1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:11:29.62 ID:oUcXp5xs0
〜土曜日〜
佐々木「やぁ、キョン。待たせたかい?」
キョン「少しだけな。人を待ったのなんか久しぶりだな」
佐々木「キョン。そこは嘘でも、待ってない、と言うのが男じゃないのかい?」
キョン「ん、そうだな。佐々木、実は待ってないぞ?」
佐々木「君には呆れるね」
キョン「悪いな、褒めてくれて」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:13:50.65 ID:oUcXp5xs0
キョン「しかし、久しぶりだな」
佐々木「そうだね。高校進学以来まさに一年ぶりだよ?」
キョン「そんなに経つのか」
佐々木「そうさ。キョンがいつ連絡をくれるかと気長に待ってみたけど……」
キョン「みたけど?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:16:15.11 ID:oUcXp5xs0
佐々木「ついには一年間も音沙汰無し」
キョン「悪いな、部活で忙しかったんだ」
佐々木「丸々一年間もかい?」
キョン「だから悪いって。でもお前のこと忘れたことなんて一度もないぞ?」
佐々木「……そう、そうか」
キョン「ん?どうした、俯いて?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:19:17.47 ID:oUcXp5xs0
佐々木「そうやって女の子顔を覗くのは、デリカシーがないとは思わないかな?」コツ
キョン「おっと、すまん」
佐々木「まったく」
キョン「そういやお前こそ、俺に連絡の一つでもくれればよかったんじゃないのか?」
佐々木「そこは我慢比べだよ、キョン」
キョン「我慢比べ?」
佐々木「少なくとも中学時代はまがりなりにも僕たちは親友だった」
キョン「今は違うのか?」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:22:05.32 ID:oUcXp5xs0
佐々木「一年も連絡を寄越さないやつなんて、果たして親友と呼べるかな?」
キョン「ごもっともで」
佐々木「それで先に連絡をするのは、なんだか君に負けた気がして嫌だったのさ」
キョン「それで結局、お前から電話を寄越したから、今こうしているわけだ」
佐々木「……何が言いたいんだい?」
キョン「残念だ、佐々木。お前の負けだ」
佐々木「君には一度お説教が必要のようだね?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:24:40.42 ID:oUcXp5xs0
キョン「それで一年ぶりに会ったわけだが、なんかあったのか?」
佐々木「キョン。僕たちが会うのに理由なんかいるのかな?」
キョン「そういや、そうだな。お前と一緒にいるのはむしろスタンダードだ」
佐々木「くつくつ。そういうことさ、キョン。会いたくなったんだよ、君に」
キョン「それはなによりだ」
佐々木「……鈍感」ボソ
キョン「なんか言ったか?」
佐々木「言ってないよ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:27:20.51 ID:oUcXp5xs0
キョン「でもなんか機嫌が悪い」
佐々木「悪くない」
キョン「そうか?俺はもっと笑ってる方が似合うと思うけどな」
佐々木(……この卑怯者)
キョン「まあとりあえず、そこの喫茶店でも入るか。積もる話もあるだろう?」
佐々木「そうだね」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:30:14.48 ID:oUcXp5xs0
〜喫茶店にて〜
佐々木「すると君はそのSOS団なるものに入ってるんだね?」
キョン「ああ。改めて人に説明すると恥ずかしいな」
佐々木「部長の女の子がキョンを無理やり」
キョン「まぁそんなとこだ」
佐々木「何故?」
キョン「なにがだ?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:33:47.37 ID:oUcXp5xs0
佐々木「だって君は断ることも出来ただろ?」
キョン「何でだろうな?当時のクラス委員だったやつにも頼まれてたし」
佐々木「君は随分軽いね」
キョン「特に入りたい部活もなかったしな」
佐々木「そういうものかい?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:37:19.22 ID:oUcXp5xs0
キョン「表向きはボランティア団体だしな。学校ではともかく、世間体はいいんじゃないか?」
佐々木「ふーん、でその部長の」
キョン「ハルヒか?」
佐々木「……」
キョン「どうした?」
佐々木「……なんでもないよ」
キョン「?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:41:14.06 ID:oUcXp5xs0
