1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:06:43.85 ID:1ML2/fDt0
今日はハルヒが退院する日だ。医者によると助かったのは奇跡だそうだが、俺から言わせれば必然だ。
だが何故度の過ぎた強運の持ち主であるあいつがこんな目にあったのだろうか。
そしてこの世界の現状は明らかにおかしな事になった。
一か月前から始まったこの事態。
俺は日々の普通っぷりに飽き飽きしたあいつがいたらん事を考えたのかと少しだけ思ったが、
あいつが被害を受けたということはそれは違うのだろう。
キョン「分からん事をあれこれ考えてもしょうがないな。」
俺はチャリにまたがりあいつの入院している病院へと向かった
俺が病院に着くとそこにはもう朝比奈さんが来ていた
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:07:40.86 ID:1ML2/fDt0
みくる「嬉しくてちょっとだけ早く来ちゃいました。」
キョン「朝比奈さんもう来てたんですね。ですがなんで待合室にいるんです?」
みくる「今最終の検査らしいんです。 本当にあの衝撃で骨折だけで済んだのが疑わしいんじゃないでしょうか。」
キョン「常識的に考えればそうですが、ハルヒの事です。 それが当然なんでしょうよ。」
待合室に置かれたテレビが本来の機能をフルに発揮するようになるには、どれ位の時間が必要なのだろうか?
まぁそんなことは今はどうでもいい、今はハルヒの退院を素直に喜ぶとしよう
みくる「私すごい心配なんです。 少し涼宮さん元気すぎるかなって。」
キョン「確かにそうですよね、あの事件の影すら感じませんからね。」
みくる「これから涼宮さんどうするんでしょうか?」
キョン「それならもう考えてありますよ。 ただあいつが納得してくれるかは分かりませんが。」
俺はその事を朝比奈さんに話した
みくる「今は国の施設が引受をしていると聞いてましたけど・・。 それって御両親の了解は取れてるんですか?」
キョン「えぇ、勿論ですとも。 最初はしかめっ面でしたが、最終的には納得してくれましたよ。 妹がごねてくれたおかげってのもあるかもしれませんが。 ハハ。」
みくる「あっ!!」
キョン「・・・・・・。」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:08:26.80 ID:1ML2/fDt0
キョン「ハルヒ・・・・・どうだ調子は?」
ハルヒ「勿論絶好調よ!! 入院生活で体が鈍ってて少し動くのが億劫だけどね。」
キョン「そうか。」
ハルヒ「せっかく来てくれて悪いんだけど今から施設に最終の手続きに行かないといけないのよね、
今度ミーティングでもしてこの世界の事態について話し合いましょ!!」
キョン「ミーティングもいいが、話があるんだ。 聞いてくれないか?」
ハルヒ「何よ?」
キョン「あっちにある外のベンチで話をしないか?」
みくる「あっ! 私はお先に失礼しますね。 涼宮さんの元気そうな顔が見れて安心しました。 退院おめでとうございます。 それでは失礼しますね。」
キョン「でだ、話ってのはお前の今後についてなんだが・・・・」
一か月前から世界の主要な場所に落下しだした、ミサイル風の爆発物。 そいつらは都市機能を奪うだけじゃ飽き足らずハルヒの家にも落下しやがった。
それでハルヒの自宅は大破・・。その時に両親を亡くしてこれから施設に入る以外なくなった
キョン「なぁハルヒ、お前俺んちに来ないか? 施設に入れば高校にすら通えないんだろ?」
ハルヒ「そりゃ高校は退学するしかないけど、あんたんちに迷惑かけるわけにはいかないわよ。」
キョン「黙って来てくれないか? ほかに頼る所なんてないんだろ? 親の了解も取ったんだ。」
ハルヒ「施設に入ってバイトでもして生きていくわよ! 他人のお荷物にはなりたくないの! 好意だけはありがたく受け取っておくわ。」
キョン「しかしだな・・・。」
ハルヒ「私はこの位でへこたれる程弱くはないの!! 一人でも生きていけるわよ!!」
キョン「・・・・・・・・。」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:09:06.39 ID:1ML2/fDt0
キョン「お前が入院してから二週間・・言わなかったが言わしてもらうぞ。 俺にはお前の気持ちを100パーセント分かってはやれんが・・団員には・・・俺には見せてくれてもいいだろ? つらくないわけがない・・・・!!!」
ハルヒ「・・・。」
キョン「強がりはたいがいにしろよ! たまには人を頼ってもいいだろ?! 俺位頼ってくれよ!! 何のための雑用だ・・!!」
ハルヒ「だって・・・だって私は完璧でいたいの!! 自分の弱さなんて他人に見せたくはないの!!!」
キョン「それが強がりだと言ってんだ、お前は普通の女の子なんだよ、両親まで亡くして天涯孤独。 辛くないわけがないじゃないか!!!」
キョン「黙ってついてこいよ。」
ハルヒ「・・・・・・うるさい!!!!」
ハルヒ「そりゃ辛いわよ! 両親が死んで、これからは私一人。 どうやって生きていこうか不安だらけよ!! でも私は女だし水商売でもすれば十分生きていけるわ!!!!」
キョン「・・・・・・。」
ハルヒ「他人に情けなんかかれられたくない・・・・!!!」
キョン「他人じゃねーだろ!!!!? ついてこいって言ってんだ!!!!!」
ぎゅっ
ハルヒ「うるさいっ・・・・。」
きているTシャツが濡れていくのがわかる、そういや感情をむきだしにしたコイツを見るのは初めてかもな。
いつも強がって自分を演じつづけていたのかもしれない
いくら奇天烈な力を持っているとしても、中身は普通の女の子と変わりはしないんだ。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:10:17.97 ID:1ML2/fDt0
キョン「こうしていると可愛いもんじゃないか。」
ハルヒ「グスッ・・何か言った?」
キョン「いいや何も。 独りごとだ。」
ハルヒ(暖かい・・・・)
キョン「なぁハルヒ?」
ハルヒ「?」
キョン「俺はいつだってお前の味方だからな? おれの前ではありのままのお前でいてくれ。」
ハルヒ「グスッ」
キョン「泣きたいときは好きなだけ泣けばいいんだ、強がったって何の得にもならんしな。」
ハルヒ「・・・泣いてない。」
キョン「・そうか。」
キョン「さっきお前は一人とか言ってたが違うだろ。 古泉や長門、朝比奈さんも・・それに俺もいる。 俺じゃ役不足かも知れんがな。」
ハルヒ「・・・そんなことない・・・。」
ハルヒ「ありがとう。」
キョン「礼なんていらんぞ、そっくりそのまま返却してやる。 いつかお前が昔みたいに笑ってくれればそれでいいんだ。」
キョン「親と妹、シャミセンもお前が来るのを待ってる。 行こうか。」
ハルヒ「・・・・・・うん。」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:12:50.67 ID:1ML2/fDt0
俺は親にハルヒを紹介し今後の話を聞いた後、二階にある元物置に向かった
キョン「ここが今日からお前の部屋だ。 好きに使ってくれ。」
ハルヒ「広いわねぇ、いいのかしらこんなイイ部屋使っても。」
キョン「物置になってた部屋だからな、好きに使ってくれて構わんさ。」
ハルヒ「物置にしてはえらく物が少ないけど。 それにしても奇麗に片付けてあるし。」
キョン「・・・。 布団はそこのクローゼットの中。 テレビは小さいがそれで我慢してくれ。 えーーっと他には・・」
ハルヒ「十分すぎるわよ。 机もあるし、おまけに漫画も。」
ハルヒ(本当にありがとう・・キョン)
-----それから俺は家の間取りをハルヒに説明した
ハルヒ「私少しだけ散歩してくるわ。 この辺きたの初めてだし。」
ハルヒ「俺も付き合うぞ。」
ハルヒ「遠慮しとくわ。 一人で気ままな散歩がしたい気分なの。 だから一人で行ってくるわね。」
キョン(今のあいつを一人で行かせるのは少し気が引けるな。 変なことを考えつかなきゃいいんだが)
てくてく
ハルヒ「キョンのお母さん優しかったなぁ。 この家はハルヒちゃんの家で、今日から私の娘です・・・・かぁ。」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:15:13.82 ID:1ML2/fDt0
-------河川敷
ハルヒ「奇麗な夕焼け・・・・。」
「くぅーーん」
ハルヒ「犬・・・・、野良かしら?首輪してないし。」
スリスリ
ハルヒ「よしよし・・・・・・・・あんたも私と一緒なの?」
ポタ・・ポタ
ハルヒ「私ともあろうものが、泣くの今日で二回目だわ。 強くならなきゃいけないのに。」
ハルヒ「独りぼっちだ何て思ってたら怒られるわね・・・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・キョン・・・・。」
「タロっ!!! ちょっと目を離すとすぐどっか行くんだから!!! すいませんねお嬢さん。」
ハルヒ「・・・・・・いえいえ良いんです。」
ハルヒ「あんた飼い犬だったのね・・・・・。 ボソッ」
「それにしてもこのコがこんなに懐くなんて初めてだわ。 ほら!! 行くわよタロ!!」
「ふふ、それじゃあね。可愛いお嬢さん。」
ハルヒ「・・・・・行っちゃった・・。」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:16:22.58 ID:1ML2/fDt0
ダッダッダッ!
キョン「おいハルヒ!!」
ハルヒ「・・・キョン。」
キョン「こんなとこに居たのかよ! 滅茶苦茶探したんだぞ! 携帯も置きっぱなしで出かけやがって!!」
ハルヒ「悪かったわね。」
キョン「お前に謝られても何か調子狂うな・・・。」
すっ
俺はハルヒにほんの少し距離を置いて座った
ハルヒ「ねぇ?」
キョン「ん?」
ハルヒ「心配した?」
キョン「誰がお前の心配なんかするか。」
ハルヒ「バカ。」
俺の感違いだろうか?
この時のハルヒは少し嬉しそうに見えた
キョン「もうすぐ飯の時間だし家に帰ろう。 今日のうちの親はやる気に満ち溢れていたからな、おそらく今まで見たこともない料理が登場するだろうよ。 毎晩半分は即席が並ぶのにな。」
ハルヒ「そんな気を使ってもらわなくてもいいのに。」
キョン「甘えれる時は甘えとけ。うちの親が言ってただろ娘だってさ。 それにどーせうちの親の事だ。 時期にレンジを使った料理が食卓を囲む事になる。」
ハルヒ「ハハハ。」
ハルヒ(娘かぁ・・・・じゃぁキョンと兄弟みたいなもんなのかしら? なんかヤだな。)
ハルヒ(はぅ!! 何考えてんのかしら私・・・・・・。)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:17:06.48 ID:1ML2/fDt0
------自宅
妹「お帰りハルヒおねぇちゃん! それとキョン君も。」
キョン「なんで俺はあだ名で、ハルヒはおねぇちゃんなんだ? 少しは兄を敬いなさい!」
妹「テヘッ、キョンくんごめんねぇ。」
キョン「ったく。」
ハルヒ「クスクス」
キョン「そういや夕飯まだか?」
妹「もう少しかかるって、上で三人でゲームして待ってようよぉ。 ねっ?」
ハルヒ「いいわねそれ!! さーーーやるわよ!!! 勝負ね!!!」
prrrrrrrr
キョン「電話か」
古泉・・・・・・・
キョン「悪い、ちょっと外で話してくる。 二人は上に行っててくれ。」
妹「はぁーい。」
ハルヒ「ふぅーん、聞かれるとまずい内容? 誰からかしらねぇ?」
俺はそう言うハルヒを無視して外へ出た、声が漏れると少しまずい可能性が大だったからだ
キョン「何だ?」
古泉「どうですそっちは?」
キョン「今日ハルヒが俺んちで暮らす事になった。」
古泉「それは安心しました。 これで御両親公認の仲になったわけですね? 微笑ましい限りです。 おめでとうございます。」
キョン「・・・・・・切るぞ。」
古泉「これは失礼、冗談です。」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:27:23.10 ID:1ML2/fDt0
キョン「用件は何だ。」
古泉「何からお話しましょう? 貴方が気にされていた長門さんの行方ですが、現在機関で調査しているんですが、未だに分かっていません。行方が分からなくなって早13日目・・
丁度涼宮さんが病院に運ばれた翌日からですね。長門さんのマンションには常に見張り役を置いていますが
帰宅した様子はありません、全くもって行方不明ですね。貴方はどうお考えですか?」
キョン「さっぱり分からん。」
古泉「・・・・・そうですか。 では僕の見解を述べさせて頂いても宜しいでしょうか?」
キョン「つまらん事を言ったらぶっ飛ばすぞ。」
古泉「これはあくまで僕の考えです・・。率直に申しまして涼宮さんの家に直撃した
不可解なミサイル状の物体の件について、何らかの関わりがあるんではないかと考えてます。」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:29:29.92 ID:1ML2/fDt0
キョン「お前は何が言いたい?」
古泉「涼宮さんが怪我をされたのが二週間前・・・、長門さんがいなくなったのが13日前・・・。
関係ないとは考えられないでしょう。 貴方もそう思うはずです。 口には出したくはないでしょうが。」
キョン「長門がハルヒを襲ったって言いたいのか? ありえん。 情報なんとか体とやらはハルヒを特別視してるんだぞ?
それに長門がそんな事するはずがないだろ。」
古泉「思念体が意見を変えたとしたら、襲ったのが長門さん以外の者だとしたら・・・。そして彼女は何らかの考えの上で行方をくらました。」
古泉「辻褄はそれだけで合います。」
キョン「・・・・・証拠がないだろ。」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 00:30:42.97 ID:1ML2/fDt0
古泉「確かに・・・今の所はその通りです。 ですが機関の上層部の意見の大半はそれで占められています。」
キョン「・・・・・。」
古泉「長門さんの事についてはそれだけです。 もう一つは世界の主要な都市を襲っている謎の飛来物についてです。 軍のレーダーには落下する500メートル手前からしか観測できていません。
つまり、世界中でいきなり現われては都市を炎に包んでいるというわけです。」
キョン「そんな兵器を持ってる国家なんてあるのか?」
古泉「ありません。主要な国の国家機密を隅から隅まで調べましたが、この様な兵器の実態はありませんでした。
人類のレベルを超えた存在が攻撃をしかけているとしか考えられませんね。」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 01:11:35.83 ID:1ML2/fDt0
古泉「その現在の人類のレベルを超えた存在。 考えられるのは、朝比奈さんをはじめとした未来人、長門さんをはじめとしたいわゆる宇宙人
可能性はこの二つ以外に今のところ考えられないかと。」
キョン「もうお前の推論は聞きあきた、何か分かったらまた話してくれ。」
古泉「お気を悪くされましたか? 謝ります。」
キョン「いやいい。俺が聞きたいとお前に言ったんだ。 あくまで可能性として頭に入れておく。」
ハルヒ「やったわ!! またドンピシャでゴールよ!! ゴメンねまた貧乏神つけて。」
妹「ブーーー、ハルヒおねぇちゃんズルい!! 」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 01:16:44.11 ID:1ML2/fDt0
ガチャ
キョン「ハルヒのボロ勝ちじゃねーか。」
ハルヒ「・・・キョン? どうしたの眉間にシワなんて寄せちゃって。 ボサーっとしたあんたの顔には似合わないわよそれ。」
キョン「ほっといてくれ。」
ハルヒ「ひょっとして彼女と喧嘩でもしたのかしら?」
妹「えーーっ! キョンくんに彼女いるのぉ?」
キョン「なわけないだろ。 バカな事言うのはやめろ。」
ハルヒ「じーーーーーっ」
キョン「なんだよ。」
ハルヒ「それもそうね!! キョンは古泉君と違ってモテないオーラが漂っているもの。」
キョン「うるせーな。 俺は女なんていらん。」
ハルヒ・・・・・・元気そうで良かった
だが元気がないお前の方が可愛いと思うんだが、まぁいい
これがいつものハルヒなんだからな
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 01:29:30.88 ID:1ML2/fDt0
母「御飯よーーーー!! 三人とも早く降りておいでーーーーー!!!」
妹「わぁーい! 今日のおかずはなっにかな?なにかなーー?」
キョン「行くぞハルヒ。」
ハルヒ「うん。」
-----リビング
妹「それでねそれでね、キョンくんいっつもハルにゃんの話ばっかしてるんだよぉ。」
キョン「結局ハルヒも俺と同じ末路を辿ったか、*****お兄ちゃん→キョン兄ちゃん→キョンくん。 ってハルヒの話なんていつしたんだよ?!」
母「いつもしてるじゃない。 話だけ聞いてると、どんなにかわいくない子かと思ってたら、めちゃ可愛い子じゃないの。 そりゃ夢中になって話したくもなるわね。」
キョン「お袋まで何言ってんだ。 確かに外見は多少はいいのかも知れんが、中身は奇想天外な変人だ。 そりゃ夢中に愚痴りたくもなるさ。」
妹「あれぇーー?キョンくん少し顔赤いよぉ???」
キョン「うっ・・・・このスープが熱すぎただけだ。決してハルヒの話が原因ではないぞ。」
母「フフフ。」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 01:48:53.11 ID:1ML2/fDt0
夕飯を終えた俺は風呂につかりながら、古泉の話を思い出していた
キョン「長門・・・一体どこで何やってんだ・・・。 ハルヒは無事退院したぞ。報告する事が山程ある。 それにお前ならこの世界の事態について何か分かるだろ?
