1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/26(水) 23:52:04.38 ID:TF/jUHhr0
ハルヒ「はぁ? 前から国木田は女よ」
キョン「そんなはずは…」
国木田「どうしたの? キョン」
谷口「よう、キョンどうしたんだ?」
キョン(誰も気づいてないのか?)
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:00:07.55 ID:raZbc5hC0
国木田「そうだ、キョン、今度の日曜日に一緒に遊園地行かない?」
キョン「ん?ああ、別にいいぜ。予定も空いてると思うし」
谷口「よっしこれで三人だな。チケットは俺が持ってるから金のことは気にすんな」
キョン「わかった。 それにしても、お前らは異性同士なのに仲がいいな」
国木田「そうかな?別に普通だと思うけど」
谷口「別になんともおもわねーよ〜」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:03:09.28 ID:raZbc5hC0
その夜…
プルルルル
キョン「もしもし?」
谷口「よう、俺だ。キョン」
キョン「谷口か。どうした?」
谷口「キョン、国木田のやつ、どう思う?」
キョン「ん?別になんとも思ってないが。」
谷口「そうか…」
キョン「いきなりなんでそんなこと聞くんだよ?」
谷口「なんかよ、俺、国木田のこと思うとなんていうかさぁ…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:05:31.41 ID:raZbc5hC0
キョン「言ってる意味がわからんぞ」
キョン(まぁ、わかるんだが)
谷口「あいつのこと思うと、胸が苦しくなるんだ」
キョン(こんな女々しいキャラだったのか谷口よ)
キョン「つまり、お前は国木田に惚れてるわけか」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:09:57.85 ID:raZbc5hC0
谷口「授業中も、飯食ってるときもあいつのことばっかり考えちまう」
キョン「完全に惚れてんじゃねぇか」
谷口「キョン、それで頼みがあるんだ」
キョン「わかってるさ、どうせ遊園地のことだろ?」
谷口「さっすがキョン。わかってらっしゃる」
キョン「とりあえず、何か理由つけて行かなきゃいいんだろ?」
谷口「お、おう」
キョン「わかったよ、今日だけはお前の恋のキューピッドになってやる」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:12:48.67 ID:raZbc5hC0
数分後
谷口「本当にすまねぇな! 恩に切るぜ、じゃあなキョン」
キョン「おう」
プツッ
キョン(国木田は谷口のことどう思ってんだろうか)
プルルルルプルルルル
キョン「もしもし?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:16:58.86 ID:raZbc5hC0
国木田「もしもし、キョン?」
キョン「お、おう。国木田。どうした?」
国木田「明日、来るよね? 遊園地」
キョン「う〜ん。まだわからん」
国木田「そっか…キョン、もし行けなかったら、私に行ってね?」
キョン「あ、ああ。わかった」
国木田「私はキョンと……谷口と一緒に行きたいからさ」
キョン「そうか」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:19:42.14 ID:raZbc5hC0
国木田「絶対に、行けなかったら私に行ってね?」
キョン「わかったわかった」
国木田「ありがと。あ、もうこんな時間だね。んじゃ、おやすみ、キョン」
キョン「おう、おやすみ」
キョン(すまん、国木田!)
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:23:15.76 ID:raZbc5hC0
次の朝
キョン(とりあえず、谷口に行けないメールでもしておくか)
メール送信しました
プルルルルプルルルル
キョン「誰だ?(ピッ) もしもし?」
ハルヒ「キョン、遊園地に行くわよ」
キョン「……え?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:27:35.49 ID:raZbc5hC0
キョン(まずい。非常に不味いぞ)
キョン(完全に同じ遊園地……)
ハルヒ「学校の帰りに福引やったら遊園地6枚分当たったのよ!」
キョン(また微妙な数だな…)
ハルヒ「だから、妹ちゃんも連れ来なさい」
キョン「今日俺には重要な仕事があってだな…」
ハルヒ「ちょっと妹ちゃんに代わりなさい」
キョン(無視かっ)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:32:33.91 ID:raZbc5hC0
ハルヒ「キョン、あんた今日一日暇だそうじゃない」
キョン(こいつ、それを聞き出すために…!?)
キョン「わかったから、で、どこに集合だ?」
ハルヒ「場所は…」
キョン(とりあえず集合時間はズレたな、良かった)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:38:07.74 ID:raZbc5hC0
プルルルルプルルルル
キョン「もしもし?」
国木田「もしもし、キョン?」
キョン「お、おう。国木田か」
国木田「今日、来れるよね?」
キョン「ああ、今のとこな」
国木田「そっかぁ! よかった。楽しみだね、遊園地」
キョン「そうだなぁ」
キョン(こんなやつを騙す俺って、けっこう最低な男かもしれないな)
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:42:42.48 ID:raZbc5hC0
キョン「んじゃ用意するから、また後でな」
国木田「うん! また後でね〜」
プツッ
キョン(ま、俺がいなくても大丈夫だろうな)
キョン(とりあえず、鉢合わせにならないように心がけなければ!)
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:47:23.27 ID:raZbc5hC0
遊園地
ハルヒ「さぁ〜みくるちゃん、妹ちゃん!乗って乗って、乗りまくるわよぉ!!」
みくる「ふぁああい」
キョン妹「きゃはー☆」
古泉「まさかこんなに大きな遊園地があったとは知りませんでした」
キョン「最近オープンしたらしいからな」(キョロキョロ)
古泉「おや、どうしたんです?そんなに辺りを見渡して」
キョン「なんでもない。気にするな」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:53:07.71 ID:raZbc5hC0
キョン「長門、この遊園地の中に国木田と谷口を探すことってできるか?」
長門「可能」
キョン「どこにいるか教えてくれないか?」
長門「遊園地内にいることはわかるが、現在地まで検索することは不可能」
キョン「くそっ、やっぱり駄目か」
プルルルルプルルルル
キョン「もしもし」
国木田「なんで行けないって教えてくれなかったの!?」
キョン「国木田っ、すまん! 急用で行けなくなった!」
国木田「行けなかったら私に言ってって…言ったじゃないか」
キョン「それは…」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 00:58:38.29 ID:raZbc5hC0
国木田「涼宮さんと、一緒なの?」
キョン「ああ、今から駅前に行くところ」
国木田「そっか……涼宮さんと一緒なんだ…」
キョン「もちろん二人だけじゃないぞ? 俺と古泉と長門と朝比奈さんと俺の妹とだ」
国木田「わかった。僕達より、涼宮さんのほうが大切だもんね…」
キョン「いや、それは断じてちg」
プープープー
キョン「…くそっ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:03:13.26 ID:raZbc5hC0
そのころ
谷口「ジェ、ジェットコースター凄かったな」
国木田「うん……」
谷口「次何乗ろうかなぁ…国木田、どこか乗りたいものあるか?」
国木田「谷口が決めていいよ」
谷口「……」
谷口(そうだ!)
谷口「国木田、観覧車に乗ろう!」
国木田「いいよ…」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:12:26.03 ID:raZbc5hC0
ハルヒ「ジェットコースターに乗るわよ!」
キョン「実は、怖くて乗れん」
キョン(アトラクションで楽しんでる場合でもないんだよ)
ハルヒ「はぁ? 行くったら行くのよ、ほらっ!」
キョン「うおあっ!」
手をガッシリと掴み、歩き出すハルヒ。
キョン「うあっとっとっと!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:19:13.73 ID:raZbc5hC0
キョン「おい、やめろって!」
力を思いっきり出して振り払うキョン。
ハルヒ「こうなったら意地でも連れてってやるんだから!」
キョンの背中に回りこみ、タックルし始める、ハルヒ。
キョン「うおおおおおおおお!?」
谷口(気まずい…)
国木田「ハァ…」
谷口「お、ジェットコースターが見えるぞ!」
国木田「そうだね…」
谷口「……」
国木田(…あれ? 涼宮さん? それに…キョン!?)
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:28:15.24 ID:raZbc5hC0
国木田「はは、やっぱりね…」
谷口(考え中…)
谷口「国木田!」
国木田「え、な、何?」
谷口「実は、俺、国木田が…」
国木田「? ちょっと、谷口、何立ってるんだ! 揺れちゃうよ」
谷口「あ、ああすまん…」
谷口(ちくしょう、いつもナンパだったらもっと楽勝なのに、俺はそんなに国木田が好きなのか!?)
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:34:14.56 ID:raZbc5hC0
古泉「おや、結局乗らなかったんですか?」
キョン「ああ、土下座しかけたぜ」
古泉「そんなに怖いものなのでしょうか?」
キョン「お前は乗らないのか?」
古泉「追いかけたらすでに、この状況ですから」
キョン(長門と俺がベンチを占領している状況…か)
古泉「それにしても、今日のあなたの様子は、少しばかり異常なような気がします」
キョン「悪かったな」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:37:19.09 ID:raZbc5hC0
古泉「なにか飲み物でも買ってきますよ」
キョン「ああ、すまんな」
キョン「…」
キョン「長門」
長門「なに?」
キョン「国木田って女だよな?」
長門「そう」
キョン「男じゃないよな」
長門「だった」
キョン「やっぱりな…」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 01:42:49.03 ID:raZbc5hC0
キョン「どうせ理由はあれだろうな…」
長門「…」
プルルルルプルルルル
キョン「もしもし?」
国木田「もしもし、キョンかい?」
キョン「お、おう。どうした?」
国木田「今、何してる?」
キョン「あ、ああ今、長門と町内パトロールだ」
国木田(クスッ)「そっか。まぁ、涼宮さんにあまり気使わせちゃ駄目だよ?」
キョン「お、おう」
国木田「今、観覧車に乗ってるんだ」
キョン「へ、へえ、眺めはどうだ?」(これやばい!)
国木田「いいよ。とっても……」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:08:20.08 ID:raZbc5hC0
キョン(あの観覧車か…)
キョン「俺も行きたかったなぁ何せ、とてつもなく大きな観覧車なんだろ?」
国木田「確かに、私が乗った観覧車では一番大きいかな」
キョン「もしかしたら俺達の町内パトロールも見えるかもな」
国木田「うん、見えるよ」
キョン(!?)
国木田「なんてね、見えない……よ…」
キョン「? 国木田?」
国木田「グスッ……、ごめん……ちょっと風邪気味なんだ」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:17:06.54 ID:raZbc5hC0
キョン「そうなのか?」
国木田「ごめん。切るね、そろそろ谷口がかわいそ…うだか……ら」
キョン「…」
キョン「国木田」
国木田「何?」
キョン「今度、どっか一緒に行こうな。どこでもついてってやるよ」
国木田「う、うん! 楽しみにしてるよ! じゃあね!」
キョン「おう」
キョン(これが俺にできるせめてもの償いってやつだな)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:30:06.86 ID:raZbc5hC0
プツッ
キョン「ふぅ」(チラリ)
キョン「長門、このことは誰にも言うなよ?」
長門「了解」
ハルヒ「何を誰にも言わないってぇ?」
キョン「(……( ゚д゚)」
ハルヒ「遊園地に来たのにお友達と仲良くお電話とはいい度胸ねぇ」
キョン「まて、ハルヒ。国木田の調子が悪かったから慰めてやったんだ」
ハルヒ「遊園地に来てやること?」
キョン「すみません…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:38:19.72 ID:raZbc5hC0
谷口「? どうした国木田」
ポロポロと大粒の涙を流す国木田。
国木田「ううん…なんでもない…よ」
谷口「あのさ、国木田」
谷口「もし、何かあったら俺にいってくれよ。俺とお前は親友なんだからよ」
国木田「フフ…そうだね。谷口は私の大事な親友だよ」
谷口「へへ…」
国木田「もっと…頑張ってみる」
谷口「おう? まあよくわかんねえけど。応援するぜ! 俺もがんばるから!」
国木田「え? 何を?」
谷口「さあな!」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:46:21.16 ID:raZbc5hC0
そして…
学校
谷口「おっすキョン!」
キョン「よう。どうだったよ?」
谷口「告白はしなかった」
キョン「そうか。だが、結構いい頃合だったんじゃないか?」
谷口「いや、あいつが俺に振り向くまで、告白しない」
国木田「誰に告白するんだい?」
谷口「くぁwせdrftgyふじこlp…く、国木田」
国木田「どうしたんだい? そんな顔赤くして。熱でもあるのかい?」
コツン
キョン(おお…おでことおでこを……)
谷口「WAWAWAWAWAWA…」
国木田「うん。異常なし。ってあれ?まだ顔が赤いなぁ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:48:44.89 ID:raZbc5hC0
キョン「国木田、安心しろ。こいつは生きてる」
国木田「はは、キョンは変なことを言うなあ」
キョン(お前が原因だよ…)
キョン「そういえば、国木田。どうだったよ、遊園地は」
国木田「うん。とっても面白かったよ。それに…」
キョン「それに?」
国木田「谷口がちょっと、かっこよく見えたかな」
キョン「そうか」
ハルヒ「邪魔」
国木田「あ、ごめんね。涼宮さん」
鋭い目つきで国木田を煽るハルヒ。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 02:58:26.92 ID:raZbc5hC0
ハルヒ「あれのどこがいいのよ」
キョン「女を見た目で判断するのはいけないと思うぞ」
ハルヒ「あんな楽しい遊園地ほったらかして、あんたがイチャイチャ電話するぐらいなんだから、何か良いに決まってるわ!」
キョン「少なからずお前よりは性格がいいだろうよ」
ハルヒ「それじゃ私が性格悪いみたいじゃないの!」
キョン(自覚ないのか? こいつ)
ハルヒ「あんな女いなけりゃいいのに…(ボソッ)」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:04:37.29 ID:raZbc5hC0
谷口「よっしゃ飯だ飯!」
キョン「おう」
国木田「隣座るよ」
キョンのとなりにズイッと入ってくるハルヒ
谷口「涼宮?」
ハルヒ「何よ」
国木田「涼宮さんも一緒に食べる?」
国木田を完全スルーなハルヒ。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:09:49.41 ID:raZbc5hC0
キョン(これは何かの罰ゲームか?)
無理やり国木田とキョンの間に入ったハルヒ。
キョンはハルヒと体が密着していてまったく身動きが取れない。
キョン「邪魔だ。ハルヒ」
ハルヒ「あんたこそ邪魔よ。私はここで食べたいのよ」
キョン(やれやれ。谷口、国木田、離れるぞ)
谷口・国木田(了解)
ガタッ
ハルヒ「どこ行くのよ?」
キョン「別の場所で食べる。お前はそこで食べたいんだろ?」
ハルヒ「くぅぅ…」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:13:44.01 ID:raZbc5hC0
キョン「お、国木田その卵焼きくれよ」
国木田「いいよ。キョンも何か頂戴よ」
キョン「俺の昼食はふりかけごはんだ」
国木田「じゃあそれを頂くよ」
ハルヒ「!」
ハルヒ(自分達の箸で交換!? 間接キスじゃないの!!)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:19:43.31 ID:raZbc5hC0
キョン(恐ろしい視線が俺の背中をチクチクとしてきやがる)
国木田「あのさ、キョン」
キョン「な、なんだ?」
国木田「いつにする?」
キョン「ああ、そうだなぁ」
谷口「なんの話だ?」
キョン「そろそろテストだろ? 勉強会だ勉強会」
国木田「谷口に言っても来ないかなと思って言わなかったんだ」
谷口「いく!!! 絶対に行きますですわ」
キョン(きもっ)
ハルヒ(勉強会ですってぇ!?)
嫉妬100%、聴力がいつもの倍のハルヒであった。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:28:18.88 ID:raZbc5hC0
キョン「俺の家でやろう」
谷口「どうせそんなこったろうと思ったぜ」
国木田(キョンの家……)
谷口「それにしても、涼宮の顔が般若みたいに見えるのは俺だけか?」
キョン「俺は後ろに目がないからわからんが、そうとう怖いな」
国木田「キョン、涼宮さんも勉強会に誘ったら?」
谷口「はぁ? 絶対こねぇよ。あいつは」
キョン「やめとけやめとけ。ムードが悪くなる」
キョン(特に国木田とハルヒのムードが)
国木田「涼宮さんは頭いいし、きっと良い勉強会になるよ」
キョン(嗚呼、国木田。お前は良いやつだな)
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:37:36.12 ID:raZbc5hC0
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「今日、俺の家で勉強会をするんだが、どうだ? 一緒にやらないか?」
ハルヒ「なんで私が行かないと行けないのよ。できないやつと一緒にやったらこっちもできなくなるわよ」
キョン「そうか、じゃあ結果的に行かないでいいんだな?」
ハルヒ「っ…」
国木田「お願い、涼宮さん。私だけじゃ、二人の相手はできないんだ。」
ハルヒ「…わかったわよ」
キョン(一件落着…か?)
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:45:55.92 ID:raZbc5hC0
SOS団の活動はなかった
キョン宅
谷口「お邪魔しまーす」
国木田「お邪魔…します」
国木田(キョンの…においだ ///)
キョン「おう、あがれあがれ」
ハルヒ「…」
※(ハルヒはそのまんま家に来た)
キョン「んじゃあ、始めるか」
キョン(とりあえず、俺はハルヒと…。上手くやれよ、谷口)
谷口「ちょっとまった〜!」
キョンやハルヒが座ろうとしたところを谷口が止める。
キョン「なんだよ」
谷口「くじ引きで決めようぜ!」
キョン(こいつは相当なバカだ)
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:49:38.73 ID:raZbc5hC0
ハルヒ「何を決めるのよ」
谷口「国木田と涼宮がどっちを教えるかだよ〜」
キョン(「おい、谷口、そんなことしなくても俺はハルヒに教えてもらってお前は国木田でハッピーエンドだったろうが!」)
谷口(「大丈夫だよ。細工はしておいた!」)
キョン(もうどうにでもなれ)
谷口がすでに持っていた棒を、俺、ハルヒ、国木田が取る。
谷口「よしじゃあ、一斉に…せぇ〜のっ!」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:57:29.21 ID:raZbc5hC0
谷口 黒
キョン 無印
ハルヒ 黒
国木田 無印
キョン(自業自得だ)
国木田「じゃあ、キョン。教えるって言っても私もあんまり頭いいほうじゃないから…」
キョン「すまんな。俺ももうちょっと頭が良けりゃお前の負担を少なくできたんだけどな」
国木田(///…近い……一メートルもないよ)
キョン「テストの範囲とかわかるか?」
国木田「うぇ? あっ、えーっと…69ページから…」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 03:59:58.89 ID:raZbc5hC0
谷口(69? キョンのやつ、国木田に何を…!?)