佐々木「……キョン。君は僕が知らない異性の話を始めたらどうだい?それも楽しそうに」
キョン「……面白くないな」
佐々木「つまりそういうことだよ」
キョン「俺が軽率だった」
佐々木「くつくつ。今に始まったことじゃないけどね」
キョン「返す言葉もない」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:45:09.66 ID:oUcXp5xs0
佐々木「まぁ、いいさ。それより今日は何処かに連れてってくれないかい?」
キョン「なんだ?お前が誘ったから、てっきり行きたいとこでもあるんだと」
佐々木「僕は本来キョンに会うのが目的だったんだよ」
キョン「なんだそりゃ」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:48:24.41 ID:oUcXp5xs0
佐々木「つまり、今は用事が終って暇なんだ。もう一度言うよ?」
キョン「ん?」
佐々木「僕を何処かに連れてってくれないか?」
キョン「そうだな、つまらなくても文句言うなよ?」
佐々木「大丈夫さ」
キョン「よし、少し待ってろ」
佐々木「あぁ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:52:33.14 ID:oUcXp5xs0
prrr ピッ
古泉「どうかしましたか?」
キョン「普通はもしもしだろうが」
古泉「気をつけます。ところで何の用です?」
キョン「数少ない友人を、そう邪険に扱うなよな」
古泉「友人?はて?」
キョン「切る」
古泉「んふ。冗談ですよ」
キョン「ったく。この間お前が聞かせてくれたCDあったろ?」
古泉「どれのことですか?」
キョン「とら、なんとか」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:55:30.97 ID:oUcXp5xs0
古泉「ふむ。Tra○isでしょうか?」
キョン「それだそれ。大阪公演って今日だったか?」
古泉「いえ、来週ですよ。行かれるんですか?」
キョン「分からん。とりあえずプランが折れた」
古泉「は?」
キョン「悪かったな。また学校でな」
古泉「?分かりました」
ピッ
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 22:58:22.01 ID:oUcXp5xs0
佐々木「誰だい?」
キョン「同じ部活の男友達だ。この間聞いたCDが良くってな、確か今日が来日公演だと思ったんだが来週だった」
佐々木「なんていうバンド?」
キョン「Tr○vis」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:01:18.25 ID:oUcXp5xs0
佐々木「聞かない名だね」
キョン「俺もそいつに聞かされるまで知らなかった」
佐々木「へぇ」
キョン「知らないといったらすごい呆れられたよ。普通に生きてて知るかって」
佐々木「確かに、そうだね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:04:36.16 ID:oUcXp5xs0
キョン「さて、とっさで立てた計画も頓挫したわけだが」
佐々木「お手並み拝見だね?」
キョン「そうだな……」
佐々木(私は君といるだけでいいんだけどなぁ)
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:07:48.91 ID:oUcXp5xs0
キョン「さすがにポンポン出てこないな」
佐々木「大丈夫さ。今は十五時を回ったところだ。公園でも行ってのんびりしないかい?」
キョン「佐々木がいいなら一向に構わんぞ」
佐々木「なら行こうか」
キョン「ああ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:11:06.45 ID:oUcXp5xs0
〜移動中〜
佐々木「……」
キョン「さすがに休日だけあって人が多いな」
佐々木(今しかない)ギュ
キョン「さ、佐々木!?」
佐々木「キョンは歩くのが早いね。つ、つかまってていいかい?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:14:20.21 ID:oUcXp5xs0
キョン「あ、あぁ、いいぞ」ギュ
佐々木「ありがとう」ギュ
キョン(佐々木の手ってこんなに小さかったけか)
佐々木(キョンの手ってこんなに大きかったんだ)
キョン「……」
佐々木「……」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:17:33.58 ID:oUcXp5xs0
〜公園にて〜
佐々木「ちょうどいい木陰がある。あそこにしないかい?」グイ
キョン「そうだな、上手いことにベンチもあるし」
ストン
佐々木「ふぅー、風が気持いいね」
