1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 17:49:30.61 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「・・・それについての意見を求めるために僕をこの喫茶店に呼び出したのかい、キョン」
キョン「ああ、悪いな。わざわざ時間とってもらって」
佐々木「いや、いいんだ。取り立てて用事はなかったからね。しかし何故そんな質問をしようと思い立ったんだい? 学校で誰かとそういう話をしたのかい」
キョン「その通りだ。今日の団活中そういう話題になってな」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 17:54:28.71 ID:g4Rh0LQM0
団活中
ハルヒ「キョン、『たけのこの里』を買ってきなさい!」
キョン「はいはい・・・で、なんでわざわざ『たけのこの里』を指定したんだ? 『きのこの山』でも大して変わらんだろうに」
ハルヒ「はぁ、あんた全く分かってないわね。大して変わらない商品が別々に売り出されてるわけないでしょ」
長門「その通り。両者は明らかに異なっている。ちなみに私個人としてはきのこ派」
ハルヒ「ちょっと有希、たけのこの方が良いに決まってるでしょ! そうよね、みくるちゃん!」
みくる「ふえぇ、わ、わたしはアルフォートが・・・」
ハルヒ「・・・」
長門「・・・」
みくる「ふえぇ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 17:58:18.95 ID:g4Rh0LQM0
ハルヒ「それなら古泉くんに決めてもらおうじゃないの!」
古泉「そうですねぇ・・・僕もかれこれ何年も悩んでいますが一向に決まる気配がありません。いやぁこれは難しい選択だ」
ハルヒ「じゃあキョン、あんた明日までにどっちがいいか決めてきなさい!」
長門「貴方がどちらに付くかによって、SOS団としての公式見解が決定する。軽率な判断は許されない」
みくる「とりあえず今日のところはアルフォートにしま・・・」
ハルヒ「・・・」
長門「・・・」
みくる「・・・せん! しません!」
古泉「そういうCMありますよね今」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:03:12.05 ID:g4Rh0LQM0
キョン「・・・というわけだ」
佐々木「くつくつ、責任重大じゃないか」
キョン「そうなんだよ。本当は古泉もきのこ派なんだがな。団長様のご機嫌をうかがって言えなかったようだ」
佐々木「なるほど」
キョン「そういえばあいつに『僕のきのこの里を食べてみませんか?』なんて言われたこともあったな。そのときはちょうど昼飯を食ったばかりだったから断ったが」
佐々木「ふむ。キョン、キミはよく鈍感だと言われないか?」
キョン「いや、あいつは片手に『きのこの里』の箱を持った状態で言ったんだがな」
佐々木「・・・どうやら僕の勘違いだったようだね。さっきの発言は忘れてもらえるかな」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:08:39.70 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「だがそれならキョンはたけのこ派になればいいじゃないか。そうすれば彼も『実は僕、きのこ派だったんです』と言えるだろう。これで2対2だ。後は朝比奈さん次第ということになる」
キョン「それはできないな。朝比奈さんが全ての重圧を背負う格好になるじゃないか。俺は彼女を困らせるようなことはしたくないんだ」
佐々木「くつくつ、キョンならそう言うだろうと予想はしていたがね。そういう優しい発言が周囲の人間を惑わせているということにも気づいてほしいところだ」
キョン「一体なんのことだ?」
佐々木「ふん、まあいいだろう。キョンだって全責任を負うつもりで今日ここに来たんだろう」
キョン「厄介事が回ってくるのはもう慣れっこだしな。それに俺はこういうのもたまには悪くないと思ってる」
佐々木「ほう、どうしてだい」
キョン「一つの問題について徹底的に考える、っていうのは嫌いじゃないんでね。特に、佐々木と思索にふける時間は何物にも代えがたい」
