1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:08:06.00 ID:o6+d4zPNO
谷口「なんだって?」
長門「朝倉涼子、彼女を孕ませてほしい」
谷口「……俺が?」
長門「そう」
谷口「えっと、すまん。なぜ俺なんだ?」
長門「朝倉涼子はあなたに好意を抱いている」
谷口「好意?」
長門「そう。つまりあなたを愛している」
谷口「マジで!?」
長門「だから朝倉涼子を孕ませてほしい」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:12:48.49 ID:o6+d4zPNO
谷口「孕ませろって言われてもな……」
長門「なに?」
谷口「俺は未経験だ」
長門「貴方の好きにしたらいい」
谷口「それってつまり……」
長門「朝倉涼子と性行為をするべき」
谷口「やっぱそうなるか」
長門「だめ?」
谷口「駄目な訳ありません。で、どうするんですか長門さん」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:19:21.24 ID:o6+d4zPNO
長門「私の家に。あと、別に呼び捨てでも構わない」
谷口「長門の家?何故に?まさか監禁してるとか……」
長門「大丈夫」
谷口「大丈夫ってどういうことだよ?」
長門「言葉のとおり。何も問題ない」
谷口「いや、意味がわかんねーっす」
長門「朝倉涼子の側にいれば何も問題ない」
谷口「だから意味がわかんねーって!?長門の家で朝倉の側にってなんだよ!?」
長門「側にいれば、すぐに朝倉涼子の魅力に気づくはず」
谷口「そんな事はしなくても、朝倉が魅力的だとは充分承知だが」
長門「当然。彼女はとても良い子……すぐに分かるはず」
谷口「だから、言ってる意味がわかんねーって……」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:25:54.92 ID:o6+d4zPNO
長門「いいから、何も言わずに朝倉涼子を孕ませて」
谷口「……なぁ、一つ聞いてもいいか?」
長門「なに?」
谷口「どうして長門の家なんだ?孕ませてって、朝倉が頼んだのか?」
長門「朝倉涼子は、現在私と一緒に住んでいる。貴方に孕ませて欲しいと思っているのは、私の意思」
谷口「…………」
長門「朝倉涼子は私の大切な存在」
谷口「…………」
長門「私が彼女の妊娠を願うのは当然。だからあなたにお願いしている」
谷口「…………」
長門「もう一度お願いする。朝倉涼子を孕ませてほしい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:34:11.92 ID:o6+d4zPNO
流石の俺もこれは困った。
現状確認。
涼宮の作ったSOS団の中……いや、校内でもぶっちぎりで何を考えているかわからない女子第一位、長門有希が突然俺を呼び出し、カナダに留学中のはずの朝倉涼子を孕ませろと。
しかも自分の家で。
……冷静に考えて、涼宮の訳がわからないドッキリ。
うん、これが一番しっくりくるな。
対抗馬として、さっきから会話が全然成立してない不思議系女子、長門有希の精一杯の告白。
これはねーかな……。
大穴。ガチで朝倉涼子が待っている。俺に妊娠させられる為に。
個人的にっつーか、誰でも全財産を大穴に賭けたいところだがさて……
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:40:32.12 ID:o6+d4zPNO
長門「大穴」
谷口「へ?」
俺、口に出したっけ?
長門「私は嘘はついていない」
谷口「……どうせ、長門の家に行ったら
『ドッキリでしたー!こんなのに引っ掛かるなんて、とんだ変態ね谷口!』
とか、涼宮が言い出すんだろ?」
長門「それは無い」
谷口「無いとか言われてもな。
いきなり朝倉涼子を孕ませろなんて言われて、俺がホイホイついて行くとでも……んっ?」
長門「信じて」うるっ
長門は。
俺の袖をつまみ、涙をためながら上目遣いで呟いた。
これで信じない奴っているの?いないだろ?
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:50:19.54 ID:o6+d4zPNO
谷口「わかった長門。信じよう」
長門「ありがとう」
谷口「で、いつ孕ませるんだ?孕ませってつまりあれだよな?朝倉とするって事だよな?」
長門「生でがっつり。気の済むまで」
谷口「うむ……それはいつ」
長門「今すぐに」
谷口「今すぐか……ちょっと準備したい物とかあるのだがな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:51:33.69 ID:o6+d4zPNO
長門「駄目。今すぐ」ぎゅっ
長門は俺の手を握り、ぼそぼそと口を動かした。
えーっと?何がしたいんだ。
今ここで俺の手を握りしめる事に何の意味が?
長門「目を閉じて欲しい」
……対抗馬フラグかこれ?
朝倉を孕ませるとか、そんな意味不明な事はやっぱり嘘で、不思議系女子の長門が考えた荒唐無稽の愛の告白じゃ……
長門「それは無い。いいから目を閉じて」
谷口「あぁ、すまんすまん。ほい、これでいいか長門?」
言われるがままに目を閉じる俺……あれ?さっき口に出してたっけ?
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 03:56:43.50 ID:o6+d4zPNO
………
……
…
長門「到着。目を開けて」
谷口「……はぁ!?」
目を開けると、俺と長門はどこかわからない家の玄関の中に居た。
何を言ってるのか全然わからないと思うが、俺にもわからない。
いやマジでなんだこれ。
さっきまで校舎裏にいたはずたろ?
長門「落ち着いて。ここは私のマンション」
谷口「落ち着けるか!?マジで意味がわかんねーって!?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:05:21.61 ID:o6+d4zPNO
長門「……貴方は急に意識を失ってしまった。そこで貴方を私の家まで運び、今貴方は目が覚めた」
何を言い出すんだ突然。言い訳のつもりか?
長門「信じて」うるっ
聖闘士に同じ技は通用しない。そんなん信じられか。俺はそこまで馬鹿じゃねーって。
長門「セイント?」
谷口「おいおい、星矢知らないとかマジでありえな……」
長門「………?」
さっきから。
俺が頭の中で考えている事に、つっこんでるよな?
そうだろ?そうだよな?信じられないし、信じたくないがそうなんだな長門?
本当にそうなら『ペガサスファンタジー』って叫んでみろ。
長門「ペガサスファンタジー」
俺はその場で腰を抜かした。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:13:06.65 ID:o6+d4zPNO
谷口「おまっお前はなんなんだ!?何者なんだよ!?」
長門「長門有希」
谷口「名前は知ってるって!そう言う意味じゃねーよ!?」
こいつ人間か?
長門「私は人間では無い」
谷口「ひっ……」
身体中がガクガクと震え出した。
もしかしてこれ、最悪のパターンかよ!?
幽霊とか妖怪とか悪魔とかそう言う類いの
長門「TFEI端末」
谷口「……は?」
長門「宇宙人と解釈して良い。正確にはそうではないが」
てぃー……え?宇宙人?
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:25:15.64 ID:o6+d4zPNO
長門「とりあえず落ち着いて。私は貴方が今、恐れを抱きながら考えている事は一切実行しない」
谷口「…………」
長門「朝倉涼子を孕ませて欲しいだけ」
谷口「……本当か?」
長門「信じて」
今度は、そのまま呟いた。
谷口「……あれですか?地球人の妊娠や胎児の観察とか研究とかその為に」
長門「そうでは無い。そんな事は既に知っている」
谷口「じゃあなんでだ……理由はなんだ……」
長門「先程も伝えた。朝倉涼子は、貴方に好意を抱いている。
彼女の幸福を考えた場合、貴方の子を孕ませる事が一番の幸福と私は判断した」
何故にそうなる。
長門「だめ?」
谷口「駄目って訳じゃ……」
さっきもこの問答したな。あーっ!頭が混乱して来た!宇宙人?孕ませ?宇宙人の家で朝倉とセックス?
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:33:33.75 ID:o6+d4zPNO
現状確認!
マジで大穴でした!だけど騎手は宇宙人だったみたいなっ!?
いいから頭を整理して、心を落ち着かせろ俺。
長門が宇宙人だったのは確かにビビったし、今でも信じられん。
しかしだ。しかしだよ?
朝倉とセックスするのに、何か問題でも?
長門「問題無い」
だよな長門。しかも孕ませ目的だから、生でするんだよな?
長門「射精は膣内で」
谷口「……一つ、聞いていいか長門」
長門「なに」
谷口「レイプとかじゃないよな?和姦だよな?これは絶対だな?」
長門「……多分」
おい。そこは重要だぞ。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:40:23.53 ID:o6+d4zPNO
これは確認しておかなきゃいけんぞ。
谷口「あー……その、なんだ。朝倉は俺に好意を寄せているんだよな?」
長門「そう」
谷口「なんでそんな事がわかったんだ?
朝倉が自分で、そんな事を長門に言ったのか?」
長門「そう」
谷口「なんて言ってたんだ?」
長門「谷口のくっさい包茎ちんぽで犯されたい」
谷口「……は?え?」
長門「谷口のくっさい包茎ちんぽで犯されたい」
……それは冗談ですか?
長門「冗談では無い。朝倉涼子は確かにそう言っていた」
谷口「…………」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:46:00.24 ID:o6+d4zPNO
これって、朝倉が冗談で言った事を真に受けてんじゃ……
長門「違う」
谷口「違うとか言われても、あの朝倉がそんな下品な台詞を言うわけ」
長門「私と性行為をしている時に、朝倉涼子は確かに言った」
谷口「…………」
待て。ちょっと待て。
長門「何を待つ?」
谷口「えーっと、長門さん?私と性行為って言いました?」
長門「それが何か問題でも?」
問題ありすぎだろうよ。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 04:57:34.22 ID:o6+d4zPNO
いつからそういう仲なんデスカ?
長門「もう一年になる。朝倉涼子を調教するのはとても楽しい」
……そういう事ですかい。
谷口「あー……つまり、朝倉は長門が調教してるんだよな?」
長門「そう。私は毎晩、朝倉涼子を」
やべぇ。想像したら勃起して来た。
谷口「それで……その俺にされたいって言ったのはいつだ?」
長門「昨夜」
……現状確認。
朝倉涼子はレズでドMでしたー。
俺に犯されたいと言いましたー。
これってあれですよねー。更なる快感を求めてみたいな?
長門「何か問題でも」
谷口「問題ありすぎ……これ好意じゃないっすよ長門さん……」
なんだよこれ。すっげー敗北感。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:02:57.88 ID:o6+d4zPNO
長門「しかし、それでも貴方が朝倉涼子とセックスするには変わりはない」
そうなんだよな。
長門「貴方は朝倉涼子とセックスをして幸せ。
朝倉涼子は貴方に犯されて幸せ。
私はそれを見て幸せ。
何も問題はない」
そうですね。問題ないっすね。
谷口「……って、見られるのかよ!?」
長門「当然」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:12:23.80 ID:o6+d4zPNO
『谷口に犯されてるっ!長門さんの目の前でっ!』
これか。これを求めてるのか朝倉。
長門「その可能性が一番高い」
谷口「……で、犯されている朝倉を、長門は見たいと」
長門「そう」
谷口「はぁ……」
長門「何故、溜め息を」
谷口「そりゃあ溜め息もつきたくなるわ……」
長門「……朝倉涼子を孕ませたくないの?」
谷口「そう言う訳じゃないが、何て言うか、俺が予想していた事と違うって言うか、斜め上過ぎって言うか……」
長門「強制はしない。貴方がどうしても嫌だと言うなら別の」
谷口「ちょっと待て!いや、待って下さい長門さん!?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:18:10.14 ID:o6+d4zPNO
長門「するの?しないの?」
谷口「しまっす!」
長門「じゃあ今すぐに」
谷口「ちょ、ちょっとだけ気持ちの整理をつかせてくれ」
現状確認。
とりあえずだ。
レズだろうが調教済みだろうが見られようがなんだろうが。
朝倉とセックスできるんだ。
そうだ。
あの朝倉涼子とセックスできるんだ。
中出しOKって言うか中出しを求めている。
谷口「……うっし!」
長門「気持ちの整理はついた?」
谷口「準備オッケーッス長門さん!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:22:35.29 ID:o6+d4zPNO
長門「じゃあ上がって」
谷口「お邪魔しまーっす!」
俺は長門の後についていく。
谷口「えーっと、朝倉はどこに?」
長門「寝室で休んでいる。向こうの部屋」
お休み中ですか。
長門「私が起こす」
リビングを抜けて、寝室の扉が開いた。
谷口「朝倉……」
布団の上で、朝倉は静かに寝息をたてていた。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:29:15.58 ID:o6+d4zPNO
長門「少し待って。今起こす」
谷口「待ちます!いくらでも待ちまっす!」
朝倉とセックス出来るなら、何時間でも何日でも待てるぜ長門さん!
……それにしても、やっぱり可愛いな朝倉涼子……今からそんな朝倉涼子をこの俺が……
長門は静かに眠りについている朝倉の側に行き、拳を固めて思いっきり朝倉の腹部めがけて布団の上からっておいいっ!?
長門「起きて」
ドゴォッ!!
朝倉「げぶぅっ!?」
谷口「ちょっとなにしてんのおおおぉぉぉっ!?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:36:33.70 ID:o6+d4zPNO
朝倉「がはっ……はっ……」
長門「おはよう。朝倉涼子」
朝倉「ふぐっ……おはよ……ございます……長門さん……」
長門「谷口を連れて来た」
朝倉「谷口……君を……?」
苦悶の表情の朝倉と目が合う。
朝倉「おはよう……谷口……くん……」
涙とよだれを垂らしながら、精一杯の笑顔で朝倉は呟いた。
本当に大丈夫かよ、これ。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:43:53.79 ID:o6+d4zPNO
長門「大丈夫」
谷口「いやいや全っ然大丈夫じゃないって」
長門「いつもの事。何も問題はない」
朝倉「そうよ……ゲホッ……問題ないわ……」
さいですか。
谷口「えっと、それで」
長門「来て」
来ます!今すぐに!
俺は朝倉の側に駆け寄った!
朝倉は、まだゲホゲホと咳き込んでいた。
これが朝の挨拶なのか?えらいハードだな……そういや毎晩調教してるって言ってたな。
まさか身体中、痣だらけとか……?ちょっとそれは萎えるかも……。
朝倉の身体は、布団に隠れて見えない。首から上は綺麗だが、この分だと下はどうなっているのか想像もつかねぇ。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 05:53:06.64 ID:o6+d4zPNO
長門「アザはない」
本当かよ。今思いっきり布団の上から殴ったじゃねぇか。
朝倉「谷口君……」
谷口「は、はい!なんでしょうか朝倉さん!?」
なんで敬語だ俺。
朝倉「今日は……今日は涼子をいっぱい汚してね……」
頬を赤くしながら、朝倉は呟いた。すいません。もう射精寸前でっす。
長門「それは駄目。射精は膣内で」
谷口「例えっすよ長門さん……」
長門「とりあえず脱いで」
……今脱ぐのか?何だか恥ずかしいな……しかし、ここで恥ずかしがって行動しない奴は男じゃねぇ!
俺は急いで全裸になるべく、服を脱ぎ始めた。今までの人生で、これほどまでに全裸になりたいと思った事はないだろうよ。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:02:03.65 ID:o6+d4zPNO
谷口「脱ぎましたっ!」
全裸の俺!フル勃起!全然恥ずかしくなんかないね!
長門「ふむ」
あ?包茎馬鹿にすんなよ!?
朝倉「谷口君……」
で、どうするんだ?そのまま襲っていいんすか?もう我慢できねえって!!
長門「待って」
谷口「今さらなにを!?」
長門「そのまま朝倉涼子の口に」
口に口に口に何をするんすかすかすか
朝倉「谷口君……はぁ……涼子のお口を汚して……」
朝倉はゆっくりと小さな口を開いて、舌を出してって朝倉ああああああああぁぁぁっ!?
長門「気をつけて。射精は必ず膣内で」
なんか自称宇宙人が言ってるが聞こえませんから!
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:10:30.51 ID:o6+d4zPNO
朝倉の枕元で何故か正座!
朝倉は布団に入ったまま、首だけ横に動かした。
朝倉「このまま……ゆっくり……涼子のお口に……」
谷口「は、はいっ!」
俺は朝倉の口に、自分の物を近付けた。
朝倉「はぁ……すっごい匂い……」
谷口「朝倉……」
朝倉は俺の物の匂いを堪能した後、舌をつき出し
谷口「うっ!」
朝倉「んっ……ふっ……」
ぴちゃぴちゃと音をたてて、朝倉が俺の物を器用に舐め始めた。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:17:21.14 ID:o6+d4zPNO
朝倉「はぁ……んっ」
谷口「ううっ!?」
舌をどんどん絡めていく朝倉……そんな……皮の中まで……
朝倉「はぁっ……すっごいちんかすぅ……んくっ……谷口君のちんかすおいし……んむっ」
そのまま、くわえこむ朝倉。
朝倉「んむっ……んぐっ……」
くわえこみながら、舌を思いっきり動かしてもう大変な事にっ!?
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:36:18.29 ID:o6+d4zPNO
器用に舌と口だけを使う朝倉。手は使わないのか?
もしかして、布団の中では、縄で縛られでもしているのだろうか?毎晩調教とか言ってるしな。
多分そうだろうな……そんな事よりやばいっ!もう限界っす!
谷口「朝倉……もうっ」
朝倉「ぷあっ……駄目よぉ、谷口君……だめぇ……射精は、涼子のおまんこの中でぇ……涼子の子宮にいっぱい射精してぇ……」
谷口「朝倉ぁっ!!」
俺は布団をはぎ取った!
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:41:43.57 ID:o6+d4zPNO
谷口「……え?」
朝倉「そんなに見ないでぇ……恥ずかしいからぁ……」
朝倉は。
縄で縛られてはいなかった。
痣のない、綺麗で真っ白な身体。
長門「クスクス……」
朝倉「たにぐちくぅん……りょおこはこんなからだだからうまくできないのぉ……だから、たにぐちくんがしたいようにしてぇ……りょおこをめちゃくちゃにしてぇ……おねがい、おねがいはやくぅ……」
笑顔で朝倉は呟いた。
四肢の無い身体で。
長門「クスクス……」
朝倉「たにぐちくぅん……おちんぽはやくぅ……りょおこのおまんにぃ……いっぱいいっぱいせいしちょうらぁいっ!?」
谷口「あ……あぁ……」
朝倉「はらませてぇ!りょおこをたにぐちくんがはらますのぉ!?はらますまでせいしをしきゅうにちょうらぁいっ!?はやくぅ!はやくぅ!
はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく
たぁにぃぐぅちぃくぅん はやくぅ りょおこにちょうらぁい」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:48:14.57 ID:o6+d4zPNO
朝倉「はやくはやくはやくおちんぽりょおこにちょうらいよぉ!?」
谷口「ひっ……」
長門「どうしたの?何故しないの?」
谷口「長門……なんだよ……なんだよこれ……」
長門「朝倉涼子が待っている。はやく」
朝倉「はやくぅ!?くっさいおせいしはやくぅ!?りょおこをはらませぇ!?」
……げんっ、現状確認!
してる場合か逃げろ!?いや待てマジで落ち着け相手は朝倉の四肢を切断して調教するようなキチガイ宇宙人!?
落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け
目の前の現実をもう一度確認しろ俺!
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 06:54:14.49 ID:o6+d4zPNO
長門は俺に朝倉を孕ませてと言いました!
これは異論はない。
朝倉は四肢がありませんでした!だるま!
これはフォロー不可!
長門「谷口」
谷口「ひいっ」
長門が後ろから、俺の両肩に手を置いた。
長門「何故勃起していないのか」
無理っすよ長門さん!
朝倉「はやくふぅんっ!たにぐちくぅんっ!?」
長門「朝倉涼子はいまかいまかと待っている」
見ればわかります。よだれを撒き散らしながら叫んでますから。
長門「勃起させて。はやく朝倉涼子を孕ませて」
勃起させろと言われてもなぁ……無理っすよこれは。いやマジで。
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 07:00:56.97 ID:o6+d4zPNO
長門「どうして」
どうしてって長門さん。俺が、長門さんと朝倉さんの領域まで達していないからですわ。
朝倉がフェラしてくれた時までは、射精寸前だったんすけど
長門「フェラがいいの?」
そういう意味じゃなくて長門さん。いや、確かに気持ち良かっ……!?
長門「んむっ」
谷口「ちょっと長門さんっ!?」
なにいきなりくわえ……ううっ!?
長門「んぐっ、んぐっ」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 07:07:03.17 ID:o6+d4zPNO
長門「ふぁ……気持ちいい?」
気持ちいいか悪いかで言えば、すっごく気持ちいいです。はい。
長門「んふ……ちゅううっ」
吸っちゃらめっ!?
朝倉「やあああぁっ!?ながとさんずるいっ!?たにぐちくんのおちんぽ、りょおこのなのにいっ!?ずるいずるいずるいずるいずるいずるいいぃっ!ながとさんのばかぁ!!」
朝倉は手足をバタバタとさせ……違う。身体中を動かして泣き叫んだ。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 07:45:29.04 ID:o6+d4zPNO
長門のフェラで、俺の物は元気を取り戻してしまった。
長門「ぷあっ……さあ、はやくいれて」
出来ればここはお前に入れたい長門。
長門「……朝倉涼子を孕ませたら、考える」
マジすか。
朝倉「やだあっ!?やぁらあっ!?ながとさんのばかぁ!!」
長門「落ち着いて朝倉涼子。準備をしただけ」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 07:47:45.26 ID:o6+d4zPNO
朝倉「そんなこといってぇ!たにぐちくんのおちんぽをりょおこからうばっ……んんっ!?」
長門「んっ……ちゅっ……」
朝倉「んんっ……ながとさ……んちゅっ……ふぁっ……んむっ……ばかぁ……ばかぁ」
谷口「うあ……」
長門と朝倉の美少女同士のディープなキス!?
二人とも舌をたっぷり絡めて、ぴちゃぴちゃいやらしい音をたて、唾液が糸を引いて……
長門「んっ……谷口……はやく」
朝倉「あんっ……あっ……ながとさぁん……」
目の前の光景を見て元気を取り戻すどころか、はちきれんばかりに勃起した。
朝倉の四肢がなかろうが、今の俺には関係ねぇ!?
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 07:56:11.77 ID:o6+d4zPNO
俺は朝倉の秘部を確認する。
これが濡れ濡れ状態ってやつか?AVでもエロ画像でも、こんな愛液まみれの見た事ねぇ。
長門「入れる場所はここ」
朝倉「あんんっ!ひらかないでぇ!?ぜんぶたにぐちくんにみられちゃうからぁ!?」
長門は、朝倉のびらびらを指で開いた。
実際見るのは初めてだ……なんかひくひくとしてる。
長門「さぁ、谷口」
谷口「朝倉……入れるぞ」
朝倉「はいっ!はいいっ!!たにぐちくぅんっ!!
りょおこのいやらしいおまんこをっ!たにぐちくんのおちんぽでいっぱいいじめてぇ!?」
よだれを撒き散らしながら、笑顔で叫ぶダルマみたいな朝倉涼子。
俺は、長門の気持ちが少しわかったような気がした。
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 08:08:07.11 ID:o6+d4zPNO
ゆっくりと手を添えて……
『左手は添えるだけ』
いかんいかん!そんな事は考えちゃ駄目だ!目の前の朝倉に集中しろ!
朝倉「たにぐちくぅん……はやくりょおこをおかしてぇ……おちんぽでいっぱいめちゃくちゃにぃ」
了解涼子。
くちゅっ
朝倉「ああんっ!はいるっ!おちんぽはいるぅ!?たにぐちくんのおちんぽはいるぅ!?」
長門「ヒット……ラ……クスッ」
ちょっと黙ってろよ長門。よし、このまま一気に……
ずぷっ
朝倉「うああっ!?はいってくるぅ!?あああんっ!!りょおこのおまんこたにぐちくんのおちんぽがはいってぇ!?」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 08:09:52.16 ID:o6+d4zPNO
谷口「きつっ……」
ずぷぷっ
朝倉「はいってるうっ!おちんぽがはいってくるぅ!ながとさんみてぇ!りょおこのいやらしいおまんこみてぇ!おちんぽくわえてるぅ!!りょおこのおまんこがたにぐちくんのおちんぽぉ!?」
長門「しっかり見てる」
朝倉「みてぇ!いっぱいみてぇ!?りょおこがたにぐちくんにけがされるのをいっぱいみてえええええぇぇぇぇっ!?」
谷口「くうっ」
ずぷんっ
朝倉「ああっ!ぜんぶっ!りょおこのおまんこにぜんぶはいったあっ!!ああんっ!!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 08:23:35.37 ID:o6+d4zPNO
続きは一時間後!残ってたら!
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 09:35:56.88 ID:o6+d4zPNO
朝倉の膣内に、根元までずっぽりと入った。さようなら我が純潔。
朝倉「いじめてぇ!?はやくぅ!?りょおこのおまんこいじめてよぉっ!!」
腰を動かせばいいのか……うあっ!?
朝倉「あんあぁぁっ!?きもちっ……ひあぁっ!!いいよぉっ!!おちんぽきめちいいよぉ!!うごいてぇ!?もっとうごいてぇ!?りょうこをめちゃめちゃにしてえええぇぇっ!?」
谷口「うっ……くっ」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 09:43:50.46 ID:o6+d4zPNO
長門「谷口。朝倉涼子の言う通りに」
谷口「あ、ああ」
俺は繋がったまま、朝倉を抱き抱えた。
朝倉「ひううんっ!?おくうっ!?たにぐちくんのおちんぽがおくまできてるぅ!!」
谷口「朝倉……」
そのまま朝倉の身体を抱き締めるよいに固定して、腰を思いっきり動かした。
朝倉「あひっ!?すごいぃっ!?すごいひぃ!!おちんぽぉ!!たにぐちおちんぽぉ!!あんっ!!ひああぁぁっ!?」
谷口「朝倉……朝倉……」
朝倉「りょうこぉ!!りょうこってよんでぇ!?りょうこってよんでよぉ!?たにぐちっ!あんっ!たにぐちぃっ!!」
谷口「涼……子……涼子っ!」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 09:58:24.85 ID:o6+d4zPNO
朝倉「ああっ!?たにぐちぃ!たにぐちぃ!!んっ!んんっ!!」
谷口「んむっ……」
涼子の舌が、唾液が、俺の中に入ってくる。
朝倉「んあっ……はぁ!たにぐちっ!たにぐちぃ!?もうだめっ!だめえっ!?りょうこいっちゃうっ!?ああんっ!りょうこいっちゃうよぉ!?たにぐちのおちんぽでりょうこいっちゃうのぉ!?」
谷口「俺も……俺ももうっ!」
朝倉「ああったにぐちっ!あんっ!いっしょにっ!いっしょにいっ!?りょうこにだしてぇっ!りょうこにいっぱいせいしだしてぇ!?りょうこをたにぐちでいっぱいにしてぇ!?」
谷口「出すぞ涼子っ!」
朝倉「だしてだしてだしてだしてぇんっ!!りょうこのおまんけにぃ!!はらみたいのぉ!?ひあっ!たにぐちのこどもはらみたいからぁ!!あんっ!だからいっぱいりょうこにぃっ!?」
谷口「うっ……くうっ」
朝倉「いくっ!りょうこいっちゃうっ!?いっちゃうからぁ!?」
谷口「涼子っ!!」
びゅくっ
朝倉「あひっ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:06:52.59 ID:o6+d4zPNO
谷口「はぁっ……はあっ……」
朝倉「んんっ……すごいいぃ……たにぐちでいっぱいだよぉ……」
谷口「涼子……」
長門「二人ともそのまま」
谷口「長門……?」
長門「二回戦に突入して」
思いっきり出したから、それ無理。
朝倉「谷口……谷口が満足するまで……私は大丈夫だから……」
前言撤回。
俺は朝倉……いや、涼子に口付けをし、そのまま腰を動かし始めた。
朝倉「谷口……谷口っ……!」
俺はもう。
涼子の事しか考えられなくなるのだろう。
それもアリ……か。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:18:08.83 ID:o6+d4zPNO
俺は二回戦どころか、一晩中涼子を抱いた。
何度も何度も何度も何度も
朝倉「谷口……谷口……」
俺はもう、涼子から離れられないだろう。
そうだ。子供が出来る前に結婚しよう。
結婚式には、キョンや国木田や涼宮達も呼ぼう。
涼子の身体を考えて、小さな、けれど祝福に満ち溢れた結婚式にしよう。
谷口涼子。いいじゃないか。谷とか亮子とか言いたい奴は言えばいい。
涼子は涼子だ。
俺だけの、俺だけの可愛い涼子だ。
これだけは何があっても絶対に変わらん。変わらない。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:26:00.01 ID:o6+d4zPNO
もう何度目かもわからない膣内射精の後、俺は涼子をそのまま抱き締めて……眠りについた。
………
……
…
長門「谷口。起きて」
谷口「うー……あと五分寝かせてくれ……」
長門「起きて」
ドゴォッ!!
谷口「げふうっ!?」
穴が開くんじゃないかと思うぐらいの衝撃を腹部に受け、俺は強制的に起こされた。
長門「おはよう」
谷口「げふっ……おはよ……ぐふっ」
いつの間にか、朝を迎えていた。
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:41:11.14 ID:o6+d4zPNO
谷口「ゲホッ……頼むから普通に起こしてくれよ……」
長門「そろそろ準備して」
谷「何の準備だよ」
長門「学校」
谷口「…………」
そんなに学校が大事なのかお前は。皆勤賞でも狙っているのかよ。
谷口「俺はパス。今日はサボるわ」
長門「……そう」
谷口「つーっわけで、ちょっとこの部屋で休んでていいか?」
我ながら図々しい奴だと思う。
だが、今は隣で寝ている涼子と一秒でも長くいたい。
長門「……わかった」
いよしっ!
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:45:28.90 ID:o6+d4zPNO
長門「鍵は置いておく。一休みしたら帰って」
谷口「了解っす!」
長門「じゃあ、私は学校に行くから」
谷口「いってらっしゃーいっ!」
長門は、そのまま部屋から出ていった。
そういや、ずっと制服だったよな……風呂入ってんのか?
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:56:28.64 ID:o6+d4zPNO
朝倉「ん……ふにゃ……あれ……?」
谷口「おはよう涼子」
長門が出ていってから暫くして、涼子はゆっくり目を覚ました。
朝倉「おはよう谷口君……長門さんは……?」
谷口「学校行ったぜ」
朝倉「学校……んっ」
谷口「どうした涼子?大丈夫か!?」
朝倉「大丈夫……谷口君のが、まだ残ってたみたい……」
恥ずかしそうに涼子は呟いた……涼子……涼子おおおおおおぉぉぉっっ!?
がばっ
朝倉「あんっ……ちょっと待ってよ谷口君……ああっ!?」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 10:58:47.42 ID:o6+d4zPNO
昼飯食ってくる
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 12:27:02.20 ID:o6+d4zPNO
谷口「好きだっ!好きだ涼子っ!?」
朝倉「ちょっと待っててばっ!?今は駄目っ!?」
少し怒気のこもった朝倉の声に、俺は我に返った。
谷口「す、すまん涼子っ!」
朝倉「もうっ……いきなりは嫌よう。それに……その……」
涼子は顔を赤らめ、もじもじしながら呟いた。
朝倉「シャワーとか……トイレに行ってから……」
谷口「……あ」
そうか。だから長門はすんなり俺を部屋に残したのか。
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 12:35:33.15 ID:o6+d4zPNO
朝倉「谷口君……手伝って?」
谷口「わ、わかった」
良く見渡せば、寝室の角にはオムツが一式揃えられている。
谷口「オムツ……どうやるんだっけ?」
朝倉「あ、オムツはいいわよ。谷口君……トイレまで連れていってくれるかしら?」
あ、そうだよな。俺がいるんだからわざわざオムツをはかなくても、トイレに抱き抱えて連れていけば……連れていってどうするんだ?
朝倉「谷口君……見ちゃやだから。終わるまで目を閉じとくって約束してくれる?」
谷口「……あ、ああ」
約束を守れる自信が全くないまま、俺は涼子を優しく抱き上げてトイレに向かった。
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 12:48:46.63 ID:o6+d4zPNO
長門の部屋のトイレは、何の変哲もない洋式トイレだった。
谷口「ええっと」
朝倉「そのまま座らせて……」
俺は涼子を便座に座らせた。
朝倉「少し、私を押さえててね谷口君。絶対見ちゃ駄目よ?」
谷口「わ、わかってるさ。俺はそこまで変態じゃない」
嘘です。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 12:49:29.99 ID:o6+d4zPNO
先ずは涼子に言われた通りに、排泄しやすい形に体勢を整え、ゆっくりと目を閉じた。
谷口「これで大丈夫か?」
朝倉「うん……大丈夫……谷口君、絶対見ちゃ駄目よ?」
谷口「わかってるって。ほら、しっかり目を閉じてるだろ?」
朝倉「絶対、絶対よ?」
谷口「大丈夫だって。下を向いてるから」
朝倉「……うん……絶対よ……」
谷口「…………」
暫く静寂が続き……
朝倉が微かに息を吐いた。
朝倉「んっ……」
チョロッ……
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 13:18:50.98 ID:o6+d4zPNO
ジョロロロ……っと、おしっこの音を聞きながら、俺は目を開いて顔を上げた。
谷口「すまん涼子……」
朝倉「ちょっ……やだぁっ!?なんで見るのよばかぁっ!?約束したじゃないぃっ!?」
谷口「うむ」
朝倉「うむ、じゃないわよばかぁっ!?見ないでっ!見ないでよぉっ!?」
涼子は顔を真っ赤にしながら叫んだ。そして……。
ジョロッ……
谷口「あれ?」
朝倉「はやっ、はやく目を閉じてよばかぁ!?」
おしっこを止めたな涼子。だがまだ甘い。
朝倉「ひうっ!?やっ……やめっ……いじっちゃやああっ!?」
おしっこを我慢している涼子のクリトリスを、優しく指で弄ぶ。
朝倉「だめっ……谷口っ……だめってばぁ……」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 13:22:32.05 ID:o6+d4zPNO
涼子の身体が、ガクガクと震えだす。
朝倉「お願いっ……あんっ……やめてぇ……」
谷口「見たいんだ」
朝倉「ああっ……あっ……」
谷口「涼子の恥ずかしいところを、全部見たいんだよ俺は」
朝倉「はぁ……あっ……谷口の……ばかぁ……んんっ……ばかぁ……」
ジョロロロッ……
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 13:30:53.07 ID:o6+d4zPNO
谷口「涼子……」
朝倉「ばかぁ……谷口のばかぁ……」
涼子は、おしっこを俺に見られている間、ずっとバカバカ呟いていた。
ジョロッ……ロ……ッ
朝倉「んっ……もうっ……谷口のばかぁっ!?」
どうやら、おしっこは終わったようだ。
谷口「こっちは大丈夫か?」
朝倉「やっ、だめっ……そこは本当にだめぇっ!?」
俺は、涼子のアナルに指を押し付けた。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 14:05:02.38 ID:o6+d4zPNO
朝倉「だめっ……ひうっ!?」
ずぷっ
小指の先端を涼子のアナルに入れ、ゆっくり、優しく弄ぶ。
谷口「我慢しなくていいんだぞ」
朝倉「そこはだめぇっ!?抜いてっ……抜いてよぉ!?」
ぬぷっぬぷっとゆっくり小指を上下に動かす。少しずつ。奥深くに入れていく。
朝倉「だめぇっ……谷口抜いてよぉ!?」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 14:34:08.31 ID:o6+d4zPNO
谷口「本当はしたいんだろ?隠さなくていい。指に当たっているから」
朝倉「いやぁ!?言わないでよぉ!?」
谷口「出すんだ涼子。しっかり見てやるから」
朝倉「ひううっ!?」
少し緩くなった涼子の直腸に、薬指滑りこませた。
朝倉「ああっ!?そんなにっ!?そんなにお尻いぢめちゃ我慢できないからぁ!?」
谷口「我慢しなくていいんだ」
二本の指を、直腸の中で思いっきり暴れさせた。
朝倉「あああっ!?ゆるしっ……あひっ!?だめぇっ!?だめぇでちゃうぅっ!?みないでっ!谷口みないでぇっ!?やだぁっ!でちゃうぅっ!!もうやっだめっもうだめえええええぇぇっ!?」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 14:44:07.06 ID:o6+d4zPNO
むりゅりゅりゅ
朝倉「ああっ!?あっ!やだああああっ!?」
谷口「どうだ?うんち出しているとこを見られて……」
朝倉「いやぁっ!ああっ!?言わないでよぉ!!」
谷口「どんどん出て来てるよ涼子……」
朝倉「いやっ!?いやぁっ!?谷口のばかぁ!!へんたいぃ!?」
谷口「ああ、否定はしない。その変態に、うんち出しているとこを見られている気分はどうだ?」
朝倉「ばかぁ!谷口のばかぁ!!ううっ……くふうんっ!?」
谷口「ほら、全部出すんだ」
朝倉「やあっ!お尻いぢめちゃやらあっ!?谷口っ!たにくぢぃ!?やああああああぁぁんっ!!」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 14:56:01.47 ID:o6+d4zPNO
朝倉「ぐすっ……ばかぁ……谷口の変態っ……」
俺の見ている前で大量の便を出した涼子は、涙声でそう呟いた。
谷口「……すまん。欲望を抑えられなかった」
朝倉「ううっ……はやく流してよぉ……」
本当は涼子をそのまま抱え上げ、排泄した自らの便を間近で見せながらアナルセックスをしたいところだったが流石に我慢した。
楽しみは後で取っておこう。
俺は涼子のお尻を綺麗に拭き、水を流した。
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 15:03:16.31 ID:o6+d4zPNO
俺は涼子を抱き上げて、そのまま浴室に向かった。
谷口「さっきは……本当に悪かった」
朝倉「もう、知らないっ」
谷口「そう怒るなよ涼子……反省してるからさ」
朝倉「……もう、あんな事しない?」
谷口「しないしない。約束する」
朝倉「さっきもそう言って、約束守らなかったじゃない」
すいません
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 15:36:42.57 ID:o6+d4zPNO
朝倉「口先だけの人って、私嫌いよ」
谷口「…………」
朝倉「わかる?谷口君には、そういう人になって欲しくないの」
谷口「……涼子。わかったよ。もうあんな事は無理矢理しない。絶対だ。約束する」
朝倉「……絶対に?」
谷口「絶対だ」
涼子は少し考えるように瞳を閉じ
朝倉「……うん。わかった。今回は大目に見てあげる」
……涼子の許しを得て、心の底から安堵している自分に気付く。
ヤバいなこれは。俺は本気で……。
朝倉「でも、でもね谷口」
谷口「ん?どうした?」
朝倉「……ちょっとだけ……本当にちょっとだけ……谷口に見られて私……興奮しちゃった」
谷口「……涼子」
朝倉「本当に、本当にちょっとだけだからねっ!?」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 15:52:38.76 ID:o6+d4zPNO
顔を真っ赤にして、うつむきながら涼子はそう言った。
なんて……なんて可愛いんだ朝倉涼子……。
朝倉「だから、次は……んんっ?」
俺はたまらず、涼子に口づけをした。
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 15:53:26.51 ID:o6+d4zPNO
朝倉「んっ……谷口っ……ふあっ……」
谷口「はぁっ……涼子……」
舌を絡めながら、涼子の身体を優しく指でなぞっていく。
朝倉「あっ……はぁ……んっ……」
涼子、涼子、涼子、涼子、涼子、涼子、涼子、涼子、涼子
朝倉「あんっ……待って……待って谷口ぃ……」
谷口「涼子……もう俺……」
朝倉「うん……でも、せっかくだから……ね、
涼子のお尻を、思いっきりいぢめてぇ
谷口のおちんぽでぇ……あんっ……りょうこのお尻をめちゃめちゃにしてぇ」
決めた決めた。決めました。もう決定しました。
男、谷口。
一生朝倉涼子を離さないっ!離すもんか!?絶対離さねーからっ!!
