6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 22:38:45.18 ID:f4NBVkXm0
キョン「主人公補正ってなんなんだ?」
長門「その名の通り。あなたに今まで働いていた主人公に対する優遇フィルタを外す。」
キョン「はぁ・・・。そもそも俺にはそんなもん無いと思うんだが・・・。」
長門「体験してみればわかる。・・・いい?」
キョン「まあ、俺は別に構わないが。」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 22:44:20.25 ID:f4NBVkXm0
〜翌日〜
キョン「特にいつもと変わらないような気がするが・・・。」
キョン「お、谷口じゃないか。よう。」
谷口「おう、キョンか。おはようさん。」
キョン「なあ谷口、俺いつもとなんか違うか?」
谷口「そうだな・・・。今日になって急に考えたんだが、お前と俺って友達だったけか?」
キョン「なにを言ってるんだ今更。」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 22:49:12.13 ID:f4NBVkXm0
谷口「なんか、お前の顔見たらイライラしてきてよぉ・・・。」
キョン「なんだと?」
谷口「お前ばっかモテやがって・・・。性格だって根暗なくせによお。」
谷口「とりあえずお前見てるとムカつくから先行くぜ。」
キョン「なっ!」
キョン「いきなりなんだってんだ・・・。」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 22:55:33.57 ID:f4NBVkXm0
〜教室〜
キョン「谷口のおかしな言動は気になるが、まあふざけてるんだろう。」
キョン「・・・忘れよう。よ、ハルヒ。今日は早いな。」
ハルヒ「なによあんた。気安く話しかけないで。」
キョン「おいおい、どうした?えらく不機嫌だが。」
ハルヒ「あんたみたいな、人を見下したようなしゃべり方、ムカつくのよ・・・。黙ってて!」
キョン「はいはい、そうですか。ハァ・・・なんだってんだ今日は。」
キョン(もしかして、これが長門の言ってた主人公補正がどうとか言うやつなのか?)
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 22:58:33.58 ID:f4NBVkXm0
〜昼休み〜
キョン「谷口と国木田に一緒に飯を食おうと誘ったが断られちまった・・・。」
キョン「人生初の便所飯って言うのを体験したぜ・・・。」
キョン「とりあえずこのままだとキツいからな、長門に言ってなんとかしてもらうか。」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:02:38.72 ID:f4NBVkXm0
>23
キョンはもともとめっちゃ嫌われてたけど、補正のおかげでかろうじて友達2人だったってことで・・・
ごめなさい・・・
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:07:33.00 ID:f4NBVkXm0
〜部室〜
キョン「着いたな。いてくれよ、長門・・・」
コンコン
長門「どうそ。」
キョン「よう。早速なんだが、俺の昨日解除した主人公補正とやらを元に戻してくれないか?」
長門「なぜ?」
キョン「なんだか今日になってみんな俺に冷たいんだ。正直キツい。耐えられん。」
長門「それが本来のあなたの姿。受け入れるべき。」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:14:13.48 ID:f4NBVkXm0
キョン「そんなこと言わずに・・・。頼むよ長門。」
長門「無理。もう私にはどうすることもできない。」
長門「一度外してしまったらもう元には戻せない。」
長門「あきらめて。」
キョン「そうか・・・。」
キョン「まあ、今までが恵まれすぎていたんだ。平凡な日常に戻るだけさ。」
長門「前向きな考え方は重要。頑張って。」
キョン「そうだな。それに、長門は補正とやらが無くなった今でも普通に接してくれてるしな。」
長門「私はいつでもあなたの味方。応援する。」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:18:09.25 ID:f4NBVkXm0
長門(ここまでは計画通り。彼は今後も周りからいじめられ続ける。)
長門(でも、私は彼を見捨てない。そんな私に、彼は好意を抱くだろう。)
長門(事はそれから・・・。)
長門(楽しみ。)
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:21:56.52 ID:f4NBVkXm0
〜放課後〜
キョン「午後も散々だったな・・・。俺は今まで相当補正に助けられていたんだな。」
キョン「まあ、くよくよしても仕方が無い。とりあえず、SOS団には行くか・・・。」
