8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:26:58.23 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「この中にお医者様はいませんか」
ハルヒが声を上げる。
古泉「くはっ」
ハルヒ「ああ、大丈夫古泉君!」
一体なぜこんなことになってしまったのだろう。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:31:45.76 ID:hpdxUsHWO
みくる「しゅじゅみやしゃん」
ハルヒ「何? みくるちゃん」
みくる「ここは学校の敷地内でしゅし、お医者様はいないと思いましゅ」
ハルヒ「え?」
ハルヒはあっけにとられた顔をして辺りを見回す。
なんだそりゃ。
もとはと言えば原因はお前じゃないか。
俺は今日の団活を思い出していた。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:36:38.05 ID:hpdxUsHWO
授業も終わり、いつものように部室で古泉とゲームをする。
なんだかんだあっても、こうのんびり出来るのは幸せだよな。
そんな事を考えていると、ハルヒが部室にやって来た。
ハルヒ「みんないる? 今日は半年に一度の部室大掃除よ!」
長門「…………」
みくる「ふぇ?」
古泉「おやおや」
大掃除? なんでいきなり。
しかも半年に一度とか知らんぞ、そんなの。
ハルヒ「いいから大掃除! ほら、気合い入れて掃除しなさい!」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:41:32.66 ID:hpdxUsHWO
古泉「かしこまりました、団長様」
みくる「わかりましたぁ」
みんな素直に掃除するんだな。
まあ、普段朝比奈さんが掃除してるし大してする事もないだろう。
ハルヒ「ほら、キョンも動く!」
キョン「やれやれ」
ハルヒ「私も机の中でも掃除するかな」
そう言って机の引き出しを開けるハルヒ。
どうでもいいが、部室の机に私物入れておくってのはどうなんだろうな。
ハルヒ「あら!?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:47:39.28 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「うわー、懐かしい物出てきたわね」
引き出しから出てきたものは、なんだかよくわからないものだった。
石? じゃないし、かといってプラスチックでもないし、なんなんだあれは。
古泉「涼宮さん、なんですかそれは」
ハルヒ「ええ、これはね」
ハルヒ「カッパの頭の皿よ!」
キョン・古泉・みくる「エェーー!?」
ハルヒ「昔、近所のお寺にカッパのお皿が納められていると言われている所があってね」
ハルヒ「子供の好奇心でそれを持ち出しちゃったのよ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:52:15.10 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「それをふざけて頭にのせたら、取れなくなっちゃってね」
ハルヒ「そのうち手に水掻きは出来るわ、背中に甲羅は出来るわ、本当のカッパみたいになっちゃって」
キョン「はい?」
みくる「カッパってなんでしゅか?」
ハルヒ「皿が取れるまでの一年間、カッパの姿で過ごしたわ」
古泉「い、一年間!!」
みくる「カッパってなんでしゅか?」
ハルヒ「あれはつらかったわね……みんなに『カッパ野郎』って、よくいじめられたわ……」
ハルヒ「まあ実際カッパだったし」
みくる「カッパってなんでしゅか?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 17:58:01.84 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「今考えればたたりとかその手のものだったんでしょうね」
古泉「その手のものですよ、間違いなく……」
ハルヒは昔を思い出しているようで、なんだか遠くを見ている。
しかし、カッパの皿とはな……実在したのか。
ハルヒ「これをかぶったばかりに辛い子供時代だったわ」
ハルヒ「コレをかぶった……」
ハルヒ「!!」
ハルヒ「あーっはっは!」
ハルヒ「なーんてね! 冗談よ、冗談!」
なんだ、冗談か。
そりゃそうだよな。有り得ないよな、そんなの。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:03:34.40 ID:hpdxUsHWO
古泉「なーんだ、一瞬本気にしちゃいましたよ」
みくる「カッパってなんでしゅか?」
ハルヒ「それ、結構よく出来てるでしょ?」
キョン「ん? ああ、なんかふいんき(なぜかry)出てるな」
ハルヒ「見てると……思わずかぶりたく……なったりしちゃわない……?」
古泉「ええ、本当に。かぶったらカッパになってしまったりしそうですね」
キョン「はは、似合うと思うぞ」
みくる「カッパってなんでしゅか?」
古泉はカッパの皿を手に取って頭の上に持って行く。
ははは、イケメンがカッパってのも……。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:08:49.48 ID:hpdxUsHWO
古泉が今正にかぶろうとしたその時、俺はハルヒの異様な表情に気がついた。
なんだ、あの顔は。
血走った目で、古泉が皿をかぶる所を見つめている。
ハルヒ「はっ!?」
ハルヒ「な、なんか言った?」
えええ? 何?
