1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:03:57.81 ID:7Mbd/t1h0
岡部「今日のLHRは予定どうり席替えを行う」
そう言うと担任岡部は黒板に席順と数字を書き出した。席替えはくじ引き方式だ。俺の席は5番。よってクラスの皆が狙っているのは窓側の一番後ろの特等席。今のハルヒの席で6番だ。まぁ、どうせまたハルヒが6番席を引き当てるんだろうがよ。
谷口「っしゃあ!窓側の席は俺がもらうぜ!」
そう言い谷口は勢い良くくじを引いた。
…………。どうやら谷口が引いたのは真ん中の一番前の席らしい。はは、ざまあみろ谷口。
よし。次は俺の番か。これでハルヒともお別れさ。今度こそさらばだハルヒ。フォーエバー♪
…………。
結果から言おう。俺が引いたのは5番だった。そしてハルヒが6番。何も変わらずといったところだな。やれやれ。
ハルヒ「またあんたが前?いい加減にしてって感じだわ」
それはこっちの台詞だ。相変わらず貧乏くじを引くのが得意だな。俺って。
???「あれっ、キョンが隣かぁ」
キョン「………。」
んっ?あれ、誰だっけこいつ?やべっ、あんまりクラスに関心なかったから名前が分からんぞ。え、えーと……
???「世界だよ、西園寺世界」
キョン「あぁ、西園寺か」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:08:03.89 ID:7Mbd/t1h0
世界「あぁ、ってキョン私の名前覚えてなかったでしょ!」
キョン「わ、悪い悪い。これからよろしくな、西園寺」
世界「うん、ていうか私の事は世界って呼び捨ていいよ。私もキョンって呼び捨てでいいよね?」
キョン「ああ、構わないぞ。てゆーか、呼び捨ても何もキョンっていうのは本名ではなく俺のあだ名なんだがな。この場合は呼び捨てって言うのか?」
世界「はは、どうなんだろうね。まぁ小さい事は気にしなーい、気にしなーい♪」
キョン「はは、そうだな」
んっ?何か後ろから殺気が………。きっと気のせいだよな。うん。
とまぁ、こんな感じで俺と世界は友達になりよく話すようになった。まぁ、俺からして見ればクラス内の数少ない貴重な女友達だったりもする。それに世界はノリもいいし一緒にいて楽しいしな。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:14:19.54 ID:7Mbd/t1h0
次の日の朝、寝坊した俺は急いで学校に向かった。学校までの坂がきつくて何度も立ち止まったが何とか時間内に校舎に入る事ができたようだ。
キョン「はぁはぁ、な、何でこの学校はこんな山奥にあるんだ!ちくしょう」
上履きにはき変え角を曲がろうとした瞬間、
???「きゃあ!?」
キョン「うぉっ!!」
誰かとぶつかった。前方不注意というやつだな。
キョン「いたたた、す、すいません。怪我はないですか?って特盛!?」
???「と、とくもり??あ、だ、大丈夫です。こ、こちらこそすいませんでした」
しまった。つい口が滑ってしまった。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:20:24.14 ID:7Mbd/t1h0
キョン「いえいえ、こちらこそすいませんでした」
キーンコーンカーンコーン
やばい!チャイムなっちまった!
キョン「すいません!先失礼します!」
???「え、あ、あの」
俺は教室までダッシュした。まぁそのおかげで何とか岡部より先に教室に着く事ができた。結果的に遅刻は免れた訳だ。しかし、教室に着いた時
ハルヒ「あんたもう少し早く来なさいよね。だからいつまでたっても雑用なのよ」
と言われたが無視だ。俺は家からずっと走りっぱなしで疲れてるんだからな。
それよりさっきの子可愛かったな。何となく雰囲気が朝比奈さんに似てたような気がする。それに胸もでかかったしな。
ハルヒ「……アホ面」
う、うるさい。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:28:08.13 ID:7Mbd/t1h0
数学の時間、世界が教科書を忘れたらしいので隣の席の俺が教科書を見せてあげる事にした。そのため席をくっつけての授業となる。いつもよりハルヒがちょっかいをかけてくるんだが………。ええい、うざい!
世界「」スッ
キョン「ん?」
世界がノートの端に落書き見たいなものを見せてきた。その隣には文字が書かれている。
『キョンと涼宮さんって付き合ってるの?』
キョン「(んな訳あるか)」
『それは断じてない』
『そうなの?凄い仲いいじゃん』
『ただの部活仲間だ』
『ふーん、じゃあキョンって今彼女とかいんの?』
『いる訳ないだろ』
『じゃあ私がなってあげようか?』
キョン「なんですと!?」
先生「おい、そこ!うるさいぞ!」
しまった。つい声をだしちまった。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:33:44.04 ID:7Mbd/t1h0
キョン「す、すいません」
『どういうつもりだよ。冗談はやめろよな』
『だってキョンの反応おもしろいんだも〜ん』
このやろ〜。何だか負けた気分で悔しいぜ。
『そういうお前は彼氏とかいないのかよ』
『いませんよーだ』
『やっぱりいないんだな』
『やっぱりってどーいう意味よ!!』
『そのままの意味だ』
『う〜、キョンのくせに!じゃあじゃあ、気になってる人は?』
気になってる人ねぇ……。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:40:22.50 ID:7Mbd/t1h0
何故かその時、朝の光景が頭に浮かんだ。
ぶつかったあの子可愛かったな。名前は何て言うんだろうか?ていうか同い年なのか?
などと俺が考えていると
『へぇー、考えるって事はそういう人いるんだ』
と、世界が先に書いてきた。
『いねぇよ、何故そうなる』
『絶対いる』
『いねぇって』
『いる』
『いない』
『いる』
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:46:20.94 ID:7Mbd/t1h0
だがらいないってと書こうとした時尖った物が俺の背中を突いた。
キョン「いってぇ!!」
反射的に叫んでしまった。その瞬間クラス全員が俺の方を見る。肝心な悪戯した野郎は知らんぷりをかまして窓の外を眺めてやがる。
先生「おい!いい加減にしろ!」
その瞬間授業を終えるチャイムがなった。
先生「………お前ら二人!後で職員室に来い」
世界「えぇ!先生、二人って私もですかぁ!?」
先生「あぁ、西園寺。お前もだ」
何で私がぁと言わんばかりの顔を世界はしている。そんな事より
キョン「おい、いきなりいてぇじゃねぇか!」
ハルヒ「……別に」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 14:52:39.38 ID:7Mbd/t1h0
キョン「別にじゃねぇよ。おかげで先生に呼び出しくらったじゃねぇか」
ハルヒ「だってあんた達コソコソと何かしすぎ。見ててうざい。だからあんたいつもテストでいい点取れないのよ」
いつも寝てる奴に言われたくないが、確かに俺の成績はいつも赤点ギリギリだ。それなのにこいつは当たり前のように80点や90点は取る。世の中どうなってんだよ全く。
ハルヒ「先生に呼び出しくらってんでしょ?早く行けば」
くそっ。後で覚えてやがれ。
世界「はぁ、しょうがない。キョン、いこっか」
???「………世界」
後ろから誰かが世界に話かけてきた。えーと、確かこいつは……
世界「んっ?どうしたの刹那?」
そうだ。刹那だ。清浦刹那。こいつどことなく長門に似てるんだよな。いや、まぁ何となくだが。
刹那「授業は真面目に受けた方がいい。世界前回の数学のテストあまりよくなかったと思う」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:00:45.09 ID:7Mbd/t1h0
世界「あはは、そうだよね。うん。次からは気をつけるよ」
刹那「うん。それと……」
と何故かここで清浦と目が合った。
うっ、な、なんだよ……。
刹那「………ううん、何でもない」
世界「そっか、じゃあキョン!早く行ってちゃちゃっと怒られて済ませちゃおうよ」
早く済ませるってお前な……。
刹那「世界、全然反省する気ない」
世界「そんな事ないよ!私ちょー反省するよ!さっ!キョン行こう!」
キョン「うわっ!ちょ、引っ張るなって!」
刹那「………逃げられた」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:08:01.50 ID:7Mbd/t1h0
世界「ふんふふふーん♪」
キョン「………お前楽しそうだな」
世界「そんな事ないよーだ♪」
これから怒られに行くっていうのにこいつは一体何を考えてんだか。んっ?
キョン「あっ!」
???「えっ」
キョン「あ、あのー、今朝はどうも」
???「あっ、ど、どうも」
世界「あれー、桂さんじゃん。どうしたの?」
キョン「えっ、お前この人と知り合いなのか?」
世界「うん。体育の授業で一緒なんだ」
???「桂言葉って言います」ニコッ
キョン「」ドキッ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:13:01.00 ID:7Mbd/t1h0
か、可愛い!?ってやべっ!何ドキドキしてんだ俺は!
キョン「あっ、俺は」
世界「こいつはキョンって言うの。変なあだ名だよねー」
あっ、ちょっとお前何勝手に、
言葉「へぇー、キョン君って言うんですね。面白い名前ですね」クスッ
………桂さんまで俺の名前言わせてくれないんですね。ちなみにキョンはあだ名ですよ桂さん。
世界「あっ!てかキョン!早く職員室行こうよ!休み時間終わっちゃうよ!」
キョン「あ、そうだったな。急がないと。それでは桂さんまた今度」
言葉「えぇ、それではまた」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:19:05.38 ID:7Mbd/t1h0
………………
…………
……
…
職員室の前で俺達はさっきの授業の件で怒られていた。ねちっこい先生でいい加減うんざりしていたがチャイムと同時に俺達は開放された。そしてダッシュで教室に向かったのだがその途中で世界が
「ねぇ、次の授業サボっちゃおうよ」
と提案してきた。まぁ、成績の悪い俺としては授業に出た方がいいんだろうが結局のとこ授業に出ても寝るかボーっと過ごすだけなので俺は世界の提案にのる事にした。まぁ、たまにはこういうのもいいだろう。
という訳で俺と世界は今屋上にいる。ハルヒから何件かメール来たがとりあえず無視した。後で何か良い言い訳考えておかないとな。
世界「いやー、風が気持ちいいねぇ」
キョン「あぁ、なんか授業とかどうでもよくなるな」
世界「てか実際うちら授業サボってるしね」
キョン「はは、ちげぇねぇな」
秋の少し生温い風が気持ちいい。こうやって屋上に寝そべっていると本当に世界とかどーでもよくなるな。あっ、この場合の世界は西園寺の事じゃないぞ。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:26:10.62 ID:7Mbd/t1h0
世界「………ねぇキョン」
キョン「んっ?どうした?」
世界「キョンの気になってる人って桂さんでしょ?」
キョン「はっ?」
世界「実はそうなんでしょ?図星?」
自分でもよく分からんが何故か否定はしなかった。俺は桂さんの事が好きな訳ではない。でも今日初めて話してみて彼女の事をもっと知りたいとは思った。これが気になるか気にならないかと言われたらきっと俺は彼女の事気になっているんだと思う。それに胸もでかかったしな。
キョン「分からん。桂さんとは今日あったばかりでどういう人かも知らないしな。でも今日初めて話してみて彼女の事をもっと知りたいとは思った」
世界「…………そっか」
そう言い世界は立ち上がった。後ろを向いているので世界が今どんな表情しているのか分からない。
世界「………そうだ!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:33:58.57 ID:7Mbd/t1h0
キョン「んっ?」
世界「私が恋のキューピッドになってあげる!」
キョン「はぁっ!?」
世界「私がキョンと桂さんをくっつけさせてあげるよ!」
待て待て!一体何を言い出すんだこいつは!
キョン「いやいやいや、そんな事はしなくていいぞ!ていうか、俺はまだ桂さんの事を」
世界「大丈夫大丈夫〜♪この西園寺世界様にまっかせなさい!」
はぁー、こりゃもう何を言っても駄目だな。世界の奴あんなに目を輝かせやがって。あー、面倒な事にならなきゃいいんだがなぁ。
キョン「………やれやれ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:40:41.10 ID:7Mbd/t1h0
授業を終えるチャイムがなると俺達は教室に戻った。ちょうど昼休みという事もあって幸いハルヒの姿は教室になかった。まぁ、何か言われるのは時間の問題なんだがな。
谷口「よぉ、キョン。飯食おうぜ」
キョン「あー、悪い。今日は弁当持ってきてないんだ。だから売店で飯食ってくる」
谷口「なんだよ。珍しいな」
キョン「あぁ、ちょうど今日は親も朝起きれなくてな」
国木田「キョン。早く行かないと席座れなくなるよ」
キョン「おう、じゃあまた後でな」
キョン「(ふぅ、何とか席とラーメンは確保できたな)」
???「おや、珍しいですね」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:45:21.91 ID:7Mbd/t1h0
そいつはニヤケ面をしながら俺の隣に座ってきた。
キョン「おいおい、古泉。向かいが空いてるだろ。何故わざわざ俺の隣に座る」
古泉「まぁいいじゃないですか。こちらの方があなたとお話しやすいかと」
こいつは古泉一樹。超能力者でホモだ。はい、説明終わり。
古泉「ひどいですね。僕はホモではありませんよ」
キョン「うるさい、ていうか俺になんか話があるんじゃないのか?」
古泉「あぁ、そうでした。実は3時間目の授業の辺りから現在にかけて閉鎖空間が発生しています」
キョン「………またハルヒか」
古泉「えぇ。しかし、あまりそこまで規模が大きくないようでして僕は行かずに済みましたが…………。あなたは今回の件に関して何か心あたりがありますか?」
………まぁ、あるっちゃあるな。ていうかあれしかないよな。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:50:31.40 ID:7Mbd/t1h0
キョン「あぁ、まぁ大体見当はついてる。多分俺のせいだとは………思う」
古泉「そうですか。ではこの後の事は全てあなたにお任せしてよろしいでしょうか?」
キョン「あぁ、まぁできる限りの事はしてみる」
古泉「ありがとうございます。では僕はこれで」
そう言うと古泉は俺に一瞥をして席をたった。
さて、あんな事言っちまったが一体どうすればいいかな。普通に謝れば機嫌直ってくれるか?
