1 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:25:03.07 ID:ukrKKbtG0
長門「場所は下唇の裏側。大きさは5mm程度」
長門「多少痛みはあるものの日常生活には問題ない」
長門「………」ｸﾞｰ
長門「夕飯にする」
3 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:30:19.44 ID:ukrKKbtG0
長門「…できた。今日はこくまろ辛口」
長門「いただきます」
長門「………」ﾊﾌﾊﾌ
長門「………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
長門「！！！！」ｽﾞｷﾝ
4 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:35:00.14 ID:ukrKKbtG0
長門「カレーを一度に頬張り過ぎた」
長門「………痛い」ｼﾞﾜ
長門「一気に食べるのは危険。少しずつ食べる」
長門「………」ﾊﾟｸﾊﾟｸ
長門「………」
長門「………」ﾚﾛ
長門「〜〜〜〜っ！！」ｽﾞｷﾝ
7 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:40:53.33 ID:ukrKKbtG0
長門「舌についたカレーを直に当ててしまった」
長門「不覚」ｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝ
長門「口内炎が気になってカレーに集中できない」
長門「しかし、熱々のカレーをﾊﾌﾊﾌしながらかっ込むのがカレーの醍醐味」
長門「このままﾁﾋﾞﾁﾋﾞ食べていてはカレーを満喫できない」
長門「…これは由々しき問題」
8 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:48:41.71 ID:ukrKKbtG0
長門「…これはもう情報操作しかない」
長門「口内炎の除去を申請」
長門「………」
長門「………」
長門「………？」
＜ﾋﾟﾛﾘﾛﾘﾝ
長門「キタ！」
12 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:52:29.72 ID:ukrKKbtG0
【父より】
＿＿＿＿＿
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/ /ヽ＿＿／/
/ 却下 / / /
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/ / /
長門「なん…だと……」
14 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:57:08.65 ID:ukrKKbtG0
長門「………なぜ」
？？？「それは私から説明しましょう」
長門「誰！？」
喜緑「こんばんは。長門さん」
15 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/09(木) 23:58:40.11 ID:ukrKKbtG0
喜緑「情報操作までしようとするなんて、随分お困りのようですね」
長門「そう」
長門「これは一大事。なのに申請が却下された。納得のいく説明を要求する」
喜緑「………」
長門「おい」ｲﾗ
喜緑「はい？」ﾆｺ
長門「なんでもない(目が笑ってない…)」
喜緑「では、申請が却下された件ですが…」
喜緑「却下したのは私です」ﾆｺ
18 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:06:38.11 ID:PN/bKxBZ0
長門「おい、こらワカメ」
喜緑「ﾅﾆｶｲｲﾏｼﾀ？」
長門「なぜ却下されたんでしょうか、喜緑お姉さま」
喜緑「長門さん、心当たりはありませんか？」
長門「………」
長門「ない」
喜緑「本当に？」
長門「………はず」
喜緑「………」
長門「…一昨日、体育館の裏に穴掘って『ワカメうざい』って言いました」
喜緑「…それだけ？」
長門「昨日は生徒会室の棚にあった茶菓子を全て食べました」
喜緑「…今日は？」
長門「今日はまだ何も…」
20 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:12:22.82 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「そうですか」
長門「そう。信じて」
喜緑「…わかりました。信じましょう」
長門「ﾖｼ！」ｸﾞｯ
喜緑「………」
長門「ﾅﾝﾃﾞﾓﾅｲﾃﾞｽ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
長門「それで…」
喜緑「はい？」
長門「申請が却下された原因はどれ。謝罪する。
だから口内炎の除去を許可してほしい」
喜緑「あら、全部違いますよ」