佐々木「そ、それは嬉しい言葉だよ。僕もキミの手助けができることを光栄に思うよ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:15:01.42 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「それじゃあ早速本題に入ろうか」
キョン「ああ、そうしてくれると有り難い」
佐々木「まずは『良いお菓子とは何か』というところから考えなければならないね」
キョン「『美味しい=良い』に決まってるじゃないか」
佐々木「そうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。とにかく、そう言い切るのはまだ早いんじゃないかな」
キョン「良いお菓子の判断基準なんて、味以外には無いように思えるが」
佐々木「キョン、お菓子というのは『食べ物』である以前に『物』だよね。僕はそれについても少し考えた方がいいと思うんだ」
キョン「なんのこっちゃ」
佐々木「凍った牛肉の塊、あれも『食べ物』じゃなくて『物』として扱われることがある」
キョン「ミステリでの凶器のことかい。全国のお母様方からすれば『食べ物で遊ぶんじゃありません!』ってところだろうな」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:23:51.12 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「この場合に限っては、柔らかくて美味しい牛肉よりも硬くて不味い牛肉の方が好都合かもしれないね」
キョン「硬い方が殺傷能力ありそうだしな。この場合は『美味しい=良い』じゃなくて『硬い=良い』になるわけだ」
佐々木「分かってくれたみたいだね。厳密にいえば冷凍されてるならどちらもカチカチであることに変わりはないが、それは考えないことにしよう」
キョン「要するに、使用方法によっては不味い食べ物でも役に立つってことだな。確かに、味はあくまで一つの側面にすぎないような気もしてきたぜ」
佐々木「それじゃあ早速、きのことたけのこを『物』として活用してみようじゃないか」
キョン「よし、殺傷能力という点ではたけのこの方が上だな。尖ってるし。なるほど、かの邪知暴虐なハルヒにはぴったりだ」
佐々木「随分とひどい言いようじゃないか、くつくつくつ」
キョン「くつくつくつ」
佐々木「やめてよ」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:29:27.57 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「僕はね、きのこをロープウェイのように使用することを思いついたんだよ」
キョン「すごいじゃないか。いったいどうやるんだ」
佐々木「2本のレールの上にきのこの笠の部分を乗せてだね・・・」
キョン「絵を描いて説明してくれないか? あいにく俺はそれほど創造力が豊かじゃないんでね」
佐々木「単純化すれば・・・こんな感じだね」
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date120216.jpg
キョン「なんだかよく分からんな」
佐々木「ところでキョン、筆箱の中に色ペンがたくさんある女ってどうだろうか?」
キョン「どうって、そりゃあ可愛げがあって良いと思うぞ。だが佐々木、茶色・黄土色・灰色じゃあたいしたポイントにはならんのだよ」
佐々木「そうか・・・」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:34:14.59 ID:g4Rh0LQM0
キョン「俺も一つひらめいたぞ。まず俺がうんこを我慢しているとしよう」
佐々木「おっと、キミはここが喫茶店だということを忘れてるんじゃないのかい? 少し話に夢中になり過ぎているみたいだよ」
キョン「いや待て、そんなんじゃないから、な。まず俺がうんこを我慢しているとしよう。そしてトイレにはしばらく行けない状況だとする」
佐々木「はぁ」
キョン「そこで俺はうっかり漏らさないように、きのこかたけのこを肛門に詰めるわけだ」
佐々木「思いっきり『そんなん』じゃないか」
キョン「さあ、どちらを選ぶべきだろうか」
佐々木「・・・たけのこだね。そっちの方が挿れやすいだろう」
キョン「ところがどっこい、俺はきのこを選ぶぜ」
