1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:15:46.93 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・唐突に、なんだ?」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「いまさらだけど、有希って全然笑わないじゃない!」
キョン「まぁ、確かに」
キョン(・・・宇宙人だしな)
ハルヒ「せっかく可愛い顔してるのになー」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:17:04.21 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「もっとこう、女の子らしく・・・」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「オシャレしてお化粧して、とまでは言わないけどさぁ」
ハルヒ「女っ気がないの!クールすぎるのよ、有希は!!」
長門「そう」
ハルヒ「せっかく可愛いんだから、これじゃ損よ!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:18:19.94 ID:lU7vHoFm0
キョン「思いついたように訳の分からないことを言い出すな、お前は」
ハルヒ「ね、ね!キョンもそう思うでしょ!?」
キョン「あ、ああ・・・」
長門「・・・・・・・・・」
キョン「・・・なんだかんだ言って可愛い顔をしてるのは、確かだな」
ハルヒ「でしょ!?」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:20:34.90 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・しっかし、本当にいまさらだな」
ハルヒ「当たり前になりすぎてたのよ!」
キョン「なるほど」
ハルヒ「男の子なんてほっとかないと思うのよね、有希のこと」
長門「・・・・・・・・・」ペラ
ハルヒ「古泉君は?古泉君も、有希のこと可愛いと思うわよね!?」
古泉「・・・ええ、大変可愛いらしい容姿をしていらっしゃると思いますよ」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:22:48.99 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「あら、もしかしてタイプかしら?」
古泉「そうですね。この質問は、肯定しても否定しても同じ意味に取られそうなので・・・」
古泉「とりあえず、ノーコメントとさせていただきます」
古泉(宇宙人ですしね)
ハルヒ「あら、釣れないわねぇ」
長門「・・・・・・・・・」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:24:13.01 ID:lU7vHoFm0
古泉「涼宮さんの言う、『長門さんは笑ったほうが可愛い』ということも、納得できますが・・・」
ハルヒ「できますが?」
古泉「そうですね」
古泉「長門さんの場合はそのキャラクターが・・・」
長門「・・・・・・・・・」
古泉「・・・つまり、無口で無愛想なところが、いいのではないでしょうか?」
ハルヒ「む・・・、た、確かにそれもそうだけど・・・」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:26:32.06 ID:lU7vHoFm0
キョン「そうだぞー、ハルヒ。これが長門の良さだ」
ハルヒ「そ、そりゃあたしは今の有希も好きだけどさぁ・・・」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「・・・なんていうんだろ、女から見て?みたいな」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「同性から見ると、ってことよ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:28:31.58 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・すまん、意味が分からないんだが」
ハルヒ「女の子から見ると、『あー、なんでこの子可愛いのに、もったいないなぁ』ってなるの!」
キョン「それ、長門に失礼じゃないか?」
ハルヒ「有希の場合は、欠点じゃないもの!」
ハルヒ「とーにーかーく!こんなに可愛いんだから、もっと女の子女の子するべきよ!」
キョン「女の子女の子ってお前・・・」
ハルヒ「みくるちゃんなら分かってくれるはずだわ!」
みくる「はわっ、わ、わたしですかぁ〜?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:29:49.22 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「みくるちゃんも、有希が笑わないの、もったいないと思うわよね!?」
みくる「は、はぁ・・・」
長門「・・・・・・・・・」ペラ
みくる「・・・長門さんは、顔も整ってますし・・・」
ハルヒ「もっと表情豊かに生きるべきよね!?」
みくる「べ、別にそこまではぁ」
みくる(だって宇宙人さんですし・・・)
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:32:39.88 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「ゆ〜きっ!」
長門「なに」
ハルヒ「笑いなさい!」
長門「何故」
ハルヒ「いいからっ!」
長門「・・・・・・・・・」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:35:00.34 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「ほらっ!ちょっとでいいのよ!」
長門「・・・・・・・・・」じー
ハルヒ「微笑む感じで、ほらっ、ニコッっと・・・」
長門「・・・・・・・・・」じー
キョン「・・・・・・・・・」
古泉「・・・・・・・・・」
みくる「・・・・・・・・・」
長門「・・・・・・・・・」じー
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:36:16.50 ID:lU7vHoFm0
キョン(・・・あの目だ。小動物的というかなんというか・・・)
古泉(・・・あの長門さんの微動だにしない見つめ方は、相変わらずですね・・・)
みくる(・・・あ、あぅ・・・。や、やっぱり長門さんの見つめ方って・・・)
長門「・・・・・・・・・」じー
キョン(・・・可愛いな)
古泉(・・・可愛らしい)
みくる(・・・可愛いです)
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:38:03.99 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・・・・・・・」
長門「・・・・・・・・・」じー
ハルヒ「・・・・・・・・・」
長門「・・・・・・・・・」じー
ハルヒ「・・・可愛い」ヒシッ!
キョン「!」
古泉「!」
みくる「!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:40:02.78 ID:lU7vHoFm0
キョン(・・・かぁ〜、流石ハルヒだ・・・。簡単に抱きつけるのはあっぱれだな)
キョン(俺がそんなに気安く抱きついたら、長門なら気にしないだろうが危うく警察沙汰だっ!)
キョン(こういうときばっかりは、お前は心底羨ましいぞ、ハルヒぃ・・・!)
古泉(・・・ふぅむ、流石は涼宮さん。本能に忠実というかなんと言うか・・・)
古泉(そこで迷いなく抱擁が出来るとは・・・。僕にはまず無理でしょう、社会的に)
古泉(抱きつきたいのに抱きつけない・・・、そんな迷い、あなたは微塵もないんでしょうね・・・)
みくる(・・・ああぁぁぁ!いいな、いいなぁ・・・!涼宮さん、いいなぁ!!)
みくる(わ、わたしも・・・!わたしは、女の子だから抱きついても不自然ではないはずだから・・・!)