22 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:17:48.52 ID:PN/bKxBZ0
長門「？？？」
喜緑「長門さん、今日の夕飯は？」
長門「こくまろ辛口」
喜緑「朝と昼は？」
長門「朝はカレーパン。昼は学食のカレーライス激辛大盛り」ﾌﾞｲ
喜緑「昨日は？」
長門「熟カレー辛口とバーモント中辛のブレンド」ﾊｧﾊｧ
25 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:22:33.14 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「それです」
喜緑「…もう、理由はわかるわね？」
長門「………」
長門「………」
長門「………はっ！？」ｿﾝﾅﾏｻｶ
喜緑「どうやら気づいたようね」
長門「わかった」ｺｸ
長門「迂闊だった」ﾜﾀｼﾄｼﾀｺﾄｶﾞ
長門「味がすべて辛口」ｺﾚｼﾞｬ痔ﾆﾅﾙ
喜緑「違います」
26 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:30:53.52 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「毎日毎日カレーばかり…」
喜緑「そんな偏食ばかりしていから栄養が偏って口内炎ができるんです」
長門「………」
長門「それは違う」
喜緑「何が違うんですか？」
長門「確かに私はカレーばかり食べている。それは認める」
長門「…だが、ちょっと待ってほしい。本当にカレーばかり食べると栄養が偏るのだろうか」
喜緑「偏るでしょう」
27 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:35:38.94 ID:PN/bKxBZ0
長門「私はここに提唱する…」
長門「カレーこそ究極の総合栄養食であると」ｸﾞｯ
喜緑「昔、焼きそばで同じこと言っている方がいましたが10代で死にましたよ」
長門「死因は爆死だから問題ない」
32 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:42:54.59 ID:PN/bKxBZ0
長門「というわけで申請の許可を」
喜緑「ダメです」
喜緑「反省の意味を込めて、長門さんが今の食生活を改善させるまで許可は出しません」
長門「このワカメ」
喜緑「…どうやら反省が足りないようですね」
長門「？」
喜緑「パーソナルネーム、長門有希の口内炎を3倍に拡大」
長門「！！！！」
34 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:51:34.67 ID:PN/bKxBZ0
長門「………」ｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝ
長門「（普通にしてても口内炎に歯がこすれて地味に痛い。唾液も染みる）」
長門「これはヤバイ」
喜緑「そういえば、カレー以外の件についてもお仕置きが必要ですね」
長門「！？」ﾋﾞｸｯ
長門「………な…さい」
喜緑「何ですか？長門さん」
長門「ごめんなさい」
36 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 00:58:16.43 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「反省しましたか？」
長門「した。とてもした」
喜緑「本当は？」
長門「そんなに……あっ」
長門「なんという誘導尋問」
38 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:03:33.73 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「パーソナルネーム、長門有希の口内炎を増殖。
喉に1つ、両頬に各1つ、上唇の裏に１つ…」
長門「…もう、そのぐらいで止めておくべき」
喜緑「それと、舌の上にも１つ」
長門「私に死ねと？」
39 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:07:20.87 ID:PN/bKxBZ0
喜緑「さてと、それじゃ長門さん。お大事に」
長門「まさか」
喜緑「最初に言ったとおり、反省するまでそのままです」
長門「ちょっと待っ……行ってしまった」
長門「………」
長門「もう寝よう」
41 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:14:33.20 ID:PN/bKxBZ0
長門「歯を磨かなくては…」
長門「………」ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ
長門「うがいするだけで激痛が…」
長門「………」ｼｬｶｼｬｶ
長門「歯磨き粉までカレー味にするんじゃなかった」
長門「………」ｼｬｺｼｬｺ…ｼﾞｮﾘッ!