ハルヒ「…」(カリカリ)
谷口「…」
ハルヒ「…」(カリカリ)
谷口「涼宮、ここわかんねえ」
ハルヒ「…教科書見れば?」
谷口「お、おう…」
谷口(死ぬぅ……( ;∀;))
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:04:03.51 ID:raZbc5hC0
数時間後…
キョン「ふう、国木田のおかげですぐ覚えられたぜ」
国木田「キョン、覚えるの早いね」
キョン「忘れるのも早いけどな」
国木田「そっちはどう? 谷口、…涼宮さん?」
谷口「こいつならさっき寝たぜー…おかげで勉強もさっぱりだ」
キョン「ったく。おいハルヒ、起きろ」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:12:53.32 ID:raZbc5hC0
ハルヒ「なによぉ、古泉君。いきなりそんな質問ん」
キョン(こいつ、夢でも見てるのか?)
ハルヒ「キョンのことなんかぁ…これっぽっちも好きじゃなぁいわよ」
キョン(夢の中でよかったな古泉。現実だったら殺してたぜ)
ハルヒ「キョン…は、頼りになるけどぉ…甘やかしちゃだめなのよぉ」
キョン「…」
ハルヒ「私はしょうがなくぅ、あいつの調教を買って出ただけよぉ」
キョン(こんのやろう…許せん!)
キョン「ハルハル〜。早く起きろよっ☆ なあ?ハルハルゥ」
国木田(二人きりのときはハルハルって呼んでるのかな…? いいなぁ涼宮さん…)
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:17:11.92 ID:raZbc5hC0
谷口「気持ち悪いぞ…キョン」
キョン「黙ってろ」
ハルヒ「ハルハルって呼ぶなぁ!! …って? あれ?」
キョン「おかえり、ハルヒさんよぉ」
ハルヒ「/// 帰る!!」
ガチャドンドンドンドン…
国木田「嵐のように帰って言ったね…」
キョン「あいつのことは気にするな。とりあえず国木田、こいつを見てやってくれ」
谷口「おお、そうだったそうだった」(キョン、ナイス!)
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:20:45.85 ID:raZbc5hC0
国木田「でも、もう10時回ってるし…今から帰らないと」
キョン「別に泊まってってもいいぞ?」
国木田「えっそれは…」
谷口「おお! いいねぇ。キョン様の粋な計らい!」
キョン「急におだてるな…国木田、お前はどうする?」
国木田(どうしよう…でもこんな機会もうないかもしれないし…)
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:26:14.41 ID:raZbc5hC0
谷口「俺のテストがぁ…キョンも道連れならいいが、俺だけ赤点は嫌だ〜!」
国木田「…わかった。キョン、一晩泊まっていい?」
キョン「おう。制服持って来てなかったのはちょっと痛かったな」
谷口「なぁに早めにここを出れば大丈夫だよ」
キョン「そうだな」
キョン「風呂沸いたみたいだけど、入るか?」
谷口「おう、入る入るー」
キョン「とりあえず俺、先に入るぞ。谷口は国木田に教えてもらっとけ」
谷口「オーケー!」(キョン、またもやナイス!)
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:32:07.88 ID:raZbc5hC0
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キョン「ふぅ、さっぱりしたな」
キョン(パジャマは俺の貸せばいいよな)
キョン「おーっす、どこまですすんだ?」
谷口「完了したぜ…ってキョン!お前風呂入りすぎじゃねぇか!?」
キョン「? いつもこれぐらいだが」
国木田(上半身裸…///)
谷口「とりあえず終わったし、俺入ってくるぜ」
キョン「おう、いってらっしゃい。着替えは洗濯機に入れとけ」
谷口「りょーかい」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:36:57.11 ID:raZbc5hC0
キョン「…どうした?顔なんか伏せて」
国木田「上着てよ…」
キョン「? 何て言った?」
国木田「上着てっていってるの!」
キョン(なんでこんなに怒ってるんだ?)
国木田(キョンって意外と筋肉あるんだ…)
キョン「そういえば、どうするんだ?」
国木田「ああ、どこか行くって話?」
キョン「俺はどこでもいいけど、国木田、どこか行きたいところあるか?」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:43:11.35 ID:raZbc5hC0
国木田「それじゃあ…ちょっと遠くにある喫茶店!」
キョン「喫茶店? 喫茶店ならここらへんいくつでもあるだろ」
国木田「キョンはわかってないなぁ。ちょっと遠くに行くのがいいんじゃないか」
キョン「そんなもんなのか…まあ、わかった。一応どこか予定を空けるよ」
国木田「涼宮さんたちとはいいの?」
キョン「俺一人欠けただけで何か変わるようなやつらじゃねぇよ」
キョン「それに、一回誘い断ってるわけだし」
国木田「うん…楽しみにしてるよ」
谷口「うぃーっす…入ってきったぜ〜っと」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:45:49.74 ID:raZbc5hC0
キョン「んじゃ、次国木田だな」
国木田「そうだね、よいしょっと」
国木田「…なんでキョンがついてくるの?」
キョン「洗濯機早めにしとかないと乾かないから」
国木田「…」
国木田「着替えるから出てってよ」
キョン「なんで?」
国木田「いいから出てって!」(キョンのエッチ!)
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:48:00.06 ID:raZbc5hC0
キョン「のわっと!?」
キョン「おい、国木田、ちゃんと洗濯機に服入れろよ〜!」
国木田「わかってるよ!」
ガチャ…
キョン「入ったかー?」
国木田「う、うん…」
キョン「洗濯機… ?…なんかブラジャーが入って…」
キョン「!!」(忘れてた!)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:50:42.58 ID:raZbc5hC0
キョン(俺はなんていうミスをしちまったんだ!?)
キョン(そういえば国木田は女だったんだ…!)
国木田「〜♪」
キョン(ブラジャー触れねぇし、もうビチョビチョだし…)
キョン(とりあえず、これしかない!)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:54:08.59 ID:raZbc5hC0
キョン「国木田ー? とりあえずパジャマ置いとくからな〜」
国木田「あ、うん」
国木田(でも、私に合うようなパジャマあるのかな?)
国木田(そういえば、この浴槽の中にキョンが…)
国木田(///…シャワーで済まそう)
国木田「ふぅ…さっぱりしたぁ」
国木田「これかな?」(ブラジャー洗っちゃったから別に無しでいっか)
国木田「んん?これ、きついなぁ…」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 04:57:31.67 ID:raZbc5hC0
国木田(キョンが用意してくれたものだし、我慢しよっと)
国木田「入ったよー」
谷口「おう、国木…ブー!!!!」
キョン(やはりだめだったか…)
国木田「ちょっ!? 谷口? 鼻血出して…!」
キョン(妹の一番でかいのだけど、ピチピチだな…これはまずい)
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 05:00:41.59 ID:raZbc5hC0
キョン「谷口、大丈夫か? 返事をしろ」
谷口「俺の忘れ物、みーっつけた☆」(ガクリ)
キョン(谷口は、俺のベッドで安静させることにした。)
国木田「谷口大丈夫かな?」
キョン「すまんかった。俺が悪いんだ」
国木田「とゆうか、なんで谷口は鼻血を出したの?」
キョン(自覚無しか…)
キョン「とりあえず、これに着替えてきてくれ」
国木田「? うん」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 05:03:12.66 ID:raZbc5hC0
国木田(あ、これ…妹さんのだったんだ。暗くてよく見えなかったからわかんなかった)
国木田(さては、勝手に使ったから怒られたのかな?キョン)(クスクス)
国木田(あれ? 次はブカブカ…)
谷口「う…うん?」
キョン「大丈夫か、変態」
谷口「ピチピチ国木田は!?」
キョン「さっき着替えに行った」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 05:06:12.04 ID:raZbc5hC0
谷口「俺には刺激が強すぎるぜ…」
キョン「俺も今汗だくだぜ」
国木田「あっ、谷口大丈夫だった?」
谷口「おう、大丈ブーーーーー!!!」
キョン「!?」
国木田「ちょ! 谷口!?」
谷口「くはは…俺の妹…みっつけた☆」
キョン(なるほど、こいつは妹萌えなのか)
キョン(そんなこんなで俺達の勉強会は終了した)
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 05:09:41.16 ID:raZbc5hC0
怒涛のテスト週間も終わり、クラスにあったテスト鬱々は消え去った。
俺はなかなかいい点数を取ったと思う。
国木田「遅いよ、キョン」
今日は国木田と、ちょっと遠い喫茶店へ行く日だ。
キョン「すまんすまん。ちょっとハルヒの相手に手間取った」
国木田「じゃあ、いこっか?」
キョン「おう」
国木田が女なのも、悪くないと、俺はこのとき少なからず、思った。
END
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 22:12:30.53 ID:raZbc5hC0
とりあえずもう一段落すれば書ける予定です。もうしばらくお待ちを!
んじゃ前日談か後日談かは
>>185安価で
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 22:32:59.49 ID:o5xt3dTFO
>>185
後日
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:00:14.40 ID:raZbc5hC0
俺の高校には、たくさんの美少女がいる。
朝比奈みくるさん、朝倉良子(過去形)、長門有希、鶴屋さん、ハルヒ(性格はあれだが)。
そして、国木田。
今、俺は男友達であった一美少女、国木田とちょっと遠い喫茶店にいる。
別に、国木田が男であろうが女であろうが、俺にとっては、大事な友達なわけだが。
国木田「ここのパフェ、とっても美味しいんだよ」
キョン「ほう、そりゃ楽しみだ」
キョン(と、言ってもあまり甘いものは食べれないんだが…)
向かい合って座る二人。
国木田「何にする?」
キョン「んーそうだな…」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:10:20.97 ID:raZbc5hC0
キョン(甘いものしかないのか!? ここはっ)
国木田「キョン?」
キョン「あ、ああ」
キョン(一つ食べれる気がしない)
キョン(だからと言って残すのも国木田に悪いしな…)
キョン「俺はいいよ。あんまし腹へってないし。国木田のちょっともらっていいか」
国木田「え、う、うん…」
国木田(なんでこんなに恥ずかしいんだろう…)
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:16:01.37 ID:raZbc5hC0
国木田(なんで、食べないのかな?)
キョン「ん? どうした?」
国木田「ううん、何もないよ」
キョン「さっきお前が美味いって言ってたやつはどれなんだ?」
国木田「えっとー……これだよ」
キョン「おお、美味しそうだな。金額も結構高めだし」
国木田「う……うん」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:24:10.14 ID:raZbc5hC0
店員「おまたせしましたー」
キョン「おお、美味しそうだな」
国木田「うん…」
パクリ、とパクつく国木田
国木田(うう…緊張しすぎて味がわからないよ…)
キョン「んじゃ、ちょっと頂くぜ?」
パク
キョン「うん、甘い」
国木田(クス)「甘いに決まってるよ、キョン」
キョン「しかし、こうやって二人になるのも中学校ぶりか」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:33:30.55 ID:raZbc5hC0
国木田「そうだね…私とキョンと佐々木さん、いつも一緒にいたよね…」
キョン(やはり国木田は佐々木を覚えてるのか。よかった)
キョン「最近、どうだ? 元気でやってるか?」
国木田「うん。でもキョン。それは三日間一緒に勉強した友にいう言葉かい?」
キョン「ああ、そうだな。」
国木田(クスッ)「何か考え事でもしてるのかい? なんだったら相談に乗るよ?」
キョン「ああ、国木田にはぜひ聞いてもらいたい相談なんだ」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:39:07.92 ID:raZbc5hC0
国木田(えっ私に?)「なになに、なんでも聞いてよ」
キョン「佐々木が今どこにいるか知らないか?」
国木田「…へ?」
キョン「俺の昔のアルバムに、いつも三人で遊んでいた写真が、まったくといっていいほどどこにも見当たらんのだ」
国木田「? どういうこと?」
キョン「俺とお前だけの写真しかないんだよ」
国木田(…ボンッ)
国木田は爆発寸前のように顔を赤らめた。
国木田「わ、わわわわ私と、キョンのツーショット…!?」
キョン「まぁ、そうなるな」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/27(木) 23:46:39.22 ID:raZbc5hC0
国木田(うそうそうそうそ…!? そんな写真あったかな?)
キョン(三人の写真つーか、佐々木の存在が消えてるんだよな)
国木田「私は…佐々木さんの連絡先とか、わからないなぁ」
キョン「そうか…悪いな。国木田。変なこと聞いて悪かったな」
国木田(やっぱりキョン、佐々木さんのこと、まだ好きなのかな…)
キョン「お、おい。国木田、アイス溶けてるぞ?」
国木田「あ、あうひゃ!」
キョン「落ち着けって」
ビチャ…
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:04:01.07 ID:zUPJUm670
キョン「やれやれ」
国木田「はは…こぼしちゃった」
キョン「どこだ? 拭いてやる」
国木田「いいよ、私持ってるし……ってあれ?見つからない」
キョン「国木田にしては珍しいミスだな。どこが濡れた?」
国木田「脚…」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:08:22.24 ID:zUPJUm670
キョン(やっぱり、お前は本当に女になっちまったんだな。国木田)
俺は国木田の細くて白い脚を見て、そう思った。
国木田「いいよ、キョン。自分で拭くから」
キョン「女の子がこんなとこでおもむろに脚を拭いてたら可愛くないぞ… よっしこれでOK」
国木田「/// ありがとう」
国木田「キョンは、優しいんだね」
キョン「そうでもねぇよ。国木田には結構借りがあるしな」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:13:36.97 ID:zUPJUm670
国木田「はは、じゃあこれで借りはチャラかい?」
キョン「別に、借りがあるからってわけでもないけどな」
国木田「そうだ、キョン。デパート行かない?」
キョン「ああ、もちろんいいぞ」
国木田(やった!)「じゃあ、行こうか!」
キョン「まだパフェ残ってるぞ。最後までちゃんと食べなさい」
国木田「う、うん。」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:19:49.06 ID:zUPJUm670
デパート
国木田「パフェ奢ってくれて、ありがとうね」
キョン「俺は人に奢りなれてるんだよ」
国木田「ハハッ。涼宮さんに毎回奢らされてるのかい?」
キョン「ああ、そのせいで別に貯める気もなかったが貯めていた金が、いつのまにか無になってたぜ」
国木田「アハハッ。キョンは面白いな…」
国木田(いつもキョンが一緒にいるなんて涼宮さん、うらやましいわ…)
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:30:53.74 ID:zUPJUm670
キョン「ん…? あいつ…」
国木田「どうしたの?…あっ!」
キョン「佐々木?」
佐々木「おや、キョン。奇遇だね」
キョン( ど う な っ て る ん だ ? )
キョン(なんで佐々木がここにいる!?)
キョン(存在が消えたはずなのに…?)
佐々木「どうしたんだい、キョン。僕の顔に何かついているかい?」
キョン「いや、別に」
佐々木「おや、隣にいるのは…」
国木田「ひさしぶり、佐々木さん」
佐々木「誰だい? 君」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:35:22.39 ID:zUPJUm670
国木田「……え?」
キョン「なんだ、佐々木。変な冗談はよせよ、国木田のこと忘れたなんていわないだろうな?」
佐々木「待ってくれよ、くにきだ? なんていう漢字だい?」
国木田(どういうこと…?)
キョン「おい、佐々木。いいかげんにしろ。いくらなんでもひどすぎるだろ」
佐々木「いやだなぁ、キョン。中学のとき僕が仲良くさせてもらったのは君だけだよ?」
キョン「…は?」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:42:11.10 ID:zUPJUm670
佐々木「こんな可愛い女の子を僕に紹介したいのはわかるけれど、君のほうが冗談が過ぎるよ」
キョン「本当に…覚えてないのか?」
佐々木「僕が冗談を言うとでも?」
国木田(…)
佐々木「おっと、これから塾があるのでね。キョン、電話番号を教えてくれるかい?」
キョン「あ、ああ…」
佐々木「…よし。ありがとう、キョン。また今度電話するよ。じゃあね。くにきださんもさようなら」
国木田「……」
キョン「…よ、よし。デパート行くぞ」
国木田「うん…」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:47:50.42 ID:zUPJUm670
キョン(一体、何が起きてるんだ?)
