1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:06:48.68 ID:H+zxAzB9O
ガタンゴトン
ガタンゴトン
長門「……」
ガタンゴトン
ガタンゴトン
長門「……」
アナウンス「次は熱海〜熱海〜」
長門「……」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:10:04.95 ID:H+zxAzB9O
プシュー
長門「……」
ミンミンミンミン
長門「……」
長門「……旅館は、あっち」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:12:51.43 ID:H+zxAzB9O
ガララ
仲居1「いらっしゃいませ」
長門「……予約していた長門有希」
仲居1「はい。承っております」
仲居2「お部屋にご案内します」
長門「……」
仲居1「制服姿だったけど、一人かしら?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:16:13.66 ID:H+zxAzB9O
仲居2「実りの間でございます」
長門「……」
仲居2「お食事は何時頃お持ちいたしましょう」
長門「……七時頃」
仲居2「かしこまりました」スッ
長門「……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:19:08.80 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
長門「……」
長門「……」
長門「……」スッ
ガラッ
長門「……」
長門「……景色、綺麗」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:23:08.16 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
長門「……」
コンコン
長門「……」
女将「失礼いたしします。仲居でございます」
長門「……そう」
女将「本日は当旅館をご利用いただき、まことにありがとうございます」
長門「……構わない」
女将「それでなのですが、長門様はご両親、または保護者の方はご一緒ではないのですか?」
長門「……一人旅」
女将「そうでしたか……失礼いたしました」
長門「……平気」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:25:43.83 ID:H+zxAzB9O
長門「……」スッ
女将「?」
長門「……」スタスタ
女将「長門様?」
長門「……少し出かけてくる」
女将「は、はい」
長門「……夕食までには戻る」
女将「……」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:30:14.02 ID:H+zxAzB9O
ワイワイガヤガヤ
長門「……」
ワイワイガヤガヤ
カップル男「おい、これ面白そうじゃね?」
カップル女「なにこれぇ〜?」
カップル男「スマートボールつって、ボールを押し出して穴に入れるんだよ」
カップル女「なにそれチョーエローイw」
長門「……」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:34:53.71 ID:H+zxAzB9O
カップル男「それっ」
ゴトン
カップル女「ぎゃはははw入んないじゃーん!」
カップル男「意外と難しいんだよー」
カップル女「チョー下手。マジ笑えるんですけどw」
長門「……やる」
店員「はーい。じゃあこの台ね」
長門「……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:40:37.95 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
タンッ
タンッ
タンッ
タンッ
タンッ
店員「全部の穴に一発で……」
カップル男「すげー」
カップル女「マジヤバいんですけど」
店員「じ、じゃあ、賞品を選んで」
長門「……私は必要ない」
長門「……そこの二人にあげて」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:46:52.19 ID:H+zxAzB9O
ミンミンミンミン
長門「……」
ジーワジーワジーワ
長門「……」
長門「……本来なら今日は市民プールに行くはずの日」
長門「……」
長門「……観測の怠慢」
長門「……」
カップル男「あのー」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:50:19.14 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
カップル男「さっきはなんか、ありがとうございました」
長門「……礼を言われるようなことは何もしていない」
カップル男「あはは……あの、もし良かったら菓子の詰め合わせ。俺らじゃ食い切れないんで」
長門「……そう」
カップル女「ねー、次行かないのー」むしゃむしゃ
カップル男「それじゃ、さよなら」
長門「……」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:53:50.70 ID:H+zxAzB9O
ガララ
長門「……」
仲居1「あ、お帰りなさいませ」
長門「……」スタスタ
仲居1「……」
仲居1「愛想のない子ねぇ」
仲居1「でもお菓子なんか持って、やっぱりまだ子供ね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 00:57:11.19 ID:H+zxAzB9O
長門「……」スタスタ
女将「あ、長門様」
長門「……」ピタッ
女将「申し訳ございません。まだお食事の用意が……」
長門「……問題ない」
女将「よろしかったら、温泉などいかがですか?」
長門「……そう」
仲居3「女将ー!」
女将「では、失礼します」
長門「……」
長門「……」スタスタ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:00:09.73 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
ガララ
長門「……」スルッ
パサッ
長門「……」テクテク
チャポン
長門「……」
長門「……」
長門「……」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:07:00.54 ID:H+zxAzB9O
長門「……繰り返しが始まってからXXXXX回」
長門「……未だ9月1日が訪れる兆候はない」
長門「……既視感があっても、誰も、全てを覚えてはいない」
長門「……」
長門「……」
長門「……」ザバッ
長門「……」
長門「……」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:18:36.83 ID:H+zxAzB9O
〜実りの間〜
長門「……」
女将「お帰りなさいませ。お湯加減はいかがでしたか?」
長門「……悪くはない」
女将「そうですか。お食事の支度ができましたので、ご用意させていただきました」
長門「……そう」
女将「木の芽和え、鯛の煮付け、お刺身盛り合わせ、茶碗蒸しです」
長門「……そう」
女将「ご飯とお茶のお代わりはセルフサービスですので、ここに置いておきますね」
長門「……そう」
女将「では、失礼します」スッ
長門「……」
長門「……いただきます」パク
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:22:05.92 ID:H+zxAzB9O
長門「……」パク
長門「……」パク
長門「……」パク
長門「……」パク
長門「……」ズズッ
長門「……」パク
長門「……」パク
長門「……」パク
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:26:28.98 ID:H+zxAzB9O
仲居2「失礼します。膳を下げにきました」
長門「……」
仲居2(煮付けが骨と頭しか残ってないわ)
仲居2(この茶碗、ご飯粒が一つもついてない)
仲居2(この子、凄く行儀がいいのね……!)
長門「……」
仲居2「お食事、いかがでしたか?」
長門「……悪くはない」
仲居2「そ、そうですかぁ……」
仲居2(か、会話が続かない……)
仲居2「では、失礼しまーす」
長門「……」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 01:57:06.52 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
長門「……」
長門「……」
<マジだりぃんだけど。
<そ、そう言うなよー……
<まず熱海とか行き先間違ってんだろ。行くならシーとか連れてけよ。
<シー?
<スィーだよスィー!ネズミーランドスィー!
<ごめん……
長門「……」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:00:19.40 ID:H+zxAzB9O
<あぁもうだるっ。マジだっりぃ。
<……
<糞つかえねー。あたしもう寝っから。
<うん……
長門「……」チラッ
カップル男「あ……」
長門「……」
カップル男「嫌なとこ見られちゃったな」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:06:58.11 ID:H+zxAzB9O
カップル男「でも偶然だね。同じ旅館だったんだな」
長門「……気にする必要はない」
カップル男「さっきのこと?そう言ってもね……」
長門「……何も間違ったことはしていない」
カップル男「でも、彼氏としては、やっぱり彼女の喜ぶとこに連れてった方が良かったのかなって思うよ」
長門「……なら、連れていけばいい」
カップル男「今月はもう金なくて、どこにも行けないんだよ。夏に彼女と思い出作りたかったんだけどな」
長門「……また機会はある」
カップル男「君はポジティブだな」
長門「……やり直せる可能性はゼロではない」
カップル男「ははは。そうだといいんだけど」
長門「……次の時、恐らく覚えてはいない。でも、信じて」
カップル男「忘れないよ」
長門「……」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:09:17.11 ID:H+zxAzB9O
翌朝……
仲居2「失礼します。お布団を片付けに」
長門「……」
仲居2(既に起きてらっしゃる……)
仲居2「じゃあ、パパッと片付けちゃいますねー」
長門「……そう」
仲居2(昨日より更に口数少ないんですけど!?)
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:21:00.28 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
長門(本来なら、2391回目と11054回目の2回を除いて、盆踊りに行くべき日)
長門(でも、情報統合思念体は、今回の行動を許可している)
仲居2「では、ごゆっくり〜」
長門「……」
長門「……ゆっくり」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:27:11.75 ID:H+zxAzB9O
長門「……」スッ
長門「……」てくてく
女将「あら、長門様。お出かけですか?」
長門「……観光」
女将「そうですか。楽しめるといいですね」
長門「……楽しむ」
女将「えぇ。学生の夏というものは、毎年毎年違う。一度きりのものですから」
長門「………………そう」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:34:35.23 ID:H+zxAzB9O
仲居2「でね、あの子無口で無愛想で、なんか人間味を感じないというか」
仲居1「そうかしら。私はなんだか、寂しげな感じがするけど」
仲居2「どこらへんが?」
仲居1「なんだか、自分だけの悩みを抱え込んでいるというか……」
仲居2「ふぅん」
長門「……」ヌッ
仲居1&2「!!!!??」
長門「……出かけてくる」
仲居1「は、はい!」
長門「……」スタスタ
仲居2(あの子絶対人間じゃない!宇宙人が送り込んできた地球人偵察用のロボットだわ!)