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 16:02:26.25 ID:o6+d4zPNO
………
……
…
シャワーを浴びる前に、涼子の直腸を充分に堪能して、たっぷりと奥深くに放出。
その後シャワーを浴びながら、涼子の鼻をつまんで味あわせるように口内に放出。
それから涼子の身体を綺麗に洗ってやりながら、二回膣内に放出した後、腰が抜けそうな快感のまま俺は涼子と一緒に湯船に浸かった。
省略し過ぎ?何の話だ。
谷口「ふぃーっ……」
朝倉「うふふ……私、こうやって誰かと湯船に浸かるの、したかったの」
谷口「長門とは入らないのか?」
朝倉「うん……長門さん、シャワーを浴びたら直ぐに出るから」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 16:08:43.31 ID:o6+d4zPNO
谷口「……なぁ、涼子。その……なんだ。聞いてもいいか?」
朝倉「……身体の……事?」
谷口「ん、いや、まぁ……嫌なら無理に言わなくていい」
朝倉「最初っから、こうだったの」
谷口「……え?」
朝倉「ねぇ、谷口君。ちょっと聞いてくれるかしら。信じられないかも知れないけど、私……」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 16:21:17.30 ID:o6+d4zPNO
涼子の口から語られた内容は、とても信じられない内容だった。
自分と長門が、遠い宇宙に存在する情報統合思念体から遣わされた事。
ある目的の為に(これは言えないらしい)長門と敵対した事。
それは、一年前のあの日だ。俺が教室に忘れ物を取りに行った時、キョンが長門を介抱してたのを目撃した日だ。
その時に確かに存在を抹消されたはずだが……目覚めた時にはもう、四肢が無い今の状態で長門の部屋にいたらしい。
朝倉「多分……長門さんの性的欲求を満たす為だけに、私は復元されたんだと思うの。抵抗力の全く無い、不完全な姿で」
谷口「…………」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 16:37:37.82 ID:o6+d4zPNO
朝倉「それでね、毎晩長門さんに調教されて……まぁ、こういう人生もありかなぁなんて思ってたんだけど」
いや、それは無い。
朝倉「長門さん、自分の性的欲求を満たすだけで、全然優しくなかった……」
これなんて昼ドラ?
朝倉「それで、寂しくなって……谷口君、怒らないで聞いてくれる?」
なーんか嫌な予感。
朝倉「最初は、誰でも良かったの。でもこんな身体だし、私を抱いてくれる男の人って谷口君ぐらいしか……って、谷口君!?」
谷口「うっ……ぐふっ……」
泣いた。泣いてしまった。
どーせこんな事だろうと思ってたよちっくしょーっ!!
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 17:29:20.22 ID:o6+d4zPNO
朝倉「違うのっ!最初はそうだったけど、今は私、谷口君の事……」
谷口「へ?」
朝倉「えっと、その……」
涼子は、恥ずかしそうに真っ赤になってうつむいた。
朝倉「今は、その、そういう気持ちで谷口君の事見てないから……」
谷口「涼子……」
朝倉「……そろそろ、あがろっか」
谷口「……あぁ」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 17:34:21.34 ID:o6+d4zPNO
俺は涼子と風呂からあがり、身体を綺麗に拭いてあげた。
谷口「えっと服は……」
朝倉「あ、そっちの部屋に下着と制服があるから」
谷口「……なぁ涼子」
朝倉「ん?」
谷口「制服しかないのか?」
朝倉「うん……長門さん、制服しか持ってないの」
谷口「今度、買ってやるよ」
朝倉「本当に?」
谷口「あぁ、約束だ。さあ、髪を乾かそう」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 17:35:01.41 ID:o6+d4zPNO
>>174
こんな感じ
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 17:50:01.63 ID:o6+d4zPNO
涼子の髪を乾かしながら、俺はある決意をしていた。
涼子を、ここから連れ出そう。
どこか遠くで一緒暮らそう。
こんな所からは、一刻も早く出ていかなきゃ駄目だ。
朝倉「……さっきの話なんだけどね」
谷口「ん?」
朝倉「私ね、谷口君の事……好きだよ」
谷口「涼子……」
朝倉「1日抱かれたぐらいで何を言っているんだとか、思われるかも知れないけど」
谷口「そんな事は思わないさっ!?俺だって、今日1日で涼子の事をっ!」
朝倉「うふふ……嘘でも嬉しいなぁ」
嘘じゃない。嘘じゃないぞ涼子!
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:00:52.74 ID:o6+d4zPNO
朝倉「笑わないで聞いてくれる?
私ね、谷口君と話したり、にえっちな事をされる度に……心の真ん中辺りが、あったかくなっていくのを感じるの。今だってそう」
谷口「涼子……」
朝倉「長門さんと一緒にいる時は、そんな物は全く感じなかったわ。あるのは冷たさだけ。
それが当たり前だと思ってたの。
でも、昨日から谷口君が私を抱く度に、谷口君と会話する度に、伝わってくるのよ……谷口君から、あったかい何かが」
朝倉「それはとっても心地よいの。それを感じるだけで、今まで体験した事の無い幸福感に満たされる。
きっとこれが、人を好きになるって事なんだと……まぁ、私が勝手に解釈してるだけなんだけどね」
谷口「涼子!」
俺は涼子を抱き締めて、呟いた。
谷口「一緒にここから逃げよう。一緒に、俺と一緒に!!」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:13:13.00 ID:o6+d4zPNO
朝倉「……ありがとう谷口……すっごくうれしいわ……けど」
谷口「けど何だよっ!?」
朝倉「それ無理よ……長門さんからは」
谷口「俺が絶対逃げきってやるっ!」
朝倉「谷口……」
谷口「長門が宇宙人だろうが何だろうが、絶対に逃げきって涼子を幸せにするっ!」
谷口「方法はいくらでもあるはずだ。どこか遠くで落ち着いたら、キョンに全て話す。長門はキョンや涼宮に何故か逆らえないようだからな。何か弱みがあるに決まっている」
朝倉「…………」
谷口「涼子、長門が学校に行っている今が好機だ。一緒に行くぞ!」
朝倉「学校は……どうするの?」
谷口「んな物知るか」
朝倉「家族は……両親は?」
谷口「数ヶ月ぐらい俺がいなくなったって問題ねーよ!落ち着いたら……涼子の事を報告はするがな」
朝倉「谷口……」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:22:40.10 ID:o6+d4zPNO
朝倉「本当に……私の為にそんな」
谷口「涼子……俺について来てくれ!一緒になろうっ!」
朝倉「……はいっ!」
涼子は、涙を流しながら笑顔で返事をしてくれた。
長門がなんだ。宇宙人がなんだ。俺は絶対に涼子を幸せにしてやる。してやるぞーっ!!
朝倉「谷口……唇を」
谷口「涼子……」
俺は涼子に優しくキスを……かぷっ
かぷっ?
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:35:29.28 ID:o6+d4zPNO
涼子は俺の下唇に、歯をたてて軽く噛み付いた。
谷口「んむっ……?」
朝倉「んっ……ぷあっ……谷口、今度は私の唇を噛んで」
俺は言われるがまま、涼子の下唇を甘噛みした。
何の儀式だ?
朝倉「んっ……もう大丈夫。これでOKよ」
谷口「これに、何か意味はあるのか?」
朝倉「対情報操作用遮蔽スクリーンと、防護フィールド……私の中にあった最後の力」
谷口「ええっと、つまり?」
朝倉「暫くは、長門さんから逃げられるって事♪」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:54:20.85 ID:o6+d4zPNO
何だか良くわからないが、朝倉が言うならそうなのだろう。
俺は急いで着替え、涼子をバスタオルでくるんだ。
谷口「よしっ。これで……」
朝倉「谷口待って!あそこ、あそこの押し入れ!」
涼子の言う押し入れを開く。そこには……
谷口「うあ……なんじゃこりゃ」
押し入れ一杯に、札束が無造作に積まれていた。
朝倉「逃避行にはお金は必要よ。全部って言いたいトコだけど……」
そんなに持てねーよ。
俺は適当に置いてあったカバンに札束を詰め込んだ。
谷口「これぐらいでいいか……さぁ、行こう涼子」
朝倉「谷口……絶対幸せになろうね」
谷口「あぁ、絶対にな。約束だ!」
朝倉「ええ、約束ね!」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 18:55:29.61 ID:o6+d4zPNO
こうして、俺は涼子を連れて部屋から飛び出した。
行き先は決まっていない。
これから何が待っているのか、全く予想がつかない。
しかし、確固たる自信だけはある。
人には笑われるかも知れない。
だけど、俺は胸を張って言える。
「涼子さえ、一緒にいればいい」
そう。
涼子さえ。
涼子さえ一緒にいれば。
俺は幸せなんだ。
こればっかりは誰にも文句は言わせねーよ。
201 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/26(月) 18:57:19.10 ID:o6+d4zPNO
第一部完
暇なんで、暫くして残ってたら第二部開始ー多分蛇足になる
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 19:22:52.63 ID:o6+d4zPNO
………
……
…
「ふあっ……あー……眠ぃ……」
当初は呆れるぐらい長く、まるで苦行でもしてから授業を受けろと言わんばかりのこの長い坂道にも、たった一年でのんびりアクビをしながら歩いて登校出来るぐらいに順応した高校二年の春。
俺自身は何一つ変わっちゃいないが、たった一つだけ。
そう、たった一つだけ一年前と変わった事がある。
「おはよう、キョン」
「おう、おはよう国木田」
去年と比べ、国木田と一緒に登校する機会が増えた。
谷口が行方不明になった、1ヶ月前から。
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 19:34:17.41 ID:o6+d4zPNO
谷口が、突然行方不明になったのは今から約1ヶ月前。
最後に姿を確認したのは、国木田だった。
「急に呼び出されてよ……誰にだって?まぁ後のお楽しみって事だ!」
これが、谷口の最後の台詞。いやいや最後って訳ではないが。
何と言うか……谷口って名前を正に表すような台詞を残し、校舎裏に消え、そしてそのままいなくなった。
警察が捜査するも、手掛かりは一切無し。まぁ警察の捜査なんて、あてになるかならないのか微妙なトコだが。
まぁその内にひょっこり現れて
「いやぁ。すまんすまん。迷惑かけちまったな!ちょっと……愛を探しに行ってたのさ!」
なーんて言い出すだろうと軽く考えていたが、既に1ヶ月。家族にも連絡は無し。
日に日に、国木田の落ち込む顔が増えて行った。
本当に何をしてんだアイツは……
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 19:50:08.33 ID:o6+d4zPNO
キョン「うーっす」
ハルヒ「早いわねぇキョン。今日は国木田と一緒に登校って訳ね」
キョン「まぁな」
国木田と登校の待ち合わせをする事によって、普段より余裕を持って教室に入る事が出来た。
ハルヒ「一人で行動する時も、この調子だといいんだけどねー。
特に週末不思議探索とか?」
イヤミったらしく最後の一文を強調したハルヒの言葉をはいはいと聞き流し、俺は着席した。
ふと、教室の隅に目を写す。
谷口の机が、逆向きに置いてある。中には無造作に置かれた教科書やノートや答案用紙。
本当にどこで何をしてんだ谷口……。
ハルヒ「ねぇキョン!ねぇってばっ!?」
キョン「うお。なんだ急に?耳元で叫ぶなっ!?」
ハルヒ「ぼーっとしてるキョンが悪いっ!」
何だよそれは
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 20:05:32.63 ID:o6+d4zPNO
キョン「で、なんの用だ。朝から重大な話しでもあるのか団長殿」
ハルヒ「重大も重大よ!ね、聞いた?昨夜の光陽園駅前公園の、カップル変死事件!」
キョン「光陽園駅前公園……なんだその、カップル変死事件とやらは」
ハルヒ「私も聞いただけなんだけどね」
キョン「誰からだよ」
ハルヒ「あそこ」
ハルヒが親指をさした方向は、授業開始前や休み時間に、中心人物の周囲に集まってペチャクチャお喋りをする女子の一派だった。まぁ、これが一般的であると言えばそうなのだが。
ハルヒ「みんな知ってるみたいよ。その話題で持ちきりみたい」
確かに、耳をすませば、光陽園駅前やら殺人やら心中やらまだ高校生やらダルマやら話しているのがわかる。
……ダルマ?なんだそりゃ。
ハルヒ「で、その事件なんだけどっ!どうにも不可解な点ばっかりなのよ!」
目をキラキラ輝かせて顔を近づけるなハルヒよ。人が死んでんねんで!?
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 20:43:57.25 ID:o6+d4zPNO
ハルヒ「えー、昨夜の事です。身元不明の二人の若い男女が、公園のベンチで抱きあったまま冷たくなっていた……」
なんで探偵口調なんだよ。
ハルヒ「第一発見者は、夜間ジョギング中の会社員のおっさん」
第一発見者をおっさん呼ばわりかよ。良い探偵になれるぞハルヒ。
ハルヒ「初めは、若い父親が子供を抱いて休んでいるかと思い、そのまま素通りしました……」
キョン「なんだそりゃ」
ハルヒ「そこが最大の不可解な謎。子供を抱いているのかと思いきや……それは立派な若い女性だったのよ」
キョン「ますますもって意味がわからん」
ハルヒ「四肢が無かったのよ。均等に、綺麗すっぱり」
キョン「…………」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 20:57:45.23 ID:o6+d4zPNO
キョン「……それなら、物凄い血の量じゃないのか?その会社員のおっさんは、何故に気付かない?」
ハルヒ「その女性の四肢は、どうやら以前から無かったらしいのよ」
キョン「えーっと、つまりなんだ?
事故か病気で四肢を失った女性と、健常者のカップルがいて、公園のベンチで抱き合うように冷たくなっていたと」
ハルヒ「まあ、そうね。会社員のおっさんも、微動だにしない二人を見て流石に気付いたらしいけど」
キョン「……人それぞれの恋愛って物があるだろうよ」
ハルヒ「そこよ!そこっ!」
ハルヒは声を荒げて叫んだ。
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 21:03:17.86 ID:o6+d4zPNO
ハルヒ「四肢の無い女性と、それを愛する男……そして結末は公園での謎の変死……これは事件よっ!私達SOS団に対する挑戦よ!」
何が挑戦だ。まぁ確かに好奇心を擽る事件ではあるが、そこまで盛り上がれる物なのか?
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 21:20:42.18 ID:o6+d4zPNO
それからハルヒの口は、とどまる事を知らなかった。
もし自殺なら救われない等
本当にそれしか道は無かったのか等
他殺なら誰が?その動機は?等
何故に彼女は四肢切断の目に等
均等に切断されていた理由は等
いやいやもしかしたら、京極堂宜しく魍魎の匣のように等等等等等等等等等等等っ!
半分以上を聞き流しながら、世の中にはいろんな人がいるもんだなぁと思いながら、多分人生で初めて担任の岡部が来るのを今か今かと待っていた。
ハルヒ「ねぇキョン!聞いてるっ!?」
キョン「はいはい聞いてますよ団長殿」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 21:22:35.39 ID:o6+d4zPNO
ハルヒ「ねぇ、じゃあこれだけ聞かせなさいよ」
キョン「なんだよ」
ハルヒ「好きな人が四肢切断の目に合っても、以前と変わらずに接する事が出来る?」
キョン「そりゃあ……」
ハルヒ「……どうしたの?」
キョン「……接する事は出来るさ。当然だろ」
ハルヒ「変な間、置かないでよ」
キョン「そりゃあ急にそんな質問されたらだな……あ」
タイミングが良いのか悪いのか、岡部がやって来てHRが始まった。
ハルヒ「まぁ、そんな事は滅多にないわよねぇ」
キョン「……そうだな。考えるだけ無駄だと思うぞ」
言葉とは裏腹に、俺はずっとその事を考えていた。
何故に俺は、当然だと即答出来なかったんだろうか……。
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 21:39:00.48 ID:o6+d4zPNO
朝からハルヒのお陰で頭をフル回転させてしまったせいか、授業中の睡魔に対抗する術もなく真っ先に白旗をあげ、午前中の授業全てに対して無条件降伏。
で、昼休み。
教室のドアが開き、カツカツと足音を鳴らしてそいつは俺の前に来た。
いつもの穏やかな微笑は一切なく、滅多に見せないであろう真剣な眼差しで俺の顔を見て呟いた。
古泉「お話があります。ここではなんですので、移動しましょう」
同行前提で話を進める古泉一樹。いつもの冷静さが全く感じられない。
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 21:51:16.39 ID:o6+d4zPNO
こりゃあ、ただ事ではないな……。
俺は早足で廊下を歩く古泉の後を付いて行きながら、何事かと質問した。
古泉「昨夜の事件は聞きましたか?」
キョン「あぁ、ハルヒの奴からな」
古泉「涼宮さん……からですか」
一瞬、古泉の顔が険しくなるのを俺は見逃さなかった。
古泉「お話と言うのは、昨夜の事件の事です。ある程度の覚悟はしておいて下さい」
キョン「覚悟……?」
古泉は生徒会室の前で立ち止まり、ゆっくりと扉を開けた。
キョン「…………」
こりゃあ本当にただ事じゃないな。
生徒会室には、会長は勿論の事、喜緑さん、長門、そして……青ざめた表情で、今にも泣きそうな朝比奈さんがいた。
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:02:08.95 ID:o6+d4zPNO
キョン「この面子で集まるって事はだ……ハルヒがまた何かしたのか?」
古泉「まだ確定はしていませんが、可能性としては一番高いです。どうぞ、座って下さい」
俺は古泉に言われるがまま、着席した。
みくる「キョン君……」
今にも泣きそうな声で、朝比奈さんが呟いた。
古泉「朝比奈さん、僕が説明しますから」
みくる「は、はい……お願いします」
古泉「では、件の昨夜の事件ですが……どこまで知っていますか?」
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:12:32.10 ID:o6+d4zPNO
俺はハルヒから聞いた通りに、古泉に話をした。
古泉「ふむ……涼宮さんは、その時どんな様子でしたか?」
キョン「やけに興奮して話していたな……アイツの好きそうな事件だからな……なぁ、これはハルヒの仕業なのか?だとすれば……」
古泉「ですから、それはまだ確定事項ではありません」
キョン「……しかし、可能性は高いと」
古泉「ですから、こうして全員で情報を集め、共有していかなくてはいけません。
今回の件ですが、我々でも不可解な点が多すぎます」
キョン「我々でもって……長門や喜緑さんでも?」
喜緑「はい」
長門「原因が全くわからない」
キョン「朝比奈さんは?」
みくる「私にもわかりません……この件は、規定事項に該当していないんです」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:24:02.64 ID:o6+d4zPNO
得体の知れない何かが、身体中にまとわりつく感覚が襲う。
いったい、何が起きていやがる。
古泉「事件の概要については、涼宮さんから聞いた通りです」
キョン「……それと、ハルヒがどう関係してくるんだ?」
古泉「……落ちついて聞いて下さい……今回の件で亡くなったのは、橘京子と藤原と名乗っていた未来人の二人です」
キョン「なっ……!?」
俺は絶句した。
死んだのは橘京子と藤原だって!?
二人で公園で……抱き合うように……橘京子は……四肢……以前から……
キョン「……嘘だろう……?」
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:33:38.05 ID:o6+d4zPNO
頭の中が混乱し、やっと絞り出せた言葉がそれだった。
古泉「……事実です。そして、佐々木さんと周防九曜と呼ばれる……」
ドクンッと、自分の心臓の音が聞こえた。
待て。少し待て古泉。くそっ声が上手く出せん。
身体の奥で、ドス黒い物が渦巻き始めた 。
これが、これがハルヒの仕業だとしたら俺は、俺は。
古泉「……TFEI端末ですが」
キョン「かはっ……古泉、待て。少し落ち着かせろっ……」
みくる「キョン君……大丈夫、まだ大丈夫だから……落ち着いて……」
キョン「朝比奈……さん……?」
古泉「……二人は行方不明です。一月前から忽然と姿を消しました」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:39:17.49 ID:o6+d4zPNO
キョン「行方……不明……」
どっ、と全身の力が抜けていく。
行方不明、行方不明、行方不明、行方不明行方不明
生死不明
長門「……佐々木と、周防九曜は確かに存在している」
喜緑「そうです。落ち着いて下さい」
キョン「長門……喜緑さん……?」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 22:49:02.27 ID:o6+d4zPNO
長門「存在は確認出来る……ただ」
喜緑「居場所がわかりません」
どういう事だ?
喜緑「私が説明致します。
これは仮説ですが……天蓋領域から遣わせられた、周防九曜さんのみがこの世界で唯一が生成出来る……鏡の中の世界と言ったほうがわかりやすいかしら?ほら、貴方も経験はあるでしょう?」
キョン「鏡の中の世界……経験……?」
古泉「あの、雪山での事ですよ。まるで空間も時間も全てが歪曲されたような山荘……」
キョン「あの時の……」
まるで、そこだけ時間が狂っていたかのような、あの山荘か。
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 23:03:01.87 ID:o6+d4zPNO
喜緑「その世界の原理は、まだ私達や情報統合思念体でも全ては解析出来ていません……ただ、周防九曜さんはそれを小規模範囲で自由に生成する事が出来る」
長門「解析されているだけでも、その能力は応用次第で私達は勿論、涼宮ハルヒの影響すらも完全に遮断出来る」
喜緑「存在は確認出来ても、居場所は確認出来ない……これ以外に考えられませんから」
キョン「えーっと、つまり、なんだ。周防九曜版、精神と時の部屋に一時避難って事か?」
長門「どういう意味?」
喜緑「精神と……時の部屋?」
みくる「宗教用語か何かですかぁ?」
会長「くくっ……」
古泉「んっふ……いえ、失礼。
まぁ、そう考えるのが妥当ですが……今回の件に限っては、常に最悪の事は予想して置いたほうが良いでしょう。
こうも考えられます……一時避難ではなく、拉致監禁だと」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/26(月) 23:11:38.57 ID:o6+d4zPNO
キョン「拉致監禁……そんな事を周防九曜の奴がして、何になる。動機が不明だ」
古泉「否定したい気持ちもわかりますが……」
古泉はちらりと長門の表情を伺って続けた。
古泉「何らかのエラーが彼女に生じた可能性も考えられます」
キョン「……本当にあくまで最悪の可能性だなそれは。古泉、お前らしくないぞ」
古泉「現に二人亡くなっています。しかも、一人は遥か彼方から来た未来人。犯人……とでも今はして置きましょうか。朝比奈さんの言う、規定事項の塗り替えを行える力を持つ者だと仮定出来ます」
キョン「…………」
古泉「それに該当するのは……
涼宮ハルヒ
周防九曜
そして、この場にいる……」
キョン「おい、古泉っ!?」
267 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/26(月) 23:13:16.83 ID:o6+d4zPNO
もう自分が何を書いているのか自分でもよくわかっていない。少し休む
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 09:52:03.36 ID:syyp8kfdO
古泉「……勿論、貴方もですよ」
俺は絶句した。俺も疑われているのか?
古泉「狂った貴方が平静を装い、全てを利用して全てを破壊する……ただ破壊するだけじゃない。より残酷に。より猟奇的に」
キョン「……んな訳があるか!?」
古泉「先程から言う最悪の可能性の一つ、ですよ。勿論、全てを裏で操っているのは僕かも知れないと言う可能性もある事をお忘れなく」
キョン「……馬鹿馬鹿しい……本当に馬鹿馬鹿しいぞ古泉。
お前は自分が犯人だと思うのか?違うだろうよ。俺だって自分が犯人だとは思っていないし、ここにいる全員」
長門「エラーを自覚していない可能性もある」
キョン「……長門?」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 10:14:17.84 ID:syyp8kfdO
長門「もしくは痕跡を全く残さずに記憶の改竄……封印……」
キョン「そんな事をして何の意味が……」
喜緑「私と長門さんにわからないように、と考えて頂ければ」
キョン「…………」
会長「江美理とそこの長門有希が手を組んでいるってのも、最悪の可能性の一つだよなぁ」
やめろ。あと喜緑さん呼び捨て?いつからそんな仲だお前は。
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 10:21:13.15 ID:syyp8kfdO
喜緑「私と貴方って事も考えられますね」
会長「まぁ、な」
みくる「狂った未来の私自身なら……私、どうしよう……」
朝比奈さんまで……あぁもうっ!?
キョン「疑心暗鬼を生んでどうするっ!?こういう事は考えるだけ無駄だ。無意味だ。それより考える事があるだろうよ!?」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 10:36:48.05 ID:syyp8kfdO
古泉「……失礼。そうでしたね……貴方の言う通りです。話を脱線させてしまいました」
そうだ古泉。お前が悪い。
古泉「話を戻しましょうか……昨夜の事件。我々が把握している事を、全て貴方に伝えます」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 11:06:42.71 ID:syyp8kfdO
古泉「先ず、第一発見者の通報があったのが昨夜21:30分頃。警察と共に、我々機関が現場に到着したのがそれから約15分程経過してからですね」
キョン「警察と共に機関が?」
古泉「当然です。この区域で起こる全ての事件を、我々は調査して置かなくてはいけませんからね」
ハルヒの為、か。
喜緑「長くなりそうですね……朝比奈みくるさん、手伝って貰えますか?お茶を煎れましょう」
みくる「あ、わかりましたぁ」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 11:14:48.93 ID:syyp8kfdO
朝比奈さんは、少し嬉しそうに喜緑さんの後をついていった。
何かしておかないと落ち着かないのだろうか……まぁ、この重苦しい空気の場では、仕方がないと言えば仕方がない。
古泉「続けます。第一発見者は、近所にすむ会社役員。
先ずは第一発見者を疑えとも言いますが、調査の結果何の変哲も無い、ただのジョギング好きの男性でした」
キョン「ふむ」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 11:40:53.73 ID:syyp8kfdO
古泉「そして機関は、直ぐ様に二人の遺体を回収しました。
なんせ亡くなっていたのはあの、橘京子と藤原と名乗る未来人でしたからね。
本部直通の緊急連絡は久々でしたよ……」
キョン「遺体を機関が回収……」
古泉「その時に、あちらの組織と少し……いえ、その辺は気に留めるだけにして置いて良いでしょう」
キョン「どういう事だ?」
古泉「あちらの組織が、この件について何か出来るかと言えば答えはNO。ぶっちゃけて言うと、何も出来ませんよ。
一応幹部の遺体なので少しいざこざはありましたが現時点では……協定を結んだって形ですねぇ」
協定ね……。
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 11:55:33.83 ID:syyp8kfdO
古泉「しかしその組織には、未だにそれを良しとしていない方々が少数いるようですがね……この件に関しては、完全に報道規制したつもりなんですが……聞いての通り、無意味に広められてしまいました」
キョン「あ」
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 11:56:44.59 ID:syyp8kfdO
しまった
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 13:43:30.76 ID:syyp8kfdO
古泉「どうしました?」
キョン「……いや、気のせいだ。何でもない。続けてくれ」
古泉の頭上に、一瞬真っ白な……煙のような物が視界に入った。
生徒会長は、最初っから煙草は吸っていない……疲れているのだろうか。
古泉「ええっと、どこまで話しましたか……」
キョン「情報を無意味に広められたんだろ?その組織の連中は、何故そんな事を?何か意図でもあるのか?」
古泉「意味なんて全くありませんね。更に 混乱を深めただけです……連中のくだらない反抗ってトコでしょうね」
古泉は、ばっさりと切り捨てた。
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 13:58:27.77 ID:syyp8kfdO
やれやれ、困ったものです。
と、お決まりの台詞を古泉は呟く。
古泉「そしてここがらが本題。橘京子と藤原についてです」
キョン「…………」
脳裏に、四肢を切断された橘京子の姿が浮かぶ。
古泉「何故、彼女があのような姿をしていたか原因は不明です……ただ、一つ言える事は、あれは人間には不可能だそうです」
キョン「人間には不可能?」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 14:11:51.78 ID:syyp8kfdO
長門「そう」
長門が口を挟んだ。
長門「一寸の狂いも無く両腕両足を均等に切断。
そして切断面に傷痕や縫合痕すら残っていない。このような事は、この時間平面にいる人類の持つ力では不可能」
キョン「長門……橘京子を見たのか?」
古泉「僕と会長が、長門さんと喜緑さんに連絡しました。
機関に所属する医者も優秀ですが……事態は一刻を争うと判断しましたからね。
二人の遺体を、長門さんと喜緑さんに検死してもらいました」
今の人間の技術では不可能って事は……
そう出かけた言葉を飲み込んだ。
今はそれを考えるのはよそう。
キョン「……死因はなんだ?」
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 14:30:52.15 ID:syyp8kfdO
古泉「……橘京子は、舌を噛み切っての窒息死」
キョン「舌……自殺……って事なのか?」
古泉「ダル……失礼。あの状態ですから、無理矢理舌を引っ張られて、顎に強い圧力をかけられて強制的に舌を噛みきってしまった可能性もあります……まぁ、それは最悪の可能性ですが」
キョン「…………」
古泉「そして藤原君なんですが……死因は不明なんですよ」
キョン「不明?」
長門「藤原と呼ばれていた男性の遺体には、外傷も無い。薬物反応も無い。持病の可能性を探ったが、全く見られなかった」
喜緑「不明としか言い様がありません……どうやってお亡くなりになられたかもわかりません」
キョン「あ、喜緑さん……朝比奈さん……」
みくる「はい、お茶をどうぞ。古泉君も」
古泉「ありがとうございます」
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 14:52:30.86 ID:syyp8kfdO
一時休憩、か。
陰鬱な会話を続けていたからか、喜緑さんと朝比奈さんの二人がお茶を皆に配る姿に、心の底から和んだ。
うむ……お茶もいつにも増して美味い。
まぁ当然である。
喜緑さんと朝比奈さんの二人の美少女が煎れてくれたお茶だ。不味いはずがない。
そういや、江美理とか呼び捨てにしてたな会長……後で詳しく聞いてやらねば。
ふと、会長のほうに視線を移す。
本当に様になっていやがるな。正に、生徒会長の中の生徒会長。
あれで演じていると言うのだから困る。地は煙草をくわえながら、嫌味ったらしい笑顔で話す上級生なんだからな……もしハルヒがそれを偶然知ってしまったとしたら、一体どうなる事やら……ん?
会長のお茶、やけに湯気が立ってるな……いや、あれは湯気じゃ……?
脳裏に、先程一瞬だけ俺の視界に入った、真っ白な煙のような物が浮かぶ。
……あれは白い煙……いや、今目にしている湯気……違う……俺はこれを何処かで見ているはずだ。
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:02:31.51 ID:syyp8kfdO
ぼんやりと滲む靄……真っ白な……俺は何処で……
ガシャッ
会長「江美里っ!?」
会長が青ざめた顔で叫んだ。
それが合図だった。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:19:34.66 ID:syyp8kfdO
そこから、視界に入る物全ての動きが、まるでスロー再生のように俺の目に写った。
突然、その場に崩れ落ちる喜緑さん。
駆け寄る生徒会長。
崩れ落ちる喜緑さんの身体から、まるで玩具の人形のように右腕が、左腕が、綺麗に取れて宙に舞った。
取れた、としか表現出来ない。血の一滴も噴き出さず、正に取れてしまったのだ。
ゴトゴトッ
みくる「ふえ?」
古泉「朝比奈さ……」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:22:30.37 ID:syyp8kfdO
みくる「あ、れ、?」
朝比奈さんの両腕も、肩口から綺麗に取れ地面に落ちた。
みくる「あ」
ドサッドサドサッ
また何かが崩れ落ちる音。
朝比奈さんの視線の先に、長門が倒れていた。
両腕が取れていた。
両足も取れていた。
取れた両腕両足が、長門の身体の上に無造作にあった。
みくる「ひ」
朝比奈さんは、そのまま白目を剥いて後ろに崩れ落ちた。
身体だけ。
身体だけが後ろに崩れ落ちた。
朝比奈さんの両足は、立っている。
両足だけが、そこに立っている。
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:26:55.19 ID:syyp8kfdO
何が起きているのか、誰か説明してくれ。
喜緑さんの、長門の、朝比奈さんの四肢が、人形のように綺麗に取れてその場に倒れました。
何の冗談だこれは?
