長門「今回が15482回目に該当す……もういい。疲れた」


メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:ハルヒ「ご、ごめんなさい…許して…」

ツイート

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:28:53.43 ID:AdQ6gNB10

長門「マジやってられない」

キョン「!?」

みくる「……」

古泉「!?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:31:46.03 ID:AdQ6gNB10

長門「はぁ……」

キョン「(どうした長門!?長門が壊れた!?)」

古泉「(普段の長門さんからは想像もつかない発言を聞いたような……)」

みくる「(未来に帰りたい……)」

キョン「な、長門?」

長門「なに?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:35:03.77 ID:AdQ6gNB10

キョン「今、長門とは思えない発言を聞いた気がしたんだが……」

長門「はぁ……あのね、キョン君」

古泉「(キョン君!?)」

みくる「(何とか連絡とれないかな……)」

長門「私だって多少は変化するよ」

長門「593年と10か月あまりも生きてたらね」ハァ……

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:43:43.51 ID:AdQ6gNB10

キョン「キョンく……そうか。そうだよな、長門だって一応人間だもんな」

古泉「(キョン君冷静すぎですよ!?)」

みくる「(……お母さ〜ん)」グス

長門「でしょ?人間なら誰でも無限ループは飽きるって」

キョン「分かるが……なんで今回に限って急にそんな口振りになったんだ?」

長門「なんらかの変化をつけてみようと思って」

キョン「随分極端ですね」

古泉「朝比奈さん?泣かないでくださいよ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:52:41.54 ID:AdQ6gNB10

長門「だってちょこっと変化はあっても大筋変わんないんだもん」

キョン「それは飽きるな」

長門「盆踊り大会で買ったお面の容量でパパパンク寸前なんだよ」

キョン「パパ?」

長門「情報統合思念体。マザーって言ってもいいかも」

キョン「……あれ全部保存してるのか」

長門「パパ気に入ってるからね」

古泉「朝比奈さん!気をしっかり!」

みくる「古泉くぅん〜」ガバッ

古泉「(おうふwww)」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 20:58:00.99 ID:AdQ6gNB10

長門「で、さすがにこれ以上パパにお面送るのも面倒だし、変化をつけてみることにした」

キョン「まぁ、妥当だな」

長門「というわけで、付き合おう」

キョン「……すまん、なんだって?」

長門「だから、付き合おう?」

古泉「あ、朝比奈さん……(胸www当たってるwww)」

みくる「うぇ〜ん〜!帰れないよぉ〜!」グスグス


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:03:38.01 ID:AdQ6gNB10

キョン「……マジでか」

長門「えらくマジ。じゃなかったらこんなところで言わないさ」

長門「それとも、キョン君は私に恥かかせる気?」

キョン「!!(ほんのり頬染めて困り気味に首を傾げるのは反則だぞ、長門!?)」

キョン「ま、まぁ……いいんじゃないか?」

長門「……そっか。やった」ニコ

キョン「(長門の笑顔かわゆす)」クラッ

古泉「大丈夫ですよ。彼が……彼なら何とかしてくれます」

みくる「グス……古泉君は……?」

古泉「!?(痛いところを突かれた!?)」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:07:01.53 ID:AdQ6gNB10

長門「と、言うわけで、明日はデートしよ」

キョン「えらく急だな」

長門「天体観測は夜だもん。昼はあいてるでしょ?」

キョン「……明日は天体観測なのか?」

長門「うん。パターン通りなら必ず天体観測」

キョン「パターン?」

長門「無限ループだもん。さすがに分かるよ」

古泉「僕は……(僕に何が出来る……?)」

古泉「何も……できませんが……(閉鎖空間が発生しなければ……)」

古泉「(ただの一般人だ)」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:11:35.75 ID:AdQ6gNB10


長門「とにかく、明日はデート!」

キョン「わかったよ。長門には何度も助けてもらってるしな」

長門「そんな感情じゃ嫌だなー」

キョン「?」

長門「好き、って言ってよ」

キョン「!?」

みくる「グス……うえぇーん!」

古泉「(僕は役立たずだ……)」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:15:26.96 ID:AdQ6gNB10

キョン「(それは童貞にはハードルが高いであります)」

長門「聞きたいなぁ、キョン君の口から」ニヤニヤ

キョン「(長門の期待には答えてあげたい。あげたいが……)」

長門「……そうだよね、無理言ってごめん」ニコ

キョン「(眉をハの字にしないでくれよ……長門)」

キョン「……好きだよ」

長門「!……私も好きだよ、キョン君」ニコ

キョン「(キタ――――――(・∀・)――――――!)」

古泉「朝比奈さん……(こんな時に何もしてやれないのか……)」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:19:46.93 ID:AdQ6gNB10

長門「じゃぁ、また明日!詳しいことは明日の朝にメールで」

キョン「おう、おやすみ長門」

長門「……おやすみ、キョン君」ニコ

古泉「(朝比奈さんを見て、僕はどう思った。かわいそうだと思ったはずだ)」

古泉「(なのに何もしてやらないのか。何もしてやれないのか)」

古泉「(僕はどうしてなんの力もないんでしょうか)」

キョン「……ずみ」

古泉「(いつだって彼に任せて、彼の行動まで制限して、世界のためだけに……)」

古泉「(その間に僕は……人としてやるべき事を出来なくなってしまったとでもいうのか……)」

キョン「古泉!」

古泉「!?は、はい!?」

キョン「じゃあ、帰るから。……不覚ながら、朝比奈さんは任せる」ギラ

古泉「はい。おやすみなさい。(僕にどうしろっていうんですか、キョン君)」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:24:37.41 ID:AdQ6gNB10