キョン「歩き回るにはキツイがこうしてるぶんには助かるよ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:21:09.91 ID:oUcXp5xs0
佐々木「そういえば君は何もないのかい?」
キョン「なにがだ?」
佐々木「せっかくこうやって着飾ってきたのに、こうも反応がないと」
キョン「……そうゆうことか」
佐々木「何度も言うけど一年ぶりなんだ。少しは、その、そうゆうこと言って欲しいもんだよ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:24:32.13 ID:oUcXp5xs0
キョン「すまんな。俺の無神経ぶりは知ってるだろ?」
佐々木「よく知ってるさ。でもやっぱり、そこはキョンに言って欲しかったんだ」
キョン「しばらく会わないうちに、ぐっと魅力的になったな。周りの男共がほっとかないんじゃないのか?」
佐々木「くつくつ。そうでもないさ。ほら、僕は変な女だからね」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:27:49.34 ID:oUcXp5xs0
キョン「国木田の言ってたのは冗談だぞ」
佐々木「わかってるよ。でも心当たりがありすぎてね」
キョン「まったく」
佐々木「まぁいいさ。しかし、キョンに素直に褒めてもらうと、なんだかくすぐったいよ」
キョン「悪かったな、語呂が貧相で」
佐々木「くつくつ」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:31:42.83 ID:oUcXp5xs0
キョン「佐々木は最近どうなんだ?」
佐々木「どうとは?」
キョン「それこそ色々だ」
佐々木「そうだね。勉強に関しては君に心配されるのは心外だね」
キョン「あぁ、そうかい」
佐々木「くつくつ。冗談だよ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:36:44.32 ID:oUcXp5xs0
キョン「事実がたっぷり含まれてる分、安心して笑えないね」
佐々木「とりあえず学校生活は充実しているよ」
キョン「そりゃなによりだ」
佐々木「ただ」
キョン「ん?」
佐々木「そこにキョンがいないのは少し寂しいかな」ニコ
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:40:49.14 ID:oUcXp5xs0
キョン(そこで笑顔は反則だろ。ヤバイ手が汗ばむ)
キョン「ち、ちょっと飲み物買ってくる。何がいい?」
佐々木「そうだね。冷たいココアが欲しいな」
キョン「わかった。あ、佐々木?」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:44:05.64 ID:oUcXp5xs0
佐々木「なんだい?」
キョン「手を放してもらっていいか?」
佐々木「え?あ、う、すまない」パッ
キョン「いや、いいさ。俺としては惜しいくらいだ。じゃあ行ってくる」
佐々木(なんで平気でああいう事言えるの?顔が熱くなってきたよ)カァァ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:47:26.30 ID:oUcXp5xs0
キョン「ほら、ココアだ」
佐々木「ありがとう、キョン」
キョン「……」ゴクゴク
佐々木「……」ゴクゴク
キョン「こうやって座ってるだけってのもいいもんだな」
佐々木「そうなのかい?」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/24(日) 23:51:18.23 ID:oUcXp5xs0
キョン「そうさ。土曜になれば、やれ不思議探索だ、やれ野球大会だ、で毎週大忙しだ」
佐々木「……いやなら辞めてもいいんじゃ」
キョン「う〜ん。それが案外苦痛でもないんだよ。なんというか、楽しいとか、このままこのメンバーで遊んでたいとか」
佐々木「……」
キョン「って最近思えるんだよな。まあ具合がいいってことだ」
佐々木「……そう」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:13:44.72 ID:IrgbkmKd0
キョン「そうなんだな。……ただな」
佐々木「?」
キョン「さっきのお前じゃないが、この輪の中に佐々木もいたら、もっと楽しかっただろうなぁ、とは思う」
佐々木「……うん、ありがとう」
キョン「なに、本心さ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:17:11.75 ID:IrgbkmKd0
キョン「今は何時だ?」
佐々木「五時半だね。……もう帰るかい?」
キョン「ん?別に中学生でもないんだし大丈夫だろ。それとも門限とかあるのか?」
佐々木「いや、母さんには、キョンに会ってくる、って言ってあるから平気だよ」
キョン「ならいいか。……ちょっとCDを見に行かないか?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:20:35.63 ID:IrgbkmKd0
