佐々木「僕をガッカリさせないでくれよ?」


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トップ 作品一覧 作者一覧 掲示板 検索 リンク SS:みくる「わたしの靴箱に何か入ってる……?」

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35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 07:50:19.42 ID:15Xb7DzwO



「おっはー!」

キョンの後ろから声をかけてきたのは……
まさに容姿端麗。誰もがすれ違いざまに視線を向ける程の美人だった。

キョンが僕にも見せたときの無い満面の笑顔を彼女に向けている。

胸のあたりが痛い。 あの笑顔を僕にも向けてほしい……

「なんだ?今日は少しおそいんじゃないか?」

「ふふっ♪」

というと、彼女はキョンの手を握り

「なんか朝からキョンに会いたかったの!」



保守

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 08:00:31.15 ID:15Xb7DzwO



「朝から照れるだろうが。」

「いいじゃない?だって付き合ってるんだし」

……
二人の会話を聞いていると、僕はまるで世界に独りぼっちになった感覚におそわれる。
キョンの中には彼女しかいない……

いや、まだだ。 キョンに相応しいかはもう少し見てみる必要がある。
それからまた考えよう。もしかすると、キョンが嫌がっているかもしれないし……

「くつくつ。僕はいつからありもしない事を考えるようになったんだろう?」

二人が坂を登る後ろ姿を見ながらむなしくつぶやいた。

支援

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 08:09:33.98 ID:15Xb7DzwO



「さて、これからどうしたものか。」

校門の前まできて、自分の愚かさに気付き思わず笑ってしまう。
僕はこの学校の生徒ではない。ましてや、制服だって違うものを着ている。
このご時世、やすやすと外部の人間を校内にははいらせないだろう。


途方に暮れていると後ろから誰かが声をかけてきた。

誰か書けよ!支援

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 08:20:45.01 ID:15Xb7DzwO



「……不審者。」

そこにいたのは少し小柄な女性。
まづい。私は少し周りの視線を集め始めていた。何か言い訳を考えないと……

「くつくつ。僕は不審者ではないよ?この学校にキョンっているの知ってるかい?」

「彼の事は知っている。彼に何か用?」

しめた。僕は今日は運がいいようだ。

「彼にね、頼まれごとがあったんだが……うっかり忘れていてね。急いで北高にきたんだが中に入れないことに気付いてね。途方に暮れていたとこさ。」

「そう」

というと、彼女はブツブツと何か言い始めた。

「中に入る。」

というと、私の手をひっぱり校門にむかいはじめた。

会社行くからここまで。支援

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 08:37:58.39 ID:15Xb7DzwO

帰ってくるのは夕方です。それまで書き手さんがいないなら書きます。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 12:26:46.96 ID:15Xb7DzwO



「ちょっ……まってくれないかな?」

「なに?」

「僕は部外者だ。このままでは止められてしまう……」

「問題ない。」

校門が近づいてくる。教師がこちらを見ている。

「おはよう」

「えっ……?」

教師は違う制服を着てい僕をまるで北高の生徒であるかのように挨拶をしてきた。

「どうなってるんだ……」

「あなたはすでに北高の生徒と認識されている。クラスもある。そのようにした。」

「いったい何をしたんだい?」


昼休み投下

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 12:34:55.76 ID:15Xb7DzwO



「情報操作した。」

「なんだって?」

「くわしくは話せないが、あなたはどちらかといえばこちらの世界の人間。」
「こちらがわ……?くつくつ。なにがなんだかわからないが、やはり僕は今日は運がいいよだ。」

「……あなた………ったから。」

僕はこれからの事を考えていて彼女の言葉を聞いてはいなかった。

「ん?何か言ったかい?」

「なんでもない。そのうちわかる。」

というと、そそくさとどこかにいってしまった。

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 12:42:33.39 ID:15Xb7DzwO



「さてと……入ったはいいがどうしたものかな……」


彼女は僕にもクラスがあると言ったが聞き忘れてしまった。

「くつくつ。僕としたことが舞い上がってしまってるようだ。」

まずは自分の立ち位置を把握しなくては。せっかくの彼女の行為が無駄になってしまうな。
この情報操作とやらがいつまでもつかわからないが…… 多分、今日1日くらいは大丈夫な気がする。