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:43:49.90 ID:H+zxAzB9O
ワイワイガヤガヤ
カップル男「あっ」
長門「……」
カップル男「君もまた遊びに?」
長門「……見当たらない」
カップル男「あぁ、彼女?つまんないからって、部屋で寝てる」
長門「……そう」
カップル男「やっぱり間違いだったのかな。熱海来たの」
長門「……」
射的屋「射的やってるよー!お、そこのアベック、一発どうだい?」
カップル男「俺達は別にそんなんじゃないですよー」
長門「……」
カップル男「ん?何か欲しいものでもあるの?」
長門「……」スッ
カップル男「お面、か」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:53:59.28 ID:H+zxAzB9O
カップル男「よーし、昨日元気づけてもらったお礼に、お兄さんが取ってやるぞー」
射的屋「じゃあ3回○○○円ね!」
カップル男「よーし……」パンッ
スカッ
カップル男「あちゃー……でもまだ2発ある!」パンッ
スカッ
カップル男「くっそー……やっぱり俺じゃ駄目なのかな……」
長門「……」
カップル男「でも、これ当てられたら、あいつにも熱海を楽しもうって、ちゃんと言える気がする……」
カップル男「よしっ!」パンッ
長門「…………○×△□¥&※〒♂☆∵」ボソッ
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 02:57:32.54 ID:H+zxAzB9O
射的屋「大当たり〜!」
カップル男「や、やった!」
射的屋「お面当たりね!」
カップル男「3度目の正直ってやつかな。はい、お面」
長門「……」
カップル男「似合ってるよ」
長門「……そう」
カップル男「そろそろお昼か。俺は旅館に戻るけど、君はどうする?」
長門「……戻る」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:07:00.29 ID:H+zxAzB9O
女将「あの、お連れのお客様がまだお戻りになってないのですが」
カップル女「あ〜、帰ったら言っといて」
女将「そ、そうですか?」
カップル男「では、俺あいつの飯食っちゃって」
長門「……」
カップル男「ん?あれ、どうしたんだよ。バッグなんか持って」
カップル女「え〜、ケータイの充電切れたし、つまんねーから帰る」
カップル男「そ、そんなぁ」
カップル女「だいたいこの旅館もしょべぇんだよ。飯だって和食ばっか飽きっし」
仲居2「はぁ?あんたねぇ」
仲居1「シッ!」
長門「……」
カップル女「な、なんだよ……」
長門「……一度しかない夏は、楽しむべき」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:12:16.83 ID:H+zxAzB9O
カップル女「はあ?つまんねーのに何楽しむんだよ」
長門「……最初からつまらないと決めつけて、自分では何も楽しもうとしていない」
カップル女「……」
長門「……やることがないからつまらないのではない。なら、やることを見つければいい」
カップル女「やること……」
長門「……本来なら、このお面を持つのは、あなた」
カップル男「……」
長門「……彼は、あなたを楽しませようとしている」
カップル女「……」
長門「信じて」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:17:06.43 ID:H+zxAzB9O
長門「……」スタスタ
カップル女「…………ごめん」
カップル男「いや、俺の方こそ、ごめん」
カップル女「あのお面、どうしたの?」
カップル男「射的で当てた」
カップル女「そういうの苦手じゃん」
カップル男「ほんとは、お前のために取ってやろうとしてたから」
カップル女「……」ぎゅっ
カップル男「お、おい」
カップル女「明日、連れてって」
カップル男「……おう!」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:26:51.07 ID:H+zxAzB9O
〜実りの間〜
長門「……」
女将「失礼します」
長門「……」
女将「ありがとうございました」
長門「……礼を言われるようなことは何もしていない」
女将「いえ、お客様の仲を取りもっていだきました」
長門「……」
女将「ごめんなさいね。最初、長門様は傷心旅行だと思いました」
長門「……そう」
女将「最初お見かけした時は、どこか寂しそうで。でも、今の貴女はとても楽しそうです」
長門「……そう」
女将「明日は、お帰りになられる日ですよね」
長門「……」
女将「独りで寂しくなったら、またいらしてくださいね」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:33:42.92 ID:H+zxAzB9O
翌日……
仲居2「はぁ、今日であの宇宙人少女ともお別れかぁ」
仲居1「なによそれ」
仲居2「この夏、これからもたくさんの客が来るのよねぇ」
仲居1「そうね」
仲居2「でも、私、あの子のことは忘れないと思う」
仲居1「私も。……あ、来たわよ」
長門「……」スタスタ
仲居1「またの」
仲居2「お越しを」
仲居1&2「お待ちしております!」
長門「……」テクテク
ガララ
長門「……またいつか」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:39:23.31 ID:H+zxAzB9O
ワイワイガヤガヤ
長門「……」テクテク
カップル男「おーい!」
長門「……」
カップル男「今日も来たのか?って、俺も人のこと言えないか」
カップル女「1000円崩してきた〜」
長門「……射的」
カップル男「あはは、昨日は3発目で当てられたのに、今日はこれで6回目……」
カップル女「あたしのために取ってくれんじゃなかったの?」
カップル男「そうだったんだけどさぁ」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:45:12.91 ID:H+zxAzB9O
長門「……1回」
射的屋「お、昨日のお嬢ちゃんもやんのかい?1回○○○円ね」
長門「……」チャリン
長門「……」
長門「……」パンッ
ボトボトボトボト
射的屋「い、一発で、全部棚から落ちたぁ!?」
カップル男「すげー」
カップル女「マジヤバいんですけど」
射的屋「これじゃおっちゃん商売にならないから、この中から好きなの選んでね」
長門「……私は必要ない。二人にあげて」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 03:54:17.56 ID:H+zxAzB9O
カップル男「ほんとすごいなぁ。君、何者?」
カップル女「ゴルゴだゴルゴ」
長門「……対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
カップル男女「???」
長門「……」テクテク
カップル男「もしかして、帰るのー?」
長門「……そう」テクテク
カップル男「また会えるかなー?」
長門「……」テクテク
カップル男「また、俺とこいつで熱海に来るから、君もまたここで一緒に遊ぼー!!」
長門「……」テクテク
カップル男「行っちゃった。不思議な子だったなぁ」
カップル女「次に会った時、あたしがまた駄々こねてたりして」
カップル男「ありえる」
カップル女「そこ否定しろボケ!」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 04:10:47.62 ID:H+zxAzB9O
8月末、深夜、駅前にて
キョン「全部覚えているのか?」
長門「そう。今回がXXXXX回目に該当する」
キョン「XXXXX?それはマジな話なのか!?」
長門「そう」
キョン「それだけの回数、俺達は全く同じことを繰り返してきたのか!?」
長門「必ずしもそうではない。
XXXXX回中、盆踊りに行かなかったパターンが2391回目と11054回目の2回ある。
また、盆踊りに行ったが金魚すくいをしなかったパターンが437回ある。
それから、私が熱海に旅行に行ったパターンが1回。
アルバイトを行ったのは9026回であるが、その内容は6つに分岐する。
風船配り以外では、荷物運び、レジ打ち、ビラ配り、電話番……」
キョン「いや、もういい。……って、熱海!?」
エンドレスエイト長門の夏休み1巡目 終わり
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 04:13:12.22 ID:H+zxAzB9O
セリフのコピペ探してたら遅れてしまった
これにて熱海編終了
他にも長門を旅させたいけど眠い
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 04:20:17.97 ID:H+zxAzB9O
そう言えばスレタイのセリフ使ってねえや
繰り返しに疲れて「もういい加減にして」って言って旅行に出かけた設定なんだ
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:15:00.30 ID:H+zxAzB9O
ハルヒ「この消毒液の臭い、いかにもって気がするわ!」
ボッチャーン
ハルヒ「早く来なさーい!水がぬるくて気持ちいいわよ!」
みくる「あ、は〜い」てくてく
長門「……」てくてく
キョン(飛び込み禁止という注意書きが見えんのか)
古泉「んふっ」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:19:44.02 ID:H+zxAzB9O
ハルヒ「そーれ、行くわよー!」
みくる「は〜い」
長門「……」バシャア
ハルヒ「有希?」
長門「……木陰で休む」
ハルヒ「来て早々に熱中症?全く、だらしないわねぇ」
長門「もういい加減にして」
ハルヒ「?何か言った?」
長門「……別に」てくてく
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:26:37.08 ID:H+zxAzB9O
長門「……」てくてく
長門「……」ストッ
長門「……」
ミンミンミンミン
ジワジワジワジワ
キョン「……」
キョン(まただ。この感覚……こんな光景を前にも見た気がする)
キョン(なんとなく、長門が退屈そうにしているような……)
長門「……」
長門「……プールはもういい」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:34:41.95 ID:H+zxAzB9O
〜喫茶店〜
ハルヒ「これからの活動計画を考えてみたんだけどどうかしら」
長門「……」ズズッ
ハルヒ「みくるちゃんは何かしたいことある?」
みくる「私は金魚すくいがいいです〜」
ハルヒ「金魚すくいね!」
長門「……」ブクブク
古泉「ちょっと失礼」ペラッ
長門「……」ゴキュゴキュ
古泉「どうも」
長門(……これだけクリームソーダを飲んでいれば、さくらんぼの茎を蝶々結びにすることも容易)
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:42:56.39 ID:H+zxAzB9O
ウィーン
キョン(また払いは俺か)
ハルヒ「じゃあ今日はこれで解散!」てくてく
古泉「では僕も」てくてく
みくる「私も〜」てくてく
長門「……」てくてく
キョン「…………くっ」ダッ
キョン「長門!」
長門「……」
キョン「あぁ、いや、別になんでもないんだがな……最近どうだ?元気でやってるか?」
長門「……元気」
キョン「そりゃ良かった」
長門「……」
キョン「?」
長門「……そう」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:47:48.02 ID:H+zxAzB9O
キョン「元気ならそれでいいんだ。それじゃあな」
長門「……そう」てくてく
長門「……」
長門「……元気」
長門「……情報統合思念体に申請していた別行動許可がXXX回ぶりに出た」
長門「……だから、元気」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:50:40.84 ID:H+zxAzB9O
翌日……
ガタンゴトン
ガタンゴトン
長門「……」
ガタンゴトン
ガタンゴトン
長門「……」
アナウンス「次は田舎〜田舎〜」
長門「……」
今度は特定の地名じゃない
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 10:53:23.40 ID:H+zxAzB9O
プシュー
長門「……」
ミンミンミンミン
長門「……」
長門「……とりあえず、歩く」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:55:00.99 ID:H+zxAzB9O
長門「……」てくてく
長門「……」てくてく
長門「……」てくてく
長門「」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 10:56:39.57 ID:H+zxAzB9O
長門「……誰とも出会わない」
長門「……それはそれで構わない」
長門「……都会は人口が爆発的に多い」
長門「……静か」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:00:40.64 ID:H+zxAzB9O
長門「……」てくてく
子供1「それっ!」
子供2「ちょっ!高く投げすぎ!」
ヒューン
長門「……」パシッ
子供2「すげー」
長門「……」スッ
子供2「あ、ありがとうございます」
長門「……」てくてく
子供1「なんだあの姉ちゃん。この辺の奴じゃないよな」
子供2「うん」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:06:27.57 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
______
|←川原|
. ̄.||
長門「……」てくてく
子供1&2「……」
長門「……」てくてく
子供1「川の方に行ったぞ」
子供2「なんの用だろ」
子供1「そうだ!あの姉ちゃんを尾行するぞ!」
子供2「えぇっ!?」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:09:58.42 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
子供1&2「……」じーっ
長門「……」
子供1&2「……」じーっ
長門「……」
子供1「川に足入れたまんま動かねぇ……」
子供2「何がしたいんだろう……」
長門「……」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:12:59.69 ID:H+zxAzB9O
