ハルヒ「夢…か」


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26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:34:21.85 ID:eT2G/TPxO

キョン「可愛いぞ、長門」

長門「ありがとう」

ハルヒ「ちょ、ちょっと、何してんのよ馬鹿キョン!」

キョン「何って……」

長門「人の彼氏を馬鹿なんて言わないで」

ハルヒ「な……」



ハルヒ「……夢か」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:37:48.24 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「あー、もう! なんて夢見てんのよ!」

ハルヒ「てか、有り得ないわよ、あんな夢! あの有希が馬鹿キョンなんかと!」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「……ない、わよね?」



古泉「ぐっ、なんだ、今日の神人は妙に強いですね……!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:41:18.54 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「ある訳ない……けど……」

ハルヒ「そういえば、キョンっていつも有希の事気にしてるわよね」

ハルヒ「古泉君とゲームしてても、ちらちら有希の事見てるし……」

ハルヒ「…………」



古泉「ふう、ようやく腕一本ですか」

古泉「!? 一瞬で回復しただと?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:45:08.26 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「……キョンって有希みたいな子が好きなのかな……」

ハルヒ「…………ユニーク」

ハルヒ「……」

ハルヒ「馬っ鹿みたい」



古泉「ぬおおおお! 負ぁけぇるぅかぁあああ!!!」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:49:03.45 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「大体何よ」

ハルヒ「いっつもいっつも、あの馬鹿キョンったら」

ハルヒ「やれ、もう少し静かに出来ないのか、とか」

ハルヒ「やれ、今度は何をするつもりだ、とか」

ハルヒ「私の事をなんだと思ってるのよ!」




古泉「な……更に……大きく……?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:51:47.24 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「そりゃ私だって少しは騒がしいかなー、とかは思うけど!」

ハルヒ「有希みたいな根暗な子のどこが……」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「……私、最低じゃない……」



古泉「あ、縮んだ」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:55:25.39 ID:eT2G/TPxO

ハルヒ「最悪……」

ハルヒ「たかが夢なのに……有希は何も悪くないのに」

ハルヒ「……本当、私って最低……」

ハルヒ「これも全部、キョンのせいなんだから」

ハルヒ「……そうよ、あの馬鹿キョンが悪いのよ!」



古泉「オープンゲットしただとお!?」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:01:43.32 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「でも……」

ハルヒ「有希も結構キョンの事見てるわよね……」

ハルヒ「……やっぱり、有希も……?」

キョン『有希、好きだ』

長門『…………嬉しい』

ハルヒ「っ! 駄目よ! 駄目ダメ!!」



古泉「いやいやいや、ビームとか卑怯すぎますから!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:05:48.21 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「そうよ! 有希にはキョンみたいなトーヘンボクなんて似合わないわよ!」

ハルヒ「そうね! 例えば古泉君なんてどうかしら!」

古泉『愛してます……有希』

長門『だが断る』

ハルヒ「ふえ?」



古泉「なんだろう……心が……痛い……」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:09:38.29 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「えっ……と、なんかノイズが入ったような……」

ハルヒ「もう一回……」

古泉『有、有希……愛して』

長門『うるさい、黙れ』

ハルヒ「…………んん〜?」



古泉「ぐふっ……この精神的ダメージは……一体……」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:13:20.05 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「なんなのかしら……どうしても有希と古泉君のヴィジョンが見えないわ」

ハルヒ「なんだかよく分からないけど、有希には古泉君は似合わないような気が……」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「古泉君、どんまい!」




古泉「あ、いえ、慰めてくれなくともいいんですよ……」

古泉「僕とあなたは敵なのですから……神人さん」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:20:30.02 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「うう……それじゃあ、もしもよ?」

ハルヒ「もしも、有希が本当にキョンの事が好きだったとしたら……?」

長門『…………』

キョン『ん? どうした? 長門』

長門『…………聞いて欲しい事がある』

キョン『おう、いいぞ』



古泉「ふふ、こんなのんびりとした時間もいいものですね」

古泉「……いえ、あなたも素敵ですよ、神人さん」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:23:27.52 ID:ZFmdi2KlO

長門『………………私は……』

キョン『うん』

長門『…………私は、あなたの事が』

キョン『ん、ああスマン。古泉から電話だ』

長門『…………』

ハルヒ「古泉君、空気読みなさいよ!」



古泉「嘘なんてついてませんよ」

古泉「こんなに透き通って……美しい」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:26:16.84 ID:ZFmdi2KlO

