長門「わたしはストリートファイター」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:24:36.75 ID:AcvXmHWPO

長門「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。それがわたし」

キョン「は?」

長門「と同時に」

キョン「まだ何かあるのか?」

長門「格闘家でもある」

キョン「え?」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:30:44.13 ID:AcvXmHWPO

キョン「お前みたいな体の小さい奴がか?」

長門「体のサイズは関係ない。要は力と技術」

キョン「うん。いやまあ格闘家はおいといて、ヒューマノイド・インターフェースだかなんだかの説明をして欲しいな」

長門「ストリート・ファイトに興味は?」

キョン「ねーよ」

長門「…………」

キョン「とりあえず、さっさと話しろよ」

長門「あなたはわかっていない」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:33:54.01 ID:AcvXmHWPO

長門「拳と拳が触れ合う瞬間。相手の人生がわかる。手に取るように」

キョン「ふーん」

長門「その言語は何よりも雄弁に語る」

キョン「へー」

長門「そうしてわたしはこの三年間、多くの相手と語り合ってきた」

キョン「そうかい」

長門「きいてるの?」

キョン「聞いてる聞いてる」

長門「ちょっとおもてに出ろ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:39:29.13 ID:AcvXmHWPO

キョン「わかったわかった」

長門「…………わかればいい。次はない」

キョン「で、お前はそんな話をするために俺をここへ呼んだのか?」

長門「違う」

キョン「早く本題に入って欲しいな」

長門「わたしは情報を生み出すことのできる、ややこしい能力を持ったややこしい性格の涼宮ハルヒを観察するために送り込まれた宇宙人」

キョン「正直言おう。その意味がわからない」

長門「じゃあこの話は終わり。ストリート・ファイトとは……」

キョン「いや、やっぱりさっきの話が詳しく聞きたい」

長門「そう」

キョン「うん」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:45:10.39 ID:AcvXmHWPO

――――――――――――――――――キョン「へー。すずみやはそんなたいそうなちからをもったにんげんだったのかー。(棒読み)そいつはたいへんだなー。(棒読み)」

長門「で、ストリート・ファイトの醍醐味とは…」

キョン「……帰っちゃダメっすか?」

長門「だめ」

キョン「なんで」

長門「……あなた、良い目をしている」
キョン「へ?」

長門「あなたにはきっと、格闘家の素養がある」

キョン「は?」

長門「わたしが、直々にあなたを修行してもいい。これは特別」

キョン「わけがわからん」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:51:11.28 ID:AcvXmHWPO

キョン「付き合いきれん」

長門「待って」

キョン「まだ何かあんのか?」

長門「あなたは涼宮ハルヒにとっての鍵。危機が迫るとしたらまずあなた」

キョン「だから、強くなれと?」

長門「そう」

キョン「馬鹿馬鹿しい……帰るわ」

長門「わたしはいつでも待っている」

長門「……気が変わったらいつでも来て。待ってるから」

キョン「……じゃあな」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/08(月) 23:58:02.74 ID:AcvXmHWPO

――――翌日

キョン(くそっなんだあの女は。付き合いきれん)

キョン(ただの無口な読書好きかと思ったら、自分が宇宙人だとか、格闘がなんだとか)

キョン(良く見れば可愛い顔してるってのにな)

キョン「ん、これは……手紙?」

キョン「『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室に来て』……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:05:41.99 ID:ISXEZ85VO

ガチャッ

みくる「遅かったんですね。涼宮さんは?」

キョン「帰りました。逆襲するなら今ですよ、弱ってる最中みたいだから」

みくる「そんなの、しませんよー」

キョン(ああ、愛らしいな。朝比奈さんは。この無垢な瞳はまさしく天使……)

キョン「では俺も用があるので、これで」

みくる「はい、わかりましたあ。また明日ね」

キョン(名残惜しい……)

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:13:24.36 ID:ISXEZ85VO

ガラッ

朝倉「遅いよ。入ったら?」

キョン「あ、朝倉?」

朝倉「あなたを殺して、長門有希の出方を見る」ヒュッ

キョン「うわっあぶねえ!よせ!ナイフを置け!」

朝倉「まさか避けられるなんて……さすがあの長門さんに目をかけられるだけはあるわね」

キョン「なぜ俺があいつのために狙われにゃならんのだ!」

朝倉「あたしはあの人と戦いたいの!でもあの人はあたしに目もくれない」

キョン「それが俺を狙う理由か!?」

朝倉「そうよ。だから死んで」

キョン「な、出口が無い!」

朝倉「この空間はあたしの情報制御下よ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:18:21.36 ID:ISXEZ85VO

ドゴン!

長門「一つ一つのプログラムが甘い」

キョン「長門!?」

朝倉「あたしのプロテクトを力任せに破るなんて、やるわね」

長門「肉体の鍛錬の賜物」

朝倉「今日こそは戦ってもらうわよ。あたしのナイフ術の餌食にしてあげるわ」

長門「曇ったその瞳では、わたしの姿を捉えられはしない」

朝倉「……何を」

長門「…来い。遊んでやる」クイクイ

朝倉「言ったわね!」

キョン「速い!!」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:28:10.47 ID:ISXEZ85VO

朝倉「喰らえ!」ヒュッ

長門「…………」ガシッ

キョン「あの突きをかわして腕を掴んだ!?」

朝倉「そう来ると思ったわ!とどめよ!」ヒュッ

キョン「な!左手にももう一本あったのか!?卑怯な!」

長門「甘い」ガシッ

朝倉「なんですって!?」

長門「教室の床をあなたの赤い血で染めてやろうか」ボソ

長門「…ファイナル」ブンッ

朝倉「きゃ…!?」ガンッ

長門「アトミック」ブンッ

キョン「長門が跳んだ!?」

長門「バスター」グルグルグル

どがあああああぁぁぁん!!!!!!

朝倉「あべしっ!!」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:34:10.19 ID:ISXEZ85VO

長門「小手先の技に頼るからそうなる」

長門「己の拳で語るのを止めた者が、わたしに叶う筈もない」

朝倉「…………」ピクピク

キョン「朝倉あぁぁぁぁぁ!死ぬなぁぁぁぁぁ!!今救急車を……」

長門「その必要は無い」

キョン「なに!?」

長門「一度戦いの舞台に立った者は、戦いにて散るのが本望。これは彼女が望んだ死合い」

キョン「お前、頭おかしいだろ!」

長門「投げんぞこら」

キョン「ごめんなさい!」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:40:32.84 ID:ISXEZ85VO

長門「あなたもわかった筈」

キョン「何が!?」

長門「弱き者はこの世に生きる価値が無い」

キョン「酷いっ……!」

長門「大丈夫。わたしがあなたを鍛える」ムンズ

キョン「え、ちょ、あの…」

長門「…………」トテトテ

キョン「ど、どこ行くの?」ズルズル

長門「山」トテトテ

キョン「嫌だぁぁぁ……」ズルズル

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:50:01.12 ID:ISXEZ85VO

キョン「この山で何を……」

長門「体づくり。まずは軽く筋力トレーニングから始めてもらう」

キョン「どのくらい……」

長門「各能力が現代オリンピック選手を凌駕するまで」

キョン「え!?」

長門「ジャンプ力は軽く3mは欲しい」

キョン「横に?」

長門「縦に」

キョン「無茶なッ!」

長門「それができないと、相手をめくれない」

キョン「めくる?」

長門「じきわかる」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 00:59:36.93 ID:ISXEZ85VO

キョン「で、できました……」

長門「意外と早かった」

キョン「8年くらい経ってる気がするんですけど…」

長門「問題無い。この空間内での流体結合情報を操作した。この空間内での1年は現実世界での一秒」

キョン「はい?」

長門「8年2ヵ月と3日でこのレベルまで達するとは……」

キョン「やっぱ8年間も経ってたのか……」

長門「恐ろしい子」

キョン「いろんな意味でお前のが恐ろしいわ。この監禁女」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:04:27.62 ID:ISXEZ85VO

キョン「逃げようとしたら投げるし……。何回首の骨をやったかわからん」

長門「わたしはその都度治している」

キョン「いっそ病院連れてってくれよな。修行しなくてすむんだからさ」

長門「口答え」

キョン「ごめんなさい長門さん!」

長門「違う」

キョン「え?」

長門「これからわたしはあなたに稽古をつける。だからあなたはわたしを師匠と呼ぶべき」

キョン「マジで?」

長門「もしくはゆきりんと」

キョン「わかりました師匠」

長門「………チッ」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:10:42.53 ID:ISXEZ85VO

キョン「で、いまから何の修行をするんですか師匠」

長門「プロレスラーは相手の技を敢えて受けるのが基本」

キョン「俺はレスラーじゃないですよ」

長門「仁王立ちして」

キョン「こうですか?」

長門「そう」

キョン「?」

長門「…………とう」ブンッ

キィンッ!!