んっ?待てよ?ていうか俺ハルヒがカンに障るような事したっけ?俺は世界と席くっつけて授業受けてただけだろうが。うーん、分からん。
と俺が色々考えに浸っていた時
???「あれっ?キョンじゃん!」
と、誰かに声をかけられた。
キョン「おぉ、加藤じゃないか。久しぶりだな」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 15:55:42.26 ID:7Mbd/t1h0
加藤「そうだね。クラス隣なのに私達全然会わないからね」
こいつは加藤乙女。俺と同じ中学の出身だ。中学の頃はこいつや国木田達とよく集まって遊んだものだ。
キョン「まだバスケやってんのか?」
加藤「うん。来月大会あるから今は色々と忙しくて大変だけどね」
キョン「お前は偉いよな。何か一つの事にしっかり打ち込んでて」
加藤「そんな事ないよ。キョンだってほらっ、何て言ったかな?エス、オー………」
キョン「あぁ、SOS団の事か」
加藤「そう!それ!頑張ってんじゃないの?」
キョン「いや、あれは部活というよりただのお遊びクラブみたいなもんだ」
加藤「そ、そうなんだ。え、えーと、涼宮さんだっけ?」
キョン「ん?ハルヒの事か?」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:01:10.93 ID:7Mbd/t1h0
加藤「うん。キョンと涼宮さんって仲いいよね。いつも一緒にいるし……。も、もしかしてさ、キョンと涼宮さんってつ、付き合ってるとか?」
キョン「はっ?俺とハルヒが?」
加藤「う、うん」
キョン「はは、ないない。あいつとは部活が一緒なだけで付き合ってるとかそんなんじゃねぇって」
加藤「ほんと?」
キョン「あぁ、ていうかこんな事で嘘なんかついてどうする」
加藤「そ、そっか!よ、よかったぁ」
キョン「よかった?」
加藤「わわ!な、何でもない!ていうか私もう行くから!じゃ、じゃあね!」
キョン「お、おう。じゃあな」
あんなに急いでどうしたんだあいつは……。
さて、俺も飯は食った事だしぼちぼち教室にでも戻るとするか。ハルヒとも話さなくちゃいけない事もあるしな。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:12:01.77 ID:7Mbd/t1h0
教室につくと案の定俺はハルヒに地獄という名の質問攻めをくらった。とりあえず謝って今度ハルヒと二人で遊びに行くとうい事、その時全額俺が負担するとういう条件付きで何とか許してもらった。
やれやれ、俺の財布の中身がどんどん寂しくなっていくな。まぁこれで世界が救えると思えば安いものか。はぁ。
とりあえず今日一日の授業が終わっていつものように部室に行くといつものように一人黙々と読書をしている少女がいた。
キョン「あれ、長門だけか」
長門「………そう」
彼女の名前は長門有希。なんちゃらインターフェースっていう宇宙人だ。
キョン「なぁ長門よ、今度は何を読んでいるんだ?」
長門「………」
長門は何も言わずに俺に表紙だけ見せてくれた。えーと、なになに、スクールデイズ?聞いた事ないな。
キョン「それ、おもしろいか?」
長門「………ユニーク」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:20:01.70 ID:7Mbd/t1h0
キョン「そ、そうか」
長門「……誠死ね」ぼそっ
キョン「ん?何か言ったか?」
長門「何も」
ガチャッ
???「こんにちわぁ、ってあれ?キョン君と長門さんだけですかぁ?」
キョン「朝比奈さん、こんにちは。ハルヒのやつは掃除当番なのでもう少しで来ると思いますよ」
みくる「そうですか、あの、着替えるんで少しの間だけ外で待っててもらえますか?」
キョン「あっ、はい。分かりました」
この人は朝比奈みくる。一つ上の先輩で未来人だ。SOS団のエンジェルでもある。
外で朝比奈さんの着替えを待っている間に古泉がやってきた。
古泉「おや、今朝比奈さんが中で着替え中ですか?」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:28:39.70 ID:7Mbd/t1h0
キョン「あぁ、もう少しで着替え終わるんじゃないか」
古泉「そうですか、あの、先程話した閉鎖空間の件ですが無事消滅したようです。ありがとうございます」
キョン「そうか、いや、まぁそいつはよかったな」
みくる「お待たせしましたぁ。どうぞ中に入ってください。今お茶を入れるんで」
この後の団活の内容はハルヒがやってきていきなり映画を作るとか言い出した。文化祭でのSOS団の出し物に映画を上映するとかなんとかで俺は案の定雑用係になった。その後は時間潰しに古泉と将棋をしながらのんびりと過ごした。
映画撮影か………。これからハルヒに振り回されると思うと頭が痛いぜ。
そういえば俺らのクラスの文化祭の出し物って何するんだろうな。クラス委員は確か田中と清浦だったな。まぁ、あの二人に任せておけば大丈夫か。とりあえず今日は寝よう。明日はちゃんと朝起きないとな。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:38:28.28 ID:7Mbd/t1h0
次の日の朝、いつもより早く学校についた俺はハルヒとたわいもない話をして朝のHRが始まるのを待っていた。その途中で世界に呼び出しをくらった俺はハルヒとの会話を中断しとりあえず廊下に向かった。
そしていきなり世界から携帯を貸せと言われたのでとりあえず言われた通り世界に携帯を渡すと、何やら赤外線を使って何かのデータを俺の携帯に送っているようだった。
一体こいつは何やってんだ?
世界「ほいっ、桂さんのアドレスと番号。入れといたから」
キョン「はい?」
世界「だから桂さんのアドレスと番号」
キョン「まてまて、なんでお前が俺の携帯に桂さんのアドレスを入れてんだよ」
世界「だって私恋のキューピットだもん」
キョン「そうだった………じゃなくてだな!」
世界「何で?いいじゃんいいじゃん、お近づきのチャンスじゃん!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 16:53:37.19 ID:7Mbd/t1h0
キョン「そうかもしれんが、ていうか俺がいきなり桂さんの連絡先知ってたらおかしいだろ。それに桂さんに彼氏とかいたんじゃ迷惑だろ」
世界「あぁ、その辺は大丈夫。ちゃんと許可もらっといたし彼氏もいないって言ってたし。何かあっちもキョンの事気にしてたっぽいよ」
キョン「ま、マジかよ」
世界「うそぴょん」
キョン「お、おいっ!」
世界「あはは、でも許可とったのは本当だから。あと彼氏いないのも」
キョン「はぁ、どこまでお前の話を信じていいのやら」
世界「あっ、あと今日の昼休み空けといてね」
キョン「はぁ?」
世界「桂さんと三人で昼一緒に食べる約束したから」
キョン「はっ!?」
世界「じゃあ、そういう事だからよろしくねぇ」
キョン「お、おい」
そのまま世界は教室に入ってしまった。いきなり桂さんと食事って…………、大丈夫かよ。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:00:26.90 ID:7Mbd/t1h0
その後教室に戻った俺は再びハルヒに話しかけたが何故かシカトされてしまった。その後も何故かハルヒはずっと不機嫌だった。一体俺が何をしたっていうんだ。
とまぁ、そんなこんなで運命の時間がやってきた。柄にもなく緊張してるな俺。
世界「ねぇ、何やっての?早くいこうよ」
キョン「ま、待て。心の準備が」
世界「大丈夫だって、ほらっ!」
キョン「ちょ、お前引っ張るなって!」
ガチャッ
世界「ごめん、桂さん。待った?」
言葉「いえ大丈夫です、私も今来たとこですから」
世界「そっか、ってキョン。あんたも何か言いなよ」
キョン「あぁ、その桂さん、遅れてすみません」
世界「何かたくなってんの、さぁ、そこのベンチに座って早くご飯食べようよ」
キョン「あ、あぁ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:10:31.07 ID:7Mbd/t1h0
その後は普通に三人でしゃべりながら飯食った。んで昼休みが終わるまで談笑してたって感じだな。今日の事で結構桂とも仲よくなれた気がする。
あっ、俺が桂って呼び捨てするようになったのは食事している時世界が
「せっかく友達になったんだから桂さんって呼ぶのなんかよそよそしいよ」
って急に言い出したせいである。最初はいきなり桂って呼び捨てにするのも変な感じがしたが実際慣れればそうでもない。まぁ、桂もその方がいいって言ってたしな。
そんで明日も一緒にご飯を食べる約束をした。
なんか今日は楽しかったな。SOS団にいる時とは違った楽しさっていうか。まぁ、明日の昼休みが楽しみだ。今日は放課後ハルヒに色んな物持たされて歩き回ったから疲れたしもう寝よう。
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:19:53.47 ID:7Mbd/t1h0
それから毎日俺は世界と言葉と一緒に昼飯を食べるようになった。
谷口「なんかさぁ、最近お前西園寺と仲良いよな」
キョン「そうか?」
谷口「あぁ、だって結構話たりしてるじゃん」
キョン「それは席が隣だからだろ」
国木田「うーん、でも席が隣同士だからって普通あそこまで仲良くはならないよ」
谷口「はーあ、ついに涼宮から西園寺に乗り換えか」
キョン「お、おい。へんな事言うなよ」
谷口「いいよなぁ。俺から見たら西園寺も結構上位ランキングに入るぜ。Aランクってところだな」
キョン「はぁ、まぁお前のその意味わからんランキングはまぁ置いといて、悪いが今日も昼は抜けさせてもらうぞ」
谷口「はあ?今日もかよ。お前一体どこで飯食ってんだよ」
キョン「まぁ、ちょっとな」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:32:35.29 ID:7Mbd/t1h0
今日も三人で一緒に飯を食べる…………はずだったんだが少し訳ありで今は俺と桂の二人だけで屋上にいる。
言葉「二人でお食事なんて初めてですね」
キョン「そうだな、なんか変な感じだな」
言葉「うふふ、そうですね。早く西園寺さん元気になるといいですね」
キョン「あぁ」
どうやら世界は風邪をひいてしまったらしく今日は学校に来ていない。『今日は世界がいないから一緒に飯を食べるのはまた今度にしよう』ってのもおかしな話な訳で今の状況にいたる。
そういえば昨日世界と電話した時
「そろそろデートにでも誘ってみたら」
って世界に言われたのを思い出した。
キョン「(デートねぇ……)」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:41:45.60 ID:7Mbd/t1h0
言葉「あ、あの」
キョン「あ、す、すまん、ボーっとしてた。」
言葉「い、いえ」
キョン「…………なぁ、桂。明日暇か?」
言葉「明日ですか?まぁ特に予定はないですけど」
キョン「その、なんだ、良かったらどっか遊びに行かないか?」
言葉「はい、いいですよ。でも明日までに西園寺さんの風邪よく良くなってるかな?」
キョン「いや、その………、二人でって事なんだが」
言葉「えっ?」
キョン「いや、桂が嫌だったら全然断ってくれてもかまわない」
言葉「そ、それってデートって事ですか?」
キョン「あ、あぁ、まぁそうなるな」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:46:55.44 ID:7Mbd/t1h0
言葉「…………いいですよ」
キョン「ま、マジか?」
言葉「はい。楽しみにしてます」
キョン「お、おう。じゃあ明日の放課後でいいか?」
言葉「えぇ、でも放課後に文化祭の集まりがあるからその後なら」
キョン「そうか、俺も団活があるから時間的にも多分ちょうどいいと思う」
言葉「じゃあ楽しみしてます」
キョン「おう」
こうしてなんとか桂とデートの約束をする事が出来た。次の日早速世界に報告したら世界も一緒に喜んでくれた。でも一瞬世界の表情曇って見えたのは俺の気のせいだろうか?