みくる(・・・あ、でも・・・、抱きつかれたままの長門さんも可愛いです・・・)
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:41:32.06 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「有ぅ希ぃ〜、笑ってってば〜」グリグリ
長門「何故」
ハルヒ「そっちのほうが可愛いからよ!」ワシワシ
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「黙ってても可愛いけどさぁ〜」フニフニ
長門「そう」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:43:20.12 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・ま、まぁ確かに。ハルヒの言うとおり、笑った長門は可愛いかも知れん」
ハルヒ「や、やっぱり?キョンもそう思う!?」バッ
古泉「・・・ええ。普段と違うキャラクターというのも、乙かも知れませんね」
ハルヒ「うんうん!さっすが古泉くん!分かってるわね!」
みくる「わわ、わたしも!わたしも、笑ってる長門さん、見てみたいかもですぅ!」
ハルヒ「もー、みくるちゃんまで!みんな、やっぱりそう思うわよね!」
長門「・・・・・・・・・」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:44:59.47 ID:lU7vHoFm0
・・・パタン
古泉「・・・おや」
ハルヒ「あっ、もうこんな時間」
キョン「あー・・・、そろそろ、帰るか」
ハルヒ「そうね、今日は解散にしましょう!」
みくる「じゃ、じゃあ、着替えるので・・・」
長門「・・・・・・・・・」スタスタ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:48:14.25 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「みんなバイバイ!」ダッ
長門「・・・・・・・・・」
キョン「じゃ、また明日な、長門」ポンポン
長門「・・・・・・・・・」コクン
古泉「では、お先に失礼しますね」スタスタ
長門「・・・・・・・・・」コクン
みくる「な、長門さん、さ、さようなら・・・」バタン
長門「・・・・・・・・・」コクン
長門「・・・・・・・・・」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:50:33.13 ID:lU7vHoFm0
―――次の日。
キーンコーンカーンコーン・・・
キョン「・・・んー・・・疲れたなっ・・・と」
キョン「ま、週末だしな。・・・休日も休めるか不安だが・・・」
キョン(あー・・・、今日は古泉とチェスでもするか・・・)
キョン(オセロはもう飽きたしな・・・)
キョン(と言うか、古泉が弱すぎて・・・」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:53:11.63 ID:lU7vHoFm0
ガチャ
長門「・・・・・・あ」
キョン「よう、長門。相変わらず早いな」バタン
長門「・・・・・・うん」
キョン「お前も、たまには休んで良いんだぞー」ギィ
長門「・・・だ、だいじょうぶ」
キョン「・・・しっかし、早く来ると、なんと言うか、得だな・・・」
キョン「長門と二人っきりになる機会は多いが、やっぱり・・・」
キョン「・・・・・・!?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:54:29.25 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・・・・・・・」モジモジ
キョン「・・・な、長門か・・・?」
長門「・・・・・・・・・」コクン
キョン「な、なんか、顔・・・、赤くないか・・・?」
長門「そ、そんなことない・・・」
キョン「・・・・・・・・・」
長門「・・・へ、平気」カァァ
キョン「・・・長門がなんか変!!」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:55:47.34 ID:lU7vHoFm0
バターンッ!
古泉「お困りだと思って駆けつけましたぁ!!!」
キョン「さっすが古泉!話が早い!」
長門「・・・こ、こんにちは・・・」
古泉「・・・!?」
キョン「お、おいどういうことだ!?長門が、長門じゃないんだが・・・!」
古泉「こ、これは・・・」
長門「・・・あ、あんまり見ないで・・・」ブンブン
古泉「・・・ど、どどどどういうことでしょうか・・・」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 01:58:24.25 ID:lU7vHoFm0
バターンッ!
みくる「よよよっ、呼ばれた気がしましたぁっーー!!!」
キョン「さっすが朝比奈さん!話が早い!」
古泉「朝比奈さん、長門さんが・・・!」
みくる「な、長門さんが・・・?」
長門「・・・・・・・・・」モジモジ
みくる「・・・!?」
キョン「一体どういうことだっ・・・?」
みくる「あ、あゎゎゎゎ・・・!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:00:17.92 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・涼宮ハルヒが来る前に、せ、説明するから・・・」
長門「・・・とりあえず、座って・・・」スッ
古泉「こ、困ったものです」ストンッ
キョン「古泉、椅子に座るんだ。床に体育座りじゃない」カチャカチャ
古泉「あなたのほうこそ、今は服を脱ぐ必要はないのですが」
長門「・・・おおおお願いだから、落ち着いて・・・!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:01:38.48 ID:lU7vHoFm0
キョン「な、長門が、どもりながら普通に喋ってるぞ」
長門「ふ、服を着て」
キョン「ガッテン!」
古泉「表情も普通に、感情に合わせて変わりますね」
みくる「ひ、表情が読み取れますぅ・・・!長門さんからぁ!」
長門「・・・あ、えっと・・・」テレッ
長門「話を・・・」
みくる「・・・可愛いです」ポツリ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:03:03.66 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・っ!?」ドキッ
キョン「朝比奈さん!それを言ったらおしまいですって!」ガタンッ!
古泉「そうです!僕だって言いたくてうずうずしていたんですから!!」ガタンッ!
みくる「だ、だってだって、本当に可愛いんですもん!!」
キョン「可愛いですよそりゃあ!!」
古泉「ええ!可愛いですとも!!」
みくる「でしょぉ!?」
長門「は、は、話をさせて・・・!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:04:20.47 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・よし、冷静になろう、なる」
古泉「ひとまず、落ち着いたほうがよさそうですね・・・」
みくる「あ、あせっても仕方ないですからぁ・・・」
長門「さっきから言ってるのに・・・」
キョン「悪かった悪かった。ここまでの破壊力とはな・・・」
古泉「私にもまったくの予想外でしてね」
みくる「だ、大丈夫ですよぉ・・・、大丈夫です・・・」
長門(・・・なんか怖い・・・)
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:06:21.11 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・あ、改めて・・・」
キョン「・・・ハルヒ、だよな」
長門「・・・たぶん」
古泉「昨日の話の延長上ってところですね。分かりやすい」
みくる「す、涼宮さんが長門さんに笑って欲しかったから・・・」
長門「それも、もちろんあるけど・・・」
キョン「・・・『女の子らしく』、とかなんとか言ってたよな?」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:07:35.45 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・うん」
古泉「・・・昨日の涼宮さんの、『長門有希に女の子らしくなって欲しい』という願望が」
古泉「『力』によって今日、具現化した、と。そういうことですね?」
長門「・・・そう」コクン
