14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 16:54:58.21 ID:tHJXR7EMO
キョン妹「キョンくんシスコ〜ン!」
キョン「誰がシスコンだ、誰が。…っていうかどこで覚えたそんな差別用語。」
キョン妹「妹のことを大事にしてる人のことをシスコンって言うんでしょ? ならっ、キョンくんはシスコンだよねっ!」
キョン「………。」
キョン妹「キョンくん…わたしのこと、嫌いなの?」
キョン「……嫌いなわけあるかいバカチンがぁ。」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 19:21:00.33 ID:tHJXR7EMO
キョン「誰がシスコンだ、誰が」
谷口「この俺さっ!」
キョン「kwsk」
国木田「谷口ってば、道端でひろったゲームを持って帰ってプレイして、ものの見事にハマってるんだって」
キョン「把握した。…にしても感心しないぞ谷口よ、ネコババなんてガキじゃあるまいし」
谷口「いやさぁ、なんていうか、パッケージの絵がな? 俺に語りかけてきたんだよ」
キョン「ほぉ、なんて」
谷口「『兄ちゃま』…って。」
キョン「よしっ、いまはまだ朝の9時だから、あと1時間したらさっさと荷物をまとめて、都市部にある病院の精神科の扉を叩くがいい。早退の言い訳は俺と国木田でつくっておいてやるから」
谷口「なんだよぉ! ヒトを重度の精神病患者みたいによぉ!」
キョン「じゃあ訊くが、マイシスは誰だ」
谷口「怪盗クローバーと言えばわかるか」
キョン「家かえって寝てろ」
国木田「キョンわかるんだ…」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 20:26:31.76 ID:tHJXR7EMO
キョン「ん? たぶんその拾ったゲームな、俺のだ」
谷口「……なん…だと…?」
国木田「それは、また」
キョン「この間うちの妹が勝手に持ち出してな、帰ってきたら『おとしちゃったの……ごめんなさぁい…』って謝ってきたんだ」
国木田「妹さんはそのゲームをどうしたかったんだろうね」
キョン「さぁな。結局、リアルの妹がゲームの妹を亡くしちまったわけで、なんか怒るに怒れなくてうやむやになってたんだが……」
国木田「(……ある種の嫉妬…だったのかな?)」
谷口「……んてこった…」
キョン「ん?」
谷口「なんてこった! じゃあなにか? オレはキョンが一度ウハウハしたオサガリの妹でハァハァして、あーんなことやそーんなことに興じてたってゆーのかよぉ!!」
国木田「うわぁ…」
キョン「俺の12人の天使たちをお前の淫らで猥褻で変態な妄想で汚すんじゃない」
国木田「うわぁ…」
谷口「おばぁちゃんが言ってたぜ、中古のアダルトブックには、他の男のエキスが染み着いてると思え…ってな」
国木田「それが本当なら僕はそのお祖母さんにそんなことを言わせた谷口を軽蔑するよ」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 20:46:32.50 ID:tHJXR7EMO
谷口「すみませんすみません、『なんで兄チャマは四葉にキスしてくれないの?』のCGだけで2、3日はアダルトブックが要らなくなってすみませんすみません」
キョン「喜べ谷口、俺はいまだかつてここまで他人を軽蔑してこの世から消してやりたいと思ったことはない気がするぞ」
谷口「すみませんすみません」
ワーカメーワーカメー
国木田「あ、もう2時限目が始まる」
キョン「……ふぅ、谷口よ」
谷口「すみませんすみませんすみませ…なんだ?」
キョン「ゲームはやる。だから、これからはもっと健全に、神聖に、宗教的に、妹たちを可愛がってやるといい」
谷口「……あぁ!!」
国木田「いいのキョン、大切なものなんじゃないの?」
キョン「なぁに、ただの布教用だ」
国木田「うわぁ…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 21:00:45.58 ID:tHJXR7EMO
教員「でー、あるからしてー」
…プスプス プスプス
キョン「………」
ハルヒ「………」
プスプスプスプス
キョン「…なんだハルヒ。ワイシャツが黒鉛で汚れるからやめてくれ」
ハルヒ「反応が鈍いわね、背中の神経死んでるんじゃないの?」
キョン「(暗に会話を拒絶していただけだが)…で、なんなんだ授業中に」
ハルヒ「あんた達さっきなに話してたの? なんかすっごくあんたの背中からオタク臭がしてきて気持ち悪かったんだけど」
キョン「さっき? …あぁ、谷口たちとの会話か。なんだハルヒ、聞き耳立ててたのか? ヤらしい奴だな」
ハルヒ「あんた達が大声で喋ってるから、あたしの貴重かつ有意義で世界的最重要行為のお昼寝タイムが邪魔されたのよっ!」
キョン「そんなに昼寝が重要なら学校なんか来なけりゃいいだろ。それにいまはまだ午前中だ」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 21:18:33.04 ID:tHJXR7EMO
ハルヒ「あたしのことはいいのよ! 質問してるのはコッチなんだから、あんたに1欠片でも人間としての倫理観念がのこっているんだったらちゃんと質問に答えなさいっ」
キョン「…なんで正しい事を注意した俺がここまで罵倒されねばいけないのだろうか」
ハルヒ「………」
ジィィィィ
キョン「(答えるまでずっと見てる気だな…)ゲームだよ、ゲーム。」
ハルヒ「ゲーム?」
キョン「ああ。俺がなくしたゲームを谷口が拾って、やってみたらハマったって、それだけの話しだ」
ハルヒ「それってRPG?」
キョン「は?」
ハルヒ「キョンだったらシューティングも似合うけど、だだの娯楽をするのに無駄に神経つかったりするのをわざわざやらないわよね、キョンなんだし」
キョン「(なんだその理不尽な解釈の仕方は)」
ハルヒ「だったらアンションかしら…? けどキョンはそんなに熱くなってゲームするようなタイプには見えないのよね、だったらあとはパズルかノベルか…」
キョン「長考に入ってるとこ済まないが、話しに出てきたゲームは無駄に神経も使わなければ熱くなってやるものじゃないぞ」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 22:04:31.52 ID:tHJXR7EMO
ハルヒ「じゃあなんだっていうのよ」
キョン「言うのはいいが、お前ヒくぞ? それも、多分メイっぱい」
ハルヒ「SOS団団長を見くびらないでよねっ。常日頃普段から非日常的かつ非現実的なことを探し求めているあたしが、キョンごときの発言で揺さぶられるはずがないでしょ!」
キョン「じゃあ言うが、」
ハルヒ「ふんふん」
キョン「ギャルゲーだ」
ハルヒ「ふんふ…」
キョン「改まってここで勘違いしないでほしいので、ギャルゲーと美少女ゲームの違いについて説明する」
ハルヒ「…ふんふん」
キョン「美少女ゲームと言うのは商標登録されてる言葉で、主に18歳未満禁止のアダルトなゲームのことを指す。ギャルゲーと言うのはそれ以外、まぁ一般大衆向けのゲームを指す言葉だ」
ハルヒ「ふんふん」
キョン「そんな中でさっきの話しに出てきたのはギャルゲー、タイトルを『Sister Princess』という超健全、全年齢大衆向けのゲームだ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 22:13:11.80 ID:tHJXR7EMO
ハルヒ「なんだかタイトルだけで内容がまるわかりね」
キョン「そう言うな」
ハルヒ「某国のお姫様が修道院に入って暮らしてるんでしょ、鉄球姫エミリーみたいに。そして主人公は新米の神父さまとみたっ!」
キョン「はずれだ」
ハルヒ「!?」
キョン「主人公はおよそ高校生、ヒロインは上はおよそ中学3年生から下はおよそ小学生1年生の、総勢12人の妹だ」
ハルヒ「……あぁ、だから『シスター』なのね……っていうか、妹多すぎない? 何子なのよ」
キョン「年齢とか血縁とかに細かい背景は無い。個人個人で考えて楽しめってことだろう」
ハルヒ「妄想して楽しむ、の間違いでしょ」
キョン「どっちでもいいさ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[やば…寝る…] 投稿日:2009/05/17(日) 22:26:43.82 ID:tHJXR7EMO
ハルヒ「……それで、キョンはそのゲームが好きなわけね?」
キョン「応っ。いつだったか、眠れぬ夜にテレビをつけたらアニメがやっていて、そこからCMで連載している雑誌を知って、雑誌でゲームの存在を知って現在に至る」
ハルヒ「このオタク」
キョン「否定できないが面と向かって吐き捨てる言葉じゃないだろう」
ハルヒ「うるさい! このシスコn…」
キョン「……?」
ハルヒ「あ、あんたまさか、妹ちゃんに…実の妹に手を出したりなんてしてないでしょうねぇ!!」
キョン「出すか!」
ハルヒ「………」
ジィィィィ
キョン「(はぁ…)言っただろ? 超健全なゲームだって。そりゃゲームの妹は可愛いし、こんな妹ほしいな、なんてイカれた妄想をするときも無くはない。無くはない、が、本当の、現実に血の繋がった妹に手を出すような犯罪思想はない」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 01:14:58.18 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「性欲を持て余した男はアメリカ版のゴジラより手に負えないってきくし、やっぱり一方的に信じろ、っていうのは難しいわよね」
キョン「それは映画を観た日本側スタッフの言葉だろう。そしてハルヒよ、お前は俺になにをしてほしいのか全然わからないのだが」
ハルヒ「あたしに貸しなさい」
キョン「なにを」
ハルヒ「察しが悪いわね、話しの流れで気が付きなさいよこのニブチン」
キョン「お前の言動を察せる人間(一般人限定な)がいたらお目にかかりたいものだが」
ハルヒ「だーかーらー、あたしにそのゲームを貸しなさいって言ってるのよ!!」
キョン「あぁ、なるほど・ザ・ワールド」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 02:00:27.00 ID:A7ebp2mbO
キョン「で、放課後」
古泉「あぁ、『シスプリ』ですか。懐かしいですね」
パチッ
キョン「知ってるのか」
パチパチッ
古泉「ちなみにマイシスは衛です」
パチッ
キョン「なんか意外だな」
パチパチパチッ
古泉「そうですか?」
パチッ
キョン「よもやスポーツ系とは」
パチパチパチパチパチパチッ
古泉「なかなか憧れますよ、ああいう健康的で純粋な子は。」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 02:10:58.67 ID:A7ebp2mbO
キョン「俺としては純粋さに関しては全員甲乙つけ難いけどな」
パチパチパチッ
古泉「ちなみに『ハピレス』も知っていますよ」
パスッ
キョン「なん…だと…?」
パチッ
古泉「入ったのはアニメからですけどね」
パチンッ
キョン「やっぱり五箇条先生か」
ゲームセット
古泉「いえ、十隠カンナです」
…集計中…
キョン「まさかの予想斜め上」
Winner キョン
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 02:20:33.27 ID:A7ebp2mbO
古泉「そう言う貴方は?」
キョン「六祭みなづきだな」
古泉「それはそれは、実に手に負えませんね」
キョン「なんの話しだ?」
古泉「貴方の妹萌え…いえここは敢えてシスコンと呼ぶべきでしょうね、つまりは『妹』という存在に対する愛情、思想、どれをとっても……」
キョン「………溜めるな」
古泉「貴方は立派なシスコンです」
キョン「誰がシスコンだ、誰が」
古泉「見た目の幼さなら、四天王うづきだって負けていないのでは? けれど貴方はみなづきを選んだ、それが証拠です」
キョン「みなづきはゲームでこそ居ないが、雑誌連載時のみなの可愛いさは一歩踏み違えれば犯罪の域だ。うづきママも勿論好きだが、ああも一途に甘えてこられたら大抵の男は陥落すると思うぞ」
古泉「原作の方はさすがにわかりませんが、貴方がそこまで言うのですから、少し興味が出てきましたよ」
キョン「今度貸してやるから、その時また語るとするか」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 04:14:58.87 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「………」