世界に異常な事態が起こりだして長門が姿を消す間・・・
お前は現在調査しているが、現状で把握している内容はまだ話せないと言ってたな。 一体世界に何が起こってるんだ? 早く戻ってきて俺に説明してくれ。」
キョン「古泉はお前を一番に疑ってんだ・・・俺は違うと確信しているがこのままじゃ団に亀裂が走っちまう。 早く戻ってきてくれ・・・・!」
キョン「一体誰が、何の目的で・・・。」
ガチャッ
古泉「森さん、お疲れ様です。」
森「お疲れ様。」
古泉「何か変わった事はありました?」
森「いいえ。 これと言って何も。」
古泉「そうですか・・・。」
森「新川さんと一緒に、情報統合思念体と未来人の情報を現在探っているんですが、やはり駄目です。」
古泉「長門さんの行方についても情報はなしでしょうか?」
森「はい。その端末・・失礼しました。 長門さんの行方についても不明のままです。」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 01:55:55.67 ID:1ML2/fDt0
古泉「そうですか・・・・。」
森「あまり考え込まないで・・・。 幸い神は無事だったんです。」
古泉「ですがこの事案の黒幕は明らかに涼宮さんを狙った攻撃を仕掛けてきました。 事件の翌日、現場を調べましたが飛来物は涼宮さんの自宅中心部で爆発を起こしている。」
古泉「狙ったとしか考えられない。」
森「偶然とは言い切れないですね。」
古泉「勿論です。 ですが他に攻撃を受けている地点は全て世界の都市ばかり。 何者かが世界の混乱を画策し行動を続けていると考えるのが妥当。」
森「おそらく当事国はそういった人知を超えた存在は認めないでしょうね。 未だに危険視されている国からの攻撃だとする意見が多くを占めていますから。」
古泉「我々は一体どうすればいい・・・打つ手はないのか・・・。」
森「まだ手を止めるには時期尚早ではないでしょうか?」
古泉「・・・・・・・それもそうですね、万策を尽くしましょう。 そうするしか術はない。」
森「その通りです。」
森「あっ、古泉君の電話鳴ってますよ?」
古泉「こんな時間に電話ですか、珍しいですね。」
古泉「・・・・・・・・・・・・・・何の画面表示もない。 これは一体?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 02:00:25.81 ID:1ML2/fDt0
古泉「もしもし。」
???「わかる?」
古泉「・・・・・・・!!!」
古泉「長門さん!? 一体今どこにいるんです!!?」
長門「言えない。」
僕はペンを握り森さんへ指示を出した
長門「逆探知は無駄。 この電話は通常の電波を使用したものではない。 電話機も介していない。」
古泉「・・・・・・・・・・何故僕に電話をしてきだんでしょうか?」
長門「これから話す。」
古泉「・・・・どうぞ。」
長門「情報統合思念体は今涼宮ハルヒを自立進化の鍵としてでなく、己を滅ぼす可能性を持った重大な危険因子と見方を変えた。
私が彼女の側で監視にあたる様になって1年弱・・、涼宮ハルヒの力は情報統合思念体の想定していたレベルを遙かに超えた所に達していた。
彼女自身が神と呼ぶに相応しい存在になりたいと願ったとして、現状において全銀河の長として存在している情報統合思念体にとって涼宮ハルヒの存在は明らかな脅威となりかねない。」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 02:01:49.98 ID:1ML2/fDt0
古泉「仮にですよ、涼宮さんが力を自覚したとしてもそう考えると思いますか?」
長門「思わない。 でも行き過ぎた力は情報統合思念体にとって脅威でしかない。」
長門「だから情報統合思念体は涼宮ハルヒを消そうと小型時空間ミサイルを打った。」
古泉「では何故涼宮さん以外の全く関係のない都市まで標的になっているんです?」
長門「情報統合思念体は第二の涼宮ハルヒの出現を恐れている。 目的は二つ・・。」
長門「二つ目の目的は地球人類の消滅。」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:14:21.57 ID:UrxvHWt/0
古泉「・・・・・・・・・答えて下さい。 貴方は味方ですか?・・・それとも敵ですか?・・!!!」
長門「どちらでもない。」
古泉「それはどういう意味でしょうか?」
ゴォォォォォッ!!!
長門「これ以上の交信は難しい。冷静に理解す・・・確・・・・・たかった。」
ゴォォォォォッ!!!
二度目の炸裂音の後携帯が切れた
古泉「どうしたんです???!!! 長門さん????!!!!!!」
古泉(一体何が・・・・。貴方は何処で何をしているんです?! 情報統合思念体は彼女の操り主・・・・。)
古泉「僕には一体何ができる? どうすべきなんだ・・・! 何を信じればいいんだ・・・!!!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:29:31.10 ID:UrxvHWt/0
妹「ねぇねぇハルニャン、一緒にお風呂はいろ?」
ハルヒ「ハハ、いいわよ。」
妹「わぁーーい。」
ザブン
妹「おねぇちゃんが出来てうれしいなぁ。」
ハルヒ「ほんとキョンの妹とは思えない位可愛いわ。ありがと。」
妹「今日ね、今日ね学校でね。」
ハルヒ「うんうん。」
------------------
キョン「そういや明日は学校か、今日は疲れたしもう寝よう。」
------------------
ハルヒ「明日からSOS団再開ねっ!!!、団長ここに有りってとこを皆に知らしめないといけないわ!!!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:35:27.42 ID:UrxvHWt/0
翌朝---------------
キョン「ハルヒ先行ってるぞ。」
ハルヒ「なんで一人で行くのよ、目的地は同じなのに。」
キョン「なんでと言われてもなぁ。」
ハルヒ「はいこれ。」
キョン「何だこれは?」
ハルヒ「何って鞄よ!か・ば・ん!!! あんた平なんだから持ちなさい。」
キョン「・・・・・・・。」
呆れた・・・・・・。昨日のハルヒはどこに行きやがった? 昨日のと今日のを足して二で割ってくれ。
母「フフフ。」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:36:28.22 ID:UrxvHWt/0
昼休み--------------
谷口「なぁキョン。正直に答えてくれよ?」
キョン「何だ突然?」
谷口「・・・お前涼宮と付き合ってんのか? 噂で持ちきりだぞ、涼宮とお前が一緒に家から出てきたって。」
キョン「うっ・・・・・・。」
初日から面倒な事になったな・・・何て説明すりゃイイんだ・・・だから俺一人で先に登校しようとしたんだ
キョン「あいつ例のミサイルで家が無くなっただろ? 仕方なく今一緒に住んでんだ。 俺はSOS団の雑用だからな。」
谷口「なら早くそう言ってくれよ。俺も勘違いしてたんだからな!」
谷口「まぁどんな形であれ望みが叶って良かったな!」
キョン「誰がそんな事望んだ??!!」
谷口「おいおい本気にすんなよ!! ジョーダンだって!!!」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:38:33.23 ID:UrxvHWt/0
まずいぞ、非常にまずい
ハルヒのアホは校内で目立ちすぎてる、それと付き合ってるなんて噂が流れてるとゆー事は
俺もあいつとセットで学校中の話のネタになるじゃないか
それにさっきの俺と谷口の会話
ハルヒの地獄耳がキャッチしてたら何か気まずいじゃないか
まずいぞ、非常にまずいことになった
ハルヒ(私とあのアホ顔が付き合ってる??!! なんちゅー噂が流れてるのかしら!!!! もみ消さなきゃいけないわ!!! 照れるじゃないの!!!!!!)
ハルヒ(・・・・・ん・・・・・・・・照れる? 何でそうなるのかしら?)
ハルヒ(・・・・・ま、どーでもいいわ!!! 一般民衆なんか好きに言わせておけばいいの!!!! フフフ)
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:40:33.39 ID:UrxvHWt/0
放課後--部室-------------------
古泉(来ましたね)
キョン「おお古泉、お前だけか? 長門は?」
古泉「残念ながら・・・・。 そう言えば涼宮さんは?」
キョン「あいつなら掃除当番だ遅くなるだろ。」
古泉「丁度良かった。貴方に話があります。 長門さんの事で・・」
キョン「・・?! 分かった。 場所を変えよう。」
------------------------------
古泉「ここなら問題ないでしょう。」
キョン「そうだな。早速だが聞かせてくれ。」
僕は昨日の長門さんから連絡があった事を一言一句漏らさず彼に伝えた
キョン「・・・・・・・・・。」
キョン「・・・・・・・。」
キョン「・・・・・・。」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 11:52:19.88 ID:UrxvHWt/0
キョン「要は情報なんとか体が敵となればやっかいなハルヒを殺すついでに、第二のハルヒを警戒して人類の抹殺まで行うため各地の都市部を攻撃してるって事か・・。」
古泉「そうです。」
キョン「んな滅茶苦茶な話があるか。 バカバカしい。」
古泉「長門さんが言うにはそれが事実だそうです。」
キョン「じゃあ長門は敵ってわけか?!!!」
古泉「落ち着いてください。 その問いについて彼女はどちらでもないと答えました。」
古泉「彼女はどこにいて、何を行っているか一切不明。 手がかりと言えば凄まじい爆発音が聞こえたという事位です。」
キョン「・・・・・。 古泉それについてお前はどう思う?」
古泉(僕は彼女を信じる)
古泉「・・・・・・彼女は時空間を移動してくるミサイルをどこかでブロックしてくれているのではないでしょうか・・・。」
キョン「・・・。」
古泉「攻撃を仕掛けているのは情報統合思念体・・、彼女が敵ではないと答えるならそう考えるのが妥当かと。」
キョン「長門ならあり得るな・・・、いつもあいつは俺達にかかる火の粉を一人で黙って払いのけていた様なふしがあった・・。」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:03:22.35 ID:UrxvHWt/0
キョン「なぁ古泉。」
古泉「なんでしょう?」
キョン「情報なんとか体をぶっつぶすぞ!! ハルヒの両親まで殺されてんだ・・・・黙ってられっか・・!!!」
古泉「同意見ですがどうやって? 情報統合思念体は情報の集合体と聞いています。 実態のない存在の殲滅は不可能かと・・・。」
キョン「調べるんだ!!!! 何か方法があるはず・・・・、このまま黙ってる程俺はお人好しじゃないぞ・・。」
古泉「・・・・・・・・・・・・!! よし、やってやりましょう。 機関の総力を使い情報を探ります。」
古泉「あなたは未来人・・朝比奈みくるに全てを話し、協力を仰いでください。 私より貴方の方が適任だ・・。」
キョン「あぁ、分かった。」
俺はテストの終わった朝比奈さんを連れ出しありのままを話した
キョン「お願いです。未来に居る朝比奈さんの組織に協力を仰いでください。」
みくる「まだ良く話を飲み込めてないけど・・・分かりました・・やってみます。」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:08:28.16 ID:UrxvHWt/0
部室------------------------
そこには部長席でイライラした様子のハルヒがいた
ハルヒ「あんた達何やってたの?! これからSOS団緊急ミーティングだというのに!!! 団員としての自覚が足りないわよ!!!!」
キョン「あぁ、すまんすまん。」
ハルヒ「有希がいないわね、そういえば最近見かけてない気がするわ。」
キョン「あいつなら学校終わってからバイトを始めたんだ。 しばらく部には来れないってよ。」
ハルヒ「・・・・・仕方ないわねぇ、でも全く来ないのは団員として失格よ!! 今度学校で会ったらきつく言っとかなきゃ。」
その後長々と続いた、世界を守るため我々がすべき事と題したSOS団緊急ミーティングの内容だが
あまりにも突拍子のないハルヒの発言集となる為詳しく話すのは割愛しよう
最終的には皆で長門のバイトを辞める事と、世界を不思議なバリアで守ってと願い事するという季節外れの七夕の様な催しで終わった
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:11:48.41 ID:UrxvHWt/0
自宅-----------------------
キョン「・・・・・・・・・・・疲れた。 ちと早いがもう寝よう。」
俺は布団に入り、快眠するためのベストな体制をとった
キョン「スースー。」
コンコン
キョン「・・・・・・・・・?」
コンコンコン
キョン「・・・・誰だせっかく気持ち良く寝れそうなのに。」
ゴンゴンゴンゴン!!!!!!!
キョン「あーーーー!!! うるさい!!!!!!!」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:13:11.04 ID:UrxvHWt/0
ガチャ
ハルヒ「何だ起きてるじゃないの。 電気消えてるから寝てるかと思ったのに。」
そこにはパジャマ姿のハルヒが居た
キョン「・・・・・・・・起こされたんだよ。」
ハルヒ「細かい事はいいじゃない。 ちょっとあのベッド寝ごごちが悪いの・・・このベッド借りるわよ。」
キョン「あぁそうかい、なら俺はあっちで寝るとするよ。」
ハルヒ「ダメ。」
キョン「ダメ? どうしてだ?」
ハルヒ「ダメだから。」
キョン「・・・・・・・? ほらよ。」
俺はおっくうな体を動かし睡眠スペースを半分明け渡し、枕をハルヒの方へ放った
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・おじゃまします。」
キョン「・・・・・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・。」
キョン「・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
キョン「・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
キョン「スースー。」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:16:55.07 ID:UrxvHWt/0
ハルヒ(・・・・・・・・ったく。 どーゆー神経してんのかしら。 こんなに可愛い女の子が隣で寝てるというのに!!!)
ハルヒ(・・・・・・ちょっとイタズラしちゃおうかしら。)
キョン「スースー。」
ハルヒ(ちょっとだけ・・・・。)
チュ・・・・・・チュ・・
キョン(!?!?!?!?!?!?????!!!!!)
キョン「スースーススー。」
ハルヒ「・・・・・・・・しちゃった・・・・・・・初めて・・・・なんかドキドキする・・。」
キョン「ススースー。」
ハルヒ「・・・・・大好き。」
キョン「スススースー。」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:23:50.72 ID:UrxvHWt/0
一時間後------------------------------
ハルヒ「スースー。」
キョン「?????やっと寝やがった・・・・・・・・一体なんだったんだ今のは???????」
ハルヒ「スースー。」
キョン「・・・寝顔だけは可愛いもんだな。」
ハルヒ「・・おかぁさん・・・・・ゴニョゴニョ。」
ナデナデ
キョン(俺が守ってやるからな)
キョン「好きな女一人守れないで何が男だ」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:31:53.16 ID:UrxvHWt/0
二時間後------------------------------
何故か眠りにつけなくなった俺は窓の方をずっと眺めていた
ガタン・・・・・ スタ・・・スタ・・・
なんだ足音?
ここは二階だぞ?
窓越しに見える人影に血の気がひいていく・・・・・・・・・・
キョン「朝倉・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!」
そいつは俺を見ながら・・・・・・・笑みを浮かべたかと思った瞬間、視界から消えた
俺は朝倉を追うため自室を抜け玄関から飛び出す
そこには朝倉涼子がうっすらと笑みを浮かべたたずんでいた
朝倉「久し振りね。」
キョン「何しにきやがった。お前は長門に消されたんじゃなかったのか。」
朝倉「上が再び私を創造したの。 それに分かり切った事を聞かないでよ。」
朝倉「あなたと涼宮さんを殺す為に私はここに来た。」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:33:07.18 ID:UrxvHWt/0
しかし
怯える自分をハルヒを守りたいと思う気持ちが超えた
キョン「俺は死ぬわけにはいかんし、ハルヒを殺させるわけにはもっといかん。」
キョン「それにお前に聞きたい事もある。」
朝倉「何かしら?」
キョン「長門はどこだ? お前なら知ってるだろ。」
朝倉「ヒ・ミ・ツ・・・・。」
キョン「ふざけるな!!!!!!」
俺は朝倉に拳を振りかざす
朝倉「無・駄。」
キョン「くっ・・・・!!」
朝倉「当たるわけがないじゃない。 分かるでしょ? おとなしく死になさい。」
無駄なのは自分でも分かりきっているが猛る自分を抑える事ができない
ただ守りたいという一心で滅茶苦茶に拳をふるう
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:38:02.05 ID:UrxvHWt/0
朝倉は空を切った拳を見ながらこう吐いた
朝倉「ただ逃げ回っていた以前より成長したのね。」
朝倉「でもね。 残念だけどあなたは死ぬの。」
朝倉はそう言うと、分身の術でも使ったかの様な動きで俺との間合いを詰めてくる
朝倉「ここよ。」
見失った事すら分からないまま、俺の背後でそう聞こえた
生物の本能か自分の命が終わる瞬間だと悟った
その刹那・・・・・・・・
背後へ向けた視線の先にはボロボロのカーディガンがなびいていた
長門「させない。」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:39:17.08 ID:UrxvHWt/0
朝倉「!!!!!! どこまで上の意向に刃向う気なの? あなた正気?!」
長門「地球人類・・・・・そして彼らを守る・・・・・・。」
朝倉「上はあなたに激昂してるわ!!! 自空間ミサイルの移動空間を察知しそれの殆んどを遊撃するなんて!!!! だから私が直接手を出す必要が生まれたのよ!!!!!!!?」
長門「情報統合思念体は私が説得する。だからあなたは手を引くべき。」
朝倉「説得できるはずがないじゃない!!! これはもう決定事項よ!!!!!」
キョン(そうだったのか長門・・・・・!!!)
朝倉「それに全ての自空間上に障壁を展開したのはあなたね??!」
長門「それは違う。 だけどそのおかげで私はここにいる。」
朝倉「じゃあ一体だれが・・・・。」
長門「手を引かないと言うのなら覚悟して。」
長門「・・・・・・・・・・あなたの機能を停止させる。」
長門がそういった瞬間視界から消えた
気づくと朝倉の姿もない
10メートル程先か金属音が響く
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:41:42.69 ID:UrxvHWt/0
朝倉「ボロボロのあなたに私が消せるかしら?」
朝倉の右手は剣上の物に変化し振り下ろされたそれを長門が受け止めていた
長門「・・・・・・・・・・・。」
長門がすかさず右手を振り上げる
朝倉「!!!!!」
ガガガガガガガガガガガッ!!!
