1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:25:16.22 ID:TunVrCVoO
「キョン、なにそれ」
「ん、あぁこれか?」
騒々しく部室の扉を開いたハルヒは、俺のいじっていたカメラに食いついた。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:26:45.50 ID:TunVrCVoO
なんでも、親父が学生の頃に少ない小遣いと
何年分かのお年玉を費やして買ったカメラで、この間物置を
整理していたときに発掘された物で、親父は今デジタル一眼とか
いうのを買ったらしくて今は使わないというから、俺は別に要りはしないけど、
くれと言ったらやると言うのでもらったんだ。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:29:16.40 ID:TunVrCVoO
「へー、いいやつなの?売ったらいくらくらいになるかしら。
高く売れたらなんかおごりなさいよ」
「知らん。というか売る前提で話をするなよ」
「別に要らなかったんじゃないの?」
「だからと言って親の思い出の品をうっぱらう訳にもいかないだろう」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:31:41.26 ID:TunVrCVoO
「そんなもんかしら。
でもまぁ、売らないにしてもどのくらいの価値になるかは知りたいじゃない」
そりゃそうだ。
だが生憎と俺はカメラには明るくない。
だから誰か詳しいやつはいないかなと思って持ってきたんだ。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:32:56.08 ID:TunVrCVoO
「ふーん」
「興味なしか」
「だって私も詳しくないもの」
まぁそうだろうな。
ハルヒにカメラの知識なんてハナから期待などしてなかったし。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:34:59.91 ID:TunVrCVoO
カメラを覗いてみる。
筒?かな、レンズのところの筒を回すと、ピントが前後する。
「使えるの?」
「らしい。フィルムも入ってるそうだ」
これがピントで、これが明るさ。
デジタルなら一瞬でピントが合うのにな。なかなか時間がかかる。
慣れたらもっと手早くできるんだろうか。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:37:33.08 ID:TunVrCVoO
「なぁハルヒ」
「なに?」
ハルヒが、ふんわりと振り返る。
シャッターを押すと、カシャリと軽い音がした。
カメラが手の中で小さく振動する。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:43:25.72 ID:TunVrCVoO
「あ!なに勝手に撮ってんのよ!」
「いいじゃないか減るもんじゃなし」
「減るわよ!」
なんて超常理論だ。
フィルムにおさまるたびにお前は薄く削り取られるのか?
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:45:53.60 ID:TunVrCVoO
「今すぐ消しなさい!」
「デジタルじゃないから無理だって、そんなの」
「そうよ、フィルムを日光にさらせば消えるのよね!」
「あっ、こら!よせ壊れる!」
カシャリ。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:48:32.20 ID:TunVrCVoO
「また!撮ってんじゃないわよ!」
「知らん!」
「おや、なにをしてるんです?」
いつの間にか古泉が部室に来ていた。
「おぉ、ちょっと見てもらいたいものがあるんだ」
「この夫婦漫才みたいな取っ組み合いの事ですか?」
おーなんとでも言え。もう慣れたよそういうのは。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:53:05.16 ID:TunVrCVoO
「…うーん、すいません。ちょっとわからないですね」
「そうか。いや、気にしなくていい」
古泉はこの古めかしいカメラが気に入ったらしく、いろんな角度から眺めていた。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:57:17.89 ID:TunVrCVoO
「これ、フィルム入ってるんですね」
「お、なんでわかった?」
「透視ね!?」
古泉は肩をすくめた。
「残念ながら違います。
ほら、ここに小さい窓みたいなところがあるんですよ
そこからフィルムの有無がわかったんです」
「おー本当だ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 10:58:59.77 ID:TunVrCVoO
「…撮ってみても?」
普段見たことないような、子供みたいな顔で聞いてくる。
断る理由もなく、首肯する。
「しのびねぇな」
「構わんよ」
「あ、それ知ってる!誰だっけ?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:03:26.97 ID:TunVrCVoO
古泉がファインダー(覗くところをそう呼ぶらしい)を覗く。
へぇ、だのなるほど、だの言いながら、レンズの先を部屋中に向ける。
こいつがやるとなかなか絵になるな。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:07:36.85 ID:TunVrCVoO
「旅行代理店のネタもいいけど、俺は
あの旅館のネタが一番よかったかな」
「決勝でまたスタイルを変えるのはすごいとは思うけどね。
オードリーも準決勝とは変えたじゃない?」
「そういえばそうだな。選挙演説ネタか……ん?」
なんとなく視線が気になって古泉の方を見ると、
カメラを構えてこっちを見ていた。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:12:49.51 ID:TunVrCVoO
「ちょっと、モデルになってくれませんか?」
「俺は嫌だぞ」
「誰もあんたなんて言ってないじゃない。自意識過剰」
うるさい笑うな。
「せっかくなのでお二人とも。さ、並んで立って」
「え、私とキョン!?」
「えぇ、是非」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:17:14.01 ID:TunVrCVoO
とたんにまごつくハルヒ。そんなに嫌か。
「いや、ってわけじゃないけど…」
「で、どこに立てばいい?」
「そうですね。逆光になるといけないですし、黒板を背にして窓際で」
「えぇっ、撮るの!?あんた嫌って言ったじゃない!」
二人でなら別だ。犠牲者は多いほどいい。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:18:55.81 ID:TunVrCVoO
めったにない古泉の頼みだ、きいてやろうじゃないか。
「…わかった」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:24:40.99 ID:TunVrCVoO
「どうだ古泉」
「ちょっと待ってください、なかなかピントが合わなくて」
「ねぇ、早くしてよ」
「んー、お二人とも、もう少し寄ってもらえますか?