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 17:55:29.23 ID:7Mbd/t1h0
放課後になって急遽団活がなくなったので暇になった俺はとりあえず誰もいない教室で一人寂しく英語の宿題を済ましていた。
ガラガラガラガラ
世界「おっす」
キョン「なんだ、世界か」
世界「何だとは何だ、何だとは」
キョン「はは、すまんすまん」
世界「今からデートなんでしょ?焦ってエロい事すんなよぉ」
キョン「しねぇよ、てかどうしたんだよ。教室まで」
世界「ちょっと、忘れ物をね」
キョン「そうか、………そのありがとな」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:03:18.63 ID:7Mbd/t1h0
世界「えっ?何が?」
キョン「その、俺のためにここまでしてくれて」
世界「あぁ、その事ね。別にいいって。私も楽しんでるし」
キョン「そ、そうか、ならいいんだ。なんつうか世界にはでっかい借りができちまったな」
世界「あはは、でっかいよー、一生かけても返せないくらいね」
キョン「はは、何だそりゃ。まぁ俺に出来る事があったら何でも言ってくれ。お礼はちゃんとすっからよ」
世界「えー、じゃあ何にしよっかなー」
キョン「まぁじっくり考えてろよ。今すぐって訳じゃ、ん!?」
その時俺は一瞬何がおこったのか分からなかった。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:10:46.01 ID:7Mbd/t1h0
気づいたら世界の顔がすぐ近くにあって唇に何か柔らかいものが重なっていて…………
世界「……こんだけでいいや」
キョン「………お、おい」
世界「デートがんばれ!」
そう言うと世界は走って教室から出て行った。このとき俺は何も考えられずただボーっとしていた。
世界が教室を出てってからその後すぐに桂が来た。それでとりあえず駅の方に行って色々と回ったりして、最後の方はSOS団で行くいつもの喫茶店で色々と話をした。
そして帰り際に俺は桂に告白した。返事はオーケーだった。結果的に言えばデートは成功した。今日でもっと桂の事をよく知る事も出来たしな。
しかし、俺は桂と付き合う事よりも放課後の世界との出来事が頭に残って離れなかった。何故世界は俺にキスをしたんだろうか。分からん。
俺はずっとそんな事ばかり考えていた。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:19:16.69 ID:7Mbd/t1h0
次の日、俺は世界に昨日の事について訪ねた。帰ってきた返事はただの悪戯とういう事でかなりムカついたが、少しがっかりしている自分もいた。
それから日曜日、俺は桂とデートをした。今まで彼女とかいなかった俺は当然桂が初めての彼女な訳であってどうリードしていけば分からなかった。多分俺は焦っていたんだと思う。
映画の最中に桂の手を握ったら強く離された。その時俺は桂が嫌がっているとは思わなかった。だってお互い好き同士で付き合ったのなら手を握るとかキスをするとか当然のようにすると思っていたからだ。ただ桂は恥ずかしがっているだけだと思ったんだ。
だから俺は帰りの駅のホームで桂にキスを迫った。しかし、気付けば俺は桂に平手打ちをくらっていた。この時思ったんだ。桂は俺の事好きじゃないじゃないかって。結局俺たちはそのまま何も言えずに解散した。
その帰り道、俺が落ち込んでいると後ろからよく聞き慣れた声が俺の名前を呼んだ。
???「あれ?キョンじゃない」
キョン「ん?ハルヒか?」
我らがSOS団団長涼宮ハルヒだった。
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:26:01.59 ID:7Mbd/t1h0
ハルヒ「あんたこんなとこで何してんのよ」
キョン「別に、お前こそ何してんだよ」
ハルヒ「来週から始まる映画撮影の現場下見よ」
キョン「ほー、さすが団長だ。マメだこと」
ハルヒ「そんぐらい当たり前よ」
それから俺達は歩きながら今後のSOS団の予定について話し合った。とは言ってもハルヒが一方的に喋ってるだけだったがな。
ハルヒ「………ねぇ、あんた何かあったの?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:34:31.01 ID:7Mbd/t1h0
キョン「いや、別に。何でだ?」
ハルヒ「なんか元気なさそうに感じたから」
キョン「俺は別に何ともないぞ。きっとお前の気のせいだろうよ」
ハルヒ「そ、そうかしら。まぁ何かあったらこの団長の私がしっかり相談に乗ってあげるわよ」
キョン「はは、ありがとよハルヒ。やっぱりお前はSOS団の団長だな」
俺がそう言うとハルヒは顔を赤らめながら先に歩いて行ってしまった。その後はハルヒとファミレスで夜飯を食べて解散した。やたらとハルヒに世界の事について聞かれたが一体何だったんだろうな?
まぁ、ハルヒと話したおかげで少し気持ちが晴れた気がする。ありがとなハルヒ。やっぱりこういうのはお互いちゃんと話し合わなくちゃだめだよな。明日もう一回桂と話し合おう。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:44:12.35 ID:7Mbd/t1h0
次の日の朝
世界「よっ」
キョン「おう、世界」
世界「最近桂さんとどんな感じ?」
キョン「あぁ………」
俺は最近あった桂との出来事を世界に話した。
世界「そっかぁ、キョンも苦労してるんだねぇ」
キョン「まぁな、でも後でちゃんと桂と話に行くよ」
世界「そっか、なんかキョン変わったね」
キョン「そうか?」
世界「うん、なんかいい感じだよ」
キョン「そうか、ありがとよ」
世界「頑張れ男の子」
キョン「あぁ」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 18:51:59.62 ID:7Mbd/t1h0
1時間目の休み時間、俺は桂のいる4組に向かった。見慣れない顔ばっかりだな。
加藤「あれ?キョンじゃん。うちのクラスに来るなんて珍しいね」
キョン「おぉ、加藤か」
加藤「何?もしかして私に用があって来た?」
キョン「いや、違うが」
加藤「うっ……、じゃあどうしたの?」
キョン「桂いるか?」
加藤「桂?キョンと桂って知り合いなの?」
キョン「まぁな」
加藤「ふーん、………桂に何かされたの?」
キョン「何故そうなる」
加藤「落ち込んだ顔してる」
キョン「別にしてないぞ」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 19:00:37.59 ID:7Mbd/t1h0
加藤「何か言われたんなら、あたしがシメとこうか?同じ中学のよしみという事で安くしとくよ」
キョン「そんな事しなくていい」
キーンコーンカーンコーン
キョン「あーあ、チャイムなっちまったじゃねーか」
加藤「いいじゃん。あたしと話せたんだから」
キョン「はぁ、まぁいっか。じゃあな」
加藤「またうちのクラスに来てよ」
キョン「へいへい」
結局桂と会えなかったな。まぁ話すのは昼休みでもいいか。
誠は後で登場させます。多分
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 19:14:09.40 ID:7Mbd/t1h0
しかし、昼休み桂が屋上に来る事はなかった。一人屋上で黙々と飯を食べる姿はなんと悲惨な光景だろうか。
ん?世界はどうしたかって?世界とはもう一緒に飯は食べていない。何でも最近俺に付き合いすぎて清浦達と疎遠になってたから友情を取り戻すらしい。そういえば俺も最近谷口達と一緒に飯食ってねぇな。今度久しぶりに飯でも一緒に食うか。
放課後、団活が終わってから俺はダメもとで4組に向かった。
キョン「か、桂!」
言葉「きょ、キョン君!?」
どうやら委員会もちょうどいい時間に終わったらしいな。
キョン「桂、少し話さないか」
言葉「話すって……」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 19:23:17.15 ID:7Mbd/t1h0
キョン「この間は悪かった、急にあんな事して」
言葉「………」
キョン「俺って桂が嫌がるような事して最低だよな。すごい反省してる。でも俺は桂が好きだから手を繋いだりキスしたいって思ったんだ」
言葉「………うん」
キョン「でも桂が俺の事好きじゃないならこんなのただの迷惑だよな」
言葉「そんな事ないです!」
キョン「!?」
言葉「私もキョン君の事が好きです」
キョン「桂………」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 19:41:48.78 ID:7Mbd/t1h0
言葉「でもやっぱり男の子とああいう事するのってなんだか恐くて………でも大丈夫です」
キョン「えっ」
言葉「私がんばりますから」
そう言って桂は俺の方へと歩いてくる。
言葉「……キスしていいですよ」
キョン「………桂」
言葉「そのかわりこれから私の事『言葉』って呼んでください」
キョン「あぁ、………言葉、好きだ」
言葉「私もです、キョン君」
その日、俺たちは初めてキスをした。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 19:52:43.38 ID:7Mbd/t1h0
しかし、俺達はその後一回もキスをする事はなかった。言葉はやっぱり怖いとか言い、俺のキスを拒み続けた。もちろん体の関係は一切ない。当然俺の方も不満は増えていった。俺も一応、思春期の男の子である。俺はどうにかして言葉と本当の意味で結ばれたかった。
世界「やっほぉ」
キョン「相変わらず元気だな」
世界「まぁ、それが私の取り柄でもあるからねぇ」
キョン「はは、やっぱり世界といると楽しいな」
世界「ふふふ、そうだろう♪」
キョン「お前と付き合えたらよかったのにな」
世界「えっ?」
あれ?俺何でこんな事言ったんだ………?
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:00:21.77 ID:7Mbd/t1h0
世界「ちょ、ちょっと来て」
キョン「あ、あぁ」
とりあえず俺達は屋上に向かった。
世界「桂さんとなんかあったの?」
キョン「………いや、別にそういう訳じゃ」
世界「………話してよキョン」
キョン「…………」
俺は世界に、今の俺と言葉の状況を話した。別に悪い関係になった訳ではない。ただ俺はもっと言葉と近い関係になりたかったんだ。
世界「そっか……、多分桂さんはそういう事するのが怖いんだよ」
キョン「あぁ……、それは分かってるんだが」
世界「だからといって無理矢理はできないもんね」
キョン「………あぁ」
世界「………ねぇ」
キョン「ん?」
世界「私が練習相手になってあげようか?」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:08:25.06 ID:7Mbd/t1h0
キョン「はっ?」
世界「だから、その、私が桂さんの代わりになってキョンに女の子がどうすれば怖がらせずにエッチできるか教えてあげる」
一体こいつは何を言っているんだ?
