1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 15:42:51.86 ID:NI/DwDAZO
キョン「あいつに限ってそれはないだろ」
長門「信じて」
キョン「恋愛は精神病って言ってるやつだぜ?」
長門「性行為とは別問題。彼女は度々性欲の解消を行なっていた」
キョン「……なんだそれ、あいつが男と……ってことかよ」
長門「……」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 15:46:41.86 ID:NI/DwDAZO
キョン「相手は誰だ」
長門「知ってどうする?」
キョン「決まってるだろ、ぶん殴ってやる」
長門「…………」
キョン「なんだよ」
長門「やめておくべき」
キョン「どうしてだ!?」
古泉「これは涼宮さんが望んだ結果だからです」
キョン「古泉……」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 15:51:02.81 ID:NI/DwDAZO
キョン「ハルヒが望んだだと?」
古泉「そうです。彼女は恋愛には興味ないが子供には興味があった」
古泉「結婚はしたくないが子育てに興味があったということです」
古泉「そこで、軽薄な男を見繕って子作りをした……これくらいなら涼宮さんの能力なしでも実現できます」
キョン「黙って見てたのか」
古泉「涼宮さんが乱れる姿も監視対象ですから」
キョン「クズが……」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 15:55:20.57 ID:NI/DwDAZO
古泉「では、あなたは涼宮さんの変化に気付いていましたか?」
キョン「……それは」
古泉「僕たちは気付いてました。無論あなたに進言しようとも思いましたが」
キョン『ハルヒの様子がおかしい?あいつがおかしいのはいつものことだ』
古泉「そう言って話を聞こうともしなかったですね」
キョン「……」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:00:18.12 ID:NI/DwDAZO
キョン「俺がとやかく言う資格はないってことか」
古泉「そういうことです。今後は涼宮さんの子育てをサポートするのが我々の主な任務ですよ」
キョン「どこの馬の骨ともわからん奴との子どものか!」
古泉「しかし、神の子です」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:05:49.35 ID:NI/DwDAZO
数年後、俺は地元私立大学の学生だった
ハルヒの妊娠発覚後、SOS団をやめたいと言った俺の申し出をハルヒは即了承した
もうハルヒの興味はお腹の中の子どもに注がれているようだった
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:08:27.66 ID:NI/DwDAZO
みくる「キョンくん……これカレーです。温めて食べてね」
SOS団を辞めた後でも朝比奈さんだけは俺のそばにいてくれた
今では俺が一人暮らししているアパートの隣人だ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:12:16.79 ID:NI/DwDAZO
キョン「いつもすみません」
みくる「いいんです、あたしにはもうキョンくんしか頼れる人がいませんから」
キョン「……本当に朝比奈さんの未来は」
みくる「消滅しました……涼宮さんが子どもを出産した瞬間に……」
キョン「…………」
みくる「うふふ、だからあたしはもう未来人でもなんでもないの。あたしが消えなかったのは涼宮さんのおかげだし、恨んでもいません」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:15:57.62 ID:NI/DwDAZO
みくる「キョンくん、これからも仲良くしてね」
キョン「もちろんです」
OLとして働いてる朝比奈さんはいつも笑顔を絶さない
そしていつもハルヒを気遣っている
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:22:40.13 ID:NI/DwDAZO
大学を卒業して就職したら……俺は朝比奈さんにプロポーズしようと思っている
朝比奈さんは会社でモテモテのようだから、焦る気持ちが募る
しかし、今付き合ってしまうわけにはいかない
学生の分際で結婚を前提に付き合うのもどうかと思うし、
なにより肉体関係を持ってしまいそうだからだ
ハルヒの一件以来、俺は性行為に嫌悪感を持っていた
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:42:18.31 ID:2UL3n/Lt0
とはいえ、朝比奈さんとは恋人として付き合ってないが、
信頼関係は誰よりも強いと自負している
朝比奈さんは仕事が終わって疲れているはずなのに毎晩俺の部屋に遊びに来るし、
他の人と遊んだりしている気配もない
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:48:48.96 ID:2UL3n/Lt0
キョン「今日はなにを作ってきてくれるのかな?」
夜、朝比奈さんが持ってきてくれる料理が俺の毎日の楽しみだ
カレーみたいに日持ちするものが多いが、たまに手の込んだ料理も持ってきてくれる
俺が期待に胸を膨らませながら部屋で待っていると、呼び鈴が鳴った
朝比奈さんではない
今は夕方の四時、まだ会社は終わっていない
キョン「誰だ?」
ドアを開ける
そこに立っていたのは、子どもを抱えたハルヒだった
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 16:58:35.17 ID:2UL3n/Lt0
キョン「……!」
ハルヒ「キョン……久しぶりね」
キョン「何の用だ」
ハルヒ「……」
キョン「用がないなら、じゃあな」
ハルヒ「待って!しばらく、ここに置いて欲しいの」
キョン「はあ?」
ハルヒ「お願い!」
こいつは機関の援助でシングルマザーとして実家で子育てをしてるんじゃなかったのか?
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:08:49.18 ID:2UL3n/Lt0
キョン「家出か?」
ハルヒ「……」
キョン「お前が決めたことだろ。逃げるのか」
ハルヒ「違うわよ!うちの糞親がうるさいから出てきてやったのよ!」
ハルヒ「なによ、娘の妊娠を祝えないなんて、とんだあほだわ」
ハルヒ「いつまでもグチグチグチ……せっかく古泉くんから援助もしてもらえてるのに、気分悪いわ」
気分が悪いのはこっちだった
ハルヒ、お前の神様パワーをもってしても人の気持ちは変えられないんだな
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:12:06.87 ID:2UL3n/Lt0
キョン「お前の親御さんがかわいそうだよ」
ハルヒ「はあ?」
キョン「相手が誰かもわからない子どもを妊娠した娘を見て、喜ぶ親がどこにいる」
ハルヒ「そんなの腐るほどいるわよ。うちの親がそういう物分りのいい親じゃなかったからむかついてるのよ」
キョン「……」
キョン「もういい、帰れよ」
ハルヒ「!な、なんでよ」
キョン「そんなこともわからないほど、お前には常識がないのか」
ハルヒ「わけわかんない」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:15:26.24 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「!わかった、あんたまだ童貞なんでしょ」
ハルヒ「ははーん、そうかそうか」
キョン「何が言いたい」
ハルヒ「恥ずかしがらなくてもいいわよ。そうね、あたしはべつに童貞でも気にしないし」
キョン「だらか何なんだ!」
ハルヒ「泊めてくれたら、エッチさせてあげるって言ってるの」
キョン「なんだと?」
ハルヒ「ね?ギブアンドテイクでいきましょうよ。べつにあんたにテクを求めてないし」
