3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:32:07.87 ID:g7D3Py7R0
高校生活最後の冬休みを3日後に控えた日のことだった。文芸部の部室で朝倉と
二人本を読んでいるとふとそんなことを言い出した。
その言葉を聞いて、あぁもうすぐこの高校ともお別れなのか何てことを思いな
がら高校時代を振り返っていた。
2年前の冬。オレはこっちの世界に残ることに決めた。
後悔?してないと言えば嘘になるがこっちの生活も悪くない。
なんだかんだいってSOS団のメンバーは全員いることだしな。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:33:17.08 ID:g7D3Py7R0
ハルヒと小泉は違う高校に通っているが毎週のように週末には呼出をくらって市内探索をしている。ハルヒよ。お前はどこでも同じなんだな。
朝比奈さんはあのあとハルヒが無理矢理SOS団に入れて市内探索に振り回したんだ。そのおかげもあってオレの「胸に星型のほくろが…」なんて発言も無かったかのように接してくれるようになったんだがな。
そんな朝比奈さんも今や大学生。しかもかなりハイレベルな学校だ。さすがマイエンジェル。とはいえ今でも市内探索に来るのは変わらず毎週のように美しい姿を拝める訳なんだが。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:34:19.12 ID:g7D3Py7R0
さて、オレの通う高校だが、オレはもっぱら文芸部で本を読みふけっている。安心しろもちろん長門もだ。そういえば今日は風邪で休んでるらしいが大丈夫だろうか。
そして何故かこちらの世界では妙に仲の良い朝倉までいる始末。まぁこの高校での生活はこっちの方が長いわけだから仲が良いのも長門が頼りないのも受け入れられるってもんだ。
ちなみに朝倉は長門たっての希望でSOS団の活動に参加している。優等生は断るってことを知らんのか。いやいや長門の自立のためにもな。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:35:22.97 ID:g7D3Py7R0
さて話は戻って…なんだっけ?
朝倉「だからもうすぐ大学生ねって話よ!」
朝倉「全く相変わらず人の話を聞いてないんだから」
おいおい相変わらずなんて言われるほどいつもぼーっとしちゃいないぞ…してるか
キョン「大丈夫だ。ちゃんと聞いてるよ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:36:24.27 ID:g7D3Py7R0
キョン「朝倉と長門は同じとこ受けるんだろ」
朝倉「ええそうよ。さすがに涼宮さん達と同じところはねぇ」
キョン「ハハハ。それは長門が本ばっかり読んでて勉強しないからだろ」
キョン「お前一人ならもっと上も狙えるだろうに付き合いのいいこって」
朝倉「いいのよ。私はあのコのためにいるんだもの」
キョン「 」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:37:45.81 ID:g7D3Py7R0
朝倉「なによその間は」
キョン「いや、別に、何でも、ないぞ、うn」
朝倉「別にあなたが考えてるようなことじゃないわよ」
朝倉「一緒にいたいんだからいいじゃない」
キョン「 」
朝倉「だから 」
キョン「あー分かってる。長門はお前がいないとダメだもんな」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:38:53.65 ID:g7D3Py7R0
朝倉「全くほんとに分かってるのかしら」
朝倉「まぁいいわ。それよりあなたはどうするの?」
朝倉「長門さんはあなたと同じところに行きたいと思ってるわよ」
キョン「あーオレはいけるところにいくさ」
朝倉「一緒のとこに行きたいって言ったことについてはスルーなのね…」
キョン「ほっとけ」
朝倉「あーあ長門さんがかわいそうねー」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:39:58.80 ID:g7D3Py7R0
オレだって人並の感情くらいは持ち合わせている。
あいつがオレに好意をもってくれているのは十分分かるさ。
それでもオレは今の距離感が心地良い。
それは多分長門も思っているはずだ。
朝倉「そうだ!」
急に大声をあげるな。感慨にひたっているところにそれは心臓に悪いぞ。
キョン「一体どうした」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:41:15.00 ID:g7D3Py7R0
朝倉「私もあなたと一緒に大学行きたいなって言ったら頑張ってくれる?」
不覚にも一瞬、いや本当に一瞬だがドキっとしてしまった。
キョン「バカなこと言ってんな」
朝倉「もう。女の子が勇気を振り絞って告白してるのにバカはひどくない?」
キョン「もしそうならもうちょっとムードを作ってだな」
朝倉「あらムードを作って言えば頑張ってくれるのかしら」
キョン「それとこれとは話が別だな。オレは必要以上には頑張れない人間なんだ」