フレームにおさまらなくて」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:28:35.47 ID:TunVrCVoO
悪戦苦闘する古泉。
興味があったとは言っても、使うのがはじめてならこんなもんなのだろうか。
「…あっ、すいませんまたいきすぎました」
いや、不器用にも程があるな。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:29:55.94 ID:TunVrCVoO
「今度こそ合いました!撮りますよー」
「ごめっ、ちょっとタンマ!」
ハルヒは前髪を押さえながら、
「寝癖で一ヶ所はねてるから、ちょっと直してくるわね!」
そういって、慌ただしく部室から出ていった。
そんなに髪はねてたか?
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:36:34.55 ID:TunVrCVoO
「なんだ、せっかく準備できたところだってのに」
「…ふふっ、あなたも顔真っ赤でしたよ」
「ん、なんだって?」
「いえ、何でも。僕には向いてなかったみたいです」
古泉はカメラを諦めて、返してよこした。
フィルムは巻いたままだった。
「なぁ古泉」
「なんでしょう」
カシャリ。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:42:21.19 ID:TunVrCVoO
「…不意打ちとは人が悪いですね」
「まぁいいじゃないか。記念だ、記念」
何の記念かは知らないが。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:47:08.91 ID:TunVrCVoO
「……遅れて申し訳ない」
「今、すごい速さで涼宮さんが出てきましたけど、
なにかあったんですかぁ?」
ハルヒのすっ飛んでいった方向をチラチラ見つつ、朝比奈さんと長門が入場。
この二人の組み合わせってのはまた珍しい。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 11:54:42.48 ID:TunVrCVoO
「いえ、特に何もありませんよ。なぁ」
「ええ」
「………それは?」
「ん、これか?」
長門も、このアナログでアナクロな機械に興味を持ったらしい。
ハルヒや古泉にしたような説明を手短にする。
その間、ずっとファインダーを覗いていた。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:00:44.43 ID:TunVrCVoO
「気に入ったのか?」
「……わりと」
ふむ。
やっぱり何かに熱中してる長門の表情はいい。
目がキラキラしてて。
「長門、カメラちょっといいか?」
「………わかった」
残念そうな顔をするなよ。後ろめたい。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:03:28.99 ID:TunVrCVoO
渡されたカメラのフィルムを巻いて、長門に返す。
「ほら、あとはここを押すだけだ。好きなもん撮っていいぞ」
「……」
コクリと、小さくうなずく。
喜んでくれて何よりだ。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:07:10.33 ID:TunVrCVoO
カシャリ。
長門はいつものパイプ椅子に座って、そこから俺たちを撮った。
油断していた俺が、あくびをしたタイミングで。
「不意打ちとはな」
「さっき貴方もやったじゃな
カシャリ。
それぞれ二度目の不意打ちをくらって、俺も古泉も吹き出した。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:09:47.13 ID:TunVrCVoO
「私も、撮らせてもらっていいですか?」
「どうぞ」
そう言えば朝比奈さんは普段から撮られてばかりなんだよな。
撮るのは専ら俺の仕事だ。
渡されたカメラを拳銃を構えるような表情で持ち、部屋中を見渡す。
その表情をこそ、俺はカメラにおさめたいです。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:13:48.27 ID:TunVrCVoO
「えいっ!」
カシャリ。
散々迷ったあげく、朝比奈さんは俺ら一人一人のスナップを撮った。
「あとは涼宮さんですね」
「おや、もう一人忘れてません」
「……あなたがまだ」
「えっ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:19:30.82 ID:TunVrCVoO
うろたえたり照れたりする朝比奈さんをなだめて、
黒板の前に立たせる。
何度もハルヒに変な写真撮られているから慣れているかと思ったが、
全然そんなことはなく、カチコチに固まったままだ。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:21:55.39 ID:TunVrCVoO
「ほら、朝比奈さん、笑って笑って」
「わ、笑ってますよぉ…」
「おや、何をしてるんですか?」
「……落書き」
朝比奈さんの背後の黒板に、うさぎの耳や羽なんかの絵を描いている。
なるほど、そういうことか。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:26:35.17 ID:TunVrCVoO
「朝比奈さん、いい写真が撮れそうです」
「ふぇ、それってどういう…?」
カシャリ。
朝比奈さんが長門の落書きに気付いたのは写真を撮り終えてからだった。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:34:20.37 ID:TunVrCVoO
「結構撮ったな」
「そうですね」
朝比奈さんの逆襲を受けた俺たちが同じように変な写真を撮られたり、
なかなかうまくピントが合わせられない古泉の練習をしていたりしたら、
フィルムは残りわずかになった。
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:39:00.36 ID:TunVrCVoO
ドアがもう限界だと叫ぶような音をたてて、
我らが団長が再び参上する。
「やっほー!みんな揃ってるわね!」
「えいっ!」
カシャリ。
「あーっ!みくるちゃん何撮ってんのよ!」
「いいじゃないですかぁ」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:49:51.31 ID:TunVrCVoO
「……ちょっと、こっちへ」
「有希、なんか嫌な予感がするんだけど、
なにその落書きは」
ちなみに猫の耳としっぽ、「ご主人様(はーと)」という吹き出しである。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:52:19.77 ID:TunVrCVoO
「……おとなしく従うべき」
「ゆ、有希?」
「ハルヒ、ちなみにお前以外は全員撮ったぞ」
この一言がきいたのか、ハルヒは顔を赤くしながらも落書きの中におさまった。
カシャリ。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 12:54:25.34 ID:TunVrCVoO
「いい絵だな」
「同感ですね」
「………いい」
「可愛いです」
「ああああああああもうっ!!次は私ね!!