ハルヒ「仰向けに寝てるだけで、気持ちよくしてあげるわよ」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:21:43.93 ID:2UL3n/Lt0
キョン「それだけか?」
ハルヒ「なに?じゃあ生でもいいわよ。ピル飲んでるから妊娠の心配はないし」
キョン「話はそれだけかと言ってるんだ」
ハルヒ「え?」
キョン「お前のことは色々噂で聞いてるよ。ピル飲んでるのもそういうことして小遣い稼ぎしてるからだろ?」
ハルヒ「……」
キョン「出てけよ」
ハルヒ「……はあ、なによ、あんたマジでインポなの?今までの中で最低の男だわ」
キョン「なに?」
ハルヒ「あんた以外にも行くアテくらいあるってこと。あたしの身体で興奮しないなんて男として失格よ」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:26:43.76 ID:2UL3n/Lt0
キョン「お前は男を弄んで優越感に浸るしかないのか」
ハルヒ「べつに?単なる事実よ。ナンパしてくる奴なんて数知れずだし」
ハルヒ「倫理観振りかざすバカも結構いたけど、そんな奴でも強引にホテル誘えば犬みたいに一生懸命腰ふってたわ」
キョン「俺をそんな奴らと一緒にするな」
ハルヒ「なに?エッチがそんなにいけないこと?性欲持ってないほうが気持ち悪いわよ」
キョン「誰とでも寝る女なんて、猿と一緒だ」
ハルヒ「あっそ。じゃあ一人で空しくしこってればいいじゃない」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:33:03.84 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「相手がいないからって僻んでるんじゃないわよ」
キョン「……っ!相手くらいいる」
ハルヒ「ふーん、よかったわね」
キョン「……朝比奈さんが隣にいるんだよ」
キョン「肉体関係なんてないけど、朝比奈さんとは心で繋がってる」
ハルヒ「ああ、どうしようもないあほ童貞ね。みくるちゃんがあんたと一緒なわけないでしょ」
キョン「なにがだ。朝比奈さんも俺も一度だってそういう」
ハルヒ「みくるちゃんが言ったの?あんたみたいに性欲ないから、いつまでも友だちごっこしてようって」
キョン「てめえ!朝比奈さんを侮辱すんのか!」
俺はハルヒに掴みかかろうとするが、胸に抱かれた子どもが目に入ったので手を引く
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:37:28.49 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「侮辱してんのはどっちよ。みくるちゃんは聖人じゃないわよ」
ハルヒ「知ってた?あたしに無理矢理メイド服着せられてるとき、あの子濡れてたのよ」
ハルヒ「信じられない変態だわ。あんな淫乱な子が、今まで男を知らずに生きてきたと思う?」
キョン「それだけで決め付けるなよ」
ハルヒ「あたしだってそれなりに根拠があって言ってるの」
ハルヒ「ま、信じないのは勝手だけど」
そう言ってハルヒは去っていった
次の日、ハルヒと付き合い始めたという電話が、谷口からかかってきた
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:42:03.25 ID:2UL3n/Lt0
呼び鈴が鳴った
おかしい、デリヘル以外で俺の部屋の呼び鈴が鳴るはずがない
谷口「どちらさんで?」
ハルヒ「ひさしぶりね」
谷口「す、涼宮!?」
子どもを抱きかかえた涼宮がいた
妊娠して高校を中退したとき半信半疑だった俺も、目の前の子どもを見せ付けられた信じるかしない
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:44:42.22 ID:2UL3n/Lt0
谷口「なんつーか、その」
ハルヒ「ん?」
谷口「綺麗になったよ、お前。いや、昔から美人だったけどさ、化粧してるし」
ハルヒ「ありがと」
おっぱい
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:50:44.66 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「で、さ、ちょっとお願いがあるんだけど」
谷口「ん?」
ハルヒ「しばらく泊まってっていいかしら?」
谷口「な、なに?」
ハルヒ「あんた一人暮らしなんでしょ?」
谷口「ま、まあな。でも、大学もあるし、その」
ハルヒ「ふふ、わかってるわよ、泊めてもらうかわりにあたしを好きにしていいよ」
谷口「ま、マジで!?」
ハルヒ「その代わりこの子が寝ているときだけね」
おっぱい!
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:54:02.55 ID:2UL3n/Lt0
谷口「ってことが昨日あってな」
キョン「……そうか」
谷口「まあ子持ちってのがちょっとアレだが、それ差し引いても涼宮の身体は魅力だ」
谷口「さっそく昨日……うひひ」
キョン「谷口」
谷口「あん?」
キョン「もう俺に話しかけないでくれ」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 17:59:47.25 ID:2UL3n/Lt0
谷口「なんだそれ」
キョン「できればこの大学も辞めてもらいたいところだがな」
谷口「……なるほど、お前俺が涼宮と付き合い始めたから嫉妬してるんだな」
谷口「なんだかんだでお前、涼宮のことが」
俺は谷口と思いっきり殴った
谷口は頭から地面に倒れこみ、意識を失った
キョン「あんな糞女と付き合ってるお前も糞なんだよ」
おっぱい…
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:05:34.81 ID:2UL3n/Lt0
電話で聞いたときは谷口よりもハルヒに腹が立った
しかし、いざ大学で谷口と会い、話を聞くと谷口にも腹が立ってきた
キョン「ちくしょう」
俺は朝比奈さんを待った
昨日珍しく部屋に来なかった朝比奈さんは律儀にも俺に断りのメールをいれてきてくれた
『ごめんなさい、会社の飲み会で今日はいけそうにありません』
飲み会ならしかたない
会社でも付き合いも大事だしな
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:15:42.86 ID:2UL3n/Lt0
みくる「遅くなってすみません」
キョン「いえ、昨日はお疲れ様でした」
みくる「急に飲みに行くことになっちゃって……」
キョン「会社の付き合いならしかたないですよ」
みくる「今日は昨日行った飲み屋の焼き鳥なんですよ。すごく美味しかったから、お土産で買ってきたんです」
キョン「わざわざすみません」
みくる「今温めますから」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:39:51.36 ID:2UL3n/Lt0
昨日、ハルヒ言われたことをふと思い出す
ハルヒ『みくるちゃんが言ったの?あんたみたいに性欲ないから、いつまでも友だちごっこしてようって』
朝比奈さんに限ってそんなことはない
俺の部屋に来て、なにも起きてないのが証拠だ
しかし……
キョン「あ、朝比奈さん」
みくる「ん?なんですか?」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:47:41.72 ID:2UL3n/Lt0
キョン「朝比奈さんは、俺と一緒にいて変な気持ちになったりしないんですか?」
みくる「変な気持ち?」
キョン「その、俺のことを男として意識するというか」
みくる「……どういう意味?」
キョン「いや、だから俺のこと、朝比奈さんはどう思ってるのかなって」
初めてだ、こんなことを聞くのは
今まであえて口に出さなかったが、朝比奈さんとは信頼関係で結ばれてると信じていたから
でもハルヒの言葉によって、俺は朝比奈さんの口から確認したかった
みくる「キョンくんは弟みたいなものですから」
みくる「そうだなぁ、キョンくんが先に結婚しちゃったら、あたしもここにこれないかな」
うそだ