キョン『ああ、すまなかったな。それで?』

長門『…………』

キョン『長門?』

長門『…………好き』

キョン『へ?』

長門『……あなたの事が……好き……です……』

キョン『長門……』

ハルヒ「ダメー!!」



古泉「神人さん……!? どうしました!?」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:30:23.17 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「ダメよっ! ダメダメっ!」

ハルヒ「かなりいいふいんき(ry だったし、応援したくなっちゃったけどダメ!」

ハルヒ「何よ、大体なんだって有希がキョンの事なんか好きになるのよ!」

ハルヒ「あんなダメ男、有希が好きになるはず無いわよ!」



古泉「大丈夫ですか!? ……逃げろ? 一体何故!?」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:34:43.79 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「そうよ、キョンなんかには有希みたいないい子は勿体無いわ!」

ハルヒ「あんな馬鹿、好きになる物好きなんてそうそういないわよ!」

ハルヒ「そうよ! そんなの私くらいなもんだわ!」

ハルヒ「!?」

ハルヒ「…………」



古泉「ぐふっ……!? な……」

古泉「やはり、敵は敵、という訳ですか」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:39:03.64 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「……なんなんだろ、私、キョンの事……」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「中学の時、何人もの男の子と付き合ったけど、つまんなかった……」

ハルヒ「……こんな気分になるなんてなかった」

ハルヒ「たかが夢で、眠れなくなるなんて初めて……」

ハルヒ「……キョン……」




古泉「ぐっ……あああっ!」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:46:11.01 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「…………」

ハルヒ「……なんでこんなに気になるのかな……」

ハルヒ「…………バカ、キョン……」



古泉「おおおあああ!!」

古泉「……あなたの事は忘れません……神人さん」

新川「お疲れ様です、古泉」

古泉「新川、さん……」

新川「……たまには、泣いてもいいんですよ……」

古泉「………………ありがとう……ございます……」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:50:24.33 ID:ZFmdi2KlO

キョン「どうした、ハルヒ? 具合でも悪いのか?」

ハルヒ「うるさい、バカキョン」

キョン「おいおい、なんだよいきなり」

ハルヒ「……悪かったわね、悪夢を見たせいで機嫌が悪いのよ」

キョン「……そうかい」



みくる「古泉君?」

古泉「おや、おはようございます。朝比奈さん」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:54:19.41 ID:ZFmdi2KlO

みくる「あの……」

古泉「どうかされましたか?」

みくる「いえ……大丈夫ですか?」

古泉「はい?」

みくる「目……真っ赤ですよ?」

古泉「ああ……大丈夫……ですよ」

みくる「また、閉鎖空間ですか?」

古泉「ええ。ですが、これも仕事ですので」

みくる「あまり無茶しちゃダメですよ?」

古泉「ええ、分かってます」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 00:58:55.49 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「みくるちゃん、今日はこの衣装よ!」

みくる「ふ、ふえ」

キョン「おい、やめろ! ハルヒ!」

ハルヒ「何よ! 邪魔しないでよバカキョン!」

みくる「キョン君」

キョン「邪魔するに決まってるだろ! 俺の恋人になにするんだ!」

ハルヒ「は?」



ハルヒ「っ!? ……夢か……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 01:01:51.91 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「夢よね、夢夢!」

ハルヒ「また、昨日に続いてくっだらない夢見ちゃったわ!」

ハルヒ「……でも……」

ハルヒ「キョンって、みくるちゃんの事どう思ってるんだろ……」



古泉「うがぁぁぁ、痛い痛い痛い痛い! 今日の神人つねってくる!」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 02:32:51.87 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「みくるちゃん……可愛いわよね……」

ハルヒ「胸も大きいし……」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「やっぱりキョンも大きい方がいいのかな……」



古泉「うっがあああ! 僕は! 負けない!」

古泉「それが! あの人との約束だから!」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 02:38:55.33 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「みくるちゃん程じゃないけど、私も自信あるんだけどな……」