そろそろ時間がきつい。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 12:52:34.92 ID:15Xb7DzwO



朝のチャイムがなり、途方に暮れてしまう。
すると後ろから誰かに声をかけられた。

「おい!佐々木じゃないのか?早く教室に入りなさい!ホームルームがはじまるぞ!」

話からさっするにどうやら担任の教師らしい彼の後をついていく……

教室に入ると一斉に視線を集めてしまい冷や汗がでる。 やはり何かの間違いなのか……

「おはよう!佐々木さん♪珍しくギリギリなのね?」

彼女の言葉を聞いて安心する。どうやら彼女の情報操作は完璧らしい。

「くつくつ。僕とした事が忘れ物をしてしまって、一回家に戻ったんだよ。」

当たり障りのない返答をして、とりあえず席につくと、教室の後ろから大きな声が聞こえたので振り向くと……




仕事始まるので、また。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 19:40:47.74 ID:15Xb7DzwO



「くつくつ。彼女も気の回しがいいね。」

そこにはキョンと涼宮さんが仲睦まじくなにやら会話をしていた。

「ねぇ、キョン!今日は私もメイド服着てみようと思うの!どうかな?」

「どうかなも何も……似合うだろう……///」

「ちょっ……///  何恥ずかしいこと真顔で言ってんのよ!  まぁ、嬉しいけどね♪」

こっちにまで恥ずかしくなるような会話をしているな。


僕にも似合うだろうか……

ねえ、キョン。僕はここにいるよ? 僕にもその言葉をかけてくれないかな……。


正直なにも考えてないからきついけど、再開。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 19:46:42.13 ID:15Xb7DzwO



どうやら僕は自分で思うより嫉妬深いらしな。当初の目的は彼女がキョンに相応しいかを見るために北高にきたはずだ。
それがどうだろう……。
今は二人を遠め目からみながら、彼女に自分を重ねて見てしまっている。

僕はなんて贅沢なんだろう。 こうやってキョンを見れて、同じクラスになっているというだけでも奇跡なのに……

僕はどうやらキョンの彼女になりたいみたいだ。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 19:48:15.85 ID:15Xb7DzwO



「どうしたの?佐々木さん?なんか今日変だよ?」

名前がわからない同級生に話し掛けられ、ようやく現実に戻ってくる。

「いや、なんでもないよ。 それよりあの二人はいつから付き合ってるんだい?」

「えっ? いつからだったかな……。最近なような……。まあ、入学当初から二人は仲良かったから、まぁこうなるのは時間のもんだいだったんじゃないかな?……急にどうしたの?」

「くつくつ。変なことを聞いて悪かったね。いや、特に気にしなくていいよ。」

「ふ〜ん。」

というと彼女は前を向いてしまった。
どうやら、今日僕は本当についているな。



95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 19:49:20.19 ID:15Xb7DzwO



キョンを思い学校に来てみたら、名も知らぬ女性に助けられ、ましてやキョンとクラスにもなれた。


キョンをこんなにも近くで見れる。なんて運がいいんだ。

それに……








こんな泣き顔を誰にも見られないなんて……


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:04:05.45 ID:15Xb7DzwO



キョンは昔から女性とは縁のない男子だった。

中3のころもたまたま塾が一緒だった僕と仲良くなり、一緒に帰ったり、雑談したり、たまに買い物に行ったり。


僕はキョンの特別だと思っていた。 僕だけが彼の隣に居れるんだとさえ思っていた。。


なんて愚かなんだろう……

彼も1人の男性だ。恋の一つや二つするものだとわかっている。わかっているのだけれども……



98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:05:02.16 ID:15Xb7DzwO



ホームルーム中、なんとか気分を落ち着かせることができた。

ダメだな。こんな事では彼女の行為が無駄になってしまうな……しっかりしないと。

ホームルームが終わり、次の授業が始まる間に気になる会話を聞いた。

「キョン………団活………………でいいよね?」


団活? キョンは何かクラブに属しているのだろうか?
中学から帰宅部のキョンがなんと珍しい。これは気になるな……
涼宮さんがいるからはいっているのだろうか?