キョン「なに、素の俺を受け入れてくれるやつだってきっといるさ。・・・長門のようにな。」
キョン「よし!」
コンコン
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:27:24.84 ID:f4NBVkXm0
みくる「はぁ〜い。どうぞ〜。」
キョン「失礼しまーす。こんにちは。朝比奈さん。」
みくる「ひぇっ・・・ここ、こんにちわぁ。」
キョン「?どうしたんです、朝比奈さん。」
みくる「い、いえ、なんでもない・・・ですよ?」
キョン「なんでもないわけ無いじゃないですか!どうして俺からそんなに距離をとるんです?」
ズイ
みくる「い、いや・・・。」
みくる「ち、近寄らないでください・・・。」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:35:05.14 ID:f4NBVkXm0
キョン「なんで・・・SOS団のみんなは俺を受け入れてくれるって思ったのに!」
ガシッ
みくる「いや・・・っ!離してください!」
古泉「失礼しますよ?朝日奈さ・・・って、何をやっているんですか!あなたは!」
キョン「古泉?お前もなのか?お前も補正がないと受け入れてくれないって言うのか!」
キョン「ちくしょおおおおお!」
古泉「はっ!」
ファッ
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:39:28.91 ID:f4NBVkXm0
古泉「頭は冷えましたか?」
キョン「ああ・・・。お前のパンチのおかげでな。」
古泉「でしたら、もう二度と、女性に乱暴ははたらかないでください。いいですか?」
キョン「ああ、悪かったよ。もうやらん。すみませんでした、朝日奈さん。」
朝日奈「いえ・・・。あんな態度をとった私も悪いんです。」
キョン「そう言いつつ、目はあわせてくれないんですね。」
朝日奈「すみません・・・。」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:46:14.74 ID:f4NBVkXm0
古泉「それと、大変言いにくいのですが、あなたは本日をもって、SOS団を退部してもらいます。」
キョン「・・・そうか。それは、ハルヒが決めたのか?」
古泉「ええ・・・。理由は、”なんであんなやつを入団させたのかわからない”だそうです。」
古泉「この現象は、涼宮さんが望んだことなのでしょうか・・・。」
古泉「僕も、今まであなたに感じたことの無い不快感のようなものを大変感じます・・・。」
古泉「正直、ムカついてますよ・・・。」
古泉「なにか心あたりは無いのですか?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/15(木) 23:52:44.20 ID:f4NBVkXm0
キョン「実は、これは俺の主人公補正とやらを解除したのが原因らしいんだ。」
古泉「主人公補正、ですか・・・。」
キョン「ああ。どうやら今まではそれのおかげで、俺は友達に恵まれて生活してこれたらしい。」
古泉「それは、突然なったのですか?」
キョン「いや、長門が急に解除するって言い出してだな・・・。」
古泉「はて・・・。長門さんは何故そんなことを・・・あぁ!もう!」
古泉「あなたを見ていると本当にイライラしますね・・・。もうどうでもいいです。」
古泉「とにかくここから出てってください。」
バタン
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:01:52.55 ID:FaBhO3fH0
長門(順調。このスレでもう気づいている人も多いと思う。)
長門(実は補正を外しただけでなく、周りを不快にさせるように彼を改変した。)
長門(・・・といっても、彼にはもともと素質が十二分にあった。これは事実。)
長門(以上、説明的退屈な手続き。)
〜帰路〜
キョン「はあ・・・もう頼りになるのは長門くらいだ・・・。」
キョン「早く帰りすぎても家族に怪しまれそうだな・・・。」
キョン「妹なんかはかなり勘がいいからな。どうしたもんか・・・。」
ピリリリリリリ・・・
キョン「メールか・・・。送り主は・・・長門か。」
123 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:14:08.22 ID:PbPNpBKzQ
from長門 有希
本文 私の家に来るといい
待っている
キョン「長門…ありがとな。」
〜長門のマンション〜
キョン「悪いな、邪魔しちまって。」
長門「構わない。私という個体は、嬉しいと感じている。」
キョン「そうか…ありがとな。ホントに。」
131 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:22:26.02 ID:PbPNpBKzQ
キョン「長門、お前はずっと俺の友達で居てくれるか?」
長門「当然。私はあなたの味方なのだから。」