ハルヒ「私じゃ、ダメなのかな」

ハルヒ「キョンったら、いつもみくるちゃんの事庇うし……」

ハルヒ「確かに私もみくるちゃんに無理矢理色々させてるけど……」



古泉「ギブギブ! ギブアップ! 4の字固めとかなんで使えるんですか!」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 02:43:56.24 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「分かるのよ? みくるちゃんは守りたくなるオーラがバリバリ出てるし」

ハルヒ「なんだか放っておけないし」

ハルヒ「どことなく子犬っぽいし」

ハルヒ「……あー、みくるちゃん可愛いわねえ」


古泉「ギブ……ギブアップって言ってるでしょうが!」

古泉「分かりました。そちらがその気なら、こちらにも考えがあ痛い! だからつねらないで!」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 02:50:10.84 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「でも、あのバカキョンにみくるちゃんは勿体無いわ!」

ハルヒ「みくるちゃんの横にキョンが居ても違和感があるだけだし!」

ハルヒ「みくるちゃんの相手は古泉君レベルじゃないと!」



古泉「なんだか頑張れそうな気がする」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 02:57:44.68 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「そうよね! やっぱり古泉君よね!」

みくる『古泉くーん』

古泉『どうしました、朝比奈さん』

みくる『ビールなくなりましゅた』

ハルヒ「はい?」



古泉「!? なんだ、この絶望感は……」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:01:15.48 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「えーっと」

古泉『はい?』

みくる『ねえ、欲・し・い・の』

みくる『ビールが』

古泉『はあ、またですか』

ハルヒ「いやいや、何か間違ってる」


古泉「ぐふ……ぐえあ」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:04:49.03 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「違う、違うわ! もっとこう、なんていうか」

みくる『古泉君』

古泉『あの、朝比奈さん?』

みくる『なんですか?』

古泉『背中に、その……色々と当たってるんですが』

みくる『当ててるんですよ?』

ハルヒ「……反則ね」



古泉「今なら空も飛べるはず」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:08:58.96 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「こんなみくるちゃんならキョンなんか相手にもしないわよね」

ハルヒ「そうよ! 大体みくるちゃんなら、古泉君以外でもイケメンよりどりみどりだろうし」

ハルヒ「心配してそんしちゃった」



古泉「神人が弱体化した……これならいける!」

古泉「おおおりゃぁあああああ!!」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:14:08.51 ID:ZFmdi2KlO

キョン「よう、ハルヒ。今日はなんだか機嫌がよさそうだな」

ハルヒ「別にいつもどおりよ!」

キョン「そうかい。ま、ハルヒにはしかめっ面は似合わないぞ」

ハルヒ「な、ななな……」

キョン「? どうした?」

ハルヒ「うっさい、バカキョン!」

キョン「やれやれ」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:26:40.30 ID:ZFmdi2KlO

古泉「ふう」

キョン「ため息なんかついて、どうしたんだ古泉」

古泉「いえ、最近閉鎖空間が立て続けに出まして、寝不足なんですよ」

キョン「なんだ? そんなにハルヒの機嫌わるかったか?」

古泉「悪夢が原因みたいですけどもね」

キョン「なるほど。大変だな、お前も」

古泉「これも仕事ですから」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:29:17.94 ID:ZFmdi2KlO

長門「今日の台本はこれ」

朝倉「今日も、やるの?」

長門「…………」

朝倉「確かに情報爆発は観測されてるけど……」

長門「何か文句でも?」

朝倉「ひいっ」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:33:11.68 ID:ZFmdi2KlO

朝倉「もうやめましょうよ、長門さん」

長門「どうして」

朝倉「……だって、涼宮さんが可哀想」

長門「…………」

朝倉「毎晩毎晩、見たくもない悪夢で飛び起きるなんて」

長門「朝倉涼子」

朝倉「はいっ!」

長門「次の台本はあなたメインにする」

朝倉「さ、今日も頑張るわよ!」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:36:53.95 ID:ZFmdi2KlO

みくる「ついに見つけましたよ、二人とも」

朝倉「朝倉さん……」

長門「どうしてここが」

みくる「灯台下暗し、とはこのことですね。まさかお隣の部室に居たなんて」

みくる「お二人が涼宮さんに毎晩悪夢を見せていたことは分かってるんでしゅ!」

長門(噛んだ……)

朝倉(噛んだわね……)

みくる(あ……鉄の味がする……)