キョン「じゃあ、今の長門は、普通の女の子ってことか?」
古泉「簡単に言うとそうでしょう」
古泉「おそらく、感情や考え方等が、一般的な16歳の少女と同じレベルになっているはずです」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:12:45.53 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・・・・・・・」コクン
古泉「・・・理由は分かりませんが、長門さんは、感情の起伏、表情のパターンがかなり乏しかった」
古泉「考え方についても、極めて簡潔で、多くの情報量を持っています」
キョン「それが、今は違うのか」
古泉「嬉しいときには笑い、悲しいときに泣く。恥ずかしがり、怖がる・・・」
古泉「・・・あくまで予想ですが、『普通』。つまり『人間らしく』ということは、こういうことではないでしょうか」
51 名前:説明=古泉の考え方が根強かった[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:16:23.73 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・だ、大体、あってる。と、思う・・・」
キョン「普通の長門は、口下手なわけか」
みくる「き、記憶はどうなんですかぁ?」
長門「それは・・・大丈夫。いままでのことは、きちんと覚えてる」
みくる「そ、そうですか・・・」
長門「・・・でも」
キョン「?」
長門「・・・い、今まで感情が薄かった分、今、何をしたらいいか分からない・・・」シュン
長門「とても、混乱してる・・・」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:17:50.29 ID:lU7vHoFm0
古泉「そうですか」ツー・・・
キョン「古泉、鼻血」スッ
古泉「これは失敬」
みくる「朝からずっとなんですかぁ?」
長門「・・・そう。起きたときから・・・」
長門「学校では、出来るだけ平静を保ったつもりだけど・・・、こ、怖かった・・・」
みくる「そうですかぁ・・・」ツー・・・
キョン「朝比奈さん、鼻血」スッ
みくる「ありがとう、キョンくん」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:21:46.79 ID:lU7vHoFm0
キョン「じゃあ、今の長門は宇宙人じゃないんだな?」
長門「・・・そう、いうこと」
古泉「統合思念体との交信も、出来ないんですか?」
長門「・・・完全に途絶えてる。情報操作もチャレンジしたけど、駄目」
古泉「・・・ふぅむ」
キョン「どうかしたのか?」
古泉「長門さんが現在、情報操作が不可能というのは、なかなか危険ですね」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:23:08.02 ID:lU7vHoFm0
キョン「た、確かにそうだな・・・」
みくる「ほ、他の宇宙人さんや組織が攻めてきたら、大変です!」
古泉「厄介なことにならなければいいのですが・・・」
長門「・・・ご、ごめんなさい」
キョン「え?」
長門「こ、こんなことになって・・・」グスッ
キョン「・・・・・・・・・」ツー・・・
古泉「・・・・・・・・・」スッ
キョン「おっと、すまん」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:24:59.93 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・大切なときに、みんなを守れない・・・」シュン
キョン「な、なぁに、気にすんな。今回もハルヒの仕業だろ?仕方ないさ」
古泉「そうですよ。ましてやあなたが気に病む必要なんて、ありませんよ」
みくる「そ、そうですよぉ!いままで、長門さんには頼りっぱなしだったんだし・・・!」
長門「でも・・・」
キョン「あー、気にすんなって。朝比奈さんの言うとおり、俺達が頼りすぎなのは確かなんだ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:26:50.74 ID:lU7vHoFm0
古泉「ここは何もないことを祈って、いち早く問題の解決に努めましょう」
みくる「それまで、長門さんは休憩・・・ってことで、ど、どうでしょうかぁ?」
長門「・・・みんな」ウルッ
キョン「!」
古泉「!」
みくる「!」
長門「わ、私・・・、すごく、不安で・・・」
長門「不安っていうのも、初めてで・・・。す、すごく、心細くて・・・」ポロポロ
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:28:12.50 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・み、みんなが居てくれて、本当に良かった・・・」
長門「・・・ありがとう」ニコッ
キョン「・・・古泉、ティッシュ」トントン
古泉「切れました」トントン
みくる「・・・・・・・・・」トントントン
長門「・・・は、鼻血のときは、首の後ろをトントン叩いちゃ駄目・・・」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:29:31.99 ID:lU7vHoFm0
バタン!
ハルヒ「やっほー!おっ、みんな揃ってるわねー!!」
ハルヒ「関心関心!団長様のぉ・・・」
キョン「は、ハルヒ・・・」
ハルヒ「ん?なぁにキョン・・・。みんな?どうかした?」
古泉「あのですね・・・」
ハルヒ「・・・有希?」
長門「・・・・・・・・・」ペコ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:31:19.95 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「有希!?な、泣かされたの!?」
長門「・・・ち、違」
ハルヒ「ちょっとキョン!有希になにしたのよっ!!」
キョン「待て待て!そうじゃない!」
ハルヒ「だって、泣いてるじゃないの!!」
キョン「ええい、だいたい長門が泣くとこなんて、見たことあるか!?」
ハルヒ「誰だって泣くときは泣く・・・、あっ?」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「・・・有希、よね?」
長門「・・・・・・・・・」コクン
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:32:58.39 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「な、なんか、違くない?」
長門「・・・・・・・・・」ブンブン
ハルヒ「きょ、キョン!どういうこと!?」
キョン「こ、これはだな、その、あー・・・」チラッ
古泉「・・・・・・・・・」コクン
キョン「・・・イメチェン、ってやつじゃないか?」
長門「!」
ハルヒ「・・・イメチェン?」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:34:31.34 ID:lU7vHoFm0
キョン「昨日、お前が長門に笑えだの、女の子らしくしろ、だの言ってただろ」
キョン「だから少し、あー、表情を緩める練習をだな。始めた、らしい」
長門「・・・・・・・・・」コクコク
キョン「長門も女の子だからな、変わりたいんじゃないか?」
ハルヒ「・・・・・・・・・」
キョン(・・・っていうのは、ちょっと苦しいか・・・)
ハルヒ「・・・泣いてたのは?」
長門「・・・ちょっと、混乱しただけ。か、彼もみんなも、関係ない」
ハルヒ「・・・なーんだ、そういうこと!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:36:27.40 ID:lU7vHoFm0
キョン「そ、そういうことだ!」
ハルヒ「もー、有希ったら!びっくりしちゃったわ!」ガシッ
長門「あぅ」
ハルヒ「私の言ったこと、気にしちゃった?」グリグリ
長門「・・・そ、そんなことない」
ハルヒ「あーもー!可愛いわねぇ!よしよし!」ワシワシ
長門「あ、わ、わ」
ハルヒ「有希も、やっぱり女の子ねー!!」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:38:47.93 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「ほら、笑ってみて!ほら!」
長門「・・・え、えっと・・・」カァァ
ハルヒ「いいからほら!ニコッて!」
長門「・・・・・・・・・」ニ、ニコッ
ハルヒ「あー!やっぱり可愛いわ!ほら!最高よ!」
キョン(・・・ああ、最高だな!)
古泉(・・・まったく、最高ですね!)
みくる(・・・ほ、本当、最高です!)