朝倉「全く。こんなに可愛いコを振るなんて何考えてるのかしらねぇ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:42:27.42 ID:g7D3Py7R0
キョン「はいはい。わるかったな。」
こんな会話をしているうちに日は落ち暗くなっていた。
キョン「さて、そろそろ帰るか」
朝倉「そうね。それじゃ帰りましょ」
そこからまた他愛もない会話をしながらいつものように朝倉と長門の住むマンションの前まで一緒に帰る。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:43:37.88 ID:g7D3Py7R0
キョン「それじゃ長門によろしくな」
朝倉「えぇあなたも気をつけて帰ってね」
キョン「わかってるよ。それじゃあな」
なんて谷口が聞いたら卒倒しそうな会話を交わしてオレも帰路につく。
それにしても。
もうすぐ卒業か。
部室で朝倉に言われたことを思い出してついしんみりしてしまう。
止めよう。こんなのオレのキャラじゃない。
一人背中を丸めて歩いてると余計なことを考えちまうからいけないな。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:45:12.58 ID:g7D3Py7R0
―さて、冬休みに入り周りは一層受験ムードが強まっていた12月31日。
ご多分に漏れず勉強にいそしんでいるオレも今日くらいはいいだろうと妹とごろごろしていると朝倉から一通のメールが届いた。
キョン妹「キョンくんでんわ〜」
残念だったな妹よ。これはメールだ。そしてそのセリフはトラウマだからやめてくれ。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:46:19.03 ID:g7D3Py7R0
さて、朝倉からのメールの内容はというと時間が空いたらマンションに来てくれとのことだ。
どうやら長門のことで話があるらしい。
そういえば結局風邪が治らなくてあのまま長門に会うこともなく冬休みになったんだっけなー
なんてことを考えながら勉強にも身が入っていなかったオレはスグに支度を済まして朝倉のマンションへ向かった。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:47:42.66 ID:g7D3Py7R0
朝倉「いらっしゃい。キョンくん」
キョン「おー長門は大丈夫なのか?」
朝倉「まぁどちらかといったらあまり良くはないかな」
キョン「おいおい付いててやらなくて良いのかよ?」
朝倉「 」
そういうと何故か朝倉は黙ってしまった。
一体何があったんだ。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:49:18.35 ID:g7D3Py7R0
朝倉「それでね話があるって言ったことなんだけど」
おい長門の体調はどうした。と言おうとしたがそのまま話を聞くことにした。
朝倉「驚かないで聞いてほしいの」
朝倉「長門さんが2年前に世界を改変した時のこと」
キョン「ちょっと待て。」
朝倉「もう。話している途中よ」
キョン「そんなことはどうでもいい。何でお前がそれを知っている」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:50:39.55 ID:g7D3Py7R0
朝倉「それについては黙っててごめんなさい。っていっても話す機会が無かったから話さなかったっていうのもあるけれど」
キョン「張本人の長門が知らないんだからお前が知ってるなんて思うはずないだろ」
朝倉「あなたは張本人じゃなくても知っているじゃない」
朝倉「それと同じよ。私が知っていてもおかしくないでしょ」
キョン「 」
キョン「まぁいい。続きを聞かせてくれ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:52:07.29 ID:g7D3Py7R0
朝倉「うん。あの時にね長門さんは無事に世界を改変したかに見えた」
朝倉「でも実際はそうじゃなかった」
朝倉「情報統合思念体といえど限界はあるの」
朝倉「でも長門さんはそれを超えて世界を改変しようとした。いえ、してしまったの」
朝倉「その結果今長門さんは急激に衰弱している」
キョン「それじゃあ風邪って言ってたのは…」
朝倉「ええ嘘よ。まぁこのことは長門さん本人も分かってないみたいだから知っているのはあなたと私の二人だけれど」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:54:28.59 ID:g7D3Py7R0
朝倉「二人の秘密ってドキドキするわね」
キョン「そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
キョン「一体この先どうなっちまうんだ」
そういうと朝倉は分からないとでも言うように首を横に振った。
朝倉「長門さんが使ったのは情報統合思念体のさらに上を行く力」
朝倉「正直こちらとしても正確なことは分からないわ」
