キョン「ハルヒ、勝負しないか?」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:40:21.46 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「な、何よいきなり…」

キョン「どうすんだ?受けるか受けないか、二つに一つだぞ」

ハルヒ「む…」

ハルヒ「…そんなの、受けるに決まってんじゃないの!」

キョン「決まりだな。罰ゲームは有りでいいよな?」

ハルヒ「ふん。すぐに後悔させてやるわ!」

キョン「ずいぶん威勢がいいな、ハルヒよ」

ハルヒ「当たり前よ。あんたからあたしに勝負を仕掛けて来るなんて、こんなにワクワクする事ないもの!」

キョン「そりゃ良かった。で、勝負内容なんだが…」

ハルヒ「いいわ。あんたが決めて。いかなる勝負でも、団長であるこのあたしが負ける事は無いからね」

キョン「はは、恐い恐い。じゃあ、こういうのはどうだ?」




キョン「俺と手を…いや、腕を組んで、校内探索」

キョン「一時間、そうしていられたらたらお前の勝ちだ。俺が罰ゲームでもなんでもやってやる」

キョン「もし出来なかったら……、俺が考えた罰ゲームをやってもらうぞ」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:41:32.85 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「腕…!?」

ハルヒ「そ、そんなの!!」

キョン「出来ないのか?」

ハルヒ「…!」

キョン「勝負内容を決めていいって言ったのはお前だぞ?」

ハルヒ「ぐ…」

キョン「ただ腕組んで一緒に歩くだけなんだ、かなりお前に有利な勝負だと思ったんだがな」

ハルヒ「……」

キョン「ほら、行くぞ」

ハルヒ「……」

キョン「ハルヒ。腕かせよ」

ハルヒ「…………のよ」

キョン「…え?」



ハルヒ「罰ゲームは何かって聞いてんの!!」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:45:33.15 ID:fQGRY+xAO

キョン「…なんだ、俺の勝ちか?」

ハルヒ「……」

キョン「そんなに俺と腕組んで歩くのが嫌なら、仕方ないな」

ハルヒ「! ちが、そんな訳じゃ…!」

キョン「まあいいさ。それで、罰ゲームなんだが」

キョン「これ」

ハルヒ「……何コレ…?」

キョン「そこに書いてある通り、『ツンデレカルタ』ってやつだ」

キョン「これからお前には、それと同じセリフを一字一句間違えずに言ってもらう」

ハルヒ「ツンデレ、カルタ?」

キョン「そう。ただ同じ事を言うだけだ。簡単だろ?」

キョン「まあ一回聞いてみてくれよ」

ハルヒ「…分かったわ」

キョン「よし、再生するぞ」

カチ

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:48:18.77 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「……」

ハルヒ「……!」

ハルヒ「や、やだ!嫌!言いたくない!」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「無理よこんなの!」

キョン「罰ゲームなんだから、しっかり受けろよな」

キョン「お前は勝負に負けた、違うか?」

ハルヒ「違くないけど!」

キョン「勝負の事も、罰ゲームの事も俺はちゃんとお前に同意をとったぞ。そうだろ?」

ハルヒ「そうだけど……」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「……」



キョン「ちゃんと、感情込めろよ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:53:52.99 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「あんたなんて、豆腐の角に頭ぶつけて死んじゃえばいいのよ!」



キョン「深いな」

ハルヒ「な…何がよ」

キョン「豆腐の角に頭ぶつけて死ぬか?」

ハルヒ「…死ぬ訳無いじゃない」

キョン「そういう事だ」

ハルヒ「…は?」

キョン「まあ、これならお前もすんなり言えただろ。最初だしな。最初」

ハルヒ「そうね。否定はしないわ」

キョン「さ、次行こうぜ」

ハルヒ「……」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 21:58:20.24 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「いい加減目覚まし時計で起きなさいよね!…なんでいつも私が起こさなきゃいけないのよ!」



キョン「あー、いいな」

ハルヒ「……変態」

キョン「変態じゃないと思うが」

ハルヒ「ばか!」

キョン「はいはい、照れんな。別に、お前が俺を毎朝起こしに来てる訳じゃ無いんだし」

ハルヒ「照れてないっ!!」

キョン「お?それなら、次行こうぜ」

ハルヒ「ぐ……」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:03:05.19 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「うるさいうるさいうるさい、うるさーい!!」



キョン「お前今若干本気だったな」

ハルヒ「ふんだ。知らないわよ」

キョン「そう怒るなって」

ハルヒ「怒ってない。次いくわよ」

キョン「お、ノリノリじゃないか」

ハルヒ「バカ!死ね!早く終わらせたいだけよ!」

キョン「へいへい…」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:09:33.66 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「選んだのは私で、あんたじゃないんだからねっ」



キョン「これは…」

ハルヒ「ど、どういう状況なの?」

キョン「お前は、どういう状況を想像したんだ?」

ハルヒ「えっ…」

キョン「こういうのもいいな。妄想が膨らむ膨らむ」

ハルヒ「……」

キョン「ま、お前が言うからなのかもな」

ハルヒ「……へ?」

キョン「何でもないぞ。さ、早く続きを頼む」

ハルヒ「…?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:13:12.01 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「『おはよう』じゃなくて、『おはようございます』でしょ!」