キョン「!!!!!!!!!」

長門「男性特有の急所を鍛えてもらう」

キョン「…………」ブクブク

長門「……まだ寝てはだめ」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:22:28.31 ID:ISXEZ85VO

キョン「俺のキョン玉が……。こんなの無茶苦茶だろ……」

長門「無茶ではない」

キョン「は?お前頭おかしいのか?女だからこの辛さが……」

長門「うるさい。沖縄唐手やその他の武術で“骨掛け”と言う技法がある」

キョン「コツカケ?」

長門「睾丸を腹まで引き入れ防御したり、肋骨や肩甲骨で急所をカバーすることが出来る。詳しくはググるべき」

キョン「ここ山の中なんですけど……。どうやってその骨掛けをするんですか?」

長門「知らない」

キョン「は!?」

長門「わたしは女」

キョン「じゃあどうやって覚えるんだよ」

長門「体で」キィンッ!

キョン「はうっ!」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:29:16.74 ID:ISXEZ85VO

長門「一万五千四百九十八回目で習得。素晴らしい」

キョン「ああ、美少女に急所を蹴られるのが快感にすら思えてきたぜ」

長門「それはよかった」

キョン「こんな無茶な修行で、俺の息子は本当に大丈夫なんだろうな」

長門「女だからわからない」

キョン「おい!」

長門「もしもの時は私が責任を取る」

キョン「え?」

長門「次の修行」

キョン「あ、ああ……」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:40:25.01 ID:ISXEZ85VO

長門「もうあなたに教えることは何もない」

キョン「はぁ!?お前何言ってんの?お前何言ってんの?」

長門「お前じゃない。ゆきりん」

キョン「何言ってんの師匠!?」

長門「………チッ」

キョン「俺ただごっつい筋トレして金玉蹴られただけじゃねーか!?なんだこれ!?特殊なプレイか!?」

長門「黙って」

キョン「はい」

長門「今から、実戦形式で試合をしてもらう」

キョン「いきなり?」

長門「ついでに言うと、実戦では骨掛けはあまり使い勝手が良くない。使わなくていい」

キョン「さっきの修行の意味は?」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:49:40.53 ID:ISXEZ85VO

長門「Here comes a new Challenger」

キョン「はい?」

長門「こう言うのがマナー」

キョン「そうかい」

長門「初戦の相手は」

??「おらぁ!」

キョン「この声は」

谷口「どうしたどうした!隙があったらかかってきなっ!」

長門「弱いから安心して」

キョン「見りゃわかる」

長門「全力でやっていい」

谷口「ビビってんのか?キョンコラァ!」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 01:57:14.43 ID:ISXEZ85VO

長門「ふぁいっ」

キョン「すまんが、全力でやらせてもらうぜ」

谷口「そんなこと言ってて良いのか?食らえっ!必殺っ!」

キョン「なんだ!?」

谷口「と見せかけてフェイントパンチ!」バキッ

キョン「あ、れ…………」

谷口「顔面もろヒット!超、ヨユーっす!」

キョン「いくら谷口とは言え、バカな……」

谷口「長門!あとで約束の朝倉涼子生写真集な!忘れんなよ!」

長門「勝負はまだついていない」

谷口「なに?」

キョン「全っ然痛くない……」

谷口「ありえねぇっ!!」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 02:04:06.02 ID:ISXEZ85VO

キョン「あまりにパンチが遅いからためしに当たってみたんだが……拍子抜けだ」

長門「今のあなたの身体能力は末堂と戦った時の範馬刃牙レベル」

キョン「その例えがよくわからんが」

谷口「その頃の刃牙はただの一般人レベルじゃねえかよ!」

長門「そんなことはない」

谷口「仕方ない、見せてやるぜ奥の手!必殺!!我道k」

キョン「ラブ・ミー・ドゥー!!」ドギャーン!!

谷口「ぎゃああああああぁあぁ!!」

長門「技名が格好悪い」

102 名前:寝落ちしてた[] 投稿日:2009/06/09(火) 05:18:53.99 ID:ISXEZ85VO

谷口「くそっ、こんなところで死ねるかよ……」

キョン「しぶといな。生きてたか」

谷口「ああ、まだこの世でやり忘れたことがあるんでな……しかし、この勝負はお前の勝ちだ」

キョン「谷口……」

長門「…………」

谷口「良い……試合だったぜ……」

キョン「トドメだ!!」

谷口「ぐふぁぁぁ!オヤジィィィィ!!!!」

長門「ユニーク」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 05:27:42.70 ID:ISXEZ85VO

長門「おめでとう。あなたの勝ち」

キョン「師匠……」

長門「でも、あれはやりすぎ。引く」

キョン「なんか無理やり忘れ物とか言うからムカついて……」

長門「なるほど。それなら仕方がない」

キョン「ともあれ、これで修行は終わりですね」

長門「まだ」

キョン「え?」

長門「今度はわたしと組み手をしてもらう」

長門「そこ、邪魔」ポイッ

谷口「うわぁぁぁ!!」ドガァン!

キョン「…………」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 05:51:36.63 ID:ISXEZ85VO

長門「どこからでもかかってきて」

キョン「行きますよ」

長門「わたしの鋼の肉体は全てを弾き返す」

キョン(とは言っても、相手が長門だと正直やりづらいんだよな……)

長門「来ないならこっちから」シュッ

キョン「うおっ」ヒュッ

長門(わたしの逆水平チョップをかわした?)

キョン「でやぁ!」ビュン!

長門「…………(眼鏡が持っていかれた!)」チッ

長門「さすがというべき」ヒュッ

キョン「しまった!」

長門「ヨガファイアー」

キョン「ぎゃああああああつぅぅぅぅ!!!!!!!」

長門「勝負あり」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 05:57:53.17 ID:ISXEZ85VO

キョン「お前、炎は反則だろ……」

長門「わたしの長門有希流格闘術は流派を選ばない」

キョン「無個性じゃん」

長門「…………」

キョン「眼鏡、壊しちゃったな」

長門「問題ない。再構成すれば―――」

キョン「眼鏡が無いほうがかわいいと思うぞ」

長門「……そう」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:08:06.84 ID:ISXEZ85VO

翌日

キョン「ようハルヒ。久しぶりだな」

ハルヒ「久しぶりって、昨日も会ったじゃな…………」パクパク

キョン「ん、どうしたんだ?」

ハルヒ「!! ちょっと、あんたどうしたのよその筋肉!」
キョン「あ、ああ……これはだな……」

ハルヒ「なに?宇宙人とかが絡んでたりするわけ?」ランラン

キョン「いや、そうじゃなくてだな(鋭いな…)」

キョン「そう!ビリーズブートキャンプをやったんだよ!」

ハルヒ「そんなに効果あるの!?アレ」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:14:34.53 ID:ISXEZ85VO

ハルヒ「あたしもやりたいわ!貸して頂戴!」

キョン「いや、今は妹がやってるからしばらくは貸せそうにない」

ハルヒ「どんな妹よ!?」ガビーン!!