長門「……さっきから」
子供1&2「!!」ビクッ
長門「……出てきて」
子供1「ご、ごめんなさい!」
子供2「別に僕達、悪いことしようしてたわけじゃ」
長門「……来て」
子供1&2「?」
長門「……水が冷たい」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:16:06.88 ID:H+zxAzB9O
子供1「水が冷たいなんて当たり前だろ」
長門「……市民プールの水はぬるい」
子供2「市民プール?この辺にはないけど」
長門「……それに不特定多数の人間に付着したあらゆるものが漂っている」
子供1&2「?」
長門「……川の水は綺麗」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:23:06.04 ID:H+zxAzB9O
子供1「姉ちゃんどっから来たの?」
長門「……宇宙」
子供1「はあ!?」
長門「……ジョーク」
子供2「えええ!」
子供1「くくっ……あははは!真顔でそんなこと言うなよー!」
長門「……」
子供1「まぁいいや。姉ちゃん面白いなぁ」
長門「……そう」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:28:58.31 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
子供1「それっ!」ヒュン
ピチャンピチャンピチャン
子供1「3回かぁ」
子供2「次僕ね!えいっ!」ヒュン
ピチャンピチャン
子供1「お前は相変わらず下手だなぁ」
子供2「くそー……」
長門「……」
子供1「姉ちゃんも水切りやらなーい!?」
長門「……」
長門「……」ヒュン
ピチャンピチャンピチャンピチャンピチャンピチャンピチャン
子供1「向こう岸に……」
子供2「着いちゃった……」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:40:00.83 ID:H+zxAzB9O
子供2「すごいすごい!僕に投げ方教えて!」
子供1「ずりい!俺だってあんな飛ばしたい!」
長門「……そんなに引っ張っても私はいなくならない」
子供2「早く早く!」
長門「……まず石を拾う」
子供1「それはわかるって!」
長門「……投げ方は、こう」
子供2「こう?」
長門「……そうではない」ぴとっ
子供2「あっ」
長門「……こう」
子供2「こ、こう?」ヒュン
ピチャンピチャンピチャンピチャン
子供2「やったぁ!」
子供1「次俺!俺!」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:45:36.23 ID:H+zxAzB9O
ミーンミンミンミン
ジーワジーワジーワ
子供1「そういやもう昼飯の時間だなぁ」
子供2「帰ろっか」
長門「……」
子供1「姉ちゃんはどっか行くとこあるの?」
長門「……ない」
子供1「じゃあ俺達のうちで飯食べてきなよ!」
子供2「うんっ!」
長門「……」
長門「……」こくっ
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:52:50.08 ID:H+zxAzB9O
子供1&2「ただいまー!」
母「やっと帰ってきたかい!」
父「さっさと飯食っちまえ〜」
母「おや、あんたは?」
子供1「宇宙から来た姉ちゃん。昼飯まだだっていうから一緒に食っていいだろ?」
母「なに馬鹿なこと言ってんだい!」ガツン
子供1「ってえ!この姉ちゃんが言ったんだぞ!」
母「あんた、都会から来たのかい」
長門「……そう」
母「泊まる場所は?」
長門「……決めていない」
母「そうかい……よし、じゃあ好きなだけ食べてきな!」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 11:57:38.93 ID:H+zxAzB9O
祖父「お〜、飯できたか〜」
母「爺ちゃんもさっさと座って!」
母「それじゃ」
長門以外の全員「いただきます!!」
長門「……いただきます」
子供1「それ貰い!」
子供2「あ!兄ちゃんずるい!」
母「あんた達、行儀が悪いよ!」
父「はっはっはっはっw」
長門「……」もぐもぐ
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 12:03:30.02 ID:H+zxAzB9O
祖父「この煮物は美味いの〜」
長門「……」もぐもぐ
母「それにしても、都会の子ってのは無口なんだねぇ」
父「お前みたいに四六時中喋ってるよりマシだろ〜」
母「あんた!」
子供1「姉ちゃん凄いんだぜ!水切りで向こう岸まで着くんだ!」
父「そんなこと!父ちゃんだってガキの頃はそんなん簡単にできたぞ〜」
子供2「うっそだー」
長門「……」もぐもぐ
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 12:15:36.49 ID:H+zxAzB9O
子供1「ふぅ〜食った食った」
母「ご飯食べたら夏休みの宿題すんだよ!」
子供1&2「え〜……」
母「あんたもう8月も終わりだよ!?そうやってだらだらしてたらねぇ、すぐに9月になっちまうからね!」
長門「……」
子供1「ちぇ〜」
子供2「お姉ちゃんは宿題終わってる?」
長門「……あれくらいの宿題なら、3日もあればできる」
子供1&2「3日ぁ!?」
長門「……面倒なものは先に終わらせて、後顧の憂いなく遊び倒す」
父「父ちゃんもガキの頃は宿題はすぐに終わらせたぞ!」
祖父「お前はいつも31日に泣きながら終わらせてたの〜」
父「……」
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 12:24:04.13 ID:H+zxAzB9O
ジャー
カチャカチャ
長門「……」
母「おや、あんたかい。あの子達は?」
長門「……宿題を始めた」
母「それは良かった。食器拭いてくれるかい?」
長門「……」こくっ
母「今日はお祭りだからねぇ。はしゃいでるのさ」
長門「……そう」
母「あんたも行ってくるといい。あの子達の面倒見ておくれよ」
長門「……」
長門「……」こくり
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 12:32:07.54 ID:H+zxAzB9O
子供1「だぁー!終わったぁ!」
子供2「これで後は自由研究だけだね」
子供1「やっぱり昆虫採集にしようぜ。でっけぇカブトかクワガタ捕まえるんだ!」
長門「……スイカ」
子供1&2「やったー!」
子供1「俺これ!」
子供2「あー、でかいの取った!」
長門「……私のを約1/3食べれば同じ量になる」
子供2「でも……」
長門「……昼食でお腹がいっぱいだから、大丈夫」
子供2「うんっ」
子供1「うんめー」むしゃむしゃ
チリーン
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 12:53:36.92 ID:H+zxAzB9O
母「あんた達〜、祭り行く前にお風呂入っちゃいな!」
子供1&2「え〜」
母「どうせ遊び疲れて帰って寝ちゃうんだから!」
子供1&2「はーい」
長門「……」
母「よし、あの子達が入ってる間に、あんたの浴衣、選ぶかね」
長門「……浴衣」
母「そんな制服じゃ楽しめないだろ?やっぱり女の子の祭りで浴衣を着なくちゃね!」
長門「……そう」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:01:27.21 ID:H+zxAzB9O
母「隣の娘さんが先月嫁いでねぇ。勿体ないからって色々貰ったんだけど」
母「あったあった」
母「丈は……よかった。大丈夫だね」
長門「……」
母「さ、すぐに着付けしちゃうからね」
長門「……」こくっ
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:06:39.29 ID:H+zxAzB9O
母「うん!よく似合ってるよ!」
長門「……そう」
子供1「出たぞー」
子供2「着替えどこー」
母「こらぁ!裸で歩き回らない!」
子供1&2「わはははは!」
母「まったく……」
長門「……ユニーク」
288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:23:36.20 ID:H+zxAzB9O
ワイワイガヤガヤ
子供1「知ってる?出店ってヤクザのおっちゃんがやってんだって」
子供2「うそだぁ」
子供1「ほんとだって!」
長門「……」
子供1「あ、金魚すくいだ!」
子供2「でも兄ちゃん金魚捕まえも結局爺ちゃんが育てるんじゃん」
子供1「金魚すくいは祭りのダイゴミなんだよ!」
長門「……」
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:33:58.35 ID:H+zxAzB9O
子供1「くそっ、なかなか捕れないな」
子供2「兄ちゃんは下手だなぁ。えいっ」スカッ
子供1「お前だって」
子供2「あーあ、紙破けちゃった」
子供1「姉ちゃんはやらないの」
長門「……いい」
子供1「姉ちゃんならたくさん捕れる気がするんだけどなぁ」
長門「……捕れない方が楽しい。13匹も捕まえるのは外道」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:41:16.63 ID:H+zxAzB9O
子供2「じゃあお姉ちゃん何かしたいことある?」
長門「……」じー
子供1「お面?」
長門「……そう」
子供2「じゃあ買おうよ!」
長門「……」こくっ
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:45:12.72 ID:H+zxAzB9O
子供2「えへへ、お揃い」
子供1「とぅあ!」ベシッ
子供2「やったなぁ!」ペシペシ
長門「……ユニーク」
子供1「夕飯祭りで済ませていいって母ちゃんが言ってからなんか食お!」
子供2「りんごあめー」
子供1「それは後だ!」
長門「……たこ焼き」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 13:51:34.58 ID:H+zxAzB9O
子供2「僕焼きそば!」
子供1「じゃあ俺はお好み焼き!みんなで食いっこしよ」
長門「……」こくっ
子供1&2「じゃあ買ってくるねー!」タッタッタッ
長門「……」
長門「……今頃、SOS団も盆踊り会場で祭りを楽しんでいるはず」
長門「……」
長門「……たこ焼き一つ」
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:00:04.50 ID:H+zxAzB9O
子供1「お好み焼きも焼きそばもたこ焼きうめぇ」むしゃむしゃ
子供2「うんっ!美味しい!お姉ちゃんは?」
長門「……悪くはない」
子供2「へへへ」もぐもぐ
子供1「姉ちゃん口にソースついてるぞ」
長門「……そう」
親子母「仲良しの姉弟ねー」
親子息子「ママぼくもたこ焼き食べるー」
親子母「はいはい」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:14:29.56 ID:H+zxAzB9O
子供2「りんごあめりんごあめー」
子供1「俺はチョコバナナ」
長門「……わたあめ」
子供1「また食いっこしような?」
長門「……」こくっ
子供2「りんごあめー買ってきたー……」うとうと
子供1「目が半分しか相手ないぞ」
長門「……このままでは睡眠状態に陥る可能性がある」
子供2「りんごあめ、食べ……る……」ポロッ
子供1「あっ」
長門「……」サッ
子供1「ナイスキャッチ!」
子供2「すぅ……すぅ……」
子供1「寝ちゃった」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:20:58.08 ID:H+zxAzB9O
長門「……もう帰った方がいい」
子供1「うん。そうする」
長門「……」スッ
子供1「こいつおんぶするってこと?」
長門「……」こくっ
子供1「じゃあお願い」
長門「……チョコバナナを買ってくればいい」
子供1「でも……」
長門「……りんごあめは持っている。起きたら食べればいい」
子供1「うんっ!」タッタッタッ
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:30:58.09 ID:H+zxAzB9O
〜帰路〜
子供2「すぅ……」
子供1「チョコバナナ、うまい」
長門「……そう」
子供1「姉ちゃん本当に宇宙から来たのか?」
長門「……違う。正確には情報統合思念体によって生み出された対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
子供1「???」
長門「……ジョーク」
子供1「まぁいいや」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:38:36.22 ID:H+zxAzB9O
子供1「今日会ったばっかだけど、姉ちゃんと一緒だと楽しいよ」
長門「……そう」
子供1「なんでだろ。姉ちゃんあんまり喋ったりしないのにな」
長門「……楽しんでいるから」
子供1「ん?」
長門「……一度しかない夏を、楽しんでいるから」
子供1「そっか……だから俺も、楽しいんだ……」うとうと
長門「……」
子供1「明日、虫捕りに行こ……姉ちゃんも、虫……捕り……」ぎゅっ
長門「……」
子供1「すぅ……」
長門「……ユニーク」
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 14:44:47.13 ID:H+zxAzB9O
ガララッ
長門「……ただいま」
母「おかえりなさい……って、おんぶにだっこで、二人とも寝ちゃったのかい」
長門「……」こくっ
母「仕方ない子達だねぇ……じゃあ前をあたしが運ぶから。おんぶしてるの部屋に運んでくれるかい?」
長門「……」こくっ
母「りんごあめは台所の小皿に置いといてー」
長門「……」ドサッ
子供2「すぅ……」
長門「……明日は虫捕り」
遠くで、祭り噺が聞こえていた……
404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:24:13.29 ID:H+zxAzB9O
翌日……
子供1「よし、じゃあ虫捕りいくぞー!」
子供2「おー!」
長門「……おー」
母「これお昼ね。じゃああの子達よろしく頼むよ」
長門「……心配無用」
母「頼もしいね!」
父「父ちゃんもなぁ、ガキの頃はセミ捕るの夢中でなぁ」
祖父「しょっちゅうしょんべん引っかけられてたの〜」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:29:31.74 ID:H+zxAzB9O
