11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:10:20.78 ID:iA4TlKjRO
〜公園にて〜
キョン「…お!!あのベンチに座ってんの長門じゃねぇか。何してんだ?」
長門「…………」パラパラ
鳩「クルックー!!クルックー!!」
長門「……そう」パラパラ
鳩「クルッククルックー!!」
長門「…気持ちはわかる。が、推奨しない」
鳩「クルックー…」
長門「…それで良い」
キョン「な、長門が鳩に餌をやってる…だと…?しかも何か会話までしてやがる…」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:18:41.07 ID:iA4TlKjRO
キョン「おーい、長門!!長門!!」
長門「……何?」
キョン「お前休日の昼間から何やってたんだ?」
長門「鳩に餌をあげていた」
キョン「そりゃあ見ればわかるが…お前鳩と会話していなかったか?」
長門「…彼は空腹時、人間の持っている食料を奪うつもりだと言っていた」
キョン「彼って?…あぁ、鳩か」
長門「いつも馬鹿にされている人間に仕返しのつもりだと」
キョン「なんつーか、物騒だな」
長門「私はそれを推奨しないと言ったら、少し考えると答えた」
キョン「まぁ、鳩が暴走化したら駆除される可能性も有るからな」
長門「……」コクン
キョン「人間の為にも、鳩の為にも止めて正解だな」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:25:06.14 ID:iA4TlKjRO
キョン「しかし、長門。お前いつもこうやって鳩に餌をあげてるのか?」
長門「…たまに。彼らの持っている情報は面白い」
キョン「鳩がどんな情報を持っているか俺は知らんが、お前が楽しいならそれで良いか」
長門「……」コクン
キョン「餌はパンの耳か?」
長門「……」コクン
キョン「買ってきたのか?」
長門「…時々パンの白いふわふわの部分だけ食べてしまい、耳が余るときがある」
キョン「それを持ってきたってわけか」
長門「……」コクン
キョン「お前もなかなか可愛い事するんだな」
長門「……?」
キョン「いや、何でもないさ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:34:39.40 ID:iA4TlKjRO
キョン「しかし、良い天気だな〜。眠くなってくるぜ」
長門「今日は気温、湿度、共に最適」
鳩「クルックー」
キョン「風も適度に吹いてきて気持ち良いな」
長門「……!!」クイックイッ
キョン「…どうした?袖なんか引っ張って」
長門「彼、古泉一樹が通っている」
キョン「お!?良く気づいたな長門。……おーい、古泉!!」
古泉「…?……!!」スタスタ
キョン「おっ、こっち来た」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:37:03.04 ID:iA4TlKjRO
長門「来た」
古泉「お二人ともこんにちは。デートですか?」
キョン「馬鹿な事を言うな」
長門「……」ブンブン
古泉「ははは。これはすみません」
キョン「…長門、一生懸命首を横に振ってくれるな。少し傷付いたぞ……」
長門「……?」
古泉「クスクス」
長門「……何故?」
キョン「それは…あれだ。男の沽券に関わることだ」
長門「……理解不能」
古泉「要するに、彼は長門さんに好かれていないんじゃないかと思ってしまったわけです」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:42:51.87 ID:iA4TlKjRO
キョン「古泉、お前なぁ…」
長門「…そうなの?」
古泉「そうですよね?」
キョン「うっ…ま、まぁ、簡単に言うとそう言うことにもならんことはないが…」ブツブツ
古泉「照れないで下さい」
キョン「!!お前は…」
長門「…私は貴方の事を嫌ってはいない。むしろ好いている」
キョン「長門!?」
古泉「良かったですね」
長門「勿論、古泉一樹、貴方も、SOS団の皆も好いている」
キョン「…そうだよな」
古泉「これはこれは…ありがとうございます。長門さん」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 05:53:14.68 ID:iA4TlKjRO
長門「……?何故彼はまだ納得のいかない顔をしているの?」
古泉「それはですね。もしかしたら長門さんに唯一好かれているとおも」
キョン「だー!!だー!!もうそれはいい!!いい加減切るぞ話題を!!」
長門「…怒ってる」
古泉「照れているだけですよ」
キョン「うるさいぞ!!古泉。…で、何でお前はこんな時間にここを通ってたんだ?」
古泉「強引な話題転換ですね……僕は午前中に組織の会議が有りましたので、その帰りです」