キョン「おはようございます」

ハルヒ「……」

キョン「って言っちゃうよな。そんな事言われたらさ。反則だよ」

ハルヒ「…呆れた。あんたってホントアホね」

キョン「お前の演技が妙に凝ってるのが悪い!」

ハルヒ「あ、あたしのせい!?」

キョン「ああちくしょうこのやろう!」

ハルヒ「何一人で興奮してんのよ…」

キョン「よし次!ハルヒ!早く!」

ハルヒ「…分かったわよ」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:19:47.09 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「勘違いしないでよね!…別に、あんたのためにやったわけじゃないんだから」



キョン「ありがとな」

ハルヒ「……もう嫌」

キョン「まあそう言うな。いいじゃないか別に」

ハルヒ「良くないわよ!得してんのあんただけじゃない!」

キョン「……ホントにそうか?」

ハルヒ「えっ」

キョン「ハルヒ。……いや、何でも無い」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……キョン」

キョン「ん?」

ハルヒ「勘違いしないでよね。…別に、あんたの為に言ってあげてるんじゃないんだから」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:26:55.71 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「き、きききキスなんて百年早いわよっ!」



ハルヒ「ぁあぁあ!有希ー!みくるちゃーん!古泉くーん!」

キョン「……」

ハルヒ「なんで今日に限ってみんな来ないのよぉ!連絡も無いし!」

キョン「俺にも分からん。誰からも、何も聞いてないからな」

ハルヒ「ぅう…」

キョン「ハルヒ、お前、その…キスとかってした事あんのか?」

ハルヒ「き、きききキス!?」

キョン「あ、ああ」

ハルヒ「そ、そんなの、あああんたには百億年早いわよっ!!」

キョン「いや、俺じゃなくてだな……」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:29:33.23 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「くぅ……胸の事を…!」


キョン「これは…違うな」

ハルヒ「もしかして、この子貧乳なのかしら」

キョン「だろうな」

ハルヒ「ふーん…」

キョン「……」

ハルヒ「エロキョン」

キョン「はぁ!?」

ハルヒ「視線がキモいのよバカ」

キョン「ぅぐ…」

ハルヒ「……あんたってさ」

キョン「ん?」

ハルヒ「貧乳の子の方が……好きなの?」

キョン「……別に」

ハルヒ「……そう」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:33:17.09 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「怪我でもされたら、私が困るじゃない…」



キョン「でもな。怪我してまでも、守ってやりたいんだよ。お前を」

ハルヒ「誰に言ってんのよ」

キョン「お前だよ」

ハルヒ「ん…?」

ハルヒ「…えっ!?」

キョン「お前っていうか、まあ今このセリフ言ったのがお前だったからな」

ハルヒ「…あんた、このセリフ言えば誰でもいいの?」

キョン「いいや。んな訳ねぇだろ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……ばっかじゃないの」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:41:34.94 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「このばか!……私の気持ちも知らないで…」



キョン「ホントにバカだな、そいつは。俺がぶん殴りに行ってやりたいね」

ハルヒ「……」

ハルヒ「じゃあ今あんた自分を殴りなさいよ」

キョン「は?」

ハルヒ「早く!」

キョン「な、なんでそんなに怒ってんだよ。罰ゲームだろ?」

ハルヒ「……っ!」



ハルヒ「このばか!!」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:46:43.69 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「さよならなんて、言ってあげないんだから!」



キョン「分かった。一生、お前の傍に居てやる」

ハルヒ「何でそうなったのよ…」

キョン「分からんのかお前には」

ハルヒ「……」

キョン「ったく、お前もちょっとはこの子を見習えよ」

ハルヒ「…嫌よ」

キョン「……」

ハルヒ「あたしはあたし。誰かの真似事なんかしたくないわ」

キョン「……」

ハルヒ「な、何で笑ってんのよ」

キョン「いや…なんか、つい、な」

ハルヒ「……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:50:41.17 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「し、心配なんてしてないんだからね!」


キョン「…いいなぁ」

ハルヒ「な、何が?」

キョン「そういえばさ」

ハルヒ「ん?」

キョン「俺が階段から落ちて、入院した事あっただろ?」

ハルヒ「あったけど…。っていうか、あたしの質問に答えなさいよ!」

キョン「あの時は心配かけてすまなかった。お前が一番心配してくれたらしいじゃないか」

ハルヒ「…!べ!別にあんたを心配した訳じゃない!」

ハルヒ「その…団長として団員を気遣ってやるのは当然の事なの!」

キョン「そういう事だ」

ハルヒ「え…?えっ?」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「…何よ」

キョン「ありがとな」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 22:58:32.21 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「すっ、好きでこんな格好してる訳じゃないんだからねっ。あんたの前だけょ…」

ハルヒ「もぅ…!ばか…」



キョン「……」

キョン「さ い こ う だ !」

ハルヒ「脱ぐっ!脱ぐ!!」

キョン「いやぁ、わさわざメイド服まで着てくれて…最高すぎるな」

ハルヒ「誰があんたなんかのためにこんな格好!!」

キョン「不本意なのは分かってる。すまんな」

ハルヒ「……別にいいけど!もう二度と着ないから!あんたの前では!!」

キョン「ああ。朝比奈さんだけで十分だ」

ハルヒ「…!!」

ハルヒ「ばかっ!着替えるから出てけ!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:03:17.04 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「全力で来なさいよ?叩き潰してあげるから」



キョン「あの、ハルヒさん?」

ハルヒ「何かしら?」

キョン「目が本気なんだが…」

ハルヒ「何の事?」

キョン「はは、はは…」

ハルヒ「ふふふ」

キョン「……」

キョン「…ハルヒ、まず、その高く振り上げた右腕を下ろそうな」

ハルヒ「嫌よ」

キョン「……」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:09:10.18 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「傍に居なさいっ!一生よ!いいわね!?」



キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……何か言いなさいよ」

キョン「……えっと、」

キョン「妙にお前の演技が凝ってるのは何故なんだ?」

ハルヒ「!?」

キョン「その、なんか…」

ハルヒ「何でもない!何でもないのよっ!」

キョン「だ、だよな」

ハルヒ「あ、あんた、棒読みじゃ面白く無いでしょ!?」

キョン「まぁ、そうだな」

ハルヒ「…そういう事よ!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:16:11.23 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「誕生日プレゼントなんて、誰にも貰えないだろうから…。はい!」

ハルヒ「これ…プレゼント…」



キョン「欲しい。こう言われて欲しい」

ハルヒ「もう言ってあげたじゃない」

キョン「違う。そう言われながら、プレゼントが欲しいって事だ」

ハルヒ「ふーん…」

キョン「興味なさそうだな」

ハルヒ「当たり前じゃない。あんたの趣味なんか知らないわよ」

キョン「ま、そりゃそうだよな」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「…キョン」

キョン「…何だ」

ハルヒ「あんた、誕生日いつだっけ?」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:21:02.38 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「ちょっと待ちなさいよこの鈍感男!!」

ハルヒ「…なんで、…なんで気付かないのよぉ!」



キョン「鈍感は罪だ!」

ボカ

キョン「な、何故殴った!」

ハルヒ「なんかむかついたからよ」

キョン「お前なぁ…!」

ハルヒ「あんたが言うな!」

キョン「は?」

ハルヒ「ホントにあんたってやつは…!いつもいつも!」

キョン「おい…ハルヒ?」

ハルヒ「この…」

ハルヒ「鈍感男っ!!」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:25:38.34 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「ついでだから、あんたも誘ってあげるわ!」



キョン「これはお前も言いそうだな。谷口あたりに」

ハルヒ「確かに言うかもね」

キョン「つー事は、お前谷口の事が」

ハルヒ「なぁっ!?ば、バカな事言ってんじゃないわよ!」

キョン「だよな。『お前が』ってのが有り得んし、『谷口を』ってのも有り得んな」

ハルヒ「…最初のは余計よ」

キョン「…お前、いつだったか精神病だか言ってなかったか?」

ハルヒ「言ったわよ。今でもそう思ってるわ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…でもね」

キョン「……」

ハルヒ「…やっぱり、なんでもない」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:31:35.49 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「電話なんかして来なくても、淋しくなんてないんだから」



キョン「電話してやりてぇ…!」

ハルヒ「そ、そういうもんなの?」

キョン「そういうもんだ。ああこの野郎…」

ハルヒ「誰に対していらついてんのよ」

キョン「電話と言えばハルヒ」

ハルヒ「何?」

キョン「お前、俺に二日に一回のペースで電話してくるってのはどうなんだ。多過ぎないか?」

ハルヒ「…!いいでしょ別に!よ、用事があるから電話してんじゃない!」

キョン「いや、でもな、『今日新しい消しゴム買った』とかで電話して来た時は、ちょっと驚いたと言うか…」

ハルヒ「何よ…。あたしの勝手でしょそんなの」

キョン「それはそうだが…」

ハルヒ「もういい!分かったわよ!もうあんたに電話しない!これでいいんでしょ!?」

キョン「……」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:36:17.17 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「隣に来ないでよ…。恥ずかしいじゃない…」



キョン「抱きしめてやりたいな。そしてその時の反応を楽しむ。これが至高だ」

ハルヒ「…変態」

キョン「そうか?」

ハルヒ「そういう事、口に出さないでよ」

キョン「せっかくお前が言ってくれてるんだ、感想言わないと、さ」

ハルヒ「でもそれ、あたしに対してじゃないわよね」

キョン「…前も言ったが、今言ってるのがお前なんだから、お前に対して俺は感想を言ってるって事じゃないか?」

ハルヒ「…!」

ハルヒ「…あっそ」

キョン「…ま、どうでもいいよな」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:43:40.58 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「な…なによあいつ!私というものがありながら…! ぅう…!」



キョン「浮気か」

ハルヒ「違うんじゃない?」

キョン「それにしても、お前の『ぅう…!』がなかなか良かったぞ」

ハルヒ「あっそ」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……ハルヒ?まだ怒ってんのか?」

ハルヒ「別に?」

キョン「電話で人と話すのが好きだなんて、お前も意外と女々しいところあるんだな」

ハルヒ「…ほっといてよ」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:50:58.76 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「逃げないで、話くらいちゃんと聞きなさいよね」



キョン「人と話す時は、目を見て話をしないとな」

ハルヒ「目を逸らすのはいっつもあんたじゃない」

キョン「そうか?」

ハルヒ「そうよ。嫌な顔してさ。あたしの話、ちゃんと聞いてる?」

キョン「ん、まあまあ、だな」

ハルヒ「ほーら逸らした!」

キョン「じゃあ言わせて貰うがな、人の話を聞かないのはむしろお前の方だ!」

ハルヒ「…べ、別にそんな事…」

キョン「はい逸らした」

ハルヒ「この…!」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/18(火) 23:58:00.81 ID:fQGRY+xAO

ハルヒ「盗まれたのは、私の……」

ハルヒ「ぅ、もー!知らないバカ!何言わせんのよ!」



キョン「ハルヒ、お前、誰かに心盗まれた事あるか?」

ハルヒ「ど、どういう質問の仕方してんのよ」

キョン「いや、状況に合わせたらこうなった」

ハルヒ「そういうあんたは?」

キョン「質問を質問で返すなよ」

ハルヒ「キョンのくせに、生意気になったわね」

キョン「なんだ、ハルヒのくせに言うようになったな」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「…はい逸らした」