佐々木「できるだけ早口で喋ってくれないかな。もしもあと1分以上この話が続くようなら僕は帰らせてもらうよ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:40:40.11 ID:g4Rh0LQM0
キョン「確かにたけのこの方がインサートは簡単だ。だがこいつは同時に抜け落ちやすくもある。そこできのこの登場だ」
佐々木「なるほど。『かえし』だね」
キョン「ご名答。笠の部分の形状によって、挿し込まれたきのこはアナルから飛び出ないんだ。まるでそう、釣り針が魚の口から離れないようにな」
佐々木「くつくつ、確かにこれは興味深いね。だがいざトイレに到着したらどうするんだい? 力ずくで引き抜く、なんて手荒な真似はできればしたくないものだよ」
キョン「大丈夫だ。その頃にはチョコの部分が体温で柔らかくなっているのさ。引き抜いても痛くはない」
佐々木「ぬかりないね。さすがはキョンだ。あれから1分経過したが特別に許そう」
キョン「ただし、通常のアナルいじりのときはたけのこを使用するべきだ」
佐々木「うん、もういいから」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:51:40.45 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「さて、ここまでの議論で何か気付いたことはないかい?」
キョン「うーん・・・お菓子の使い方なんて最早なんでもありなんだな、とは思ったが」
佐々木「それこそ僕の期待していた答えだよ。そう、お菓子の『物』としての側面は僕たちのアイデア次第でどうにでもなる」
キョン「つまりは?」
佐々木「『アイデア』というのはお菓子そのものが持っている性質じゃないね。お菓子そのものの良し悪しについて考えるなら、こんなことは議論する意味がないのさ。今は食べることだけを考えればいい」
キョン「なんだよ。『物』としての側面、なんて言い出したのはお前の方じゃないか」
佐々木「だが『徹底的に考える』と言ったのはキョンの方だ。徹底的とはこういうことを言うんじゃないのかな」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 18:59:02.65 ID:g4Rh0LQM0
キョン「ここまで長々とやってきて、未だ分かったことは『お菓子は食べよう』ってことだけか」
佐々木「ここからが核心だよ。結論に至るまでそんなに時間はかからないだろう」
キョン「ようやく味について考えるんだな」
佐々木「キョン、キミは本当にそれでいいと思っているのかい?」
キョン「・・・いや、薄々気づいてはいたさ。両者はどちらも明治製菓の商品だし、チョコとスナックという組み合わせも同じだ。味に大した違いはないだろう」
佐々木「ああ、そうかもしれないね」
キョン「そもそも、どちらか一つを選ぶということ自体が愚行だったのかもしれない。今となってはそう思うね」
佐々木「いや、そんなことはないと思うよ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:05:42.71 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「キョン、漆器は黒光りするだろう? あの色にどんな意味があるか知ってるかい?」
キョン「見た目に美しい、とかそんなもんじゃないのか?」
佐々木「突き詰めて言えば正解だ。だがそれだけでは少し味気ないね。もう少し補足の説明をさせてもらうよ」
キョン「聞こうじゃないか」
佐々木「電灯が発明される以前の日本には、室内の照明器具なんて行燈くらいしかなかったわけだよ。だから日没と同時に、屋内は薄暗くなってしまう。
薄暗いところでは、白い洋皿の美しさはくすんでしまうね。だが漆器の場合は違う。薄暗い所ではその色がより深みを増すようになっているのさ」
キョン「なるほどな。深イイ」
佐々木「やめてくれ。僕はあの手の番組があまり好きじゃないんだよ」
キョン「しかし佐々木、お前はそんなことをどこで知ったんだ? お前が漆器マニアだったなんて話は聞いたことが無いぞ」
佐々木「くつくつ、これは中学校の国語の教科書で読んだ話さ。ひょっとするとキョンも覚えているかもしれないと思ったが」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:12:38.26 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「さて、閑話休題だ。このように、昔の人たちは食器の見た目にもこだわりを持っていたのさ。食というのは、味だけじゃなくて見た目も楽しむものなのだ、という考え方だね」