存在が消えた佐々木の出現。国木田の忘却…。
キョン(何が原因なんだ…)
国木田「……」
キョン「……」
国木田「私、嫌われてるのかな…?」
キョン「佐々木はそんなやつじゃないだろ。俺とお前が一番良く知ってることじゃないか」
国木田「でも、佐々木さん、本当に覚えてないみたいな顔して、私を赤の他人のように見てきたよ?」
キョン「……国木田」
国木田「…」
キョン「そうだ、国木田」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 00:56:49.36 ID:zUPJUm670
国木田「なに?」
キョン「この髪留め、お前に似合いそうだな」
国木田「うぇ? でも、私髪短いし…」
キョン「前髪がちょっと長くてうざくないか?」
国木田の前髪を、手でどかすキョン。
国木田(///)「そう?…かな」
キョン「俺が買ってやるよ」
国木田「…キョンは、ホントに優しいんだね」
国木田(私、気使わせちゃったかな? ハハ・・・)
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:02:31.59 ID:zUPJUm670
俺は複雑な気持ちを全部、髪留めに投げ捨てたような気がして、自分が情けなく思った。
キョン「国木田、前よりでこが見えて、可愛くなったな」
国木田「あんまり誉めないでよ、キョン。恥ずかしいから///」
今日はいつもより、素直に話せている気がする。
キョン「服とか見ないのか? 女は服とか好きなんだろ?」
国木田「それは女への偏見にきこえるよ、キョン。まあ、せっかく遠くまで来たんだから、ちょっとみてみようかな」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:07:23.82 ID:zUPJUm670
キョン(存分に見てくれ。それで、お前の気持ちが晴れることはないだろうけど…)
国木田「私ってどういう服が似合うのかなぁ…」
キョン「明るい色の、清純な感じじゃねえか? 国木田にはそんなイメージがする」
国木田「でも、私地味だし…」
キョン「自分で地味って言うな。俺みたいなのを地味って言うんだよ」
国木田「でも、キョンはけっこう服のセンス良いと思うよ?」
キョン「そうか?」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:16:38.52 ID:zUPJUm670
古泉「おや、あなたは…」
キョン「ん? 古泉。なんでお前がここに?」
古泉「閉鎖空間の発生が最近増えていましてね。今日も対処していたんですよ。…あなたはどうしたんです?」
キョン「ああ、国木田に付き合ってんだ」
古泉「ほう、あなたに高校以外の友達がいたとは、驚きました。 中学生のときの友人ですか?」
キョン「古泉…お 前 は 何 を 言 っ て る ん だ ?」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:33:39.73 ID:zUPJUm670
古泉「はて? 何かおかしい事を言いましたか?」
キョン「国木田は俺のクラスの女子だぞ?」
古泉「廊下側から、剣持さん、由良さん、日向さん、高遠さん、鈴木さん、葉山さん、大野木さん
、柳本さん、阪中さん、成崎さん、佐伯さん、西嶋さん、瀬能さん、涼宮さん…それ以外に女性はいましたかねぇ?」
キョン(まいったな…)
キョン(佐々木の存在が修復され、国木田の記憶が消えてやがる…)
作者(女国木田の絵を描いてくれたら俺は死ねる)
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:40:45.20 ID:zUPJUm670
シャー
国木田「ねえ、キョン! どうかな?」
国木田「あっ、古泉くん」
古泉「おやおや、始めまして。国木田さん」
国木田「え?…始めまして…?」
キョン「古泉、帰れ」
古泉「涼宮さんに怒られなければいいですね♪ それでは」
キョン「気にするな。国木田。って、よく似合ってんじゃねえか。かわいいかわいい」
国木田「あ、…うん。ありがとう」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:46:26.97 ID:zUPJUm670
国木田のことを、助けることができないこの無力感はなんだ…?
俺は親友のことすら助けられなくなったのか?
国木田「……」
キョン「今日は季節はずれの4月バカのようだな。まさかこの俺が騙されるとはな」
国木田「キョン…」
キョン「国木田?」
目の輝きがない。どうしたんだ?
キョン「お、おい。国木田?」
国木田「私は…誰なの?」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:50:48.28 ID:zUPJUm670
キョン「国木田、お前は国木田だよ。」
谷口「おっす、キョン」
キョン(こういうときに限って…)
谷口「おほー! 可愛い子連れてんじゃねえか。お嬢さん名前は?」
国木田「私は…誰?」
谷口「おや?」
キョン「くそっ」
俺は国木田の、小刻みに震える手をしっかりと握り、谷口を無視して歩き去る。
254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 01:56:58.85 ID:zUPJUm670
国木田と一緒にいったちょっと遠い喫茶店は、駅前から歩いて40分する場所にある。
俺と国木田は、というか俺が引っ張ってだが、いつぞや長門が待っていた公園のベンチに座ることにした。
国木田「キョン…」
キョン「国木田…」
キョン(ハルヒ、お前は、自分のクラスメートをこんなに痛めつけたいわけじゃないだろう?)
キョン「くにき…」
キョン(…誰だ? この…美少女は)
キョン「!!」
キョン「俺の隣にいるのは国木田だーーーーーーー!!!! 忘れるわけないだろう!!!」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:01:09.20 ID:zUPJUm670
キョン(忘れるわけない…忘れたくない…隣にいるのは国木田だ…国木田だ…国木田だ!)
国木田「…」
キョン「国木田、大丈夫だ。俺はお前の味方だぞ」
国木田「…?」
キョン「俺は、お前を見捨てたりしないからな…」
国木田「…な……れ?」
キョン「え?」
国木田「あなたは…誰?」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:07:54.71 ID:zUPJUm670
キョン「嘘だろ…」
季節が春なのか、夏なのか、秋なのか、冬なのかわからない。
体が急に熱くなったり冷えたりしている。
国木田「ここは…どこ?」
キョン「………公園だ」
国木田「あなたは誰だ…」
キョン「キョンだ」
国木田「アハハ…変な名前…」
キョン「国木田…」
国木田「くにきだって…誰?」
キョン「国木田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は国木田を抱きしめた。
強く、強く、離さないようにしっかりと。
涙を流すのは、何年振りだろう。
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:13:54.15 ID:zUPJUm670
考えてみれば、国木田は無意識のうちに、
性を変えられ
存在を消され
記憶を―――――消された。
キョン「ハルヒ…お前は神なんかじゃない…」
キョン「人間に優しくできないお前なんか…神じゃない…」
国木田「キョンくん?…苦しいよ」
俺はまだ、国木田を抱きしめていた。
キョン「国木田、どうしたらお前を…助けることができる?」
国木田「私は…くにきだって言うの?」
キョン「そうだ、お前は国木田だ、国木田以外の何者でもない…」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:24:25.69 ID:zUPJUm670
キョン「国木田、お前は知らないと思うけどな…俺は、国木田のことを、忘れなくてよかった。」
キョン「あの時…自分に負けていたら、お前のこと、全部忘れるところだった」
国木田「私のこと?…キョンくん知ってるの?」
キョン「俺とお前は中学一緒で、よく一緒に遊んだじゃねぇか…」
国木田「そうなんだ。じゃあ、キョンくんと私は仲がいいんだね♪ なっかよっしなっかよっし♪」
キョン「中学…か」
そのとき、俺の頭に一つ、助けられるかもしれないという、一つの考えが頭に巡った。
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:29:08.57 ID:zUPJUm670
キョン「国木田、行くぞ」
国木田「えっ? どこに?」
キョン「ついて来い」
国木田「痛いよぉ、キョンくん」
俺は、国木田のこえがまったく、耳に聞こえなかった。
○○「…」
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:36:59.07 ID:zUPJUm670
キョン「俺だ、状況は後でする。とりあえず中に入れてくれ」
長門「…入って」
長門なら、きっと…お前なら、国木田を救うことができる。
ピンポーン
キョン「よう」
長門「どうぞ」
国木田「? …あなた誰?」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:43:14.52 ID:zUPJUm670
長門「…この人は?」
キョン「国木田だよ、忘れたのか?」
長門「…」
長門は黙りこくったまんま、そのまま何十秒も動かない。
キョン「おい…長門…?」
国木田「この子…どうしたの?」
長門「私の記憶に、国木田という人物は存在しない」
キョン「…」
嘘だろ?
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 02:57:42.80 ID:zUPJUm670
キョン「長門、お前、マジで言ってんのか?」
長門は小さく頷いた。
いつも一緒にいる谷口もだめ
いつも陰ながら俺達を支えている副団長の古泉もだめ
そして、最有力かつ、完全に安全パイだと思っていた長門も…
キョン「国木田は…」
長門「説明して」
キョン「…ああ」
国木田「?」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:02:26.43 ID:zUPJUm670
長門「…そう」
長門は平坦に、返事を返した。
キョン「国木田は、助けられないのか?」
長門「現状では情報が少なすぎる」
キョン「…」
国木田「キョンくん?」
キョン「国木田、お前は今、幸せか?」
国木田「うん! キョンくんとっても面白いもん!」
キョン「…」
俺は、バカだ。
294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:05:08.37 ID:zUPJUm670
結局は、俺が悪い。
あの時、佐々木の存在が消えるようなことがなければ…。
国木田は…。
こんなことには、ならなかった。
ハルヒ。
ハルヒ。
ハルヒ。
お前は な に が し た い ?
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:08:51.68 ID:zUPJUm670
国木田「!」
キョン「どうした!? 国木田っ!」
国木田「遊園地があるの?」
キョン「あ、ああ…。そうだな」
国木田「行きたい!」
キョン「また今度にしようぜ? な?」
国木田「行きたい行きたい!!」
キョン「…でも、もう金がねぇよ…」
長門「はい」
キョン「これは…チケット?」
長門「福引で、当たった」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:14:22.78 ID:zUPJUm670
ここは、国木田を、裏切った場所だ。
だから、今の俺はあまり行きたくない。
国木田「うぁ〜! 人がいっぱいいる〜」
夕方だというのにまだ人々の声は大きく、騒がしい。
キョン「何か、乗りたいもの、あるか?」
国木田「うーん…ジェットコースター」
キョン「よし、行こう。……絶叫系は、大好きだ」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:23:03.58 ID:zUPJUm670
俺は、嫌な思い出を吹き飛ばすように、次々と、様々なジェットコースターにのった。
人が多かったピークも終わり、あともう少しで日が落ちる。
キョン「そろそろ、帰ろうぜ」
国木田「ええ〜待って待ってぇ!」
キョン「時間も時間だからさ、な? 帰ろう」
国木田「最後に、観覧車に乗る!」
キョン「…………ああ、わかった」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:29:34.90 ID:zUPJUm670
国木田「うわぁ〜! 大きいねぇ! キョンくん!」
キョン「ああ、そうだな」
俺の体も、そろそろ限界が近づいてきた。
体が思うように動かない。
国木田「見て見て! 長門ちゃんのマンションが見えるよ!」
キョン「ほんとだな。こっからじゃ小さく見えるな」
国木田「見てキョン! 今日行った喫茶店が見える」
キョン「ああ、そうだな…」
・
・
・
キョン(!!)
国木田「もっと感想はないの?」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:36:58.37 ID:zUPJUm670
キョン「国木田…?」
国木田「どうしたの? キョン」
キョン「国木田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
国木田(/////)「うわぁぁぁ!? ちょっと! なになに!? いきなり?」
キョン「国木田、国木田、国木田っ!!」
国木田「キョン、落ち着いて! 何があったの?」
キョン「気にすることじゃない!」
国木田「とにかく離れ…」
国木田「…」
国木田(もうちょっとこうしていようかな…///)
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:42:19.41 ID:zUPJUm670
とまあ、国木田の記憶は戻ったわけだ。
だが、一体なんで戻ったんだ?
俺にはわからない。
国木田は、記憶が無かったことが、無かったわけだし。
長門は、性格データが一致しなかったため、国木田の存在を確認できなかったようだ。
そのあとはもう長門におまかせだ。
俺達を部屋で待たせてから5分も経たないうちに、全ての仕事をやってのけた。
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:44:49.91 ID:zUPJUm670
そのあと、長門によると、
長門「感情の波は、ある一定の場所で、一気に切り替わる。でも私にはまだわからないこと」
長門には感情がない。
なんてことはない。 それでも、理由がわかってるだけでも、大した事じゃないか。
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:51:22.10 ID:zUPJUm670
俺は次の日、ハルヒと一言も口を交わさなかった。
SOS団の部室に顔を出すことなく、谷口と国木田と、帰宅をともにした。
谷口「珍しいな。キョンが俺達と一緒に帰るとはな」
キョン「ハルヒにはもうついていけん。とゆうか、もう我慢できん」
国木田「涼宮さんをあんまりいじめないであげなよ、今日のキョンはもの凄く冷たかったよ」
谷口「そーそー、俺達はキョンと涼宮の夫婦漫才が見たいんだよ」
キョン「俺と、ハルヒがカップルとか何とかと間違えてないか?」
谷口「違うのかよ?」
キョン「へっ、彼女にするなら断然」
谷口「断然?」
キョン「国木田だろ」
END
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 03:55:23.16 ID:zUPJUm670
後日談、終了です。
最後の方の、超展開について、わけがわからなくなった方は、どうか
>>1にご質問ください。(>>1以外は無効にします)
みなさんの厚いご支援により、なんとか、終えることができました。
前日談、その後+αを考えているので、また、
もしも、
もしも、
も し も この糞スレが残っていた場合、前日談を書かせていただきたいと思います。
誹謗・中傷・意味不明な点があれば、どうかご批判ください。
どうも、ありがとうございました!
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 11:43:48.20 ID:zUPJUm670
ども、朝ちょっと寄って来ました。
今回結構過疎ってたからもう保守されないかな?
と半分あきらめてたが、まさか自分のスレが二日連続で保守されてるとは…
とても嬉しいです。
あと、関係ないですが、俺はSSの国木田のことを女国木田(にょくにきだ)と呼んでます。
女国可愛いよ女国
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 14:10:05.25 ID:zUPJUm670
今日は早めに始めようかな? と考えてみたが、深夜のほうがやっぱりみんな起きてるからいいのかな?
それと、今回は前日談の予定です。
異論は認めます。
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 15:14:19.00 ID:zUPJUm670
ある日。
SOS団が密か(?)に使用している部室でのことだ。
ハルヒ「子供の頃の写真を持ってきなさい!」
キョン「なぜだ?」(今でも子供だとは思うのだが)
ハルヒ「私はいつも前だけを見ているけど、過去だって振り返ることが重要だと思うの!」
古泉「ふむ…昔の写真ですか…」
長門「…」
ハルヒ「どうせ過去のことよ。どんなことがあったのかなんて、今言って恥ずかしいことなんかないでしょ?」
キョン(朝比奈さんの写真は気になるな…)
370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 15:17:44.74 ID:zUPJUm670
キョン宅
キョン「昔の写真か…俺個人だけの写真なんて持ってない気がするな」
キョン(集合写真は駄目だって言われたしな…)
妹「キョンくぅん、何探してるのぉ?」
キョン「写真」
妹「誰のぉ?」
キョン「俺の」
妹「あ、これまさかキョンくん? 可愛い〜♪」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 15:29:01.32 ID:zUPJUm670
キョン(さすがに赤ん坊のときの写真じゃ駄目だろうな。可愛くてもハルヒは怒る)
キョン「ん、これは…」
そこに写っているのは、俺と国木田と佐々木。
キョン「そういえばよく3人で遊んだな…」
とりあえず俺は、数枚持っていくことにした。ほかの三人は、持ってきそうにないからな。
キョン「結局俺一人で写ってる写真は、一つも無かったな」
まぁ、いいさ。
あいつは過去を振り返るって言ってたわけだし、俺の中学の友人の紹介とかすればいいんだ。
373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 15:46:42.56 ID:zUPJUm670
次の日
ハルヒ「んじゃ、みんな! 昨日言ったとおり、写真を見せなさい」
キョン「お前は持ってきてないのかよ」
ハルヒ「私は見る側だから」
キョン(納得いかん…)
古泉「すいません、よく探したのですが…集合写真しかありませんでした」
ハルヒ「そうなの…古泉君がどんな子供だったのか知りたかったなぁ」
ハルヒ「じゃあ有希、あなたは?」
長門「写真、無い」
ハルヒ「あら」
キョン(やっぱりか)
375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 15:53:56.78 ID:zUPJUm670
みくる「キョンくん」
キョン「? どうしました? 朝比奈さん」
みくる「昨日から思ってたんですけど、写真ってなんですかぁ?」
キョン(さすが未来人。すでに写真じゃない保存方法があるみたいだ)
キョン「ハルヒ、朝比奈さんも無かったみたいだ」
ハルヒ「え〜? まったく、情けない団員達ね!」
古泉「情けない限りです」
ハルヒ「期待してないけど、キョン。持ってきたの?」
キョン「ほらよ」
俺は持ってきた写真をハルヒに見せた。
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:04:46.80 ID:zUPJUm670
ハルヒは少しだけ笑顔に戻り、写真をまじまじと見始めた。
その微笑は、一瞬で消えた。
ハルヒ「誰? これ」
キョン「国木田だ」
ハルヒ「違うわよ、この、キョンの左にいる人」
キョン「そいつか? 中学の俺の友人だ」
ハルヒ「名前を聞いてるのよ。誰!?」
キョン「佐々木」
ハルヒ「ふぅん…」
ハルヒは唇を尖らせて、俺の写真をずっと見つめている。
次の写真は、俺と佐々木が夏祭りに行ったときの写真だ。
ハルヒ「…」
さらに次の写真は、俺と佐々木が一緒に海行ったときの写真だ。
国木田との写真もたくさんあるのだが、見つからなかったし、めんどくさかったから見つかったものを持ってきた。
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:10:05.36 ID:zUPJUm670
ハルヒ「あんた、この子と付き合ってたの?」
キョン「いや、別に。ただの友達さ」
ハルヒ「嘘つかないの、こんなにくっついてるくせに」
キョン「だから、友達なんだからそれくらい当然だろ? それに、国木田もいるわけだし」
三枚目の写真は、後ろにぼんやりと、国木田が見える。
ハルヒ「どうせ、今でも付き合ってるんでしょ。だからあんたは駄目なのよ」
勘違いするんじゃねえよ、ハルヒ。
キョン「付き合ってないといっているだろうが」
ハルヒ「じゃあキョン、あんた、クリスマスの時、どうやって過ごしてた?」
キョン「佐々木と国木田とで、俺の家でクリスマスパーティだ」
381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:13:09.52 ID:zUPJUm670
そういえば、昔の俺はけっこう活動的だったな。
ハルヒ「つまりあんたは国木田で逃げようとしてるのね。さいてー」
キョン「佐々木とはウマが合ったんだ。だから仲良くしてただけだ」
ハルヒ「こんな女と…付き合ってるから…」
キョン「…?」
体が、熱い。
目の前が真っ暗になる…。一体…?