朝倉「槍の雨・・・・・・・・!!!! 喰らうとヤバいわね・・!!!」
朝倉と長門の間合いが開くと、長門が俺に近付いてきた
長門「涼宮ハルヒを連れて逃げて。」
キョン「お前だけ置いていけるかよ!!」
長門「ここは危険。 動いているインターフェイスはおそらく彼女だけではない。」
長門「あなたには涼宮ハルヒを守る責務がある・・・・・お願い。」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:42:46.46 ID:UrxvHWt/0
キョン「・・・・・・・・・・分かった!! だが長門・・・・・死ぬなよ。」
キョン「それだけは約束してくれ。」
長門「分かった。」
俺は元来た道を最速で駆け抜け、気持ちよく寝ているハルヒをゆすった
キョン「起きろハルヒ!!!!!」
ハルヒ「にゃむ・・・・・?」
キョン「・・・ミサイルがここへ飛んでくる!!! さっき警報が鳴ったんだ!!!!!」
ハルヒ「ミサイル・・? ここへ・・?」
キョン「そうだ!!!!!! 急ぐぞ!!!!!!!!」
俺は眼をこすろうとするハルヒの手を握り外へ飛び出した、幸い長門と朝倉は俺達が走り抜けていくルートとは別でやりあっているらしい
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:43:34.53 ID:UrxvHWt/0
朝倉「行っちゃったじゃないの? また探すのが手間だわ。」
長門「あなたを行かせはしない。 それに私には勝てない。」
朝倉「言うの二度目だけど、そのボロボロの状態でどうやって私に勝つ気なの? 本々そこまでの実力差はないのに。」
長門「・・・・・・・負けるわけにはいかないから。」
私は残有機エネルギーの20分の1で作り出した高圧の電気をその身に帯電させた
朝倉「・・・・・・器用ね。」
身構える彼女に距離を詰め死角から帯電させた右のハイキックをうちこむ
ゴオ!!!
朝倉「蹴りまでのモーションは流石だけど、やっぱり遅いんじゃない?」
右足が空を切ったと同時に体制を崩した私に彼女が距離を詰める
朝倉「この槍で射抜いてあげる・・・おしまいよ。」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:47:02.71 ID:UrxvHWt/0
ザン・・・・・!!!!!!
非常な音が闇に響く・・・・・・・・・
朝倉「どう見ても致命傷・・・もしかしないでもおしまいね。」
長門「・・・負けるわけにはいかない。」
この体はどうなっても構わない
彼女を・・・・・・・・・
そして
彼を守りたい・・・・・・・・・・
バチッ!!!!!!!!!!!
朝倉「イヤァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!」
私は残有機エネルギーの全てを電気エネルギーに変換しそれを攻撃に回す
それを彼女の持つ槍をかけ橋にし全てを送りこんだ
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 12:56:45.19 ID:UrxvHWt/0
バチバチッ・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!
長門「・・・・・・・・・・・。」
朝倉「・・・・・・・・・。」
長門「・・・・・・・・・終わった。」
朝倉「・・・・あなたもよ。」
朝倉「だけど今回はあなたの一人勝ちは防げた分満足だわ・・・・・。」
長門「・・・・・・・・そう。」
朝倉「・・・・・・・・・・最後に一つだけ聞いてもいいかしら?」
朝倉「何故あなたは・・・・遥か昔私達の創造主である情報統合思念体を追い詰めたアナスタシア・・・・そう火星人類の生き残りにそこまで加勢するの?」
朝倉「理解に苦しむわ・・・・。」
長門「そんな事は私にとって重要な問題ではない。」
朝倉「・・・・・・・・それに彼はアナスタシアの生まれ変わり・・・・ということは彼はアガートラームを扱う力があるとみて間違いないわ。」
朝倉「その彼と一緒にいる彼女は内的宇宙にアガートラームを宿している・・・・!!!」
朝倉「あなたは知っているでしょ? 太古の戦いを・・・・・・・・・。」
長門「それも関係ない。」
長門「私はただ守りたいだけ・・・・・・・・悔いはない・・・・。」
朝倉「全て知った上なのね・・・・・感情という回路を持たないはずのあなたが・・・・・・・。」
長門「・・・・・・・・・・・・。」
朝倉「そろそろ時間だわ・・・・消えるのは私が早いみたい・・・・。」
朝倉「バイバイ。」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 13:03:47.53 ID:UrxvHWt/0
その言葉を残し彼女は消えた
私もおそらく1分としないうちに消えるのだろう
でも不思議と後悔はない
後悔と呼べる物があるとするなら
彼に伝えたかった言葉がある
対有機生命体用インターフェイス
その私には生まれるはずのない感情
私には相応しくない言葉
・・・・・・・・気持ち
本当は伝えたかった
・・・・・・・叶わぬ事だと理解していいても・・・・・・・・・・
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:23:22.24 ID:UrxvHWt/0
------------------------------
???「探したわよ二人とも。」
キョン「あんたは・・・・!!!」
俺はハルヒの手を強引に引っ張り、元来た道を引き返した
ハルヒ「はぁはぁ、もう走るの疲れたわよ!! だいたいなんであのコから逃げるのよ??!! 部室に悩み相談に来てたコじゃない!!」
キョン「わけは後で話す!!! ハルヒ・・・・お前はそこの角を曲がったら、すぐに古泉に連絡を取ってくれないか?」
キョン「俺はあいつに話がある。頼む。 行ってくれ。」
ハルヒ「・・・・・・・・分かったわよ。」
もう一人の宇宙人、十中八九敵と見て間違いはない
俺があいつに勝てるとは思えんが、こうする他にハルヒを守る手段は思い浮かばなかった
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:24:44.55 ID:UrxvHWt/0
喜緑「私走るの好きじゃないから逃げないで欲しかったです・・・。 それに逃げても結果はおなじですよ。」
喜緑「あなたは死ぬんです。 それに彼女も。」
キョン(長門・・・せっかく助けてもらって悪いが、俺は死ぬみたいだ。 ただ時間は稼ぐぞ)
キョン「古泉!! 後は頼んだからな!!!!」
喜緑「動かないで!!!・・・そのままの体勢で目を瞑って下を向いてて・・・私はあなた達の事は嫌いじゃない。」
喜緑「苦痛の伴わない死を用意します。」
キョン「そんなもんお断りだ!!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:25:32.28 ID:UrxvHWt/0
渾身の力で全体重を乗せ拳を振りぬいた
ドッ!!!
俺の拳は見事彼女の顔面を正確に捉えた・・・が
微動だにしない彼女がこちらを見ていた
喜緑(予想以上に早かったですね・・・ここまでは予定通り・・・では始めましょうか)
喜緑「あなたを見ていると悲しくなります・・・でも私は自分の任務を遂行しなければない。」
喜緑「・・・あなたに提案があります。 時間を稼ぎたいんですよね?」
キョン「・・・・・・・・あぁ。 それしか出来なさそうだからな。」
喜緑「なら私はあなたが逃げないのであれば何もしない。 5分だけ・・・時間をあげます。」
キョン「ありがとうよ。 最高にかっこ悪いがその提案をのもう。 5分後に好きにしてくれ。」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:26:37.55 ID:UrxvHWt/0
喜緑「5分の間、何もしないのも難ですからお話をしましょう。」
キョン「・・・ああ、多少なりとも恐怖心が紛れるかもしれん。」
喜緑「・・・これから、あなたが死ぬ理由をおしえてあげます。」
そう言うと彼女は民家の塀をスクリーンのかわりに使い、映像を浮かび上らせた
喜緑「まずはそれを読んでみて下さい。」
我が母なる火の星。 無と化していく悠久なる時と共に生まれた文明、科学、芸術。 そして殺されていく仲間達。
これを許してなるものか。 情報思念体と自らを呼称する悪魔、ロードブレイザー。
幸いにも奴は私が生き残りここに居ることにはきづいていないようだ
私はここ、砂と土しか存在しない星の始祖となり
いつしか我が子孫が殺されていった仲間達の仇を討つことを願いここに記す
イブ・アナスタシア
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:28:00.32 ID:UrxvHWt/0
キョン「何なんだこれは?」
喜緑「最近太古の地層から私の仲間が見つけた石碑です。 遥か昔。 地球人類が誕生する以前の話です。」
そう言うと彼女は素っ頓狂な話を始めた
火星にはかって人類が存在していたんです 彼らは現在の地球人類より優れた知性、科学力を持ち、大いなる発展を遂げていました
しかし、力を持ちすぎた彼らを自らを神と呼称する情報統合思念体は良く思わなかった
最初は重要な観察対象だったはずが、いつしか驚異の対象となっていたのです
そして思念体は自ら、彼らを殲滅し全ての文明を黒き炎の中に葬ろうとした
火星人類が思念体の襲来に絶望していたかに見えた そんな折 アナスタシアと言う女性が思念体の前に立ちはだかった
彼女は聖剣アガートラームを携え1週間もの間戦い続けた
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:28:57.50 ID:UrxvHWt/0
その戦いの結末は思念体の勝利に終わり、抗う者は居なくなり思惑は完遂したはずだった
だが彼女辛うじて生き残り地球へと身を潜め、現在の地球人類の始祖となった
喜緑「今までが地球人類の誕生までの話です。」
キョン「以前なら笑い話として聞いていたが、ハルヒ達と出会ってからの俺は発想が豊かになってんだ。 今さら嘘だとは思わないな。」
喜緑「次はあなたが殺される理由ですね。」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:42:03.32 ID:UrxvHWt/0
元ネタは厨2御用達のゲームです
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:43:10.19 ID:UrxvHWt/0
喜緑「それはアナスタシアの生まれ変わりだから。 間違いなくあなたはアガートラームを振う力がある。」
キョン「・・・・・・・。」
喜緑「そして涼宮さんは内的宇宙にアガートラームを内包している。」
キョン「俺がその地球人の始祖の生まれ変わりだって? バカバカしいな。」
喜緑「狂言を言う趣味は私にはありません。」
キョン「確かにそうは見えんが・・・・しかしだな・・・。」
喜緑「彼女があなたを鍵として選んだ理由・・・・・彼女はアガートラームを内包している事に勿論気づいていない。 だが無意識的に使用出来る力を持つあなたを自らの鍵として選んだ。」
喜緑「まるでこの事態が起きる事を事前に察知していたかのようですよね?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 15:44:39.00 ID:UrxvHWt/0
キョン「あんたの話を全て信じるとそうなるな。 余談かもしれんが長門は古泉に連絡をした際にそうは言ってはなかった。」
キョン「ハルヒの願望を叶える力がとんでもないから、そして第二の涼宮の出現を抑止する為に俺たちを滅ぼそうとしていると聞いた。」
喜緑(・・・・・・・・・・長門さん・・・・・・・・・・。)
喜緑「確かにそれも理由ではありますが・・・・・まったく・・鈍感な方ですね・・・あなたは・・・。」
キョン「何がだ・・・・。」
喜緑「はっきりとは分かりませんが、彼女はあなたが殺される理由だけは伏せたかった。」
喜緑「あなたが情報統合思念体の重要な攻撃対象となってる事で、あなたに嫌われたくなかったんじゃないのでしょうか?」
キョン「・・・・・・・・。」
喜緑「だから直接伝える相手に古泉君を選択した。」
キョン「長門に伝えてやりたい・・・・、お前をこれぽっちも憎んだりしてないってよ。」
喜緑(長門さんはもう・・・・・・・)
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 20:44:47.99 ID:UrxvHWt/0
喜緑「話を戻しますが、この史実はまぎれもない事実・・・・。あなたはこの事を一刻も早く知るべきだと思いましたから、お話させて頂きました。」
キョン「なぁ? 時間をくれたあんたには悪いが、気が変わった。 俺に思念体を倒す可能性があるなら殺されるわけにはいかん。」
キョン「時間稼ぎさせてくれた礼を言う。 こっからは無駄に足掻いてみるとするよ。」
ハルヒを逃がす事だけが俺にできる事じゃなさそうだ
俺にはまだすべき事がある
キョン「戦おう。 たとえ無駄だとしても。」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 21:06:02.43 ID:UrxvHWt/0
喜緑「あなた達!!!! 居るんでしょう?! 隠れてないで出てきたら?!!!」
キョン「??!!!!」
古泉「いやはや、ばれてましたか。」
みくる「キョン君・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・。」
キョン「古泉ッ! それに・・・ハルヒまで・・・・!!」
古泉「話は聞かせて貰いましたよ喜緑さん・・・我々にはまだ可能性がある・・・!!」
喜緑「可能性・・? そんなものはございません。 あなた達はここで死ぬ事になるんですから。」
古泉「あなたはさがっていて下さい。 お二人がこの世界の希望なのですから・・・。」
古泉「ここは僕一人でなんとかしましょう。」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 21:14:02.52 ID:UrxvHWt/0
キョン「お前一人っつても、閉鎖空間外では能力はつ
古泉「使えないことはないんですよ・・。」
古泉「ただ力の消耗が早すぎるだけです。」
古泉が動く・・
一瞬で10メートル程はあるかという距離を詰めお手本の様な前蹴りを決め
あの細い足からは考えられない程の鈍い音と共に彼女は後方へと吹き飛んでいく
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 21:28:52.70 ID:UrxvHWt/0
喜緑「少し油断していましたが・・・・さすが機関の中でも随一の実力者・・・・見事ですね。」
ガードに使った右手の埃を払い彼女が何か呪文の様なものを呟き
徐々に右手が突起状の鋭利な形状へと変形していく・・・
古泉「さすがはTFEI端末・・・なんでもありですか。」
古泉「ッ!!!!!!」
古泉の頬を彼女の右手がかすめる
攻撃をかわした直後古泉は足でその右手を蹴りあげ、腹部に強烈なボディブローを打ち込んだ
聞きなれない音が響く
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 21:39:16.42 ID:UrxvHWt/0
喜緑「うッ!!!」
その後前かがみになった彼女の顔面へ膝蹴りを放った
ザッ!!!!!
古泉が構えを変える
古泉「いきますよ!!!!」
そこからは俺の目には追えなかった・・・
凄まじい程の拳の弾幕
連撃・・・!!!!!
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:00:18.99 ID:UrxvHWt/0
間髪入れず左足を軸に古泉がその身を反転させると
見とれる程の回し蹴りを決めた
凄まじい衝撃音と共に彼女はまるで軽い人形の様に吹き飛んで行った
喜緑「ぐっ・・・あぁ・・・あ・・・っ。」
彼女が声にならぬ嗚咽を漏らす・・・・・・・・・
圧倒的に優勢に見える古泉だが、目をやると右足と腹部から血が流れ出ていた
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:04:42.01 ID:UrxvHWt/0
古泉「ふぅ・・・・やはりただでは済まなかったみたいですね。 いつ攻撃されていたのかすら分かりませんでした。」
古泉「喜緑さん・・・・・・・・・・女性相手には少々気が引けますが・・・全力でやらせて頂きますよ!!!!」
喜緑「!!!!!!!!」
古泉「はあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
古泉が気色悪い雄たけびを上げると、その全身を赤い膜の様な物が覆っていく
それを見た彼女は現状以上の間合いを取り、独特な構えをとった
喜緑「・・・・・・・・・・。」
古泉「・・・・・・・。」
二人が先を探り合っているのだろう・・・・俺は二人の間の空気は張りつめ膨張していく様な錯覚にとらわれる
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:42:26.96 ID:UrxvHWt/0
その時少し怯えた様な声が耳元で聞こえた
ハルヒ「・・・・・・・ねぇキョン?」
キョン「・・・・・・・すまんな黙っていて。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・夢なのかしら?」
キョン「現実だ・・・。 さっき俺と彼女の話・・・・聞いてたんだろ?」
ハルヒ「うん・・・・・・・聞こえた。」
キョン「これが終わったら詳しく話す。 それまで俺の後ろに隠れていてくれ。」
ハルヒ「・・・・・・・・・。」
ハルヒが俺の背中にくっついた瞬間、拮抗していた状況が大きく動いた
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:43:18.94 ID:UrxvHWt/0
古泉「んっもっふ!!!!!!!!」
四つの球体が高速で彼女を目がけ飛んでいく
喜緑「・・・・・・・・ッ!!!!」
直撃するかに見えたその球体を軽やかなステップで彼女はかわす
喜緑「エネルギー弾ッ!!! 非常識的なのね・・・・」
古泉「あなたには言われたくはありませんね・・!!」
そして彼女は一瞬後ろへ下がるかの様な動きを見せる
それにつられ古泉が追おうと右足を踏み出した瞬間だった
俺が瞬きを終えた時には古泉の正面に彼女が移動していた
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:44:02.75 ID:UrxvHWt/0
古泉「!!!!!!・・・せッ!!!!」
古泉の大ぶりのストレート!!!!!!!
だが彼女はそれを左手で軽く払い
首の付け根部分に強烈な手刀をねじ込んだ
古泉「あぐぅッ・・・。」
古泉の動きが止まる
古泉の足は震え
俺の目には今にも倒れそうに見える
ハルヒ「古泉くんッ!!!!」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:44:46.09 ID:UrxvHWt/0
古泉「・・・・・・・・問題ないッ!!!!!」
そう叫ぶと古泉は蹴りのモーションに入り
先ほどまで彼女の顔面があった場所を蹴りあげた
古泉「早い・・・・・・・・・・。」
喜緑「良い蹴りでしたよ、それに見た目とは違いタフなんですね。」
古泉「全く・・・・先ほどまではなんとかなる気がしていましたが・・・・正直勝てる気がしなくなってきましたよ・・・。」
古泉「仮に僕がこの赤気で我が身を覆っていなければ、さっきの手刀で僕の頭部はアスファルトの上でした。」
喜緑「十分すぎるほどあなたは強いですよ・・・・人間にしてはですが。」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:46:18.11 ID:UrxvHWt/0
古泉(彼女はまだ余力を残している・・・・・だが僕はこれが全力・・・それに長くはこの状態を維持できない)
古泉「全ての力をこの一撃に賭けましょう・・・・いきますよッ!!!」
古泉がいつぞやの赤い球体へと姿を変えた
喜緑「・・・・・・・・・・・来なさい。」
古泉がもの凄いスピードで彼女へ突っ込んでいく
ブオン
彼女が左手を広げると、古泉の正面に青い壁の様なものが出現した
古泉「打ち抜くッ!!!!!!!!!!!!」
ズガッッッ!!!!
古泉と障壁がぶつかった瞬間、これまでで一番大きな衝撃音が鳴り響く
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:47:52.62 ID:UrxvHWt/0
ピシッ・・・・
彼女の展開した障壁にヒビが入っていく・・・・!!
古泉「ああああああああああああああッ!!!!」
喜緑「勢いは十分落とす事ができました、それを打ち破って私の間合いに入った時があなたの最期です。」
キョン「古泉ッ!!! さがれッ!!!!」
バリンッ・・・
ガラスの割れた様な音の後障壁は崩れ去り
古泉と彼女の距離がみるみる近づいていく
喜緑「残念ですが死んでください。」
彼女が指を弾くと巨大な槍が現れ、古泉に向かって飛んでいく・・・・!!!!