キョン「やりたいって言ってるお前もどんな女だよ」

ハルヒ「でもすごいわ。ブレザーがはちきれんばかりじゃない」

キョン「だろ?もう胸のあたりが苦しいんだ。シャツは着れなかったから素肌にブレザーだし、腕は入らなかったから破いてノースリーブだ」

ハルヒ「ワイルドで素敵じゃない!やっとあんたもSOS団員らしくなってきたわね!」

キョン「そうかな、はは」

国木田「キョン、どこへ向かってるんだよ……」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:20:14.20 ID:ISXEZ85VO

国木田「ねえキョン」

キョン「どうした?」

国木田「谷口を知らないかい?」

キョン「谷口?さあ知らないな」

国木田「そう……」

キョン「ああ」

国木田「ねえキョン」

キョン「何だ?」

国木田「その…、さわってもいいかな?」

キョン「ああ、いいぞ」

国木田「うわあ、カチカチだ」

キョン「人をタヌキみたいに」

国木田「え?」

キョン「すまん、忘れてくれ」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:30:59.32 ID:ISXEZ85VO

放課後

キョン「あれ、古泉だけか」

古泉「どうされたんですか? その肉体美は」

キョン「これか? これはアブトロニックの賜物だ」

古泉「科学の進歩は目覚ましいですね……ところでお話したいことがあるんですが」

キョン「なんだ、お前も涼宮ハルヒのことで話があるのか」

古泉「おや、話が早い。では場所を変えましょう」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:43:14.94 ID:ISXEZ85VO

キョン「で、場所を変えたわけだが」

古泉「さて」ギュッ

キョン「待て、なぜはちまきをまいて篭手をつける」

古泉「いえ、いい天気ですから」

キョン「だからなんだ」

古泉「ちょっと一戦交えようかと」

キョン「なんで、お洗濯みたいなノリで戦わにゃならんのだ。涼宮の話は?」

古泉「あなたはある程度ご存知のようでしたので、説明しなくてもいいかと。それより、さあ早く」

キョン「いや、俺はお前が思うより何も知らん」

古泉「そうですか?では手短に話します」

キョン「そうしてくれ」

古泉「僕は超能力です。以上。ささ、早くかかってきてください」ソワソワ

キョン「お前、ちゃんとしろよ!」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 07:52:52.32 ID:ISXEZ85VO

古泉「僕は早く戦いたいんですよ。人が集まらないうちにね」

キョン「お前といい、長門といい……、なんで俺の周りにはこんなやつが集まるんだ」

古泉「では僕からいきますよ」

キョン「お構いなしかよ……」

古泉「波動拳!!」

キョン「な!? どわぁっ!」

古泉「防御しましたか。反応がいい。さすがあの長門さんが認めるだけのことはある」

キョン「な!? 長門を知ってるのか!?」

古泉「ええ、もちろん。彼女は路上格闘界の新星ですから」

キョン「有名なのか?」

古泉「ええ。その可憐な外見からは裏腹な豪快なファイトスタイルと冷酷な人間性から、今最も人気の高い格闘家です」

キョン「そうなのか…」

古泉「彼女こそ、僕がこの学校に転校してきた最大の理由ですよ」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 08:02:24.69 ID:ISXEZ85VO

古泉「あなた、長門さんとはどういった関係で?」

キョン「いやまぁ…、師弟関係?」

古泉「何ですって?なんとも羨ましい…。彼女のスクリューパイルドライバーはもう受けられましたか?」

キョン「ああ。何度もな」

古泉「すごい!!どうでしたか!?実際受けられた感触は!」ハァハァ

キョン「どうって……、首がイッた」

古泉「そうでしょうそうでしょう!! イきますよね!あんなの受けたら!」ハァハァ

キョン「え?あ、ああ……」

古泉「でも、イイでしょう? 彼女のテクは……」ハァハァハァハァ

キョン「もういいからかかってこいお前」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 08:14:23.19 ID:ISXEZ85VO

古泉「波動拳!」

キョン「甘いな!」バッ

古泉「高い!」

キョン「もらった!」

古泉「しかし甘いですね。昇桜拳!!」ガガガガン!!

キョン「なんだとォッ!?」ドサッ

古泉「まだまだですね」

キョン「飛ばせて落とす戦法か…、くそ」ググッ

古泉「おや、まだ立ち上がれるとは」

キョン「なんとなく、お前には負けられねえぜ」

古泉「僕もですよ。あの人に再び会うまでは負けられません」

キョン「ふっ、かかってきな」

古泉「いいでしょう。次で終わりです」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 08:22:05.18 ID:ISXEZ85VO

古泉「波動拳!!」

キョン「おおおおお!!」

古泉(防御する気ですか? ならば、間合いを詰めて……)

キョン「波動拳!!」

古泉「な!?打ち消した!?」

キョン「そして喰らえ…」グッ

古泉「しまった、間に合わ」

キョン「ラ・ムー!!(菊池桃子!!)」ドグオオオオオン!!

古泉「カラダガァァァァ!!」

キョン「まだ立ち上がるのか?」

古泉「まさか…、波動拳をコピーされるとは……」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 08:38:06.75 ID:ISXEZ85VO

古泉「ふふ、僕の負けです」

キョン「潔いんだな」

古泉「健全な精神は僕の格闘家としてのモットーですから」

キョン「そうかい」

古泉「しかし、波動拳まで放つとは、格好といい、あなたは本当にあの人にそっくりだ」

キョン「あの人?」

古泉「ええ。真の格闘家とまで呼ばれる男です。彼が闘う姿を見て、僕はこの世界に身を投じました。僕の技は彼のコピーです」

キョン「ごめん。その話に全く興味湧かない」

古泉「ヒドい……」

キョン「長くなりそうだしな。じゃ俺は部室に戻るから動けるようになったら来てくれ」

古泉「え?放置ですか?」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:13:51.19 ID:ISXEZ85VO

キョン「あれ?長門じゃないか」

長門「良い闘いだった」

キョン「見てたのか?」

長門「ずっと」

キョン「そうだったのか」

長門「話の前にやることがある」

キョン「なんだ?」

長門「あなたの能力はそのままに、体型を元に戻す」

キョン「何でだ?筋肉いいじゃないかっ」

長門「はっきり言って気持ち悪い。わたしのモチベーションが下がる」

キョン「元はと言えばお前のせいじゃないか!」

長門「うるさい」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:20:23.90 ID:ISXEZ85VO

キョン「ひどい…せっかくついた筋肉を……」

長門「筋骨隆々はわたしの好みではない。これからわたしと共に暮らすあなたの見た目はとても大事」

キョン「そうか。一緒に暮らすんじゃあ……って、え?」

長門「危ない」ブンッ

キョン「はうっ」キィンッ!

ドゴッ!

長門「何かがわたしたちめがけて飛んできた」

キョン「だからって、金的することは……」ピクピク

長門「つい癖で」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:28:43.36 ID:ISXEZ85VO

長門「…誰?」

キョン「そうだっ!誰か知らんがお前のせいで俺のキョン玉は大打撃だ!」

国木田「ごめんね、キョン。君を巻き込みたくは無かったんだけど」

キョン「国木田!?」

国木田「仕方ない。二人まとめて片付けてあげるよ」

キョン「なんでお前が?」

国木田「長門さんを倒せば賞金が出る。僕はそれが欲しくてね」

キョン「お前がそんなことをしてるとはな……」

国木田「それはこっちのセリフだね。いきなりこっちの世界に向かってくるなんて。さっさとひいたほうが身のためだよ」

キョン「ちくしょう……」

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:33:18.91 ID:ISXEZ85VO

キョン(やつはさっき、いったい何を飛ばしてきたんだ…?)

国木田「すごいトリックをお見せするよ。それっ!」

長門「来る」

キョン「うおっ」バッ

バキィッ!!