みくる「あたしも昨日飲み会で、前からいいなって思ってた人といろいろお話できたんです」
みくる「あたしのほうがキョンくん離れしないといけないかなって思ったら、やっぱりあたしが先に結婚するしか」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:50:01.37 ID:2UL3n/Lt0
そのあと、俺は朝比奈さんになにを言ったか覚えていない
気が付くと、服を引きちぎられ半裸の朝比奈さんが、涙を流しながら俺を睨んでいた
みくる「ひどいよ……」
キョン「……」
みくる「キョンくんのこと、信じてたのに……」
俺も信じてた
でも裏切られたんだ
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 18:52:49.70 ID:2UL3n/Lt0
幸い、挿入には至らなかった
ハルヒ妊娠のトラウマか、挿入しようとした瞬間に俺のペ○スは元気を失った
くそ、忌々しい
俺は未だにハルヒに縛られてる
みくる「もう来ません、さようなら」
隣室はしばらくして空室になった
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 19:00:25.64 ID:2UL3n/Lt0
谷口「おい!涼宮どこ行くんだよ!!」
ハルヒ「は?あたしがどこ行こうとあたしの勝手でしょ」
谷口「あのなぁ、部屋に住まわせてもらってる分際で」
ハルヒ「うるさいわねぇ、べつにあたしはあんたの彼女でもなんでもないし、つべこべ言われる筋合いないわ」
谷口「なんだと!!」
ハルヒ「じゃあね」
谷口「ちくしょう!キョンには殴られるわ、涼宮は勝手なことばかりするわでむかつくぜ!」
「お母さん……どこ?」
谷口「ちっ、起きたのか」
「お母さん……うええええん!!おかああああさあああああん!!!!!」
谷口「うるせえんだよ、この……!!」
クソガキ
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 19:06:50.07 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「ただいま……谷口、あんたなにしてんのよ」
谷口「お前のガキがうるさいからよ、ちょっとおしおきしてたんだ」
「ぐすん……ぐすん……」
ハルヒ「そ。それよりあたしおなかすいたわ」
谷口「なんだよ、ガキを殴ったことには何も言わないのかよ」
ハルヒ「べつに。うるさかった殴るのは当たり前でしょ。あたしの教育方針だし」
谷口「へへへ、道理であちこちにアザがあったわけだ」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 19:14:32.18 ID:2UL3n/Lt0
谷口「カップ麺でいいだろ?」
ハルヒ「貧乏くさっ。まあいいわよなんでも」
谷口「そいつにも?」
ハルヒ「んー、今日は食べないかも」
谷口「なんで?」
ハルヒ「叩くとね、泣き疲れてなにもしなくなっちゃうのよ。この前無理矢理食べさせようとしたら吐き出して、大変だったわ」
谷口「うえ、気持ち悪いな。じゃあほっとけばいいか」
ハルヒ「どうせもうすぐ寝ちゃうわよ」
「ぐすん……おかあさん……」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 19:18:48.28 ID:2UL3n/Lt0
谷口「つか、お前のガキ名前なんていうの?」
ハルヒ「名前?一応ハルナって名前だけど」
谷口「へえ、案外まともな名前じゃん」
ハルヒ「テキトーよテキトーよ。あたしのなんだからわかりやすい名前がいいでしょ」
谷口「へへ、お前に似て美人に育つだろうな」
ハルヒ「……」
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:06:45.40 ID:2UL3n/Lt0
谷口「いまさらだけど、父親は?」
ハルヒ「誰だと思う?」
谷口「どうせ俺の知らない奴だろ」
ハルヒ「さあね」
谷口「もったいぶらずに教えろよ」
ハルヒ「どうでもいいじゃない、そんなこと」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:10:30.04 ID:2UL3n/Lt0
ハルナ「うう……おかあさん」
ハルヒ「あんた、まだ起きてたの?」
ハルナ「おなかすいた」
谷口「どうするよ」
ハルヒ「知らないわよ、泣き虫な子はあたし嫌いだから」ずるずる
谷口「って、娘の前でてめえだけラーメンすすりやがって」ずるずる
ハルヒ「あんたもね」ずるずる
ハルナ「……」ぐううう
ハルヒ「あんたおならした?」
ハルナ「ち、ちがうよっ」
ハルヒ「食事中におならしないでよ!」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:22:05.28 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「この……!!この……!!」
ハルナ「いたい……!!おかあさんいたいよ!!」
ハルヒ「お仕置きなんだから当たり前でしょ!!」
ハルヒ「そんなにおなか減ってるなら、あげるわよ」
そういって涼宮は食べかけのカップ麺を娘の頭に……
ハルナ「ぎゃあああああ!!!あつい!!!あついよ!!!!!」
ハルヒ「ふん、粗末にしないで全部食べなさいよ」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:30:09.72 ID:2UL3n/Lt0
古泉「今日の報告です」
森「……相変わらずひどいわね」
古泉「涼宮さんの行動記録ですか?」
森「そうじゃない、子供が虐待されてるのに見て見ぬふりをしているわたしたちがよ」
古泉「とはいえ、涼宮さんの子育てに我々が口出しすることはできません」
古泉「神が神の子を育てるのに、常人の育成方法はむしろ害にしかならないかもしれない」
森「……虐待が子育て?どんな神よそれ」
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:32:48.18 ID:2UL3n/Lt0
古泉「涼宮さんなりの愛情表現ですよ」
森「あれが愛情表現?古泉はなんとも思わないわけ?」
古泉「殺さないだけマシです」
森「……あなたもどうかしてるわ」
古泉「そうですね、神に近づきすぎて僕は狂ったのかもしれない」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:46:55.54 ID:2UL3n/Lt0
とある公園
古泉(最初は嫌悪感がありましたよ。でもいつの間にかそんなことで僕は動揺しなくなってしまった)
古泉(涼宮さんに僕の感情の一部を壊されたようですね)
キョン「……」ふらふら
古泉「……あなたは」
キョン「古泉」
キョン「このあたりに住んでるって言ってたのを思い出してな」
キョン「お前らしき人影が見えたんでもしかしてと思って」
古泉「そうですか」
284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:49:07.06 ID:2UL3n/Lt0
キョン「朝比奈さんはどっかにいなくなった」
古泉「そうですか」
キョン「ま、俺の身から出た錆、自業自得なんだが」
古泉「そうですか」
キョン「でも、ハルヒのせいじゃないかとも思うんだ」
古泉「そうですか」
キョン「お前は知ってたんだろ、ハルヒが俺のところにきたこと」
288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 20:51:19.89 ID:2UL3n/Lt0
古泉「それはそうです。シングルマザーとなった彼女の動向はすべて機関が把握していますからね」
キョン「黙ってみていたわけだ」
古泉「ええ」
キョン「俺があいつに危害を加えようとしてると言ったら」
古泉「全力で阻止しますね。今までも彼女が望まない交際を迫った男性には消えてもらっています」
キョン「そうか」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:31:19.86 ID:2UL3n/Lt0
キョン「だったら思う存分妨害してくれ。俺はハルヒを殴る」