佐々木「構わないけど、何か欲しい物でもあるのかい?」
キョン「ああ。これまた紹介してもらったバンドなんだけどな」
佐々木「一応聞こうか。なんていうやつだい?」
キョン「The Tell○rs」
佐々木「また知らないな」
キョン「これは逆に、一般人が知っていたら驚くようなアーティストらしいぞ?」
佐々木「へぇ。それじゃ探しに行こうよ」
キョン「そうだな」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:23:54.43 ID:IrgbkmKd0
〜移動中〜
佐々木「……」ジー
キョン「それでな、その古泉ってやつがな」
佐々木「……」スッ
キョン「話をする度に顔を寄せてくるんだ」サッ
佐々木「……」スッ
キョン「弱冠、アッチのけがあるんじゃないかと思っちまうよ」サッ
佐々木「……」スッ
キョン「まぁ、悪いやつじゃないんだがな」サッ
佐々木「……」イラ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:27:26.64 ID:IrgbkmKd0
キョン「さっきから何やってるんだ」
佐々木「君はわざとやってるのかな?」
キョン「何の話だ?」
佐々木「隙アリ!」ガシ
キョン「……なんだ、手を繋ぎたかったのか?」
佐々木「そ、そういうわけじゃないだが、あまりに無防備だったんで、つい」
キョン「ふ〜ん。そういうことにしておくよ」ギュ
佐々木「くつくつ。よろしく頼むよ」ギュ
キョン(これじゃ、恋人みたいだな。……誰にも会いませんように)
佐々木「〜♪」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:31:08.02 ID:IrgbkmKd0
〜駅前にて〜
キョン「悪いな、探すの手伝わせて」
佐々木「構わないよ。見つかって良かったじゃないか。今度聴かせてもらっていいかい?」
キョン「もちろんだ」
佐々木(やった、また会う約束が出来た♪)
キョン「もうこんな時間か。ついでだしどっかで飯でも食ってくか?」
佐々木「そうだね。家の人に夕飯はいらないと連絡しておくよ。しかしついでとは失礼じゃないかい?」
キョン「ん?そうか?次は気をつけるよ」
佐々木「全く君ってやつは」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:34:13.29 ID:IrgbkmKd0
佐々木「くつくつ。ところで美味しい店をちゃんと知ってるんだろうね、キョン?僕の舌は以外にグルメだよ?」
キョン「そういわれてもなあ。自称グルメの佐々木と違って、俺の舌はあくまで一般のものなんだが」
佐々木「まあいいよ。きっとキョンと一緒ならどこでも美味しく感じる」
キョン「またそうやってプレッシャーを」
佐々木「くつくつ」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:37:43.24 ID:IrgbkmKd0
〜食事後〜
佐々木「それでだ、キョン」
キョン「ん?美味しかっただろ?」
佐々木「確かに美味しかったよ」
キョン「ならいいだろ」
佐々木「いや、雰囲気の問題だよ」
キョン「?」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:49:28.23 ID:IrgbkmKd0
佐々木「なんでラーメン屋?」
キョン「佐々木が美味しいもの食べたいって言うから」
佐々木「僕のせいなのかな?」
キョン「待て待て、何をそんなに不機嫌なんだ?」
佐々木「……しいて言えば、過大評価をしてしまった自分にかな?」
キョン「?」
佐々木「……はぁ、もういいよ。僕の負けだよ」
キョン「?なんだか知らんが俺が勝ったのか?」
佐々木「……やっぱり一回叩かせてくれないかな?」バシ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:53:11.29 ID:IrgbkmKd0
キョン「背中が痛い」ヒリヒリ
佐々木「自業自得だね」
キョン「納得いかん」
佐々木「君はもう少し自分以外の人にも、感情があるのを学んだ方がいいよ」
キョン「む、気をつけてみるさ」
佐々木「まったく」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:56:23.95 ID:IrgbkmKd0
キョン「もう八時か」
佐々木「そうだね。さすがに帰らないとまずいよ」
キョン「送ってくぞ」
佐々木「悪いね」
キョン「……」テクテク
佐々木「……」トテトテ
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 00:59:35.30 ID:IrgbkmKd0
佐々木「……次はいつ会えるかな?」
キョン「さぁな。でも連絡くれればいつでも会いに行くぞ?」
佐々木「キョン……」
キョン「この辺りも懐かしいな。佐々木の家が近いってことだな」