キョン「すまん。まったか?」

長門「うん。17分と45秒遅刻」

キョン「……基本的なところは変わらないんだな(長門の白ワンピ姿……)」

長門「まぁね。ちょっと周り見て勉強したくらいだし」

キョン「……お前の周りにはそういうやつしかいないのか」

長門「夏休みなんてそんなもんだよ」

キョン「そうか」

長門「そうよ」

キョン「で、今日はどこに行くんだ?カンカン照りの中を歩きたくはないんだが……」

長門「図書館。あそこなら涼しいし、椅子もあるし。キョン君の望み通りだよ?」

キョン「……本好きなのも変わらないんだな」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:31:52.14 ID:AdQ6gNB10

キョン「だからって、何も朝8時に集合することもないじゃないか」

長門「だって、少しでもキョン君と一緒にいたいんだもん」

キョン「さりげなく男心をくすぐるな、長門は」

長門「えへへー」ニコ

キョン「さ、いこうか」

キョン「(随分、人間ぽいな。長門)」

長門「あ」

キョン「ん?どうした?」

長門「手、つなごっか?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:38:48.18 ID:AdQ6gNB10

キョン「……積極的だな」

長門「昨日言ったでしょ?好きだって。愛は行動で示すものなの」

キョン「誰に聞いたんだ?愛は行動とか」

長門「本。恋愛小説っていうの?」

キョン「……そういうのも読むんだな」

長門「600年近くもあれば、さすがに全ジャンル制覇もしちゃうわよ」

キョン「(そうだよな。長門はたった一人……ずっと観察してたんだもんな……)」

長門「手、つなご?」

キョン「(たまには、こういうのも悪くないか……)」

ギュ


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:45:09.62 ID:AdQ6gNB10

キョン「そういや、長門とこうやって過ごすのも久しぶりだな」

長門「いつもはハルヒちゃんのせいで付きっきりだしねぇ」

キョン「ハルヒちゃん?」

長門「そ。観察対象を素のまま呼ぶのは刺々しいじゃない?」

キョン「だがいくら何でもちゃんは」

長門「本人の前じゃ口が裂けても言わないけどね。ハルヒちゃんが望んだ、無口キャラだし」

キョン「そうだな。(そういうの気にするんだな……)」

長門「ひどいなぁ、キョン君は」クスクス


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:48:25.20 ID:AdQ6gNB10

長門「それにしても暑いねぇ」

キョン「そろそろ残暑なはずなのに最高気温更新ってどういうことだよ……」

長門「ハルヒちゃんのエンドレスサマーな願いのせいかもね」フフッ

キョン「あいつは人に迷惑しかかけんのか」

長門「そんなこともないんじゃない?」

キョン「?」

長門「キョン君とこういうことになれるチャンスくれたし」

キョン「……そうかもな」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 21:54:10.40 ID:AdQ6gNB10

長門「本来はこういうのいけないんだよ?」

キョン「……観察がどうの、って話か?」

長門「そ。今回は穏健派も痺れを切らしてこんなことに。まぁ、私は嬉しいけどね」ギュ

キョン「長門はおしゃべりだな」

長門「好きな人の前ならね。無口なほうが好き?」

キョン「いや。俺はこういう方が好きかもしれない」

長門「……ありがと」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:00:30.08 ID:AdQ6gNB10

長門「ついたー」

キョン「着いたな」

長門「あー、涼しー」パタパタ

キョン「やめなさい。恥ずかしいから(あと、胸元が見えるから)」

長門「だって暑いんだもん」

キョン「じっとしてればそのうち涼しくなる」

長門「キョン君は気が長いなぁ」

キョン「……思念体ほどじゃないさ」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:03:42.46 ID:AdQ6gNB10

キョン「よっこいせ」

長門「じゃぁ、私は本盗ってくるね」

キョン「盗っちゃだめだ」

長門「分かってるよー」パタパタ

キョン「さて俺は……(本なんか読まないからなぁ……)」

キョン「……CODE:LIFE……?(聞いたことあるな……これでいいか)」

スッ

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:06:35.62 ID:AdQ6gNB10

キョン「……(なんというか、思ってたのと違う)」

長門「ただいまー」

キョン「ん?おかえ……一度にそんなに読むのか」

長門「え?普通だと思うけどなぁ」トスン

キョン「まぁ、長門なら出来るか」

長門「どうせ借りるつもりだし」

キョン「そうか」

長門「……キョン君、変わった本持ってるね。……CODE:LIFE?」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:09:31.79 ID:AdQ6gNB10

キョン「長門も読んだことないのか」

長門「その本は初めて見るよ?おかしいなぁ……」

キョン「まぁ、検索に穴でもあったんじゃないか?誰かがちょうど借りてたとか」

長門「そうかなぁ……」

キョン「そうだよ。気にすることじゃないさ」

長門「……そうだね」ニコ

キョン「(機械に命を吹き込むことは簡単だ。だが、心を吹き込むことは容易ではない……か)」


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:13:04.04 ID:AdQ6gNB10

キョン「(機械の寿命はないともいえる。命を与えられた機械は自らで生きるすべを探す)」

キョン「(だが、心まではその寿命にそぐわない。変わらない命をもってしても、それに心は変わる)」

キョン「(心は常に生まれ変わるのだ)」

キョン「(難しすぎて分からん)」ポイ

キョン「長門……」

長門「スー……スー……」

キョン「……寝ちゃったか」

長門「ンー……」

キョン「起こすのも忍びないな」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:16:33.82 ID:AdQ6gNB10