キョン「よ、ヨーヨー?」

国木田「そう、僕はヨーヨー使いだ」

長門「さすがショタキャラ」

キョン「それ何か関係あるのか?」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:41:40.24 ID:ISXEZ85VO

国木田「さあ、かかってきなよ」ヒュヒュヒュン! ヒュヒュヒュン!

キョン「くそっ!近寄れない!一発波動拳で……」

長門「あなたは後ろに下がって。私がやる」

キョン「長門…、しかし」

長門「わたしは弟子との時間を邪魔されて気分を害した」

キョン「でも、お前じゃ近寄れないんじゃ」

長門「観てて」

キョン「ゴクリ……」

国木田「それっ」ブンッ

長門「」ゴンッ!

キョン「長門ォ――――ッ!」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:50:06.54 ID:ISXEZ85VO

キョン「もろに頭に当たってるじゃねえかっ!血でてるぞ!」

長門「いい」ダラダラ

国木田「そ〜れっ」ヒュヒュヒュン

長門「…………」ゴゴゴゴン!!

国木田「避けてみなよ!それとも見切れないのかな?」ビュビュビュン

長門「…………」ゴゴゴン!ゴン!!

国木田「くそっ、しぶといな…」

長門「…………」ザッザッザッ

国木田「必殺!ループザループ!」ビュビュビュンビュビュビュン

長門「」バババババンッ

キョン「長門!?」

国木田「これでどうだ……」

長門「…………」ユラリ

国木田「ひっ!?」

長門「……所詮は児戯。避けるまでもない」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 15:58:20.83 ID:ISXEZ85VO

国木田「ああああああ……」ガクガク

長門「お返しをしなければいけない」ガシッ

国木田「キョッ!!助け」

長門「…鬼神鎚」ガンガンガンガン

国木田「ぶぁ……」

長門「ギガスブリーカー」

ドゴン!!

長門「そして最後は」ヒョイッ

キョン「国木田を空中に投げた?」

長門「ヘブンリー・ポチョムキン・バスター」

ドカアアァァァァン!!

キョン「国木田が…地面にめり込んだ……」

長門「スパッツ履いて出直してこい」ビッ!

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 16:04:25.45 ID:ISXEZ85VO

長門「…目障りなショタは片付いた」ダラダラ

キョン「長門!血が!血が!」

長門「……少し、貧血」バタンッ

キョン「大丈夫か!?」

長門「問題ない。レバーを食べれば治る」

キョン「情報操作使えよ!」

長門「鍛え上げた肉体のみで闘いぬいてこそ真の格闘家」ダラダラ

キョン「血やばいって」

長門「しかししばらくは歩けそうにない。家まで送って欲しい」

キョン「わかった」

長門「お姫様抱っこを希望する」

キョン「なんで!?」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 16:16:16.12 ID:ISXEZ85VO

キョン「大丈夫か?頭の色が湘北の10番みたいになってるぞ」

長門「平気。慣れっこ」

キョン「とりあえずここで寝とけ。でだ」

長門「?」

キョン「一緒に暮らすってどういうことだ」

長門「弟子は師匠の世話をする。当然のこと」

キョン「でも俺とお前は」

長門「お前じゃなくてゆきりん」

キョン「……俺と師匠は一応男女ですから、同じ屋根の下で暮らすのは……」

朝倉「そうよね?」

キョン「うわっ!朝倉!?」

長門「どこから生えた、眉倉涼子?」

朝倉「わたしは長門さんに弟子入りしに来ました」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 16:26:27.99 ID:ISXEZ85VO

長門「帰るがいい」

朝倉「つれないわね」

キョン「人のこといきなり殺そうとしておいてよく言うぜ」

朝倉「細かいことは気にしないの」ニコ

キョン「笑ったって駄目だ」

朝倉「ケチね」

長門「じゃあ、彼と勝負して勝ったらいい」

朝倉「やった!さすが長門さん話がわかる♪」

キョン「いいのか?」

長門「あなたが勝てば問題ない。ただし……」

キョン「…………」ゾッ

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 16:36:21.08 ID:ISXEZ85VO

長門「両者武器なし。それでは、れでぃ……ふぁいっ」

朝倉「最初から本気で行くわよ!覇っ!!」ビュッ

キョン「よっ」バシッ
朝倉「やぁっ」ババババ

キョン「ぐわっ」バシッ

キョン「しまった、ガードが……」

朝倉「いまだ!スピニング・バードキック!」

キョン「パンツ丸見え……」

朝倉「キャッ!!しまった」ドチャッ

キョン「隙あり!波動拳」

朝倉「きゃあっ!」ドンッ

長門「そこまで」

朝倉「しまった…」

キョン「スカートが敗因だな」

朝倉「ブルマで闘っていれば……」

キョン「エロすぎるぞソレ」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 16:46:20.78 ID:ISXEZ85VO

朝倉「くそっ…」クスン

長門「出直すべき」

朝倉「あたしはあきらめないわ!」

バタン

長門「さて、眉毛は消えた。あなたには夕食を作って欲しい」

キョン「俺が?」

長門「そう」

キョン「まあいいけど……俺料理なんて出来ないぞ」

―――――――――――――――――――
長門「やっぱりあなたも弟子でいい……ウプ」

朝倉「え、なんで?何があったの?」

キョン「台所に行けばわかります……。バイオハザードです」

朝倉「?」

長門「ちょっとトイレに……」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 18:26:03.92 ID:ISXEZ85VO

キョン「えっと、とりあえず今日は着替えもないし家に帰るぞ」

長門「だめ」

キョン「親になんて言えばいいんだよ。女の子のマンションで一緒に暮らすなんて」

長門「任せて。話をしてくる」

キョン「ちょ、俺も……」

朝倉「駄目よ。あなたはここであたしと組み手♪」ガシ

長門「朝倉涼子、あなたは優秀。では行ってくる」

キョン「あ、待てっ!」
―――――――――――――――――――――――――――
長門「ご両親に言ってきた」

キョン「なんて!?」

長門「わたしたちに言葉はいらない。拳が語る」

キョン「誰か!誰か警察を!弁護士を呼べ!」

長門「必要なものはすべて持ってきた」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 18:36:48.98 ID:ISXEZ85VO

長門「ではわたしは寝る。しかしあなたは寝てはいけない」

キョン「なんでだよ」

長門「毎日の筋トレを欠かしてはいけない」

キョン「長門もしてねーじゃん」

長門「わたしはいつも部室で行っている」

キョン「嘘つけ」

長門「本当。いつも読んでいる本は30kgの重量を有する」

キョン「嘘!?」

長門「本当。わかったらあなたも筋トレをするべき。ノルマは腕立て伏せ700回」

キョン「……わかったよ。1、2、」

長門「……おやすみ」コロン

キョン「待て。なぜ腕立てをやってる腕の間に仰向けで寝転がる」

長門「いいから」

キョン「よくねえ」

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 18:53:11.70 ID:ISXEZ85VO

――――翌日

キョン「なんでカバンに鉛を詰めて登校せにゃならんのだ」

長門「腕力強化」

朝倉「お、重い……」

ザ.....

キョン「誰だ?」

森「とりあえず避けろよ」シュッ

キョン「ぐわっ」バシッ

森「かろうじて受けたか。しかし脳が廻って立ってるのがやっとだろう」

キョン「だ、誰だお前は」

森「森園生だ。古泉のクズが世話になったそうだが、そんなことより死ね」ブンッ

キョン「うわっ!」シャッ

森「まだ動けるのか」

キョン「キャラが違う!キャラが!」

森「お前とは初対面のハズだが?」

227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 19:04:24.85 ID:ISXEZ85VO

森「まあいい。気が変わった」

キョン「お引き取りいただけますか?」

森「軽い自己紹介をしてから殺ろう」

朝倉「なんて自分勝手な」

森「わたしはたまにメイドだ。萌えだ。そして独身。趣味は弱い者いじめ」

キョン「…は?」

森「つまりお前らみたいな奴のことだ。今日の相手は3人。わたしは上機嫌」

朝倉「3対1でやろうっての?」

森「上機嫌だから今日は殺し屋モード。とりあえず眉毛。お前かかって来い」

朝倉「誰が眉g」

森「お色気パンチ!」バグンッ

森「……次」パンパン

長門「…強い」

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/09(火) 19:24:48.09 ID:ISXEZ85VO

キョン「波動拳!!」

森「遅い」ブワッ

キョン「上!?」

森「スカイツイスターニー!」ズワッ

キョン「ゲフッ」グラッ

森「童顔ボンバー!!」バグッ!!