佐々木「……」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:03:01.55 ID:IrgbkmKd0
キョン「どうした?」
佐々木「さっき、いつでも会いに来てくれるって言ったよね?」
キョン「言ったな」
佐々木「何故だい?」
キョン「親友の頼みは断れないだろ?」
佐々木「……親友か」
キョン「不満か?」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:07:26.49 ID:IrgbkmKd0
佐々木「……不満だね。僕はね、もう君との友情は終わりにしたいんだ」
キョン「佐々木?」
佐々木「今回連絡を取って、今こうやって会ってるのもそのためさ」
キョン「どういうことだ?なにか嫌われるようなことしたか?」
佐々木「……一年間会わないうち色々考えたよ。今日、僕の答えを出したいんだ」
キョン「……」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:11:53.12 ID:IrgbkmKd0
佐々木「僕がキョンを嫌うと思う?逆だよ、好きなんだ」
キョン「佐々木」
佐々木「もちろん親友としてではなく。異性として。キョンという男の子を」
キョン「……」
佐々木「この一年間ずっと悩んだよ。でも言わないままは、これから先、辛すぎる」
キョン「そうか」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:15:17.14 ID:IrgbkmKd0
佐々木「僕でも一年悩んだんだ。キョンには一週間の猶予をあげるよ」
キョン「一週間?」
佐々木「うん。だから来週の土曜日にまた……会ってくれないかな?そして……答えはその時に」
キョン「……あぁ、分かったよ」
佐々木「それじゃあ、もう家まで目と鼻の先だ。もうここまででいいよ」
キョン「あぁ」
佐々木「またねキョン」
キョン「またな」
タタッ
キョン「……」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:18:47.98 ID:IrgbkmKd0
〜月曜〜
ガラ
キョン「おぉ珍しく早いな。どうした?」
ハルヒ「べ、べ、別にどうしよもないわよ」
キョン「?そうか」
キョン「土曜は長門と一緒だったんだろ?どこ行ったんだ?」
ハルヒ「……」
キョン「なに、お前と長門の組み合わせでなにをやってるのか、気になってな」
ハルヒ「……」
キョン「お〜い。聞いてるのか?」
ハルヒ「キョ、キョン!?」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:22:41.74 ID:IrgbkmKd0
キョン「ん、なんだ?」
ハルヒ「一昨日、有希と一緒に歩いてたら……駅前で……」
キョン「駅前で?」
ハルヒ「あ、あんたが……その、女の子と歩いてるの見たんだけど……」
キョン「ん?あーその、見られたか」
ハルヒ「そりゃ、あんな地元ならね」
キョン「だよな」
ハルヒ「……彼女?」
キョン「いや、ただの腐れ縁の友達だったんだ」
ハルヒ「だった?」
キョン「あの時点まではな。あの後帰り道でな、まあ、恥ずかしい話だが告られたんだ」
ハルヒ「!!!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:27:06.96 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「そ、それで?」
キョン「で、一週間後にまた会おうって。その時に答えがほしいって、言われた」
ハルヒ「……それで、どうするの?」
キョン「さぁな、せっかく一週間も猶予もらったんだ。ゆっくり考えるさ」
ハルヒ「あんた、そのコのこと……好きなの?」
キョン「あぁ、大事な友達だからな。嫌いになれるはずがない」
ハルヒ「……そう」
キョン「?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:33:51.55 ID:IrgbkmKd0
〜帰り道にて〜
国木田「どうしたの?」
キョン「ん?いや今日、ハルヒのやつが変だったんだ。それでな……」
谷口「おいおい、涼宮が普通の時なんかあんのか?」
キョン「そいつは言いすぎだぞ」
キョン(まぁ考えすぎかな。明日になれば直ってるだろ)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:37:08.63 ID:IrgbkmKd0
〜次の日の昼休み〜
ハルヒ「キョン!!」
キョン「おう。どうした?」
ハルヒ「後で話しがあるのよ。だから放課後、部室行く前に屋上に来なさい!」
キョン「ここじゃ言えんのか」
ハルヒ「放課後ったら放課後なのよ!いい?必ず……必ず来るのよ」
キョン「あぁ?わかった」
ハルヒ「じゃああたし行くとこあるから」ダッ
キョン「行っちまった」
キョン(なんだか思いつめてたみたいだけど……気のせいか?)