キョン「(こうして見る長門は、どう見ても人間だ)」

キョン「(600年という長い時間が、長門をここまで変えたんだろうか?)」

キョン「(この本の書いてあることは、あながち間違ってないのかもしれないな)」

キョン「ん……?(長門の持ってる本、開きっぱなしだ)」

キョン「(なになに……?まさひろはちさとの下腹部に手を添え)」

キョン「官能小説じゃねぇか」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:20:54.14 ID:AdQ6gNB10

長門「ん……んぅ?……」

キョン「おはよう、長門」

長門「私、寝てた?」

キョン「おう。ばっちり3時間」

長門「あちゃー……。今日の12時47分にハルヒちゃんから着信あるのに」

キョン「そういえば、さっき携帯光ってたな」

長門「……ま、その方が人間っぽいしいいかな」ゴト

キョン「?もう行くのか?」

長門「うん。ハルヒは午後から図書館に来る」

キョン「どうしてまた?」

長門「天体観測するって言ったでしょ?星図でも借りるんじゃない?」

キョン「そうかもな。とりあえず出よう」ギュ

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/06(木) 22:25:56.95 ID:AdQ6gNB10


キョン「で、午後のご予定は?」

長門「このあと私の家で昼ごはん。お腹空いてるよね?」

キョン「長門が寝てる間に2回ほど腹の虫が癇癪を起したぞ」

長門「そっか、ごめんごめん」クスクス

キョン「さっさと行こうぜ」

長門「ゆっくり行こうよ、せっかくのデートだし」

長門「あ、そうだ」

キョン「?」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:00:56.38 ID:0qtLmVB10

長門「ハルヒちゃんに連絡しないと」

キョン「そういえばそうだな」

長門「着信履歴から、コール、と」

キョン「(電話中くらい静かにしておくか)」

ハルヒ『あ、もしもし。有希?さっきはどうしたの?』

長門「すまない。携帯をおいて出かけていた」

キョン「(いつもの長門だ……)」

ハルヒ『そ?』

長門「そう。要件は?」

ハルヒ『あ、そうそう。そのことで電話したのよねー。えっとね――』

長門『……わかった。管理人に連絡して鍵を預かっておく』

ハルヒ『ごめんねこんなこと頼んじゃって。じゃ、またあとで』ブツ


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:04:18.59 ID:0qtLmVB10

長門「……ふぅー」

キョン「終わったか」

長門「ごめんね、待たせて」

キョン「いや、構わんさ」

長門「キョン君は優しいなぁ」フフッ

キョン「またあの団長様に強引な注文でもされたか?」

長門「まぁね。まぁ、鍵借りるくらいのことなら簡単だけど」

キョン「鍵?」

長門「そ。マンションの屋上の」

キョン「だから長門んちで昼飯食うのか」

長門「ごめんね?効率重視で」

キョン「いや、構わんさ」

長門「ホント、キョン君は優しいなぁ」ニコニコ


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:06:37.85 ID:0qtLmVB10

キョン「ちなみに昼飯って何なんだ?」

長門「カレー」

キョン「……長門、カレー好きなのか?」

長門「どっちかっていうとね。失敗しないところが一番魅力的かな」

キョン「現実的だな」

長門「ちゃんと一晩寝かせてあるよ」

キョン「……早く食べたいな」

長門「だね」クス

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:09:13.56 ID:0qtLmVB10

長門「ついたね」

キョン「ついたな」

長門「最初に聞いておくけど」

キョン「うん?」

長門「笑わないでね?」

キョン「……なにがだ?」

長門「見ればわかる」ガチャ

キョン「……いい部屋じゃないか(あの無機質な部屋が普通の女の子の部屋に)」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:10:51.66 ID:0qtLmVB10

長門「じゃぁ、あっためるから」トテトテ

キョン「お、おう(どうも落ち着かん)」

長門「漁らないでね?」ニコ

キョン「仰せの通りに」

キョン「(そういえば女の子ってこういうのどこで買ってくるんだろうな)」モフモフ

キョン「(……長門の匂いが)」

長門「ご飯どのくらいー?」チラッ

キョン「ひゃぁい!?」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:14:21.62 ID:0qtLmVB10

長門「……?」

キョン「え、あ、いや。普通でいいぞ、普通で」アセアセ

長門「そ。私と同じでいい?」

キョン「いいんじゃないかな」

長門「わかったー」トテトテ

キョン「あぶねぇ、超あぶねぇ!」

長門「(キョン君、私の枕嗅ごうとしてた……)」

長門「恥ずかしいなぁ、もぉ///」ペシペシ

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:19:15.35 ID:0qtLmVB10

キョン「……なにこれ?」

長門「カレー。あれ、お気に召さなかった?」シュン

キョン「いや、すごくうまそうだよ」ニコ

長門「よかったw」

キョン「いただきまーす(ご飯の量が軽くどんぶり2杯はあるぞ……)」カチャ

長門「いただきます」カチャリ

キョン「もぐもぐ(長門も同じくらいか……)」

長門「ど、どうかな?」

キョン「ん?あぁ、うまいよ。辛くて(辛いなぁ……)」

長門「えへへ……w」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:23:13.08 ID:0qtLmVB10

長門「もぐもぐ……」

キョン「……」ジー

長門「もぐもぐ……ん?」

キョン「……」ジー

長門「どうしたの?」

キョン「いや、うまそうに食べるなぁと思ってさ」

長門「ごめんね、なんか食いしん坊みたいで」

キョン「おいしそうに食べる子は可愛いさ」

長門「……えへへ///」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:24:32.57 ID:0qtLmVB10

