1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:19:09.69 ID:K/tjpPudO
長門「…」
キョン「ダメなのか。俺が恥も外聞も捨てて頼んでいるのに」
長門「あなたの要望の意図するところがわからない」
キョン「単純に、純粋に、俺はお前の匂いを嗅ぎたい。これが理由じゃ、足りないか?」
長門「…」
キョン「…どうしても、ダメなのか。例えばその、短く切られた髪」
長門「…髪?」くいっ
キョン「そう。お前が今摘んだ髪だ。更に言うなら…頭皮」
長門「やはり理由がわからない」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:21:59.34 ID:K/tjpPudO
キョン「わかった。正直に言おう」
長門「…」
キョン「お前は俺が眼鏡がない方が良いと言ったから眼鏡を外した。相違ないな?」
長門「ない」
キョン「それはつまり、俺の好みにお前が合わせてくれると言う事。そこに好意があるのかは別にして」
長門「違わない」
キョン「だったら話は早い。俺はどうやら、体臭萌えなんだ」
長門「体臭」
キョン「体臭。わかりやすく言おう、匂いフェチだ」
長門「それは偏った性的嗜好。推奨しない」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:27:23.92 ID:K/tjpPudO
キョン「受け入れがたいのは承知してるさ。ましてや俺達は恋人同士でもなんでもない」
長門「…そう」
キョン「承知の上で尚、俺はこうしてお前に頼んでいる。どうか俺に、匂いを嗅がせて下さい」
長門「頭を上げて」
キョン「…断る。お前がうんと言うまで、俺は地面から頭を離さない」
長門「なぜ私」
キョン「え?」
長門「あなたの要望は把握した。しかし、なぜ私」
キョン「そりゃあ…」
長門「SOS団員の中で最も断る可能性が低く、かつ頼む際にも気を使わなくて済むからという理由なら…」
キョン「断じて違う!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:30:12.78 ID:K/tjpPudO
キョン「長門の匂いを嗅ぎたいんだ…。頼む」
長門「…」
キョン「…」
長門「どこの」
キョン「長門…!」
長門「どこの匂い」
キョン「ありがとうな、長門。恩に着るよ」
長門「良い。目的の箇所は」
キョン「…じゃあ、まずは頭の匂いを嗅ぎたい」
長門「……どうぞ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:40:22.89 ID:K/tjpPudO
長門「条件がある」
キョン「…こちらはお願いする側だからな。なんだ?」
長門「……後ろから」
キョン「は?」
長門「前からは抵抗がある。後ろから嗅いで」
キョン「はは、なるほどな。じゃあ失礼するよ」
すっ
キョン(いつもの姿勢とは言え、長門の颶を見下ろすなんてのは新鮮だな)
キョン(いますぐにでもむしゃぶりつきたい所だが…ここは紳士にいかないとな)
長門「……嗅ぐなら、早くして欲しい」
キョン「ああ、悪い。じゃあ嗅がせてもらうぜ」
すうぅ…
長門「…」ぴくん
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:45:44.71 ID:K/tjpPudO
キョン(鼻にかかる髪質は柔らかい…シャンプーは…)
キョン(あまり気を使ってるようには思えないな。この匂いは、リンスインシャンプーか)
キョン(そして、トリートメントもなし…ね)
キョン(…だが、長門が高級なシャンプーを使っているのはそれはそれで期待外れだ)
キョン(この無頓着さが長門の魅力と言えなくもない)
キョン(髪はこんなもんか。では失礼して、もう少し奥まで)
ぐりぐり
長門「っ!何をしているの」
キョン「悪いな。頭皮の匂いまできっちり嗅がせて欲しいんだ」
ぐりぐり
すうう…
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 22:55:41.26 ID:K/tjpPudO
キョン「…ふむ」
長門「…」
キョン「さすがの長門と言えども、やっぱり頭皮は頭皮の匂いがするんだな」
長門「……」
キョン「すぅ……はぁ……」
キョン「ああ、良い香りだ。適度なあぶら臭さと、メリ〇トの混ざった匂い」
長門「……」
キョン「ああ、この匂いだけで長門の入浴姿が目に浮かぶようだ」
長門「……もう良い?」
キョン「いや、ちょっと待ってくれ。…すぅ……ふむ。ふむふむ」
長門「…なに」
キョン「なるほど。長門は身体から洗うのか。それから、湯舟に浸かる時は湯流しした方が良いぞ」
長門「!?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 23:05:45.91 ID:K/tjpPudO
長門「…」すっ
キョン「どうした?いきなり立ち上がって」
長門「おしまい」
キョン「ん?」
長門「もう終わり」
キョン「ああ、そうだな。頭はもう十分だ」
長門「…まだ嗅ぐの」
キョン「まだ嗅ぐとも」
長門「……部位は」
キョン「そうだな、上から順当に行くとなると次は…」
長門(腕…?肩?………まさか、胸)
キョン「口だ」
長門「口?」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 23:14:16.52 ID:K/tjpPudO
キョン「そう、口」
長門「……口は」
キョン「口というのはだな、少なからず臭いがある。誰でもだ」
長門「…」コク
キョン「ましてや今は放課後。昼食をとってから歯磨きは?」