ハルヒ「…!」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:03:17.85 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「寝起きに何してんのよぉ!!」



キョン「このセリフ……落書きじゃないのは確かだな」

ハルヒ「…あれ、よね」

キョン「…あれ、だな」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「そ、そういえばさ」

キョン「俺がストーブ取りに行った日あっただろ?」

ハルヒ「…!」

キョン「あの時お前…」

ハルヒ「だ!だめ!その話は無し!」

キョン「一体、どういう嫌がらせをしたんだお前は」

ハルヒ「……」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:08:57.51 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「『NO』とは、言わせないわよ?」



キョン「いかにもお前らしいな」

ハルヒ「別にあたしツンデレじゃないわよ!」

キョン「そうとは言ってないだろ」

ハルヒ「い、言ったわよ!」

キョン「分かったから落ち着け。いいか?そこでむきになる意味が分からんぞ」

ハルヒ「むきになってなんか無いっ!」

キョン「そういう事だ」

ハルヒ「あ、ちが、今の無し!」

キョン「それで?」

ハルヒ「むきになってなんか、ないんだからねっ!」



キョン「あれ…?」

ハルヒ「え…?」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:18:13.24 ID:BV6O4HoZO

中庭



古泉「おや、皆さんお揃いで」

みくる「古泉君…!」

長門「……」

古泉「やはりここにいましたか」

みくる「はい。…何故か、今部室に行きたくないんです」

古泉「僕もです。ただ、理由は無しに、行きたくないんですよね」

長門「わたしも。涼宮ハルヒの影響だと思われる」

古泉「はい。きっと今涼宮さんは、誰にも部室に来て欲しくないんでしょう」

みくる「キョン君もですか?」

古泉「その可能性は低いと思います。長門さん」

長門「彼は今涼宮ハルヒと部室に居る」

みくる「…!」

古泉「いや、実にほほえましい事ですよ」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:32:09.74 ID:BV6O4HoZO

古泉「…長門さん、涼宮さんの監視はいいのですか?」

長門「わたしにはどうも出来ない」

みくる「やっぱり、そうですよね…」

古泉「残念です。今お二方がやっている事を、ビデオカメラに録画しておきたかったのですが」

みくる「今やってる事ですか?」

古泉「なんだと思います?僕は…、そうですね、やっぱり彼が涼宮さんにこき使われてるんじゃないでしょうか」

古泉「彼の困った顔が安易に想像出来ますよ」

みくる「で、でも逆にキョン君が涼宮さんをいじめてたり…」

古泉「はは。どうでしょうね」

みくる「やっぱり、違いますよね…」

古泉「わかりませんよ?二人だけですからね」

みくる「二人だけ…」

長門「……」

古泉「……長門さん。良かったら、僕のですけど……読みます?」

長門「……ありがとう」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:34:49.21 ID:BV6O4HoZO

みくる「こ、古泉君!」

古泉「はい?」

みくる「ひょひょうぶしましょう!」

古泉「ひょ…ひょうぶ…ですか…?」

みくる「勝負、です勝負!」

古泉「ああ、勝負ですか」

みくる「どうですか?あ、嫌ならいいんですよ?」

古泉「珍しい事もあるもんですね。いいでしょう。その勝負、受けてたちますよ」

古泉「…で、その勝負内容とは?」

みくる「…長門さん」





みくる「長門さんを先に笑わせれた方の勝ちです!」

古泉「…!」

長門「……」ペラ

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:37:47.83 ID:BV6O4HoZO

古泉「長門さんを…」

みくる「もちろん、罰ゲームも有りですからね!」

古泉「それはいいんですが…」

古泉「長門さんを笑わせるなんて僕に出来るのでしょうか?もう現時点で興味無し、ですからね」

長門「……」ペラ

みくる「だ、大丈夫ですよ!…多分」

古泉「まあ、努力はしますが」

長門「……」

みくる「古泉君、何の本貸したんですか?」

古泉「『ミッキーマウスの憂鬱』です」

みくる「……」

古泉「……」

長門「……」ペラ

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:45:47.74 ID:BV6O4HoZO

古泉「長門さん。すいません、お話を一つしてもよろしいでしょうか」

長門「……何」

古泉「読みながらで構いませんよ。では」

古泉「僕の友達が先日、ある用事で僕の家に電話をかけたのですが」

古泉「かけた瞬間、慌てて『間違えました』とだけ言い、すぐ切ってしまったんです」

古泉「…何故だと思いますか?」

長門「……」

長門「わからない」

古泉「実はですね、彼は、間違って自分の家にかけてしまったのです」

古泉「動揺した彼は、あくまで他人のふりをし、なるべく低い声で『間違えました』と言ったんです」

古泉「まあ、すぐにばれてしまったようですがね」

長門「……」

古泉「……」

古泉「…これじゃ駄目…ですか」

みくる「古泉君…」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:50:27.15 ID:BV6O4HoZO

古泉「ではこういうのはどうでしょうか」

みくる「古泉君!駄目ですよ!順番です!」

古泉「これは失礼」

みくる「な、長門さん、これ」

長門「…!」

みくる「キョン君が変な顔してる時、チャンスだと思って黙って撮っちゃいました」

古泉「これは…!」

みくる「ふふ。どうですか?」

長門「……」


長門「……ユニーク」



みくる「そ、それだけ?」

古泉「なかなかシビアですね、この勝負」

みくる「ま、負けませんから!」

古泉「ふふ、それは僕もですよ」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 00:57:22.83 ID:BV6O4HoZO