朝倉「ただ…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:55:41.97 ID:g7D3Py7R0
そこまで言ったところで朝倉は黙りこんでしまう。
どうせ良くない結果になるんだろう。
キョン「大丈夫だ。覚悟は出来てる」
朝倉「………ただ、この世界に何らかの異変が起こるでしょうね」
キョン「異変?」
朝倉「これはあくまでも私の予想だけど…この世界の消失」
なんてこった。せいぜい長門の性格が元に戻るだとか元の世界に帰るだとかそ
の程度で考えていたオレが馬鹿だった。
朝倉「そして異変が起きるのはおそらく年が明けると同時に」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:57:40.47 ID:g7D3Py7R0
なんですと?年が明ける?聞き間違えか?いやいや確かに朝倉は年が明けると
同時と言った。
今の時間は…午後9時。そんなに話し込んだつもりは無かったんだがな。
すっかり夜じゃないか。妹と雑煮を食べる約束してたのにな。スマン妹よ。
キョン「じゃなくて!あと3時間じゃないか」
朝倉「じゃなくて?」
キョン「こっちの話だ」
いかん。混乱しているようだ。いったい何がどうなっているんだ。
キョン「そういえば長門はどうしてる」
朝倉「長門さんの部屋にいるわよ。体調がすぐれないからって寝てるわ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 21:59:53.71 ID:g7D3Py7R0
キョン「よしいくぞ」
朝倉「ちょっと行ってもどうにもならないわよ」
キョン「どうなるか分からないんだろ」
朝倉「それは…」
キョン「それにこのまま長門にも合わないってのもな。今まで一緒にやってき
た仲間じゃないか」
朝倉「キョンくん…」
キョン「それになんでお前はオレをここに呼んだんだ?」
キョン「この世界で唯一改変による影響を受けなかった人間を呼べば何とかな
るからとか思ってたんじゃないのか?」
朝倉「…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:01:13.54 ID:g7D3Py7R0
キョン「どうした?」
朝倉「意外と頭が回るのね。びっくりしちゃった」
キョン「失敬な」
朝倉「でもそうね。そう思っていたのも事実よ」
朝倉「行きましょう長門さんのところへ」
オレ達は急いで長門の部屋を訪れた。
マンションの廊下を全力疾走し長門の部屋にたどり着く。
よし、鍵はかかってない。勢いよくドアを開けた。
キョン「長門!」
そう叫び部屋になだれ込む。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:02:48.73 ID:g7D3Py7R0
そこには1年生の春オレに情報統合思念体について教えてくれた時と同じように
長門が座っていた。
キョン「長門!大丈夫なのか」
朝倉「駄目じゃない寝てなくちゃ」
交互に長門の身を案じるオレ達を制し長門は喋り出した。
長門「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」
キョン・朝倉「!!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:04:59.25 ID:g7D3Py7R0
長門「今から2年前に世界の改変を行いそれに伴う過大なエネルギーの放出の
ためエラーが発生。現在に至るまでそのエネルギーは減衰状態にある。これが
0となったときこの世界は消失する。」
キョン「長門…何でそのことを」
長門「私は今一時的に2年前以前のあなたの知る長門有希と同期している。時
間がたてばこの同期は解かれ元に戻る」
なんてこった。さすが長門だ。何でもありだな。
キョン「今はそんなことを気にしてる場合じゃない」
キョン「長門はこの世界が消えそうなのを察知して助けに来てくれたんだろ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:06:43.35 ID:g7D3Py7R0
長門「確かに私はこの世界の消失を防ぐために来た。しかしここにきてエラー
が発生した。私という個体はあなたに世界の消失を防ぐ方法を教えることを拒
否している」
なんだって?拒否?長門はいったいどうしちまったんだ
キョン「長門。それはいったいどういうことなんだ」
長門「分からない」
なんてこった。長門が教えてくれない以上八方塞がり、このまま世界の消失を
迎えるしかないのか。
朝倉「長門さん」
ん?朝倉どうした?もうあきらめろ。長門が教えてくれないんじゃどうしよう
もないさ。ていうか空気だったな。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:08:28.74 ID:g7D3Py7R0
朝倉「あなたは分からないって言っているけど本当にそうかしら」
朝倉「あなたは言ったわよね。こっちの長門さんと一時的に”同期”している
」
いきなりなにを言い出すんだ朝倉。
長門「そう」
朝倉「なら分かっているんじゃない?あなたが何故教えたくないか」
朝倉「教えたくないと思わせているその気持ちは何なのか」