目の前の光景に、誰一人言葉を発しない。発せない。
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:36:58.00 ID:syyp8kfdO
──ケラ──
静寂を破ったのは、笑い声だった。
──ケラケラケラ──
いや、笑い声と言うより、何か機械的な
──ケラケラケラケラケラケラケラ──
耳障りな音が、生徒会室に響き渡る。
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ───
白い靄が、滲むような白い靄が、形をさらに大きくして目の前に現れた。
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
真っ白の靄は形を変えていく。
俺は、それを思い出した。あの時は、真っ黒な靄だった。
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 15:46:41.10 ID:syyp8kfdO
その白い靄が、そいつだと脳が認識するのに、そんなに時間はかからなかった。
「──会いた──かった──」
周防九曜
九曜は、その身に何も纏っていなかった。
真っ白な身体を見せつけていた。
日本人形のような真っ黒な髪を、横に一つに束ねて自らの身体を見せつけていた。
四肢の無い、真っ白な身体だった。
四肢の無い、真っ白な身体で宙に浮いていた。
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 16:52:46.74 ID:syyp8kfdO
古泉「目、的、は……何、ですか?」
声を震わせながら、古泉が周防九曜に向けて言葉を発した。
得体の知れない恐怖を打ち消すように、一句一句力を込めて。
九曜「目──的──……」
九曜は古泉の問いに、人形のように無表情だった顔を歪に歪ませ
──ケラケラケラケラケラケラケラ──
と、先程より一層甲高く、機械的な笑い声を発した後、
九曜「長門──有希──」
古泉「……長門さんに用が?」
九曜「そう──連れて──行く──……」
周防九曜は宙に浮いたまま、ふわふわと長門の元に移動し始めた。
キョン「長っ……?」
古泉の腕が、俺を制止した。
368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 16:59:10.17 ID:syyp8kfdO
周防九曜は長門の元に行くと、ざわざわと横に束ねた真っ黒な髪の毛を蛇のように動かし、長門の身体に巻き付け始めた。
九曜「腕と──足は──いらない──」
ケラケラ笑いながら、その黒い髪の毛だけで長門の身体を持ち上げる。
見ているだけで、頭がおかしくなりそうな光景だった。
古泉「連れて行くのは、長門さんだけですか?」
九曜「そう──」
古泉「……長門さんだけなら何故」
会長「どうして江美里をバラバラにしたんだっ!?」
会長が叫び声を上げた。
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 17:45:05.39 ID:syyp8kfdO
九曜「──だめ──なの──?」
会長「だっ……」
うって変わった無邪気な笑顔の周防九曜に、場が凍り付いた。
周防九曜はケラケラ笑い、そのまま長門事……
キョン「あっ……!?」
忽然と姿を消した。
後に残るは茫然自失の男三人。
そして、六つの腕と六つの足。
二人の達磨のような少女。
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 17:59:25.39 ID:syyp8kfdO
古泉「……涼宮さんを保護しなくては……」
古泉の声に、俺は我に返った。
古泉は携帯……では無く、小型の無線であろう。
それに向かって
古泉「全監視員に緊急連絡……涼宮ハルヒの保護を優先……」
キョン「……?」
古泉の足が、ガクガクと震え始めた。
古泉「……消……失……白い……四肢の無い……」
嘘だ。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。
古泉は静かに、無線を地面に落として呟いた。
古泉「チェック……メイト……ですかねぇ……」
キョン「古泉……ハルヒ、ハルヒはどうしたっ!?」
古泉「……拐われた……ようです……」
375 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/27(火) 18:00:59.07 ID:syyp8kfdO
>>373
俺も見えねぇ。第二部劇終みたいな
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 18:18:49.02 ID:syyp8kfdO
>>377
はい。第二部から逃げという第三部みたいな物を開始。
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 18:29:02.59 ID:syyp8kfdO
………
……
…
現状確認。
俺は大きな山岳バッグを前後逆に担ぎ、街を歩いている。
『クスクスッ……なにあれ?』
『妊婦かよ……何で前で担いでんだよ』
言いたい奴は言えばいいし、笑いたい奴は笑え。
朝倉「……谷口、ごめんね」
バッグの隙間から、涼子が顔を覗かせて呟いた。
谷口「何言ってんだよ。こんなの別に恥ずかしくも何ともないさ」
『やだあの人、ブツブツ何か言ってる』
『キモーい』
キモいのはお前達だ。涼子に比べたら、お前達なんか糞も同然だ。
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 18:37:08.13 ID:syyp8kfdO
俺と涼子が、着の身着のまま長門の部屋から逃げ出して三週間。
ホテルや民宿を転々としながら、遥か南のほうまでやって来た。
ここまで来たら、沖縄辺りにまで行って海を見ながら涼子と一生を過ごそうかなーなんて考える余裕も出てきた。
金は充分にあるしな。
朝倉「ねぇ、あとどれくらい?」
谷口「確か、この辺なんだがな……」
今日は涼子と二人で買い物。
予め、ネットで行き場所を検索していたが流石に知らない街。目的地はいったいどこにあるのやら。
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 19:26:32.66 ID:syyp8kfdO
今日の目的は、涼子の新しい服を購入。ついでに生活必需品も。
探しているのは、今女性に流行りのブランドショップ。
涼子にファッション雑誌を見せている時に、そこの特集ページで目を輝かせながら
朝倉「これ可愛いっ!あ、これも!?いいなぁ。可愛いなぁ」
と連発していた。
値段は張るが、今の俺には金の心配は無い。何より、涼子が欲しいと思っただろうからな。
購入しに行く理由はそれで充分だ。
谷口「お、あったあった」
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 19:45:46.25 ID:syyp8kfdO
目的地であるファッションビルの前で、顔が見えないようにと深々とかぶっていたニット帽を少し上げて確認する。
谷口「確か、4階だったな……」バリバリ
前に担いでいる、山岳バッグ上部のマジックテープを開く。
谷口「涼子、ちゃんと見えるか?」
朝倉「視界良好!おっけーよっ!」
山岳バッグの上部、ちょうど中にいる涼子の目の部分にあたる場所にメッシュ加工を施し、内側から見えるようにしておいてある。
谷口「じゃあ、いきますか」
朝倉「うふふ、久しぶりのお買い物ね」
『やだなにあの人』
『バッグに向かって喋ってる……キモーい』
キモいのは貴様らだ糞女。
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 20:01:50.52 ID:syyp8kfdO
テナントに到着。
流石に、今流行りのブランドショップ。大勢の女性やカップルで賑わっている。
朝倉「谷口、早く、早く」
涼子の目には、服やアクセしか目に写らないらしい。
店員「……いらっしゃいませ。プレゼントでしょうか?」
谷口「あ、御構い無く」
不審者を見るような目の店員を無視しながら、店内に入る。
小声であれを見せて、あそこに行ってと囁く涼子の言う通りに動きながら、品物を選んでいった。
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 20:14:10.53 ID:syyp8kfdO
そんなに嬉しいのか、涼子がいつもより少し声をあげて囁くもんだから周りの客にバレないかと冷や冷やしたが、無事に品物を選び終え、会計まで辿り着いた。
いつか、こういう風にバッグに涼子を入れずに、堂々と一緒に買い物をしたいものだ……その為には、長門を何とかしなきゃな……。
店員「ありがとうございましたー♪」
さっきまで不審者を見るような目で見ていた店員達が、満面の営業スマイルと共に深々とお辞儀をしてくれた。
まぁ、こんだけ大量に買えばな……。
朝倉「谷口、帰ったら全部試着するから手伝ってね♪」
はいはい。わかったよ涼子。
さて、後は生活必需品だけか。
『おや?おやおやおや?』
突然、後方から聞き覚えのある声と共に、カツカツと足音が近付いて来た。
『やーっぱり、谷口じゃないかっ!?』
398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 20:31:03.91 ID:syyp8kfdO
恐る恐る振り向いたその先には……鶴屋さんっ!?何でこんなトコに!?
マズイマズイマズイマズイマズイマズイ
いや、待て落ち着け俺!
鶴屋「こんなとこで、何をしているのかな?学校にも家にも帰らずにさぁ?」
谷口「あ、貴方誰デスカ?人違いジャナイデスカ?じゃあ僕は急いでマスノデ……」
とりあえず逃げの一手!
鶴屋「なに逃げようとしてるっさ!」
谷口「ちょ、ちょっとヤメテ……」
ズボッと被っていたニット帽を、鶴屋さんに奪われた。
鶴屋「ほーら、やっぱり谷口じゃないか」
谷口「……チガイマス……人違いデス」
鶴屋「谷口……みんな、心配しているんだよ?」
谷口「…………」
鶴屋「何があったか知らないけどさ、連絡の一つぐらい寄越したっていいじゃないか?」
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 20:41:04.61 ID:syyp8kfdO
よこせるもんなら、よこしてますよ鶴屋さん。
しかし、そんな事をしたらそこから長門に足がついちまう。
鶴屋「何があって、こんな所にいるか教えてくれないかな?お姉さんが力になるからさっ!」
力になる。
鶴屋さんの優しい言葉に、少し涙が出そうになった。しかし、そんな優しい鶴屋さんだからこそ巻き込む訳にはいかねぇ!
谷口「……鶴屋さんっ!!」
俺は人目も憚らず、勢いよく地面に頭を擦り付けた!
鶴屋「ちょ、ちょっと谷口っ!?」
谷口「お願いしますっ!何も見なかった事にして下さいっ!後で必ず説明しますからっ!?」
鶴屋「谷口……」
谷口「お金なら……って資産家令嬢の鶴屋さんに言うのもなんですがっ!後で何でもしますからっ!とにかく、今だけは何も言わずに見逃して下さいっ!!」
朝倉「たにぐ……苦し……」
しまった涼子おおおおおおおおおおおおおおおっっっ!?
403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 20:52:47.58 ID:syyp8kfdO
土下座したせいで、涼子は俺の身体と地面に思いっきり圧迫されていた。
谷口「くっ!」
俺は腕を立て、涼子の入っている山岳バッグを圧迫しないように少し腰を浮かした。
そしてそのまま鶴屋さんを見上げる形に。
鶴屋「………?」
谷口「鶴屋さんっ!お願いしますっ!」
やべ、この体勢結構ツライ。
鶴屋「何か……理由があるんだね谷口」
谷口「は、はい」
腕がプルプルしてきやがった。
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 21:04:06.78 ID:syyp8kfdO
鶴屋「…………」
鶴屋さんは、無言で俺をじっと見つめて考え込むようにしている。
くそっ。腕が持たねえ。
鶴屋「……わかったよ谷口」
谷口「つ、鶴屋さんっ!」
今だ!自然にゆっくり立ち上がれ!
鶴屋「谷口のこんな真剣な顔、初めて見たっさ。
うん。心配しなくていいよ。こう見えて私は口が固いからさっ!」
谷口「鶴屋さん……ありがとうございますっ!」
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 21:19:50.29 ID:syyp8kfdO
鶴屋「けど、一つだけお姉さんと約束するっさ。
全部片付いたら、ちゃんとみんなに連絡する事だけは約束してくれるかい?」
谷口「は、はいっ!」
鶴屋「……もしどうしても、自分の力だけでどうにも出来ない時があったなら、迷わずここに連絡してくれるかな?」
鶴屋さんはバッグからメモ帳とペンを取り出して、スラスラと番号を書き出した。
鶴屋「はい。これが私直通の番号だね」
谷口「鶴屋さん……」
何故にここまで俺なんかの為に優しく……
鶴屋「……もう一つ約束。その娘、大事にするんだよ?」
谷口「へっ!?」
鶴屋「にゃははっ♪買った物を見れば、誰だって察しはつくっさ」
谷口「あっ……」
鶴屋「ふふん。恋の為に、学校も家も地元も捨てて、こんな所まで来たみたいだねっ?
お姉さんは、そんな男の子は全力で応援するっさ!」
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 21:28:28.88 ID:syyp8kfdO
鋭すぎるぜ鶴屋さん……キョンも確か、そんな事を言ってたな。
鶴屋「んじゃ、私は行くから」
谷口「鶴屋さん……本当に、本当にありがとうございますっ!」
鶴屋「ふふん♪頑張れ恋する男の子っ♪」
笑顔の鶴屋さんは、軽く拳を作って俺の山岳バッグに向かって……あ。
ゴスッ
朝倉「痛っ!?」
鶴屋「へ?」
終わった……最後の最後で……。
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 22:25:44.70 ID:syyp8kfdO
………
……
…
とある、高級ホテルの一室。
鶴屋「……謎の宇宙人、ね」
朝倉「信じられないかも知れませんけど……」
谷口「……本当に、恐ろしい奴だったんです。鶴屋さん」
俺と涼子は、鶴屋さんの宿泊している部屋にいた。
涼子の事が鶴屋さんにバレてしまった今、全てを話そうかとも思ったが……
涼子の提案で、長門の所為だと言う事は伏せる事にした。
長門だと知れば、鶴屋さんは行動に出てしまう。
鶴屋「……その宇宙人とやらを捕まえたり、ぶちのめしたりする事は可能かい?」
朝倉「え?」
鶴屋「二人の話を聞く分には、普通の国家権力じゃ敵わないみたいだけどさ。
私にはそれなりにあるんだよ。色んな所に繋がりがね」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 22:37:20.08 ID:syyp8kfdO
朝倉「繋がり……」
鶴屋「例えば、似たような存在とかね。
涼子さんは、私の言ってる事わかるんじゃないかな?」
朝倉「あっ……」
どういう事だ?
鶴屋「どうかな?」
涼子は、しまったと言う顔をしながら
朝倉「い、今は動かないで鶴屋さんっ!?」
鶴屋「何故だい?私はね、こんなに頭に来た事は人生で一度もないっさ。
それをしたのが、宇宙人だろうが未来人だろうが超能力者だろうが神様だろうがね。
こんなっ、こんな事をするなんて……」
鶴屋さんは、そのまま涼子を抱き締めた。
鶴屋「ひどすぎる。ひどすぎるよこんな事……」
朝倉「鶴屋さん……」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 22:53:36.59 ID:syyp8kfdO
鶴屋「私は、絶対に許さないっさ」
谷口「鶴屋さん……」
涼子を抱き締めたまま、鶴屋さんは暫く動かなかった。
朝倉「鶴屋さん……時が来たら、全てを話します。
だから今は……これで鶴屋さんが危険な目にあったら、私は堪えられないから……」
谷口「……鶴屋さん、今は涼子の言う通りにして下さいっ!
俺だって……俺だって堪えられません……」
鶴屋「……優しいんだね、二人共」
鶴屋さんは、静かに涼子から離れた。
鶴屋「……わかった。今は動かないでおく」
谷口「鶴屋さん……」
鶴屋「でも」
鶴屋さんは、語気を強めて言った。
鶴屋「時が来たら、真っ先に教えて欲しいっさ。
その時は鶴屋家の全権力を持って、ぶちのめしてやるからさっ!」
442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/27(火) 23:09:53.67 ID:syyp8kfdO
それから、暫く三人で談笑。
鶴屋「それにしても、谷口がここまでの男の子だったとはね」
谷口「いや、恐縮っす」
朝倉「谷口は、本当に良くしてくれるの」
鶴屋「りょこにゃんは良いねー。私も、そういう男の子に早く出会いたいっさ」
……りょこにゃん?
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:11:03.20 ID:nazeVx7gO
谷口「あ、そういえば鶴屋さんは何故こんな所に?」
地元から約700kmは離れたはずだが。
鶴屋「ちょっと家の用事でさ、まぁ大した事はないんだけど。
いやー、こういう付き合いってのも本当に面倒くさくてね」
なるほどなぁ。鶴屋家次期当主なのだから、いろいろあるのだろう。
鶴屋「でも、二人のおかげで退屈せずに済みそうだねっ!」
そう言って、ホテルの鍵を俺に渡した。
谷口「えっ?」
鶴屋「この部屋を、自由に使うといいっさ!警備も万全だし、私も暫くこのホテルにいるからさ」
474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:13:16.95 ID:nazeVx7gO
谷口「いえ、そんな」
鶴屋「人の好意は、素直に受け止めるもんだよ谷口」
谷口「わ、わかりました……」
朝倉「鶴屋さん……本当に、何か何までありがとうございます……」
鶴屋「ちょ、ちょっとりょこにゃんっ!?泣かないでよ!?」
朝倉「ぐすっ……私、谷口以外の人に優しくされた事ないから……鶴屋さん……本当にありがとうございます……」
谷口「涼子……」
鶴屋「そ、そこまで感謝感激する事じゃないっさ!
あー、えっと、そうだっ!
せっかく服を買ったんだからさ、試着大会を開始しよっか?
私もあそこで結構買ったしさ!ね?りょこにゃん?」
朝倉「ぐすっ……はいっ!鶴屋さんっ!」
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:15:58.13 ID:nazeVx7gO
鶴屋「んじゃ、荷物を取ってくるからちょっと待っててね!」
鶴屋さんは、少し照れくさそうにしながら部屋から出ていった。
谷口「……優しいな。鶴屋さん」
鶴屋「うん。本当に……」
今の俺達には、鶴屋さんからまるで聖人のような神々しい波動を感じると言っても過言では無いね。
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:30:03.66 ID:nazeVx7gO
そして涼子と鶴屋さんの試着大会が部屋で開催され、何故か俺が審査員長に任命された訳だが。
当然ながら、圧倒的点数差で涼子に軍配が上がった。
鶴屋「くっ、勝負は始まる前から決まっていたっ!?」
と、鶴屋さんは笑顔で不満を述べてくれた。
それから他愛の無い会話を続けたり、鶴屋さんに涼子の肌の手入れについて、説教をされながら教えてもらったり、時折鶴屋さんが俺を見ながら涼子に耳打ちして、クスクスと二人に笑われたりと。
久しぶりに、楽しい時間が過ごせた。本当に久しぶりだった。
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:43:03.99 ID:nazeVx7gO
鶴屋「おっと、もうこんな時間だねっ!
私は用事があるからさ、後は二人で朝までゆーっくり休んでね!にゃははっ!」
意味深な笑顔を浮かべながら、鶴屋さんは元気に手を振って部屋から出ていった。
……言われなくとも、ゆーっくり涼子と休みますから!
朝倉「鶴屋さんって、面白い人ね」
谷口「そうだな」
朝倉「あーあ、一年前に独断で動かなきゃ良かった。そしたら……」
谷口「涼子。今からでも遅くないさ。長門の事が上手く片付いたら……」
朝倉「……その事なんだけど」
涼子は、真剣な表情で呟いた。
朝倉「谷口は、全部知って置くべきだと思うの」
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 02:55:08.07 ID:nazeVx7gO
涼子の口から聞かされた内容は、一言で言えばまるでライトノベルの世界だった。
タイトルを付けるなら涼宮ハルヒの憂鬱ってとこか?
朝倉「今まで黙ってて、ごめんね谷口」
谷口「いや、謝る事じゃない。俺でも黙ってた……」
だとしたら、鶴屋さんに全て打ち明けるべきじゃねーか?
朝倉「今はまだ駄目 だと思う。長門さんにばれちゃう」
確かにその可能性が高い。
谷口「……鍵はキョンだな。そして涼宮」
キョンに打ち明けて、涼宮の能力を上手く使う方向に持っていけば……よし。行き先の見えなかった逃避行に、光が差して来たぜ!
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:00:00.18 ID:nazeVx7gO
しかし、やはり問題は長門だ。マジで邪魔だぞあのキチガイ宇宙人め。
どうやって長門にバレずに、連絡を取るかが問題。
朝倉「私も、ずっと考えてるんだけど……」
谷口「うーん……」
くそっ。何も思いつかねぇーよっ!?
俺は無駄に広いベッドに、後ろから倒れ込んだ。
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 03:26:40.57 ID:nazeVx7gO
谷口「何か弱点とかねーかな……?」
朝倉「私の知っている限りでは……」
マジで性能良すぎなんですけど。
朝倉「私が表舞台から退いてから一年以上経ってるから、その間の細かい情報もわかれば良いんだけど……」
俺もほぼ部外者だったからなぁ……キョンや古泉や朝比奈さんや長門が、裏で何をやっていたのかさっぱり見当もつかねぇ。
……今は、機会を待つしかないかな。
俺はベッドから起き上がり、涼子を抱き上げた。
谷口「まぁ、慌てても仕方ないな。今は鶴屋さんもいるし、焦らす機会を待とう」
朝倉「……そうだね。暫くは一緒に作戦を練よっか」
谷口「んじゃ、風呂にでも入って頭をすっきりさせるか!」
朝倉「うん♪」
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 04:08:09.91 ID:nazeVx7gO
………
……
…
『首尾は?』
『上々っさ!』
『それにしても、二人ともすっごいねー。お風呂でもしてたっていうのにさっ!』
『……で、どれくらい続ければいいのかな?』
『1週間』
『1週間ね……そうすれば全て上手く行くんだね……』
『みくる……にゃは、にゃははっ♪』
555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 15:30:05.10 ID:nazeVx7gO
………
……
…
機関本部に向かう一台の車。
車内の人間は、運転している新川さんも含めて終始無言だった。
朝比奈さんはもちろんの事、あの饒舌な古泉も。
会長「……俺と江美里は、もう降りる」
生徒会長は、喜緑さんを抱き抱えながら俺達との同行を拒否した。
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 15:42:30.03 ID:nazeVx7gO
キョン「……喜緑さんは」
会長「既に知っている。そして、だからこそさ」
生徒会長は、古泉を睨み付けた。
会長「江美里を利用させないぜ。機関への協力も、もう終わりだ」
古泉「……彼女と二人で、どうするつもりですか?」
会長「どうもしないさ……」
生徒会長はそのまま会長席に向かい、腰を下ろした。
会長「俺と江美里はここで待つさ。二人で、この生徒会室で、最後の時をな」
古泉「…………」
会長「元々、古泉やお前と違って、言葉の通り場違いな存在だからな俺は」
古泉「しかし、今となっては」
会長「またアイツの前に立てというのか?
ふざけるな。これ以上、江美里を傷付けはさせん」
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 16:00:10.34 ID:nazeVx7gO
会長「崩壊か改変か。
この二つしか、道は残されていないのだろう?
それならば、最後ぐらい好きにさせろ」
生徒会長は、机の引き出しをゆっくり開け
会長「さぁ、出て行ってもらおうか」
キョン「銃……」
会長「一応、礼は言っておこう古泉。
まさか、こんな事に使うとは全く予想だにしなかったがな……まぁ、これを使って守るべき女神は拐われてしまった。これが通用しない相手にな」
古泉「やれやれ、困ったものです……」
古泉は嘆息しながら呟いた。
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 17:10:06.62 ID:nazeVx7gO
会長「さぁ、出て行ってもらおう」
古泉「……わかりました。それも一つの選択、でしょうねぇ」
会長「……ふん」
古泉「誰も貴方を責めませんよ。あぁ、一つ御願いが。そこのカーテンをもらっても?」
会長「……好きにすればいいさ」
俺と古泉は生徒会室のカーテンを剥ぎ取り、それで朝比奈さんを覆い隠した。
古泉「では、行きましょうか」
キョン「あ、あぁ」
俺がカーテンにくるまれた朝比奈さんを抱上げた時
会長「……すまんな、古泉」
ポツリと生徒会長が呟いた。
古泉「……少し、貴方がうらやましいですよ」
古泉はそう言い残し、静かに生徒会室の扉を閉めた。
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 17:22:35.75 ID:nazeVx7gO
そして俺達は、校門前で既に待っていた新川さんの車に乗り……現在に至る。
誰一人、言葉は発しない。
「崩壊か改変か」
確かにそうだ。いや、ほぼこの世界は崩壊してしまうだろう。
淡い期待はしないさ。
「常に最悪の可能性を」
ハルヒが拐われた時点で、もう覚悟は出来てしまった。
今頃ハルヒは……そして佐々木も……周防九曜によって……。
古泉「……着きましたよ」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 18:46:00.61 ID:nazeVx7gO
機関の本部は、想像していたよりも遥かに小さかった。
四角いビル群の一つ。四角い、ビルの。
古泉「入り口ですからね。本部は地下です。
実はこの辺り一帯全て、我々機関の……いえ、今となってはそれも虚しいだけですね……」
虚しい。
本当にこの一言で片付けていいのか。
時間にすればたった四年ではあるが、古泉達機関はハルヒの為にいったいどれほどの金と労力を使ったのだろう。
新川「……あれは」
キョン「新川さん?」
新川さんの視線の先。機関本部の入り口には、黒い高級車が何台も止まっていた。
入り口を塞ぐように。
新川「……鶴屋家……いったい何が」
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 19:06:16.36 ID:nazeVx7gO
鶴屋家だって?
俺達を待っていたかのように、黒服に身を包んだ屈強そうな男達が停めてあった車から次々と出てきた。
新川さんは徐々に速度を落としていき、ゆっくりと停止した。
いったい何事だ?
高級車から出てきた黒服の男達は、規則正しく並び始めた。
一台の車を中心に、両翼を広げるように。そして、先頭の男がゆっくりドアを開けた。
キョン「……鶴屋さん……」
鶴屋さんは、そのままそこで立ち止まった。そこに、いつものあの元気な笑顔は微塵も見られない。見えるは屈強な男達を従え、固い表情で俺達の乗った車をじっと見ている鶴屋家次期当主。
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 19:30:08.67 ID:nazeVx7gO
新川「……降りましょう」
新川さんの言葉に、俺達は無言で頷いた。
車を降り、新川さんを先頭に鶴屋さんの元に歩き始める……
鶴屋「みくっ……」
……カーテンにくるまれた朝比奈さんを抱き抱えている俺の姿を見て、鶴屋さんは一瞬そう叫んだが直ぐに言葉を飲み込むようにして首を降った。
そして、先程の固い表情に戻り
鶴屋「……御待ちしておりました。私、鶴屋家当主代行、鶴屋──です」
深々と俺達に頭を下げた。
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 20:14:37.12 ID:nazeVx7gO
そしてゆっくりと顔を上げ
鶴屋「現状は全て把握しています……朝比奈みくるは、鶴屋家が保護します。宜しいですね」
新川「……異論はありません」
朝比奈さんを保護……鶴屋さん、いや鶴屋家が?
鶴屋「では、朝比奈みくるをこちらに」
古泉「……鶴屋さんの言う通りに。その方が、朝比奈さんも安全でしょう」
古泉が小声で呟いた。
キョン「……わかった」
592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 20:31:32.99 ID:nazeVx7gO
俺は鶴屋さんの元に向かった。
キョン「鶴屋さん……」
鶴屋「これが……みくるなんだね……顔を見せてくれるかい?」
キョン「……はい」
俺は、朝比奈さん包み込んでいるカーテンを少しほどいた。
鶴屋「みくる……」
鶴屋さんは……まるで、ただ安らかに眠っているかのような朝比奈さんの頬にそっと触れた。
鶴屋「………んっ」
鶴屋さんは踵を返して後ろを向き、少しうつ向きながら顔を両手で隠して肩を震わせた。
鶴屋さん……泣いているのだろうか……
595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 20:55:01.38 ID:nazeVx7gO
鶴屋さんは少し落ち着いたのか、ゆっくりと振り返り……
鶴屋「……本日より、機関は鶴屋家の完全なる傘下となりました。
新川、古泉、両名に鶴屋家当主代行として命じます」
キョン「……へ?」
鶴屋「任務を最後まで遂行して下さい」
新川さんと古泉は姿勢を正し、鶴屋さんに一礼した。
鶴屋「……朗報を期待しています」
キョン「つ、鶴屋さん……?」
傘下?命じる?一体何が起こっているんだ?
鶴屋さんは、ふぅ、と溜め息をついて振り向いた。
鶴屋「キョン君……キョン君には当主代行じゃなく、私自身の立場からお願いするよ……何があっても、最後まで諦めないで欲しいっさ」
いつもの笑顔を見せて、鶴屋さんは俺に言った。
鶴屋「キョン君とハルにゃんなら、きっと出来る。だから最後まで諦めないで」
596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 21:06:31.24 ID:nazeVx7gO
そう言い残して鶴屋さんは朝比奈さんと共に車に乗り、走り去っていった。
キョン「一体どうなってんだ……」
新川「上層部の徹底ですね」
古泉「想定はしていましたが……逃げとなると行動が素早いですねぇ。上の方々は」
キョン「上層部の徹底?」
古泉「ええ、どうにも出来ないと判断したんでしょう」
599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 21:17:39.91 ID:nazeVx7gO
古泉「そして出資者の中でも一番権力のある鶴屋家が、機関を掌握したと」
キョン「…………」
そんな簡単な物なのか?
新川「今となっては、口煩い上層部は居ないほうが動きやすいですがね」
古泉「全くです。現場の苦労を知らない方々でしたからねぇ」
キョン「……で、機関はどうなるんだ?」
新川「何も変わりません。今まで通りです」
古泉「新しいトップ。鶴屋さんは命じましたからね。
任務を最後まで遂行して下さい、と。
我々機関の任務。それは、世界の安定です」
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 21:27:37.74 ID:nazeVx7gO
キョン「世界の安定……」
古泉「世界の安定の為にすべき事は、全てやります」
新川「それが例え、どんな困難な事であろうとも」
古泉「我々機関は、今までそうやって存在して来ました」
新川「そしてそれはこれからも。それが例え、負け戦とわかっていようが」
古泉「我々機関は」
新川「世界の安定の為に」
なんだこれ。
キョン「あー……二人ともキャラ変わってないか?」
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 21:40:15.75 ID:nazeVx7gO
古泉「んっふ、失礼……鶴屋さんが機関のトップだと思うとつい」
新川「年甲斐もなく、乗ってしまいました」
キョン「……ちょっと気持ちはわかるがな」
619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 22:48:27.15 ID:nazeVx7gO
『この事態に、何をやっているのですか二人共』
この声は……!?
「全く……古泉はともかく、新川?貴方ともあろう者が……」
新川「……聞いていたのですか」
「あれだけ大声で叫ばれたら、聞きたくなくても聞こえます」
古泉「申し訳ありません……」
溜め息をつきながら、その女性は静かに歩いて来た。
年齢は不明。この事態にと言いながら、自らはいつものメイド服姿。
キョン「森さんっ!」
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:15:26.41 ID:nazeVx7gO
森「お久し振りです」
森さんは、俺に一礼してから
森「涼宮ハルヒ、消失時の映像の解析が完了しました」
手に持っていた資料を、新川さんと古泉に渡した。
森「貴方も」
……正直、見たくはない。
森「監視映像ですので、解析に時間がかかりましたが……」
古泉「森さんっ!これは……っ!?」
新川「天蓋のTFEI端末ではない……っ!?」
……なんだって?
623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:18:49.16 ID:nazeVx7gO
俺は急いで資料に目を通した。
キョン「嘘だろ……なんでコイツが……」
資料にある監視員の報告によれば。
昼休み、人気の無い校舎裏を歩いていたハルヒの目の前の空間に突然現れた、何も身に付けず真っ白な身体をした四肢な無い女。
そいつがそのままハルヒに体当たりした瞬間、その場には最初から誰もいなかったかのように、二人の姿が消えてしまった。
監視映像によれば、その間は1秒にも満たない。
その映像を解析した画像を見て、あの時ナイフで脇腹を刺された感触が甦った。
その画像を見る限り、ハルヒと一緒に消えたのは。
四肢の無い朝倉涼子だった。
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:20:52.34 ID:nazeVx7gO
四部終わり
632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:34:07.27 ID:nazeVx7gO
五部やろう
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:45:05.48 ID:nazeVx7gO
………
……
…
鶴屋さんの用意してくれたホテルに宿泊して、五日目の朝。
朝倉「谷口、谷口起きてよー。もう朝よ?」
谷口「あー……涼子……あと五分……」
朝倉「起きてよぉ。起きないとイタズラしるわよ?」
谷口「…………」
639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:52:11.72 ID:nazeVx7gO
朝倉「もうっ!谷口のせいで噛んだじゃない……イタズラしるわよってなによ!?」
谷口「ぐぅ……」
朝倉「……呑気にいびきかいて……本当にしちゃうからね?」
谷口「…………」
朝倉「……よいしょっと……んしょっ、んしょっ」
モゾモゾ
谷口「…………」
朝倉「……うふふ。ちゃんと朝勃ちしちゃってるわね……えいっ」
がぷっ
谷口「痛ぇっ!?」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/28(水) 23:57:18.60 ID:nazeVx7gO
谷口「おい、涼子っ!?」
朝倉「おはよー谷口♪目、覚めた?」
少しは加減してくれ。マジで女になるかと思った。
朝倉「ね、痛かった?」
谷口「痛いに決まっているだろうよ……」
朝倉「ごめんねぇ……んっ……」
ぴちゃっ
谷口「うっ……!」
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:12:03.04 ID:tPi6dGSsO
ぴちゃっぴちゃっ
朝倉「んふっ……んっ……はぁっ……」
谷口「涼子……舐めにくいだろ、ほら」
俺は布団の中の涼子の口に、自分の物をふくませた。
朝倉「んむっ……んっ……んぐっんぐっ」
谷口「そうっ……あぁっ上手いぞ涼子っ」
朝倉「ぷあっ……ねぇ……谷口……昨日みたいに、涼子のお口を思いっきり犯してぇ……んちゅ、ちゅっ」
谷口「あぁ、まかせろ涼子……」
651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:13:02.12 ID:tPi6dGSsO
俺は涼子を布団の中から出し、ベッドの上に座らせた。そしてそのままくわえさせ、頭を両手押さえ付けた。
谷口「しっかり犯してやるからな……ほらっ」
朝倉「んむっ……んぶっ!?んぶうっ!?んっ!んっ!んんっ!?」
ガチャッ
鶴屋「おっはよー二人ともっ!
ちゃんと太陽さんと一緒に目は覚めたか……い……?」
谷口「…………」
朝倉「………んぐっ」
655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 00:23:14.64 ID:tPi6dGSsO
鶴屋「……元気みたいだから、また後でねっ!?」
谷口「あ、鶴屋さ……」
バタンッ
谷口「…………」
朝倉「ふぁ?萎んでる……」
谷口「当然だ、馬鹿」
これは気まずい。気まずいってもんじゃない。これから、鶴屋さんの友人と会う約束もあるのにっ!?
朝倉「ごめんね、谷口……」
谷口「……とりあえず、風呂入るか……行くぞ涼子」
698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 10:34:50.03 ID:tPi6dGSsO
一緒に軽くシャワーを浴び、身体を拭いて下着を着けさせ、涼子の口を電動歯ブラシで磨く。
そして着替えをすませてから、鶴屋さんに教わった通りに涼子の肌のお手入れ。
谷口「……よし、終わったぞ涼子」
朝倉「うん、いつもありがとう谷口」
にっこりと微笑む。うむ。その可愛さをいつまでも保っていてくれ俺の涼子。
それが終わってから、自分の歯を磨く。
以前の俺は朝食後に歯を磨いて食べていたのだが
朝倉「前と後で二回よ。それが普通じゃない」
今まで全く知らなかった俺。本当にそれが普通なのか未だにやや疑問ではあるが、ここは涼子に合わせようと思う。
699 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 10:41:29.15 ID:tPi6dGSsO
歯磨きを終え、ルームサービスの持って来た朝食を部屋に運ぶ。今日は和食だ。
涼子の座っているソファに食事用の小さなテーブルを置き、朝食を二人分並べてから食事用前掛けを涼子につけさせた。
谷口「よし。じゃあ、いただきます」
朝倉「いただきます」
谷口「はい、涼子」
朝倉「あーん」
702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 10:50:57.46 ID:tPi6dGSsO
朝倉「んー!これ美味しいっ!谷口、これもう一個ちょうだい」
谷口「お、本当だ。美味いなこれ。はい、涼子」
涼子は食事が好きである。
それも仕方がない。以前は、カレーとおでんしか与えられていなかったらしいからな。
どんな食生活だよ。長門は何を考えているんだ。
谷口「あ、涼子。付いてるぞ」
朝倉「ん」
705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 11:05:28.62 ID:tPi6dGSsO
朝食と二回目の歯磨きを終え、一緒にソファに座って無駄にでかいテレビをつける。
谷口「ふう……」
これが幸せってやつなんだろうな。
しかし、いつまでも鶴屋さんに甘える訳にもいかん。
709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 11:43:53.75 ID:tPi6dGSsO
prrrr
部屋の電話が鳴り響く。
あー……もしかして鶴屋さんか?
谷口「はい。もしもし」
鶴屋『さっきはごめんねっ!準備は出来たかいっ!?』
謝るのはこっちですって鶴屋さん。朝から濃厚な絡みを見せてすいません。
谷口『ええ、俺も涼子も一息ついていたトコです』
鶴屋『じゃあ、今から一緒に部屋に来るねっ』
谷口「一緒……あー、昨日言ってた鶴屋さんの友人と?」
鶴屋『そうだねっ。りょこにゃんにもそう伝えてて』
そう言って、鶴屋さんは電話を切った。
鶴屋さんの友人……どんな人なんだろう?