長門「ごちそーさまでした」

キョン「ごちそうさま」

長門「お皿、洗っちゃうね」ヒョイ

キョン「あ、それくらい俺が」ガタ

長門「いいから、キョン君は座ってて」

長門「家庭的な女の子って、ポイント高いでしょ?」クス

キョン「まぁ、否めんが……

キョン「じゃぁ、一緒にやろう」

長門「……うん///」


121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:27:19.08 ID:0qtLmVB10

以前変態ローゼンSSを書いたときは終盤もう人の気配がなくて切ろうかなとレスした所、10以上のレスが返ってきたので驚きました。

出来れば、支援等の書き込みをしてくださると、意欲といいますかなんといいますか。

気合いのような何かが入りますのでお願いしたいところではあります。

無言でただ読まれるだけですと、所詮公開オナニー。大変恥ずかしいものなのです。

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:30:59.09 ID:0qtLmVB10

ジャー

長門「……はい」バシャバシャ

キョン「おう」キュッキュッ

長門・キョン「(なんか……)」

長門「恋人っぽいね」
キョン「夫婦っぽいな」

長門・キョン「!?」

キョン「す、すまん!妄言だ忘れてくrふじこlp!」

長門「ううう、ううん!?きににしなくていいぉ!?」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:34:09.72 ID:0qtLmVB10

キョン「(どうした俺!?ビークール、OK?)」

長門「(そ、そんな夫婦だなんて……)///」

キョン「んんっ!……なんかすまん……」

長門「ううん……嬉しかったよ?」

キョン「そ、そうか……(なんか照れる)」

長門「こんなこと出来るの、キョン君くらいにだけなんだもん」ギュ

キョン「長門……(手を……)」

長門「こうなる前から……私の気持ちはずっと変わらないよ?」


133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:38:16.90 ID:0qtLmVB10

キョン「こうなる……っていうのは?」ゴクリ

長門「パパに命令されてキョン君と付き合う前から……ずっと好きだったんだよ?」

キョン「……鈍くてすまんな」

長門「ううん……キョン君が鈍くなかったら、私は好きになれなかったよ……」

長門「好きな気持ちを相手に知られるのって……すごく怖いことだし」ギュウ

キョン「(長門の匂いが……)」ゴク

長門「だからね、キョン君……」

長門「せめてこのループだけでも、私を……キョン君の物にして……?」

キョン「!!」


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:44:14.70 ID:0qtLmVB10

キョン「長門!」ドサッ

長門「っ!……キョン君」

キョン「長門が……長門がいけないんだぞ……俺を、俺を誘惑するから」

長門「キョン君なら……いいよ……?私はもう……キョン君の物だから」

キョン「はぁ……はぁ……!」グイッ

長門「あっ……んっ」

チュッ

キョン「長門……長門……!!」

長門「キョン君……好き、好きィ!」ギュウ

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:49:34.42 ID:0qtLmVB10

ピーンポーン

長門・キョン「!?」

古泉「長門さん?いらっしゃいますか?」

キョン「古泉……!」

長門「ダメ。古泉君は悪くないよ……」

長門「もともとこの時間に来ることは既定だったけど……私が忘れてただけだし……」

長門「責めるなら……私を……」

キョン「責められるものか……」ハァ……

ガチャ

古泉「おや、もう着ていらしたんですか?」

ゴン

古泉「いっ!?い、いきなりなんですか!??」

キョン「長門に感謝しろよ」

古泉「?」


141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 15:53:44.62 ID:0qtLmVB10

