5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:02:40.16 ID:7xl5Y/gK0
森さん「ふぅ…どうもお疲れ、古泉。でも無理しないことよ。休めるときは休みなさい」
新川「古泉、何なら私が家まで送っていこうか?」
古泉「…いえ、心配ありません。お二方、ご心配どうもありがとうございます。ではっ」タッタッタッ
新川「……森さん、あの子本当に大丈夫でしょうか。」
森さん「あの子は苦労が顔に出ませんからね…どうでしょう。正直心配です」
古泉「…はぁ…はぁ……」ガクガク
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:05:45.73 ID:7xl5Y/gK0
古泉「………」
古泉「……あれっ」ムクッ
「起きた?」
古泉「長門さん、ですか…」
長門「あなたは極度の疲労により、意識レベルが著しく低下していた。だからあなたは私に気づかないうちに気絶した」
古泉「ありがとうございます……ええと、ここは?」
長門「私の家。今日はもう遅い。泊まっていくと良い」
古泉「いえ、僕なんk…そうですね、お言葉に甘えて。感謝します」
長門「そう」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:09:06.08 ID:7xl5Y/gK0
長門「古泉一樹」
古泉「なんでしょう?」
長門「……なんでもない」
古泉「……そうですか」
長門「では、消灯する」カチッ
古泉「お休みなさい」
長門「…お休みなさい」
古泉「……」
長門さんは何を思って僕を助けたんだろう……
…今はそれどころじゃありませんね。森さんに言われたとおり、ゆっくり休まないと…
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:12:59.52 ID:7xl5Y/gK0
ピリリリッ
んぁ、またですか……
長門「……」ムクッ
古泉「ああ長門さん、すいません起こしてしまって。あなたは休んでいてください」
長門「あなたこそ休むべき。あなたの疲労はまだ回復できていない」
古泉「休みたいのは山々ですが、僕がいないと他のメンバーが苦労しますから」
長門「……そう」
古泉「ではっ」
長門「古泉一樹」
古泉「…なんでしょう?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:17:36.14 ID:7xl5Y/gK0
スタスタ
長門「―…」ブツブツブツ
古泉「い、一体何をするんですか!」
長門「あなたの疲労を取り除いた。」
長門「気をつけて。」
古泉「……失礼しました。ありがとうございます。では、行ってきます」ガチャン
長門「……。」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:23:27.07 ID:7xl5Y/gK0
古泉「遅れてすいません」
森さん「古泉、ほんとに大丈夫?ぶっ続けできてるから私心配してるわよ」
古泉「いえ、もう心配は要りません。長門さんが治療してくれました。」
森さん「…!?」
古泉「それより、早く入りましょう」スッ
森さん「え、ええっ……」スッ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:28:55.96 ID:7xl5Y/gK0
古泉「ふぅ、やっと片付きましたね」
森さん「それより古泉、長門さんが治療してくれたってどういうこと?」
古泉「僕にもわからないんですけど…特にこれといった異常はなく、本当に疲れを治してくれたようです」
森さん「そうなの……でも、私たちは彼女たちからすれば利害関係は一致しないのでは?」
古泉「やはり、僕がSOS団員だからでしょうか……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:32:29.70 ID:7xl5Y/gK0
古泉「……あっ、長門さんの家に荷物を少し置いてきたんだっけ…」
プルルルッ
プツッ
長門「……」
古泉「古泉です。長門さんの家に忘れ物をしたので取りに行ってもいいでしょうか」
長門「…そう。待っている」
古泉「感謝します。ではまた後ほど」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:37:24.89 ID:7xl5Y/gK0
ピンポーン
長門「……」
古泉「古泉です。」
ウィーン
僕がエレベータで7階につくと、708号室の部屋の前で長門さんがこちらを向いて立っていた。
古泉「あぁっ、わざわざすいません長門さん。」
長門「構わない。入って」
古泉「…失礼します」
古泉「ありました。ではこれで」
長門「待って。」ガシッ
古泉「うっ……それは、もうすこしここに居座って欲しいというのですか?」
長門「……そう」コクン
長門さんに引きとめられた僕が円卓の前でくつろいでいると、長門さんがお茶を持ってきた。
…この人は何がしたいんだろう?
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:43:03.69 ID:7xl5Y/gK0
古泉「ですが、僕たち機関の目的は涼宮さんが一生普通に過ごさせること。
つまり、涼宮さんが彼女の能力を使用しないままの状態にしておくということです。」
古泉「だから、僕たち機関はあなたたちの目的の達成を阻害していることになります。」
古泉「でも長門さんは僕を助けてくれた。これは一体…どういうことなんでしょうか。」
古泉「もし倒れているのが他の機関のメンバーだったとしたら、どうしていましたか。」
長門「おそらく、助けなかった。あなたがSOS団だからということでもある」
古泉「でもある…ですか。」
長門「そう。もう一つ、私のエラーによるものがある。」スッ
長門さんは台所へと行き、何かを持ってきた。
長門さんがゆっくりとこちらに近づいてくる。いや、そんなはずは。僕はSOS団員。
エラー……ま、まさか、長門さんは急進派に!?
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:49:18.06 ID:7xl5Y/gK0
古泉「な、なにするんですか…僕をその包丁で殺しても何も出ませんよっ」
長門「あなたは殺したくない。このエラーは恐らく人間でいう愛情というもの」スッ
古泉「!!?」
長門「私の人になってほしい……」ウットリ
古泉「うぅっ……」
正直、いつ脇腹を刺されてもおかしくない。
とにかく、今は慎重に言葉を選んで長門さんが持っている刃物を……
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:52:12.45 ID:7xl5Y/gK0
古泉「ま、まずその包丁を下ろしてください。こんな状況で告白されましても、只の脅迫にしかなりません。」
古泉「僕としましてはこの状況で答えたくはないので…」
長門「……そう」カランッ
ふぅ…助かった。あとは……
古泉「長門さん。僕としましてはこんな状況になってしまったのは残念です……」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 19:55:39.69 ID:7xl5Y/gK0
ギュッ
長門「……!!」
古泉「そんなことをしなくても、僕は元からこういう気持ちでした。好きです、長門さん。」
長門「…私は宇宙人。あなたは人間。いいの」
古泉「こうでもしないと納得できませんか?」
長門「……」ぽーっ
長門「古泉一樹…私はあなたを放さない」
古泉「ええっ、僕もそのつもりです」ニコッ
長門「…そうと決まれば」スッ
古泉「んっ、どうしたんですか。長門さん?」
長門「あなたのためにカレーを作る」
古泉「ふふっ、それは楽しみだ……」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:00:56.59 ID:7xl5Y/gK0
〜〜〜〜〜
古泉「思えば長門さん、確かこれが僕らの始まりでしたよね。」
長門「……そう」カァァ
古泉「長門さん」
長門「?」
古泉「これからも……ずっとこうしていましょうね」ギュッ
長門「……」コクリ
そして僕たちは同時に、手をつないで大空へと飛び立った
「これが僕らの愛の形。でしょ、長門さん」
「そう……」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:24:30.34 ID:7xl5Y/gK0
よし、投下再開しますね。
俺はいつものように変わった、それでいて変わらない生活を送っていたんだ。
そう、昨日あいつがメールで相談を持ちかけてくるまでは。
木曜日の放課後。俺は古泉とオセロに興じていた。
十数分後。ハルヒが大げさにドアを開け……ずに入ると
ハルヒ「ごめんね、あたし用事があるから今日は無しということで。みくるちゃんにも伝えておいて!」
と言ったきりそそくさと出て行ってしまった。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:29:42.90 ID:7xl5Y/gK0
長門「……」パタン
キョン「なんだってんだあいつ」
古泉「ふふっ、涼宮さんが用事とは珍しいですね」
キョン「あいつのことだ。なにか厄介なもんでも見つけちまったんだろ。」
古泉「今のところ閉鎖空間の発生は確認できないようです。僕らとしては好都合ですよ」
キョン「嵐の前のなんとやら、かもしれんぞ」
古泉「そういうことは解ってても口に出さないものです。萎えちゃいますよ」クスッ
キョン「……そうかよ。じゃあな」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:35:11.80 ID:7xl5Y/gK0
活動がないということだ。ということで今日は思いっきり遊べる……ハズなんだが
谷口は今日東中だった連中と久々に遊ぶということだ。国木田も家か塾でカリカリ勉強してんだろ。
……となると、俺は家で妹とゲームでもしてる以外に時間の潰し方がないわけだ。
勿論、予習・宿題などと言う忌々しいものは「時間の潰し方」にはカテゴライズされてない。
そんなもん、寝る前に一時間目の宿題だけやっておくのがいい時間の使い方って言うもんだ。
他は休み時間にハルヒか国木田に見せてもらえばいいんだ。
そう言えば明日の一時間目、なんだったっけな……
ブゥゥゥッブゥゥゥッ
キョン「んっ」パカッ
from:国木田
subject:あのねキョン
ちょっとキョンに知らせたいことがあるんだ。
今は涼宮さんと一緒にいるだろうから、19:30くらいに駅前の喫茶店に来てほしいんだけど……
時間は空いてるかな?
良かったら30分くらい前までにまでに返事をくれると嬉しいな
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[までにがひとつ多いですな。サーセン] 投稿日:2009/11/20(金) 20:38:25.00 ID:7xl5Y/gK0
国木田か。あいつが俺を呼び出すなんて珍しいな。
勉強のことなら間に合ってるだろうし……それなら俺を呼び出すこともないか。
まさか誰かに告白されたが谷口に相談すると碌なことにならないから、とかか?
ああ、わかったよ。
今からでもいいんだぞ?今日は活動ないらしいしな
でもあれか、お前が不都合だったりするか?
キョン「送信、っと……」
ブゥゥゥカパッ
from:国木田
subject:Re.あのねキョン
よかった!
にしても珍しいね……
ともかく、1時間後ってことにしよう!