古泉「そんなこと、あなたにできるんですか?」
キョン「全力でとめてみろよ」
古泉「わかりました」
古泉「どうなっても知りませんよ」
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:34:47.11 ID:2UL3n/Lt0
谷口の部屋
谷口「なあ、涼宮」
ハルヒ「んー?」
谷口「いつまでここにいる気だ?」
ハルヒ「あたしが飽きるまで」
谷口「なんだそりゃ。まあお前はいつまでいてもらっていいんだけどよ」
ハルヒ「あー、ハルナのこと?あたしだってあんなの連れてきたくなかったわよ」
ハルヒ「たださぁ、一応あたしが親だから、他人に育てて欲しくないわけよ」
谷口「なるほど」
ハルヒ「ま、あたしの両親はハルナのこと快く思ってないし、あたしが育てるしかないんだけど」
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:37:00.96 ID:2UL3n/Lt0
ハルナ「さむいよ……」がたがた
谷口「ちっ、うるせえな。布団一組しかないんだからしかたないだろ」
ハルナ「おかあさんたち……はだか……さむくない?」
ハルヒ「あたしたちは平気だから。早く寝なさい」
ハルナ「……うん」がたがた
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:42:54.98 ID:2UL3n/Lt0
谷口(ガキが気になって勃つもんも勃たないな)
俺は灰皿を枕元に引き寄せた
ハルヒ「あ、タバコ?あたしにもちょうだい」
谷口「マイセンだけどいいか?」
ハルヒ「ありがと」
二人してタバコを吸う
するとガキが咳き込みだして、余計にイライラが募る
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:46:49.57 ID:2UL3n/Lt0
谷口「……なあ、お仕置きしていいか?」
ハルヒ「……まあいいけど」
ハルヒ「顔とか手とかはやめてよ。最近ちょっと傷があるだけで虐待と勘違いされるから」
谷口「ああ」
俺はガキの服をめくり、腹にタバコをおしつけた
ハルナ「!!」
ハルナ「ぴぎゃあああああああああああ!!!!!!!」
谷口「うるっせえ!!」
腹を殴って、呼吸を止める
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:52:23.46 ID:2UL3n/Lt0
ハルナ「うう……おええええええええ」
ガキは口からまだ消化されてないラーメンを吐き出した
谷口「うわ、きたねえ。せっかく涼宮に食わせてもらったもん吐くんじゃねえよ」
ハルナ「ごほっごほっ、ご、ごめんな」
谷口「くそが!!」
腹を中心に蹴りをかます
ガキの身体は驚くほど軽く、後ろに吹っ飛んだかと思うと頭を打ってそのまま動かなくなった
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 21:59:49.37 ID:2UL3n/Lt0
谷口「やべ」
俺は慌ててガキに駆け寄る
ハルヒ「ちょっと、勘弁してよ」
さすがの涼宮も慌てた様子でガキの顔をのぞく
ハルヒ「……よかった、生きてるわよ」
谷口「し、心臓に悪いな」
ハルヒ「もう、死んでたら処分が面倒でしょ。古泉くんからお金も貰えなくなるかもしれないし」
谷口「なんだよ、お前古泉に貢いでもらってるのか」
ハルヒ「むこうが勝手にくれるんだもの」
谷口「見返りもなしに?」
ハルヒ「一応この子の養育費だって。まあ服とか買ってたらハルナの分なんて残らないけどね」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:16:37.80 ID:2UL3n/Lt0
翌日、セックスの疲れから俺と涼宮が目を覚ましたのは昼過ぎだった
そのときにはすでに、ガキの姿は部屋になかった
・
・
・
ハルナ(おかあさんもおじさんも、はるなのこときらいなんだ)とぼとぼ
ハルナ(もうおかあさんにきらわれたないよ……)とぼとぼ
キョン「ん?なんだあの子?」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:18:12.80 ID:2UL3n/Lt0
キョン「!!?まさか、ハルヒが俺の部屋にきたとき抱いてた……」
ハルナ「あ……」
キョン「や、やあ」
ハルナ「あ、あの……」びくびく
キョン(そうか、俺の部屋にきたときは寝てたんだっけ。俺のことなんか知らないよな)
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:22:11.37 ID:2UL3n/Lt0
キョン「あー、ごほん。ハルヒ……お母さんは一緒じゃないのかな」
ハルナ「おかあさんのことしってるの?」
キョン「ま、まあな」
ハルナ「はるな、おかあさんにきらわれてるの。だから……」
キョン「おいおい、いくらハルヒでも自分の子どもを嫌うなんて」
キョン(いや待てよ。あいつのあの態度を見ればそうとも言い切れないな)
キョン(でも、あいつは子育てに興味があって子どもを作ったって長門が)
ハルナ「はるな、もういくね」
キョン「ちょ、ちょっと待った」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:25:24.90 ID:2UL3n/Lt0
回想
キョン「古泉、本当にハルヒの願望なんだろうな」
古泉「僕の言葉が信じられないなら、長門さんに確認をすればいいじゃないですか」
キョン「長門、どうなんだ」
長門「古泉一樹の言う通り」
長門「情報統合思念体は、涼宮ハルヒの繁殖行動について、新たな進化の可能性を強く期待している」
古泉「第二の神の誕生というわけです」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:29:12.60 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒの能力を受け継いだ存在あると、長門や古泉は言っていた
だからこのハルヒの子ども……ハルナちゃんだっけか
ハルナちゃんにも願望実現能力あるんじゃないのか
それなのに……
ハルナ「……」
キョン「どうしたんだ?」
ハルナ「おなか……いたい」
涙を流して苦痛の表情を浮かべるハルナちゃん
失礼だとは思ったが、服をめくってみると、腹部が赤黒く変色していた
キョン「ひ、ひでえ」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:36:23.37 ID:2UL3n/Lt0
その日、俺はハルヒをぶん殴るつもりで谷口のアパートを目指していたのだが、
偶然家出(?)をしていたハルナちゃんを病院に連れて行き、
おそらく機関の差し金であろうスタッフに治療されている様子を俺は夕方まで眺めていた
あらかた治療が終わった頃、にやけ顔の古泉が現れる
古泉「あなたが病院に連れてきたんですか」
キョン「ふん、やっぱり機関と関係のある病院か」
古泉「いろいろ厄介ですからね、彼女の体を普通に病院で見せるのは」
キョン「虐待のことを知っていて……!」
古泉「どうせ我々が動いたところで、涼宮さんの能力によって虐待の事実はうまく隠蔽されてしまいますよ」
キョン「だからと言ってなあ!!」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:42:47.73 ID:2UL3n/Lt0
古泉「とりあえず涼宮さんには連絡しておきました」
古泉「まあほとんど気にしてなかったみたいですが……さすがに心が広い方だ」
キョン「心が広いんじゃねえ、壊れてんだよ」
古泉「そうとも言いますか」
キョン「とにかく、ハルヒにあの子は渡せない」
古泉「なぜですか?母親のもとで暮らすのが一番ではないですか」
キョン「いつか殺されてしまう!」
古泉「それが涼宮さんの望んだ結果であれば、甘んじて受け止めるしかありませんね」
古泉の顔に拳をぶちこもうとする
しかし、俺の拳をいとも簡単に古泉は掌で受け止めた
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:53:54.24 ID:2UL3n/Lt0