キョン「ああ…長門、もう俺にはお前しかいないよ。お前しか…。」
長門「そう。あなたは私さえいればそれでいい。そうでしょう?」
キョン「ああ、長門。お前さえいれば…。」
長門(そろそろだろうか…。)
134 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:32:42.73 ID:PbPNpBKzQ
長門「あなたには私しかいない。そうあなたは言った。けれどそれは間違い。」
キョン「えっ…なぜだ?どういうことだ長門…?」
長門「こんなこともわからないとはとんだ低脳。あなたは本当に馬鹿な人間。」
キョン「ははっ…急にどうしたっていうんだよ長門…。今のは結構傷ついたぞ?」
長門「あたりまえ。私はあなたが傷つくように言ったのだから。」
長門「わからない馬鹿なあなたにもわかるようにもう一度言う。あなたには私しかいないと言うのは間違い。」
キョン「だから何だって言うんだよ!」
143 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:43:11.74 ID:PbPNpBKzQ
長門「他の大多数と同じように、私もあなたに対してとてつもなく不快感を感じる。」
キョン「なっ…!」
長門「正直、…ムカつく。」
長門「インターフェイスの私にこのような感情が生まれたのはあなたのおかげ。感謝する。」
長門「我々情報統合思念体は涼宮ハルヒによる自立進化は望めないと判断した。」
長門「よって、私を使って糸口を探ろうとした。」
キョン「それと今回の補正解除は何の関係が…。」
145 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:50:13.00 ID:PbPNpBKzQ
長門「ここまで言ってもわからない?」
キョン「ああ、さっぱりだな。」
長門「では、再び馬鹿なあなたにもわかるように言う。今回は、あなたを使って実験をしたまで。」
キョン「なんだと…?」
長門「私をイラつかせるためだけにあなたの主人公補正を取り払い、さらに嫌われるよう改変した。」
長門「駄目元だったが、それが今回成功した。やはりあなたは補正がないととんでもなく嫌な人間。」
長門「私の見立て通り。」
149 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 00:55:06.48 ID:PbPNpBKzQ
キョン「そうか…。もう反論する気にもならん。よかったな。長門。」
長門「そう。そして、あなたはもう用済み。さっさと消えてほしい。大変不快。イライラする。」
キョン「ああ、そうするさ。すまなかったな。イライラさせて。」
156 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 01:01:09.91 ID:PbPNpBKzQ
〜帰路〜
キョン「谷口、国木田、今まで酷いこと言ってすまなかったな。友達の大切さってやつが身に染みたよ。」
キョン「そういえば、補正がかかっていた頃でもまともに友達と言えたのはあの2人ぐらいだったな…」
キョン「ははっ。補正の力を借りてやっと2人だ…。俺がどれほど嫌なやつだったか今になってわかるぜ。」
161 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 01:06:42.28 ID:PbPNpBKzQ
キョン「とりあえず、直接会って謝りたいな…。今更かもしれんが。」
キョン「謝って、もし俺を許してくれたなら、また友達になってくれないだろうか…。」
キョン「流石にそれは都合が良すぎか。ははっ…」
キョン「よし、学校に戻ってみるか。」
168 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 01:15:01.75 ID:PbPNpBKzQ
〜学校〜
キョン「流石に文芸部室には行きたくないな…教室に行ってみるか。」
キョン「誰もいないな…。当たり前か。とっくに下校時間は過ぎてるもんな。」
キョン「…ん?あの、校門の前にいるのは国木田か…?」
キョン「おーい!国木田ー!ちょっと話を聞いてくれ!」
国木田「なんだい、キョン?そんな馬鹿みたいな大声で僕を呼ばないでほしいな。」
キョン「いいから聞いてくれ!今までスマンかった!俺を許してくれ!」
174 名前:1[] 投稿日:2009/10/16(金) 01:22:28.23 ID:PbPNpBKzQ
国木田「そんなに窓から乗り出すと危ないよ?」
キョン「んなこたぁどうでもいい!とにかく、スマンかった!」
谷口「そんだけ言って満足したか?オメーは最後まで自己中でウザいな。」
キョン「っ!谷口、いつの間に…。」
言い終わる前に、俺は窓から落ちていた。
誰かに押された感覚がした。
多分谷口だろう。
結局俺は許してもらえなかったということだ。
国木田「あーあ。だから危ないよって言ったのに。」
地面に落ちる寸前、そんな声が聞こえた。
おしまい。