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:11:48.68 ID:15Xb7DzwO



「あの二人は何か部活に入ってるのかい?」

「えっ!?佐々木さん知らないの?」

「くつくつ。僕は人より鈍いらしいね。詳しく教えてくれないかな?」

彼女は少し唖然とした顔で話し始めた。

「SOS団よ!」

「SOS団?」

僕が生きていた中でそんなクラブは聞いたときないな……

「どんなクラブなんだい?」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:12:44.67 ID:15Xb7DzwO



「……本当に知らないんだ。まぁ、いいわ。」



……
彼女の話をまとめると、涼宮ハルヒを中心として作られた正体不明の部活?らしい。メンバーはキョンをはじめ、誰とも接点をもちたがらない長門有希。 転校してきたイケ面、古泉一樹。 そして、二年のアイドル朝比奈みくる。


この五人からなる宇宙人、未来人、超能力者を集めて遊ぶ事を目的としているらしい。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:14:02.99 ID:15Xb7DzwO



「くつくつ。」

思わず笑ってしまう。キョン。君は数ヶ月会わないだけで、ずいぶんと変わってしまったようだね……。

「僕も入っていいのかな?SOS団。」

「えっ?入りたいの!?」

「実におもしろそうじゃないかない?」

「私には理解できないわ……ただ、涼宮さんに気に入られないと入れないらしいね。まぁ、誰も入ろうとは思ってないけど……」

「だろうね。」

僕は笑いながら、どうやればSOS団に入れるか考えていた。

その時だった。

「おや?」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:14:59.39 ID:15Xb7DzwO



教室がもやがかかったように霞んでいた。
なんだろう。まだ寝呆けているのかな……。

両目をこすってみる。

再び目をあけるともやがなくなっていた。

「どうやら疲れているらしいな。僕は。」


朝から色々なことがあり、心身疲れ切っていた僕は、いつもと違う学校ということで少しサボることを考え…… 少し居眠りすることにした。

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:17:44.96 ID:15Xb7DzwO

ネタない\(^O^)/

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:54:22.59 ID:15Xb7DzwO



……
「ちょっ……木さん!」

ん……誰かが僕を呼んでいる。

「佐々木さん!起きなさい!団長命令よ!」

目が覚めるとすっかり周りが暗くなっていた。 ふと、顔を上げるとそこには涼宮ハルヒがいた。

「……涼宮さん?どうして?」

「何が『どうして?』よ! 団活サボるなんていい度胸ね!」

「団活……?いったい何が……」

「もう、しっかりしてよね!佐々木さんは副団長なんだから!しめしがつかないわ。」




109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:55:20.71 ID:15Xb7DzwO



何が起きたか僕にはわからない…… なぜ、僕が副団長なんだろう。

「もぅ、今日は帰っていいわよ!明日からちゃんとするのよ!」


そういうと、涼宮さんは教室から出ていってしまった。

「くつくつ。ますますわからないよ……」

一体何が起きたのだろうか……

とりあえず、荷物をまとめて下校することにした。


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:56:17.20 ID:15Xb7DzwO



外はすでに薄暗い。一人では少し気味の悪い時間帯だな。

校門を少し出たところで声をかけられた。


「よう!佐々木。なんだ?一人かよ?」

僕はその声に驚きつつもあくまで冷静に答えた。

「キョンじゃないか。久しい……君も今帰りかい?」

「あぁ、まあな。」

「そ、そうかい。涼宮さんはいいのかな?」

「あいつなら用事とやらでさっさと帰っちまったよ。」

「くつくつ。置いてかれたわけだね君は。 一つ提案があるんだが…こんな夜道を女性1人で歩くには少し心細い。 誰かがボディーガードをしてくれるとたのもしいのだが……」


僕は自分でいいながら、心拍数が上がるのがわかった。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 20:59:01.15 ID:15Xb7DzwO