子供1「じゃあ誰が最初に山に着けるか競争な!」
子供2「よし、負けないぞ〜」
子供1&2「よーいどん!」タッタッタッ
長門「……」てくてく
子供1「姉ちゃん置いてくぞー!」
子供2「早く早くー!」
長門「……」てくてく
長門「……」ビュンッ
子供1&2「!?」
子供2「速ッ!」
子供1「子供相手に本気出すなよ!!」
409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:36:53.62 ID:H+zxAzB9O
子供1「着いたー!俺の勝ち!」
子供2「兄ちゃんは年上なんだから速いのは当たり前でしょ」
長門「……」てくてく
子供1「さぁ、でっかい虫捕るぞー!」
子供2「でもカブトムシとかクワガタって夜とか朝じゃないと駄目じゃなかった?」
子供1「そりゃそうだけど、いる時はいるだろ!」
子供2「兄ちゃんはテキトーだなぁ」
長門「……」スッ
子供1「どうしたんだよ?指なんかさして」
子供2「に、兄ちゃん……」
子供1「なんだよ?」
子供2「い、いたああああ!特大サイズ!」
子供1「なにぃ!?捕まえろおおお!」
子供2「兄ちゃんも手伝ってよ!」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:42:25.36 ID:H+zxAzB9O
子供1「はぁ……はぁ……」
子供2「や、やったね!」
子供1「おう!」
子供2「超特大サイズのカブトとクワガター!」
子供1「これって姉ちゃんがいまお陰かな?」
長門「……何もしていない」
子供1「でも、姉ちゃんがいなかったら捕まえられなかった気がするよ」
子供2「僕も!」
子供1「これなんていう種類かな?帰ったら図鑑見ようぜ!」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:50:51.31 ID:H+zxAzB9O
子供1「お昼食おうぜ!」
ガサゴソ
子供1「おにぎり!」
子供2「おにぎり!」
子供1「トウモロコシ!」
子供2「モコロシ!」
子供1「トマト!」
子供2「トマトー!」
子供1「トマト小川冷やしてこようぜ!」
子供2「うんっ!」
子供1「姉ちゃんは昼飯の見張り番な!」
長門「……」こくっ
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 19:56:12.87 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
ミンミンミンミン
長門「……」
ミンミンミンミン
長門「……」
ジーワジーワジーワ
長門「……」
ミンミンミンミン
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 20:01:08.74 ID:H+zxAzB9O
長門「……」
子供1「ただいまー」
子供2「お姉ちゃん、はい、トマト!」
長門「……」こくっ
子供1「それじゃ、いただきます!」
子供2「いただきまーす」
長門「……いただきます」
子供1「トウモロコシ直列食い!」ムシャシャシャシャ
子供2「兄ちゃんぎょうぎ悪ーい」
子供1「うるせー!」
長門「……」もぐもぐ
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 20:13:12.43 ID:H+zxAzB9O
子供1「はぁー食った食った……」
子供2「お腹いっぱい……」
長門「……ごちそうさま」
悪ガキ「おっ!馬鹿兄弟じゃねーか」
子分達「じゃねーか!」
少年1「あ!お前らは!」
長門「……」
少年2「兄ちゃんの1年上の奴。すっごいやな奴なんだ」ヒソヒソ
長門「……そう」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 20:28:10.12 ID:H+zxAzB9O
悪ガキ「で、そっちのお姉さんは誰なんだよ?」
子供1「し、親戚の人だよ!」
悪ガキ「ふーん……お!おぉ!虫カゴにすっげぇでかいカブトとクワガタが入ってる!」
子分達「おぉ〜!」
悪ガキ「なぁ、これくれよ」
子供1「はあ?」
悪ガキ「俺さぁ、今年の自由研究にしようと思ってさ」
子供1「馬鹿言うな。これは俺と弟で捕まえた大事なカブトとクワガタだぞ!」
悪ガキ「いいじゃんか。俺のものは俺のもの。お前のものは俺のもの」
長門「……ジャイアニズム」
423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 20:38:45.15 ID:H+zxAzB9O
子供1「絶対にお前にはやらねえ!」
子供2「そうだそうだ!」
悪ガキ「じゃあさ、セミ捕り合戦した多く捕まえた方が勝ちってのはどうだ?」
長門「……」
子供1「セミ捕りぃ?」
悪ガキ「そう。ここは山。今もうるさいくらい鳴いてる。楽な勝負だろ?」
子供1「楽なわけないだろ!俺と弟とお前らじゃ数が違うじゃねぇか!」
悪ガキ「そっちのお姉さんも入れてもいいんだぜ?」
子供1「そんなこと」
長門「……問題ない」
子供1「え……?」
長門「……私が勝負に参加した場合、こちらの勝率は99.8パーセント。負ける確立はゼロに等しい」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 20:46:41.57 ID:H+zxAzB9O
悪ガキ「言うね……いいだろ。文句ないよな」
子供1「うぅ……」
長門「……大丈夫」
子供1「でも……」
長門「……信じて」
子供1「……わかった!」
悪ガキ「じゃあ始めるぞ。よーい……」
「ドン!!」
悪ガキ「よーいお前ら!一斉に……」
長門「……」ビュンッ
悪ガキ「!!?!?」
長門「……」シュバババババババババ
悪ガキ「なっ……!?」
子供1「姉ちゃん……」
子供2「すごい……」
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:02:01.45 ID:H+zxAzB9O
長門「……」ぐいっ
悪ガキ「…………」
ミンミンミンミン!!
ジワジワジワジワ!!
ミンミンミンミン!!
ジワジワジワジワ!!
悪ガキ(虫カゴにぎっちぎちにセミが詰まってるぅぅぅ!)
悪ガキ(俺達が勝ったら勝手に時間切れにするつもりだったのに、これじゃいくらやっても……)
悪ガキ「く、くそ!!でも、俺のシマじゃノーカンだから!」
子供1「おとといきやがれ!」
悪ガキ「覚えてろよ!明日の野球勝負で決着だからな!」ダッ
子分達「待ってくださーい!」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:07:49.28 ID:H+zxAzB9O
子供1「ざまーみろ!」
子供2「やったね!お姉ちゃん!」
長門「……」こくっ
子供1「うわ……セミぎゅうぎゅう」
子供2「可哀想だよ。出してあげよ」
長門「……キャッチ・アンド・リリースの精神」パカッ
ぶわああああああああ
子供2「逃がしてあげたら将来恩返しされたりして」
子供1「あいつらみたいな奴には捕まるなよー」
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/31(金) 21:11:29.86 ID:H+zxAzB9O
カナカナカナカナ……
子供1「でさ、あいつらの逃げる時の顔ったらなかったよ!」
子供2「お姉ちゃんすごかったんだよ」
父「そりゃあ父ちゃんも見たかったなぁ」
祖父「カブトムシにクワガタも捕まえて、今年はほんに賑やかな夏休みじゃの〜」
母「はいはい話はそこまで。夕飯の支度できたから手伝って」
子供1&2「はーい」
長門「……」こくり
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:18:43.97 ID:H+zxAzB9O
子供1「ぐー……」
子供2「すぅ……」
長門「……」
長門「……」ガバッ
ガラッ
母「おや、寝たんじゃなかったのかい」
長門「……話したいことがある」
母「そうかい。座りな」
長門「……」スッ
母「3人一緒で寝たいなんて、あの子達も可愛いとこあるんだねぇ。それで、話ってなんだい」
長門「……明日、帰る」
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:32:43.28 ID:H+zxAzB9O
母「そうかい。そんな気がしてよ」
長門「……」
母「明日はこの辺の子達で野球大会をやるんだ。朝早くから二人は起きるから、あんたは寝てなさい」
長門「……わかった」
母「たった二日の付き合いだけど、なんだか寂しくなるねぇ……」
長門「……私は、忘れない」
母「うん」
長門「……二人や、皆が忘れても、私は忘れない」
母「ほんとに、ありがとね」
長門「……」こくっ
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:37:17.45 ID:H+zxAzB9O
翌朝……
子供1「じゃあ……いってきます」
子供2「お姉ちゃん起きたら連れてきてね」
母「わかったよ。じゃあ、母ちゃんは父母会であんた達のお昼できたら応援に行くから」
子供1「うん。じゃあ」
ピシャ
母「……行ったか。起きてるんだろう?」
ガラッ
長門「……」
母「こんなさよならの仕方はちょっと寂しいねぇ」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:43:28.19 ID:H+zxAzB9O
〜駅〜
長門「……」
長門「……」
長門「……電車が来るまで一時間近くある」
長門「……」
長門「……」スッ
長門「……応援に、行くべき」
452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 21:54:22.65 ID:H+zxAzB9O
<わーわー打て打てー
<ピッチャービビッてるへいへいへい!
子供1(打たれたら、また点が入る……)
悪ガキ「フッ」
子供1(しかもバッターはあいつだ)
子供1(このままじゃ、俺達のチームが負ける……!)
子供1「くそぉっ!」ヒュッ
カキン!
子供1「あぁ!」
悪ガキ「ヘヘン!」
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:06:22.20 ID:H+zxAzB9O
主審「スリーアウ、チェン!」
子供1(なんとか、あいつまでで抑えられた……)
子供1(でも、このままじゃ……)
子供2「お疲れ様!」
子供1「うん……」
子供2「大丈夫だよ!今度は僕達が打てばいいんだから!」
子供1「そんな簡単にできるかよ……」
子供2「兄ちゃん……」
子供1「姉ちゃんがいてくれたらな……なんて」
長門「……いる」ぬっ
子供1「うわああ!」
子供2「お姉ちゃん!」
<だれだれ?
<どこの制服だ?
<ざわ…ざわ…
463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:16:19.41 ID:H+zxAzB9O
子供1「なぁ姉ちゃん、助っ人で出てくれよ!」
子供2「兄ちゃん……」
子供1「姉ちゃんならホームランだって打てるだろ!?」
長門「……できる」
子供1「やった!」
長門「……でも、やらない」
子供1「え……」
長門「……必要性がない」
子供1「必要だよ!」
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:22:36.51 ID:H+zxAzB9O
長門「……あなた達が負けても、閉鎖空間が発生する可能性や、世界が重大な危機に瀕する恐れはない」
少年1「?」
長門「……バットやミットの属性情報を変更する必要はない」
少年1「言ってる意味がわかんねえよ!」
長門「……つまり、自分自身で勝ち取らなけば意味がないということ」
少年1「!!」
長門「……今の私は、この言葉をあなたに送ることしかできない」
少年1「……」
長門「……自分を、信じて」
469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:28:35.93 ID:H+zxAzB9O
少年1「そんなこと言われても、できるなんて保証ないだろ!」
長門「……でも、確率はゼロではない」
少年1「……」
長門「……今日、私は帰る」
少年1&2「えぇっ!?」
長門「……それを言いにきた」
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:41:45.49 ID:H+zxAzB9O
少年1「そんな……突然……」
少年2「僕、お姉ちゃんにもっと見せたい場所とかあるんだよ!」
長門「……そう」
少年1「じゃ、じゃあ、俺打つから!今から打ってくるから!」
長門「……期待している」
少年2「お姉ちゃん……またね。また絶対遊びに来てね!」
長門「……」こくり
少年1「ぐすっ……泣いてる場合じゃないよな!俺、行ってくる!」
少年2「うんっ!兄ちゃん頑張って!!」
<お前の番来たぞー
少年1「よし……!」
長門「……自分を」
少年「信じる!」
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 22:55:16.19 ID:H+zxAzB9O
朝比奈さんの電話を受けて駅前に急ぐと、そこには朝比奈さんと古泉、
そしてSOS団の活動を3日も無断欠席した長門の姿もあった。
長門の無断欠席にハルヒはカンカンだったわけだが、
その怒りの矛先が全部俺に向かってきたのは言うまでもない。
そして、当の本人はというと……
キョン「長門、それはなんだ?」
長門「……野菜。正確には、大根、トウモロコシ、トマト、キャベツ、長ネ」
キョン「もういい」
野菜をどっさりこさえていた!
長門「……お土産」
……いったい3日間、お前はどこに行ってたんだ。
エンドレスエイト長門の夏休み 2巡目 終わり
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:02:53.95 ID:H+zxAzB9O
後2、3個話は考えてあるけどクオリティ落ちそうで不安
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:11:27.99 ID:H+zxAzB9O
じゃあ3巡目行きまーす
ながらだから投下間隔が長いのは許してね
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:29:05.79 ID:H+zxAzB9O
何か、おかしい。
何となく、そんな気がした。
テレビに映る試合は、俺とは全く縁もゆかりもない県同士の戦いだが、
負けている方をなんとなーく応援している気分でいると、
これまたなんとなーく、そろそろハルヒが騒ぎ出すような気がした。
♪〜♪〜♪〜
キョンの妹「キョン君電話〜」
キョン「言われんでも分かってる」
ピッ
長門『……自転車を、貸してほしい』
長門ォッ!?