キョン「…お前も忙しいんだな。お疲れ」
長門「…お疲れ様」
古泉「お二人とも、ありがとうございます。これも仕事の内ですからね」
キョン「しかし、今日は車での送迎は無しなのか?」
古泉「いえ、途中まで送ってもらったのですが、あまりにも天気が良いので降ろしてもらいました」
長門「今日は気温、湿度、共に最適」
キョン「さっきも聞いた気が…」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:00:46.20 ID:iA4TlKjRO
古泉「して、お二人は何を?」
キョン「あぁ、長門が鳩に餌をやっているのを見てな。声を掛けたわけだ」
長門「彼らと少し話をしていた」
古泉「なかなか凄いですね…」
キョン「な?」
古泉「あなたは長門さんに声を掛ける前に何を?」
キョン「俺か?俺もお前と似たようなもんで、散歩だ。天気良いしな」
長門「今日は気温、湿度、共に最適」
キョン「三つ目!!」
古泉「んっふ。では三人とも、天気に誘われてフラフラしていたわけですね」
キョン「そうだな」
長門「……」コクン
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:10:00.30 ID:iA4TlKjRO
キョン「しかし…」
古泉「良い天気ですね…」
長門「……」コクコク
ポカポカ
長門「……」グゥーッ
長門「……!!」
キョン「…ぶふっwww」
古泉「長門さん、お腹すいてらっしゃったんですね…ww」
長門「…そんなに笑わないで欲しい」
キョン「スマン、長門www…ぶふっwwwwww」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:14:09.60 ID:iA4TlKjRO
古泉「もしよければ、お昼ご飯一緒しませんか?僕もまだ食べていないので」
長門「する」コクコク
キョン「wwwwww」
古泉「それではどこに行きましょうか?」
長門「…その前に……」
古泉「?」
キョン「wwwwwwwww」
長門「いい加減、笑いを止めて欲しい」
キョン「す、すまんwww変なツボ入ったwww」
古泉「全く、あなたは…ふんもっふ!!」チョップ!!
キョン「www…ごふっ!!」
古泉「笑いは止まりましたか?」
キョン「い、息も、止まりかけたぜ…首チョップは危険だ……」
長門「ありがとう、古泉一樹」
古泉「いえいえ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:19:57.49 ID:iA4TlKjRO
キョン「ぐぇへっ…がはっ…」
古泉「さて、どこ行きましょうか?何か希望は有りますか?長門さん」
長門「美味しければいい」
キョン「ごっほ…」
古泉「そうですね…しかし、あなた大丈夫ですか?」
長門「…大丈夫?」
キョン「…誰のせいだ、誰の?」
古泉「あなたが長門さんに失礼な真似をするからでしょう?」
長門「流石に、笑いすぎていた」
キョン「それを言われたら、何も言えんが…」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:26:50.86 ID:iA4TlKjRO
古泉「で、あなたは何か希望は有りますか?」
キョン「昼食か?そんなに金のかからないところが良いな。後、のどが渇いた」
古泉「それでは、ドリンクバーの有るファミレスとかどうですかね?」
キョン「お、それ良いな。長門はどうだ?」
長門「美味しければいい」
古泉「この辺の美味しいファミレスってどこでしょう?」
キョン「んー…無難にサイゼリヤとかか?」
古泉「長門さん、イタリアン系でも良いですか?」
長門「美味しい?」
キョン「まぁ、そこそこだな」
長門「じゃあ、別にそこで構わない」
古泉「それではサイゼリヤに行きましょうか?」
キョン「おー」
長門「…おー」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:33:58.97 ID:iA4TlKjRO
古泉「しかし、本当に天気が良いですね」
長門「今日は気温、湿度、共に最適」
キョン「長門、今日が過ごしやすい日だって言うのは良くわかったぞ」
古泉「んっふ」
長門「そう」
キョン「で、長門と古泉は今日お互い会わなかったら、どうする予定だったんだ?」
古泉「そうですね…映画館かTSUTAYAにでも行ってのんびり映画ですかね」
長門「図書館」
古泉「長門さんらしいです」
キョン「ほー。充実してるな」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:43:27.73 ID:iA4TlKjRO
古泉「そういう貴方は?」
キョン「俺は散歩したあと、昼寝だったろうな」
古泉「確かに、今日のお昼寝は気持ちよさそうですね」