佐々木がよくわからん

話が思いつかないからできしだい投下。

あとは落ちるなりなんなり流れにまかせる。



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 21:31:47.77 ID:15Xb7DzwO



「そんなに小難しく言わなくていいぞ?送ってくよ。」

「……そうかい。」


僕は中学を卒業してからずっとこの日を夢見ていた。
今、僕はキョンと肩を並べて歩いている。


あたりさわりのない会話に一喜一憂しながらあっという間に時間は過ぎてしまった。

「じゃあ、俺こっちだから。また明日な」

キョンが背を向けて歩きだした。

「キョン!」

「なんだ?」

「涼宮さんのことは好きかい?」

彼は少し間をおいて、満面の笑みで答えた。

「あぁ。」


僕には少しの入る隙間はないんだとさとった。

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 21:44:30.69 ID:15Xb7DzwO



……明日には元の生活にもどろう。
これは僕にとっては生き地獄も同然だよ。

ふと、携帯に手をかけて電話をかけた。

「遅くにごめん。君の言っていたことを少し信じる事ができそうだよ。……そうだね。そんな世界があってもいいだろうね。」

電話の先からは何やら歓喜の声が聞こえてくるが、今の私にとっては少し耳障りだった。

「じゃあ、また明日。彼女たちにもよろしく伝えてくれないかな?」

と言って電話を切った。

明日、彼女にこの情報操作とやらをやめてもらおう……




僕は家に帰ると布団に吸い込まれるように倒れ眠りについた。

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 22:10:27.56 ID:15Xb7DzwO



翌日、少し早く起きて北高へ向かった。 校門の前で待っていたら必ず彼女に会えるはず。

早く元の生活に戻りたい一心で坂を駆け上がると、頂上に何か人影がみえる。

「あっ……君は」

「あなたがくるのを待っていた。」

「くつくつ。どうやら話が早いようだね?早く元に戻してくれないかな?」

彼女はじっとこちらを見つめ口を開いた。

「不可能。」

「不可能?どういうことだい?」

「私はこの学校内でしか情報操作は行っていない。しかし、昨日の午前中のうちに私のプログラムが上書きされた。」

「上書き?言ってる意味がわからない……」

「今、この世界はある者によって作られている。この世界にいる以上、私にはこの状況を変えることはできない。」

「そんな……」



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 22:23:09.48 ID:15Xb7DzwO



「これはあなたが望んでいる世界」

「僕が?望んでいる?」

「そう。これ以上私には何もできない。じき、私もこの世界の波にのまれる。」
「僕が望んだ世界なら、僕が望めば元にもどるのだろう?」

「そうとも言いきれない。あなたは今、元の生活にもどろうと願っている。しかし、世界は新たに作られつづけている。私からあなたに話す事はこれで全部」

「全部って……そんな……」

彼女は急に横を向いた。

「きた。」


昨日のもやが辺りに広がり、彼女を包んでいった。
すぐにもやが晴れると、そこには彼女の姿はなかった。

「一体、どうすれば……」

僕はしばらくその場から動くことができなかった。


ツマンネ。俺だったら絶対読まないわww

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 22:41:08.69 ID:15Xb7DzwO



何もする気が起きないのでとりあえずクラスに入り、机に突っ伏した。

これからどうしよう。元の世界に戻す方法はわかっているのだが……もどせない。自分で自分がわからない。

「僕は何がしたいんだろうね?キョン……」

誰もいない教室で1人つぶやいていると、急に後ろのドアが開いた。

「なんだ?佐々木。妙に早いじゃないか?」

「キョンか……脅かさないでくれ。今僕はかなりおちこんでいるんだ。 いや、こんな事をわざとらしく言う僕は少々無粋だね。まるで君になぐさめてもらいたいと言ってるようなものだね。」

「ところで涼宮さんは一緒じゃないのかい?」

「……?ハルヒ?なんで俺がハルヒと一緒にいなくちゃならないんだ?」

「君は自分の彼女を忘れてしまうほど愚か者だったとはね。」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 22:50:32.32 ID:15Xb7DzwO



「愚か者はお前だろ佐々木。」

「なんだい?僕は愚か者呼ばわりされる行為をしたつもりはないが?」

「はぁ。朝から口喧嘩なんてやめようぜ?」

「僕は喧嘩してるつもりはないんだがね。もしそうなら喧嘩を売ってるのは君だねキョン。僕はそれを買ったまでさ。」

「どうしたんだ?今日はおかしいぞ?」

「おかしくもなるさ。もし、君が僕と同じ状況ならばね。」

「何があったかしらないが……なんでも話せよ?」

「機会があればね。」

「まったく。素直じゃないな……明日は二人の記念日なんだから、今日中に機嫌なおしてくれよ?佐々木。」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 22:58:00.05 ID:15Xb7DzwO