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:35:13.35 ID:H+zxAzB9O
キョン「なんだ藪から棒に」
長門『……必要』
キョン「自転車がか?どこかに行くつもりか?」
長門『……一人旅』
キョン(これまた唐突な……)
キョン(いや、待て)
長門がSOS団以外での行動をしたことが、前にもあった気がした。
いや、違いな。
正確には、前に全く同じような事があったような気がした……だ。
所謂デジャヴってやつか。
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:40:50.53 ID:H+zxAzB9O
〜キョン宅〜
長門「……それで」
キョン「あぁ、貸してやるとも。お前が自分からそんなこと言いだすなんて珍しいからな」
長門「……そう」
キョン「よいしょっと。これが俺の自転車だが、やっぱり妹のにするか」
長門「……これでいい」
キョン「そうか。じゃあサドルを下げちまうな」
キュッキュッ
キョン「よし、乗ってみろ。足はつくか?」
長門「……」ストッ
キョン「つくようだな」
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:48:11.57 ID:H+zxAzB9O
キョン「それで、長門、お前自転車には乗れるのか?」
長門「……既に乗っている」
キョン「そうではなくて。ペダルに足を付けてこげるかってことだ」
長門「……問題ない。自転車の運転に関する情報は既に実装している」
キョン「さいですか……」
ここまで来るとチートだな。
自転車の運転てのは、まず補助輪を付けてだな。
それで補助輪が外れて、それから転びながら補助輪無しの運転を覚えていくものなんだぞ。
いや、皆まで言うまい。
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:51:28.62 ID:H+zxAzB9O
キョン「で、行き先はどこなんだ」
長門「……決めていない」
キョン「はぁ?」
長門「……自転車での一人旅とは、そういうもの」
キョン(どこでそんな情報を……)
キョン「まぁいい。行ってこい。長門」
長門「……」こくっ
キョン「お前に限ってはないと思うが。頼むから壊すなよ」
長門「……わかった」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/31(金) 23:59:39.67 ID:H+zxAzB9O
その時、俺は少し、いや、かなり嫌な予感がしていたのだが、あえて口にはしなかった。
自転車をこぐ長門、というとてもレアなような気がする光景を見送ると、俺は家に戻った。
♪〜♪〜♪〜
キョンの妹「キョン君電話〜」
キョン「言われんでもわかってる」
ピッ
ハルヒ『キョン、あんた今日暇でしょ?2時ジャストに駅前集合だから』
キョン「……」
ハルヒ『ちゃんと来なさいよ?』
プツッ
俺はまだ一言も喋っとらんのだが。
♪〜♪〜♪〜
ピッ
キョン「なんだ?」
ハルヒ『持参物を言い忘れてたわ。水着一式。それと十分なお金ね。あとは必ず自転車に乗ってくること!おーばー』
キョン「………………」
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:11:33.44 ID:aF+tD2I2O
〜海岸沿いの歩道〜
長門「……」
ガチャンッ!
長門「……!」
ガリガリガリガリ!
長門「……チェーンが」
ガタンッ
長門「……」
長門「……」
長門「……アイ・キャン・フライ」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:17:01.30 ID:aF+tD2I2O
ドサッ
長門「……」
女「あーあー派手に吹っ飛んだねぇ」
長門「……」
女「ここが砂浜じゃなきゃ死んでたわよ?」
長門「……自転車が全壊」
キョン『お前に限ってはないと思うが。頼むから壊すなよ』なよーなよー なよー←エコー
長門「……自転車の完全復元を申請。そうした場合、何らかの不確定要素が起こる場合が」
女「君君。大丈夫?」
長門「……」
女「やぁねぇ。そんな不安な顔して。自転車くらい直るわよ♪」
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:23:24.62 ID:aF+tD2I2O
女「よし、自転車も積んだし、君も車に乗りなさい」
長門「……」こくっ
女「あら、ほっぺた擦り剥いてる。女の子なのに鳥人間コンテストなんてするからよ」
長門「……パターンを変えてみたかった」
女「意味わかんないけど。ちょっと待ってなさい。あったあった」
ペタッ
長門「……」
女「うんっ。絆創膏も似合ってる♪」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:27:05.66 ID:aF+tD2I2O
ブロロロ……
女「君、行き先は?」
長門「……決めていない」
女「そ。じゃあ少しの間だけ、私の相手してくれるかな?」
長門「……構わない」
女「良かった」
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:32:42.39 ID:aF+tD2I2O
女「この先の民宿予約してあるんだ。この辺海でしょ?多いのよ」
長門「……そう」
女「ご飯も美味しいし。でも娯楽がないのよね。卓球台ぐらいしか置いてない」
長門「……そう」
女「卓球できる?」
長門「……恐らく」
女「なら夜に対決しましょ。私こう見えても大学時代県大会で準優勝だったのよ?」
長門「……そう」
女「ふふっ。妹か娘とドライブ旅行してる気分ねー♪」
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:38:15.40 ID:aF+tD2I2O
〜民宿ら八〜
女将「あら、いらっしゃい」
女「よっ。今年も来てやったわよ」
長門「……」
女将「そっちの子は?」
女「か・く・し・ご」
女将「馬鹿なこと言うんじゃないよ」
女「冗談よ!途中で拾ったの」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:42:33.28 ID:aF+tD2I2O
女将「じゃあ夕食は2人分かい?」
女「よろしくー」
女「あ!この辺に自転車屋ある?」
女将「さぁ、聞かないね」
女「じゃあ、街中まで行くしかないわねぇ」
長門「……」
女「そんな顔しないでったら。店に行けば直せるから」
579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:48:24.29 ID:aF+tD2I2O
ガラッ
女「あー、久しぶりだわぁ」ドサッ
女「この微妙に湿気ったような布団も変わらないわね」
長門「……」
女「あ、一緒の部屋は嫌だった?」
長門「……そうではない」
女「自転車?とりあえず今日はパスさせてぇ。車移動なのに疲れちゃって」
長門「……」ストッ
女「年なのかしらねぇ。まだ30代なのよ?」
長門「……そう」
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:53:06.57 ID:aF+tD2I2O
女「自転車は明日。私も用事があるからついでってことで」
長門「……」こくっ
女「やっと不安が抜けた」
長門「……」
女「なんでかしらねぇ。君ってあんまり表情変わらないけど、なんとなくわかるのよねぇ」
長門「……結構いる」
女「なーんだ。私だけ特別かと思っちゃった」
585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 00:57:00.51 ID:aF+tD2I2O
女「さーて、ひとっ風呂浴びようかしら」
長門「……」
女「何座ってるの?君も行くのよ」
長門「……別にいい」
女「何言ってんの!男子は連れション行くでしょ?女子は連れ風呂に行くのよ」
長門「……聞いたことがない」
女「今考えたからね」
長門「……シュール」
女「とにかく!さっさと行くわよ」
長門「……」
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:04:43.14 ID:aF+tD2I2O
カポーン
女「ふう……ちょっとぬるいけどいい湯加減」
長門「……」
女「ここで私が君の友達なら、『あ!おっぱい大きくなったね!』とか言うべきなんだろうけど」
長門「……なに」
女「ごめん」
長門「……謝罪の理由を要する」
女「あ!飛行機雲よ!」
長門「……理由を」
591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:12:51.96 ID:aF+tD2I2O
女「ぷはぁ!やっぱり風呂上がりにはコーヒー牛乳よね!」
長門「……」
女「でもいちご牛乳も捨てがたい。まぁ夜はビールだけど」
長門「……」
女「君は何がいい?風呂上がりの飲み物は」
長門「……なんでもいい」
女「じゃあ君はいちご牛乳ね」
長門「……」
女「さっきのお詫び。私の奢りよ」
長門「……なんのお詫び」
女「まだ若いんだし、成長途中だわ。だから未来の貴方に先行投資って感じ?」
長門「……」
女「それにそこを気にする必要ないのよ。君は私的美的ランキングでAマイナーだし」
長門「……理解できない」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:20:48.39 ID:aF+tD2I2O
そして、夕食時になった……
女「いただきまーす!」
長門「……いただきます」
女「相変わらずしょっぼい料理ねぇ」
女将「文句言うなら別の宿とりな」
女「なによ。私くらいしか客いないくせに」
女将「客の掻き入れ時が過ぎたからいないだけさね」
長門「……うるさい」
女&女将「!」
長門「……食事は静かにするべき」
女「ごめんなさい」
女将「ごゆっくり」
603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:28:34.84 ID:aF+tD2I2O
女「ぷはぁ!やっぱり風呂上がりにはビールよね!」
長門「……昼間と言っていることが違う」
女「夜はビールだけどって、ちゃんと言ったわよ」
長門「……」
女「さてビールも飲んだし、私はもう寝るわ」
長門「……そう」
女「おやすみなさい」
長門「……おやすみなさい」
長門「……」もぞもぞ
女「電気、消すわね」
パチッ
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:34:06.26 ID:aF+tD2I2O
長門「……」
女「……」
長門「……」
女「……」
長門「……」
女「……」むくっ
女「……」とぼとぼ
パタン
609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:35:11.12 ID:aF+tD2I2O
<ぐすっ……ひっく、ひっく……
<ごめん……ごめんね……
長門「……」
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:43:00.05 ID:aF+tD2I2O
翌日……
女「さて、自転車を修理に出しに行くわよ!」
長門「……」こくっ
女「それじゃ、行ってくるわ」
女将「さっさと行っといで」
女「客なんだから行ってらっしゃいませくらい言え」
女将「やだね」
長門「……」ぐいっ
女「あぁごめんごめん。行くわ。行くから!引っ張らないで〜!」
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:48:13.54 ID:aF+tD2I2O
店主「これはひどい」
女「直るかしら?」
店主「まぁチェーンが外れてるだけだから、それを直せば走れるは走れるが」
長門「……完全な復元を要請する」
店主「そうだねぇ。出来ることはやってみるけど、また明日来てくれや」
女「お願いね!」
長門「……」ぺこり
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 01:57:29.19 ID:aF+tD2I2O
女「じゃ、次は私の用事ね」
長門「……」こくっ
女「君、何か好きなものある?」
長門「……好きなもの」
女「そう。なんでもいいわよ」
長門「……お面」
女「お面?お祭りじゃないんだから、さすがにそれはないわねぇ」
長門「……」
女「じゃあ、一緒に花選ぼっか?」
長門「……」こくっ
623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:03:49.69 ID:aF+tD2I2O
〜民宿ら八〜
女「ただいまー」
長門「……ただいま」
女将「はいはいおかえり」
女「じゃあ、私行ってくるから」
女将「はいよ」
長門「……」
女将「まさか、あの子が誰かと一緒に来る日が訪れるとはね」
長門「……」
女将「気付いてかもしれないけど、あたしとあの子は実の親子なのさ」
長門「……そう」
女将「それと、あの子には娘もいた」
長門「……」
女将「生きてたら、あんたと同じくらいの年だろうかね」
630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:11:03.32 ID:aF+tD2I2O
女将「驚いたよ。食事の時、あんたはあたし達に注意したろ」
女将「あの子もね……よくあたし達の口ゲンカを注意してくれたんだ」
女将「ご飯は静かに食べなきゃ駄目でしょ、ってさ」
女将「海の事故だった。波にさらわれてさ。助からなかった」
長門「……そう」
女将「あたしの娘はわがままだけどさ、もうちょっと付き合っておくれよ」
女将「久しぶりに見たよ。あの子が生きてる頃みたいさ」
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:17:28.52 ID:aF+tD2I2O
女「たっだいまー」
長門「……」
女「ん?どうかした?」
女将「夕飯の献立を聞いてたんだよ」
