ハルヒ「こんなの拾ったわよ!」翠星石「は、離しやがれですぅ!」


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13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 21:07:01.26 ID:AMxMfzar0

ハルヒ「こんなの拾ったわよ!」

キョン「また何か拾ってきたのか?」

ハルヒ「これよ!」

翠星石「は、離しやがれですぅ!」

キョン「……」

古泉「……(ハァハァ)」

長門「……」

みくる「……」

キョン「……なぁ」

ハルヒ「何よ」

キョン「さすがに幼女誘拐はいけないと思うぞ」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 21:14:46.25 ID:AMxMfzar0

ハルヒ「違うわよ!よく見なさい!」

翠星石「こ、この変態!脱がすなですぅ!見るなですぅ!」

ハルヒ「これよ!見なさい。球体関節よ。」

みくる「きゅ球体関節ってことは、この子人形なんですかぁ?」

ハルヒ「そうよ!みくるちゃん。よく分かってるじゃない!」

キョン「(人形がしゃべるわけないだろ)」

キョン「……背中にボタンとかないのか?」

ハルヒ「あるわけないでしょ」

キョン「腹話術の人形なんじゃないのか?」

ハルヒ「なによ!あたしがしゃべらせてるわけないじゃない!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 21:38:00.08 ID:08/7qd+X0

キョン「そんなこと言ったってお前、人形がひとりでに動くはずが……」

翠星石「だーかーら! いい加減離せですっ!」バシッ ダッ

ハルヒ「いたっ! あ、ちょっと待ちなさい!」ダッ

キョン「……本当に、一人で歩いてたな」

古泉「ハァハァ…あ、はい。そうでしたね」

キョン「……? どうかしたのか、息を切らし…いや、今は置いておくか」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 21:51:36.26 ID:08/7qd+X0

キョン「長門、いったいあれはどういうことだ? 人形が勝手に……」

長門「……わからない 今言えるのは、あれが人ではないということ」

キョン「朝比奈さん、古泉。 二人は何か知らないか?」

みくる「すみません、わたしはなにも……」

古泉「僕もさっぱりです 一応、機関に連絡して調べてみます」

キョン「ああ、そうしてくれ さてと、ハルヒは追いかけて行っちまったが、俺たちはどうするか……」

ハルヒ「あんたたち、何やってるのっ!」ダッ

キョン「ぬお!?」ガタッ ドテッ

ハルヒ「団長命令よ、あんたたちもさっきの人形を探しなさい! 見つからなかったら死刑よ!」ダッ

キョン「やれやれ…… 仕方がない、俺たちも探すか」


それじゃ俺もぶん太見てくる

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:07:29.71 ID:08/7qd+X0

廊下



キョン「ひとまず2組に分かれて探しに来たわけだが……」

古泉「さて、どこから探すことにしましょうか……」

キョン「そうだな…… ひとまず、校庭にでも見に行くか?」

古泉「校庭だと、目立ちすぎるかと 彼女も、人の多いところは避けるでしょう」

キョン「それもそうか…… なら、いったいどこがいい?」

古泉「僕の予想では、校内をうろついている…… もしくは、屋上かと」

キョン「屋上か…確かに、今なら人は居ないだろうからな 隠れるのには、ちょうどいいだろう」

古泉「それでは、さっそく行きましょう」

キョン「ああ、そうだな」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:13:22.52 ID:08/7qd+X0

廊下



長門「……」

みくる「あっ、キョンくんたち、もういっちゃいましたね〜」

長門「……」

みくる「わたしたちも頑張って探さないといけませんね、長門さん!」

長門「……」

みくる「え、ええっと…… 長門さん、どこか思いつく場所はありますかぁ?」

長門「……こっち」

みくる「あっ、はい!」タタタ

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:18:36.87 ID:08/7qd+X0

屋上



キョン「さて、と…… 屋上についたわけだが」

古泉「誰もいない……ですね」

キョン「だな…… 見当違い、だったわけか」

古泉「ええ、たぶん…… 一応、辺りを探してみましょう」

キョン「ああ、そうだな ここなら校舎の周りがよく見える……ん?」

古泉「どうかしましたか?」


ハルヒ「ったく、どこに行ったのよあの人形……」キョロキョロ


キョン「いや、なんでもない ハルヒが怒ってるだけだ」

古泉「ははは……いやはや、早く見つけなくてはいけませんね 彼女の機嫌を、これ以上損ねないためにも」

キョン「ああ、そうだな……」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:30:08.70 ID:08/7qd+X0

焼却炉



みくる「ふぇ、焼却炉…… ええっと、ここにさっきのお人形さんが……?」

長門「……そう」

みくる「そうなんですか〜 それじゃ、しっかり探さないといけませんね!」

長門「……」コクリ

翠星石(さっきの集団の二人……くっ、なんでこの場所がばれたですか!?)