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:47:48.46 ID:ZFmdi2KlO

みくる「こ、こんな事をしてどうなるか分かってるんですか!」

みくる「度重なる悪夢で涼宮さんは睡眠不足」

みくる「悪夢の内容を否定したり、正夢かと不安になったり」

みくる「そのせいで未来が不安定になってるんですよ!」

長門「…………それはそちらの都合」

長門「こちらには関係の無い事」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 03:54:03.46 ID:ZFmdi2KlO

みくる「っ……あなたは! 世界が無くなってもいいって言うんですか」

長門「……これは情報統合思念体の指示」

朝倉「え? ホント? 私何も聞いてなぐふう」

みくる「あの、長門さん?」

長門「何」

みくる「どうして朝倉さんを蹴り飛ばしたんですか?」

長門「なんとなく」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:02:57.35 ID:ZFmdi2KlO

みくる「とにかく、もう涼宮さんに悪夢は見させません!」

長門「……もう遅い」

みくる「え……まさか!」

長門「既に涼宮ハルヒには悪夢プログラムを送信している」

長門「今頃はもう悪夢を見ている頃」

みくる「……いや、まだ9時過ぎですよ? 今時、小学生でもこんな時間には眠らないですよ」

長門「ふふ……あなたは涼宮ハルヒを甘く見ている」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:10:26.73 ID:ZFmdi2KlO

長門「彼女は夜9時を過ぎると眠くなる、小学生体質」

長門「今日も既に寝床に入っている」

みくる「そんな、涼宮さん……」



妹「キョン君大好き!」

キョン「ははは、俺もだ、妹よ」

妹「どうして私達兄妹なんだろうね……」

キョン「そんなの関係ないさ。さあ結婚しよう!」


ハルヒ「ダメに決まってるでしょ!」

ハルヒ「……また、夢……」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:18:35.56 ID:ZFmdi2KlO

ハルヒ「なんなのよ、最近こんなのばっかり」

ハルヒ「有希やみくるちゃんならまだしも妹ちゃんまで……」

ハルヒ「もういや……」



古泉「今日の僕は一味違いますよ」

古泉「行きますよ、影分しぶべらっ」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:27:24.69 ID:ZFmdi2KlO

長門「確かにあなたが未来を守る気持ちも分かる」

長門「あなたにとっては生まれた故郷。大切なもの」

みくる「それなら、何故こんな、世界を不安定にするような事を」

長門「あなたは分かっていない」

みくる「長門さん……?」

朝倉(おでん食べたい)

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:35:01.05 ID:ZFmdi2KlO

長門「あなたが未来を守る為に行っているのは、事象の確定化」

長門「起こりうる可能性を確実に起こしている」

みくる「そうです! そうして私達は未来を確実なものに」

長門「それは」

長門「……それは、他の、無数にある可能性を消すということに他ならない」

長門「今、ここに生きて未来を作りゆく人達への冒涜」

みくる「…………」

朝倉(たっぷり味が染み込んだ大根……)

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 04:42:33.54 ID:ZFmdi2KlO

みくる「……じゃあ、どうすればいいんですか」

みくる「確かに何もしなくても、私が生まれる未来がくるかもしれない」

みくる「でも、それは天文学的な確率で! 限りなく零に近い事象なんですよ!?」

みくる「例え私が生まれても、両親や友人はいないかもしれない!」

みくる「そんなこと……私には耐えられない……」

長門「朝比奈みくる……」

朝倉(たまごたまごたまごたまごたまごたまごたまご)

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:14:54.09 ID:ZFmdi2KlO

みくる「だから私は、この手で私の未来を作るんです」

みくる「長門さん達にも、邪魔はさせません!」

みくる「未来の為にも、涼宮さんの為にも! ここであなた達の企みを打ち砕きます!」

長門「その意気や良し。受けてたつ。朝倉涼子」

長門「…………朝倉涼子?」

みくる「はれ? 朝倉さんがいませんよ?」

長門「これは……書き置き?」

『コンビニにおでん買いに行ってきます りょうこ』

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:21:44.22 ID:ZFmdi2KlO

長門「…………」

みくる「あの、長門さん?」

長門「…………興が削がれた」

みくる「ふえ?」

長門「今回の一件はあなたに免じてこれで終わり。情報統合思念体も十分なデータをとったと判断した」

長門「私はこれから、あの眉毛にお仕置きをしに行かなければならない。さらば」

みくる「あ……行っちゃった……」


古泉「何でしょうか……過去最高に辛かった今回の戦い……全く描写されなかった気がします」

森「古泉……あなた疲れてるのよ」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:38:31.66 ID:ZFmdi2KlO