みくる「あ、そうだ…罰ゲーム…何にしますか?」

古泉「そうですね…」

みくる「……」

古泉「……」



長門「古泉一樹は涼宮ハルヒに告白。朝比奈みくるは彼に告白」

古泉「!!」

みくる「!!」

長門「罰ゲームとはそういうものだと聞いた」

古泉「そ、それは」

みくる「禁則じゃ…」

古泉「…!」

古泉「いや、大丈夫ですよ朝比奈さん」

みくる「え?」

古泉「『告白』すればいいんです。『告白』ですよ」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:01:31.79 ID:BV6O4HoZO

―――
――


古泉「全然駄目ですね」

長門「……」

みくる「はい…」

長門「……」ペラ

古泉「お手上げです。やはり、長門さんを笑わせる事が出来るのは彼か涼宮さんだけのようだ」

みくる「…罰ゲームは…どうしましょう」

古泉「そうですね、この際です。二人でやりませんか?」

みくる「うん…結局二人共笑わせられなかったから…」

古泉「では、涼宮さんの入室許可を待つ事にしましょう」

長門「頑張って」

みくる「!!」

古泉「い!今…長門さん…!」

みくる「笑った…!?」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:06:37.29 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「恥ずかしいけど、てって、手くらい繋いであげてもいいわよ。…ほら」



キョン「……」

ギュ

ハルヒ「んな!?何マジで繋いでんのよ変態エロキョン!!」

キョン「え!?あ、す、すまん!」

ハルヒ「……」

キョン「い、いや、ホントに手出すからさ…繋いでいいのかと」

ハルヒ「良い訳ないでしょバカ…!」

キョン「はは、だよな…ははは…」

ハルヒ「へらへらしてんなっ!!」

キョン「いでっ!!」

ハルヒ「だ、駄目だわ…ホントにもう最悪よスケベ…」

キョン「手を握っただけでスケベ呼ばわりされたくないが……すまん」

ハルヒ「ああもぅ…最低最悪な奴よあんた……このバカぁ…!」

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:10:48.33 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ひっ…!ひざ枕ぁ!?」
ハルヒ「ぅう…。い、一分だけだからねっ」



キョン「ありがとうハルヒ」

ハルヒ「してあげないわよアホ!」

キョン「ちげぇよ。このセリフを言ってくれた事に対して礼を言ったんだ」

ハルヒ「な、なんだ…」

キョン「ん?いいのか?」

ハルヒ「殺すわよ」

キョン「冗談だから、冗談でもそんな物騒な言葉を口に出すのは程々にしとけ」

ハルヒ「今なら、あたし一瞬の躊躇も無くあんたをやれるわよ」

キョン「やれるわよ…ってなあ、マジで物騒だからやめろ。お前じゃやりかねなくない」

ハルヒ「やりかねなくない?」

キョン「お前でもさすがに人を危める事はしないと思ってな」

ハルヒ「なんか返答に困るわね。だからとりあえず殴っていい?」

キョン「どういう事だそれは」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:17:16.31 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ふ…二人しかいないんなら…」

ハルヒ「今日は、仕方ないわね…」



キョン「今の俺達って感じだな」

ハルヒ「はぁ!?」

キョン「そうだろ。俺とお前だけだと、なんか変なテンションになるんだよな」

ハルヒ「何それ…」

キョン「んで、今に至る」

ハルヒ「た、確かにこんな状況滅多にあるもんじゃないわよね」

キョン「これこそ不思議だな」

ハルヒ「で、その不思議なテンションのどこが、今のあたし達みたいなの?」

キョン「さあ?」

ハルヒ「えっ?」

キョン「……」

ハルヒ「…あれっ?」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:23:15.17 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「変態変態変態変態変態バカ大変態!! …もう、知らない!」



キョン「……すまん」

ハルヒ「今のセリフはとっても言いやすかったわ!特に最初の方!」

キョン「すまん!」

ハルヒ「あーこれならもっかい言ってあげてもいいわ!」

キョン「え…」

キョン「マジか!?」

ハルヒ「……」

キョン「た、頼む!」

ハルヒ「…仕方ないわね。変態変態へんt」

キョン「あ、ハルヒちょっと待った!」

ハルヒ「…何よ」

キョン「『変態』っつー字がゲシュタルト崩壊してきた…」

ハルヒ「……」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:27:43.63 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ボケーっとしてるんじゃないわよ!もう!蹴り飛ばすわよ!」



キョン「これまたお前らしいな」

ハルヒ「ねえキョン。さっきからお前お前って、やめてくんない?あたしにはちゃんと名前あるわ」

キョン「…ちょくちょく名前で呼んでるだろ」

ハルヒ「そうだっけ?まあ、とりあえずあんたは今から『お前』禁止ね」

キョン「断る」

ハルヒ「断る事を断るわ」

キョン「断る事を断る事を断る!」

ハルヒ「断る事を断る事を断る事を断るわ!!」

キョン「ああ今度は『断』がゲシュタルト崩壊…」

ハルヒ「さっきから何言ってんのよあんたは…」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:33:20.91 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ま、まあ…あなたがどうしてもって言うなら、仕方ないけど?」