長門「……」コクコク
キョン「な?まぁ、結局何もしていないのと一緒だけど」
古泉「たまにはぐだぁーっとしたい日もありますよね」
長門「たまには…」
キョン「長門も有るのか!?そんな日が!?」
長門「思う存分本が読みたい日と、思考にふけたい日もある」
古泉「ぐだぁーっとでは無いですが…」
キョン「まぁ、長門らしいな…」
長門「……?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:50:29.32 ID:iA4TlKjRO
店員「……では、ご注文は以上でよろしいですか?」
古泉「あと、ドリンクバー3つお願いします」
店員「はい、かしこまりました。それでは失礼します」
古泉「…さて、お二人とも飲み物は何にします?僕、持ってきますよ?」
キョン「お、サンキュ。…じゃあ、俺はジンジャーエールで頼む」
古泉「はい、了解です。長門さんは?」
長門「…一緒に行く」
キョン「まぁ、種類がいっぱい有るからな。存分に選んでこい」
長門「…(コクン)。行ってくる」
古泉「飲みたい物があると良いですね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 06:55:46.05 ID:iA4TlKjRO
キョン「…お、帰って来た」
古泉「はい、ジンジャーエールです。どうぞ」
キョン「おう。サンキュ」
長門「……」ムスッ
キョン「…長門はどうしたんだ?」
古泉「どうやら飲みたい物が無かったようで…」
長門「……」ムスッ
キョン「好き嫌いは無いと思っていたが…」
古泉「珍しいですよね?」
長門「……ジーザスブレンド…」
キョン、古泉「「?」」
長門「…ジーザスブレンドをするには種類が足りなかった」ムスッ
キョン「えっ?」
古泉「?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:01:50.11 ID:iA4TlKjRO
長門「前に読んだ漫画に、美味しいと書いてあった」
古泉「…ああ、それで……」
長門「もし、そういう機会があったら試してみたいと思っていた」
キョン「だけど、ブレンドするには足りなかったんだな?」
長門「……」コクコク
古泉「まぁ、ドリンクバーはチェーン店や店舗が違うと、置いてある飲み物も変わってきますからね」
キョン「そんなに気を落とすな、長門」
古泉「今度は違うところに行ってみましょう。もしかしたら、そのブレンドが出来るかもしれませんし」
キョン「そうだな。またみんなで行こうぜ?長門」
長門「…わかった。」
長門「…しかし、飲んでみたかった。ジーザスブレンド……」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:12:19.06 ID:iA4TlKjRO
古泉「…ごちそうさまでした」
長門「…でした」
キョン「相変わらず、長門は良く食うな」
古泉「素敵な食べっぷりでしたね」
長門「なかなか美味しかった」
キョン「そりゃあ良かった」
古泉「しかし、ドリンクバーがあるとのんびり出来るのが良いですね」
キョン「だな。あまり混んでなきゃ、時間を気にすることもないし」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:14:50.31 ID:iA4TlKjRO
長門「いっぱい飲める」
古泉「んっふ。そうですね」
キョン「長門が本気だしたら、ドリンクバーの中身ぐらい空に出来そうだなwww」
古泉「可能性としては大ですけど、少し言い過ぎですよ」
長門「余裕」
キョン「!?」
古泉「!?」
長門「余裕」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:20:13.25 ID:iA4TlKjRO
長門「だけど、そこまで飢えてはいない」
古泉「あぁ、良かったです…」
キョン「もし、サイゼリヤ出禁になったら困るしな…」
長門「でも、もう少し飲む」
古泉「え?あぁ、それでは注いできましょうか?」
キョン「あ、今度は俺が行くわ。何が良い?」
長門「…オレンジジュース」
古泉「僕はアイスティーをお願いします」
キョン「了解〜っと」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:26:47.27 ID:iA4TlKjRO
キョン「……ほいよ、おまたせ」
古泉「ありがとうございます」
長門「ありがとう」
キョン「良いって。ほら、飲もうぜ」
長門「……」コクン
古泉「では」
ゴクリ……
古泉「ぶっは!!あっま!!何ですかこれ!?」
キョン「wwwえ?アイスティーにガムシロたっぷり入れたんだよwwwwww」
長門「どうしたの?」
古泉「彼が僕のアイスティーに細工を…」