キョン「1時間後か…」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:42:34.41 ID:7xl5Y/gK0
キョン「ふう…ってあれ?」
一足早く窓際の席を取って待っていたらしい。国木田は俺に気づくとにこやかに小さく手を振ってきた。
ハルヒのおかげか、朝学校に通うときを除き目的地にはいつも15分前位に到着するんだが……こいつ、いつから待ってたんだ
キョン「よっ。ずいぶんと早いじゃないか。」
国木田「ちょっとね……あっ、とりあえず何か頼もうよ」
キョン「そうだな……じゃあ―…」
―――
キョン「それで、話ってなんだ?」
国木田「ああっそうだったね。えっと……」モジモジ
国木田「僕が水泳の授業の時さ」
キョン「水泳?…ああ。そういやいっつも見学だったな」
国木田「うん。実はね、あれは体の調子が悪いからじゃないんだ」
キョン「……つまりなんなんだ?」
国木田「今まで隠しててゴメン……」
キョン「なんだよ早く言えって」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:47:45.04 ID:7xl5Y/gK0
国木田「僕、実は女なんだ」
キョン「……は?なんだって?」
国木田「二度も言いたくないよ……」
キョン「確かに聞こえたぞ。だが冗談だろ?今まで見たものはなんだったんだ?」
国木田「そうだね…コホンッ」
国木田「こ、これでどうかな……?」
キョン「!!!?」ドキッ
聞こえたのは確かにか弱い少女の声だった。だが…
キョン「そ、それは男だって真似できるやついるだろ!俺はっ信じないぞこんな冗談!」
国木田「落ち着いてよキョン!」
キョン「こんな詰まらん冗談のために俺を呼ぶなッ!!」ガタンッ
国木田「あっ待って!!」
タッタッ
国木田「キョン……」グスッ
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 20:55:18.89 ID:7xl5Y/gK0
谷口「珍しいよな、国木田が休みなんて…」
キョン「あ、あぁ……」
……俺のせいか。
この反応を見るあたり、あいつ本当に女だったんだろうか
風邪かもしれないが、どちらにせよ国木田に不遜な態度をとってしまったのは事実だ。
今は国木田に謝るのが先だな。
キョン「なぁハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「今日は団活休んでもいいか?」
ハルヒ「……は?何言ってんの」
キョン「外せない用事があるんだ。頼む」
ハルヒ「そ、そこまで言うなら……でっでm」
キョン「ありがとなっ」ダダッ
ハルヒ「ちょっと!まだ何も言ってないわよ!こらバカキョン!!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 21:00:34.45 ID:7xl5Y/gK0
ピンポーン
国木田「……!!」
門の前に立って落ち着かない様子で玄関の扉を見つめているのはキョンだった。
ガラッ
キョン「…!国木田!」
国木田「……入ってよ」
キョン「あ、ああ……」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 21:05:59.14 ID:7xl5Y/gK0
キョン「その、なんだ…昨日はごめんな」
国木田「ううん、僕も突拍子もないこと言ったのはちょっとまずかったかな…」
キョン「それで、あれマジなのか?」
国木田「……触って確かめてみる?」ドキドキ
キョン「んっ!!そっそれはまずいだろ」ガタガタッ
国木田「…ははっ、冗談だよキョン。ちょっと待っててね」
キョン「驚かすなよまったく……」
国木田「……」
46 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:14:16.82 ID:7xl5Y/gK0
そこに立っているのは髪を二つに結い、見るからに女の子、と言うような容姿をした国木田だった。
キョン「……女装?」
国木田「失礼だね、家ではこれが普通だよ」ヒラヒラ
キョン「確かに女らしいが…なんか他にないのか?お前の女装疑惑が晴れる書類みたいなものは」
国木田「あっそうか、学生証があったね。ほら」スッ
キョン「……あらら」
国木田「驚くのも無理ないかな。中学の時からだったもんね。」
キョン「でもなんで隠してたんだ?」
国木田「それは……言えないよ」
キョン「そうか……」
47 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:23:43.90 ID:7xl5Y/gK0
キョン「国木田、明日は来れそうか?」
国木田「キョンが解ってくれて安心したからね。そうだ」
キョン「ん?なんだ」
国木田「明日はいっそのことこっちの制服で来ようか?」
キョン「でもお前女子だってわかったらなんかまずかったんじゃないのか?」
国木田「あっ…そうだったね。あははっ」
キョン「変なやつだな。じゃあ俺は帰るわ」
国木田「ああうん。また明日ね」
キョン「おうっ」
48 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:28:20.83 ID:7xl5Y/gK0
でもあれから、キョンの僕を見る目は少しも変わらなかった。
鈍感だから?それともただの友達としか思ってないのかな…
ハルヒ「(来たわね!今日はキョンを驚かせてやるんだから…)」
ハルヒ「ねぇk キョン「よう国木田」
国木田「おはよう。……ちょっと、後で話があるんだけど」
国木田「昼休みに屋上に来てくれないかな」ボソッ
キョン「?…いいけどさ」
ハルヒ「(最近あいつら怪しいわね……)」ムスッ
49 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:33:38.89 ID:7xl5Y/gK0
谷口「キョーン、飯食おうぜ」
キョン「ああっ、ちょっと今日は用事があってな。すまん一人で食っててくれ」
国木田「僕もキョンと一緒なんだ。ごめんね」
谷口「そうかよ……」グスッ
谷口「……涼みy ハルヒ「無理に決まってんでしょ」」
谷口「もう、ゴールしてもいいよね」
50 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:38:25.62 ID:7xl5Y/gK0
キョン「それで、話ってなんだ?」
国木田「うん……僕が男子の格好だった理由なんだけどさ」
キョン「えっなんでそんな話で俺を屋上に呼んだんだ?」
国木田「いや、最後まで聞いてくれるかな……」
キョン「ああっ、すまんな」
国木田「実はさ……」
ハルヒ「(何話してるのかしら……)」
51 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:43:17.61 ID:7xl5Y/gK0
国木田「あれは……小五の時のことなんだけどさ」
国木田「僕が初めてキョンを見たとき、その……」
国木田「つまり…キョンに近づきたいな、って思ったんだ。キョンは鈍感だから知らなかっただろうけど意外と人気だったんだよ」
キョン「鈍感っておm」
国木田「それはキョンは男としかつるんでなかった。だから中学の時、とにかく親しくなろうと思って僕は男になった」
キョン「話を聞……ん、んんっ?」
国木田「……キョンのことが好きだったんだよ」
国木田「でも高校に入ってキョンは涼宮さんと親しくなったし、僕は…ぁっ……」プルプル
キョン「おい、国木田?」
52 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:49:40.02 ID:7xl5Y/gK0
国木田「キョン……」ギュッ
ハルヒ「!!!」
ガタンッ!!
ハルヒ「痛た……」
キョン「ハルヒ!?」
ハルヒ「あ、あんた達ホモだったの!?でも残念だったわね。SOS団は恋愛活動を禁止してるのよ!」
国木田「涼宮さん……」
ハルヒ「何よ国木田?この期に及んで弁解の言葉は聞き入れないわよ!」
国木田「キョンをよろしくね」ダダッ
ハルヒ「……えっ?」
キョン「国木田!」
53 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 21:56:52.64 ID:7xl5Y/gK0
キョン「……ハルヒ、お前俺らが何話してたか聞こえてたのか?」
ハルヒ「遠くからだったから何も聞こえなかったわよ、覗いてただけ」
ハルヒ「キョン……その、あんたにこれ。家に帰って毎日編んでたのよ」スッ
キョン「ハルヒ……だがすまん。これは受け取れない」タッタッ
ハルヒ「……ばかキョン!!」グスッ
キョン「国木田、此処にいたのか」
国木田「んぐっ…すん……来ないでよ…」プルプル
キョン「なんでだ」
国木田「涼宮さんがいるからに決まってるじゃんばか!!」
キョン「ハルヒは断ったよ。」
国木田「えっ?」
キョン「すまんな、気づいてやれなくって。」ギュッ
国木田「キョ、キョン……」
54 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:03:09.49 ID:7xl5Y/gK0
キョン「ほら、涙拭けよ。」スッ
国木田「ありがとう……」
国木田「でも、僕でよかったの?」
キョン「ぶっちゃけていうとだな、あいつを選ばないとまずいことになるんだが…」
キョン「でもお前が悩んでたよりは軽いだろうよ。俺のことは気にしなくていい。さ、教室に戻ろう」
国木田「あ、う、うんっ」パァァ
教師「涼宮はどうした?」
「早退したそうです」
教師「そうか…珍しいな。じゃあ授業始めんぞー」
キョン「(最後の一日、か)」
国木田「……」ソワソワ
55 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:08:11.68 ID:7xl5Y/gK0
キョン「じゃあな、国木田」
国木田「うんっ!また明日!!」
キョン「(今日はSOS団休むか……)」
カチッ、カチッ、カチッ
キョン「……じゃあな、国木田」カチッ
…………
……
…
56 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:12:42.89 ID:7xl5Y/gK0
チュンチュンッ!
「キョンくーん寝坊しちゃうよー!」
キョン「うぐっ!……ってあれ?」
キョン「ふあぁ……」スタスタ
国木田「おはよう、キョン!」
キョン「国木田!お前どっかおかしいところはないか?」
国木田「ん?別に何も変わってないけど。ほら、行こうよ」スッ
キョン「よかった。」ギュッ
57 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:15:57.06 ID:7xl5Y/gK0
ガラッ
谷口「おいーす」
キョン「ういーす……!」
ハルヒ「キョン、ちょっと来なさい」
キョン「うっ…!」
ハルヒ「キョン、あんたね」
キョン「あ、あっああ……」
ハルヒ「国木田を泣かせたら許さないわよっ!」
キョン「……は?」
ハルヒ「わかったらとっとと教室に行った!」ギギギッ
キョン「イッタ!!痛いって!」
58 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:19:14.95 ID:7xl5Y/gK0
古泉「まったく、あなたもとんでもないことをする人ですね」
キョン「すまんな。」
古泉「でも、今回は涼宮さんが自制してくれたようで。」
キョン「だから何も起きなかったのか……」
古泉「ええ。それよりあなた、もしかしてこっちの人ですか?」ズイッ
キョン「うっ!!ち、違えよっ!!寄るな気持ち悪いっ!!!」
59 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:21:30.64 ID:7xl5Y/gK0
キョン「……あれっ、国木田か」
国木田「お疲れ。さ、帰ろう?」
キョン「そうだな。あっ国木田、お前に言い忘れてたことがある」
国木田「何?キョン」
キョン「その、なんだ、これからも宜しくな……」
国木田「う、うんっ……」
60 名前:774秒で支度しな![sage] 投稿日:2009/11/20(金) 22:23:48.09 ID:7xl5Y/gK0
終わり。書いててあれだけどなんだかパッとしないですな。
次は自分の能力に気づいたハルヒ、ということだったのでまた20分後に。
67 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:47:12.66 ID:7xl5Y/gK0
ということで投下します。
前回同様人が少なすぎて泣ける
キョン「まったくあの団長様は何考えてんだか知らんが―…」
古泉「でも彼女が常識人だからこそ私たちが―…」
――――
ハルヒ「えっ?何話してるの……まさかあたしの陰口?」
今日、あたしは日直だったから学級日誌を岡部に届けたせいで遅れてやってきた。
でもドアの向こうで聞こえてくるのはなにやら怪しい言葉だった。
ハルヒ「ちょっと様子見ね…」ピトッ
68 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:49:45.94 ID:7xl5Y/gK0
――――
キョン「長門、お前はどう思ってるんだ?」
長門「近頃の涼宮ハルヒの能力の使用頻度が増加しているのはこちらとしては好都合。」
キョン「……そりゃそうだよな」
古泉「僕としては無闇やたらと世界を改変されるのはあまり好ましく思えません。元の世界に少しながら愛着も湧いてますしね。」
古泉「しかし、僕が文句を言うことになれば閉鎖空間が発生しますし。だからあなたが涼宮さんに―…」
―――
70 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:54:07.72 ID:7xl5Y/gK0
ハルヒ「あの時キョンが言っていたのは本当のことだったのね……見くびっていたわ」
あたしが神様か……ふふっ、ちょっとかま掛けてみましょ
ハルヒ「やっほー!」バタンッ
キョン「うおっ!」
みくる「あっ、涼宮さん今お茶淹れますね」
ハルヒ「サンキュー!みくるちゃんはいつも気が利くわねーどっかのバカキョンと違って」
キョン「おい、それ隠し切れてないぞ」
古泉「ふふっ」
71 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:55:55.42 ID:7xl5Y/gK0
ハルヒ「おかしいのよね……」
キョン「ん、何だ急に?」
ハルヒ「最近あたしの望む不思議が次々に現れてるような予感がするのよ」
ハルヒ「だからもしかしたら……あのときの自己紹介はキョンが言ったように本当にそうになってるかもしれないわね」
み長古「!!?」
古泉「あなた、涼宮さんに今度は何を吹き込んだんですか…」アセフアセフ
キョン「いや、その……信じないだろうと思ってたんだが……」ボソッ
ハルヒ「(……ふふっこの反応はアタリだわ)」
長門「……(不覚……)」ペラッペラッペラッ
72 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 22:56:40.66 ID:7xl5Y/gK0
キョン「(落ちつけ長門、めくりすぎだ……)」
古泉「そんなはずは……」
キョン「おい、この前言ったのは冗談だぞ!」
ハルヒ「その割にはあんた真剣なまなざししてたじゃない?」
キョン「あ、あれが本気だったと思うか?」
ハルヒ「……ま、どうだっていいけどね。さ、始めるわよ!」
キョン「ハルヒ、その、今日は機嫌が良いみたいだな……」ソワソワ
ハルヒ「あたしの冗談にみんなが予想外のリアクションしたからよ!傑作だったわ!」
古泉「お褒めの言葉、ありがたく思いますよ」パチッ
キョン「古泉、二歩だぞ」
古泉「あっ……」
ハルヒ「(……最高だわっ)」
75 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 23:02:11.64 ID:7xl5Y/gK0
ハルヒ「じゃ、今日の活動は御終い!みんな気をつけて帰るのよ!」バタンッ
キョン「長門、一体これは……」
長門「涼宮ハルヒが部室の外から中の情報を聞き出していたと思われる……」
みくる「ひぃっ……」
古泉「……大変なことになりましたね」
長門「…現在も」ボソッ
キョン「な、長門、それは早く言っておこうぜ」
ハルヒ「(ふふっ、驚いてるわね)」クスクス
76 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 23:05:17.59 ID:7xl5Y/gK0
――――――
ハルヒ「キョン、ちょっと来てよ」
キョン「な、なんだ……」ドキドキ
キョン「それで、何の用だ?こんなところに呼び出したりして」
ハルヒ「その…今度からあたしと付き合いなさいよ……」カァァ
キョン「!!……ああ。よろしくな、ハルヒ」ギュッ
ハルヒ「ひぁっ!」
キョン「ああっ、いきなりすまん。…ハルヒ?」
ハルヒ「(あたし幸せだわ……)」ぽーっ…
77 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 23:07:43.44 ID:7xl5Y/gK0
ハルヒ「ねぇキョン。手、繋ぎましょ?」スッ
キョン「おう…」ギュッ
ハルヒ「キョン」
キョン「なんだ、ハルヒ?」
ハルヒ「あたしあんたのことが大好きだからね……」
キョン「ああ、わかってるさ。俺もだ」ギュッ
ハルヒ「〜〜〜〜〜!!」
ついにキョンがあたしのものになったわけだわ!
ふふふっ、もう何も言うべきことはないわ!さ、寝よっと
78 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 23:10:55.95 ID:7xl5Y/gK0
いやー本当だったなんて。あたしは神様だったわけね!
まぁ……何をやっても許されるってわけじゃないけど……
でもこれであたしは不思議なものを自由に呼び出すことができるわけだわ!
ハルヒ「……あ」カァァ
もしかしたらキョンも私の能力で振り向いてもらえるのかしら?
そうと決まれば実行あるのみね!