イライライラ
ハルヒ「(なによ…キョンってば珍しく古泉くんと仲良さげじゃない……いや、べつに普段仲悪いわけじゃないけど…)」
カチカチカチ、カチッ
ハルヒ「(あっ、コレがキョンの言ってた…『シスプリ』ってやつね)」
みくる「涼宮さん、お茶のお代わりどうぞぉ」
ハルヒ「ありがとみくるちゃん(…ふーん、最初の頃と後の方だとずいぶん絵柄が違うのね。東京アンダーグラウンド…ほどじゃないか)」
カチッ、カチカチ
みくる「……なに、見てらっしゃるんですかぁ?」
ハルヒ「あ、ちょうどいいわみくるちゃん。この絵を見てみてちょうだい。どう思うかしら」
みくる「はい? ……わぁ…すごく…可愛らしい絵ですねぇ」
長門「…山純…」
ハルヒ「ん? ユキなにか言った?」
長門「べつに」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 04:39:24.23 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「キョンが好きなゲームなんですって。『Sister Princess』、略して『シスプリ』なんて言うらしいわ」
みくる「そうなんですかぁ〜」
ハルヒ「ユキは知ってる?」
長門「知らない」
ハルヒ「そう……まぁ、女の子には縁遠そうなゲームだものね」
みくる「これがどうかしたんですか?」
ハルヒ「今朝教室で、キョンが谷口たちとオタクオーラ全開で話してるのが 偶 然 聴こえてきてね? いつも『無気力、無関心、無節操』を地で往くキョンがそんなにはしゃぐんだったら、団長として団員の趣味嗜好を調べておいても良いかなって思ったのよ」
みくる「へえぇ…」
長門「具体的な行動は」
ハルヒ「今日、これからキョンの家に行って、関連するゲームやら書籍やらを一括り借りるの……そうだ! みくるちゃんたちも一緒にやらない!? どうせキョンのやつ同じの何個も持ってるんでしょうし、一緒に始めてお互いに感想を言い合いましょうよ!」
みくる「ふぇ、ふぇえ?」
長門「…………」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 05:37:58.63 ID:A7ebp2mbO
>>107ハルヒはそういうの興味が(わから)無いと思って……
キョン「で、俺の家の前」
ハルヒ「結局みんなで来ちゃったわね」
キョン「もう遅いし、荷物受け取ったらすぐに帰るんだぞ」
ハルヒ「わかってるわよ。なにも好き好んであんたの家になんて来ないんだから」
キョン「まったく……ほら古泉」
古泉「? ……これは?」
キョン「『HAPPY☆LESSONワンダフルママライフ〜ママ先生は最高!〜』だ」
古泉「あぁ…なるほど。それでは確かに、借用いたします」
キョン「それで、だな」
ハルヒ「?」
キョン「『シスプリ』のソフトなんだが、俺はもう2つしか持っていない」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 06:53:25.95 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「……あんですってぇ!?」
キョン「布教用を谷口にやっちまったから…」
クィックィッ
キョン「ん?」
長門「(持ってる)」
パクパク
キョン「(クチパク…?)」
ハルヒ「…どうしたのよキョン」
キョン「あ、あぁいやー、そういえばおれ、ながとに『シスプリ』かしてたんだったー」
ハルヒ「え…本当? ユキ」
長門「イエス」
みくる「あれ? でも長門さんさっき知らないっt」
古泉「おやおや、長門さんも同志でしたか、意外でしたがそれはそれで」
ハルヒ「もぅ、それなら早く言ってよね。お釈迦さまに説法だなんて、なんかあたしみっともないわねぇ」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 18:28:57.10 ID:A7ebp2mbO
長門「ごめんなさい、傷付けたのなら謝罪する」
ハルヒ「もういいわよ、ユキだって悪気があったわけじゃないんでしょうから。けどそうね、お詫びの代わりにギューさせてギュー」
長門「………」
コクン
ハルヒ「…見なさいキョン! ユキが何の抵抗もなく抱きつかせてくれるわ! 羨ましい? 羨ましいでしょう? けどこの感触はあたしだけのものよ!」
ギュー、ギュー、ギュー
古泉「おやおや」
キョン「(長門は普段からべつに抵抗しないだろう)……それでだな、あと俺が持ってるのはプレイ用と保存用の2本だけで…」
ハルヒ「あっはぁ〜、ユキっていい香りするわねぇー」
クンカクンカクンカ
キョン「いや聞けよ人の話」
ハルヒ「聞いてるわよ。だったら問題無いじゃない、みくるちゃんにプレイ用、あたしに保存用を貸したらちょうどいいでしょ」
キョン「『保存用』だと言っているだろう」
ハルヒ「どうせ仕舞われたまま朽ちていく運命なんだったら、あたし達が使ってあげたほうが数億万倍も有意義ってもんじゃない」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 18:39:51.27 ID:A7ebp2mbO
キョン「断固拒否する」
ハルヒ「団長命令よ!」
キョン「………」
ハルヒ「………」
みくる「あっ、あのぅ…私のことでしたらお気になさらないで…」
ハルヒ「みくるちゃんだけ仲間外れなんてダメよ! …ほらキョン、あんたみくるちゃん独りに寂しい思いをさせる気?」
キョン「…!(…こいつ、みくるさんを天秤にかけてくるとは卑怯な…!!)」
古泉「……コホン」
キョン「?」
古泉「………」
ジィィィィィ
キョン「(…はぁ…)」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 18:46:14.12 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「ふんっ、観念したみたいね」
キョン「…いま持ってくるから待っててくれ」
ハルヒ「ほらほらっ、駆け足駆け足! 音速を超えなさい、光速のパラディンもビックリね!」
キョン「無茶言うな」
間。
キョン「持ってきたぞ」
ハルヒ「いやに時間かからなかった?」
キョン「部屋の祭壇に飾ってたから取るのに苦労したんだよ」
古泉「……なんと言いますか、」
キョン「ん?」
古泉「さすがです」
キョン「褒めてないなその言葉」
ハルヒ「とにかく! これで晴れてSOS団全員がオタク街道に片足を突っ込んだわけね!」
古泉「もう肩までしっかり浸かっている方もいらっしゃるようですが」
キョン「ほっとけ」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 18:59:05.37 ID:A7ebp2mbO
ハルヒ「あっ、言うのが遅れたけど、今日は金曜日だから、明後日の日曜日はいつも通り集合だからね!」
キョン「土曜日にメイっぱいやる気か」
ハルヒ「まさかこんなに本が有るとは思わなかったわ」
キョン「とりあえずキャラストーリーズだけな」
ハルヒ「みくるちゃん! 日曜日までに『マイシスター』を決めておくわよっ!」
みくる「は、はぃぃ…。」
キョン「こらこら、義務感でゲームなんかやっても楽しくなくなるだけだぞ」
ハルヒ「わかってるわよ! あくまでも目標よも・く・ひょ・う!」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 19:07:30.48 ID:A7ebp2mbO
長門「………」
キョン「…?」
長門「(話しがある)」
パクパク
キョン「(またクチパクか…しかしこのまま2人きりになるのは…)」
チラッ
古泉「?」
キョン「………」
古泉「…ふふっ」
キョン「(頼む古泉…)」
古泉「――それではもう遅いですし、涼宮さんと朝比奈さんは僕が送るとしましょう」
ハルヒ「ん、そうね、誰かさんが玄関前で待たせたりするから、いい加減寒くなってきたわ」
キョン「ちゃんと最初に断ったぞ俺は」
古泉「それでは、貴方は長門さんをお願いします」
キョン「あ、ああ」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 19:17:56.68 ID:A7ebp2mbO
古泉「それではお二人とも、失礼します」
みくる「あ、あのっ、貸してくれてありがとうございますキョンくんっ!」
ハルヒ「それじゃあ帰るけど、あんたもし2人っきりのときにユキに何かしたr」
キョン「しないしない」
間。
キョン「……帰ったな」
長門「………」
キョン「これからどうする?」
長門「うちに来て」
キョン「これからか?」
長門「そう」
キョン「…何かあったのか?」
長門「私に関する『Sister Princess』の情報を開示する。それは、朝倉涼子にも関わること」
キョン「……なにゆえ朝倉?」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 19:37:01.47 ID:A7ebp2mbO
キョン「で、長門の家」
長門「………」
キョン「………」
ズズズ…
キョン「(…お、茶柱)」
長門「まず」
キョン「?」
長門「私が『Sister Princess』を知っているのは、朝倉涼子の存在があったから」
キョン「朝倉が『シスプリ』にハマってたって言うのか? ……そんなハズないk」
長門「そう」
キョン「kwsk」
長門「彼女は情報収集の一貫として、深夜帯時刻に放映されるありとあらゆるテレビ番組を観ていた」
キョン「ふんふん」
長門「その際に放送第1話のテレビアニメーション『シスター・プリンセス』を視聴。特別視するほど珍しくもない、強いて言うなら放送開始時間が00時45分と言う中途半端な時間から始まる番組を、彼女は何故か気に留めた」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 19:51:10.13 ID:A7ebp2mbO
キョン「00時45分、関東圏か」
長門「私が関与しないところで、朝倉涼子は確実に変化していった」
キョン「ふんふん」
長門「私生活上においても、『電撃G’sマガジン』と言う雑誌を中心とした『Sister Princess』に関連する書籍、PlayStation用ソフト『Sister Princess』、及び『Sister Princess2』等を購入していたが、朝倉涼子という個体の行動制限範疇として容認していた」
キョン「ふんふん」
長門「時折彼女が独りで『可憐ちゃん可愛いよ可憐ちゃん』と呟いたり呆けたり笑ったりしていても、容認していた」
キョン「凄まじいな。と言うか俺、いまなら朝倉と友達になれる気がしてきた……いやいや刺されてるしな、気の迷いだ」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 20:05:57.17 ID:A7ebp2mbO
長門「そしてある日、彼女は私に『Sister Princess』の面白さを説いてきた」
キョン「ふんふん」
長門「彼女は特に『可憐』という対象を気に入っていた。私への対象の説明は、鬼気迫るものだったと表現するのが適当」
キョン「ふんふん」
長門「彼女は私にもゲームのプレイとアニメーションの視聴を勧めてきて、彼女の勧めに私は応じた」
キョン「なんだかえらく長門が無抵抗なように聞こえるが、そのとき何かあったのか?」
長門「べつに」
キョン「…そうか(気のせいだったか)」
長門「……ただ、」
キョン「?」
長門「彼女がとても楽し気にしていたのが気になった」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 20:18:44.11 ID:A7ebp2mbO
キョン「長門…」
長門「――以上が、私と朝倉涼子に関する『Sister Princess』の情報。朝倉涼子という個体が関わっていた為、部室での涼宮ハルヒ、朝比奈みくるとの会話では嘘をついた」
キョン「へたな事を言うと長門と朝倉の関係にも触れる危険性があったわけだ」
長門「そう」
キョン「しかし、あの朝倉が『お兄ちゃん仲間』だったとは…世間は狭いねぇ」
長門「貴方と朝倉涼子に共通点があったことに驚いた」
キョン「同感だ。……ところで長門よ」
長門「なに」
キョン「お前は朝倉に勧められた『シスプリ』をやって、観てみて、どうだった。楽しかったか?」