キョン「ぐわっ!!」ガキッ ドサッ

森「…次」

キョン「待て…、俺はまだ終わっちゃいない」

森「ウザいなお前」

キョン「食らえ!オドリャ・ナ・メトルノーウ!!」ブンッ

森「気は済んだ?」ガシィッ!!

キョン「な、俺の渾身の一撃を受け止めるなんて…」

森「童顔ボンバー!!」

キョン「ぶふっ…」ズルッ ドチャッ

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 11:25:22.47 ID:RfPqoTa8O

森「次はあなたよ」コキッ パキッ

長門「…面白い」

森「言っとくけど」

長門「………」

森「わたし、最終回のガンダム並みに強いわよ」

長門「…最終回のガンダムは半壊」

森「…………」

長門「…………」

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 11:38:05.38 ID:RfPqoTa8O

森「……まあいいわ」

長門「…………」ダラ

森「なんのつもり?」

長門「来て」

森「舐めてんの?」

長門「あなたの一撃を体で受け止めてみせる」

森「良いけど、一発で終わり」ザッザッ

長門「終わらない」

森「じゃあ行くぞ」

長門「来い」

森「超至近、ミサイルキック!!」

長門「…………!!」グラ

森「ふん」

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 11:43:28.42 ID:RfPqoTa8O

長門「…………」グッ

森「こらえるとは。見た目と違って頑丈だな」

長門「……全然効かない」フラ・・・

森「見るからにふらふらだけど。ほら」

長門「…………?」

森「今度はそっちの番」

長門「後悔する」

森「そっちがね」

長門「…………」グッ

森「来い」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 11:56:29.73 ID:RfPqoTa8O

森(相手の体重は軽い。どんな打撃が来たとしても、致命傷にはならない)

長門「…………!!」ズアッ

森(来た。真っ直ぐなストレート。芸が無い)

森(スピードもない。拍子抜けだ……)

森(あれ?おかしい。遅すぎる。ていうか)

森(こんないっぱいもの考えられるわけないじゃん。なんだこれ)

森(もしかして、これ走馬灯とか、死ぬ前にゆっくり見えるとか、そういう……)

森(やば。避けないと死ぬんじゃ。でももう近)

長門「…………」メキメキメキ

森「うっぐぅ!!!!!!」ドガアッ!!

長門「…………!?」

森「畜生…、やってくれる……」

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 12:02:23.50 ID:RfPqoTa8O

森「でもわたしは耐えた。もうお前の打撃は食らわない。わたしの独壇場だ」

長門「……もう終わり」

森「そう、お前は終わり。わたしが倒す……あれ?」

森「なんでこんなところに壁が?」

長門「それは地面」

森「地面?それじゃ」

長門「言い残すことは?」

森「………糞」

長門「…………」ドグォォン!!

長門「強敵だった……」ドサ

古泉「なんで通学路にこの4人が倒れてるんです?」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 12:12:38.42 ID:RfPqoTa8O

キョン「は!ここは……」キョロキョロ

古泉「保健室です。大変だったんですよ?3人も運ぶのは」

キョン「俺は、負けたのか?」

古泉「気にすることはありません。森さんは世界でも有数のファイターです。しかしなぜ森さんと?」

キョン「わからん。殺し屋モードとかなんとか…」

古泉「ああ。生理ですね。彼女、ツキイチで性格が豹変するんですよ」

キョン「生理って」

古泉「その森さんと闘って命があるなんて運がいい」

キョン「……なあ古泉」

古泉「なんでしょう」

キョン「ところで、なんで同じベッドに長門がいるんだ?」

古泉「当人の希望でして」

306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 13:26:22.70 ID:RfPqoTa8O

キョン「くそっ…俺は森さんの足下にも及ばなかった……」
古泉「仕方ありませんよ」

長門「…………」スヤスヤ

キョン「俺は、負けたのが悔しい……。こんなにも激しい気持ちは初めてだ」

古泉「あなたも、格闘家としての魂が身につきつつある証拠です」

キョン「格闘家としての……魂」

古泉「ええ」

長門「うるさい。寝られない」


キョン「…………」

古泉「…………」

307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 13:35:29.84 ID:RfPqoTa8O

古泉「さて、もう放課後ですし、今日は僕はバイトです。あなたが1日寝ていたせいで」

キョン「俺はそんなに寝てたのか」

古泉「生理時の森さんの打撃を食らったんですよ?立てますか?」

キョン「ああ、問題ない」

古泉「素晴らしいですね。では僕はこれで。団活頑張ってください」

キョン「わかった。さて、行くか長門」

長門「だめ。あなたはまだダメージが残っている。まだ寝てるべき」

キョン「いや大丈夫だ」

長門「さあ。早くここに」パンパン


キョン「置いて行くぞ」

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 13:42:06.92 ID:RfPqoTa8O

みくる「キョンくん! 心配してたんですよぅ!」

キョン「朝比奈さん…(ああ、やはりこの人は天使だ)」

みくる「長門さんともども、怪我しちゃったって聞いて……もう大丈夫なんですかぁ?」

キョン「ええ、そりゃあもう」

みくる「よかったぁ」

キョン(ああ、今すぐ抱きしめたい……)

長門「騙されないでキョンくん」

みくる「長門さん?」

キョン「どうした長門?」

長門「彼女の目線は、常にあなたの急所を捉えている」

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 13:54:07.89 ID:RfPqoTa8O

キョン「そんなはずないだろ?ねえ朝比奈さん」

みくる「そ、そうですよぅ〜。わたしはただキョンくんが心配で……」

長門「まだしらをきる気?」

みくる「しらだなんて……」

長門「あなたの流派をわたしは知っている。可愛い娘ぶって、男が油断したところを倒す一子相伝の拳法」

みくる「……!!」

長門「相手が自分に萌えれば萌える程強くなる“萌拳”の使い手。それがあなた」

キョン「そんな馬鹿みたいな拳法があるわけ……」

みくる「…………」

キョン「あ、朝比奈さん?」

みくる「全部、お見通しだったんですね?」

長門「…………」

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 14:02:11.56 ID:RfPqoTa8O

みくる「…本当はもっと、キョンくんが強くなったところを、頂いちゃおうと思ったんだけど」

キョン「何を……」

みくる「ばれちゃったら仕方ないですね」

キョン「そんな…」

みくる「みくるブラスト!!」カッ!!

長門「………!!」

キョン「長門!?」

みくる「さて、これで長門さんはしばらく動けないわ。楽しませてね?」

キョン「そんな……長門が……」

みくる「安心して?あなたにブラストは使わないわ」

316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 14:13:42.56 ID:RfPqoTa8O

みくる「あなたはまだ餌として完成されてないけど、少しは期待してますから」

キョン「勝手なことを……」

みくる「本当は長門さん目当てでこの団に入ったんだけど、みくるブラストに倒れるくらいじゃ見当違いだったかな」

長門「……わたしはあれくらいでやられはしない」ググ…

みくる「さすが長門さん!未来ではあれを受けてまともに立てる人なんていなかったですよ!」

長門「…………」ハアハア

キョン(いや、長門ですら立つのがやっとだ……)

長門「…………」

キョン「待て長門!こいつは俺が倒す!」

長門「でも、今のあなたでは……」

キョン「……やらせてくれ」

長門「…わかった」

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 14:20:13.07 ID:RfPqoTa8O

みくる「わたしを倒す?冗談がキツいですよぅ」

キョン「俺はマジだ」

みくる「森園生ごときにやられる雑魚のくせに、何言ってるんですかぁ?」

キョン「いいからかかって来いよ。ブラストがなけりゃ長門とまともに闘えない卑怯者の牛女」

みくる「ふふ、すぐにその口を黙らせてあげる」

キョン(挑発にかかるなんて、奴も案外単純だな)

みくる「みくるぱ〜んち」ゴウッ

キョン(軽く受けて反撃……)

長門「よけて」

キョン「え!?」サッ

グワシャアアアアアアン!!!