世界「べ、別にキョンだったら私も、その、嫌じゃないし」
普通にこんな事しちゃだめだろ。俺には言葉がいるし……。
世界「って、私何いってんだろ?普通に考えてあり得ないよね、あはは……」
でも……
キョン「い、いいのか?」
世界「えっ?」
キョン「練習相手、なってくれよ」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:15:26.03 ID:7Mbd/t1h0
世界「え、う、うん」
キョン「ど、どうすればいいんだよ」
世界「じゃ、じゃあまず手をつないで」
キョン「わかった」
世界「次に」
キョン「次に?」
世界「やさしくキスして」
キョン「………分かった」
世界「んっ」ちゅ
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:20:43.83 ID:7Mbd/t1h0
キョン「………次は?」
世界「次は……優しく抱きしめて」
ギュッ
キョン「こうか?」
世界「う、うん、次は………、耳元で好きって言って」
キョン「……好きだ」
世界「……もう一回」
キョン「世界好きだ」ちゅっ
世界「んっ」
そのまま俺達は授業をサボって屋上でエッチした。途中から練習であった事を忘れるくらい俺達はお互いを求め合った。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:28:57.09 ID:7Mbd/t1h0
その日から俺達は世界の家でよくそういう行為をするようになった。世界の家は夜まで誰もいないから俺達にとっては都合が良かった。俺の家は家族とかいて無理だからな。
結局世界との関係は言葉には内緒にしている。いつも言おうとは思うのだがいざ言葉を前にすると中々言い出せないもので今でも微妙な三角関係が続いている。
あと、この数日で何回か古泉に俺と世界の事について釘を刺された。どうやら機関には俺の事は全て筒抜けらしい。プライベートもあったもんじゃない。
とりあえずハルヒには言葉と付き合っている事、世界とそういう関係である事は内緒にしてほしいらしい。バレたら世界崩壊の危機だってよ。まぁ、確かに団員の一人がこんな生活してたんじゃ団長もしめしがつかないよな。俺だってこんな事バレたくないし。
それとSOS団の映画撮影の方は無事終了した。途中ハルヒの暴虐無人っぷりにキレてぶん殴りそうになったがな。もう編集も終わったので後は一週間後にある文化祭で上映するだけだ。
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:35:53.47 ID:7Mbd/t1h0
prrrrrrrrrrr
キョン「ん?誰からだ?」
名前が表示されない。未登録の電話番号からだ。ったく、誰だよ。こんな時間に………
キョン「はい、もしもし?」
???「あぁ、キョンか、久しぶり」
キョン「えーと、申し訳ないんだがどちら様で」
???「なんだよ、俺の事忘れたのかよ。誠だよ。伊藤誠」
キョン「あっ、なんだよ誠か。久しぶりじゃないか」
今俺が電話しているのは伊藤誠。俺のいとこだ。
キョン「どうしたんだよ、急に」
分かる人は分かると思うけど誠って家計図がすごい事になってんだよな。
誠の父がめっちゃ子孫残してて。まぁ、設定としてはキョンもその家系図に含んでいるってことで。
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:42:40.80 ID:7Mbd/t1h0
誠「実は俺母さんの仕事の都合で急に引っ越す事になってさ、それでキョンの通ってる高校に転入する事になったんだよ」
キョン「そ、そうなのか、そりゃまた急な話だな。あれ?お前の妹、いたるちゃんだっけか?あの子はどうすんだ?」
誠「あぁ、いたるは父さんのとこから引っ張ってくるつもり。このままじゃいたるが可哀想だからさ」
キョン「そ、そうか。まぁその方がいいだろうな。んでこっちにはいつ来るんだ?」
誠「明日」
キョン「なんですと!?おいおい、随分急な話だな」
誠「いや、前からこういう話はあったんだけどさ。お前には言ってなかったんだよ」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:48:24.73 ID:7Mbd/t1h0
キョン「そ、そうなのか」
誠「多分学校に通うのは三日後くらいになると思う。色々準備とかあるし」
キョン「それでも十分早いけどな」
誠「まぁ、そういう事だから」
キョン「あぁ、分かった」
伊藤誠。俺が小さい頃よく遊んでいたいとこだ。最近まで連絡とってなかったから声だけ聞いても分からなかったな。
しかし、まさか俺の学校に転入してくるとはな。まぁ今度会った時にゆっくり話すか。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/30(水) 20:54:04.06 ID:7Mbd/t1h0
谷口「なんか4組でいじめがあるって噂があるらしいぞ」
国木田「へぇ、そうなんだ」
谷口「何でも一部の女子の集団が一人の女の子に対して裏でひどい事してるとか」
キョン「ふーん、やっぱりそういうのってどこにでもあるんだな」
谷口「女子ってこえーよな、男に生まれて来てよかったぜ」
国木田「あっ、4組っていえば今度転校生が来るよね」
キョン「そうなのか?」
国木田「うん、もう4組って決まってるらしいよ」
転校生と言えば多分誠の事だろうな、4組って事は言葉と加藤と同じクラスか。
谷口「転校生かぁ、可愛い子だったらいいなぁ」
残念だったな谷口。今度の転校生もまた男だ。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:26:14.95 ID:wxs08E2j0
すいません。今から投下します。
その翌日、今日から誠が俺達の学校に通う。俺は今誠の住んでいるマンションの入り口の前にいる。
昨日誠から連絡があって学校までの道のりがまだよく覚えてないらしい。なので今日は一緒に登校する事になっている。
誠「お待たせ、何だか悪いな」
キョン「いや、気にするな。それより早く行こうぜ」
誠「あぁ」
登校中、珍しくハルヒに会った。
ハルヒ「あら、あんたがこんなに早いなんて珍しいわね」
キョン「まぁな」
ハルヒ「あれ、あんた誰?」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:32:02.38 ID:wxs08E2j0
おいおい、初対面のやつに向かってその口の聞き方はないだろう。まぁハルヒらしいっちゃらしいがな。
キョン「こいつは伊藤誠。俺のいとこで今日からこの学校に通う事になった転校生だ」
ハルヒ「転校生!?」
やっぱりな、その単語に食いつくと思ったぜ。
ハルヒ「あんたもしかして地球を侵略しようと企んでる宇宙人!?それとも実は超能力が使えちゃったりする!?」
誠「な、何だ何だ!?」
キョン「おいおい、そんな人間いる訳ないだろ」
まぁ一部をのぞいてだけどな。
ハルヒ「なんだ、つまんない、じゃあ私先にいくから」
全く、失礼なやつだな。
キョン「あー、あいつは少し他の奴らと変わっててな。まぁ気にせんでくれ」
誠「そ、そうなんだ、でもすっげえ可愛かったな。俺ちょっと惚れたかも」
キョン「おいおいマジかよ。まぁ、顔だけは美人だしな。でも悪い事は言わん、やめとけ」
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:37:54.06 ID:wxs08E2j0
その日の放課後、いつものように俺は部室へと向かう、その途中で古泉と会った。
古泉「おや、今から部室に?」
キョン「あぁ」
古泉「僕も今から部室に向かうところです。よかったらご一緒させてもよろしいでしょうか?」
キョン「そんな事いちいち聞くな、好きにしてくれ」
古泉「ではそうさせてもらいます、ところで今日転校生が来たようですね」
キョン「あぁ、誠だろ。あいつは俺のいとこなんだ」
古泉「そうのようですね」
キョン「なんだ、もうチェック済みか。お前の所属している機関とやらはいつも仕事が早いな」
古泉「えぇ」
キョン「まさかあいつが何かとんでもパワーを秘めてるとか言うんじゃないよな」
古泉「いえ、決してそんな事ありませんよ。いたって普通の人間です」
キョン「そ、そうか」
言葉「あっ、キョン君!」
キョン「あ、言葉………」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:44:34.22 ID:wxs08E2j0
言葉「これから部活ですか?」
キョン「あぁ、まぁな」
言葉「そうですか、あの、今日は委員会が早く終わりそうなんですよ。私キョン君が部活終わるまで待ってるんで良かったら一緒に帰りませんか?」
古泉「…………」
キョン「あぁ、うん。まぁ」
ハルヒ「あれ、あんた達こんなとこで何してんの?」
キョン「なっ」
ま、まずい!なんつータイミングで現れるんだこの団長様は!
ハルヒ「ん?あんた誰?」
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:50:17.06 ID:wxs08E2j0
言葉「私キョン君とお付き合いし」
古泉「桂さん、僕からあなたにお話があるんですが少々お時間よろしいでしょうか?」
言葉「えっ?あ、かまいませんが」
古泉「すいません、という訳で僕は少々遅れそうです」
ハルヒ「え?」
キョン「そ、そうか!まぁそいつは仕方ないよな!なぁ、ハルヒ?」
ハルヒ「う、うん、まぁ」
古泉「ではあなた達は先に部室に行っていて下さい。では言葉さん、ここでは何ですからこちらへ」
言葉「あ、は、はい」
そう言い古泉と言葉は歩いて行った。すまん、古泉。
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 18:55:10.72 ID:wxs08E2j0
ハルヒ「今あの子、キョンがどうとか言ってなかった?」
キョン「そ、そうか?俺には聞こえなかったぞ。き、気のせいじゃないか?」
ハルヒ「ふーん、………まぁいいわ。部室で有希達が待っていると思うから早く行きましょ」
キョン「あ、ああ」
なんとか大丈夫なようだな。後で言葉にちゃんと言っておかないとな。心臓が止まるかと思ったぜ。
ん?ていうか何でバレたら駄目なんだ?あっ、そうか、確かハルヒのやつ団員の恋愛は禁止してるんだよな。
でもまぁ、これから色々と気をつけないとな。
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:01:09.18 ID:wxs08E2j0
ハルヒ「やっほー!みくるちゃん今日もメイドが似合ってるわね!」
みくる「あ、涼宮さん、今お茶入れるんで。キョン君も座って待っていてください」
キョン「朝比奈さん、ありがとうございます」
やっぱりこの人は天使みたいな人だな。あー、お茶がうますぎる。最高だ。
ハルヒ「それにしても古泉君、あの子に話ってなんだったのかなぁ?」
みくる「古泉君がどうしたんですかぁ?」
ハルヒ「何かさっき可愛い子を連れて話があるとか言っていたのよ。もしかして告白かしら?」
みくる「こ、告白ですかぁ〜!?」
キョン「いやいや、それはないだろう」
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:08:27.59 ID:wxs08E2j0
ハルヒ「ん?何で?まだ分からないじゃない。もしかしたらあの子が古泉君に告白してて」
キョン「それもない」
ハルヒ「なんで決めつけるのよ!…………あんた実は何か知ってるでしょ?」
キョン「」ギクッ
やべっ!墓穴掘った!
ハルヒ「やっぱり知ってるのね!?言いなさい!」
キョン「お、俺は知らん!」
ハルヒ「うそおっしゃい!言わないとこうよ!」
そう言いハルヒは俺にプロレス技をかけようとした。
が、しかし
ガチャ
古泉「すみません、遅れました」
とタイミングよく古泉が帰って来た。今だけは誉めてやる。ナイスだ古泉。
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:13:27.89 ID:wxs08E2j0
古泉「あとお客を連れてきました」
誠「し、失礼しまーす」
と何故か誠が部室にやってきた。一体こんなけったいな団に何しに来たんだ。
ハルヒ「あっ、今朝の転校生!?」
誠「あ、ども」
ハルヒ「もしや我がSOS団の部室を乗っ取りにきたのね!?」
誠「えー!?ち、ちがうちがう!俺はキョンに用事があって」
ハルヒ「ん?キョンに?」
キョン「どうしたんだよ、俺になんか用か?」
誠「俺さ、実はこっから家までの帰り道がまだ分からないんだ。それにまだこっちに引っ越してきたばっかでこの辺の事よく分からないし」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:19:10.00 ID:wxs08E2j0
キョン「そ、そうか。しかし参ったな。部活終わるまでまだ結構時間がかかりそうなんだが」
誠「そ、そうなのか?」
古泉「誠君も終わるまでこの部室で待ってたらいいじゃないですか」
キョン「うーん、そうだな、なぁハルヒ。こいつ団活が終わるまでここにいさせていいか?」
ハルヒ「うーん、じゃあそのかわりその転校生の不思議を聞かせてもらうわ」
誠「はぁ?」
ハルヒ「あんた転校生なんだから不思議の一つや二つあるでしょ」
誠「………」
キョン「はぁ、やれやれ」
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:25:10.58 ID:wxs08E2j0
帰り道
キョン「ハルヒの相手ご苦労だったな。疲れたろ?」
誠「はは、ま、まぁな」
キョン「あいつは入学した時からあんな感じでな」
誠「そうなのか、でも俺あの何とか団ってのちょっと気に入ったかも。可愛い子
多いし」
キョン「朝比奈さんだけには手は出すなよ」
誠「ちぇ、ひそかに狙ってたのに」
キョン「それは断じて許さん」
誠「まぁいいや、それよりさ」
キョン「ん?」
誠「桂言葉」
キョン「は?」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:30:47.06 ID:wxs08E2j0
誠「4組に桂言葉っているだろ?あっ、俺と同じクラスの人なんだけどさ」
キョン「あ、あぁ、それは知ってるが」
誠「今日さ、転校してきたばっかの俺に色々と校内の事を教えてくれたんだよ」
確かあいつは4組のクラス委員だったな。まぁ、転校生を色々と案内するのは当然か。
誠「もう桂さん可愛すぎ!やばい!俺好きになっちゃったかも!」
キョン「ま、マジか」
誠「あーあ、桂さん彼氏とかいないのかなぁ?」
キョン「わ、分からんな」
誠「いなかったら俺が桂さんの彼氏になりたいなぁ」
キョン「まぁ、お前には無理だ」
誠「なんでだよ」
キョン「いや、まぁ何となく。あっ、そういえば今日お前んとこ夜飯どうするんだ?」
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:38:40.31 ID:wxs08E2j0
誠「あ、あぁ、今日は母さん帰り遅いからなぁ。まぁ俺がなんか作るのかな」
キョン「そうか、実は俺も今日は両方親の帰りが遅いらしくてな」
誠「へぇー、じゃあお前が何か作るのか?」
キョン「いや、俺は料理はできん。まぁ、よかったら今日どっか食べに行かないか?いたるちゃんと俺の妹も連れてさ」
誠「あっ、それいいかも。いたるもお前の妹さんに逢いたがってたし」
キョン「じゃあ決まりだな。準備出来たら妹とそっちに向かう」
誠「分かった」
それから俺は妹を連れて誠達を向かえに行った。俺達がこれから行く店はラディッシュという店だ。パフェが美味しいと近所で評判が良いらしい。それに俺の知り合いも働いているしな。
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:45:51.28 ID:wxs08E2j0
世界「あれー、キョンじゃん♪珍しいねぇ」
キョン「あぁ、今日はいとこ達も連れてきた」
誠「ども」
世界「へぇー、なかなかイケメンじゃん♪」
キョン「いいから早く案内しろって」
世界「あっ、キョンったら焼きもちやいちゃって〜♪か〜わ〜い〜い〜♪」
キョン「うるさい、いいからちゃんと仕事をしろ」
世界「あはは、4名様入りまーす」
キョン「ったく」
誠「?」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:51:58.94 ID:wxs08E2j0
いたる「お兄ちゃん、いたぁるねぇ、パフェ食べたいのぉ」
誠「だーめ、ちゃんとご飯食べてからにしなさい」
妹「キョン君!このチョコレートケーキ食べたい!」
キョン「だめだ、しっかりご飯食べなさい。じゃないと大きくなれないぞ」
誠「なんだかお互い我が儘な妹を持つと苦労するな」
キョン「はは、そうだな」
俺達が談笑に更けながら色々とメニューを眺めていると、
???「ご注文は決まりましたか?」
と、美人な店員がやってきた。まぁ、見た目は20代後輩の綺麗なお姉さんなのだが………、実はこの人
???「キョン君こんばんは」
キョン「よ、踊子さん、こんばんは」
世界のお母さんである。
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 19:59:15.65 ID:wxs08E2j0
踊子「最近家に来ないからどうしたのかなぁって思ってたけどぉ………、ちゃんと世界と仲良くやってる?」
キョン「は、はい、大丈夫です」
実はあなたのいない時に結構お邪魔してます。
踊子「そっかぁ、よかったよかった。ん?そちらの方は?」
キョン「あぁ、こいつは俺のいとこです」
誠「伊藤誠です」
踊子「ふーん、誠君って言うんだぁ。結構タイプかも♪」
誠「ま、マジすか」
キョン「よ、踊子さん。そろそろ注文いいですか?」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:06:13.55 ID:wxs08E2j0
食事を終えるとやはりいたるちゃんと妹がパフェを食べたいと言い出した。たまたま世界がオーダーを取ってくれたおかげなのか、山盛りのチョコレートパフェが俺達の前に現れた。
やれやれ、これで帰るのがまた遅くなりそうだな。
しかし、問題なのはそこじゃない。さっきトイレに行ったはずの誠が全く帰って
来ないのだ。あいつがトイレに行ってから30分以上はたつぞ。
心配になった俺はトイレに向かったのだが誠の姿は見つからない。
しかし、その時
「……ん!」
と奥の方から女性の声がかすかに聞こえた。
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:13:08.75 ID:wxs08E2j0
俺は『関係者以外立ち入り禁止』と書いてあるドアの標識を無視して進んだ。
「いや、はっ、あん!」
すると段々女性の声が鮮明に聞こえてくるではないか。
どうやらこの部屋から女性の声が聞こえるな。
たまたまドアは完全に閉まりきってはおらず、俺が覗き込むには十分すぎる隙間があった。
次の瞬間、俺の目に映ったのは信じがたい光景だった。
踊子「はぁはぁ、いい!誠!もっと奥に!奥についてぇ!」
誠「はぁはぁ、うぅ、よ、踊子さんの中すげぇ気持ちいい」
誠と踊子さんがセックスしていた。
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:20:35.39 ID:wxs08E2j0
踊子「はぁ、あ……、いや、あん」
誠「はぁはぁ、うぅ……う」
どうやら俺は夢でも見ているらしい。試しに頬を思いっきりつねってみる。うん。こりゃ本物だ。
しかし、何故踊子さんと誠が?ホワイ?