キョン「どうしても!」

ハルヒ「なんか恥ずかしい事言う事に慣れてきたわ」

キョン「だからちょっと俺の近くに来てくれ」

ハルヒ「あと気持ち悪いバカキョンをシカトするのにも慣れてきたわ」

キョン「いや、ハルヒ。お前なかなかやるな。声優とか目指してみたらどうだ」

ハルヒ「はい今『お前』って言った!」

キョン「言ってねぇよ」

ハルヒ「言ったわよ」

キョン「……」

ハルヒ「はい目逸らした!」

キョン「お前は何がしたいんだ」

ハルヒ「キョンをもっともっといじめたいわっ!」

キョン「笑顔で言うな!」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:39:50.46 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「見せたい訳じゃないんだからっ!…あんただから…」



ハルヒ「有希ー!みくるちゃーん!古泉くーん!なんで来ないのよぉ!」

キョン「照れ隠ししなくても、照れてる事は承知の上だぞ」

ハルヒ「もうやだやだやだ…」

キョン「おいおい、さっき慣れてきたとか言ってたのは、どこのどいつだ」

ハルヒ「古泉くーん!キョンがあたしの事いじめる…」

キョン「何だ、おま……ハルヒと古泉ってそんな関係だったのか」

ハルヒ「違うわ」

キョン「だよな」

ハルヒ「有希ー!キョンがあたしの事いじめる…」

キョン「何だ、ハルヒと長門ってそんな関係だったのか」

ハルヒ「違うわ」

キョン「だよな」

ハルヒ「みくるちゃーん!キョンが…」
キョン「ハルヒ、もういいから。分かったから」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:46:19.63 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「無視しないでよぉ!謝るから…!」



キョン「無視って、酷いな」

ハルヒ「そうね。あたし、中学の時はみんなに無視されてたし」

キョン「ぁ…」

キョン「…すまん」

ハルヒ「ばーか」

キョン「…!」

ハルヒ「嘘に決まってんじゃない」

キョン「よ、良かった…」

ハルヒ「逆にむかつくわよそれ」

キョン「ハルヒ。俺、ずっとお前の味方でいてやるからな」

ハルヒ「えっ…」

キョン「はい逸らした」

ハルヒ「ばっ…バカ!」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:51:51.13 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「目から汗が出てるだけなんだから…!涙じゃないわよぉ!」



キョン「流石に無理があるぞこれ」

ハルヒ「普通、目にゴミが入った…とかよね」

キョン「言ったお前が言うなよ」

ハルヒ「言わされてんのよ」

キョン「そういうお前も、ノリノリじゃないか」

ハルヒ「……」

キョン「…何だその人を見下すような目は。やめなさい」

ハルヒ「見下してんのよ」

キョン「じゃあ俺は見上げるぞ」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「…こ、こらっ、アホキョン!やめなさい!」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 01:58:50.14 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「もー!バカバカバカ!そんな事するなんて…知らない知らない知らない!!」



キョン「どんな事されたんだろうか」

ハルヒ「…知らない」

キョン「いや、だから今考えてみるんだよ」

ハルヒ「何であたしがあんたの趣味の巻き添えくらってんのよ」

キョン「いいだろハルヒ。…嫌なのか?」

ハルヒ「嫌よ」

キョン「ぐむ…」

ハルヒ「もうしーらない」

キョン「分かったよ。一人で考える。…やっぱりこの子、浮気されたんじゃないか?」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「ね、寝てる間に、その…き、キスとかされたんじゃないの?」

キョン「!!」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:07:14.86 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「妬いてる訳じゃないわよ?…違うって言ってるじゃない!」



キョン「…いいな」

ハルヒ「……」

キョン「なんか、抱きしめたくなるな。こう、ぎゅーっと」

ハルヒ「あんたそれ前も言った」

キョン「嘘だろ」

ハルヒ「ホントよ」

キョン「まあどっちでもいいか。という訳だハルヒ、ちょっと…」

ハルヒ「嫌よ」

キョン「…まだ何も言ってないんだが」

ハルヒ「どうせろくでもない事なんでしょ?」

キョン「……」

ハルヒ「あんたの事なんか、全てお見通しよ」

キョン「なぁハルヒ…」
ハルヒ「駄目よ」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:12:51.04 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「優柔不断な奴は嫌いだからねっ」



キョン「うん。よし。はいはい」

ハルヒ「安心しなさい。優柔不断よあんた」

キョン「何?俺のどこが優柔不断だって?」

ハルヒ「目の前でみくるちゃんと有希が溺れてました。片方しか助ける事が出来ません」

ハルヒ「さて、キョンはどっちを助けるのかしら」

キョン「そ、それは……」

ハルヒ「ほらね」

キョン「…そういう事じゃないだろ。こんな問題、誰でも迷うって」

ハルヒ「……」

キョン「ま、俺は優柔不断でいいや。別にハルヒに嫌われたってなんともないしな」

ハルヒ「…!」

ハルヒ「あ、あたしは言わされてるだけよ!そこにあたしの意思は微塵も関係して無い!!」

キョン「…ハルヒ、唾かかってるぞ」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:21:51.99 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「よくないわよ。あたしの事、好きでも嫌いでもないっ、なんて言うのは!」



キョン「俺はおm……ハルヒの事、嫌いじゃないぞ」

ハルヒ「!?」

キョン「ほぼ毎日顔合わせてんだ、いいところもたくさん知ってるつもりだ」

ハルヒ「あ、あたしはあんたの事なんか大ッキライよ!」

キョン「お前なぁ…」

ハルヒ「は!はいっ!今お前って言った!」

キョン「話を逸らすな。なんだ、俺の事がそんなに嫌いか。なら、俺明日から部室来ないからな」

ハルヒ「…ぁ……」

ハルヒ「ダメっ!!」

キョン「…?」

ハルヒ「ダメよ絶対ダメだからね!いい!?分かった!?」

キョン「ハルヒ…?」

ハルヒ「な…、め、目から汗が出ただけよバカ…!」

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:27:15.71 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ラーメン伸びるわよ?早く食べなさいよ!」