長門「あｑｗせｄｒｆｔｇｙふじこｐ」
長門「歯ブラシで口内炎を磨いてしまった」
長門「死ぬかと思った。…これが有機生命体の死の恐怖」
44 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:25:24.13 ID:PN/bKxBZ0
【翌日：放課後】
長門「………」ﾊﾟﾀﾝ
ハルヒ「よし、今日の団活はこれにて終了！解散！！」
キョン「やれやれ、やっと終わったか」
長門「（結局、口内炎の痛みで本に集中できなかった）」
キョン「………（なんか長門が疲れてるような）」ｼﾞｰ
キョン「なぁ、長門」
長門「なに」
キョン「何かあったのか。また、ハルヒの奴が何かやらかしたのか？」
長門「………別に」
キョン「そうか」
長門「そう。あなた気のせい」
長門「（言えない。カレーの食べ過ぎで口内炎になったなんて言えない）」
45 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:36:06.63 ID:PN/bKxBZ0
キョン「（長門はそう言うけど、やっぱり疲れてるように見える）」
キョン「（思えば長門にはいつも頼ってばかりだし、長門の疲労の原因の一部は俺かもしれないな）」
キョン「（たまにはお礼でもするか…よし！）」
キョン「なぁ、長門。この後、ちょっと時間あるか？」
長門「なぜ」
キョン「いや、ちょっとな。なにか用事があるなら別にいいんだが…」
キョン「長門と一緒に行きたい所があるんだ」
長門「！？」
長門「（彼からのお誘い…これは俗に言う『デートのお誘い』では！？）」ｿﾜｿﾜ
キョン「やっぱダメか？」
長門「………」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
長門「問題ない。ノープログレム。オールクリア」
47 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:49:41.17 ID:PN/bKxBZ0
キョン「いや〜、実は駅前に新しい店がオープンしてな。
是非とも長門と一緒に行きたいと思ってたんだ」
長門「そう」ﾃｸﾃｸ
長門「（涼宮ハルヒでも朝比奈みくるでもなく私と一緒に…）」
長門「（これは…もしやフラグというヤツでは！！）」
キョン「おっ、見えてきたぞ長門。あれだあれだ」
長門「そう（いったいどんなお店…）」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
【カレーショップ KOKO☆壱】
長門「ですよねー」
49 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 01:59:32.02 ID:PN/bKxBZ0
キョン「（やっぱり長門を元気づけるとしたらカレーだろ）」
長門「（口内炎が…）」
店員「らっしゃい」
キョン「あっ、２人なんですけど」
店員「よろこんでー」
長門「（色々とおかしい。このお店）」
店員「ご注文は？」
キョン「え〜と。どうする長門？」
長門「水で…」
キョン「はは、遠慮しなくていんだぞ。今日は俺のおごりだからな」
長門「………」
50 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 02:09:48.06 ID:PN/bKxBZ0
長門「（このままでは彼の好意を踏みにじることになる）」
長門「（でも、口内炎が痛い。このままカレーを食べたら間違いなく私のクールキャラは崩壊する）」
長門「（どうしよう）」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
キョン「（長門の奴、震えるほど喜んでくれるなんて…）」
キョン「おっ、これは…」
〜30以内に激辛大盛りカレーを食べきれば１万円〜
キョン「よし、店員さん。激辛大盛りカレーとポークカレー」
長門「え？」
店員「よろこんでー。おにいさんが挑戦するのかい？」
キョン「いや、挑戦するのはこっちの子だ」
長門「なんと」
53 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 02:18:00.85 ID:PN/bKxBZ0
キョン「長門、お前ならこれぐらい余裕だろ」
長門「そう……ﾃﾞﾓﾅｲ」
キョン「ん、なんか言ったか？」
長門「なにも」
店員「はい。激辛大盛りカレーお待ち！！」
キョン「よし、学食の大盛りカレーで鍛えたお前の胃袋を見せてやれ！」
長門「………」
長門「（カレーの匂いを嗅いだだけで口内炎がうずく）」ｽﾞｷﾝｽﾞｷﾝ
キョン「がんばれー！長門ー！！」
長門「（でも、彼の期待を裏切るのはイヤ）」
長門「（ここは覚悟を決める！！）」
57 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 02:28:33.03 ID:PN/bKxBZ0
長門「いただきます」ﾊﾟｸ