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:17:50.97 ID:zUPJUm670
視界がだんだん回復してきた。
そこには、ハルヒがいて、朝比奈さんがいて、長門がいて、古泉がいる、何も変わらない部室だった。
ハルヒ「なによ、あんた。国木田とくっつきすぎじゃないの?」
キョン「男同士でくっつき合うか。そんな写真持って…」
ん?
俺と、国木田…?
おいおい、どういうことだ
キョン「おい…どういうことだ…?」
キョン(佐々木の存在が、無くなっている?)
とゆうか、国木田が、なんだか女っぽく見える。
ハルヒ「まぁ、国木田は谷口とのコンビが成立してるわけだし。あんたとはもう過去の女ね」
386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:23:10.48 ID:zUPJUm670
キョン「待ってくれ」
ハルヒ「何よ?」
キョン「なんで、国木田がいるんだ?」
ハルヒ「はぁ? 知らないわよ。あんたの写真を私が知るわけ無いでしょ」
キョン「いや、それよりもなによりも…」
ハルヒ「キョン、頭大丈夫?」
俺はいたって平常のつもりだ。
キョン「ハルヒ…国木田が…」
>>1に続く…
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 16:26:23.18 ID:zUPJUm670
前日談でした。
前日談から始めたら、誰も見てくれないと思ったので、後々書くことにしました。
まさか、ここまで早く終わるとは…
誹謗、中傷、意味不明な点、物足りない点があれば、どうぞご質問なさってください。
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/28(金) 22:47:20.51 ID:IyY1vpNE0
そろそろ書きたいと思います。
書く前にやりたいこと全部やったら、始めたいと思います。
話は後日談 Uです。
まとめ
>>367 前日談
>>1 本編
>>188 後日談
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:24:10.29 ID:IyY1vpNE0
俺が、そういうと、場が一気に静まり返った。
谷口「はぁ?」
国木田(///)
キョン「俺は何か変なこと言ったか?」
谷口(「お前、俺の国木田を取るつもりか!?」)
キョン(「すまん、別にそういうことで言ったわけじゃないんだが…」)
国木田「…」
今、俺が思っていたことを言ったまでである。
国木田はいいやつだ。
これは俺が一方的に思っていることだけど。
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:28:57.16 ID:IyY1vpNE0
谷口「じゃあな、キョン」
国木田「じゃあね、キョン」
キョン「おう」
自転車置き場に置いてあるから、ここでお別れだ。
国木田とはもっと、話がしたかった。
キョン(まぁ、明日もあるか)
あの事件があったせいか、俺は国木田ともっと仲良くなりたいという、気持ちになった。
だって、俺だけはあいつのことを忘れなかったわけだし。
俺が、助けた(のか?)わけだし。
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:32:32.97 ID:IyY1vpNE0
さっきから振動しっぱなしの、あえてスルーしていた携帯に目を落とす。
ハルヒからの電話。
知るか。
確かにお前は無意識なのかもしれないが、俺の親友を、二人も消すなんてことを普通は考えないだろ。
キョン(今日の晩飯はなんだろうな)
俺はムカムカとした感情を無理に押さえ込んだ。
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:35:19.79 ID:IyY1vpNE0
次の日、俺はハルヒが後ろにいることに最近苛立ちを覚えるようになった。
ハルヒ「あ……」
キョン「おはよう」
ハルヒ「おはよう…」
一応返事ぐらいはする。
あのハルヒが、一日だけでここまで塞ぎこむとは思わなかった。
もっと暴れると思っていたのに。
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:41:29.36 ID:IyY1vpNE0
谷口「おっす、キョン」
キョン「よう、谷口。それと、国木田」
国木田「あ、おはよう…」
キョン「ん。どうした国木田」
国木田「いや、なんでもないよ」
そんな顔をされると、あの事件を思い出しちまう。
谷口「お前さ、そろそろ。そろそろハルヒと縁り戻せよ」
キョン「いやだ。あんな女とは二度と行動を共にしたくないね」
国木田「だ、駄目だよキョン。涼宮さんだって、すごく気にしてるようだし」
待ってくれ、国木田。
あいつがお前にしたこと…覚えてないのか?
国木田「昨日、私とお出かけしちゃったから? そのせいで、仲悪くなったの?」
キョン「そういうわけじゃ―――――」
いや、そうだ。しかし、国木田のせいじゃない。
あいつの理不尽のせいだ。
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:46:11.37 ID:IyY1vpNE0
キョン「―――――ないんだ」
国木田「でも、帰り遅かったし、それぐらいしか理由が見つからないよ」
キョン(国木田…)
お前は悪者じゃない。
むしろ、傷つくほうだ。
谷口「ちょっと待て…お前ら二人で出かけてたのか!?」
キョン「ああ。そうだが?」
谷口(「おいてめぇ、キョン。お前は味方なのか? 敵なのか!?」)
けっして谷口のことを忘れたわけじゃない。
ただの親友としての、付き合いだ。
それ以上ってことはない。
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:51:01.81 ID:IyY1vpNE0
キョン「大丈夫だ、谷口。俺はお前の味方だ」
谷口「本当かよぉ…?」
キョン「そうだ、谷口。今度、お前が誘ってみたらどうだ?」
谷口「うぇあ!? ででで、できるかな!?」
キョン「大丈夫だ。いつものナンパみたいにいきゃ大丈夫だろ。まぁ成功するかどうかは別だが」
谷口「どっちだよ!?」
国木田「…? キョン、谷口。何を話してるの?」
谷口「いや、別に。男と男の会話だ」
国木田「コソコソ話なんて、男らしくないじゃないか」
言うとおりだ。早く言っちまえ。
446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:53:35.42 ID:IyY1vpNE0
谷口「あ、あのさ。国木田、話は変わるんだが…」
国木田「? なんだい」
谷口「空いてる日とかあるか?」
考えてみればこいつと国木田はいつも一緒に歩いて帰っていたはずだ。
なのに一度も誘っていなかったのか?
まったく。谷口も結構小心者のようだな。
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/28(金) 23:58:55.73 ID:IyY1vpNE0
国木田「キョ、キョンも来るのかい?」
キョン「ああ、俺は…」
キョン(なんという凄まじい視線!!)
キョン「俺はパス。二人で楽しんでくれ」
国木田「そっかぁ……」
本気で残念がる国木田。ま、谷口の相手もなかなか面白いと思うけどな。
国木田「ごめん、私もパス。昨日のお出かけで結構使っちゃったんだ」
谷口「そ、そうか…わかった…」
あらら、断られたか。
ん? だがしかし。
パフェの代金も、髪留めも、服も、俺が買ったはずだ。
国木田の出費はなかったはずだぞ。
あえて言わないけれど。
451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:05:07.37 ID:aKJMn9Yk0
そういえば俺は、長門に礼を言っていない。
いちいち長門の家まで行くのはどうも億劫だな。
とりあえずささっと部室に顔出して、国木田たちと帰ろう。
なんだか、サボっているようなこの気持ちは、否めない。
しかし、俺はハルヒとあまり顔を合わせたくないんだ。
授業中は、真後ろだから考えなくても平気だが。
ハルヒは掃除当番のため、部室に遅れるみたいだ(国木田も掃除当番らしい)。
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:11:28.26 ID:aKJMn9Yk0
たった数日、行かなかっただけで、とても懐かしく感じる。
ガチャ。
部室の中はさらに、懐かしい風景があった。
キョン「よう、長門」
長門「…」
キョン「この前の礼、し損ねちまったから、改めて今日言いに来た」
長門「そう」
キョン「俺のほんの気持ちだ。受け取ってくれ」
俺は長門にきなこのチロルチョコをあげた。
国木田と出かけた際、残っていた残金で買える物は、これしかなかった。
長門「ありがとう。大好物」
キョン「だと思ったぜ」
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:22:10.10 ID:aKJMn9Yk0
キョン「じゃあな、長門。SOS団のやつらによろしく言っておいてくれ」
長門「あなたは、戻ってこないの?」
キョン「……当分戻る気はない」
長門「…そう」
長門は再び、本に目を落とした。
キョン「じゃ」
俺は、部室に長門を残して後にした。
旧校舎の廊下に出た俺は、古泉と出くわした。
キョン「よう、古泉」
古泉「おや、いらしてたんですか」
キョン「ちょっと用事があってな。もう帰るよ」
463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:28:43.99 ID:aKJMn9Yk0
古泉「あなたがいない間にどれほど膨大な量の閉鎖空間が発生したか知っていますか?」
キョン「あいにく俺は機関の一味じゃないからわからんよ」
古泉「以前発生した閉鎖空間の数倍です…」
キョン「……」
あいつは、どれくらい人に迷惑をかければ気が済むんだ。
国木田の次は、古泉か。
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:32:55.03 ID:aKJMn9Yk0
古泉「あなたには少々、がっかりさせられます」
キョン「…」
古泉「あなたの力がなければ、世界は確実に崩壊するでしょう」
キョン「知るか。あいつにわからせるしかないだろう」
古泉「一体、なにがあったのか教えていただけませんか?」
キョン「…」
俺は笑顔を絶やさない古泉を無視して、廊下を歩き始めた。
古泉「いつでもお待ちしております。あなたと涼宮さんとの関係が回復するのを…」
469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:46:17.15 ID:aKJMn9Yk0
古泉、すまん。
その願いは、一生訪れないかもしれない。
俺は教室へと向かった。
ちょうど掃除も終わったみたいだった。
キョン「国木田ー」
国木田「あっキョン」
キョン「一緒に帰ろう」
国木田「うん」
国木田が近くに寄ってきた時、俺は見たくないものを見てしまった。
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 00:56:18.59 ID:aKJMn9Yk0
キョン「どうしたんだ、国木田…その格好!?」
国木田「あはは、バケツに脚引っかけちゃったんだ」
キョン「ビショビショじゃねーか…」
ハルヒを見やると、俺達のことをまったくと言っていいほど、無視していた。
お前がやったのか…? ハルヒ…。
俺はハルヒのいる方向に、大股で歩いていった。
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:02:29.69 ID:aKJMn9Yk0
国木田「キョ、キョン?」
ハルヒ「…!」
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「…」
しばらく沈黙が続いた。
ハルヒは俺の横から、俺をすり抜けようとする。
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「…」
無視かよ。
キョン「国木田に何をした…?」
ハルヒ「…え?」
キョン「国木田が何か悪いことでもしたのかよ!?」
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:13:42.67 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒ「ちょっと…キョン?」
国木田「待ってよ、キョン!」
キョン「こういうやつは一度きっちりと話をつけとかなきゃ行けないんだ!」
国木田は真後ろで、俺の腕を動かせないように、体で俺を抱きしめた。
国木田「本当に、転んだだけなの。ついぼんやりしてたから…」
キョン「本当なのか…?」
ハルヒ「…」(ダッ)
キョン「…」
教室の空気が、ガラリと変わったのは、いつもあまり目立たない俺が、叫んだからだろう。
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:20:19.07 ID:aKJMn9Yk0
帰り道
国木田「…」
キョン「…」
国木田は、下を向いたまま、何も話さない。
キョン「…本当に、自分でやったのか?」
国木田「うん。体操服に着替えようか迷ったんだけど、どうせあとは帰るだけだから」
キョン「そうか」
ハルヒには悪いことをしちまったかもな。
でもまぁ、当然の報いなのかもしれない。
国木田「キョン」
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:31:10.04 ID:aKJMn9Yk0
キョン「な、なんだ? 国木田」
国木田「私…邪魔かな」
キョン「!」
キョン「そんなはずないだろ。お前は、俺の親友だし、俺はお前がいないと困る」
国木田「///…でも…」
キョン「というか、なんでお前が邪魔になるんだ? 邪魔なのは―――――」
ハルヒだ。
キョン「…」
国木田「私、どうすればいいかわかんないよ…」
キョン「国木田…」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:37:01.87 ID:aKJMn9Yk0
国木田を…今、傷つけてるのは誰だ?
ハルヒだ。
ハルヒしかいない。
ハルヒ以外は、見当たらない。
ハルヒしか―――――。
待て。今現在、傷つけてるのは誰だ?
ハルヒはあの事件で、そのあと国木田に危害は加えていない。
キョン(…)
ああ、そうか。
国木田を傷つけているのは――――――――――
――――――――――俺だ。
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:45:43.83 ID:aKJMn9Yk0
キョン「国木田」
国木田「? 何?」
キョン「俺の方が、邪魔…じゃないか?」
国木田「え?」
キョン「俺は今までお前のために、少なからず、動いていた」
国木田「…なんで?」
キョン「お前は俺にとって…」
親友という言葉では、表せられない感情…。
なんだ? この気持ち。
とうの昔に、置いていってしまった、気持ち。
国木田「キョンは、邪魔じゃないよ」
キョン「…」
国木田「キョンは、私にとって、とっても、とっても大事な人だから」
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 01:58:24.29 ID:aKJMn9Yk0
大事な人。
俺も、国木田は―――――。
大事なのかもしれない。
キョン「…ありがとう」
国木田「だから、自分のこと、邪魔って言っちゃダメ」
キョン「…」
頭が回らない。回ろうとしない。
国木田「私が、邪魔なんだから」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:06:32.45 ID:aKJMn9Yk0
国木田は、そういって、歩き始めた。
キョン「待って―――くれ」
言え。
言えるだろう。
谷口にあんなに言えって言っていたじゃないか。
キョン「俺にとっても、国木田は―――――」
国木田が、どんどん遠くへ行ってしまう。
このままじゃ、だめなんだ。
絶対。
キョン「大事な人なんだ…」
俺の声に誰も答えず、ただ、傾き始めた夕日が、眩しかった。
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:19:38.63 ID:aKJMn9Yk0
心にぽっかりと、穴が開いた気分だ。
今の俺に何をやらせても、無駄だろう。
俺は自転車に乗ることすらできない。
俺にとって、国木田は大事な人だ。
これは、紛れもない真実だ。
なのに、なんで言えなかった?
恥なんてものは、ない。
そんなくだらない理由で、言えないなんてことは、絶対にない。
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:23:41.77 ID:aKJMn9Yk0
俺のどこかに、まだ、国木田を、
拒否しているところがある。
だが、それはなんだ?
国木田は、いいやつだし、とっても性格だって、ハルヒよりずっと可愛らしい。
…?
なんでだ?
な ん で ハ ル ヒ の 名 前 が で て き た ?
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:30:36.60 ID:aKJMn9Yk0
俺は…。
俺の大事な人は、だれなんだ?
国木田の大事な人が、俺なら…、
俺の大事な人だって、国木田のはずだ。
そうじゃないのかよ?
俺の大事な人は国木田のはずだ。
それ以外に思い当たるか?
○○「…キョン?」
キョン「!!」
○○「どう…したの?」
背後から声をかけてきたのは、
涼宮ハルヒだった。
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:38:25.46 ID:aKJMn9Yk0
俺が振り返ると、そこには一度も見たことのない、震えるハルヒ。
ハルヒ「…?」
キョン「ハルヒ…」
ハルヒは名前を呼ばれると同時にビクリと体を動かす。
ハルヒ「キョン…」
キョン「すまなかった…」
キョン「早とちりしちまって、本当に、悪かった」
俺は深々と、頭を下げた。
キョン「だから…」
ハルヒ「…」
キョン「SOS団に、戻っていいか?」
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:42:25.94 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒ「…あ、当たり前でしょ」
キョン「そうか…ありがとう」
ハルヒ「…なんで、泣いてんのよ?」
キョン「…さあな」
これで、いいんだ。
俺が戻れば、国木田は、いつものように、暮らせるんだ。
俺はSOS団として、国木田は谷口と二人で。
これが…一番良い選択じゃないか?
なあ、国木田…。
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 02:52:50.19 ID:aKJMn9Yk0
次の日
俺は、なんら変わらなく登校。
谷口「よっ、キョン」
キョン「おう」
谷口「昨日、俺のジジィがよぉ」
キョン「…」
他愛もない世間話ってやつだ。
516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 03:08:49.45 ID:aKJMn9Yk0
今日、国木田は学校に来なかった。
一体なぜだ?
ハルヒも、性格がかなり変わった。
昔のように無理を言わなくなったし、とても静かだ。
しかし、俺は何か引っかかっていた。
それが、なんなのか俺にはわからない。
ハルヒ「国木田…休みみたいね」
ハルヒが俺に気を使って、話題を振ってきた。
キョン「ああ…そうだな」
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 03:15:32.73 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒ「…さみしい?」
キョン「…」
ハルヒにしては、とてつもなく変な言葉だった。
自己中心的かつ、強引で傲慢なアイツが人のことを考えるなんて。
キョン「そりゃな。俺の…」
キョン「俺の…大事な人だからな」
? 俺は、今……なんて…?
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 03:21:03.16 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒ「…そっか」
俺の、後ろで小さく、ハルヒは返事をした。
結局、俺にとっての大事な人は…国木田…だったのか?
複雑すぎる。
表現するってことは、こんなにも、キツイものなんだな。
俺にとって国木田は、大切な存在だ。そして、
そして俺は、ハルヒが――――――――――
――――――――――好き―――――――――――
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:00:21.70 ID:aKJMn9Yk0
――――――――――だった。
そう、言い切れる。
俺は今、
国木田を好いているんだ。
これはまぎれもない事実だ。
俺は、国木田を傷つけたくない一心で、身を引いた。
俺は国木田に、傷ついてほしくなかったから。
身を、引いたんだ。
もしも、俺が国木田になんの感情もなかったら、あの事件は、決して解決しなかっただろう。
少なくとも、俺に感情がなければ、なにもかも起きなかったわけだけれど。
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:15:13.84 ID:aKJMn9Yk0
俺は、授業中に、いきなり椅子から立った。
ガタン―――――。
ハルヒ「…キョン?」
キョン「先生、すいません。急用を思い出しました」
俺はそう言って、机に広がる教科書などを机に突っ込み、教室を後にした。
廊下を、最初はゆっくりと歩いた。
しかし、我慢できず、自分のできる限りのスピードで走った。
上履きを履き替えるのは億劫だが、履き替えた方が、早く走れるから、結果オーライだ。
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:23:39.18 ID:aKJMn9Yk0
校門を通り抜け、道を確認して、走り出す。
昔の俺では、こんな行動は決して見せないだろう。
でも今は、何も考えられなかった。
無心だ。頭の中がサッパリしている。
何故走っているか…。
それだけはしっかり覚えている。
キョン(距離はまだまだある。それでも、限界まで、走る!!)