「ちょっと待ってくれキョン。君は今なんて言った?」

「は?だから今日中に……」

「そこじゃないよキョン。記念日がなんとかいっていだろう?」

「なんとかじゃなくて、明日は二人の4ヶ月の記念日だろ?」


「な……なんだって……」


どうやら、僕は自分の都合のよい世界を作り上げてしまっているようだ。

これであのことが現実味を帯びてきた。


僕は世界の神様なのか……?

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 23:25:49.62 ID:15Xb7DzwO



「難しい顔してんな?」

急にキョンが顔を近付けてきた。

「そうかい。そんなつもりはなかったんだが……」

顔が赤くなっているのが自分でもわかる。

「それより顔が近いよキョ……ん………ん…。」

僕は生まれて初めての感覚に襲われ、腰が抜けそうになった。 初めてのキス。
いや、この世界では何度もキョンとキスしているのかな……?
いや、これは元の世界じゃないから…… うまく考えがまとまらない。

「どうだ?機嫌なおったか?」

「えっ?いや、なんだい?」

「だから、機嫌なおったか?」

「う、うん!なおったよ!」

「口調が変わってるぞ?」

「そうだね!うん。口調が変わってるかも!」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 23:39:55.64 ID:15Xb7DzwO



「変な奴だな。」

「そうかな……。」

「まぁ、佐々木の機嫌も直ったことだし、今のうちに明日の予定を決めようか?」

「あ、明日?」

「明日出かける約束だろ?」

「……そうだったね。」

「何処に行きたい?」

それから二人で明日の予定についてホームルームが始まるまで話し合っていた。

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 23:48:26.68 ID:15Xb7DzwO


……
次の日。キョンと駅前に10時に待ち合わせ。
今日は僕……いや、私なりにお洒落をしてきたつもり。
いつもはしない化粧をお姉ちゃんにならいながらしてみた。 少し香水もかけてきた。

キョンはきづいてくれるかな……?

「早いな、佐々木。」

「お、おはよう」

昨日から自分が女の子っぽくなっていることに少々違和感があるが…… これはこれでいいものだ。

「……」

「どうしたの?キョン?」

キョンの返答に期待してしまう。



149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/01(水) 23:58:58.24 ID:15Xb7DzwO



「……なんかいい。」

胸が跳ね上がるようによろこんでいる。

「少し、気合いいれたんだ……」

「佐々木……。俺まじで惚れなおしてるよ」

「あ、ありがとう」

「じゃ、いくか!」

「うん♪」


キョンは私の手を取るとグイグイひっぱっていく。
彼の背中を見る。
大きいな……
中学の時には感じられなかった彼の男っぽさ。


こんな世界なら変わらない方がいいかな……

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:15:18.08 ID:B94KmhPb0

元の世界、つまりはこの夢のような世界とは対照的である現実の世界。
このままの状態を維持し続けたら規模の大小はどうあれ、間違いなく何かしらの影響はあるだろう。
もっとも、僕がそれを認識する術があるとは思えないが。

とはいえ、この世界ではいわば神的な存在である僕個人の所業が世界中の人を巻き込んでいるのも事実。
ねぇキョン、僕はどうすればいい?

 「どうした?」

彼の心配そうに僕を見つめる眼差しはとても暖かい。
現実世界では感じた事もないくらいに――。

もう少し、もう少しだけこの世界を堪能しても誰も僕を咎めないよね、キョン?