鶴屋「谷口とりょこにゃんの力になってくれる人だよっ」
昨日鶴屋さんはそう言っていた。俺達の力になる……か。
717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 13:52:58.33 ID:tPi6dGSsO
朝倉「電話、誰から?鶴屋さん?」
谷口「あぁ。今から、昨日言ってた友人と一緒に部屋に来るってさ」
朝倉「ううーっ、なんだか鶴屋さんに会うの、恥ずかしいっ」
そりゃあくわえているトコを思いっきり見られたしな。
俺だって恥ずかしい。
朝倉「うーん。でも、その鶴屋さんの友人ってどんな人なんだろう?」
谷口「『会うまでのお楽しみっ!』とかしか聞いてないしなぁ」
男か女かすら教えてくれなかった。
谷口「でも、あの鶴屋さんがわざわざ紹介する友人なんだから、きっといい人だと思うぞ?」
朝倉「そうだね……あ、来たみたいよ」
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 14:09:50.56 ID:tPi6dGSsO
今度はコンコンッとノックの音が聞こえてから、部屋の扉は開いた。
鶴屋「いやー、りょこにゃん。さっきはごめんねっ!?なんも見てないからさっ!?」
朝倉「い、いえ、こっちこそはしたないトコを……」
数秒間、凝視してたじゃないっすか鶴屋さん。俺と涼子のはしたないトコを。
鶴屋「そういう事は無かった事にするのが一番っさ」
出来ません。
鶴屋「まぁ、それよりも……」
鶴屋さんの後から、同年代ぐらいの男が姿を表した。
この人が鶴屋さんの友人?俺の予想では、女性を連れてくると思っていたのだが。
719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 14:23:00.61 ID:tPi6dGSsO
鶴屋「はい、自己紹介」
その男は鶴屋さんに促されるも、
『名前などただの識別信号なんだがな……』
そう呟きながら、面倒くさそうに名乗りを上げた。
『藤原、とでも呼んでもらおうか』
谷口「あ、初めまして藤原さん。俺は」
藤原「君に興味はない。あるのはそちらだけだ」
……鶴屋さんには悪いが、こいつ嫌いだ。
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 14:34:23.00 ID:tPi6dGSsO
鶴屋「全く、嫌味な奴だねっ。藤原のぽんじっちはっ」
……ぽんじっち?
藤原「……いい加減、その呼び方はやめたまえ」
鶴屋「ただの識別信号なんだと思うなら、気にしない気にしない」
鶴屋さんは、にゃははと笑いながら
鶴屋「こちらが私の友人のぽんじっちさっ!
取っ付きにくい、嫌味な男の子だけど二人ともよろしくっ!」
それは誉めてるんですか鶴屋さん?まぁ、嫌味な男だと言う事だけはわかりましたが。
藤原「……ふん、まぁいい。朝倉涼子」
朝倉「え?は、はい」
723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 14:52:04.85 ID:tPi6dGSsO
藤原は、涼子に近付き……っておい。何をするつもりだ。俺の涼子に変な事でもしたらぶん殴るぞ。
鶴屋「大丈夫だよ谷口。ぽんじっちに任せて」
まぁ、鶴屋さんが言うなら……。
ぽんじっち、いや、藤原は涼子をまじまじと見ながら「ふむ」と頷き、おもむろに右手を涼子の額にあてた。
朝倉「あっ、あのっ……?」
藤原「ふん、心配するな。直ぐに済む」
藤原はそのままゆっくり目を閉じた。
724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 14:58:09.86 ID:tPi6dGSsO
朝倉「………?」
これは何のおまじないだ?
藤原「……これぐらいで良いだろう」
藤原はゆっくり目を開け、涼子から手を話した。
藤原「ふっくっく、気分はどうだ?朝倉涼子」
唇を歪ませて、藤原は嫌味な笑顔を浮かべた。一体何がしたいんだお前は。
朝倉「………うそ」
谷口「涼子?」
朝倉「こんな事って……藤原さん、貴方はいったい……?」
725 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 15:16:22.19 ID:tPi6dGSsO
藤原「ふん、禁則だ。
元々持っていた能力が復元した。完全には無理だがな。
朝倉涼子、君はその結果をただ受け止めるだけでいい」
谷口「……復元?どう言う事ですか?」
藤原「君に話すのは無駄だし無意味だ」
マジでこいつ嫌いだ。
朝倉「……あ、ありがとうございます藤原さん!」
俺のそんな気持ちとは裏腹に、涼子は藤原に深々と頭を下げた。
730 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 15:43:30.03 ID:tPi6dGSsO
谷口「涼子。一体どう言う事なんだ?」
朝倉「……谷口」
谷口「へ?」
涼子が笑顔を見せたかと思うと、座っていたソファから消えた。
谷口「なっ……!?」
朝倉「ばぁっ!」
谷口「おわぁっ!?」
いきなり俺の眼前に、舌を出した涼子の顔が現れたっ!?
朝倉「うふふ、びっくりした?」
谷口「心臓が止まるかと思った……って涼子!?」
浮いてる?
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 16:04:57.18 ID:tPi6dGSsO
涼子は、ふわふわと身体を宙に浮かせていた。
谷口「ど、どうなってんだ……?」
鶴屋「ほえー、実際見るとこりゃあ凄いねっ!?」
鶴屋さんも目を丸くしている。
力の復元……そう言えば涼子は元々……。
朝倉「見て!見て谷口!?自分で動ける!自分で動いてる!」
涼子は、空中をすいーっ、すいーっと泳ぐように移動しながらはしゃぎだした。
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 16:21:42.47 ID:tPi6dGSsO
藤原「朝倉涼子。暫く慣れるまで試すがいい」
藤原はそう言って踵を返した。
鶴屋「おや、もう帰るのかい?ぽんじっち」
藤原「だからそのぽんじっちは……ふん、まぁいい。
話は夜でも良いだろう。まだ時間はある。それに、僕もやるべき事があるのでな」
鶴屋「ふーん。だってさ谷口」
藤原「朝倉涼子にもそう伝えておいてくれ」
谷口「あ、藤原さん。涼子の事……ありがとうございます!」
藤原は無言で部屋から出ていった。
738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 16:42:12.23 ID:tPi6dGSsO
鶴屋「じゃあ、話は夜だね」
谷口「話って?」
鶴屋「ふふん♪聞いてのお楽しみさっ!」
またですか。
鶴屋「おーい!りょこにゃーん!はしゃぎ過ぎて部屋の物壊しちゃだめだからねーっ!」
朝倉「はぁい!」
鶴屋「んじゃ、まったねー♪」
鶴屋さんも、俺と涼子に笑顔で手をふりながら部屋から出て行った。
751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 18:20:30.23 ID:tPi6dGSsO
谷口「おーい!涼子ー!」
朝倉「はーい」
涼子は、すいーっと俺の元に移動して来た。
谷口「……しかし凄いな。他にはどんな事が出来るんだ?」
朝倉「うーん……色んな事をさっきから試してるんだけど……全然無理。
出来ない事のほうが多いみたいね。それに、これくらいは全然凄い事ないわよ?」
俺から見れば宙に浮いたり、姿を消したかと思えば別の現れたり、部屋にある物をびゅんびゅん動かしているだけで充分に凄いと思うが。
752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 18:21:48.29 ID:tPi6dGSsO
朝倉「あ、でも、これから谷口に苦労をかけないで済むわね。自分で動かせるわけだし」
谷口「今までの事が苦労だなんて、ちっとも思っちゃいなかったぞ涼子」
朝倉「うふふ」
涼子は、俺にすり合うように移動して来た。
朝倉「谷口のそういうトコ、私好きだよ」
ちゅっ
朝倉「うふふ。嬉しいなぁ。自分から谷口にちゅう出来るなんて……あ」
谷口「ん?どうした涼子?」
朝倉「……ねぇん、谷口ぃ」
この、とろんとした目とと猫なで声モードはまさか!?
朝倉「涼子、谷口で試したい事ができちゃったぁ……」
思いっきり何でも試してくれ!
755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 18:34:08.62 ID:tPi6dGSsO
朝倉「じゃあ谷口、動いちゃだめよぉ?涼子が何をしても我慢してねぇ?」
我慢出来るかな俺?
朝倉「うふふ……」
カチャカチャとベルトが勝手に外れ、ズボンとパンツを下ろされた。
そして、俺の股間が勝手に動きだす。
涼子が動かしているのだろう。感触はないが、まるで見えない手に動かされているようだ。
俺の股間が、勝手に右を向いたり左を向いたり上を向いたりくるくる回って
朝倉「ほいほいほい♪」
谷口「人の股間で遊ぶなっ!?」
757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 18:53:13.07 ID:tPi6dGSsO
朝倉「ごめんごめん。ちょっと面白くなっちゃって」
谷口「まったく……?」
今度は、上に着けている物を全部脱がされた。
朝倉「ねぇ、横になって。いろんな事、してあげるからぁ……お願い♪」
これ断れる奴いるの?
ベッドの上に仰向けになった俺に、涼子が宙に浮かびながらキスをしてきた。
朝倉「んっ……ふぁっ……谷口……ぜんぶ綺麗に舐めてあげるね……」
ありがとうございます藤原様。本当にありがとうございます。イヤな奴とかキライとか思って、本当に申し訳ありませんでした。藤原様、貴方は神様でっす!
朝倉「ちゅっ……ちゅっ……」
760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 19:13:09.87 ID:tPi6dGSsO
涼子が俺の身体中を舐めていく。
朝倉「んっ……ふっ……気持ちいい……?」
谷口「あぁ……気持ちいいよ涼子……」
朝倉「んっ……」
涼子の力によって、俺の股間が垂直に立った。
朝倉「ね……このまま入れちゃうね……」
涼子は身体を宙に浮かせ、垂直に立っている俺の股間の真上に来た。
朝倉「痛かったら言ってね……」
そのまま位置を確認しながら、ゆっくり降りてくる。
……涼子には悪いが、何とも摩訶不思議な光景だ。
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 19:23:14.33 ID:tPi6dGSsO
この光景は何とも表現し難いな。
宙に浮いている四肢の無い涼子が、垂直に股間にめがけて降りて来た?これでいいのか?
何て事を考えている内に……
くちゅっ
朝倉「んっ……」
ずぷっ
朝倉「はっ……あっ……」
ずぷぷっ
朝倉「あんんっ!?」
763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 19:28:21.87 ID:tPi6dGSsO
谷口「うっ……涼子……」
朝倉「あっ……動かすね……んっ……」
ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ
谷口「うっ……おおっ!」
朝倉「あっ!ねえ気持ちいい!?あんっ!谷口気持ちいいっ!?」
いつもと違って、俺の支え無しに腰を動かす涼子。
朝倉「あんっ……はあっ……ねぇ谷口ぃ……涼子、いいこと思いついちゃったぁ」
谷口「……?」
朝倉「谷口のおちんぽ……思いっきり動かすね……」
どういう意味……っ!?
ぐちゅちゅっ
朝倉「ひあっ!?これすごっ……ひううんっ!?」
言葉の通り、俺の股間だけが涼子の中で激しく動き始めた。ていうか痛ぇ!?
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 19:55:51.95 ID:tPi6dGSsO
谷口「涼子……ちょっ」
朝倉「あひぃっ!?すごいすごいしゅごいぃっ!?たにぐちおちんぽぉ!?
りょうこのおまんこのなかでぇ!?ひあんっ!?ぐりゅぐりゅっ!
おちんぽぐりゅぐりゅうっ!?きもちひぐりゅううぅぅっ!?」
駄目だマズイ。今の涼子はちんことまんこの事しか頭にねぇ!?
しかしこのままでは俺は女の子になってしまうっ!?
朝倉「はあんっ!?こしっ!こひぃっ!?たにぐちもうごかしてぇ!?」
そんな事をしたら多分折れちまう!
朝倉「ひあっ!はやくうっ!?たにぐちはやくうっ!りょうこをいかせてぇ!?」
771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 20:06:10.94 ID:tPi6dGSsO
谷口「…………」
少し動かしてみるか。
ぐちゅぷっ
朝倉「ひうあああんっ!?」
ぐちゅぷっぐちゅぷっ
朝倉「ああっ!すごいひっ!?たにぐちもっとぉ!もっとうごいてぇ!?
おまんこいぢめてぇ!ひうんっ!りょうこのおまんこいぢめてぇ!?」
よ、よし。これならもう少し動いてもなんとか……
朝倉「おちんぽももっとぉ!?」
谷口「あ」
……涼子の中で、ギリギリの回転をしていた俺の股間。それを更に越えた回転を開始した瞬間に、俺は腰を上下に動かしてしまった。その結果がこれだっ!
びきっ
谷口「ぎゃああああああっ!?」
朝倉「ふえ?」
776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 20:16:39.15 ID:tPi6dGSsO
………
……
…
朝倉「谷口……ごめんね、ごめんね」
谷口「済んだ事は仕方が無いさ……でも、もうあれはヤメテクダサイ……」
奇跡的に、俺の股間は無事だった。まだ激痛が走っているけど。
朝倉「……そうだっ!」
谷口「……?」
涼子が目を閉じた瞬間、痛みが和らいで来た。これは……?
朝倉「うーん……」
谷口「涼子?」
779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 20:25:23.60 ID:tPi6dGSsO
朝倉「……気休めぐらいにしかならないだけど、無いよりまし、か。
谷口、どう?」
谷口「さっきより、マシになった……」
朝倉「本来なら、一瞬で治癒できたんだけど……谷口、本当にごめんねっ?」
これも涼子の能力か。
谷口「……涼子、もう大丈夫だから」
朝倉「うん……本当に、本当にごめんね谷口」
781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 20:37:14.08 ID:tPi6dGSsO
それから暫く、完全に痛みが引くまでベッドの上で抱きあっていた。
谷口「……強大な力には、強大な責任が伴う、か」
朝倉「くすっ、なにそれ?」
谷口「えーっと、確かスパイダーマンだったかな……」
朝倉「スパイダーマン?」
谷口「知らない?映画の」
朝倉「うん……映画とか、観たこと無いから」
谷口「……今度、一緒に行くか。映画館に」
朝倉「ほんとっ!?」
谷口「あぁ、約束だ」
朝倉「約束ね」
谷口「……涼子」
ぎゅっ
朝倉「谷口……」
788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 21:26:51.09 ID:tPi6dGSsO
………
……
…
鶴屋「あっはっは!りょこにゃんも馬鹿だねー!
そんな事をしたら大変な事になるに決まってるっさ!」
藤原「……ふっくっく、いやに楽しそうだな」
鶴屋「あ、おかえりぽんじっち……にゃははっ!
『おかえり♪ぽん♪じっ♪ち♪』
NHK教育番組にありそうだねっ?用事は終わったのかいっ?」
藤原「たがらそのぽんじっちを……ふん、まぁいい。
しかし、また覗き見しているのか。趣味が悪いな」
鶴屋「女の子の部屋に突然入って来て、嫌味に笑いながら声をかけるぽんじっちの方が趣味が悪いにょろ」
藤原「ふん、口の減らない奴だな君は……で、何がそんなにおかしいんだ?」
鶴屋「谷口のおちんぽが、折れる寸前だったにょろ」
藤原「…………」
790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 21:45:08.87 ID:tPi6dGSsO
藤原「……僕には笑えないな」
鶴屋「にゃはは♪私は付いてないから、その気持ちはわからないっさ」
藤原「ふん、付けてみれば君にも理解出来るだろう。生殖器の改変は、やろうと思えば僕にも出来る。
ふっくっく、どうだ?付けてみるか?」
鶴屋「……ちょっと考えさせて欲しい」
藤原「え?」
鶴屋「にょろ?」
藤原「……冗談だったんだかな……まぁいい。首尾はどうだ?」
鶴屋「上々だね。後はハルにゃんをぽんじっちが拉致すれば、機関は私の物になるっさ」
藤原「実行するのは朝倉涼子だがな……」
鶴屋「それよりぽんじっち、これでみくるは本当に私の物になるんだね?」
797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 22:04:53.63 ID:tPi6dGSsO
藤原「あぁ、君の望む姿でな」
鶴屋「それにしてもぽんじっちは、よく私の心の闇を見抜いたね」
藤原「ふっくっく、一見、聖人君子のように見えるが、同族にはわかる。
僕は本来、現地民と共闘するほど落ちぶれちゃいないがね……同じ趣味を持つ者なら話は別だ」
鶴屋「趣味とはまた違うと私は思うけどね」
藤原「結局、これは他人には理解出来ないのさ」
鶴屋「ぽんじっちが羨ましいよ。既に手にしているからね」
藤原「朝倉涼子のように、素直ではないがな」
鶴屋「それはそれで楽しいっさ」
802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 22:22:48.74 ID:tPi6dGSsO
鶴屋「……じゃあ、さっきの件。宜しく頼むにょろ」
藤原「本気か……ふん、禁則に近いが、何とかなるだろう」
鶴屋「あ、見て見てぽんじっち!谷口は毎度の事ながらすごいねー。
さっきまで折れる寸前だったと言うのにさっ!?
うんうん。後学になるにょろ」
藤原「……では、また夜に来るとしよう」
鶴屋「きょこたんにヨロシクー♪にゃはは♪」
藤原「………ふん」
807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 23:09:05.12 ID:tPi6dGSsO
………
……
…
その日の夜。俺と涼子の嘘が、鶴屋さんにバレてしまった。
鶴屋「ぽんじっちから聞いたよ……ゆきっこだったんだね」
谷口「鶴屋さん、申し訳ありませんっ!俺達、鶴屋さんに迷惑がかからないようにと……」
鶴屋「うん。それは理解しているよ。私でも、隠そうとするっさ」
朝倉「鶴屋さん……」
藤原「……ふん、それぐらいで良いだろう。ここから本題だ」
814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 23:29:45.27 ID:tPi6dGSsO
藤原「長門有希。情報統合思念体から遣わされたTFEI端末の中でも、敵に回したら一番やっかいな奴だ」
朝倉「その通りです藤原さん。私と谷口は逃げるのに精一杯で……」
藤原「しかし、長門有希に対抗する方法が無いわけでは無い。
幾つか方法はあるわけだが、今の君達に残されているのは……涼宮ハルヒ」
谷口「はい。俺達もそう考えていました。涼宮と接触して、長門を何とかしたいと」
朝倉「でも、涼宮さんとに接触するだけでも、長門さんの存在があって……藤原さんに復元して貰った能力でも……私達は、長門さんに敵わない」
藤原「……ふっくっく、もし、僕が長門有希を無力化出来るとしたら?」
818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/29(木) 23:49:53.68 ID:tPi6dGSsO
谷口「出来るんですかっ!?」
藤原「可能だ。方法は禁則、だがな。
しかしだ。幾ら僕でも、涼宮ハルヒを捕獲して連れ去る事は困難だ。そこで朝倉涼子」
朝倉「……藤原さんがどうして私の力を復元したのか、やっと理解出来ました」
藤原「その通り。そして僕の本当の目的は朝倉涼子。一年前の君と似たような物だ」
朝倉「…………」
藤原「少々回りくどいやり方ではあるが、君と違って僕にもいろいろとあるのさ。そして時空の歪み……時空改変能力さえ観測出来れば良い。先程似たような物と言ったが、撤回しよう。似ているようで全く違う」
朝倉「そうですね……藤原さん。では、私はいつ、どこで、何をすれば良いのでしょうか?」
藤原「いつ、どこでは後程伝える。何を?それは決まっている。涼宮ハルヒの拉致だ」
821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 00:20:54.39 ID:0XMUjNi0O
谷口「…………」
涼宮を拉致。
今の涼子なら、いとも簡単に出来るだろうな。
鶴屋「……キョン君には、私から伝えるっさ」
谷口「鶴屋さん?」
鶴屋「もちろん、みくるや古泉君にも。りょこにゃんや谷口な事を知ったら、協力してくれると思う。きっと、全てうまくいくっさ!」
朝倉「鶴屋さん……」
藤原「ふっくっく、そう言う事だ。何も心配はいらない」
朝倉「……一つだけ、藤原さんに質問があります。宜しいですか?」
藤原「ふん、どうやって涼宮ハルヒの時空改変能力を観測するか、だろう?」
朝倉「はい……」
822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 00:27:01.41 ID:0XMUjNi0O
藤原「……禁則、しかし」
鶴屋「私がそれを手伝う事になってるにょろ」
朝倉「鶴屋さんが?」
鶴屋「そうにょろ。今はまだ口に出したら駄目って、そこのぽんじっちに言われているっさ。
うーん、答えになってないと思うけど、『今ある世界に殆ど影響を与えない方法』
これしか言えないけど……納得してくれるかいっ?」
朝倉「は、はい。鶴屋さんがそう言うなら……」
こうして、話し合いは終了した。
鶴屋「りょこにゃん、谷口、皆で一緒に頑張ろうねっ!」
藤原「……先程も言ったが、決行の日時は改めて伝える」
二人はそう言い残して、俺達の部屋から出ていった。
823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 00:31:47.57 ID:0XMUjNi0O
谷口「涼子……これって」
朝倉「谷口っ!」
谷口「おうっ!?」
涼子は俺の胸に勢い良く飛び込んで来た。
朝倉「なれるよっ!この話が上手くいったら、私達幸せになれるよっ!?」
谷口「そ、そうだなっ!」
確かに、これさえ上手く行けば俺達は長門の影に怯えなくなるだろう。
……なーんか上手く出来すぎ感が拭えないのは俺だけっ!?
860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 10:40:40.13 ID:0XMUjNi0O
………
……
…
もう、何が起きても驚愕しない覚悟は決めたつもりだったんだがな。
四肢の無い朝倉涼子の画像を見て、その覚悟がまだ全然足りないって事を思い知らされた。
キョン「古泉……お前はこれをどう考える?」
古泉「……何故、朝倉涼子が存在しているかは、今は知る由はありません。
まぁ、四肢の無い姿とその行動で大体予想はつきますが……」
キョン「まぁな。利用する為に復活でもさせたんだろうな……あのケラケラ笑う奴が」
861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 10:56:18.66 ID:0XMUjNi0O
森「それは断定出来ません」
キョン「森さん……」
確かに、周防九曜の仕業だと考えるのが妥当だが、今回の件はとっくに滅茶苦茶を通り越している。
森「資料の続きを」
森さんに促され、資料を読み進める……。
キョン「……何をしているんだお前は」
自然に口に出てしまった。
谷口。
読み進めた資料でその名前を目にした瞬間、良い事なのか悪い事なのか緊張が一瞬で解けてしまった。
キョン「はぁ……もう考えるのが面倒だー古泉ー俺はいつものように結果だけを見るぞー後はお前が頑張れー」
古泉「ちょっと貴方、何を言ってるんですか?気持ちは解りますが、しっかりして下さいよ」
キョン「これがしっかり出来るかっ!?」
新川「ふむ……ここから南下しながら各地の施設で一緒にいるのを確認……」
863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 11:32:04.12 ID:0XMUjNi0O
古泉「そして一週間前に完全に消失……」
新川「……谷口君に関する情報ソースは、鶴屋家ですか……ふむ」
森「ええ。鶴屋家からは人員は勿論、様々情報や監視映像を提供して頂きました」
875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 13:07:25.79 ID:0XMUjNi0O
古泉「ちょっと。貴方もヤル気出して下さいよ。谷口君が黒幕の可能性もあるんですから」
キョン「……俺もそれを真っ先に考えちまった」
しかし、良くここまで詳細に調べる事が出来たな……少し恐ろしいぞ鶴屋家。
最初に谷口の姿が確認出来るのは一ヶ月前の路上の監視カメラ。既にこの時点で一緒か。バスタオルにくるんであるのは朝倉だな。
そして、その朝倉を初めて確認したのは三週間前の監視映像……って、この資料の記述。
谷口と朝倉の宿泊していた部屋を、普段から監視と言うよりは盗撮していたような。
犯罪じゃないのか?
まぁ、それは置いておこう。
そこで谷口は、嫌がる朝倉涼子を強姦か……。
877 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 13:23:51.41 ID:0XMUjNi0O
そして各地を転々としながら、一週間前に忽然と姿を消した。
そして今日、朝倉涼子がハルヒと共に消失……。
キョン「もし、谷口が黒幕なら今頃ハルヒは……」
駄目だ。泣きそうだ俺。よりによって谷口か。谷口なのか?
古泉「しかし、これだけを見ると周防九曜との接点はありません。
それに、さっきはああ言いましたが、彼が今回の件の黒幕の可能性は低い」
キョン「常に最悪の可能性を考えろと言ったのは、お前だ古泉。
周防九曜と接触したからこそ、鶴屋家ですら一週間も姿を確認出来ないんだろうよ」
森「断定はいけませんよ?私も、谷口君が黒幕の可能性は皆無だと思います」
878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 13:27:52.71 ID:0XMUjNi0O
新川「しかし、何らかの形で関わっているのは確かですね」
キョン「そして、今の谷口は俺の知っている谷口じゃないって事もだ」
………四肢の無い朝倉を強姦するなんて……なんて……羨ましい……って
キョン「何を考えているんだ俺はっ!?」
古泉「何ですか……そんな大声出さなくても、谷口君黒幕説はたった今」
キョン「違う……そう言う事じゃ……あ、いや、そうだな」
森「……大丈夫ですか?気分が優れないのでは……」
キョン「あ、いえ。大丈夫です森さん。ちょっと勘違いしちゃって」
そうだ。勘違いだ。
そんな事、羨ましいと思う訳が無いじゃないか。
そんな事は狂っている。
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 13:45:03.14 ID:0XMUjNi0O
『好きな人が四肢切断の目に合っても、以前と変わらずに接する事が出来る?』
くそっ!?何で今、ハルヒの言葉を思い出すんだよ!?
思考を切り替えろ。そんな事は今は重要じゃない。
羨ましいとか羨ましくないとか、今はどうだって良いだろうが!
森「少し、休まれてはいかがですか?顔色が……」
キョン「……だ、大丈夫です森さん。本当に大丈夫ですよ。それに今は休んでいる暇なんて無いでしょう?ええと、どこまで読みましたっけ?」
俺は資料を目にする。
四肢の無い朝倉涼子。四肢。無い。朝倉。涼子。
朝倉の写真とその文字のみが、くっきりと浮かび上がって来た。
くそっ駄目だ。違う。俺は違う。そうじゃない。俺は谷口とは違う。
881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 13:55:18.64 ID:0XMUjNi0O
古泉「1日でいろんな事があり過ぎましたからね……」
そうだ。古泉の言う通りだ。いろんな事があり過ぎて、俺は疲れているんだ。そう、疲れているからなんだよ。
そう、俺は疲れているんだ。だからそんな事を考えるんだ。
その証拠に、目の前が少しずつ揺れ始めた。まるで地面が揺れ動いているよう……だっ!?
ズズンッ!!
キョン「うあ!?」
本当に地震かよっ!?
882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 14:03:58.60 ID:0XMUjNi0O
地面が、音を立てて激しく揺れ動いた。
新川「これは……?」
古泉「地震……いえ、これは」
森「まさかっ!?」
ズズッ……ズッ……
キョン「……止まっ……た……?」
揺れがおさまると同時に、どこからか警報器が喧しく鳴り響く。
それと同時に、あの笑い声が聞こえて来た。
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
893 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 16:25:59.86 ID:0XMUjNi0O
唐突に、俺達の目の前に周防九曜『達』は現れた。
空中にふわふわと浮いている、四肢の無い真っ白な身体。
真っ黒な長い髪。
そして両端に、その真っ黒な長い髪を存分に絡ませた二つの死体。
「なっ……!?」
目にしている今でも、信じがたい光景だった。
周防九曜の両端には二つの死体。
一見してわかる、二つの死体。右に橘京子の死体を。左に藤原の死体を。
四肢の無い橘京子の死体を。
四肢の揃っている藤原の死体を。
二つの死体を並べるように自らの黒い髪の毛だけで宙に浮かし、周防九曜はその中心でケラケラ笑っていた。
897 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 16:39:26.12 ID:0XMUjNi0O
その周防九曜の姿に、俺は足がすくんでいた。
森「新川っ!!」
先に動いたのは、森さんだった。
森さんは、一直線に周防九曜に向かって走りだした。
森「やられる前に」
ジャカッ
いつの間にか銃を手にしていた森さんは、周防九曜に向かって──
九曜「無──駄──」
森「く あ 」
伸ばした森さんの右腕は、銃を手にしたまま、ぼとりと取れて落ちた。
899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 16:51:14.26 ID:0XMUjNi0O
森「あ」
そして左腕が取れて
左足と右足が取れて
走り出していた慣性で、森さんは身体だけが宙に浮いていた。
森「ふ」
それでも、森さんは不敵に笑みを見せた。
900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 16:53:58.00 ID:0XMUjNi0O
森「くたばり……なさい」
ガシッ
森さんの影に隠れ、同時に向かっていた新川さんが宙に浮く森さんをそのまま抱き抱えた。
九曜「────!?」
新川「本命は私でございます」
新川さんはそのまま銃を周防九曜に向け
ビスッ
九曜「が──あ──?」
短針銃。俺があの時、長門に使った物とそっくりだった。
902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 17:02:17.75 ID:0XMUjNi0O
何故それを新川さんが持っているのかは、わからない。が、
九曜「あ──う──?」
周防九曜は、明らかに困惑した表情を見せていた。
新川「これが通用しなければ……」
新川さんは、四肢の取れた森さんを抱えたまま呟いた。
九曜「ぎ────」
周防九曜は、全身を震わせ
九曜「が────」
ドサッ
古泉「新川さんっ!!」
倒れたのは
新川さんだった
903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 17:09:31.94 ID:0XMUjNi0O
キョン「そんな……」
地面に倒れた新川さんと四肢の無い森さんは、微動だにしない。
九曜「は──あ──」
周防九曜は、少し身体を震わせた後
──ケラ
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
古泉「新川さん……森さん……」
青ざめた顔で古泉が呟いた。
古泉「周防九曜……何が……何がしたいんですか貴女は……僕には貴女の行動が全く理解出来ない……」
905 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 17:21:29.65 ID:0XMUjNi0O
九曜「理解──不能──どうして──?」
古泉「だったら教えて下さい……目的は何なんですか!?」
周防九曜はケラケラと嘲笑い
九曜「貴方に──贈り──物──」
古泉「だからっ!?そう言うのが理解出来ないと……っ!?」
地面に倒れていた森さんの身体が宙に浮き、ゆっくりと古泉の元に移動した。
古泉「森さ……」
九曜「二人は──私の──これは──貴方の──そして──」
周防九曜が、ゆっくりと此方を振り向いた。
九曜「貴方にも──」
907 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 17:36:19.30 ID:0XMUjNi0O
「この──贈り──物──」
突然、目の前に大きな四角い木箱が現れた。
匣が目の前に
「貴方は──思った──酷く──羨ましいと────」
匣の中には綺麗な娘がぴつたりと入つてゐた
唐突に、自分の脳裏に浮かんだその言葉をかき消すようにと、ぐしゃぐしゃに頭を掻き毟った。
「だから──その時が──来るまで──」
箱筥函凾匳奩篋
匣の蓋がゆっくりと開く
「愛でて────」
箱の筥の函の凾の匳の奩の篋の
匣の中には
『……して……殺して……』
佐々木が入っていた。
908 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/30(金) 17:39:24.46 ID:0XMUjNi0O
既に第何部か忘れた
914 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/30(金) 17:51:30.07 ID:0XMUjNi0O
六だ。五終わりって書くの忘れた。 少し、休む
935 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 20:32:25.68 ID:0XMUjNi0O
………
……
…
朝倉「ねー谷口ーどうしたのー?さっきから元気がないわよー?」
鶴屋さんと藤原さんの話を聞いて、気持ちが高ぶっている涼子。
谷口「……そう見えるか?」
朝倉「見えるわよ。一体、どうしたの?」
涼子は、すーっと俺の胸に移動して来た。
谷口「……鶴屋さんに会ってから、全て上手くいき過ぎてるって言うか」
朝倉「それに何の不満があるの?良い事じゃない」
谷口「そうなんだよなー……良い事過ぎるんだよ……俺の言ってる意味、わかるか?」
朝倉「全っ然わかんないわよ」
936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 20:44:37.27 ID:0XMUjNi0O
谷口「だよな」
朝倉「んー……谷口は、何が言いたいの?」
谷口「多分……慣れてないのかな?俺の人生、昔っから良い事があると、その倍悪い事が返って来ると言うか」
朝倉「…………」
谷口「元々そういうキャラって言うか、そういう人生なんだよな。それで何か……怖くなってさ」
朝倉「……それは、谷口一人の人生の時の話でしょ?」
谷口「え?」
朝倉「今は、二人の人生を一緒に歩んでるじゃない」
谷口「涼子……」
朝倉「その歩む人生に、三人、四人……私は谷口と家族を作って、皆で一緒に人生を歩むつもりよ?
既に二人分の人生を歩んでいるんだから、良い事続きでもおかしくないじゃないっ!?」
941 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 20:58:51.23 ID:0XMUjNi0O
朝倉「それに、もう三人分の人生かも知れないし……」
谷口「え?」
朝倉「ま、まだわかんないけどっ、毎日谷口のいっぱい注いでもらってるし」
谷口「涼子っ!」
涼子「んっ……谷口、苦し……」
谷口「そうだな。そうだよな……涼子と出会って、運命は変わったしな!」
朝倉「谷口……」
谷口「今までの俺の人生じゃ、考えられない事ばっかりだ。それも全部、涼子に出会ってから始まった」
朝倉「そうよ……私だって、決して良い人生じゃなかった。むしろ最悪よ。でも、谷口に出会ってから180度変わったわよ」
谷口「駄目な人生同士、一緒になると反転するのかな」
朝倉「うふふ。そうかもね」
943 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:03:24.92 ID:0XMUjNi0O
谷口「一緒に……良い事続きの人生を歩もうな、涼子」
朝倉「約束ね?」
谷口「ああ、約束だ」
朝倉「谷口……大好きっ」
谷口「涼子……」
俺は、そのまま涼子に口づけをして押し倒した。
945 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:11:30.93 ID:0XMUjNi0O
………
……
…
鶴屋「くっはーっ!見てるこっちが恥ずかしいっさっ!?」
藤原「……僕には、彼と朝倉涼子が何を言っているのか理解出来ん」
鶴屋「ぽんじっちは、そういう所がわかってない。全っ然駄目にょろ。
きょこにゃんも、ささにゃんも、くーたんも。
ちゃんと愛してあげなきゃいけないっさ!」
947 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:20:48.13 ID:0XMUjNi0O
藤原「ふん……僕の物に、そういう感情は必要ない。必要なのは絶望だけだ」
鶴屋「気持ちはわかるけどね。でも、せっかく三人も持っているのに、本当に勿体無いにょろ」
藤原「……君は、朝比奈みくるに彼のように接するつもりか?」
鶴屋「ううん。私に対して全ての感情を持つようにしたいにょろ。
正も負も全部ね。にゃはは♪」
藤原「ふっくっく、僕が言うのも何だが、君ほど狂っている人間はそういない」
鶴屋「誉め言葉として受け取っておくにょろ」
950 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:30:39.53 ID:0XMUjNi0O
鶴屋「うーん……それにしても、本当に勿体無いにょろ。私なら……」
藤原「ふん、回りくどい言い方をするな。試したいのだろう?それを」
鶴屋「にゃはは♪ばれちゃあしょうがないね?
……って、一見してバレバレだねっ!?いやんっ!?