キョン「いつもすかした態度だからなwwwwwwwww」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:34:36.68 ID:iA4TlKjRO
古泉「だからって…」
キョン「ちょっともう一回飲んでみろよwww」
古泉「嫌ですよ!!何か砂糖を飲んでいる感じでしたもの」
長門「少し飲ませて」
古泉「!?長門さん危険です!!」
長門「……」ゴクリ
長門「……」
長門「……ベフェッ」
キョン「長門?www」
古泉「長門さん?」
長門「…糖分が異常。美味しくない」
古泉「無理して飲まなくても良かったのに…」
キョン「…のどが焼けるくらいの甘さだろ?www」
長門「流石に、私もこれは飲み干せない」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:41:47.30 ID:iA4TlKjRO
古泉「全く貴方は…僕、これ捨ててきますね!!」
キョン「えー、残念www」
長門「あれでは糖尿予備軍になってしまう」
古泉「いったい、いくつ入れたんですか!?全く、無駄遣いして…」プリプリ
キョン「お前はオカンかよ!?wwww」
長門「無駄遣いは良くない」
キョン「わかったよ。もうしません」
長門「……」コクコク
古泉「……」ゴクゴク
古泉「あ゛ぁ、生き返りました…」
キョン「お前は親父か」
古泉「全く、誰のせいですか!?誰の。口の中が甘さでぬっとりしてて、気持ち悪いったら、もう…」
キョン「悪かったって」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:48:39.72 ID:iA4TlKjRO
古泉「長門さんはお茶じゃなくて大丈夫ですか?」
キョン「そう言えば、甘いのに甘いのを重ねてるよな?」
長門「大丈夫。オレンジジュースでかき消してる」
古泉「オレンジジュース美味しいですか?」
長門「…なかなかいける」
キョン「しかし、甘いだけで感謝しろよ?俺なんて昔、コーヒーとか混ぜられてエラい目にあったんだから」
古泉「それとこれとは別です」
長門「……」コクコク
キョン「しかし、ああいうドリンクバーを見ると悪戯をしたくなるだろう?」
古泉「それを止めるのが、良心ってもんです」
長門「食べ物を粗末にしてはいけない」
キョン「わかったわかった。悪かったって」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 07:56:20.18 ID:iA4TlKjRO
古泉「…ふー。話は変わりますが長門さん。今日は図書館で何を借りるおつもりでしたか?」
キョン「古文書とかSFとかか?」
長門「どちらも捨てがたいが、最近推理小説にハマっている」
キョン「へぇ、珍しいな」
古泉「ほう?具体的にはありますか?」
長門「色々面白かったが、江戸川乱歩はなかなか良かった」
キョン「乱歩って言うと、怪人二十面相とかか?」
長門「一般的には」コクコク
古泉「なかなか古い作品ですが、読みやすいんですよね。乱歩は」
キョン「お前も読んだのか?古泉」
古泉「えぇ。ちょいちょいと」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:05:15.84 ID:iA4TlKjRO
キョン「俺は二十面相しか知らないから、どうしても子供向けなイメージなのだが…」
古泉「勿論子供向けも多いですが、大人向けの作品はなかなかな物ですよ」
長門「二十面相、少年探偵団も良いが、それ以外も良い」
キョン「へぇ、そうなのか。今度読んでみようかな?」
古泉「えぇ、是非。なかなかエグい作品もありますから、借りるときは長門さんに訊ねた方が良いですよ」
長門「知らないで見ると、きっと驚く」
キョン「そんなになのか!?」
古泉「グロさは余り無いのですが、若干気持ち悪い作品もありますからね」
長門「きっと人間の発想力の恐ろしさを知る」
キョン「…いったい、どんな作品だ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:14:16.67 ID:iA4TlKjRO
古泉「あと、どうしても明智が好きになれないんですよね」
キョン「明智探偵だろ?登場人物としてはなかなか格好良いとは思うが…」
古泉「僕の最初に読んだ作品が、最後の方にちょっと明智が出て来て、事件を解決してしまう話だったんですよ」
長門「美味しいとこどり」
キョン「作者もサラッと解決する役が必要だったんだろうな」
古泉「それからと言うもの、明智が出て来るとイラっと来てしまうんですよね」
キョン「まぁ、格好良く何でも出来るが明智探偵だからな」
長門「……」コクコク
古泉「だから僕は明智より、二十面相の方が好きなんですよ」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:21:49.74 ID:iA4TlKjRO
