1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 21:48:40.63 ID:Fz69Xm6g0
キョン「……はぁ? 何すか、急に?」
みくる「行きます!」
びゅんっ
キョン「おわっ、危ねっ」ヒョイ
びたーん
みくる「あいたっ! 〜〜っ、な、何で避けるんですか〜?」
キョン「ええええぇ〜……」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 21:50:35.70 ID:Fz69Xm6g0
みくる「もう一度……、大人しく死んでくださ〜い!」
ぶぉん
キョン「あらよっと」ヒラリ
ずがーん
みくる「ふ、ふぇぇ……。痛いですぅ……」
キョン「だ、大丈夫ですか? 朝比奈さん?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 21:54:01.54 ID:Fz69Xm6g0
キョン「あの……、どうしたんです? 突然?」
みくる「キョン君……何で、何で避けるんですかぁ?」
キョン「いやいや、そりゃ避けるでしょうよ普通……」
キョン「とにかく、そのナイフをこっちに寄越して下さい。マジビビ……ってはいないか別に。危ないですから、主にあなたが」
みくる「そんなこと出来ませんっ! どうして、大人しく死んでくれないんですかぁ……?」
キョン「はぁ?」
キョン「……いや、誰だって嫌でしょう。死ぬのは」
みくる「私には有機生命体の死の概念なんてわかりませんっ! 教えてくださいっ!」
キョン「ええええぇ〜……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 21:55:50.26 ID:Fz69Xm6g0
キョン「ハァ……。朝比奈さん。朝比奈さんだって、痛かったり、怖かったりするのは嫌いでしょう?」
みくる「え、ええ。……そりゃあ、まあ」
キョン「“死ぬ”ってのは、簡単に言えば、そういう嫌ぁ〜なことの最上級みたいなモンなんです」
キョン「どうです? こう言えばわかってもらえるでしょう?」
みくる「ええっ!? そ、そんなことを私はキョン君に……?」
キョン「そうです。しかも、死んだ人間はいなくなっちまってそれっきり、取り返しはつかないんです」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 21:59:16.20 ID:Fz69Xm6g0
みくる「あわわわわ……。わわわたわた私ったら、何てことを……」
キョン「わかってもらえましたか?」
みくる「で、でもでもっ! 私の力を使えばひょっとしたら後で肉体の再構成が効くかもっ」
キョン「そんな危ない賭けには乗れません(ったく、思わせ振りな手紙に釣られてまんまと来てみたらこれだよ……)」
みくる「い、一回だけでもっ! 試してみませんか?」
キョン「絶対嫌です(もっと違う状況で言われたら、全然ニュアンス違うんだろうがなぁ……)」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:02:25.50 ID:Fz69Xm6g0
キョン「――どうして、急に俺を殺そうなんて?」
みくる「……私、もう飽き飽きしてたんです。変化のない観察対象に……」
キョン「観察対象って、ハルヒのこと、ですよね?」
みくる「そうです。何も無いまま待ってたってどうせジリ貧なんだし、それなら多少急でも、何とか変化を起こせないか、って」
みくる「それなら私が、って思ったんですけど……」
キョン「それで、俺を殺すことでハルヒが何かしらのリアクションを見せるかも、と?」
みくる「はい……。でも、それがまさか、そんなに大変なことだったなんて。私知らなくて……」
キョン「マジかい……」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:05:08.46 ID:Fz69Xm6g0
みくる「ひ〜ん。キョン君、ごめんなさいぃ……」
キョン「ハァ……。まあ、わかって頂けたんなら構いませんよ。――そいじゃ俺、帰らせてもらいますね。」
キョン(付き合ってられん。俺のトキメキを返してくれ)
キョン「……っと。ん? 何じゃこりゃ!? 扉が無いっ? っつか全部壁っ! どうなってるっ!?」
みくる「あっ、スミマセンっ。一応、逃げられないように脱出路を塞がせてもらいました。今、解きますね」
キョン「……やれやれ、むちゃくちゃだ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:08:25.58 ID:Fz69Xm6g0
キョン「……」
みくる「……っと……こうだったかな…………あれ?……」
キョン「……(まだかな)」
みくる「……おかしいな…………それなら……でも……何でぇ〜?…………」
キョン「…………、あの、朝比奈さん?」
みくる「キョン君……あ、あの…………、と〜っても申し上げ難いんですが……」
キョン「……」ジトー
みくる「解除コード……、忘れちゃいました…………」
キョン「これだよっ!」
みくる「ふ、ふぇぇ〜ん! 出られなくなってしまいました〜っ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:10:59.54 ID:Fz69Xm6g0
みくる「ひ〜ん! 帰りたいよ〜! お腹空いたよ〜! 死ぬ〜!」
キョン「泣きたいのはこっちですよ……」(の○太かこの人は……)
どがんっ!