踊子「はぁ、あ、ああん!」
やべっ、たってきた。くそ、踊子さんスタイルよすぎだろ。ていうか俺こんなとこで何してんだよ………
誠「あぁ、俺もう駄目です!い、イッちゃいそうです!」
踊子「あ、あっ、いいわよ誠、一緒にイキましょ!」
275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:26:41.62 ID:wxs08E2j0
………………。
………。
どうやら二人ともイッたらしいな。
気付けば俺はズボンに手をつっこんで膨張しきったマイサンを握っていた。
いや、マジで俺一体何してんだよ………
踊子「………」ニコッ
キョン「!?」
やべ!見られた!は、早くここから立ち去らんと!
俺は急いでマイサンのポジションを上に向けダッシュでその場を後にした。
走ってる途中いい具合に俺のチ◯ポが刺激されて我慢できず思わず射精してしまったのは内緒だ。
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:32:53.91 ID:wxs08E2j0
その夜、俺は誠に電話した。
誠「なんだよ、こんな時間に」
キョン「お前に聞きたい事がある」
誠「なんだよ、聞きたい事って。俺眠いから手短に頼むぜ」
キョン「わかった、お前今日ラディッシュで踊子さんとやってただろう」
誠「………へ?」
キョン「だからお前踊子さんとエッチしてただろう」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:38:23.49 ID:wxs08E2j0
誠「はぁ!?や、やってねぇよ!」
キョン「言い訳しても無駄だ。俺は実際この目で見ちまったんだからな。お前と踊子さんが奥の部屋で裸になって抱き合ってたのを」
誠「………マジ?」
キョン「大マジだ」
誠「………い、いやぁ、バレちゃいましたか」
キョン「てめぇ!バレちゃいましたかじゃねぇよ!どうなったらあの踊子さんとそんな関係になるんだよ!お前ら今日会ったばっかりだろうが!」
誠「………実は」
284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:45:09.33 ID:wxs08E2j0
誠の言い分はこうだ。
誠「あれ?トイレどこだよ……」
誠「あ、ここか」
誠「ってちがうな」
誠「ん?」
誠「誰かいるな」
誠「あっ…」
踊子「あらっ」
誠「あっ、ども」
そんでそのままセックスしたらしい。
キョン「ってどう考えたってお前そりゃおかしいだろうが!」
誠「だって本当の事なんだから仕方ないだろ!」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:49:03.50 ID:wxs08E2j0
キョン「はぁ、まぁいい。んでどうだった?」
誠「何が?」
キョン「その、……よ、踊子さんとやってみて」
誠「あぁ、もう最高だったよ」
キョン「ま、マジか」
誠「もう踊子さんエッチとかちょーうまいんだよ」
キョン「ほう」
288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 20:59:53.74 ID:wxs08E2j0
誠「俺実は二回もイッちゃたんだよね」
キョン「マジでか、あの短い時間でそれは凄いな」
実はお前らのセックスシーンを見て俺もイッちゃいましたなんて死んでも言えんがな。
誠「まぁ、そういう事だから。俺もう疲れたから寝るな」
キョン「あぁ」
誠と電話を切った後、俺は踊子さんをおかずにして一発抜いてからその後すぐに寝た。
次の日の放課後、団活が終わると俺はすぐ世界に会いに行った。多分昨日の事もあって結構溜まっていたんだろう。
世界とやってる最中、昨日の事が頭から離れなくて俺は世界の事を踊子さんに重ね合わせてイッてしまった。はぁ、俺って最低だな。
でも帰る時、世界の家の食卓の上に誠の携帯があったのは何でだろうな。
293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 21:04:56.34 ID:wxs08E2j0
その帰り道、中学の時によくみんなで集まっていた土手に何となく寄ってみた。記念に何か残そうとみんなで調子に乗って書いた壁の落書きがまだそのまま残っていてなんだか懐かしい気持ちになった。
???「おや、珍しいね。君がこんなところにいるなんて」
懐かしい声、懐かしい微笑、そいつは俺のよく知る中学からの友人、
キョン「よう、久しぶりだな佐々木」
佐々木「ククク、君は相変わらずのようだね」
佐々木であった。
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 21:10:38.67 ID:wxs08E2j0
キョン「最近どうだ?」
佐々木「最近どうだとはまた随分唐突な質問だね」
キョン「すまんな、気が利いた事が言えなくて」
佐々木「いやいや、その方が君らしいさ。そうだねぇ、最近は学校の方で文化祭の準備が忙しくてね」
キョン「あぁ、確かもうすぐだったな」
佐々木「君のとこだってそうだろ?」
キョン「まぁな」
佐々木「でも僕の学校はつまらないんだよ。何もかも真面目すぎる」
キョン「そうなのか?」
佐々木「うん、出店もないしステージ発表もない。何かしらあるとしても各部の展示のみだ」
キョン「さ、さすが県内一の進学校だな」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 21:15:36.71 ID:wxs08E2j0
佐々木「すこしぐらいハメをはずしてもそんなに学力には影響はないとは思うんだけどね。でもそれがだめなのさ。ウチの教師達はどうやら考えが堅い人間ばっかりらしい」
キョン「そ、そうか」
佐々木「おっと、すまない。何だか愚痴っぽくなってしまったよ。せっかく久しぶりに君に会えたというのに」
キョン「いや、俺は全然大丈夫だ。お前の気が晴れるんだったらいくらでも聞いてやるさ」
佐々木「ククク、やっぱり君は優しいね。一瞬血迷って君の事を好きになってしまいそうだよ」
キョン「す、好きって!お前……」
佐々木「ククク、冗談だ」
キョン「はぁ、全くお前にはかなわないよ」
佐々木「そういえば君の所の文化祭は何やらおもしろいイベントがあるそうじゃないか」
キョン「イベント?」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 21:20:03.17 ID:wxs08E2j0
佐々木「なんだ、知らないのか?キャンプファイヤーのダンスの話とか?」
キョン「キャンプファイヤー?そんなの知らんな」
佐々木「ククク、どうやら本当に知らないみたいだね。僕でさえ多少なりとも興味があると言うのに」
キョン「へぇー、お前がなぁ。そのキャンプファイヤーって」
加藤「あれ?キョンと佐々木じゃん」
後ろを振り向くとジャージ姿の加藤がたっていた。
加藤「あんた達こんなとこで何してんの?」
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/01(木) 21:29:25.68 ID:wxs08E2j0
加藤「あんた達こんなとこで何してんの?」
佐々木「僕達かい?さっき偶然そこで会ってね。そして少しキョンと色々話しをしていたんだよ。君こそ何をしているんだい?」
加藤「あたしはランニング。大会近いし体力つけとかないとね。って、あんたいい加減その口調であたしと話すのやめてよね」
佐々木「ククク、いいじゃないか。僕としては君と話す時はこの口調の方がしっくりくるのでね」
加藤「他の女の前ではちゃんとした口調で話すくせに。あたしも一応女の子なんですけどー」
キョン「はは、まぁ、それぐらい佐々木は加藤の事を幼なじみとして信頼してるって事だろ?」
佐々木「ククク、まぁそういう事だよ」
加藤「まぁ、別にいいけど」
国木田「あれっ、みんなどうしたの?」
キョン「よう、国木田」
その後は国木田も参戦して俺達は地元話で盛り上がった。そういえば中学の時はいつもこいつらと一緒にいた気がするな。そんでいつもバカやってた気がする。
俺達は一瞬で中学に戻った気分だった。日が暮れて、星がでても俺達の笑い声はやまなかった
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 18:48:26.61 ID:0HISdswN0
すまん。今から投下します
結局俺達が解散したのは時計の針が9時を回ったあとだった。そういえば佐々木の言ってたキャンプファイヤーって何だったんだろうな?まぁ、いっか。
翌日、何やら教室が慌ただしい雰囲気に包まれていた。何でもクラス委員の田中ってやつが怪我して入院する事になっちまったらしい。クラス委員は学園祭準備期間でやる事が多いらしく田中の代わりに誰かが代理で入らなきゃいけないんだと。
まぁ、俺は絶対そんなめんどくさい事はやらないがな。
が、しかし、
刹那「キョンって暇そう」
と後ろから清浦に声をかけられた。
………もしかして勧誘してる?