長門「ユニーク」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/18(月) 20:29:49.23 ID:A7ebp2mbO
長門「私の『マイシスター』は『白雪』」
キョン「…なん…だと…?」
長門「対象の名前に含まれる文字に意識が向きやすく、特定の言葉で表すなら『感情移入しやすかった』ことになる」
キョン「…雪、か」
長門「………」
キョン「………」
ズズズ…
キョン「…そろそろお暇させてもらうな」
長門「また、日曜日に」
キョン「応、また日曜日にな」
バタンッ
長門「……でぃえすの」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 00:24:22.56 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「ただいまー」
パタパタパタ
ハルヒ「すっかり遅くなっちゃったわ」
ガサゴソ
ハルヒ「なになに、『ハルヒよ、ゲームの説明書を読んでからゲームを始めて、クリアしたら本を読みなさい』……なんで指図されなきゃいけないのよ、あのバカキョンっ!」
パシンッ
ハルヒ「………」
モソモソ
ハルヒ「ま、やらなきゃ始まらないものね」
カチッ
ハルヒ「いまさらプレステのソフトをやることになるなんて……メモリーカードまだ持ってたかしら」
ガサゴソ
ハルヒ「―――なにこれ、3ブロックも使うの!? …はぁ、まずメモリーカードの整理から始めないといけないわね…」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 00:38:35.71 ID:8bwQypPeO
トーキーメーキワー ココロニー ノーコルー
ハルヒ「あら、可愛いわね」
ジー
ハルヒ「…さすがに12人もいると覚えきれないわね。みんなそれぞれプレイヤーの呼び方が違うのはおもしろいわね」
トドケヨウ タイセツナ メロディー…
ハルヒ「…………」
チッ、チッ、チッ、チッ…
ハルヒ「――ハッ! ……いけないいけない、何故か感動しちゃったわ。馬鹿みたい、OPだけで感動してどうするのよ」
カチャカチャカチャ
ハルヒ「まずは名前ね。…ハ、ル、ヒ…っと」
カチャカチャカチャ
ハルヒ「さーてみてなさいキョン! 日曜日までには全員クリアのフルコンプしてみせるんだからっ!!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 01:27:54.17 ID:8bwQypPeO
キョン「で、日曜日」
ハルヒ「さぁ! 遅刻してきたキョンも来たことだし、さっそくグループに別れるわよっ!」
キョン「おい、いきなり過ぎるだろう」
ハルヒ「善は急げよ! お昼になったらまた集合ね! 今日はグッパーで決めましょうか!」
キョン「(いつも以上にテンションが…というか、今日はやけにソワソワしてるな)」
ハルヒ「せぇーのぉー、グッパーァ・ジャス――!!」
間。
キョン「でお前と2人きりか」
古泉「いやいや、いいお天気です」
キョン「『ハピレス』は読んだか?」
古泉「貸していただいた3冊でしたら、10通しほど」
キョン「漫画も貸しただろう。2巻で打ち切られたやつ」
古泉「表紙だけは。本を読んだらアニメが観たくなりまして。…さすがにアニメを観ながら漫画というのは」
キョン「そうか。お前も相当な『息子』だな」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 02:50:30.03 ID:8bwQypPeO
キョン「どうだ?」
古泉「はい?」
キョン「小説の『みな』はまた一段と可愛かっただろう」
古泉「…そのことに関しまして、僕から伝えられる言葉は一つしかありません。あれは正直…」
キョン「正直?」
古泉「グッときました」
キョン「服の中に入ってくるとか。理性がトぶぞ」
古泉「まったくです」
間。
古泉「そう言えば」
キョン「なんだ」
古泉「涼宮さんは『シスプリ』をクリアできたのでしょうか」
キョン「難しいところだな。ハルヒのようにいつもハイテンションで騒がしいやつが、『シスプリ』のような極めて単純でのんびりとしたアドベンチャーゲームに耐えられるのか」
古泉「お昼に訊いてみては?」
キョン「貸せって言うのも、その場の思いつきみたいだったしなぁ」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 03:27:39.68 ID:8bwQypPeO
キョン「で、昼」
ハルヒ「古泉くんは午前中収穫無しなの?」
古泉「はい。お恥ずかしながら」
ハルヒ「まぁいいわ。それよりキョンっ」
キョン「なんだよ」
ハルヒ「あたしの『マイシスター』は、『咲耶』よっ」
キョン「………」
ハルヒ「………」
キョン「………」
ハルヒ「……ちょっと、黙ってないで何か言いなさいよ」
キョン「いきなり声を張って『マイシス』を告白された俺にどんなリアクションをしろと言うのだお前は」
みくる「『咲耶』ちゃんですかぁ、かわいいですよねぇ」
ハルヒ「あら、みくるちゃんも『咲耶』なの?」
みくる「い、いえ〜、私は鞠絵ちゃんにしました」
古泉「お二人とも、なかなか人気所を選ばれましたね。なにか、理由でもあるのでしょうか」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[仕事の合間合間に…] 投稿日:2009/05/19(火) 05:44:00.66 ID:8bwQypPeO
みくる「…『鞠絵』ちゃんってすごく健気で、体が弱いはずなのに大好きな『兄上様』のために無茶をしたゃったりして……私、テレビゲームで泣いちゃうだなんて思いませんでした。」
キョン「(純粋だ……)」
古泉「……涼宮さんが『咲耶』を選んだのは少し意外でしたね、彼女は男性に多く好かれるタイプのキャラクターですから」
ハルヒ「そう? 普通に可愛いと思ったんだけど。なんかこぅ、『愛してるわお兄様』って雰囲気が特に」
長門「LikeではなくLove」
ハルヒ「そうそれよっ! もはやあの2人は結婚するしかないわね、だってあんなにアプローチしていたんだもの。あたしが見習いたくなるくらいに」
キョン「…? ハルヒ、『咲耶』ばりに誰かにアプローチする予定でもあるのか?」
ハルヒ「……!!」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>260友人に騙された…] 投稿日:2009/05/19(火) 16:26:59.84 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「そ、そう言えばユキも『シスプリ』やってたのよね!? ユキの『マイシスター』は誰なのかしらっ!!」
キョン「はぐらかしたな」
古泉「おやおや」
ハルヒ「うぅ、うるさいわねっ!! 関係ない事には答えたくないだけよ!」
キョン「『咲耶』の話しをしていたのに…」
みくる「で、でもっ、私も長門さんはとんな子が好きなのか気になります! …長門さん、教えてくれませんか?」
長門「………」
キョン「……どうした長門。長門の『マイシス』を教えてほしいってさ」
長門「……でぃえすの」
古泉「――!」
みくる「…? 『でぃえすの』ちゃん…ですか?」
長門「……ですの」
ハルヒ「あ…あぁー、『白雪』ね、逆ベルサイユロールヘアーの」
キョン「おいハルヒ、その言い方は俺と長門を敵に回すぞ」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 16:40:48.42 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「か、かわいいわよね、甲斐甲斐しく手作りお弁当届けたりとか……ねぇっ! みくるちゃん!!」
みくる「ほえぇ!? …あ、う、そうですね、お料理の話しを聞くと、お腹が空いて作ってみたくなりましたぁ」
キョン「2人とも驚くくらい興味が無かったみたいだ」
長門「…そう」
古泉「長門さん」
ガシッ
長門「なに」
古泉「ありがとうございます、ありがとうございます。彼女を『マイシスター』だと言うヒトと初めて巡り会えました。…どうか彼女を愛しつづけてあげてください」
長門「……人間の想像力によって生み出された物語り、及びその中に存在する対象は現実に存在しない。ただの記憶媒体に過ぎないソフトウェア上の存在に『愛情』という感情を向けることが理解できない。けれど私の個人的な思考を踏まえ、私が貴方に返せる言葉は一つ」
古泉「…なんでしょう」
長門「まかせて」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 16:52:55.49 ID:8bwQypPeO
キョン「みたかハルヒ。これが妹愛だ」
ハルヒ「なっ…! あたしだってねぇ! 咲耶に対する思い入れは強いんだから!!」
キョン「ほう」
ハルヒ「…年長者なことを最大限に生かした『お色気攻撃(ラヴ・アタック)』、他の子たちに比べて大人びた雰囲気にも関わらず『あどけない妹』を残した内面……可愛いじゃない! ギューってしたくなるじゃない!」
キョン「落ち着け」
ハルヒ「極めつけはアレ…あの会話よ」
キョン「あれじゃわからない。……いや待て、咲耶との会話イベントで極めつけと言ったら…」
ハルヒ「そう、あの『はき忘れ』事件よ!!」
古泉「(これは……涼宮さんもなかなかの『お姉様』に…)」
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 17:09:35.65 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「ハー…ハー…」
キョン「いや悪かった。まさかハルヒがそこまでハマってくれるとは思っていなかったから、少し強く言い過ぎてたかもしれん」
ハルヒ「わかれば……いいのよ」
みくる「みなさん『妹』さんが大好きなんですねぇ」
古泉「そう言えば」
みくる「?」
古泉「朝比奈さんは、『血縁エンディング』と『非血縁エンディング』、どちらを見られましたか?」
みくる「……えぇと…?」
キョン「こら古泉。1日しかやってない朝比奈さんにエンディングの区別を聞くのは悪いだろう」
古泉「おや…これは申し訳ありませんでした。妹仲間が増えてすこし気がはやっていたようです」
みくる「…あのー、血の繋がりがどうかしたんですか?」
長門「『Sister Princess』にはエンディングと呼ばれる物語りの最終点が各キャラクターにつき2種類ずつ存在する。」
キョン「ゲームによっては特殊な場合もありけりです」
長門「エンディングは進行上の選択肢によって分岐していき、特別にキャラクターと親密にならなかった場合のノーマルエンディングを含め、エンディングの総数は合わせて25種類、古泉一樹はその差について質問していた」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 17:23:39.91 ID:8bwQypPeO
キョン「わかりやすい見分け方は、朝比奈さんのみたエンディングでは最後に『鞠絵』のどこにキスしていたのかです」
長門「唇か額」
みくる「あ、それならオデコでしたよぉ。……あれ? 妹さんなのに…その、お口とお口でキスするんですか?」
キョン「進め方によって、『本当の妹』か『義理の妹』か変わるんですよ」
古泉「だから『血縁エンディング』、『非血縁エンディング』と言うわけです」
みくる「そうだったんですかぁ…知らなかったです」
ハルヒ「あたしも最初は血縁だったわ!」
キョン「回復したか」
ハルヒ「けどあんなに愛してるのに結ばれないなんであんまりじゃない? だから次はまっすぐ非血縁を目指したわ!!」
キョン「わかる、わかるぞその気持ちは。…なぁハルヒ」
ハルヒ「なによ」
キョン「『最初は』って…どこまでやったんだ?」
ハルヒ「決まってるじゃない! 全キャラ全クリフルコンプよっ!」
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 17:38:02.15 ID:8bwQypPeO
キョン「やるな」
ハルヒ「ふふんっ」
古泉「昨日だけでそれほどとは、流石です(これは『お姉様』の域を…)」
キョン「しかし『白雪』のエンディングを見ておいてあの反応だったのか…なんて奴だ」
長門「………」
ハルヒ「あ…あーもう! 好みは人それぞれなんだから仕方が無いでしょっ! …ほらっ、そろそろ午後の組み分けして出発するわよ!」
キョン「逃げた」