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:40:08.65 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「やっぱり私の目に狂いはなかったわね!」
長門「・・・あ、ありがと」
ハルヒ「もー、なにこの抱きしめたい感!可愛い!」ギュッ
長門「・・・うぁ」
ハルヒ「有希〜!ゆぅきぃ〜!!」グリグリ
長門「・・・!」アセアセ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:42:03.27 ID:lU7vHoFm0
みくる「わ、わたしもぉ!」ダッ
キョン「あっ!ズルい!!」
古泉「とんでもない裏切り行為ですよ!あなた!!」
ハルヒ「え?みくるちゃんも?」
みくる「は、はいぃ!」
ハルヒ「そうよね〜!ぎゅっとしたいわよね〜!!」
みくる「え、えいぃ」ギュッ
長門「・・・く、苦しい・・・」ジタバタ
みくる(・・・あー、幸せ・・・)
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:43:43.93 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・ひとまず、大丈夫そう、か?」
古泉「・・・ええ。そうですね。警戒するにこしたことはありませんが・・・」
キョン「しっかし、ハルヒが単純で助かったな」
古泉「いえ、とっさにしては、なかなかまともな誤魔化し方だったと思いますよ」
キョン「そうか?まぁ、不自然がられないで良かったな」
古泉「そうですね」
キョン「・・・・・・・・・」
古泉「・・・・・・・・・」
キョン「・・・混ざりたい」
古泉「・・・抑えてください。僕も限界なんです」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:45:39.61 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「―――みくるちゃん!お茶!」
みくる「は、はぁい!」
キョン「・・・古泉、今日はチェスにしよう。オセロは飽きた」
古泉「おや、チェスなら少々自信がありますよ」
長門「・・・・・・・・・」ドキドキ
キョン(基本的に、本は好きなんだな・・・)
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:46:54.83 ID:lU7vHoFm0
コポポポ・・・
みくる「・・・はい、お茶でぇす」コトッ
ハルヒ「ありがとう!みくるちゃん!」
みくる「置いておきますよぉ」トンッ、トンッ
キョン「あ、すみません」
古泉「どうも」
みくる「いえいえ〜」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:48:32.58 ID:lU7vHoFm0
みくる「・・・はい。長門さんもどぉぞ」コトッ
長門「・・・あ、ありがとう。えっと・・・」
みくる「?」
長門「・・・み、みくる」
みくる「・・・!」
長門「あ、あの・・・。ごめんなさい、馴れ馴れしく・・・」
みくる「・・・な、長門さんが、わた、わたしの・・・」
長門「・・・朝比奈さん?みくるちゃん・・・、違う、えっと・・・」
みくる「いいんですよぉ!みくるでいいんですぅ!!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:50:27.02 ID:lU7vHoFm0
古泉「な、長門さん!」ガタンッ
長門「・・・な、なに・・・?んと・・・一樹?」
古泉「・・・・・・・・・」グッ!
キョン「な、長門長門!お、俺は!?」ガタッ
長門「・・・キョン」
キョン「あ、ああ。やっぱそっちか・・・」ストン
ハルヒ「ん?みんな、どうかした?」
長門「・・・は、ハルヒ」
ハルヒ「なぁに?有希」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:52:10.75 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・な、なんでも、ない」
ハルヒ「なぁーによっ、可愛いわね!」
長門「べ、別に・・・」
ハルヒ「・・・あ、そうだわ!」
キョン「・・・なんだー、またなんか閃いたのかー?」
長門「?」
ハルヒ「明日の不思議探検はお休み!みんなで遊びに行きましょう!」
長門「あ、遊びに・・・?」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:54:25.24 ID:lU7vHoFm0
キョン「どういう風の吹き回しだ?」
ハルヒ「せっかく有希が女の子らしくなったんだもん!次はファッションよ!」
長門「ふぁ、ファッション・・・?」ピク
ハルヒ「ショッピングよ、ショッピング!」
ハルヒ「新しく出来たショッピングモールがあるじゃない?
ハルヒ「あそこへ行って、有希の服を買いましょ!」
長門「服・・・」
キョン「それは、お前が長門を着せ替えしたいだけじゃないのか?」
ハルヒ「黙りなさい、キョン!とにかく決定なんだから!!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:55:44.96 ID:lU7vHoFm0
キョン「まぁ、いつもみたいにだらだら過ごすよりかマシか」
ハルヒ「すっごく遺憾だけど、見逃してあげる・・・」
ハルヒ「とにかく行くわよ!有希!」
長門「・・・わ、分かった」
古泉「じゃあ、またいつもの駅前集合ということで、よろしいですかね?」
ハルヒ「そうね!遅れた人は、また罰ゲームだからね!キョン!」
キョン「俺に言うなっての」
長門「罰・・・」
ハルヒ「それじゃあ、今日はもう解散!帰っていいわよ!!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 02:58:49.21 ID:lU7vHoFm0
バタン
ハルヒ「明日、遅れないでよ!バイバイ!!」ダッ
長門「・・・ば、ばいばい」フリフリ
古泉「・・・さて、早く終わって助かりました。僕も帰ります」
古泉「一応今回のことを、機関に報告に行ってきますね」
長門「お、お願い」
古泉「いえいえ。十分に用心するとしましょう。それじゃ」スタスタ
長門「・・・・・・・・・」フリフリ
キョン「ふぅ、なんにも無ければいいんだが・・・」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:00:04.72 ID:lU7vHoFm0
キョン「じゃあな、長門。いろいろ大変だと思うが・・・」
長門「・・・待って」ハシッ
キョン「ん?」
長門「あの、えっと・・・」
キョン「どうかしたか?」
長門「・・・た、助けて欲しい」グッ
キョン「!?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:01:25.90 ID:lU7vHoFm0
キョン(あの長門が・・・、いや、この長門はあの長門ではないんだったな・・・)
キョン(と、とにかく・・・!俺に助けを求めている・・・!)