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 18:54:28.61 ID:0HISdswN0
キョン「いやいや、俺は放課後部活あるし」
刹那「へぇー、あれって部活だったんだ。ただの変なサークルかと思ってた」
おい清浦。ここにハルヒがいたら間違いなくお前は殺されるだろうよ。
キョン「まぁ、谷口あたりにでも頼んでくれ。あいつもきっと暇してるに違いな
い」
刹那「谷口はだめ」
キョン「はっ?何でだ?」
刹那「使えそうにないから」
おい谷口。俺は心の底から友達としてお前の事を同情するぜ。
キョン「だからと言って何で俺なんだよ。他にもいるだろ。国木田とか」
刹那「キョンがやって」
キョン「なっ!?」
392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:00:48.26 ID:0HISdswN0
刹那「お願い」
キョン「うっ」
刹那「」じー
うっ………、そ、そんな目で俺の事見るなよ。
刹那「」じー
キョン「………はぁ」
刹那「」じー
キョン「分かったよ、やるよ」
刹那「やった」
そう言うと清浦は不敵な笑みを見せてピースをしだした。
キョン「……やられた」
刹那「ふふふ」
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:07:09.88 ID:0HISdswN0
さっそく今日の放課後から学園祭の集まりに出なくてはいけないらしい。まぁ、しょうがない。自分からやるって言っちまったもんな。
さて、これから学園祭まで毎日放課後に集まりがあるらしいんだが…………
となれば当然仕事が終わらない内は部活には顔を出せない訳で………
あーあ、ハルヒに何て言おうかなぁ。
その後結局俺はハルヒに
「SOS団と委員会どっちが大事なのよ!」
と責められた訳で、その後もずっとあいつに説教をくらった。
この際だからはっきり言おう。別にどっちも大事じゃねぇよ。
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:12:51.82 ID:0HISdswN0
その日の放課後、早速俺は清浦と一緒に学園祭の集まりがあるという会議室へ向かった。
言葉「あれっ、キョン君どうしたんですか?」
キョン「あっ」
そういえば言葉も4組のクラス委員だったな。
言葉「何かこちらの方に用事があるんですか?」
キョン「いや、実は俺んとこのクラス委員が一人怪我しちまってな、今はその代理で来てんだ。まぁ、当分は俺が実行委員の仕事をやると思うが」
言葉「ほ、本当ですか!?それじゃあ毎日放課後会えますね!」
刹那「………」
キョン「あ、あぁ。まぁな」
言葉「私すごい嬉しいです!じゃあよかったら今日一緒にかえ」
刹那「キョン、1番後ろの席が二つ空いてる。後ろ行こう」
キョン「えっ、あ、あぁ。じゃあ言葉、またな」
言葉「えっ、あっ、………はい」
397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:17:12.06 ID:0HISdswN0
刹那「………ねぇキョン」
キョン「ん?」
刹那「キョンは世界と付き合ってるんだよね?」
キョン「えっ?」
刹那「そうなんでしょ?」
キョン「…………いや、俺と世界は付き合ってない」
刹那「えっ?」
キョン「仲良いからそう見えるかもしれんが、俺と世界は付き合ってはないぞ」
刹那「そ、そうなんだ」
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:22:08.04 ID:0HISdswN0
キョン「もしかして世界が何か言ってたのか?」
刹那「いや、そういう訳じゃないけど」
確か清浦と世界って小さい時からずっと一緒だったんだよな。もしかしたら俺と世界の事色々と知ってるかと思ったけどそうじゃないらしいな。
刹那「………桂さん」
キョン「えっ?」
刹那「キョンと桂さんって仲いいの?なんか親しそうだった」
キョン「あ、あぁ。まぁな」
刹那「ふーん」
404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:27:47.16 ID:0HISdswN0
会議が終わった後、俺と清浦は教室でこれからの実行委員の活動予定を確認していた。
キョン「うわっ、こんなにやる事あるのかよ」
刹那「さっき先生が全部説明したはず。キョン寝てて聞いてなかったでしょ」
キョン「うぅ、すまん」
刹那「まぁいいけど」
キョン「まぁ、清浦がいれば大丈夫だろ」
刹那「他人任せにしない」
キョン「………はい」
ぐぅ〜
刹那「!?」
キョン「!?」
なんだ?急に誰かの腹が鳴った音がしたな。
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:35:27.38 ID:0HISdswN0
ていうか、今クラスで俺と清浦しかいんだが。
刹那「………」
キョン「……清浦、お前もしかして腹減ってんのか?」
刹那「………今日弁当持ってくるの忘れてまだお昼ご飯食べてない」
キョン「売店行って何か買ってくればよかっただろ」
刹那「………財布忘れた」
キョン「………そうか、以外とおっちょこちょいなんだな清浦って」
刹那「………」
キョン「………よしっ!今から飯食いに行くぞ!」
408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:41:06.09 ID:0HISdswN0
刹那「えっ?」
キョン「えーと、なんだっけかな?ピュアバーガーだったよな?とにかくそれ食
いに行くぞ」
刹那「い、いいよ」
キョン「何でだ?確かあれって女性に大人気なんじゃなかったっけか?」
刹那「いや、だって……お金持ってきてないし」
キョン「なんだその事か」
ポンッ
刹那「!?」
俺は無意識に清浦の頭の上に手をのせた。多分長門と接する時のノリでやっちまったんだろ。それ以外に思い当たる節がないからな。
409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:47:26.24 ID:0HISdswN0
キョン「そんな事気にすんな。俺がおごってやるよ」
刹那「い、いいよ。な、何か悪いし」
キョン「こういう時は素直に言うこと聞いとけって。それに飯食いながらこれか
らの予定を確認するのもいいだろ」
刹那「でも……」
キョン「それに俺も何か食いたいしな。なっ?いいだろ?」
刹那「じゃ、じゃあ分かった」
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:51:48.67 ID:0HISdswN0
キョン「よしっ!じゃあさっそく食いに行こうぜ!ってすまん!?俺何偉そうに勝手に清浦の頭に手なんて置いてんだ」
刹那「だ、大丈夫」
キョン「そ、そうか」
刹那「………別に嫌じゃなかった」ぼそっ
キョン「んっ?何か言ったか?」
刹那「な、何でもない」
キョン「そ、そうか、じゃあ早く行こうぜ」
刹那「うん」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 19:59:14.95 ID:0HISdswN0
その後、俺と清浦は駅前にあるピュアバーガーに行った。そこで清浦とこれからの委員会の事について話あった。たまに言葉の事についてちょくちょく聞かれたのは一体何だったんだろうな。
しかし、ピュアバーガーが以外にも美味くてびっくりしたぜ。まぁ、女性に大人気ってのも納得だな。今度長門にも食べさせてやるか。
その日の帰り、
言葉「すいません、来ちゃいました」
家の前に言葉がいたのは正直驚いた。だって言葉は俺の家に来た事なんてないはずだからな。
何で家の住所知ってるんだ?と問いたいところだったが、とりあえず言葉を家に入れる事にした。まぁ、話しておきたい事もあるしな。
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:09:38.90 ID:0HISdswN0
キョン「どうしたんだよ、急に」
言葉「そ、その、最近キョン君と会ってなかったし、連絡しても全然繋がらないから……」
キョン「連絡?」
言葉「あ、あの携帯の番号とか変わってませんよね?」
キョン「変わってないが」
言葉「あ、あれ、おかしいなぁ。じゃあどうしてだろう」
俺は携帯を開いてみた。やはり言葉からメールや電話が来てる履歴はない。
キョン「ちょっと待っててくれ」
俺は色々と携帯をいじってみた。普段メールや電話以外に使わないもんだから俺自身もよくこの携帯の事はよく知らん。
色々いじってみると設定の中から『非通知リスト』と書いてある項目があった。何の気なしに俺はそれを開いてみた。
次の瞬間、俺は驚愕した。
何故ならそこには言葉の名前があったからだ。だって俺はそんな設定にした覚えはないからな。
418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:16:47.08 ID:0HISdswN0
とりあえず俺は非通知の設定を解除した。
キョン「ちょっと、電話してみてくれ」
言葉「あ、はい」
prrrrrrrrrrrrrr
言葉「!?」
キョン「………やっぱりな」
言葉「繋がりました!やっと繋がりました!」
そう言いながら言葉はすごい喜んでいるようだった。
しかし、一体誰が何の為にこんな事をしたんだろうな。
言葉「………キョン君」
キョン「!?」
急に言葉が俺に抱きついて来た。
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:24:44.03 ID:0HISdswN0
言葉の胸が俺にダイレクトに当たってて、うん。正直たまりません。
言葉「私……、すごく寂しかったです」
キョン「言葉………」
そして俺は言葉にキスをした。久しぶりのキスだった。
しかし、俺は勢い余って言葉の胸を揉んでしまった。なんというか流れというものをだな。
言葉「きゃあっ」
キョン「あっ、………す、すまん」
言葉「………だ、大丈夫です、」
キョン「………」
言葉「……そ、その、続き、してもいいですよ」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:31:02.23 ID:0HISdswN0
キョン「えっ?」
言葉「………」
言葉は顔を赤くして俺にキスをしてきた。少し驚いたが俺もそれに応じるように深いキスをした。
言葉「んっ……あっ……ん」
俺と言葉はさらに激しくキスをする。そして俺はキスをしながら言葉の胸を揉んだ。
言葉「んっ!……ん」
大丈夫だ。今度は抵抗しない。
やっとこの時が来たんだ。ついに、俺は言葉と……。
とその時、
ピンポーン
家のインターがなった。
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:39:02.07 ID:0HISdswN0
まぁ俺としては当然無視だ。こんなおいしい状況を誰が逃すかってんだ。
がしかし、
「おじゃましまーす」
と、そいつは勝手にドアを開けて俺の家に入って来た。
言葉「あ、あの……」
キョン「………」
言葉「お客さん来たんじゃ、あ、あのー」
ですよねー。
くそっ!せっかく言葉とこれからいいとこだったのに!
俺は急いで階段を降りて玄関に向かう。いまからそのお客さんとやらに帰ってもらわねばいかんからな。俺と言葉の熱が冷めないうちに。
キョン「おい誠、何しにきたんだよ」
誠「よ、いたると遊びに来たぜ」
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:47:32.85 ID:0HISdswN0
いたる「きょぉん君ねぇ、こんにちはなのぉ」
キョン「い、いたるちゃん、こんにちは」
さて、誠にはぜひとも帰れと言いたいがそれではわざわざ来てもらったいたるちゃんが可哀想である。まさかいたるちゃんも一緒だとは………。
はぁ、しょうがない、今日はあきらめるか。
誠「あれっ?誰か来てんのかよ」
キョン「あぁ、言葉がちょっとな」
誠「えぇー!桂さんがぁ!?何で何で!?」
キョン「まぁ、その、色々あってな」
誠「………まぁいいや、俺も桂さんと会う」
キョン「………はぁ、好きにしてくれ。それより早く中に入れよ。そのままじゃいたるちゃんが可哀想だ」
誠「なんだよ、俺も可哀想だろ?」
いや、いたるちゃんだけだ。誠、お前は後で殺す。
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:55:17.14 ID:0HISdswN0
その後は俺と誠と言葉の三人という何とも異色なメンバーで過ごした。おそらくいたるちゃんは妹と一緒に遊んだのだろう。
帰りは俺が言葉の家まで送りに行った。
その間に誠が
「俺も桂さんを送りに行く」
とうるさかったので一発殴っておいた。
お前はいたるちゃんと素直に帰れよ。全く。
言葉を送りに行った後、俺はあいつに電話をかけた。確認しなければならない事があったからな。
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 20:57:56.20 ID:0HISdswN0
すまん。今から飯食うからちょっと抜けます。申し訳ない
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 21:35:32.76 ID:0HISdswN0
キョン「よう、古泉」
古泉「おや、あなたから電話なんてめずらしいですねぇ」
キョン「まぁな、それよりお前に確認したい事がある」
古泉「何でしょうか?」
キョン「お前、俺の携帯になんかしたろ?」
古泉「おや、何の事でしょうか?」
キョン「しらばっくれるな、俺の携帯勝手に使って言葉の番号を非通知にしたんだろ?」
古泉「何の話でしょうか?僕には全く何がなんだか」
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 21:41:19.16 ID:0HISdswN0
キョン「まぁ、お前じゃないかもしれんがお前の機関の連中が勝手にやったんじゃないのか?」
古泉「そう思うのは何故です?」
キョン「俺はこう見えても几帳面でな、携帯は絶対ポケットの中に入れとくんだよ。どんな時でも」
古泉「ほう?」
キョン「そう考えると俺は自分の部屋にいる時か、風呂に入っている時しか携帯は出さん」
キョン「それに、非通知にする時にはパスワードが必要になるんでな。そのパスワードは絶対俺にしか分からんようになっている。他の人なら無理だ」
古泉「…………」
キョン「だがお前ら機関はよく俺の事をよく調べているようだし、どんな事でもする凄い奴らだって俺は知っている」
キョン「だから俺が風呂に入っている時にでも、勝手に部屋に入って設定したんじゃないのか?俺に気付かれないように」
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 21:47:22.56 ID:0HISdswN0
古泉「………長門さんが情報操作したという線は?」
キョン「それはないな」
古泉「何故です?」
キョン「長門がそれを行っても何のメリットがないからな」
キョン「それに比べてお前ら機関は何故か俺と言葉の事の関係をハルヒに知られてはまずいと思っている」
キョン「それにお前さ、前に俺に言ったろ。ハルヒには言葉の事は内緒にしてほしいって。バレたら閉鎖空間が発生するってさ」
古泉「………」
キョン「だから俺はお前等がやったんじゃないかって思ってな、違うか?」
古泉「………お見事です」
キョン「やっぱりな。しかし何でそんな事したんだ?」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 21:53:46.75 ID:0HISdswN0
古泉「……そうですね、はっきり言いましょう。我々機関にとって彼女の存在は邪魔です」
キョン「なっ!?」
古泉「僕達機関の仕事は閉鎖空間で神人と戦って勝利する事です」
キョン「あぁ」
古泉「そして閉鎖空間は涼宮さんのストレスによって発生する」
キョン「それは知ってる」
古泉「我々機関はなんとしても閉鎖空間の発生は阻止したいのです。できるだけ涼宮さんにストレスをあたえないようにする」
古泉「そのためにできたのがSOS団であり、超能力者として呼ばれた僕の存在なのです」
古泉「機関の中では涼宮さんに一番近い存在は僕です。なので僕には神人と戦う意外にも彼女にストレスを与えない環境を作らなければならない任務があるのです」
キョン「………」