キョンがあたしのものになりますように……っと
ハルヒ「〜〜〜!!」ジタバタ
80 名前:774秒で支度しな![] 投稿日:2009/11/20(金) 23:47:23.78 ID:X1XrN2yN0
ID変わりましたが>>1です。
――――
ハルヒ「キョン、ちょっと来てよ」
キョン「な、なんだ……」ドキドキ
『はぁ?おい、ちょっと待てハルヒ!』
キョン「それで、何の用だ?こんなところに呼び出したりして」ドキドキ
『なんだってんだ全く。手首少し捻っちまったじゃねえか』
ハルヒ「その…今度からあたしと付き合いなさいよ……」カァァ
キョン「……ああ。よろしくな、ハルヒ」ギュッ
『はっ?…な、何言ってんだいきなり』
ハルヒ「ひぁっ!」
キョン「ああっ、いきなりすまん。…ハルヒ?」
ハルヒ「(あたし幸せだわ……)」ぽーっ…
『SOS団はどうなるんだよ?恋愛は禁止じゃなかったのか?おいハルヒ』
81 名前: ◆wuwShiroi. [] 投稿日:2009/11/20(金) 23:48:56.48 ID:X1XrN2yN0
そうだ、トリップがあったんだ
――――
ガバッ!!
ハルヒ「なんなのよ…この夢……」
ハルヒ「ま、いいわ……」
その後しばらく、わたしとキョンは部室内でもラブラブな日々を送っていた。
でも…なにか引っかかるのよね
キョン「ハルヒ、大好きだぞ」ギュッ
ハルヒ「うんっ……」カァァ
キョン「そうだ。今度の日曜日、俺の家に来ないか?」
ハルヒ「えっ?日曜日は探索じゃない」
キョン「いいじゃないか。俺は二人っきりの時間がもっと欲しいぞ」
『それもそうだな……じゃあまた今度にしよう』
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 23:52:28.04 ID:X1XrN2yN0
ハルヒ「あれっ違う……」ボソッ
キョン「え?」
ハルヒ「あんたはキョンじゃないわ……」
キョン「何言ってるんだ。俺は俺だぞ。大丈夫か?」
そうだわ……夢の中のキョンが本来のキョンなのよ
もうこんなの忘れたい……キョン、戻ってきてよ……
ハルヒ「キョンッ!!!」スッ
キョン「ハルヒやめろっ!!!」
――――
ガバッ
ハルヒ「あれ、あたし……」
ハルヒ「……ふぁああー…」グーン
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/20(金) 23:56:02.67 ID:X1XrN2yN0
キョン「おっすハルヒ」
ハルヒ「何よ、バカキョン」
キョン「なっ!朝の挨拶くらいキチンとしたらどうだバカハルヒ。団長ってのはそんなもんでいいのか?」
ハルヒ「うっさいわね!雑用が団長に文句言わないの!!」
キョン「ッたく……へいへいっ」ガタッ
よかった…夢だったのね
でももしあれが本当だったら今度は何も使わずに……
いつかあたしの気持ちを直接キョンに伝えるの
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:01:12.66 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「やっほー!」バタンッ
キョン「うおっ!」
みくる「あっ、涼宮さん今お茶淹れますね」
ハルヒ「サンキュー!みくるちゃんはいつも気が利くわねーどっかのバカキョンと違って」
キョン「おい、それ隠し切れてないぞ」
古泉「ふふっ」
86 名前: ◆wuwShiroi. [IDが変わったので。] 投稿日:2009/11/21(土) 00:04:02.12 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「おかしいのよね……」
キョン「ん、何だ急に?」
ハルヒ「最近あたしの望む不思議が次々に現れてるような予感がするのよ」
ハルヒ「だからもしかしたら……あのときの自己紹介はキョンが言ったように本当にそうになってるかもしれないわね」
み長古「!!?」
古泉「あなた、涼宮さんに今度は何を吹き込んだんですか…」アセフアセフ
キョン「いや、その……信じないだろうと思ってたんだが……」ボソッ
ハルヒ「(やっぱりこれは夢じゃなかったんだわ……でも気づけてよかった)」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:07:37.43 ID:RoWj1KFu0
長門「……」ペラッペラッペラッ
キョン「(落ちつけ長門、めくりすぎだ……)」
古泉「そんなはずは……」
キョン「おい、この前言ったのは冗談だぞ!」
ハルヒ「その割にはあんた真剣なまなざししてたじゃない?」
キョン「あ、あれが本気だったと思うか?」
ハルヒ「……ま、どうだっていいけどね。さ、始めるわよ!」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:09:37.69 ID:RoWj1KFu0
キョン「どうしたんだ、ハルヒ。お前何か困ってるのか?」
ハルヒ「うっさいわねバカキョン…こっちだっていろいろあるのよ」
キョン「…そう言えばハルヒ」
ハルヒ「なによしつこいわね」
キョン「俺が自由に平行世界を行き来できる異世界人だって言ったらどうする?」
ハルヒ「……え、えっ!?」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:13:06.75 ID:RoWj1KFu0
終わり。次の佐々木を投下し終わったら寝ようかなと思ってます。
ということでちょっと休憩。
次回予告
・佐々木(今から)
・黒佐々木
・森さん
・橘
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:21:45.74 ID:RoWj1KFu0
あっ、今のうちに書いてほしいものをここに羅列していただければ明日(?)投下します。
気軽に頼んじゃってOKです。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:29:39.79 ID:RoWj1KFu0
よし、再開します
ある休日。昨日ハルヒが今日のSOS団の探索活動の中止を言い渡したことで俺は久々の休暇をだらだらと消費している。
休日は休むもんなんだよ。
谷口みたいに友達とナンパするためにあるもんでもないし、国木田みたいに塾で勉強するためでもない
不思議活動と名のつく散歩なんて学校の遠足で事足りるもんなんだ本来は。
グータラ家で過ごすのが休むと言うものなんだ。そう、こういうことだよ。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:33:37.41 ID:RoWj1KFu0
妹「キョンくんお腹空いたー」ユサユサ
キョン「さっき昼飯食べただろ、ラーメンでも食えばいいじゃないか」
妹「お菓子が食べたいの!」
キョン「はぁ?」
妹「キョンくんも食べたいでしょ?」
……確かに小腹が空いた。俺もポテチの一つは食べたい
だがうちのプチ食糧庫に菓子袋なんて見当たらないぞ?
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>91 了解しました。] 投稿日:2009/11/21(土) 00:35:54.17 ID:RoWj1KFu0
キョン「それで、俺にどうしろってんだ」
妹「買ってきてよ!」
キョン「お前が買ってこいよ。忙しい一週間を送ってきた高校生にこんなことをさせるのに抵抗はないのか?」
妹「……棚の下からにばんめ」
キョン「わ、わかったよ。おとなしく待ってるんだぞ」
妹「わーい!シャミ、キョンくんがシャミにも猫缶買って来てくれるって―!」
シャミセン、なんでお前までこっちに来るんだ
おいなんだその目は。絶対に買わんぞ。こっちを見るな
……わかったよ。買ってくりゃいいんだろ
妹の粋な計らいにより、俺はコンビニへ買い物に行かされたわけだ。
猫と小学生は遊ぶ時間がたくさんあるから自分で買ってくればいいだろう、と思いつつ文句を言わず買ってあげる兄貴
うん、我ながら立派だな。まぁ妹に良い様に扱われてるのは癪だが。
ちなみに俺の部屋の棚の下から二番目に何が入っているのか、とは聞いてくれるな。禁則事項だ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>92ですな。失礼しました] 投稿日:2009/11/21(土) 00:39:59.45 ID:RoWj1KFu0
キョン「〜〜〜♪」
すっかり耳にこびり付いてしまった妹作詞作曲「ごはんのうた」を口ずさみながら歩いていると後ろから声がした
「やあキョン」ポスッ
キョン「うわっ!……なんだ佐々木か」
佐々木「なんだとは失礼だよ。もうちょっとましな扱いにならないのかい」
キョン「いや、いきなり見知らぬ通行人に話しかけられても困るだろ?俺は佐々木で安心したんだよ」
佐々木「ああそういうことかい。キョンは僕のことを友達だと思ってくれていたのか」
キョン「なんだ、お前はそうじゃないって言うのか?……まさか違うなんて言わんだろうな」
佐々木「違うよ」ニヤニヤ
キョン「……」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:44:20.08 ID:RoWj1KFu0
佐々木「親友だ。」にこっ
キョン「……驚かせるなよ。てっきり俺のこと嫌いになったのかと思ったじゃないか」
佐々木「くっくっ、すまない。ところでキョンは僕のことどう思ってるんだ?」
キョン「お前の言うとおり、親友だな。」
佐々木「それはよかった。ところで今日はどこに行く予定なんだ?」
キョン「妹に唆されてお菓子を買いにコンビニに行ってんだよ。お前は?」
佐々木「奇遇だ、同じだよ。この時間帯は何か食べたくなるもんだね」
キョン「全くだな。行こう」
佐々木「あっ、うん」
佐々木「(親友か……)」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:48:30.42 ID:RoWj1KFu0
ありがとうございましたーまたおこしくださいませー
佐々木「そうだ、ねえキョン」
キョン「ん、なんだ?」
佐々木「これから君はすることがあるかな?もしよかったら僕の家に来てみないか」
キョン「いや暇だが……でもいいのか、男をそんなに簡単に家に招き入れて」
佐々木「キョンだからこそのことだよ。中河とかだったら即却下をお知らせするね」
キョン「そうか。……だがなせっかくの休日は 佐々木「いいじゃないか。」」
佐々木「……」じーっ
キョン「うぅ……わかったよ。」モジモジ
佐々木「くっくっ、ありがとう。」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:51:41.71 ID:RoWj1KFu0
佐々木「それにしても、僕を女性として認識してくれていたのは嬉しいな」
キョン「そういう風に言ったつもりはないが」
佐々木「そ、そうか……」シュン
キョン「いや、認識していないとは言ってないぞ。俺はお前を女だと認める」
佐々木「そうかい!?……まぁ言い方はおかしいが素直に受け取っておくよ」
キョン「ああ。それで、何時行けばいいんだ?ていうか俺はお前の家を知らんぞ」
佐々木「キョンが家に菓子袋を置いていくのに付いて行くよ。そしたら僕の家に向かおう」
キョン「そうだな。行こうか」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:54:05.85 ID:RoWj1KFu0
キョン「ただいまーぐおっ!?」ズンッ
妹「わあお菓子!……あれ、誰?」
佐々木「キョンの親友の佐々木だよ。よろしくね」
妹「うん。それで、なんで来たの?」
キョン「いてて……妹そんな言い方はないだろ。俺は今から佐々木の家に行くんだ。」
妹「私も行っていいかな?」
キョン「お呼びでないっ!さ、行こうか佐々木。ちょっと耳をふさがせてもらうぞ」
佐々木「あ、う、うん」ドキドキ
「キョンくんの部屋の棚の下から―…」
「うっせえ黙れ!」
佐々木「(キョンの手、暖かいな……//)」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 00:57:10.96 ID:RoWj1KFu0
キョン「お前んち、どれだ?」キョロキョロ
佐々木「ここだよ」
キョン「……は?」
おじゃましまーす、と軽く言ってお邪魔させてもらいたかった。佐々木の家を見るまではな。
だが佐々木の家が豪華すぎる。そんな言葉はつっかえるどころか尻から出てきそうなくらいにもったいない
佐々木「いや、何をふかぶかとお辞儀してるんだキョン」
キョン「こんな素敵な家に気軽に入っていいものかと思ってな」
佐々木「ああ、そんなのは気にすることないよ。さ、僕の部屋まで案内するよ」スタスタ
キョン「うーん……」スタスタ
キョン「お前、こんなベッドで寝てんのかよ」
佐々木「あ、そうだよ。その椅子は古いからこっちに来なよ」ボフボフ
キョン「いや、その……うん」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 01:01:02.88 ID:RoWj1KFu0
キョン「こういうのもいいかもしれないな……」
佐々木「えっ?どうしたんだ一体」
キョン「いや、いつもハルヒに振り回されてばっかりだったからさ。こうして二人で落ち着いた時間を過ごせるのは良いなと思ってさ」
佐々木「ああ、うん……。」
キョン「あっこれは…」スッ
佐々木「それはだめだって」アセアセ
パラッ
キョン「これは……なんで俺の写真を囲ってあるんだ?」
佐々木「それはその…」カァァ
ガラッ!!
キ佐「!!!!」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 01:03:30.33 ID:RoWj1KFu0
九曜「―――窓から―――こんにちは―――…」
スッ
キョン「いや待てどこへ行く、そしてなぜここから入ってきた」ガシッ
九曜「―――あなたがいたとは――――」
佐々木「周防さん、何の用で来たの?」
九曜「…お菓子の匂いに――――――釣られて――――」
佐々木「ああ、どうぞお構いなく……」スッ
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 01:05:56.31 ID:RoWj1KFu0
で、この状況は何だ?