 「何でもないさ それより折角の記念日だ、しっかりエスコートしてくれよ?」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:25:06.15 ID:B94KmhPb0

楽しもう、キョンとの記念日を。
例えそれが僕が作り出した偽りだとしても。
それから今後の事を考えてればいい、誰もこの世界が偽られた嘘っぱちの世界だなんて知らないのだから。

 「キョン、僕の事をどう思う?」

 「ん・・・・・・あぁ」

 「"あぁ"だけじゃ分からないよ、ちゃんと言ってくれ」

 「んー・・・・・・こっ恥ずかしいんだよなぁ」

 「キョン、僕は君の事が好きだよ」

 「・・・・・・俺もだよ」

素直に嬉しかった。
彼の感情を無視している点は心が痛い。 だが、彼は今僕を愛している。
偽りの世界で偽りの愛情を偽りの僕に捧いでくれている。

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:35:24.35 ID:B94KmhPb0

そう、僕は偽者の存在。
本当の僕は北高の生徒ではない。
だが今の僕は北高の制服に袖を通していて、彼の隣を歩いている。

 「思えばあっという間だったよなぁ」

 「ん?」

 「いや、佐々木に告白してからあっという間に4ヶ月経ったなぁと感傷に浸っていただけだよ」

くっく・・・・・・なるほど、やはりこの世界は僕が作ったらしいね。
今確信したよ。

 「佐々木の返事を聞くまでの時間が永遠に感じられたよ」

 「・・・・・・キョンは詩人だね」

僕の右手に伝わってくるキョンの熱、鼓動。
そしてキョンの顔の紅潮は全て僕に向けられている、つまりは独り占め。

 「それから佐々木がよく分からない部活を初めて――」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:44:12.20 ID:B94KmhPb0

その後のキョンの話は聞くに堪えなかった。
名前自体は僕だが、全てを涼宮さんに置き換える事が出来る。
――いや、置き換えられているのは僕の方か。

 「さっきからどうしたんだ、顔色が悪いぞ?」

成る程、僕の中の臆病な心がこの世界の存在を認めようとしないのか。
自分でも呆れる、目の前に自らが望んでいた結末が待っているというのにそれを自分自身に邪魔されている。
とんだ一人相撲だね。

 「せっかくの記念日なんだが、実は風邪をこじらせていてね」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:54:51.78 ID:B94KmhPb0

無理はするな、とキョンの配慮によって記念日のささやかなパーティは後日に持ち越される事になった。
確かにこんな心持ちだと僕もこの記念日を堪能出来そうにない、実に素晴らしい提案だと思う。

そして翌日、どのような顔をしてキョンに顔を合わせよう等と考えながら教室の扉を開いて僕は唖然とした。
昨日までは何も無かった僕の席の後ろに新しい席が設けられ、そこに彼女が座っていた。
僕と立場が入れ替わったはずの、涼宮さんが。

 「ふぁーぁ・・・・・・おはよう佐々木さん」

――修復。
いつか何かの本で読んだ事がある。
恐らくこれは世界が元々持つ修復能力。
それに僕の臆病な心が無意識のうちに力を貸した、と考えられる。

どこまで僕は僕の邪魔をすれば気が済むんだろうね。

 「どうしたの? 顔色が良くないわよ」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 00:59:16.17 ID:B94KmhPb0

佐々木「どうしたんだい、>>1?」

俺「いやぁ、昨日に引き続いておやすみの縦を作りたいけど作れないんだ」

佐々木「くっく・・・・・・実に君らしいね それならこの場を借りて皆におやすみと言えばどうだい?」

俺「そうだな、そうしよう」

俺「お前らおやすみ、良い夢みろよ!」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 21:54:50.31 ID:B94KmhPb0

僕の世界でも涼宮さんが僕の前に立ちはだかった。
いや、実際はまだ現れただけ。
だが恐らく時間の問題だろう、世界は修正されようとしているのだから。

 「昨日から少し風邪を・・・・・・ね」

言い訳のボキャブラリーが少ないな、と心の中で自嘲した。
だが、涼宮さんを納得させるには十分だった。

 「そう、あんまり無理をしちゃだめよ?」

「ありがとう」と涼宮さんに一礼して机に伏せた。
仮に彼女がこの世界の僕と友人だとしても、それは偽りの僕。
僕と涼宮さんは友人ではない。

むしろ、僕が用意した敵と扱っても構わないだろう。

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:06:20.09 ID:B94KmhPb0

ここは僕の作り出した世界。
そして倒すべきは僕。
その僕が用意した敵が涼宮さん。

くくっ・・・・・・やはり僕はこの世界を気に入っている。
前の世界なんかよりずっとずっと、ね。

 「ん、佐々木が寝ているなんて珍しいな」

 「風邪で寝ているのよ、起こさないようにしなさい」

どうしてキョンは涼宮さんと喋っているんだい?
涼宮さんは敵だろう?

