キョン「今度は異世界人ってか…」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:03:31.82 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「どうしたのよキョン?しかめっ面して」
ハルヒ「何か変な事でもあったの?」

キョン「いや、別に変って程じゃないかもしれんが…違和感がだな…」

ハルヒ「…?何なの?」

キョン「ハルヒ、お前口調がおかしくないか?」

ハルヒ「え?私が?そんな事ないと思うけど…」

キョン(いつものハルヒならここで怒ったりするはずなんだが…)

ハルヒ「もう、キョンったら、そんなしかめっ面してると、せっかくのハンサムが台無しだぞっ」

キョン「」ゾワワ

ハルヒ「ま、私としてはキョンが誰にも取られなくて済む方が良いけどさ」

キョン「ちょっと待て、なんだこの罰ゲームは」

ハルヒ「罰ゲーム?…ふふっ変なキョン君」クス

キョン「」

ハルヒ「具合悪いなら今日の団活、やめよっか?」

キョン「…今、俺の事…なんて呼んだ?」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:04:46.67 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「へ?別に『キョン』でも『キョン君』でもいいじゃない、そのときの気分で」

キョン「なにそれこわい」

ハルヒ「あ、みくるちゃん、ちょっと話があるんだけど」

みくる「ふぇ?な、なんですか…?」

ハルヒ「面倒だったらもうメイド服着なくてもいいわよ?」

みくる「え…?涼宮さん?」

ハルヒ「今まで無理に押し付けてた気がするの、ごめんね」

みくる「い…いえいえ!そんな事ないですぅ…それに、部室ではもうこの格好に慣れてしまいましたから」

ハルヒ「そう…?ならいいけど…あ、そうだ、みくるちゃんちょっとこの後付き合ってくれない?」

みくる「え、え、な、何ですかぁ?」

ハルヒ「ささ、早く制服に着替えて! 今日の団活はこれで終了!お疲れ様〜、じゃねーっ!」



キョン「おい、古泉」

古泉「ええ、確かにおかしいですね」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:06:51.39 ID:lItbPAnpP

キョン「ただ上機嫌なだけって感じじゃなさそうだな…」

古泉「そうですね、明らかに異常です。それに閉鎖空間も発生してないようです」

キョン「…長門、どうなんだ?」

長門「大規模な情報改変の残滓を検地した」

キョン「今度は一体誰が…」

長門「今のところはまだ不明。余波が徐々に広がっている」

キョン「何とかならないのか」

長門「…」

古泉「これはこれは、世界構築というのは徐々に起こるものなのですか?」

長門「…」

古泉「前に一度涼宮さんも起こしていましたが、徐々にというよりもいきなりでしたよ」
古泉「つまりこれは…」

長門「…エラー、あなたに賭ける」

キョン「長門…?」

心なしか、長門が少し微笑んだように見えた

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:08:49.09 ID:lItbPAnpP

キョン「おい、長門!?しっかりしろ!!」

長門「…あ、あの…///」

キョン「」

古泉「おやおや、これはこれは」

キョン「おい古泉、そんな悠長にしてる場合じゃないだろう」

古泉「ええわかってます、長門さんでさえ対処できないというのなら尚更ですね」

キョン「なぁ、さっきお前が言いかけた言葉は何だ」

古泉「…まず、貴方は平行世界というのを信じますか?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:10:32.17 ID:lItbPAnpP

キョン「パラレルワールドってヤツか?あるのか?」

古泉「あるかどうかはわかりません、が、あると仮定しましょう」
古泉「端的に言うとその平行世界と僕たちが生活する世界が、何故か交わってしまったという、そんな感じがします」

キョン(平行世界…?ちょっと待てよ…)

古泉「お互い同化してるのでしょうか、それとも何者かの仕業なのでしょうか」

キョン「今度は異世界人ってか…」

古泉「なるほど、その可能性もありますね…話は戻しますが、貴方はパラレルワールドというものを信じますか?」
古泉「僕の私的意見を申し添えておきますと、存在してほしいものですね」

キョン「何を言ってるんだお前は」

古泉「ええ、確かに今言うべき事ではありませんでしたね…ですが僕はそちらの方が楽しいと思いますよ?」ふぅ…
古泉「被害が僕たちに及ばないという保障はありません、その前に解決したいものですね」

キョン「…だな、お前のニヤケ面がこれほど頼もしく思えるとはな」

古泉「…いえ、今回はそんな余裕はないですよ」
古泉「一応『機関』に連絡を取ってみます。貴方はご家族の心配を」

キョン「………」

古泉「一旦解散して帰りましょう、ではまた明日」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:11:35.97 ID:lItbPAnpP

―――キョン宅

キョン妹「お帰りキョンくん!」

キョン(良かった、まだ我が妹は無事のようだな…しかしなんでこんなことに)

キョン妹「今日お母さんたちいないんだってー、だから私が晩御飯つくるねー」

キョン「おう、頼む」


キョン「…ん?」


キョン妹「はいキョンくんあーん」

キョン「せんでいいわ!」

キョン妹「えー?キョンくんのいけずぅー」

キョン「お前そういうのどこで覚えてくるんだよ…」パク
キョン「……うめぇ」

キョン妹「わーいキョン君に褒められたー!」

キョン「これ、本当にお前が作ったのか?」

キョン妹「うん、キョン君も見てたでしょー?」

キョン「バカな…」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 01:12:47.39 ID:lItbPAnpP

食い終わって部屋にて

キョン「…わからん」

キョン妹「キョンくーん、入ってもいい?」コンコン

キョン「!?あ、ああ…」

キョン妹「えへー、今日お母さんたちいないから寂しくて!おいでシャミー」

キョン(あり得ん、ウチの妹がノックをするなどあり得ん)

キョン妹「ん?キョン君大丈夫?具合悪いの?」ピト

キョン「誰だお前は」

キョン妹「またそうやってひどいこと言うー、ひどいねーシャミー?」

キョン「何なんだ…俺が一体何をしたって言うんだ…」

キョン妹「具合悪いなら早く寝た方がいいね…?じゃあおやすみ、キョン君」ガチャ パタパタ

キョン「何と言う事だ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:15:31.36 ID:lItbPAnpP

トゥルルルルル トゥルルルルル ガチャ
キョン「(古泉…?)もしもし、どうした」

古泉「…緊急事態が発生しました」

キョン「誰だお前は」

古泉「古泉です。古泉一樹。こんな声ですが」

キョン「いや、それはない、流石にない」

古泉「だから緊急事態だと言ってます」

キョン「…一応聞くが、変わったのは声だけか?」

古泉「いえ、どうやら…僕は女性になってしまったようです」
古泉「それと、記憶も少し改ざんされてきているようです」
古泉「そうですね…改名して『古泉一姫』とでもしましょうか。古泉はそのまま、イツキは一つの一に、姫で」

キョン(マジかよ…)

一姫「…まぁそんな冗談めいた事は置いておいてですね、記憶が漠然としてきています」
一姫「いつ、完全に改ざんされてしまうかわからないので、まだ覚えている内に」
一姫「個々によって改変されるものは違うようです、僕の場合は性別と記憶の一部、のようですが…」
一姫「例えば涼宮さんは主に性格、あと言葉遣いでしょうね…涼宮さんの場合、昔に戻ったような気がするというところもありますが」
一姫「ただ、能力が消えるかどうかはわかりません、僕の能力の場合は時と場所が制限されてますから確かめようもないです」
一姫「発生源ですが、今の所掴めてません…ただ、僕たちが感知した最初の人物は涼宮さんでしたよね」
一姫「今回のコレは涼宮さんが望んだことだとはあまり思えないのですが…今のところそれしかわかりません、何分時間がありませんでしたので」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:16:53.61 ID:lItbPAnpP

キョン「なぁ古泉、被害はどれくらい広がってきてる」

一姫「まだ完全には把握しきれていませんが、『機関』内部でも何人か被害を」
一姫「また、大抵の人には、その人間が変容してしまったことに気付かないようです。主観的にも客観的にもね」
一姫「きっと貴方もいずれ…」

キョン「そうか…」

俺は頭を抱えた。

一姫「あの…済みません」

キョン「…どうした」

一姫「また、一緒にボードゲーム…してくれますか?」

その声は、こちらに伝わってくるほど震えていた

キョン「…ああ、例えお前が嫌だと言っても無理矢理やらせる」
キョン「俺の暇潰し相手はお前が適任なんだよ」

一姫「…ありがとうございます」
一姫「………お元気で」ガチャ

キョン「………何が『お元気で』だよ」
キョン「まるで、もう会えなくなるような言葉じゃねぇか…」
キョン「…糞野郎」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:17:55.32 ID:lItbPAnpP

―――翌日

キョン(あまり寝られなかったな…当たり前か)

キョン妹「あ、おはよーキョン君、早いね。もうキョン君の朝ご飯は作っておいてあるよ」

キョン「!!」ドキ

キョン妹「冷めない内に召し上がれー!じゃあ行ってくるねー!」ガチャ バタン

キョン「……アイツのあの態度は究極的に慣れん、寿命が縮まる」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:22:15.38 ID:lItbPAnpP

>>13ニコ行ってない、どちらかというと同人誌厨

―――登校中

谷口「おっすキョン」

キョン「おう」
キョン(谷口はまだ変わってないようだな…)

谷口「どうした?冴えないツラしてw」

キョン「うるせえよ」
キョン(それとも馬鹿には効かないんだろうか)


ドン!

谷口「くっそ痛ぇな!誰だてめぇ謝れ!」

上級生A「…あ?」

谷口「上級生だからって調子こいてんじゃねぇぞ?てめぇ今すぐ体育館裏来いや」

上級生B「どうした翔ちゃん?何かトラブってんのか?」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:23:41.29 ID:lItbPAnpP

上級生A「あ?…コイツが遊んでくれるだとよ」

上級生C「お、マジで?いい度胸してんじゃん」

上級生D「久々にヤれるってか、おもしろそうだな」

上級生E「おいてめぇ、今いくら持ってんだ?」

谷口「ヒィ!!キョン助け…」

上級生F「何だお前?知り合いか?」

キョン「いえ、俺はこの人とは初対面です」

谷口「キョンてめぇ!!」

上級生G「ほう、じゃあとりあえず体育館裏行こうや」

谷口「ヒ、ヒィィィィィ!!」ズルズル

キョン(せめて十字を切らせてもらうよ、南無さん)

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:24:46.26 ID:lItbPAnpP

「古泉」だと男か女かわからんと思ったんだが、「古泉」の方がいい?

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:25:36.14 ID:lItbPAnpP

キョン「おっす」

国木田「ん?いきなり僕に声をかけるだなんて、珍しいねぇ…谷口は?」

キョン「あー、アイツ授業たりぃからちょっと遊んでくるだとよ」

国木田「へぇ、そうなんだ」

キョン「ところで国木田は…」
キョン(こいつもどこか変わったのだろうか)

国木田「ん?どうしたの、キョン?」




国木田「あんまり見つめられると照れるんだけどさ」

キョン「いや、お前ってそんな顔立ちだっけ?微妙に変わった気が…」

国木田「何を言ってるんだい?疲れてるの?」

キョン「あ、ああ、そうだな、確かに疲れてる。きっとそのせいだ」

国木田「ふーん」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:29:28.97 ID:lItbPAnpP

キョン「なぁハルヒ、昨日は結局どうしてたんだ?」

ハルヒ「別に、普通の買い物してただけだけど」
ハルヒ「みくるちゃんと一緒だと買い物面白いのよね」

キョン「ほう、そうか…」
キョン(ハッ、そういえば朝比奈さんは!?)