キョン「お前もちょっとひねくれてるところ有るよな?古泉」
古泉「人間だもの」
長門「古泉一樹、あなたは黒蜥蜴や魔術師は読んだ?」
古泉「いいえ、まだです」
長門「読んで。相変わらず明智の格好付けな感じは有るけど、彼も人間だと言うことが少しはわかるはず」
キョン「そんな作品もあるのか」
古泉「是非、今度読んでみます。ありがとうございます、長門さん」
長門「……」コクコク
キョン「長門も二十面相好きなのか?」
長門「最初は知的な怪盗で、素敵だった」
キョン「最初は…?」
古泉「あぁ…最後の方はねぇ…?」
長門「……ねぇ」
キョン「何が!?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:31:36.26 ID:iA4TlKjRO
長門「きっと、乱歩もどうしようかと迷走してたのだと」
古泉「二十面相はきっと人間性が可愛い人だったんですよ」
キョン「…へぇ……」
キョン「ん?古泉。お前悪役好きだったら、やっぱりジョーカーは好きか?」
古泉「バットマンのですか?」
長門「……?」
キョン「そう、それ。ヒース何とかが演じてた、割と最近のやつ」
古泉「ヒース・レジャーです。むしろ、彼のジョーカーを嫌いな人は少ないのでは?」
キョン「そうなのか?」
長門「何の話?」
古泉「長門さんはあまり映画は見ないのですか?」
長門「今は本が全て」
キョン「だと思った」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:41:15.40 ID:iA4TlKjRO
古泉「もし良ければ今度DVD貸しますよ?」
長門「見たい」
キョン「あ、俺も」
古泉「では今度、上映会でもしましょうか?」
キョン「良いなそれ。お菓子とか飲み物買ってさ」
長門「……」キラキラ
キョン「長門も嬉しそうにしてるな」
古泉「ダークナイトは良いですよ。素敵ですよ」
キョン「CMで見たときはピエロみたいな化粧をしてたな」
古泉「パッと見、誰が演じているのかわからないのですが、もう…」
長門「もう?」
古泉「もう、良くて…」
キョン「相当好きだな、お前」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 08:52:23.05 ID:iA4TlKjRO
古泉「ジョーカーは同情の余地が無いくらい悪役で変態なんですけど」
キョン「気持ち良いくらいの悪役だな」
長門「孤島の鬼の両親のよう」
古泉「でも、彼に惹かれてしまうんですよ。凄いですよねヒースは」
キョン「そんなに言われると、俄然楽しみだな」
長門「……」コクコク
古泉「作中でジョーカーが割と頻繁に涎を啜るんですが、それもまたたまらなくて…」
キョン「古泉がこんなに語るなんてな」
長門「かなり好きな様子」
古泉「いやぁ、上映会が楽しみですね」
キョン「お、おぉ。…あ、でも、その前の作品は見なくて大丈夫か?」
古泉「ビギンズは…まぁ、導入としては必要ですが…」
長門「…?」
古泉「もう少し悪役に深みを持たせられたら良かったのですが…」
キョン「お前悪役好きだな」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:04:10.63 ID:iA4TlKjRO
長門「後は何が有る?」
古泉「そうですね…アメコミ系繋がりとしては、Vフォー・ヴェンデッタをお勧めですね」
キョン「あまり聞かんな、それ」
古泉「そうですか?主役はあのマトリックスのエージェントスミスですよ?」
キョン「マトリックスは見たけど、グラサン姿しか思い出せん」
長門「……ジョン・スミス」クスッ
古泉「全編通してグラサン姿が主でしたからね」
キョン「で、そのエージェントスミスがどうなるんだ?」
古泉「主役のヒューゴ・ウィービングは、まあ言ってしまえば国家転覆を狙うテロリストなんですが」
キョン「また悪役か!?」
長門「彼ももの好き」
古泉「作品中、一度も顔が出ないんですよ!!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:13:42.66 ID:iA4TlKjRO
古泉「しかし、それがまた良くて…」
長門「顔を映さないの?」
古泉「ずっと仮面を被っているんですよ」
キョン「俳優としてはキツい物もあるだろうな」
古泉「そうなんです。ヒューゴの前に主役を演じた方が居たのですが」
古泉「仮面に耐えられなくて降りてしまったため、急遽ヒューゴになったのです」
キョン「へぇ」
古泉「また、作中の台詞回しも秀逸で…」
長門「綺麗なの?」
古泉「えぇ。原作がイギリスの漫画なので、ウィットに富んでて、流れるようでした」
キョン「お前がそんなに言うのなら楽しみだな」
古泉「はい。あ、後原作も取り寄せたので、良ければ長門さんにお貸ししますね」