古泉「ここまでかッ!!!!」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:48:39.93 ID:UrxvHWt/0
ザッ・・・・!!!!!!
古泉「それた・・・・・・・・?」
槍は古泉をかすったが勢いはそのままで彼女に突っ込んだ
ズギャッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
喜緑「あああああああああああッ!!!!!!」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 22:49:23.98 ID:UrxvHWt/0
喜緑(・・・・・・これでいいの・・・・・)
同時に大きな爆発に俺の視界は塞がれる・・・・・・・・・・古泉・・・?!!
次第に視界がはれていく
そこには倒れて動かない二人がいた
キョン「古泉ッ!!!!!」
俺は駆け寄り古泉を抱き起こす
キョン「おいッ!!!!」
古泉「・・・・・大丈夫です。致命傷は受けていません。」
古泉「・・・・・・・・ただ力を使い過ぎました・・・・・少し休めば動ける様になると思います。」
キョン「良かった・・・・・・。」
古泉「僕は大丈夫ですから・・・涼宮さんのフォローを頼みます。 貴方と喜緑さんの話を聞いている時震えが止まらない様子でしたから・・・・・・。」
キョン「・・・そうか。」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 23:18:36.79 ID:UrxvHWt/0
俺は今も震えているハルヒの肩に手を当て、ゆっくりと低いトーンで話をした
驚き、困惑するのも無理はない
こいつはいっぺんに色々な事を知りすぎた
俺の場合は徐々に馴らされていったが、こいつの場合は違うからな
だが、もう話さないわけにはいかない・・・
俺はハルヒに全てを話した
ハルヒ「夢じゃないのよね・・・? 私ってなんなのかしら・・・。」
キョン「わからん・・・。 だがな、お前は世界を守る事のできる可能性を持ってんだ。 このまま情報統合思念体に殺されるのは癪にさわるだろ?」
ハルヒ「あたりまえよ・・・・・でも怖い・・。」
キョン「俺だって怖いさ・・・・だけどな。」
キョン「俺がいる・・・・、絶対に守ってやるから安心しろ。」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 23:19:41.98 ID:UrxvHWt/0
古泉(涼宮さん・・・・・どうやら大丈夫そうですね。)
古泉(しかし一つ引っかかる・・・・・・・・、喜緑さん・・・彼女の最後の攻撃・・・・明らかに僕に直撃する直後に軌道が僅かにずれた・・・・
それに最初に僕らが駆け付けた時から気付いていた気さえする・・・ただ真相を話したかった・・・彼を最初から生かすつもりだったのか・・・)
古泉「自分に課せられた使命と気持ちの間で揺れていたのか・・・・・・・・・!!」
「ご無事でしたか皆さん!!!!!」
キョン「新川さん!! それに森さんまで!!!!」
森「酷いけが・・・。」
新川「すぐに手当ていたしましょう・・・。」
古泉「助かります・・・・・、ですがお二人もなんともないわけではないのでは?」
森「現れたもう一体のTFEI端末は、それ程の力を持ち合わせてはいませんでしたので・・・・私達二人で十分殲滅可能でした。」
新川「ですが古泉君がここまで深手を負うとは・・・あの端末の実力・・・・・・恐ろしい物がありますな。」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 23:22:51.96 ID:UrxvHWt/0
新川「では森参りますぞ・・・、応急処置を早速車内でおこないましょう。」
古泉「・・・・ではまた後ほど・・。」
キョン「あぁ。」
ハルヒ「古泉君大丈夫かしら・・・?」
キョン「俺達もぐずぐずしてられない・・・・!!!! 俺ん家の近くの広場まで急ぐぞ!!!」
ハルヒ「キョンどうして?」
キョン「長門が俺達のために朝倉と戦ってくれている!!!!」
ハルヒ「有希が?!」
キョン「そろそろ長門が朝倉を倒している頃だ、あいつが怪我でもしてたらかなわんからな・・・急ごう!!!!」
ダッダッダッ!!!!
俺達は長門の元へと急いだ
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/27(土) 23:25:18.30 ID:UrxvHWt/0
喜緑(まだ少し有機エネルギーが残っているわ・・・・・
これを使えばあるいは再生が可能かもしれない・・・・)
喜緑(長門さんの入れ物は消滅していても、
その残留思念・・構成情報はまだあの場所に存在している・・・・
このまま思念体からの罰を受けずに消えるなんて私が許さない)
喜緑「それに・・・・・・・この人達にはまだ貴女が必要よ・・長門さん」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:26:05.62 ID:7FEsyuMj0
------------俺達はさっき長門と朝倉が居た場所へ着いた
キョン「かなり遅くなっちまった・・!」
ハルヒ「有希はどこかしら? 無事だといいんだけど・・・・。」
キョン「野暮な事言うもんじゃない。 あいつは無敵の宇宙人だ。 朝倉如きに負けるはずがねーだろ。」
キョン(頼むぞ長門・・・・無事でいてくれ・・・・!!!!!!)
ハルヒ「キョン!!! あそこ!!!!!!」
キョン「長門ッ!!!!!!!!!!」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:26:51.33 ID:7FEsyuMj0
俺達は長門に駆け寄った
キョン「おい!!! 無事か??!!!!!!!」
ハルヒ「有希ッ!!!!!!!!」
長門「んッ・・・・????」
キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・良かった・・・・。」
長門「どうして・・・・・・・?」
長門(私は朝倉涼子の戦いの後に消滅したはず)
長門(それは間違いない・・・・・・)
長門(なのにどうして・・・・・・・・・・・・・?)
長門(!!!!!!! 今私の中に内在している有機エネルギーの一部・・・・・間違いなく喜緑江美里の物・・・・・!!!!!!!!)
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:28:24.80 ID:7FEsyuMj0
ハルヒ「これで取りあえず目の前の敵は倒したわけよね?!! 有希も疲れただろうし、今日は家に戻って休みましょう!!!」
キョン「そうだな、ハルヒの言う通りだ。 長門・・・もう他の宇宙人はいないんだよな?」
長門「あなた達を消しに来ていたインターフェイスは私が感知していた者で3体いた。 安心して、全て存在は消えている。」
キョン「そうか。 ならいったん家へ戻ろう、明日部室で作戦会議だ。」
ハルヒ「なんであんたが仕切んのよ?! 部長はこの私よ!!!」
キョン「・・・・・・・。」
ハルヒ「SOS団vs情報統合思念体!!!!!! 地球の存亡を賭けた戦いになるわッ!!!!!!!」
さっきまで怯えた犬の様な目をしていた癖に、今では夢を見つけた少女の瞳だな
しかし・・・・強がりじゃないといいんだがな・・・・・・
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:29:12.94 ID:7FEsyuMj0
キョン「ハルヒ、あんま無理すんなよ。 あっ、お前は先に帰って寝ててくれ。」
キョン「動けないだろうから俺は長門を送ってから帰る。」
ハルヒ「・・・・・・・・私も行くわよ。」
キョン「お前はさっさと帰って寝ろ。 疲れただろ?」
ハルヒ「むっ・・・・・・・・分かったわよ!!」
キョン「行くぞ長門・・、つかまれ。」
長門「・・・・・・そう。」
キョン「軽いなお前。」
長門「・・・そう。」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:30:59.91 ID:7FEsyuMj0
-----------------------------俺はハルヒと別れ長門のマンションへと向かった
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・。」
ハルヒ「なんだか有希が羨ましい・・・。」
ハルヒ「・・・・こんな事言っちゃいけないわね。 有希は私達のために戦ってくれたんだもの。」
ハルヒ「・・・・・・・・・私も帰ろう。」
----------------------------------------
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:31:47.80 ID:7FEsyuMj0
キョン「なぁ、長門・・・・すまなかったな。」
長門「あなたが謝る必要はない。」
長門「むしろ謝らなければならないのは私の方。」
長門「・・・・・・ごめんなさい。」
こいつは情報統合思念体が俺達に攻撃を仕掛けているのを気にしてんだろうな
長門「・・・・・・・・・・・。」
キョン「・・・・・・。」
長門「・・・・・・・・怒ってる?」ぼそっ
キョン「なぁ長門・・・・・。」
長門「・・・・・・・・・。」
キョン「ありがとう。」
キョン「何がごめんなさいだ・・・何が怒っている?だ。」
長門「・・・・・・・・。」
キョン「二度と馬鹿な事言わんでくれよな。」
長門「・・・・・・・・そう。」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 00:33:08.35 ID:7FEsyuMj0
--------------------------それからしばらく俺達は無言でマンションへとゆっくり歩いていった
あったかいな・・・・・・・長門の手・・・・・・・・・
背中越しに長門の温もりも感じる
しっかし小さな手だな・・・だがこの手で俺達を守ってくれたんだ
情報統合思念体にこいつは造られたが
朝倉や喜緑さんとは違い 完全に自分の意思で動いている
思念体からすりゃ完全に殲滅の対象だろうな
黙って思念体に従ってりゃ、こいつは危険な目に合わずに済んでいた
本当にこいつにとってこれで良かったんだろうか・・・・?
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:01:05.53 ID:7FEsyuMj0
キョン「なぁ長門・・?」
長門「何?」
キョン「俺達に手を貸した事・・・・・少しも後悔してないのか?」
長門「・・・・・・・正直に言うと悩んだ。」
キョン「・・・・・・・・やはりそうか。」
長門「だけど後悔はしていない。 こうしてあなたとまた会えた・・・・・」
キョン「・・・・・・・・・。」
長門「あなた達とは・・・・・・あなたとは離れたくない。」
キョン「俺もまた会えて良かったよ。 俺達は仲間だ。」
キョン「だが俺はお前が朝倉に負けるなんて、これーーーっぽっちも思ってなかったぞ。」
長門「言葉の解釈を間違えている。」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:02:22.45 ID:7FEsyuMj0
キョン「??? 分からんのか? これーーっぽっちもってゆーのは、ほんの少しもって意味だ。」
長門「・・・・・・・・・・。」
キョン「お前は難しい言葉ばかり話すからな。 少しは俺レベルの言葉も勉強したらどうだ?」
キョン「これーーーっぽっちも。」
長門「これーーーーっぽっちも。」
キョン「そうそう。」
長門「そうそう。」
私はふと思った
涼宮ハルヒがよく発言している
バカキョン
今なら意味が少しわかる気がする
・・・・・・・バカキョン
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:03:04.12 ID:7FEsyuMj0
キョン「んっ? どうした長門?」
長門「どうもしていない。」
気のせいか長門が俺にしがみつく力が多少強くなった気がした
キョン「後少しで着くからな、もう少し我慢してくれよ。」
長門「・・・・・・・・・・・・そう・・・・。」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:25:14.03 ID:7FEsyuMj0
---------------------長門のマンション
キョン「相変わらずの部屋だな、カーテン位つけたらどうだ?」
長門「必要ない。」
キョン「そうか、たしか布団はこの奥の部屋だったよな、あったあった。」
キョン「よし着いた。今日はゆっくり寝てくれよ。」
キョン「明日またどーなるか分からんからな。」
ばさっ
俺は長門を布団に寝かせ、毛布をかけた
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:30:04.71 ID:7FEsyuMj0
キョン「そうだ、お前腹減ってないか? なんか作るぞ。」
長門「いい。 今夜はもう遅い、早く帰ってあなたも寝るべき。」
キョン「そう言うな。俺にもこれ位させてくれ。 味の保証はできんがな。」
長門「・・・・・・冷蔵庫の中に一通りの食材が入ってる。 好きに使って。」
キョン「おぉ、まかせとけ。」
俺は冷蔵庫を開け食材を吟味した
あいつは味に対してかなり無頓着なのは承知の上だが
俺が納得できない
俺の料理の才能を総動員して、あいつの労をねぎらってやんないとな
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:36:18.26 ID:7FEsyuMj0
キョン「よし・・・・・!!! チャーハンにしよう。」
一つこの発言について注意して欲しい事がある
俺の料理のレパートリーが少ない
とか
もともと料理の腕がない
とか
そーゆー事ではない
あいつが好みそうな食材を考えた時、俺の脳細胞達が満場一致で出した答えがチャーハンだったんだ
俺は野菜やら肉やらを鮮やかな手つきで刻み、米と一緒にフライパンに広げた
キョン(・・・・・・・・・これでいいんだろうか?)
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:37:06.39 ID:7FEsyuMj0
キョン「おっ!! 油を敷くのを忘れてた・・・。 俺としたことが・・・。」
キョン「よし!! 後は焼けるのを待つだけだな。」
キョン(それにしても今日一日・・・本当に疲れた・・・フルマラソンを3回位した気分だ)
俺は冷蔵庫を背もたれにし、腰掛けた
フライパンが良い音を奏でているのが、不思議な程心地よい
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:39:02.36 ID:7FEsyuMj0
ジュージュー
キョン「これは美味いチャーハンが出来上がるぞ。 ・・・・・・間違いないはずだ・・・・・・間違いない。」
----------------------------
-------------------------
----------------------
------------------
----------------
---------------
-----------
---------
-----
----
--
長門「・・・・・・・・・臭い。」
私は重い体を起こし、台所へと向かう
そこには冷蔵庫の前で倒れこんで寝ている彼がいた
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 01:58:52.82 ID:y6XBPWaDO
取りあえず火を消し、フライパンの中で焼きあがった物体を見つめる
米と肉以外原型はないが、おそらく炒飯を作ろうとしていたのだろう
私はそれを皿へと移しスプーンですくった
長門「・・・おいしい。」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 02:00:17.30 ID:y6XBPWaDO
今まで色々な食品を摂取してきたが、おいしいと思ったのは初めてだった
スプーンがどんどん皿へと進む
3分とかからず私はそれを完食した
長門「満足・・・・おいしかった。」
私はスプーンを置き、彼を見つめる
長門「どうするべきか分からない。」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 02:02:14.51 ID:y6XBPWaDO
起こした方が良いのか、このままここで寝かせた方が良いのか
考えても分からない為、私は彼に尋ねてみる事にした
長門「起きて。」
キョン「にゃむ・・・・。」
揺すっても全く起きる気配のない彼を前に私は立ち尽くす
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 02:03:25.47 ID:y6XBPWaDO
長門「・・・・・・・・仕方がない。」
私は彼の腕を引きずり寝室まで運ぶ
布団に彼を転がし
そして毛布をかぶせた
私はここで気づいた
布団が一つしかない事に
長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がない。」
私は彼と一緒の布団で寝る事にした
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 11:58:01.31 ID:+T4YnOVi0
キョンの家---------------------------------
もぞもぞ
ハルヒ「遅いわ・・・・!!! 遅すぎるわよ・・・・・・・・・・!!!!!」
ハルヒ「あそこから有希ん家までどんなにゆっくり歩いても15分。」
ハルヒ「キョンの亀の様なスピードでも、いい加減帰ってきていい時間よ!!!」
もぞもぞ
ハルヒ「何してんのかしら・・・・・バカキョン・・・・・・・・・。」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 11:59:03.34 ID:+T4YnOVi0
再び長門のマンション---------------------------------
もぞもぞ
つんつん
キョン「にゃむにゃむ。 もう戦えんぞ俺は・・・にゃむ。」
長門「ユニーク。」
・・・・・・・・・・・・・・・
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:00:17.56 ID:+T4YnOVi0
人間にだけ芽生える 恋愛感情 という言語で説明する事が難儀な感情
どんな本を読んでも
書いてあるのは感情論ばかりで
定義は様々
私には良く理解する事ができなかった
最初から対有機生命体用インターフェイスである私には
芽生えるはずなどなく
理解する事などできないのだろう
だけど
今私が彼に伝えたいと願っている言葉
叶わないとしても 実現したいと願っている関係性
これはなんなのだろうか・・・・・・・?
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:01:14.40 ID:+T4YnOVi0
スッ
私は彼の手をとり
手を広げ
自分のてのひらと重ねわせてみた
長門「大きい。」
次は彼のてのひらの間に5本の指を入れ 彼の手をつかんでみた
人間の恋人達だけがする手の繋ぎ方らしい
長門「・・・・・・・・・・。」
私は彼の唇を観察してみた
指を彼の唇にあてなぞる
長門「柔らかい。」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:02:25.66 ID:+T4YnOVi0
自分に沸き起こる衝動に私は戸惑っていた
長門「・・・・・・・・・・抱きつきたい。」
私は彼の背中に手をまわし
自分の頬を彼の胸にあてた
暖かい・・・・・・・
自分が対有機生命体用インターフェイスというのは嘘で
情報統合思念体が今人類の殲滅を企てているのも嘘で
私は普通の女子高生で・・・・・
長門「このまま時が止まればいい・・・・私と彼の二人だけの空間・・・・・・・世界はこのままがいい。」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:03:33.01 ID:+T4YnOVi0
ゴソゴソ
キョン「・・・にゃむ・・・・・」
彼が私に手を回してきた
自分の鼓動が高まり
心臓が壊れそうになる程の錯覚を感じた
キョン「・・にゃむ・・・・・・・・。」
長門「・・・・・・・・・。」
キョン「ハルヒ・・・・。」
長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:05:10.61 ID:+T4YnOVi0
私が想っている感情は言語にしてはいけないもので
叶わぬ願いだというのは分かっている
長門「・・・・・・・最初から理解していた・・・・。」
布団のシーツが徐々に濡れていくのに気づいた
私にはそんな回路はなかったはずなのに
何故・・・・
瞳から溢れる液状のものが
止まらないのだろうか
長門「・・・・・・・・・悲しい。」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:41:53.54 ID:+T4YnOVi0
長門「・・・・・・・・・悲しい。」
--------------------------翌朝
ジュジュー
キョン「はっ!!!!!!!」
ジュジュー
キョン「・・・・・・・どこだここ?」
そう言えば俺は昨日長門を家に送りに行き
長門にチャーハンをふるまおうとしていた
だがそこから先の記憶がない・・・
キョン「あのまま寝ちまってたのか!! おいおい今日は学校だぞ・・・制服どうしよう・・・。」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:42:49.84 ID:+T4YnOVi0
ジュージュー
キョン「・・・なんだかさっきから美味そうな匂いがするな。」
キョン「長門ーーー?!」
スタスタ
長門「何・・・?」
そこには調理器具を手にしエプロンを着た長門がいた
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:57:23.25 ID:+T4YnOVi0
キョン「昨日はお前ん家で寝ちまって悪かったな・・。すまん。」
長門「・・・いい。」
キョン「そういや俺は布団で寝てるが、お前はどこで寝たんだ?」
長門「・・・・・・もう一つの布団。」
キョン「そうか。 泊めて貰った上にお願いなんだが、家に帰るのがすこぶる面倒なんだ。」
長門「それで?」
キョン「お前、制服出せないか?」
長門「不可能ではない・・・、でも構成情報が若干異なる。」
キョン「おお! 似たヤツなら作れるって事だな? 頼む!!!」
長門「分かった。」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 12:59:38.48 ID:+T4YnOVi0
そう言うと長門はハンカチを広げ
呪文の様なものを唱えると
そこには制服一式が出来上がっていた
キョン「さすがだな長門!! 助かった!!!!」
長門「もう少しで朝食が出来上がる。 待ってて。」
キョン「悪いな、何から何まで。」
こいつの手作り料理を食うのは初めてだよな・・・?