長門「……でぃえすの」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 19:50:11.02 ID:8bwQypPeO
キョン「………」
ハルヒ「…なによ」
キョン「…いや、まさかハルヒと組むとはな」
ハルヒ「なによ、ほかに誰か組みたい人でも居たわけ?」
キョン「まさか」
ハルヒ「ま、あんたのことだからどうせみくるちゃんと組んでハァハァしたり、ユキと組んでギューギューしたり、古泉くんと組んでくんづほぐれつしたかったんでしょうけど」
キョン「いやまて最後のはおかしい」
ハルヒ「ハァハァもギューギューもくんづほぐれつもしたくない相手で悪るぅございましたねっ」
キョン「なんでここで怒られるのかがわからん」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 20:22:35.28 ID:8bwQypPeO
古泉「さて…どうしましょうか」
長門「涼宮ハルヒの追尾、及び観察」
みくる「だだっ、だめですよう! せっかく2人っきりになれたんですから、そっとしておいてあげましょう…!!」
長門「冗談」
古泉「……でしたらここは、僕たちは僕たちなりに、折角ですから探索をしながら『シスプリ』の話しでもするとしましょうか」
長門「私は構わない」
みくる「あ、お手柔らかにお願いしますぅ」
間。
長門「…だから、双恋のアニメーション化は事実上の失敗と言わざるを得ない」
古泉「雑誌企画としてはなかなか好きでしたが、絵描きのささきむつみさんは僕個人としては『ハピレス』がピークでしたので」
みくる「あの、『ハピレス』ってなんですか?」
長門「正式な名称は『HAPPY☆LESSON』。天涯孤独の主人公のもとに5人の女性教師やってきて『母親として支えになりたい』と同棲生活を始めるのが大まかな概要。登場人物は…」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 20:32:57.62 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「あーもう、キョンのせいで普段の255倍は疲れたわっ」
キョン「理不尽に加えて不思議な数字を出すな。…しゃあない、なんか飲み物買ってくるか」
ハルヒ「あたしマックスコーヒーね」
キョン「太るぞ」
ハルヒ「うっさい!」
間。
キョン「ふぅ…」
ハルヒ「………」
キョン「なんだ、人の顔をじっと見つめて」
ハルヒ「……オタクっぽい顔っ」
キョン「怒るぞ」
ハルヒ「ねぇ?」
キョン「なんだ」
ハルヒ「疑問に思ったんだけど、あんたには妹ちゃんが居るのに、どうしてわざわざ『ゲームの妹』なんかにハマったのよ。ゲームに向ける時間が有るなら、その分妹ちゃんを構ってあげたらいいじゃない」
キョン「俺的には構ってるほう…だぞ」
328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 20:56:15.09 ID:8bwQypPeO
ハルヒ「……あんたの中では、『シスプリ』は別格なのね。」
キョン「別格というか、ゲームと現実の区別ぐらいついてるぞ俺は。現実は家族、『シスプリ』は天使」
ハルヒ「気持ち悪っ」
キョン「ほっとけ」
ハルヒ「うぅ…ん…」
キョン「大丈夫かハルヒ。すごい眠たそうだぞ」
ハルヒ「…だれの、せいだと…思ってんのよ…」
キョン「?」
ハルヒ「……あんたがあんな楽しそうに話してるから…はやく、あたしも……あんたと…」
キョン「ハルヒ、おいハルヒっ」
ハルヒ「……ねぇキョン……あたしが、もし、咲耶みたいになったら…あんたは……」
キョン「なんだ? よく聞こえないぞ?」
ハルヒ「あんたは…」
(――あたしのこと、『可愛い』って言ってくれる?――)
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 21:16:17.08 ID:8bwQypPeO
みんな! スレタイ検索で「周防」と打つんだ!!
ハルヒ「…Zzz…Zzz…」
キョン「もたれ掛かりながら眠っちまった…。…ハルヒのやつ、最後になんて言ってたんだ…?」
間。
古泉「…それでは今度、みなさんで彼の『ママ』を演じてみると言うのはどうでしょうか」
みくる「わぁ、楽しそうですねぇ」
長門「ユニーク」
古泉「差し詰め長門さんが『きさらぎママ』、朝比奈さんが『むつきママ』、涼宮さんが『さつきママ』で、僕が『やよいママ』でしょうか。おや、『うづきママ』が余ってしまいますね」
みくる「四天王さんなら、鶴屋さんがよく似合うと思います」
古泉「それはナイスなアイディアです。…おや? あれは…」
キョン「なんだみんなして。わざわざこっちの方まで歩いてきたのか?」
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[やば…ここからが本番なのに…眠…] 投稿日:2009/05/19(火) 21:57:53.78 ID:8bwQypPeO
古泉「涼宮さんになにかあったんですか?」
キョン「いいや。ただ徹夜して『シスプリ』してたから眠かったそうだ」
みくる「て、徹夜ですか…」
長門「今朝から兆候はみられていた。けれど貴方の側で眠りにつくのは予想外」
キョン「俺もびっくりしてるところだ」
みくる「……起きそうにないですね」
古泉「仕方ありません、今日はこれでおひらきとしましょうか」
キョン「ハルヒはどうする?」
長門「家まで送るべき」
キョン「誰がだ。古泉頼めるか?」
古泉「………」
みくる「………」
長門「………」
ジィィィィ
キョン「…勘弁してくれ…」
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 22:10:37.85 ID:8bwQypPeO
キョン「………」
ハルヒ「Zzz…Zzz…」
キョン「おぶってタクシーに乗せて、最寄り駅から地図を頼りに家までまたおぶって。…なんでこいつはピクリとも起きないんだ」
ハルヒ「Zzz…おにぃさまぁ…Zzz…」
キョン「ん、なんだ? 咲耶の真似か?」
ハルヒ「Zzz…おにぃさま…かわいぃ…? Zzz…」
キョン「……そうだなぁ、ハルヒが咲耶みたいになったら、そりゃ可愛いかもなぁ…」
ハルヒ「Zzz…ふふ…Zzz…」
キョン「…さて、と、着いたな」
ピンポーン
キョン「さぁ着いたぞハルヒ。」
ハルヒ「Zzz…Zzz…」
キョン「まったく、会話のネタに借りたゲームを徹夜でやって会話出来なくなってどうするんだ」
ハルヒ「…うぅん…Zzz…」
キョン「……また明日、あらためて話そうぜ。ハルヒよ」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ごめんなさい…そろそろ眠……] 投稿日:2009/05/19(火) 22:27:14.93 ID:8bwQypPeO
キョン「で、月曜日の朝」
チュンチュン、チュンチュン
キョン「ふあぁ……」
テクテクテク
長門「………」
キョン「うぉあっ!?」
長門「………」
キョン「な、なんだ長門。こんな朝っぱらから通学路で……待ってたのか?」
長門「…おはようございますでぃえすの」
キョン「……はい?」
長門「――話しがある」
キョン「…なんだ」
長門「涼宮ハルヒによる情報改変が確認された、事態は急を要する。団室にきて」
キョン「お、応」
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/19(火) 22:40:38.43 ID:8bwQypPeO
キョン「で、団室」
長門「………」
キョン「…どうしたんだ、急を要するんだろ? 俺に手伝えることならなんでもする、だから話してくれないか?」
長門「……『妹』が、侵蝕している」
キョン「…なんだって?」
長門「理由はわからない。けれど涼宮ハルヒを中心に貴方に関わる周囲の人間が、『妹化』していっている」
キョン「…なん…だと…?」
長門「わかりやすく説明すると、貴方の周りで『Sister Princess』を知っている人間は、貴方に対して『自分のマイシスター』を演じようとする意識が働く。」
キョン「またわけのわからない状況になってるな…」
長門「この意識は、自我意識を確立させていれば効果が無い。初めから影響対象が曖昧だからと思われる」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>344オチが曖昧なんです…] 投稿日:2009/05/19(火) 22:54:17.50 ID:8bwQypPeO
長門「今回の改変に対して、情報統合思念体は『緊急的に危険な事象ではなく、あえてこの状況を観察することで涼宮ハルヒの変化を見る』と判断」
キョン「…つまり、深刻な何かが起きるまでは傍観するってことか」
長門「そう。しかしこの改変は、『意識』を知っている者と知らない者とでは抵抗力に差違があるという点と、知っている者でも不意に――さっきの私のように無意識に『妹化』してしまう危険性がある」
キョン「結構…可愛かったけどな、ああ言う長門も」
長門「―――」
キョン「…長門?」
長門「……照れちゃいますの…むふん…」
キョン「これは問題だな」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[……みなさん、ごめんなさい……] 投稿日:2009/05/19(火) 23:08:23.76 ID:8bwQypPeO
長門「……だから急を要すると言った」
キョン「(無表情だが…やはり恥ずかしいものなのだろうか)」
長門「情報統合思念体は関与をしない。だからこの事態を変えられる力があるのは、貴方」
キョン「けど…どうすれば事態は治められるんだ。俺には皆目見当もつかんぞ」
長門「私にわかるのは、涼宮ハルヒはこの事態を起こした上で、貴方に何かを望んでいるということくらい」
キョン「俺に?」
長門「この事態は、『貴方の周辺にだけ』起こっている。それは、涼宮ハルヒの願望が貴方に何かを求めている証拠」
キョン「何かって……なんだ…?」
ワーカメー ワーカメー
キョン「――まずいな、HRが始まるぞ」
長門「およそこれ以上、事態が急変することはない。貴方は教室に行き、まずこの情報改変を実感してみるべき」
キョン「谷口たちが急に性格変わってたらみんな疑問に思うぞ?」
長門「思わない。これは、『そう言う改変』」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[明日5時起きで仕事なんですぅ…] 投稿日:2009/05/19(火) 23:30:43.81 ID:8bwQypPeO
キョン「……で、教室。の前」
…ガラララッ
キョン「はよ」
谷口「あ――」
キョン「(谷口が気付きやがった…!)」
谷口「兄チャマ、おはよーっす!!」
キョン「ぶほぁっ…!!」
谷口「ど、どーしましたか兄チャマ。今のくしゃみデスか? 病気デスか?」
キョン「なんでもない、なんでもないから――離れてくれ」
谷口「? へーんな兄チャマデスねー」
キョン「(……これは……なまじ原作が可愛い分、谷口のキモさが、キモさが!)」
谷口「キャハッ! そう言えば兄チャマ、昨日のテレビなんデスけどぉ〜…」
キョン「(おまえ半場友恵さんに泣いて謝れ…!!)」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[…24時間勤務…] 投稿日:2009/05/19(火) 23:54:53.95 ID:8bwQypPeO
キョン「HRはすぐ終わったぞ」
ザワザワザワザワ
キョン「1時限目は自習か……ハルヒのやつ、今朝はまだ来てないが、もしかして何かあったのか…?」
谷口「兄チャマ、モンハンするデス!」
キョン「自習しろ」
谷口「え〜? みんなお喋りしてるデス、みんなセレフォンで遊んでるデスぅ〜、だから兄チャマもモンハンするデスー」
キョン「お喋りのもケータイも、昨今の授業中にはもはや当然的に黙認されてるものだ。けどゲームは違うだろ」
谷口「ブー、兄チャマのケチー」
国木田「……あっ、あの…!」
キョン「ん? どうした国木田」
国木田「……ぽっ」
キョン「―――」
国木田「お二人が楽しそうにお話しされていたので……あの、よろしければ、私も御一緒させていただいてよろしいですか?」
キョン「………」
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[とにかくまず一つ…] 投稿日:2009/05/21(木) 01:37:41.09 ID:jrw84yzdO
(『キョン「誰がシスコンだ、誰が」』の続きです。御注意下さい)
ガラララッ!