キョン(これは・・・、場合によっては不謹慎だが、ハルヒ様々だな・・・)
キョン「ど、どうかしたのか?」
長門「ふ、服が・・・」
キョン「え?」
長門「あ、明日着ていく・・・、服が、ない・・・」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:02:41.59 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・服?だっていつも・・・、ああ」
長門「わた、私、今まで全然気にしなかったけど・・・」
長門「まともに着て行けるのは、制服しかなくて・・・」オロオロ
キョン「制服で十分だと思うんだが・・・」
長門「だ、駄目。お出かけだから・・・」
キョン「・・・・・・・・・」
キョン(何故だろう、今物凄く贅沢をしている気がする・・・)
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:04:31.41 ID:lU7vHoFm0
長門「ど、どうしよう・・・」
キョン「・・・そうだなぁ」
キョン「今からテキトーに安い店に買いに行くとか、後は・・・」
ガチャ
みくる「・・・あれ?待っててくれたんですか?」バタン
長門「・・・み、みくる・・・!」
みくる「ふぇ?ど、どうしましたぁ!?」
キョン「・・・朝比奈さんに、借りるとか」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:06:34.68 ID:lU7vHoFm0
みくる「・・・な、なるほど、お洋服ですかぁ」
長門「・・・・・・・・・」コクン
みくる「・・・サイズが大きくなるかも知れませんが・・・」
キョン「ワンピースとかなら大丈夫じゃないですか?)
キョン「それに、明日だけ着られれば良いわぇですし」
みくる「そうですねぇ、わかりました!長門さん、わたしの家に行きましょう!」
キョン「それが良いぞ、長門。行って来い」
長門「・・・よ、よろしくお願いします」
キョン(・・・正直、買い物イベントを逃すのは惜しいけどな・・・!)キッ
みくる(・・・わたし、今日とってもツイていませんかぁ?)ニヤッ
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:08:20.68 ID:lU7vHoFm0
―――夜。
パタン・・・
長門「・・・・・・・・・」
長門「・・・つ、疲れた・・・」
長門「・・・みくる、すごく楽しそうだったな」
長門「なにも、あんなに着せなくてもいいのに・・・」
長門「こんなに洋服持たせなくても・・・」
長門「・・・・・・・・・」
長門「・・・でも、私も、楽しかった・・・」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:10:07.62 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・・・・・・・」
長門(・・・疲れたも)
長門(楽しいも、嬉しいも・・・)
長門(悲しいも、怖いも、心細いだって・・・)
長門(全部、初めて)
長門(・・・・・・・・・)
長門(すごく、新鮮で・・・)
長門(すごく、心地良い)
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:11:44.70 ID:lU7vHoFm0
長門(いままでのことを思い出しても・・・)
長門(・・・やっぱり、楽しい)
長門(今までのことを、私は楽しんでた)
長門(夏も、冬も、みんなといろいろ過ごして・・・)
長門(いろいろあって、どれも、楽しいって、思える)
長門(今も、楽しい)
長門(私は、ちゃんと・・・、楽しいって、思えてる・・・)
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:13:19.31 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・もうこんな時間」
長門「早く、寝なくちゃ」
長門「・・・・・・・・・」
長門「眠いも、眠くないも、初めて・・・」
長門「私は今、眠くない・・・」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:14:55.88 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・明日、なに着ていこうかな・・・」
長門「みくるの貸してくれた服は、どれも可愛いし・・・」
長門「・・・・・・・・・」
長門「鏡が・・・。あ、窓に映れば・・・」
長門「・・・ナイスアイディア・・・」
スッ
長門「・・・こっち?それとも・・・」
長門「これもいいけど・・・、少し、派手?」
長門「これも・・・、やっぱり、これが・・・」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:19:50.05 ID:lU7vHoFm0
―――朝。
ハルヒ「・・・なんか、みくるちゃんツヤツヤしてない?」
みくる「そうですかぁ?そんなことないですよぉ」ツヤツヤ
古泉(その様子だと、昨日何かありましたね・・・。また抜け駆けですか・・・)
キョン「・・・おーす」テクテク
みくる「あ、キョンくーん」
ハルヒ「遅いわよ!キョン!」
キョン「お前らが早いんだ。まだ約束の5分前だぞ?」
ハルヒ「もっと先を見越して行動するべきなのよ!」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:21:48.40 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・朝比奈さん、昨日、どうでしたか?」ヒソヒソ
みくる「色々着て貰いました♪多めに貸しましたけど、どれも可愛かったですよぉ」
古泉「ちょ、kwsk」
キョン「お前はどーでもいい」
ハルヒ「さて、今日もキョンの奢りでー・・・って、あれ?」
キョン「どうした・・・」
ハルヒ「・・・有希は?」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:23:15.99 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「―――有希が遅刻って、珍しいわよね・・・」
キョン「まぁ、まだ10分過ぎただけだし・・・」
ハルヒ「別に咎めるつもりなんてないわよ!あんたは別だけどね!」
キョン「そーかい」
古泉「・・・なにか事件に巻き込まれていなければいいのですが・・・」ボソッ
キョン「・・・!じゃ、じゃあ」
みくる「あ!あれ、長門さんじゃないですかぁ!?」
キョン「お・・・?」
タッタッタッタッ・・・
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:27:43.39 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・はぁっ、はぁっ・・・!」
キョン「お、おい!大丈夫か?」
長門「・・・ごめっ・・・、なさぃ・・・、遅れ・・・」
ハルヒ「な、なに言ってんのよ!そんな日もあるわよ!」
長門「・・・でもっ・・・!」ヒューヒュー
古泉「と、とりあえず落ち着いて・・・、ね?深呼吸ですよ」
みくる「だ、誰も怒ってませんからぁ!いいんですよぉ!」サスサス
長門「・・・っ・・・っ」ゼェゼェ
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:29:34.34 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・落ち着いたか?」
長門「・・・う、ん」ハァ・・・
ハルヒ「め、珍しいわね、有希が遅れるなんて・・・」
長門「・・・ご、ごめんなさい。ちょっと・・・」カァァ
ハルヒ「いいってば。それよりも・・・」
長門「?」
ハルヒ「・・・もっと珍しいわよね!制服以外の有希!」
長門「・・・あ、えっと」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:32:19.61 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「可愛い可愛い!似合ってるわ!」
みくる「・・・あ、やっぱりアレにしたんですね。すごく気に入ってましたし」ボソッ
キョン「朝比奈さん良い仕事しますね」ヒソヒソ
みくる「ふふ、でも、選んだのは長門さんですよ♪」ヒソヒソ
古泉「とても良く似合っていますよ」
長門「な、なんか・・・恥ずかし・・・」
ハルヒ「なーに言ってんのよ!ばっちりだってば!」
キョン「団長のお墨付きってわけだ。胸張っていいぞー」
長門「・・・う、うん」カァァ
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:34:01.32 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・じゃあ、行きましょうか!喫茶店寄る?」
キョン「必要ないんじゃないか?向こうで昼飯にしちまおう」
長門「・・・!」
ハルヒ「それもそうね・・・。このまま向かっちゃいましょう!」
ハルヒ「罰ゲームはそこでね!今日の罰ゲームは・・・」
長門「・・・わ、私」シュン
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:35:27.84 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・・・・・・・」
キョン「・・・・・・・・・」
長門「・・・ば、罰ゲームは、絶対、だから・・・」
ハルヒ「・・・い、いいの!有希は奢らなくていいのよ!」
長門「そ、そんな・・・」ドキッ
ハルヒ「キョンが!キョンが奢りたがってるから!」
キョン「お、おう!俺もなんだか奢りたい気分!!」
長門「・・・でも・・・」
古泉「面白いくらい涼宮さんたちは長門さんに甘いですね」ヒソヒソ
みくる「まぁ、わたし達も例外じゃありませんよぉ」ヒソヒソ
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:37:21.78 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「ゆ、有希に奢らせたらいけない気がするのっ!」
長門「わ、私だからといって、特別扱いはよくない・・・!」
キョン「俺が奢りたいんだ!こう、ぱぁっとな!」
長門「そ、そんな人間はいないはず!」
ハルヒ「きょ、キョンはアホだから!」
キョン「そう、俺はアホだから!!」
長門「でもっ・・・」
古泉「こじれてますねー」ヒソヒソ
みくる「平和ですねー」ヒソヒソ
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:39:35.24 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「とにかく駄目ー!」
長門「な、何故・・・!」
ハルヒ「駄目ったら、駄目なの!」
長門「わ、私は・・・」ウルッ
ハルヒ「うぇ!?」
キョン「うお!?」
長門「わた、私は・・・」グスッ
古泉「・・・はいッ!」ビシッ!