九曜「――――♪」モキュモキュ
佐々木「……(どうしよう……)」ドキドキ
キョン「とりあえず、何かしないか」
佐々木「そ、そうだね。テレビゲームでもしようか」
九曜「!!!」クルッ
キョン「(く、食い付いたァッ!!?)」
「ウワァーオ!!」ギューン
佐々木「九曜さん、ちょっと手加減してあげてよ」
九曜「――――楽しい―――――」
キョン「こいつのバンジョーマジ速すぎだろ……」ユラユラ
佐々木「同情するよ……(体を動かすほど必死にならなくても……)」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 01:09:02.40 ID:RoWj1KFu0
九曜「――――こっちへ―――――――」
佐々木「わ、私?ああうん。キョン、それは見ちゃだめだよ」
九曜「……あなたは―――彼のことが好き?」
佐々木「あ、…う、うぅ……」コクッ
九曜「―――もし退屈させたら―――私のもの――――――」
佐々木「う、うん…わかった……」
佐々木「あっ!!キョン見ちゃダメっ!!!」アタフタ
キョン「すまん、つい懐かしくてな。っておい九曜!」
九曜「――――サバラ――――――」スッ
キョン「なんだったんだあいつ……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 02:04:23.99 ID:RoWj1KFu0
すいません、もうすぐ終わりですが再開します
佐々木「その、キョン」ドキドキ
佐々木「最初の白いページの裏は見てないよね……」
キョン「……佐々木」スッ
佐々木「!!!!」
佐々木「キョン……」
キョン「ぶっちゃけて言う。俺もお前のこと、好きだぞ。」
佐々木「それって……」
キョン「ああ、こういうことだ」
佐々木「んむっ!!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 02:05:39.38 ID:RoWj1KFu0
佐々木「えへ、えへへ…キョン……」ギュッ
キョン「よろしくな、佐々木」ナデナデ
キョン「すまんな、ファーストキスはあげられなくて」
佐々木「いいんだよ。仕方がなかったんだろう?キョンが僕を向いてれば関係ないさ」
キョン「……でも、正直欲しかったか?」
佐々木「ま、まあね。」
キョン「じゃあ……代わりにこれからたくさんしてやるよ」
佐々木「ああっ……フレンチはまだ早いってば……//」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 02:08:18.61 ID:RoWj1KFu0
おわり。
明日残ってたら書きます。ではおやすみなさい
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:14:33.95 ID:RoWj1KFu0
お早うございます。
では次は黒佐々木でしたかな。投下始めますね
「やぁ、キョン」ニヤニヤ
キョン「!!!」ドキッ
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:23:16.41 ID:RoWj1KFu0
奴の言葉を聞いた瞬間、走馬灯のように過去の記憶がふつふつと駆け巡った
――――
「ねぇ、キョン。ジュース買って来てくれないかな」
「う、うん解った…」
「こっち見ないでくれるかな。」
「あっ、ごめん……」
「ほら、僕の前で何ダレているんだ。汚い恰好で僕の前に姿を見せないでくれ気持ち悪いな」
「……」
「ねぇ、何で君は死なないのかい?君が死ねばスッキリするんだけどな」
「なんでそんなこと言うんだよ…」
「さぁ、楽しいからかな?」
――――
キョン「さ、佐々木……なんでお前が」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:33:03.38 ID:RoWj1KFu0
佐々木「なぜそんな顔をしているんだ。喜ばないのか?」ニヤニヤ
キョン「………!!」ゾクッ
橘「こんにちはーっ♪」
九曜「―――――――」
なんてこったよ……せっかく華々しい高校デビューを飾って明るい人生を送ろうと思ったのに…
あいつの右には朝比奈さんの誘拐犯、後ろには得体の知れない何か。なんでこんな時に……
キョン「すまん、ちょっと急いでるんだ」
佐々木「おっと、どこへ行くんだい?」ガシッ
キョン「ひぃっ!」
佐々木「せっかく一年ぶりに会ったというのに立ち話もしないで行ってしまうのかな?」
キョン「……」
橘「(彼、何でびっくりしてるんだろう……)」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:45:46.77 ID:RoWj1KFu0
佐々木「最近噂で聞いてるよ。君が奇怪な部活に入っているんだって?聞かせておくr―…」ニヤニヤ
キョン「(は、早く終わってくれ)」プルプル
キョン「…!?」
古泉「やたら遅いと思ったらこうなっていましたか……」
長門「…………」
九曜「――――」
ハルヒ「キョン、遅刻した上に何してるのよ?」
佐々木「これはこれは。噂はかねがね聞いています。涼宮さんですね?」
ハルヒ「そうだけど……あんたは誰なの」
佐々木「佐々木です。キョンとは中学で同じだった……」チラチラ
佐々木「親友ですよ。」
ハルヒ「そうなの?キョン」ムスッ
キョン「あ、あぁ……」ビクビク
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:53:46.87 ID:RoWj1KFu0
佐々木「それでは」スタスタ
キョン「…はぁ……」
ハルヒ「キョン、あんた大丈夫?疲れてない?」
キョン「……大丈夫だ」
古泉「しかしあなたと彼女が知り合いなのはまずいですね」
キョン「ああ、俺もまずいと思ってる……」
古泉「えっ、どうしてですか?」
キョン「あっ、今のはノッてみただけだ。それで、なんでだ?」
古泉「そうですか。それは今にわかりますよ」
キョン「そ、そうなのか……」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 08:59:58.31 ID:RoWj1KFu0
古泉があいつの何を指して言っているのかは知らないが、あいつはとんでもない奴だった。
授業中消しゴムのカスがどんどん飛んでくる、勉強を教えると称して有名私立進学校の問題を延々と解かせては俺を馬鹿だと罵ってくる。
パシリはごく普通のことだし、クラスで嫌われている奴への告白を強要してきたこともあった。
今でも俺の腕にはシャーペンの芯がその出来事を記憶に留めろと言わんばかりに残っているんだ。
だが他のやつらにはよく振舞ってやがる。俺は次第に周りからの信用がなくなり、ろくな生活ができなくなっていた。
くそっ、思い出しただけで震えがとまらない……
妹「キョンくん、お風呂湧いたよ」
キョン「ああ、うん。」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:07:38.25 ID:RoWj1KFu0
ザバァ
キョン「俺のスクールライフが終わらないことを祈るばかり、か……ふぅ」
ガラッ!!!
キョン「うおっ!?」
妹「キョンくん電話!」
キョン「俺が体洗ってたらどうするつもりだったんだよ。それで、誰からだ?」
妹「おんなのひとー」
キョン「!!!き、切ってくれ」
妹「……変なの―」プツッ
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:15:08.45 ID:RoWj1KFu0
キョン「上がったぞー」
妹「はーい」ドタドタ…
ブルルルルッ!
キョン「電話か…あれ、こんな番号登録してたっけ……」ピッ
キョン「もしもし」
「こんばんはっ♪」
キョン「なっ!?お前は…朝比奈さんを誘拐したやつだな」
橘「ええ。そういうことになりますね、橘と言います。あなたに聞きたいことがあってきました」
キョン「お前の言うことなんか聞けるか!」ピッ
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:26:22.79 ID:RoWj1KFu0
ブルルルルッ!
キョン「いい加減にっ……あれ」
橘「ぐすっ…ひどいですよ……」
キョン「ひどいのはどっちだ?あんなふざけたことして今日はよくノコノコと俺の前に現れてくれたな」
橘「あれは失敗するって解ってたんですよ……」
キョン「だからって人を誘拐するまでしなくてもいいだろう!」
橘「ごめんなさい…ぐすっ……」
あれっ、なんか俺が悪いように聞こえなくもないな。そこまで悪そうな奴でもなさそう……か?
キョン「……話だけなら、聞いてやるよ」
橘「ええっと、もうあなたたちに危害を加えるようなことはないので安心してください!」
橘「だから、これから××公園に来てくれませんか?」
キョン「……お前は一人だろうな?」
橘「あっ、佐々木さんも呼んだほうが良いですか?」
キョン「いや、一人で来てくれ。」
橘「……では待ってます」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:37:02.97 ID:RoWj1KFu0
キョン「……」
橘「あっ、来てくれましたか!えっと…」
キョン「ああ。キョンでいいぞ」
橘「とりあえず、キョンさん。あそこのベンチに座って話しましょう」
橘「というわけですよ」
キョン「……なんてこったよ」
橘「素直に驚いているところを見ると、信じてくれたみたいですね?」
キョン「ああ。ここ一年で価値観がガラリと変わったからな。」
橘「……ところでキョンさん、一つ聞いていいですか?」
キョン「なんだ」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:39:58.33 ID:RoWj1KFu0
橘「キョンさんは佐々木さんと会ったとき、どうしてあんなに震えてたんです?あんなにいい人なのに」
キョン「!!!!」
橘「……少し落ち着いてください。何か事情があるみたいですね。聞かせてもらえますか」
俺は橘に佐々木のことをすべて話した。あいつがとんでもなく腹黒い奴だってことをレトリックを用いずに正直に。
途中で震えが止まらなくなったが、橘は俺のことを笑わずにしっかり聞いてくれた。
疑うようだったが、携帯に残しておいた録音を聞かせた時、橘の眉が5ミリほど動くと、やっと口を開いた。
橘「……そうですか」
キョン「そ、そういうことなんだよ……」プルプル
橘「今まで佐々木さんのことは信用できていました。落ち着いた人だって。だけど、これは聞き捨てならないことですね…許せない。」
橘「彼女は危険だわ。だからキョンさん」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:47:15.07 ID:RoWj1KFu0
キョン「な、なんだ…?」
橘「私、北高に転校します。一緒に佐々木さんをぎゃふんと言わせましょうよ!」
キョン「は?本気で言ってるのか?」
橘「はい。私の組織にもそう伝えておきますので」
キョン「……ありがとう」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:52:01.14 ID:RoWj1KFu0
橘「こんにちはっ♪」
古泉「なっ!……あなた、これはどういうことですか」
キョン「紹介しよう、こいつは橘だ。彼女ではない」
古泉「いや、そうじゃなくて……彼女は僕ら機関と相反する組織の幹部なんですよ?」
橘「それなんですが……私、組織を抜けたんです。キョンさんの味方になることになりました」
古泉「それは一体どういう風の吹き回しですか!?」
橘「キョンさんから話を聞いて、佐々木さんが信用ならない人だってわかったんです。だからこうして北高に転校してきました」
キョン「こいつの言っていることは本当だ。信じてくれ、古泉。」
古泉「……なるほど、取り乱してしまい申し訳ない。でもくれぐれも私たちに危害を加えないで下さいよ」
橘「ええ。わかってます」ニコッ
橘「キョンさん、メモとテープレコーダーは持ってきましたか?」
キョン「ああ。ところでここまでする必要もなかったんじゃないか?転校は流石に金がかかったろう」
橘「いえ、万が一の時の保身のためですよ。北高ならある程度は守られますから」ニコッ
キョン「なるほど。ほれ、これだよ」スッ
橘「これですか……よし、頑張りましょう!」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 09:58:28.89 ID:RoWj1KFu0
数日後、俺と橘は気分が良かった。
俺と橘は光陽学園へ赴き、周防たちをテープレコーダーを用いて説得し、なんとかこちら側に付けることができた。
藤原は現地民のいざこざには興味がなかったようだが、話を聞くうちに気分が乗ってきたとやらで参加してくれた。
そして俺は一人になった佐々木に電話を掛けた。
キョン「よう、佐々木さんよ」
佐々木「ああ、キョンじゃないか。珍しいな、君が電話をかけてくるなんて。」
佐々木「それで、何の用だ?耳が腐るから短く頼むよ」
キョン「お前のスクールライフの終了を予告しにきた」
佐々木「……え?」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:01:26.23 ID:RoWj1KFu0
キョン「と言うことだ。まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよな」
佐々木「そんな…キョン……」
キョン「なんだ、恐いのか?」
佐々木「違うんだ、キョン……僕は君のことが好きだったから……君とスキンシップを取りたかったんだよ…」
キョン「今更なんで保身に走っているんだ?もしそうだったとして、俺が付き合おうとか言うわけないだろう」
キョン「あれは明らかに度を超えていた。よく反省するこったな」ピッ
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:04:18.72 ID:RoWj1KFu0
後から聞いたところによると、教師にそれが伝わって他のいじめも発覚し、一週間の停学になったそうだ。
ほんと、せいせいするぜ。
キョン「な、橘?」
橘「ええっ♪」
ハルヒ「?……よし、それじゃあ活動の組み分けをするわよ。みんなくじを引いて頂戴!」
いらっしゃいませー
「!!!!」
藤原「よう現地民達」
九曜「―――――――――」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:06:33.36 ID:RoWj1KFu0
おわり。そして休憩。
次は森さんですな
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:27:27.35 ID:RoWj1KFu0
よし、森さん投下。
ある日妹にデブと言われ、すっかり傷ついた俺は体調管理のために夜のランニングを始めた。
朝に弱い俺は朝起きられない。飛べない豚は飛べない、みたいなものか?なにやら間違っている感がプンプンするが。
確かにきつい。おもに脇腹が。だがちょっと休めばまた復活する。
俺は今日どれだけ一度に走る距離を伸ばせるか、というチャレンジに燃えていた。珍しいよな。しかしここまで頑張れているのはなぜだ。
まさかハルヒが陰ながら俺の重量化を気にしていて、頑張りなさいと言わんばかりにこういう改変を行った、とでも言いそうだな。主に長門が。
俺は見る見るうちに余分な脂肪を削ぎ落とし、数週間後には3kgほどの減量に成功していた。
腹筋も少し露わになってきたため、外見はかなり良くなった…気がする。まぁ冬になってわざわざ腹筋見せたがる変態ではないから腹筋は見せないが。
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:36:57.88 ID:RoWj1KFu0
おじさん「おう少年、今日も頑張ってるじゃないか」
キョン「あっ、ありがとうございます。お仕事がんばってくださいね」ハッハッ
おじさん「ありがとよ少年。ほら、グミやんよ」
キョン「どうも。ではっ」タッタッ
シュビッ!シュビッ!