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:40:46.44 ID:IrgbkmKd0
〜放課後の屋上にて〜
キョン「待たせたな。なんか谷口のやつに絡まれてな」
ハルヒ「そ、そう」
キョン「それで、話ってなんだ?」
ハルヒ「……」
キョン「他の連中に聞かれたくない話なんだろ?」
ハルヒ「……」
キョン「まあ、これで案外口が堅い方なんだ」
ハルヒ「……」
キョン「だから信用してくれていいぞ?」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:44:03.97 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「……」
キョン「……そんなに言いづらいことか」
ハルヒ「……」
キョン「大丈夫か?」
ハルヒ「……」
キョン「おい、顔真っ赤じゃないか?熱でもあるのか」
ハルヒ「……」
キョン「別に無理しなくていいぞ?」
ハルヒ「無理なんかじゃない!!!」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:47:33.70 ID:IrgbkmKd0
キョン「うぉ!いきなり大声出すなよ」
ハルヒ「キョン!聞いて!」
キョン「さっきから聞いてるって」
ハルヒ「最初はそんなことなかった」
キョン「?」
ハルヒ「あんたの提案でSOS団を作って、今のみんなが集まった」
キョン「……」
ハルヒ「あたしがわがまま言ったときも、あんたは口では文句言いながらも着いてきてくれた」
キョン「わがままな自覚はあったんだな」
ハルヒ「お願いだから、今は変な横槍いれないで」
キョン「すまん」
ハルヒ「みんなと、あんたと出会って一年。色んなことがあった」
キョン「……」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:51:07.57 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「昨日あんたが昔の友達に告白されたって言ったわよね?」
キョン「あぁ」
ハルヒ「それを聞いて、あたしは、生きた心地がしなかった」
キョン(そういうことかよ)
ハルヒ「あたしは、あたしは……」
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「あたしは、あんたのことが好きなの。好きになっちゃったのよ」
キョン「……そうか」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:54:42.65 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「……もう覚悟は出来てるわ。なんか言ってよ」
キョン「……スマン」
ハルヒ「……そっか」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 01:58:40.49 ID:IrgbkmKd0
キョン「……」
ハルヒ「この間のコ?」
キョン「あぁ、俺はあいつが……」
ハルヒ「好き?」
キョン「……」コク
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:01:59.94 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「……もしよ?」
キョン「あ、あぁ」
ハルヒ「もし、そのコの前にあたしがあんたに告白したら、どうした?」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:05:20.05 ID:IrgbkmKd0
キョン「……」
ハルヒ「……」
キョン「……それでも断ってた」
ハルヒ「そのコのことが好きだから?」
キョン「そうだ」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:09:22.58 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「……わかったわ、ありがとね」
キョン「ハルヒ……その」
ハルヒ「今は!ごめん、今は一人にしてくれない?」
キョン「……わかった」
ハルヒ「ごめんね」
キョン「先に……部室戻ってるぞ」
ガチャ
ハルヒ「……戻れるわけ、ないじゃない」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:12:59.92 ID:IrgbkmKd0
〜部室にて〜
キョン「遅くなったな」
古泉「今日は随分遅かったですね」
キョン「あぁ。野暮用があってな」
長門「……」
古泉「そうでしたか。ご苦労様です」
キョン「男からの労いの言葉はないな」
古泉「それはすいません」
みくる「あのぉ〜」
キョン「なんですか?」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:16:37.34 ID:IrgbkmKd0
みくる「涼宮さんは一緒じゃないんですかぁ?」
長門「……」
古泉「……」
キョン「……あいつは。……長門」
長門「何?」
キョン「ちょっと廊下にいいか?」
長門「……」コク
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:20:13.23 ID:IrgbkmKd0
〜廊下にて〜
ガチャ
キョン「あのよ、あいつ今屋上にいるんだ」