キョン「てめえ……!」
古泉「あまり僕を困らせないでください」
みしっと俺の拳の骨がきしむ
キョン「ぐっ……」
古泉「あなたの暴力は所詮常人レベルです」
古泉「神から授かった力を持つ僕と同等だと思わないことです」
キョン「ハルナちゃんは……神じゃない」
古泉「ええ、もちろん神とは涼宮さんのことです」
古泉「ハルナさんのほうは、まだ能力が開眼していない状態ですよ」
キョン「だったら、解放してやれ!」
古泉「あなたもわからない人だ。涼宮さんがハルナさんを望んでいる以上、その要求は聞き届けられません」
キョン「なにが望んでいるだ!虐待されるためにハルナちゃんは生まれてきたって言うのかよ!」
386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 22:59:33.87 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「ちょっと、なにしてんのよ」
キョン「ハルヒ……」
ハルヒ「ハルナはどこ?」
古泉「こちらです。もう治療は終わってますよ」
ハルヒ「ふん。ちょっと殴られたりしたくらいで大げさなのよ」
キョン「……なんだと?」
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:02:28.35 ID:2UL3n/Lt0
キョン「もう一度言ってみろ」
ハルヒ「はあ?なに怒ってんのよ?」
キョン「お前!!ハルナちゃんがどんな気持ちでいたか!!」
ハルヒ「うるっさいわねぇ。あんたには関係ないでしょ。家族の問題よ」
キョン「家族ならもっと大切にしろよ!!」
ハルヒ「うざい。なにそれ、現実はそんな甘くないのよ」
なにを言っても通じない
言葉は通じてるのに意思疎通ができない恐怖を俺はこのとき知った
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:08:25.57 ID:2UL3n/Lt0
そんなときだった
俺の前に救世主が現れたのは
長門「遅れた」
ハルヒ「?有希じゃない。どうしたのよいったい」
長門「涼宮ハルヒの娘が病院に運ばれたと聞いた」
キョン「長門……」
長門「しばらく涼宮ハルナはわたしが預かる」
ハルヒ「は?なに勝手に決めてんのよ」
長門「それが得策」
ハルヒ「母親のあたしに断りもなく、そんなこと許されないわ!」
長門「あなたは」
長門「母親でもない。人間でもない」
長門「人の形をした、なにか」
長門よ、それはお前のことじゃないかい
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:13:22.65 ID:2UL3n/Lt0
長門「涼宮ハルナは預かっていく」
ハルヒ「ちょっと待ちなさいよ!それって誘拐よ!!」
長門「……」
ハルヒ「警察に通報してやる!!」
長門「そうすると虐待の事実まで浮かび上がる」
ハルヒ「!?」
長門「……」すたすた
長門「あなたが、涼宮ハルナ」
ハルナ「おねえちゃん、だれ?」
長門「長門有希」
ハルヒ「〜〜!!」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:15:24.22 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒ「ハルナ!!こっちにいらっしゃい」
ハルナ「お、おかあさん……」
ハルヒ「早くきなさい!!ひっぱたくわよ!!」
ハルナ「ひっ……」
長門「あなたは言葉でも彼女を傷つけている」
ハルヒ「うるさい!!これも躾なのよ!!」
長門(やはり、新たな進化の可能性はなくなっていた……)
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:20:18.70 ID:2UL3n/Lt0
長門「わたしと、くる?」
ハルナ「え、えっと」
ハルヒ「ハルナ!!」
ハルナ「おかあさん……ごめんなさい」
ハルヒ「ハルナ……!?」
ハルナちゃんは長門の後ろに隠れるようにしがみついた
それを見たハルヒはもちろん癇癪を起こす
ハルヒ「あんた!!あたしに育ててもらった恩を忘れたの!!?」
ハルナ「……」
ハルヒ「ああ、そう!!あんたなんかもう知らないわ!!勝手に有希と親子ごっこでもしてるがいいわ!!」
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:23:50.51 ID:2UL3n/Lt0
ハルヒが去ったあと、古泉もいつの間にかいなくなっていた
おそらく閉鎖空間が発生したのだろう、神人狩りは相変わらずのようだ
キョン「これからどうするんだ?」
長門「……わたしが育てる」
キョン「一人でか?」
長門「……わからない、どうやって接するべき?」
ハルナ「…………」
キョン「なあ、俺も一緒にハルナちゃんといていいか?」
長門「……」
キョン「このまま全部長門に任せるのは、ちょっとな」
長門「……そう」
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:29:11.98 ID:2UL3n/Lt0
数ヵ月後
俺は長門のマンションでハルナちゃんの面倒を見ながら大学に通っていた
前に済んでたアパートには、いやな思い出ができてしまったし、ちょうどよかったのかもな
昼は大学に行き夜は長門と二人でハルナちゃんの相手をする生活はわりと楽しい
なによりどんどん元気になっていくハルナちゃんを見るのは俺の最近の楽しみである
子どもを持った親の気持ちってのはこんな感じなのかな
なぜハルヒはこんなに気持ちになれなかったのだろうか
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:31:35.17 ID:2UL3n/Lt0
ハルナ「キョン、早く起きてぇ!!」
キョン「今日は大学休みなんだ……寝かせてくれ」
ハルナ「だめ!!ハルナと今日はお出かけするの!!」
やれやれ、なついてくれたのは嬉しいが、活発すぎて俺の手には負えないぜ
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:36:34.94 ID:2UL3n/Lt0
俺と長門とハルナちゃんは公園にきていた
親子連れが多い中、俺たちは周りからどう見えてるんだろうな
キョン「長門、売店でなんか買ってくるぞ」
長門「わかった」
ハルナ「あたしアイス」
キョン「アイスか、一個だけだぞ。家に帰ってからはもう食べられないけどいいか?」
ハルナ「うん!!」
キョン「何味がいい?」
ハルナ「うーんとね、うーんとね」
464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:39:40.32 ID:2UL3n/Lt0
ハルナが所望したのはチョコアイスだった
長門のマンションにきたばかりの頃は自分から欲しがることをしない子だったが、
最近では欲しいものは欲しいとはっきり言うようになった
まああまりわがままになっても困るので、そのへんはきちんと躾けてるつもりだ
まだ結婚もしてないのに、俺はもう父親になったようだった
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/22(火) 23:41:26.79 ID:2UL3n/Lt0
キョン(結婚、か)
最近よく考えることがある
このまま長門と結婚して、ハルナを正式に婿養子とすることを
長門の力があればうまくいくだろうし、ハルヒはハルヒでもうハルナちゃんに未練はないだろう
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:06:32.39 ID:A8t2BPuV0
キョン(なんてな、長門やハルナちゃんの気持ちも確かめずに、こんなこと考えるなんて)
あのときと一緒だ
勝手に朝比奈さんと両想いだと勘違いして、俺はばかなことしてしまったんだ
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:35:59.96 ID:A8t2BPuV0
キョン「よし、アイスも買ったし、はやく二人のところへ……」
みくる「キョンくん」
キョン「え?」
みくる「久しぶり」
朝比奈さん……?