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:33:25.44 ID:aKJMn9Yk0
国木田「はぁ…」
国木田(まさかこのタイミングで熱出しちゃうなんて…ついてないなぁ…)
国木田(でも、私がいないからキョン、涼宮さんと仲直りできたかな?)
国木田「これで、私もきっちりと、諦める事ができる…」
国木田(キョン、涼宮さんと、お幸せに…)(ポロリ)
国木田「あれ? おかしいな…涙が…」
キョン「国木田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:39:46.02 ID:aKJMn9Yk0
国木田「? 気のせいかな? 今キョンの声が…」
キョン「国木田っ!!」
国木田(外に…キョンがいる?)
ガラッ
国木田「キョン!? 何やってるの!?」
キョン「国木田!」
国木田(両親は今いないし…)
フラリフラリ…
ガチャ…
キョン「はぁはぁ…国木田」
国木田「何しに来たのキョン?」(なんで汗だくなんだろ?)
キョン「国木田」
俺は国木田を、あの時のように、しっかりと抱きしめた。
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:43:54.65 ID:aKJMn9Yk0
国木田「ふわぁ…キョン…」(熱のせいで頭がボーっとする…)
俺は小さな国木田を、軽く浮かせるように、抱きしめた。
キョン「国木田、俺は……お前のことが、好きだ!!」
国木田「…え?」
キョン「もうお前を傷つけることはしない! もう…絶対に!!」
国木田「キョン……」
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:48:46.94 ID:aKJMn9Yk0
キョン「俺は、国木田のことを、好きになっている自分に気づけなかった」
国木田「…」
キョン「今日、お前が学校に、教室にいないってだけで、急に胸が苦しくなっちまった」
国木田「///…キョン」
キョン「俺はお前がいないと、ダメなんだ…!!!」
国木田の熱い体温を、肌で感じる。
俺のそばに、国木田がいる。
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 04:59:20.92 ID:aKJMn9Yk0
国木田「キョン…」
キョン「…なんだ?」
国木田「私で…いいの?」
キョン「…」
国木田「こんな、わた……し、で、………いいの?」
キョン「ああ、お前しかいない」
国木田は、涙を流しながら、笑った。
国木田「わたしも、キョン……が好きだよ」
国木田の腕が、俺の体に絡んだ。
国木田「もう、そろそろ、離れないと…キョンにうつっちゃうよ…」
キョン「おまえからもらったウイルスだったらなんでも喜んで受け取るぜ」
国木田「あはぁ…まったくキョンは」
ロマンチックになるには、まだまだ遠いであろう10時に、俺と国木田は強く、強く抱きしめあった。
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 05:06:35.60 ID:aKJMn9Yk0
キョン「ゴホッゴホッ!」
次の日、39度の熱を出してしまった。
当たり前だ。あのあと、国木田の家でずっと看病していたわけだし。
だけど、いいんだ。
好きな人、国木田のそばにいれただけで、俺は嬉しいのだ。
キョン(ズズ)「はだびずがどばらねぇ…」
そのあと、高校から俺の家に電話があったらしく、母親にかなり怒られちまった。
まぁ、後悔はしていないから。
鼻水を拭くためのティッシュを探している、そんな日が傾きかけたそのとき。
ピンポーン
俺の女神が、やってきた。
END
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 05:14:22.46 ID:aKJMn9Yk0
えー後日談 U(とゆうかこれが本編か?)終了です。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
俺のただの自己満足で始まったこのSS。
楽しんでいただけたでしょうか?
しかし、まだまだ書き足りないと言うのが本音です。
このあと、
SOS団はどうなったのか?
谷口はどうなったのか?
などが残っています。
しかし、今回はこれで終わりです。
このまま終わっても、いいと思う人もいるはず。
もしも終わっては行けない人がいたら…?
どうするかは、人それぞれです。
後日談 Vなんてのは…ありえないでしょう(笑)
それでは、後日談 U(本編?)の終了です。
誹謗、中傷、意味不明な点、アドバイスがあればどうかお願いします。
そして、作者自身のことが知りたい方がいれば、どうぞご質問ください。
本当に、どうもありがとうございました!
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 05:18:59.73 ID:aKJMn9Yk0
今から読む人のために
まとめ
>>367 前日談
>>1 本編
>>188 後日談 T
>>430 後日談 U
>>× 後日談 V
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:32:10.65 ID:aKJMn9Yk0
俺はSOS団にいたいのか、いたくないのか。
国木田と付き合うことになったのはいいが、これは結構俺にとって問題である。
国木田をSOS団に入れるのはどうだ? いや、なんとなく俺が嫌だ。
国木田と一緒にいたい。しかし、SOS団にもいたい。
行きたい時に行ければ一番いいのだが…。
国木田「どうしたんだい? キョン」
キョン「ん、ああ。ちょっと、考え事をな」
谷口「っけ、どうせろくでもないことだろ」
キョン「なんだよ、谷口。俺はまだ何も言っていないぞ」
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:38:15.88 ID:aKJMn9Yk0
谷口(「お前は俺の好きなやつを取っておいてよく言えるな」)
キョン(「ああ、本当にすまないと思ってる。しかし、国木田は俺のものだ。いや、けっして独占欲が強いわけじゃないからな」)
谷口「最近の涼宮、めちゃくちゃ可愛くないか?」
キョン「…は?」
谷口「お前と国木田が付き合ったからな、俺もそろそろ頑張ろうかなと思うわけだ」
キョン・国木田「///」
谷口「俺は本気だぞ! 本気だー!」
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:43:32.60 ID:aKJMn9Yk0
こうして、俺は谷口を口実に部室に行くことにした。
国木田には悪いが、俺はSOS団を、忘れることができない。
こういう気持ちってのは、浮気と同じなのだろうか?
谷口「俺を団員に入れてくれるだろうか?」
キョン「知るか。というか、お前はなんでまた、ハルヒに好かれたんだ?」
谷口「最近よぉ、あいつ俺が物を落としちまった時、」
ハルヒ(谷口裏声)「谷口、落としたわよ」
谷口「涼宮がだぞ!? 俺に、ハンカチを落としたことを教えてくれたんだぞ!?」
つまり、すこし優しくされただけで惚れちまったのか。
しかし、昔のハルヒではありえんだろうな。
621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:48:21.80 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒは、前より女子と話すようになった。
俺に突拍子もないことも、言わなくなった。
そりゃそうだろう。俺が来なくなったわけだから。
谷口「…キョン、先に入れよ」
キョン「…やれやれ」
ガチャ
そこには、俺以外の、いつもの4人がいた。
623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:51:06.21 ID:aKJMn9Yk0
みくる「キョンくん!」
古泉「おやおや、これはこれは…」
長門「…」
キョン「よう、ご無沙汰だったな」
ハルヒ「…キョン」
キョン「部室で会うのは、久しぶりだな。ハルヒ」
ハルヒ「…うん」
みくる「どこに行ってたんですかぁ!? 私とっても心配してたんですよぅ?」
624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 22:57:49.03 ID:aKJMn9Yk0
キョン「はは、色々ありまして…」
昔よりも、朝比奈さんに魅力を感じていない俺がいる。ああ、俺は本当に国木田が好きなんだなとさらに思う。
キョン「谷口が、SOS団に入りたいそうなんだ」
古泉「ほぉ…」
ハルヒ「谷口?」
俺の背中に気持ち悪くくっついている谷口がいる。
谷口「えっと、涼宮と同じクラスの谷口です! いつも面白そうなことばかりしているので、入りたくなりました!」
…嘘つけ。
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:01:43.33 ID:aKJMn9Yk0
ただ、ハルヒに近づきたいだけだろ。
キョン「それと、俺についても、あとで話していいか?」
ハルヒ「…ええ」
キョン「んで、ハルヒ。谷口はSOS団に入っていいのか?」
ハルヒ「…みんなはどう思う?」
古泉「僕は構いませんが…」
みくる「私も」
谷口(おお…!?)
ハルヒ「有希は?」
長門「構わない」
ハルヒ「いいわよ、入って。途中入団は原則禁止だけど、まあいいわ」
谷口はすんなりと、入団を許可された。
628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:09:05.58 ID:aKJMn9Yk0
谷口「うっひょ〜! ありがとう、涼宮!」
古泉「僕の名前は古泉一樹です。知っていると思いますが、どうぞよろしく」
谷口「よ、よろしくな、古泉」
朝比奈みくる「私は朝比奈みくるです。二年生だけど。よろしくお願いします」
谷口「は、はい。よろしくお願いします!」
長門「長門有希」
谷口「よ、よろしく」
ハルヒ「私は言わなくてもいいわね?」
谷口「ああ。同じクラスだしな」
ハルヒ「これからあんたはSOS団の一員よ。よろしくね」
谷口(///)「よ、よろしくっ!」
なんだ…このムカムカする気持ちは?
631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:20:25.52 ID:aKJMn9Yk0
この、SOS団の温厚な態度は?
ハルヒ「とりあえず、谷口。今日は仮入団だから、帰りなさい」
谷口「うぇぁ? なんで?」
ハルヒ「入団は明日からなのよ。今日は帰りなさい」
谷口「わかったよ…んじゃ、また明日!」
谷口は軽い足取りで、部室を後にした。
ハルヒ「…」
ハルヒは普段座らない長机の椅子に腰を下ろした。
635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:29:38.87 ID:aKJMn9Yk0
ハルヒ「…座って」
昔は命令口調だったよな。お前。
キョン「……ああ」
ハルヒ「国木田とはどうなのよ?」
キョン「なんと返答すればいいか困るが、言ってしまえば良い方向だな」
古泉「それはそれは…」
キョン「…本題に入っていいか?」
ハルヒ「…ええ、いいわよ」
キョン「SOS団を、辞める気はない」
ハルヒ「…」
キョン「だが、これからは休みがちになるかもしれん」
みくる「寂しくなりますぅ…」
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:32:38.12 ID:aKJMn9Yk0
キョン「もしも、何かするんだったら、いつでも連絡してくれ」
ハルヒ「わかったわ。…ていうか」
ハルヒ「SOS団は休んでもいいけど、辞めれないのよ」
キョン「…ありがとな」
ハルヒ「あーあ。平団員がいなくなったら誰に雑用やらせようかしらねー…」
声のオクターブは低いが、いつものハルヒだ。
ハルヒ「ちょっと、トイレ行ってくるわ」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:39:11.35 ID:aKJMn9Yk0
キョン「…」
古泉「…」
キョン「何か言いたいんだろ? 古泉」
古泉「ンフ…気づかれましたか」
キョン「…閉鎖空間か?」
古泉「閉鎖空間は、全て消えてしまいましたよ」
キョン「そうなのか? …俺が、来なくなってからか」
なら、俺はいない方がいいんじゃないか。
また、古泉に手間をかけちまうな…。
古泉「ですが…」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:47:58.89 ID:aKJMn9Yk0
キョン「?」
古泉「新しい空間ができつつあるのです」
キョン「どういうことだ?」
古泉「怒りという気持ちが無くなったから、閉鎖空間は無くなりました」
キョン「…」
古泉「以前の彼女には無かった、悲しみという気持ちが新しい空間を作り出したのです」
キョン(俺は、ハルヒから抜け出せないのか…)
無理も無い。
首を、突っ込みすぎた。
この奇天烈な団体に…。
古泉「この空間を、僕は包囲空間と呼んでいます」
642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/29(土) 23:56:29.49 ID:aKJMn9Yk0
キョン「包囲…か」
古泉「これがとても厄介でしてね。一般人が、中に入れてしまうのです」
キョン「大変じゃねぇか」
古泉「だから、厄介なんですよ」
キョン「…どうすれば、いいんだ」
古泉「涼宮さんを悲しませなければいい。それしか、今現在言えませんよ」
キョン「…」
くそっ。
これが一番。怖かったんだ。
閉鎖空間じゃなく、包囲空間。
もっと、厄介な空間。
俺は…どうすればいいんだ?
647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:07:14.85 ID:uhGjPBS/0
キョン「…」
この前、国木田に言おうとして言えなかった時の様に、俺はまた、自転車に乗れないでいた。
歩いて帰れば、そう早く家には帰れないから。
キョン「どうすればいいんだよ、ハルヒ…」
俺はさらに、嫌な光景を見てしまって、さらに頭が痛い。
トイレに行くと言って出て行ったハルヒは、泣いていた。
俺が一番、迷惑をかけているんじゃないか。
国木田以外にも。
畜生…。
俺は、携帯をポケットから取り出した。
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:15:10.75 ID:uhGjPBS/0
国木田「もしもし?」
キョン「もしもし、今日は悪かったな」
国木田「いいよ、私は別に気にしてないから」
キョン「国木田、俺は……どうすればいい?」
国木田「え?」
キョン(あ…)
何国木田に聞いてんだ。馬鹿か、俺は。
国木田「…」
キョン「気にしないでくれ、国木田」
国木田「キョン…」
652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:24:59.26 ID:uhGjPBS/0
国木田「明日、空いてる?」
キョン「…ああ」
国木田「それじゃあ、私の家に来て」
キョン「…え?」
国木田「私の家だよ、キョン。忘れたの? キョンが授業中なのに、走ってやって来た、あの場所」
キョン「や、やめろよ、恥ずかしい」
国木田「ふふっ…私は、ひたむきなキョンが好きだよ」
キョン「…」
国木田「中学の体育祭の時、身長もそんなに高くないほうだったのに、ピラミッドやらされた時あったよね?」
キョン「ああ、そんなこともあったな」
国木田「その時の、崩れまいとしていたキョンの顔を見て、キョンが、好きになったんだよ?」
たしか中学2年の頃。
そんなにも前から俺のことを、好きだったのか…。
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:35:42.15 ID:uhGjPBS/0
ちなみに、国木田が言っているのはピラミッドの一番下ってことである。
国木田「それまでは、ただ、とっても仲良くしている友達から」
国木田「キョンが大好きな人になったんだ」
キョン「///」
国木田は一体今何をしているんだろう。
こんな恥ずかしいことを、平気で言える国木田は、俺のことを好きなんだという確証にもなった。
キョン「…俺も、国木田が―――――」
今の俺なら、
言える。
キョン「大すk…」
突然、誰かが俺の携帯を耳から離した。
○○「はぁい、ここで愛の対話は終わり!」
プツッ…
660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:42:14.57 ID:uhGjPBS/0
キョン「お前…誰だよ」
○○「あたしは、あなたを助けられるわ」
いきなり会って、いきなり何を言い出すんだ、こいつ。
しかも俺が一番悔いているのは、
国木田に「大好き」と言えなかったことだ。
キョン「そんな説明じゃわからん。名前を言え」
○○「名前って大事ですかね?」
キョン「まず、話をする前に名前を言え」
663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:45:59.29 ID:uhGjPBS/0
○○「それよりも、あなたは今、大きな悩みを抱えている……そうでしょう?」
こいつには耳があるのか?
人の話を聞けんやつの質問に、答える義理は無い。
しかし、そいつの手に、携帯が握られている。
キョン「携帯を返せ」
○○「いやです」
キョン「てめぇ…」
○○「質問に答えてください、あなたは今、悩んでいるんでしょう?」
666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:53:42.44 ID:uhGjPBS/0
キョン「…」
俺は仕方なく、質問に答えることにした。
キョン「まぁな…」
○○「ふう、ですよね」
というか、悩みが無いやつなんているのか? そこは疑問である。
○○「包囲空間…厄介ですよね?」
なんで包囲空間を…知っている?
○○「ああ、約束通り、携帯はお返しします。それと、私の名前は」
○○「橘京子です」
668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 00:59:02.82 ID:uhGjPBS/0
聞き覚えがまったく無い。
やっぱり誰だよお前。
考えてみれば、別に俺にとっては包囲空間は厄介ではない。
むしろ古泉にとって、だ。
もう、こんな女に付き合いたくないのだが、それでも、聞くしかなかった。
キョン「なんで、包囲空間を知ってやがる?」
橘「さぁ? どうしてでしょうね〜♪」
キョン「はぐらかすな」
橘「ついてきてください。そうですね…駅前の喫茶店にしましょう」
キョン「…チッ」
俺は仕方なく、ついていくことにした。
669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:06:15.97 ID:uhGjPBS/0
そのころ…
国木田「あれ…? 切れちゃった?」
国木田「また、言いそびれちゃったね、キョン…」
国木田(それでも、どうして切れちゃったんだろう?)
国木田(きっと電波が悪くなったんだよね♪)
国木田「もしかして、キョンに何かあったのかな!?」
国木田(心配だよぉ…)
このあと、国木田は何度か電話してみたが、キョンは出なかった。
672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:12:09.00 ID:uhGjPBS/0
こいつは、何をたくらんでいやがる?
橘「つきましたよ、中に入りましょう」
いつも、SOS団で集まっている喫茶店だ。
なんだか、懐かしい気がする。
○○「キョン!」
キョン「佐々木…」
なんでお前がいるんだよ?
話が、ぐちゃぐちゃになっていく…。
673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:18:12.13 ID:uhGjPBS/0
この前、久しぶりに会った時は、国木田を忘れている佐々木。
今いる佐々木は、きっちりと国木田のことを覚えているのか?