ハルヒ「は、はいっ!古泉くん!」
古泉「こういうのはどうでしょうか?」
ハルヒ「な、なに!?」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:42:24.73 ID:lU7vHoFm0
古泉「涼宮さんの選んだ服を、長門さんが絶対に買う・・・」
長門「・・・?」
古泉「・・・という罰ゲームです。長門さんに同じ金額を使わせるんなら、問題ないでしょう?」
長門「そ、それは罰じゃな・・・」
ハルヒ「・・・採用!!」ビシッ
キョン「決定ー!!」ビシッ
みくる「賛成でぇす!」ヒョイッ
長門「・・・え、あ」
古泉「だ、そうです。いいですよね?」ニコッ
長門「・・・ん、む・・・」コクン
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:44:46.32 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「ほらほらっ、有希!行こっ!」パシッ
長門「・・・う、うん」
ハルヒ「れっつ、ごーっ!」ダッ
長門「ま、待って、早い・・・!」タッ
キョン「・・・ふぅ、助かった、古泉」
古泉「甘やかす形での特別視は、時に疎外感を生みますからね」
キョン「悪かったよ。・・・あの顔を見るとどうしても、な」
古泉「痛いほど良く分かりますよ。おそらく涼宮さんもそうでしょう」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:49:06.73 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「〜♪」ブンブン
長門「・・・っ」アセアセ
キョン「しっかし・・・」
古泉「ええ・・・」
みくる「はい・・・」
キョン(・・・俺も手、繋ぎたいなぁ)
古泉(・・・僕も手を繋ぎたいですね・・・)
みくる(・・・私も手を繋ぎたいです・・・)
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:50:48.65 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・そういえば、どうして遅れたの?」
長門「な、内緒」
ハルヒ「えー?怒ってないのよ?」
長門「そ、それでも、駄目」
ハルヒ「寝坊とか・・・」
長門「・・・ち、違う」。全然、違う」ブンブン
ハルヒ「ふーん。ま、いいけどね!」
長門(・・・楽しみで、眠れないなんて・・・)
長門(こんなこと、あるんだ・・・)
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:52:44.72 ID:lU7vHoFm0
―――ショッピングモール。
ハルヒ「さ、さ!どこ行く?どこ行く!?」
キョン「団長様にお任せするよ」
古泉「同じく」
みくる「私もですー」
ハルヒ「有希は、どこか見たいとこある!?」
長門「ぜ、全然分からないから・・・」
ハルヒ「んー、じゃあ、テキトーに片っ端から見ていきましょうか!」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:56:31.66 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「―――これはどう!?」
長門「・・・か、可愛い」
みくる「こっちもいいと思いますよぉ」
長門「ん・・・、迷う・・・」
ハルヒ「どっちも着ていいのよ!着るのはタダなんだから!」
長門「で、でも・・・」
ハルヒ「ほら!試着室いくわよ!」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 03:58:48.81 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・き、着たけど・・・」
ハルヒ「お、どう?サイズは?」
長門「・・・大丈夫」
ハルヒ「よかった。出てらっしゃい!見せて見せて!」
長門「え、は、恥ずかしい・・・」
ハルヒ「みんなー!有希着替え終わったってー!」
長門「よよよ呼ばないでっ・・・」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:01:28.88 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「開けるわよー!」
シャアッ
長門「わっ・・・」
キョン「・・・おぉ」
古泉「・・・ふむ」
みくる「・・・わぁ」
長門「・・・変・・・じゃない・・・?」
ハルヒ「・・・なに言ってんのよ!めちゃくちゃ可愛いじゃないっ!!」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:02:49.86 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・そ、そう?」
みくる「うんうん!とっても似合ってますよぉ!」
キョン「・・・おう、かなーり、いい線だぞ」
古泉「やはりモデルがいいんでしょうね。大変良くお似合いですよ」
長門「そ、そんな、私・・・」カァァ
ハルヒ「うーん、有希の魅力を引き出しているわ!」
ハルヒ「やっぱり私の見立ては正しかったようね!」
キョン「この服は、ハルヒが選んだのか」
ハルヒ「そうよ!なかなかのもんでしょう!」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:05:12.64 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「有希、回ってごらん?」
長門「・・・こう?」クルン
みくる「あ、背中のフリル、いいですねぇ〜」
長門「そ、そう・・・?」クルン
ハルヒ「うんうん!似合う似合う!」
長門「・・・・・・・・・」クルンクルン
キョン「気に入ったか?」
長門「・・・う、うん」コクリ
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:07:35.58 ID:lU7vHoFm0
キョン「じゃあハルヒ、これを・・・」
ハルヒ「じゃ、次はこっち!」
長門「え?」
キョン「また着せるのか?」
ハルヒ「もちろんっ!絶対こっちも似合うんだから!」
長門「で、でも・・・」
ハルヒ「いーからいーから!これも可愛いでしょ?」
長門「・・・可愛い」コクン
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:12:05.19 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「有希はなに着せても似合いそうだもんねー!」
キョン「まさか、もっと着せるつもりか?」
ハルヒ「なーに言ってんのよ!まだ一件目じゃない!」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「今日はとこっとん、周るの!覚悟しなさい!」
長門「え、でも」
ハルヒ「ほら、有希はきーがーえーてー!日が暮れちゃうわ!」
キョン「わ、我らが団長はタフだな・・・」
みくる「女の子ですからねぇ」
古泉「よほど楽しいんでしょうねぇ」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:16:19.82 ID:lU7vHoFm0