長門「嬉しい」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:20:36.40 ID:iA4TlKjRO
古泉「ふぅ…少し喋りすぎました。飲み物持ってきます」
長門「今度は私が行く」
キョン「お、じゃあ烏龍茶頼む」
古泉「僕はジンジャーエールをお願いします」
長門「わかった」
古泉「…で、ですね、僕の好きな監督がギレルモ・デル・トロ監督なんですが」
キョン「わかったわかったから。今度上映会するときに、存分に語ってくれよ」
長門「…持ってきた」
古泉「ありがとうございます。長門さん」
キョン「ありがとな、長門」
長門「…飲んで」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:26:42.31 ID:iA4TlKjRO
古泉「んふ。いただきます」ゴクゴク
キョン「飲むか」ゴクゴク
キョン「……ぶふぇっ!?!?!?」
古泉「!?何ですか、いきなり!?」
キョン「…長門さん、これは何でしょう?」
長門「さっきの仕返し」
古泉「それじゃあ…www」
キョン「いや、俺のより酷いぞ!?なんつーか、甘いのか、青臭いのか、もったりしてんのか」
長門「…長門ブレンド」
キョン「何混ぜたらこんな味になるんだ!?一体!!」
古泉「wwwwww」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:33:50.02 ID:iA4TlKjRO
キョン「口当たりも後味も最悪だぞ…」
古泉「wwwしかし、一見普通の烏龍茶に見えますよね?」
キョン「あぁ、俺もそれに騙された」
長門「情報操作は得意」
古泉「長門さんwwww」
キョン「こういう時に使うんじゃありません!!」
長門「ガムシロップの復讐」
古泉「G for vendetta wwwwww」
キョン「食べ物飲み物は粗末に扱っちゃいけません!!」
長門「始めたのはあなた」
古泉「そうですよ。きっかけは貴方ですよ?」
キョン「ごめんなさい!!!!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:40:53.14 ID:iA4TlKjRO
長門「……よろしい」
古泉「wwwwww」
キョン「くそっ、古泉何笑ってんだよ!?」
古泉「八つ当たりはよしてくださいよ。さあ、頑張ってそれ飲んで下さいね」
長門「頑張れ」
キョン「はぁ!?これ、俺が飲むのか!?古泉、お前は捨てただろうが!!」
古泉「でも、貴方の始めた事ですよ?」
長門「ふぁいと」
キョン「くそっ…周りは敵だらけじゃねぇか…」
古泉「はい、一気!!一気!!」
長門「いっき、いっき」
キョン「ふぉぉぉぉ、飲んでやるさ!!あぁ、飲んでやるさ!!」ゴクゴク
古泉「頑張りますねぇ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:46:07.83 ID:iA4TlKjRO
キョン「…………」
古泉「お味は?」
キョン「……ビックリするほど烏龍茶」
古泉「と、言うことは?」
長門「先程情報操作で元の烏龍茶に戻した」
キョン「長門ぉぉ!!ありがとな」
古泉「流石、長門さんは優しいですね。貴方も見習った方が良いのでは?」
キョン「…古泉、うるさいぞ」
長門「これから、あんな真似はしないように」
キョン「以後気を付けます」
長門「……よろしい」
古泉「クスクス」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 09:51:15.94 ID:iA4TlKjRO
キョン「さて、だいぶ飲むもの飲んだし出るとしますか」
古泉「えぇ。そうですね」
長門「……」コクン
キョン「あ、俺まとめて払って来るから、後でお金渡してくれ」
古泉「了解です」
長門「直ぐ計算する」
店員「ありがとうございましたー」
キョン「ふぅ…このメンバーもなかなか無いから、楽しいな」
古泉「えぇ、本当ですね」
長門「凄く」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 10:01:58.82 ID:iA4TlKjRO
キョン「まぁ、たまにはこのメンバーで遊んだりもしたいな」
古泉「はい。是非あそびましょう」
長門「……」コクコク
キョン「さて、この後どうするかな」
古泉「もし、お二人がよろしければ、僕の部屋でDVD見ませんか?」
長門「見る」
キョン「長門が食いついたな。まぁ、この後予定が有るわけでもないし、せっかくだから行くか!!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 10:02:54.96 ID:iA4TlKjRO
古泉「それじゃあ、お菓子と飲み物を買うためにスーパー寄ってから行きましょうか」