いや、この雰囲気は
579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:48:23.11 ID:A8t2BPuV0
みくる「キョンくん、涼宮さんの子ども引き取ったんだ」
キョン「え、ええ、長門と……一緒に」
みくる「ふーん」
みくる「それで、長門さんと結婚して養子にでもしよう思ってるわけなんですか?」
キョン「え!?」
みくる「うふふ、図星?」
みくる「やっぱりキョンくんって身勝手だよね、相手の気持ちも確認してないんでしょう?」
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:51:11.12 ID:A8t2BPuV0
みくる「あたしを襲ったときもそう……勝手に誤解して、勝手に怒ってたんだよね?」
キョン「お、俺は、朝比奈さんのことが……」
みくる「……優しくしたからって、誰もが恋愛感情を持ってるわけがないでしょう?」
みくる「あたしは、SOS団を辞めたキョンくんがかわいそうだったから、わざわざ隣に住んでご飯を持っていってあげてたんです」
キョン「……はは、かわいそうか」
キョン「そうですか、朝比奈さんは俺を哀れんでくれてただけなんですね」
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:55:19.67 ID:A8t2BPuV0
キョン「本当にすみませんでした」
みくる「……」
キョン「朝比奈さんの好意を無駄にしてしまいました」
みくる「……」
キョン「では、これで」
みくる「待ってください」
キョン「……まだなにか?」
俺は朝比奈さんに申し訳なく思うと同時にいらついていた
なんで今頃になって俺の前に現れたんだと
そして哀れんでもらうほど俺は惨めだったのかと
602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 00:59:35.96 ID:A8t2BPuV0
みくる「涼宮さんがこのまま大人しくしてると思いますか?」
キョン「思うもなにも、実際なにもしてこないですから」
みくる「今はなにもしてこなくても、ふとしたきっかけで今の生活が壊れることもありえます」
みくる「ハルナちゃんと一緒にいたら、キョンくんまで不幸になります」
キョン「やめてください、ハルナが不幸だって言うんですか!」
みくる「だって、涼宮さんの子どもですよ?どうせ将来はわがままでどうしようもない子になるに決まってます」
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:08:37.98 ID:A8t2BPuV0
続きは明日の朝ね
おやすみ
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:41:48.70 ID:A8t2BPuV0
キョン「ていくら朝比奈さんでも……怒りますよ」
みくる「怒ったらどうするの?また前みたいに乱暴するんですか?」
キョン「……」
みくる「……いいですよ」
キョン「え?」
みくる「あたしを抱いてください」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:44:05.02 ID:A8t2BPuV0
キョン「なにを言ってるんですか」
みくる「キョンくんがこういうことを軽い気持ちでやるとは思ってません」
みくる「あたしと結婚を前提にお付き合いしてもらうのが条件です」
キョン「なんで……」
みくる「……寂しいんです。会社の同僚の女の子たちは次々と寿退社していくし」
みくる「あたしはこの時代の人間じゃないから」
664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:47:34.54 ID:A8t2BPuV0
朝比奈さんの気持ちもわからんでもない
しかしこのタイミングで俺に近づいてきたことに裏があると考えてしまうのは俺が特別疑り深いというわけではないだろう
みくる「キョンくん、だめですか?」
しかし朝比奈さんの潤んだ瞳を見ると俺の気持ちは揺れてしまう
俺を許してくれるどころか、諦めていた俺の願望をかなえてくれると言っている朝比奈さん
朝比奈さんと結婚することは、とても魅力的に思えた
669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:50:15.03 ID:A8t2BPuV0
キョン「すみません、朝比奈さん」
みくる「え?」
キョン「やっぱりハルナを見捨てることはできません」
キョン「養子とかそういうんじゃなくて、落ち着く状況になるまで責任を持ちたいんです」
みくる「ふーん……そうなんだ」
みくる「わかりました、じゃあ長門さんのお幸せに」
キョン「いや、だから長門とはまだ」
みくる「ううん、お幸せに」
みくる「たぶん、もうすぐ幸せも終わりますけど」くすっ
679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:54:47.78 ID:A8t2BPuV0
長門「どうしたの?」
キョン「いや、なんでもない」
ハルナ「キョンー、はやくアイスー」
キョン「あ、ああ」
無邪気にアイスを食べるハルナ
そして俺に視線を向ける長門
キョン「ん?どうした?」
長門「朝比奈みくるとなにがあったの?」
キョン「あ、見てたのか?」
長門「なにがあった?」
キョン「な、長門?」
長門「答えて」
685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:57:28.81 ID:A8t2BPuV0
キョン「べつに……」
長門「……朝比奈みくるに誘われていた」
キョン「お、おい」
長門「あなたは朝比奈みくるとの性行為を望んでいる」
キョン「ば、ばか」
ハルナ「せいこーい?」
長門「……」
キョン「長門、どうしちまったんだ」
長門「……わからない」
686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 01:59:43.92 ID:A8t2BPuV0
翌日
キョン「さて、今日は朝から授業だな」
長門「……」
キョン「お、おはよう、長門」
長門「いってはだめ」
キョン「なにが?」
長門「今日は一日中部屋に居て」
キョン「おいおい、俺にサボれっていうのか?」
長門「部屋に居て」
キョン「長門?」
長門「居て」
キョン「……わ、わかったよ」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:03:10.01 ID:A8t2BPuV0
ハルナ「はるなは?」
長門「あなたは部屋から出て行くべき」
ハルナ「じゃあ、公園行ってていい?」
長門「いい」
ハルナ「わーい」
キョン「お、おい、どういうことだよ」
長門「あなたは……わたしと結ばれる」
キョン「な、なんだって」
長門「もう涼宮ハルナは必要ない、本当のわたしとあなたの子を作る」
700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:12:19.49 ID:A8t2BPuV0
夜
ハルナ「もうまっくらだ」
ハルナ「ゆきおねえちゃん、キョン、帰ったよ!」
ハルナ「……あれ?」
701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:13:38.06 ID:A8t2BPuV0
ハルナ「おかしいな……」
ハルナ「はるなの帰るへやがないよ?」
ハルナ「……うう」
ハルヒ「あら、ハルナじゃない」
ハルナ「!!」
705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:15:37.38 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「久しぶりねぇ」
古泉「これはこれは、こんなところでなにをしてるんですか?」
ハルナ「あ……あ……」
ハルヒ「わかった、キョンたちに追い出されたのね」
ハルナ「おい……だされた?」
ハルヒ「だって入れてもらえないんでしょ?」
ハルナ「ち、ちがう……!!」
ハルヒ「はいはい、いいからお母さんと行きましょう?」
ハルナ「や、やだああ!!!」
707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:18:08.75 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「ほら、ハルナ。お父さんよ」
古泉「どうも」
ハルヒ「うふふ、ハルナはお父さん欲しがってたもんね」
ハルナ「や、やだ」
ハルヒ「は?なにがいやなのよ」
ハルナ「は、はるなは、キョンがいい……キョンがお父さんがいい……」
古泉「おやおや」
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:25:05.54 ID:A8t2BPuV0
長門「見て、産まれた」
キョン「……」
長門「わたしとあなたの子ども」
キョン「……」
長門「かわいい」
長門は奇妙な肉片を抱きながら、うつろな目で微笑みかけていた