ハルヒ「あ、あのさ…今度私と一緒にちょっと…付き合ってくれない?」

キョン「え、何?すまん、考え事してた」

ハルヒ「…何でもないわよ………バカキョン」

キョン「…そうか」
キョン(頼むから朝比奈さんは無事でいてくれ)

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:30:52.14 ID:lItbPAnpP

ちなみに国木田は叶ちゃんとでも思ってくれればいい、わかる人は



―――放課後、部室前にて

キョン「…」コンコン

???「あ、どうぞ」

キョン「(今の声は朝比奈さん…!)失礼します」

みくる「ふふ、お茶の用意はできてますよ」

キョン(おお、美しきマイエンジェルは無事なようだ)
キョン(地上に舞い降りた妖精のような朝比奈さんは、その極上のお茶を俺に用意してくれ…)
キョン(…何か違う、完璧すぎるというか…いつもより余裕があるというか…何なんだ?この違和感は)

小泉♀「失礼します」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:32:11.21 ID:lItbPAnpP

キョン「おお、古泉…うわ」

小泉「どうかしましたか?」

キョン(中身は同じでも外見が変わるだけでこうも違って見えるのか…)
キョン(男でも女でも相変わらずスペック高ぇ、少し腹が立つぜ)

小泉「涼宮さんより早く来れて安心しましたが、彼女はどうしたのでしょう」

キョン「ああ、ハルヒは掃除当番だ。もうすぐ来るはず…」

ハルヒ「遅れてごめんっ!」バン

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:33:25.62 ID:lItbPAnpP

キョン「〜〜〜!!!って…」

ハルヒ「うわ!キョンそこにいたの!?ごめん、大丈夫?」

キョン「…あ、ああ…こんなの、日常茶飯事だ…」

ハルヒ「ちょっと怪我したところ見せて」

キョン「あ?手の甲だし、別に大丈夫…」

ハルヒ「こういうのは消毒が必要なのよ、見せなさい」

キョン「…ほれ」

ハルヒ「……舐めときゃ治るわよね」ペロ

キョン「ッ!?」

ハルヒ「次から私も気をつけるわ。この部室に足りないのは救急箱ね」
ハルヒ(……ホウ///)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:34:35.61 ID:lItbPAnpP

キョン(そういえば妹に何か買ってやろうかね…飯のお礼に)
キョン(しかし何を買って行けばいいのかわからない)ジー

みくる「?」

キョン(いかんいかん、朝比奈さんを見つめて現実逃避するところだった)

みくる「どうかしましたか?」

キョン(大体何で俺が妹の為に買うとかそんな感じになってんだ、別にアイスでも買っていけばよかろうに)

みくる「…」トコトコ

キョン(きっと寝不足で疲れてるに違いないな、でもアイスくらいなら買っていってやろ―――)

みくる「どうかしたの?悩み事?」

キョン「うわ!」

みくる「あら、ごめんなさい、驚かせるつもりはなかったんだけど…」

キョン「へ?」

みくる「何かあるなら、いつでもお姉さんに相談してね…?力になってあげるから」

キョン「へ?」

みくる「そ、その…年頃の男の子の悩みもあるんでしょうけど…出来る範囲で協力してあげるから…」

キョン「はぁ…へ?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:40:26.87 ID:lItbPAnpP

キョン(なんだなんだ!?朝比奈さん(大)かと思ったぞ!?でも何か違う、だがこれは…アリだ!)
キョン「実は妹に何か買って帰ろうかと思ってるんですが、何がいいのやらで」

みくる「うふ、妹さん思いなんですね、キョンくんは」

キョン「いやいやそんな、朝比奈さんに言われると照れますよ」

みくる「いえ、ステキだと思います…そうだ、今日一緒に帰ろ?私もプレゼント選びに協力したいな」

ハルヒ・長門・一姫「…」ピク

キョン「じゃあ部活終わったら頼みま…」

ハルヒ「今日の活動は!」

キョン「す…って、どうしたハルヒ」

ハルヒ「皆でキョンの妹ちゃんのプレゼント選びよ!」

キョン「なっ…」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:41:26.87 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「キョン以外皆女だから!変な物は買わせないわ」

キョン「ちょっと待て、まさか人数分買わせる気じゃないだろうな?」

ハルヒ「? 何言ってるの、そんなことしたら希少価値が薄れちゃうじゃない」
ハルヒ「たとえ安いものでも、その人の気持ちが篭っていれば…」
ハルヒ「それは100カラットのダイヤモンドよりもその人にとって価値があるものになるのよ…」ホウ///

キョン「明らかにダイヤの方が価値あるだろ…ってかお前本当にハルヒか?」

ハルヒ「むっ…キョン!その価値って一体どういう価値なわけっ!?」

キョン「な…え、いや、100カラットもあればものすごい高価で…」

ハルヒ「あーあー!もうキョンの瞳は子どもの頃の輝きを失ってしまいました!」

キョン「何だよそれ…」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:44:42.91 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「いい?キョン、お金ってのはね、交換できるからこそ価値があるのよ?」
ハルヒ「お金自体には何の価値もないの」
ハルヒ「そんな議論云々は置いといて、今主題になってるのは気持ちを伝えることでしょう?」
ハルヒ「極端な話、それはプルタブでもいいのよ!?」

キョン「いやいや、流石にプルタブはダメだろ…」

ハルヒ「…私はプルタブでもいいわよ?」

キョン「?」

ハルヒ「と、とにかく!今日はプレゼント選び!皆で見に行った方がいいでしょ!文句ない!?」

キョン「ま、まぁ…別に困る事はない」

ハルヒ「じゃあ決まりねっ!あと…みくるちゃん!」

みくる「は、はい?」トテトテ

ハルヒ(抜け駆け禁止だからねっ!)

みくる(そ、そんなつもりは…)

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:49:08.28 ID:lItbPAnpP

―――店にて

ハルヒ「ねぇ、キョン!…はい、1000円」

キョン「な、何だ…?いきなり渡されても…」

ハルヒ「それと、これそのお金で私に買って…」

キョン「お前…こんなストラップでいいのか?ってか自分で並んで買えば…」

ハルヒ「うぅ、それじゃだめなの!ちゃんと包装もしてもらってよね!」

キョン「へいへい…」


キョン「ほれ、買ってきたぞ…あとこれお釣りな」

ハルヒ「ありがと、お釣りはいらないわ」

キョン「…でもお前、結構お釣りあるぞ?」

ハルヒ「チップとでも思って取っときなさい」

キョン「…まぁそこまで言うなら」

ハルヒ「…」ホウ

小泉「おやおや」

長門「…」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:52:02.23 ID:lItbPAnpP

そして結局、小さい人形なのかストラップなのかよくわからないものを買って俺は帰宅した

キョン「ただいま…っと」

キョン妹「あー隊長!お疲れ様ですっ!」

キョン「お前そういうのどこで覚えてくるんだ」

キョン妹「ご飯にする?お風呂にする?それとも、ご、は、ん?」

キョン「お前そういうのどこで覚えてくるんだ、あと少し違う」

キョン妹「すぐご飯つくるよー!やっぱできたてホヤホヤがおいしいもんねー」

キョン「ん、まぁな…」
キョン(プレゼントは飯食い終わった後でいいな…)

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:54:59.92 ID:lItbPAnpP

キョン「しかしうまかった、ごちそさん」

キョン妹「んー、ありがとーキョンくん!」

キョン「ところでプレゼントがあってだな…」

キョン妹「え」
キョン妹「ええええ!?キョンくんが!?なになに!?」

キョン「ああ、これなんだが」

キョン妹「………」

キョン「ど、どうだ?気に入らなかったら別に…」

キョン妹「ばっちグー!!」

キョン「だからお前そういうのどこで覚えてくるんだ」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:57:46.01 ID:lItbPAnpP

―――翌日

キョン「なぁハルヒ、教室に席、ひとつ多くないか?」

ハルヒ「そう?いつも通りよ?」

キョン「そうか…俺の見間違いか…ところで昨日のプレゼントだがな」

ハルヒ「(どきっ)  な、なに?」

キョン「結構喜んでくれたみたいだ、恩にきる」

ハルヒ「え、あ、それはよかったわ!やったじゃない」
ハルヒ(あー…そっちかー…)
ハルヒ「私達が協力した、だなんて言っちゃダメよ?」

キョン「なんでだ?」

ハルヒ「そういうのは言わない方がいいの!大体アンタねぇ、もう少しは女心ってのをわかりなさいよ!」

キョン「そんな無茶な事を言われてもだな」

朝倉「何の話?私も混ぜてほしいな」

キョン「いらっしゃーせ、何の用だコノヤロー」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 01:59:04.71 ID:lItbPAnpP

朝倉「ちょっと酷いんじゃない?」

キョン「酷いも何もあるか、俺は二度もお前に殺されかけたんだぞ」
キョン「三度目は御免だ、何でお前がここにいるんだ」

谷口「お、邪気眼か?」

キョン「お前は黙ってろ」

朝倉「何故って言われても…私はここの委員長だし…」

キョン「カナダかどっかに留学してたんじゃねぇのか」

朝倉「酷いなぁ、キョンくん、酷いなぁ…」

キョン「え、な、泣くなよ…済まん、言いすぎた」

朝倉「泣いてなんかないわよ…目にゴミが入っただけで…」

キョン(罪悪感が…俺が悪いのか?…ああ、俺が悪いのか)

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:03:43.38 ID:lItbPAnpP

キョン(しかし長門と古泉と、頼りになる奴はほとんどヤられちまったし…後は…)
キョン(そうだ!鶴屋さんが!)



キョン「鶴屋さん!」

鶴屋さん「おっどうした少年!?」

キョン(あれ?)

鶴屋さん「何か困ってるのかなっ!?それなら私にどーんと任せなっ!」

キョン「(んん?)いや、その…ただ単に会いたくて」

鶴屋さん「あっはっはっそうかい!だったら挨拶の抱擁でもしなくちゃねっ!」ギュー

キョン「ちょ、鶴屋さん…!?」
キョン(ブッ飛んでるのはいつも通りだが、何かがおかしい…)
キョン(姐御っぽいって言うか…ってかマジに死ぬ!死んでしまう!)