こうして俺の知らない所で、SOS団分解の危機は避けられた。
まあ、なんだ。
実際そんな事があったってのも長門と朝比奈さんとの間の事で。
俺も古泉も全く知らなかった。
結構ヤバいくらいの危機だったっぽいな。

キョン「古泉、折れた両腕両脚の調子はどうだ?」

古泉「いや、1日2日ではどうにもなりませんよ」

キョン「そうか。所でナースコール押していいか?」

古泉「ダメに決まってますよ。森さんに怒られてしまいます」

キョン「ナースな森さんに看病されるとか……古泉、俺と代わってくれ」

古泉「あなたって人は……」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:44:37.09 ID:ZFmdi2KlO

そう言えば、どうして俺が今回の事件を知っているかと言うとだな。
俺の背中に隠れているコイツから聞いた訳だ。

朝倉「ねえ、キョン君」

キョン「なんだ? 涼子」

朝倉「長門さんがもうすぐここに着くわ。早く移動しなきゃ」

キョン「別に構わないだろ?」

朝倉「長門さんのお仕置きは容赦が無いのよ! 早く行かなきゃ見つかっちゃうわ!」

キョン「ああ、はいはい。そんじゃ古泉、お大事に」

古泉「…………全く、何の気なしに朝倉涼子を庇っているのでしょうが、彼は世界を破滅させる気なんですかね?」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:50:16.54 ID:ZFmdi2KlO

キョン「ああ、古泉……愛してるぞ」

古泉「嬉しい」

谷口「ちょっと待てよキョン!」

古泉「な、なんなんですか、あなたは!」

キョン「……谷口」

谷口「俺とのあの熱い夜はなんだったんだよ!」

ハルヒ「ちょっと待てぇぇええい!!!」



ハルヒ「……夢か……」

ハルヒ「……でも、なんなんだろう、この、胸の高鳴り……」



終わり

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 05:51:53.38 ID:ZFmdi2KlO

眠いよ
寝るよ

保守代わりでした



朝倉涼子は俺の嫁
パイナポゥでした

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 16:44:14.90 ID:ZFmdi2KlO

キョン「ハルヒ……俺ポニーテール萌えなんだ」

ハルヒ「は? あんた何言って」

キョン「いつだったかのお前のポニーテール、最高に似合ってたぞ」

ハルヒ「ん……」




佐々木「っ!? 夢か……」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 17:29:52.82 ID:ZFmdi2KlO

佐々木「何この夢……いくらなんでもそのまま涼宮さんとキョンだなんて」

佐々木「夢なんだから、せめて涼宮さんじゃなくて私でも」

佐々木「私……でも……?」

佐々木「………………おうふ」



橘「なんだか佐々木さんの閉鎖空間が違うような?」

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 17:41:18.61 ID:ZFmdi2KlO

橘「あの、佐々木さん」

佐々木「何? 橘さん」

橘「なんだかご機嫌があんまりよろしくないようですが、何かあったんですか?」

佐々木「何もないわよ。……強いていうなら、嫌な夢を見たくらいかしら」

橘「……悪夢、ですか」

九曜「――羊――が――一匹――」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:06:50.11 ID:ZFmdi2KlO

橘「あの、九曜さん」

九曜「――俺――参上――」

橘「いえ、電王はいいですから」

九曜「――天の――道を――」

橘「佐々木さんの悪夢の内容って分かります?」

九曜「――チョー―余裕――」

橘「じゃ、早速教えて下さい!」

九曜「おk」

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:15:03.22 ID:ZFmdi2KlO

橘「それで、夢の内容は?」

九曜「――ちゅー――」

橘「ちゅー?」

九曜「――涼宮――ハルヒ――と――彼が――ぶっちゅー――」

橘「……なるほど。それは確かに不機嫌にもなりますねえ」

橘「ん? なんですか? その手は」

九曜「――ご褒美――ディケイドの――変身――ベルト――」

橘「はいはい」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:23:19.83 ID:ZFmdi2KlO