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:02:23.41 ID:0HISdswN0
古泉「そして今回あなたと桂さんがお付き合いする事になった。それは機関にとってとても良くない事です」
キョン「それは何故だ?」
古泉「涼宮さんがあなたと桂さんの事を知れば必ず閉鎖空間を発生させるからですよ。何故閉鎖空間が発生するかはここまで話せばあなたももうお分かりでしょう」
キョン「あぁ、あいつは団員の誰かが恋愛するなんてそんな浮ついた事許すわけないからな」
古泉「………あなたそれは本気で言っているんですか?」
キョン「だってそういう事だろ」
古泉「ふふふ、全くあなたの鈍感っぷりには毎度の事ながら驚かされますよ」
キョン「何だそれは」
452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:07:41.62 ID:0HISdswN0
古泉「まぁそれはいいとして、先日僕が桂さんを連れて話があると言った時の事を覚えているでしょうか?」
キョン「あー、あの時は悪かったな」
古泉「いえいえ、それでその後僕は彼女に色々と話しをしましてね」
キョン「話したって何をだ?」
古泉「桂さんにあなたと別れて下さいってお願いをしました」
キョン「!?」
古泉「しかし彼女は当然嫌ですと言って断った」
古泉「それもそのはずですね。全く関係のない僕にいきなりあなたと別れてほしいだなんて言われたんじゃたまったものじゃありませんからね」
古泉「しかし、そのかわり僕は彼女とある約束をとりつけました」
キョン「約束?」
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:13:58.62 ID:0HISdswN0
古泉「えぇ、できるだけあなたと付き合っている事を内緒にして欲しいと言う事です」
古泉「ですが彼女はもう4組の一部の女子に言ってしまわれたようです」
古泉「他にも皆がいる前であなたと一緒に帰る約束したり、自分が彼女です言わんばかりの態度をとったり」
キョン「………」
古泉「まぁ、そこで彼女にはちょっとした悪戯をしましてね」
キョン「それがあの非通知か」
古泉「しかし、それはもう意味ないようですね」
キョン「まぁ俺が気付いちまったからな」
457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:18:41.64 ID:0HISdswN0
古泉「そうですね。さて、次はどんな対策をたてましょうか」
キョン「!?」
キョン「お前」
古泉「ふふ、冗談ですよ。しかし、くれぐれも彼女の事は涼宮さんには知られないように。その辺はお願いしますよ」
キョン「………あぁ、分かった」
家に帰ってから早速言葉から電話が来た。明後日の文化祭を一緒に回って欲しいらしい。
まぁ、俺としては別によかったんだがさっきの古泉との電話を思い出して
「あー、すまん。俺クラスの出し物の方でやらなくちゃならない事結構あるから」
と言い、その件に関してはとりあえず保留という形で話をつけた。まぁ、忙しくなりそうなのは本当だしな。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:25:17.28 ID:0HISdswN0
文化祭前日。
今日はいつもより早く学校に来ている。昨日寝る前に清浦から連絡があってどうやらクラスの出し物の件についてまだやる事がたくさんあるらしい。
そんでこうして早く学校に来て清浦と内装をとりつける準備をしている。今時計は朝の7時30分を指している。こんなに早く学校に来たのって初めてじゃないか俺。
清浦「昨日はありがと」
キョン「ん?」
清浦「おごってくれて」
キョン「いや大丈夫だ、気にするな」
清浦「今日は私がおごるから」
キョン「へ?」
清浦「借りた分は返す主義」
淡々とした口調で清浦は言った。
キョン「そうかい、じゃあ放課後よろしくな」
清浦「うん」
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:32:46.10 ID:0HISdswN0
今日は文化祭の準備で授業はない。とは言ってもみんな文化祭の準備で大忙しだ。後で暇が出来たら部室にでも行ってみるか。
…………………。
…………。
…。
やれやれ、準備だけでこんなに忙しいとはな。気付けば昼休憩だ。ていうか今日一日で本当に終わるのかよ。
世界「きょ〜ん♪」
キョン「ん?」
世界「ちょっと来て」
キョン「なんだ?」
世界「じゃーん」
そう言って世界はクラスの出し物で着る衣装を見せて来た。
世界「可愛いでしょ〜♪」
463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:41:02.27 ID:0HISdswN0
キョン「おぉ、何かエロいな」
世界「おりゃ!」
そう言って世界は俺にボディーブローを食らわした。急な事で対処しきれず悶絶する俺。
いってぇ、不意打ちは無いだろうが。
世界「だってキョンが気の利いた事言ってくれないんだもん」
キョン「はいはい、可愛い可愛い」
世界「何それ、まぁいいや。それよりさ」
キョン「ん?」
世界「明日の文化祭一緒に回ってよ」
キョン「えっ?」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:48:04.35 ID:0HISdswN0
世界「まぁ、私も色々とクラスの手伝いとかやんないといけないからあんまり時間がないけど」
世界「もし時間があるなら文化祭一緒に回ろうよ」
キョン「あ、あぁ、でも俺も忙しいからもしかしたら無理かもしれないぞ」
世界「うん、時間があったらでいいから、ね?」
キョン「わ、分かったよ」
その後、飯を食った俺はまだ作業まで時間があったので部室で暇を潰す事にした。
部室に着くとてっきりみんないるかと思ったんだがハルヒしかいなかった。
キョン「よう、何やってんだ?」
ハルヒ「何って、見て分かるでしょ。文化祭の準備よ」
467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 22:55:08.07 ID:0HISdswN0
キョン「あれっ、お前だけか?他のみんなは?」
ハルヒ「みんなクラスの方の手伝いがあるんだってさ」
キョン「それでお前一人なのか?」
ハルヒ「そうよ、あんたも実行委員なんだからこんなとこで油を売ってていいの?」
キョン「俺は今休憩時間なんだ。よかったら少しの間手伝うぞ」
ハルヒ「うーん、そうねぇ。じゃあお願いするわ」
俺は少しの間、ハルヒと一緒に部室の内装をした。って言ってもハルヒが大体一人でやっちまったもんだからあんまり手伝う事なんてなかったんだがな。
470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:02:17.79 ID:0HISdswN0
キョン「さて、これで終わりか」
ハルヒ「う、うん」
キョン「よし、俺はそろそろ行くかな」
ハルヒ「あっ、その、ありがとね」
キョン「ん?」
ハルヒ「だからありがとうって言ってんのよ!」
まさかあのハルヒの口から感謝の言葉が聞けるとはな。どうやら俺の死期も近いらしい。
ってのはまぁ冗談だ。
キョン「あぁ、気にするな。俺は別に大した事やってないしな」
ハルヒ「………あんたさぁ、明日ちょっと時間ある?」
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:09:52.38 ID:0HISdswN0
キョン「えっ?」
ハルヒ「………その、明日の文化祭一緒に回ってあげるわよ」
キョン「はっ?」
ハルヒ「か、感謝しなさいよね。こ、この団長の私が回る相手もいない可哀想な平団員と一緒に回ってあげるって言ってるんだから」
キョン「え、あ、あぁ」
ハルヒ「ま、まぁそういう事だからあんた明日暇があったら部室に来なさいよね」
そう言いハルヒはダッシュで部室を飛び出していってしまった。なんだか最後の方ハルヒの顔が赤かったのは何故だ?うんこでも我慢してたのか?
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:19:08.53 ID:0HISdswN0
その後はもう本当に忙しくて気付けば夕方6時を過ぎていた。作業している途中に雨が降って来て色々と大変だったがなんとかみんなで協力したおかげで無事準備の方は終了した。
今、俺と清浦は実行委員なので最終点検を行っている。もう周りに人はいない。
キョン「ふぅ、やっと終わったかぁ」
刹那「おつかれ様」
キョン「あぁ、しかにそれにしても……」
刹那「雨?」
キョン「あぁ」
外の天気は大荒れだった。なんでも予報では今日の夜あたり台風が来るらしい。
明日までに止めばいいんだが………。
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:27:32.14 ID:0HISdswN0
キョン「さて、帰るか」
刹那「………」
キョン「ん?どうした清浦?」
刹那「………傘がない」
キョン「えっ?」
刹那「今日持って来た筈の傘がない」
キョン「ま、マジか。もしかして盗まれたとか」
刹那「多分」
キョン「マジかよ…」
外は大雨である。こんな状態の中、傘もささずに帰ったら絶対風邪を引くな。
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:34:57.94 ID:0HISdswN0
その後、色々と教室を見てまわったが傘は一つもなかった。
刹那「どうしよう……」
キョン「家の人に連絡とかしてみたらどうだ?」
刹那「親は今出張中で帰って来ない」
キョン「そ、そうか……」
…………。
そうだよな。やっぱりここは………
キョン「よしっ、分かった。俺が家まで送ってやるよ」
刹那「えっ」
キョン「俺の傘結構でかいからな。二人分は入るぞ」
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:42:52.67 ID:0HISdswN0
刹那「で、でも」
キョン「こんな雨の中傘もささないで帰ったら絶対風邪引くって」
刹那「う、うん」
キョン「もし清浦が風邪でもひいて明日欠席するような事があったら実行委員俺一人とか無理だからさ。だからここは俺が送ってやるって。な?」
刹那「分かった。なんかごめん」
キョン「清浦が謝るような事じゃねぇって、傘を盗んだ奴が悪いんだ」
刹那「うん」
清浦を送って行く途中、風の強さに俺の傘が耐えきれず壊れてしまったため結局二人して濡れながら走って帰った。
清浦の家に着いた時にはもう二人してびしょ濡れになっていた。このままでは俺も風邪をひくと言う事でとりあえず清浦の家でシャワーを借りた。
帰っている途中清浦のブラが透けて見えて俺のマイサンが五分立ちになっていたのはここだけの話だ。
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:49:58.49 ID:0HISdswN0
キョン「すまんな、シャワーなんか借りて」
刹那「大丈夫、それより外」
キョン「ん?」
外を見ると俺らが帰って来たときより天候が悪くなってやがる。雷まで出てきたな。
これ、どうやって帰るんだよ……。
刹那「ご飯食べてって」
キョン「えっ、いいのか?」
刹那「うん。本当は私がキョンにご飯おごる予定だったし」
キョン「そうか、わかった。じゃあ御馳走になるよ」
刹那「うん」
その後俺は清浦の手料理を食べた。味はもちろん上手かったぞ。
しかし、いくら待っても外の天気は一向によくならず気付けば夜の8時を過ぎていた。
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/02(金) 23:59:33.44 ID:0HISdswN0
刹那「雨、やまないね」
キョン「あぁ」
刹那「…………」
キョン「…………」
刹那「…………」
キョン「…………」
き、気まずい。非常に気まずい。何か話さないとな。
キョン「シャワー浴びなくていいのか?」
刹那「!?」
キョン「あっ、いや、そういう意味で言ったんじゃないぞ!」
刹那「変態」
500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 00:07:44.40 ID:fm2V3FT30
キョン「うっ……」
はぁ、何で俺はこう気の利いた事が言えないんだ。このタイミングでシャワー浴びてなくていいのか?って普通聞かないだろ。
これじゃあ何だか俺が清浦を誘ってるみたいじゃねぇか。
キョン「す、すまん」
刹那「しょうがない、許してやろう」
キョン「お、おう」
刹那「でもシャワーは浴びてくる。帰って来てからタオルで体拭いただけだったし」
キョン「そ、そうか」
刹那「変な事想像したら右パンチ」
キョン「し、しねぇよ」
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 00:14:35.42 ID:fm2V3FT30
さて、今は清浦がシャワーを浴びてる訳だが………、今のうちに親に連絡取っておくか。
………………。
………。
おいおいおい、マジかよ。どうすんだよ。お袋も親父も酒飲んでて迎えに来れないって…………。
さすがに清浦の家に泊まっていくのはまずいだろ。確か今日清浦の家、親帰って来ないんだよな。
清浦「出たよ」
キョン「あ、あぁ」
しょうがない。雨が止むのをひたすら待つか。って台風だから多分止まないだろうな。どうすっかなぁ、はぁ……。
508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 00:26:51.76 ID:fm2V3FT30
清浦「………」
キョン「………」
清浦「………」
キョン「………」
またこの沈黙。非常に気まずいな。
古泉だったらここで何かしら話を降るんだろうがよ。さっきの事もあるしな、下手に喋れん。
清浦「………ねぇ、キョン」
しかし、先に沈黙を破ったのは清浦の方だった。
清浦「もし私が急にフランスに行くってなったらどうする?」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 00:57:36.61 ID:fm2V3FT30
キョン「ふ、フランス?」
清浦「うん」
正直いきなり話が飛びすぎて一瞬頭の整理に時間がかかった。
キョン「フランスに行くってどういう意味だ?」
刹那「実は…」
俺は清浦の話を黙って聞いていた。どうやら清浦の母親は最近フランスへ転勤が決まったらしい。
清浦は反対したらしいが母親の方が今回やっと巡って来たチャンスと言う事でどうもあきらめられない感じで、このままいくと清浦もフランスへ行く事になるそうらしい。
この時、俺は何だか今にも消えそうな声で話す清浦になんか気の利いた言葉をかけようとしたが、当然の事ながら俺の脳みそでは清浦にかける言葉は見つからなかった。
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:04:20.69 ID:fm2V3FT30
刹那「………ねぇ、キョン覚えてる?」
キョン「ん?」
刹那「私が入学式の時に男子にからかわれた時の事」
キョン「あぁ、確か清浦背が小さいってからかわれてたんだよな」
刹那「うん、それで助けてくれたのがキョンだった」
キョン「助けたって、そんな大げさだな」
刹那「ううん、私はうれしかった」
キョン「そうか、そういえば俺あの時清浦にクラス委員になるよう勧めたよな」
刹那「うん、立候補はしたけど多数決で結局朝倉さんになっちゃって」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:14:17.97 ID:fm2V3FT30
キョン「あれはしょうがないさ、でも清浦は今ちゃんとクラス委員をやってる」
刹那「うん」
キョン「それだけでも俺は清浦の事すごいって思うし、ちゃんとクラス委員やってるんだから俺はうれしいよ」
刹那「………キョン」ギュッ
キョン「!?」
急に清浦が俺に抱きついてきた。
キョン「き、清浦!?」
刹那「キョンって世界と付き合ってないんだよね?」
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:21:40.54 ID:fm2V3FT30
キョン「あ、あぁ」
刹那「そっか……」
キョン「………」
刹那「…………たぶん私パリに行くと思う」
そう言うと清浦の腕に少し力が入った。
キョン「………そうか」
俺は清浦の頭を優しくなでてやる。
刹那「私キョンの事好き」