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:07:33.71 ID:lItbPAnpP

―――放課後

キョン(ふう…大変な目にあった)コンコン

みくる「あ、はーい」

キョン「ふぃー…」ガラガラ
キョン(あれ…今日は制服だな…)
キョン「って何いきなり脱ぎ始めてるんですか!?」

みくる「え?キョンくんなら、着替えくらい見せてもいいよ…?」

キョン「ああもうそういう問題じゃなくて!行くぞ古泉!」

小泉「…?」キョトン

キョン「だぁああ古泉は女だったぁああいいから出ろ!出るんだ古泉!」

小泉「何だかよくわかりませんが…そうですね、そうしましょう」ニコ

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:10:18.39 ID:lItbPAnpP

キョン「はぁ…何だかなぁ」

小泉「何か話したいことでもあったんですか?」

キョン「いや別に…何と言うか、お前に朝比奈さんの生着替えは見せられん」
キョン「絶対にだ」

小泉「……だったら、僕の着替えでも見ますか?」シュルル

キョン「何でそうなるんだよ!ってかここ廊下だ!!」

みくる「もういいですよー」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[「日常」に入るまでもう少し] 投稿日:2009/05/16(土) 02:14:18.82 ID:lItbPAnpP

キョン「今入ります」

ハルヒ「………」

キョン(ん?ハルヒ…ってこの状況は…)
キョン(古泉が半裸で、俺が古泉を押し隠してて…)

小泉「涼宮さん、これは貴方が思ってるような事ではありませんよ」
小泉「僕が勝手に脱ぎ始めただけです」
小泉「最近、暑いですしね」

ハルヒ「…そう、まぁいいけど、ね」ガチャ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:19:40.23 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「さて、今日は水曜日ですけどもっ!」
ハルヒ「今週末は定期通り不思議探索やるわよ」
ハルヒ「今日はそうねぇ…何も考えてなかったんだけど」
ハルヒ「んー…キョンー、ちょっと来て、私の席に座って」

キョン「一体どうしたんだ…?パソコンか?」ガチャ

ハルヒ「よいしょっと…」

長門・みくる・小泉「!?」

キョン「ハルヒ…何故お前が俺の上に座る」

ハルヒ「膝枕があるなら、膝椅子があってもいいんじゃないかなって」

キョン「そうかい…」

長門「………」パラパラパラ

小泉「………」カチャカチャカチャ←一人オセロの音

みくる「…」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:25:26.61 ID:lItbPAnpP

―――翌日

おかしい

俺はここじゃない

通学路はここじゃない
何でこんなところへ来てしまったんだ?
丘の上?元北高?違う
俺の記憶は、北高じゃないと言っている
俺が通ってる高校は―――だ
だが、何と言うか、思い出なのか、
俺はここに通っていたような気がする
何もない空き地なのに、昔ここに高校があったような気がする

すぐにでも俺が通っている高校へ向かうのがベストなハズなのに
気分が悪くなってきた
俺は帰った
今日は休むとしよう

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:27:29.74 ID:lItbPAnpP

そうして俺は帰宅した
皆が、周りが変わって行く
俺でさえも、最近は様子がおかしい
まだ飲み込まれてない奴は一体どれだけいるんだろうか
もう俺以外は全員飲み込まれてしまったんだろうか
もうだめだ、
はやく、何とか手を打たないと…


キョン「あれ?何で俺日記なんて書いてるんだ?」
キョン「…日記?こりゃSFの類か…なんで俺が…」
キョン「わからん、思い出せん…ハルヒにSF書けって言われたっけな…」
キョン「まぁいいや、このノートは鞄の中にしまっておこう」
キョン「さて、寝るか」


そして俺の『日常』が始まった

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:33:07.50 ID:lItbPAnpP

駅前にある光陽園学院。それが俺の通っている高校だった

ハルヒ「キョン、昨日は…どうしたの?」

キョン「ああ、少し気分が悪くてな…済まん」

ハルヒ「あ、謝る事はないけどさ…」
ハルヒ(本当はお見舞いとか行こうかと思ったんだけど)
ハルヒ(迷惑になったら嫌だったし…)
ハルヒ「こ、今度は言いなさいよね!看病くらいしてあげるから」

キョン「ああ、気持ちはありがたいが…」
キョン「ウチにはどうも、本当に血が繋がっているのか怪しくなるほどデキた妹がいるんだ」
キョン「ハルヒの手をわずらわせる事はないな」

ハルヒ「…そ」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:37:16.95 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「そういえば、キョンは文理どっちか決めた?」

キョン「もちろん文系だ、理系なんてやってられ――」

ハルヒ「だめ!不思議探すには理系の方がいいでしょ!」
ハルヒ「理系へ進む事によって、まだ解明されてない何かが出てきそうじゃない?」
ハルヒ「それに勉強なら私が教えるしさ」
ハルヒ「あと、卒業した後キョンの為になると思う…多分」

キョン「そうかい、じゃあ理系でも…」

佐々木「やあ、キョン」

ハルヒ「!!」

キョン「お、どうした?お前は確か9組じゃなかったっけ?理系特進コースだっけ?よくやってられるよな」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:42:03.95 ID:lItbPAnpP

キョン「それで、何か用事か?」

佐々木「いや、用事って訳でもないけど…久々にキョンの顔が見たくなってしまってね」

キョン「なんだいそりゃ」

佐々木「いや、話相手はいるんだよ?小泉さんとか、ね」
佐々木「でも折角一緒の高校にいるんだ、キョンの顔が恋しくなる事もある」
佐々木「怒るなよ?褒めてるのさ」

キョン「そうか…ま、次のクラス替えで同じになるかもしれんな」
キョン「何て言ったって、俺理系に…」

ハルヒ「文系!!」

キョン「…は?」

ハルヒ「キョン!歴史って大事だと思わない!?不思議の溜まり場よ!」
ハルヒ「古代文明こそ、不思議へと通ずる道だったんだわ!」
ハルヒ「考古学者にでもなれば、不思議がわんさかと出てくるかもしれないわよ!」
ハルヒ「それにアンタは文系の方がいいんじゃないの!?そっちでいいって言ってるの!」

キョン「どっちだよ」

佐々木「あ、じゃあ僕はこれで…」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:45:31.88 ID:lItbPAnpP

キョン「まぁおいおいそれは決めていけばいいだろう」
キョン「幸いにも、北高はそこまで急いで決めさせないしさ」

ハルヒ「北高?」
ハルヒ「…ん?聞いた事あるような」

キョン「?なんだろうな、変な単語が出てきたものだ」
キョン「とにかくウチの高校じゃ焦る必要がそうそうない」
キョン「ゆっくり決めていけばいいさ」

ハルヒ「そうね…あ、キョン」
ハルヒ「帰りちょっと付き合って…」

キョン「岡部が来た、話は後でな」

ハルヒ「………なんでこのタイミングなのよ」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 02:57:50.93 ID:lItbPAnpP

―――部活

キョン「長門、そういや本を返すついでにお前の家に寄りたいんだが」

長門「え…」

キョン「ダメか?」

長門「…いい」

ハルヒ(…こんな状況じゃ一緒に帰ろうだなんて言えないわね)

小泉「涼宮さん、どうですか?一局」

ハルヒ「そんな気分じゃないし、遠慮しておくわ…」

みくる「はい、涼宮さんお茶です…話相手になりましょうか?」

ハルヒ「別にいいわよ…」
ハルヒ「…何か今日、二人とも優しくない?」

小泉「いえいえ、そんなことは」
小泉(傷の舐め合いでもしようかと思ったのですが、残念です)

みくる「い、いつも通りですよ…!」
みくる(本を返すため、ただそれだけ、うん、それだけ…)

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:01:22.71 ID:lItbPAnpP

―――長門宅

キョン(相変わらず殺風景な部屋だ)

長門「…お茶」

キョン「おお、悪いな」

朝倉「長門さーんおっじゃましまーす!」

キョン「!!」ゲホッ

朝倉「あ、先客がいたのね、じゃあ私は帰ろ…」

キョン「ちょ、ちょっと待て…ゲホ」
キョン「この前は本当に悪かった、だから…許してくれ」

朝倉「………じ、じゃあ、3人でおでんでも食べよっか」にへら

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:04:22.38 ID:lItbPAnpP

朝倉「キョンくん、あーん」

キョン「いや、それはいいって…ってか何で皆してそれをやりたがる」

朝倉「そ、それは……き、だからよ…」

キョン「すまん、聞き取れなかった、もう一回言ってくれ」

朝倉「何でもない!」

長門「………」

キョン「長門、無言で箸を近付けないでくれ」

長門「あーん…」

キョン「いやそうじゃなくて」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:07:42.75 ID:lItbPAnpP

キョン「ごちそうさんでした、じゃあ俺はこれで」

朝倉「ちょっと待って!良かったら…私の家に泊まっていかない?ほら、金曜日だし」

キョン「え、ちょっと待て、それって」

長門「そ、それはおかしい!」
長門「大体、彼は私の家に来てる」
長門「よって泊まるなら、私の部屋」

キョン「違う、何もかもがズレてる」

朝倉「じゃあ3人で川の字で寝ない?」
朝倉「…真ん中はもちろんキョン君で」

長門「………」ジー

キョン「頼む、期待の眼差しを向けるのやめてくれ」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:11:17.62 ID:lItbPAnpP

キョン「大体俺は男だ、無理だ、理性が保つとは思えん」

朝倉「…キョンくんになら、いいけど?」

長門「…」コク

キョン「……俺は一体どうしたらいい」

朝倉「じゃあー私のこと、ぎゅーってしてくれたら帰っていいよ?」

キョン「なん…だと…」

朝倉「はやくはやく〜」

キョン「しょうがない、背に腹は変えられん…」ギュウ

朝倉「……はぅ」

キョン「よしじゃあ俺は帰…」

長門「………」

キョン「その両手を広げてるポーズは何なんだ、長門」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:13:52.57 ID:lItbPAnpP

結局俺は2、3回繰り返しハグをして、帰路についた
身体が凄い火照っている

キョン「あの感触が…くそ、こんな事考えるな、俺は朝比奈さん一本なんだ…!」

小泉「こんにちは」

キョン「夜道を歩いてると大抵お前と出会うな、古泉」

小泉「ふふ、そうですね…よかったら少し散歩しませんか?」

キョン「問題無い」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:23:48.58 ID:lItbPAnpP

小泉「そうですね…例えば、僕と貴方がカップルだったとしましょう」

キョン「その前提はおかしい」

小泉「そうですか?道行く人々にはそう見えていてもおかしくないと思いますが」

キョン「人影ほとんどないだろう」

小泉「それはさして問題ありません、そこでカップルが取るべき行動とは…」ギュ

キョン「なな…いくら人影が少ないと言っても、腕を組むのは恥ずかしいぞ」

小泉「僕は楽しいですけどね」

キョン「そうかい…勝手にしてくれ」

小泉「では、勝手にさせてもらいますよ」

キョン「…ん?」



チカチカしている電灯の明かりが、急に明るく灯った
小泉の顔が、唇がもう少しで触れそうな程近くにあった

小泉「本当に…貴方は隙だらけです」
小泉「まぁ別に良いですけどね…」
小泉「………では、また」

キョン「」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:26:45.79 ID:lItbPAnpP

キョン「今日はどれだけ寿命が縮まっただろうか…ただいま」

キョン妹「キョンくん、遅い…!」ギュッ

キョン「な、なんだ!?」

キョン妹「ん、ちょっと心配だっただけ!」パタパタ

キョン「な、なんなんだ今日は…」
キョン「まさか自分の妹にドキっとするとはな…」
キョン「血は…繋がってるよな…?あれ…?」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:31:31.02 ID:lItbPAnpP

―――翌日

ハルヒ「えらい!5分前には着いたわねっ!」

キョン「…いつも俺が最後だな」

ハルヒ「何言ってるの?集合時間には間に合ってるんだし、いいじゃない」
ハルヒ「ほら、喫茶店行くわよ…いつも通り5人でワリカンね」



ハルヒ「さて、今日のクジはいつもと違った工夫をしてみたわ」
ハルヒ「白い糸が3本、赤い糸が2本よ!さ、引いて」

キョン「なぁハルヒ…初めから見えてるクジはクジとしてどうなんだ」

ハルヒ「うぐ…じゃあいつもの爪楊枝で、ね」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:34:42.08 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「…つまんない」

キョン「クジの結果だ、諦めろ」

ハルヒ「私はキョンと一緒になりたかったのに…」

キョン「な、なんだって?」

ハルヒ「あ、いや、これはその…アンタ目ざといし、色々と見つかりそうじゃない!?」

キョン「そういうものなのか…?まぁいいが」

小泉(さてさて、この二人の間に割って入るにはどうしたらいいでしょうね…)




ハルヒ「み、みくるちゃんっ!」

みくる「はい?」

ハルヒ(抜け駆け禁止だからねっ!)