キョン「あれっ、空手家さん今日もがんばってるな。殊勝なこった」
キョン「今日はここで休むか……」
あの人を俺はいつも空手家さんと呼んでいる。河原でいつもああやって鍛えている人だ
夜に鍛錬を積んでいるので容姿はよく見えない。それに遠くから彼の姿を眺めているだけだからな
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>141 やーだよっ] 投稿日:2009/11/21(土) 10:41:24.74 ID:RoWj1KFu0
キョン「励ましの言葉の一つ送ろうか…」
キョン「今日も頑張ってますねーっ!」
「ふぅ。ありがとうございます!」
えっ?女の人!?それも聞き覚えのある声……
キョン「ちょっと、こっち向いてくれませんか?」
「えっ、恥ずかしいですが…」クルッ
キョン「!!!!」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:49:31.38 ID:RoWj1KFu0
「!!!!」
キョン「森さん!?」
森さん「キョンくん!?」
キョン「いつもこうやっていたのは森さんだったんですか」
森さん「ああっ、お恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね……」
キョン「素直に尊敬できますよ。……でもどうしてですか?」
森さん「…それより、今の私は汗臭いでしょうからあんまり近寄らないでください」
キョン「いえ、とてもいい香りがしますよ」
森さん「いい香りって……//」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 10:53:57.41 ID:RoWj1KFu0
キョン「っ!我ながら変態なことを言ってしまいましたね。それで、どうしてですか?」
森さん「毎日の神人狩りに備えるためでもありますが……」
キョン「ですが?」
森さん「今度、格闘大会があるんですよ。」
キョン「へぇ。森さん強そうですしね」
森さん「そ、そうですか……あっ。キョンくん、今度の土曜日空いてますか?」
キョン「!!…え、ええ。空いていますけど」ドキドキ
森さん「その…」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 11:00:19.19 ID:RoWj1KFu0
ピラッ
森さん「これです。良かったら、身に来てください……」ドキドキ
キョン「……これ、観戦チケットですか」
正直拍子抜けした。この流れはデートかと思ったのによ……
森さん綺麗なだけにワクワクしてたんだがな。
キョン「絶対行きますよ。応援してます!」
森さん「あっ、ありがとうございますっ!」ペコッ
キョン「体に気をつけて頑張ってくださいね。ではこれで」タッタッタッ
森さん「はーい……」
森さん「(キョンくんが頑張れって……///)」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 11:08:32.00 ID:RoWj1KFu0
土曜日
妹「あれ、キョンくん早いね?」
キョン「ああ。ちょっと行くところがあってな」
妹「ねえでぇと?でぇとでしょ?あははっ」ユサユサ
キョン「ちげーよ。じゃ、行ってくるから」ガチャッ
妹「……なんーだ」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 11:15:15.33 ID:RoWj1KFu0
「それでは、第一回戦を始めます!始めっ」
ヤッー!ドスッ!ガガッ!
森さん「(キョンくん、来てくれてるかな……)」ソワソワ
キョン「危ないッ!」
A「やっ!」ゴスッ
森さん「(あっ、来てくれてたんだ。嬉しいっ//)」カァァ
A「(何この人……)」
森さん「じゃあ行きますね」フワッ
キA「!!!」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:24:10.39 ID:RoWj1KFu0
圧倒的な戦いだった。俺には何が起こったのかよくわからなかった。
ヤムチャがセルゲーム時の悟空を見た時のような、そんな感じだ
森さん「あっ、キョンくん!」
キョン「森さん!そんなに手振らなくても…今行きますよー。おっとすいません…」
森さん「来てくれたんですね。ありがとうございます」ペコッ
キョン「いえ、森さんの晴れ舞台ですから。見に行かないわけないでしょう?」
森さん「そ、そんな……//」
「では、一回戦突破の選手は集まってください」
キョン「あらら。次も頑張ってくださいね」
森さん「ええっ♪」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:31:25.58 ID:RoWj1KFu0
その後、森さんは順調に勝ち進み、ついに最終戦となった。
「それでは、決勝戦!ニック・キーン選手 対 森園生選手!」
うわ、すっげえ強そう。なんてデカい体してんだよ……
森さん「あなた、相当鍛えこんでいるわね」
ニック「そりゃこの体を見ればわかるだろう?」
森さん「でもね……強さは筋力だけじゃないのよ」
「始め!」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:36:22.84 ID:RoWj1KFu0
シュンッ!!
ニック「は、速いッ!?」
ドズッ
ざわわっ!!
「開始早々森選手の破壊的な拳がニック選手の脇腹を突いたッ!!」
ニック「うぅっ……」ヨロヨロ
森さん「……まだ終わってないはずよ。余計な演技はしないで頂戴」
ニック「ははっ、ばれたか」スッ
森さん「行くわよッ」シュッ
ニック「こっちだろう!?」ヒュッ
ドシンッ!
森さん「なかなかやるみたいね……流石決勝戦と言ったところでしょうか」バッ
ニック「ふふっ、さあ見せてくれ」スッ
ざわ…ざわざわ……
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:40:44.03 ID:RoWj1KFu0
キョン「(すごい…森さんも速いがニックもあの体のどこであんなスピードを出しているんだ…)」
ニック「ほら、どうした。こんなもんか?」ガガガッ
森さん「(うっ…こいつ強いわね……)」スパスパスパッ
ニック「捌いてるだけじゃ勝てねえヨ!!」ガシッ
森さん「!!」
キョン「森さん!!」
「おっとニック選手、森さんをつかんで寝技に入った!!」
森さん「うぅっ……アァッ!」
ニック「おらおら、どうした?」
森さん「キョンくんっ……」
ざわざわ…
森さん「園生って呼び方は……嫌いっ?ぅあっ!」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 11:44:17.01 ID:RoWj1KFu0
キョン「…!!園生がんばれっ!!」
森さん「(!!!!)らぁっ!!」グワッ
ニック「うおっ」ズドンッ
森さん「ありがとう、キョンくん……」
ニック「畜生…だが、お前が寝技に弱いってことはわかった。」
ニック「次は絶対に逃さねえよ。お前の速さはさっきので程度が知れた。」
森さん「ニック、って言ったわね?あなた」
ニック「ああんっ?」
森さん「あなた、しゃべりすぎよ。だから勝てないの…」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:45:00.83 ID:RoWj1KFu0
ざわ…ざわざわざわ……
ニック「……カッ」ガクッ
「森園生選手の勝利ッ!!!」
うおぁぁぁっー!
森さん「キョンくん……」
キョン「後ろだ!」
森さん「アッ……」ドサッ
ニック「へっ、甘いんだヨ」
キョン「園生ッー!!」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 11:47:02.52 ID:RoWj1KFu0
キョン「園生、園生!!」
森さん「…んん……キョンくん、あたし負けちゃったの…?」
キョン「ああ…よくがんばりました……今はしっかり休んでください」
森さん「そっか……それよりキョンくん…」
キョン「なんですか?」
森さん「園生って呼んでくれたとき、私嬉しかったわ……//」
キョン「……ッ!!恥ずかしいので忘れてもらえませんか」
森さん「嫌よ…私の大好きn…あっ」
キョン「えっ!!?」
森さん「ごめんなさい、今の忘れてください……」
キョン「……園生、優勝逃して残念だったな。でも俺はよく戦ったと思う。」スッ
森さん「んっ!!…キョン、くん……」ぽーっ
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 12:00:16.74 ID:RoWj1KFu0
さる食らってました。ありがたや
シュッ!シュッ!
キョン「こ、こう?」
森さん「違うわよ。こうよ」ズバッ!
シュビッ!
森さん「なかなか良くなってきたじゃない。ご褒美よキョンっ//」
キョン「……//」
ハルヒ「ねぇ、あんたら何やってんの」
森キ「!!!!!」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:01:41.53 ID:RoWj1KFu0
おわり。次は橘ですな。
20分休憩します。
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:23:02.50 ID:RoWj1KFu0
投下再開します
「あーっなんか暇だな……」
今、寝転がってじゃがりこをつまみながらノーパソを眺めているこの少女は橘である。
前に朝比奈さんを誘拐したやつらの一人だな。とんでもないやつだ。
でだ。なぜ俺がこいつの姿を観察しながら話しているのかと言うとだな。
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:28:34.32 ID:RoWj1KFu0
実はこの俺、交通事故を起こしてきたんだ。
俺の意識体に向かって長門がつぶやくには、「現状では死亡の恐れはない」だとよ。
もうちょっと動揺してほしかったもんだなあの時の長門みたいに。
なんで橘を観察しているか、と言うとだな。
ハルヒと朝比奈さんは泣きじゃくっているし、古泉は冷や汗たらたら。長門は言うまでもないだろう。
つまり、ありきたりの反応すぎて少しつまらない。だから今しかできないことをしようということでこいつの家に意識だけ侵入させたんだ。
しかしながら、なんてだらけた生活を送っているんだこいつは。部屋が散らかりっぱなしだぞ。
敵ながらこんなことでいいのかと心配してやってもいいくらいだ。
それと……
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:36:45.96 ID:RoWj1KFu0
橘「おっ何これ、ゆうたい…りだつ?」
キョン(またなんてもんに興味を示しやがる。そこは普通にアイドルの名前でも呟いてればいいだろ)
橘「落ち着いて深呼吸、金縛り……なるほど。やってみよっ♪」
キョン(変な能力が宿っちまったからには仕方ないとは思うが、それは流石にできないに決まってる……)
数十分後
橘「……」
キョン(ほら、言わんこっちゃない。できないからあきらめろ)
……ズ
キョン(んっ?)
ズズズズッ!!
キョン(うおっ!!!)
橘「(ふぅ。リダンツッ!ってあれ、キョンさん!?)」
キョン「(そ、その、これはだな……)」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:43:06.19 ID:RoWj1KFu0
俺は必死に言い訳をした。若干の嘘も交えながら。
だって好んでこいつの家に入りこんだと知れたら、佐々木に話してからかわれるかもしれないからな。
だが、橘はそれに気付かずに「へぇ事故……」とか言ったりしてた
橘「(大変ですねぇ……)」
キョン「(ま、大丈夫って言われたから大丈夫なんだろうけどな。それよりお前)」
橘「(へっ?)」
キョン「(……部屋、散らかしっぱしはよくないと思うぞ)」
橘「(ああすいません今戻りますっ)」アセアセ
キョン「(いや、後でいいんだ。)」
橘「(は、はぁ……そうだ、暇だから何かして遊びましょうよ。)」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 12:52:07.65 ID:RoWj1KFu0
キョン「(遊ぶったって、体がないとどうにもならんだろう)」
橘「(こっくりさんですよっ!十円玉くらいは動かせるでしょう?)」
キョン「(ちょっとやってみる……ああ動くな)」
キョン「(でもこうして話せるんだからしなくてもいいんじゃないか?)」
橘「(こういうのは雰囲気が大事なんですよ。だから部屋を暗くして―…)」
……だめだこいつ。聞いてねえ。
橘「(じゃ、いったん戻りますね。さらばっ)」シュルルルッ
橘「……」
ムクッ
キョン(あっ、戻った)
橘「(夢だったのかな……っていうかあれ本当にキョンさんだったのかな?)」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:01:18.97 ID:RoWj1KFu0
そう言って、橘は紙と鉛筆、十円を用意してこっくりさんの用意をした。
しかしこいつ字汚いな……
パチッ
橘「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでにならr―…」
キョン(始めやがった……しゃあない、動かしてやるか)
スススッ
橘「あっ、動いた!」
キョン(ええっ俺まだ何もしてないぞ!?)
ワラワラ
A「(よっ、少年)」
B「(あれっ、あなたここで死んだ人?)」
キョン(な、何か集まってきたッ!!!)