女「じゃあ私はお刺身の盛り合わせと焼酎を」
女将「あんたの要望は聞いてないよ」
長門「……」ぐいっ
女「なに?」
長門「……昼風呂」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:24:24.04 ID:aF+tD2I2O
女「もう、お風呂ぐらい一人で入りなさいよー」
長門「……連れ風呂をするのは女同士だけではない」
女「?」
長門「……親子も」
女「!」
長門「……だから」
女「あのお喋り婆さんから聞いたのね」
長門「……」こくっ
女「ありがと」ぎゅっ
長門「……」
女「じゃ、遠慮なく連れ風呂といきますか!」
641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:34:28.53 ID:aF+tD2I2O
チャポン
女「本当、久しぶりだわ……」
長門「……」
女「心が、安らいだ気がした」
長門「……」
女「親子ごっこ、付き合わせてごめんね」
長門「……構わない」
女「君の気持ち、忘れない。忘れないから……」
女「あの子のことと同じくらいッ……大事にするから……」
女「あはは、年甲斐もなく泣いてるわ……」
長門「……ここには私と貴方しかいない」
長門「……だから、泣いても構わない」
長門「……お母さん」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:41:13.76 ID:aF+tD2I2O
女「ぷはぁ!やっぱり風呂上がりにはコーヒー牛乳よね!」
長門「……いちご牛乳」
女「じゃあ、さっきのお礼に今度は私がおまじないをかけてあげる」
長門「……おまじない」
女「そ。おっぱいが大きくなるおまじないよ」
長門「……」
キョン『特盛りッ!』
ハルヒ『さぁ、みくるちゃん!次はこの胸が存分に開いた服よ!』
みくり『やめてくださぁ〜い』
古泉『はっはっはっ。これは絶景ですね』
長門「……必要ない」
646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:48:59.94 ID:aF+tD2I2O
そして、夜になった……
長門「……」
女「一つの布団で寝るなんて、なんか恥ずかしいわね」
長門「……そう」
女「でも、懐かしいわ」ぽんぽん
長門「……」
女「あの子はこうやって頭を撫でてあげると、眠っちゃったのよね」ぽんぽん
長門「……」
女「……」ぽんぽん
長門「……」
女「……」ぽん
女「……おやすみ」
649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 02:58:05.84 ID:aF+tD2I2O
翌日
女「今年もありがと。それじゃあね」
女将「なんだ。もう行くのかい」
女「うん。自転車が直るのは夕方らしいけど、それまでに色々回りたいから」
長門「……」
女将「あの子とじゃない、この子との思い出ってわけか」
女「そんなとこ」
長門「……」
女将「今度はこんなおばさんじゃなくて、友達でも連れてきな」
女「おばっ!?」
長門「……」こくっ
女将「ま、布団と少し湿気ってて食事もしょぼいかもしれないが」
女「……ごめん」
長門「……ユニーク」
654 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:06:07.93 ID:aF+tD2I2O
女将「ま、次に来ても覚えとらんかも知れないけどね」
女「そろそろボケが始まる年だから」
女将「一言多い!」ビシッ
女「いでっ」
長門「……ユニーク」
女「さて、それじゃどこに行こっか?」
長門「……お面」
女「お面!?まだ言うか!でも、面白そうね。お面探しの旅に、出発よ!」
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:17:33.34 ID:aF+tD2I2O
その夜、俺から安眠を奪ったのはまたしても1本の電話だった。
ピッ
キョン「はい……」
みくる「ふぇぇぇぇ」
キョン「うおっ!」
みくる「キョンくーん……」
キョン「朝比奈さん?」
朝比奈さん「はい。私です。とてもよくないことがぁ……このままじゃ私……ふぇぇ」
キョン「あの……」
古泉「どうも古泉です」
キョン「何でお前がこんな時間に朝比奈さんと一緒なんだぁ!?」
古泉「ちょっとした事情がありましてね……今から来ていただくことは可能ですか?」
キョン「当たり前だぁ!すぐ行く!!」
657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:20:56.43 ID:aF+tD2I2O
ダダダダッ!
ガチャガチャ!
バタン!
キョン「待て……」
キョン(しまった!自転車が妹のしかない!)
ブロロロ……
キキィー
女「ここでいいのね」
長門「……」こくっ
バタンッ
キョン「長門?」
長門「……自転車を返しにきた」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:27:23.10 ID:aF+tD2I2O
キョン「自転車って……こんな時間だぞ」
長門「……この時間に必要になると判断した」
女「ここまで来るのに夜中になっちゃったけど、修理は完璧のはずよ。さっすが私の元旦那」
キョン「あの、こちらは?」
女「母です」
キョン(なんですとぉ!?)
女「それじゃあ、私はもう行くわ」
長門「……」こくっ
女「いつか、また会えたらいいね」バタン
ブロロロ……
661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:32:53.45 ID:aF+tD2I2O
長門「……」
キョン「あの人、本当に長門の母親なのか?対有機なんとかインターフェースなのか?」
長門「……違う」
キョン「そ、そうか。てっきり朝倉みたいな奴かと思ってビクビクしたぞ」
長門「……でも、私の母」
キョン「そうか。よし、じゃあ長門も乗れ。朝比奈さんに呼ばれてるんだ」
長門「……知っている」
キョン「そういえば、お前に自転車借りられた日にハルヒからも電話があってな」
長門「……」
キョン「妹のピンクの自転車で2ケツした時は顔から火が噴き出すかと思ったぞ」
長門「……ユニーク」
667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:47:37.19 ID:aF+tD2I2O
長門「……お面」
キョン「ん?」
長門「……今度また、私も含め盆踊りに行ったとする」
キョン「盆踊り?そういや行ったな」
長門「……私に対して、お面を買ってやろうとは思わないでほしい」
キョン「なんでだ?」
長門「……世話になっているから。今回も自転車も借りた」
キョン「なんだ。そんなことか」
後で朝比奈さん達からも明かされることだが、俺達は同じ夏をループしているらしい。
なら、自転車を直す必要はなかったのではないかと、俺は思った。
いや、直さなかったら、長門に頼まれ事もされなかったか。
長門、お面を買ってやるか買わないかは、その時の俺が判断することだ。
今回は長門と盆踊りに行かなかったが、行ったとしても長門にお面を買ってやろうとしだろう。
つまり、そういうことだ。以上!
エンドレスエイト長門の夏休み 3巡目 終わり
670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 03:56:08.58 ID:aF+tD2I2O
死ネタはあざといと自分でも思っているのはこういう話は今回限り
眠たいのだが4巡目どうしよう
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 14:07:48.61 ID:aF+tD2I2O
そういや伏線張ったのに卓球やってないよね
SS書いてるとたまに伏線未回収する時があって困る
747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:40:43.87 ID:aF+tD2I2O
ブロロロ……
ブロロロ……
長門「……」
ブロロロ……
ブロロロ……
長門「……」
アナウンス「本日は○○バスをご利用いただきありがとうございます。次の停留所は、○○岬、○○岬です」
長門「……」スッ
ピンポン♪
748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:42:31.40 ID:aF+tD2I2O
プシュー
ガシャッ
長門「……」スタスタ
プシュー
ブロロロ……
長門「……」
長門「……」
長門「……潮風」
750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:43:53.02 ID:aF+tD2I2O
ザッパーンッ
長門「……」
ザザーンッ
長門「……」
ザッパーンッ
長門「……」
ザザーンッ
長門「……」
752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:48:22.17 ID:aF+tD2I2O
ビュオオーッ
長門「……」
男「危ない!!」ガシッ
長門「……」
男「死んじゃ駄目だ!君はまだ若いじゃないか……」
長門「……死なない」
男「……へ?」
長門「……死ぬつもりはない」
753 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:52:38.25 ID:aF+tD2I2O
男「でも、さっきから君は崖から海を眺めていたし」
長門「……見ていただけ」
男「それに、さっき君は海に飛び込もうとしたじゃないか!」
長門「……突風が吹き、一瞬態勢を崩した」
男「……」
長門「……飛び降りるつもりはない」
男「は、はは……なんだそう言うことか」
長門「……」
男「良かったぁ」ガクッ
長門「……」
男「あはは、さすがに高いな。足が竦んでしまった……」
757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 15:58:38.15 ID:aF+tD2I2O
男「ははは、面目ない。腰が抜けて、君に支えてもらうとは」
長門「……構わない」
男「しかし恥ずかしいな。あんなに怖いものだとは……」
長門「……」
男「あぁ、ごめんね。こんなおじさんの話聞いてもつまらないよね」
長門「……そうではない」
男「お世辞はいいよ。自分でもわかってるんだ。つまらない人間だってね」
長門「……」
759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 16:09:01.18 ID:aF+tD2I2O
男「お詫びといってはなんだが、お昼ご飯でもご馳走させてくれないか?」
長門「……」
男「あ……忘れてくれ。見ず知らずの人間にそんなことをされても迷惑なだけだな」
長門「……」
男「それに、君は親御さん達と一緒なんだろ?そうでなきゃ、こんな場所に来るはずもない」
長門「……ここには一人で来た」
男「一人で?」
長門「……そう」
男「そうか。学生は今は夏休みだもんな。旅行でも趣味なのか?」
長門「……そう」
764 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 16:34:26.55 ID:aF+tD2I2O
で、これはどういうことなんだ?
朝、なんとなくハルヒが騒ぎ出すような気がしていた。
案の定ハルヒからの着信があり、その第一声がこうだ。
ハルヒ『有希がバスに乗ったわ!!』
だからなんだ。
バスくらい長門にも乗るだろう。
ハルヒ『とにかく!有希を追うわ!○○方面に向けてタクシーに乗ったから、あんた○○まで来なさい!合流しましょ!』
そう言いたいこと言って、ハルヒは電話を切った。
俺はまだ一言も喋っとらんのだが。
♪〜♪〜♪〜
ピッ
ハルヒ『言い忘れたわ。みくるちゃんと古泉君も一緒にね。
あと充分なお金持ってきて!今お金持ってないの!以上!』
ブツッ
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 16:44:36.05 ID:aF+tD2I2O
それで、俺と朝比奈さんと古泉はタクシーに乗り、ハルヒを追ったわけだ。
それからまたハルヒから連絡があり、長門は別の路線バスに乗ったらしい。
ハルヒは長門を追い長距離移動。おいおい、まさかそのタクシー代も俺が払うのか?
古泉「なにやら面白くなってきましたね」
キョン「なにがだ。ハルヒのタクシー代と俺達のタクシー代が馬鹿高くなることか」
古泉「違います。長門さんの独断ともいえる行動についてです」
キョン「バスくらい長門だって乗るだろう」
古泉「涼宮さんを観察することを目的に作られたインターフェースの長門さんが、ですか?」
キョン「うっ……」
確かに、今回の長門の行動は、少し、いやかなり特徴的だった。
3年もマンションで待機していた長門が、バスの路線を乗り換えてどこかへ行こうとしている。
気にならない方が、嘘ってやつだ。
773 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 16:53:53.23 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「遅いわよ!」
誰のせいだ。誰の。
ハルヒ「全く、SOS団の団員としての心構えってもんがないわ」
長門とストーキングして俺にタクシーを払わせるような人間に言われたくない!
キョン「で、長門は?」
ハルヒ「あそこで海を眺めてるわ。かれこれもう10分てとこ」
キョン「10分……」
ハルヒ「そう!動く気配が全くないのよ。有希の奴、
ただ塩分の濃いだけのだだっ広い水溜まりなんか見て何が楽しいのかしら」
動く気配が全くない長門を見てるお前もな。
775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:03:22.63 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「でも、事件の匂いがプンプンするわ。崖といったらサスペンスドラマのクライマックス!