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:31:05.87 ID:A8t2BPuV0
エピローグ
古泉「あなたは神の子でもなんでもなかったんですよ」
ハルナ「……」
古泉「長門さんの自律進化の可能性は途絶え、朝比奈さんのいた時代も破壊された」
古泉「すべてあなたのせいですよ」
ハルナ「な、なにいってるのかわかんない……」
古泉「あなたが産まれなければ、僕もおかしくならずにすんだのです」
ハルナ「……」
古泉「やはり失敗作のようですね、僕と涼宮さんの子どもでは」
おわり☆
735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 02:38:16.93 ID:A8t2BPuV0
第二部書くから
ひとまず区切りつけただけ
べつに眠くないけど、じっくり書くにはちょっと時間かかるからまた明日
813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 13:11:57.39 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「なんですって?」
古泉「セックスに興味はないかと申し上げたんです」
ハルヒ「……古泉くんがそんなこと言う人だとは思わなかったわ」
それはそうだ
今から僕は、涼宮さんの中の古泉一樹像を壊そうとしている
814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 13:17:04.35 ID:A8t2BPuV0
古泉「では言い方を変えましょうか。セックスの結果について、興味はありませんか」
ハルヒ「結果って……赤ちゃん?」
古泉「その通りです」
ハルヒ「べつに、考えたこともないわ」
ハルヒ「子どもはべつに嫌いじゃないけど」
817 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 13:19:09.21 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「……古泉くん、今度そんなこと言い出したらSOS団から除名するから」
古泉「気を悪くしたのならすみませんでした」
しかし、その日から僕は次々に涼宮さんの意に反した行動をするようになった
もちろん、彼には気付かれないところで
818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 13:20:57.46 ID:A8t2BPuV0
古泉「涼宮さん、今度二人でデートでもしませんか?」
ハルヒ「なんであたしが古泉くんとデートなんか……」
古泉「いいじゃないですか」
僕は馴れ馴れしく手を握る
ハルヒ「!!ちょっと、やめてよ!!」
820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 13:29:11.03 ID:A8t2BPuV0
それから露骨に僕は涼宮さんと男女の関係を求めている行動を起こした
もちろん閉鎖空間は発生する
しかし涼宮さんの中で現実に対する認識の変化が確実に見られてきた
ハルヒ(最近、古泉くんがべたべたしてきたせいよ……みょうに身体が疼くわ)
830 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 14:57:39.53 ID:A8t2BPuV0
彼女の行動はすべて筒抜けだった
出会い系に登録したことも、街中でナンパされて付いて行っていることも、
すべて知っていた
古泉「そろそろですね」
僕は涼宮さんが男遊びになれてきたときを見計らってレイプした
すっかり悲劇のヒロインになりきった涼宮さんは世界にどのような影響を与えるのだろうか
機関はただそれが知りたかった
先の見えないご機嫌取りでは我々超能力者は一生解放されないと思ったからだ
832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:00:33.19 ID:A8t2BPuV0
もしかしたら僕の存在をなかったことにするかもしれない
正直それでもよかった
僕はいい加減神人を狩ることも、SOS団で涼宮さん好みのキャラを演じることにも疲れていたから
消えるならそれでもいい
だから涼宮さんを犯しているときは罪悪感も恐怖もなかった
ただ、僕だって人間だ、男だ、性欲があると涼宮さんに見せ付けることができたと思い、達成感を感じたくらいだった
834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:04:37.37 ID:A8t2BPuV0
世界は変わった
僕は消えなかったが、涼宮さんの中に新たな生命だけ宿っていた
僕の子種から生まれた命なのかどうかはわからない
ただ、涼宮さんが改変したハルナのいる$「界では、朝比奈さんの未来は存在しない
836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:08:07.44 ID:A8t2BPuV0
長門さんも統合思念体から切り離された存在となったらしい
寡黙だった彼女が急激に人間臭くなっていく様は、彼に対する言葉や仕種で僕にもわかった
世界は終わった
僕は相変わらず涼宮さんを監視するが、以前よりも接しやすくなった
ありえない不思議を求めるばかな女より、世間にありふれた欲望をまきちらす頭の軽い女のほうが僕は好きだ
837 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:11:48.45 ID:A8t2BPuV0
ハルナ「まんま、まんま」
ハルヒ「なに、またおっぱい?いい加減しつこいのよ!」
ハルヒ「哺乳瓶用意したから、こっちで飲みなさいよ」
ハルナ「まんま、まんま」
ハルヒ「くっつくな!!」
ハルナ「おぎゃああああああ!!!!!!!」
ハルヒ「ああ!!うるさい!!!」
838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:14:20.20 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「ほんと、子どもなんて面倒よねぇ」
古泉「シングルマザーも大変ですね」
ハルヒ「まあね、父親なんて誰かわかんないし、親はそれでうるさいし、ほんと大変よ」
ハルヒ「古泉くんがお金援助してくれなかったら本当にどうしようかと思った」
古泉(僕が彼女を犯したことはやはり記憶から抹消済み……これが、悲劇のヒロイン・涼宮ハルヒの望んだ世界)
840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:21:22.56 ID:A8t2BPuV0
涼宮さんは子どもを「悲劇」に対する演出の道具としか思っていない
だから愛情なんて持ち合わせていないのだ
子どもを連れて歩き、男の部屋に泊まり歩くこともしばしば
かと思えば、子どもを置き去りにして旅行に出かけることもある
悲劇を演出したいときは連れて行き、単純に一人で遊びたいときは平気で置き去りにする
845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:32:22.63 ID:A8t2BPuV0
高校を中退した涼宮さんは遊びほうけることに夢中で子育てらしきことはまったくと言っていいほどしなかった
見かねた涼宮さんの母親が最低限の世話をする程度
それでも若くして孫も持ったということを認めたくないのか、涼宮ハルナは生まれてから愛情というものに接したことがなかった
849 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:35:44.30 ID:A8t2BPuV0
祖父母から疎まれ、母親からは道具扱い
涼宮ハルナがあれほどまでに明るくなっているとは、露ほども思いませんでした
ハルナ「……」
しかし今は違う
また愛情を知らずに育ったハルナに戻ってしまいました
古泉「ハルナ」
あえて呼び捨て
涼宮さんは知る由もないが、この子の実の父親は僕なのかもしれないのですよ
851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:38:45.49 ID:A8t2BPuV0
いや、涼宮さんも無意識のうちに気付いているのかもしれません
だから僕と結婚すると言い出したのかも
まあそんなことはどうでもいい
長門さんの精神が崩壊しかかっている今、ハルナを取り戻すのは容易であると考えられます
古泉「さあ、いきましょう」
彼が父親のほうがよかったかもしれませんね、たしかに彼なら愛情を持って育てたことでしょう
しかし、あなたには神の慰み者として生きる道しかないのですよ
856 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 15:57:43.35 ID:A8t2BPuV0
慣れているとはいえ、間近で見る涼宮さんの虐待には少々びっくりしました
ハルヒ「ねえ、あんた随分いいもの食べさせてもらってたみたいね、ぶくぶく太ってさ」
ハルナ「……」
ハルヒ「ダイエットなさい。とうぶんはご飯抜き」