520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:28:32.47 ID:fm2V3FT30
キョン「…………」
刹那「ずっとずっと好きだった」
キョン「………あぁ」
清浦の腕が震えている。顔は見えないがおそらくきっと泣いているんだろう。
刹那「キョンに一つお願いしていい?」
キョン「ん?なんだ?」
刹那「私がパリに行くまで私と付き合って欲しい」
キョン「………それって逆につらくないか?」
刹那「うん、すごくつらいけど………」
刹那「私はキョンとの思い出が欲しいから」
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:37:11.52 ID:fm2V3FT30
キョン「………そうか」
俺は清浦を優しく抱きしめた。
キョン「………分かった」
刹那「キョン、好き」
キョン「あぁ、清浦」
刹那「今だけは刹那って呼んで」
キョン「あぁ………刹那」
その日俺と刹那はエッチした。
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:46:15.76 ID:fm2V3FT30
……………………
……………
……
キョン「わりぃ。痛かったか?」
刹那「ううん、もう大丈夫」
キョン「そうか」
外を見ると雨はまだ降っている。でもさっきよりかは止んだか。
prrrrrrrrrrrr
キョン「ん?誰だ?」
ディスプレイにはハルヒという文字が映っている。
ハルヒか……。どうしたんだ、こんな時間に。
キョン「悪い、すこしあっち行ってくる」
刹那「うん」
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 01:53:53.33 ID:fm2V3FT30
キョン「もしもし」
ハルヒ「何よ、早く出なさいよね」
キョン「悪かったって。それよりどうしたんだよ」
ハルヒ「そういえば私まだ映画のチケット作ってなかったなって思って」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「だから明日はいつもより早く学校に来てね」
キョン「ちょ、ちょっと待てよ。映画のチケット?そんなのいらんだろ」
ハルヒ「いるわよ、映画を上映するのに映画のチケットがなかったら駄目じゃない」
ハルヒ「それに客は受付でチケットを買ってそのチケットを奥の係の人に渡して入場するって形なんだから」
こいつ金取る気かよ。あんなヘボ映画で金を取るなんて詐欺にもほどがあるな。
534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:00:15.05 ID:fm2V3FT30
ハルヒ「じゃあそういう事だから」
キョン「あぁ」
ハルヒ「………」
キョン「…………ん?」
いつもなら用件を言うだけ言ってすぐ電話を切るはずなんだがな。
キョン「どうしたんだよ?」
ハルヒ「………あんた今どこいる?」
キョン「えっ……」
この時、俺は全身が総毛立つのを感じた。
一体こいつは何を考えているんだ。
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:09:59.92 ID:fm2V3FT30
キョン「な、何言ってんだよ。家に決まってんだろうが」
ハルヒ「………外は?」
キョン「外?普通に雨が降ってるが」
ハルヒ「…………そう」
そう言ってハルヒは携帯を切った。
はぁ、なんとか大丈夫のようだな。にしてもなんつー感の良さだこいつは。
だがこの時、俺は自分でミスをおかした事に気がつかなかった。おそらくこれが全ての始まりだったんだろう。
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:17:31.17 ID:fm2V3FT30
昨日、俺は結局刹那の家に泊まった。もちろん刹那とは一緒には登校できないので別々に家を出た。
ハルヒから呼び出しをくらっていたので俺はいつもより早く学校に着いた。まぁ昨日ほどではないけど。
教室に着くとすでに何人かの生徒がいた。おそらくまだ準備が終わってなくて朝一で仕上げようって感じだな。
ところでハルヒは………、あっ、いた。
教室の隅の方で一人黙々と作業をしていた。
キョン「よっ」
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:25:26.57 ID:fm2V3FT30
ハルヒ「…………」
キョン「おいおい、無視すんなよ。あいさつは基本だぜ」
ハルヒ「………あんた昨日家にいなかったでしょ?」
キョン「えっ」
ハルヒ「何でうそついたの?」
この時のハルヒは目はすごい真剣で、でも表情はどこか寂しそうだった。
キョン「………ハルヒ?」
ハルヒ「あんたの家の向かいで昨日殺人事件があったらしいわよ」
キョン「えっ」
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:31:23.07 ID:fm2V3FT30
ハルヒ「あんたと電話してた時にニュースでやってたわ。それで夜おそくまで何台もパトカーがあんたの家の前にいたそうよ」
ハルヒ「私昨日あんたに外には何が見えるって聞いたわよね」
ハルヒ「そしたらあんたはただ雨が降ってるって。でも普通は家の前にパトカーが何台も停まっていたら気付く筈だわ」
キョン「………」
ハルヒ「あんたの携帯に電話した後、私あんたの実家の方にも電話したわ」
ハルヒ「そしたら妹ちゃんが出てね。キョンは今いないって」
キョン「…………」
ハルヒ「どうしてうそなんかついたの?」
キョン「………ハルヒ」
ハルヒ「あんた昨日本当はどこにいたの?」
キョン「………ハルヒ、俺は」
ハルヒ「どうせあの西園寺っていう女と一緒にいたんでしょ!!」
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:38:53.88 ID:fm2V3FT30
ハルヒの声が教室中に響いた。周りは一斉にしてしずかになり皆俺の方を向いている。
俺はこの時、一体どんな顔をしていただろうな。
ハルヒ「はっきり言いなさいよ!どうなのよ!?」
ハルヒは興奮してて周りが見えていないようだった。
世界「ど、どうしたの涼宮さん!?」
キョン「せ、世界」
どうやら世界ももう教室にいたらしい。俺の今日の運勢はきっとダントツの最下位に違いない。
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:46:55.26 ID:fm2V3FT30
ハルヒ「あんた、昨日キョンと会ってたでしょ」
世界「えっ」
ハルヒ「あんた最近キョンと仲いいわよね、昨日に限らず実は毎日夜とかに会ってりしてるんでしょ!!」
キョン「お、おい!」
実際ハルヒの言っている事は正しかった。最近まで確かに俺は世界と毎日のように会っていたからな。
ここまで感が鋭いと恐怖すら覚える。
キョン「は、ハルヒ、頼む。落ち着いてくれ!」
世界「………キョン」
キョン「は?」
世界「昨日の夜どこにいたの?」
そう言う世界の目はいつもと違った。
おいおい、お前等一体どうしちまったんだよ。
553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:52:38.16 ID:fm2V3FT30
世界「ねぇ、キョン答えてよ」
キョン「俺は………」
刹那「みんなどうしたの?」
キョン「せ、刹那」
世界「刹那?ねぇ、キョンっていつから刹那の事呼び捨てで呼ぶようになったの?」
…………やっちまった。
刹那「せ、世界?」
世界「ねぇ、刹那。昨日もしかしてキョンと一緒にいた?」
刹那「………」
世界「違うよね刹那?」
刹那「………いた」
世界「!?」
キョン「!?」
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 02:59:42.82 ID:fm2V3FT30
刹那「世界、私キョンと付き合う事になったから」
キョン「お、おい!」
世界「う、うそだよ!だって刹那私達の事応援してくてたんじゃなかったの!?」
刹那「ごめん、世界。私もキョンの事前からずっと好きだったから」
世界「い、いや」
刹那「それにキョンも世界とは付き合ってないって」
世界「や、やめてよ」
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:04:10.06 ID:fm2V3FT30
刹那「だから昨日キョンは私の家に」
世界「やめてよ!!!!もうそんな話聞きたくないよ!!!」
キョン「せ、世界!!!」
そう叫んで世界は走って教室から出て行った。気付けばハルヒの姿もそこにはなかった。
キョン「くそっ!!」
俺が世界達の後を追おうとした瞬間、
「キョン……」
俺は刹那に手をつかまれた。
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:11:53.05 ID:fm2V3FT30
キョン「刹那……」
刹那「キョン、ごめん……、でも私にはもう時間がないから」
キョン「………」
刹那「キョン……」
キョン「刹那………すまん!!」
刹那「キョン!?」
俺は刹那の手を振りほどき走って教室を出てった。
最後に映った刹那の顔は今にも泣き出しそうな表情で…………
でも俺は………
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:18:29.50 ID:fm2V3FT30
走っている途中、ポケットに入っている俺の携帯がすごい勢いでなっていた。多分古泉からだろう。
すまん、古泉……、でも俺は今……
「お前には関係ねーだろ!」
どこからか女の怒鳴った声がした。おそらくこの1年4組からだ。気付けば俺は一周してまた戻ってきちまったらしい。
「そうだよ!」
「関係なくねーよ!!」
4組をのぞいてみると誠が4組の女子と何かもめているようだった。
誠「俺は桂さんの事が好きだから」
キョン「!?」
誠「だから桂さんがいじめられているのを見て俺は黙って見過ごす事なんて出来ない!」
573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:27:40.33 ID:fm2V3FT30
加藤「お前いい加減にしろっつてんだよ!!」
キョン「おい!お前等止めろ!!」
誠「きょ、キョン!?」
キョン「一体どうしたんだよ!?」
誠「…………キョン」
キョン「あぁ」
誠「桂さんはずっといじめにあっていたんだ。こいつらから」
誠の周りには何人かの女子がいる。その中には加藤の姿もあった。
加藤、お前もまさかそんな事していたのか?
574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:32:18.40 ID:fm2V3FT30
誠「キョン、お前桂さんと付き合ってたんだってな」
キョン「………あぁ」
誠「どうして黙ってたんだよ」
キョン「それは………」
誠「…………キョン」
誠「俺は今から桂さんに告白しに行く」
キョン「!?」
誠「お前と桂さんが付き合ってるのは知ってる」
誠「桂さんがお前の事を好きってことも」
キョン「………誠」
誠「だから………、俺は今日桂さんに告白してここの休憩室で桂さんと一緒に過ごす」
キョン「なっ!?」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:37:46.84 ID:fm2V3FT30
誠「キョン、お前この休憩室がある意味分かるよな?」
誠「さっき桂さんはあっちの方に出て行った」
キョン「誠………、お前」
誠「キョン、桂さんはきっとお前を待ってる」
キョン「…………」
誠「俺は確かに言ったからな」
キョン「誠!!」
誠はそう言うと教室から出て行った。残された俺は………
加藤「………キョン」
キョン「加藤………」
582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:47:21.77 ID:fm2V3FT30
加藤「確かに私は桂の事をいじめてた」
キョン「………」
加藤「だって桂ってばキョンと付き合ってるなんて言うんだもん」
加藤「でも本当なんだね」
キョン「………あぁ」
加藤「そ、そっか。じゃあ私桂にすごいひどい事してたんだね」
加藤「で、でもね、私もね、キョンの事好きだったんだよ」
キョン「加藤……」
加藤の目からは大粒の涙がこぼれている。
加藤「ずっと、ず、ずっと、す、好きだったんだからぁ」
そう言うと加藤はその場で泣き崩れた。
「乙女!」
「乙女ちゃん!」
俺は加藤に何も言えなかった。
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 03:56:39.37 ID:fm2V3FT30
その後、俺が教室を出ると
「キョン!」
と、後ろから国木田に声をかけられた。
キョン「国木田……」
国木田「なんだか4組すごい事になってたね」
キョン「あぁ……」
国木田「………ねぇ、キョン」
キョン「………なんだ?」
国木田「僕これから加藤さんに告白する」
キョン「!?」
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:02:57.29 ID:fm2V3FT30
国木田「うん、わかってるよ、キョンが言いたい事」
国木田「でもね、加藤さんがずっとキョンの事好きだったように、僕も加藤さんの事がずっと好きだったんだ」
キョン「国木田……」
国木田「だから僕も加藤さんみたいに思いをぶつけてくる」
国木田「でも、安心して。たとえどんな結果になっても僕はキョンの事憎んだりはしない」
キョン「国木田……、お前……」
国木田「僕達はずっと友達だよ」
592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:08:01.52 ID:fm2V3FT30
キョン「国木田!!」
国木田「ん?」
キョン「俺がこんな事言うのも変かもしれないが……」
キョン「がんばれよ」
国木田「うん!ありがとう、キョン!」
そう言って国木田は笑顔で走って行った。
594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:12:23.26 ID:fm2V3FT30
俺はまた走っていた。何のために?
そうだ、俺はあいつを……
「おや、そんなに急いでどうしたんだい?」
声を聞いた瞬間一発で分かった。そいつが誰なのか。
「ククク、そんなに一生懸命になって君らしくもない」
独特な口調、落ち着いた喋り方。
キョン「佐々木……」
佐々木「やぁ、キョン」
596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:16:20.12 ID:fm2V3FT30
キョン「こんな早くからうちの文化祭に来るなんてな」
佐々木「今日は僕も午後から学校に方に行かなくてはならないんでね」
キョン「そうか……」
佐々木「………どうしたんだいキョン」
キョン「…………」
佐々木「いつもの君らしくない……」
キョン「佐々木……、俺は……」
佐々木「キョン………加藤はどうしたんだい?」
キョン「!?」
佐々木「…………そうか」
そうつぶやくと佐々木は一瞬で何かを理解したようだった。
そして佐々木は静かに語り出した。
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:20:50.84 ID:fm2V3FT30
佐々木「キョン、出来る事なら僕も君たちのようなステージに立ちたい」
佐々木「そして出来るならそこで主人公を演じてみたい」
佐々木「でもどうやら僕にはそれが出来ないようだ」
佐々木「何故なら僕と加藤はずっと一緒にいすぎた、だから彼女が今何を欲しがっているのかいつも分かってしまう」
佐々木「そして彼女の欲しがるものはいつも僕と一緒なんだ」
佐々木「でも加藤は僕の友人であり、僕の幼なじみだから………、だから」
そして佐々木は俺に背を向け
佐々木「だからキョン。僕の幼なじみを幸せにしてやってくれ」
歩いていってしまった。
600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/03(土) 04:24:16.50 ID:fm2V3FT30
俺は何をやっている?
なんの為に今こうして走っている?
俺は誰を捜している?
そうだ……俺は………
キーンコーンカーンコーン
昼を告げるチャイムが校内に鳴り響く。気付けば時計の針は12時を回っていた。
今日は文化祭当日。昨日までの嵐がうそみたいに今日は晴天だった。