一体どんな物が飛び出すんだろうか・・・・。
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 13:00:41.04 ID:+T4YnOVi0
キョン「・・・・・・・!! そうだ・・!!!!」
俺はおそるおそる携帯を開く
着信件数
98件
初めて見る数字に俺は生唾を飲んだ
画面を下にスクロールしていくと
そこに書いてある名前は全て団長様の御名前だった
キョン「・・・・どうすっかなーー。」
俺の脳細胞が一気に活性化し
脳内会議の開催が決定された
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 13:01:27.49 ID:+T4YnOVi0
長門「できた。」
キョン「おお。」
俺はテーブルに並べられた長門の手料理をもくもくと食べながら
脳内会議の出す決議を待っていた
長門「おいしい?」
キョン「おおうまいぞ!!」
長門「嬉しい。」
キョン「そうか。」
ん・・・? 嬉しい? 長門からそんな言葉を聞いたのは初めてじゃないのか?
最近長門が感情豊かになってきている気がするな
キョン「良いことだ。」
長門「何が?」
キョン「独り言だよ。」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 13:02:16.40 ID:+T4YnOVi0
脳内会議での議論が徐々に少なくなっていき、議場は沈黙に包まれた
どうやら決定したらしい
キョン「長門・・・今日は学校サボるぞ。」
長門「・・・なぜ?」
キョン「昨日は色々ありすぎて、正直疲れた。 お前にもリフレッシュして欲しいしな。」
長門「・・・・・・・。」
キョン「さぼって町へ行こう。 お前の好きな図書館でもいいぞ!!」
長門「・・・・・・・・分かった。」
私は二人だけの時間が続く事に喜びを感じていた
キョン「そうと決まれば、出かける用意をするぞ。 長門すまんが、こいつをできる限りお洒落な私服に変更してくれ。」
長門「分かった。」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 13:03:24.31 ID:+T4YnOVi0
俺達は飯を食い終わると出かけるための準備を始めた
学校はいいのかって?
関係ないね
俺達は世界の危機と闘ってんだ
一日位学校を休んでも問題ないだろ
でも部活に行かないとな、一応集まって作戦会議をする事になっている
だがそれまでは
ハルヒに会いたくない
俺はいいしれぬ恐怖を感じていた
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 13:04:11.79 ID:+T4YnOVi0
学校------------------------
キーンコーンカーンコーン
谷口「国木田ーー? キョンのヤツまだこねぇな。」
国木田「キョンが学校を無断欠席するなんて珍しい事もあるもんだね。」
谷口「チラ・・・俺、さっきから思ってたんだが。 涼宮のヤツすげー機嫌悪そうじゃないか?」
国木田「チラ・・・・そう言われてみるとそうだね。 さっきからずっと貧乏ゆすりしてるし。」
谷口「あいつら夫婦喧嘩でもしたのかもしれんなー?」
国木田「あっ!!!」
ガタン!!!!!
ダッダッ!!
ハルヒ「あんた達、キョンの事なんか聞いてない?!」
谷口「・・何も知らんぞ、俺達は。」
ハルヒ「そう。 ならいいわっ!!!」
ガタン!!!!!!!
谷口「ふぅ、良かった。 あいつ席に戻ってった。」
国木田「荒れてるみたいだねー、涼宮さん。」
ハルヒ(まったくあのバカキョン・・・何してんのかしら・・・・!!!)
ハルヒ(見つけたら百叩きの刑では済まないわよッ!!!!!!!!!!)
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:04:52.03 ID:+T4YnOVi0
駅前商店街---------------------------
キョン「たまにはこういうのも悪くないな。」
長門「・・・・・・・・・・。」
キョン(もうどうにでもなれだ。)
なんだか長門が俺の手をずっと見ている気がする
そういや喜緑さんを思いっきり殴った時に少し赤く腫れてるからな
心配でもしてくれてるんだろうか?
俺たちは商店街をぶらりと一周した後図書館へと向かい
放課後までの時間を潰す事にした
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:05:43.07 ID:+T4YnOVi0
機関関係者専用療養施設------------------
ガチャ
森「失礼します。」
古泉「どうぞ。」
森「容態はどうでしょうか?」
古泉「順調です。問題ありません。」
森「良かった・・・・・。」
古泉「御心配おかけして申し訳ありません。」
森「あなたが謝罪する事はありませんよ。」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:08:22.07 ID:+T4YnOVi0
古泉「ところで、情報統合思念体の動きについてですが、昨夜から何か変動はありましたか?」
森「いえ・・・今の所なにも。」
森「おそらく神が展開したとみられる自空間バリアによって、ミサイルの飛来はストップしています。」
古泉「・・・・・。」
森「それに他のTFEI端末も出現したという情報は入ってきていません。」
古泉「事態は一旦収束したというべきなのか。」
森「今の所は・・・・ですね。」
古泉「・・・・・・・・。」
森「今、新川さんが情報統合思念体についての情報を探っています。 太古にあったとされる火星人類と思念体の戦い・・・」
森「という事は思念体は情報の集合体ではなく、実体を伴っているという事になります。 ならば我々も戦える。」
森「幸い神は無事でした。 彼女がイブ・アナスタシアが戦いに用いた聖剣アガートラームを内的宇宙に宿しているのならば、
いかに思念体が絶対的存在だとしても我々には勝機があるはず。」
古泉「・・・・・・その通りです。」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:09:25.08 ID:+T4YnOVi0
森「ですが彼女の内的宇宙に存在しているとされる、アガートラームを現実世界に召喚させるにはどうすればいいのか?」
古泉「・・・・・問題はそこですね。」
森「喜緑というTFEI端末の発言した史実を全て信じたとすると、私達はアガートラームの力に頼らねば思念体を倒す事は叶わない。」
古泉「思念体が直接我々に手を下す前に、なんとしても彼の手にアガートラームを・・・・・・。」
prrrrrrrrrrrr
森「誰かしら・・・?」
古泉「どうぞ。」
森「新川さんからです。失礼しますね。」
森「はい、森です。」
新川「厄介な事が起きました。 巨大な漆黒の火の玉が合衆国の重要な軍事施設を直撃しました。」
森「えっ!!!?」
新川「詳しい状況は今の所分かっていませんが、被害は甚大な様ですな。」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:10:27.52 ID:+T4YnOVi0
新川「今どちらです?」
森「第18病室です。」
新川「彼と一緒ですな。 そちらのパソコンの電源を立ち上げて下さいますか? 今画像をお送りしましょう。」
森「はい、急ぎます。」
-----------
---------
-------
森「大丈夫です。」
新川「では。」
パソコンのスクリーンにもはや原型のない建造物が浮かび上がる
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:11:17.29 ID:+T4YnOVi0
新川「これが例の軍事施設です。 たった一撃でこれだけの範囲を破壊されています。」
森「・・・・・・・!!!!!」
新川「そして、今や残り火となったこの黒炎ですが、金属はおろか全ての物質を燃やせる様です。」
古泉「・・・・・・・。」
新川「燃やすというより破壊と同時に侵食していくと言ったが正しいのかもしれません。」
古泉「情報統合思念体ッ・・・・・・・・・・!!!!!!!」
古泉「こんな存在と戦えるのか・・・・??!!!! 例えアガートラームと呼ばれる聖剣を手にしたとしても・・????!!!!!!!?」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 14:13:32.05 ID:+T4YnOVi0
新川「・・・・そして次の画像がこれです。」
古泉「・・・・・・・・。」
森「なんですかこれは?」
新川「詳しくは分かりかねます。 現在調査中です。」
新川「これはNA-S-Aが捉えた画像です。 黒い球体が地球に向かって考えられない程の速度で接近してきています。」
古泉「おそらく・・・・・。」
新川「判断するには時期尚早でしょうが、なんらかの兵器か・・・情報統合思念体・・本体・・・・・でしょうな。」
古泉「・・・・・・・・地球との距離は?!!!」
新川「約784万光年先です・・・・・ですが、この速度をこの黒い球体が維持したと仮定すると後3日程でこちらに飛来する考えられます。」
古泉「後3日ッ・・・・・・・・・・・・!!!!!!」
新川「・・・・・・・・・・我々には残された時間は僅かな様ですな。 私は調査を続行して行います。」
新川「貴方はその身を一刻も早く治す事に専念して下さい。」
・・・・・・・・・・・・・どうなるんだ・・・僕達は・・・・
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:02:33.89 ID:+T4YnOVi0
図書館---------------------------
長門は隣の隣で本を読んでる
キョン「おもしろいのかそれ?」
長門「とても興味深い。」
キョン「そうか。 それは良かった。」
長門が読んでるのは題名から察するに恋愛小説だろう
こいつはその本を読みながら
どんな考えを持つのだろうか
俺の想像ではこいつにそんな感情はないのだろうから
おそらく人間の感情の勉強みたいなつもりで読んでいるのか
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:03:15.61 ID:+T4YnOVi0
だからその本の感想は 興味深い ってわけか
長門の心理分析をして多少気がそれたが
再び俺をいいしれぬ恐怖感が襲いだした
ハルヒ・・・・・・・・・
部室でなんて言い訳しよう
なにか良い案はないのだろうか
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:04:16.73 ID:+T4YnOVi0
・・・・・・・・・・・・・?
待てよ
何故言い訳する必要がある
俺は長門の家に泊まりはしたが
なーーーーーんもやましい事はない
そっくりそのまま説明してやればいい
で、学校をサボったのは気分転換のためだ
何もビビる必要はないじゃないか
キョン「なんだか気が楽になったぞ。」
長門「???」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:07:46.46 ID:+T4YnOVi0
キョン「ところで長門よ。」
長門「何?」
キョン「俺は今昨日の事が嘘みたいな気分なんだが、これからどうしたらいいんだ?」
長門「現在、情報統合思念体と見られる球体がこちらに向かっている。 地球到達まで残り約3日と半日。」
キョン「そうか・・・・・・・ってさらっと言うなよそんな事!!!」
長門「2分25秒前に気づいた、それに発言するタイミングが無かった。」
いよいよだな・・・・・・・・・・・・・・・
アガートラームを内的宇宙に内在したハルヒ
そしてイブ・アナスタシアという地球人類の始祖である火星人の生まれ変わりらしい俺
俺が思念体を倒せる望みなら、そろそろ俺の手元にその聖剣とやらがあってもいい頃合いなんだがな
キョン「そろそろ時間だ、行くか長門。」
長門「・・・・分かった。」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:08:51.60 ID:+T4YnOVi0
部室----------------------------
ハルヒ「遅いわっ!!!!! あのバカキョンはSOS団にも顔を出さないつもりかしらッ!!!」
みくる「涼宮さん・・・・ちょっと落ち着いた方が・・・
ハルヒ「うるさいわよみくるちゃん!!! 少し黙りなさい!!!」
ガチャ
ハルヒ「ギロリ」
古泉「おやお二人だけですか。」
ハルヒ「なんだ古泉君か・・・。」
古泉「朝比奈さん・・・涼宮さんどうかされたんでしょうか?」ボソボソ
みくる「それが・・・・」ボソボソ
古泉「・・・・・・・なるほど。」
古泉(彼も罪な男ですね しかもこの世界の非常時に)
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:13:27.79 ID:+T4YnOVi0
ガチャ
みくる「ちょっと涼宮さん・・・
ダッダッダッ
キョン「悪い遅くな
ガシッ!!!
ハルヒが俺のネクタイを引っ張り上げ大声で叫んだ
ハルヒ「どこ行ってたのよッ!!!!!」
声と行動には似合わず
ハルヒの瞳は子犬の様に感じた
キョン「すまん、すまん。」
俺は昨日の事と今日長門と気分転換に図書館に行ってた事を告げた
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:14:48.48 ID:+T4YnOVi0
ハルヒ「・・・・・・そうだったの。 あんた有希が疲れて寝てる時に変な事したんじゃないでしょうねッ?!!!」
キョン「なわけないだろ。 ほら長門も言ってやってくれ。」
何故だ?
・・・・・・俺と目があった瞬間に長門は目をそらした
キョン「とにかく何もなかった。 信じてくれ。」
ハルヒ「・・・・分かったわよ。」
古泉「・・・では解決したようですし会議を始めましょう。 事態は急を要します。」
古泉が機関の病室で休んでいた時にあった話を始めた
部室内には嫌な空気が広がり
その話の間 進言する者は一人もいなかった
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:26:46.33 ID:+T4YnOVi0
キョン「軍の主要な施設までもが壊滅的な被害か・・・。」
長門「・・・・・・・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・。」
古泉「おそらく情報統合思念体に対抗できるのは、あなたと涼宮さん・・・・お二人だけでしょう。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・。」
古泉「この映像を見て分かる通り、喜緑さんの力など大きく凌駕しています。」
古泉(という事は次の戦いにおいて 僕は役にたたないという事になりますね)
古泉「現在我々機関は情報統合思念体がどういう存在であるか・・・そしてイブ・アナスタシアという人類の始祖・・・聖剣アガートラームの情報を集めています。」
281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:56:44.27 ID:+T4YnOVi0
古泉「長門さん・・・あなたに聞きたい事があります。」
長門「・・・何?」
古泉「情報統合思念体について出来る限り詳しく話して下さい。」
長門「・・・・・・分かった。」
282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:57:32.31 ID:+T4YnOVi0
長門によると思念体は遙か昔・・・・実体を持つ有機生命体だった
その時点で一つの銀河を統括する程の存在だった彼だが
一つの避けられぬ壁にぶつかる
有限の生命
それを避けるには自らを情報のみの意識体に昇華させる必要があった
現在の礎となる 情報思念体 とその存在を変えた彼は無限の生命だけでは飽き足らず
更なる進化を望んだ
無限に広がっていく宇宙空間の中で己と極めて似た存在にあった6体の情報思念体を見つけ
己の内へと飲み込んだ
それが
情報統合思念体
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:58:37.18 ID:+T4YnOVi0
この時彼は全銀河を統括する神とも呼べる存在になった
実体は存在しないと言ったが
火星での戦いから推測するに
己の実体は何らかの方法で保存していると考えられるとの事らしい
そして
情報思念体と呼ばれる前の存在
実態を持つ有機生命体だった頃の名を
ロードブレイザー
284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 19:59:45.11 ID:+T4YnOVi0
古泉(我々は神とも呼べる存在と戦おうとしているのか・・・・・!!!)
古泉「長門さん・・・情報のみで構成された意識体ならば殲滅は不可能ですが、実体を持った状態ならば可能なんですね?」
長門「おそらく・・・・。 情報統合思念体がアガートラームを恐れているのはその為。」
古泉「聖剣アガートラーム・・・・一体それは何なのでしょうか?」
長門「私はあなた達が知っている以上の情報は持っていない。」
古泉「・・・そうですか・・・ありがとうございます。」
キョン「俺はそのアガートラームとやらを使える力があるんだよな? だが、手元に存在しない物は使いようがないぞ。」
古泉「まずは情報です。 アガートラームがなんであるのか・・・・、もしかしたら実体のない兵器なのかもしれません。」
古泉「いったん僕はまた機関に戻らさせて頂きます。 やる事が山の様にありますので。」
キョン「・・・・・・・分かった。」
古泉「我々機関を信じて下さい。 あなた達二人の助力になる様、総力を上げて尽力させて頂きますよ。」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:01:34.66 ID:+T4YnOVi0
そう言い残し古泉は部室を出て行った
キョン「そう言えば朝比奈さん・・・未来からの協力は得られたんですか?」
みくる「えぇ・・・・、さっきこんな物が送られて来ました。」
キョン(何だこれは・・・・・・・!!!?)