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:10:36.72 ID:RoWj1KFu0
橘「佐々木さんはいつ能力を手に入れるんでしょうか?」
A(何を言っているんだ?)ズズズッ
橘「えっ、手に入れられないっ!?そんな……」
B「(へぇ、そうなの。事故ね…)」
キョン「(ええ。それで、こいつが―…)」
橘「…キョンくんは……私のことが好きですか?」
キョン(!!!!)ブフ――ッ!!
な、何をおっしゃる……
B「(あらあら、それじゃあこれって告白なんじゃないの?)」
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:22:10.07 ID:RoWj1KFu0
キョン「(いや、余計なことはしないでくださいッ!あっAさんっ!!)」
A「(ほーれほれほれ)」ズズッ
橘「あっ……キョンさん///」
B「(ほら、彼女も照れてることだし、ここは彼女と付き合っちゃいなよ?キョンくんっ♪)」
キョン「(まったくっ……ってうおっ!体が引っ張られる……!)」ズイズイ
ピィンッ
橘「あれっ、十円が落ちた……」
B「(体が求めているのね。じゃ、お幸せに!)」
キョン「(お、おいーっ!)」シュルシュル
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:32:08.33 ID:RoWj1KFu0
キョン「……ん」
ハルヒ「あっキョンっ!!」
みくる「キョンくぅ〜んっ……」
キョン「(とりあえずとぼけとくか……)ここはどこだハルヒ?」
ハルヒ「あんた、自動車とぶつかって派手にふっ飛ばされたじゃない。病院よ病院」
キョン「そうか……まぁ体は大丈夫そうだが、一応数日は休んどいたほうが良いかな」
ハルヒ「そうね……退院したらパーティやるわよ!」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:48:18.77 ID:RoWj1KFu0
数日後
「ああ、もうすっかり良くなったよ。これからは気をつけなさい」
キョン「ありがとうございました。では」
よし、橘の家に……って、橘どこに住んでたっけ?
あのときは気を探るようにして解ったから良く覚えてないぞ……
そうだ、佐々木だ
佐々木「んっ、電話か。」ピッ
佐々木「もしもし。キョン?」
キョン「よう佐々木。いきなりで悪いんだが、橘の住所を教えてくれないか?」
佐々木「えっ何だいそんなこと聞いて。まぁいいけど。××市の―……」
キョン「わかった、ありがとう。じゃあな」
佐々木「体に気をつけ……あっ」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 13:56:24.00 ID:RoWj1KFu0
ピンポーン
ガチャッ
橘「あれ、キョンさんっ!」
タッタッタッ
キョン「うおっ橘、いきなり抱きついてくれるなッ」
橘「いいじゃないですか恋人同士なんだし♪」
ここで俺は良いことを思いついた
キョン「は?何のことだ?」
橘「えっ、何のことって…あっ、ご、ごめんなさい……」ぐすっ
キョン「嘘だよ。」ギュッ
橘「ひぇっ!…もう、おばかたれ……」
橘「ほらっ、きちんと片付けましたよ!」
キョン「がんばったな、京子」ナデナデ
橘「キョンさん…///」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 14:01:31.30 ID:RoWj1KFu0
こうやって、俺と橘が付き合い始めたのが今俺が話しているもう一つの理由である。
橘「あれっ、何書いてるんですかー?」
CTRL+W!!
橘「あっ、見せてくれたって良いじゃないですか。もうっ」
キョン「もし俺が官能小説でも打ちこんでいたらどうするつもりだったんだ?」
橘「……キョンさん」
キョン「な、なんだよ」
橘「なんだか私、体が熱くなってきました……」
キョン「えっ!ちょっとまだ早いッ!!」
おわり
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 14:13:26.45 ID:RoWj1KFu0
次は九曜ですか。
古泉みくるのSSがややこしいことになってるので書き溜めの時間が必要になるかもしれません
休憩挟みます
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:01:21.41 ID:RoWj1KFu0
こうなったらヤブレカブレですな。投下再開します
ゴールデンウィークとやらの一日目。
北高は光陽学園のような進学校とは違ってそこまで勉強に力を入れているわけでもなく、
俺がリビングでくつろいでいると、一本の電話がかかってきた
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:03:26.65 ID:RoWj1KFu0
おうふ、抜けてました。
北高は光陽学園のような進学校とは違ってそこまで勉強に力を入れているわけでもなく、「何もない休日の連続だったために」
俺がリビングでくつろいでいると、一本の電話がかかってきた
キョン「妹、出てくれ」
妹「ハーイ」
「おっと、これは明らかなファールでしょう!」
「会場もざわついていますね……」
「あーっ今審判がヘンリ選手にレッドカードを出しましたね。一発退場です」
キョン「あらら…」
妹「キョンくん、電話!」
キョン「んっ、俺にか?だれだ?」
妹「よくわかんない!」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:09:59.36 ID:RoWj1KFu0
キョン「もしもし」
キョン「…もしもし?」
あれっ、いたずら電話か……
「―あ」
キョン「えっ?」
「――――あなたのk」ブツッ
意味がわからん。宗教勧誘か?
妹「誰だった?」
キョン「さあ。ようわからん……」
妹「じゃあ遊びに行ってくるね!」
キョン「おう、車に気をつけろよ」
妹「はーい」ガタンッ
キョン「ふあぁ……」
にしても、暇だな。しかしさっきの電話は一体何だったんだ……
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:19:37.32 ID:RoWj1KFu0
ピンポーン
キョン「んあっ、宅急便か……」
ガチャ
キョン「段ボール……あれっ、宅急便の人はどこにいったんだ…?」
まぁいい、しかしこいつは何だ。
中から秒数を刻む音が聞こえてこないあたり時限爆弾ではなさそうだな。
カサカサ音も聞こえない。ゴキブリもいないだろう。臭くないしとりあえず中で開けてみるか
キョン「うわっ、何これ重っ!」
しかも、中身が偏っているのかバランスが取り辛い。何が入っているんだ?
キョン「あれ」
軽くなった……?何なんだこの不思議箱。
キョン「もしかしてハルヒか?こんな変なものを送ったのは……」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:27:10.39 ID:RoWj1KFu0
俺はバリバリと段ボールのテープを剥がして中身を空け……
キョン「たッ!!?」
「――――――」ガサゴソ
そいつはむくりと体を起こすと、どう考えても重力を無視しているかのような動きでシュタっと立ち上がった
九曜「――――宅急便―――です―――――」
キョン「いや、宅急便はそういうもんじゃないぞ。お前一体何をしにきた。俺をどうするつもりだ?」
九曜「――何もしない――――これからわたしはあなたのもの――――――――」
九曜「―――――好きにして――――――――」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:31:04.72 ID:RoWj1KFu0
いや好きにしろって言われたって……こいつ意味わかって言ってんのか?
と、とりあえず長門に連絡してみよう……
キョン「……」ピッピッピッ
バゲキィッ!!
キョン「!!!!!」
九曜「なにもしない―――――」
いや、あの……携帯を手で握りつぶすのは何もしないうちに入らないんじゃないですかね、九曜さん?
見るとバチバチショートしてるぞ。電解液もだらだら流れてきてるしどんな力を加えたんだ……
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:40:29.85 ID:RoWj1KFu0
九曜「――――――」スタスタ
キョン「おい、どこに行く?勝手に家の中を歩き回るな!おいっジュースを勝手に飲むなッ!」
九曜「―――――――♪」ゴキュゴキュ
キョン「まったく、好きにしてるのはお前じゃないか。いいか、俺はお前に好きにしろと言った覚えはない」
九曜「―――嫁だから―――――」
キョン「は……?」
九曜「あなたの―――――今日から――嫁――」
キョン「……お前は一体何を言っているんだ?」
キョン「つまり、嫁というものを経験したいが藤原には断られたから俺のところに来たってことだな?」
九曜「―――――――――」コク
キョン「だが……そう言ってくれれば俺は素直に協力したぞ」
九曜「―――――箱入り―――娘―――」
キョン「いや、それそういう意味じゃないから……」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 15:53:20.63 ID:RoWj1KFu0
キョン「いいか。嫁って言うのは男と結婚して、生涯を共にすることにした女性のことを言うんだ」
キョン「嫁の仕事は主に家事と……」
九曜「――と―――?」
これ以上は言わん方が良いな
九曜に変なことを教えると碌なことにならないだろう。
こいつは以前の長門よりもタチが悪いだろうから、「―――――まかせて―――」とか言って家を粉々に破壊しかねん。
きちんと教えなきゃな……嫁と奴隷を混同してそうだし。てかこいつ、この連休学校行かなくて大丈夫なのか?
キョン「いや、家事だけだ。料理や洗濯、掃除やらを夫が仕事に行っている間に済ませておく図を想像してくれ」
キョン「まぁ今は夫がいないから俺が代わりにするが、俺は仕事をしないから解らないことがあれば手伝うぞ」
九曜「―――――ふつつかもの―――ですが―――」
キョン「ああっいや、仮想体験だからな。そんなにかしこまらなくていいぞ」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 16:05:32.39 ID:RoWj1KFu0
キョン「これは雑巾だ。水に濡らして絞って、汚れをふき取るために使う」
九曜「――――――貸して」
キョン「お、やる気満々だな……」
ビュンビュンッ!!!
キョン「いや、空気中の埃は普通無視するから!!それより飛沫が飛んでる!!!」
九曜「…教えて――――」
キョン「こういう風に床や窓を拭いて表面の汚れを取り除くんだ。ほれ、やってみ」
九曜「―――――――」フキフキ
キョン「……あっ、床そのものは汚れじゃないからな」
九曜「!?」
だめだこいつ……何から何まで教えてやらないと……
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 16:16:40.26 ID:RoWj1KFu0
キョン「いや、そう言う切り方じゃない。それじゃミックスジュースになっちまうぞ……手を貸して」
九曜「……――――」スッ
キョン「左手はこう軽く握るように添えてこう切るんだ」ギュッ
九曜「――――――///」トントントンッ
キョン「……九曜、顔が赤いぞ。大丈夫か?」
九曜「―――――大丈夫――――」
キョン「なんというか…見た目はまぁまぁだな」
九曜「――――――」コク
キョン「とりあえず……いただくか」
九曜「―――――いただきます―――」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 16:27:47.51 ID:RoWj1KFu0
あっという間にゴールデンウィークは最終日を迎えた。しかしハルヒが電話をかけてこなかったのは幸いだったな。
同い年の男と女が二人きりで数日間家にこもっていたと奴に知れれば、鬼のようなビンタが飛んでくるに違いない。
それにしても良く頑張ってくれたなこいつも。
キョン「家はピカピカになったし、このチャーハンもうまいぞ。頑張ったな」
妹「くーちゃんおかわり!」
九曜「――――――」
キョン「九曜?」
九曜「―――――あなたとなら―――いける――――」
キョン「どうしたいきなり」
九曜「――――お嫁に―――もらって―――――」
……なんだって?
九曜「―――――お嫁にして――――――」ウットリ
キョン「いやっ待てっそれh」
九曜「&$G$DY""……」
キョン「わかった!わかったから!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 16:35:12.09 ID:RoWj1KFu0
九曜「―――――あなた――」ポッ
キョン「く、くーちゃん………」アセアセ
ガラッ!!
キョン「長門!!?」
長門「………………」じーっ
九曜「――――――」スタスタ
ピシャッ!!