キョン「のわっ! 今度は何だっ!?」
鶴屋「みくる〜っ? あ! やっぱりここにいた〜!」
みくる「鶴屋さんっ!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:15:06.67 ID:Fz69Xm6g0
キョン「あ、あなたは……?」
鶴屋「あれ〜? この人って……、まさか! みくるあんたぁっ! 勝手なことしちゃ駄目って言ったでしょぉっ?」
みくる「な、何のことですか〜?」ヒューヒュー
鶴屋「いやいや、口笛吹けてないしごまかせてもないから」
鶴屋「ったく、言ったでしょ? 上の意向はまだ慎重論で占められてんだから、独断専行は禁止だって」
みくる「そそ、そんなこと言われなくたってわかってます〜。鶴屋さんこそ、何でこんなとこにいるんですかぁ?」
鶴屋「みくるぅ、あんたの貧弱な情報操作なんかであたしを出し抜けると思ってたの?」
鶴屋「まったく、あれほど練習しとけって言ったのに、全然進歩してないんだから……」
みくる「き〜っ! 鶴屋さんはいっつもいっつも口うるさいですぅっ!」
鶴屋「何ぃ? みくるがこうやって毎度ドジばっか踏むからだろ〜!」
ケンケンゴーゴー
キョン「……あの、俺、帰ってもいいすかね…………?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:19:38.76 ID:Fz69Xm6g0
みくる「大体、鶴屋さんは私のバックアップのはずなんだから、主導権は私に委ねるべきですっ!」
鶴屋「みくるね、あんたそりゃ、“バックアップ”の意味、履き違えてるよ」
鶴屋「あたしはね、こうしてあんたがドジやったり暴走したときのための“バックアップ”なの」
鶴屋「だから、今のあたしの行動こそ、あたしの本分なんだよ」
みくる「うぐぐ……っ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:23:53.88 ID:Fz69Xm6g0
鶴屋「ったく、これだから……。カンベンしてよね〜。毎回統合思念体のオヤジに怒られんの、あたしなんだからさぁ」
みくる「ムキ〜っ! 鶴屋さんなんか、私より年下のくせに〜!」
鶴屋「二人とも三歳じゃん! 同年だろぉっ!」
みくる「私の方が、ちょ〜っとだけ、生まれるの早かったですぅ〜!」
鶴屋「何を〜っ!」
アーダコーダ
キョン「ハァ……、帰るか。そいじゃ、お疲れさまでーっす」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:29:38.56 ID:Fz69Xm6g0
長門編
長門「――着いた。もう目を開いても良い」
キョン「あぁ……って、これは…………っ!」
長門「涼宮ハルヒの精神が不安定になった際生じる次元断層の隙間。私たちは閉鎖空間と呼んでいる」
長門「着いてきて」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:31:43.54 ID:Fz69Xm6g0
キョン「……」
長門「……」
キョン「……あの、長門さん?」
長門「何」
キョン「もう一人で歩けるから。手を放してくれても良いんだぞ?」
長門「……このままで良い」
キョン「……?」
長門「……あなたをここへ連れて来たのは単なる口実。本来の目的はこうして歩くことにある」
長門「だから、何も問題は無い」
キョン「……////」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:33:42.12 ID:Fz69Xm6g0
キョン「屋上……?」
長門「あれを見て」
キョン「? げ、げぇっ!? 何じゃありゃ! でぇだらぼっち!?」
長門「私たちは神人と呼んでいる。“でぇだらぼっち”が正式名称なら、これからはそう呼ぶよう、機関にも通達する」
キョン「いや知らんからっ! 何なんだあれはっ!」
長門「機関では、涼宮ハルヒの精神的ストレスが具現化したものだと考えられている」
長門「ああしてこの空間で破壊行動をすることで溜まった懊悩を軽減しているものと思われる」
キョン「はぁ〜、あいつも苦労してんのかねぇ……」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:36:21.46 ID:Fz69Xm6g0
キョン「あの赤いのは? びゅんびゅん飛び回ってる」
長門「私の仲間。機関の同士たち。こうして定期的に現れる神人を退治するのが、私たちの役目。暴れさせたままにしておくわけにはいかないから」
キョン「へぇ〜。じゃ、お前もアレと戦うのか?」
長門「そう」
キョン「ふーん……」
長門「……」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:39:53.63 ID:Fz69Xm6g0
キョン「……」
長門「……」
キョン「……長門?」
長門「何」
キョン「行かなくて良いのか? 仲間が働いてるぞ、結構苦戦してるっぽいが……」
長門「……」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:41:16.07 ID:Fz69Xm6g0
長門「……」
キョン「……なあ」
長門「見て」
キョン「え? ああ、押されてるっぽいぞ。早くしないと――」
長門「綺麗でしょう?」
キョン「は? ん、んん……。まあ見方によっては」
長門「……」
キョン「?」
長門「……」ピトッ
キョン「!」
長門「……」スリスリ
キョン「……(まあ、いっか////)」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:42:55.09 ID:Fz69Xm6g0
案外量無かったな
終わりです
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 22:58:23.50 ID:Fz69Xm6g0
頑張って書いてみようかと思ったけど……
すまん!何も浮かびませんでした!
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 23:11:33.86 ID:Fz69Xm6g0
古泉編
古泉「お久しぶりです。もう一度会えて光栄ですよ」
キョン「……誰? 俺には、あんたみたいなナイスミドルの知り合いに心当たりはないが……」
古泉「嫌だなぁ、僕ですよ。古泉一樹です。ただ、あなたの知っている僕より、ずっと未来から来ました」
キョン「……」
古泉「おや? 信じて頂けてないようですね。何なら、証拠をお見せしましょう――」
カチャカチャ ジー スルスル
キョン「何を――? ってうわ! 変なモン見せんじゃねえっ! やめろーーーーーーーーっ!!」
終わり。惰性ですまんね