キョン「なるほど」
佐々木「そして、『きのこの山』と『たけのこの里』にもそういった見た目の工夫が施されているだろう?」
キョン「それはつまり、キノコとタケノコを模したあの形だな」
佐々木「そうさ。味は両者ほぼ同じだが、見た目だけはかなり異なっているね」
キョン「そうか・・・要は『見た目で決める』ってことでいいんだな?」
佐々木「そういうことになるね。なんだか当たり前のようなことだが、これだけ考えて決めた事なんだ。自信を持っていいんじゃないだろうか」
キョン「しかし一口に『見た目』と言ってもなぁ。ここまで来たんだからできる限り主観を排したいものだが・・・」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:17:39.25 ID:g4Rh0LQM0
キョン「・・・ん? そうだ、佐々木」
佐々木「なんだい?」
キョン「お前、本物のタケノコを食べたことはあるか?」
佐々木「あるよ。それがどうしたんだい?」
キョン「それは、『たけのこの里』みたいに尖がった円錐形のタケノコだったか?」
佐々木「くつくつ。いいや、薄切りにされたものだったよ、キョン・・・そして僕は『きのこの山』みたいな形のキノコを食べたことがある」
キョン「シメジやナメコはあの形のものを食べるのが普通だよな」
佐々木「どうやら、決まったようだね」
「きのこの山」、「たけのこの里」は共に秋の味覚を模したものだ。
だが後者の形状は、食卓にのぼるタケノコの形状とはかなり異なっている。
そのため「美味しそうな見た目」という点に関しては、「きのこの山」の方がやや勝っているのではないだろうか。
・・・少なくとも俺はそう感じた。
キョン「ああ。俺は、きのこ派だ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:24:19.54 ID:g4Rh0LQM0
キョン「結論も出たところだし、そろそろ出ようじゃないか、うん。お代は俺が持つぞ」
佐々木「いや、そんなことは・・・」
キョン「俺に気を遣うことはないんだぞ? そうでなくとも今日は俺が突然呼び出したんだから・・・」
佐々木「キョン、僕もさっき気が付いたんだがね・・・僕たちはどうやらまだ何も注文しちゃいないみたいだよ。くつくつ」
キョン「あれ? なんてこった。このままじゃあ俺たちは迷惑な客、いや、ただの迷惑な奴らじゃないか。話に夢中になり過ぎて気が付かなかったぞ」
佐々木「申し訳程度にコーヒーでも飲んで帰ろう。お代は・・・そうだね、今日は御言葉に甘えてキョンに持ってもらうことにしよう」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:31:33.12 ID:g4Rh0LQM0
キョン「しかし、俺が長門の側に付くとなるとなぁ・・・」
佐々木「涼宮さんのことかい?」
キョン「ああ、俺だけの問題ならいいんだがな。古泉にも迷惑を掛けるかもしれん」
佐々木「くつくつ、大丈夫さ。キョンが言ったことならば、涼宮さんも納得してくれるんじゃないかな」
キョン「それはどうだか」
佐々木「それに、今更自分の意見を曲げることなんてしたくはないだろう?」
キョン「まあ、それはそうなんだが・・・」
佐々木「だったらそうするべきだよ。キミのためにも、彼女のためにも」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:38:15.26 ID:g4Rh0LQM0
帰路
キョン「今日はありがとうな。こんなくだらない話に付き合ってくれて」
佐々木「そうか、キミにも『くだらない話』だという自覚はあったのか。いきなり真剣な顔で『どっちがいいのだろうか』なんて言うものだから、正直僕は驚いてしまったよ」
キョン「まあ、そのくらいの自覚はあったな」
佐々木「くつくつ、だがね、キョン。くだらないことを真剣に議論するのがこんなにも面白いことだとは思わなかったよ。こちらこそ感謝したいね」
キョン「ああ、俺にとっても非常に有意義な時間だったと感じてるぞ」
佐々木「次に会うときには『じゃんけんで最も強い手は何か』ってことについて議論しようじゃないか、くつくつ」