ハルナ「え……」
ハルヒ「なに、母親のあたしに逆らうの?」
ハルナ「……」
858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:03:35.92 ID:A8t2BPuV0
娘の前で親である僕たちだけが豪勢な食事をする
もちろんハルナは食べることができない
泣きながら食事をしている様子を見ているだけ
涼宮さんはそんな娘を笑みを浮かべながら横目で見ている
ハルヒ「あー、美味しい。このお肉美味しいわ」
古泉「北京ダックですよ。知り合いに中華料理店を営んでいる者がおりまして」
ハルヒ「さすが古泉くん、いい知り合いを持ってるわ」
859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:05:23.59 ID:A8t2BPuV0
耐えかねて部屋から出ようするハルナを涼宮さんは呼び止めた
ハルヒ「どこ行くのよ」
ハルナ「え、あの」
ハルヒ「ここにいなさい!!」
近くにあったコップを投げつける
コップはハルナの頭に当たり、床に落ちて割れた
ハルヒ「なに割ってんのよ……!!」
鬼の形相でハルナの髪を掴み、そのまま往復ビンタ
ハルナは割れたコップの破片を踏んだようで、靴下が赤く染まりだす
868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:22:51.88 ID:A8t2BPuV0
ハルナ「やだぁ……かえりたい……かえりたいよ……」
ハルヒ「なにが帰るよ!!ここがあんたの家でしょ!!」
ハルナ「きょんのところにかえりたい……」
ハルヒ「キョン?あんなあほのどこがいいの?どうせあんたがいなくなって清々してるわよ」
ハルヒ「そもそもあんたあいつらに追い出されたんじゃないの?」
ハルナ「え……?」
長門『あなたは部屋から出て行くべき』
ハルナ「うそだよ……そんなことしないもん……」
869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:25:07.36 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「ああ、うっさいわねえ!!」
ハルヒ「さっさとあっち行け!!」
理不尽極まりない
しかし意味もなく怒りをぶちまける行為こそ、今の涼宮さんの精神を安定させているのだ
871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:27:36.33 ID:A8t2BPuV0
ハルナへの折檻は日々ひどくなる
殴る蹴る
切る焼く
もはやそれは拷問に近かった
そして、ついにその日がきた
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:38:30.71 ID:A8t2BPuV0
その日、涼宮さんは合コンで夜遅くに帰宅した
僕としてはべつにかまわない
夫婦別姓で未だに苗字で呼び合っていることからもわかるかもしれないが、
僕たちは心底愛し合ってなどいないのだから
ともかく、べろんべろんに酔って帰ってきた涼宮さんは、もちろんいつも以上に理性がないわけで
むき出しになった悪意はいつも通り娘のハルナへと向けられた
886 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 16:43:39.87 ID:A8t2BPuV0
そのときの様子は……詳しく言っていいものかどうかさすがの僕も疑問を持ちます
とにかくハルナは瀕死の状態まで追い込まれ、機関御用達の病院まで運ばれることになりました
それに至っても、涼宮さんは罪悪感など持ち合わせません
ただ遊び道具が壊れてしまわないか、気が気でないといった様子です
904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:00:11.54 ID:A8t2BPuV0
神の子でありながら神になれなかった可哀想なハルナ
今、彼女は見るも無残な姿で治療を受けている
おそらく数時間の命だろう
ハルナを救う方法はただひとつ
涼宮さんがハルナの無事を強く願うこと
しかし、涼宮さんは心の底からハルナが助かって欲しいと思っていない
「死んだら死んだで面倒くさいが、まあしかたない」
そう思ってるように見えます
919 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:09:57.18 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「ねえ、ハルナはどんな感じ?」
古泉「なす術がないといった様子でしたね」
ハルヒ「ふーん、そう」
ハルヒ「まあいいんじゃない?あの子みょうに卑屈で、いつも人の顔色窺ってたし」
ハルヒ「だいたいあたしの子らしくないのよ。もっとはっきり物を言えっての」
古泉「……」
ハルヒ「どうせ古泉くんも自分の子どもじゃないから嫌だったでしょ?よかったじゃない」
925 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:13:03.83 ID:A8t2BPuV0
瞬間、僕の頭はハンマーで殴られたような衝撃を受けた
古泉「よかった?」
自分のお腹を痛めて産んだ子どもが
死んでよかった?
古泉「それは本気で言ってるんですか?」
ハルヒ「は?あたしはいつもマジよ」
古泉「そうですか」
今更だとお思いでしょうか、俄然腹が立ちました
次の瞬間、僕は涼宮さんの顔面にスクリューパンチをぶちこんでました
936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:17:01.79 ID:A8t2BPuV0
ハルヒ「ぶぼべっ!?」
鼻血を噴出して倒れる涼宮さん
念入りにしたメイクが台無しです
ハルヒ「な、なにすんのよ!!」
古泉「もう終わらせましょう」
この世界に導いてしまった者の責任です
ハルナのいる世界は、僕にとっても苦痛でしかなかった
今までは苦痛を感じないように狂ったふりをしていただけなんだ
古泉「僕もハルナがどうなろうと、悲しむことはないでしょう」
古泉「でも、涼宮さんに対する憎悪の念だけは取り戻せたようだ」
940 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:19:55.63 ID:A8t2BPuV0
涼宮さんが死ねばこの世界も消えるのでしょうか?
それはわかりませんが、僕は涼宮さんを消します
ハルヒ「この……」
逆らうわけがない人物からの裏切り
過度なストレスは閉鎖空間を瞬時に展開する
古泉「……これは」
今までに見たことない数の神人が現れる
僕は、そのすべてを倒す
そして、涼宮さんを……
942 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:22:53.21 ID:A8t2BPuV0
・
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・
俺を逆レイプした長門は数日後に妊娠
妙な肉塊を出産したかと思うと、俺の前から姿を消した
あれはなんだったんだろうか
今考えてもおぞましい
しかし、長門が消えたあとは、俺は前のアパートでずっと暮らしていたことになっていた
たぶん、情報改変がなされたんだろう
ハルナと長門と三人で暮らした事実は、俺の頭の中にしかない
945 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:25:08.70 ID:A8t2BPuV0
みくる「キョンくーん、今日はビーフシチューですよ」
朝比奈さんも隣人として同じアパート暮らしている
すべて元に戻ったのだ
いや、戻ってなど居ないのか
なぜなら
ハルナ「わーい、みくるちゃんのびーふしちゅー!!」
みくる「たくさんあるから、いっぱい食べてね」
ハルナが、今ここにいる
948 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:29:09.37 ID:A8t2BPuV0
長門と三人で暮らしたときの記憶はもちろんハルナは持っていない
しかし、ハルヒが失踪したことと機関側の工作のおかげで俺はハルナと一緒に住むことができるようになっていた
キョン「あの、朝比奈さん」
みくる「なんですか?」
キョン「俺が大学卒業して、就職したら……その……」
みくる「……よかったね、ハルナちゃん」
ハルナ「ん?」
みくる「お父さんとお母さんが、いっぺんにできちゃうよ!!」
口の周りにシチューをつけたハルナが、きょとんした表情で俺と朝比奈さんを交互に見ていた
おわり
960 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/23(水) 17:33:47.93 ID:A8t2BPuV0
,.――――-、
ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、
| | (・)。(・)|
| |@_,.--、_,>
ヽヽ___ノ ハルナちゃんではあはあしてたらレスが足りなくなったでござる
の巻