九曜「――――――――♪」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 16:41:25.53 ID:RoWj1KFu0
キョン「う、宇宙人同士の戦いって大変なんだな……」
九曜「――――それより早く―――脱がせて―――――」
キョン「な、なんてことを言うn!!」
キョン「ハァ……わかったよ、今脱がせるから……」フラフラ
九曜「(――計画通り――――)///」
マーオ……マーオ……
長門「……ぐすっ」ナデナデ
おわり
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 16:42:45.87 ID:RoWj1KFu0
うーん……なんというか微妙ですな
頭冷やしてきます
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:20:15.80 ID:RoWj1KFu0
さて、問題のものを投下します。細けぇことは気にしないでください。
古泉「んっ……なんですかこれ」
朝、僕は下駄箱にある一通の手紙を発見した。
良くあるキャピキャピした紙ではなく、まっさらな色をした長方形の手紙。
差出人を確認する。
古泉「朝比奈みくる……?」
―昼休みに文芸部室に来てください―
古泉「は、はぁ」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:26:48.03 ID:RoWj1KFu0
彼女の字であることは確かだけれども、本当に朝比奈さんなんだろうか……
涼宮さんが共謀して僕を……っと、こんなことを考えちゃいけませんね
コンコンッ
「はぁいっ」
古泉「失礼します」ガチャ
確かに朝比奈さんだ。だが……
古泉「あ、あなたは……」
みくる(大)「こんにちは、古泉君」ニコッ
古泉「……より遠い未来から来たということは、これから何か起こるんですか?」
みくる「来てくれれば解りますよ」
古泉「来るって、まさか未来へですか?」
みくる「ええ。あっ、機関には問い合わせてありますから。安心してください」
みくる「といっても、私には説得力がありませんか…どうぞ、電話してください」
古泉「解りました……」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:37:56.87 ID:RoWj1KFu0
古泉「それは本気ですか!?……ええ。解りましたよ。」ピッ
古泉「どうやら、そのようですね……」
みくる「では、この薬を飲んでください。移動法を見られたら困りますからね」
古泉「ああっ……すいません、水がないと飲めないんです」
みくる「ふふっ、そうでしたね。はいっ」スッ
古泉「ありがとうございます(そうでしたね……?)」ゴクゴクッ
古泉「それで、これから行くのは何年後ですか?」
みくる「7年後の未来です。そこに行けばあなたがここで何をすべきかが分かります。そろそろ眠くなってきましたか?」
古泉「ええ。頭を打っては困るので座りますよ」
みくる「そうしてください。目を閉じて……」
古泉「………」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:44:58.04 ID:RoWj1KFu0
みくる「古泉くん、起きてください」
古泉「んっ……ここは…!!!」
僕が窓から見たのは、まぎれもない未来だった。
とんでもなく高い視点から望む風景に道路などなく、家は皆浮いていた。
みくる「この時代では、みな空間移動装置を使うんですよ。」
古泉「今からどこに向かうんですか?」
みくる「……いえ、ここが目的地です」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:49:44.18 ID:RoWj1KFu0
「ただいまー」
みくる「あっ、お帰りなさい」
「ふぅ……。あっ、やあ。」
古泉「えっ、えっ!?」
声を掛けて来たのは、髭を生やしているが僕によく似た人だった。
その人は2歳程度に成長しているだろう赤ん坊を抱いていた。
「んっふ、なんて呼べばいいかな……僕のことはダイでいいよ一樹くん」
古泉「……僕のことを?」
ダイ「ああ、知っているよ。だって君は僕自身なんだ」
古泉「はっ!?」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 17:58:32.25 ID:RoWj1KFu0
古泉「朝比奈さん、僕はどうしてここに呼ばれてきたんですか?」
みくる「説明しましょう。これから4年後、小さな私とあなたは結婚することになります」
古泉「えっ?あ、あの……」
みくる「だけど、一か月ほど前に未来からある一人の青年が報告にやってきた」
みくる「その人は後に偉業を遂げるプロジェクトの中心人物だったのよ。」
古泉「それが……その子ですか?」
ダイ「察しが良いな。この子だよ。」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:08:45.51 ID:RoWj1KFu0
それから朝比奈さんは僕に話をした。
今まで朝比奈さん達は時間平面理論が絶対的なものだと信じていた。
だがキョンくんが時間平面理論を無視し過去を書き換えられるイレギュラーな存在であることを導き出した。ということだ。
そしてこの未来の世界が大混乱に陥ったと……
みくる「だから私たちの未来に導いて不幸な未来を作らないために、あらかじめあなたに過去を守ってほしいわけよ」
古泉「……解りました。それで、僕はどうすればいいんでしょうか」
ダイ「君が来た時間平面から3日後の11:11分ごろ。その時君は男性に絡まれているだろうから、ずっと反抗的に接していてくれ」
ダイ「苦しいかもしれないが、頼んだぞ。こうしないと思いがけないことになる」
古泉「……それで、本当に未来は守られるんですね」
ダイ「うん、そういうことだよ…」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:20:25.30 ID:RoWj1KFu0
みくる「じゃ、またこれを飲んでください」
古泉「どうも……」ゴクゴクッ
みくる「じゃ、目をつぶって……」
古泉「……」
ダイ「頑張ってくれ」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:23:55.72 ID:RoWj1KFu0
三日後-午後11時10分22秒
「おい!そこの兄ちゃん達よお」
キョン「なぁ、俺らのことじゃないか」
古泉「え、えぇ……」
「金貸してくんね?飲みすぎちゃってさぁ帰れないんだよ」フラフラ
古泉「お断りします」
「んなこと言うなよ!おら5千円くらいいいだろう?」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:32:23.83 ID:RoWj1KFu0
午後11時11分47秒
古泉「ダメです。あなたが飲み過ぎるからいけないんですよ」
「んだとっ!!」
キョン「止めろっ!」
「邪魔だどけッ!」ドンッ
古泉「あっ……」
ププーッ!!ガシャンッ!!!
古泉「キョンくんっ!!!」
……………
………
……
…
医師「残念です……尽力しましたが既に生命活動が停止していました。ではこれで」スタスタ
古泉「何が未来のためだよ……クソッ……クソオオオッ!!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:37:27.47 ID:RoWj1KFu0
長門「落ち着いて、古泉一樹」
古泉「これが落ち着いていられるか!!おい涼宮アァーッ!!!……長門!お前ならなんとかできるだろう!!!!」グッ
長門「私には生命活動を再開させることは不可能……!!!」
長門「古泉一樹、後ろを」
古泉「後ろがなんだってんだ!!」
「こんにちは、父さん。」
古泉「あ……!!」パクパク
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:44:47.35 ID:RoWj1KFu0
「父さんのおかげで彼を救うことができました。出てきてください」
「よっ」
古泉「えっ……どういうことですか」
キョン「いや、死んだなと思ったらいきなりこの人の顔が目の前に現れてな。ははっ」
「では、僕はこれで。ありがとうございました」スタスタ
古泉「先ほどは取り乱してしまい申し訳ありません長門さん」
長門「構わない」
キョン「しかしそこまで俺のことを心配してくれてたなんて全くありがたい話だぜ」
古泉「……いったい?あなた、本当にキョンくんですか?」
キョン「ああ、そうだよ。俺は一人だ」
古泉「…ちょっと長門さん、説明してください」
長門「……詳しいことは禁則事項」
キョン「だとよ。まあなんだ、何も問題はなくなったんだ。ほら、帰ろうぜ」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:48:11.43 ID:RoWj1KFu0
古泉「……キョンくん」
キョン「なんだ?」
古泉「あなたは……何者なんですか」
キョン「一般人じゃないのか?俺に聞くなよ。」クスッ
古泉「…すいません。では」
キョン「おい古泉」
古泉「えっ?なんでしょう」
キョン「今日改めて気付いたよ。お前は機関の一員である以前にSOS団員であり」
キョン「そしてそれ以前に俺の親友だってことをな」
古泉「……ありがとうございます……また、明日……」
古泉「…………」
酔っぱらいのおじさんが彼を殺さなければ、僕は朝比奈さんと結婚してあの子が生まれてくることがなかったんだろうか…
でも……もし僕が彼を殺さずとも、そうして出来た未来からまた人がやってきて過去を修正すれば……
ふふっ、まぁこれは僕が心配するべきことじゃありませんね。お休みなさい。
カチッ
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 18:52:51.19 ID:RoWj1KFu0
おわり。
休憩します
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:18:11.11 ID:RoWj1KFu0
誰も見てないって言うのも悲しいもんですなww
めげずに投下再開
「古泉、この企画に参加する人を教えて頂戴」
古泉「はい森さん。この4人です」ペラ
森さん「ふーん……!!!!」
森さん「ねぇ、この子がまさか彼女に好かれている人?」
古泉「『―――』くんですね。キョンと呼ばれているのでキョンでいいでしょう」
森さん「へぇ……(タイプだわこの子…//)」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:27:59.51 ID:RoWj1KFu0
おうふ、ありがとうございますww
もうすぐ依頼ネタが切れるのでなにかあれば気軽に。
ハルヒの思いつきにより、俺達は孤島へと合宿に行くことになった。
奴の左腕にはいつの間にか「名探偵」の腕章が付けられている。
願望実現能力有するあいつが絶海の孤島に行ってこんな腕章をつけているとなると、爆弾を抱えている気分だぜ…
これでもし本当に殺人事件が起こったりしたら、奴の脳みそを疑うね。
そして今日はその日、俺達は船に乗ってこの絶海の孤島にやってきたわけだ。
妹も余分に引っ付いてきたのが癪に障るが。
降りると人が二人見えた。
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:37:32.02 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「やっほーっ!あれ、この人たちは?」
新川さん「執事の新川です」
森さん「メイドの森です(この子がライバルね……)」
キョン「(この人綺麗だな……)」
ハルヒ「……なに鼻の下伸ばしてんのよ。まさかあんたメイド萌えだったの?」
キョン「ちげーよ。」
森さん「それじゃあ案内しますね」スタスタ
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:45:14.35 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「キョーン!こっちにクラゲがいっぱいいるわよ!!」
キョン「なんでそんなことをいちいち俺に報告するんだ!それより本体から離れたトゲに気をつけろよー!」
ハルヒ「あんたじゃないんだしわかってるわよそんなこと!」
みくる「ふぇぇ涼宮さん、こっちに投げないでくださぁい!!!」
キョン「うぉいハルヒなにしてんだ!!」
新川さん「森さん、なにかありましたか?」
森さん「………いえ、何も?」ニコニコ
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 19:53:26.06 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「んっー!おいしーわねこのロールキャベツ!誰が作ったの?」
新川さん「わたしです」
みくる「そ、その、ありがとうございます」
多丸(圭)「いえいえ、今日は好き放題食べてもらって構いませんよ」
長門「……」ツンツン
キョン「ほら長門、行儀悪いぞ。」
長門「そう……」パクッ
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:03:09.35 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「ふぁー…なんだか食べ過ぎたわね……」
多丸(圭)「では彼女達を部屋へ案内してくれ、新川」
新川さん「了解。森は片づけを。では行きますよ皆さん」
森さん「わかりました。」
森さん「えっと……キョンくんの食器はこれね。うふっ、ふふ……」
多丸(裕)「あれっ、森さんなんでフォークに笑いかけてるんですか?」
森さん「あっ、いや何もないわよ。(チッ…もう少しで……)」
多丸(裕)「(な、なんか寒気が……)」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:14:09.93 ID:RoWj1KFu0
――――――――
ハルヒ「何それ、森さんが行方不明で、裕さんも電話に出ないってこと?」
新川「端的に申しますと、そういうことでございます。」
まさか……裕さんが!?
キョン「裕さんの部屋の鍵はありますか」
新川さん「ええ。圭一様がマスターキーを持っていますので。行きましょう」
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:20:48.97 ID:RoWj1KFu0
新川さん「圭一様、マスターキーを」
多丸(圭)「あ、ああ……」
ガチャッ……
そこに倒れているのは裕さんだった。
みくる「ひ、ひぃ…っ!!」
キョン「ゆ……裕さん!!!」
新川さん「触らないでください。警察の捜査の邪魔になる恐れがあります」
ハルヒ「うそ…これって……死んでるの?」
古泉「……とにかく、固まって移動しましょう。そうすればもう被害は出ません」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:31:09.69 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「みんないるわね。みくるちゃん、大丈夫?」
みくる「うぅ〜……」ブルブル
長門「待って。彼がいない」
ハルヒ「……彼って、もしかしてキョンのこと!?」
長門「そう……」
古泉「神隠しですか……(おかしいな、こんなことは…)」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:39:31.64 ID:RoWj1KFu0
〜〜〜〜〜〜
ザパァァァ……
ドサッ
キョン「てめっ!!何をしやがるッ!!!」ドサッ
「……」クスッ
パサッ
フードを取っ払った人物を目にして、俺は意表をつかれた
キョン「森さん!?」
森さん「ふふっ、正解。」
キョン「なんで、こんなことを……」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:44:58.32 ID:RoWj1KFu0
森さん「それはね、あなたと接触する機会が今回ぐらいしかないからですよ」スタスタ
綺麗なバラには棘がある……か
初見はクマノミのように美しく見えた彼女も今はどす黒い雰囲気に包まれていた。
森さんは血のついた服を気にせず笑顔で近づいてくる……片手が見えない
キョン「あ、あなたが、裕さんを殺しましたね……?」
森さん「あれは演技ですよ?私にとってはこっちが本番ですけどね」ニコッ
キョン「ひっ!!」
ハルヒ「あたしがキョンを見てたら…ぐす……団長失格ね……」
長門「……」
古泉「困りましたね……」
ハルヒ「キョン……戻ってきてよ」ボソッ
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 20:55:16.27 ID:RoWj1KFu0
森さん「そう恐がらないで。今から十分にかわいがってあげますから……」
キョン「ま、待ってください!」
森さん「今更何を待つって言うの?」
キョン「ここで俺を殺したら……古泉が悲しみます」
森さん「……えっ?いや、殺す気はないのy」
キョン「この前聞いたんですが……古泉はあなたのことが好きだそうですよ」
森さん「えっ………」
キョン「……あれっちょっと待ってください、森さん今何をしようとしたんですk」
ゥアァッ!!」ガタンッ
長門「!!!」
ハルヒ「き、キョンの声!?みんな、行きましょ!!」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:05:43.92 ID:RoWj1KFu0
キョン「イテテ……ってあれ」
ハルヒ「………!!!!」
キョン「おっ、ハルヒか…よかった……」
ハルヒ「キョン」
キョン「な、なんだ……」
ハルヒ「なんて格好してるのよ!早くズボンを穿きなさい!!!」バッチーン!!
