1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:24:47.95 ID:OPVs53HcO
キョン「最近バリバリなる物が流行っているらしい」
古泉「んっふ、何ですかそれは」
キョン「デートや買い物の時に、彼氏にマジックテープの財布で支払われるとなんか嫌だとか」
古泉「それでバリバリ……くだらないですねぇ」
キョン「でも、国木田がバリバリってやると可愛くて勃起すると思うのだが」
古泉「…………」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:26:34.10 ID:OPVs53HcO
古泉「意味が全くわかりません」
キョン「想像してみろ古泉。例えばだ」
………
……
…
国木田『あ、今日は僕が支払うよ』
キョン『いいよ国木田。俺が支払う』
国木田『でも、いつもキョンに奢ってもらってるし……』
キョン『おいおい。支払いは男がやるもんだ』
国木田『でも……悪いよキョン』
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:27:18.14 ID:OPVs53HcO
古泉「ちょっと待って下さい」
キョン『そんな事は無いさ国木田……』
古泉「ちょっと、待って、下さい」
キョン「なんだ古泉」
古泉「国木田君も男ですよね?」
キョン「何を言っているんだお前は。頭がおかしいのか?」
古泉「おかしいのは貴方ですよ」
キョン「国木田は『男』じゃなくて『男の子』だろうが」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:28:22.22 ID:OPVs53HcO
古泉「……それは何が違うんですか?」
キョン「そこから説明しないといけないのか?
駄目だな古泉。お前は全っ然駄目だ」
古泉「人の台詞をパクらないで下さいよ……」
キョン「わかりやすく説明してやる。谷口は『男』だろう?」
古泉「はい」
キョン「国木田は『男の子』だ」
古泉「…………」
キョン「…………」
古泉「……説明終わりですか?」
キョン「え?」
古泉「え?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:34:56.17 ID:OPVs53HcO
キョン「ここまで言ってもわからないのか?」
古泉「わかる訳ないでしょう……ええっと、貴方も谷口君も国木田君も僕も同年代ですよね?」
キョン「今更何を言っているんだ」
古泉「この中で『男』は?」
キョン「俺とお前と谷口」
古泉「国木田君は?」
キョン「さっきから『男の子』だと言っているだろう……しかもただの『男の子』じゃないぞ?可愛い『男の子』だ。
国木田がどれくらい可愛い『男の子』かと言うとだな。あれは今から」
古泉「もう良いです。何となくわかりましたから……で、そんな国木田君の財布がバリバリであって欲しいと。そう言いたいんですね?」
キョン「うむ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:43:42.75 ID:OPVs53HcO
古泉「国木田君の財布を見た事ないんですか?」
キョン「無いな」
古泉「友人でしょう?」
キョン「中学の頃から、いつも俺が奢っているからな……」
古泉「……見せて貰えば良いじゃないですか」
キョン「えー」
古泉「えーってなんですか」
キョン「ちょっと怖い」
古泉「怖いとは?」
キョン「もし、国木田の財布がバリバリ以外だとしたら俺は……」
古泉「…………」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 08:51:10.31 ID:OPVs53HcO
古泉「もし、バリバリ以外の財布を仕様しているのだとすれば、貴方がプレゼントしてあげれば良いじゃないですか」
キョン「何をだ」
古泉「バリバリの財布ですよ。ブランド物で使いやすいバリバリの財布も結構ありますし……」
キョン「はぁ……古泉」
古泉「ちょっと、何ですかその冷めた目は」
キョン「お前は本当に駄目だな。全っ然駄目だ。何もわかっちゃいない」
古泉「…………」
キョン「バリバリの財布をプレゼント出来るのは、母親だけだ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 09:19:18.75 ID:OPVs53HcO
古泉「意味がわかりませんよ」
キョン「ブランド物なんて言っている、お前の方が意味がわからない」
古泉「やれやれ……貴方が望む物が僕にはさっぱりですよ」
キョン「お前にはまだ早い」
古泉「……で、いつ確認するんですか?」
キョン「何を確認するんだ」
古泉「国木田君の財布ですよ」
キョン「……確認するの?」
古泉「ここまで来たら、確認せずにはいられませんよ。
貴方が嫌だと言っても、僕一人で確認して来ますが……」
キョン「待て。待つんだ古泉!?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 09:35:18.26 ID:OPVs53HcO
………
……
…
キョン「……どうしても、今確認するのか」
古泉「ええ。休み時間も残り少ないですしね」
キョン「…………」
古泉「……別に、国木田君の財布がバリバリじゃなくても良いじゃないですか。
それで可愛い『男の子』では無くなる訳ではないでしょうに」
キョン「確かにそうだが……しかしだな」
古泉「現実から目を背けるのは貴方の悪い癖ですよ。覚悟を決めて下さい」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 09:44:16.11 ID:OPVs53HcO
ガラッ
古泉「こんにちは国木田君」
国木田「古泉君?珍しいね。僕に用かい?」
キョン「国木田……」
古泉「んっふ、用って訳ではないんですがね……国木田君、ちょっと財布を見せて貰えませんか?」
国木田「財布?」
古泉「ええ。皆がどのような財布を仕様しているか、彼と話をしていまして。
因みに僕の使っている財布はこれです」
キョン「俺の財布はこれだ」
古泉「それで、国木田君の財布は……おや?どうしました?」
国木田「…………」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 09:52:31.00 ID:OPVs53HcO
国木田「僕の財布は……皆に比べたらちょっと」
古泉(ま、まさか)
国木田「笑わないでよ?僕にとっては……」
キョン(バリバリフラグ!?)