長門「………」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
キョン「どうした、長門？」
長門「平気」ﾊﾌﾊﾌ
長門「〜〜〜〜！！！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ
キョン「やめろ！叩き過ぎてテーブルにヒビが！！」
長門「ﾌｧｰ…ﾌﾞﾙｽｺ…ﾌｧー…ﾌﾞﾙｽｺ…ﾌｧ-」
キョン「長門っ？！」
長門「…い…ひゃい。くちのにゃか…ﾋｯｸ……いひゃい」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
キョン「長門っ？！」
58 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 02:36:02.90 ID:PN/bKxBZ0
キョン「どうした、カレーが辛すぎて痛いのか？」
長門「…ち…違う」ﾊﾟｸ ﾊﾟｸ
客１「見て、彼氏が彼女に激辛大盛りカレーを強要してるわよ」ﾋｿﾋｿ
客２「最低…彼女泣いてるし。だいたい、あんな細い子が大盛りなんて食べられるハズないじゃない」ﾋｿﾋｿ
店員「うわ〜、そこまでして１万円欲しいかよ」ﾋｿﾋｿ
キョン「え？いや、これは…」
長門「悪いのは私。彼は悪くない…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
キョン「長門…」
63 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 02:47:35.61 ID:PN/bKxBZ0
キョン「長門、もうやめよう」
長門「ダ…メ……」ﾊﾌﾊﾌ
キョン「もういいって、今日は調子が悪いんだろ？また別の日に来よう」
長門「………」ﾌﾙﾌﾙ
キョン「なんでそこまで！！」
長門「…私がここで食べるのを止めたら、このカレーは残飯として捨てられる」ﾊﾟｸﾊﾟｸ
キョン「………」
長門「それはダメ。カレーに対して申し訳ない」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
店員「そこまでしてワシのカレーを…」ｸﾞｽ
長門「このカレー自体は不味い。辛いだけ。
スパイスの香りもカレーのコクもまろやかさもない。
今すぐ店をたたむべき」
店員「あれ？」
69 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 03:04:46.54 ID:PN/bKxBZ0
店員「ありがとございましたー」ﾆﾄﾞﾄｸﾙﾅｰ
キョン「結局、全部食べきったな」
長門「………ｹﾌﾟ」
キョン「長門は本当にカレーが好きなんだな」
長門「………」ｺｸ
キョン「今日は悪かったな。体調悪いのに無理させて…」ｼｭﾝ
長門「………」
70 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 03:07:02.10 ID:PN/bKxBZ0
長門「もう１つ」
キョン「ん？」
長門「私がカレーを完食した理由。もう一つある」
キョン「ほう、そりゃ是非とも聞いてみたいな」
長門「あなた」
キョン「…スマン、もう少し判るように説明してくれないか？」
長門「………」ｽﾀｽﾀ
キョン「あ、おい、長門！」
長門「（あなたが…初めて私にごちそうしてくれたカレーだから）」
〜 おわり 〜
74 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日：2009/07/10(金) 03:19:34.99 ID:PN/bKxBZ0
|l､{ j} /,,ｨ//｜ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ！
|ﾘ u' } ,ﾉ _,!V,ﾊ | ＜ 『おれは口内炎の長門を書いていたと
fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ , ﾀ人. | 思ったらいつのまにかカレー好きな長門を書いていた』
ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ | 書き溜め(笑)だとか誤爆だとか
ヽ iLﾚ u' | | ヾｌﾄﾊ〉. | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ﾊ !ニ⊇ '／:} V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
/:::丶'T'' ／u' __ /:::::::/｀ヽ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
最初は眉毛とワカメに口内炎で遊ばれる長門を書くつもりだったのに…。
勢いだけでやるからこうなるのか。
こんなのに遅くまで付き合ってくれた方、どうもありがとうございました。