キョン「ふぼぁっ!?」
古泉「なんなら、僕が手伝ってもいいんですよ?」
キョン「おいやめろ古泉っ自分で穿けるから!!」
コォォォッ……
森さん「古泉……」
森さん「…………」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:14:52.79 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「つまりこういうことよ!!森さんが裕さんを殺したと見せかけて、この屋敷の人たちと古泉君がグルになってあたしたちを騙したってこと!!」
妹「……おぉ〜!」ぱちぱち
多丸(裕)「ご、御名答(マジで殺されそうでしたけど……)」ぱちぱち
ハルヒ「それよりキョン、あんたどこに行ってたのよ?」
キョン「いや、その……」チラッ
森さん「……」ニコニコ
キョン「!!!!」ゾワッ
キョン「いや、なんでもない……」
ハルヒ「そ、そう……」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:24:18.00 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「さようなら〜!!」
キョン「……」
多丸「さようならーっ」フリフリ
新川さん「……」ペコリ
森さん「……パクパク」ニヤッ
古泉「!!!!」ゾクッ
キョン「ん……?」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:23:02.15 ID:RoWj1KFu0
ザァァ……
キョン「なぁ古泉。あの時森さんなんて言ってたんだ?」
古泉「その……」
キョン「なんだよ、勿体ぶらずに教えろって」クスクス
古泉「後で覚悟しておけ……と」
キョン「!!!」ゾクッ
ハルヒ「キョーン!UNOするわよ!」
キョン「い、行こうか……」アセアセ
古泉「そう、ですね……」アセアセ
おそらく悪い話ではないだろうが……もしもの時は俺が骨を拾ってやるぞ、古泉
しかし、あのときの森さんは一体何をしようとしていたんだろう……
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:36:51.90 ID:RoWj1KFu0
森さん「ふぅ、今日もお疲れ古泉。」
古泉「え、ありがとうございます」
森さん「…古泉、そういえば昨日言ったこと覚えてる?」ニヤニヤ
古泉「………ひ」
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 21:38:48.08 ID:RoWj1KFu0
おわり
次は朝倉ですな。
最後まで書き貯めていないのでさっさと書きためてきます。
その時間も考慮したら今日は次で終わりそうかな……
明日はまだ二つしか予定がないので何かあれば遠慮なく。
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:33:45.31 ID:RoWj1KFu0
高校三年の二学期。
朝比奈さんは大学へ進学し、SOS団は受験のため活動凍結となったため、俺は何か間の抜けた生活を送っていた。
だが今日は新たな転校生がやってくるということで正直ワクワクしていたのだが……
岡部「えっと、朝倉だ。覚えてるやついるだろう、カナダからこっちに戻ってきた。」
朝倉「改めてよろしくね、忘れちゃってた人はこれを機にまた思い出してくれるといいな。受験、みんなで頑張ろう!」
喜んでいいのか悪いのか……
ハルヒ「ねぇキョン」
キョン「……な、なんだ?」
ハルヒ「これって不思議じゃない!?外国から2年かけてわざわざまたピンポイントでここに戻って来たのよ!」
キョン「そ、う、だな……(なんで戻ってきやがった……!)」
岡部「えっとどこだったか……そうか、キョンの隣だったな。そこに席を作ってくれ」
キョン「!!!」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:39:33.12 ID:RoWj1KFu0
朝倉「ふふっ、キョンくん久し振り。でも始めからあんな態度されると、あたしちょっと寂しいな……」
キョン「あんなことをしたんだ。当然だと思わないのか」
ハルヒ「あんなことって何よキョン」
朝倉「ああいや、なんでもないの。ねっ、キョンくん♪」
キョン「いや、余計な刺激加えてくれるなよ……」
確かにあいつは一年の一学期、放課後俺を殺そうとナイフで襲ってきたが……
でも黙っていればとんでもなく可愛らしい子だ。黙っていればな。
銭を払ってもいい位に目の保養になる。
長門もそうだが宇宙人ってのはなんでこうも変わらないんだ?
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:43:13.64 ID:RoWj1KFu0
「―――……」
キョン「朝倉、これ」サッ
朝倉「んっ……」
今のうちに聞いておきたいんだが…お前は何で戻ってきたんだ?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
流石に俺を殺そうとした奴とそう仲良くするわけにはいかない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
からな。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
また俺を殺す気か?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
朝倉「……」カリカリカリ
スッ
キョン「……」ドキドキ
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:47:54.69 ID:RoWj1KFu0
私だって知らないわよ。いきなり再構成されてこっちに送られた
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んだもん。長門さんは知らないって言ってたし、たぶん涼宮さん
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の力かしら?
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もう殺しはしないと思うわ。戻ってからこっぴどく叱られたし。
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キョン「ほう……」カリカリ
サッ
なるほど、若干安心したぜ。
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それよりお前、宇宙人パワーはまだ使えるのか?
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朝倉「……(ホッ)」カリカリ
スッ
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:52:00.52 ID:RoWj1KFu0
使えるけど制限されているわね。
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あなたを殺せるようにはならなくなったみたい。心配しないで。
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それより、これからはクラスメイトとして宜しくね^^
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キョン「……」チラ
朝倉「ふふっ♪」ニコッ
俺が朝倉を見ると、朝倉は笑顔でこっちを向いていた。
ああ、可愛い。裏は微塵も感じさせないような笑顔だな。
朝倉「そうだ、キョンくん。メルアド教えてなかったよね?これ、私の。」
キョン「えっマジか。ありがとな」
ハルヒ(確かに戻って来て欲しかったけど……)
ハルヒ(なんでよりによってキョンと仲良くしてるのよ気に入らないわね!)
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 22:56:16.67 ID:RoWj1KFu0
朝倉「〜〜〜♪」
ブルルルルッ
朝倉「んっ?」
from:sos-Reeve's-muntjac@kcom.ne.jp
subject:―――だ
くれぐれもキョンで登録したりするなよ?
…ま、んなこたぁどうでもいいんだが。
とにかく宜しくな!
朝倉「キョンくん……か。ふふっ、宜しくっと」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:00:18.11 ID:RoWj1KFu0
キョン「ふぁぁ……」
「おはようっキョンくん♪」
キョン「おう、朝倉」
朝倉「ふぅ、朝が寒くなってきたわね」
キョン「だな……」
朝倉「ところでキョンくん、大学はどこを受けるの?」
キョン「そうだな、××大学かな」
朝倉「キョンくんならもっといい大学いけるんじゃない?○○大学とか」
キョン「俺の実力を過信してくれるな。俺はお前が考えてるよりずっと馬鹿だぞ」
朝倉「……あたしが勉強教えてあげようか?」
キョン「まじか。じゃあお世話になります」
朝倉「ふふっ、お世話を受けますっ」
朝倉(なんだか胸がキュンキュンするわ……)
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:04:40.82 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「ねぇキョン、今日放課後教室で一緒に勉強しない?」
キョン「いいけど、朝倉も一緒だぞ。」
ハルヒ「朝倉?なんでよ」
朝倉「あら、私が居ちゃいけない?」
ハルヒ「だ、だめってわけじゃないけど……」
ハルヒ「朝倉、こっちにちょっと来て」クイクイ
朝倉「あっ、ちょっとこの問題解いててね」スタスタ
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:07:33.55 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「あんた、最近キョンと仲良いわね」
朝倉「ええ、そうだけど」
ハルヒ「もしキョンと付き合う気なら、止めてよね。」
朝倉「どうして?涼宮さんキョンくんのことが好きなの?」
ハルヒ「違うわよ!…でもSOS団は恋愛禁止だから言ったまでよ」
朝倉「……じゃあ別にキョンくんのことが好きなわけじゃないのね?」
ハルヒ「うぅ……そうよ!何か文句ある?」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:18:03.11 ID:RoWj1KFu0
朝倉「私、どうやらキョンくんのことが好きみたいなの。」
ハルヒ「えっ?」
朝倉「だから…高校を卒業したらあなたも私にキョンくんのことで文句言わないでね?」
ハルヒ「……そ、そう…」
「下校時間になりました。生徒は教室の鍵を返して速やかnー…」
朝倉「じゃあ、そう言うことだから。」スタスタ
キョン「おい、おまえらもう下校時間だぞ」
朝倉「そうね。キョンくん、帰りましょ?」
キョン「おう。じゃあなハルヒ」
ハルヒ「うぅっ……」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:25:51.47 ID:RoWj1KFu0
岡部「お前ら、センター試験まであと少ししかないぞ。しっかり気合い入れれ勉強してけよッ!」
岡部は3年間同じクラスだったおかげで、特に俺に眼力を込めて説教をしてくれる。
一年の時はあいつの説教を疎ましく感じていたが、今となっては大層ありがたきお話。
……噛んだのはご愛嬌だ。
朝倉「ふふっ、岡部先生今日は気合入ってるね」
キョン「ああ。そうだ朝倉」
朝倉「なに?」
キョン「その、いつもありがとな。お前のおかげで成績はうなぎ上りだ」
朝倉「あ、ありがとっ。いい大学に入れるといいね//」
キョン「それでなんだが……思い切ってお前と同じ○○大学を受けてみようと思う」
朝倉「えっ、本当?」
キョン「ああ、本当だ」
朝倉「よし、キョンくん。一緒に頑張ろうね」ニコッ
キョン「おうっ」ニコッ
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:35:12.50 ID:RoWj1KFu0
ピリピリ……
キョン「……」カリカリカリカリカリ……
朝倉「……(キョンくん大丈夫かしら……)」ササササササササッ……
〜〜〜〜
センター試験の感触は想像以上だった。
ともすればこいつは8割超すんじゃなかろうか?っていうくらいの出来だったな。
朝倉「……その、どうだった?」
キョン「ああ。お前が教えてくれた問題ばっかり出たよ。宇宙人ってのは予知能力でも持ってるのか?」
朝倉「持ってないわよ。傾向を分析して出そうな問題を教えただけ」
キョン「そうか。お前頭いいんだな」ナデナデ
朝倉「ふふっ、くすぐったいよ///」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:44:26.09 ID:RoWj1KFu0
……結果は聞いて驚くな、なんと8割3分だった!俺も無事、一次試験突破することができた。
聞くところによると長門と朝倉は両者とも各大学でトップの結果だったらしい。
流石宇宙人、と言ったところか。
キョン「朝倉、お前宇宙人だろ」
朝倉「ええ、宇宙人よ。これが何よりの証拠ね♪」
キョン「お前と比べれば俺なんて霞んで見えるぜ……」
朝倉「気にしないの。キョンくんはキョンくんで精一杯頑張ったんだから。」
朝倉「それに……」
キョン「それに?」
朝倉「私と比べるなんてナンセンスよ」くすっ
キョン「おまえ言ってくれるじゃないか」
朝倉「ふふっ、冗談よ」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:49:34.32 ID:RoWj1KFu0
ハルヒ「……キョン」
キョン「…ん、なんだハルヒ」
ハルヒ「その……うまく言えないけどさ」モジモジ
キョン「お前そんなキャラだったっけ?」
ハルヒ「うるさいっ!とにかく、朝倉を……大事にしなさいよ?」
キョン「………ありがとな、ハルヒ」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 23:57:02.48 ID:RoWj1KFu0
時が経ち、俺達はより一層勉強に励むようになっていた。
朝倉の教育力が異常なせいか、はたまたハルヒの力のせいか。俺は着実に学力を伸ばしていった。
俺、やればできる子だったんだな……っていうのは冗談だ。ほとんど環境が良いせいだよ。
朝倉「キョンくん、集中してるの?」ムスッ
キョン「ああスマン。」
朝倉「……ちょっと休憩しようか?」
キョン「そうだな」
朝倉「思えば2学期から今日まで、早かったね……こんなことならキョンくんを殺すなんて考えなきゃよかった」
キョン「後悔先に立たず、とかなんとかだな。んなもん気にするだけ無駄だろ」
朝倉「……そうね、ありがとう」ニコッ
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/22(日) 00:00:35.57 ID:bs9Fk4Rv0
朝倉「キョンくん。とうとう試験日、来ちゃったね……」
キョン「ああっ……」
朝倉「そうだ。ねぇキョンくん」
キョン「ん?」
朝倉「頑張る誓いっ」すっ
そう言って、朝倉は小指を差し出してきた。
キョン「……ありがとう。頑張ろうな」ぎゅっ
朝倉「うんっ♪」ぎゅっ
おわり
271 名前: ◆wuwShiroi. [] 投稿日:2009/11/22(日) 00:07:15.52 ID:bs9Fk4Rv0
ID変わりましたが>>1です
とまあいい感じの時間に終わったところで今日は切りたいと思います
次回予告
・変態朝倉
・九曜
・ワカメ・森さん・キョンの三角関係
・橘に弱みを握られるキョン
・古泉朝倉
・古泉みくる長門の仲良し三人組
・デレハルヒ
というラインアップになっております。
では書き溜めに入りながらほどほどの時間で寝ようと思います。お疲れ様でした