橘「佐々木さんが辛い思いをするのも可哀想ですし……なんとかなりませんかねえ」

九曜「――なる――」

橘「本当ですか?」

九曜「――私なら――出来る――ガンバ――ライドの――ファイナルアタックライドのカード――一枚――で――」

橘「あなた……私に小学生に混じってあれをやれと?」

九曜「――嫌なら――いい――」

橘「くっ……分かりました!」

藤原「やめておけ」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:28:08.62 ID:ZFmdi2KlO

橘「どうしてですか!? ……ってか、あなたいたんですか?」

九曜「――存在感――皆無――」

藤原「え? いや、ちょ、さっきからずっと居ただろうが」

橘「九曜さん、気付いてました?」

九曜「――アタックライド――インビジブル――?」

藤原「ぐすっ」

橘「ああ、ほら泣かない泣かない! 冗談ですから!」

九曜「――半分くらいは――」

藤原「もう半分は!?」

橘「ああもう! 九曜さんってば!」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:39:54.82 ID:ZFmdi2KlO

橘「それで? やめた方がいいってどういう事ですか?」

藤原「うっ、だ、だから、佐々木がぁ」

橘「はい、吸って」

藤原「すぅぅ」

橘「吐いてー」

藤原「はぁぁぁ」

橘「落ち着きました?」

藤原「……うん」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:43:43.82 ID:ZFmdi2KlO

藤原「つまり、佐々木があの悪夢を見るのはこの時間平面上での規定事項って訳だ」

橘「規定事項……ですか」

藤原「そうだ。……ふん、もうすぐ古泉とやらが来るぞ」

橘「はい?」

九曜「――よく――出来ました――」

藤原「わーい、飴ちゃんだー、ってコラ」

九曜「――ヴェルタース――オリジナル――」

211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 18:55:03.29 ID:ZFmdi2KlO

古泉「お久しぶりです」

橘「あー、お久しぶりです。こいずなんとかさん」

古泉「おうコラ、なんだそりゃ。本名より長くなってんぞワレ」

橘「きゃー、たすけてー。このひと痴漢ですー(棒)」

古泉「ぐ……まあいいでしょう。今日は聞きたい事があって来ました」

橘「そう簡単に冗談をもらすとでも?」

古泉「流石にそうは思いませんよ。ですから、ほら」

橘「カード?」

古泉「ディケイドのファイナルアタックライドのカードです」

九曜「――用件を――聞こうか――」

橘「九曜さん?」

213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:10:11.73 ID:ZFmdi2KlO

古泉「昨晩、いつものように閉鎖空間で神人と闘っていましたら、いきなり閉鎖空間が消えたんです」

橘「知りませんよ、そんなの」

古泉「あ、そうですよねー。一度も闘った事すら無い、自称超能力者様ですもんねえ」

橘「やんのか、コラ」

古泉「言っておきますけど、僕は最初からクライマックスですよ」

九曜「――かくかく――しかじか――」

橘「九曜さん! どうして!?」

九曜「――カード――貰っちゃったから――」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:17:10.94 ID:ZFmdi2KlO

古泉「なるほど。佐々木さんが悪夢を見、それによって無意識ながら涼宮さんの力を求めた、と」

古泉「望んだ事により、僅かながらも涼宮さんの力を吸収した」

橘「元々佐々木さんの力ですって!」

古泉「黙ってろクワガタ」

橘「クワガタ!? これはツインテールで!」

古泉「いいから女は黙ってろよ」

橘「むきー!」

古泉「ふう、全く困った事です」

217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:32:22.96 ID:ZFmdi2KlO

古泉「どうしましょうね。我々としてはこれ以上不確定要素が増えるのは勘弁してもらいたいのですが」

橘「私達としては願ったり叶ったりですけどね!」

古泉「どうでしょう、九曜さん。我々の方の長門さんは不可侵条約で手が出せない」

古泉「そこで、あなたに佐々木さんが悪夢を見ないようにして頂きたいのですが」

橘「ちょっと古泉さん!」

古泉「クウガのファイナルアタックライドのカード付けますから」

九曜「おk」

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:37:22.14 ID:ZFmdi2KlO

古泉「それでは、よろしくお願いしますね」

橘「二度とくんなー!」



橘「で? 九曜さん。本当に古泉君の言うとおりにするんですか?」

九曜「うむ」

橘「ふう、仕方無いですね。それじゃ、一ついいですか?」

九曜「――何――」

橘「せめて、佐々木さんには楽しい夢を見て欲しいんです」

九曜「――分かった――」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:43:12.30 ID:ZFmdi2KlO