恥ずかしいから見ないでぽんじっちっ!?何でこんなに大きくしたのさっ!?」
藤原「嬉しそうに言われても、こっちが困る。なるべく大きな物を付けて欲しいと言ったのは君だ。
……ふん、まぁいい。君なら僕も構わない。それで、誰で試したいのかね?」
953 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:40:33.68 ID:0XMUjNi0O
鶴屋「ぽんじっち」
藤原「…………」
鶴屋「ぽんじっちのお尻に」
藤原「……君が僕と同属だと思っていたのは、どうやら勘違いしていたようだ」
鶴屋「にゃはは♪冗談に決まってるっさ!?まったく、ぽんじっちは冗談も通じないのかいっ!?」
藤原「……その鬱陶しい気持ちの昂りは止めてくれたまえ。僕はそういうのに慣れていないんだよ」
鶴屋「ごめんね?ぽんじっち……見てから決めるにょろ」
藤原「ふん……では、行こうか。ついて来るがいい」
958 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 21:49:30.87 ID:+NaG3+9z0
いやこのスレ内で終わらせて
968 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/30(金) 22:34:48.82 ID:0XMUjNi0O
>>958見て、ソードマスター方式で強制終了って気持ちが出てきた。
あー、うん。はい。ごめん。やっぱりやらない。
駄文糞文オナニーなんだけど、明日夕方ぐらいに自分で立てたい。
許して欲しい。今までそうやって来たから?よし。書き貯める。
多分全部は出来ないけど。許せよー♪ごめん。マジでごめん。
マジで愚痴書いていいか?書かせろバカバカまんこ。うん。そうだ。最初はあのスレ見て、
「朝倉涼子を幸せにして欲しい……」
じゃなくて
「朝倉涼子を孕ませて欲しい……」
だったら面白いよな。キョンより谷口だったら面白いよな。コピー改編ペーストするか。いやいやあっちの>>1に失礼じゃねーか。何をやってんだ。。
まぁいいや。やったのはしょうがない。いつものように達磨にして、
おちんぽおまんこ、あん♪ああん♪あん♪ああん♪あん♪言わせちゃえ。書きながらなんか思い付いた。涼宮ハルヒの魍魎の匣とか面白そうだよな。
はい。文才ないから現在に至る。
こんなの書いてる暇あったら書き貯めろ?マジで土下座だし。うん。明日夕方ぐらいに。本当にごめんなさい。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:40:37.51 ID:TZkzA673O
………
……
…
二人は、真っ白な空間を並んで歩いていた。
鶴屋「いやー。瞬間移動だなんて、本当に便利な能力だねぽんじっち!
そろそろ髪が金色になったり、手のひらから気功波も出せるようになるんじゃないかなっ!?」
藤原「ふん、九曜の能力を利用しているだけだ。この空間もな」
鶴屋「まるでそのまんま精神と時の部屋っ!だけど居るのはドクターゲロみたいなっ!?」
藤原「精神……ドクターゲロ……なんだそれは?」
鶴屋「ぽんじっちは男の子なのにDBを知らないのかいっ!?」
藤原「何故そんなに驚く」
鶴屋「遥か未来でも、愛読されていると信じていたにょろ……これは、鶴屋家が全力で後世に残す努力をしなければいけないにょろ」
藤原「さっきから何が言いたいんだ君は……」
鶴屋「うーん……くーたんの力を利用しても、やっぱりお仲間達には敵わないのかい?」
藤原「ふん、無駄な労力をなるべく避けたいだけさ……だから存在しないはずの朝倉涼子を利用する」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:49:53.43 ID:TZkzA673O
鶴屋「りょこにゃんを利用して終わったら、どうするつもりにょろ?」
藤原「ふっくっく……勿論、僕の物にするのさ」
鶴屋「にゃはは♪谷口かわいそ、かわいそなのですっ!」
藤原「…………にぱー……」
鶴屋「……何でDB知らなくて、それを知ってるっさ!?」
藤原「……ふん、別にどうだって良いだろう」
藤原は、小さな建造物の前に立ち止まって扉に手をかけた。
二人が向かっていたのは、この小さな研究施設。
真っ白な空間には、まるで四角い箱のようなこの小さな研究施設しか存在していない。
藤原「それではようこそ、次期鶴屋家当主殿。僕の研究施設へ──」
藤原は、少し演技じみた動作と歪な笑みを浮かべて扉を開いた。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 18:53:23.50 ID:TZkzA673O
研究施設の奥へと二人は進んでいく。
鶴屋「いつもながら、凄い設備だねーぽんじっち」
藤原「ふん、涼宮ハルヒの能力を完全に解析するには、これでも足りないぐらいだ」
鶴屋「谷口やりょこにゃんにしてた話も、半分は本当だもんね」
藤原「半分はな……ふっくっく、ここで涼宮ハルヒの肉体と能力を一時的に凍結。そして……」
鶴屋「僕は新世界の神となるっ!?」
藤原「……何だそれは」
鶴屋「……ぽんじっちはジャンプ系に疎いにょろ……ハルにゃんの力を手に入れるんなら、それと似たようなもんっさ」
藤原「ふん……そう解釈しても構わん……僕が望んでいるのは、神とはまた違うのだがな……」
そう呟きながら、藤原は研究施設の一番奥にある部屋の扉を開く。
匣
大きな匣
その部屋には、三つの大きな匣が均等に並べられていた。
匣の中には、それぞれ三人の四肢の無い少女がぴっつりと入っている。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:01:32.98 ID:TZkzA673O
鶴屋「やっほーいっ♪
ささにゃん、くーたん、きょこたん、みんな元気にしてたかなっ!?」
佐々木「殺して……はやく殺して……」
鶴屋「ささにゃんはいっつもこれしか言わないねー。ま、それはそれで良いんだけどさっ!」
佐々木「はやく……殺して……殺して……」
鶴屋「……にゃはっ♪ささにゃん、良い事教えてあげるにょろ。この前えっちいな事しながら、写真やビデオ撮ったの覚えてるかなっ?」
佐々木「お願い……はやく私を殺して……」
鶴屋「……あれ、全部キョン君に見せちゃったにょろ」
佐々木「いっ……いやあああああああああああああああああっ!?
もう殺してっ!?殺してぇっ!?うああっ!?
お願いいっ!!お願いだから誰かはやく私を殺してえええぇぇっ!!」
鶴屋「あっはっはっ!冗談にょろっ!
びっくりさせちゃったねぇ!?ごめんねぇ、ささにゃんっ!」
佐々木「ああっ、あっ……ううっ……うああっ……」
鶴屋「あーあ、ささにゃん泣いちゃったにょろ。にゃはは♪」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:10:32.88 ID:TZkzA673O
鶴屋「くーたんは元気かな?」
九曜「元──気──」
鶴屋「うんうん。くーたんが一番聞き分けが良いっさ!」
藤原「ふっくっく、洗脳状態にあるからな」
鶴屋「……そこの短針銃かい?」
藤原「……驚いたな。何故君がそれを知っている?」
鶴屋「にゃはは♪かまをかけただけにょろ。まぁ直感的にそう思っただけっさ!」
藤原「ふん……成る程、確かに鶴屋家の一族は代々鋭い直感力に長けていたな……それは一種の予知能力と言っても過言では無い」
鶴屋「で、どう使うのかなっ?」
藤原「禁、則」
鶴屋「けちけちさんだねーぽんじっちは」
九曜「けち──けち──さん──?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:13:13.64 ID:TZkzA673O
藤原「知ったところで、君がこれを使う事は無いだろう?ならば無意味だ」
鶴屋「そんなのわかんないっさ?何故なら、試すのはくーたんに決めたにょろ。
今夜はくーたんに思いっきり試すから、もしそれで洗脳が解けたりでもしたらどうするんだいっ?」
藤原「ふっくっく、今日も九曜か。君は本当に九曜が好きなんだな」
鶴屋「しょうがないっさ!ささにゃんはあんなんだし、きょこたんは……」
橘「……はやく……はやくぅ……」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:25:22.27 ID:TZkzA673O
藤原「ふっくっく、どうした橘京子?」
橘「はやく……はやくおちんぽくださいなのですっ!?
藤原くんのおちんぽはやくぅ!?」
鶴屋「ぽんじっちに、ぞっこんにょろ」
橘「ああっ!?はやくぅ!?ずっと我慢してたのですっ!
京子はいっぱい我慢してたのですっ!でも、もうらめえっ!?
ほしいのっ!?ふじわらくんのおちんぽほしいのぉ!?」
藤原「どこに欲しいんだ橘京子?」
橘「おまんこぉ!きょうこのおまんこにっ!
きょうこのいやしいおまんこにひぃっ!?
くださいっ!くださいなのれすっ!?ふじわらくんのおちんぽぉ!
はやくきょうこのいやしいおまんこにくらひゃいなのれすぅっ!!」
鶴屋「きょこたん、おちんぽなら私にもあるにょろよ?」
橘「ふああっ!?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:29:41.95 ID:TZkzA673O
藤原「……おい」
鶴屋「いやんっ!?恥ずかしいにょろっ!?あんまり見ないでぽんじっち!?」
藤原「見せ付けるようにしておいて、何を言っているんだ君は……」
橘「あっ……ああっ……おちんぽ……鶴屋さんにもおちんぽがっ!?」
鶴屋「にゃはっ♪きょこたん、どうにょろ?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:31:13.34 ID:TZkzA673O
橘「きょ、きょうこのいやしいおまんこはふじわらくんせんようなのれすぅ。
れも、れもこんなおっきなちゅるやおちんぽぉ……」
橘京子は、チラリと藤原を見た。
藤原「ふっくっく、橘京子。僕の事は気にしなくて良いぞ」
橘「……りょ」
鶴屋「りょ?」
橘「りょうほうっ!りょうほうくらひゃいなのれすっ!?
ふじわらくんのおちんぽはおまんこにぃ!ちゅるやにゃんのおっきいおちんぽはおしりにはめてぇ!?しょうれす!これがいちばんらのれひゅっ!?
ふたりできょうこをいじゅめりゅりょれしゅぅ!?きょこのぉ!きょこのおまむことおひりをふらりれおきゅまれいじゅめれくらひゃいらろれひゅぅ!?」
鶴屋「欲張りさんだねーきょこたんは」
九曜「欲──張り──さん──?」
藤原「ふん、どうするのだ?僕は構わないが……」
鶴屋「うーん、やっぱり最初はくーたんにょろ!
筆下ろしが宇宙からの使者なんて、一度しか体験出来ないっさ!」
橘「ひあうあっ!?じゃあっ!じゃあちゅぎはわらしらろれひゅ!?しゅおうきゅようのちゅぎはわらしっ!わらひったちばにゃきょこにちゅるやおちんぽぉ!?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:33:48.11 ID:TZkzA673O
鶴屋「……ぽんじっち、きょこたんに早くしてあげたほうがいいと思うにょろ。さっきから大変な事になってるにょろ」
藤原「ふっくっく、もう暫く我慢させたかっのだが……まぁ頃合いか」
鶴屋「じゃあ、くーたんは私が連れてくにょろ」
藤原「ああ、あちらの寝室を使うがいい」
鶴屋「……あ、思い出したにょろ。それ、教えて欲しいっさ!?」
藤原「……ふん、その可能性は皆無だがな……持っていくがいい。何かあったら、九曜に向かって撃つだけでいい」
鶴屋「さんきゅーぽんじっち!こう見えて、心配性なのさ!
初めてだから安心したいのっ!でも優しく無いみたいなっ!にゃはっ!?」
藤原「ふん……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:37:25.25 ID:TZkzA673O
………
……
…
鶴屋「みゃはあっ!?またいっちゃうにょろっ!くーたんっ!?」
九曜「あはっ──あっ──」
鶴屋「でるぅ!?みるくっ!みるくびゅーびゅーでるにょろぉっ!?」
九曜「おちんぽ──みるく──あっ──なかに──」
鶴屋「んみゃあっ!?」
九曜「ひうっ──みゅ──ん──」
鶴屋「はぁ……んっ……結局、一晩中やってしまったにょろ……くーたん、くーたん起きるっさ」
九曜「ふ──みゅ──?」
鶴屋「……そろそろ決行するにょろ」
九曜「──わか──った──」
鶴屋「……にゃはっ♪」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:49:03.83 ID:TZkzA673O
………
……
…
藤原「……涼宮ハルヒの時空改変能力が、僕の本来の時間平面よりも遥か先の物による産物だと仮定すると……」
コンコンッ
藤原「……開いている。気にせずに入りたまえ」
鶴屋「いやーっ!ついつい一晩中も試しちゃったにょろっ!」
藤原「ふん……僕も先程終えたばかりだ」
橘「んっ……せいしぃ……藤原くんのおちんぽせいしぃ……京子にいっぱぁい……」
鶴屋「それにしても精が出るねーえっちも研究も?にゃはっ♪」
藤原「……九曜を置いたら、少し向こうで休むがいい。暫くしたら送る」
鶴屋「邪魔してごめんねぽんじっち。でも、それ多分間違っているにょろ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:54:09.83 ID:TZkzA673O
藤原「む……それは君の直感か?」
鶴屋「そうにょろ。何が書いてあるのか、ほとんどわかんないけどさっ!?」
藤原「ふむ……君がそう言うのなら、そうかも知れんな……」
鶴屋「あらら外すのかいっ?眼鏡をかけたぽんじっちも素敵だったのにさっ!?」
藤原「ふん、伊達だよ。気持ちの切り替えに便利だからな」
鶴屋「へぇー、進化したはずの未来人でもそういうもんなのかいっ?」
藤原「ふん、進化したのは道具だけさ。人間はそれほど進化しちゃいない。だからこそ、彼女達は進化の可能性を……いや、この話を君にしても無意味だな」
鶴屋「なんとなくわかるっさ」
藤原「直感力……か。
どうだ?君も朝比奈みくるを手に入れたら、僕の研究に協力してくれないか?」
鶴屋「にょろ?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 19:56:55.10 ID:TZkzA673O
藤原「直感や閃きは、この研究に重要な要素だ。君程の直感力があれば」
鶴屋「うーん、良い話なんだけどさっ!丁重に御断りするにょろ」
藤原「……束縛されるのが嫌なのか?そんな事はしないさ。君の好きな時間に」
鶴屋「そう言う事じゃないっさ、ぽんじっち。
確かにこの研究は魅力的っさ。だから私はね……」
藤原「!?」
鶴屋「……奪う事にするよ」
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 20:21:42.73 ID:TZkzA673O
九曜「力を──返して──」
周防九曜の黒く長い髪が、藤原にまとわりつく。
藤原「九曜止めろ……ぐうっ……力が……鶴屋、君はっ!?」
鶴屋「ぽんじっちはくーたんを完全に洗脳は出来てなかったにょろ。
にゃははっ♪だからドクターゲロがいるって私は言ったじゃないか?」
藤原「何故……まさか直感力だとでも言うのか……だから君は九曜を……くあっ……」
鶴屋「完全と思われた洗脳に隙間があったからねっ!
ぽんじっちが気付かないように、少しずつ、みつしりと、くーたんにいろいろと詰め込んでおいたにょろ」
藤原「くっ……馬鹿な……?」
鶴屋「探し物はこの短針銃かなっ?
もう一度撃てばなんとかなるかも知れない……ってとこかな?にゃははっ♪」
藤原「ぐうっ……もう力が……殆ど……」
鶴屋「ぽんじっち……せめて苦しまないように、楽に殺してあげるにょろ。
くーたん、殺るにょろ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 20:49:07.94 ID:TZkzA673O
藤原「ぐっ……おおっ!?」
ズバッ
九曜「────っ!?」
鶴屋「くーたんの髪を切断する力が残ってたなんてね……でも、もう力は残って無いじゃないかな?」
藤原「…………」
鶴屋「今のぽんじっちは非力な未来人っさ」
藤原「……君の言う通りだ」
藤原はそう呟き、意識が朦朧としている橘京子を抱き上げた。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 21:23:18.90 ID:TZkzA673O
鶴屋「……にゃはっ♪一番のお気に入りを抱いて死ぬつもりかいっ?」
藤原「…………」
鶴屋「それも一つ選択っさ。でも心配する事ないにょろ。
ぽんじっちが死んだら、きょこたんは私がたーっぷり愛してあげるっさ」
藤原「……ふっくっく」
鶴屋「!?」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 22:23:47.66 ID:TZkzA673O
藤原「非力な未来人……確かにそうだ」
鶴屋「……くーたん、さっさと」
藤原「直感力……大した物だ……これから僕がする事もわかるのだろうな」
鶴屋「くーたんっ!」
九曜「──橘京子は──どうするの──?」
藤原「ふっくっく、九曜は特化し過ぎているのさ。正常な状態でも不安定だ。応用が効かない。付け入る隙は幾らでもある……禁則を破らせてもらうぞ」
鶴屋「くーたん!?もう二人一緒に」
藤原「ふん、もう遅い。僕からすれば過去だが、君達からすれば未来だ……追ってこれるかな?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 23:38:53.37 ID:TZkzA673O
鶴屋「くーたんっ!?ぽんじっちを早く止めるっさっ!?」
九曜「──了──解──」
藤原「ぐうっ!?」
バシュッ
鶴屋「あ……消え……」
藤原と橘京子は、時間を越えて姿を消した。
九曜「大丈──夫──」
鶴屋「くーたん?」
九曜「72時間後──光陽園駅前公園──それが──移動先──」
鶴屋「……三日後だね」
九曜「彼の──肉体の──停止は──成功──」
鶴屋「……つまりどうなるにょろ?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/31(土) 23:52:39.08 ID:TZkzA673O
九曜「──今から──71時間──58分47秒後──」
鶴屋「そこまで細かなくてもいいにょろ」
九曜「活動を──停止した──彼と──橘京子は──光陽園駅前公園に──」
鶴屋「……きょこたんは生きているんだねっ!?」
九曜「最終的に──貴女が──命じた──のは」
鶴屋「くーたん、つまり三日後の光陽園駅前で死んだぽんじっちときょこたんが時空を越えて現れるんだねっ!?」
九曜「そう────」
鶴屋「三日後……にゃはっ♪くーたん、良くやったにょろ」
九曜「おり──こう──さん──?」
鶴屋「うんうん。くーたんはおりこうさんっさ!」
九曜「──ご褒──美──ちょう──だい──」
鶴屋「……にゃはっ♪くーたん、しっかりくわえるにょろ」
九曜「んっ──む──」
65 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/01(日) 00:11:03.42 ID:rQorNUuvO
鶴屋「んみゃっ……くーたん、もっと舌をつかうっさ……」
九曜「んっ──んくっ──」
鶴屋「あんんっ!?くーたんは、本当におりこうさんだねっ!ささにゃんもそう思うにょろ?」
佐々木「…………」
鶴屋「ささにゃんは、本当は解っているんでしょ?私の気持ちをさっ?」
佐々木「……もう……考えくない……だから殺して……私を殺して……」
鶴屋「だーめだよ、ささにゃんっ?次はきょこたんの予定だったけど、ぽんじっちが禁則を破るなんて考えてなかったからね。
だから、くーたんにご褒美あげたら……次はささにゃんだねっ!?三日もあるしねぇ!?」
佐々木「うっ……ああっ……誰か……お願い……私を殺して……早く私を殺して……」
鶴屋「にゃはっ♪にゃはにゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっっ♪♪♪」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 06:59:07.09 ID:rQorNUuvO
………
……
…
夜。光陽園駅前公園。
普段人気の無いこの公園のベンチの上で、一人の男性が少女を抱き締めて座っていた。
四肢の無い少女を抱き締めて座っていた。
藤原「うぐっ……無理……だったか……」
橘「んっ……藤原……くん……?」
藤原「橘……京子……僕は……もう……」
橘「え……?」
藤原「今まで……すまなかった……僕は……本当は……君を……」
橘「藤……原……く……」
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:00:08.10 ID:rQorNUuvO
九曜「橘──京子──貴女を──迎えに──」
橘「何が……何があったのですか……どうして……藤原君が……いやっ!?いやよぉ!?」
九曜「────?」
橘「藤原君……うっ……うああっ……」
九曜「何が──悲しい──の──?」
橘「お願い九曜さんっ!?藤原君を生き返らせてっ!?九曜さんなら出来るでしょう!?お願いっ……お願いよぉ!!」
九曜「それは──出来ない──彼女は──活動──停止を──私に──」
橘「お願い……お願いよぉ……」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:03:15.03 ID:rQorNUuvO
九曜「どうして──泣くの──?」
橘「うあっ……ああっ……」
九曜「どう──して──?」
橘「……藤原君……京子も……京子も一緒に……」
九曜「────?」
ブツッ
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:05:46.96 ID:rQorNUuvO
橘「ふっ……ぐっ……っ!」
九曜「橘──京子──どうして──どう──して──」
橘「ぎっ……うっ……」
既に冷たくなっている藤原の腕の中。橘京子は自ら噛みきった舌と大量の血液で気管が閉塞された。橘京子は、その苦しみに身体中を震わせて堪えていた。
九曜「──このまま──だと──駄目──気道──」
『……お願い……お願いなのです……このまま……逝かせて……』
九曜「────?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:07:30.40 ID:rQorNUuvO
『藤原君が……生き返る事が出来ないなら……私も……橘京子も……一緒に逝かせて欲しいのです……』
九曜「どうして──どう──して──理解──不能── 」
『私は……橘京子は……藤原君を……藤原君を本当に……愛していたのです……』
九曜「愛──あ──い──?」
『互いに……口には出さなかった……屈折した愛……けど……それでも……私は……私達は……』
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:15:33.73 ID:rQorNUuvO
九曜「わから──ない──どう──して──」
『藤原君……京子は……橘京子は……今逝きますのです……どこまでも……一緒……に……愛し…………』
九曜「わから──ない──あ──い──愛──どうして──愛し──愛──死──理解──不能──どう──して──……」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 07:32:49.44 ID:rQorNUuvO
………
……
…
九曜「────……」
鶴屋「あっ!おかえりくーたん!遅かったねー?
あ、これ私に似合ってるかなっ?死んだぽんじっちの眼鏡なんだけどさっ!にゃははっ♪」
九曜「わから──ない──」
鶴屋「うーん、くーたんには眼鏡っ娘属性は無しかい?ってあれ?きょこたんは?」
九曜「──活動──停止──」
鶴屋「んにゃっ……あー、もしかして舌を噛んで自殺でもしたのかい?」
九曜「そう────」
鶴屋「ぽんじっちに、ぞっこんらぶだったからねーきょこたん。
あーあ……こんな事なら、もっと遊んであげたら良かったにょろ」
鶴屋「それにしても良く出来たねーきょこたん。舌を噛みきるなんて、実際はただの窒息死なのにさっ。相当苦しんで死んだんじゃないかなっ?」
九曜「──最期は──笑って──」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:32:40.55 ID:rQorNUuvO
鶴屋「くっはーっ!?最期は笑ってぇ!?にゃはっにゃはははははっ♪
本当に愛してたんだねぇ?にゃははははははっ♪」
九曜「愛して──た──?」
鶴屋「らぶだねっ!らぶっ!にゃはっ♪
きょこたんはぽんじっちを愛していたからねー。勿論、ぽんじっちもねっ!」
九曜「ら──ぶ──?」
鶴屋「ん?どうしたんだいくーたん?」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:44:52.36 ID:rQorNUuvO
九曜「私には──わから──ない──」
鶴屋「んー?なにがわからないのさ、くーたん」
九曜「愛──らぶ──橘──京子は──どう──して──」
鶴屋「くーたんは愛を知りたいのかいっ?だったら私がベッドの上で、いっぱい教えてあげるっさ!」
九曜「──それは──違う──私が──理解──不能──なのは──」
鶴屋「んー、ようするに、本気で愛するって事が知りたいのかな?くーたんはさっ」
九曜「愛する──愛す──あいす──アイス──あ──い──す──?」
鶴屋「くーたんは、愛したい人はいないのかなっ?」
九曜「────……?」
鶴屋「じゃあ質問を変えるにょろ。
一番、えっちいな事をしたいのは誰かなっ?」
九曜「────……」
鶴屋「にゃ?」
九曜「──長門──有希──」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 09:57:52.74 ID:rQorNUuvO
鶴屋「ゆきっこ!?意っ外だねーっ!キョン君かと思ったのにさっ!?」
九曜「──貴女は──いるの──?」
鶴屋「もちろんさっ!私はみくるを愛してるからねっ!
そんな事より、ねえねえくーたん?なんで、一番えっちいな事したいのはゆきっこなんだい?」
九曜「──どちらの──技術が──勝っているのか──確認──したい──」
鶴屋「……えっちいな技術で勝負って事かい?」
九曜「そう────」
鶴屋「……うんうん。くーたんはゆきっこと勝負したいんだねっ♪
どっちが先にイッちゃうかセックス勝負っ!だけど互いに異能宇宙人みたいなっ!?
にゃははっ♪」
九曜「セックス──勝負──?」
鶴屋「これは是非とも生で観戦したいにょろ」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:11:33.64 ID:rQorNUuvO
鶴屋「うーん、残念だけど、これは愛では無いねくーたん」
九曜「愛──じゃない──……」
鶴屋「でも、そこから生まれる愛もあるのさっ!大抵の愛は時間をかけて作られるもんだからねっ!特にくーたんみたいなタイプはさっ!?」
九曜「生ま──れる──更に──理解──不能──」
鶴屋「くーたんは、自分の愛をゆっくり探すといいっさ!」
九曜「愛──探す──?」
鶴屋「そ。とりあえずさ?ゆきっこをくーたんの物にしちゃえば何かわかるんじゃないかなっ?」
九曜「私の──物に──?」
鶴屋「あっちで二穴にばいぶ突っ込まれてひぃひぃ言ってる、ささにゃんみたいにさぁ?
ゆきっこをさらって、四肢切断して、匣に入れて、たっくさん愛でてあげれば、何かわかるかも知れないねぇ?にゃはっ♪にゃはははははっ♪」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:29:11.84 ID:rQorNUuvO
九曜「匣──愛でて──わかる──……」
鶴屋「きっとわかるっさっ!
んー、そのために、ささにゃんで練習しておこっかくーたんっ?」
九曜「練習────?」
鶴屋「ゆきっこに試したい事をさっ!私も教えてあげるから、ね?くーたん?」
九曜「了──解──」
鶴屋「よかったねぇ、ささにゃあん?
くーたんがささにゃんで試したいんだってぇ?」
佐々木「うあっ……あっ…殺しっ……てぇっ……お願っ……」
鶴屋「にゃはっ♪びくびくって感じながらさぁ?言われても困るにょろぉ?
それに、ささにゃんはかーんたんには殺してあげないっさ」
佐々木「ひあっ……あっ……殺っ……して……はやっ……くうっ……」
鶴屋「ささにゃんのその姿をキョン君に直接見せてあげるまで、ぜーったいに殺してなんかあげないっさ。キョン君に絶対に見せつけてあげるからねぇ、ささにゃあんっ!?
にゃはっ♪にゃはははははははははははははっ♪♪」
121 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/01(日) 10:32:55.60 ID:rQorNUuvO
第7部?部より話だよな
おはり
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 10:39:23.74 ID:rQorNUuvO
………
……
…
鶴屋さんと藤原さんから話を聞いてから三日目の夜。
あれから二人は、連絡どころか姿すら見えない。
藤原さんならともかく、鶴屋さんも……連絡してみようかな?
朝倉「……きっと二人共、準備で忙しいんじゃないかな?。邪魔しちゃ悪いわよ」
谷口「そうだよな……涼子の言う通りだな」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:08:50.37 ID:rQorNUuvO
朝倉「それより谷口、もう少し練習しましょう?」
谷口「またかよ……この三日間、散々やったじゃねぇか。もう完璧だろ?」
朝倉「何だか、気持ちが落ち着かないのよ……ね?涼子のお願い♪」
谷口「やれやれ、仕方ねぇな……」
俺は座っていたソファーから立ち上がり、一旦部屋の外に出た。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:14:29.65 ID:rQorNUuvO
谷口「涼子ー準備はいいかー?」
朝倉『いつでも良いわよ谷口ー』
谷口「…………」
ガチャッ
谷口「あーあ、本当につまんないわねっ!何か面白い事でも起きないかしらっ!?」
俺は自分でも聞いていて気持ち悪い裏声で、涼宮の真似をしながら部屋を歩く。
谷口「ったく!それにしても、あのバカキョ」
朝倉「ばあっ!」
谷口「きゃっむぐっ……!?」
ボスッ
はい。練習終わり。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:23:13.58 ID:rQorNUuvO
朝倉「完璧ね!」
谷口「当然だろう……」
拉致の方法はこうだ。昼休みに一人で歩いている涼宮の前に、涼子が瞬間移動で目の前に出現。
そのまま即効性の睡眠薬を嗅がせながら、体当たり。(涼子の瞬間移動は、誰かと同時に行う場合は触れなければいけないらしいのだ。)
そしてこの部屋のベッドに涼宮と瞬間移動ってわけだ。
谷口「……これで本当に上手くいくのかな」
涼子「大丈夫よ!それに、これは私が適任なんだし」
そうなのである。涼宮を拉致する絶対条件として、先ずは涼宮を守るように監視している宇宙人未来人超能力者達の無力化。
これが一番困難なのだが
藤原「今すぐにでも出来る。ふっくっく、禁則だがな」
らしい。
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:30:52.41 ID:rQorNUuvO
そして涼宮の拉致。一瞬で思考停止、もしくは混乱させて眠らせる必要がある。
朝倉「いくら涼宮さんだって、突然目の前に四肢の無い私が現れたら混乱するわよ」
確かに。俺も今は涼子の存在を知っているからこそであって、昔の俺の目の前に突然涼子が現れたら……下手をすれば気絶するだろうな。
朝倉「私、本番では全裸になろうと思うの」
谷口「へ?」
朝倉「もっと涼宮さんを混乱させる為よ!
飛び込んで来た処理出来ない情報は、より多い方が更に混乱するわよ」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:40:46.39 ID:rQorNUuvO
朝倉「と、言うわけで。するわよ谷口」
涼子は服を脱いで全裸になった。四肢の無い真っ白な身体……意外に豊満な胸……ピンク色の乳首に、つるつるの……
谷口「……好きだ涼子っ!?」ガバッ
朝倉「そう言う意味で言ったんじゃないわよっ!?」
ゴスッ
谷口「がはっ!?」
部屋に置いてある、高級な壺が猛スピードで俺の後頭部に直撃っ!
朝倉「練習よ練習っ!もうっ!」
……能力を復元してから、涼子のツッコミは俺を一撃で黙らせる物と変化していた。
谷口「しかし壺はやり過ぎだ涼子……割れたらどうする……この壺は……いい壺だ……」
朝倉「言ってる意味がわかんないわよ谷口?ほら、本番だと思って睡眠薬も嗅がせるから、準備してよ」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 11:46:34.14 ID:rQorNUuvO
………
……
…
朝倉「谷口……谷口起きてよ……」
谷口「……んあ?」
朝倉「鶴屋さん来てるわよ!」
鶴屋「おめめは覚めたかい谷口?にゃはっ♪」
なんで眠ってるんだ俺……あ、そうか。さっきの本番を意識した練習で睡眠薬を嗅がされたっけ……。
谷口「……あ、おはようございます鶴屋さびゅっ!」
やべ。よだれ出てる。
鶴屋「今は真夜中だけどねー。うんうん。練習熱心なのは良い事にょろ」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:03:12.26 ID:rQorNUuvO
俺はよだれを拭きながら、急いで跳ね起きた。
部屋には涼子と鶴屋さん。そして……誰?カオナシ?
鶴屋さんの隣には……真っ黒なマントを羽織りって首から下は何も見えない。黒く長い髪はマントとほぼ同じ長さまである。
その黒く長い髪の中心に、まるで暗闇の中でぽつんと浮いている瞳を閉じた少女の顔があった。
なんでこんな格好と髪型をしているんだ……これで夜中歩かれたら、さっきも言ったように空中に顔だけが浮いているようにしか見えんぞ?
その少女は、ゆっくりと瞳を開けた。
九曜「周防──九曜──」
ぞわっ
声を聞いた瞬間、何故か全身に鳥肌が立った。
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:10:28.01 ID:rQorNUuvO
朝倉「谷口?」
谷口「つ、鶴屋さん?この人は……?」
鶴屋「にゃは♪私の友人の周防九曜。気軽にくーたんと呼んで欲しいっさ!」
……くーたん?
朝倉「へ?あれ?誰の話をしているのよ?」
谷口「はぁ?」
鶴屋「……あ、そっか!くーたん、りょこにゃんはお仲間だからさ、りょこにゃん『だけ』認識出来るようにしてくれないかいっ?」
九曜「────了──解──」
朝倉「あの、鶴屋さん。誰と話を……ひっ!?」
九曜「はじめ──まして──朝倉──涼子──」
朝倉「あ、あ、あ、はじっ、はじめっ、まして……」
涼子はガチガチと歯を震わせて呟いた。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:17:39.94 ID:rQorNUuvO
谷口「涼子っ!?大丈夫かっ!?」
朝倉「た、谷口、私を抱きし、めて。ど、どうしてここに、こんな、存在が……」
鶴屋「くーたん、怖がらせちゃ駄目じゃないかっ?」
九曜「────……」
俺はガクガク震える涼子の身体を抑えるように抱きしめた。
朝倉「はっ、はぁっ、はっ」
谷口「涼子、ゆっくり息を整えるんだ」
朝倉「はぁっ、あっ、はっ……」
涼子がこんなに脅えるなんて……
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 12:49:33.73 ID:rQorNUuvO
鶴屋「りょこにゃん、ゆっくり深呼吸して落ち着くっさ?
くーたんは、私達の仲間だからさっ!」
朝倉「あ、は、はい、鶴屋さん……」
谷口「涼子、大丈夫か?」
朝倉「う、うん。もう大丈夫……ありがとう谷口……」
涼子は、一度深呼吸して呟いた。
朝倉「は、はじめまして、くーたんさん……」
……くーたんさん?
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:06:15.15 ID:rQorNUuvO
鶴屋「にゃはっ♪くーっ♪たんっ♪さんっ♪りょこにゃんは面白いねー。
でも、気軽にくーたん、って呼んであげるっさ」
朝倉「は、はい。それで、くーたんさ……くーたんは、一体なんの目的で……」
九曜「秘密──兵器──」
朝倉「へ?」
鶴屋「ふっふっふ……くーたんは私達の秘密兵器なのさっ!」
谷口「秘密兵器?」
鶴屋「そうっ!ゆきっこをくーたんが何とかしちゃうのさっ!」
谷口「……長門を……くーたんが……?」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:12:01.74 ID:rQorNUuvO
くーたんは、ふわふわ浮きながらあらぬ方向を見ている。
……本当にこのくーたんが秘密兵器なのか?長門を何とか出来ると言われても……
朝倉「そっか……藤原さんの言う、禁則ってくーたんの事だったのね……」
谷口「?」
朝倉「谷口、くーたんなら長門さんを無力化出来ると思うわ」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:32:22.18 ID:rQorNUuvO
谷口「……マジで?」
鶴屋「天蓋領域から派遣されたヒューマノイドインターフェース!それが、くーたんさっ!」
谷口「ヒューマノイド……インターフェース……」
じゃあ、涼子や長門と同じ……?
朝倉「ううん。谷口、くーたんさ……くーたんは私と長門さんとは、まるっきり別の宇宙から来た存在よ……」
谷口「別の宇宙から来た存在……」
朝倉「谷口も感じたでしょ?あの圧力。くーたんが相手なら、いくら長門さんでも……」
鶴屋「そう言う訳っさ!準備は万全にょろ!」
鶴屋さんは、一度くるっと回って親指を立てた。
朝倉「じゃあ、決行の日は……」
鶴屋「決行は明日の北高の昼休みっ!名付けて
『ハルにゃん拉致監禁大作戦っ!!』
それでは各自、明日に備えて充分に休むにょろっ!」
谷口「拉致『監禁』って鶴屋さん……あ、そう言えば藤原さんは……?」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:36:52.59 ID:rQorNUuvO
鶴屋「……にゃはっ♪ぽんじっちは、
『ふっくっく、遠い場所で、らぶらぶしてくる』
そう言って、くーたんを私に任せて何処か遠い場所に、らぶらぶしに行ったにょろ!」
なんだそりゃ。
鶴屋「ぽんじっちが居なくても、作戦に支障は無いからさっ!」
まぁ、確かにそうだが……遠い場所か……海外にでも行ったのか?
鶴屋「それじゃあ、私とくーたんも休むからさ……二人共、明日の分の体力はちゃんと残しておくにょろ」
谷口「あう」
朝倉「……もうっ!鶴屋さんったら!?」
鶴屋「にゃははっ♪じゃっねー♪くーたん、行こうっ!」
九曜「赤──面──どうして──?」
バタンッ
鶴屋さんとくーたんは、部屋から出ていった。
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 13:38:44.46 ID:rQorNUuvO
第はち終わり 次はキョン
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:00:37.32 ID:rQorNUuvO
………
……
…
佐々木「……して……殺して……」
キョン「佐々……木……」
「…………ひ、あ、あ、あ、あ」
佐々木は、俺を認識した瞬間
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
もう殺してっ!キョン!?私を殺してぇ!?はやく私を殺してええええぇぇっっ!?