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:38:57.27 ID:lItbPAnpP

キョン「もうこの土手はお決まりコースになりましたね」

みくる「そうですね、ふふ」

キョン「周りの人からはカップルに見えるんでしょうかね」

みくる「デートってことですか?」

キョン「ま、まぁそんな感じに…」

みくる「デート…かもしれませんね、私もキョンくんと一緒にいると楽しい」

キョン(ああ、貴方は俺にとって天使だ)
キョン(なんて可愛いんだ、それでいてこの年上の余裕)
キョン(全てが最高だ、朝比奈さんっ!)
キョン(きっとヴィーナスのモデルか何かになったに違いな…)

みくる「あ、キョンくん!あそこで子どもが泣いてる…」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:41:58.37 ID:lItbPAnpP

キョン「風船が引っかかってますね、届きません」

みくる「そっか、それでこの子は泣いてるのね、きっと…」
みくる「キョンくん、肩車してくれませんか?」

キョン「なん…だと…」
キョン「朝比奈さん、スカートじゃないですか…駄目ですよ」

みくる「キョンくんなら覗かれても平気です」
みくる「早く肩車しなさいっ」

キョン「これは仕方無い、仕方無いんだ」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:45:14.53 ID:lItbPAnpP

みくる「んしょ…取れたぁ」

キョン「よっと…朝比奈さん、軽いんですね」

みくる「ふふ、お世辞言っても何も出ませんよ?」

キョン(ああ、朝比奈さんの太ももの感触が…ってイカンイカン)

みくる「はいボク、風船だよ…」

母らしき人「翔ちゃん、ここにいたのねっ!」

子ども「うえ〜んママー」

みくる「なんだ、迷子だったんですね…」

キョン「その風船どうしましょうか…」
キョン(翔ちゃん多くね?)

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:50:56.86 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「な、な、何で風船持って二人で帰ってくるのよ!?」
ハルヒ「それじゃまるでデート…」

キョン「いや、これはその…」

小泉「いえ、そうでもありませんよ、涼宮さん」
小泉「どうやら『声が変わる』気体の入った風船だと聞かされて持ってきたんでしょう」
小泉「それは一つの不思議ですね。そうは思いませんか?」

ハルヒ「はぁ…キョン、ただの風船よそれ」
ハルヒ「まったく…騙されちゃ駄目よ、今時ヘリウムなんて当たり前じゃない」
ハルヒ「他には何も無かったのよね?」

キョン「あ、ああ…」

ハルヒ「…?」

小泉「恐らく彼は彼なりにショックを受けているんでしょう」
小泉「不思議なものだと思って持ってきたらただの風船だった…」
小泉「些かの心労は感ぜられるでしょうね」

ハルヒ「ふうん…?ならいいけど…」

キョン(古泉…お前…)

小泉「っ☆」ウインク

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 03:54:48.24 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「午後のグループ決めっ!」

キョン「あ、また赤だな」

ハルヒ「え?」
ハルヒ「わっわっやったっ!」
ハルヒ「キョン!ほら、行くわよっ!」

キョン(今日はもう死んでもいい、どんな覚悟だってできてるさ)
キョン(ディアマイエンジェル…朝比奈さん)
キョン「よし、行くか」

小泉「ふふ、困ったものです」
長門「………」
小泉「図書館でも行きますか?」
長門「………」フルフル
小泉「んっふ、そうですか」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:01:27.89 ID:lItbPAnpP

キョン「よーしハルヒー、何処行くんだ?どこまででもついて行ってやるぞ」

ハルヒ「んっじゃあ……少し歩こ?」

キョン(な、なんなんだ!?このしおらしい感じのハルヒは…いやいや、幻覚だ、そうに違いない)




ハルヒ「んー、結構変わった感じね…」

キョン「このカフェは…?いや、確かにオシャレだが」

ハルヒ「まぁいいじゃない、休憩がてら入りましょう」

受付「いらっしゃいませー、あ、只今カップルの方には特別メニューがございますよ」

ハルヒ「いえ、私たちカップルじゃないので」
ハルヒ(嘘ついたり、困らせたりはしたくないしね…)

キョン「え…?」

受付「済みません失礼致しました、ではこちらのお席で」

キョン「いや、俺らカップルですよ」

ハルヒ「え…?」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:07:10.39 ID:lItbPAnpP

キョン「おいハルヒ、なんでカップルじゃない、だなんて言ったんだ?」

ハルヒ「う…ごめんなさい」

キョン「特別メニューとか、いつもなら飛びつくじゃないか…」

ハルヒ「え…?そっか、そうだよね…」

キョン「ん?どうした、ハルヒ」

ハルヒ「(今言わなきゃ…)あのさ、前から言おうと思ったんだけど…」
ハルヒ「私はキョンと一緒にいられるだけで、幸せなんだよ…?」

キョン「…なんだって……!?」

ハルヒ(「好き」だなんてなかなか言えない…)

店員「お待たせ致しましたー」

キョン(な…!なんだこのラブストローは!?この雰囲気じゃマズイ、変に意識しちまう…!)

ハルヒ「…」チラ

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:13:29.73 ID:lItbPAnpP

キョン「どうやって飲むんだろうな、これ…」

ハルヒ「そ、そうね…」

キョン「とりあえず…」


ごっちん

「「いたっ!」」

キョン「まさかおでこをぶつけるとは…」

ハルヒ「ぷ…あはは!」

キョン「大丈夫か!?打ち所が悪かったか?」

ハルヒ「ふふ、何でもない」

店員「お待たせ致しましたー」

キョン「ん?これただのポッキーじゃね?しかも一本」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:15:47.63 ID:lItbPAnpP

キョン「済みません、これ…って谷口!?」

谷口「チッスwアルバイトやってんだwまさか、いや、やはりというべきかw」
谷口「そのポッキーは俺からのサービスだw是非受け取ってくれw」

キョン「お前は信じないだろうが、これは違うぞ?」
キョン「早く忘れないと月曜日…」

谷口「おーけーおーけーw忘れるって相棒w心配するなw」

客「おイィまだ注文したの来ねェじゃねぇか」

谷口「お客さんすみません今すぐ…って」

客「お?おめぇ、あンときのガキじゃねぇか」
上級生(=客)「ちょっと付き合えや」

谷口「い、今バイト中なんで…」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:22:31.80 ID:lItbPAnpP

その後少しのんびりして、俺とハルヒはカフェを出て行き、
本当に適当にブラブラと練り歩いた

ハルヒ「私さ、こんな世の中つまらないと思ってた」
ハルヒ「でも今、こうやって皆が集まって…SOS団ができて」

キョン「ハルヒ…」

ハルヒ「ねぇ、手…繋いでもいい?」
ハルヒ「その…はぐれたら困るからさ」

キョン「…今更断る理由は無いな」

こうして俺はハルヒと手を繋い…

キョン「く、国木田…?」

国木田「あ、う、やっぱり二人ってそういう関係…」

キョン「いや、これはクジ引きでだな/・」

国木田「え、そう…?そうか、それなら…うん、うん」

キョン「何を納得してるかわからないが何故お前がここに」

国木田「いやぁ、谷口がここら辺でバイトしてるって聞いてさ、知ってる?」

キョン「あー…明日出なおした方がいいんじゃないか?」

国木田「? キョンが言うならそうするよ」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:29:49.45 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「今日も収穫なしッ!」パアァ

小泉「ご機嫌ですね、何かあったんですか?」

ハルヒ「別にっ♪じゃあまた明日ねっ!」



キョン「ふう…何か昨日と今日と、密度が高い一日だったな…」

佐々木「やあ、キョンじゃないか」

キョン「おっと、昨日ぶりだな」

佐々木「くっくっくっ…そうだね」
佐々木「用事も終わったし、時間があるんだ」
佐々木「もしそっちも帰りなら、一緒に帰らないかい?」

キョン「ああ、懐かしいな」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:37:10.95 ID:lItbPAnpP

佐々木「しかしなかなか愉快な部活だ」
佐々木「暇があったならば、僕も入りたいところだよ」

キョン「やめとけ、と俺は一応忠告しておく」

佐々木「くっくっくっ、おもしろい男だね、キョンは」

キョン「なぁ佐々木…お前、変わってないな」

佐々木「そういうキミもだ」


佐々木「…」ジー

キョン「ん?どうかしたか?」

佐々木「いや、何だか時々自分の立場が苦しくなるときがあるんだ」
佐々木「例えば、素直になれないときとかかな…」

キョン「…なればいいじゃないか、苦しいなら」
キョン「俺でよければ、いつでも胸を貸すぜ」

佐々木「キョンのそういう優しいところは、好きだよ」
佐々木「でもね、こればっかりはどうにもならない」
佐々木「自分で何とかするさ」

キョン「まぁ気が変わったらいつでも来いよ」

佐々木「そうさせてもらうよ、じゃあ僕はこれで」
佐々木(「好き」って言ったのになぁ…)

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 04:41:16.17 ID:lItbPAnpP

キョン「ただいま…っと」

キョン妹「おかえりーキョンくん!私も今帰ったとこー」

キョン「ほう…今日はどこかへ出かけてたのか?」

キョン妹「うん、ミヨキチとねー!」

キョン「いつもは服にあまりこだわらずに遊びに行くのに、随分とまぁ」

キョン妹「あ、これ〜?えへへ、ナウなヤングにもバカウケのー」

キョン「ちょっと待て、何だその得体のしれない言語は、どこで覚えた」

109 名前: ◆kw1WUmBZ.Q [] 投稿日:2009/05/16(土) 04:45:15.58 ID:lItbPAnpP

あれ…もうこんな時間…
やっぱ一日で完結させるのは難しいネ!
明日、万が一色々野暮用が終わっても尚このスレが残ってたら続き書きますん
おやすみなさいませ

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 16:06:27.55 ID:lItbPAnpP

キョン妹「キョンくん、みくるちゃんとアベックなの?」

キョン「(アベック…?)どういうことだ?」

キョン妹「あの並木道、隠れたメッカだって言ってたもん、みくるちゃんと一緒だったでしょ」

キョン「(メッカ…?)いや、アレは…ってかお前見てたのか」

キョン妹「うん、キョンくん幸せそうだったから遠くから見てただけー」

キョン(空気が読めるとは、素晴らしい妹よ)
キョン「そういえば親はどこ行ったんだろうな」

キョン妹「お父さんは会社の飲み会でごーごー行くって!」
キョン妹「お母さんは多分もうすぐ帰って来るよ!」

キョン(ごーごー…?)