朝方に放送している戦隊シリーズに出てきそうな銃だ
キョン「・・・・これおもちゃじゃないでしょうね?」
みくる「違います・・・たぶん・・・書面によると、超高威力光線銃だそうです。」
キョン「これが・・・・・??!」
みくる「私にも戦えって事みたい・・・・でも正直、自信ないし、怖いです。」
キョン「・・・・・・。」
みくる「でも私・・・頑張ります。」
キョン「無理はしないで下さいね。」
287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:04:06.23 ID:+T4YnOVi0
キョン「今日はこのへんでもうお開きとしよう。 これ以上続けても無意味だしな。」
みくる「そうですね。」
長門「これ・・・・・。」
そう言うと別れ際に長門が朝比奈さんにモデルガンを渡した
みくる「なんでしょうか長門さん・・?」
長門「練習しといて。」
確かに長門の言う通りだ
朝比奈さんに狙撃の才能なんてあるはずがないからな
その後俺達は各々の帰路についた
289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:06:56.70 ID:+T4YnOVi0
帰り道-----------------------------------
どことなくムスーーーッとしたハルヒと無言のまま並んで歩いていく
空気が悪い・・・・何を言っていいのか分からず
とりあえず口を開いた
キョン「なぁハルヒ・・・何か言いたい事とかないのか?」
ハルヒ「バカキョン。」
キョン「・・・・・・。」
まだ怒ってんだろうかこいつは、だが怒る理由が良く理解できんぞ
キョン「昨日帰らなかった事、怒ってんのか?」
ハルヒ「なんであんたの行動にいちいち私が機嫌を悪くしないといけないのよ?」
ハルヒ「だいたいいちいち聞いてこないでよッ!! そんな事ッ!!!」
キョン「・・・・・・そりゃすまなかったな。」
ハルヒ「・・・・・・・・・・バカ。」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:08:17.08 ID:+T4YnOVi0
キョン「なぁ少し寄り道してかないか? そこを左に曲がれば河川敷だ。」
ハルヒ(河川敷・・・・・・・この前子犬が居たとこだ・・・・・・・。)
キョン「・・・聞いてるのか?」
ハルヒ「! あぁそうね、行ってみましょう。」
河川敷-----------------------------------
キョン「あの時と同じ奇麗な夕日だな。」
ハルヒ「そうね・・・・。」
どこか上の空でそう答えるハルヒを見ながら
こいつはやはり何か言いたい事があるんじゃないかという気がしてきた
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:09:11.33 ID:+T4YnOVi0
ハルヒ「・・・・あんたん家に来た初日にここに来た時ね・・・・」
キョン「・・・・・・・・・。」
ハルヒ「首輪してない犬がいたの・・・・」
キョン「・・・・・・・・・・。」
ハルヒ「私はその犬を見て・・・・野良だと思った・・・・・」
キョン「・・・・・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・仲間だって思った。」
どこか悲しげな表情で夕日を見ながらハルヒは続けた
ハルヒ「あの夜・・・寂しかったの・・・あんたが居なくて・・・有希に取られた様な気がした。」
キョン(そうだったのか)
ハルヒ「最初にここに来た時・・・私は一人だって思ってたけど今は違う・・・・。」
ハルヒ「・・・・・・・・どこにも行かないでよね・・・・・・・・。」
俺はハルヒを見ながらコクリと頷いた
こうゆう時何と言うべきか俺は分からない
俺はハルヒをただ抱きしめた
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:54:39.30 ID:+T4YnOVi0
ハルヒの部屋-------------------------------------
もぞもぞ
ハルヒ(まだドキドキしてる・・・・・・・なんでだろ・・・・・・・最近私おかしいわ・・・・・・)
ハルヒ(この前、布団で寝た時といい、今日といい・・・・・)
ハルヒ(今私あのアホ顔と一緒に寝たいとか考えてる・・・・・・・・)
もぞもぞ
ハルヒ「なんなのよもぉ・・・」
私は河川敷での出来事を
キョンに抱きしめられた時を思い出していた
296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 20:55:54.35 ID:+T4YnOVi0
ずっと一緒にいたい
歯を磨く時も
登校する時も
ご飯食べる時も
テレビ見る時も
ハルヒ「・・寝る時も。」
もぞもぞ
ハルヒ「はふぅ・・・・・・。」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:01:27.27 ID:+T4YnOVi0
私が布団で寝がえりを繰り返していると
今まで体験した事のない程の大きな地響きが起こった
ゴゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!
ハルヒ「何一体?!!! 地震ッ!!!!!?」
バタン!!!!
家が大きく揺れる中私の部屋のドアが開く
キョン「ハルヒっ!!!」
ハルヒ「・・・地震かしら?」
キョン「・・・それにしては大きすぎるな。」
揺れが次第に治まっていく・・・・
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:02:24.93 ID:+T4YnOVi0
俺は外の状況を確認するため窓を開けるが
外の状況を見て愕然とする事になる
ただの地震ならどんなに可愛い事だろう
俺の家から50キロ程先にある
良く登山に行っていた馴染みのある山
そのふもとあたりにぼんやりとだが確認できる
絶望すら感じる光景
誰の仕業かは語る必要もない
天に向かって竜巻の様になびく黒炎
ここまでおぞましい音が響いてくる
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:03:12.25 ID:+T4YnOVi0
ハルヒ「・・・・・・ひどい・・・・。」
ハルヒが声にならない声でそう言った
俺達への挨拶のつもりだろうか
なんて礼儀を知らんやつだ
キョン「・・・・・・・とっとと来やがれ、俺はここにいるぞ・・・・・!!!!!!」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:12:15.54 ID:+T4YnOVi0
漆黒の球体来襲まで残り3日----------------------------------
この日は担任から連絡があり学校はしばらく休校が決まったと伝えられた
原因不明の黒炎は様々な憶測を呼び
天災だと神に祈る者や
UFOからの襲撃だとする者もいた
そのどちらも遠くないが、どれも違う
ロードブレイザーが神に近い存在と言う事は認める
だが
焔の災厄 魔神ロードブレイザー
それ以外にお似合いの言葉はないだろう
303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:12:55.97 ID:+T4YnOVi0
ハルヒの部屋----------------------------------------
昨夜俺達は布団をくっつけ隣同士で床についた
キョン「少しは寝れたか?」
ハルヒ「あんまり寝れなかったわ。」
キョン「お前はもう少し寝ててくれ。 俺は昨日の山のふもとを見に行ってくる。」
ハルヒ「私も行く。」
キョン「お前は全然寝てないだろ?」
ハルヒ「・・・・でも。」
ハルヒ「それはあんただって同じじゃない。」
キョン「俺はショートスリーパーなんだ、少しでばっちりだ。」
ハルヒ「・・・・・・・。」
キョン「すぐ戻る。」
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 21:35:22.42 ID:+T4YnOVi0
ガチャガチャ
俺は親父の原チャにまたがり50キロ先にある山のふもとへと向かう事にした
勿論無免許だが世界の危機と戦ってるんだ
それ位許してほしいもんだ
俺はエンジンをかけてまたがった
ぶーーーーーん
谷口がスクーターに乗っただなんて小さな不良自慢してたが
こんなん誰でも運転できるじゃないか
キョン「50キロ・・・けっこう遠いな。」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:03:19.09 ID:+T4YnOVi0
機関第一会議室----------------------------------------------
幹部構成員「先日の合衆国への攻撃もそうだが、昨日の攻撃の威力・・・・・常軌を逸している。」
幹部構成員2「だが我々は戦わなければならない。」
幹部構成員3「神はまだアガートラームを準備して下さらないのかッ!!!??? 後3日・・・このままでは間に合わんぞッ!!!!」
幹部構成員2「まぁそう焦るな。 まだ僅かだが時間はある・・・!!!」
幹部構成員3「貴様・・・・危機感が足りんのではないのかッ??!!!!」
幹部構成員2「黙れ。 焦ってどうこうなる問題ではない。 危機感ならここにる誰もが持ち合わせている。」
幹部構成員2「新川よ・・・お前の情報収集力・・・・期待しているぞ。」
新川「はっ。」
幹部構成員2「田丸両名は新川に付き補佐を行ってくれ。」
田丸兄弟「かしこまりました。」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:04:06.36 ID:+T4YnOVi0
幹部構成員2「古泉よ・・・・・・ヤツと渡り合える可能性があるとすれば、機関内でお前だけだ。」
古泉「・・・・・・・・・・・。」
幹部構成員2「頼んだぞ・・・・・・・!!!!」
古泉「・・・はい。」
幹部構成員2「森・・・・お前は古泉の戦闘訓練の相手をしてやれ。 今こいつの相手をしてやれるのはお前だけだ。」
森「承知しました。」
副機関長「これにて緊急会議を閉会する。」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:09:05.08 ID:+T4YnOVi0
登山道入口付近-----------------------------------
キョン「ここか・・・・・・・・・・・・・。」
しかしなんて惨劇の跡だ
この辺り一帯は森林があったはずだが枯木も、それどころか炭すら見当たらない
キョン「全てを焼き尽くしてしまったのか・・・・。」
仮にだ・・・・長門がこの攻撃を受けたとして
無事なのだろうか・・・?
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:12:16.13 ID:+T4YnOVi0
いや
長門に頼るのは今回はもう無しだ
昨日決めたはずだ
俺がやってやると
俺は自分の目で惨劇の跡を見て
自分が戦おうとしている相手が
どんな存在であるか
多少理解できた
ただ恐怖心を煽られただけではなく
それを受け止め
その先に立てた
ここに来て良かった
原チャリを走らせた価値があったと思いたい
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:16:22.75 ID:+T4YnOVi0
------------------機関第三トレーニングルーム
ガッ!!!!!!
森「はぁ、はぁ、はぁ。」
森(以前より遙かに強くなっている・・・・・、私と彼がここで手合わせしたのが約二週間前・・・・たった二週間でこれ程の差が・・・?!)
古泉「せっ!!!!!」
ズギャッ!!!!!!!
この力はどこから来るのだろうか・・・!!!
喜緑さんと交戦した時より自分の上限が明らか上がっている
自分で分かる程に・・・・!!!!!
世界の危機に瀕した今
おそらくだが
涼宮さんがもたらしてくれている力なのだろう
古泉「森さん、いきますよッ!!!!」
森「!!!!・・・・・。」
330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:41:21.10 ID:+T4YnOVi0
-------------------------ハルヒの部屋
ハルヒ「・・・・今何時?!」
チクタクチクタク・・・
ハルヒ「7時・・・・?! もうこんな時間?!!! いい加減起きないと・・・・。」
私はキョンの部屋を見に行った
だが彼はまだ帰ってきていない
ハルヒ「それにしてもキョン遅いわね。」
キョン「ただいまーーー。」
妹「キョン君おかえりぃ、そういえばママが怒ってたよ? なにかしたの??」
キョン「母さんにすぐ怒られに行きますと伝えて来てくれ。」
ハルヒ「やっと帰ってきたわね。」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 22:42:08.71 ID:+T4YnOVi0
------------------------------------
俺は母さんに黙って原チャリに乗って出かけていた事で
2時間ほど説教を喰らった
その後俺はハルヒと二人で飯を食い
カラスの行水の後
二階に上がった
336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:04:55.61 ID:+T4YnOVi0
自室---------------------------------
俺は椅子に座り携帯を開けた
着信 1件 朝比奈みくる
俺はすぐに朝比奈さんへ電話をかけなおす
キョン「何かありましたか?」
みくる「キョン君・・・・私は・・・・もうダメですぅ。」
朝比奈さんは愛らしい雛鳥の様な声を出し
第一声から泣きついてきた
俺は詳しく事情を聞いてみた
内容はこうだ
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:05:40.69 ID:+T4YnOVi0
今日彼女は公園で長門に貰ったモデルガンを使って
空き缶を狙って狙撃練習をしたそうだ
だが全く当たらない
最初は10メートル離れた所から
次は5メートル地点から
しまいには1メートル手前から
そうして、ようやく的に当たる確率が24パーセントらしい
だから可愛いマイエンジェルは泣いているとの事だ
キョン(そりゃ泣きたくもなるよな・・・。)
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:06:31.73 ID:+T4YnOVi0
キョン「朝比奈さん・・・・でもまだ後二日あります。 明日は鶴屋さんが手伝ってくれるんですよね?」
みくる「はい・・・・・私、鶴屋さんに狙撃の世界大会に出たいって嘘ついちゃいました。」
キョン「狙撃の世界大会・・・・・!!!!!」
キョン(なんて大嘘を・・・・バレないといいんだが・・・。)
みくる「みくるにそんな目標ができたのなら、私が一肌ぬぐっさ、って言ってくれてて、明日またその公園で練習する事になってます。」
キョン「・・・・・・・そうですか。 それは良かった。」
通話が終わって表示を見ると1時間近く話していたらしい
電話の内容が殆ど愚痴で構成されていたからだろうか?
俺自身今、自分の事で精いっぱいで愛しのマイエンジェル、朝比奈さんに対しても余裕がなくなっているようだ
俺は携帯を机の上に放り投げ
布団に潜り込んだ
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:38:10.25 ID:+T4YnOVi0
漆黒の球体来襲まで残り2日----------------------------------
バン! スカッ
バン! スカッ
鶴屋(みくる・・・・・・・・・なんて不憫なコ・・・・・・・・。)
鶴屋(こんな近いのに当たんないなんて・・・・・・・)
みくる「ふぇぇぇぇぇぇぇーーーー。やっぱり駄目ですぅ。」
鶴屋「貸してみるっさ!!!」
バン! ズガッ
バン! ズガッ
流石は鶴屋さん・・・器用な人だ
もしかしてハルヒ並のスーパーユーティリティプレイヤーなのではないかと自分の目を疑った
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:39:49.01 ID:+T4YnOVi0
20メートルはあろうかという距離から連続で的を弾き飛ばしたのだ
的になった缶を見ると二発ともほぼ中心だ
俺は何をしているのかと言うと
朝比奈さんの射撃訓練を公園に来ている
そうこうしているうちに今度は
鶴屋さんが朝比奈さんの手を取りレクチャーしだした
鶴屋「まずはみくるは肘の固定から出来てないニョロ。」
みくる「こうですかぁ?」
鶴屋「そうニョロ。 後は片目は瞑ってごらん。 その後めがっさ的を睨んで銃口を引くッ!!!!!」
みくる「じゃあ、やってみます!!!」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:41:05.47 ID:+T4YnOVi0
鶴屋(みくるは素直なコだから、飲み込みは早いはず・・・・!!)
バン! ズガッ
鶴屋(ほらね。 世界大会まで後二日かぁ・・・、みくる!!!! 死んだら許さないからね。)
バン! ズガッ!!!!
みくる「当たる様になりましたぁーー!!!! 私もやればできるんですね!!!!!!」
俺は姉妹が仲良く教えあっているかの様な光景を見て
微笑ましくなっていた
だが明後日がおそらく決戦の日となる
古泉と待ち合わせしている時間まで後一時間か・・・・
もう少し見ていたいが行くとしよう
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:42:43.58 ID:+T4YnOVi0
キョン「朝比奈さん、鶴屋さん・・じゃあ俺は約束があるんで行きますね。」
朝比奈「見に来てくれてありがとうございました。」
彼女はペコリと可愛らしいおじぎをした
もう一回して欲しい気もするほどだ
鶴屋「ちょいとキョン君!!!!!」
キョン「なんですか?」
鶴屋「みくるを泣かせたら承知しないよ・・・・、めがっさ守ってあげてねッ。」
俺は深く頷いた後チャリに乗りその場を後にした
鶴屋さんは何も聞いていないのだろうが
おそらく不測の事態が起きている事
それに朝比奈さんが出向こうとしている事に
きづいているのだろう
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:56:38.00 ID:+T4YnOVi0
長門のマンション------------------------------------------------------
パラ・・・・・
パラ・・・・・
私は一定のリズムでページをめくっていく
二日後・・・・私はもう本が読めなくなるかもしれない
情報統合思念体に消されるかもしれない
もし
仮に情報統合思念体を殲滅したとても
創造主と一緒に消えてなくなるのではないか
消えてなくなる前にどうしても読みたい本がある
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/28(日) 23:59:50.54 ID:+T4YnOVi0
それは俗にいう恋愛小説で
主人公は普通のありきたりな少年に恋をする
だけど
そのありきたりな少年には既に気になる女の子がいる
しかも
主人公は別世界から期間限定で現世に来た少女
どんな手段を使っても報われない一つの悲しい恋
恋愛小説というカテゴリーは読み馴れていないとはいえ
私はこの恋の結末がどんな末路を辿るのか
なんとなくだが分かる
私は彼が使った枕を胸に抱いて
その本の続きを読み進んだ
364 名前:ごんた” ◆p0xJahpzMg [] 投稿日:2009/06/29(月) 00:15:09.93 ID:6c1obuip0
私は
対有機生命体用インターフェイス
本来感情など持ち合わせてはいなかった
だけど
私は今
一人の人間の男の子にむかって芽生えたそれを
私は大切にしたい
二人で布団に入ったあの日
今ではあの時瞳から溢れ出た物がなんであるか
なんで涙をながしたのか
今でははっきり分かる
365 名前:ごんた” ◆p0xJahpzMg [] 投稿日:2009/06/29(月) 00:16:01.45 ID:6c1obuip0
私は彼にこの想いを説明すれば良かった
たとえ叶わぬ恋だと分かっていても
伝える事で何か変化が起きるかもしれない
もし無事にこの戦いを終える事が出来たなら
長門「伝えよう。」
私は自分と強く約束を結んだ
376 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 00:53:20.63 ID:6c1obuip0
待ち合わせ場所----------------------------
そこにはすでに古泉が先に来ていた
古泉「突然呼び出して申し訳ない。」
キョン「いや、いいんだ気にするな。」
古泉「そう言いつつも、愛する女性との残り僅かになるかもしれない時間を楽しみたかったのではないですか?」
俺は一瞬言葉を詰まらせた
キョン「なわけねーだろ。 で、俺を呼び出した理由があるんだろ? 話してくれ。」
古泉「昨日深夜に新川さんから連絡がありまして、ぜひこれを見て欲しいと思い来ていただいた次第です。」
キョン「これは・・・・・・・・・!!!」
古泉「そう。 これはあなたが喜緑さんから見せてもらった、石碑と類似しているはずです」
古泉「見つかったのは人などが存在していない時代の地層からです。」
キョン「・・・・・・・・。」
古泉「何が言いたいのか分かりますね? まずは読んでみてください。」
377 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 00:55:21.42 ID:6c1obuip0
私はじきに朽ち この惑星の土に還るのか・・・・
ここへ来て数百年の時が流れ
私はこの惑星の始祖となる事は叶った
後は我が子孫達が 私が果たせなかった仇を果たしてくれるだろう
私は今もあの戦いを昨日の事の様に思い出す
それまで剣すら握った事の無かった私の前に忽然と現れた
聖剣アガートラーム
私はアガートラームを携え無心で剣を振るった
火の星の民達 そう傍観者達は
私を剣の聖女と呼び
まつりあげた
だがそれだけだった
378 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 00:56:10.65 ID:6c1obuip0
ただ私は大切な人を守りたかった
家族を 友人を 愛する人を
たった一人で私は戦い
そして散っていった
私の願いを受けとる事となる我が子孫よ
アガートラームが魔神を屠る兵器とならず
未来を切り開く鍵となる事を願う
あなたと共に戦う者があらん事を願う
一人でない事を願う
イブ・アナスタシア
441 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 19:51:22.76 ID:cyaQbSNj0
キョン「文面から察するにこれは俺が見た石碑のにあたるわけか。 書いたのは死ぬ間際といったところだな。」
古泉「ええ、おそらく。 彼女の願いがむけられているのはあなたでしょう。」
キョン「肝心な記述がないな。」
古泉「えぇ。涼宮さんの内的宇宙にあるとされるアガートラーム。 それを召喚する方法が書かれていません。」
キョン「他に石碑とか役に立ちそうな情報は見つかってないのか?」
古泉「残念ながらこれだけです。」
キョン「・・・・・・・・・・・・・・・。」
443 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 19:52:48.98 ID:cyaQbSNj0
古泉「ですが、僕はこれをあなたに見て欲しかった。」
キョン「・・・・・・・・・・・。」
古泉「アナスタシアという女性が何を想い、死んでいったのか・・・・・。」
キョン「何を想い・・・・・か。」
古泉「それがアガートラームを召喚する事に繋がる可能性を僕は感じ取ったからです。」
古泉(残念ながら・・・僕の考えはハズレの様ですね)
古泉「では、僕は機関に戻ります。」
キョン「あぁ。」
古泉「では、また。」
444 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 19:53:42.73 ID:cyaQbSNj0
俺に何ができるのだろうか・・・
本当に聖剣とやらがハルヒの内的宇宙に存在しているのか?