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
狂ったように泣き叫んだ。
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:09:49.96 ID:rQorNUuvO
キョン「う、ああ、あ」
佐々木佐々木佐々木佐々木佐々木
匣の中の佐々木が泣き叫ぶ。殺して殺して俺に殺せと。
九曜「はやく──愛でて──」
愛でてめでてメデテ
キョン「うっ、ああっ!?」
九曜「そして──その時を──」
頼む。黙れ。頭が割れる。俺の頭の中が割れるわれるワレル。
九曜「観測──させて──愛シアウ姿──」
キョン「ぐうっ!?」
ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ
警報器が鳴り響く 誰かあの警報器を止めろっ!?
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:22:01.25 ID:rQorNUuvO
九曜「藤原──橘京子──この──二人の──ように──」
キョン「うっ……ぐっ……!?」
死体
二人の死体
四肢の無い死体
四肢のある死体
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して
佐々木 佐々木 佐々木 佐々木 黙って 黙ってくれ 今は黙ってくれ
九曜「そして──この──二人の──ように──」
目の前の空間が曲がるまがるマガル
キョン「うあぁっ!?」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:22:54.63 ID:rQorNUuvO
空間から 死体 二人の 死体
頭の穴から 血を流している 死体
四肢の無い 死体
死体 死体 死体 死体
死体が四つ
藤原の死体
四肢の無い橘京子の死体
頭に穴の空いた生徒会長の死体
四肢の無い喜緑江美里の死体
死体 死体 死体 死体
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:29:40.37 ID:rQorNUuvO
古泉「そんな……会長……喜緑さん……」
黙れ古泉。黙ってくれ。
九曜「はやく──観測──させて──」
キョン「ぐっ……うっ……」
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
黙れ。笑うなわらうなワラウナ。
九曜「──どう──した──の──?」
キョン「あぁっ!?」
喋るな。喋るな。頭が狂う。狂ってしまう。狂う。狂う。狂う。狂う。
九曜「貴方は──佐々木じゃ──ない──?」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:36:02.04 ID:rQorNUuvO
九曜「だったら──」
ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ
煩い。警報器を止めろ。
九曜「──どうして──そこに──眠って──?」
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して
黙れ佐々木。黙れ。
九曜「でも──私には──無意味──」
ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ
笑うな。笑うな。
九曜「貴方が──愛シアイたいのは──」
目の前の空間が曲がるまがるマガル
くるくる曲がるくるくるくるくる。くるう。くるう。狂う。狂う。狂う。狂う。
「──涼宮──ハルヒ──」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 14:47:36.27 ID:rQorNUuvO
ハルヒは眠っていた
突然、目の前の空間に現れて
ハルヒは静かに眠っていた
「スズミヤ──ハルヒト──アイシアッテ──」
誰かが呟いた
ハルヒの右腕が ポトリと落ちた
ハルヒの左腕が ポトリと落ちた
ハルヒの右足が ポトリと落ちた
ハルヒの左足が ポトリと落ちた
四肢が落ちた
四肢の無い ハルヒ
『────好きな人が四肢切断の目に合っても、以前と変わらず接する事が出来る────?』
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
161 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/01(日) 14:48:31.69 ID:rQorNUuvO
第9 おはり 次は谷口
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 17:12:04.14 ID:rQorNUuvO
………
……
…
決行の日の朝が来た。鶴屋さんの言う通り、体力を充分に残したかは……皆様の御想像にお任せするとしてだ。
涼宮ハルヒ拉致監禁大作戦。決行の日の朝を、俺は涼子と一緒にベッド上で迎えた。
谷口「……よしっ!」
涼子の安らかな寝顔を見ながら、俺は気合いを入れた。
……俺が何かする訳でも無いがな。
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 20:22:36.96 ID:rQorNUuvO
朝倉「んっ……おはよう……谷口……」
谷口「あ、すまん涼子。起こしちまったか?」
朝倉「ううん……大丈夫……」
涼子は、寝ぼけ眼でふわふわ動いて、洗面室に向かって行った。
谷口「俺も行くか……」
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 20:43:03.10 ID:rQorNUuvO
二人で並んで歯みがき。そういや昔、寝惚けて朝食前に食べたあとにとか、意味不明な事を呟いていた気がするが、多分気のせいなのだろう。
朝倉「んー♪んんー♪」
涼子は電動歯ブラシを空中で器用に動し、鼻歌まじりに磨いている。
正直、便利だよなぁ……
ガラガラガラ……ぺっ
二人仲良くうがい。さて、朝食を取るか……。
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 21:58:26.24 ID:rQorNUuvO
箸や茶碗を宙に浮かせて、ひょいひょい食べる涼子の姿にはもう慣れたわけだが。
なんか寂しい気が……
朝倉「谷口、あーん♪」
谷口「あ、あーん」
嘘です。幸せですまん。
いやいやまだまだ謝るべきではないな、うん。俺と涼子は、幸せでごめんなさいなんて台詞はまだ吐けない。
今日の作戦の成功。俺達が幸せになれるかなれないかは、これにかかっている。
もしかしたら、失敗するかも知れない……
そんな不安を打ち消すように、俺と涼子は二人で何度もじゃれあった。甘えた。甘えられた。決行の時間ギリギリまで、何度も何度も。
朝倉「ねぇ、谷口。絶対、絶対幸せになろうね」
谷口「あぁ、絶対にな。約束だ」
朝倉「約束ね」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:26:37.49 ID:rQorNUuvO
………
……
…
鶴屋「それではみんなっ!?準備はいいかいっ!?」
朝倉「はいっ!」
谷口「うっし!」
九曜「────……」
返事無しかよ。くーたん。
鶴屋「くーたんのゆきっこの無力化。これは既に始まっているにょろ」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:40:00.95 ID:rQorNUuvO
朝倉「既に……いくらくーたんさ……くーたんでも、長門さんにはそれほど時間を……」
谷口「……本当に大丈夫なんですか?いえ、疑ってるわけじゃないっすけど」
鶴屋「なーんか、邪魔者がいるみたいっさ」
朝倉「邪魔者?」
鶴屋「私達の事は、全く感付いて無いらしいけどねっ!二人同時だと時間がかかるみたいにょろ」
朝倉「二人同時……まさか他のヒューマノイドインターフェースが長門さんと!?」
鶴屋「りょこにゃん、心配する事ないっさ!その人にはゆきっこより力は無いみたいだからねっ!
ワカメのような物だと考えればいいっさ!にゃはっ♪」
うーん。鶴屋さんには悪いが、例えがいまいち良くわからんぞ。
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 22:52:08.75 ID:rQorNUuvO
鶴屋「少し時間がかかるみたいだから、くーたんの準備が終わるまで待つにょろ」
谷口「は、はい」
朝倉「わかりました」
そして、北高の昼休みの時間になる……手に汗握る緊張感とはこの事か。
九曜「────……」
五分経過
十五分経過
二十分経過
二十五分経過
三十分経過……
谷口「……あのー」
鶴屋「うーん……もしかしたら、明日に変更かも知れないねー」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:09:25.00 ID:rQorNUuvO
鶴屋「ねぇ、くーたん。あとどれくらいかなっ?」
九曜「────……」
鶴屋「……明日に変更なら、準備をし直さなきゃいけないんだけとなぁ?」
九曜「────……」
うあ……なんか鶴屋さん怖いんですけど。まぁ、そりゃあいくら鶴屋さんでも、これだけ待たされた上、無視されたらな……。
鶴屋「くーたん、聞いてるかなぁ?」
九曜「────……」
鶴屋「くーたんっ!?」
朝倉「ひっ!?」
バンッとテーブルを叩いて、鶴屋さんは大声でくーたんを呼んだ。
九曜「────……」
……無視。
鶴屋「……私、自分の部屋に行ってるからさっ。
どうせ作戦は一瞬で終わるし、成功でも変更でも直ぐに連絡してくれるかなぁ?」
谷口「は、はひ、鶴屋さんっ!必ず直ぐにっ!?」
……鶴屋さんは俺の返事を無視して、バンッと思いっきり扉を閉めて出て行った……鶴屋さん、怒ると目が怖えーっすよ……。
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:20:24.98 ID:rQorNUuvO
そして、三十五分経過
そろそろ休み時間が……。
──ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ──
朝倉「ひっ!?くっ、くーたんさん……?」
涼子、ここはくーたんさん。気持ちはスゲー解るぞ。
つーか、それ笑い声?夜中に聞いたら、絶対にチビるんですけど。
九曜「完──了──」
谷口「本当ですかっ!?涼宮はどこにっ!?」
九曜「そこで──校舎──裏と──呼ばれる──場所──」
校舎裏は校舎裏以外に呼び方があるのかと言うツッコミは置いといて、
谷口「涼子っ!」
朝倉「う、うん。ちょっと待って。
驚かせて……この布に染み込ませた睡眠薬を嗅がせて……体当たり……瞬間移動……」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:33:03.03 ID:rQorNUuvO
九曜「私は──先に──長門──有希──を──」
そう機械的な声を残して、くーたんは姿を消した。
朝倉「谷口っ!」
谷口「りょう……!」
ちゅっ
朝倉「絶対、ここに涼宮さんを連れて来るからねっ!」
谷口「ああ、頑張れ涼子!」
朝倉「うんっ!」
涼子は全裸になり、そして……姿を消した。
結果は一瞬でわかる。
俺はまばたきをしないように、涼子と涼宮が現れるであろうベッドを凝視した。
頼むぞ涼子。
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:50:30.86 ID:rQorNUuvO
………
……
…
北高……何もかもが懐かしい……って思ってる場合じゃないわよっ!?
ハルヒ「あーあ、本当につまんないわねっ!何か面白い事でも起きないかしらっ!?」
いたいた……よし。落ち着いて。落ち着いてやるのよ私。
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/01(日) 23:51:49.35 ID:rQorNUuvO
睡眠薬を染み込ませたハンカチは、鼻と口にそえるだけ……
ハルヒ「ったく!それにしても、あのバカキョ……ふえっ……へっ……」
今よっ!涼宮さんの眼前にっ!
朝倉「ばあっ!」
ハルヒ「!?」
睡眠薬を染み込ませたハンカチを顔にっ!そして体当たりと瞬間移動はほぼ同時にっ!
ハルヒ「へっくしゅっ!?」
朝倉「へっ?」
くしゅっ?
あ、ハンカチ、額に、え?
ハルヒ「……あ」
ドンッ
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 05:45:48.27 ID:KUtcd7WdO
………
……
…
「……もう、俺は、駄目、だ」
ハルヒ
涼宮ハルヒ
「愛でて────愛して────愛死あって────」
愛でて 愛して
愛死て 愛死たら 愛死愛されよう
愛死い 愛死の 愛死ている
ハルヒと
俺はゆっくり
ハルヒを抱き寄せた
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 05:50:27.87 ID:KUtcd7WdO
「ハル、ヒ」
ポタポタと
ハルヒの頬に滴が落ちた
涙
俺の涙
「うあ、あ、ああ」
どうして
俺は泣いているんだ
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:02:53.82 ID:KUtcd7WdO
「呆けている場合ですか」
鈍い音と共に
俺の頬に痛みが走った
キョン「……古泉」
古泉「しっかりしてくださいっ!」
しっかり?
何をしっかりしろと言うんだ?
古泉「……もう諦めるんですか貴方は」
じゃあ、どうすればいいんだ
教えろ
教えて
教えてくれ
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:07:51.45 ID:KUtcd7WdO
誰か
誰でもいいから
俺は
俺達は
どうすれば
絶望
絶望しか残っていない
絶望しか残っていないんだよ
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:16:07.06 ID:KUtcd7WdO
望みは絶えた
絶えたんだ望みは
もう、俺達しか残っていない
俺達で
最後だ
最後なんだよ
『WAWAWA忘れ物〜♪』
238 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/02(月) 06:17:43.21 ID:KUtcd7WdO
次、谷口
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:33:51.00 ID:KUtcd7WdO
…………
……
…
谷口「…………」
朝倉「…………」
ハルヒ「…………」
三点リーダの多さに絶望したっ!?
いや違うだろっ!?そんな事言ってる場合かっ!?と自身にツッコミを入れつつ現実から逃避しようとしたところで何とか踏みとどまる。
待て落ち着け。落ち着けって。あれだ。あれだよ。ええっと現状確認だっ!
俺は今、高級ホテルの一室で涼子が涼宮を連れて来るのを待っていた。うん。これは間違いない。間違っているなら誰か教えろ。
そして涼子。涼子はちゃんと連れて来た。涼宮の奴をな。偉いぞ涼子。流石は涼子だ。俺の涼子だ。自慢の涼子だ。今日は出来なかったから、後でゆっくり愛し合おうな涼子。
で、涼宮。
何でお前は目を丸くして口をぽかんと開けているんだ。その額に付いているハンカチは何だ。
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 06:45:11.65 ID:KUtcd7WdO
それはどうみても睡眠薬を染み込ませたハンカチです。
ありがとうございました。
え?なに?これってあれ?あれですか?あれですよね?
『作戦失敗』
なにそれこえーよ。え?待って?マジで?マジか?マジなのですね?いやいやいやいや待て待て待てって。
まだ決めるのは早いと思うぜっ!?お前もそう思うだろ?俺もそう思いたいぜっ!
例えばだな。こう、涼宮の額にあるハンカチをゆっくり下におろして行ってだな
ハルヒ「……朝倉さんっ!?朝倉さんよねっ!?」
涼宮は額にべったり付いていたハンカチを払い除けて叫びました。
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:13:05.67 ID:KUtcd7WdO
朝倉「あ、う、は、はい」
誰か
誰でもいいから
俺は
俺達は
どうすれば
ってこれ誰の台詞だよっ!?
ハルヒ「そして谷口……」
何だよ。何を睨んでるんだ涼宮……ああ思い出した。お前のその目。
中学の時、クラスで何人かの女子の体操着が無くなった時に俺をじっと見ていた目にそっくりだ。
あれ、マジで俺じゃねーぞ。
って、今それ考える事じゃねーっ!?つーかマジでどーすりゃいいんだっつ!?誰か教えろっ!?
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:28:04.15 ID:KUtcd7WdO
朝倉「えと、その、すずみ」
ハルヒ「朝倉さんっ!」
朝倉「ふえ?」
ぎゅっ
涼宮は涼子を抱きしめた?なんでだよ。
涼宮、お前は何がしたいんだ。
朝倉「あ、あの」
ハルヒ「朝倉さん……いいの。何も言わなくていい。私には全部わかったから」
朝倉「え?」
谷口「え?」
ハルヒ「こんな……辛かったでしょう朝倉さん……でも、もう大丈夫。後は私にまかせて」
朝倉「涼宮さ……」
ハルヒ「私にも責任はあるわ……」
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:30:52.34 ID:KUtcd7WdO
おいおいおいおいおい。
ハルヒ「五年間ずっと同じクラスにいながら、彼の心の闇を見抜けなかった私にも責任はある……」
涼宮。お前まさか……
ハルヒ「谷口っ!!全部あんたがやったのねっ!?」
谷口「ちょっと待て涼宮!先ずは話を聞きやがれっ!?」
ハルヒ「問答無用よっ!光陽園駅前公園の事件もあんたが犯人ねっ!?」
いっつもいっつも言ってる意味わかんねーんだよ涼宮!だから俺はお前と関わりたくねーんだよっ!?
ハルヒ「覚悟なさい谷口……この私が地獄すら生ぬるいって事を教えてあげるわ……」
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:48:01.34 ID:KUtcd7WdO
谷口「待て涼宮マジで待てって!どんな勘違いしてんだよっ!?」
ハルヒ「谷口っ!年貢の納め時よっ!あんたが変態だとは昔っから気付いてたけど、こんな猟奇事件まで起こすとはねっ!?」
谷口「変態は変態でも俺は変態と言う名の紳士だっつの!?猟奇事件なんか起こすかっ!?」
ハルヒ「言ってる意味がわかんないわよっ!?」
俺だってお前が言ってる意味がわかんねーよっ!!
ハルヒ「谷口、言いたい事は私じゃなくて法廷で存分に語りなさいっ!さぁ、大人しくお縄につくのよっ!」
ダッ
涼宮は一直線に俺に向かって来た。
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 07:56:03.76 ID:KUtcd7WdO
朝倉「涼宮さん待って!」
ハルヒ「!?」
涼子が俺と涼宮の間に割って入った。
朝倉「お願い涼宮さん!私と谷口の話を聞いてっ!?」
谷口「涼子……」
ハルヒ「朝倉さんが浮いてるっ!?」
谷口「あ」
朝倉「あ」
……マジでどうなるんだ俺と涼子の運命は。
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 09:59:26.17 ID:KUtcd7WdO
ハルヒ「それに私、学校にいたはずなよ?えっ?どういう事よっ!?」
谷口「…………」
朝倉「…………」
遅い。何もかもが遅いぞ涼宮。
さて、どう言い訳すりゃいいんだこりゃ。
……実は涼子は、とある特殊機関が造った汎用人型決戦MSでありまして。アホか。誰が信じるかバカ。もっと真剣に考えろ俺っ!?
全て話すか?
いやいや待て。鶴屋さんと藤原さんの話を聞いた分には、必ず眠らせなきゃいけなかったはずだ。
うむ。今は涼宮を眠らせる事が先ずは何より優先……?
何をブツブツ呟いているんだ涼宮?
ハルヒ「……涼子ング……いえ、朝倉・アジール……?」
朝倉「あじーる……?」
谷口「…………」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:10:16.56 ID:KUtcd7WdO
谷口「……涼宮、正直に話そう。落ち着いて聞いてくれるか?」
朝倉「た、谷口?」
谷口「涼子。ここは俺に任せてくれ……涼宮、立ち話もなんだ。その辺に腰掛けてくれ」
ハルヒ「そうね……谷口、全部話してちょうだい」
そう言って涼宮は、ベッドに腰掛けた。本来なら、今頃そこでお前が眠っているはずのベッド……ハンカチは……よし。近くにあるな」
ハルヒ「先ずは、一年前にカナダに行ったはずの朝倉さんが何故こんな姿になったのか。
そして谷口、あんたが行方知れずになっていた約一ヶ月、何があったのか……全部話してちょうだいっ!」
よーしその目だ涼宮。お前は何か面白い物を発見した時、その大きい瞳をキラキラ輝かせる。
涼子……早く気付け……
お前の能力で、涼宮にもう一度嗅がせるんだっ!
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:25:08.30 ID:KUtcd7WdO
谷口「涼宮……驚かないで聞いてくれ」
ハルヒ「うんっ!」
谷口「実はな……その……なんだ……」
ハルヒ「……早く話なさいよっ!」
谷口「あ、待て涼宮。涼子に服を着せたいから、ちょっと待っててくれないか?」
よし。これで涼子に……
ハルヒ「いいからさっさと話なさいよっ!」
谷口「お、おい涼宮。涼子の身体は……」
ハルヒ「浮遊してるんだから、それぐらい自分で出来るんじゃないの?朝倉さん?」
朝倉「あ、はい。涼宮さん。それぐらいは自分で……」
涼子おおおおおぉぉぉっ!?
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:32:40.80 ID:KUtcd7WdO
今は服を来ている場合かっ!?
いや、全裸もどうかと思うがそれより重要な事があるだろうっ!?
今は服よりハンカチだっつの!
谷口「涼子、ハンカチで!ハンカチで隠せばいいと思うぞ。ハンカチでな。うんハンカチはいいものだ」
朝倉「何を言ってるのよぉ谷口」
ハルヒ「谷口、あんた馬鹿じゃないの?」
気付けえええぇぇぇっ!?
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:47:38.78 ID:KUtcd7WdO
涼子頼む。頼むから気付け。気付いてくれ涼子。
ハルヒ「で、どうして朝倉さんはあんな姿なの?」
谷口「そ、それは……」
くそっ!どうするどうするどうするどうするっ!?
何か話を引き延ばす方法はないか?何かネタは……そうだっ!!
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 10:48:46.14 ID:KUtcd7WdO
谷口「……涼宮、その前にお前に聞きたい事がある」
ハルヒ「質問を質問で返さないでよっ!?」
谷口「落ち着け涼宮。お前がさっき言っていた事件……あれが深く関わってくるんだよ」
ハルヒ「……やっぱりね」
なーにがやっぱりだ。関わりがあるわけねーだろ。
谷口「その事件……どこまで涼宮が知っているか聞かせてくれ」
ハルヒ「……まぁ、いいわ。私も聞いただけなんだけどね」
聞いただけかよ。それで良く俺を犯人扱いしたな涼宮。
ハルヒ「昨夜、光陽園駅前公園で男女二人の死体が発見されたわ。
そして女性の方は、朝倉さんと同じように……四肢が綺麗になかったのよっ!」
谷口「………え?」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:09:11.78 ID:KUtcd7WdO
……自分自身の姿で想像してしまった。
俺と涼子が……何を考えているんだ俺はっ!?絶対幸せにって約束しただろうがっ!?
ハルヒ「ふふん、やっぱり何か関係があるのねっ!?」
谷口「い、いや、待て。もう少し詳しく聞かせろ涼宮っ
」
……しかしだ。これは引っ掛かる。俺達以外にもいたのか?
ハルヒ「それで……へっくっしゅ!」
……涼子と一緒に話を聞いてみたほうが良いか?
ハルヒ「あー、さっきからくしゃみが止まんないわ……谷口、ハンカチ借りるわね」
谷口「あぁ」
もしかしたら長門の奴、涼子の前にも似たような事を……
涼宮は近くにあったハンカチをってハンカチ?ハンカチぃ!?
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:15:37.38 ID:KUtcd7WdO
ハルヒ「あ……んんっ……?」
ドサッ
涼宮はベッドの上にそのまま倒れ込んだ。
谷口「おい涼宮待て!話を最後まで聞かせろっ!?」
ハルヒ「くー……」
谷口「ええいっ!寝るなら話してから寝ろっ!?
おい涼宮っ!?涼宮っ!?起きねぇと犯すぞコラ!?」
朝倉「犯……す……?」
りょっ……
朝倉「谷口……何を……してるの……?」
286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:47:00.63 ID:KUtcd7WdO
………
……
…
朝倉「谷口ごめんっ!本当にごめんねっ!?」
谷口「勘違いは誰でもあるが……あれはもう止めてくれ。マジで死ぬかと思った」
そう。俺は死ぬ寸前だった。いやマジで。
勘違いした涼子が
「谷口の馬鹿ぁ!?」
と叫んだ瞬間、物凄いスピードで部屋に置いてあった壺やら皿やらが俺に向かって飛んで来たのだ。
軽傷で済んだのは奇跡に近い。ナイフやフォークも飛んで来たからな……それにしても、良く避けれたな俺。
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 13:58:37.60 ID:KUtcd7WdO
朝倉「でも、本当に勘違いでよかったぁ……」
谷口「因みに、もし勘違いじゃなかったらどうしてたんだ?」
朝倉「うふふ、それは勿論」
朝倉「谷口を殺してぇ、私も死ぬわよぉ?」
谷口「…………」
涼子。目がマジで怖いっす。
朝倉「本当にごめんね、谷口……実はさっきね、ちょっと嫉妬してたのよ」
谷口「へ?」
朝倉「涼宮さんにね」
谷口「ちょ……意味がわからんぞ涼子?なんでお前が涼宮に嫉妬しなきゃならねーんだ?」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:12:50.11 ID:KUtcd7WdO
朝倉「……中学から、五年間も同じクラスなんでしょ?」
谷口「まぁ、そうだな」
朝倉「その間に、涼宮さんの事をちょっと良いかなーとか思ったりしたでしょ?
あ、怒らないわよぉ。涼宮さん、私から見ても素敵だもん」
谷口「…………」
朝倉「それに、中学から……いえ、涼宮さんの能力が発現してからずっと同じクラスメイトってのはね、単なる偶然じゃないんじゃないかな?」
谷口「まさか……」
朝倉「私の想像なんでけどね、もしかして涼宮さんって……」
谷口「いやいやいやっ!?涼宮が俺の事を好きとかっ!?それはねーって!?」
朝倉「うん。私もそれは確実に無いと思う」
あ、そこは即否定なんだ。涼子には悪いがちょっとだけ悲しかったり。
294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:24:32.94 ID:KUtcd7WdO
朝倉「多分、『いてほしいクラスメイトの一人』って無意識に思ってるんじゃないかな?」
谷口「…………」
そういや、中学も高校も似たような面子だな。俺のクラスって。
朝倉「ちょっとそんな事を考えてたら、あの場面に出くわしちゃったから……本当にごめんね」
谷口「うーん……そう言うもんなのか……あ、そんな事よりだ涼子」
朝倉「そんな事?」
谷口「ひっ……ま、待て。落ち着け。涼宮が少し気になる話をしてたんだよ!?」
朝倉「涼宮さんが……?」
谷口「だ、だから落ち着けって」
朝倉「……話して」
涼子は、ぶっきらぼうに言い放った……うーん。女心は難しい。
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 14:44:29.76 ID:KUtcd7WdO
谷口「昨夜、光陽園駅前公園で────」
朝倉「…………」
俺の話を聞いて、涼子は愕然とした表情を見せた。
谷口「……涼子?」
朝倉「あ、待って……うん、そう……なる……?」
谷口「涼子、どうした?」
朝倉「……谷口、涼宮さんを置いて逃げたほうが良いかも知れない……」
谷口「何を言ってるんだ?せっかく……」
朝倉「聞いて谷口。あ、憶測なんだけど、もしかしたらそれ、私達かも……」
谷口「はぁ?なんで今、生きている俺達の死体が」
朝倉「……可能なの。それ」
谷口「なっ……?」
朝倉「……最悪の可能性なんだけど、でも、やろうと思えば出来ちゃう。長門さんと、古泉君と」
涼子は、一拍置いてその名を言った。
朝倉「未来人の朝比奈みくるさんなら……」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 15:48:28.30 ID:KUtcd7WdO
谷口「朝比奈先輩……まさか、あの朝比奈先輩が?殺人に加担するなんて」
朝倉「『今の』朝比奈みくるさんならそうかも知れないわ。
でも『未来』の朝比奈みくるさんなら……」
あ、そうか。『未来』の……成長した朝比奈先輩……?
じゃあ、おっぱいは
朝倉「谷口?」
谷口「……え?」
朝倉「……なんか、いやらしい顔してたんだけど」
谷口「ん?そ、そうか?」
朝倉「……まぁ、いいわ。とにかく、最悪の可能性って事で頭に入れて行動したほうが良いと思うの」
谷口「そ、そうだな」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:02:09.74 ID:KUtcd7WdO
朝倉「……真剣に考えてるの?殺されるかも知れないのに」
谷口「考えてるって……でも、可能性の一つなんだろ?
それに、最悪の可能性って言うんなら……藤原さんや鶴屋さんやくーたんが、俺達を騙してるって可能性もあるぞ?そっちのほうが最悪だ」
朝倉「……そんな事……あるわけないじゃない……」
谷口「そうだ。悪い事は考えないほうがいいんだよ」
朝倉「でも……」
谷口「……涼子。何が不安なんだ?」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:19:45.73 ID:KUtcd7WdO
朝倉「……わからないけど……このままじゃいけないって……本当にわからないけど……」
一体、どうしたんだ涼子。
朝倉「不安……別の何か……」
不安とは別?
朝倉「……虫の知らせ……?」
谷口「はぁ?」
朝倉「ご、ごめん。意味わかんないわよね……でも、該当するような言葉が……」
谷口「……それで、さっきから悪い事ばっかり考えているのか?」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:32:11.18 ID:KUtcd7WdO
朝倉「大事な人は、目の前にいるのにね。やだやだ、何を考えてんだろ私」
谷口「もしかして……さっきの涼宮の話を聞いた時に、自分を投影しちまったか?」
朝倉「……う、うん」
谷口「俺もだよ……」
はぁ、と溜め息をついた。
……確かに今まで、涼子と幸せになる事しか考えていなかったし、最悪、長門に捕まっても殺されはしないだろうと心のどこかで思っていた。
二人は死ぬ。
二人は殺される。
……そんな世界に足を踏入れたつもりは全く無いのだが。
冷静に考えれば、涼子はキョンを殺そうとしたんだよな……自分の目的の為だけに。
騙し合い、殺し合いは、実は裏で平然と行わている世界じゃねーのか?
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:40:12.21 ID:KUtcd7WdO
涼子が不安感を抱くのも、当然と言えば当然か?
自分も一度、騙して殺そうとした訳だし……うあ。
『黒幕は涼子』
脳裏に過った言葉を強制削除。
涼子を疑う意味が無い。無意味。無駄。つうか、別に涼子になら殺されたって構わん。
ったく、やっかいな話をしやがって……だからお前とは関わりたくねーんだよ涼宮。
谷口「……とりあえずさ、鶴屋さんに連絡しようか」
朝倉「あ、そうだね。変な話してごめんね谷口……」
変な話をしたのは涼宮だ。あいつが悪い。多分。
俺は電話に手をかけた。
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:45:46.85 ID:KUtcd7WdO
『駄目………』
谷口「何が駄目なんだ涼子?」
朝倉「え?」
谷口「え?」
朝倉「なにそれ。私何も言ってないわよ?」
谷口「はぁ?今、駄目って」
『鶴……屋……幕……』
谷口「……つるやまく?」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 16:54:16.68 ID:KUtcd7WdO
朝倉「え……?」
『生徒……会室……急いで……』
谷口「……涼子、この声聞こえてるか……?」
朝倉「う、うん。頭の中に直接……誰なの……?」
『貴女……と……同……じ……お願……い……はや……く……』
谷口「…………」
朝倉「……聞こえなく……なった……?」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:09:56.72 ID:KUtcd7WdO
谷口「涼子……今のはなんだ?誰の声なんだ?」
朝倉「わからない……けど……今にも死んでしまいそうな……それに、鶴屋さんが黒幕って……」
谷口「へ?」
つるやまく 鶴屋まく 鶴屋幕 鶴屋黒幕 ああ、そう言いたかったのかさっきのは。
まぁ、今にも死にそうな声だったし、仕方がな……
谷口「死に……」
……鼓動が早まって来た……今にも死にそうな奴が、俺と涼子の頭の中に直接伝えた事。
駄目?鶴屋黒幕?生徒会室に急げ?あなたと同じ?お願い早く?
朝倉「わ、私、確認してくる……」
谷口「な、何を言ってんだよ涼子!?」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:36:58.37 ID:KUtcd7WdO
朝倉「だって、あんな死にそうな声……この人……放っておけない……」
谷口「え、演技かも知れねーじゃねーかっ!?それに怪しすぎるぜ!頭の中に直接なんてよ!?
騙してんだよきっと……」
騙し騙して騙されて騙し合い
殺し殺して殺されて殺し合い
既に深く踏み込んでやがる。
朝倉「そ、そこなのよ……頭の中に直接……貴女と同じって言ってたから……もしかして、鶴屋さんの言ってた」
谷口「ワカメのような……」
朝倉「他のヒューマノイド・インターフェース……」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 17:57:49.09 ID:KUtcd7WdO
谷口「でもよぉ!?鶴屋さんが黒幕とかありえねーだろっ!?」
朝倉「そ、それはそうだけど……」
谷口「鶴屋さんが黒幕だなんて、可能性は0だ。だったらそんな怪しい奴は無視して」
バンッ!!
突然、部屋の扉が勢いよく開かれた。
朝倉「あ……」
谷口「鶴屋さん……」
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:13:01.41 ID:KUtcd7WdO
鶴屋「なんでかなぁ」
俺達に向かって歩いて来た鶴屋さんは、俯いて少し身体を震わせていた。
鶴屋「なんで、さっさと連絡しないかなぁ?」
そして、ゆっくりと顔をあげ
鶴屋「くーたんも来ないしさぁ?」
長い髪をかきあげた。
鶴屋「ほんっっといらいらするねぇ!?連れて来てたんなら、なんで連絡しないかなぁ!?ねぇ!二人共、聞いてるかなぁ!?」
今まで見た事の無い歪な形相で、鶴屋さんは部屋の壁をドンッと叩きながら叫んだ。
谷口「ひっ……す、すいません鶴屋さんっ!?」
まともに目を合わせられず、俺は直ぐに頭を下げた。
そして、鶴屋さん黒幕の可能性が上がった。
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:25:47.37 ID:KUtcd7WdO
鶴屋「なぁんで私をいらいらさせるかなぁ!?ねぇ!?」
朝倉「ご、ごめんなさいっ!」
涼子も頭を下げたのだろう。
鶴屋「無視されるのが、いっちばんいらいらするよねぇ!?そう思うよねぇ!?」
ドンッドンッと部屋の壁を叩く音だけが聞こえる。
怖い。怖すぎるよ鶴屋さん。
鶴屋「二人とも聞いてるかなぁ!?」
谷口「は、はいっ!」
朝倉「聞いてますっ!」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 18:38:13.02 ID:KUtcd7WdO
鶴屋「なんで連絡が遅いかなぁ!?」
谷口「そ、それは」
朝倉「少し、手間取って」
鶴屋「はぁ!?何を手間取るかなぁ!?」
谷口「い、意識を失わせるのに」
朝倉「そ、それで……今、今が連れて来たんです。だ、だから鶴屋さん。そんなに怒ら」
ドンッ
鶴屋「なんで嘘をつくかなぁっっ!?」
朝倉「ひっ……ご、ごめっんな……ひうっ!?」
鶴屋「ねぇ、なんでかなぁ!?なぁんで嘘をついたかなぁ!?怒られたくないから!?ねぇ!?聞いてるりょこにゃんっ!!」
朝倉「ご、ごめんなっごめんなさい鶴屋さ」
鶴屋「あぁいらいらするねぇ!ほんといらいらするっ!謝るくらいならねぇ!?最初っから嘘をつかないで欲しいなぁっ!?」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:28:51.03 ID:KUtcd7WdO
朝倉「鶴屋さっ……ごめんっ……ひっ……うあっ!?」
パンッパンッとぶたれる音がする。
頭を深く下げているので確認出来ないが、涼子がぶたれているのだろう。涼子……なんで嘘をついたんだ。
鶴屋「まったく、りょこにゃんのくせにさぁ!?ちゃんとあやまってくれるかなぁ!?」
朝倉「ひあっ……鶴屋さんそこはっ!?あっ!?ひううっ!?」
鶴屋「ほらぁ!?ちゃあんとあやまってほしいなぁ!?」
朝倉「ごめんなさい鶴屋さんっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!
だからもうつねらないでっ!?ゆるしてっ!?ゆるしてくださいっっ!?」
つねられているのか涼子。しかしいくらなんでも……
谷口「鶴屋さんっ!俺も謝りますからっ!?涼子を許してやってくださいっ!?」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:42:08.24 ID:KUtcd7WdO
俺は頭を下げたまま叫んだ。
頼む鶴屋さん。
これ以上は、例え俺達が悪くても、涼子を泣かせるなら……
鶴屋「……ちゃんと反省したかなぁ?」
朝倉「はっ、はいぃっ!」
谷口「もう、こんな事はしませんからっ!」
鶴屋「……りょこにゃん、もう私に嘘をついたら駄目だからねぇ!」
朝倉「ひうっ……あっ……ご、ごめんなさい鶴屋さん……」
解放されたのだろうか。少し安堵した声で涼子が謝った。
鶴屋「まったく……ねぇ?くーたん、こっちに来なかったかなぁ?」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 19:44:30.07 ID:KUtcd7WdO
朝倉「い、いえ……」
谷口「き、来ていませんが……?」
鶴屋「……もし、くーたんが来たら直ぐに連絡してくれるかなぁ?」
朝倉「は、はい勿論」
谷口「必ずや直ぐにっ!?」
くーたんが帰って来てない……それでそんなに虫の居所が悪いのか?
いや、いくらそうだとしても酷すぎるんですけど鶴屋さん……。
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:11:50.74 ID:KUtcd7WdO
prrrr
電話の着信音が鳴り響く。
鶴屋「おっそいなぁ!?何をぐだぐだとしてたかなぁ!?」
鶴屋さんだった。電話の向かって、大声を張り上げている。
鶴屋「言い訳はいいからさぁ!?さっさと……」
……顔を上げた俺と、鶴屋さんの目があった。俺もつねられたりするの?