ョン「で、なんのようだ」

古泉「いえ、今日の天体観測のためにうちにあった天体望遠鏡でも持ってこようと思いまして」

古泉「手の空いているうちに置かせていただこうと思いましたが、どうやらお取り込みのようで……」チラ

長門「……///」テレテレ

古泉「……少しお話したいこともあるので、運ぶのを手伝っていただけませんか」

キョン「丁重にお断りさせていただく。俺は今猛烈にご機嫌ナナメなんだ」

古泉「……そこをなんとか」


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:01:15.84 ID:0qtLmVB10

キョン「たく……」

古泉「感謝します」

キョン「で、なんだ。話したいことってのは」

古泉「いえ、そのことですが……」

古泉「昨日の話は覚えていますよね?」

キョン「?あぁ(無限ループの話か?)」

古泉「本来、機関側の立場からこういうことを言うのもなんですが……」

古泉「長門さんと交際していることを、涼宮さんにおっしゃってみてください」

キョン「!?」


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:04:53.43 ID:0qtLmVB10

キョン「……世界がどうなってもいいのかよ」

古泉「夏休みに入ってからというもの、涼宮さんの精神状態は大変安定しているようで」

古泉「このところ、まったく閉鎖空間が発生していません」

キョン「……そうなのか」

古泉「よく考えれば、これは異常事態です」

キョン「なにがだ」

古泉「人の精神活動は絶えず行われているのはご存知ですよね?」

キョン「あぁ……(CODE:LIFE……)」

古泉「なのに涼宮さんの精神が安定している。精神の安静なんてものは、本来起こり得ないのです」


146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:07:08.86 ID:0qtLmVB10

キョン「……夏休みに入る前から、そうだったろうが」

古泉「ええ。でもそれは、あなたが涼宮さんの精神活動を支えていたからです」

キョン「まぁ、そうだろうが……」

古泉「夏休み入って以降、閉鎖空間の兆しすら、感じなくなったのですよ」

キョン「!?」

古泉「僕個人、いえ、機関の過半数は、このループの打開策を『涼宮ハルヒの精神活動を乱すこと』と結論付けています」

キョン「……こじつけが過ぎるな」

古泉「ですが、これくらいしか思いつかないのですよ。既視感はあれど、これから先何が起こるかは分からないのですから」


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:11:34.08 ID:0qtLmVB10

キョン「(確かに、ここ最近ハルヒが不満そうな表情を見せたことはないが)」

キョン「……俺は保証できんぞ」

古泉「大丈夫です。あなたを全力で支えるのが、機関ですから」

キョン「……わかった」

古泉「ありがとうございます。あ、新川さん、ご苦労様です」

新川「ようやく来たか。古泉、例のものだ」ガパッ

キョン「これまたでかい望遠鏡だな」

古泉「えぇ、僕の私物ですが」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:15:27.31 ID:0qtLmVB10

キョン「んしょ……新川さんにでも、頼めば、いいじゃないか」ガチャガチャ

古泉「言ったでしょう?お話したいことの、ついでだと」ガチャン

キョン「ふー……なんでこんな馬鹿みたいに重たいものなんだよ」

古泉「すいません。友人のいない僕に、父が下さったものですので、それはそれは高価なものなんですよ」

キョン「……すまん」

古泉「いえ、仕方がありません。父は転勤族でしたので」

キョン「……古泉、もしかして、少しやつれてないか」

古泉「おやおや、これはお恥ずかしい。気付かれてしまいましたか」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:20:31.80 ID:0qtLmVB10

キョン「……休んだ方がいいんじゃないのか」

古泉「そういうわけにはいかないんです。SOS団全員で、このイベントを達成しないといけないようですし」

キョン「ハルヒの力か。だったら、休んでハルヒの機嫌を損ねるのも一つの手じゃないか」

古泉「長門さんは先日「盆踊りに行かなかった回がある」といっていました」

古泉「僕一人が休むことで、ループが解消されない可能性もあるのです」

キョン「……確かに」
                             イ レ ギ ュ ラ ー
古泉「僕たちが欲しいのは、すべての状態を万全にした上での不確定要素なのですよ」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:26:17.01 ID:0qtLmVB10

キョン「なるほど」

古泉「お分かりいただけましたか」

キョン「すべてに納得できたわけじゃないがな」

古泉「話にのっていただけるだけでいいのですよ。あとは機関の方が何とかします」

キョン「……おーい。長門ー」ゴンゴン

長門「あ、ごめんね。今開けるから」ガチャ

古泉「おやおや、これはこれは」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:32:25.73 ID:0qtLmVB10

古泉「すいません長門さん。もう少しだけ『キョン君』をおかりしてもよろしいですか?」

長門「?いいけど……」

古泉「恐れ入ります」

バタン

キョン「なんだよ。古泉」

古泉「あなたは女心を分かってませんねぇ」ニヤニヤ

キョン「なんだ気色悪い」

古泉「どうして、長門、なんですか?」

キョン「?そりゃ、長門は長門だろ?」

古泉「(こいつ本気でそう思ってんのか?)」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:35:46.64 ID:0qtLmVB10

古泉「僕が聞きたいのは、どうして有希と呼ばないか、なんですよ」

キョン「!?」

古泉「(本気で思ってたのか)」

古泉「恋人同士、名前で呼び合うのなんて当然のことでしょう?」

キョン「だ、だが!それは、長門も同じだろうが!」

古泉「(お顔が真っ赤ですよ)キョン君というのは、いわゆる愛称でしょう?名前をフルネームで言うなんて無粋にもほどがあります」

古泉「今の長門さんの方が、よっぽど『人間らしい』交際をしていますよ?」

キョン「……それもそうだな」

古泉「おわかり下さいましたか」ニコ

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:41:38.28 ID:0qtLmVB10

古泉「失礼します(これはまた随分とファンシーな部屋に)」

長門「片付いてなくてごめんね。これ、粗茶だけど」コトリ

古泉「いえいえ、お構いなく(少しだけ、あなたが羨ましいですよ、キョン君)」

長門「……キョン君、何話してたの?」

キョン「なんでもないさ、ながt……有希」

長門「!!?//////」

古泉「(なんという主人公補正)」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:46:23.84 ID:0qtLmVB10

キョン「……有希?」

長門「え、な、何かな、きょ、キョン君?」テレテレ

古泉「(面白いほどに、顔がまっかですね)」

キョン「熱でもあるのか?」ピト

長門「っっっ!?????」クラッ

キョン「!!有希!」

古泉「(あーあ、やっちゃたよこいつ)」

キョン「古泉!有希が!」

古泉「オナニー覚えたてのチンパンジーですか、あなたは」ズズッ

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:49:26.64 ID:0qtLmVB10

キョン「!?いや、それより有希が!」

古泉「長門さんがそういう風に性格を補正したのは、つい最近ですよ」

古泉「いきなり極度の刺激がくれば、彼女の脳内回路もショートするのは当然です」ズズッ

キョン「確かにそうだが……」

古泉「とりあえず、頭の下に枕でも敷いて寝かしてあげましょう」スッ

キョン「……かたじけない」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:53:46.51 ID:0qtLmVB10