ハルヒ「はぁ、はぁ、はぁ」
キョン「(――ハルヒが来た。走ってきたのか、息が上がってるな)」
ハルヒ「…あら、おはようお兄様っ」
キョン「………」
ハルヒ「…? どうかした?」
キョン「い、いや、べつに」
ハルヒ「もしかして…私に見とれてたの?」
キョン「いやそれはない」
ハルヒ「あぁん、もう、お兄様のいけず」
キョン「(……あたま痛いぞ…)」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 01:47:04.37 ID:jrw84yzdO
国木田「兄君さま? やはりお体が優れないのでは…」
谷口「たぁいへんデス! 急いで保健室に連れてくデス!」
キョン「いや、ホントに気にするな。…朝だから、すこし貧血気味なんだよ」
ハルヒ「お兄様…」
キョン「ハルヒ、お前もとにかく席につけって。もう1時限目も終わるぞ」
ハルヒ「…お兄様が、そう言うなら……」
キョン「ほら、谷口と国木田も。結局この1時間、駄弁りで過ごしただけじゃないか」
谷口「てひひ…勉強なんかより、兄チャマと喋ってるほうが楽しいんだもん」
キョン「(谷口に悪気は無い谷口に悪意は無い谷口に悪徳は無い…!!)」
谷口「兄チャマ、チェキよっ!」
キョン「(…これが…『殺意』……いま俺の体には、途方も無いほどの殺意が芽生え――)」
国木田「わ、私も…兄君さまの側に居られるだけで……ぽぽっ」
キョン「(……国木田は許す。国木田は)」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 06:40:33.93 ID:jrw84yzdO
ワーカメー ワーカメー
キョン「なぁハルヒ」
ハルヒ「なにかしら? お兄様」
キョン「…今日は、なんで遅刻したんだ?」
ハルヒ「あ……えっと、そのぉ…」
キョン「これでも心配してたんだぞ。…なにか、他人には言えないようなことでもしてたのか?」
ハルヒ「違…違うわ! 私がお兄様に隠し事だなんて…!!」
…グスグス グスグス…
キョン「(…やばい、なんかしらんが泣きはじめたぞ…!)わ、悪い、そんな変に疑ってたわけじゃなくてだな、お前が独りで危ないことでもしてんじゃないかと心配で、だから…!!」
ハルヒ「……ふふっ、ふふふっ」
キョン「…ハルヒ?」
ハルヒ「お兄様、いまのはウ・ソ・泣・き・よ」
キョン「なんだそりゃ……こっちはかなり真剣だったんだが」
ハルヒ「うふふっ、ごめんなさい。……けどありがとう、心配してくれて。」
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 07:42:29.07 ID:jrw84yzdO
ハルヒ「いまはまだ、遅刻の理由を話すわけにはいかないのだけど……きっとビックリさせてみせるから、お昼休みまでまってて!」
キョン「昼休み? なんでまた」
ハルヒ「んもぅ、お兄様ったら。ムードを楽しみたいからに決まってるじゃない」
キョン「ムード? 楽しむ?」
ワーカメー ワーカメー ワーカメー
谷口「兄チャマっ! 次の授業は体育なのよっ!? この日のために特訓した、谷口のスーパーベリーボールをお見舞いするデスっ!!」
国木田「…谷口ちゃん、今日の体育はお外で持久走じゃありませんか?」
谷口「――ちぇ、チェキイィィィィィィイ!!?」
キョン「(…谷口…それ以上みのるヴォイスでチェキチェキ言うんじゃないっ…!!) 俺の、俺の理性があぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ハルヒ「……、じゃあお兄様、女子はハードル走だから着替えてくるわね」
キョン「あ…まてハルヒ、まだ話しが…!」
ハルヒ「お・た・の・し・みっ! うふふ……お兄様、ラブよっ!」
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[やっと上がりや……] 投稿日:2009/05/21(木) 09:58:28.85 ID:jrw84yzdO
キョン「………」
タッタッタッタッ
(ハルヒ「ラブよっ」)
キョン「……反則だあのバカ」
国木田「――何か仰いました?」
キョン「いや」
タッタッタッタッ
谷口「…ま〜つ〜デ〜スぅ〜……谷口を置いてっちゃ駄ぁ目デス〜」
キョン「いい加減限界だろお前。ただの持久走なんだから、適当にやって適当に引き上げればいいんだよ」
谷口「兄チャマ……兄チャマとトゥゲザーするんデス〜、まだ頑張るデス〜」
キョン「(……本物の『四葉』ならここで一緒に止めてやるが……)」
タッタッタッ…タタタタタタタッ
谷口「あっ…兄チャマ!?」
408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 10:02:23.03 ID:jrw84yzdO
キョン「(誰が谷口とトゥゲザーなぞしてやるか!)」
タタタタタタタッ
谷口「あぁーにぃーチャァーマー……!」
タタタタタタタタタッ!
谷口「――! ――!! ……、」
キョン「(……やっと諦めたか。ふぅ)」
国木田「きゃぁっ! その男らしい駆けかた、戦に向かう武士のように素敵ですわ兄君さまっ!!」
キョン「!?(併走…してる!?)」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 10:41:42.79 ID:jrw84yzdO
キョン「…で、体育終わり。いまは4時限目の始まる5分休みだ」
ワイワイガヤガヤ
キョン「ふぅ…まさか『春木田』があんなに早いとは……」
トボトボトボ
キョン「…疲れた。なんだか凄く教室に戻りたくない。……早退するか?」
(ハルヒ「お昼休みまでまってて!」)
キョン「……あーくそ、4時限目だけサボってハルヒに会えば問題ない、モウマンタイっ」
トボトボ…
キョン「……団室に行くか」
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ごめんなさい] 投稿日:2009/05/21(木) 14:17:18.75 ID:jrw84yzdO
キョン「で、団室の前」
ガチャッ
キョン「別に誰も居ないだr…」
みくる「へ…?」
キョン「え?」
みくる「………」
キョン「………」
みくる「―――」
間。
キョン「すみませんでした」
みくる「い、いえ、わたくしも不注意でしたからお気になさらないでください」
キョン「(…『わたくし』…)たしか今日は、来週の行事のために2年生はみんな休みなはずじゃあないんですか?」
みくる「あ…はい、よくご存じですね」
キョン「この間俺の前でハルヒに説明してたじゃないですか」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 14:29:28.58 ID:jrw84yzdO
みくる「…そうでした、わたくしったらすっかり失念してしまって……」
キョン「なにか忘れ物ですか?」
みくる「いえ、ここに来れば――『兄上様』と巡り会える気がして…」
キョン「………」
みくる「……兄上様? わたくしの顔になにかついていますか?」
キョン「いや…なにも……いつも通りの、(口調意外は)素敵な笑顔です」
みくる「…も、もぅ…からかわないでください…」
キョン「(この分だと、朝比奈さんは『気が付いてない』な。…俺が説明して無理に気づかせるのは……得策じゃないな。あの谷口みたら失神するぞ)」
みくる「あ、兄上様…?」
キョン「はい」
みくる「休みの日にわざわざ押し掛けて…もしかしたらわたくし、兄上様にご迷惑をかけてしまいましたか?」
キョン「そんな、滅相もない」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 14:48:14.57 ID:jrw84yzdO
キョン「(『妹化』の影響でわざわざ逢いにきてくれたのか……休日に学校までくるなんて、本当に『鞠絵』並みの行動じゃないか)」
みくる「……じゃあ、お茶をお煎れしますね。兄上様はどうぞくつろいでいて下さ…」
キョン「朝比奈さん!」
みくる「――は、はい!」
キョン「俺のことはいいですから、朝比奈さんはどうか、自分のために休日を過ごしてください」
みくる「え? なにを言って…わたくしはわたくしの意志で……あ、れ…?」
キョン「(――しまった、選択肢ミスかっ!)」
バタンッ!