キョン妹「キョンくーん一緒に寝よー」

キョン「ただでさえベッドは狭いんだ、勘弁してくれ」

キョン妹「ちょ…ちょべりばっ!」トテトテ

キョン「だから一体お前はどこでそういう言葉を覚えてくるんだ」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 16:10:34.75 ID:lItbPAnpP

―――翌日

ハルヒ「突然だけど、今日は鶴屋さんにお呼ばれして、別荘の旅館に行くわよ!」

キョン「泊まるのか?」

ハルヒ「…月曜日は祝日ね、泊まりましょうか…うふふ、楽しみね」

長門「…」コク

キョン「マジか…」

ハルヒ「じゃあ出発ッ!」

小泉「ふふ、楽しみですね」ギュ

キョン「古泉…言いにくいんだがその、胸がだな…」

小泉「当ててるんですよ」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 16:14:03.66 ID:lItbPAnpP

鶴屋さん「ようこそ!我が別荘へー!」

キョン(おお、着物だ…)

鶴屋さん「基本的に好きに使っちゃっていいにょろ!困った事があったら私に!」

ハルヒ「泊まったりしても大丈夫?」

鶴屋さん「あーっはっはっもちろんいいよ!そうか泊まりねぇ…うんうんっ若いね!」

ハルヒ「それで部屋割りは…」

鶴屋さん「全員で泊まれるようなでっかい部屋もあるけどさっ」
鶴屋さん「基本的に二人一組の部屋だと思ってちょ!」

ハルヒ(二人…)

長門(一組…)

みくる(ゴクリ…)

小泉「おやおや…ふふ」

キョン「なるほど、俺は死ぬわけだ」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 16:19:14.27 ID:lItbPAnpP

キョン「そういえば温泉とかあるんですか?」

鶴屋さん「おっいいところつくね少年!」
鶴屋さん「あるよ!それなりにおっきいのがっ!」
鶴屋さん「でも混浴だあらその辺は注意してほしいにょろ」

ハルヒ「温泉!温泉行きましょうキョン!!」

小泉「おやおや、早速脱ぐんですか?」

長門「………」

キョン「お前ら先入ってきてくれ」

小泉「何を言ってるんですか貴方は、主役がいないと盛り上がらないでしょう?」

キョン「いつから俺が主役になってるんだ」

みくる「ほら、行きましょうキョンくん」

キョン「そそそんなことよりハルヒまだ昼間だぞ、ちょっと探索しないか?」

ハルヒ「んー…それもそうね、温泉は夜にしましょう!」

キョン「ふう…」


キョン「ん?夜?」

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 16:20:57.42 ID:lItbPAnpP

すまんぬ野暮用いてくる

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:17:15.49 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「内外問わず各自自由行動っ!ちゃんと帰って来ること!」




鶴屋さん「それにしてもキョンくん!モテモテだねっ!モテ期?」

キョン「は、はぁ…」

鶴屋さん「キョンくんいい男だもんねっ!そりゃ誰だって惚れるにょろ!」

キョン「そ、そうですか…そういえば鶴屋さんは部屋とかあるんですか?」

鶴屋さん「あるよ?でも皆と一緒に寝た方が楽しそうだし、今回は混ぜてもらうにょろ」

キョン「そうですか…はぁ」

鶴屋さん「んん?キョンくん」ニマァ
鶴屋さん「私の部屋に来る?」



キョン「いいえ、遠慮しておきます」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:25:26.62 ID:lItbPAnpP

キョン「しかし、良い場所だ」
キョン「営利目的でやったらそれなりに人が来るだろうな」
キョン「…もう夕方か」
キョン「ハルヒたちが来る前に風呂入っておくか」


キョン「ふう…露天風呂か、いいなぁ…」カポーン
キョン「ん?」


キョン「うわっ!」
鶴屋さん「おおう!?」

キョン「鶴屋さんなんでここに!?」

鶴屋さん「いや、これは本当にたまたまで…」

キョン「鶴屋さんタオルか何かで隠してくださいよ!」

鶴屋さん「あ、あはは…誰も来ないと思ってタオルは向こうに…」

キョン「何してんすか!」

ハルヒ「おっふろ〜おっふろ〜♪」

鶴屋さん「し…誰かきたにょろ、隠れるよっ!」

キョン「く…温泉の中の岩場なんぞで大丈夫だろうか…」

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:28:42.38 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「いざー!」ガラガラ
ハルヒ「んー、やっぱいないわねぇ…」
ハルヒ「キョンどこにもいないからここにいるかと思ってたのに」

みくる「でも、鶴屋さん流石ですよね…」

小泉「ここは女性だけで楽しみましょう」

キョン(隅っこの方に着替え置いておいて正解だったか…見つかってないようだ…しかし)
キョン(つ、鶴屋さんこの体勢は…)

鶴屋さん(しっ…こうでもしないと隠れきれないにょろ…)

キョン(鶴屋さんの胸が俺の背中に…)

ハルヒ「もしもキョンがここにいたら、背中流してあげたかったなぁ」

みくる「じゃあ前は私がやりますね」

小泉「では股間は僕に任せてください」

長門「頭は私が…」

ハルヒ「ちょっと一姫ちゃん!そこは皆でやるの!!」

キョン(なんつー会話してんだぁ!?)

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:31:06.01 ID:lItbPAnpP

キョン(この体勢はキツ…ってか色々とマズイ)モゾモゾ

鶴屋さん(あ、キョンくん動いちゃ…)
鶴屋さん「わっ」ザプ

ハルヒ「……?」

小泉「どうかしましたか?」

ハルヒ「…んーん、多分気のせいね」

キョン(つつつ鶴屋さんこれは)

鶴屋さん(はっ…はっ…ぅ、ごかないで…ほしい…キョンくん…)

キョン(太ももに全神経が…!これはまさか鶴屋さんの秘宝が…!?うっ…)

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:34:38.20 ID:lItbPAnpP

キョン(痛っ!足つった!!)ニュル

鶴屋さん「わひゃう!?」

ハルヒ「!! そこにいるのは誰!?」

鶴屋さん「…あちゃー、バレちゃったにょろ」

ハルヒ「鶴屋さんかぁ…」

鶴屋さん「いやぁ、皆を驚かそうと思ってねっ!」

キョン(済みません鶴屋さん、マジ済みません)

小泉「………ふふ」



ハルヒ「あ、鶴屋さんここ卓球ってある!?」

鶴屋さん「モチのロンさっ!」

ハルヒ「おー!皆もう身体洗ったよね、出るわよ!」

小泉「卓球ですか、腕がなりますね」

みくる「軽くルールを説明して頂ければ…」

長門「………」チラ

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:37:56.95 ID:lItbPAnpP

鶴屋さん「ふう…」パタリ

キョン「鶴屋さん大丈夫ですか!?」

鶴屋さん「いやあ、ちょっとのぼせちゃったみたいだねっ…」

キョン「鶴屋さ…ハッ…」
キョン(色々と見えてしまってるぞ…)

鶴屋さん「キョンくん、今の私には抵抗する力はないけど」
鶴屋さん「…おイタしたい?」

キョン「…ッ!!」ブンブン

鶴屋さん「クスッ…背中流せなくてごめんよ?ちょっとこのままそっとしておいておくれ」
鶴屋さん「すぐに元気になるからさっ」

キョン「鶴屋さん、マジ済みません…」

鶴屋さん「んー?気にしない気にしないっ!キョンくんは何も悪くないにょろ!」

215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:40:55.20 ID:lItbPAnpP

キョン「お、まだ卓球やってたのか」

ハルヒ「あーキョン!一体どこ行ってたのよ!」

キョン「いや、ちょっと風呂にだな…」

鶴屋さん「ふっふっふっ…ハルにゃん勝負にょろ!」

ハルヒ「の、望むところよ!」

小泉「どうですか?一試合」

キョン「いやすまん、気分がノらなくてな」

小泉「そうですか…」

長門「………」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:44:20.18 ID:lItbPAnpP

試合は21-21でデュースに持ち込み、くしくもハルヒが勝った
鶴屋さんはどうも、露天風呂のアレがきいていたようだ

キョン「さて、問題の部屋割りだが…クジでもやるか?」

ハルヒ「…こんな重要なこと、クジなんかで…」

キョン「じゃあどうするよハルヒ」

ハルヒ「キョン、アンタが選びなさいよ」

キョン「は?」

みくる「あ、あの…」

小泉「ふふ…」

長門「………」

鶴屋さん「んっん〜、おもしろそうだねっ」

キョン「何これ、公開処刑?」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:49:24.68 ID:lItbPAnpP

キョン(マズいな、個人的には朝比奈さんと言いたいところだが…)
キョン(卓球で決めようって言ったらハルヒになるだろうし…)
キョン(古泉だと貞操の危機を感じる)
キョン(鶴屋さんはあの一件で何となく気まずいし)
キョン(長門は…)
キョン「………」ジー

長門「………?」

キョン「………」

長門「………///」

キョン(マジでどうしよう)

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 21:53:28.94 ID:lItbPAnpP

キョン「気を悪くするなよ?あくまでだが…」
キョン「俺が選ばせてもらうとしたら、長門がいい」
キョン「個人的に一番害がなさそうだしな…」

ハルヒ「…そ、そう、それなら仕方無いわね…確かに一理あるし」
ハルヒ「じゃあ選ばれなかった皆はクジで決めましょう…」

キョン(『選ばれなかった』だなんて心にグサッとくるが…仕方無い)

部屋割は
ハルヒ・みくる
小泉・鶴屋さん
キョン・長門
となった

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:05:43.31 ID:lItbPAnpP

―――ハルヒ・みくる部屋

ハルヒ「みくるちゃんってさ、胸大きいよね」

みくる「大きくても良いことなんてあまりないですよ?」

ハルヒ「で、でも大きい方が男はいいって言うじゃない?」

みくる「それは個々の問題だと思います、統計的にそうだというだけで」
みくる「それに、涼宮さんだって大きい方だと思いますよ」

ハルヒ「…みくるちゃん」ジワ

みくる「ど、どうしたんですか!?涼宮さんしっかりしてください!」

ハルヒ「あのバカは私の気持ちに気付いてくれないのよ…」
ハルヒ「本当に…」
ハルヒ「………バカ」

みくる「大丈夫ですよ、きっとキョンくんは気付いてくれます」ギュ
みくる「彼は優しい人ですから」

ハルヒ「あ、あたしキョンだなんて一言も言ってないわよ!?」

みくる「ふふ、そうですね、ごめんなさい」

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:10:08.91 ID:lItbPAnpP

―――小泉・鶴屋さん部屋

小泉「いやぁ、驚きです。まさか貴方が隠れていようとは」

鶴屋さん「そうかいっ?じゃあドッキリ成功だねっ!」

小泉「でも貴方だけじゃないんでしょう?」

鶴屋さん「…へ?」

小泉「ふふ、それで、本題に入りますが」


小泉「彼のモノは大きかったですか?」

鶴屋さん「…ん〜、参ったなっ!」
鶴屋さん「でも私一人だったよ?彼って誰のことだか…」

小泉「そうですか、では」ニコ
小泉「彼のモノは太かったですか?」

鶴屋さん「…う、うぅ…」

小泉「これはとても重要なことです、僕個人としては小さくても許せますが」
小泉「大きい方にこしたことはありませんからね、大は小を兼ねる」

鶴屋さん「そ、それは大きいか、とかよくわかんなかったし…」

小泉「そうですか、では質問を変えましょう」ニコ
小泉「彼のモノはムケてましたか?」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:12:47.59 ID:lItbPAnpP