本当に俺が剣の聖女の生まれ変わりなのか?
キョン「帰ろう・・・もう疲れた。」
肉体的な疲労はまるでないが
不思議と重い体で自転車をこぎ
帰路へついた
そして
飯を食い
風呂に入り
布団に入った
キョン「俺になにができるんだ」
447 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 20:08:03.91 ID:cyaQbSNj0
漆黒の球体来襲まで残り1日----------------------------------
---------------------------
幼い頃からよく見る夢
化け物に襲われている夢
こわい
そして化け物が襲ってくる瞬間
その夢は終わる
--------------------------
448 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 20:09:54.37 ID:cyaQbSNj0
もぞもぞ
キョン「おい、そろそろ起きろハルヒ。」
ハルヒ「・・・・キョン・・?」
キョン「なぁ、どっか出かけないか?」
ハルヒ「にゃむ・・・・どこへ?」
キョン「・・・・どこかへ。」
ハルヒ「・・・どこか?」
キョン「特に行くあてもないが、このまま明日を待つより有意義だろ?」
ハルヒ「それはそうかもね。」
キョン「じゃあ準備してくれ。」
449 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 20:11:30.64 ID:cyaQbSNj0
私達はチャリで30分程で着く砂浜へ行くことにした
ハルヒ「もっと早くこげないのッ?! 遅いわよッ!!」
キョン「はいはい、分かりましたよッ!!!」
キョンが速度を上げた
ハルヒ「・・・・・・・・・。」
ハルヒ(・・・・なぜか早く着くのはもったい気がする)
ハルヒ「やっぱり出来る限りゆっくりこいで。」
キョン「めちゃくちゃ言うなよ。 って俺への配慮かそれは?」
ハルヒ「・・・・・・そうよ。
451 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 20:15:36.36 ID:cyaQbSNj0
キョンの自転車の荷台
乗ってるとお尻が痛くなってくる
でも不思議と心地良い
ハルヒ「!! やっぱり急ぎなさい!!! ほらスピード上げるッ!!!」
キョン「ッ!!俺はおもちゃじゃないんだぞ!!!」
キョンが速度を上げた
ハルヒ「バカッ!!! 落ちるじゃない!!!!」
私は彼の腰に手をまわす
ギュッ
キョン「・・・・・・・しっかりつかまってろよッ!!」
ハルヒ「わわッ!!! 危ないわねッ!!!」
この時間を大切にしたい
456 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 20:53:26.98 ID:cyaQbSNj0
海浜公園------------------------------
キョン「誰もいないない、まぁ無理もないか・・・先日この先の山であんな事があったんだからな。」
ハルヒ「貸切みたいでいいじゃない、あんたと二人ってのはいただけないけどね。」
キョン「そうかい・・・、とりあえず波打ち際まで行こう。」
ハルヒ「・・・私が先に行くッ!!!」
ダッ!!!
キョン「ええい! 俺が先だッ!!!」
ハルヒ「はぁはぁ、どっちが先にあの波打ち際まで先に着くか競争ねッ!!!!」
キョン「あぁ!! 負けんぞッ!!!!」
キョン(速すぎる・・・以前こいつが走っている所を見た事あるが女子に混じって走っていたから、
女子の中では速い方だと俺は解釈していた。 まさかここまでとは・・・)
458 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:05:00.21 ID:cyaQbSNj0
ハルヒ「あんた遅いわねぇ!!! さてと・・・罰として何をしてもらおうかしら・・・?」
キョン(聞いてないぞそんな事)
キョン「何を言ってんだ、最初に言えよな。 そんな肝心な事は?」
ハルヒ「あんたバカじゃないの? 勝負に負けた敗者は罰を受けるのが決まりなのッ!!」
キョン(それはお前の中の常識だぞハルヒ)
ハルヒ「えーと、何にしようかしら・・・
俺達はその後1時間程にわたり、貸切状態となっっている海浜公園で遊びまくった
459 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:07:10.61 ID:cyaQbSNj0
森林公園-------------------------------------
バン! ズカッ
鶴屋「やるじゃないのさみくるっ!!!」
みくる「エへへ。」
鶴屋「それにしても初日から大きな進歩だよっ!!」
鶴屋「的まで20メートル距離からの的中率が7割に乗ったんだからねっ!!! これで世界大会優勝もも射程距離内さっ!!!」
みくる「つきっきりで付き合ってくれた鶴屋さんのおかげですねよぉ。」
鶴屋「良いこと言ってくれるじゃないのさっ!!!」
鶴屋「じゃぁ、きりの良いところで休憩といこうかみくる?」
みくる「そうですね、ちょっと疲れちゃいました。」
461 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:20:07.95 ID:cyaQbSNj0
ごくっごくっ
鶴屋「ぷはーーーーーっ!!! 特訓の後のジュースはうまいねぇ!!!!!」
ごくごく
みくる「なんか疲れが吹き飛んでいきますね。」
鶴屋「ところでみくる、なんで世界大会になんて出ようなんて思ったんだい?」
みくる「それは・・・それは・・・えーーと、何か自分から逃げちゃダメだと思ったんです。」
鶴屋「・・・・・・・・・・・。」
みくる「わたし・・・・・何の取り得もないし・・・・・足を引っ張ってばかりですけど・・・・・」
みくる「わたしに何か出来る事があるのならって思って世界大会に出る事にしたの。」
鶴屋「・・・・・・・・そうかい。
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 21:21:57.68 ID:cyaQbSNj0
みくる「このモデルガンは長門さんがくれたの・・・練習してこいって意味だと思う・・・。」
みくる「でもそれって私に期待しているって事ですよねっ?!」
鶴屋(長門っちが・・・・)
鶴屋「そうに決まってるっさ。みくるは世界大会で活躍できるって期待されてんのさっ!!!!」
みくる「そうですよね! そうですよね!・・・良かったぁ・・。」
鶴屋(世界大会か・・・・たしか明日だね・・・・・絶対に死ぬんじゃないよみくる・・・・・!!!!)
463 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:26:51.08 ID:cyaQbSNj0
------------------機関第三トレーニングルーム
ガッ!!!!!!!
森「きゃッ!!」
古泉「森さん・・申し訳ありません・・・・・。」
森(もう私が全力でやっても、彼の戦闘練習の相手にすらなっていない・・・・)
森(昨日より更に技のキレ・・威力・・ともに上がっている)
森「・・・・もうこれ以上は無意味です。 私ではあなたの相手はもうできないみたい・・・。」
古泉「・・・・・そんな事はありません、僕がこの域まで己を伸ばす事ができたのはあなたのおかげですよ・・・」
464 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:27:32.06 ID:cyaQbSNj0
森「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
古泉「・・・・・・・・・。」
森「ありがとう。」
古泉「それは僕のセリフです。」
森「古泉君・・・?」
古泉「?・・・・なんでしょう?」
森「この戦いが終わったら・・・・・二人で映画でも行きませんか?」
古泉「えぇ、勿論ですとも。」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/29(月) 21:30:59.60 ID:cyaQbSNj0
長門のマンション-----------------------------
パラ・・・・・・・・・・・・・
パラ・・・・・・・・・・・・・
パラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パタン
長門「終わった。」
その本の主人公の恋の結末は
私が予感していた通り
叶わずに終わった
主人公は涙と供に元の世界へ帰っていったのだ
466 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 21:31:50.03 ID:cyaQbSNj0
私は読み終わって気づいた
その本の主人公と自分自身を重ね合わせていた事に
明日で私は消えてなくなるかもしれない
それがとても怖い
ここ数日で自分に芽生えていった様々な感情
ちがう
ただ・・・
自分の感情にきづかないふりをしていたのか
ずっと
今まで
470 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:09:19.29 ID:cyaQbSNj0
素直なままに
自分を
表現できたら
どんなに良いだろう
長門「私は操り人形じゃない。」
昨日の自分と約束したから
彼にこの気持ちを伝えると
不器用でも
たとえ叶わずとも
長門「自分と強く約束したから。」
474 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:30:37.03 ID:cyaQbSNj0
海浜公園------------------------------
ハルヒ「遊びすぎて疲れたわっ!!!」
キョン「お前の場合は暴れすぎてと言った方が似つかわしいがな。」
ハルヒ「・・・いちいちうるさいわねッ!!! 少しはその減らず口を治しなさいッ!!!」
キョン「へいへい。」
キョン「なぁ、ハルヒ・・・。」
ハルヒ「・・・何?」
キョン「こうしていると信じられんな・・・明日で世界が終わるかもしれないなんて。」
ハルヒ「・・・・・・・そうね。」
キョン「実を言うと俺は自分が情けない。 剣の聖女の生まれ変わりだと言われても実際のとこ何の変化もない。」
ハルヒ「それを言ったら私もよ。 聖剣アガートラームを内に秘めていると言われても出てくる気配もないわ。」
キョン「ははは、似てるな俺達。」
ハルヒ「ふふふ、そうかもね。」
475 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:33:16.11 ID:cyaQbSNj0
ハルヒ「明日なんて来なけりゃいいのに。」
キョン「そうだな・・・・。」
キョン「よし、帰るぞハルヒ。」
ハルヒ「えっ?! もう帰るの?」
キョン「長門は何しているか知らんが、古泉や朝比奈さんは明日にむけて準備をしてる。 俺達もその準備をしよう。」
ハルヒ「何をするつもりなのよ?」
キョン「たくさん食ってよく寝る。」
キョン「それだけだ。」
キョン「今の俺達に出来るのはそん位なもんだろ。」
ハルヒ「それもそうね。」
476 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:34:15.38 ID:cyaQbSNj0
キョン「明日は万全の状態で迎えてやろうな? ハルヒ。」
海浜公園を背に向けて
私達は自転車に乗った
帰りがけ
私はしれっと彼の腰に手をまわした
ほっぺたを彼の背中にくっつけたりもした
なんだかずっと自転車に乗っていたくなった
478 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:46:35.24 ID:cyaQbSNj0
自室---------------------------------------
俺はベッドに寝転がる
キョン「全身が痛いぞ・・遊び過ぎた・・・こんなんで明日大丈夫か?」
キョン「まぁいいか・・・風呂も入って・・・腹も満腹だ・・・・。」
キョン「だが何か心残りなんだよな。」
ガチャ
ハルヒが入ってきた
ハルヒ「あんたさっきから何独り言ばっか言ってんの?」
キョン「・・・・・・。」
ハルヒ「ついに頭おかしい人になったのかと思って、心配してきてあげたのよ。」
キョン「・・・・・・・そうかい。」
479 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 22:54:11.09 ID:cyaQbSNj0
ハルヒ「感謝しなさいよね。」
そう言うと私はキョンのベッドに潜り込んだ
すんすん
ハルヒ「キョンの匂いだわ、臭い。」
キョン「なら出ていってくれ。」
なぜか彼の匂いは癖になる
ハルヒ「私達死ぬのかな?」
キョン「なんだいきなり・・・あぁ死ぬかもしれんな。」
ハルヒ「私したい事がたくさんあるのに・・・・。」
キョン「・・・・・・。」
キョン「なんだしたい事って? 今できる事があるなら今するといいさ。 後悔すんのが一番いかんからな。」
482 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 23:00:17.69 ID:cyaQbSNj0
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・あんたとキスしたい。」
キョン「・・・・・・・・・はぁ?! もう一度言ってくれ、空耳の様な気がする。」
ハルヒ「キスしたい。」
ハルヒ「これって今できない事?」
彼は黙って私の頭をなでてきた
その後唇を重ねてきた
時が止まってしまえばいい
明日なんていらない
未来なんて放棄してもいい
私はそう思った
483 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 23:04:22.80 ID:cyaQbSNj0
だけど明日はやってくる
未来を創らなければならない
その未来で私の傍に
彼が居てくれるのなら
どんな未来でも私は受け入れる
例え滅びた世界で
彼と私だけになったとしても
ハルヒ「絶対に離さないでね?」
キョン「あぁ。」
ハルヒ「私を一人にしないでね?」
キョン「あぁ。」
485 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 23:20:56.43 ID:cyaQbSNj0
嬉しい
幸せとはこいうい事を言うのだろう
私は自分の想いを
ずっと胸の奥に置いておいた想いを
彼に伝えた
そして黙ってほほ笑む彼に
聞いてみたくなった
486 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/29(月) 23:21:45.88 ID:cyaQbSNj0
戸惑いながらも聞いてみた
私の事をどう思っているか
でも
言葉の途中で遮られた
彼が唇を再び重ねてきたから
ハルヒ「ずっと傍にいさせてね。」
492 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:07:54.84 ID:ufK9XP9r0
漆黒の球体来襲当日----------------------------------
prrrrrrrrrrrr
古泉「襲来地点の特定ができました。 今すぐ来ていただけますか?」
キョン「・・・・・・・・・・・・・あぁ。」
古泉「場所は**********です。 到達予定時刻は後2時間後。」
キョン「・・・・・当初の予定より早かったな。」
古泉「申し訳ない・・・ではのちほど。」
プチッ
ハルヒ「・・・・・・・・・・・。」
キョン「行こう。」
ハルヒ「・・・・・・・・・うん。」
494 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:21:32.14 ID:ufK9XP9r0
予測襲来地点------------------------------------------
古泉
長門
朝比奈さん
ハルヒ
そして俺
皆それぞれの想いでここに立っている
長門「来る・・・・!!!!」
495 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:25:05.88 ID:ufK9XP9r0
微かに見える
点の様なもの
その点?はどんどん俺の眼前に迫ってくる
キョン「!!!!!!!!!!でかいっ!!!!!!!!!」
おそらく俺の考えつく以上のスピードなのだろう
その点はみるみる巨大になっていき
漆黒の球体は俺達の目の前に降り立つと微かに浮いた状態で停止した
496 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:26:09.94 ID:ufK9XP9r0
長門「間違いない・・・・中にいるのは実体を備えた情報統合思念体・・・・!!!!」
古泉「なんという大きさだ・・・・!!!! 神人より遙かにでかい!!!!!!!」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・なんなのよこれ?!!!!。」
みくる「・・・・・・・・・・!!!!。」
キョン「出てきたらどうだ? 情報統合思念体・・・・いや・・焔の災厄・・・・魔神ロードブレイザー!!!!!!」
俺は恐怖を消すかの様に叫んだ
ピシッ
ピシッ
小さな音をたてながらに漆黒の球体に無数のにヒビが入っていく・・・・・・・・・
漆黒の球体はやがて崩れ去り
その中心にいた漆黒の異形の者が姿を現した
497 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:28:25.95 ID:ufK9XP9r0
その体を時折舞う黒い炎
その姿は禍々しく
見る者に絶望を与える程だった
そして
その異形の者はあたりを見回すような動きを見せた
ロードブレイザー「この体で外気に触れるのはいつ以来だ・・・・・・・・」
古泉「想像していた者よりは随分と小さい・・・。」
古泉(聖剣の力を借りずとも、今の僕なら或いは・・・・!!!!!)
500 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:30:51.03 ID:ufK9XP9r0
古泉「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!!!!!!!」
赤い膜の様なものが古泉を包んでいく
俺にはそれが何であるのかは分からんが
先日見たそれよりも
遙かに力強く
そして
洗練されたものに感じた
古泉「ヤツはあの実体で外界に出たのは・・・・・火の星での戦い以来のようです・・・。」
古泉「・・・・・・ならばッ!!!!」
古泉が踏み込み
ロードブレイザーとの距離を詰める
503 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:36:49.14 ID:ufK9XP9r0
だがその瞬間古泉の姿が消えた
遠くで瓦礫の崩れていく音が無残にも響く・・・・・
ロードブレイザー「・・・・存在の分別を知らぬ者は不様だな・・・・・」
ロードブレイザー「貴様もそう思わんか? コードネーム長門有希よ・・・・ただの人形の身で神に逆らうとは・・・・・」
長門「・・・・・・・・・・私は・・・・。」
異形の者が長門にゆっくりと近づいていく・・・・・・・・・
504 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 00:37:58.60 ID:ufK9XP9r0
ズギャッ!!!!!
全く俺の目には追えなかった・・・
忽然と現れた色男がロードブレイザーに一撃を返す
古泉「先ほどはどうも・・・・それはお礼です。」
古泉「生憎ですが貸し借りはきちんとする方ですので・・・・。」
スッ
長門が両手を後ろへ回し 何やら呪文の様なものを唱える
長門「貫く・・・・!!!!」
ザンッッ!!!!