キョン「!? …長門!!」
長門「朝比奈みくるのことは私にまかせて、貴方はこの場から立ち去ることを最優先して」
キョン「な…に…?」
長門「……貴方にとっての『脅威』が急速に近付いている。いま逃げないと、貴方は絶望することになる…でぃえすの」
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 14:56:42.12 ID:jrw84yzdO
キョン「次から次へと…なんなんだいったい!」
長門「早く。もう部室棟にまで迫っている」
キョン「お前や朝比奈さんを置いて、俺一人だけ逃げられるかっ!!」
長門「心配いらない。彼が『脅威』になるのは、貴方だけ」
キョン「…お前は、いったい『誰』のことを言ってるんだ?」
長門「――『妹化』した古泉一樹が、貴方を探している。彼の『マイシスター』の特性は運動能力。見つかったら、逃げ切るのは困難」
キョン「長門、朝比奈さんのことは頼んだ。」
長門「はいでぃえすの」
キョン「――それと、今回お前は動きにくいんだろ? …あんまり俺なんかのために苦労しないでくれよな。ありがとう」
…タッタッタッタッ
長門「……むふん」
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 15:32:42.73 ID:jrw84yzdO
キョン「マジでやばいぞマヂでやばいぞ、やばいよやばいよマジデジマ!」
タッタッタッタッ
キョン「(『妹化』…それはつまり、みんながみんな、この情報改変の被害者であるこの俺に、『妹として』好意を持ってるってことだ)」
タッタッタッタッ
キョン「(ただでさえ谷口があんなにキモいのに、この上古泉だと…!? 逢いたくない会いたくない! 頼むから俺の『Sister Princess』を汚さないでくれっ…!!)」
タッタッタッ…
キョン「うぉ!」
ドカンッ!
キョン「いててて……悪い、大丈夫かアン、タ――」
古泉「……兄ぃ…?」
キョン「(あ、死んだ)」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[もはや言い訳すら見苦しい…] 投稿日:2009/05/21(木) 16:47:35.40 ID:jrw84yzdO
古泉「――あにぃ! 探したよっ!」
ガバッ!
キョン「俺は逃げていたよ!」
ズサッ!
古泉「一緒に!」
ガバッ!
古泉「マラソン!」
ガバッ!
古泉「しよっ!」
ガバババッ!
キョン「寄るな!」
ズサッ!
キョン「近付くな!」
ズサッ!
キョン「抱きつこうとするな!」
ズサササッ!
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 16:53:41.09 ID:jrw84yzdO
キョン「はぁ、はぁ、はぁ…」
古泉「どうしたの? …あにぃ、ボクのこと嫌いになったのかな……」
キョン「『衛』は好きだ! しかし貴様は『衛』を騙る(いや、そもそも偽者ですらないが)……悪だ!!」
古泉「―――」
ポロ…ポロポロポロ…
古泉「そ…そっか、そうだね、ボクみたいなやつ、気持ち悪いだけ…だもんね。…ごめ…ごめんね、あにぃの気持ちも気づかないで……ボク…」
キョン「………(俺って冷めた男だな……本物の『衛』にこんな風に泣かれたら切腹して詫びるが、古泉が相手だと感情が死んでいる)」
古泉「あにぃ…あにぃ…あにぃ…!!」
キョン「(男から『あにぃ』って呼ばれるとデビルマンを思い出すな)」
古泉「ごめんなさい…ボク謝るから……ダメなとこ全部なおすから……嫌わないで……」
キョン「………」
452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 17:13:01.94 ID:jrw84yzdO
古泉「ヒック…ヒック…」
キョン「(……古泉自身にも悪気が有るわけじゃないんだよな……と言うか今回の情報改変は、『妹化した側』の方が被害者なわけで……今更になって酷い罪悪感が…)」
古泉「……ボク、いくね。…もともと、あにぃの様子が心配で探してただけだから…」
キョン「ちょっとまて古泉」
ガシッ
古泉「……あ…にぃ…?」
キョン「落ち着いて、深呼吸して、そしたら団室にいけ。そこに長門が居るはずだから、俺に来るように言われたと伝えるんだ。…きっと長門は、『お前』を『お前』にしてくれる」
古泉「どういう…こと…?」
キョン「いいから行くんだ。……あにぃからのお願いだ…」
古泉「――うん! いってくるね!」
キョン「(うぅん、古泉の『マイシス』が『鈴凛』でなくて本当によかった…)」
古泉「…あにぃ、大好きっ!!」
ギュウゥゥゥゥゥ…!
キョン「―――!(あ、死んだ)」
456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 17:29:25.93 ID:jrw84yzdO
キョン「……で、古泉とわかれて昇降口近く」
フラフラ…フラフラ…
キョン「まずい…朝から疲労が増加する一方だ……」
フラフラ…フラフラ…
キョン「特に最後の……『古泉づくし』は精神的ダメージが……おぅえぅえぉ……」
フラフラ…ピタッ
キョン「……帰ろうかな」
(長門「涼宮ハルヒは貴方になにかを望んでいる」)
(ハルヒ「お昼休みまでまってて」)
キョン「……そう言うわけにもいかない…よな…」
鶴屋さん「あっれー? キョンくんじゃないのさ、どうしたのかなっ? 授業中にこんなトコで」
キョン「鶴屋さん……も来てたんですか…」
鶴屋さん「おっとぉ、その反応はみくるともう会ってるね? いやさぁ、みくると遊ぶ約束してたんだけど、『学校でキョンくんと話しがある』って待たされててねーっ」
キョン「(……『鞠絵』である朝比奈さんの友達で、こうして待たされている鶴屋さん……ミカエルのポジション?)」
463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 18:25:19.43 ID:jrw84yzdO
鶴屋さん「そんでキョンくんはどっしたのかな? サボりかい?」
キョン「朝からドタバタしていて疲れたから、いっそこのまま帰ってしまおうかと考えていただけですよ」
鶴屋さん「あっはっはっは! そりゃあよかった、あたしは大事な後輩が無断で早退だなんてワルっぽいことをするのをものの見事に阻止したわけだね!」
キョン「ははは…」
鶴屋さん「…キョンくん大事かい? 顔色が真っ青だよ」
キョン「大丈夫ですよ(…頭痛がする……鶴屋さんと普通に接することに疲れた頭がついていかない…)」
鶴屋さん「熱でもあるのかい? だったら引き止めてごめんよ、はやく帰って休んだほうがいいさっ」
キョン「いえいえ、本当に大丈夫ですから。少し寝不足で貧血気味なだけです(…ん? 今朝もこんな言い訳したな俺)」
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 18:38:24.62 ID:jrw84yzdO
鶴屋さん「寝不足? そう言えばみくるも今朝そんなこといってたねぇ」
キョン「……朝比奈さん、帰ったあとも『シスプリ』やってたのか…」
鶴屋さん「んっ? 『シスプリ』?」
キョン「あ、いえ、ゲームの話しでs」
鶴屋さん「なんだいなんだい? キョンくん『シスプリ』しってるのかい? ――いやぁ奇遇だねぇっ、あたし電撃関係大好きなのさっ!!」
キョン「……へ?」
鶴屋さん「『G’smagazine』もね、『双恋』の連載が終わるまでは買ってたよ! リニューアルしてからは切ったけどねっ!」
キョン「じゃ、じゃあ…(やめろ俺。これ以上聞いちゃいけない、話しちゃいけない! 鶴屋さんの意識を『アレ』に向けさせたら…!)『HAPPY☆LESSON』とか『Strawberry Panic』とかは…?」
鶴屋さん「知ってる知ってる、もちのろんだよキョンくんっ! ……そっかぁ、まさかキョンくんが同じ『お兄ちゃん仲間』だったな…ん……て…?」
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 19:06:49.18 ID:jrw84yzdO
キョン「(あー、俺のバカー。この流れだと『マイシスター』さえ思い出さなければスルーできたのに、つい無駄なオタクソウルに火がついちまったー…)」
鶴屋さん「っ…にょ…ろ…? なに、かが…頭の中に――キョンく、助け……!」
ガクッ
キョン「――鶴屋さん!!」
鶴屋さん「………」
キョン「鶴屋さん、鶴屋さんっ!」
鶴屋さん「うぅ…ん……」
キョン「(よかった、意識ははっきりしてるみたいだ)大丈夫ですか? どこか痛かったりするようなら保健室に――」
鶴屋さん「……『お兄ちゃま』…」
キョン「意外性No.1です鶴屋さん」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/21(木) 19:13:27.98 ID:jrw84yzdO
キョン「(まさか鶴屋さんが『花穂』とは……面倒見のいい人だし、放っておけなかったりしたのかな)」
鶴屋さん「ちゅる(※一人称と言うことにしておいてください)、なんでこんなところに居るの…? …お兄ちゃまぁ。ちゅる、なにかお兄ちゃま迷惑かけちゃったのかなぁ」
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[書きかけを投下してもうた…] 投稿日:2009/05/21(木) 19:24:14.03 ID:jrw84yzdO
キョン「……そんなことはないですよ。俺と同じで、ちょっと貧血おこしただけだと思います」
鶴屋さん「…本当に?」
キョン「本当に」
鶴屋さん「……よかったぁ。お兄ちゃまに迷惑かけちゃったりしたら『ちゅる』、申しわけなくって泣いちゃうよぅ…」
キョン「(…見た目が違いすぎて『花穂』っぽくはないけど、こういう鶴屋さんもかなり可愛いな…)そんなに気にしなくていいですから。それより鶴屋さん、朝比奈さんを探そうとしてたんですよね?」
鶴屋さん「あっ、そうなの。帰りが遅いから心配になっちゃって…」
キョン「多分、SOS団の部屋にいると思いますよ。さっき会いましたから」
鶴屋さん「ほんとう? お兄ちゃま、どうもありがとうっ」
キョン「いえ。転ばないように気をつけてください」
鶴屋さん「うん! じゃあお兄ちゃま、バイバー…きゃあぁっ!」
コケッ!