鶴屋さん「よく見えなかったからそんなのわかんなかったにょろ…」

小泉「でも貴方の洞察力ならわかるハズですよ」
小泉「もしかして身体の一部にあてがわれていたりしましたか?なんと羨ましい」

鶴屋さん「答えなきゃダメ?」

小泉「答えなかったら全裸で彼の部屋に忍び込みますよ」

鶴屋さん「うぅ…大きくて太くてムケてた…と思うにょろ…」

小泉「なるほど、それは多分『勃起』していたんでしょうね」

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:16:02.83 ID:lItbPAnpP

―――キョン・長門部屋

キョン「すまんな、長門」

長門「…いい」

キョン「しかしなんで布団、二つないんだろうな」
キョン「大きめのが一つってどういう…」
キョン「しかも布団の上にばら撒かれた花びらは一体何なんだ」

長門「………」

キョン「しかし、旅館着の長門もなかなか乙なものだな」

長門「…そう」

キョン「…寝るか」

長門「…」コク

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:19:10.28 ID:lItbPAnpP

長門「…」ギュ

キョン「ど、どうした長門」

長門「そ、その………不安」

キョン「枕や布団が代わると寝られなくなるってタチか?」

長門「……………」コク

キョン「別に抱きつかれるくらいなら構わないが…」

長門「…何も感じない?」

キョン「何がだ?」

長門「…そう」

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:22:25.14 ID:lItbPAnpP

―――翌朝

キョン「ん…もう朝か」
キョン「長門…?」

長門「……」スゥスゥ

キョン「長門より早く起きられるとは、しかし…」
キョン「なんつー格好だ、ほとんど着衣がはだけて…」

長門「………」パチ

キョン「お、起きたか…」
キョン「とりあえずその乱れた格好、直した方がいいぞ」

長門「………低血圧」

キョン「は?」

長門「…貴方が直して」

キョン「な、なんだって?」

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:25:15.17 ID:lItbPAnpP

キョン(し、仕方無い…)シュルシュル

長門「…」

キョン(うわ、白い肌…他人の着付けなんてやったことねぇよ…)

長門「…」

キョン(こ、こんな感じでいいのか…?)

長門「…」チュ

キョン「うわ!!な、長門…?」

長門「…お礼」

キョン(頬にキスって…これは…)

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:28:23.46 ID:lItbPAnpP

キョン「朝飯か…なんという豪勢な」

鶴屋さん「じゃんじゃん食べちゃって!おかわり自由にょろ!」

小泉「おはようございます、良い朝ですね」

キョン「…まぁな、確かにいい朝だった」

小泉「何かあったんですか?」

キョン「いや、何もないが」

小泉「………ふふ、そうですか」
小泉「長門さん」

長門「」ビク

小泉「何かあったんですか?」

長門「…何も」フルフル

小泉「おやおや、そうですか」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:32:05.79 ID:lItbPAnpP

ハルヒ「じゃあ鶴屋さんありがとねー!」

鶴屋さん「おやすい御用にょろっ!あ、キョンくん耳かして」

キョン「どうしたんですか…?」

鶴屋さん「…」ハム

キョン「うぉお!?」ビク

鶴屋さん「また来てねっ!」

キョン(心臓に悪い、本当に心臓に悪い)

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 22:37:03.92 ID:lItbPAnpP

キョン妹「キョンくんおかえりー!何かおみやげあるー?」

キョン「あー、すまん、何も勝ってな…」ゴソゴソ
キョン「…なんだこれ」

【キョン、何かお土産買っていきなさいよっ!】

キョン(ハルヒ…)
キョン「悪い、これがお土産だ」

キョン妹「わーいやったー!おかあさーんキョンくんがおみやげ買ってきてくれたー!」

キョン母「あらあら…まあまあ…」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:00:27.59 ID:lItbPAnpP

キョン妹「キョンくん、今日ちょっと一緒に遊べる?」

キョン「…まぁ構わないが、久々だしな」

キョン妹「いえー!ミヨキチ呼んでくれぅ」

キョン「(家…)そうか、今日どっか出かけるのか」

キョン妹「ん?家で遊ぶのでもいいよ?」

キョン「この際どっちも一緒だが」

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:04:14.47 ID:lItbPAnpP

―――近くのファミレス

ミヨキチ「お久しぶりです」

キョン「いや、また綺麗になったな」

ミヨキチ「いえいえそんな…」

キョン妹「キョーンくーん何食べるー?」

キョン「そうだなぁ…」
キョン(ってか周りの視線が奇異なんだが、なんだろうね)


―――そしてカラオケへ

ミヨキチ「ふう…全くお粗末なところをお見せして申し訳ありません」

キョン「いやいや、かなりうまかったぞ」

キョン妹「キョンくんもなにか歌ってー!」

キョン「俺か!?そうだな…」

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[各キャラ消化するの大変] 投稿日:2009/05/16(土) 23:07:23.88 ID:lItbPAnpP

キョン「千の風になって〜〜〜」

ミヨキチ「ふふ…」

キョン妹「あはは!キョンくん歌詞ところどころ歌えてない!」

キョン「うるさいな、いいじゃないか」

キョン「じゃあ今度は私の番ねっ!」

『守ってあ・げ・る!』

キョン妹「いっつでもん♪どっこでもん♪ゆっめでもん♪どこに行っても〜♪」

キョン(あれ…?めちゃくちゃうまくね?)

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>258すまんミスった] 投稿日:2009/05/16(土) 23:11:36.57 ID:lItbPAnpP

ミヨキチ「あ、あの…見たい映画があるんですが」

キョン「ん、じゃあ行くか」

キョン妹「わーい!」

ミヨキチ「その、恋愛モノでも…」

キョン「別に構わんだろ」

キョン妹「…あ、キョンくんゲームセンター行きたい!」

キョン「ゲーセン?お金が…」

キョン妹「にへー、持ってきた!じゃあゲーセン行って来るね!」

キョン「ちょ…待っ…」

キョン妹(がんばれミヨキチっ)ウインク

ミヨキチ「…!」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>258すまんミスった] 投稿日:2009/05/16(土) 23:16:14.15 ID:lItbPAnpP

キョン(結構カップル率高いな…あ、始まった)

ミヨキチ「」ビク
ミヨキチ「」にへら
ミヨキチ「」コクコク
ミヨキチ「きゃっ」ギュ
ミヨキチ「あ…すみません」

キョン(なごむなぁ)

ミヨキチ「はぁ、私もこんな恋愛してみたい…」

キョン「え?」

ミヨキチ「………」

キョン(独り言か…)

ミヨキチ「好き…です」

キョン「ああ…え?」

ミヨキチ「…」ジー

キョン(この雰囲気は…)

ミヨキチ「あ、映画終わっちゃいましたね…そろそろ行きましょう」
ミヨキチ(…やっぱりダメかぁ)

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:20:07.47 ID:lItbPAnpP

キョン「それじゃ、またな」

ミヨキチ「はい、今日はお世話になりました」

キョン「そんなにかしこまらんでも」

キョン妹「ミヨキチっばいばーい!」


キョン妹「ねぇねぇキョンくーん」

キョン「はいはい、ってかお前、兄をお兄ちゃんと呼べんのか」

キョン妹「…いいの?」

キョン「は?」

キョン妹「なーんでもないっ!キョンくんはキョンくんだよ!」

キョン(なんだ今の…)

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:23:59.57 ID:lItbPAnpP

―――翌朝

キョン(今日は早めに家出られたな…お、アレは国木田?)
キョン「おっす、お前に会うとはな」

国木田「ん…やあ、キョンか。今週末はどうだった?」

キョン「何かと忙しかったよ」

国木田「相変わらずだねぇ」

キョン「…なぁ、国木田、お前シャンプーでもしたのか?」

国木田「ああ、朝に入る風呂って気持ちよくない?」

キョン「そうか…?確かにいい匂いだが」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:26:46.37 ID:lItbPAnpP

佐々木「やあ、キョン」

キョン「おう、佐々木…と古泉」

小泉「お呼びですか?」

キョン「別に呼んだわけじゃないが」

国木田「へぇ、二人揃うと独特の威圧感があるね」

佐々木「くっくっ…そうかい?」

国木田「僕は前から疑問に思ってたんだけど―――」

佐々木「あ、それなら僕も聞いたことあるね、確か―――」

小泉「なるほど、僕の考察では―――」

キョン(……席つこ)

272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:31:52.29 ID:lItbPAnpP

朝倉「あ、おはようキョンくん」

キョン「おっす、元気そうで何よりだな」

ハルヒ「今日はいつもより早いのね」

キョン「まぁ今日は早く起きたから…」

谷口「今日も女の子に囲まれてるのね」

キョン「誰だ気持ち悪い声を出した奴は」

275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:35:42.13 ID:lItbPAnpP

―――休憩時間

キョン「うーむ」ナデナデ

国木田「な、なんだい?」

キョン「いや、何となく撫でたくなっただけだが」

国木田「全く、キョンは意味わからないよ」

キョン「ああ、済まん。自分でも意味がわからんかった」

国木田「今日、ちょっと屋上で二人で弁当食べない?」

キョン「お、何か話でもあるのか?」

国木田「うん、ちょっとね」

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:39:15.66 ID:lItbPAnpP

―――昼食

国木田「あはは、相変わらずだね谷口は」

キョン「ま、そんなバカなところが憎めないんだがな」

国木田「…あ、あのさ」

キョン「おう、どした」

国木田「その、キョンのさ、第二ボタン、くれない?」

キョン「!?」ブフッゲホ
キョン「ちょっと待て…ゲホッ何の冗談だ」

国木田「いや、知り合いの女の子から頼まれてね」

キョン「ほう?して、そいつはどんな女の子なんだ」

国木田「え…いや、和服が似合うただの女の子だよ…」

キョン「なるほどなぁ、大和撫子って奴か、俺は結構好みだぜ…って何故お前が赤くなる」

国木田「う、うるさい!なんでもない!」

キョン(うーん、第二ボタンか…そうだなぁ…)

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:44:04.47 ID:lItbPAnpP

―――放課後

キョン(まぁ第二ボタンくらい、いつでも作りなおせるからな)

ハルヒ(なんで第二ボタンないのかしら…どこかで落とした?)
ハルヒ(朝の時点では付いてたし、もしかして誰かに…)
ハルヒ(いやいや、この時期でそれはないわね、卒業シーズンまでまだ1年以上あるもの)
ハルヒ(きっと落としたのよ、そうに違いない…)

キョン「お、会長」

会長「ほう、久々だな。頭ニギヤカ女も一緒か」

ハルヒ「………」ブツブツ

会長「ふん、考え事か?まぁ口を開かないおかげで煩わしさはなくなる」
会長「ところで俺に何か用か?この際だ、大抵の事は聞いてやる」

キョン「ないッスよ、今の所は嫌というほど充実してるんで」

会長「そうかい、お前もさぞかし大変だろうよ」
会長「じゃあな、行くぞ喜緑」

喜緑「はい、会長」ニコリ

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:50:30.15 ID:lItbPAnpP

キョン「」コンコン

みくる「いいですよ」

キョン「お邪魔しまーす」

小泉「あ、どうですか、いっきょk…!?」

長門「!?」

みくる「…!?」

ハルヒ「………」ブツブツ

キョン「…どうした、皆して俺を見て」

小泉(ボタンが無い、一体どういう訳だ…)
小泉(登校前に落としたか…?いや、違う)
小泉(朝の時点では付けていた…だからこれは…)
小泉(この中にいるメンバーの中に犯人はいない、考えられる可能性は2つ)
小泉(激しい運動をして落としたか、誰かに渡したか…)
小泉(激しい運動…だと…?)