ハルヒ「…え?ふーふーしてくれ? …ばか!」



ハルヒ「あー恥ずかしい…!」

キョン「怒りの矛先を俺に向けるな!落ち着け!」

ハルヒ「怒ってないわよ。照れてんのよ」

キョン「お前のその表情のどこが照れてんだよ」

ハルヒ「『お前』じゃない」

キョン「悪い。ハルハルだった」

ハルヒ「ぶっ飛ばすわよ?」

キョン「すまん。ラーメンふーふーしてやるから、ちょっと…」

ボカ

キョン「いっでぇなぁ!!」

ハルヒ「あら、キョン君にたんこぶできちゃったわねぇ。ふーふーしてあげよっか?ね、キョン君?」

キョン「このやろ…!」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:33:44.25 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「利用するに値しないわね。あんたなんか」



キョン「分かった。分かったから見下すな」

ハルヒ「……」

キョン「…いいのか?お前が見下すんなら、俺は見上げるぞ?」

ハルヒ「なっ…」

キョン「んでもって、そのまま抱きしめてやるぞ?」

ハルヒ「だき…!?」

キョン「ん?ん?どうなんだハルヒ」

ハルヒ「ぅ……」

キョン「……」

ハルヒ「……キョン…?」

キョン「何だハルヒ」

ハルヒ「その…だき、抱きしめるって…」

キョン「えっ?」
ハルヒ「あっ」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:41:12.74 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「瑠璃色のリボン貰っても、全然嬉しくないんだからっ」



キョン「ハルヒはどうなんだ?」

ハルヒ「どうって?」

キョン「リボン。貰って嬉しいか?」

ハルヒ「人によるわね。SOS団の誰かから貰ったら…そりゃ、嬉しいんじゃない?」

キョン「じゃあ俺がプレゼントしてやるよ。罰ゲームとは言え、俺の我が儘に付き合ってくれた礼だ」

ハルヒ「あ、あんたは例外だから」

キョン「なにぃ!?」

ハルヒ「要らないわよそんなの…特にあんたからは!」

キョン「やれやれ…折角人が良心働かせたっつーのに…」

ハルヒ「べ、別にプレゼントなんか貰ったって嬉しくないわよ」

キョン「ホントかよ。少なくとも俺は嬉しいが」

ハルヒ「あんたの意見は聞いてない!」

キョン「へいへい」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:50:45.17 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「連絡くらいよこしなさいよ。心配…、したんだから…」



キョン「些細な事で心配してくれる人が、なんつーか…傍に居て欲しいよな。もちろん家族以外でさ」

ハルヒ「もうあんたの妄想も聞き飽きたわ…」

キョン「妄想じゃない。想像だ」

ハルヒ「言い変えても無駄よ。今更って感じね」

キョン「でも、言い変えって結構偉大だよな」

ハルヒ「例えば?」

キョン「俺は今非常に興奮している」

キョン「俺は今エキサイティングな感じだぜ」

キョン「…な?」

ハルヒ「あんたってホントに馬と鹿に似てるわよね」

キョン「馬鹿って言いたいのか」

ハルヒ「言い換えたのよ。ソフトな感じに」

キョン「なんかもう全体的に間違ってるな」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 02:57:11.38 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「ろくな事がないわね。…あんたと一緒に居られるのは、私くらいなんだから」


キョン「ハルヒと一緒に居られるのは、なんやかんやで俺ぐらいだろ。自惚れかもしれんが」

ハルヒ「!!」

キョン「んで、なんやかんやでこのポジションを誰かに譲る気は無い」

キョン「だから、覚悟しとけよハルヒ。何があっても俺はお前の事、見ててやるからな」

ハルヒ「ぅ…、あ!い、今お前って言った!」

キョン「話をはぐらかすなって」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…当たり前じゃない。あんたも一応、SOS団員なんだから。一人でも欠けちゃならないのよ」

キョン「ああ。そうだな」

ハルヒ「あ、あんたは永遠に雑用だからね。あたしの言う事に従ってればいいの!」

キョン「はいはい、分かったよ団長さん」

ハルヒ「はい、は一回!」

キョン「はーい」

ハルヒ「こらっ!」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:05:27.94 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「わ、私だけを見てればいいのよ!」



キョン「分かった。見てる」

ボカ

キョン「ぅぐぅあ…」

ハルヒ「調子乗んなっ」

キョン「殴る事無いだろ…!」

ハルヒ「えへへ…、気持ち悪かったから、つい」

キョン「お茶目でもなんでもないからな」

ハルヒ「きゃーキョンこわーい」

キョン「こらーハルヒー俺は怒ってるぞー、こわいんだぞー」

ハルヒ「ダメよ。これ以上の悪ふざけはこのあたしが許さないわ」

キョン「……」

キョン「…まてハルヒー、俺は今とってもこわいんだぞー」

ハルヒ「こらっ」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:10:36.86 ID:BV6O4HoZO