長門「……」
キョン「あいつのそばに行ってやってくれないか?」
長門「何故」
キョン「ん?」
長門「何故、彼女ではダメだったの?」
キョン「なんだ、知ってたのか」
長門「何故?」
キョン「先に好きになっちまったやつがいるんだ。ほんとに、ただそれだけだ」
長門「そう。行ってくる」タタッ
キョン(悪いな)
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:23:39.65 ID:IrgbkmKd0
〜部室にて〜
ガチャ
古泉「随分お疲れのようですね」
キョン「ちょっと精神的にな」
古泉「そうですか」
キョン(……あいつの方が辛いよな)
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:26:48.24 ID:IrgbkmKd0
みくる「大丈夫ですかぁ?」
キョン「俺は平気ですよ。俺は」
みくる「でも辛そうですよ?」
キョン「大丈夫ですよ。朝比奈さんのお茶を頂ければすぐ良くなります」
みくる「キョン君がそういうならぁ」トテトテ
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:30:07.82 ID:IrgbkmKd0
古泉「……」
キョン「……」
みくる「どうぞ、キョン君」
キョン「ありがとうございます」ズズ
みくる「……なんだかよく分かりませんけど、元気出してくださいね?」
キョン「……えぇ」
キョン(俺が言われるべき台詞じゃないよな)
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:31:40.01 ID:IrgbkmKd0
古泉「……朝比奈さん、たまには一緒にオセロでもいかがです?」
みくる「いいですよぉ」
古泉「では早速」カタ
みくる「手加減してくださいねぇ」
古泉「ふふ。盤面には男も女も関係ありませんよ」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:33:12.77 ID:IrgbkmKd0
〜一時間後〜
古泉「……」
みくる「やった♪また勝ちましたぁ♪」
ガチャ
古泉「……おかえりなさい、長門さん」
長門「……」
キョン「長門……」
長門「大丈夫。でも今日はもう帰る」
キョン「そうか。わかった。よろしくな」
長門「……」コク
ガチャ
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:36:06.20 ID:IrgbkmKd0
みくる「え?あのぉ〜、どういうことですかぁ?」
古泉「ふむ。朝比奈さんがご存知ないということは、今回のことは未来で想定の範囲内ということですか」
みくる「ふぇ?」
キョン「おい、古泉。お前もしかして」
古泉「いったいどうしました?」ニコ
キョン「……なんでもねぇよ」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:37:48.95 ID:IrgbkmKd0
みくる「わ、わたしにも教えてくださいよぉ〜」
キョン「今回はいくら朝比奈さんでもちょっと」
みくる「仲間はずれですかぁ?」
キョン「禁則事項です」
みくる「……そう言われると言い返せませんよぉ」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:40:48.62 ID:IrgbkmKd0
キョン「はは、スイマセンね。来たばっかで悪いですけど、俺帰ります」ガタ
古泉「一つだけいいですか?」
キョン「なんだ?」
古泉「長門さんに感謝してくださいね?」
キョン「分かってる。じゃあな」
ガチャ
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:41:46.13 ID:IrgbkmKd0
〜次の日の朝〜
キョン(昨日の今日だし顔合わすのは辛いな)
ガラガラ
ハルヒ「……おはよ」
キョン「お、おう」
ハルヒ「……」
キョン「……」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:44:31.04 ID:IrgbkmKd0
キョン(ダメだ、耐えられん)
ハルヒ(……今言わないと)
ハルヒ・キョン『き、昨日のことだけど』
キョン「あ」
ハルヒ「な」
キョン「あ、あぁっと。先いいぞ」
ハルヒ「う、うん」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:46:04.70 ID:IrgbkmKd0
ハルヒ「昨日のことだけどね、やっぱり忘れてなんて言えない。言いたくない。でもね、気にしないでほしいのよ」
キョン「……」
ハルヒ「あたしたちがギクシャクしたら、SOS団にも迷惑かかる」
キョン「そうだな」
ハルヒ「だから今まで通りでいてほしいの。あたしが馬鹿やったら、あんたがそれを止めて、有希や古泉君に助けてもらって、みくるちゃんは……よくわかんない」
キョン「それは朝比奈さんに失礼だろ?」
ハルヒ「冗談よ」
キョン「ったく、とはいえそれには賛成だ」
ハルヒ「……」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:48:05.67 ID:IrgbkmKd0
キョン「虫のいい話だが、俺も同じ事を言おうと思っていた」
ハルヒ「うん」
キョン「そういうわけだ。これからもよろしくな。団長さん?」
ハルヒ「よろしく。今まで以上に引っ張りまわしてやるわ」ニコ