キョン「(ドジっこスキル…!!)」
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>492朝倉さんは故人です…] 投稿日:2009/05/21(木) 19:43:11.19 ID:jrw84yzdO
鶴屋さん「いたた…」
キョン「大丈夫ですか鶴屋さん。盛大にコケてましたけど…」
鶴屋さん「うんっ、思ったよりも痛くないの、だから大丈夫だよお兄ちゃま」
キョン「(というか、いま思い切り受け身してたよな。…体が覚えてる技術か…)」
鶴屋さん「お兄ちゃま…」
キョン「はい?」
鶴屋さん「こんなドジな『ちゅる』だけど、『ちゅる』のこと……見捨てないで」
キョン「――誰が見捨てますか誰がっ…!」
ギュウゥッ
鶴屋さん「きゃあぁっ! …おおお、お兄ちゃまっ!?」
キョン「あ…と、と……す、すみません。体が勝手に……」
鶴屋さん「う、ううん、急だからびっくりしちゃったけど、『ちゅる』、お兄ちゃまなら……」
キョン「――すみません!! 本っ当にすみません!! 失礼しますっ!!」
ダダダダダダッ
880 名前:くーちゃん万歳! 万々歳!![sage] 投稿日:2009/05/23(土) 02:52:19.18 ID:xX2zq+0lO
キョン「はぁ…はぁ……いきなり抱きつくとか変態か俺はっ!」
ゴツンッ
キョン「……立派に変態か…」
…ゴツンゴツンゴツンゴツン
キョン「さて、と。もうすぐ4時限目が終わるな……終わってから教室行けばいいか」
ワーカメー ワーカメー
キョン「…よしっ」
ガララララッ
ハルヒ「――お兄さm」
谷口「いやあぁん! 兄チャマだ兄チャマだっ! いったいドコに隠れてたんデスかぁ!? 谷口、危うく『怪盗ミノールー』に捜索依頼を出してしまうところだったデス!!」
ギュウゥゥゥゥゥ!
キョン「うわぁ…」
884 名前:合間合間に全力で…![sage] 投稿日:2009/05/23(土) 03:46:36.88 ID:xX2zq+0lO
国木田「た、谷口ちゃん! こんな人前でそんなはしたないこと…!」
谷口「ハシタなくなんてないデスぅー、谷口にはこれがフツーデスー」
キョン「(こいつは古泉以上にやっかいな存在だということに気が付いた。…遅ぇよ俺っ!!)」
国木田「わ、わたくしだって、兄君さまと…その……してみたいですのに……ぽっ」
キョン「(なんだその照れ方。なにを想像してますか国木田くんよ)」
ハルヒ「………」
キョン「ハ、ハルヒ……」
ハルヒ「…心配したのに」
プルプル
ハルヒ「急にいなくなったから、気分が悪いんじゃないかとか、ケガしたんじゃないかとか、心配してたのに……」
ポロ…ポロ…
ハルヒ「も…もしかして…私との約束がイヤになって帰っちゃったのかなって…すごく……不安だったのに……」
キョン「ちょ、ちょっとダルかったから保健室で休んでただけだって…」
ハルヒ「――言い訳なんか聞きたくない! 死んじゃえバカキョンっ!!」
ダダダダダダッ
888 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 04:58:17.45 ID:xX2zq+0lO
キョン「なんなんだよいったい…」
長門「涼宮ハルヒが望んでいることが解った」
キョン「――うぉあ!!」
長門「………」
キョン「頼むから急に後ろから声かけないでくれ…心臓にわるい」
長門「心外でぃえすの」
キョン「それよりどうした長門。朝比奈さんや古泉のことを一方的に任せた俺の言えることじゃないが、2人とも放って大丈夫なのか?」
長門「朝比奈みくるは事態を把握した直後に泣き出した。理由は部屋で行った貴方への言動が恥ずかしかったため。」
キョン「(朝比奈さんならそうなるか…)」
長門「古泉一樹は事態を説明した直後に顔色から血の気が失せて、突然便箋に『エリエリレマサバクタニ』と言う文字を黙々と書き始めた。」
キョン「(古泉……)」
長門「朝比奈みくるを迎えにきた『鶴屋さん』には説明していない。一般人である彼女には必要無いと判断した。このままなら、事態が収束した際に今回の改変に関する『異常』は忘れられる」
キョン「ああ……長門、その判断は間違ってないぞ」
891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 06:19:59.86 ID:xX2zq+0lO
キョン「それで、ハルヒの望んでいることってなんなんだ」
長門「教えられない」
キョン「……うん?」
長門「涼宮ハルヒがそれを望んでいない」
キョン「……『望んでいることを教えられること』を望んでいない?」
長門「そう」
キョン「………」
長門「………」
キョン「…ここに来たのには理由があるんだろう?」
長門「アドバイス」
キョン「アドバイス?」
長門「涼宮ハルヒを追いかけて」
キョン「……いまからか?」
長門「屋上にいる」
キョン「…ウィッサー」
892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 06:33:19.69 ID:xX2zq+0lO
長門「………」
ガチャッ
みくる「ふえぇぇ…恥ずかしくて死んじゃいそうですぅ…」
グスグス
鶴屋さん「みくるちゃん、大丈夫? 元気が出ないなら、『ちゅる』が応援してあげる! フレーっ、フレーっ、みっくるっちゃまっ!!」
パタパタ
みくる「ううぅ…鶴屋さぁん…!!」
古泉「……ぼくは…ぼくはなんて事を…!!」
カキカキカキ
長門「………」
ジイィィィ
長門「この情報改変は、SOS団員に浅くはない『精神的外傷(トラウマ)』を生み出す事になった模様」
グスグス パタパタ カキカキカキ
長門「……ユニーク」
898 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/23(土) 09:48:10.42 ID:xX2zq+0lO
キョン「(で、屋上)」
ハルヒ「………」
キョン「なにしてるんだ、そんなスミに座り込んで。…パンツ見えてるぞ」
ハルヒ「……お兄様になら見られてもいいもん」
キョン「(まだ『お兄様』なのか…)」
(長門「貴方がするべきなのは、涼宮ハルヒを満足させること」)
(キョン「満足って……欲望底無しのハルヒをか?」)
(長門「『この改変』は何のために行われているのか、それが重要」)
(キョン「……俺に、何かを求めている…?」)
(長門「そう。最初に言ったように、この改変の中心に居るのは貴方。つまり涼宮ハルヒは、貴方に何かを望んでいる」)
(キョン「いったいなんだって言うんだ……大好きな『シスプリ』を貸したことがそんなに駄目なことだったのか…?」)
(長門「……何故、」)
(キョン「ん?」)
(長門「何故この改変の影響が涼宮ハルヒ『本人にまで』及んでいるのか、私には答えを推測する事もできない。…もしかすれば、『それ』が答えに繋がるのかも知れない」)
901 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 10:17:08.97 ID:xX2zq+0lO
(キョン「……俺はどうすればいい?」)
(長門「一時的な感情の爆発によってではなく、普段の彼女に、『キョン』と呼んでもらえばいい。貴方は『ハルヒ』で、彼女は『キョン』、この呼び合いかたを、決して忘れないで」)
キョン「……パンツって、なにをバカなこと言ってるんだ」
ハルヒ「――バ、バカなことってなに!?」
キョン「他人に、しかも男にパンツをわざわざ見せる女のことだが」
ハルヒ「こっ…これはミセパンよっ。ファッションなんだからっ!」
キョン「男のドキドキイベントをファッションで片付けるとは、理解に苦しむぞ」
ハルヒ「わ、私のパンツはお兄様だけのなのっ!」
キョン「………」
ハルヒ「ううぅ〜」
キョン「……ハルヒさんや」
ハルヒ「……なぁに、お兄様」
キョン「俺が昼休みに呼び出されたワケったなんだったんだ?」
940 名前:仕事あけてそのまま爆睡とか……[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 18:58:40.97 ID:xX2zq+0lO
ハルヒ「あぁああの、あの……ぉ弁当…」
キョン「アドベント?」
ハルヒ「――お弁当! お兄様に食べてほしくて、つくってきたの!!」
キョン「……マヂで?」
ハルヒ「……お兄様の好きなものがわからなかったから…色々まよって、遅刻しちゃったけど」
キョン「(そう言えば『咲耶』のイベントにあったなそう言うの…)」
ハルヒ「でもお兄様ったら、お友達とばっかりお話して、私には見向きもくれないんだもの……嫉妬しちゃうわ」
キョン「いや、アレを俺が谷口を構っているように見えたのならそれは幻覚だ」
ハルヒ「……けど、楽しそうだったわ」
キョン「頼むから……あんな谷口と話してるくらいなら、お前と話してたほうが全然楽しいぞ(谷口のキモさ的な意味で)」
942 名前:せめて区切りよく…![sage] 投稿日:2009/05/23(土) 19:11:44.39 ID:xX2zq+0lO
ハルヒ「……はい」
キョン「応?」
ハルヒ「お弁当……食べたくない…?」
キョン「…いや、ありがたくご馳走になります」
ハルヒ「…ど、どうかしら? 甘い卵焼きを作るのに、ただの砂糖じゃかわり映えしないからハチミツを使ってみたのっ」
キョン「――カハッ…」
ハルヒ「鳥の照り焼きも、ひと工夫してして直火で焼いてあるわっ。…ちょっと、焦げちゃったけど」
キョン「…モサモサモサモサ…」
ハルヒ「その煮物はね? 里芋と人参と蓮根、それに牛蒡を昨日のうちに煮付けておいたの」
キョン「(これならさすがに…)」
パクッ
ハルヒ「疲れがとれるように、レモン汁でっ」
キョン「…なん……だと…?」
943 名前:書けば書くほど駄作が屑作に…[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 19:25:11.31 ID:xX2zq+0lO
キョン「……ふぅ」
ハルヒ「お弁当…おいしくなかったかしら…」
キョン「いや、美味かったぞ」
ハルヒ「うそっ!」
キョン「信じてくれないなら、それでもいいが」
ハルヒ「……そう言う言い方ってズルいわ…」
キョン「………」
ハルヒ「………」
ワーカメー ワーカメー
キョン「……昼休み終わったな」
ハルヒ「………」
キョン「……教室、戻らないのか?」
ハルヒ「…お兄様」
キョン「ん?」
ハルヒ「もっと…寄ってもいい?」
キョン「……好きにしろ」
946 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 19:40:19.04 ID:xX2zq+0lO
ハルヒ「ありがとう」
ムギュッ
キョン「近い近い近い」
ハルヒ「…こうしないと、お兄様の温もりが伝わってこないんだもの…」
ムギュムギュ
キョン「………」
ハルヒ「……お兄様?」
キョン「ななな、なんですか」
ハルヒ「私のこと……好き?」
キョン「――なん、だって?」
ハルヒ「私、『お兄様』のためだったらなんでもするわ? 毎日お弁当作ってくるし、勉強も私が教えてあげる!
キョン「(待て。まてマテ待てまて待て!)」
ハルヒ「将来働かなくても私が養ってあげるし、それに……抑え切れなくなったら…私が……処理、してあげるから……」
キョン「(ハルヒはなにを言ってる? 養う? 誰を? 処理する? 何を!?)」
ハルヒ「ねぇ、私のこと好き…? はっきりと、『お兄様』の口から聞きたいの! ねぇ『お兄様』、『お兄様』、『お兄様』っ!!」
948 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 20:01:03.85 ID:xX2zq+0lO
パンッ!