キョン「え?もう終わり?」

ハルヒ「ちゃんと『わ』まで言ったわよ」

キョン「ああ残念だ…」

ハルヒ「アホキョン。また今度ね」

キョン「えっ?」

ハルヒ「その、あ、あんたが言って欲しいなら別にいいって言ってんのよ。あ、今はダメだからね」

キョン「あ、ああ…?」

ハルヒ「間抜け顔」

キョン「……」

ハルヒ「ふふ」

キョン「と、とにかくお疲れさん。よくやってくれたよお前は」

ハルヒ「何よそれ」

キョン「素直に礼を言ってやったんだ。受け取っておけよ」

ハルヒ「なんか腑に落ちないわ」

キョン「まあそう言うな」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:19:25.26 ID:BV6O4HoZO

キョン「今思うと、なんで俺はこんな事したのだろうか」

ハルヒ「あんたなんでこんなの持ってんのよ」

キョン「ああ…それ、実は俺バージョンもあるんだよ」

ハルヒ「はぁ!?」

キョン「ツンデレカルタッ!?」

キョン「ってやつ」

ハルヒ「な、何それ…」

キョン「興味があるなら聞いてみてくれ。…いや、やっぱり聞かないでくれ」

ハルヒ「どっちなのよ」

キョン「駄目だアレは。この世に生かしておいてはいけない」

ハルヒ「ちょっとあたし聞いてみるわね!」

キョン「おいこら駄目だハルヒ!検索するんじゃありません!」

ハルヒ「離しなさい!あたし、これ聞いたら幸せになれる気がするの!」

キョン「俺は不幸になれる気がする!不思議!」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:25:30.66 ID:BV6O4HoZO

ガチャ

古泉「失礼。お邪魔でしたか」

キョン「おい待てこのやろう」

古泉「呼びました?」

キョン「勘違いするなよ?俺はこいつの愚行を止めていただけだ」

ハルヒ「こいつって何よアホ!」

古泉「そういう事にしておきましょう。それより、朝比奈さんがあなたに話があるようですよ」

キョン「俺に?」

古泉「はい。あなたにです」

キョン「すぐ行く。3びょ……いや、2秒だ」

ハルヒ「キョン。あんた分かってんでしょうね」

キョン「分かってるさ。お前に言われなくても何もしねぇよ」

古泉「仲が良くてなによりです。では、僕は涼宮さんに話がありますので」

キョン「…?」

ハルヒ「え、あたし!?」

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:30:44.98 ID:BV6O4HoZO

キョン「あ、朝比奈さん」
みくる「キョン君、涼宮さんと何してたんですかぁ?」

キョン「い、いえ、特に何も…」

みくる「ふふ、そうですか。なんでもないです」

キョン「それで、話って…」

みくる「そうでした。…あたし、朝比奈みくるはキョン君に告白します!」

キョン「!?」

みくる「キョン君には、もう少し素直になってくれればいいなぁって、前から思ってました。…それだけです」

キョン「え?……えっ?」

みくる「えっと、告白終了です」

キョン「こ、告白って……それだけですか?」

みくる「はい。これだけです」

キョン「……」

みくる「……キョン君?」

キョン「……」

みくる「あ、あれ…?キョン君…?」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:34:15.02 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「キョン!みくるちゃんと何話したのか言いなさい!」

キョン「なんでもねぇよ。だから落ち着けハルヒ」

ハルヒ「むぅ…」

キョン「……」

古泉「恐いですね。何もしてませんから、そう睨まないで下さい」

キョン「睨んでない。で、お前はハルヒに何の話をしたんだ」

古泉「安心して下さい。きっと、朝比奈さんがあなたに話した事と同じですから」

キョン「…『告白』か」

古泉「ええ。その通りです」

ハルヒ「なーに二人でボソボソ話してんの!気になるじゃないの!」

キョン「こいつにオセロの勝ち方を伝授してただけだ」

古泉「ええ。かなり為になる話でした」

ハルヒ「……ホント?」

キョン「ああ。本当だとも」

ハルヒ「ふーん…」

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:43:52.23 ID:BV6O4HoZO

長門「……」ペラ

古泉「では僕は帰ります。今日は用事があるので」

ハルヒ「えっ?古泉君?」

みくる「あ、私も帰ります。ごめんなさい、どうしても外せない用事があって…」

キョン「朝比奈さんまで…」

長門「……」

古泉「ふふ。長門さん、本はいつでもいいですよ」

長門「そう」

長門「……」

長門「…わたしも帰る」

キョン「長門…」

長門「見たいドラマがある」

ハルヒ「…ドラマ?」

キョン「……」

長門「また明日」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:48:24.36 ID:BV6O4HoZO

キョン「なんなんだあいつら…」

ハルヒ「みんな用事用事って…」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「…あたしも、帰ろうかしら」

キョン「……ハルヒ」

ハルヒ「…何よ」





キョン「勝負しないか?」

ハルヒ「…!」

キョン「勝負内容は…そうだな、前と同じでどうだ?」

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/19(水) 03:53:02.31 ID:BV6O4HoZO

ハルヒ「……罰ゲームは何よ」

キョン「俺の勝ちだな?罰ゲームは…」

ハルヒ「……」



キョン「二日に一回、必ず俺に電話する事。時間、内容は自由」

キョン「これで決まりだな」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…罰ゲームなら、仕方ないわね」

ハルヒ「あんたの為に電話するんじゃないからね?…覚悟しておきなさいよ!」

ハルヒ「今夜は、寝かせてあげないから!」





終わり

190 名前: ◆D/WPxQ1tnA [] 投稿日:2009/08/19(水) 03:56:06.50 ID:BV6O4HoZO

やあどうもどうも
って言っても、この>>1を覚えている人はごく小数でしょうが

今回はちゃんと一日で終われたぜ……



まあそういう事だ。
こんな夜中まで付き合ってくれてありがとう!



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