―――それから私達は、いろいろなお店を、見て周った。
本の中でしか見たことの無いものばかりで、私にはそのひとつひとつが新鮮だった。
みくるも、一樹も、キョンも、・・・ハルヒも。
みんな、私のことばっかりで、自分の買い物をしないで。
私が空腹を我慢していたのをキョンに見破られて、みんなで昼食を食べて。
話して、食べて、笑って。
みくるが食器を重ねて片付けてくれて。食べた後、一樹が本屋さんに連れて行ってくれて。
それから、また、服を見て。アクセサリーもみて、雑貨も見て。
たまに、別行動を取ったりしながら、それでもみんなで周って。
着て、脱いで、悩んで。また、笑って。
歩き回って、楽しくて。いつしか時間も忘れてて。
ずっと一緒に居たいって、強く、強く、思った・・・。
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:21:43.79 ID:lU7vHoFm0
キョン「―――お。もうこんな時間なのか」
ハルヒ「あら、本当ね」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「いやー、楽しくて楽しくて、あっという間ねー!」
キョン「本当、お前ばっかり楽しんでたよな。長門を連れまわして」
ハルヒ「そ、そんなこと・・・」
長門「・・・そんなこと、ない」
キョン「ん?」
長門「わ、私・・・!とても、楽しかった・・・!」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:27:04.94 ID:lU7vHoFm0
長門「ずっと、ずっと、この時間が続けばいいと、思った」
長門「で、出来れば終わってほしくない、とも、思った・・・」
ハルヒ「・・・・・・・・・」
長門「寂しいけど、それは、仕方ないことだから・・・」
長門「で、でもっ、そのくらい!本当に、楽しかった・・・」
長門「こんなの、初めてで・・・、わ、私・・・」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:29:11.56 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・そっか。俺も、楽しかったよ」ポン
古泉「僕もです。色々な長門さんも見れましたしね」
みくる「わたしもそうです。全然疲れませんでしたしねぇ」
ハルヒ「良かったわ、有希!また来ようね!」
長門「うん、来たい。また、みんなと一緒に・・・」
ハルヒ「・・・でも、なーんか忘れてない?」
長門「・・・あ」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:32:12.09 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・ああ、そういえばそうだったな」
長門「・・・罰ゲーム」
ハルヒ「そうねぇ、何を有希に買わせようかしら」
長門「・・・・・・・・・」ゴクリ
ハルヒ「・・・なぁーんてね。もう考えてあるのよ」
長門「・・・な、なに?」
ハルヒ「今日来た服で、一番有希が気に入った服を買いなさい」
長門「・・・え」
ハルヒ「それが、遅れてきた罰ゲーム・・・」
ハルヒ「・・・団長命令よっ!」
169 名前:動けっ・・・!動けよぉっ・・・!![] 投稿日:2009/06/07(日) 04:48:40.11 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・い、いいの?」
ハルヒ「良いも何も、命令は絶対なの。そうでしょ?」
キョン「んー、残念ながら、そうだな」
古泉「そうですね、団長命令ですから、仕方ありませんよ」
みくる「これは長門さんも、観念するしかないですねぇ」
長門「・・・あ」
長門「・・・あり、がとう」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:55:03.42 ID:lU7vHoFm0
―――すっごく悩んで、一番最初のお店の、一番最初の服にした。
キョンは「だったら周る必要なかったかもな」、とちょっと呆れて、
ハルヒに「女の子だからいいのよ!」と怒られた。
一樹とみくると私は、それを見て笑った。
ショッピングモールを出て、満点の星空の下を、みんなで歩いた。
星の上には今でも、統合思念体が居るのだろうけど、
ちょっとだけ、もうちょっとだけ、休ませて。と、
心の中で謝った。
ハルヒと手を繋いで。キョンと話して、一樹と笑って、みくるにお礼を言った。
私達は、いつの間にか、いつもの集合場所に戻っていた。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 04:59:11.54 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「―――はい、お疲れ様!」
キョン「あー、帰ってくると、とたんに疲れるな」
古泉「時間を忘れるとは、このことですね」
みくる「すっごく、楽しかったですねぇ!」
長門「・・・うん」
ハルヒ「・・・あ、そうだ。キョン!忘れるところだったわ!」
キョン「お、ここにあるぞ」ガサッ
長門「・・・?」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:03:22.30 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「はい、有希!これ!!」ガサッ
長門「な、なに?」
ハルヒ「みくるちゃんが可愛いのを見つけて来てねぇ」
長門「可愛い・・・?」
ハルヒ「せっかくだから、プレゼントにしたのよ!」
長門「・・・プレ、ゼント?」
キョン「ま、お世話になってるお礼。ってとこかな」
古泉「いつもの長門さんに渡しても、ちょっと味気ないですからね」
みくる「値段は大したことないんですが・・・。あ、どうぞ開けてみてください」
長門「・・・・・・・・・」ガサガサ
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:04:44.14 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・っ」
―――金色の羽根の形をした、小さな栞。
長門「・・・綺麗・・・」
ハルヒ「有希の本って大体分厚いから、紐がついてるとも思ったんだけど・・・」
ハルヒ「有希=本、みたいなもんだしね!栞よ!使って!使わなきゃ飾る!」
キョン「無茶なことを・・・。まぁ、安直だが、そういうこった」
長門「・・・・・・・・・」
キョン「・・・長門?」
長門「・・・・・・・・・」ポロポロ
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:07:49.14 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・ゆ、有希!?」
キョン「ど、どうした?どっか痛いか?」
長門「・・・・・・・・・」フルフル
古泉「これは・・・」
みくる「な、長門さん!?」
長門「・・・うれっ、しくて・・・」ヒック
長門「・・・嬉しくて、・・・な、涙って・・・」ポロポロ
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:10:51.28 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「な、泣くほど嬉しかった?お、大げさよぉ!」