キョン「そいつは面白そうだ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:47:02.32 ID:g4Rh0LQM0
佐々木「そして今日何よりも面白かったのは、キョンがちゃんと最終的にどちらか片方を選択したということだ」
キョン「そりゃあどういう意味だ? 俺はそこまで優柔不断な人間ではないと思うが」
佐々木「キミの周りには多くの魅力的な女性が居るみたいだが、その中から一人だけを選ぼうなどとは考えていないのだろう?」
キョン「そりゃあそうだ。俺は現状に結構満足してるもんでな。自分の手でこの生活を壊すことはしないさ」
佐々木「だが僕にはそんな生活が長くは続かないような気がするんだ。かくいう僕もキミの現状を壊してみたい、なんて思うことがある」
キョン「へぇ、そうなのか? それは出来れば勘弁してほしいな」
佐々木「くつくつ、相変わらずだね。だが、もしも誰か一人を選ばなければならないとすれば・・・キョンはどうするんだい?」
キョン「そのときは・・・そうだな、今日と同じように決めるだけさ」
佐々木「『徹底的に考える』、のかい?」
キョン「いいや。『見た目で決める』、ってことさ」
佐々木「・・・くつくつ、手ごわいライバルばかりじゃないか」
とりあえず終わり
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 19:52:31.48 ID:g4Rh0LQM0
過疎ってますが読んでくれた人はありがとう
本当はキョンと佐々木をくっつけたかったんですが、今回は敢えてやめてみた
我慢ならないので今から欲望の赴くままに佐々木ルート書きます
あと明治製菓SSを書いた割には明治知識が浅くてごめん
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 20:00:02.83 ID:g4Rh0LQM0
キョン宅
佐々木「お邪魔してすまないね」
キョン「それは構わないが・・・もう結構な時間だぞ。あんまり遅くなるとお家の人が心配するんじゃないのか」
佐々木「心配要らないさ。それよりキョン、今この家には僕たち二人しか居ないようだが・・・」
キョン「ああ、今日はみんな帰りが遅くなるらしい。何かうちの家族に用事でもあったのか?」
佐々木「い、いや、そんなことはないよ。僕はキョンに用事があって来たんだ」
キョン「俺に何か用事があったのか。喫茶店に居る間に話してくれればよかったのに」
佐々木「それはちょっと・・・」
キョン「まあいいんだけどな。だが今からだとたいしたことは出来ないぞ? もう8時になるからな」
佐々木「いいんだ。それでも構わない」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 20:06:28.92 ID:g4Rh0LQM0
キョン「そうか。それで用事ってのは?」
佐々木「今夜、キョンの『きのこの山』を僕に食べさせてほしいんだ」
キョン「えっ」
佐々木「なんだよもう! キョンの鈍感!」
キョン「あっ、いや、その・・・そういうことにはには順序というものがあると思うんだが・・・」
佐々木「えっ」
キョン「いや、だから」
佐々木「じゅ、順序なんて現代人が作り出した物に過ぎないんだよ、キョン。昔は『垣間見』といって・・・」
キョン「いやいやいやいや」
佐々木「・・・すまない。なにぶん不慣れなものでね」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/22(木) 20:12:12.73 ID:g4Rh0LQM0
キョン「佐々木、悪いがお前の頼みは聞けない」
佐々木「・・・そうか、残念だよキョン。さっきのことは全て忘れてほしい。そして明日からも僕の親友でいてくれ」
キョン「佐々木」
佐々木「なんだい。もう今日は帰らせてくれないか。これ以上ここに居ると僕は・・・」
キョン「待て・・・これを見てくれ」ボロン
佐々木「ちょ、ちょっとキョン!」
キョン「どうだ? 佐々木、これを見てもう一度さっきのように頼んでくれないか」
佐々木「・・・・・・! キョン、き、キミというやつは・・・う・・・ううっ・・・」
キョン「よしよし、泣くんじゃない」
佐々木「う・・うん・・・キョン、キミの・・・キミの『たけのこの里』を僕に食べさせてくれないか・・・?」
終わり