ねえ、キョン。

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:08:00.84 ID:B94KmhPb0

佐々木編終わり。
5分程悩んだ結果、編ごとに分けた方が楽だと思った。

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:25:31.03 ID:B94KmhPb0

かの有名な宮本武蔵は待ち合わせに遅刻した事により功を成した事で有名であるが、
一方の俺は佐々木との4ヵ月記念日のデートのために北高に向かっているが、既に待ち合わせ時刻を10分遅れているというのに未だ坂道の途中に居る。
もちろん、遅刻してくる俺を待っているのは佐々木による小言だという事は言うまでもあるまい。

言い訳を考えている時というのは異常な程に集中できる。
少なくともこの集中力を普段から出し切る事が出来れば俺は谷口とは数段上の成績になれるわけで、
実際はこの集中力など火事場のバカ力にしか過ぎない。

だがこの土壇場での集中力のおかげで疲れを感じずに北高に辿り着いた事は嬉しい。
ただ、言い訳なんて思いつかなかったが。

 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・悪い、遅れた」

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:33:28.25 ID:B94KmhPb0

実際に俺を待っていたのは佐々木の小言ではなく、佐々木の驚きの眼差しだった。
どうしてここに!? とでも言いたげな表情に制服姿の佐々木を見れば今日の約束など完全に忘れているという事が俺でも分かる。

 「あのー・・・・・・佐々木、今日が何の日か覚えているか?」

 「え・・・・・・あ いや・・・・・・分からない」

まるでどこか異世界から来た人間のように佐々木は辺りをキョロキョロと見渡している。
まぁ実際に異世界など無い訳で、まして宇宙人や未来人、超能力者もこの世界にはいない。

 「しっかりしてくれよ・・・・・・、今日は俺と佐々木の4ヵ月記念だろ?」

こういう行事的な事は女子の方がしっかりしていると思っていた。
佐々木を普通の女子と考えていいのかどうかは現段階で佐々木の彼氏にあたる俺でも分からないが。

 「記念日・・・・・・ああ、そうだったね」

 「おしゃれをしてくるのを忘れていたよ」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:47:27.38 ID:B94KmhPb0

佐々木の満面の笑みによって華麗なスタートを切った記念日デートはこのまま何事も無く終わるかのように思えた。
だが、人生は波乱万丈であり風邪には気をつけるものである。

 「どうした、何か考え事か?」

手を握って歩く姿は他人から見れば、恥ずかしながら仲睦まじいカップルだろう。
だが実際に手を握る立場になってみれば分かる。
今日の佐々木は何かがおかしい。

 「何でもないさ それより折角の記念日だ、しっかりエスコートしてくれよ?」

と、佐々木はいうものの直ぐに何かを考えだす。

 「佐々木、調子でも悪いのか?」

一瞬の間をおいて佐々木は「実は風邪を引いている」と答えた。
言われてみれば顔色が普段より悪い気がする。

 「無理するなよ、デートなんて何時でも出来るんだからな」

結局のところ、デートはまた後日という事になった。
流石に無理をさせるのは悪いから、当然といえば当然だろう。

 「悪いねキョン、それじゃ」

相変わらず顔色の良くない佐々木を家まで送り届けて、そのまま自分の家へと戻った。

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:56:31.96 ID:B94KmhPb0

翌朝、佐々木の風邪の経過を心配しつつ教室の戸を開けると佐々木は机に伏せて眠っていた。
その光景を物珍しそうにハルヒが眺めている、実に可笑しな光景だ。

 「佐々木が寝ているなんて珍しいな」

 「しーっ、佐々木さんは風邪を引いているらしいわよ」

やはり昨日外に出たのがまずかったのか。
佐々木の風邪はまだ治っていないらしい。

 「そうか、早く元気になるといいんだけどな」

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/07/02(木) 22:57:38.66 ID:B94KmhPb0

キョン編終わり
即興辛いな!
眠いよ・・・
おや





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