キョン「古泉、お前が真剣な顔をしてると怖い」

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/16(土) 23:54:50.64 ID:lItbPAnpP

みくる「あ、あのキョンくん…ボタンは…」

キョン「あ、ああ、どこかで落としたかもしれませんね」

小泉(誰かに…渡した…一体誰に…?)

みくる「私、縫いましょうか?」

キョン「あ、頼めますか?ってボタンがないですね…さっき会長に頼んでおけば良かった」

小泉「僕のボタンでよろしければ」

キョン「済まん、言ってる意味がわからない」


長門「…」パタン

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:00:25.29 ID:NcS0F0SVP

―――下校中

喜緑「今、空いてますか?」

キョン「ああ、別に大丈夫ですよ」

喜緑「ふふ、良かったです」

テクテク

キョン「あの、何か用ですか?」

喜緑「用と言えば、一緒に帰るだけの用ですが…」

キョン「会長は?」

喜緑「先に帰らされました」

キョン「そうですか」

テクテク

キョン「って朝倉!?お前いつの間に隣に!?」

朝倉「声かけようと思ったんだけどね、タイミングがわからなくて…」

キョン「ってかお前のアパート反対方向だろ!?」

朝倉「うん、そうだね、じゃあ帰るね…」

287 名前: ◆kw1WUmBZ.Q [] 投稿日:2009/05/17(日) 00:06:54.58 ID:NcS0F0SVP

キョン「いや、別にお前がいいって言うならいいんだが」

朝倉「そう?じゃあいいかしら?」

キョン「ああ、それと後ろに隠れてる長門もな」

長門「……」コク

キョン「そういえば喜緑さんは家こっちの方なんですか?」

喜緑「いえいえ、お構いなく」

キョン「(いえいえと申したか…)ん、あれは」
キョン「周防九曜?」

九曜「―――こんにちは――」

キョン(この4人は、何かマズイぞ…)

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:14:16.12 ID:NcS0F0SVP

九曜「――わたしは」

喜緑「」スッ
朝倉「」サッ
長門「」ザッ

九曜「―――何か―」
九曜「一緒に――帰りたい―――だけなのに」

キョン(空気が、空間が何かヤバイ、どうするべきか)

喜緑「…そうですか、ならご一緒しましょう」

朝倉(キョンくん、大丈夫?)

キョン(ああ、何とか…しかしこのまま家に行ってもいいのだろうか)

長門(問題は無い…と思う、だけど不安なら)

キョン(いや、お前が大丈夫と言ってくれるなら気にする必要はない)
キョン「じゃあ一緒に帰るか」

九曜「―――あなたは」

キョン「どうした」

九曜「―それ」

キョン(一体どう反応すればいいんだ)

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:20:46.53 ID:NcS0F0SVP

キョン「しかしなんだ、家に来ても何もないぞ?」

喜緑「いえ、中に入るなんて思ってません」
喜緑「でも入れてもらえるなら入りたいです」

朝倉「私も、キョン君の部屋入ってみたいな」

九曜「―――私は――いい――」

長門「…私も遠慮する」

キョン「確かに俺の部屋は狭いが、どうせなら入ればいいだろう」

九曜「――意志の――伝達は――とれた――」
九曜「――――個人的に――満足――」

長門「…」フルフル

喜緑「…じゃあ私も今回は見送ります」

朝倉「そうね、皆がそうするなら…」

キョン(なんだろう、この残念な気持ち)

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[あと橘だけのハズ] 投稿日:2009/05/17(日) 00:24:32.50 ID:NcS0F0SVP

キョン「シャミセン、お手」

シャミセン「」パシ

キョン「お手」

シャミ「」パシ

キョン「お手」

シャミ「」パシ

キョン妹「キョンくん、何してるの?」

キョン「いや、何だかな…あ、そうだ、予備のボタンあったかな…」

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 00:31:38.32 ID:NcS0F0SVP

―――翌日

谷口「ったく!何で女子と一緒じゃねぇんだろうなァ!?あーつまんね」

キョン「体育でセクハラが起こらないようにじゃないか?お前みたいなヤツにさ」

国木田「ふふ、相変わらずだなぁ」


国木田「痛っ」

キョン「大丈夫か?」

国木田「うん、少しくじいただけ」

キョン「ほれ、背中にのれ」

国木田「い、いいよそんな!くじいただけだしさ」

キョン「ごたごた抜かすな、ほら」


キョン「国木田、お前ってさ…何か柔らかいな」

国木田「………褒められた気はしないよ」

300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>297把握] 投稿日:2009/05/17(日) 00:37:26.48 ID:NcS0F0SVP

キョン「ち…保健室の先生はいないのか」

国木田「あ、もういいよ、おろしてくれて」

キョン「ああ、もう大丈夫か?」

国木田「うん、大丈夫…キョン」

キョン「どした」

国木田「僕の分まで頑張ってきてくれ」

キョン「…ああ、わかった」


国木田「はぁ…」
国木田「…言えるわけないじゃないか」

保健室の先生「あら、どうやらあなたは」
保健「足よりも心の傷の方が深刻ね、ふふ」

国木田「…一体何のことでしょうか?」

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[全員の処理出会いが大変] 投稿日:2009/05/17(日) 00:47:30.30 ID:NcS0F0SVP

――部活

小泉「こんにちは」ギュ

キョン「な…古泉、いきなり抱きつくのはやめろ」

小泉「ふふ、こうでもしないと貴方を誰かに取られてしまいそうな気がしまして」

みくる「キョンくん、こんにちは」ギュ

キョン(前から後ろから、一体何なんだ!?)

長門「…」パタン

キョン(解散か、いつもより早くないか?長門)

303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[しまった森さんもいた] 投稿日:2009/05/17(日) 00:56:52.50 ID:NcS0F0SVP

橘「あー、こんにちは」

キョン「おう、お前らは…」

橘「えへへ、お久しぶりです」

藤原「…フン」

キョン「くそ、相変わらず無愛想なヤツめ」

橘「良かったらご一緒しませんか?」

キョン「まぁ、断る理由もないが…」



橘「それでー、こーんなにおっきくて…ってもうこんな時間!?ごめんなさい、帰ります!」

キョン「あ、ああ…お前はどうするんだ?」

藤原「…フン」

キョン「相変わらず虫が好かん男だ」

藤原「…ボクは女だ!!」

キョン「はいはい…って!え!?」

藤原「さっきから失礼なヤツだ…ってなんだ?もしかしてお前…」
藤原「ボクのことずっと男だと思って…」

306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:02:24.41 ID:NcS0F0SVP

藤原「なんだ…それじゃあ僕一人で馬鹿みたいじゃないか」
藤原「お前と会ったから今日ずっと楽しみにしてて緊張して」
藤原「久々に会えたお前を見てドキドキしちゃったりしてさ」

キョン「じゃあ今日の態度は」

藤原「緊張してたんだよ!当たり前だろ!?」

キョン「藤原…お前…」
キョン「………」

藤原「むっ…なんだよ、黙っちゃって」

キョン「嘘だろ…?マジかよ…」

藤原「…分かったよ!僕が女の子だっていう証拠をみせてやる!」

キョン「ちょっと待て済まん俺が悪かった許してくれ」

藤原「…分かればいいさ」

キョン「なんだ、お前…結構可愛いじゃないか」

藤原「うるさい!」

キョン「可愛いな、藤原、可愛いよ」

藤原「言うなーっ!!」

キョン(こいつ…おもしれぇ)

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:13:27.45 ID:NcS0F0SVP

キョン「しっかし面白かったな…まさか、な」

阪中「あ、キョンくん!?」

キョン「お、確か…阪中だったか?ルソーの散歩か?」

阪中「うん、そうなのね。一緒に歩く?」

キョン「いや、今日はもう帰ろうかね」

阪中「気をつけてねーっわぁああ」

キョン「ちょっ…大丈夫か!?」

阪中「だ、大丈夫、私は大丈夫だから…」

キョン(よもや何もないアスファルトで転ぶとは…)

阪中「わわ、ルソーだめだってば!!あうぅ」

キョン「ぶっ…こらルソー、飼い主を縛るな」

阪中「ああう、ほどいてぇ…」

キョン「ったく、大丈夫か?」
キョン(何か一緒に散歩行ってやらないと心配になってきた)

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:18:51.02 ID:NcS0F0SVP

阪中「ごめんね、さっきはありがとうなのね」

キョン「いやいやお安い御用」

阪中「ルソーの散歩にまで付き合ってもらっちゃって、悪いなぁ」
阪中「良かったら、ウチに上がってく?」

キョン「いや、流石にちょっと遅いからな」

阪中「そっか、じゃあ泊まってく?」

キョン「いや、ちょっと待て、何故そうなる」

阪中「ごめんね、私の部屋、ベッド1つしかないからそこで2人で寝る事になるけど…」

キョン「いや、そういう事じゃなくてな」

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:27:43.74 ID:NcS0F0SVP

キョン「いけね、そろそろ帰らないと怒られるだろうな」

森「あ、こんばんは…急いでるようですね、送りましょうか?」

キョン「あ、森さん…頼めますか?」

森「どうぞ、お乗りください」



森「どちらまで?」

小泉「貴方の心に届くまで」

キョン「家の近くまでお願いします。古泉、何でお前が」

小泉「こんばんは、たまたまですよ本当に」
小泉「新川が外せない用事があったので、代わりに僕がですね」

キョン「…?そういえばお前らって何の仕事だったっけ?学生でもできるのか?」

小泉「まぁ、簡単なアルバイトですよ」

森「家まで行けばよろしいですか?」

キョン「いや、家の前にこんな仰々しい車を止めたりしたら…」

森「ふふ、それもそうですね、かしこまりました」ニコ

320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:38:24.07 ID:NcS0F0SVP

小泉「ふふ、狭い車内に男女が二人…どうしますか?」

キョン「わざと隙を作るのはやめてくれ、あと顔が近い」

小泉「そうですか?こうやって…」

森「わっ」キキィ

キョン「あ、あぶね…どうしたんですか?森さん」

森「いや、猫が飛び出してきまして…すみません」

キョン「いえ…古泉、お前は大丈夫か?」ギュ

小泉「………」

キョン「おい、古泉?」

小泉「へ?あ、だ、だいじょうぶですよ…?」

キョン「本当にか?お前、少し顔が赤いぞ?」

小泉「………」ドキドキ

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:40:55.53 ID:NcS0F0SVP

キョン(い、いかん、話題を変えねば、何か心苦しい)
キョン「森さん、貴方可愛いですね」

森「へ!?」

キョン(しまった…!さっきのやり取りでふと出た言葉がこれかよ…)
キョン「すみません…本当に何でもないです」

森「そ、そうですか…」

キョン「あ、ここで降ろしてください」

森「お元気で」

322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:43:43.69 ID:NcS0F0SVP

キョン(さて、と…ん?)ゴソゴソ
キョン「これは…あの日記か、忘れてた」

ハルヒ(あ、キョンだわ!)