長門「・・・・・・・・・」フルフル
ハルヒ「・・・ま、喜んでくれて良かったわ。ドッキリの甲斐があったわね!」
長門「・・・ほんと、いい、迷惑・・・」ゴシゴシ
ハルヒ「なにおぅ!?」
長門「・・・嘘。びっくりした」
長門「ありがとう、ハルヒ」
ハルヒ「・・・ど、どうってことないわよ!このくらい!」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:14:02.95 ID:lU7vHoFm0
長門「・・・キョンも」
キョン「ああ」
長門「一樹も、みくるも・・・」
古泉「ええ」
みくる「はい!」
長門「本当にありがとう。嬉しい」
長門「私は、この嬉しいを、忘れない」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:16:35.39 ID:lU7vHoFm0
長門(その前のことも、全部、全部)
長門(私がみんなのとこを大好きっていう気持ちも)
長門(ずっと一緒にいたいって気持ちも、全部)
長門(忘れない)
長門「・・・だから、元の私に戻っても・・・」
長門「私が、覚えてるってことを」
長門「忘れないで―――」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:19:48.62 ID:lU7vHoFm0
―――月曜日。
長門「・・・・・・・・・」ペラ
キョン「・・・ハルヒが飽きた・・・ってことで、いいのか?」
古泉「どうでしょうね・・・、そうとは考えにくいんですが・・・」
ハルヒ「ねぇー、有希ぃ!なんでぇ?イメチェンは?ねぇ!?」
長門「終わり」
ハルヒ「嘘よ!すっごい、楽しんでたのに!」
長門「・・・・・・・・・」ペラ
ハルヒ「お願いだからぁ・・・!笑ってよっ!!」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:21:11.95 ID:lU7vHoFm0
キョン「・・・じゃあ、原因は、ハルヒじゃなかったってことか?」パチン
古泉「いえ、原因が涼宮さんだということは間違いないのですが・・・」
キョン「ですが?」パタパタパタ
古泉「・・・そうですね・・・」
古泉「涼宮さんは心のどこかで、いつもの長門有希も、好いていたのではないでしょうか」パチン
キョン「はぁ?じゃあ、『こっちの長門も捨てがたい!』ってことか?」
キョン「いくらなんでも、そりゃわがまますぎじゃ・・・」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:22:52.15 ID:lU7vHoFm0
古泉「いえ、微妙に違うんでしょう」パタパタ
キョン「と、いうと?」パチン
古泉「涼宮さんは、今回のことで、『長門有希そのもの』を好きになったのです」
キョン「はぁ」パタ
ハルヒ「有希!有希ー!」
長門「・・・・・・・・」ペラ
ハルヒ「笑ってってばー!昨日みたいに!」
長門「できない」ペラ
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:24:09.86 ID:lU7vHoFm0
古泉「つまり、『どちらの長門有希が良い』ではなく・・・」
古泉「・・・『どちらの長門有希も良い』んですよ」パチン
キョン「・・・どっちでもいい?」
古泉「そんな投げやりなことではなく、むしろもっと大きな・・・」
古泉「そうですね。クサいですが、愛情のようなものですかね」パタパタパタ
キョン「ふーん・・・」
ハルヒ「み、みくるちゃんも、お願いして!」
みくる「わ、わたしはこっちの長門さんも・・・」
ハルヒ「なに訳のわかんないこと言ってるの!早く!」
202 名前:歩くのがこんなに難しいなんて・・・![] 投稿日:2009/06/07(日) 05:51:03.46 ID:lU7vHoFm0
キョン「じゃあ、今の長門はどっちなんだ?」パチン
古泉「難しいですが・・・、僕の仮説が正しければ、どちらも、ですね」
キョン「・・・中間ってところか?」パタ
古泉「ええ。もしくは、プラス・・・、つまり、もっと大きなものかも」パチン
キョン「なるほどな・・・」
古泉「・・・お、ここはすごいですよ・・・」パタパタパタパタパタ・・・
203 名前:歩くのがこんなに難しいなんて・・・![] 投稿日:2009/06/07(日) 05:52:21.35 ID:lU7vHoFm0
キョン「とにかく、学んだことは・・・」
古泉「はい?」
キョン「・・・感情のある長門は、可愛い」パチン
古泉「・・・ええ」
キョン「無い長門も、まあ、可愛い」パタパタ
古泉「・・・同感です」
キョン「そして、鼻血はその気になれば止められるってことかな」パタパタパタ
古泉「・・・朝比奈さんは一回駄目でしたね」
キョン「まぁ、そこは仕方ないだろう。あの人は散々近かったし」パタパタパタ・・・
古泉「そ、それより僕の白が・・・」
キョン「・・・お前の圧倒的なオセロの弱さも、追加してやる」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:55:02.48 ID:lU7vHoFm0
ハルヒ「・・・むぅ。有希の馬鹿・・・」
長門「・・・・・・・・・」ペラ
ハルヒ「もー、知らないんだからー」ブツブツ
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「・・・・・・・・・」ツーン
長門「・・・ハルヒ」ボソ
ハルヒ「?」
長門「・・・・・・・・・」
ハルヒ「・・・有希、呼んだ?」
長門「・・・呼んでない」ペラ
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 05:59:28.80 ID:lU7vHoFm0
―――夜。
長門「・・・・・・・・・」
長門「・・・不思議な体験をした」
長門「まるで、人間のように、涼宮ハルヒ達と、買い物をし・・・」
長門「まるで人間のように、一喜一憂した」
長門「これが涼宮ハルヒの力によるものであることは分かっている」
長門「私は服を買い、贈り物までしてもらい、それで・・・」
長門「・・・・・・・・・」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 06:01:25.17 ID:lU7vHoFm0
長門「栞は、常備持ち歩いている。本来の使い方と異なるが、仕方ないと判断」
長門「・・・この服は・・・」
長門「・・・着ないと、もったいない」
長門「・・・?」
長門「・・・もったい、ない?」
長門「・・・・・・・・・」
長門「・・・・・・・・・」クルン
―――窓ガラスに映る私が、笑った気がした。
END
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/07(日) 06:08:00.18 ID:lU7vHoFm0
やっと終わった!寝れる・・・!もう朝じゃん・・・!!
本当は日をまたごうと思ったんですが、なんだかんだ言っておわしました。ごめんなさい。
途中のさるさんにあしどめされまくってごめんなさい。
寝かせないでごめんなさい。いや、仕事はちゃんと行って・・・。
そういえばなんだかんだ言ってハルヒSSは初めてです。似てようが始めてです。
駄目だ、寝ます、どうもありがとう。
僕はどちらかといえば朝倉派です。おやすみなさいノシ