すっごい恥ずかしいの撮ってやるから!!」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:01:30.70 ID:TunVrCVoO
「せっかくだし、全員で集合写真でも撮らないか?
ちょうどあと一枚なんだし」
「僕もそれに賛成です」
「むー、仕方ないわね。
じゃあキョンの恥態は次回にしといてあげるわ!!」
それは決定なのか。
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:09:32.26 ID:TunVrCVoO
「でも、それだと誰かにシャッターを頼まないといけないですよね……?」
そこは心配ない。
このカメラにはどうやらタイマーが
ちゃんとついているというのだ。
「古いんだか新しいんだかよくわからなくなるわね」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:24:00.10 ID:TunVrCVoO
「じゃあ並んでくれ。
セットしたら俺も入るから」
「これで全員入りますか?」
「……もっと詰める?」
「あー、男二人後ろ、女三人が前に並んだ方がいいかな
。そう、よし、大丈夫だ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:43:27.13 ID:TunVrCVoO
タイマーを仕掛けてシャッターを押すと、ジーッとゼンマイの音がする。
「キョン、早く!」
「急かすな」
駆け足で古泉の横に並ぶ。
前には朝比奈さんと長門とハルヒ。
こう並んでみたら、けっこう身長差あるんだな。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 13:56:44.44 ID:TunVrCVoO
「あ、掛け声どうしよう!」
ハルヒが早口で叫ぶ。
「ハイチーズ、でいいんじゃないか?」
「良くない!」
「でも時間ないぞ」
「えっ、あっ!」
ジーッ ……………ッ。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:15:02.47 ID:TunVrCVoO
「あれぇ?」
「シャッター、降りてませんよね?」
「………故障?」
まぁ古いものだしないでもないか。
「ちょっと見てみる」
接触が甘いのか、それともタイマーが機能していないのか。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:30:00.14 ID:TunVrCVoO
……ジッ、カシャリ。
「えっ!」
「まさか、これは……」
「…………素晴らしいタイミング」
「こら!ハルヒ!笑うな!笑うな!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:31:47.41 ID:TunVrCVoO
すまん今から試験だ
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:41:40.70 ID:TunVrCVoO
家に帰ると、両親はカメラと一緒に発掘されたアルバムを二人して眺めていた。
「父さん、後でフィルムの出し方教えてくれ」
「お、一日で全部使ったのか。やる気満々だな」
父さんは嬉しそうに言う。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:45:13.04 ID:TunVrCVoO
「物置の中で錆びさせるよりは、
誰かに使ってもらった方がそいつも嬉しいだろう」
そんなもんか。
しかしこいつのアナログ加減には少々疲れた。
「写真、始める気になったりしないか?」
「さぁ」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 14:54:21.97 ID:TunVrCVoO
父さんは別のアルバムを手に取りながら言う。
「今は別になんともないと思っていてもな、
後で振り返るとなかなかいいもんだぞ?」
「へぇ」
親父は最近年寄臭くなったと思う。
よく昔の話をするようになった。
母さんとの馴れ初めや、高校の時の部活の話。
俺からしたらとてもどうでもいい話。
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 15:04:04.38 ID:TunVrCVoO
もう一度、カメラを手に取ってみる。
親父がじいちゃんからもらったと言う骨董品。
歴史と言うか、古さがなんともいえない
重い雰囲気を醸し出している。
親父と母さんは、まだ飽きずにアルバムを見ている。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 15:10:11.20 ID:TunVrCVoO
「ねぇキョン、ほらこれ、
あなたが部室にカメラ持ってきたときの写真」
「ヘッタクソだなぁ、それに変な顔だ」
「あなたが急に撮るからよ」
おわる
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/30(火) 15:28:18.34 ID:TunVrCVoO
100sの世界のフラワーロードが楽しみすぎて書いたので超オナニーです。
タイトルはk-ingだけどモチーフはモノアイのPV
みんな、100s聞いてね!