長門「……していない」
キョン「ま、学校で歯磨きする奴も少ないよな。たまに見かけるが」
長門「…私はしていない」
キョン「だろうな。だからこそだ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 23:23:07.39 ID:K/tjpPudO
長門「……口は嫌」
キョン「嫌がるのももっともだ。なにせ口は人体で指折りの雑菌の住家だ、臭くないはずがない」
長門「…そう。だから口はやめて」
キョン「だがな、汚い所を見せない人間関係ほど信用できないものもないもんだ」
長門「どういうこと」
キョン「要するにだ、隠したい所ほど宝は隠れているって事だよ。自然の摂理だ」
長門「理解できない」
キョン「俺が求めてるのは理解なんかじゃなく、匂いなんだ」
長門「…」
キョン「頼む長門。…頼む」
長門「……少しなら」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 23:29:33.37 ID:K/tjpPudO
キョン「ありがとう。長門に頼んでよかった」
長門「……あなたに対する見方を改める」
キョン「それで良いさ。さぁ長門、あーんしてくれ」
長門「あーん」
キョン「…もっと広げてくれ」
長門「…あーん」
キョン「素晴らしい。長門、喉渇いてたのか?」
長門「?」
キョン「上あごと舌で糸引いてるぞ」
長門「っ!」さっ
キョン「おっと、隠さないでくれ」
長門「…余計な事は言わないで、早くして欲しい」
キョン「悪かったな。だが糸を引くのは誰だって同じだよ、気にするな。ほら、あーん」
長門「…あーん」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/03(月) 23:43:55.41 ID:K/tjpPudO
キョン「虫歯ひとつない、綺麗に並んだ歯」
キョン「一つ一つは決して大きくないが、規則正しく並ぶと一本の線みたいだ」
キョン「本当に、綺麗な口をしてるよ長門」
長門「……」
キョン(そして…あえて口には出さないが、所々にへばり付く歯垢)
キョン(いかに長門と言えど、これはごまかしようがない)
キョン(更に言うなら、この若干短めの舌)
キョン(控え目…それで居て圧倒的な存在感。少しばかりの黄白の汚れ。まさしく長門の舌だ)
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:10:36.69 ID:6YClp4tnO
お腹編だけ書いていいですか?
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:18:53.08 ID:6YClp4tnO
すぐに終わるので
キョン「長門、お腹の匂いも嗅がせてくれないか」
長門「…それは無理」
キョン「そ、そんな!長門頼む!一生のお願いだ!」ガバ
長門「土下座…」
キョン「頼む……!お願いだ……!」
長門「…」
キョン「く……うぅ……!」
長門「…分かった」
キョン「長門!」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:20:51.10 ID:6YClp4tnO
キョン「ほ、本当にいいんだな!?」
長門「いい、早くして」すっ
キョン「ちょっと待ってくれ……何故イスから立つ?」
長門「?…そのほうが嗅ぎやすいと判断した」
キョン「違う、違うんだよ長門、それは間違ってる」
長門「…」
キョン「わざわざ屈んで顔を低くして嗅ぐことに意義があるんだ」
長門「意味が分からない……」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:23:29.84 ID:6YClp4tnO
キョン「まあそれ以外にもいろいろと利点があるんだが、後で話すよ」
長門「そう…」すっ
キョン「ありがとう長門…いいか?」
長門「いい」
キョン「それじゃあお言葉に甘えて……」
ぽす
キョン「長門のお腹……」
長門「……」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:27:25.28 ID:6YClp4tnO
キョン「すべてを包み込んでくれるような安心感だ…」すりすり
長門「!…匂いは?」
キョン「ああすまん、今嗅ぐ」
すうううぅっ
キョン「………!」ぷるぷる
長門「…!」ぴくっ
キョン「………はあぁっ!はぁ……はぁ……」
長門「…どう」
キョン「ああ……さいっこうだ…!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:30:35.40 ID:6YClp4tnO
キョン「制服の匂い、長門独特の体臭、2つがお互いを際立たせている」
長門「そう…」
キョン「そして何よりも、座らせたまま嗅いだことが正解だった」
長門「…?」
キョン「つまりだ、座らせたことにより制服と体の間にわずかな隙間ができる」
キョン「そうすることによって、より濃度の高い長門の匂いを嗅ぐことができたんだ」
長門「そ、そう…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 09:34:59.89 ID:6YClp4tnO
キョン「さらに今日は湿度が高いために制服の通気性は悪い」
キョン「そのためお腹から空気を吸うことで体と制服の間の空気は全てそこに集まる」
キョン「つまり、たった一回の深呼吸で俺は長門の上半身全ての匂いを嗅いだことと等しくなるんだ」
キョン「長門の脇、背中、乳房、お腹、そのハーモニーはまさに……?」
長門「…」ぷるぷる
キョン「な、長門……?」
長門「…今日は…帰る」すっ
キョン「長門!?」
BAD END