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 14:27:16.63 ID:RfPqoTa8O

みくる「あらら、すんででかわされちゃいましたか」

キョン「なん…だと…。壁が崩れてコンピ研が見える」

長門「彼女はミオスタチン異常者。途方もない筋力を持つ」

キョン「壁ほとんどが抜けるなんて、やばすぎるだろ」

長門「彼女の一撃はわたしの数倍の威力がある。受けてはだめ」

みくる「今謝ったら、半殺しで許してあげますよ?」

キョン「ほざけ。要はただの力馬鹿じゃねえか」

みくる「仕方ないですね。今日はあなたの血でお茶を入れてあげるわ」ダッ

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 14:33:47.21 ID:RfPqoTa8O

みくる「連続みくるぱ〜んち!!」ビュビュビュ

キョン(パンチの軌道自体は単純だ……よく見ればよけられる)

みくる「しぶといでしゅね」ビュン

キョン(来た!大振り!)ヒュッ

キョン「もらった!サ☆スーン☆クオリティ!!」グワッ


みくる「ふぇぇ〜」ウルウル

キョン「なっ……」フニャッ

みくる「もらった!みくるボディフック!」ズンッ

キョン「ガハァッ」グバッ

みくる「これが“萌拳”よ!」

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 15:13:08.86 ID:RfPqoTa8O

キョン「ガハッ…ゴホ」

みくる「わたしの美貌と腕力で、すべての男はわたしの前にひざまずくのよ!」

長門「…………」

みくる「次は長門さんですね」

キョン「待て……」ガシ

みくる「しぶといですね…もう一発」ブンッ

キョン「くらえっ」ブン!

メシャアッ!!

みくる「カ、カウンター狙い…」

キョン「ふふ……」ニヤリ

みくる「おのれ、ちょこざいな!」ガシッ
キョン「ぐっ」

みくる「死ね!」ググググ

長門「…いけない」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 15:21:26.57 ID:RfPqoTa8O

キョン「………ぅ」ギリギリ

みくる(なんだ、こいつは…。首を絞められ、今にも死ぬというのに、こいつの表情は……何か違う)

みくる「あなた……いったいなんなんですか?」

キョン「お…俺が……」

キョン「俺が死ぬのはお前を殺してからだ!」メシャッ!!

長門「朝比奈みくるの指を折って脱出した」

キョン「パテオ!!(菊地桃子!!)」

みくる「がっ!!」ドンッ

キョン「まだだ!」タンッ バンッ

長門「壁を蹴って水平に飛んだ…?」

キョン「くらえ!」グシャッ

みくる「…………!!」

長門「腹部に強烈な膝蹴り。決まった……」

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 15:30:22.08 ID:RfPqoTa8O

みくる「…………」

キョン「か、勝った……」ハァハァ

長門「予想外」

キョン「はは、そりゃないぜ」

長門「あなたは規格外。闘いの中で急速に成長している」

キョン「そんな俺の才能を見出したのはお前だろ?」

長門「…………」

キョン「……感謝してるぜ」ポンッ

長門(才能じゃなくて好みで選んだなんて、今さら言えない)

キョン「さて、今日はハルヒもいないみたいだし、帰るか」

長門「」コク

みくる「……いてえ」フラ

キョン「……何?」

みくる「ぐ…い゛でぇ…」ユラリ

長門「予想外」

332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 15:41:13.88 ID:RfPqoTa8O

みくる「くい……てえっ……」

長門「いま、彼女は理性を失っている。今は本能によってのみ動く存在。あくなき闘争心と、食欲」

キョン「なんだと?」

長門「彼女はわたしたちを捕食する気。彼女の中の野生が目覚めた」

キョン「まるで化け物じゃねえか……」

長門「まさに怪物。もはや朝比奈みくるではない。言うなれば……」

長門「朝比奈ぴくる」

キョン「それが言いたいがために朝比奈さんはこんな姿に……」

長門「そう」

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 16:15:19.49 ID:RfPqoTa8O

みくる「ぐわあぁぁぁ!」

キョン「今度こそ倒す!」

みくる「うぅぅあぁぁぁ」バチバチ

キョン「何!?うわっ!」バリバリ

長門「危ない」バシッ

キョン「なんだ今のは?俺の体に電気が流れたような…」

長門「TPDDが誤作動して放電している」

キョン「そんな。どうしたら…?」

長門「いま情報操作で解除する。ちょっと待って」

みくる「ぐわぁっ!」ガバッ

キョン「しまったッ!」

ガシャアアアン!!

朝倉「何事!?」

長門「彼と朝比奈みくるが窓を突き破って頭から下に……」

朝倉「なんですって!?」

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 16:24:50.50 ID:RfPqoTa8O

みくる「ぐう……」

キョン「う……」

朝倉「二人とも立ち上がった!?無事なの?」

長門「平気なわけがない」

キョン(口の中……塩気……、血?)

キョン(倒れたいッ、今すぐ……)

みくる「…………」

朝倉「あれは、祈り…?」

長門「やりすぎてしまったと、彼女は悔いている」

キョン「」プッツン

キョン「÷#%£¢∞!!!」バキッ

みくる「…………!!」

キョン「¢£♂∴£%#◇◎!!(俺の為に祈ってんじゃねえ!!)」

346 名前:保守サンクス![] 投稿日:2009/06/10(水) 18:12:57.10 ID:RfPqoTa8O

キョン「●#%刧刀刀I!!!」

みくる「ぐおぉぉぉおぉぉ!!」

朝倉「す、すごい…。あの化け物に真正面からの撃ち合い…」

長門「皆さんにこの迫力が伝わるかどうか」

朝倉「台本SSの表現の限界ね」

キョン「¢★§△■□*&!!!!」

みくる「があああああ!!!!」

朝倉「長門さん、賭けしましょうか?勝ったほうは○○のディナーコース奢りで」

長門「彼に賭ける」

朝倉「あっ、ずっるーい!!あたしも彼に賭けるつもりだったのに!!」

長門「早いもの勝ち」

キャッキャッウフフ

キョン(呑気にしやがって、あいつら覚えてろよ……)

347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 18:25:01.12 ID:RfPqoTa8O

朝倉「でね、あたし言ってやったのよ」

長門「なんて?」

朝倉「お前ほっき貝かよ!?って」

長門「ユニーク」

朝倉「そしたら向こうもムキになっちゃって、そっから小一時間ダンシングトゥギャザーよ」

長門「それはすごい」

朝倉「結果的にめそ……」

キョン「おいお前ら」

朝倉「あら、終わった?」

キョン「なんで人が必死に闘ってんのに雑談してんだよ」

長門「雑談ではない。実況解説」

キョン「嘘つけ!!こっちは死にかけたんだぞ!!」

朝倉「キョンくん…、生きてて良かった……」グスン

キョン「嘘泣きすんな!今の今まで興味ゼロだっただろうが!」

348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 18:32:42.68 ID:RfPqoTa8O

キョン「俺、頑張ったのに…新必殺技、エアカットターミネーターで倒したのに……」

長門「あなたにはゆきりん印の頑張ったで賞を授与する」

キョン「いらねえよ!」

長門「いらない…?」シュン

朝倉「ひどいわ!長門さんに謝って!」

キョン「ああ、悪かったよ!スマン長門!」

長門「…………」プイ

朝倉「あーあ、怒らせちゃった」

キョン「ごめんって……」

みくる「……たまにはわたしのことも……思い出してあげてください………」

350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 18:44:31.78 ID:RfPqoTa8O