たぶんこれから刑事だか探偵だかが来て、殺人事件の真犯人の有希を追い詰めるのよ!」
おい、長門を勝手に殺人犯にすんな。
キョン「だかなハルヒ。長門は単純に夏休みを楽しもうとしてバスに乗ったんじゃ……」
ハルヒ「あ!有希の所に中年の男が近付いていくわ!やっぱり私の予想は大当たりね!」
キョン(聞いちゃいない)
俺は仕方なく、目線を長門に移した。
確かに、長門の元にサラリーマン風のスーツを着た男が近付いていく。
ビュオオーッ
その時だ。海から突風が吹いて、長門がよろめいたのは。
777 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:11:49.77 ID:aF+tD2I2O
長門の体を、その近付いていた男が支える。
長門のことだから、海から落ちても死ぬことはないだろうが、無事で何よりだ。
キョン(しかし本当に、あの男は誰なんだ?)
長門と男は何やら話をしている様子だった。
長門は相変わらずの無表情だったが、男の方がかなり激怒している。
おそらく長門が飛び降りると勘違いして注意をしている、といったところだろう。
長門の口が短く開く。
すると、男は途端に張った肩を下ろし、がくりと地面に膝をついた。
それから長門に支えられ、ベンチに向かう。
ハルヒ「あぁ、もう少し近くで会話が聞きたいわ!」
キョン(ハルヒよ。ストーキングの次は盗聴か)
780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:23:51.66 ID:aF+tD2I2O
ベンチでの会話はしばらく続き、2人は食事処に入っていった。
そういえば、もう昼か。
キョン「ハルヒ。昼飯はどうする」
ハルヒ「もうそんな時間?そうね。じゃ、昼休憩ってことで、どっかコンビニでお弁当でも買いましょ」
みくる「あのぉ〜」
ハルヒ「なに?みくるちゃん」
みくる「お弁当なら作ってきましたぁ〜」
ハルヒ「あら、気が利くじゃない!それじゃ、さっき有希達が座ってたベンチで、張り込み開始よ!」
783 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:29:40.61 ID:aF+tD2I2O
男「盛り蕎麦を一つ。君は?」
長門「……同じものでいい」
男「じゃあ、盛り蕎麦二つに変更で」
店員「盛り蕎麦二つですね。かしこまりましたー」スタスタ
男「ふう。さっきは私の早とちりですまないことをしたね」
長門「…いい」
男「気分転換にこの岬に来たんだが、君みたいな旅行好きな子で出会えてなんだか嬉しいよ」
長門「……そう」
786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:39:10.28 ID:aF+tD2I2O
男「会社の若い子は、休暇は家でダラダラするとか、なんだがだらしなくてね」
長門「……そう」
男「家でダラダラするのも楽しいだろうが、やっぱり外に出ることも大切なことだと思うんだ」
長門「……そう」
男「夏休みなんて、長いようで短い。それに、今年の夏は今年だけ。一度しかないからね」
長門「……そう」
店員「おまちどおさまでした。盛り蕎麦です」
男「またつまらない話をしてしまったな。さ、食べようか」
長門「……」こくっ
788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:41:33.48 ID:aF+tD2I2O
男「……」ずるずる
長門「……」ちゅるちゅる
男「……」ずるずる
長門「……」ちゅるちゅる
男「……」ずるずる
長門「……」ちゅるちゅる
男「……」ずるずる
長門「……」ちゅるちゅる
男「…………その会社も、今年の夏でクビだ」
792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 17:49:57.43 ID:aF+tD2I2O
長門「……」
男「君は、何か仕事やアルバイトをしたことはあるかい?」
長門「……私の仕事は涼宮ハルヒを観察して、入手した情報を統合思念体に報告すること」
男「な、なんだか難しい仕事みたいだね……」
長門「……」こくっ
男「その仕事は、やっていて楽しいかい?」
長門「……そういったことを考えたことはない」
男「そうか……」
長門「……」
男「私は楽しかったな。仕事人間だったってこともあるかもしれないが、自分に相応しい仕事だと思った」
長門「……」
男「なのに、リストラさ……」
795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:01:32.28 ID:aF+tD2I2O
男「今の時勢、どこも不況だからね。うちの会社も人員削減に乗り出した」
長門「……そう」
男「解雇宣告されてからの数ヶ月は、悩みっぱなしだった。何故自分なのか、どうにかして会社に留まれないかとか、色々とね」
長門「……そう」
男「仕事が楽しい自分がリストラされるのに、仕事は嫌々で休暇はダラダラすると言っていた若い子が残る」
長門「……」
男「同僚を恨むのが何の意味もないとわかっているのに……」
長門「……」
男「それで昨日、最後の出勤だったってわけさ」
長門「……そう」
799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:12:04.78 ID:aF+tD2I2O
男「自分には仕事だけだったから、することがなくなってしまった」
長門「……」
男「また、つまらない話をしてしまったかな」
長門「……」
長門「……また、見付ければいい」
男「見付かるかな」
長門「……見付けようとする意思があれば」
男「そうかな……」
長門「……そう」
長門「……確かに夏は一度だけ」
長門「……でも、やり直すことはできる」
長門「……だから、死のうしないでほしい」
男「!」
801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:21:33.43 ID:aF+tD2I2O
男「わかってたのか……」
長門「……」こくっ
男「勘違いだったけれど、自殺しようとしていた人間が自殺しようとしていた子を助けた」
男「でもそれは、死ぬことが怖かっただけだな……」
長門「……死を選ぶよりもすることがあるはず」
男「それが、やり直すことができるって意味か」
長門「……そう」
長門「……また、同じことが起こるかもしれない」
長門「……でもそこに、おそらく私はいない」
長門「……だから、忘れないでほさい」
長門「……忘れてしまうことでも」
804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:27:50.67 ID:aF+tD2I2O
男「トイレに行ってくるよ」ガタッ
長門「……」
男「……ありがとう」
長門「……」
長門「……」
長門「……」
長門「……」
808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:35:24.85 ID:aF+tD2I2O
キョン「……」
古泉「なかなか出てきませんね」
キョン「あぁ、正直飽きた」
古泉「でも良かったじゃないですか。涼宮さんが楽しそうで」
キョン「付き合わされるこっちの身にもなってみろ」
古泉「でも、ああやって楽しげに笑っている涼宮さんは、この世を揺るがすようなことはしないでしょうからね」
キョン「……だといいが」
809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:41:10.32 ID:aF+tD2I2O
古泉「……」
キョン「どうした?」
古泉「あぁ、いえ……以前にも長門さんが独断行動をしたことがあったような。たぶん僕の気のせいです」
キョン「……」
古泉「おや、男性の方が出てきたようですよ」
キョン「長門は……出てくる気配がないわ」
ハルヒ「私とみくるちゃんはあの男を追うわ!キョンと古泉君は有希の無事を確認しなさい!」
キョン(無事ねぇ……)
みくる「あ〜ん、待ってくださぁ〜い」
古泉「では、僕らも行きましょうか」
キョン「そうするか」
813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:45:14.58 ID:aF+tD2I2O
ウィーン
店員「いらっしゃいませー」
古泉「あの、連れを待たせているのですが、中に入っても大丈夫ですか?」
店員「あ、はい」ぽーっ
キョン「……」
古泉「長門さんがいましたよ」
長門「……」
キョン「長門」
長門「……」
キョン「昼は蕎麦か。美味そうだな」
長門「……」
キョン「一緒にいたおっさんはもう店を出たが、お前は出ないのか?」
長門「……そう」
814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 18:49:54.13 ID:aF+tD2I2O
古泉「あの、ここの席の会計は?」
店員「この方のお連れのお客様がお支払いになりましたよ」
長門「……」ガタッ
キョン「おい、長……」
長門「……」スタスタ
ウィーン
長門「……」
キョン「急に飛び出して。いったいどうしたんだ?」
長門「……」
816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 19:00:30.30 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「あぁもう!見失っちゃったわ!!」
みくる「はひ……はひ……」
古泉「仕方ありませんね。長門さんとも合流しましたし、今日はもうおひらきということにしましょう」
キョン「……」
古泉「ご安心を。帰りのタクシー代は僕が払います」
キョン「それは助かる……って、そういうことを言いたいんじゃない」
長門「……」
ハルヒ「そうね。今日はもう終わりにしましょ。本当なら今日はSOS団でプールに行く予定だったんだけど」
キョン(お前の予定なんざ誰も訊いていない)
ハルヒ「それじゃ、明日はいつもの喫茶店で夏休みどうするか話し合いましょ!」
キョン(今日みたいに金だけ消費するような無駄なことはもうごめんだぞ……)
820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 19:17:30.04 ID:aF+tD2I2O
翌日、例の喫茶店で今後のSOS団の活動内容の協議がほぼハルヒ一人の手によって行われた。
盆踊り、花火大会、バイト、天体観測、その他もろもろ。
それを2週間足らずでやろうとしているところが恐ろしい。
その日は各自、虫捕り網と虫カゴを持って、SOS団内セミ捕り合戦。
やはりというかなんというか優勝はハルヒとなった。
次の日、地元の大手スーパーでバイト。
何だかわからないままにカエルのきぐるみを着せられ、店先で風船を配ることとなった。
その時、何故か長門が熱心に風船を配っていたのを、俺はよく覚えている。
熱心といっても、大声でスーパーの宣伝活動をするとか、そこまで積極的だったというわけでもなかったが。
そんな長門を見て、ハルヒが言った。
ハルヒ「有希、そんなにバイトが楽しかったのかしら?」
あの岬であの男と何かあったのか。
ループのこと知らされた後の31日になっても、俺は手付かずの宿題と睨み合いになりながらも気になり続けていた。
いや、もう知らん。どうにでもなれだ。
もしまた繰り返すんなら、そんなこと気になっても意味ないしな。
明日が来ようがこまいが、ま、それはそん時の俺に任せりゃいいか。
エンドレスエイト長門の夏休み 4巡目 終わり
823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 19:19:58.53 ID:aF+tD2I2O
今回はちょっと駄作気味ですまない
誤字脱字はながら投下なんで脳内変換をお願いしたい
ハルヒの性格については……ごめん
831 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 19:40:08.21 ID:aF+tD2I2O
1スレ使い切った方がいいのかな?
あと考えている話は
夏休みバイト三昧な話と
カナダに旅行に行く話
835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 19:53:45.44 ID:aF+tD2I2O
何か、おかしい。
何となく、そんな気がした。
テレビに映る試合は、俺とは全く縁もゆかりもない県同士の戦いだが、
負けている方をなんとなーく応援している気分でいると、
これまたなんとなーく、そろそろハルヒが騒ぎ出すような気がした。
♪〜♪〜♪〜
キョンの妹「キョン君電話〜」
キョン「言われんでも分かってる」
ピッ
ハルヒ『今日あんた暇でしょ?2時ジャストに駅前集合だから。ちゃんと来なさいよ』
ブツッ
俺は一言もしゃべっとらんのだが。
838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 20:03:51.73 ID:aF+tD2I2O
ピッ。
キョン「何だ?」
ハルヒ『持参物は特にないから。あと……』
キョン「自転車に乗って来るんだろ」
ハルヒ『ッはぁ?別に乗ってこなくていいわよ。遅れたら奢りってことを言おうてしたの。じゃ』
ブツッ
あれ?自転車に乗っていくんじゃなったか?