国木田「大事な財布なんだよ?」
キョン「……え?」
国木田の財布は
黄色で長い財布だった。
古泉「金運アップ……ですか」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:05:25.41 ID:OPVs53HcO
国木田「うん。この財布はね」
キョン「国木田あああぁあぁあぁあっ!?」
古泉「!?」
国木田「ちょっとキョン!?何をするんだよ!?」
キョン「こんなオバサン臭い財布……お父さんは認めませんっ!?」
国木田「意味がわからないよ!やめてよキョン離して!この財布は……」
キョン「そぉいっ!」
バリバリッ
国木田「あ……」
国木田の黄色い長い財布は、安物らしい音をさせて綺麗に引き裂かれた。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:07:20.06 ID:OPVs53HcO
キョン「よし……国木田お前に似合う財布はだな」
ポタッ
キョン「えっ?」
国木田「ひどい……ひどいよキョン……」ぽろぽろ
古泉「……国木田君?」
国木田「ぐすっ……この財布は……ひっく……亡くなったお婆ちゃんが僕に……」
キョン「…………」
古泉「…………」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:29:23.09 ID:OPVs53HcO
キョン「く、国木田、違うんだこれは」
国木田「ぐすっ……もういいよ……」
キョン「あ……」
国木田は引き裂かれた黄色い財布を鞄に入れ、泣きながら教室を出ていった。
古泉「……これは完全に嫌われましたねぇ」
キョン「…………」
古泉「で、どうするんですか?」
キョン「……屋上」
古泉「は?」
キョン「国木田に嫌われた……もうこれは死んで詫びるしか」
古泉「ちょっと落ち着いて下さい」
キョン「止めるな古泉……俺はもう生きていけない……」
古泉「長門さんがいるじゃないですか」
キョン「!!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:31:44.87 ID:OPVs53HcO
古泉「長門さんなら簡単に直せるんじゃないですか?
ついでに記憶の改竄も……」
キョン「長門おおおおおぉぉおぉおっ!!!!!」
古泉「……やれやれ、忙しい人ですねぇ」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:35:07.89 ID:OPVs53HcO
………
……
…
古泉「と、まぁそんな訳でして。長門さんに頼んで無事に終わりました」
森「ふむ……貴方も苦労しますね古泉」
古泉「んっふ、もう慣れましたよ……あ、すいません珈琲のおかわりを」
店員「かしこまりました」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 10:43:00.81 ID:OPVs53HcO
森「で、その荷物は?」
古泉「バリバリが頭から離れなくて……つい買ってしまいました」
森「スニーカー、ね……」
古泉「バリバリはサイド部分だけですがね。
あ、森さん持っていましたよね?バリバリのスニーカー」
森「その言い方はやめなさい……あれは戦闘の練習に良いんですよ。靴紐を気にしなくていいから」
古泉「森さんらしいですねぇ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 11:17:14.18 ID:OPVs53HcO
古泉「まぁ、そんな感じで。今日の経過報告は以上です」
森「平和で良いです事……あら?」
新川「おや、これは奇遇ですね。任務中ですか?」
古泉「新川さん?どうしてここに」
新川「美味しい珈琲を提供してくれる店があると聞きましてね」
古泉「それでわざわざ……?」
森「新川らしいわね」
新川「噂通り、なかなかの味でした。ここの店主は、珈琲と言う物ををわかってらっしゃる」
古泉「確かに美味しいですが……」
森「新川は昔から珈琲にはうるさいから」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/21(水) 11:18:26.59 ID:OPVs53HcO
新川「ゆっくり味わってもらえれば、違いはわかるでしょう。
私は先になりますが……そうだ。支払いは私がして置きましょう」
古泉「いえ、そんな」
新川「まぁ、気になさらずに」バリバリ
古泉「あ」
森「あ」
新川「おや、どうされましたか二人共?」
59 名前: ◆HLR2b16n72 [] 投稿日:2009/10/21(水) 13:02:35.85 ID:OPVs53HcO
もう考えつかん
終わり