キョン「それは勘弁してくれ」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:49:40.84 ID:IrgbkmKd0
〜放課後・部室にて〜
ハルヒ「昨日は来れなくって悪かったわね!」
古泉「いえいえ。団長にも休みは必要ですよ」
みくる「はい、涼宮さん。お茶です」
ハルヒ「ありがと。そうだ、みくるちゃん!」
みくる「ふぇ?なんですかぁ?」
ハルヒ「昨日、ネットで面白いもの見つけたのよ!」
みくる「面白いものですかぁ?」
ハルヒ「ふふ、そのうち届くから楽しみにしといてね」ニヤ
みくる「なんだか、笑い顔が怖いですよぉ〜」アセ
ハルヒ「それと今週末も団活は中止」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:51:16.39 ID:IrgbkmKd0
古泉「おや?」
ハルヒ「キョンが用事あるんだって。でしょ?」
キョン「あぁ、悪いな」
ハルヒ「悪いと思ってるなら今すぐにみんなにジュース買って来なさい。あたしは百パーセントのオレンジね」
キョン「な!」
古泉「ぼくはコーヒーを。微糖がいいですね」
キョン「おい」
長門「カルピス」
キョン「長門まで」
みくる「わ、わたしは何でもいいですよぉ」
キョン「はぁ、分かったよ」
ガチャ
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:52:59.93 ID:IrgbkmKd0
〜廊下にて〜
キョン「全く人使いが荒いな」
キョン(……今日は火曜日か、佐々木は俺の返事を土曜まで、どんな気持ちで待ってんのかな)
キョン(俺の腹は決まってるのにな)
キョン「……」
キョン「よし!」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:54:33.40 ID:IrgbkmKd0
prrrrrprrr…… ピッ
佐々木「も、もしもし」
キョン「よう」
佐々木「……やあ」
キョン「お前に電話かけるのがこんなに緊張したのは初めてだ」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:55:55.44 ID:IrgbkmKd0
佐々木「僕も電話に出るのをためらったのは初めてだよ」
キョン「そうか」
佐々木「うん」
キョン「昨日な」
佐々木「え?」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 02:57:04.58 ID:IrgbkmKd0
キョン「昨日な俺、学校で告白された」
佐々木「……」
キョン「でも、無理だって言ったよ」
佐々木「……」
キョン「俺は他に好きなやつがいる、ってな」
佐々木「……」ポロ
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:00:15.08 ID:IrgbkmKd0
キョン「そしたら、もし自分が先に告白したらどうだったか聞かれた」
佐々木「……」ポロ
キョン「そう言われてやっと気付いたよ。……ずっとお前がいたんだな、って」
佐々木「……」ポロポロ
キョン「俺の横に、俺の自転車の後ろに、俺の今までの思い出に、いつもな」
佐々木「……」グス
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:01:43.34 ID:IrgbkmKd0
キョン「電話なんかですまない。どうしても今すぐ言いたかったんだ」
佐々木「……」ポロポロ
キョン「俺と付き合ってくれないか?」
佐々木「な、何年、何年待ったと、おも、ってるんだい?」グス
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:03:30.72 ID:IrgbkmKd0
キョン「恋は精神病なんだろ?お前を病気にするのは気が引けてな」
佐々木「……ほんとに馬鹿だよ」
キョン「どうだ?なかなか頭の回転も早くなっただろ?」
佐々木「……キョン?」
キョン「なんだ?」
佐々木「会えなかった一年分、甘えさせてくれるかい?」
キョン「喜んで」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:06:31.60 ID:IrgbkmKd0
佐々木「……待っててよかった」
キョン「光栄だ」
佐々木「大好きだよ。キョン」
キョン「俺もだ」
〜Fin〜
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:08:23.47 ID:IrgbkmKd0
>>1です
ここまで読んでくれてありがとうございます
佐々木をメインに書こうと思ったんですが、キャラがあまりに動かせなくて断念しました
なので、元々が前回の佐々木パートなんで所々合わせて一つにしました
前回のような流れや雰囲気をを期待していた方達には
ホントすいませんでした
なんにしても動かしづらい
でもこれで完結です。個人としては満足です
これなら佐々木を恨まずにいてもらえますかね?
それとスレタイはこれからも、〜と〜、で統一します。ご迷惑おかけします
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/25(月) 03:37:36.21 ID:IrgbkmKd0
皆さんのコメント嬉しい限りです
もし良かったら、某まとめサイトさんの方にある前スレ
「ハルヒと長門」の三つ目だけでも
読んで下さい。かなり繋がりをもたせてます