鶴屋「……ちっ」
舌打ちですか。
鶴屋さんは踵を返して、俺達から離れていった。
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:19:15.46 ID:KUtcd7WdO
谷口「…………」
多分、電話の内容を聞かれたくなかったと思うのだが、
『はあぁ!?』
『なんでかなぁ!?』
時々、大声を上げて部屋にある壺やら皿やらを、なぎ倒すように破壊していく鶴屋さん。
『その人を知るには、何に対して最も怒るか知れ』だっけ?ごめんミトさん。知りたくないです。怖いです。無理ですってば。
朝倉「谷口……私……確認してくる……」
小声で涼子が呟いた。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:35:42.37 ID:KUtcd7WdO
谷口「りょ、涼子……?」
朝倉「鶴屋さん……おかしいわよ……だって、さっき私のあそこを……思いっきり捻り上げていたのよ……?」
谷口「あそこ?」
朝倉「クリト……って言わせないでよ?」
谷口「ごめん」
マジかよ。
朝倉「もう……私達の知ってる鶴屋さんじゃないわよ……」
涼子は、鶴屋さんのほうをチラリと見た。
『……にゃはっ……にゃははははははははははははははははっ!!』
笑ってる……鶴屋さん……
朝倉「お手洗いにでも行ってる事にして……じゃあ」
谷口「涼子……あっちが危険だとわかったら……直ぐに戻って来るんだぞ」
涼子「うん……じゃあ……行ってくる……直ぐに戻るから……」
そう言い残して、涼子は姿を消した。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 20:52:14.40 ID:KUtcd7WdO
涼子が消えた後も、鶴屋さんは笑いながら電話に向かって叫んでいた。
『そうにょろ!完全に掌握するっさ!』
『あっちの人間を使うっさ!プランD4の資料とあれを渡すにょろ!』
『着物は蒼っさ!そして特注の紅もねっ!にゃははっ♪』
時折聞こえる声に、俺は耳を傾けていた。
やっぱりこの人が……
パタンッ
鶴屋「……ま、想定内と言えば想定内っさ……ここまで来れた事で充分かなっ?にゃは♪」
携帯を閉じて、鶴屋さんはいつもの笑顔を見せた。
いつもの笑顔だが、それはもう俺の知ってる笑顔とは全く違うって事は、直ぐに理解出来た。
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:05:47.34 ID:KUtcd7WdO
鶴屋「にゃはっ♪にゃははっ♪あれ、りょこにゃんは?」
その笑顔で、俺に歩み寄る鶴屋さん。俺は足が震え出していた。
谷口「ト、トイレに……」
鶴屋「ふぅん?さっき思いっきりつねっちゃったからねぇ?
ごめんねぇ?いらいらしてたからさぁ?にゃはっ♪にゃははっ♪」
谷口「は、はい……こっちこそ嘘をついて……すいませんでした鶴屋さん……」
俺はもう一度、ゆっくり頭を下げようとした。
鶴屋「本当にごめんねぇ?」
ぬうっと俺に顔を近付けて来た。
鶴屋「びっくりさせちゃったにょろ。私も少し反省してるからさぁ」
吐息を吹きかけながら、鶴屋さんは呟いた。
鶴屋「ハルにゃん好きにしていいにょろ。りょこにゃんには内緒にするからさっ」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:15:05.18 ID:KUtcd7WdO
涼子……そのまま逃げてくれ……この人は……
狂ってる
鶴屋「にゃははははははははははっ!!」
俺の眼前で笑い、そのまま囁いた。
鶴屋「マグロが条件だけどね。にゃはっ♪例えば今みたいにさっ」
谷口「お、俺は……」
鶴屋「中学の時、ハルにゃんの身体目当てで告白したんじゃないかな?直ぐにフラれたけどさっ」
谷口「ち、違います……それは……」
鶴屋「あ、わかったにょろ。
りょこにゃんみたいに手足が無いほうが良いのかなぁ?
ねぇ?谷口ぃ?にゃはっ♪にゃはっ♪にゃはははっ♪」
谷口「い、いい加減に……」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:39:28.44 ID:KUtcd7WdO
『しなさいっ!』
谷口「ふんでった……ってうおっ!?」
物凄い力で襟首を捕まれ、後ろに引き寄せられた。
鶴屋「んみゃっ!?」
そのまま鶴屋さんの驚愕した顔が、俺から離れて行く。
『全部……全部貴女だったのね……』
涼子が涙声で呟く。ん?涼子?涼子だと?
谷口「逃げろ涼子っ!鶴屋さんはもうっ……?」
涼子「勿論よ谷口。まだ鶴屋さんに危害を加える訳にはいかないから」
谷口「りょ……う……こ……?」
涼子は。
眠っている涼宮の襟首をを『左手で掴んでいた』
そして『右手でしっかりと』俺の襟首を掴んでいた。
不敵に笑い、しっかりとその『両足で立っていた』
涼子「説明は後。先ずは逃げの一手よ」
364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:47:48.50 ID:KUtcd7WdO
涼子が叫んだ瞬間、目の前が一瞬真っ白になった。
366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 21:53:14.77 ID:KUtcd7WdO
涼子が叫んだ瞬間、目の前が一瞬真っ白になった。
これは……何度もあの練習で経験した、瞬間移動。
そして次の瞬間、俺の目に写ったのは
会長「……成功したようだな」
喜緑「朝……倉……さ……」
四肢の無い書記を抱いた、生徒会長だった。
369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:10:02.57 ID:KUtcd7WdO
谷口「涼子……一体どうなってんだ……?」
涼子「黒幕は鶴屋さんよ……最悪の可能性が一つ当たってたの」
谷口「じゃあ、あの時の声は……?」
涼子「喜緑……江美里さん……ひっく……私や長門さんと同じ、ヒューマノイド・インターフェース……」
涼子は涙を流しながら、その喜緑さんを見つめていた。
谷口「…………」
喜緑さんは、生徒会長の腕の中でゆっくりと呟いた。
喜緑「……後は……お願い……します……」
そして
静かに
瞳を閉じた
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:31:44.32 ID:KUtcd7WdO
会長「江美里……っ!」
生徒会長は、動かなくなった喜緑さんを肩を震わせて抱き締めていた。
涼子「喜緑さんは……私の為に……全てを……」
谷口「…………」
会長「……さぁ、行くがいい。これで江美里の望んだ通りになった」
涼子「……はい」
会長「後は君達次第だ……谷口君。そして朝倉涼子。君も北高に籍を置いていたな」
涼子「は、はい」
会長「……僕達、北高生徒会を失望させないよう、しっかりと行動してくれたまえ」
谷口「会長……わかりました」
会長「……そろそろ、江美里の言う時間か」
涼子「は……い……生徒会長……では、失礼致します」
会長「あぁ……頼んだぞ二人共」
また、目の前が真っ白になっていく……生徒会長と喜緑さんは静かに微笑んで俺達を見送った。
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 22:58:40.12 ID:KUtcd7WdO
………
……
…
道路を走る、何十台もの黒い高級車の列。
鶴屋「……プランはM4に変更……うん。資料だけ変更するっさ。
谷口は見つけ次第射殺。りょこにゃんは……あんた達じゃ敵わないっさ」
その車の列は、中心を走るたった一台を守るように走っていた。
その中心を走る車内で、鶴屋はゆっくり携帯電話を閉じて呟いた。
鶴屋「……想定内だったとは言え、結構しょっくだね。最悪の可能性の一つだっただけにさっ。
ま、手は打ってあるんだけどね」
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:09:18.76 ID:KUtcd7WdO
この事態になったら 優先すべきはハルにゃんでも くーたんでもないっさ
みくる
私だけのみくる
四肢を無くして 私を待ってるみくる
みくる みくる みくる みくる
みくるの為に 全部やって来たっさ
私が望む 私とみくるだけの世界っさ
待っててね 待っててね みくる
今頃 キョン君に抱えられているのかなぁ?
いらいらするねぇ
あんな男のどこがいいかなぁ?
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:17:11.61 ID:KUtcd7WdO
でも大丈夫 大丈夫さ みくる
私が 私が 教えてあげるさ
あんな男より 私のほうがみくるを愛してるってさぁ
キョン君はねぇ 私と似ているようで 全然違うねぇ
わかるかい みくる?
みくるを 絶対に愛さないんだよ あの男は ハルにゃんかささにゃんを選ぶんだよ
酷いよねぇ みくるをなんだと思っているんだろうね
あの男には 絶望を味会わせてやるから 絶対にさ
381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:24:06.31 ID:KUtcd7WdO
狂わせるぐらいの絶望さ
みくる 一緒に見ようね あの男が狂っていく様を
あの離れで 一緒に見ようねえ
みくるの為に用意したよ
四肢の無いみくるの為に
紅の着物
みくるにきっと似合うさ
私は蒼い着物
二人で見ようねえ 全てが狂っていく様を
あぁ みくる
心配しないで
みくるもちゃあんと 狂わせるからさ
にゃはっ
386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/02(月) 23:29:50.33 ID:KUtcd7WdO
………
……
…
生徒会室が見えなくなった次の瞬間
谷口「ここは……」
俺と涼子が、幸せになる為に逃げ出した
長門の部屋だった
涼子「……谷口、私は全部わかったの。
喜緑さんと……長門さんのおかげで」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:28:13.61 ID:4QSlgho5O
谷口「……涼子、全部話してくれ……目の前の事態に、少し頭が混乱している」
そう、俺の頭の中が混ざり乱れていた。
それは例えるなら、既に一週間以上経過していると言うのに、終わっていないし意味不明な話だし荒唐無稽で筋もなければ辻褄も合わないしまとまりも無いし。
良くこんなSS(小学生の作文)続けて、他人に迷惑かけてお前何してんの?馬鹿なの?死ぬの?オナニーとか言えば許されると思うか?なんで文才がこんなにもないんだありえない。
自虐すりゃ許されると思うか思いません。マジで謝るし土下座するから許してくれっ!?
涼子「……谷口?」
谷口「んっ!?お、俺は今何を考えてたんだ!?」
涼子「落ち着いて……喜緑さんと長門さんが私に伝えた情報、谷口にも伝えるから」
谷口「うむ。話してくれ」
涼子「話さなくても……今の私なら」
谷口「へ?」
涼子は、俺の額に指をちょこんと触れさせた。
……情報が一気に頭の中に流れ込んでくる……
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:33:55.79 ID:4QSlgho5O
涼子「……それとも、こっちがいいかな?」
瞬時に原稿用紙が空中で生成される。そこには、これまでの経過が事かまかな詳細と台詞付きで書かれてあった。
涼子「漫画っぽくも出来るわよ」
漫画が出てきた……涼子、絵心ゼロ。
しかし、いいなこの能力。すっげー羨ましい。ああ 酷く羨ましい。くれ。マジでその能力俺にくれ。
つうか、これを世の中の人間が持っていたらもっと世界は……って今はそう言う事を考えてる場合かっ!?
さっきから何を考えているんだ!?自分でも意味不明だぞっ!?
切り替えろ俺!?
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:35:54.29 ID:4QSlgho5O
そして俺は、起こった全てを言葉ではなく心で理解したっ!?
涼子「……これで、全てが解るわけじゃないけど……」
谷口「そうだな……」
全ての黒幕は鶴屋さん。だが、何故あんな狂人の考えと行動を……藤原さんが死んだ事に関係があるのだろうか?そして何故、藤原さんは四肢の無い橘さんを抱いていたのか
そしてくーたんが生徒会室を襲撃するまでは計画通りだった。そこで喜緑さんと長門さんは瞬時に判断した。
今は敵わない と
抵抗する事を諦め、情報収集に全てを費やした……長門……こんな事まで全部伝えなくても良いと思うぞー?
長門はくーたんの黒く長い髪の毛で犯された。いや、今も犯されている……鶴屋さんの元へ行かせない為に。
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:40:02.37 ID:4QSlgho5O
つうかまるで触手レイプレイなんすけど。
本当に髪の毛かよ。真っ黒な無数の性器じゃねぇか。先端とか俺のより太いぞくーたん。
長門は犯されながらも、不安定なくーたんから情報を得て、喜緑さんの情報を共有し……って、そんな顔で大好きとか言うんだ長門さん。くーたんすっげー嬉しそう。これやられたら、誰だって喋るわ。
あ、やべぇ、なんか勃起して……
涼子「谷口?喜緑さんと長門さんの情報で変な事を考えないでっ!?」
谷口「す、すまん涼子」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:50:19.13 ID:4QSlgho5O
涼子「もうっ……気持ちはちょっとわかるけど」
谷口「え?」
涼子「な、何でもないっ!?た、谷口が一番なんだからっ!?」
意味がわからんぞ涼子。
そして俺達を発見した時、喜緑さんは既に活動停止寸前だった。
「なーんか、邪魔者がいるみたいっさ」
あの時、鶴屋さんはそう言っていた。くーたんが時間をかけていたのは……
それなのに喜緑さんは、残された力を全て使って……そして涼子を……
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 07:59:19.23 ID:4QSlgho5O
涼子「喜緑さんのおかげで……私は一年前と殆ど同じよ」
涼子は、眠っている涼宮を抱き上げた。
涼子「先ずは、時間はかかるけど……くーたんにバレないように涼宮さんを隠さなきゃ」
谷口「隠す?」
押し入れとか?
涼子「寝室を使うわね長門さん……」
涼子は涼宮と共に寝室に向かった。
涼子「谷口、ちょっと待っててね」
寝室で涼宮と何をするつもりだ涼子ーっ!?
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 08:39:44.59 ID:4QSlgho5O
寝室に涼宮と一緒に涼子は入り、扉を閉めた
ガラッ
谷口「はやっ!?」
涼子「え?なんの事?」
谷口「いや、なんでもないっす……」
寝室の中。涼宮は布団の上で静かに眠っていた。
涼子「さて、と。一度長門さんがやってあるからやりやすいけど……くーたんに感知出来ないようにしなきゃ……」
そう言って、涼子は寝室の扉をゆっくり閉め、その場で瞳を閉じた。
涼子「………よし。後は層を造るだけね。谷口、時間かかるから休んでていいわよ」
谷口「一体、何をしているんだ涼子?」
涼子「寝室を空間事、時間凍結。そしてくーたんにバレないように……結界を造るって言えばわかりやすいかな?」
谷口「はぁ……」
涼子「一つ一つのプログラムが甘いって、昔言われちゃったから今度はちゃんとしなきゃね……」
442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 09:34:55.44 ID:4QSlgho5O
涼子「……よし。これで空間閉鎖と情報封鎖は完了……っと」
谷口「終わったのか?」
涼子「うん……これで大丈夫だと思う」
谷口「……で、これからどうするんだ?」
涼子「……いくら私でも、くーたんには敵わない」
谷口「だよなぁ」
涼子「……あの、狂った鶴屋さんを説得なんて、それ無理」
谷口「俺も無理だ」
涼子「……でも、やらなくて後悔するより、やって後悔したほうがいいって言うわよね」
谷口「……そうだな。涼子の言う通りだ。それに、まだ手は残っている」
涼子「涼宮さん」
谷口「そして、キョン」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 10:42:00.04 ID:4QSlgho5O
涼子「この二人を私達が揃えば……」
谷口「何とか出来る……」
世界を改変させる
俺達が……いや、全員が幸せになれる世界に
谷口「涼子」
俺は涼子を抱き寄せた。
涼子「谷口……うふふ。初めて谷口を抱き締めちゃった」
谷口「……涼子」
朝倉「……絶対、絶対幸せになろうね」
谷口「あぁ、約束だ」
朝倉「約束ね」
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 10:51:12.67 ID:4QSlgho5O
そして俺と涼子は唇を重ねた。
涼子の手が俺の頬に優しく触れる。
涼子「んっ……」
そのまま互いに舌を絡めながら、涼子の身体中を優しく触れる。
腕を 細い指を 白い足を
谷口「涼子……」
涼子も俺の身体に優しく触れる。
頭の先からゆっくりと、今まで触れる事が出来なかった分を取り戻すかのように
何度も 優しく 愛しく 互いに触れる
そして涼子の細くしなやかな指が、俺の……
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:03:46.26 ID:4QSlgho5O
谷口「涼子っ……」
涼子「谷口……直接……触れさせてぇ……谷口の……」
涼子は、そのままゆっくり俺のベルトを外し、ズボンのボタンとファスナーを……
本当はこんな事をしてる場合じゃないが……
『そう……してる……場合じゃ……ない……』
谷口「ですよねー……って、この声はっ!?」
頭の中に直接聞こえて来たのは
長門の声だった
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:13:44.25 ID:4QSlgho5O
涼子「長門さんっ!?」
『機関……本部……急いで……んっ……はやく……はぁっ……』
……なんで喘ぎ声出してんだ長門?
『そこに……んくっ……いる……朝倉……はあっ……涼子……今の……貴女なら……んっ……止めらる……』
涼子「長門さん……」
『私は……んあっ……あっ……はぁっ……行動不能……あうっ……はやく……はやっ……あっ……ああっ……』
涼子「長門さんっ!長門さんっ!?」
……長門の声は聞こえなくなった……つうか最後のアレって多分……長門はイッ
涼子「谷口っ!急いで向かうわよっ!」
谷口「お、おうっ!」
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 11:30:36.09 ID:4QSlgho5O
谷口「……やけに静かだな」
俺と涼子は、一緒に長門の部屋からその機関本部に到着した。
四角いビル群の一画。小さなビルの前。
……静か過ぎないか?
涼子「……空間閉鎖と情報封鎖がされてる……」
谷口「涼子?」
涼子「多分、くーたんの仕業……中がどうなってるか確認出来ないから、わかんないけど」
谷口「くーたんの仕業だって!?」
涼子「だけど……くーたんにしては甘過ぎるわ。私でも、時間を掛ければ侵入出来そう」
どういう意味だ?
涼子「うーん……甘いって言うか、元々あった強固な情報制御空間が脆くなっていってる……」
461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 13:35:34.19 ID:4QSlgho5O
涼子「……そして、くーたんに捕らえられているはずの長門さんが、私達に通信出来た……今の私なら止められると……」
谷口「……?」
涼子「……谷口。もしかしたら私、くーたんを止める事が出来るかも」
谷口「へ?」
あの悪魔のような、くーたんを止める?
涼子「原因がなんなのか、はっきりはわからないけど……目の前の情報制御空間を見れば一目瞭然だわ。
少しずつだけど、徐々に剥がれ落ちるように空間閉鎖と情報封鎖出来なくなって来てる……くーたん自身が……徐々に力を失って行ってるみたい」
谷口「力を失って来ている……じゃあ」
涼子「くーたんの情報連結解除を出来るはず……」
そう言って、涼子は掌を何も無い空間に向けた。
涼子「今から侵入するわ……やっぱり、どんどん脆くなってる……」
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 13:55:09.74 ID:4QSlgho5O
涼子「長門さんみたいに、最初っから崩壊因子を組み込ませれば楽だけど……幾ら何でもそれは許してくれないみたい」
谷口「…………」
涼子「……もし、失敗したらキョン君だけでも送るから谷口は」
谷口「俺も行くぞ」
涼子「で、でも……」
谷口「涼子、最後まで一緒だ」
涼子「……うん」
初めは、長門からの逃避行だった。それがいつの間にやら、こんな事になっちまった。
様々な運命が絡み合い、そして今、一つになろうとしている。
そんな気がするわけだが、最初っからの目的は何一つ変わっちゃいない。
俺と涼子が、幸せになる事。
二人で約束したからな。これだけはゆずれないぜ。
涼子「谷口……そろそろ侵入出来るわ」
谷口「うっし……行くぞ涼子」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 14:28:07.00 ID:4QSlgho5O
………
……
…
『WAWAWA忘れ物〜♪』
キョン「…………」
古泉「…………」
谷口「うぃーっす……って、うぉあっ!?す、涼宮っ!?」
涼子「そ、そんな……やっぱり私のプログラムって甘いんだ……ううっ」
谷口「誰だって苦手な物ぐらいあるさ涼子。気にするな……って、言ってる場合かっ!?」
涼子「そ、そうね谷口」
……人は、絶望のあまり気が狂ってしまう時もあるわけだが、狂ってしまう正にその瞬間に目の前で夫婦漫才をかまされた俺の心情を察してくれると何よりありがたい。
と言うか、何だこれは。一瞬で現実に引き戻されたぞ。何て破壊力だ。しかもつまらない。いやいや、つまらないとかそんな事はどうでもいい。なんで谷口だ。朝倉涼子。なんでお前が一緒にいるんだ。
誰か説明をしろ。さっさとしろ古泉、解説役は得意だろうが。
いいから誰か現状をわかりやすく単純に要点だけ踏まえて説明しろだっつ!?
471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 14:52:20.46 ID:4QSlgho5O
古泉「……彼の言う『だっつ』とは、『〜っつーの』『〜っての』と類義語であり、一般的には余りと言うか全く仕様されない」
キョン「そこを説明するのか古泉っ!?」
古泉「……すいません。目の前の事態に、混乱してしまい、つい」
気持ちはわかる。わかるぞ古泉。
九曜「谷口──朝倉涼子──どうして──?」
涼子「……うふふ。さぁ、どうしてかしらね?少し、自分で考えてみたらどうかしら?」
九曜「自分で──……」
谷口「……涼子……会長と喜緑さんが……」
涼子「……わかってる……あの二人の為にも……絶対に負けられないわ」
朝倉と谷口は周囲をゆっくり見渡し、俺達の元に近付いて来た。
涼子「とにかく、涼宮さんとキョン君が優勢」
谷口「あの匣の女は誰だ……?」
474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:00:58.85 ID:4QSlgho5O
谷口「……ようっ!元気かキョン」
涼子「お久しぶり、キョン君」
キョン「待て二人共。これは何の冗談だ?先ずは説明しろ」
涼子「説明は後。くーたんが不安定な今の内に……」
谷口「安心しろキョン。俺と涼子は味方だ。俺達が来たからには、もう大丈夫だ」
全然説明になってないし、全く安心出来ない。
佐々木「うあっ……殺し……殺して……殺して……」
谷口「…………」
谷口は佐々木を見るなり、匣の蓋を……
佐々木「殺し……殺して……殺し」
パタンッ
閉めた。
キョン「いや閉めるなっ!?」
谷口「普通閉めるだろっ!?滅茶苦茶怖いっつの!?」
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:13:49.33 ID:4QSlgho5O
キョン「怖いとか言うなっ!?佐々木は俺の」
涼子「静かに……気付かれちゃうから……」
キョン「なっ………?」
ゆっくりと地面に落ちていた四本の腕と、四本の足が動き出す。
涼子「空間断裂と対象の肉体構築を同時に……これなら簡単に戻せるわ」
朝倉がそう呟くと、ハルヒと森さんの手足が一瞬でそれぞれの部位に移動し、そして……
森「あ……?」
ハルヒ「…………」
キョン「ハルヒ……」
古泉「森さん……」
谷口「五身合体って感じだな」
黙れ谷口。マジで殺すぞ。
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 15:22:34.73 ID:4QSlgho5O
涼子「キョン君……この人の手足は……もう……」
キョン「…………」
涼子「それに……あの人も……」
古泉「新川さん……くっ……」
朝倉は、静かに匣に手を触れた。
朝倉「今は彼女も眠らせて置くから……全員、避難して」
キョン「朝倉……お前……」
涼子「私が必ず倒すわ……」
朝倉は、一拍置いて力強く叫んだ。
涼子「くーたんをっ!!」
キョン「……くーたん?」
九曜「──朝倉──涼子──敵性──判定──」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:04:14.73 ID:4QSlgho5O
朝倉「今のくーたんなら……」
朝倉は無数のアーミーナイフを自らの周囲に生成し
朝倉「勝てるっ!」
そのまま一直線にくーた……いやいや、周防九曜に向かった!
そういやあれで刺されたんだよな俺。本当に死ぬかと思った訳だが、そのアーミーナイフを朝倉は多数同時に操り、周防九曜を攻撃している。
朝倉「これでも……くらいなさいっ!」
あれは、長門の身体中を貫いた……
九曜「う──あ──あ──?」
キョン「朝倉ってあんなに強かったのか……長門や喜緑さんでさえ、一瞬でやられたと言うのに」
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:10:40.68 ID:4QSlgho5O
谷口「どうやらくーたんが徐々に弱っていってるらしいぜ」
何故にお前がそれを知っている。
しかし、それも頷ける話だな。
生徒会室やさっきまで感じていた威圧感は、今は全く感じられない。
明らかに周防九曜の防戦一方だ。
普通の人間なら致命傷と思われる攻撃を何度も喰らうも、瞬時に身体を再生させて抵抗する辺りは流石だが……。
森「う……まだくらくらする……」
古泉「森さんっ!大丈夫ですかっ!?」
森「ええ……徐々に弱っていってる……そう言いましたか?」
古泉「……まさか、新川さんが撃ち込んだ……!」
森「短針銃……新川、良くやりました……」
キョン「何で新川さんがそんな物を?」
森「託されたのは私です。鶴屋家当主代行から直接」
谷口「鶴屋ぁ!?」
何をそんなに驚く谷口。
498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:27:58.90 ID:4QSlgho5O
谷口「な、なんで鶴屋さんが……」
キョン「鶴屋さんがどうしたって言うんだ?」
谷口「鶴屋さんが、今回の件の黒幕だったんだよっ!!」
な、なんだってー!?とでも言うと思うか。アホか谷口。なんで鶴屋さんが黒幕なんだよ。
古泉「大丈夫ですか谷口君?」
谷口「いやいやいやいやマジなんだって!
説明すると長いんだが……あ、そうだ」
谷口は、ポケットからくしゃくしゃの紙を取り出した。
谷口「これに全て書いてあるっ!喜緑さんと長門とのおかげで判明したんだよ!」
キョン「なんだこれは……小説?」
古泉「これは漫画ですか……下手くそな絵ですねぇ」
谷口「涼子が一晩どころか一瞬でやってくれました」
何を言っているんだコイツは。
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:39:33.56 ID:4QSlgho5O
キョン「まさか……」
古泉「そんな……いや、しかしそう考えれば……」
愕然とした。
今でも信じられん。と言うか朝倉……長門のそんな事まで記さなくても……森さん赤面してるじゃないか。何を考えているんだ?いや、これは森さんに向かって言ったのではないぞ?
古泉「……何故、あの短針銃が遅効性とは知らなかったんでしょうか?」
森「私にもわかりません……ただ、『周防九曜を止める物』としか。
そして彼女は確かにこう言いました。
『止める事が成功したら、直ぐに私の元に』と」
キョン「鶴屋さん…… 」
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 17:49:24.07 ID:4QSlgho5O
谷口「とにかくだ。狂っちまったんだよ鶴屋さんは。
恐ろしい顔してたぜ?」
狂っちまった、か……
朝倉「たあああぁぁぁっ!!」
九曜「う──あ──?」
朝倉と周防九曜の闘いは、激しさを増していく。
キョン「もう少し、離れるか……」
谷口「なぁ、キョン」
キョン「なんだよ」
谷口「俺、今回の件が全て上手く行ったら、涼子と結婚するんだ……」
キョン「やめろ谷口っ!いや、いいんだが、口には出すなっ!?」
谷口「なんでだ?心配するなって!涼宮と一緒に式には呼んでやるからよ!」
マジで止めろ。これ以上口にするな。親指を立てるな。死にたいのかお前は。
506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:12:25.29 ID:4QSlgho5O
そんな俺の心配をよそに、谷口は朝倉を応援していた。
谷口「行けぇ!俺の涼子ぉ!」
拳を突き上げて叫ぶな。朝倉はお前の何なんだ。
朝倉「ええ、谷口……一気に決めるっ!」
九曜「やらせ──ない──」
涼子「無駄よっ!」
周防九曜が瞬時に放った無数の槍による攻撃を、朝倉は余裕の表情で弾き返した。
九曜「そんな──どう──して──?」
朝倉「どうしてですって……?
確かに、私は長門さんのバックアップ。一年前の私なら、くーたんに全く敵わない。一瞬で四肢切断されちゃうでしょうね」
朝倉「でも、今の私は様々な試練を乗り越えて来た。谷口と二人で乗り越えて来た。そして今、くーたんの前に立っている。これは単なる偶然が起こした結果なんかじゃないわ。これを引き起こしたのは、私と谷口の……」
朝倉は、今時の女子高生には滅多にいない太い眉毛をつり上げて叫んだ!
朝倉「愛の力よ!」
そんな事を言っている暇があったら、さっさとトドメをさせ朝倉。
谷口「そうだ!俺達の愛の力だ!」
お前もいちいち叫ぶな谷口。
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:36:05.42 ID:4QSlgho5O
九曜「愛──愛し──愛死合う──貴女は──知ってるの──?」
朝倉「言ってる意味がわかんないわよ!」
朝倉は、周防九曜の周囲に無数のアーミーナイフを生成しては、次々に叩き込んでいく。
これで時間さえ止める事が出来れば、無駄無駄叫べるなぁ。
九曜「教えて──私は──理解──出来ない──」
余裕なのか、覚悟を決めたからなのか、表情を全く変えない周防九曜は朝倉に話しかける。
九曜「どうして──愛死合う──貴女も──彼が──死んだら──死ぬ──?」
朝倉「……そうね。死ぬわ」
朝倉は、唐突に攻撃を止めた。
九曜「どう──して──?」
朝倉の攻撃により無数のアーミーナイフが四肢の無い肉体に刺さったまま、周防九曜は尋ねた。
朝倉「……愛する人の居ない世界なんて、存在する意味が無いじゃない」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 18:56:17.85 ID:4QSlgho5O
それを平然と言ってのける朝倉。少し、谷口が羨ましいと思った。
朝倉「……人それぞれだけどね。
愛する人が突然居なくなったら、自分も死んで天国で一緒になりたいじゃない」
九曜「天──国──?」
朝倉「……そう、あの世とも言うわね。いろいろ呼び名はあるけど」
九曜「──そこは──どこ──私は──『私達』も──そこに──行けるの──?」
朝倉「…………」
九曜「人間は──天国に──行ける──でも──私達は──人間じゃ──ない──私は──行ける──?」
朝倉「……確めて来なさい……情報連結解除を開始」
九曜「──天──国──愛死合った先──私は──」
朝倉「……くーたんが行くのは、きっと地獄よ。じゃあね」
九曜「──地──獄──……」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:11:29.54 ID:4QSlgho5O
周防九曜の身体が、下からゆっくりと真っ黒な霧となって消えていく……朝倉の時は、まばゆい光だったのだが。
キョン「朝倉の勝ちだ……」
谷口「本当か?涼子ーっ!」
谷口は、朝倉の元へと走りだす。
やれやれ、やっと終わったか。
古泉「まだですよ。鶴屋さんも居ますし、僕達にはわからない事ばっかりです」
森「しかし、一段落は着いたと思います」
キョン「そうですね……」
朝倉「谷口っ!」
谷口「涼子っ!」
二人は、その場で抱き合った。
周防九曜も、もうすぐ消えてなくなる……残された問題は山積みなわけだが、とりあえず腰を落として幸せな二人でも眺めるとするか。
────キンキュウジプログラムハツドウ────ジェノサイドモード────
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:31:21.80 ID:4QSlgho5O
ブツンッ
消滅するのを拒否するかのように、周防九曜の頭部が突然音を立てて消えていく肉体から分断された。
九曜「ガ──ア──」
大きく開き、歯を剥き出しにした口で、その頭部は抱き合う二人に向かって……
キョン「谷口っ!朝倉っ!」
朝倉「え?」
谷口「涼子っ!」
ギチュッ
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:33:12.14 ID:4QSlgho5O
周防九曜は、首の頸動脈を思いっきり噛み千切った。
真っ赤な
真っ赤な血が首から噴き出す
谷口「あ…………?」
九曜「ギ──イ──」
朝倉「いやっ……いやああああああああああああああああああっ!?」
一瞬だった。
谷口は首から鮮血を噴き出し、朝倉はあの時と同じように、まばゆい光に包まれていた。
朝倉「いやっ……いやぁ!?消えたくないっ!?谷口をっ!谷口を治さなきゃぁ!?」
谷口「涼子……すまね……約束……守れ……」
朝倉「いやあっ!いやようっ!?谷口っ!谷口ぃぃぃぃっ!?」
九曜「グ──ウ──」
頭部だけの周防九曜は、俺達を視認すると、そのまま……
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:40:22.05 ID:4QSlgho5O
………
……
…
にゃはっ♪にゃははっ♪
似合ってるよ みくるぅ
みくるの為に 特別に拵えたんだよ
綺麗な紅だよ
みくる 私だけの みくる
ずっと一緒にいようね
みくるの為に 針もたぁくさん用意したよ
紅の針だよ
みくるの胸 この紅針だらけにしてあげるね 着物と鮮血と相まって きっとみくるに似合うから
私だけの
『鶴屋さん……貴女は』
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:50:24.29 ID:4QSlgho5O
鶴屋「……良いとこで来るんだね」
『…………』
鶴屋「……そっか、終わったんだね私は」
『…………』
鶴屋「あーあ……せっかく、ここまで来たのにさぁ」
『…………』
鶴屋「くーたんが居なくなったから、介入する事が出来たかのかなぁ?」
『…………』
鶴屋「じゃあ、ゆきっこも、解放されたんだねぇ?」
鶴屋「あぁ、いらいらするなぁ!?ほんっっといらいらするっ!!」
『…………』
鶴屋「何で何も答えてくれなうかなぁ!?お姉さんはさぁ……んぐっ!?」
みくる(大)「私にはなーんも聞こえません♪
狂ってるのは頭ですか?心ですか?全部ですね♪
でも安心して。お姉さんがしっかり直してあげますから、覚悟してね鶴屋さん♪」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 19:59:22.43 ID:4QSlgho5O
………
……
…
『朝倉涼子。だから貴女は甘いと言われる』
次の瞬間、消滅する寸前だった朝倉の身体が元に戻り、血を噴き出していたはずの谷口の首は、何事も無かったかのように綺麗な肌色を取り戻した。
九曜「ゲ──エ──」
俺達に向かって来るはずの周防九曜の頭部を、突然現れた少女が制止するようにしっかりと両手で持っている。
長門「これはもう、周防九曜では無い……オートモードで動く、只の人形」
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 20:07:37.56 ID:4QSlgho5O
キョン「長門っ!」
長門は、周防九曜の頭部をそのまま両手でって長門さん!?