TV「打った大きい!」
キョン妹「あ、これ入るんじゃないかなー」
TV「入りましたー!」
キョン妹「ほらね」
840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 20:08:08.25 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「遅いわよキョン!もっとやる気をみせなさい!」
キョン「へいへい。待たせてすみませんね」
朝比奈さん「私も今来たところですー」
ハルヒ「それじゃあ全員揃ったことだし、出発しましょ!」
キョン「どこに?」
ハルヒ「スーパーよ。今日はSOS団でスーパーのバイトをするわ!」
842 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 20:25:48.11 ID:aF+tD2I2O
なんだかわからない内に集められた俺達は、なんだかわからないスーパーに行くこととなった。
キョン「ん゛ん゛ん゛……ぬぉぉぉ!」
ハルヒ「ほらキョン!もっと腰に力を入れなさい!」
古泉「これは、なかなか……」
みくる「あぅぅぅ、重いですぅ〜」
ハルヒ「古泉君にみくるちゃんも!しっかり運ぶのよ!」
長門「……」ヒョイ
長門「……」スタスタ
845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 20:39:01.89 ID:aF+tD2I2O
これから1時間ほど、俺達はスーパーの荷物の搬入を手伝うことになった。
まさか、こんなことをさせられるハメになるとは……
キョン「高重力化で肉体労働させれた沙慈の気持ちが気持ちがよくわかるぜ……」
古泉「あっはは、大丈夫ですか?」
ハルヒ「ご苦労さま!店長のおっさんも感謝してたわよぉ」
キョン「おっちゃんの感謝などいらん。バイト代は?」
ハルヒ「ないわよ!」
キョン「は……?」
ハルヒ「最終日にあるものを貰える約束なの。それまでしっかり働きなさい!」
848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 20:49:38.37 ID:aF+tD2I2O
こうして無報酬労働を強いられることになった俺達だったわけたが。
バイトの内容は日毎に変わり、レジ打ち、ビラ配り、電話番。
そして今日が最終日。カエルの着ぐるみを着て風船配りとは。
本当、しんどかったぜ……
キョン「で、あるものってのはなんなんだ?」
ハルヒ「これよ!」
ハルヒはカエルの着ぐるみの頭を持ち上げて、そう言い放った!
キョン「は?」
ハルヒ「私前からこれが欲しかったのよねー。おっちゃんもみくるちゃんに免じてくれるって言ってくれたの」
俺達はそんな事の為に額に汗して働いたのか。
ハルヒ「記念に部室に飾っときましょ。みくるちゃん、何時でも好きな時にこれ着ていいわよ。あたしが許すわ」
851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:02:10.64 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「それで、みんなには言いづらいことがあるんだけど」
キョン「なんだ?まさか、また明日もバイトだなんで言い出すんじゃないだろうな?」
ハルヒ「それがね、おっちゃんが有希の働きっぷりを気に入っちゃって」
長門「……」
ハルヒ「夏休み中でいいからシフトに入ってほしいって頼まれちゃったのよ」
キョン「ちょっと待て。そんな唐突かつ勝手に……長門の予定も聞かずにいいのか」
ハルヒ「そんなこと言われなくてもわかってるわよ。で、有希、大丈夫?」
長門「……問題ない」
何故だか、その時長門はハルヒの頼みも喜んで聞き入れているように見えた。
まぁ、長門がいいなら俺はこれ以上何も言うまい。
それにハルヒに付き合わされるより、スーパーでバイトしてるよりマシだろうがな。
ハルヒ「有希が働いた分の給料はSOS団の活動資金になるから、バリバリ働きなさい!」
これでいいのか、長門よ。
それに一応言っておくが、うちの高校はバイト禁止だぞ。
855 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:10:05.48 ID:aF+tD2I2O
翌日
店長「今日から9月まで働いてもらうことなった長門有希さんです」
長門「……」ぺこり
店員達「よろしくー」
店長「みんな知っての通り、彼女は数日前から店の手伝いをしてくれた子達の一人だ」
店長「彼女の学校はバイト禁止らしいからくれぐれも口外しないよーに!」
店員達「はーい」
店長「じゃあ長門さん、まずはレジやってもらおうかな」
長門「……」こくっ
860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:21:03.92 ID:aF+tD2I2O
店員1「長門さん」
長門「……」
店員1「この前あなた達にレジ打ちと接客の仕方を教えた○○よ。覚えてるかしら?」
長門「……」こくっ
店員1「そう。あなたは今日から正式なバイト扱いになったから、ちょっと見させてもらうわね」
長門「……わかった」
店員1「わかりました!」
長門「……わかりました」
店員1「うーん。あなた作業は凄い早くて適切なのに、愛想だけはないのよね」
長門「……改善する」
店員1「頑張りましょ!」
長門「……」こくっ
863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:28:03.27 ID:aF+tD2I2O
客「……」ガタッ
長門「……いらっしゃいませ」
ピピピピピピッ
店員(バーコードの読み取りが速い!)
長門「……お会計○○○○円になります」
客「え?もう?……えっと、はい」
長門「……1万円のお預かり」ピッピッピッ
ガシャッ
店員(レジから札と小銭をスムーズに取っていく。ベテランレベルのお釣り受け渡し術だわ!)
長門「……ありがとうございました」
866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:37:02.72 ID:aF+tD2I2O
〜休憩中〜
店員1「長門さん、あなた凄いわ!レジに立ってた3時間のうち、あなたのレジが一番売り上げがあったのよ!」
長門「……そう」
店員1「それもこれもあなたもレジ打ち技術が高いからね。会計までの流れが実にスムーズだったわ」
長門「……それほどでもない」
店員1「惜しいわぁ。明日は裏でラベル貼りするらしいし」
長門「……」
店員1「でも、ヘルプとか、またレジ打ちする機会はあるだろうし、その時はよろしくね」
長門「……」こくっ
店員1「でも、接客の時は笑顔じゃなくちゃ駄目よ!」
長門「……努力はしている」
店員1「あはは!それじゃ、休憩もそろそろ終わりにして、後半戦も頑張りましょ」
869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:41:59.20 ID:aF+tD2I2O
そして、長門の初日のバイトは終わった。
長門は午後から、閉店までの約6時間働き、店から出てくる。
店員達「有希ちゃん。お疲れ様ー」
長門「……お疲れ様」
1日目にしてもう長門は他の店員から有希ちゃんと呼ばれていた。
キョン「長門」
長門「……」
キョン「帰り、一緒に行っても大丈夫か?」
長門「……」こくりっ
872 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 21:48:30.47 ID:aF+tD2I2O
キョン「今日、俺達は丘の上で天体観測をしたよ」
長門「……知っている。本来なら私が居住しているマンションだった」
キョン「お前がバイトすることになったからか」
長門「……そう」
キョン「昨日、最後のバイトの夜、朝比奈さんと古泉に呼び出されてな。ループの話を聞いた」
長門「……知っている」
キョン「なら聞くが、なんでお前はバイトなんかしてるんだ?
バイトなんかしたとこで、9月は来ない。ただの働き損だぞ」
タダ働きになるより、ハルヒに搾取される方がまだマシかもしれん。
長門「……構わない」
キョン「どうしてた!?」
長門「……私の役目は観測だから」
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:06:06.60 ID:aF+tD2I2O
長門「……このループは、簡単には終わらない。今回でXXXXX回目に該当する」
キョン「XXXXX……!?」
XXXXX?XXXXXって……何だ?
長門、お前は何を言ってるんだ?
キョン「それはマジな話なのか?」
長門「そう」
キョン「ループしているのはわかってたが、それだけの回数、俺達は全く同じことを繰り返してきたってのか?」
長門「必ずしもそうではない」
長門「XXXXX回中、本来なら8月17日は市民プールに行く予定だった。
今回17日からSOS団がアルバイトをすることになり、私が本格的にシフトに組み込まれることになったのは、
XXXXX回に涼宮ハルヒが「有希、そんなにバイトが楽しかったのかしら?」と言ったことが原因だと推測できる。
他にも、本来なら18日に盆踊りに行き、19日には昆虫採集。アルバイトをするのは20日のみ。
アルバイトを行ったのはXXXX回であるが、その内容は5つに分岐する。
風船配り以外では、荷物運び、レジ打ち、ビラ配り、電話番。
今回はその全てを数日に分けて行うことになった」
キョン「長門、もういい」
長門「……聞いて」
881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:18:04.91 ID:aF+tD2I2O
長門「……私は、唯一この繰り返しの全てを記憶している」
キョン「あぁ……」
長門「……あらゆるパターンを試し、繰り返しから脱する可能性を模索している」
長門、お前はいったい今まで、どういった気持ちで過ごしてきたんだ。
長門「もういい加減にして」
キョン「はっ?」
長門「……そう、貴方や朝比奈みくる、古泉一樹は思うかもしれない」
キョン「確かにな」
長門「……でも、私は違う」
そう言うと、長門は両手の人差し指を自分の口の端の持っていき、そのまま少し吊り上げた。
長門「……楽しかった」
891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:27:14.42 ID:aF+tD2I2O
長門「……だから、私は明日もアルバイトをする。給料が欲しいわけでも、SOS団の活動資金のためでもない」
キョン「そういうことか」
長門「……8月31日が終わり、また8月17日が来ても、それは変わらない」
キョン「そうか。お前は楽しいんだな」
長門「……そう」
キョン「ならいいか。それじゃ、明日もバイト頑張れよ」
長門「……」こくっ
892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:33:22.66 ID:aF+tD2I2O
キョン「それじゃ、俺はこっちの道だから」
長門「……待って」
キョン「どうした?」
長門「……お面」
キョン「お面?」
長門「……盆踊りに行くパターンの時は、貴方はお面を買ってくれようとしてくれる」
キョン「そうなのか」
長門「……ありがとう」
キョン「そのセリフは、その時の俺に言ってやれ」
長門「……あと」
キョン「ん?」
長門「……宿題は早い内に済ませておくべき」
キョン「ゲッ!何故そのことを!?」
長門「……」てくてく
898 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:47:05.67 ID:aF+tD2I2O
翌日も、そのまた翌日も、長門はバイトに行った。
そりゃそうだ。8月31日まではシフトが組まれてる。
たまにスーパーに行くと、レジ打ちや商品の陳列、惣菜コーナーで惣菜を作っている長門を見かけた。
長門のいないSOS団はSOS団で、夏休みの予定表に書かれたことをこなしていく毎日だ。
そしてやってきた8月30日。
長門抜きで集まった喫茶店。
ハルヒは満足していないのだと、俺達3人は感じていた。
だが、俺達はハルヒを帰えしてしまう。
あの1万何千回と繰り返してきたあの2週間を、また延々と繰り返す羽目になっちまうというのに。
でも、何をすべきなんだ?何を言うべき何だ?ハルヒの言葉の中にそのヒントはあったはずだ。
だが、それは何だ?あいつは今までなんて言ってきた?
駄目だ。わからない。待て、待てよ。ハルヒ。
これじゃ、俺達の「もういい加減にして」という気持ちを、また長門に味わわせることになっちまう……!!
900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 22:57:16.31 ID:aF+tD2I2O
8月31日。
俺は机と向き合い、せっせと宿題をしていた。
わからないとこを朝比奈さんや、癪だが古泉に訊いたりもした。
もしまた繰り返すんなら、宿題なんぞやったところで意味はない。
そう思ってやらないのは簡単だ。
だが、もしやったら、もしかしたらこのループから抜け出せるかもしれない。
そう思いつつ宿題を進めていたが、最後の1ページというところで、時計は0時になってしまった。
エンドレスエイト長門の夏休み 5巡目 終ワレ!
原作未読者なんだかもしかしたら原作ネタバレかもしれないのでこんなオチ
カナダの話はまたいつか別にスレ立ててやります
数日後付き合ってくれてありがとう
924 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/01(土) 23:11:16.97 ID:aF+tD2I2O
乙つきすぎwww
ハルヒについては本当謝るしかない
ファンの人本当ごめん
これはアニメを見てて長門が不憫すぎたから書いたSSなんだ