長門「…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:10:21.17 ID:g7D3Py7R0
キョン「おいおい一体何を話してるんだ。オレにはさっぱり分からないぞ」
朝倉「長門さんあなたが言わないなら私が言うわ」
朝倉「私はこの世界が無くなっちゃうのはいやだから」
長門「…」
朝倉「キョンくん時間が無いから無駄な反論は却下するからそのつもりでね」
キョン「無駄って…」
朝倉「前に部室で長門さんがあなたのことを好きって話したわよね」
キョン「別に好きとは」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:13:01.90 ID:g7D3Py7R0
朝倉「無駄その1」
朝倉「世界の改変が起こったときに長門さんは変わった」
その1…無駄ってそういうことか
朝倉「でも長門さんは長門さん。基本的な気持ちまで変わることはないわ」
朝倉「これがどういうことか分かるわよね?」
キョン「…あぁ」
朝倉「そう。もともと長門さんはあなたの事が好きだった」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:14:13.06 ID:g7D3Py7R0
朝倉「いえ。好きっていうとちょっと語弊があるかもね」
朝倉「好意を持っていたくらいにしときましょうか」
キョン「どう違うんだそれは。」
朝倉「長門さんは改変されて性格が出やすくなった分好意も大きくなった結果
好きになったって考えてくれればいいわ」
キョン「なんかいざそういう風に言われると照れ」
朝倉「無駄その2」
またか…
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:16:16.95 ID:g7D3Py7R0
朝倉「あなたはこっちの世界に来た時一度元の世界の長門さんとコンタクトを
とったわよね」
キョン「ああ」
朝倉「その結果あなたはこっちを選んだ。長門さんにしてみれば振られたと思
ったでしょうね」
キョン「別にそんなつもりは」
朝倉「3」
ついに数字だけかい
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:18:37.41 ID:g7D3Py7R0
朝倉「まぁそんなわけで今の長門さんの行動の理由は言ってしまえば嫉妬って
とこかしら。なんか違う気もするけれどそれくらいの言葉しか分からないの。
作者が」
嫉妬。まさか長門にそこまで思われていたなんてな。
キョン「そうなのか長門」
長門「…」
朝倉「無言は肯定。本題はここからよ」
キョン「本題?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:21:10.43 ID:g7D3Py7R0
朝倉「さっきも言ったでしょう?長門さんは自分の気持ちに気づいていたはず
」
朝倉「それじゃあなんでわざわざこっちの世界に来たのか」
キョン「どうしてなんだ?」
朝倉「ほんとに鈍いわねぇ長門さんに同情するわ」
キョン「分からないんだから仕方ないだろ」
朝倉「長門さんはもう一度あなたの気持ちを知りたかったのよ」
朝倉「正確には元の世界に戻るか今の世界に残るかの2択ってところかしらね
」
キョン「おいおいこの世界には残れないんだろ」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:22:51.70 ID:g7D3Py7R0
朝倉「多分長門さんはこの世界の消失を止める手段を持っている」
朝倉「その一端にあなたが元の世界に戻るかこの世界に残るかの分かれ道が組
み込まれてるってところかしらね。」
朝倉「まぁあなたはこっちの世界でも何故か元の世界の記憶を持ってる特別な
存在だからそんなことも出来ちゃうんだろうけど」
朝倉「そこであなたがこの世界に残ることを決めてしまえば今度こそあなたに
会えなくなってしまう」
朝倉「それが嫌だった。違うかしら長門さん」
キョン「そうなのか?長門」
長門「 」
長門「正確には」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:25:11.87 ID:g7D3Py7R0
長門「正確にはこの世界の消失を止めることは不可能」
長門「あなたの記憶つまり今の会話でいうところの元の世界と今の世界どちら
かをベースに世界を構築し直しそこに今の世界のデータ転送を行う」
キョン「すまん長門分かりやすく言ってくれ」
朝倉「あーもうじれったいわね」
朝倉「2年前と同じようにあなたが元の世界と今の世界のどっちにいたいか決
めろってことよ」
なんと。オレに全権が握られているだと
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:27:55.61 ID:g7D3Py7R0
朝倉「さぁどっちを選ぶの」
キョン「急に言われてもな」
キョン「なぁ長門…」
長門「世界の消失まであと30分」
キョン「なっ」
いつの間にそんなに時間が経っていたんだ。
キョン「ちょっと待っててくれ」
どうする?どうすんのオレ?