長門「お菓子」キラキラ
キョン「長門〜、あんまり買いすぎるなよ?」
古泉「まぁ、良いじゃないですか。DVDも沢山有ることですし」
キョン「お前どれだけ見る気だ!?」
長門「…出来るだけ見たい」
古泉「長門さんがそう言ってる事ですし」
キョン「とかいって、お前語る気満々だろ?」
古泉「良いじゃないですか、たまには」
長門「早く、お菓子…」
キョン「だー!!わかったから。わかったから。ほら行くぞ」
終
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 10:13:34.18 ID:iA4TlKjRO
乗っ取りで失礼した。
見切り発車に付き合ってくれてありがとう。支援もありがとう。
割と自分の趣味を取り入れてしまったが、好きな人が居るとちょっと嬉しいな。
それでは。
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:15:31.81 ID:iA4TlKjRO
ちょっとだけ…
長門「……次は?」
古泉「次は、これなんでどうでしょうか?」
長門「いい」キラキラ
古泉「それでは、決定と言うことで」
長門「……」コクコク
ガチャリ
キョン「おいーっす。お、二人か」
古泉「ええ。あれ、涼宮はどちらに?」
キョン「あぁ、用事があるから今日は部活出ないで帰るわ!!だってよ」
古泉「では今日は」
長門「休み?」
キョン「あぁ、それを伝えに来た」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:16:45.62 ID:iA4TlKjRO
古泉「そうですか。わかりました」
長門「了承した」
キョン「おう。…で、マイエンジェル朝比奈さんは?」
古泉「その言い方は少し気持ち悪いですよ」
長門「朝比奈みくるも今日は休み」
キョン「何!?風邪か何かか!?」
古泉「いえ、今日は鶴屋さんとどこかへ行かれるそうですよ」
長門「だいぶ前に涼宮ハルヒの了承は得ている」
キョン「そうか…知らないのは俺だけだったのか…?」
古泉「え…まぁ、その…ね?」
長門「気にしなくても大丈夫」
キョン「その優しさが痛い…」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:18:22.87 ID:iA4TlKjRO
古泉「まぁまぁ」
キョン「はぁ、それじゃあ今日は俺ら三人だけか」
長門「……」コクコク
キョン「そう言えば、俺が部室に入る前、お前等何かしてたのか?」
古泉「え?あ、今度何の映画を見ようかと長門さんとお話していたところです」
長門「話していた」
キョン「長門もすっかり、古泉の趣味に巻き込まれたな」
古泉「良いじゃないですか。ねぇ、長門さん」
長門「映画もなかなか興味深くて面白い」
古泉「ね?」
キョン「長門が楽しんでるなら、まぁ良いか。で、何を見るかは決まったのか?」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:19:40.97 ID:iA4TlKjRO
古泉「えぇ。この前三人で食事したときに、長門さんが最近乱歩を読んでいると言っていましたよね?」
キョン「そう言えば言っていたな」
長門「……」コクコク
古泉「それで、せっかくなので乱歩原作の映画を見ようかと…」
長門「乱歩地獄」
キョン「…なかなかなタイトルだな」
古泉「割と最近の映画なので映像も気にせずにみれるかと思いましてね」
長門「楽しみ」
キョン「面白いのか?」
古泉「まぁ、乱歩の変態さは十分に出せているかと…」
長門「ある程度は覚悟している」
キョン「そうか…」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:22:29.59 ID:iA4TlKjRO
古泉「少ししか出ていませんが、二十面相役で松田龍平が出ていましてね」
キョン「松田優作の息子だよな?」
古泉「えぇ。彼は素敵だった時期の二十面相を演じていまして」
長門「それは、素敵」
古泉「それを長門さんに見せたいと思いましてね」
キョン「良かったな長門」
長門「……」コクコク
古泉「まぁ、その他に芋虫なども有りますからね。若干気持ち悪いですが、十分に楽しめるかと…」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 23:23:44.31 ID:iA4TlKjRO
キョン「そんなに言われたら気になるなぁ」
長門「あなたも来る?」
古泉「予定が空いているなら是非どうぞ」
キョン「それじゃあ、お邪魔しようかな」
長門「だけど、それなりの覚悟して来て」
キョン「なんだかホラー見るみたいだな」
古泉「まぁ、近いものですかね」
長門「……」コクン
長門「……また、三人。楽しみ」
終