キョン「丁度ここ、ゴミ捨て場みたいだな…捨てとくか」
キョン「やべえ、早く帰らないと…!」

ハルヒ「…何捨てて行ったのかしら?」パラパラ
ハルヒ「これって…?」

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:46:58.56 ID:NcS0F0SVP

キョン「すまんな、遅くなって…ただいま」

キョン妹「うわあああんキョンくううん!!」抱きっ

キョン「ちょ、そ、そこまで泣くこたないだろ」

キョン妹「良かった、帰ってきてくれて…何かもういなくなっちゃうような気がして…」

キョン「何言ってるんだお前は…」ギュ

キョン妹「やだよぅ、やだよぉ…」

キョン「らしくないぞ?落ち着け」

キョン妹「今夜は…ヒック…一緒に寝て…?」

キョン「ああ、わかった、わかったから」

325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:52:26.55 ID:NcS0F0SVP

トゥルルルル トゥルルルルル
キョン「おう、ハルヒか」ガチャ

ハルヒ「ごめん、今大丈夫?」

キョン「問題無い。お前らしくないな、どうした?」

ハルヒ「ちょっと二人きりで話したいことがあるの」

キョン「今からか?もう夜だぞ?」

ハルヒ「別に明日でもいいんだけどさ、凄い気になって…」

キョン「…分かった、どこで待ち合わせればいい」

ハルヒ「急勾配の坂の上に、広い空き地があるでしょう?」
ハルヒ「あそこへ、来てくれる?」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 01:57:33.62 ID:NcS0F0SVP

キョン「そうだな…とりあえず妹が寝静まってからになると思うが、それからでもいいのか?」

ハルヒ「私は大丈夫よ、だけどキョンは?」

キョン「いや、まぁ…大丈夫さ、何とかな」

キョン妹「キョンくん?」

キョン「悪い、切るぞ」ガチャ
キョン「どうした?もう寝るか?」

キョン妹「…」ギュウ

キョン「おいおい、どうした本当に」

キョン妹「どこにも行かないでくれる…?」

キョン「………あ、ああ…」
キョン「もう寝るか?」

キョン妹「…うん」

330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[書き溜め紛失] 投稿日:2009/05/17(日) 02:10:28.65 ID:NcS0F0SVP

キョン妹「スゥスゥ…キョンくん…」

キョン(…済まないな、俺は行かねばならない…何となくそんな気がするんだ)スッ
キョン「…じゃあな」

キョン妹「キョンくん」

キョン「な…起きてたのか?」

キョン妹「平気だよ、キョンくん絶対帰って来るんだよね…?」

キョン「ああ、もちろんだ」

キョン妹「信じてるから…」

キョン「ここに帰らなけりゃ、俺は一体どこに帰るってんだ」
キョン「安心しろ、すぐに済ます」

キョン妹「………行ってらっしゃい」

334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:21:11.56 ID:NcS0F0SVP

キョン「はぁ、はぁ…待たせたな」

ハルヒ「別に、悪いのはこっちだしね」

キョン「一体どうしたんだ?」

ハルヒ「これ、この日記よ」
ハルヒ「SFかと思ったけど、既視感が凄いのよ…」
ハルヒ「キョン、貴方は一体何者なの?私たちは一体誰なの?」

キョン「何言ってるんだお前は」

ハルヒ「私達団員が集まった経緯って覚えてる?」

キョン「そりゃお前、一人は最初からいて、一人は上級生のクラスから拉致してきて」
キョン「一人は転校生だからって無理矢理引き込んで…ってあれ?」

ハルヒ「拉致?そんな事したかしら私…じゃあパソコンは?」

キョン「コンピ研からパクってきたんだろ」

ハルヒ「最初から無かった?私がそんなことしたの?」

キョン「あれ、ちょっと待て、何かがおかしい」

336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:24:00.25 ID:NcS0F0SVP

キョン「そうだ…思い出した…」

ハルヒ「キョン?」

キョン「ジョン・スミスだ…」

ハルヒ「!?」バキィ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
長門「!?」

小泉「…!?」

みくる「?」

長門「………」ガチャ

小泉「森、車を戻してください…場所は…」

みくる「???」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キョン「俺は、帰らなくちゃならん、ハルヒ」
キョン「どうやったら戻れるか教えてくれ」

339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:28:19.40 ID:NcS0F0SVP

ハルヒ「な、なに言ってんのよ…」
ハルヒ「帰るって…自分の家によね、キョン?」

キョン「いや、元々俺がいた世界にだ」

ハルヒ「………異世界人…か」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「キョン、私ってわがままだからさ、」
ハルヒ「最後のわがままです、聞いてください」
ハルヒ「…ずっとここにいてください」

キョン「いや、お前な…俺が帰ったら代わりに誰かが」

ハルヒ「代わりなんていないわよ!」
ハルヒ「いたとしても…キョンの代わりじゃ、私いらない…」
ハルヒ「私はキョン、紛れもなく私の前にいる貴方に、ここにいてほしいんです…」

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>340≒リンク及び同期] 投稿日:2009/05/17(日) 02:36:12.13 ID:NcS0F0SVP

キョン「い、今しかないんだ…俺の直感だが、今しか帰れないんだ…」
キョン「ハルヒ、すまん、わかってくれ…」

ハルヒ「ここじゃ、嫌だった…?」

キョン「正直言う、こっちの方が居心地が良かった」
キョン「だが、俺は帰らなくちゃならないんだ」

ハルヒ「…あーもう、わかったわよ!」
ハルヒ「帰るなら…ちゃっちゃと帰っちゃいなさいよ!」

キョン「ハルヒ…」

ハルヒ「居心地良かったって…嬉しかった」
ハルヒ「もう私のことは忘れて…」ムグ
ハルヒ「ん…っっ…」

キョン「済まないな、ハルヒ…これで許してくれ」

ハルヒ「…っバカキョン! そ、そんなことされたら…っ」
ハルヒ「せっかくの決心が揺らいじゃうじゃない…!」
ハルヒ「ばか…ばかぁ…」

キョン(青い柱が…きっとこの中か)
  ――平気だよ、キョンくん絶対帰って来るんだよね…?
  ―――私はキョン、紛れもなく私の前にいる貴方に、ここにいてほしいんです…
  ――――せっかくの決心が揺らいじゃうじゃない…!
キョン「………」

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:51:13.03 ID:NcS0F0SVP

キョン「なぁハルヒ、世界は狭いと思わないか?」

ハルヒ「え…?」

キョン「世界はあまりにも狭い、俺は外国になんか行った事ないが」
キョン「知ってしまったらそれまでだ、凄く狭く感じる」
キョン「ただっ広い地球という球体の、半分にも満たない表面で俺たちは生きているんだ」
キョン「宇宙だって、ナントカ思念体とかがいるらしいが、ただそれだけだ」
キョン「脳に収めちまえば、狭く感じるんだ」
キョン「…地球は平面で、果てがあったとしたら…そっちの方が広いと思わないか?」
キョン「果てがあるんだぜ?でも誰もその果てを見たことがない…」

ハルヒ「…?」

キョン(だろうな、そういう反応が当然だ)
キョン(だがこのセリフは何故か知らないが、言わなきゃならないことらしいんだ)
キョン「まぁ、またいずれどこかでひょっこりと会えるさ…じゃあな」

小泉「待ってください!」

長門「あっ……!」


  ヒュン

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:53:40.43 ID:NcS0F0SVP

キョン「……んっ、ここはどこだ?」

佐々木「気がついたかい?」

キョン「うわっ佐々木!?」ガバ

佐々木「まったく、キミが急に寝始めるだなんて、思わなかったよ…」

キョン「…なぁ、まさかとは思うが」
キョン「ずっと膝枕しててくれたのか?」

佐々木「ん、まぁね。大した事じゃない」
佐々木「さ、もう帰った方がいいんじゃないかな」

キョン「…帰る、か」
キョン「そうだな…」

354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 02:58:49.27 ID:NcS0F0SVP

当然ながら、妹は料理など作ったりしなかった

キョン「ただいま、妹よ」

キョン妹「きょーんくーんおかえりー♪」

キョン「…ああ、ただいま」ガチャ

キョン妹「キョンくん、ごはんさめちゃうよー?」ガチャ

キョン「勝手に部屋に入ってくるな、すぐ行くから待っててくれ」

キョン妹「んーわかったー」

キョン「はぁ、なんなんだろうな…このやるせなさは…ん?」ゴソゴソ
キョン「内ポケットに何か入ってる…?」

【言えなかったけど―――ずっとずっと、好きでした】

キョン「…はぁ、本当、なんだろうな」
キョン「この喪失感は…」
キョン「そうだ、まだひとつ約束が残ってたな」

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/17(日) 03:03:58.58 ID:NcS0F0SVP

―――翌朝、俺はハルヒにあの紙を見せた

ハルヒ「何なのよこれ、私の字じゃない」
ハルヒ「アンタ、こんな手の込んだイタズラをしたわけぇ?」
ハルヒ「…次やったら死刑だから」ビリビリ

ハルヒがその紙を破ると予想はしていたので、コピーしたのを渡しておいて正解だった
朝倉も佐々木もいなかったし、古泉も男だった。
朝比奈さんはいつも通り頼りなくて可愛い先輩だったし、長門は安心させてくれる無表情でいた
そして部活


キョン「古泉」

古泉「改まって…どうかしましたか?」

キョン「オセロでも、やろうぜ」


                        ―――fin.

366 名前: ◆kw1WUmBZ.Q [] 投稿日:2009/05/17(日) 03:11:13.14 ID:NcS0F0SVP

書いてるときのテンションの上下で文章が左右されすぎたりgdgdになったり
全キャラ書こうと思ったせいで個々のキャラとのイチャイチャが薄かったり
何より自分は持久力がないんだーって!推敲もへったくれもねぇ文章でござあました
本当はもっと個々のキャラ掘り下げて行きたかったんだが…疲労困憊だったの、すまんぬ
全てが理想の、キョンにとって最高の世界からキョンが元の世界へ戻らなければならない葛藤
何とか辛うじて表現できたんじゃね?まぁいいや!保守とか支援とか付き合ってくれてありがとう!
途中のレスに左右されたところも多かったので、何かネタくれたら書いちゃうかもしれんぬ、バイビー!



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