九曜「ゴ──オ──」
長門「思考も目的も何も無い。ただ、目の前の物を虐殺するだけの人形。こんなものは」
長門は両手を万力のように使い、ギリギリと周防九曜の頭部を押し潰し……すまん。これ以上はグロすぎです。見れませんって長門さん。
俺が目を背けた瞬間
ブチュッ
長門「破壊で充分」
物凄く嫌な音と共に、長門はそう呟いた。
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 20:16:03.20 ID:4QSlgho5O
谷口「あれ……俺、確か……?」
朝倉「谷口っ!」
朝倉は、笑顔で谷口の胸に飛び込んだ。
谷口「涼子……いったいどうなってんだ?」
朝倉「長門さんが……長門さんが助けてくれたのっ!」
谷口「長門が……?」
長門は、二人を見て微笑を浮かべた。
長門「……これで元に戻れる」
キョン「え?」
長門は表情を元に戻し
長門「全ては私の責任。これから説明する」
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:26:23.48 ID:4QSlgho5O
………
……
…
長門は今まで周防九曜の情報制御空間
(これは仮の名称であり、長門や朝倉が造る空間や、さっきまで俺達がいた空間より格段にレベルが違うらしい)
そこに周防九曜に拉致監禁され……いかんいかん。あの破廉恥な文章は忘れろ。
長門は身動きが取れなかった。いろんな意味で。
しかし、朝倉が周防九曜の情報連結解除を行った時に、やっと解放されたらしい。いろんな意味でも。
長門「……彼女の敗因は、藤原の造った機能制御プログラムを撃ち込まれた時に、私を監禁するのを最優先としていたから」
佐々木の手足を再構築しながら、長門はそう言った。
長門の監禁を最優先……ねぇ。
553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:39:19.69 ID:4QSlgho5O
そして佐々木の再構築が終わり、谷口の言っていた通りに長門がその場で立っている人間の額に指でちょこんと触れると……
キョン「藤原……橘……」
谷口「鶴屋さんは……この男が現れなければ……」
『にゃははっ♪それはどうかなぁ?』
谷口「ひっ!?」
みくる(大)「無駄な事は喋らないでと言ったでしょう?」
鶴屋「にゃはぁ♪お姉様が聞いてくれたぁ!私の言う事を聞いてくれたよう?」
555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:47:12.35 ID:4QSlgho5O
キョン「うっわ……」
古泉「これは……」
みくる(大)「お久しぶりキョン君。私からも説明します。
あ、その前に長門さん……」
ジャラッ
鶴屋「にゃははぐえっ?」
みくる(大)「鶴屋さんを黙らせてくれませんか?さっきから耳障りで……」
朝倉「首輪……鎖……」
谷口「流石にこれは俺でも引く……」
森「……ふむ」
何を感心しているんですか森さん。
その場にいる殆どの人間がドン引き。いや、本気で引いた。
朝比奈さん(大)そんなキャラじゃないでしょうに。いやいや今更キャラ崩壊の話をしてもだな。
朝比奈さん(大)は、にっこりと微笑んだ。
蒼い着物で、鎖に繋がれた首輪を付けた
四肢の無い鶴屋さんを引き連れながら
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 21:54:19.99 ID:4QSlgho5O
長門「わかった」
鶴屋「んみゃっ…………?」
朝比奈さん(大)「藤原君と出会わなくとも、狂っていたのでしょうね……鶴屋さんの心の闇を見抜け無かったのは、ずっと側にいた私にも責任はあります。ですから」
ジャラッ
朝比奈さん(大)「きちんと調教します。皆さん、それで許して下さいね♪」
えーっと……うん。まぁ、なんだ。
ここは「そうですね」とでも返答しておこう。
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:01:35.95 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「その上で、元の世界に戻しますから……」
キョン「へ?」
朝比奈さん(大)「あれ?長門さんから聞いて無いんですか?」
キョン「聞くも何も、話の途中で朝比奈さん(大)が……」
朝比奈さん(大)「やだっ!また私、勘違いしちゃった……あ、でも、無かった事になるから別に良いんだわ」
キョン「無かった事?」
朝比奈さん(大)「はい、『あの時の夏休み』みたいに。涼宮さんを使って、無かった事にします」
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:15:31.10 ID:4QSlgho5O
キョン「夏休み……」
繰り返されたあの夏休みか
朝比奈さん(大)「『無かった事』にするのが、他の時間平面にも一番影響は少ないの。
この場にいる人間もそうなんだけど、鶴屋さんは……ここで完全に調教して置かないと、無かった事にしても近い将来、また似たような事を考えちゃう」
谷口「ちょっと待てよっ!?」
朝倉「そうよっ!?」
朝比奈さん(大)「……おっしゃりたい事はわかります。でも、これは決定事項なんです」
570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:25:38.18 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「二人とも、落ち着いて聞いて下さい。
この世界が、修正される事が決定事項となったから私が介入出来ました……周防九曜を消滅させた瞬間に」
朝比奈さん(大)「『無かった事』にするまでが決定事項。だから後は、長門さんの仕事……」
長門「朝倉涼子の再構築。そして、二人の記憶を」
谷口「って事は」
朝倉「幸せになれるのねっ!?」
573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:38:36.98 ID:4QSlgho5O
長門「……それは、あなた達次第。この一ヶ月の記憶を完全に復元させるのは」
朝比奈さん(大)「禁則事項なんです」
朝倉「え……?」
長門「……復元出来るのは、限られたほんの少しの記憶と感情」
朝比奈さん(大)「だから、もう一度出会って互いの感情を確認しあえれば」
朝倉「…………」
谷口「…………」
キョン「あ、もしかして、これって……?」
俺が呟きかけた瞬間、朝比奈さん(大)と長門がこちらを振り向いて、人差し指を立てて唇にあてた。
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 22:53:39.57 ID:4QSlgho5O
谷口「……つまり、この一ヶ月が無かった事になった世界で、俺と涼子が出合い」
朝倉「……二人の気持ちが確認しあえれば……」
朝比奈さん(大)「……はい。二人は幸せになれます。記憶は殆ど失っても、二人には変わらない気持ちがあるはずでしょう?」
谷口「……涼子」
朝倉「……谷口」
二人は、互いに抱き合った。
朝倉「……もう一度出会ったら、直ぐに私の事を……」
谷口「あぁ、約束だ」
朝倉「約束ね」
582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 23:00:26.51 ID:4QSlgho5O
なんだこれ。
谷口と朝倉が、朝比奈さん(大)と長門に上手く言いくるめられた感が全く拭えないまま、
朝比奈さん(大)「皆さんには申し訳ありませんが、少しだけ眠ってもらいます」
長門「先ずは谷口と朝倉涼子。あなた達二人から」
やっぱりな。
谷口「……涼子、また会おうぜ」
朝倉「……うん。谷口」
そして二人は、静かに眠りに付いた。
朝比奈さん(大)「ふう……なんとかなったわ」
長門「貴女のおかげ」
キョン「……で、長門。朝比奈さん(大)
これは何回目ですか?」
588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/03(火) 23:09:28.98 ID:4QSlgho5O
朝比奈さん(大)「……何の話ですか?」
キョン「いやいやいやいや」
朝比奈さん(大)「途中から呼び名を変える人には教えませんっ」
すいません。そこは謝ります。しかも本日二回目だし。
長門「……一回目」
お前まで嘘を付くと言うのか長門ー?
597 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 00:07:47.85 ID:uaMjKgurO
長門「知らないほうが良い事もある」
真剣な目で言われてもな。
朝比奈さん(大)「女の子には秘密の一つや二つぐらいあるんだから、無理に聞いちゃ、めっ!」
いやいや、誤魔化されませんって。
長門「とにかく、朝比奈みくる(大)がいる時点で、全ては良い方向に向かう。それだけは確か。世界のルールと言っても良い」
確かにそうだが……
朝比奈さん(大)「キョン君、今は私達を信じてゆっくり眠って」
くそっ……頭がくらくらして来やがった……長門め……いつの間に……
キョン「こ、これだけ聞かせてくれ……あいつらは……幸せになれるのか?」
長門「勿論」
朝比奈さん(大)「当然です」
意識が遠退く中
二人が微笑んだ
谷口と朝倉が幸せになれるって事は、俺達も全員……
601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:21:25.37 ID:uaMjKgurO
…………
……
…
長門「……幸せになって、幸せになればいいなと思いました」
キョン「作文っ!?」
古泉「んっふ、確かにそうですねぇ……こんな荒唐無稽な話」
昼休み、長門に呼び出された俺と古泉は、部室で長門の物語を読まされた。
キョン「……で、これを信じろと言うのか」
長門「そう」
古泉「普通は信じられませんがねぇ……」
そう。こんな話を読まされて、書いてあるのは全て真実だ。無かった事になったので記憶が無いだけだと言われても、普通は信じない。
しかしだ。
突然送られて来た、この招待状。
谷口と朝倉の、結婚式の招待状を手にしている俺と古泉は……
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:31:39.46 ID:uaMjKgurO
キョン「この話が真実だとしてもだ、再開して五日しか立っていないぞ?」
何をそんなに急ぐんだ。しかも、まだ高校生って、朝倉は違うか。
……朝倉の年齢は?
古泉「いろいろ問題はありますがね……」
キョン「まったくだ」
問題と言えば、あの物語の最後はいったいなんなんだ。
全く解決されてない問題が山積みでは無いか。
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 00:40:37.19 ID:uaMjKgurO
古泉「長門さん。この物語の一番最後なんですが。
佐々木さんや涼宮さんは眠っていたので解りますが、この時、僕と森さんは何をしていたんですか?
会話にも全く加わらず……」
長門「……眠らせる描写を、入れ忘れた」
古泉「んっふ……本当ですか?」
長門「本当」
古泉「……長門さんが言うなら、そうなんでしょうねぇ……わかりました。これ以上は聞きませんよ」
明らかに嘘だよなぁ。
本当にこの物語の通りなら、最後の部分。朝比奈さん(大)と一緒に何を考えて行動していたんだろうか?
何かに焦っているようにも見えるのだが……
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 01:24:13.71 ID:uaMjKgurO
しかしだ。二人が何をしていたかなんて、確かめる術が一切無い。
キョン「谷口と朝倉は、」
長門「五日前に私の部屋で再開した」
キョン「いや、それは谷口から聞いたよ。
『運命ってあるんだなキョン!俺は涼子と結婚するぞー!』
と電話があったからな。あの時は、女日照りが続き過ぎてとうとう気でも狂ったかと……いや、これはどうでもいいな」
長門「……何を聞きたいの?」
キョン「うむ。単純にそう思っただけだから深い意味はないのだが。
四肢の無い朝倉涼子を再構築して会わせたのか?」
長門「そう。それが二人の感情を引き起こす可能性が一番高かった」
キョン「孕ませと?」
長門「……今回はただ、会って欲しい人がいると」
646 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 09:57:50.65 ID:uaMjKgurO
うん
649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:20:27.59 ID:uaMjKgurO
俺と古泉は部室を出て中庭に移動し、ベンチに腰掛けた。
キョン「……どう思った?」
古泉「納得出来ない部分が多すぎますね」
キョン「だよなぁ」
様々な疑問は確実に残る。
繰り返す世界だとしても、そもそも最初の原因は何だ?何故に唐突に「孕ませて欲しい」から始まる?
古泉「……どれ程繰り返したのか。始まりは何だったのか。とでも考えている所ですか?」
キョン「……まぁ、そんなとこだ」
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:23:17.07 ID:uaMjKgurO
古泉「考えるだけ無駄かも知れませんねぇ。長門さんに嘘をつかれたら、それを暴く手段等、皆無ですよ」
確かにそうだが、だからと言って納得出来ん。
古泉「……仮説。推測。想像の域ですが。藤原と呼ばれる未来人と鶴屋さんは、繰り返す世界と知っていた……何らかの原因で記憶が引き継がれていたんでしょうねぇ」
キョン「何故、そう思う?」
古泉「二人が狂ってしまった原因を考えていました……心の闇を抑えきれず、狂った行動に走らせたのは何だったのか」
キョン「それと記憶の引き継ぎがどう関係する?抜け出せないから狂ったとでも言いたいのか?」
古泉「……軽蔑しないで下さいよ。これは友人、いや、男同士だから言えますが」
キョン「いきなり何の話だ」
652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 10:35:08.50 ID:uaMjKgurO
古泉「ループ世界。全てが一旦リセット出来る世界……そんな世界で、様々な力を持ち記憶を引き継いでいる……何をしても無かった事になるんですよ?そう、どんな事をしても」
キョン「……何が言いたい」
古泉「……もう言わなくても解るんじゃないですか?」
……だとよ。お前ならどうする?
古泉「例えば、貴方ならどうしますか?」
キョン「……知るか。なってみないとわからん」
古泉「んっふ、少し考えましたね?」
キョン「そういうお前はどうなんだ?え?」
古泉「……禁則事項です♪」
キョン「似てない。つまらない。気持ち悪い。人差し指を添えるな。ウィンクするな。無理に裏声を使うな」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 11:22:22.78 ID:uaMjKgurO
鶴屋「にゃははっ♪それは、みくるの真似かい?全っ然似てないにょろ」
古泉「あ……」
キョン「……鶴屋さん」
鶴屋「やっほーい♪こんな所にいたんだね!ハルにゃんが二人を探していたっさ!」
手を振りながら、元気な笑顔で鶴屋さんが俺達の元へ歩み寄って来た。
長門に読まされた物語と違い、いつもと変わらない笑顔の鶴屋さん。
……やっぱり、あれは只の創作じゃないのか?
確かに谷口と朝倉が結婚なんて、何かあったとしか思えない訳だが、実際には他にちゃんとした理由があり、先程読まされた物語は長門が適当に考えた……そう考えれば一応は納得出来る。
大体だ。あの狂った鶴屋さんなんて途中から人格崩壊しまくりで、蒼の子みたいだったり緑の双子みたいだったりと、多重人格どころの話じゃ
鶴屋「ん?ちゃんと招待状は届いたみたいだね!」
キョン「え?」
661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 11:31:36.58 ID:uaMjKgurO
鶴屋「にゃははっ♪実はだねっ!谷口とりょこにゃんの二人の結婚式は……」
りょこにゃん?あ、朝倉の事か。
鶴屋「鶴屋流さぷらいず結婚式なのさっ!」
キョン「…………」
古泉「…………」
鶴屋さんには悪いが、全く意味がわかりません。
666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 13:17:45.88 ID:uaMjKgurO
鶴屋「式場から何から何まで、私が手配したのさ。愛し合う二人の為にねっ!」
キョン「……どうして、鶴屋さんが」
鶴屋「うーん。私も最初は、ゆきっこから聞いた時は驚いたけどね」
ゆきっこ……長門から!?
キョン「な、何を聞いたんですか?」
鶴屋「んにゃ?谷口とりょこにゃんが、らぶらぶって事にょろ。他に何かあるのかい?」
キョン「いえ、ま、そうですね。俺も驚きましたよ」
鶴屋「そ、あまりにびっくり仰天しちゃってさっ!これは直接二人に会って、確かめなきゃっと思って」
古泉「で、二人はどうだったんですか?」
鶴屋「いやぁー。それがもう、らぶらぶもらぶらぶのらぶらぶらぶっ!
見ているこっちが、赤面しちゃうぐらいだったにょろ。
そうだねーまるで昔から愛し合っていたみたいにさっ!」
昔から愛し合って……
672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 13:52:25.17 ID:uaMjKgurO
鶴屋「そんな二人を見てると、お姉さんは無性〜に応援したくなってね!」
無性に応援って、サプライズで結婚式場から俺達の旅券までっていったい幾らかかっているんだ。いやいや金の問題では無いが。
鶴屋「応援するなら、全力で応援するのが鶴屋家の流儀なのさっ!にゃははっ♪」
全力で応援ねぇ
古泉「あ、そう言えば、涼宮さんが僕達を探していたと、先程仰っていましたが」
鶴屋「そうそう。余興の練習を開始するって言ってたにょろ。二人とも頑張るっさ!」
余興。ハルヒの考える結婚式の余興か。なんだか谷口や朝倉には悪いが、憂鬱な気分になって来た。何をするつもりだハルヒー?
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:00:54.01 ID:uaMjKgurO
鶴屋「で、二人は結婚相手はまだ決めてないのかなっ?」
キョン「え」
古泉「え」
鶴屋「まだ若いから、谷口やりょこにゃんみたいに今すぐって訳じゃないけどさっ!羨ましいね〜特に花嫁候補がたっくさんいる男の子はさっ!」
どういう意味でしょうか鶴屋さん。
鶴屋「なーんてねっ!まぁ、でも、決まったらお姉さんに報告するにょろ。
その時は全力で応援するからさっ!んじゃねーっ♪」
キョン「…………」
古泉「……で、そろそろ決めても良いんじゃないですか?」
キョン「何の話だ」
古泉「んっふ……まぁ、良いでしょう」
676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:16:08.71 ID:uaMjKgurO
キョン「……あの物語が真実だとすると、鶴屋さんの調教は完了って事になるのか?」
古泉「それすらも、何とも言えませんねぇ」
やれやれ、本当に厄介な物語を読ませてくれたもんだなー長門ー。
古泉「考えれば考える程、切りがありませんねぇ。本当に……」
まったくである。
680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:42:08.27 ID:uaMjKgurO
………
……
…
何だかと言うより、全くすっきりしない気持ちのまま、ハルヒの考えた結婚式に相応しいのか相応しく無いのか良くわからない謎の歌と踊りの余興の練習を終え、俺は一人帰り道を歩いていた。
結婚か……って、年齢的に結婚なんて出来たっけ……確か男性は
「ようっ!久しぶりだなキョン!」
キョン「……谷口」
682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:51:13.59 ID:uaMjKgurO
谷口「待ってたぜ。お前と国木田には、直接報告しようと思ってな」
わざわざ待っていたのか。
谷口「学校のほうはどうだ?」
と言うか谷口。お前学校に来い。何をしているんだ。
谷口「授業よりも食事よりも、もっと大切な事があるのさ」
なんだっけそれ。
谷口「涼子との時間さ!」
うっわー。親指立てるな。なんだその笑顔は。鶴屋さんの言う通り、聞いてるこっちが恥ずかしいだっつ!?
684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 14:59:43.39 ID:uaMjKgurO
谷口「まぁ、そろそろ学校には行こうと思っていたけどな」
キョン「……結婚するんだってな」
谷口「正確には来年だけどな。年齢的に」
キョン「じゃあ、なんで今やるんだよ」
谷口「涼子がどうしてもって言うからな。それに鶴屋さんも同調してさ。参るぜ。
『日取りと式場手配して来たにょろ』
とか突然言い出したもんな。涼子もめちゃくちゃ喜んでるから断れねーしよ……まぁ結婚式じゃなくて婚約式って事になんのかな?」
キョン「はいはい。勝手に結婚式でも婚約式でもしてくれ」
谷口「おいおい。祝福してくれよ。友人だろ?」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:12:02.34 ID:uaMjKgurO
そんな事よりだ。
キョン「なんで朝倉と一緒になろうと思ったんだ?」
谷口「それがよ……良くわかんねーだよな正直」
良くわからんのに、法的に無理な結婚式をしようとしてるのか谷口。
谷口「俺の推測だがよ。俺と涼子は前世で一緒だったんじゃねーかと」
いきなり何を言い出すんだこいつは。頭でも打ったのか。
谷口「……本当に良くわかんねーんだよ。互いによ。
長門に呼び出されて涼子と再会した瞬間、二人とも涙が止まらなかったんだぜ」
キョン「…………」
690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:16:44.03 ID:uaMjKgurO
キョン「……どこで?」
谷口「長門の部屋だ」
キョン「……朝倉ってどうだった?」
谷口「何が言いたいんだ?」
キョン「いや、腕とか、足とか」
谷口「涼子の腕や足がどうかしたのか?」
……この辺は情報操作してあるのか?
キョン「すまん。何でもない」
谷口「意味がわかんねーよ」
692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:24:05.21 ID:uaMjKgurO
キョン「でも、お前は入学当初から朝倉チェック済みだったじゃねーか」
谷口「あー、そう言うのじゃないんだよ。
何て言えば良いのかな。
一緒に様々な困難を乗り越えて来て、やっと再会したみたいな?もう号泣しながら抱き合ってた」
キョン「…………」
谷口「それに、長門の紹介した女占い師も言ってたしよー。二人は前世で一緒だった可能性があるって」
キョン「……は?」
谷口「巨乳の」
キョン「…………」
あの人、何をしているんだ……
697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 15:40:06.34 ID:uaMjKgurO
谷口「こんな不思議な事ってあるんだな……」
ハルヒが耳にしたら喜ぶぞ。
谷口「涼子も俺と全く同じ感情を直ぐに抱いたらしくてよ。
もう、それからはずっと二人の時間を過ごしてる」
キョン「……そっか」
谷口「まぁ、そう言う訳だ。落ち着いたら涼子と一緒に学校来るからよ。
またヨロシクな」
キョン「ああ」
谷口「結婚式には必ず来いよ。じゃあな」
キョン「……谷口」
谷口「なんだよ」
キョン「……おめでとう。朝倉にも、そう伝えておいてくれ」
谷口「……おう」
707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:09:36.64 ID:uaMjKgurO
月日のと言うのは瞬く間に過ぎて行く。
八日間も謎の作文を書……いやいや待て待て。何を口走ろうとしているんだ俺は。自分でも意味不明だ。
ええっと、そうだ。この八日間
「時間がないんだからねっ!」
ハルヒの鶴の一声で全員寝る間も惜しみ、余興の為の謎の歌と踊りを練習し続けた。
日常生活の合間合間にも挑んだこの八日間が、後々の人生の糧となるかどうかは疑問に尽きない所ではあるが、なると信じたい所でもある。ならないか。
そんな訳で、結婚式当日。
みくる「わぁ……」
バージンロードを歩む、純白のウェディングドレスに身を包んだ朝倉涼子。
真っ先に目を輝かせたのは朝比奈さんだった。
。
ハルヒ「素敵ね……」
長門「…………」
709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:11:06.04 ID:uaMjKgurO
そして谷口。
緊張してガチガチになっているのだろうと思いきや、真剣な面持ちと堂々とした態度で朝倉を待っている。
国木田「へぇ……」
そんな谷口に感心する国木田には、果たしてどちらの衣装が似合うかなんて心の闇は無かった事にしよう。
そして、二人は指輪を交換。
ハルヒ「綺麗な指輪ね……」
みくる「いいなぁ……」
長門「…………」
生成するな長門。はめるな。誰と交換するつもりだ。
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:13:07.58 ID:uaMjKgurO
『谷口──あなたは、朝倉涼子と結婚し、その健やかなときも、病めるときも、つねにこれを愛し、これを敬い、これを慰め、これを重んじ、これを守り、その命の限り、固く節操を守ることを誓いますか? 』
谷口「はい、誓います……約束……しましたから……」
ん?谷口、何を言っているんだ?神父が困惑してるぞ。
涼子「谷口……約束……したね……」
谷口「涼子……やっと果たせた……幸せにするって約束を……」
涼子「うん……うん……」
涙を流したまま二人は抱き合い、神父の言葉を待たずに誓いの口付けを交わした。
712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 17:28:42.26 ID:uaMjKgurO
バージンロードを歩く二人を、全員が祝福する。
祝福の花びらが舞うなか、涙を流しながら寄り添って歩く二人は、本当にこの瞬間を待ち望んでいたのだろう。
それがどれくらいの年月かは知るよしもないが──
本当に幸せそうに歩く二人を見て、ハルヒ達は羨望の眼差しを送っていた。
羨ましいと──
朝倉が後ろを向いてブーケを投げる。
受け取る者だけでなく、この場にいる全員が幸せになりますようにと──
願いを込めたブーケは、祝福の花びらと共に宙を舞った。
713 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/04(水) 17:29:27.15 ID:uaMjKgurO
谷口 朝倉 おはり
751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 23:52:44.52 ID:uaMjKgurO
………
……
…
現世は夢──夜の夢こそまこと──
朝比奈さん(大)「キョン君……幸せな二人を見て、納得してくれればいいんだけど」
長門「そして森園生……」
森「う……」
ドサッ
朝比奈さん(大)「……納得のいかない顔をしてますね。古泉君」
古泉「当然ですよ。何ですかこの茶番劇は」
朝比奈さん(大)「茶番劇。確かにそうです。否定は致しません」
長門「茶番劇と言うのも烏滸がましい……」
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/04(水) 23:56:17.29 ID:uaMjKgurO
古泉「無かった事になるなら、教えてくれても良いんじゃないですか?それすら無かった事になるんでしょう?」
朝比奈さん(大)「だったら、最初から知らなくても変わらない……って、古泉君、全っ然駄目だって顔しないで下さいよぅ」
古泉「そういうの、やめてくれませんか?」
朝比奈さん(大)「真実の赤で話しましょうか?」
古泉「冗談はいい加減に」
長門「その冗談こそが最初の始まり」
古泉「……孕ませて、ですか」
長門「そう」
朝比奈さん(大)「あ、長門さん。その前に私を、昔の私に戻してくれません?」
長門「どうして?」
朝比奈さん(大)「いろんな意味で♪」
長門「…………」
みくる「ふう、やっぱりこっちがしっくり来ますぅ。古泉君も、古泉一姫ちゃんになっちゃいますか?」
古泉「仰っている意味が解りませんよ……」
754 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:01:04.52 ID:uaMjKgurO
みくる「えっと、本当に冗談のつもりだったんです」
古泉「冗談と言うのが、良くわかりませんが?」
長門「元々、この世界は彼と朝倉涼子が幸せになる世界だった」
古泉「…………」
長門「その世界は、本当に素晴らしくて二人が幸せになる世界」
古泉「…………」
長門「私は考えてしまった」
古泉「…………」
長門「これがもし、谷口と四肢の無い朝倉涼子なら幸せになれるのかどうかと」
古泉「……で、この世界を構築したと」
長門「再構築。二人が、その幸せな人生を全て全うしてから」
古泉「それは心情的にですか?」
長門「それがルール」
古泉「……納得出来ませよ。全っ然納得出来ません」
755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:06:39.45 ID:bqqXN3SDO
長門「真実」
みくる「ながとまみ♪じゃなくて、しんじつ♪ですからね♪」
古泉「……ちょっと苛々して来ましたので、そのムカつく胸を殴らせてくれませんか?」
みくる「ふええ?」
長門「私も手伝う。以前からその胸は苛々していた」
みくる「ちょ、ちょっと長門さんまでぇ?冗談は止めて下さいよぉ」
古泉「ええ、冗談です。
少し気持ちの整理が付かなくてね……そちらの言う冗談を僕も言ってみた訳ですが。
……冗談……冗談が始まり……ふふっふふふ……怒りを通り越して笑うしかありませんねぇ……本当に茶番劇ですら無い……」
長門「……申し訳ないと思っている」
みくる「知ってて止めなかった、私にも責任があります……」
古泉「……しかし何故、ここまで酷くなったんですか?只の冗談なら、ここまで酷くならないでしょう?」
みくる「始まりの部分は納得してくれたんですね……」
古泉「かなり無理してますが」
757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:12:14.85 ID:bqqXN3SDO
長門「そこに、藤原と呼ばれる未来人が介入して来た」
みくる「本来なら、ここまで酷い世界では無かったの」
古泉「……この世界に介入……理由は?」
長門「この世界が、何度も繰り返した世界になる可能性を持った世界だった為。結果、藤原と呼ばれる未来人の思惑通りに何度も繰り返した。私の責任」
古泉「……先程の再構築、ですか」
長門「そう。藤原と呼ばれる未来人は、自らの目的の為に、この一見何の変哲の無い世界に目を付けた」
古泉「かなりオカシイ世界ですがねぇ。ああ冗談で再構築した世界でしたか」
長門「そう。目を付けたのは、再構築。私は再構築の際に、この世界を限界まで最小化。何時でも崩壊出来るように、様々な因子を盛り込んで置いた」
みくる「つまり、街単位の小さな世界です。谷口と四肢の無い朝倉涼子の恋物語なんて、他の世界に影響を残す前に無かった事にしてしまうのが一番ですから」
古泉「例えば?」
みくる「一番簡単な方法としては、第一部完!俺達の旅はこれからだ!で意識を失わせてスタッフロールみたいな?」
古泉「解りやすいですねぇ」
760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:21:52.60 ID:bqqXN3SDO
長門「でも、そうはならなかった。藤原と呼ばれる未来人はその先を強制的に作り、繰り返す世界を構築した」
古泉「強制的に……繰り返す……ですか」
みくる「はい。長門さんの再構築した世界……元のキョン君と朝倉涼子が幸せになる世界にすら関わりの無かったイレギュラーの存在」
長門「くーた……周防九曜。彼女を二人に関わらせた。これは、繰り返す中で谷口と朝倉涼子が私の部屋で出会うのが九割を越える」
古泉「今、くーたんと言いかけましたね?」
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:29:26.02 ID:bqqXN3SDO
長門「……これは今、全く関係無い」
古泉「いえいえ、過去の話にから現在の話になるのあれですが」
みくる「古泉君の言いたい事はわかります……聞きたいですか?」
古泉「んっふ。長門さんの意外な一面ですからねぇ……是非とも」
長門「一姫」
古泉「?」
長門「古泉一姫になるのが条件」
古泉「構いませんよ……って、もうなっちゃいましたか」
みくる「やっぱり可愛い……」
古泉「……想像するに、貴女と長門さんは様々な世界を修正して来たんですねぇ……だから女体化なんてものに異常に執着する」
みくる「御名答ですぅ」
763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:37:09.35 ID:bqqXN3SDO
古泉「んっふ、無かった事になるなら、姿形等どうでも良いですよ」
長門「私は、何度も周防九曜を二人に介入させないようにした。それは全て成功する事は無かったけれども」
古泉「ふむ……周防九曜の長門さんへの執着はそこですか」
長門「……正直、私も少し楽しんだ。くーたんの髪の毛は、私の想定外の行動を取る」
古泉「んっふ……あの時も何本か……いえ、束で残してたんですかねぇ?長門さぁん?」
みくる「ふわわ、一姫でそんなサディスティックに……きゅん☆きゅん☆」
古泉「……勿論、他に理由はあると思いますが」
みくる「川原で闘う二人!でも終わった後、夕陽をみながら芽生えたのは友情じゃなくて愛情みたいなっ!?しかも歪な愛っ!」
古泉「……ちょっと胸を殴らせて下さい」
みくる「冗談ですよぉ」
長門「私は、先程のは冗談では無かった。そして今も」
古泉「…………」
みくる「………ふぐえっ!?」
765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:42:05.24 ID:bqqXN3SDO
みくる「痛いですぅ、痛いですぅ」
古泉「……で、繰り返すと言うのは?」
長門「方法は誰でも思い付く。涼宮ハルヒ」
古泉「……しかし、崩壊の可能性もあるのでは?」
長門「藤原と呼ばれる未来人は、私と真逆の事をした」
古泉「どう言う事です?」
長門「崩壊因子を全て取り除く」
みくる「禁則中の禁則です。全ての物は、崩壊があるからこそ存在出来る」
古泉「……ふむ。永遠に繰り返す世界ですか」
みくる「リセットする方法としては、涼宮さんに夢だと思わせる事が多かったですね」
古泉「夢……現世こそ夢。夢こそまこと、ですかねぇ」
長門「結果、期間は短くしなくてはならない」
768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:48:53.70 ID:bqqXN3SDO
古泉「ふむ……崩壊の無い永遠に繰り返す世界ですか」
長門「そして、そこには涼宮ハルヒが存在する」
古泉「成程……藤原と呼ばれる未来人。
彼は、崩壊の無い永遠に繰り返す世界を手に入れたかった。ある目的の為に」
長門「そして、その目的は涼宮ハルヒの持つ能力の完全なる解析」
古泉「神に等しい能力を解析するには、宇宙人、未来人、超能力者でも困難ですからねぇ……様々な勢力がすくみ合い、涼宮さん自信に手を加える等……だからそれをする為には、繰り返す世界で無ければならない。それ以外では一度の失敗も許されませんからねぇ」
みくる「記憶を完全に引き継ぎつつ、永遠の時間の中で研究をする……長門さん。一姫ちゃんに、謝らなくてはいけないんじゃ無いですかぁ?」
古泉「あの夏休みですか……構いませんよ。結局、出来なかったんでしょう?」
長門「あれでは、私でも無理。約五百年かけたが……」
770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:53:55.89 ID:bqqXN3SDO
古泉「しかし、藤原と呼ばれる未来人は成功した。研究を続ける事に。
……もしかして他にも、こういう世界が存在するんですか?」
長門「……それぞれの世界は、例えるなら無限の泡。大なり小なりの泡が無限に生まれ、そして消えていく」
みくる「シャボン玉のほうが私は好きかな。直ぐに弾けて消えてしまう世界もあるけど」
長門「だがそれがいい」
古泉「……つまり、弾ける事の無いシャボン玉」
みくる「あくまでも例え例えですけどね。世界は考えている以上にもっと複雑」
古泉「んっふ、それはわかりますよ」
みくる「その無限個のシャボン玉の中で、自身が介入出来て、永遠に弾けて消える危険も無く神を自由に調べる事の出来るシャボン玉」
長門「それは、世界が無限個の泡を生成し始めた中でもレアケース。私達が存在しない泡でも、滅多に見られない」
771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 00:56:59.63 ID:bqqXN3SDO
古泉「完全に解析して、どうするつもりだったんですか?」
長門「人から道具へ。これは退化では無く、情報統合思念体の求める進化の可能性の一つ」
みくる「もしもボックス!だけど生きているみたいなっ!?」
古泉「……今回は殴ろうと思いませんねぇ。それで四肢切断……最終的には脳だけでしょうか」
みくる「ご想像にお任せします」
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:10:44.75 ID:bqqXN3SDO
古泉「ふむ……それで鶴屋さんと出会った。当然ですねぇ。鶴屋家は崩壊因子の固まりですからね。全てを終わらせる殺し屋ぐらい、用意出来ますから」
みくる「何の話ですかぁ?」
古泉「んっふ、何でもありませんよ。そこで鶴屋さんは同調し……狂ってしまった」
みくる「それは違いますっ!鶴屋さんは、最初は止めようと」
古泉「……朝比奈さん。それは心情的に?」
みくる「真実の赤で語ります。鶴屋さんは類いまれなる直感力で、藤原に近付きました。この世界を崩壊させる為に」
長門「しかし、彼女には誤算があった」
みくる「記憶の引き継ぎ。藤原君は、必要な情報だけを引き継げば良かった。
しかし、鶴屋さんは全ての引き継ぎを選択しました。結果、狂ってしまったのだけれども……心の、心の根っこに残してました。崩壊因子を残す事を」
長門「それが谷口と朝倉涼子。そして短針銃」
みくる「そして……橘京子との歪んだ愛」
古泉「……結果、藤原と周防九曜。そして自分自身を止める事に成功した……」
長門「それも初回での成功。これは彼女の直感力による物。使い方次第では、進化の可能性の一つとなる」
774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:29:49.29 ID:bqqXN3SDO
みくる「鶴屋さんは狂いながらも、ベクトルはこの世界の崩壊へと向かっていました」
長門「そして……歯止めの効かなくなった狂った心。その心で朝比奈みくる。歪んだ心だとしても、貴女を心の拠り所とした」
みくる「……わかっています。わかっているからこそ、私は調教し調教されなきゃいけないの。この姿で……それが修正者の努め。
これは、狂ってしまった鶴屋さんとそれに影響された……一姫ちゃんなら、もうわかりますね?」
古泉「……確かに、彼や谷口君や朝倉涼子さん、森さんには話せないし、居合わせてはいけない……成程、成程。
どうあがいても納得出来ない方の為ですか。苦労しますねぇ」
みくる「佐々木さんの場合は、どんな事をしても影響が残っちゃう。それなら、少しでも……間違っている事はわかりますが、私達にはそれしか方法が……」
775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 01:37:19.00 ID:bqqXN3SDO
古泉「んっふ……僕を女体化したのも、全て修正者として計算の内ですか?」
みくる「禁則事項です♪」
古泉「こうやって、ウィンクしながら人差し指を唇に……魔性ですねぇ。いろんな世界でやって来たんでしょうね。いつかやってみたい物です」
長門「では、佐々木を起こし、藤原を無力化した上で蘇生させる」
みくる「佐々木さんの心の傷は計り知れません……この世界を崩壊に導いたとしても、鶴屋さんが狂った心で佐々木さんに行った事は、とても許される事ではありません」
777 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/05(木) 02:04:32.10 ID:bqqXN3SDO
古泉「修正……調教……復讐……一つだけ仰っても宜しいですか?」
長門「構わない」
古泉「貴女達も、充分狂っていますよ」
みくる「それに付き合う古泉一姫ちゃんもねぇ。勿論、最後まで付き合ってくれますよねぇ?」
古泉「当然ですよぉ」
みくる「では、始めましょう。先ずは復讐による破壊と絶望を」
古泉「それをゆっくりと調教し」
長門「安定へと修正する」
みくる「鶴屋さぁん?気分はどうですかぁ?頑張って崩壊まで持っていったのにこの仕打ちはぁ?」
鶴屋「仕方ないと納得すりしかないねぇ、お姉様ぁ。
でも、楽しみでしょうが無いなっさぁ?これから修正まで、どんな狂った世界が繰り広げられるかなぁ?にゃはあっ!?もしかしてこれもぜーんぶゆきっことお姉様の手の平の上の出来事かも知れないねぇ!?にやはっ♪にゃははっ♪
にゃははははははははははははははははははははははははは♪」
778 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/05(木) 02:06:57.97 ID:bqqXN3SDO
おはり
784 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/11/05(木) 02:30:59.20 ID:bqqXN3SDO
最後に書きたい
最初は別のスレの改悪。そして書きたい物を書き連ねて、それを文才の無い俺がまとめただけの駄文糞文オナニー
それを読んでくれた人、保守、支援、批判、絵を書いてくれた人、まとめてくれた人、その他のいろいろな人、全員に言いたい。
ありがとうございました。マジで土下座したいこの気持ち。