長門のおかげで、大丈夫なはずだ。
佐々木「キョン、悪いね」
キョン「佐々木、お前はどこまで知っている?」
佐々木「んー…全部って言った方がいいのかな? こういうときは」
キョン「何が起きてるのか説明してくれ」
佐々木「うーん…」
橘「あたしが説明しますよ」
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:23:24.86 ID:uhGjPBS/0
キョン「…」
橘が言うには、包囲空間を取り除く方法がある、らしい。
佐々木「それで、キョンに頼みがあるんだ」
キョン「なんだ」
佐々木「とても、きついことだと思う…」
キョン「じれったいな、早く言えよ」
佐々木「国木田と別れてくれ」
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:29:10.68 ID:uhGjPBS/0
…?
佐々木「君が国木田と付き合っていることは、知っている」
国木田のことは、やはり長門により、記憶は回復していたようだ。
キョン「何言ってんだ、佐々木。そんなことできるわけがないだろう」
佐々木「無理を言ってるのは自分でもわかる。それでも、君が国木田といると、だめなんだ」
キョン「だから、なんで国木田と俺が付き合ってることが、包囲空間に関係あるのかよ?」
橘「関係あるから話しているんです」
678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:35:37.72 ID:uhGjPBS/0
キョン「それだって、おかしいだろ」
なんでお前らにそんなことを言われなきゃならない?
キョン「理由を、言ってみろ」
佐々木「それは、涼宮さんなんだ」
キョン「……ハルヒ?」
だから待て、
なんでお前がハルヒを知ってるんだ?
683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:40:58.26 ID:uhGjPBS/0
橘「もう、佐々木さん! 素直に言って下さいよ」
キョン「は?」
橘「涼宮さんも関係があります、しかし、佐々木さんも関係あるのです」
…?
ハルヒはわかる。だけど、なんで佐々木もなんだ?
佐々木「キョン、実はね僕は」
佐々木「願望を実現する能力が、少なからずあるんだ」
キョン(…!?)
685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:49:31.32 ID:uhGjPBS/0
佐々木「そして…その…」
キョン「…」
ハルヒと同じ場所に、こいつはいたのか。
古泉、ハルヒが神なら、佐々木も神だ。
このままじゃ、神が2人いることになるぞ。
橘「佐々木さん、じれったいですよ」
佐々木「実は……なんというか」
言葉を濁す佐々木。
橘「あー! もうじれったい! いいですか、佐々木さんはあなたのことが、好きなんです!」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 01:58:03.79 ID:uhGjPBS/0
佐々木は真っ赤になった顔を隠す。
―――――俺はいつからこんなにモテるようになったんだ?
国木田は、前から好きだった。
佐々木は…?
キョン「いつからだ…?」
佐々木「中学三年の時だ…」
佐々木とは、よく遊んでいた。
もちろん、国木田もだ。
佐々木「海に行った時、覚えているかい?」
キョン「…」
佐々木「そこで僕が溺れているところを、キョンは必死で、助けてくれたよね」
キョン「…」
俺は、結局佐々木を助けることはできなかったが、そのあとライフセーバーに、救出された。
691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:04:51.18 ID:uhGjPBS/0
やれやれ。
モテるようになったわけじゃない。
モテていたが、気づかなかったのか…。
どこの、恋愛シュミレーションだよ。
佐々木「あの時は、嬉しかった。純粋に…ただ嬉しかった」
キョン「…」
佐々木「いつからか、君と一緒に歩く、塾の帰り道が、楽しみだった」
キョン「……」
佐々木「塾で、隣にいる君を見ていると、ドキドキして、勉強がはかどらないってことが、何度もあった」
キョン「………」
俺は沈黙を貫き通す。
佐々木「そして、いつからか、君がいないことに、苦痛すら覚えた」
さっきまで恥ずかしがっていたのに、開き直ったかのようにスラスラと言葉を言う。
693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:10:36.06 ID:uhGjPBS/0
佐々木「だから、そばにいたかったけれど、このままだと、自分は悩んでばかりになってしまうと思って、決別するために、違う高校へ行ったんだ」
キョン「…………」
キョン「話は…終わりか?」
佐々木「…ああ」
キョン「それと包囲空間が、関係あ―――――――」
古泉『悲しみという気持ちが新しい空間を作り出したのです』
キョン「…」
俺が、国木田と付き合ったから、悲しんだのか?
ハルヒも、そうなのか?
ハルヒは俺のことが好きだったのか…?
697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:13:29.18 ID:uhGjPBS/0
橘「包囲空間は、佐々木さんが悲しむと、発生するんです」
だから、どうした。
俺は国木田が好きなんだ。
好きじゃない人と、無理に付き合うことなんてできるわけがない。
それじゃあ、国木田を好きになった俺が、
悪いみたいじゃないか。
698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:20:12.04 ID:uhGjPBS/0
佐々木「僕と付き合わなくていい! ただ、別れてくれれば…」
キョン「逆の立場で考えてみろよ」
佐々木「…」
キョン「お前は別れるのか?」
佐々木「…」
佐々木は、目からすーっと、涙をこぼれた。
キョン「包囲空間? お前は俺と、決別したんじゃないのか?」
佐々木「…」
キョン「決別できてないんじゃないか、結局」
佐々木「…」
キョン「俺はいつでも、お前の親友だ。それだけは変わらん」
そういって、俺は、佐々木の頭を撫でた。
700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:24:12.18 ID:uhGjPBS/0
キョン「何か悩みがあったら、俺が聞いてやる」
佐々木「…」
佐々木は、黙ったままだ。
携帯の振動が、国木田から電話が来たことを伝えた。
キョン「もしもし」
国木田「キョン! よかったぁ、心配したんだよ? 何かあったの?」
キョン「いや、別に―――――――」
701 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:27:31.62 ID:uhGjPBS/0
ブツッ ツーツー
703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:35:54.06 ID:uhGjPBS/0
ここは…どこだ?
目の前が、赤と黒で、構成された風景。
キョン「ここは?」
佐々木「包囲空間さ」
キョン「…」
まさか、お前の包囲空間なのか? 佐々木。
706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 02:41:52.79 ID:uhGjPBS/0
佐々木「橘さんには、出て行ってもらったよ。そして…」
キョン「…?」
佐々木「中からは、出れないようにしたよ」
つまり包囲空間は、拡大しすぎて、中に人が入ってくる。
それを防げば、あとは空間自体を壊せばいい。
橘京子は、古泉一樹と同じ、超能力者。
佐々木「ずっとずっと、君のそばにいれる…」
キョン「佐々木…」
佐々木「キョンは僕のもの」
キョン「佐々木…」
お前は、間違ってる。
708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:00:04.07 ID:uhGjPBS/0
これはまずい。
佐々木は、刃物は持っていないが、不気味な笑顔を浮かべてこっちによってきた。
まるで―――――朝倉涼子みたいだ。
キョン「佐々木、落ち着け」
佐々木「キョン、君は僕のものかい?」
キョン「違う。俺は俺であって、誰のものでもない。」
あえて言えば、国木田のものだ。
709 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:01:35.52 ID:uhGjPBS/0
佐々木「なんで…? この空間には僕と君しかいないんだよ?」
キョン「この空間を抜け出せば、世界には、もっとたくさんの人間がいる」
佐々木「この空間が、世界なんだよ?」
キョン「ッ……!?」
俺の脳内に、変な記憶が注がれるのがわかる。
くそ、佐々木は自覚しているから、相当タチが悪い。
俺の記憶を、改変するつもりだ。
「ここが世界であり、ここ以外に世界はない」
「ここにはキョンと佐々木しかいない」
「キョンの彼女は佐々――――――」
キョン「国木田だ」
711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:07:00.20 ID:uhGjPBS/0
佐々木「なん…で?」
キョン「悪い、佐々木」
俺に記憶改変は、不可能だ。
一度俺は、国木田で、改変(抹消)されかけた。
だが、俺は、平気だったのだ。
キョン「悪いな、佐々木。お前はもっと頭のいいやつと、付き合ってくれ」
佐々木「キョン…」
キョン「俺が付き合ってなくても、俺とお前じゃ、頭の出来が違いすぎる」
佐々木「…」
キョン「佐々木、好きになってくれて、ありがとうな。じゃあ、そろそろ空間を解除してくれ」
佐々木「……」
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:09:52.72 ID:uhGjPBS/0
佐々木「ニガ…サナイ!」
キョン「ちくしょう…」
佐々木は、もう、どうにもならん。
逃げ場も無い。
喫茶店自体が、包囲空間であり。
包囲空間は、佐々木のフィールドだ。
佐々木「殺シテヤル!」
体が動かない。
朝倉涼子の時と、まったく同じだ。
ああ、ここで長門が来てくれる…
わけがないか。
717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:14:05.03 ID:uhGjPBS/0
数秒間、目を閉じていたのだが、なにも変わらない。
痛みを感じない。
○○「ふう、間一髪でしたね」
佐々木の持っていた鋭い何かを、弾いた。
○○「お怪我はありませんか?」
キョン「ああ、おかげさまでな」
キョン「古泉」
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:23:06.76 ID:uhGjPBS/0
古泉「どうやら、彼女は何かによって、記憶を改変されています」
キョン「?」
古泉「彼女はあなたを殺す気など、ありませんよ」
佐々木「殺シテヤル」
キョン「じゃああいつは…!?」
古泉「誰かに、操作されているのです」
くそ、一体、どうなってるんだ
古泉「やはり包囲空間は、戦いにくいですねぇ…!」
古泉は俺に説明しながら、大粒の赤い玉を、佐々木に向かって飛ばす。
古泉「はぁ、はぁ、さすが創造主。手ごたえがまるで無い…」
佐々木に当たらない。
佐々木に当たる前に、何かバリアのようなものが佐々木を守っているみたいだ。
719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:26:59.36 ID:uhGjPBS/0
古泉「早く、来てください…」
古泉は、戦いながら誰かを待っている。
援軍か?
古泉「はぁ!」
ドガン
佐々木を守っていたバリアが、消えた。
キョン「チャンスだ! 古泉!」
古泉「残念ながら…限界です……」
古泉はもう、攻撃する力が残っていなかった。
万事休す…。
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:29:05.00 ID:uhGjPBS/0
○○「キョン〜!」
誰かが、包囲空間の中に入ってきた。
ああ、そうか。
中からは出れないけれど、外からは入れるんだ。
古泉「何とか間に合いましたね」
その正体は。
国木田だった。
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:31:24.86 ID:uhGjPBS/0
キョン「国木田!? なんでここに!」
国木田「え? さっき、キョンが駅前の喫茶店でって言うから…」
俺が?
キョン「俺が?」
国木田「え? え? ここ、喫茶店だよね? なんでこんなにお化け屋敷みたいに…」
誰が呼んだかはいいが、古泉、国木田が来たら、どうなるんだ?
723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:34:53.34 ID:uhGjPBS/0
古泉「さあ、時間はありません! 早く!」
古泉は最後の力を振り絞り、佐々木を羽交い絞めにする。
佐々木「ヴーヴー!」
古泉「早く、空間を、解除してください!」
だから、どうするんだ?
古泉の言っている意味が、わからない。
古泉「あなたが、以前涼宮さんと閉鎖空間に閉じ込められた時に…」
嘘だろ?
国木田「? 佐々木さんと古泉くん? 何やってるの?」
国木田には別に変に見えていないらしい。
724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 03:39:28.28 ID:uhGjPBS/0
しかし、おかしいだろう。
普通なら、佐々木とやらないといけないんじゃないのか?
する気はないが。
古泉「くっ……閉鎖空間は、神人と、創造主の心で構成されています」
古泉「閉鎖空間では、創造主の望む行動に出ればいいのです」
古泉「しかし、包囲空間は、自らの欲によって作り出された空間」
古泉「悲しみを通り越して、全てが思い通りになる空間…なのです!」
国木田「? 古泉くん、何言ってるの?」
仕方あるまい。
恥ずかしいが…。
キョン「国木田」
国木田「え? な…んん!?」
726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 04:02:51.86 ID:uhGjPBS/0
俺は、恥ずかしさをこらえて、国木田の唇に、唇をつけた。
暖かい感触が、唇から感じる。
しかし、これでよかったのか?
包囲空間。欲によって作り出された空間。
その空間では、自分で決めた法則以外のことが起きてはならない。
包囲空間の中で、俺は国木田のことが好きだった。
これがまぎれもない、法則外のことだったのだろう。
さらに古泉の介入、国木田の介入。
そして、国木田と俺の、キス。
727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 04:13:17.48 ID:uhGjPBS/0
気が付くと、俺は橘に膝枕をされていた。
橘「あなたには完敗です」
キョン「…」
俺の目の前には涙を流した佐々木がいる。
佐々木「うっ…くぅ…」
キョン「佐々木…」
732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 04:41:16.67 ID:uhGjPBS/0
そういえば、国木田と古泉は?
どこに行ったんだ…?
橘「いきなり、二人眠ってしまってビックリしましたよ」
キョン「寝オチ!?」
いや、違う。
これは、あの時の、ハルヒと、同じだろう。
でも、国木田と古泉は?
説明がつかない。
やはり空間はできたのか?
佐々木「はは…キョン」
キョン「なんだ?」
佐々木「国木田と、お幸せに」
キョン「…ああ」
佐々木「それにしてもすごい濃厚な…」
キョン(///)「言わんでいい!」
733 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 04:54:06.39 ID:uhGjPBS/0
佐々木は、すっきりと、忘れることができたらしい。
佐々木「だけど、すこしでも国木田油断したら、キョンをいただくよ!」
…できた……のか?
さすがに女に払わせるのは忍びないので、俺が払うことにした。
キョン「さて、国木田もう一度電話だ」
国木田「キョン!? 大丈夫だったの!?」
キョン「ああ」
国木田「二回も途中で切れちゃったから心配だったよ」
キョン(…)
やっぱり寝オチか。
国木田が覚えていない以上、俺が何を言っても無駄だな。
734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 04:56:50.85 ID:uhGjPBS/0
キョン「明日、お前の家に何時に行けばいい?」
あたりはすでに暗くなっていた。
橘は知らぬ間にどこかへ消え、佐々木は塾だそうだ。
国木田「いつでもいいよ。来てくれれば、嬉しいから…」
今行こうかと本気で思ったが、ここは自重しよう。
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:06:37.39 ID:uhGjPBS/0
次の日。
とゆうか、結局寝ることができなかった。
国木田の家には、一度行ったのに。
ドキドキして、目が冴えちまった。
キョン「さて、行くか」
ピンポーン
キョン「国木田ー」
ガチャ
国木田「あ、おはよー…ってすごく早いね」
キョン「そうか? 俺にしたらすでに活動時間だぜ」
といいつつも、今は朝の4時である。
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:09:52.59 ID:uhGjPBS/0
キョン「親は?」
国木田「親は、夫婦水入らずで明日までいないんだ」
まさか、こ、これは…!?
キョン(落ち着け、落ち着け。いくらなんでも早すぎる。そんなことにはならないはずだ)
国木田の部屋は、前に行った時と変わっていなかった。
しかし、とても甘いにおいがする。
作者「バイさるが怖くて上手くかけないwww」
739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:13:27.97 ID:uhGjPBS/0
国木田「お菓子とか持ってくるね」
と行って、部屋から出る。
国木田の…部屋。
あの時は、国木田のことばかり見ていたせいか、ちゃんと部屋を見ていなかったな。
キョン「ん、何だこれ…?」
白い布。
いや、これは…。
742 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:17:41.42 ID:uhGjPBS/0
キョン(パ、パンツ!?)
いかんいかん、置いとけ置いとけ…。
こんなところを、国木田に見られたら…。
ふぁあああああ…。
いかん…眠気が…。
国木田「おまたせ〜」
国木田「ん? あ!」
キョン「zzz…」
国木田「もう、キョンったら…」
国木田はキョンの頬に軽くキスをした。
国木田「///…まずは、第一歩!」
キョン「国木田ぁ…」
743 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:20:40.33 ID:uhGjPBS/0
国木田(起きてた…!?)
キョン「むにゃ…」
ベッドに横になっているキョンが、国木田を抱きしめる。
国木田「うえぇ? ちょっとキョン…」
国木田(同じベッドで…)
国木田「私も、寝ちゃお…」
キョンが抱きしめたことで、国木田もベッドに横になった。
二人は、ただただ、深い眠りについた…。
END
745 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 05:23:44.74 ID:uhGjPBS/0
はい、後日談 V、終了です。
アー…黒歴史決定です。
上手くまとまりませんでした。
しかもオリジナル空間とか…。ハァ…。
本当に、申し訳ございませんでした。
今回は、駄作です。
すいませんでした。
誹謗・中傷・意味不明な点、何かアドバイスなどがあればどうぞよろしくお願いします。
では。
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:03:04.73 ID:uhGjPBS/0
そんなこんなで、また書こうとする変態です。
後日談 V があまりにも駄作だったので…
またスレ立ててすいません。
キョンと国木田をイチャイチャさせるという目的を達成できなかったので、このスレでは、それを前面に出したいと思います。
それでは、スタート。
前スレ
キョン「国木田が女になった」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:09:38.21 ID:uhGjPBS/0
キョン「国木田が女になった」
そんなことを言っていたのは、最初だけだったかもしれない。
確かにパニック状態にはなったが、結果的に俺は、国木田と付き合うようになった。
そして、ある日のことである。
キョン(いけね、寝ちまった)
国木田の家にやってきた俺は、国木田のベッドで、寝ちまったみたいだ。
それは、謝れば済む問題だ。
キョン(この状況は?)
俺の腕の中で、国木田が眠っている。
気持ちよさそうに。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:12:44.40 ID:uhGjPBS/0
キョン(まさか俺は、知らぬ間に大人の階段を…?)