古泉「大丈夫みたいですね」

キョン「そうだな」

古泉「……ずいぶん人間らしい表情をするようになりましたね、長門さんは」

キョン「昨日、突然あんな口調になったときは驚いたがな」

古泉「ため込んでいたものが一気に放出されたかのような変わりようでしたからね」

キョン「600年でこれか。俺なら発狂しそうなものだな」

古泉「僕もですよ」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 16:54:27.82 ID:0qtLmVB10


長門「18時……23分……」

キョン「有希?」

古泉「寝言ですよ。18時23分ですか……あと2分足らずですね」

キョン「……!?」

古泉「どうかなさいましたか?」

キョン「まずいぞ、ハルヒ達がくる!」

古泉「!……どうしてまたそれをあなたが」

キョン「長門はこれから先に何が起きるか分かる」

古泉「!?まずいですね、早急に手を」



ピーンポーン



164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 17:00:09.50 ID:0qtLmVB10

ハルヒ「やっほー!古泉君たち、来てるー!?」

みくる「遅れちゃってごめんなさい……。電車が遅れちゃって」

古泉「少しお静かに願えますか?(朝比奈さん、目元が赤い……)」

キョン「長門が後頭部を強打してしまってな(冷凍庫にアイスノンがなかったら今頃……)」

ハルヒ「あら。有希大丈夫かしら」

古泉「軽い脳震盪のようですよ。別状はなさそうです」

ハルヒ「そ。ならいいわ!えーっと、鍵、鍵……」

キョン「鍵なら俺が預かってる。古泉とさっき、いいものを屋上に運んだからな」

ハルヒ「いいものって」

キョン「行けば分かるさ」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/07(金) 17:02:39.48 ID:0qtLmVB10

キョン「それでは朝比奈さん、有希が起きたら連れてきてくださいね」

みくる「はぁい、わかりましたぁ」

ハルヒ「キョン!古泉君!早く行くわよ」

キョン「すいません、ハルヒが急かすのでこれで」

古泉「こんな役を引き受けて下さってありがとうございます(朝比奈さん……)」

みくる「いいんですよ。いってらっしゃい」フリフリ

169 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 17:23:52.93 ID:0qtLmVB10

支援感謝です

とりあえず、書き溜め最後だけ投下します。


みくる「……」

みくる「グス……」

みくる「未来に帰れないのに、私、笑えませんよぉ……グス」

みくる「うぅ〜……」

長門「ん……キョン君……」

長門「……あれ?」ゴシゴシ

みくる「!?ご、ごめんなさい!起しちゃいましたか!?」

長門「朝比奈みくる……泣いてたの?」

198 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:19:21.02 ID:NNUvBXpZ0

みくる「えへへ……お恥ずかしいです」グシグシ

長門「ううん。そりゃ、家に帰れなくなったら、誰だって悲しいよ」

長門「もしかしたら、私もそうなっちゃうかもしれないし……」

みくる「?」

長門「ん、こっちの話」

みくる「そうですか……」

長門「みくるちゃん」

みくる「は、はい(みくるちゃん……)」

長門「私は何があっても覚えている。あなたのことは、全部」

長門「これだけは覚えておいてね?」


199 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:21:18.53 ID:NNUvBXpZ0

みくる「長門さぁん」グス

長門「何があっても、私は全部覚えてるから」

長門「そばにいるよ」ナデナデ

みくる「ふぇえぇ〜ん」ギュウ

長門「よしよし……」

202 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:33:30.11 ID:0U7PAH4A0

長門「ごめん。おそくなった」

みくる「すいません」

ハルヒ「しょうがないわよ、無理やり起こすわけにもいかないんだから。それより!」

長門「!」ビク

ハルヒ「キョンと付き合ってるんだって!?なんでそんな大事なことを言わないのよ!」

長門「……ごめんなさい」

ハルヒ「SOS団内での異性交遊は禁止!といいたいけど、せっかく有希にそういう人が出来たんなら……しょうがないわよね」

長門「感謝する」

ハルヒ「まったく、何でよりによってキョンなのかしら。別にいいところなにもないのに」

長門「それは違う!」

ハルヒ「!?」

長門「え、あ……ご、ごめんなさい//////」

古泉「(何でしょうか、このどす黒い感情は)」

203 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:34:27.07 ID:qddvKZ8S0

ハルヒ「ご、ごめん」

長門「こちらこそ、大声を出してしまって……」

ハルヒ「キョンも幸せ者ね、こんなに可愛い子に思われるなんて」

長門「あまり……言わないでほしい」

ハルヒ「照れちゃってー、この、この」

古泉「おやおや……。おや?キョン君、どうなさいましたか」

キョン「いや、少し頭を冷やした方がいいようだ」ポタポタ

古泉「鼻血出してんじゃねーよ」

204 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:38:12.28 ID:qddvKZ8S0

キョン「ん?なんか言ったか?」

古泉「いえ(つい本音が)」




キョン「結局、こいつは何がしたかったんだ?」

ハルヒ「zzz……」

長門「zzz……」

古泉「言ったでしょう、これがイレギュラーですよ」

古泉「イベント消化を二の次にする。なんてのは、今までにないパターンですから」

キョン「そうかもしれんな(ん……まてよ)」

古泉「これでループが解消されればいいのですが」

キョン「……解消されると少しまずいな」

古泉「?どうしてですか?目標達成のために動いているというのに」

キョン「このまま解消されるとだな」

キョン「俺と有希が付き合った事実が続く」

205 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:38:59.48 ID:qddvKZ8S0

古泉「……それはあまり、世界にとってはよろしくありませんね」

キョン「だろうな」

古泉「つまりあなたはこういいたいのですね?」

古泉「これは正解ルートではないと」

キョン「そうなる……な」

古泉「だからと言って、どうにかなるものでもないです」

キョン「?」

古泉「試行錯誤を重ねるしかないですよ、今のところは」

206 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:40:34.98 ID:qddvKZ8S0

キョン「(もしループが解消されれば、長門と付き合ったまま……)」

キョン「(だが、それをハルヒが望んでいるかと言ったら……否だ)」

キョン「(ハルヒが望んで繰り返される夏休みで、自分の気に入らないことが起きれば)」

キョン「(……また、無限ループ)」

キョン「そうなれば、また長門がつらい思いをするのか」

キョン「考えてもしようがないな……寝るか」


207 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 21:42:28.83 ID:qddvKZ8S0