ハルヒ「……あ?」
キョン「落ち着け。頼むから」
ハルヒ「『お兄様』…」
キョン「俺をそう呼ぶのは止めろ。……『ソレ』はハルヒじゃない」
ハルヒ「え…? …お、『お兄様』は『お兄様』じゃない! どうして急にそんなことを言うのっ!?」
キョン「俺は、お前の『お兄様』じゃないんだよ。…いまさらだけど、な…」
ハルヒ「な、なにを言ってるの…? 私は…私は妹よ!! 『キョン』の妹!!」
キョン「(――!!)」
ハルヒ「『キョン』は『妹』好きじゃない! 『妹』の話ししてると楽しそうにしてたじゃない!! だから、『妹』なら…あたしが『妹』になったら――!!」
キョン「っ…ハルヒ!」
ガシッ
ハルヒ「…グスッ…あたしのこと、好きになってくれると…グスッ…おもったんじゃない……」
949 名前:駆け足気味。なんか本当に色々とごめんなさい[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 20:13:56.93 ID:xX2zq+0lO
キョン「……俺って、そんなに『妹』好きに見えてるのか?」
ハルヒ「グスッ…見えてるのかじゃなくて……正真正銘、真性の妹好きじゃない…このシスコンっ…!!」
キョン「誰がシスコンだ、誰が」
ハルヒ「……あたし、なにやってたんだろ」
キョン「俺に好かれようとしてたんじゃないのか?」
ハルヒ「バッ…バカなこと言わないでよ!! なんでこのあたしが、あんたなんかに、わざわざ好かれなくっちゃいけないのよ!!」
キョン「いや、いまさっき自分で言ってただろ」
ハルヒ「あ、あれは……あたしの事が好きなクセに、素直になれない可哀想なあんたをその気にさせるためだってことよ!」
952 名前:飯ダタヨ…[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 21:19:32.55 ID:xX2zq+0lO
キョン「…ははは、はははははっ!」
ハルヒ「ちょ…なに笑ってんのよ!!」
キョン「はははっ! …いや、『ハルヒ』っぽいなと思ってな」
ハルヒ「はぁ?」
キョン「『妹』っぽいハルヒも…正直、かなり可愛いかった。これは本当だ」
ハルヒ「……ははは、はあぁ!?」
キョン「だけど…そうだな、やっぱり『ハルヒ』は『ハルヒ』なのが一番だよな」
ハルヒ「ちょっと…どう言う意味よ、それ」
キョン「ん、遠回しに言ったんじゃ伝わらないか……」
ハルヒ「なによ!」
キョン「『ハルヒは可愛い』って言ったんだよ」
954 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 21:40:22.03 ID:xX2zq+0lO
…チュンチュン、チュンチュン…
キョン「……ぐはっ!?」
ドスンドスン
キョンの妹「キョンくーん、朝だよーっ!」
ドスンドスン
キョン「………」
間。
キョン「今日は月曜日……ってことは、アレは夢だったのか?」
ワイワイガヤガヤ
キョン「…夢だとここで長門にあったんだよな…」
キョロキョロ
キョン「……やっぱいないか」
間。
ガララララッ
キョン「はよ」
谷口「おーぅっす」
国木田「おはよう、キョン」
キョン「よぅ怪盗ミノールー」
谷口「はぁ?」
キョン「いや、なんでもないよ。……ハルヒはまだ来てないのか」
谷口「なんだなんだぁ? 登校そうそうに涼宮の心配とは、お前らよっぽど仲が良」
国木田「ねぇキョン、僕もこの間、谷口から『シスプリ』を借りてやってみたんだけど、あの春歌っていう…」
キョン「(…まさか…な)」
956 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 21:48:33.93 ID:xX2zq+0lO
ガララララッ
ハルヒ「はぁ、はぁ…」
谷口「おっ、噂の彼女のご登場だヘブッ」
キョン「………」
ハルヒ「はぁ、はぁ……なによ」
キョン「遅かったな。もう1時限目終わって、次体育だぞ。」
ハルヒ「わ、わかってるわよっ!」
キョン「………」
間。
キョン「…なんか4時限目に出る気がしないな。なんとなく」
ガチャッ
キョン「団室で適当に…」
みくる「ふぇっ?」
キョン「………」
みくる「………」
キョン「……すみません」
パタンッ
みくる『―――』
キョン「すみませんすみません!」
957 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 21:53:47.67 ID:xX2zq+0lO
キョン「………」
みくる「………」
キョン「……(きまずい…)」
みくる「あの……キョンくん」
キョン「は、はい」
みくる「今回のこと…あたしの、ココでのことは、忘れてくださいっ!」
キョン「忘れ……てないんですか?」
みくる「…長門さんから説明を受けて自我意識を確立させてわたしと古泉くんは、今回のことはちゃんと覚えるんです。キョンのお友達や鶴屋さんは忘れていますけど」
キョン「(古泉に逢いたくない……)」
958 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:03:48.73 ID:xX2zq+0lO
キョン「それじゃあ、失礼します。」
みくる「はぁい」
パタンッ
キョン「……朝比奈さん、今のを伝えるためだけに来てくれたのか……休みのはずなのに……服着替えてお茶まで煎れてくれて…」
長門「事態は完全に収束した」
キョン「うおぁっ!?」
長門「………」
キョン「だから後ろから急に…」
長門「わざと」
キョン「は?」
長門「ただの説明キャラで終わっていく自分の、ささやかな主張」
キョン「長門……」
長門「――事態は完全に収束した。時間は戻り、ほんの一部を残して世界は正常に再稼働を始めた」
キョン「そう、か…」
長門「ただ、今後の涼宮ハルヒの行動には注意すべき。いつなにが確認されるか、気が付いたときには遅い時もある」
キョン「ああ、わかった」
959 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:09:42.55 ID:xX2zq+0lO
キョン「(この曲がり角で…)」
古泉「おや」
キョン「よう」
古泉「今回の件…僕は謝罪するしかできません。仕方の無いこととはいえ、あの様な暴挙に出てしまうなんて……暴挙…暴挙……くっ!」
キョン「お、おいおい、そんなに自分を責めるなよ。…みんながみんな被害者だったんだ、それがわかっただけで充分だと思うぞ、俺は」
古泉「……優しいですね」
キョン「おっと、だからと言ってだきつくのは勘弁してくれよな?」
古泉「善処しますよ。…ふふふっ」
キョン「ははは」
961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:28:06.87 ID:xX2zq+0lO
キョン「ふぅ…なんだかゲームのイベントを淡々と回収してる気分だ」
鶴屋さん「おっやキョンくんじゃないのさ! どーしたのかな? サボりかい?」
キョン「いえ、鶴屋さんに逢いにきました」
鶴屋さん「……ほぇ?」
キョン「みくるさんとはもう逢いましたから、もうすぐ戻ってくると思いますよ。」
鶴屋さん「そ、そうかい? そりゃ良かった…けど……キョンくん、熱でもあるんじゃないかな?」
キョン「いえ、問題ないですよ」
鶴屋さん「それならいいけど……」
ドックン、ドックン、ドックン…
キョン「…鶴屋さんこそがだんだんと顔が赤くなって」
鶴屋さん「ななな、なんでもないっさ! べつに決してキョンくんにギュッてされたくなってたりするわけじゃないよっ!!」
キョン「そうなんですか。……よかったらしましょうか?」
鶴屋さん「大丈夫大丈夫大丈夫ーっ!!」
964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:36:34.55 ID:xX2zq+0lO
キョン「これであとは……」
ワーカメー ワーカメー ワーカメー
キョン「…あそこだな」
間。
ガチャッ
ハルヒ「………」
キョン「…どうしたんだ? そんなところで座り込んだりして。パンツみえるぞ」
ハルヒ「キョン…? ――うわ、ちょっ…ちょちょちょ、見るなぁ!!」
キョン「いや、見えてないけどな」
ハルヒ「……な、なんの用よ。授業サボったりしてたから保健室にでも行ってるのかと思ったわ」
キョン「ただのサボりだ。意味は無いさ」
ハルヒ「…わけわかんない」
キョン「……あーぁ、きょうはひるめしわすれて、たべるものがなんにもないんだよなーっ」
ハルヒ「…!?」
キョン「はらへったなー、だれかたべるものくれないかなーっと」
965 名前:>>963焦って寝惚けて切腹ものの失態[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:46:45.68 ID:xX2zq+0lO
ハルヒ「……ん」
ズィッ
キョン「…なんだよ」
ハルヒ「お昼ないんでしょ? だったらあげるわよ。」
キョン「本当か?」
ハルヒ「要らないならあげないわよ」
キョン「ありがたくご馳走になります」
ハルヒ「勘違いしないでよね、仮にも神聖なるSOS団のメンバーであるあんたに、物乞いなんかされたら困るから、分けてあげるだけなんだからっ」
キョン「応」
966 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 22:48:02.65 ID:xX2zq+0lO
キョン「(……2度目は耐性ついたかとおもったが……やはりキツい…!!)」
ハルヒ「………」
キョン「ん?」
ハルヒ「――た、食べ終わったならさっさと箱返しなさいよねっ、ノロマ!」
キョン「あぁ、悪い」
ハルヒ「………」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「……なによ」
キョン「美味かった。ありがとうな」
ハルヒ「……ふんっ」
970 名前:epilogue[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:02:20.37 ID:xX2zq+0lO
キョン「で、放課後」
古泉「いいですか、『ストパニ』は雑誌掲載当初、『渚沙』、『光莉』、『絆奈』は姉妹と言う設定でですね、女子学校に入学した不安をお兄ちゃん、つまりは読者プレイヤーに相談する、と言う企画で…」
長門「『夜々ちゃん可愛いよ夜々ちゃん』と私に『Strawberry Panic』を勧めてきた友人の言葉は鬼気迫るものだったと…」
みくる「『ストパニ』ってなんですかぁ?」
鶴屋さん「アニメの『源千華留』は個人的にかなり気に入ってるにょろ!」
ハルヒ「………」
キョン「………」
ハルヒ「…あんたのせいで神聖なSOS団すっかりオタクに染まっちゃったわ」
キョン「俺のせいか」
ハルヒ「罰として今後『シスプリ』の話しをするのは禁止。文句は受け付けないから」
キョン「……なぁハルヒ、『Baby Princess』って知ってるか…?」
E N D
975 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:21:03.31 ID:xX2zq+0lO
うわああぁぁぁあああぁあぁぁあぁぁぁぁん!!
くーちゃんごめんよくーちゃんごめんね!こんな粗末な文章載っけてくーちゃんの品位落としちゃってごめんね!
くーちゃん可愛いよくーちゃんはあああくーちゃああぁぁぁあぁぁん!!!
……と狂ったふりをしてみましたが、
くーちゃんへの愛は確実なものです
どうも本当に粗末な文章ですみませんでした
仕事しながら書いてたせいでスレ落とすわ続き遅れるわで、ちゃんと書けないならハナから書くなって話しです。はい、本当にすみませんでした。
本当に、本当に、保守してくれた皆様、支援してくれた皆様、ありがとうございます。
最後に精一杯の誠意を、愛すべき>>1さんとくーちゃんに向けて。