そんなはずはない。多分。
俺は深く考えた。寝る直前に俺は何かを発見した。
国木田の、パンツだ。
キョン(///)
国木田「んん…キョン…」
キョン「なんだ…? って、寝言か」
どんな夢、見てるんだろうか。
…とりあえずこのままでいよう。
俺は国木田が目を覚ますまで、じっとすることにした。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:16:06.47 ID:uhGjPBS/0
国木田の体は、なんだか冷えていた。
今日の気温はどちらかというと、暖かいと表現した方が良い気温。
前に抱きしめた国木田は、とても暖かかった。
無理もない。熱を出していたんだから。
国木田「ふにゃっ」
キョン「目、覚めたか?」
国木田「むにゃ…キョン…」
よだれがたれている。可愛いな、おい。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:18:55.94 ID:uhGjPBS/0
国木田「うわっ! ごめんキョン!」
キョン「俺はこの状況の意味がサッパリわからん」
国木田「えっとね、お菓子持ってきたら、キョンがベッドで寝ちゃってて」
国木田「…いきなり私を抱きしめて…」
そういえば、うっすらと、覚えがある。
夢の中で、国木田が出てきて…。
そのあとは、覚えていないが。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:21:27.98 ID:uhGjPBS/0
キョン「あー。俺がやったのか」
国木田「うん…」
キョン「起こしてくれればよかったのに」
国木田「でも、キョンが気持ちよく眠ってたから…起こせなかったの」
キョン「…」
国木田は、顔を真っ赤にして、恥らった。
ああ、もう、可愛すぎるだろう。
キョン「国木田…」
ギュッと、俺は国木田を力強く抱きしめた。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:28:43.41 ID:uhGjPBS/0
国木田「ん…苦しいよ、キョン……」
キョン「国木田…」
時間が、止まったかのように、俺達はそのままだった。
つか、時間よ。止マレ!
国木田「キョン…」
キョン「なんだ…?」
国木田「お散歩、しない?」
お散歩…。
もちろん、というか、是非。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:34:30.44 ID:uhGjPBS/0
国木田が、お散歩と言ったことに興奮しそうになった自分がいる。
散歩じゃなくて、お散歩か。
なんか、可愛いよな。お散歩。
国木田「そういえば、谷口はどうだったの?」
キョン「ああ、あいつはSOS団に入ったよ」
国木田「へえ、よかったじゃない」
キョン「しかし、いつもハルヒの悪口を言っていたあいつが、心変わりするとはな」
国木田「最近の涼宮さん、優しいもん」
キョン「まあ、ハルヒも変わったんだよな」
そして、谷口がハルヒに惚れたわけだしな。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:40:30.49 ID:uhGjPBS/0
キョン「にしても、あいつも好きな相手にはけっこうアプローチするの早いんだな」
国木田「前例があるのかい?」
キョン「まあな」
お前だよ、国木田。
国木田「にしても、今日は良い天気だね」
キョン「そうだな」
雲ひとつない、快晴の空を二人で見やる。
国木田「私の心も、今は晴れ晴れとしてるんだ」
キョン「なんで?」
国木田「キョンが、隣にいるから」
国木田は、目の前でこんなことを言える。
俺は、言えん。絶対に。
キョン「…ありがとう」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:43:45.03 ID:uhGjPBS/0
俺の、心は、まだ黒々と曇っている。
佐々木のこともあるんだが、あと一つ残っている。
国木田「どうしたの、キョン?」
キョン「いや、何でもない」
国木田「何か考えてたでしょ? 言ってよ」
キョン「今度、国木田と何処行こうかなって、考えてたんだ」
国木田(///)「…そっか」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 15:49:49.40 ID:uhGjPBS/0
国木田には、言えない。
俺だって国木田が隣にいてくれると、嬉しい。
しかし、まだ問題はあるのだ。
ハルヒのことが。
あいつの、悲しみを、消さなければならない。
しかしどうやって…?
それが、悩み。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 16:29:14.04 ID:uhGjPBS/0
国木田「…」(フラリ)
国木田の歩みが、おぼつかない。
キョン「国木田、お前…どうしたんだ?」
国木田「ううん、なんでもないよ。ただ、ちょっと頭がボーっとして…」
キョン「お、おい」
国木田が、その場に崩れた。
キョン「国木田! 大丈夫か!?」
国木田「あれ、おかしいな…どうしちゃったんだろう…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 16:33:49.21 ID:uhGjPBS/0
キョン「調子悪いのか?」
国木田「あしに力が入らない…」
さっき、体が冷えていたのは、関係あるのか?
国木田「キョ…ン」
キョン「おい! 国木田!!」
国木田は、そのまま目を閉じた。
そうだ、救急車!
○○「おやおや、キョンくんじゃないか! どうしたの…って、国木田ちゃん? ど〜したの?」
キョン「国木田が、気を失っちまって」
○○「そりゃ大変だね! あたしの家まで連れて行こうにょろ!」
伏せなくてもわかるだろう。鶴屋さんだ。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 16:37:59.08 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「あたしんちが近くてよかったっさー」
キョン「ありがとうございます」
鶴屋「いいよいいよ。困った時はお互い様にょろ♪ …それで、キョンくん。国木田ちゃんとはどういう関係なんだい?」
キョン「…」
鶴屋「言いたくないなら言わなくても良いけどさっ、あたしの勘では結構親密な気がするよっ。」
キョン(やれやれ…)
鶴屋さんには、お見通しのようだな。
キョン「俺の、彼女です」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 16:44:52.04 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「ほー、そうなのかい? ビックリだなぁ〜」
キョン「そうですかね?」
鶴屋「キョンくんはてっきりはるにゃんだと思ってたっさ」
…そこまでお見通しだったんですか?
鶴屋「前と雰囲気が違ったのは、そういうことだったのかぁ〜」
キョン「国木田は、大丈夫なんですか?」
鶴屋「うん。今のところねっ。軽い貧血にょろ」
国木田は早急に鶴屋家専用の医療班に運ばれたのだった。
鶴屋さん…あんたは一体何者だ?
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 16:53:03.97 ID:uhGjPBS/0
キョン「それにしても、立派な家ですね」
鶴屋「そうだねぇ。あたしとしては、もうちょっとこじんまりとしていると嬉しいんだけどねっ」
これは、今、余裕があるから言えるのだ。
しかし、鶴屋さんは本当にそう思っているみたいだった。
国木田「キョン…」
キョン「おお、国木田…ってあれ?」
服が、変わってる…?
なんとも和風な、着物に。
鶴屋「体中組まなく調べたからねっ」
ああ、そうなのか。
って、納得できるか!
じゃあ、国木田は、素っ裸にされたのか!?
国木田「似合ってるかな…?」
キョン「…可愛いぞ。似合ってる」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:05:37.91 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「おやおや、アッツアツだねぇww」
キョン(///)「か、からかわないでください」
鶴屋「でも、はるにゃんはどう思っているにょろ?」
キョン「…え?」
どういう意味だ?
国木田「どういう意味ですか?」
鶴屋「いやあ、はるにゃんはね、キョンくんのことが好きって言ってたっさ」
キョン「…」
鶴屋「はるにゃんも素直じゃないからさ。きっとはるにゃんは諦めているだろうけどね。はるにゃんは前向きだからっ」
キョン「…」
ハルヒ…お前は俺のことが、好きなのか。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:10:53.62 ID:uhGjPBS/0
ハルヒは、諦めきれていない。
だから、包囲空間が生まれている。
あの涙も…。
あー、くそ。
佐々木みたいに上手くいけそうな気がしない。
あいつは、一筋縄ではいけない。
それを俺が一番知っている。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:18:29.41 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「まあ、キョンくんには、少なからず関係あることっさね?」
キョン「…」
この人は、鋭すぎて、怖くなる。
国木田「やっぱり、涼宮さん好きだったんだぁ…はは、キョンはモテるねぇ」
キョン「なんと言おうと、俺は国木田が好きだぞ」
国木田「ふふっ、ありがと」
無邪気な笑顔が、俺を癒してくれた。
…国木田が好きなんだけど、これははっきりとさせとかないと行けないよな。
キョン「俺も、ハルヒが好きだった」
国木田「やっぱりね」
キョン「それでも、俺が今好きなのは、国木田だ」
国木田「言わなくても…わかってるよ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:25:45.69 ID:uhGjPBS/0
キョン「俺は、心変わりしないから」
国木田「私も、しないよ。キョン」
鶴屋「きゃ〜ww あっついねぇ! キョンくん、にくいねぇ〜♪」
キョン「///」
国木田「そろそろ、着替えてくるね」
あたりはもう、暗くなっていた。
国木田といると、時間を忘れてしまう。
鶴屋「ああ、いいよいいよ。あげるっさ! ちっこい国木田ちゃんのほうが似合うからさ!」
国木田が男の時は、160後半だったが、女になった時に、150前半になった。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:38:05.98 ID:uhGjPBS/0
国木田「え、でも…」(これ、高そうだよぅ…)
鶴屋「わたしは女の方ではちょいとでかいほうだからね、いろいろと、キツイのさ〜」
きつい…か。ふむ、納得。
国木田「キョン、鼻が伸びてるけど?」
キョン「いや、そんなつもりはっ!」
国木田は、自分の胸元に手を当てて頬をプクッと膨らませた。
可愛くないわけがない。
でも、国木田も結構あると思うんだけどなぁ。
長門より大きく、ハルヒより小さいって感じだ。
作者(俺にとっての鶴屋さんは、ハルヒと同じか大きいぐらいだと思っています)
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:46:57.37 ID:uhGjPBS/0
キョン「俺は、そんなことで女を見んぞ!」
国木田「見てたじゃないか!」
俺は、興味本意で、国木田の膨らんだ頬を触る。
国木田「む、何?」
キョン「うむ。可愛い」
そういって、俺は国木田の頬をぺチンと叩いた。
膨らんだ頬が、通常の頬にもどる。
とゆうか、国木田、肌スベスベだな。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 17:53:22.00 ID:uhGjPBS/0
国木田「…」
キョン「…」
見詰め合う俺と国木田。
鶴屋「ほほぉ! それでそれで!?」
鶴屋さんのおかげ(?)で、意識が戻ってきた。
あぶねえ。人前で何やってんだ、俺は。
キョン「く、国木田。ホッペ、気持ちいいな」
国木田(///)「誉め言葉と預かっておくよ…」
キョン(///)
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:01:09.79 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「青春っさね〜。青春、いいじゃないかっ!」
キョン「はは…」
鶴屋さんは、とてつもなく良い表情をしている。
国木田「そろそろ、離してよ…恥ずかしいから」
キョン「ああ、すまん…」
にしても、スベスベかつ、やわらかくプニプニ。
あとでもう一回触らせてもらおう。
鶴屋「キョンくん、私のほっぺたはどうだい?」
いや、それは…興味はありますが。
国木田「触って良いですが?」
鶴屋「いいっさ〜。減るもんじゃないしさっ」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:06:56.93 ID:uhGjPBS/0
国木田「やわらかぁい…」
鶴屋「おや、国木田ちゃんもやわらかいねぇ」
…何この展開?
俺も入れて欲しいぜ。
…俺、おかしくないよな?
鶴屋「おや、キョンくんが物欲しそうな顔をしているにょろ?」
国木田「キョン、触ってみたら? 鶴屋さんの、とってもやわらかくて、スベスベだよ」
キョン「いいんですか?」
鶴屋「私もやわらかさには結構自信があるっさ!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:17:06.66 ID:uhGjPBS/0
なんだか、この会話、ちょっといやらしく聞こえるな。
あくまでも、ほっぺたなので、悪しからず。
キョン「それじゃあ…」
プニッ
な、な、な、な…
なんというやわらかさ。
国木田もやわらかいが…鶴屋さんのものは、一線を越えている…!?
国木田「ね、気持ち良いでしょう?」
プニプニ プニプニ
鶴屋「おお、キョンくん手暖かいねぇ!」
プニプニ プニプニ
国木田「…」
プニプニ プニプニ
国木田「いいかげんにしなさいっ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:25:55.20 ID:uhGjPBS/0
キョン「すいませんでしたぁ!」
国木田「確かにプニプニで気持ち良いのはわかるけど、触りすぎ!」
キョン「国木田も、やわらかいぜ」
国木田「私、初めて知ったよ。けっこうやわらかいんだね」
鶴屋「国木田ちゃんのほっぺたのほうが、ちょっとスベスベしてるっさ」
キョン「そうですね」
国木田「キョンのはどうなの?」
…
俺の?
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:33:59.94 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「そうだね、触られっぱなしじゃわりに合わないにょろ〜♪」
キョン「別に良いですけど、多分硬いですよ?」
国木田(キョンのほっぺた…キスした時は、気にしなかったからなぁ…)
キョン「…んじゃ、触っていいですよ」
鶴屋「ほーい!」
プニッ
鶴屋さんの口から、よだれが垂れる。
キョン「…鶴屋さん!?」
鶴屋「ああ…ww やわらかいにょろぉぉ…」
そんなに!?
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:38:52.12 ID:uhGjPBS/0
鶴屋「こんなにやわらかいのは…はんそくにょりょ〜…」
鶴屋さんはいきなり、その場に横たわった。
鶴屋「ああ…きもちいいにょろぉ…」
勘違いしないでくれよ? 俺は本当にほっぺたを触らせただけだ。
国木田「わ、わたしもっ」
キョン「お、おう」
プニッ
国木田「ああっ…きもちいぃ…」
国木田も体をへにょと曲げた。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 18:48:49.28 ID:uhGjPBS/0
キョン「目を覚ませ! 二人ともっ」
俺のほっぺたをプニプニと押し続ける国木田と鶴屋さん。
鶴屋「やっわらかいにょろ〜ん」
国木田「きもち…いいよっ……」
国木田、あまり甘い声を出さんでくれ。俺がおかしくなりそうだ。
とりあえず俺は、二人の手をほっぺたから離した。
鶴屋「もっと触らせて欲しいにょろ〜」
国木田「…残念」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 19:02:23.15 ID:uhGjPBS/0
俺のほっぺたは悪魔のほっぺただな。
自分自身、触ってみてもあまりやわらかくないんだよなぁ、ほっぺたとかって。
国木田「! もうこんな時間?」
まだ少ししか経っていないと思っていたが、あたりは完全に真っ暗になっていた。
キョン「本当だ。そろそろ帰ろう。国木田」
俺が国木田の家に行ったのが午前四時。
散歩し始めたのが午前十時。
そして、現在午後十時。
散歩し始めて十二時間も、経ったのか?
まったく気がつかなかった。
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 19:47:37.04 ID:uhGjPBS/0
俺と国木田は、鶴屋さんの家を離れた。
国木田「…」
キョン「どうした? 国木田」
国木田「い、いや…なんでもないよ…」
キョン「?」
国木田「…」
…腕をがしっと掴まれた。国木田、まさか、怖いのか?
キョン「……わっ!!」
国木田「きゃあああっ!!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 19:55:16.71 ID:uhGjPBS/0
キョン「…ぷ、あはははははは!」
国木田「ふあああ…もう! キョン! 驚かさないでよ!」
キョン「国木田って結構、怖がりなんだな」
国木田「う、うるさいなぁ!」
キョン「ん! 前に人影が」
ぎゅっと、腕を掴む。
やっぱり、怖いんじゃないか。
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 20:24:30.53 ID:uhGjPBS/0
国木田の顔が見えないのが残念だ。
きっと可愛い顔をして、怯えているのだろう。
キョン「大丈夫だ。国木田に何かあったら、俺が守るからさ」
国木田「…頼もしくないなぁ…」
キョン「酷いなぁ。お前のためなら命も惜しくないぜ」
国木田「ちょっと…恥ずかしいからやめてよっ」
俺は、昔より素直になったかもしれない。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 20:39:02.11 ID:uhGjPBS/0
国木田「そういえば、昔、二人で夏祭りにいったこと、覚えてる?」
キョン「ああ、覚えてる。国木田が、怖くて泣いちまったあれだろ?」
国木田(///)「そ、そうだけど…私がこけたから、キョン私をおぶって帰ったよね」
キョン「そんなこともあったな」
国木田「嬉しかったし、とっても気持ちよかった。足ひねったのも忘れられた」
キョン「そうか」
国木田「だからさ、今おぶって」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:09:30.16 ID:2WU14MkC0
キョン「…」
国木田をおぶる…か。
キョン「いいぜ、ほら」
俺は、国木田が乗れるようにしゃがむ。
国木田「乗るよぉ?」
キョン「おう」
国木田の、軽い重みが背中にのっかる。
国木田―――――――物凄く、軽かった。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:17:56.95 ID:2WU14MkC0
キョン「軽いな、何キロだ?」
国木田「女の子にそういうこときく?」
キョン「ああ、すまん」
そういえばあの時も、着物というか、浴衣だったな。
国木田「キョン〜♪」
国木田も、前より変わったな。
キョン「あんまりくっつくなって」
胸が、当たってる…。
国木田「ええ? ダメ…?」
キョン「いや、もっともっとくっついてくれ」
こんな言われ方されたら、断れん。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:32:50.35 ID:2WU14MkC0
キョン「いつからだったけか、俺はお前に嫌われていたころあったよな?」
国木田「え? いつ?」
キョン「うーんと…3年のころかな」
国木田「ああ、あれは私が恥ずかしかったからってだけだよ」
キョン「そうなのか」
国木田「でも、佐々木さんとよく話すようになったから、負けられない!っと思ってね」
キョン「だから、コロッと変わったのか」
国木田「佐々木さんには、告白されなかったの?」
…されたよ。昨日。
キョン「いや、されてない」
国木田「そうなんだぁ…」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:39:32.48 ID:2WU14MkC0
しかし、国木田、いくらなんでも軽すぎないか?