長門「……今日、初めて、名前で呼んでくれた……」

長門「嬉しい……」

長門「でも、余計に寂しくなる……」

長門「私は……もうすぐ……」

長門「……エラー、確認」

長門「これは……液漏れ……?」

長門「止めなきゃ……」

222 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 22:58:42.90 ID:0U7PAH4A0

キョン「おっと、2番乗りか」

長門「あ、キョン君おはよ」

キョン「おはよう、有希」

長門「やっぱり、その呼び方……恥ずかしいな///」

キョン「ならやめとくか」

長門「え、そ、それは……」

キョン「冗談だ」

長門「ひどいよ、キョン君」

キョン「よいしょ」

チュ

キョン「これで許してくれよ」

長門「……うん///」

224 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:01:27.96 ID:9fp8ZrdG0

古泉「お二人は、随分仲がよろしいようですね」

長門・キョン「!?」

キョン「こ、古泉……いつからそこに?」

古泉「お二人がいちゃいちゃし出したところくらいですかねぇ」

長門「……///」

古泉「まぁ、恋仲同士のやりとりに、口を出すつもりはありませんよ」

キョン「……すまん」

古泉「それにしても、意外ですねぇ」

古泉「あなたがこんなに早く来るなんて」

キョン「?いや、俺は長門に呼ばれた時間にきたんだが」

古泉「おや?涼宮さんからの連絡は?」

キョン「……そういや、着信してたような」

古泉「……バイトが入ったようです」


227 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:05:02.40 ID:9fp8ZrdG0

ハルヒ「到着!……あれ、古泉君は?」

みくる「急な用事でここには来たんですが、すぐに帰っちゃったみたいですよぉ?」

ハルヒ「ふぅん……。まぁ、しょうがないわよね、古泉君は副団長だし」

キョン「あいつはそんなんで許されるのか」

ハルヒ「あんたは雑用だから、しょうがないの」

ハルヒ「と、言うわけで今日はあんたのおごりね」

キョン「はぁ!?なんでまた俺が!?」

ハルヒ「古泉君の代わりよ。あんたも古泉君も男じゃない」

キョン「……納得がいかない……」


229 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:07:17.96 ID:9fp8ZrdG0

ヒュルルルル……ドーン

ハルヒ「たーまやー!」

キョン「(金魚すくいが4回計1200円、たこ焼き2パック計1000円、射的7回計3500円……)」

みくる「これがこの国の伝統的風物詩ですかぁ〜、綺麗〜……」

長門「キョン君、あーん」

キョン「もぐもぐ(綿菓子2袋1400円、ベビーカステラ大1500円、有希があーんしてくれたたこ焼きプライスレス)」

キョン「はっ!?」

長門「キョン君一人でブツブツどうしたの……?」

キョン「いや、なんでもないんだ、なんでも」

長門「困ったことがあったら遠慮なく言ってね?」

キョン「……ありがとうな、有希」ギュウ

長門「……//////」


234 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:11:59.82 ID:9fp8ZrdG0

長門「あ」

キョン「ん?どうした?」

長門「これ……」

キョン「……手作りの銀細工、か」

長門「ジー」

キョン「……どれだ?」

長門「え、い、いいよ、悪いよ」

キョン「いいから……そうだな、これなんかどうだ?」

長門「……結晶型の、ペンダント?」

キョン「そ、2人でさ、つけようぜ」

長門「……うん///」


237 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:16:02.07 ID:9fp8ZrdG0






ピリリリリ

キョン「んぅ……」

ピリリリリリ

キョン「ぅるさぃな……」

ピリリ、ピリリ、ピリリリリリリリピッ

キョン「うるせーんだよ、古泉!」

古泉「よく分かりましたね」

キョン「お前の着信だけ途中で337拍子になる」

古泉「それは結構」


238 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:17:09.68 ID:9fp8ZrdG0

キョン「で、なんだ。閉鎖空間でも発生したか、おめでとう」

古泉「はい。ですが」

古泉「発生した閉鎖空間が異常です」

キョン「……は?」

古泉「今閉鎖空間にいるんですが、携帯で通話できます」

キョン「……どういうことだ。空間に出来た断面じゃないのか?」

古泉「本来はそうなんですが……今は超能力を使えません」

古泉「それどころか、神人すら出てこないんです」


239 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:18:18.72 ID:9fp8ZrdG0

キョン「……理解ができん」

古泉「機関の方々も戸惑ってます。こんな事態はなにぶん初めてなので」

キョン「ハルヒに何かあったんじゃ……」

古泉「それはないでしょう。彼女は今、夢の中ですよ」

キョン「……じゃぁ、そこは……」

古泉「えぇ、恐らくですが、涼宮さんの夢の中です」


240 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:20:11.46 ID:9fp8ZrdG0

古泉「超能力も神人もない、携帯電話が通じる世界」

古泉「これはつまり、ただの現実とそう大差のない世界、ということです」

古泉「普段の彼女の行動からは想像もつかないほど、彼女の夢は現実的です」

キョン「……それと俺の睡眠時間を奪うのと、どう関係があるのか説明してもらおうか」

古泉「それはすいません。でも、これだけは伝えておこうと思いまして」

キョン「なにがだ」

古泉「もしかしたら、このループを脱することが出来るかもしれません」