キョン「……さき? 佐々木?」

佐々木「へ?」

キョン「どうした? ぼーっとして」

佐々木「い、いや、これは一体?」

キョン「なんだ? 映画見たいって言ったのはお前じゃないか」

佐々木「へ? ま、まさかこれって」

キョン「ああ、デー」



佐々木「夢……」

佐々木「もう! なんであんないいところでえ!」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 19:48:14.20 ID:ZFmdi2KlO

橘「佐々木さん? 何か良いことでもあったんですか?」

佐々木「ん? ふふ、まあね」




橘「やりましたね、九曜さん!」

九曜「――報酬は――スイス銀行に――」

橘「この調子で明日も頼みますね!」

九曜「――オウヨ――」

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:06:39.35 ID:ZFmdi2KlO

キョン「佐々木?」

佐々木「あ、キョン」

キョン「あー、その、なんだ」

佐々木「ふふ、どうしたんだい? はっきり言って欲しいな」

キョン「あー、うん。……似合ってるぞ、服」

佐々木「ありがとう、キョン」



佐々木「また、夢……」

佐々木「でもでも……うふふ」

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:10:13.06 ID:ZFmdi2KlO

橘「流石九曜さん! いい仕事しますね!」

九曜「――もちろん――」

藤原「ま、せいぜい浮かれる事だな。規定事項でなければ僕だってこんな事しな」

橘「ああ、いたんですか」

九曜「――ミラーワールドに――引っ込んで――ろ――」

藤原「……僕、負けないよ、ママ」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:15:22.61 ID:ZFmdi2KlO

佐々木「なんだか最近、いい夢ばっかり」

佐々木「どうせ目を覚ましてもキョンはそばにいないんだし……」

佐々木「いっそ、ずっと眠り続けられればいいのに」

佐々木「そうすれば、夢の中だけでもキョンと一緒に……」



藤原「さあ、規定事項の始まりだ」

藤原「本当に下らない。だが、僕達の未来の為には必要な事だからな」

藤原「せいぜい橘には苦労してもらうとしよう」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:21:19.70 ID:ZFmdi2KlO

橘「大変です!」

九曜「――変態――?――」

橘「ちょっとえらくマジな話なので突っ込みませんよ!」

橘「佐々木さんが目を覚ましません!」

九曜「――眠り――姫――」

橘「どうしましょう? 九曜さん、なんとかなりませんか?」

九曜「――無理――よく分からない――力の――せいで――うまく――いかない――」

橘「そんな……」

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:24:08.32 ID:ZFmdi2KlO

橘「そうだ! 藤原君は!?」

九曜「――いない――」

橘「へ?」

九曜「――正月休み――とかで――帰った――」

橘「あんの役立たず野郎! 今は真夏だっつーの!」



藤原「へーちょ」

藤原「? 風邪でもひいたか?」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:28:35.27 ID:ZFmdi2KlO

佐々木「こっちの服はどうかな、キョン」

キョン「ああ、似合ってるぞ」

佐々木「ふふ、さっきからそれしか言ってないよ? キョン」

佐々木「確かにあまり洋服には興味はないのかもしれないけど、流石に僕も傷つ」

キョン「仕方無いだろ? どれも似合っているんだから」

佐々木「へ?」

キョン「興味が無いんじゃない。他の言葉が見つからないだけなんだ」

キョン「すまないな、ボキャブラリーが貧困で。叶うことなら千の言葉で今の気持ちを伝えてやりたいんだが」

佐々木「キョン……」

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:31:46.55 ID:ZFmdi2KlO

佐々木「キョン……」

橘「ああ、もう! そのキョンさんは今どこにいるんですか!」

橘「こんな事なら連絡先を聞いておくんでした!」

九曜「――大胆――」

橘「そういう意味じゃないですからね!?」

橘「ああ、もうどうすれば」

九曜「――閉鎖――空間――とかは――?――」

橘「それだ!」

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:34:59.31 ID:ZFmdi2KlO

橘「じゃあちょっと行ってきます!」

九曜「――お土産――よろ――しく――」

橘「ああもう! んなのありませんってば!」

九曜「――いいから――早く――」

橘「誰のせいだと!」

橘「せいっ!」

九曜「――消えた――」

佐々木「キョン……キョン……」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:41:21.98 ID:ZFmdi2KlO