………………
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:29:26.58 ID:g7D3Py7R0
いや、答えははじめから決まってるんだ。
そもそも2年前の時点で答えは出てるんだ。
今さら引き延ばしたってしょうがない。
キョン「長門」
キョン「すまない。オレは今の世界が好きなんだ」
キョン「別にお前との世界がつまらないってわけじゃないぞ。ただ」
長門「分かった」
朝倉「4」
オレのフォローは無駄ってことか
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:31:29.04 ID:g7D3Py7R0
長門「本棚の2段目右端の本のしおり」
長門「それを持って世界を構築することを念じて」
キョン「長門」
長門「早く時間がない」
キョン「ありがとな長門」
オレは急いで本からしおりを引っこ抜き念じ始める。
オレは今の世界が楽しい。この世界を終わらせたくない。
でも…
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:33:44.29 ID:g7D3Py7R0
次の瞬間今まで何度か体験したことのあるぐにゃっとした感じがカラダを襲う
。
あぁなんかこの感じも懐かしいな。
なんて思いながらオレの意識は薄れていった
………
……
…
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:36:47.34 ID:g7D3Py7R0
朝倉「・・・くん!」
朝倉「キョンくん!おきて!」
キョン「んん」
朝倉「ようやく起きたわね」
キョン「朝倉か。世界はどうなったんだ」
朝倉「無事に構築されたみたいよ今は1月1日午前2:00」
キョン「なんてこった年明けの瞬間を寝て過ごしていたとは」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:38:17.81 ID:g7D3Py7R0
朝倉「全く何のんきなこと言ってんの」
朝倉「まぁいいわ。無事に全てが終わったようだから」
キョン「そう言えば長門はどうしたんだ?」
朝倉「部屋で寝てるわ。起こすのもかわいそうだからこのまま今日は帰った方
がいいんじゃない。親御さんも心配してるでしょうし」
キョン「…忘れてた」
朝倉「それじゃキョンくん次にあうのは学校でになるでしょうけど。元気でね
」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:39:51.46 ID:g7D3Py7R0
キョン「ああ長門によろしく言っといてくれ」
朝倉「長門さんに会うのを楽しみにしてるといいわ」
なんだそりゃ。
まぁ世界が無事だったんだ今日のオレは機嫌が良い。
なんでもいいさ。
その後家に帰ったオレは何故かこんな時間まで起きてる妹に激しく叱咤されそ
のまま初詣へと強制連行されたわけだが。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:41:19.64 ID:g7D3Py7R0
さてそんなこんなで冬休みも終わり新年登校初日。
教室に入ったオレは目を疑った。
キョン「な…が…と………?」
長門「おはよう」
長門「おはよう」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:42:41.31 ID:g7D3Py7R0
国木田「おはよう長門さん達」
谷口「よう長門姉妹今日もかわいいな〜マジでこのクラスは当たりだぜ」
まてお前ら。これはどういうことだ。
朝倉「おはようキョンくん」
キョン「朝倉。これはどういうことだ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:44:12.76 ID:g7D3Py7R0
そんなオレを見て朝倉はケタケタと笑いだす。このやろう世界が構築されたと
きにこのこと知ってやがったな。
朝倉「どうことだなんてキョンくんひどいわね〜」
キョン「ひどいって…」
朝倉「無駄その5」
朝倉「本当は分かってるんでしょ。あなたが望んだからこうなったって」
fin
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/17(火) 22:48:35.80 ID:g7D3Py7R0
1です。
ふと思いついたんで書いてしまいました。
初めて書いたんですが書くのって難しいですね。
いろんなSS読んできましたけど改めてみなさん尊敬します。
そしてしえんて書いてあると嬉しいことが分かりました。
これからガンガン支援してきます。
ありがとうございました