242 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:21:23.71 ID:9fp8ZrdG0

キョン「なん……だと?」

古泉「普遍的な閉鎖空間と違い、今回のこの空間は大変現実に近い構成をしています」

古泉「これはあくまで僕の憶測にすぎませんが……」

古泉「涼宮さんが現実を受け入れ始めた、ということになりませんか?」

キョン「……それはつまり」

古泉「涼宮さんの願望実現能力により……この世界が『普通である』という風に認識され始めたんですよ」

古泉「異質なもののない、ごくごく当たり前の生活です」

古泉「彼女の夢は、終わったのですよ」


243 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:22:55.69 ID:9fp8ZrdG0

古泉「思えば、今日あなたが遅刻しなかった時点で気づくべきでしたよ」

キョン「じゃぁ、お前や朝比奈さんは!?消えちまうのか!?」ガバッ

古泉「いえ、その心配はありませんよ」

古泉「僕たちは涼宮さんにとって所詮ただの人間です」

古泉「きっと記憶を改変されて、元通りのSOS団に戻りますよ」

キョン「じゃぁ、有希も……」

古泉「長門さんだけは、あなたの思い通りに行かないかもしれません」

古泉「涼宮さんの影響を受けない、情報統合思念体の端末ですので」


246 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:23:53.48 ID:9fp8ZrdG0

キョン「有希……!」

古泉「どこへ行こうというのですか?」

キョン「情報思念体は……自立進化の可能性を探してる。ハルヒにその可能性がないなら、有希は!」

古泉「そうですか……ではもう……」

キョン「やめろ!」

キョン「それ以上言うんじゃねぇ!!」ピッ

249 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:26:07.37 ID:9fp8ZrdG0

キョン「(有希、有希、有希!!!)」

キョン「(嘘だろ、嘘だって言ってくれよ有希!)」

キョン「(もし俺が、気づいていたら、こんなことにはならなかったのか!?)」

(長門「穏健派も痺れを切らして……」)

キョン「(穏健派が痺れを切らしたら、急進派と手を組むはずだ!)」

キョン「(有希……まさかだとはおもうが……)」

キョン「全部お前の独断じゃないよな……!?」

250 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:26:55.65 ID:9fp8ZrdG0

ガチャ!バン!

キョン「有希!」

キョン「……有希!」

長門「……キョン……君……」サラサラ

キョン「有希、どうしてこんなことしたんだよ!」

長門「ごめんね……」

キョン「どうして嘘なんかついたんだよ!?」

長門「嘘じゃ……ないよ……。一応……。でも、ちょっとやり過ぎたみたい……」

長門「ハルヒちゃんから、能力を消しちゃったんだ……」

258 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:41:39.75 ID:9fp8ZrdG0

長門「彼女は……自らの望む世界と、友情との葛藤の末……友情の方を選択した……」

長門「その結果、彼女から……自立進化の可能性は消えた」

長門「私は所詮端末だから……パパに回収されちゃうけど」

長門「私のことは……忘れてね?」

キョン「……んな」

長門「キョン……君……?」

キョン「ふざけんな、有希!」

長門「!」


260 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:43:20.29 ID:9fp8ZrdG0

キョン「忘れられるか、そんなもん!」

キョン「お前がいなかったら、俺はこんなに楽しい夏休みは過ごせなかったさ!」

キョン「お前がいなかったら、俺は朝倉に殺されてたんだよ!」

キョン「お前がいなかったら……生きてねぇんだよ!」

長門「キョン君……」

長門「ねぇ、キョン君……」

長門「私は……幸せだったよ?」ニコ……



サラサラ





サラサラ



サラ


261 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:44:22.96 ID:9fp8ZrdG0

ハルヒ「おいすー!……古泉君とみくるちゃんだけ?」

古泉「そのようですねぇ」

ハルヒ「ったく、あいつは……。団員としての自覚が足りないのよ」

みくる「お茶ですよぉ」コト

ハルヒ「ありがと……。はぁ……なんか面白いことでも起こらないかしらねぇ……」

古泉「(貴女が気付いてないですよ)」

古泉「この世界は、想像以上に面白いですよ?」

262 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:45:26.50 ID:9fp8ZrdG0

キョン「もうすっかり秋だなぁ……」

???「そうだねぇー」

キョン「まさかかえってくるとはな」

???「パパが言ってたよ。突き放すのも愛だって」

キョン「……ずいぶん所帯じみてるな……」

キョン「あんまり走ると転ぶぞ」

???「大丈夫だよー!あっ」

キョン「よっと」ガシ

???「えへへ……ありがと」

キョン「ったく、すっかり人間みたいになりやがって」

???「ひどいなぁ……キョン君は」

キョン「ごめんごめん」

チュ

キョン「これで許してくれよ、有希」

有希「……うんっ!」
                          完

265 名前: ◆5UYZWkPudI [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 23:46:49.10 ID:9fp8ZrdG0

落ち弱くてすいません。
展開速くてすいません。
でも、読んで下さりありがとうございました。



ツイート

メニュー
トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:アセム「父さんの部屋からピンクのリボンが出てきた」