長門「あ、生きてた」

みくる「酷い……」

朝倉「あなたのキャラ崩壊の方が酷かったわよ」

キョン「大丈夫ですか?朝比奈さん」

みくる「キョンくん…。どうしてわたしを助けてくれたの?」

キョン「俺にとって、朝比奈さんは朝比奈さんです。それがたとえ、演技であったとしても」

みくる「キョンくん……ごめんなさい……」

長門「いい雰囲気」
朝倉「そうね」

長門「今のうちに潰しておく」スタスタ

朝倉「待って。さすがに大人気ない」

352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 18:55:56.78 ID:RfPqoTa8O

みくる「わたし、昔から遊び相手がいなくて……ずっと寂しかったの」

キョン「可哀想に……」

みくる「すぐ壊れちゃうんだもの」

キョン「前言撤回」

みくる「仕方がないから喧嘩に明け暮れたわ。わたしの拳に染み込んだ血の量はは、もはや覚えてすらいない」

キョン「聞かなかったことにします」

みくる「気づいたときには、わたしは獣人みくると呼ばれ、もう未来では対等に闘う相手すらいなくなっていた」

キョン「あーあー聞こえない」

みくる「だからわたしはこの時代に来た。闘う相手を探すために。涼宮さんなんてどうでも良かったの」

キョン「SOS団全員、作品の根本を無視してますよね?」

みくる「わたし、ずっと寂しかったんです」

キョン「朝比奈さん……」

長門「潰す」

朝倉「落ち着いて!!」

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:02:31.00 ID:RfPqoTa8O

みくる「わたし、この時代に来て良かった……」

キョン「…………」

みくる「白きサイクロン長門さんや、拳を極めし者鶴屋さんにも会えたし」

キョン「鶴屋さん?」

みくる「そして、あなたにも……」

キョン「さっき鶴屋さんって」

みくる「ふふ…本当に…楽しかった……です……よ………」ガク

キョン「朝比奈さん?朝比奈さん!?」

みくる「…………」

キョン「朝比奈さーーーーん!!!!」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:13:09.56 ID:RfPqoTa8O

長門「」グッ!!

朝倉「長門さん、ガッツポーズしてる場合じゃないわ!早く情報操作で治してあげないと……」

キョン「頼む!!」

ガチャッ

ハルヒ「あ……」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「あんたたち、なにあたしをのけ者にして遊んでんのよ…」

キョン「いや違うんだ。これは……」

ハルヒ「もう知らない!」

キョン「ハルヒ!!」

長門「」グッ!!

朝倉「長門さん……」

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:20:55.07 ID:RfPqoTa8O

朝倉「なんとか一命は取り留めたわね」

長門「危うかった」

キョン「良かった……」

朝倉「さ、二人は先に帰っといて?あたしは朝比奈さんを送ってからいくわ」

長門「わかった」

キョン「長門、今日は晩飯は……」

長門「あなたは作らないで」

キョン「そりゃ良かった。俺も産廃を生み出したくはないからな。じゃあ今日は」

長門「わたしが作る」

キョン「そうかい。ちなみに料理は?」

長門「見たことはある」

キョン「…………」

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:25:46.34 ID:RfPqoTa8O

長門「…………」

キョン「…………」
ガチャッ

朝倉「ただいまー。ってなに?この重い空気と異臭は?」

キョン「これ……」

朝倉「ヘドロ?」

長門「かれーらいす……」

朝倉「…………」

キョン「……今日はもう寝るわ」

長門「……わたしも」

朝倉「……後片付けはあたし?」

361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:31:07.67 ID:RfPqoTa8O

ハルヒ「起きろ!バカキョン」

キョン「ハルヒ…?ここは?」

ハルヒ「わからないわ。目が覚めたらあんたと二人でここにいて……学校みたいだけど」

キョン「ここは……閉鎖空間?」ボソ

ハルヒ「ねえキョン!見てあれ!」

キョン「どうした?」

ハルヒ「巨人よ!」

キョン「読売か」

ハルヒ「そっちじゃないほうの巨人よ。ドシンのほう」

363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 19:43:14.35 ID:RfPqoTa8O

ハルヒ「すごい!何かしらあれ!」

キョン「おいハルヒ……」

ハルヒ「近くに見物しにいくわよ!」

キョン「ちょ、待てよ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハルヒ「近くで見ると大迫力ね」

キョン「神人はいるのに、この世界に古泉はいない…か」

キョン「ならば……」

ハルヒ「ちょっと、どうしたのよキョン。そんな怖い顔して」

キョン「どいてろハルヒ」

ハルヒ「え?」

キョン「俺が、奴を倒す」

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:07:07.73 ID:RfPqoTa8O

ハルヒ「え、ちょ、キョン……」

キョン「必ず倒す。心配ない」

ハルヒ「あの体格差よ?勝てるわけないでしょ?」

キョン「勝たなきゃこの世界から出られないって言うなら、俺は死んでもあいつに勝ってやるさ……いや」

ハルヒ「?」

キョン「俺は強いやつとやれればそれでいいんだ」

ハルヒ「なに言ってんの?」

キョン「さあ下がってろ、ハルヒ。怪我するぞ」

ハルヒ「もう!死んでもしらないわよ!バカキョン!」

キョン「か〜め〜は〜め〜」

キョン「波動拳!!」

386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:15:59.98 ID:RfPqoTa8O

ハルヒ「出た!なんか出た!すごい!」

キョン「波動拳!」ボン!

神人「…………」

キョン「駄目だ、効いてない……点の攻撃じゃ駄目か……」

ハルヒ「危ない!」

グシャア!

キョン「うぐぐ……さすがに朝比奈さんよりパンチ力は少し強いか……」

ハルヒ「受け止めた!?」

キョン「点で駄目なら線……股下から一気に頭まで裂いてやる!」

キョン「あの時見た古泉の咲桜拳を俺なりにアレンジした技、食らえ!これが俺の」

キョン「昇竜拳だ!!」

ドン!

389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:22:09.55 ID:RfPqoTa8O

キョン「倒した……動きは緩慢だから楽勝だったな。朝比奈さんより格段に弱い」

ハルヒ「キョン、倒したの?」

キョン「ああ、見ての通りだ」

ハルヒ「すごい……ふふふ」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「すごいわキョン!私が想像した以上よ!」

キョン「ハルヒ!?何を言って……」

ハルヒ「そのボディ、あたしの世界征服の礎として使ってあげるわ!」

キョン「なんだと!?」

ハルヒ「ハルヒクラッシャー!!」ゴオオオオ

キョン「ぐわっ!!」

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:30:08.49 ID:RfPqoTa8O

ハルヒ「立ちなさい。そんな攻撃で倒れるほど、やわじゃないはずよ」

キョン「どうして……」ググ

ハルヒ「あたしはね、持って生まれたこのハルヒパワーを用いて世界を征服するのが夢なのよ」

キョン「どうして俺を?」

ハルヒ「あたしのこの体では少し貧弱すぎるのよ。女だからね。だからあなたのその逞しいボディが欲しい」

キョン「そんなことで……」

ハルヒ「最初は有希に目をつけてたんだけど……、彼女の体はあたしの思ってたのと少し違うかな。彼女、生粋のパワータイプだし」

キョン「全員、長門狙いかよ……」

ハルヒ「おしゃべりは終わり。喰らいなさい!」バッ

ハルヒ「サマーソルトハルヒダイバー!!」

キョン「うぐっ!!」

396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:36:19.03 ID:RfPqoTa8O

キョン「くそっ波動拳!!」

ハルヒ「遅い」ブンッ

キョン「消えた?グッ」バキッ!