何、今の顔?
古泉「…………」
キョン「…………」
古泉は俺とアイコンタクトをかわし、皿をハルヒに返す。
ああ、それが懸命だ。
古泉「あ、あの、やっぱり返します」
キョン「そうだな、考えてみれば古泉には被り物は似合わないよな」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:13:52.59 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「そ、そう? そんな事全然無いと思うんだけど」
古泉「い、いえここは遠慮しておきます」
ハルヒ「あらそう? でもほら、いつかぶりたくなるか分からないし、持ってていいわよ?」
古泉「いや、かぶりたくなることはないです、絶対に」
全力で否定する古泉。
気持ちは分かる、分かるぞ。
ハルヒ「じゃ、キョン」
キョン「断固断る」
ハルヒ「そ、そう? じゃ、いきなり泳ぎが上手くなりたい、とか……」
キョン「…………」
古泉「…………」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:18:35.81 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「そう」
ゆっくりと立ち上がるハルヒ。
その手にはカッパの皿。
ハルヒ「どっちでもいいからさっさとかぶりなさい!」
キョン「逃げるぞ! 古泉!」
古泉「言われなくてもスタコラサッサだぜい!」
ハルヒ「待てぃ!」
部室から飛び出す俺達。
捕まってたまるものか!
みくる「カッパってなんでしゅか?」
長門「本棚の上の方にハタキがかけられない」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:25:47.36 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「逃がしゃしねえ……」
ハルヒ「逃がしゃあしねえんだよ、このクサレ外道どもがぁ!」
ハルヒが猛スピードで追いかけてくる!
どうすれば……。
古泉「このまま同じ方向に逃げてもらちがあきません!」
キョン「古泉?」
古泉「二手に別れましょう!」
キョン「そうだな!」
そう言って、古泉とは逆方向に逃げようとした瞬間。
古泉「くらえ!」
背後から古泉の声がして、俺は地面と熱いキスをかわしていた。
あの野郎……ドロップキックかましやがって……。
ハルヒ「ほい」
キョン「は?」
キョン「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:32:04.54 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「うわ、キモいわねえ」
長門「緑」
みくる「ぬめぬめしてましゅ」
長門、朝比奈さん、いつ来たんですか。
んで、ハルヒ。
お前は後で説教だ。誰のせいでこうなったと思ってやがる。
古泉「あの、よく似合ってますよ」
キョン「うるせえ!」
ところで皆さんはカッパについてご存知だろうか。
頭の皿が乾くと死んでしまう、キュウリが好物、体が緑色。
他にもいろいろあるが、このような恐ろしい特徴もある。
そう。
キョン「古泉の尻子玉、ゲットだぜ!」
人間の尻子玉を抜いてしまう、と言った特徴が。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:34:19.57 ID:hpdxUsHWO
ハルヒ「古泉君!」
ハルヒ「この中にお医者様はいませんか!」
こうして話は冒頭へと戻るわけだ。
キョン「ハルヒ、コイツはどうやったら元に戻るんだ」
ハルヒ「え? 知らないわよ」
終わり
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 18:35:59.88 ID:hpdxUsHWO
>>25
今回のネタは九割がた極道一直線から影響を受けています
てか知ってる人がいて嬉しい
なんか組長ってハルヒっぽくない?