橘「きゃっ!」

九曜「――お早い――お帰りで――」

橘「なんか無理です! 閉鎖空間に入ろうとしたら、弾かれちゃいました!」

九曜「――打つ手――無し――」

橘「ああ、どうしよう……佐々木さん……」

九曜「――――あれ――は――」

橘「はい?」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 21:45:18.38 ID:ZFmdi2KlO

朝倉「ちょっとキョン君! もうちょっとゆっくり歩いてよ!」

キョン「んー? どうして?」

朝倉「うう……分かってる癖に……」

キョン「いいや、はっきり言ってもらわないと分からないな」

朝倉「……んに」

キョン「ん?」

朝倉「長門さんに見つかってお仕置きされちゃうじゃない!」

橘「こっちゃ必死なのにいちゃついてんじゃねえ!」

キョン「おごふっ!」

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:12:04.18 ID:ZFmdi2KlO

朝倉「な、何? いきなり?」

橘「すいません。こっちも必死なんです」

朝倉「あ、ちょっと! キョン君連れてかないで! 長門さんに見つかっちゃう!」

長門「………………」

朝倉「あ、ああ……」

長門「見ぃぃぃ付けたぁぁぁあ」

朝倉「ひ、ひぃぃいいいいい!」


九曜「――なんだか――騒がし――」

橘「他人は他人! ウチはウチです!」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:16:47.82 ID:ZFmdi2KlO

橘「にしても、いつまでこの人は伸びてるんですか!」

九曜「――水月に――直撃――」

橘「せいっ!」

キョン「ふあっ!?」

橘「お早うございます」

九曜「――おっは――」

キョン「は? なんだお前ら?」

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:23:46.47 ID:ZFmdi2KlO

橘「大変なんです!」

キョン「はあ?」

橘「佐々木さんが、佐々木さんがぁ」

キョン「おい、落ち着け。佐々木がどうしたっていうんだ?」

九曜「――眠り――姫――」

橘「もう三日も目を覚まさないんです」

キョン「な……どうして」

橘「恐らく……夢から覚めたくなくて、無意識に涼宮さんの力を……」

キョン「……そんな」

247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:29:51.71 ID:ZFmdi2KlO

橘「もう手は尽くしたんですが……」

キョン「俺には何かないのか、やれることは」

橘「キョンさん」

キョン「佐々木も大切な友人だ! 放っておけるか!」

九曜「――あなたの――瞳は――綺麗――」

キョン「それで!? 俺は何をするべきなんだ?」

橘「そうですね……佐々木さんの耳元で愛を囁いて、軽く口付けなんかを」

キョン「はあ?」

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:32:11.76 ID:ZFmdi2KlO

キョン「こんな時に冗談は」

橘「冗談なんかじゃありません!」

キョン「橘……」

橘「えらく、マジです」

九曜「――お願い――」

佐々木「うう……んぅ」

キョン「ええいっ!」

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:39:26.68 ID:ZFmdi2KlO

キョン「佐々木ー?」

橘「そこですっ! それぶちゅっと!」

九曜「――きゃー――」

キョン「煩い! 引っ込んでろ!」



キョン「さ、佐々木? あー、その、なんだ。……好き、だ」

キョン「……ん……」



佐々木「っ!? 夢か……」

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 22:43:44.97 ID:ZFmdi2KlO

佐々木「あれ? ここは……?」

橘「佐々木さん! よかった!」

九曜「――もーにん――」

佐々木「あれ? 橘さん? 九曜さん?」

キョン「あー、お早う、佐々木」

佐々木「え? あれ? キョン? ……まさか、あれは」

橘「夢じゃありませんよ、佐々木さん!」

九曜「――夢――だけど――夢――じゃ――なかった――」

佐々木「な、ななななな……おふん」

橘「佐々木さん? 佐々木さーん!」



九曜「――お――わ――り――」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/02(日) 23:02:10.86 ID:ZFmdi2KlO

佐々木の書いたよ!
初めてさる食らってびびった


朝倉は俺の嫁

パイナポゥでした



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