巨大な槍がロードブレイザーの腹部を貫通した・・
587 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 20:56:41.05 ID:kUTs4ngj0
みくる「長門さん?」
彼女がこちらに目線を向けた
長門「打つなら今。」
みくる「・・・・・・はいっ!!!」
この超高威力光線銃・・・放出可能数は・・・二発だけ
でも今がその時・・・
わたしは銃を構え怪物にむける
みくる「後は片目は瞑って・・・その後めがっさ的を睨んで銃口を引くッ!!!!!」
591 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 21:22:37.17 ID:kUTs4ngj0
ゴオッ!!!!!!!
朝比奈さんの銃撃がロードブレイザーの頭部を直撃し大きな爆発を起こす
みくる「ほえぇぇぇぇぇぇ・・・・でも鶴屋さん・・・当たりましたぁ・・・。」
古泉「直撃・・・・!!!! やりますね朝比奈さん。」
爆発で立ちこめていた煙がしずまっていく・・・
視界が開けると同時に俺は絶望を感じた
そこには腹部に空いた穴も塞がり
平然とした魔神の姿があった
593 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 21:32:14.47 ID:kUTs4ngj0
ロードブレイザー「気が変わった貴様らは後にしよう・・・・・」
古泉(あれをまともに受けて・・無傷だと・・・・???!!)
ロードブレイザー「まずは貴様だ・・・我が自律進化の可能性を持つ者よ・・・・」
ロードブレイザー「消すには惜しいが・・アガートラームの鞘となっている以上・・・仕方あるまい」
異形の両手に漆黒の炎が浮かぶ・・・・・・
ハルヒ「・・・・・・・・・・・ッ!!!!」
ロードブレイザー「消えろ・・・・・・・・・・」
594 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 21:33:27.05 ID:kUTs4ngj0
異形の手がハルヒに向けて振り下ろされる・・・・
キョン「ハルヒっ!!!!!!!!!!!」
俺は何の考えもなかった
ただ
守りたかった
ハルヒに向かって伸びていく
漆黒の炎の軌道の延長線上に飛び込み
俺は漆黒の黒炎に包まれた
599 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 21:55:36.26 ID:kUTs4ngj0
ハルヒ「キョン・・・・・・?」
ロードブレイザー「剣の聖女の転生体は消滅した・・・今度こそ貴様の番だ・・・・・。」
古泉(アガートラームを扱える者は死んだ・・・・・戦う術を失ったのか・・・・・?)
古泉「違う」
仲間を失った
ダッ!!!!
古泉「あああああああああああッ!!!!!!!!」
たとえ勝てずとも
601 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 21:56:49.84 ID:kUTs4ngj0
古泉「ファイナルレイドッ!!!!!!!!!!!!」
これが僕の全て
ゴォッ!!!!!!!!!!!!
僕は全ての力で赤い球体を練り
それを魔神にぶつけた
604 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:00:01.79 ID:kUTs4ngj0
私は自分の大切な人すら守れなかった・・・
私に人間とは何かを教えてくれた人・・・・・・
生きる意味をくれた人・・・・
長門「許さない・・・・・・・!!!!」
私は右手に全ての有機エネルギーを込め
最大限の力で振り上げた
ゴォッ!!!!!!!!!!!!
ロードブレイザー「何度言えば分かるのだ・・・・? 分別をわきまえろッ・・・・!!!!!」
ハルヒ「・・・・・・!!!」
漆黒の炎が皆を巻き込んでいく
ハルヒ(私は何が起こっているのか分からない・・・分かりたくない・・・!!!)
ハルヒ(目の前でみんなが苦しんでいる)
ロードブレイザー「待たせたな・・・・・」
606 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:02:12.72 ID:kUTs4ngj0
-------------------------------------------------------
----------------------------------------------
----------------------------------------
-------------------------------
------------------------
-----------------
キョン「生きている?」
キョン「一体どこなんだここは・・・?」
混乱する俺の後ろから足音が聞こえてきた
俺は振り返る
どこか懐かしくもある女性「ここは君のいた世界ではないわ。」
あなたは一体・・・・?
これは
魔神の放った黒炎の中で俺を守ってくれている様に感じた不思議な感覚
それと同じ様な者を彼女から感じる
607 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:06:49.10 ID:kUTs4ngj0
キョン「教えて欲しい・・・あなたは一体?」
アナスタシア「・・・・・・・・・アナスタシア。」
キョン「??!!」
アナスタシア「火の星の民の生き残り・・・剣の聖女・・・そして人類の始祖・・・イブ・アナスタシアよ。」
俺はその青く長い髪の女性・・・かって剣の聖女と呼ばれ・・・魔神と戦ったとされる女性・・・
キョン「・・・ここはどこでしょうか?」
アナスタシア「閉鎖空間・・・・そう言った方があなたには分かりやすいかしら。」
キョン「ここが閉鎖空間? だが俺が知っている閉鎖空間とはまるで別のようですが・・?」
608 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:07:46.23 ID:kUTs4ngj0
アナスタシア「あなたは外部を機関と呼ばれている組織の人間と訪れていたわね・・・・、でもここが本当の閉鎖空間にあたるの。」
キョン「・・・意味が良く理解できませんが・・・。」
アナスタシア「分かりやすく言うと閉鎖空間は階層式になっているの。」
アナスタシア「あなたはその一番上にきてたってわけ、その一番上側には閉鎖空間とは別の名称があるわ。」
キョン「・・・・・・はぁ。」
アナスタシア「おそらくあなたには概念を理解する頭はないと思う・・・・。」
ポカッ
アナスタシア「ほら、空き箱を殴った時と同じ音。」
俺は戸惑った
アナスタシア「フフフ、おっかしいわ。 それにしても久々に会話をするとテンションが上がるわね。」
610 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:09:21.42 ID:kUTs4ngj0
この女性がかって剣の聖女と謳われ魔神と戦い・・・・人類の始祖となった人なのか・・・・?!!!
アナスタシア「あら? 意外だった?」
キョン「いえ・・・そんな事は。」
アナスタシア「フフフ顔に書いてあるわよ、意外ですって。 若いコは単純ねーーー可愛がってあげたくなっちゃうわ。」
キョン「・・・・・・・・。」
アナスタシア「あれ? もしかして怒った? ごめんね。 からかうつもりはなかったんだけどね。」
キョン「その・・・・何と言うか・・・・・剣の聖女と聞いて俺はもっとおしとやかで神的な想像をしていたもので・・・。」
アナスタシア「・・・・・・・・・・私は確かに剣の聖女と謳われたわ・・・でもね・・そう呼ばれる前はただの女の子・・。」
アナスタシア「ただのアナスタシアだったのよ。」
アナスタシア「本当は・・・戦いたくなんてなかったの。 剣の聖女になんてなりたくなかった・・・。」
キョン「・・・・・・・・・・。」
アナスタシア「一人で戦うのが怖かった。」
キョン「・・・・・・・・・・・。」
611 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:11:32.10 ID:kUTs4ngj0
アナスタシア「ここは閉鎖空間の最下層。 この奥にアガートラームがあるわ。」
キョン「聖剣アガートラームがここに・・・!!」
アナスタシア「必要なんでしょ?」
キョン「はい・・・・。」
アナスタシア「それを渡すために私はここにあなたを呼んだの。」
キョン「ついてきて。 あなたがここにいられるのは僅かの時間だけだから。」
俺はかって剣の聖女と呼ばれた女性の後を歩いた
612 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:12:31.27 ID:kUTs4ngj0
キョン「聞きにくいんですが、いいですか?」
アナスタシア「何かしら?」
キョン「あなたは遙か昔に亡くなったと把握していたんですが・・・?」
アナスタシア「その通りよ、私はとっくの昔に死んだわ。」
キョン「ではなぜここに?」
アナスタシア「私は私であって、私ではないの。 残留思念に近く情報思念体とは違う。」
キョン「???」
アナスタシア「ゴメンね、うまく説明できないし。 私自身よくわからないの。」
キョン「・・・・そうでしたか。」
614 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:26:02.34 ID:kUTs4ngj0
アナスタシア「私もあなたに質問! いいかしら?」
キョン「なんでしょうか?」
アナスタシア「・・・なんで戦うの? 怖くないの?」
キョン「そりゃ怖いにきまってます。 でも俺は・・・守りたいものがあるから戦うんです。」
アナスタシア「フフフ、涼宮さんの事かしら?」
キョン「な・・・! まぁそれもですが、自分の大切なものを守りたい・・・。」
アナスタシア「あなたも私と同じ理由で聖剣を手に取るのね・・・。」
俺はただ彼女を祭り上げてたのかもしれない
剣の聖女・・・
そして
人類の始祖だと
彼女は神に近い存在でもなく
ただその辺にいる女の子と変わりなかった・・・・
615 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:26:52.05 ID:kUTs4ngj0
アナスタシア「・・・・・・・ついたわ。」
狭い通路の後 突然聖堂の様な空間が現れた
その祭壇の上にささった古ぼけた剣
キョン「あれが・・・・・?」
アナスタシア「そう・・・・聖剣アガートラーム。」
俺が祭壇へ歩み始めようとした時・・・彼女が呼び止めた
618 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:38:42.72 ID:kUTs4ngj0
アナスタシア「その剣を抜けばこの閉鎖空間は消滅するわ。」
キョン「・・・・・・・。」
アナスタシア「もうあなたに会う事はない。」
キョン「・・・・・・・・・・・。」
アナスタシア「その前に一つだけ言わせて。」
キョン「はい・・・・・・。」
アナスタシア「アガートラームは魔神を葬るための兵器ではない・・想いを力へ変え未来を切り開く為の鍵・・・・」
アナスタシア「それを忘れないで。」
キョン「ありがとうございました・・・・・アナスタシアさん」
619 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 22:39:37.16 ID:kUTs4ngj0
俺は祭壇の前に立ち
聖剣アガートラームに両手をかけた
まばゆい程の輝きと供に
閉鎖空間が消滅していく
アナスタシア「終わるのかな・・・・いや・・・・始まりと言うのかも・・・・・・」
私が消えていく・・・・・・・・・・・・・
さようならキョン君・・・・・・・・・・・・・
負けないで
631 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:25:10.68 ID:kUTs4ngj0
ロードブレイザー「剣の聖女の転生体は消滅した・・・そして貴様も今ここで死に私にとっての災いの種は燃え尽きる・・・」
ロードブレイザーの黒く気味の悪い手が私の首に近づいてきた・・・
どこかで私は今自分に起こっている情景を見た事がある
あの夢だ・・・・・・・・・
633 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:27:03.30 ID:kUTs4ngj0
---------------------------
幼い頃からよく見る夢
化け物に襲われている夢
こわい
そして化け物が襲ってくる瞬間
その夢は終わる
--------------------------
思い出した・・・・・・・・・・・
夢の続き
私は怖くない
ここでいつもあいつが来てくれる
ハルヒ「キョン・・・・・
634 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:40:50.44 ID:kUTs4ngj0
あたりが一瞬優しく
そして
力強い輝きにつつまれた
---------------させない------------------
ザンッ・・・・・・・・・
忽然と現れた 彼の鮮やかに流した剣が漆黒の腕を切り落とす
ロードブレイザー「馬鹿なッ?!!!! その姿・・・・アガートラームの剣士ッ・・・・・・!!!!?」
光の中から現れた彼はあまりに神々しく
まばゆい白き衣に包まれた彼に
いつもの彼にはない違うモノを感じた
635 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:41:34.77 ID:kUTs4ngj0
キョン「行こう・・・・みんなで一緒に戦おう・・・・・」
俺は剣を掲げ
天を仰いだ
アガートラームは魔神を葬る兵器ではない
ならなんなのか?
たずさえた時に分かった
想いを束ね未来を切り開く鍵だと・・・・・・・・・・
636 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:43:07.56 ID:kUTs4ngj0
アガートラームが輝きを増していく・・・・・・・・・・・・・
アナスタシア------------------------------------------------
そう・・・・・・・・・・
そうなの・・・・・・・・・・
アガートラームは魔神を葬る為の兵器なんかではないわ
生きようと願う命の力を束ねて未来への扉を開く鍵なのよ
一人でふるえる力ではないの・・・・・・・・・
みんなで一緒にふるう力なの・・・・・・・・・・・・・・・・・
637 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:43:51.23 ID:kUTs4ngj0
みくる------------------------------------------------------
私は何もできない・・・
なんの役にも立たない・・・・・・・・・
戦うのなんて本当は嫌で嫌でたまらない・・・・・・・・・
未来からここに任務で行くのが決まった時
あっちの友達や家族と離れるのがとってもイヤだった・・・・
でもね・・・
今では過去に来て良かったって思ってる
みんなに会えて本当に良かったって
心から思ってる
みんなが大好き
638 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:45:37.05 ID:kUTs4ngj0
古泉-------------------------------------------------------
なぜ僕に戦う力があるのか・・・・
能力が芽生えた時・・・眠れない時が続きました
ですがその力を授かったおかげで皆に会えた
SOS団・・・・・そう聞いて僕は神が何やら変な事でも思いついたのかと思いました
実際涼宮さんは変な思考の持ち主で団の活動なんて正式な部活動とはかけ離れている
ですが
僕はこのSOS団が気に入っています
正直・・・くだらない不思議探索ですが
団の皆と過ごす時間がとてつもなく愛しく感じる
640 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:46:47.24 ID:kUTs4ngj0
それと御報告です
今度森さんと映画に行く事になったんです
正直恋愛なんて馴れていませんから悩みっぱなしで頭痛すらします
そう
僕には大切なものが
今この身を犠牲にしても守りたいものが
二つあるんです
供に作っていきましょう・・・・・・・・
未来を
641 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/06/30(火) 23:48:59.26 ID:kUTs4ngj0
長門---------------------------------------------------------
あなたは私に感情をくれた
感情を殺して過ごしてきた私に
あなたは感情の現し方を教えてくれる
生き方を教えてくれる
この戦いが終わったら
あなたと図書館にまた行きたい
伝えたい事がある
651 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:21:26.13 ID:a8cRL+lE0
結果はどちらでもいい
本当は
聞くのが怖いだけかもしれない
でも知って欲しい
それだけ
これ程人を好きになれた私を
もう
人形だとは言わせない
652 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:34:26.71 ID:a8cRL+lE0
ハルヒ---------------------------------------------------
あんたなんか大嫌い
何考えてんのか読めないし 優しくないし 気も利かない
私の気持ちにも気づかない
そんなところが大嫌い
あの夜
勇気をだして言葉にした時
あんたがくれた
幸せ
それをずっと守っていきたい
653 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:35:39.77 ID:a8cRL+lE0
一度ね
あんたと二人なら世界は滅びてもいいなんて思った時があったの
でもやっぱりそれはなし
皆で新しい明日を迎えるの
皆で世界を作っていくの
あんたと二人だけなんて息がつまって窒息死しそうだからね
あっ
約束忘れないでよね
ちなみにこれ団長命令だから
あんたはずっと
私から離れちゃだめで
あんたはずっと
私を一人にしちゃだめなの
654 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:37:04.12 ID:a8cRL+lE0
分かった?
ずっと一緒だからね
明日が楽しみだわ
未来が楽しみでしょうがない
昨日より今日が大好き
今日よりも まだ知らない明日はもっと好きになれる
みんなでいっしょにいこうね
みんなでいっしょに--------------------
655 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:40:35.29 ID:a8cRL+lE0
全てが一つになっていき・・・・・・
アガートラームが輝きを増していく
この聖剣でこじ開けるぞ
未来を
そして
想いを
解き放とう
「アークインパルス!!!!!!!!!」
657 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:44:00.92 ID:a8cRL+lE0
これまで見たことの無い程の光
世界を包んでいく
漆黒の黒炎はしだいに存在が消えていく
キョン「お前が犯してきた過ちもこれで終わりだ ロードブレイザー」
漫然と輝く光の中
魔神はその姿を消した・・・・・
漆黒の炎に包まれた未来をかき消す事ができた、そして想いが集い輝く未来が創られていく-----------------------------
658 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:44:42.83 ID:a8cRL+lE0
漆黒の球体来襲から一ヶ月後------------------------------------------
「ハルヒの力はあの日を境に無くなった」
古泉に宿っていた超能力とやらも消滅した
「これは予想外の事態でした。 おそらく、涼宮さんに力を与えていたのはあの鍵かと思われます・・・・。
機関は昨日解体が正式に決まり、各々が個人の生活に帰る準備中です。
あぁ、お話していた森さんの件ですか・・・映画館でお互い殆ど何の会話もなく映画を見終わりましたよ。
お互い世界の事態だから気持ちを素直に出せていたのでしょうか・・・・・
もう一度・・・・失礼・・あんな事が起こっては困りますね。
ではまた部室でお会いしましょう。」
659 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:45:32.76 ID:a8cRL+lE0
朝比奈さんは未来へ帰還する事が正式に決まった
「正直嬉しいような寂しいような気分です・・・・・
いえ、やっぱり寂しいです。
でももう皆に会えないとかそんなわけはないと思ってます。
皆さんと出会えて未来を守れた事に・・私は本当に嬉しく感じます。
旅立つのは私だけじゃないんです。みんなで新しい未来へ旅立つんだから。
どこにいても心を一つにつなげれば、ずっと仲間、きっといつまでも。」
660 名前: ◆jPpg5.obl6 [] 投稿日:2009/07/01(水) 00:46:36.78 ID:a8cRL+lE0
長門は創造主が消えた事で、長門自体の存在も消滅した
あいつがきえゆく中で俺に伝えようとした言葉がなんだったのか
俺は今もひっかかっている・・・・。
俺もお前に伝えたい事があるんだ
部室にはあいつの本が山程残っているし、あいつのいたマンションもそのままだ。
奇麗に残してある
本当だぞ長門・・・?
すまん嘘だ。
今では文芸部室を追い出され、今お前のマンションはSOS団の部室として機能している。
あっ、もう一つ・・新しい部員も入った。
あっ、まだあるぞ・・・・言いきれん・・・・報告したい事が山程あるんだ
それに部室に響く本のページをめくる音がないとしっくりこない
さっさと戻ってこい。それでまた図書館に行こう。