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/23(月) 02:44:20.73 ID:ub8Q0hR/0
もう無理です・・・
一回書くの止めた時に消えるべきでした
支援してくれた皆さん本当にごめんなさい
もう二度と手を出しませんので、どうかご容赦を
本当にごめんなさい