ハルヒ「ハルヒワープよ」

キョン「くそっ」ブンッ

ハルヒ「とうっ!ハルヒリバース!!」

キョン「ぐわあっ!」

ハルヒ「そんなもの?あんたより赤子のほうが歯ごたえあるわ。力なきものは見るのも汚らわしい」

キョン「くそ、ハルヒの技はトリッキーで攻めづらい……」

397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/10(水) 23:46:29.25 ID:RfPqoTa8O

キョン「今度はこっちの番だ!うおおお」ブンブン バッ

ハルヒ「くっ」ヒュッ ヒュッ バッ

キョン(肉弾戦もなかなか強い…)

ハルヒ(かすっただけでこの威力、素晴らしい)

キョン「今度こそもらった!」

ハルヒ「かかったな!」ブン

キョン「また消えた!?」

ハルヒ「ここがキョンの墓場よ!!」

キョン「後ろ?」

ハルヒ「ナイトメアハルヒブースター!!」

キョン「ぐわぁぁぁああぁ!!」

ハルヒ「あの世に送ってやる!!」

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:00:17.79 ID:4XeC6IBlO

キョン「……くそ、もうダメか………」

ハルヒ「もう終わり?じゃあその体をいただこうかしら」

キョン「いや、まだだ!」

ハルヒ「活きがいいわ。さすがはこのあたしが見込んだ男」

キョン「俺を見込んでくれたのは、お前じゃない。長門だ」

ハルヒ「どうでもいいわ。とどめを刺してあげる」

キョン「俺は、もう一度長門に会うんだーー!!」

ハルヒ「ハルヒクラッシャーアタック!!」ゴオオオオ

キョン「俺の波動を、最大に練ってぶつけてやる……」

キョン「真空…波動拳!!」

ハルヒ「なに!?ぬわああああぁぁ」

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:17:34.27 ID:4XeC6IBlO

キョン「はあ…はあ…」

ハルヒ「クズが……このあたしがお前ごときに……」

鶴屋「笑止」

ハルヒ「え?なに?きゃああああ!!!!」

15HIT!!

キョン「鶴屋…さん」

鶴屋「私のことを知ってるのかいっ?」

キョン「ええ、朝比奈さんから聞きました。拳を極めし者」

鶴屋「なら話は早いにょろ」

キョン「何の用ですか?」

鶴屋「話はあと。今はこの空間からでるっさ」

キョン「でも、どうやって……」

鶴屋「金剛國裂斬!!」ドパァ!!

キョン「空間が、裂けた!?」

404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:30:38.65 ID:4XeC6IBlO

鶴屋「ハルにゃんはここに置いていくよ」

キョン「戻ってきた……。鶴屋さん」

鶴屋「どうしたんだいっ?どこか痛いのかいっ!」

キョン「勝負しませんか?」

鶴屋「アハハハハハ!!」

キョン「?」

鶴屋「冗談キツいよ、キョンくんっ!」

キョン「冗談なんて…」

鶴屋「だって勝負にもならないからねっ」

キョン「な!?いつの間に後ろに!?」

鶴屋「今の阿修羅閃空すら見えなかったでしょっ?そんなんじゃ、わたしには暇つぶしにもならないよっ!」

キョン「…………(一歩も動けない……)」

鶴屋「でも君には殺意の波動を感じるよっ。早くそれに目覚めてわたしのところに来るんだねっ。そのときは相手にしてあげるよっ。じゃーねー」

キョン「待って!鶴屋さん!……もう、いない…」

キョン「くそ、完敗だ」

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:36:48.04 ID:4XeC6IBlO

長門「無事で良かった」

キョン「長門?いつからここに?」

長門「いま」

キョン「鶴屋さんに負けちまったよ」

長門「もはやあれは人ではない。鬼。気にすることはない」

キョン「優しいんだな。長門は」

長門「少し、公園で話がしたい」

キョン「俺もだ」

長門「じゃあ」

キョン「ハルヒはどうする?」

長門「邪魔。面倒」

キョン「そうだな。置いていこう」

長門「閉鎖空間に置いてくれば良かったのに」

410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:47:36.89 ID:4XeC6IBlO

キョン「さて、話って」

長門「…………」クイクイ

キョン「来い、ってことか?」

長門「格闘家に言葉は要らない」

キョン「そうだな。今夜は夜通し語り合おう」

長門「望むところ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キョン「ハアハア…、やっぱ長門はつええな」ゴロン

長門「あなたこそ、強くなった」ゴロ

キョン「俺、もう立てねえ」

長門「わたしも」

キョン「引き分けだな」

長門「わたしの勝ち」

キョン「どっちでもいいや」

長門「よくない。あなたの負け」

キョン「はは」

411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 00:52:31.79 ID:4XeC6IBlO

キョン「なあ長門。お前言ったよな」

長門「?」

キョン「危険が及ぶとしたら、まず俺だって」

長門「…………」

キョン「弱い奴には生きる資格が無いとも言って」

長門「…………」

キョン「それでお前は、俺を鍛えてくれた」

長門「…………」

キョン「それから、何度も、古泉や朝比奈さんやハルヒやお前と、死合いをして気づいたんだ」

長門「…………」

キョン「よく考えたら、俺が危険なのは全部お前のせいじゃねえ?」

長門「…………」

キョン「おい、長門」

長門「……ユニーク」

キョン「答えろよ」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:23:10.27 ID:4XeC6IBlO

長門「…………」

キョン「まあもうそんなことはどうでもいいんだ。……長門」

長門「……?」

キョン「ありがとな。俺に格闘を教えてくれて」

長門「いい」

キョン「お前が俺の才能を見出してくれたから、いま俺はここにいるんだ」

長門「…………(実はただの下心だったけど)」

キョン「俺、世界格闘大会に出るよ」

長門「…………!?」

キョン「俺は、自分がどこまでいけるか試してみたくなったんだ」

長門「じゃあ、わたしも出る」

キョン「長門?ハルヒのことはいいのか?」

長門「もとよりどうでもいい」

キョン「そうか」

418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:35:05.46 ID:4XeC6IBlO

キョン「だからさ、長門。もし優勝できたら、俺と……」

長門「言わないで」

キョン「?」

長門「そこから先は、あなたが優勝した時の楽しみにとっておく」

キョン「ああ、そうだな」

長門「じゃあ」

キョン「俺も久しぶりに我が家に帰るか。これからはライバルだしな」

長門「負けない」

キョン「俺もだ」

長門「もしわたしが優勝したら、結婚してもらう」

キョン「え!?おい!?」

長門「…………」スタスタ

キョン「行っちまった……」

キョン「正直、いきなり結婚はひくわ……」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:40:26.53 ID:4XeC6IBlO

キョン「ただいま」

キョン妹「…………」

キョン「どうした?なんかあったか?」

キョン妹「この星はいま泣いている…私はそれをなんとかしたい」

キョン「え?」

キョン妹「私は天帝として目覚めた」

バリバリバリ

キョン「うわあ!妹が赤と青のツートンカラーに!?」

キョン妹「澄み切った空には純粋な感動がある。キョン君はいまそれを感じないか?」

キョン「全然感じねえ」

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:56:04.43 ID:4XeC6IBlO

ーー自分のことを神だとか言い出した電波な妹を退け、数ヶ月後。

キョン「よし、行くか」

始まった世界格闘大会。
俺は無事に本戦出場を果たした。もちろん長門もだ。


キョン「初戦の相手は、E本田か…。相手にとって不足はないな」

いまの俺ならば、拳で語り合うことの意味が、わかる気がする。
さあ

キョン「俺は、俺より強いやつに会いに行く」

そして俺は、相手の待つ銭湯の暖簾をくぐった。



END

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/11(木) 02:02:43.46 ID:4XeC6IBlO

続かせようと思ったらいくらでも続くんで、無理やり終わらせました。
台本SSだと戦闘が全然表現できなくて焦りました。
もともと、長門の金的が書きたくて始めたSSなので、そこが書けたので満足です。
長門に蹴り上げられるなんて、ロマンを感じますよね。
ちなみにみくるはブランカ+ピクル+箕輪
森さんはサンパギータ・カイなイメージです

読んでくださった方、ありがとうございました!



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