感覚的に、四十キロもない。
キョン「…」
国木田「ひゃう…」
キョン「す、すまん」
国木田「う、うん…」
うっかり尻を触ってしまった。
キョン「星が…見えないな」
まったく、ドラマチックじゃねぇな。
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:41:57.34 ID:2WU14MkC0
国木田「…」
キョン「国木田」
国木田「…」
キョン「…国木田?」
国木田「えいっ」
プニ
国木田「ぁぁ…気持ち良い…」
キョン「こら! いきなりふにゃふにゃになるな!」
とゆうか、ほっぺたを触るな!
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:46:38.17 ID:2WU14MkC0
国木田「キョン…」
国木田「私、今日さ…」
キョン「ああ…」
国木田「……なんだよね」
貧血の理由は、それか。
キョン「男の俺にはよくわからんが、大変だな、国木田」
国木田「なんで女の子にはあるのに男の子にはないの?」
キョン「俺に聞くな」
国木田「…さっきお尻触った…」
キョン「す、すまん」
国木田「そのせいで、ずれちゃったんだよね」
キョン「大丈夫か? 一度降ろそうか?」
国木田「ううん、いい」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:52:48.11 ID:2WU14MkC0
キョン「そうか? 変だったらすぐに言えよ?」
国木田「うん…大丈夫だと思うから」
キョン「…」
もしかして、体、だるかったのか?
だから、おんぶしてって、言ったのか。
キョン「にしても、真っ暗だな…目の前がよく見えん…」
国木田「うん…」
キョン「親は、明日の何時ぐらいに帰ってくるんだ?」
国木田「う〜…んと……夜の10時ごろって言ってたかな…」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 22:59:45.40 ID:2WU14MkC0
キョン「それまでひとりで大丈夫なのかよ?」
国木田「大丈夫だと、思うけど…」
キョン「俺が泊まっていく。どうせ明日も休みだし」
国木田「い、いいよ…キョン…」
キョン「心配なんだよ、俺は」
国木田「私は…ただ、キョンに迷惑かけたくないから…」
キョン「…」
国木田「いきなり倒れて、ごめんね。迷惑…したでしょ?」
そんなこと、あるわけがないだろ。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:06:56.08 ID:2WU14MkC0
キョン「俺は心配しかしてないよ。迷惑かけたなんて、言うなよ」
国木田「でも…」
キョン「迷惑をかけるやつなんか、おぶらん」
国木田「…」
キョン「だから、さ」
国木田「ありがとう…」
キョン「ほら、家、ついたぞ」
国木田「ありがとう、キョン、本当に、いつもいつも…」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:19:33.58 ID:2WU14MkC0
助けられたのは、俺だ。
お前のおかげで、俺はここにいれるんだ。
包囲空間から脱出できたのだって、国木田が、来てくれたからだ。
キョン「とりあえず、歩けるか?」
国木田「うん。大丈夫」
キョン「…」
めちゃくちゃおぼつかない。
キョン「あぶない!」
国木田は転びかけた。
キョン「本当に、だいじょうぶか?」
国木田「はは…やっぱり着物は歩きづらいや…」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:29:37.72 ID:2WU14MkC0
着物だから、じゃないだろ。
キョン「とりあえず、家に帰って、どうするんだ?」
国木田「…お風呂に入る」
キョン「わかった。一緒に…」
って、入れるわけないだろ。
国木田「…不思議だな」
キョン「…」
国木田「キョンといると、ムカムカしない…」
キョン「そうか」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:34:43.88 ID:2WU14MkC0
国木田をおぶって、風呂まで連れて行く。
キョン「風呂沸いてないぞ」
国木田「シャワーで済ますから、いいよ」
キョン「わかった、じゃあ、無理するなよ」
国木田「待って…」
キョン「…なんだ?」
国木田「服、脱がせて…」
…やれやれ。
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:43:36.15 ID:2WU14MkC0
キョン「み、見てないからな…」
国木田(///)「うん…」
キョン(///)「…」
随分と、国木田が、積極的な気がする。
俺は、国木田の腕らしきものを掴む。
汗だくだ。
キョン「お前、汗、かきすぎじゃないか…?」
国木田「体が、熱いんだ…」
また、熱出したのか?
そういえばまだ脱いでないんだから、目、隠さなくて良いのか。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/30(日) 23:51:21.19 ID:2WU14MkC0
ちょっと目を隠していただけで、国木田は、汗びっちょりになっていた。
キョン「熱は…」
いつぞや、国木田が谷口にやった時のように、おでことおでこをつける。
国木田の、汗のにおいがする。
キョン「随分と熱いな…」
さっきまで冷えていたのに。
国木田「ハァ…ハァ…」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:08:28.76 ID:c6u+f7mb0
キョン「ダメだ、シャワー浴びたら悪化しちまう」
俺は国木田を再度おぶり、国木田の部屋へ。
国木田「ハァハァ…キョン…」
俺は、国木田の部屋に、持ち物を全部置いていた。
その中に、タオルがある。
まず、国木田の体を、できるだけ拭いてやった。
国木田「…ここ…もお願い…」
キョン「…わかった」
俺は言われたとおりに、胸を拭き、腹回りを拭いた。
変な気は、起きなかった。
だって、国木田が、苦しそうだったから。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:13:28.72 ID:c6u+f7mb0
キョン「これでいいか…?」
国木田「うん、ありがとう」
風呂に戻って、洗面器に水を入れる。
その水にタオルを浸して、絞って、国木田の頭に置いた。
国木田「…ありがと………」
国木田は、俺ににっこりと、笑って見せた。
上気している顔が、可愛らしい。
が、国木田は、苦しんでいるのだ。
だから、それは許されないことだ。
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:17:49.91 ID:c6u+f7mb0
国木田「キョン…」
キョン「どうした?」
国木田「手、握っていい?」
キョン「ああ」
ギュッと、か弱い力で、国木田は俺の手を握った。
キョン「…」
国木田「はは……冷たくて気持ちいいや…」
俺はいたって平温だが、国木田にしたら、低いんだろう。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:27:54.52 ID:c6u+f7mb0
国木田「私の両親、けっこう家にいないんだ…」
キョン「…そうなのか?」
国木田「うん。共働きでね、お父さんは単身赴任中」
キョン「…」
国木田「お母さんは、いつも遅くまで働いてる…」
キョン「……」
国木田「私、結構体弱かったから、よく熱出してたんだ」
キョン「え、でもお前、あんまり休まなかったじゃないか。中学でも高校でも」
国木田「お母さんに、迷惑かけたくないから」
…国木田……。
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:31:50.47 ID:c6u+f7mb0
国木田「最近は調子良かったんだけどな…まさかここまで体が熱くなるなんて思わなかったよ」
キョン「国木田」
国木田「なに、キョン」
キョン「馬鹿野郎!」
国木田「え?」
キョン「お前の母さんが、お前に迷惑だって言ったのか? 俺はお前に、迷惑だって言ったか?」
国木田「キョン…」
キョン「誰もお前を迷惑なんて思ってない。俺は、お前が必要なんだ」
国木田「///…キョン」
キョン「だから、自分のこと傷つけるようなこと…言わないでくれよ…」
俺は、言い終える前に、涙が溢れた。
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:39:29.60 ID:c6u+f7mb0
国木田「ごめんね…キョン…。私のこと…嫌いになった?」
キョン「そんなわけないだろ…お前のこと嫌いになるなんてこと、あるわけがない」
国木田「ありがとう、私も、キョンが必要だよ…」
キョン「…国木田」
国木田「いっつも、同じ事ばっかり言ってるよね…私達」
ふふっと、小さく笑った後、国木田は目を閉じて、スースーと、小さい寝息をたて始めた。
キョン(…)
俺は、やっぱり国木田じゃないと、ダメなんだな。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:47:54.78 ID:c6u+f7mb0
キョン「…」
俺はずっと、国木田のことを、ただの親友だと思っていた。
とゆうか、親友としか思えるわけがない。
あいつは、男だったのだから。
…?
考えてみれば…。
俺の過去の記憶がすっかりと、書き換えられている。
昔から国木田は、女ということになっている。
国木田と夏祭りに…行った。
たしかに、行った覚えがある。
でも、あまり懐かしく思うほど、ちゃんとした記憶は無い。
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 00:53:48.31 ID:c6u+f7mb0
…。
キョン(国木田は、女だ)
男じゃない。
現に俺の、彼女なのだから。
国木田の寝息は、だんだんゆっくりとしたスピードになった。
キョン(ふう…)
一時はどうなることかと思った。
死ぬわけはないけれど。
早く苦しみから抜け出してほしかった。
あとは、俺の苦しみが無くなれば、俺達はずっと一緒だ。
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:00:07.28 ID:c6u+f7mb0
もう、苦労することは無い。
そうだろ? 国木田。
チュンチュン…。
キョン「う…ん?」
国木田の汗は、止まっていた。
国木田に寄り添うような形で、俺は寝たみたいだ。
国木田と俺は、手を握り続けていた。
そろそろ、けじめをつけよう。ハルヒ。
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:05:29.51 ID:c6u+f7mb0
日曜日、結局国木田は治らなかった。
無理も無い。流行の熱で、けっこう時間がかかるらしい。
ハルヒ「今日は、授業中に出てったりしないの?」
キョン「さすがに二回目はまずいだろ…」
ハルヒ「まあ、そうね」
キョン「谷口、今日行くんだよな」
ハルヒ「あいつはクビにしたわ」
キョン「? なんで」
ハルヒ「なんか、気持ち悪かったのよ。普段寛大な私も、さすがにダメだったわ」
キョン「そうか…」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:09:01.34 ID:c6u+f7mb0
日曜日の、町内パトロールにて、あいつはイカサマして、二連続でハルヒと一緒になり、いきなりいろんなものをハルヒに買ってやったらしい。
キョン「今日、部室行くから」
ハルヒ「国木田はいいの?」
キョン「ちょっと話があるからな」
ハルヒ「そう」
授業はグダリグダリと終わり、俺とハルヒは部室へと向かう。
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:13:30.84 ID:c6u+f7mb0
古泉「おや、どうも」
みくる「キョンく〜ん、こんにちわぁ」
キョン「こんにちわ、朝比奈さん」
ハルヒ「んで、話って何よ?」
ハルヒの性格も、最近戻りかけている気がする。
キョン「いや、お前にじゃない。長門だ」
ハルヒ「なぁんだ。そうだったの」
キョン「長門、ちょっとここでは話しにくい。部室を出よう」
長門「…」
分厚いハードカバーを、長門はバタンと力強く閉じた。
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:17:46.77 ID:c6u+f7mb0
廊下
長門「なに?」
キョン「実はだな…」
コソコソ
キョン「できるか?」
長門「可能。でも、あなたはそれでいいの?」
キョン「ああ。そうしてくれ」
長門「決して、戻ることはできない。それでもいいのなら、私は構わない」
キョン「わかった。さあ、やっちまってくれ」
長門「…」
キョン「やっぱり、ちょっと待ってくれ!」
長門「…」
長門「何?」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:20:05.26 ID:c6u+f7mb0
キョン「最後に、言っておきたいことがあるんだ」
長門「…そう。でももう唱えてしまった」
キョン「嘘だろ!?」
長門「大丈夫。3時間後に設定した」
キョン「恩にきるぜ、長門!」
キョン「長門、またあとで会おう!」
長門「…」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:22:51.82 ID:c6u+f7mb0
俺は、また走っていた。
知らぬ間に、スピードは前のさらに倍だろう。
走りなれたわけじゃない。
きっと、もっと何か違う意味があるんだろう。
俺の脚は、止まらない。
キョン「待ってろ、国木田!」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:28:47.85 ID:c6u+f7mb0
国木田「ゴホッゴホッ…」
国木田(キョン…早く来て!)
ピンポーン
ガチャ
キョン「おっす、国木田!」
国木田「キョン! 来てくれたんだ」
キョン「具合、良くなったか?」
くそっ、あと三分か。
国木田「うん、大分。キョンがいてくれれば元気だよ!」
キョン「そうか、ならよかった…」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:31:19.52 ID:c6u+f7mb0
キョン「…国木田」
国木田「何? キョン」
キョン「ありがとうな」
国木田「え? どうしたの、急に?」
キョン「いやあ、いろんなことについてだよ…」
国木田「ふふ、キョンは変だな」
あと、十秒。
国木田「それじゃあ、私も」
国木田「ありがと――――――――――――――」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:32:28.76 ID:c6u+f7mb0
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 01:35:37.72 ID:c6u+f7mb0
キョン「ぶふぁっ!……」
なんだか、すごく壮大な夢を見ていた気がする。
まったく覚えていない…。
キョン(はあ…)
なんだか、どっと疲れちまったな…。
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 02:02:44.39 ID:c6u+f7mb0
朝、登校。
ハルヒが、俺の席の後ろで座っている。
それも、当たり前のことだ。
ハルヒ「…」
キョン「おはよう、ハルヒ」
ハルヒ「…」
キョン「どうしたんだ?」
ハルヒ「悪夢再びよ…」
キョン「そうか」
谷口「お〜っす、キョン」
キョン「おう、おはよう」
国木田「おはよう、キョン」
キョン「おう―――――――――――――」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 02:06:05.22 ID:c6u+f7mb0
なんだ? この感じ…。
とても、愛らしくて、とても、儚げで…。
涙が出るほど悲しくて、笑い声がでるほど楽しくて…。
なつかしいこの気持ち…。
キョン「――――――――――国木田」
国木田「今日もダルそうだね」
キョン「ああ」
キョン「国木田」
国木田「なんだい?」
キョン「ありがとう」
END
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuni] 投稿日:2009/08/31(月) 02:10:24.90 ID:c6u+f7mb0
後日談 W(完結)、終了です。
このままだと、エロの方向に行ってしまいそうだったので、自重しました。
最初の方はかなり甘くしたつもりです。
最後まで、あの調子だと多分オチがつかないと判断しました。
よって、こんなオチです。
あってはならないオチだと思いますが…。
結果的に、一番良かったかもしれません。
後悔はしていないです。
誹謗・中傷、意味不明な点、納得いかない点があれば、どうぞ、ご質問ください。
ありがとうございました!
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 02:28:24.94 ID:c6u+f7mb0
では、ここともおさらばですね。
かなり余ったので、新しい話やりたい気もするんですよねぇ…。
まぁ、保守されるとは思えないので、このまま過去ログに直行でしょうね(笑)
さて、女国木田、可愛かったでしょうか?
残ってたら、その後の女国木田についてでも書かせていただきたいと思います。
それでは。
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 11:38:53.27 ID:c6u+f7mb0
それでは、短編をふたつほど考えたので、のちのちやりたいと思います。
夏の話と文化祭の話、どちらからはじめましょうか?
>>200
安価
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 12:36:03.81 ID:VXTXLyu70
文化祭
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 20:12:24.86 ID:c6u+f7mb0
文化祭が近づいてきたこともあり、俺は久々にSOS団に顔を出した。
映画の撮影はしないらしい。
ハルヒ「北高音楽祭が、体育館で開催されるらしいの」
キョン「つまり、俺達が参加するわけか」
ハルヒ「ひとり一曲ずつ歌うことにしたいの」
キョン「ほう」
古泉「曲は自分で決めるんですか?」
ハルヒ「そうよ、私達の歌声で、音楽祭を盛り上げましょう!」
ハルヒもすっかり性格が戻っちまったみたいだな。
ハルヒの包囲空間を消すことに成功したわけだし。
そりゃそうか。
作者(すいませんが、かなり遅い投下になると思います。そこだけは、あしからず)
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 20:17:41.79 ID:c6u+f7mb0
「へえ、音楽祭だってさ、戦場ヶ原」
「阿良々木君、私の歌声が聞きたいの?」
「参加決定ですか!? そりゃあ、まあ、聞きたいけれど」
「じゃあ、三回回って脳味噌ぶちまけて」
「無理だよ! 僕を何だと思ってるんだよ!」
知らん学校の制服を着ている男女二人が、ポスターの前で話をしている。
まあ、俺には関係ないか。
古泉「おまたせしました」
キョン「おう」
古泉「包囲空間の発生が、ここのところすっかり消えてしまいました」
キョン「そうか、よかったな」
古泉「閉鎖空間の発生も無くなり、僕としては、少し暇ができてしまいましたよ」
キョン「命賭けて働くよりマシだろ」
古泉「それもそうですね」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 20:31:31.33 ID:c6u+f7mb0
あの時は、国木田の熱も心配だったが、それよりも包囲空間に関しても結構怖かった。
古泉「あなたは、何を歌うおつもりですか?」
キョン「考え中だ。どういうテーマにするかな」
古泉「テーマ…とは?」
キョン「ほら、好きな曲を歌うとかじゃなくてな、何を伝えるかだと思うわけだ」
古泉「ふむ……ならば、こういうのはどうです?」
キョン「なんだ?」
古泉「国木田さんへの愛情…は、いかがですか?」
キョン「///……お前、殴るぞ?」
古泉「いえいえ、あくまでも参考ですから。それにしろとは言っていませんよ」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 20:36:39.01 ID:c6u+f7mb0
愛情…か。
古泉め、なかなか寒いことを言ってくれるな。
それにしても、長門や朝比奈さんはどうするんだろうか。
まあ、自分で考えるのが絶対条件みだいだしな。
古泉「ぼくも大分困ってます。考える時間はたくさんありますが、演奏もですからね」
キョン「どういうことだ?」
古泉「早めに決めて、5人で1曲ずつ演奏するそうですよ」
ああ、そういうことか。
SOS団として、ちゃんと参戦するんだな。
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[nyokuniloveshort] 投稿日:2009/08/31(月) 20:57:56.33 ID:c6u+f7mb0
キョン宅
国木田「もしもし?」
キョン「よう、国木田。体調はどうだ?」
国木田「うん。大丈夫だよ」
キョン「今日は一緒に帰れなくてすまんかった」
国木田「いいよ。文化祭も近づいてるしね」
キョン「ああ、それでだな。国木田」
キョン「音楽祭を体育館でやるらしいんだ」