みくる「ええっと、ここらへんでしょうか……」

翠星石(くっ、捕まったら何されるか……)

みくる「違いますねぇ、それならこっち……」

翠星石(さっきの女から逃げるので疲れてるですが…… この二人ならなんとか!)ダッ

みくる「あっ! 長門さん、出てきまし…… ああ、逃げちゃいます!」

長門「……追う」タタ

みくる「あっ、はい!」タタタ

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:41:03.75 ID:08/7qd+X0

屋上



キョン「あっ、あれはっ!」

古泉「長門さん達に…さっきの彼女ですね」

キョン「ああ、そうだな ん……三人とも、中庭に向かっていくな」

古泉「確か、中庭には涼宮さんが……」

キョン「おっ、囲んだだ これなら大丈夫……だな」

古泉「ええ、そうでしょうね っと、僕たちも早く向かいましょう」

キョン「おお、そうだな 早くいこう」ダッ


???「あれは……翠星石?」



高校でもついてる所はついてる
まあ、さすがに使われてないが

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:48:14.47 ID:08/7qd+X0

中庭



翠星石「はーなーせーですっ!」

ハルヒ「ちょっと、大人しくしなさい! 今度は逃がさないわよ!」

キョン「おっ、やっぱり捕まえてたか 急ぐまでもなかったな」

古泉「ええ、そうでしたね」

みくる「あっ、二人とも! 長門さんが、居場所を見つけてくれたんですよ〜」

長門「……」

キョン「おお、そうなのか よくやったな、長門」

長門「……」テレテレ

ハルヒ「あんたたち、話はいいからロープなり何なり持ってきなさい! 早くしないと逃げちゃうわよ!」

翠星石「誰かぁぁぁぁぁ! JUM、蒼星石、真紅ー!」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 22:56:33.11 ID:08/7qd+X0




ハルヒ「さっ、これで逃げられないわよ!」

翠星石「うぅ……誰かぁ……」

キョン「おいおい、わざわざ縛らなくても……」

みくる「そ、そうですよぉ、涼宮さん そこまで……」

ハルヒ「うるさいわね、さっきみたいに逃げられたら面倒でしょ!」

キョン「やれやれ…… で? そいつを捕まえて、どうするんだ?」

ハルヒ「決まってるじゃない! こんな不思議な人形見たことある? まさに呪いの人形だわ!
     一体どういう原理で動いてるのか、あんたも気になるでしょ? だからSOS団で調査するのよ!」

キョン「はぁ……やっぱりな、そんなところだろうと思ったよ だが、探すといったってどうやって……」

???「貴方達、翠星石を離しなさい!」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 23:03:37.79 ID:08/7qd+X0


みくる「ふ、ふぇ!?」

長門「……」

古泉「これはこれは……」

キョン「喋る人形がもう一体……?」

翠星石「し、真紅! 助けに来てくれたですか!」

ハルヒ「こっちの人形が翠星石で、あっちの人形が真紅ね! それにしても仲間がいただなんて…
     ますます気になるわ! 二人だけなの? それとももっと沢山!? いいわね、なんだかわくわくしてきたわ!」

真紅「いいから貴方達、翠星石を離しなさい さもないと……」

ハルヒ「嫌よ! せっかく見つけた不思議なんだから、そう易々と逃せないわ!
     古泉君! あの人形も捕まえてしまいなさい!」

古泉「やれやれ……困ったものです」



すまん、風呂入ってくる
誰か続けてくれてもかまわない

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage_ただいま] 投稿日:2009/05/07(木) 23:51:42.37 ID:08/7qd+X0


真紅「……っ」ジリッ

古泉「いやはや、できれば手荒なまねはよしたいのですが…」

真紅「なら、翠星石を離しなさい ただそれだけでいいのよ」

古泉「僕としても、彼女を縛り付けるのは心苦しいのですが…… 団長の、命令ですので」ジリッ



キョン「……なんだ、さっきから互いに動かないな」

ハルヒ「古泉君一人じゃきついのかもしれないわね…… キョン! あんたも行きなさい!」

キョン「なっ!? なんで俺が!」

ハルヒ「団長命令よ、早くしなさい!」ドンッ

キョン「ぬお!? くっ、仕方がないか……っ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/08(金) 00:02:05.23 ID:iRoCoAVd0


古泉「……っ」ジリ

真紅「……っ」ジリ

キョン「くっ……これじゃさっきと変らんな 古泉、こっちにこい」

古泉「ええ、わかりました それで、どうしますか?」

キョン「このままなら、俺たちが出てきた通路から、校舎内に逃げられるかもしれない
     それをまずはどうにか……だな」

古泉「ふむ……つまり、どちらか片方が彼女の後ろに回る……ということですね?」

キョン「ああ、できれば俺たちが注意を惹きつけてる間に、ハルヒたちの誰かに後ろに回ってもらうのがいいんだが……」

長門「……問題ない」サッ

真紅「なっ!?」サッ

キョン「!? 長門、いつの間に……!?」

古泉「いやはや……さすがは長門さん」



正直ノリではじめてしまった。今は後悔している、サーセンwwwww

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/08(金) 00:19:53.48 ID:iRoCoAVd0


長門「……」

真紅「くっ、囲われたわ……!」

キョン「よし、このまま少しずつ距離をつめていけば……」

古泉「しかし、気を付けてください 何があるかはわかりません」

キョン「ああ、わかっている 人形なのに動いてるって時点で十分おかしいんだ
    何か隠していてもおかしくはない」

真紅「仕方がないわ…… ホーリエ!」

キョン「なっ、花びらが!?」

ハルヒ「すごいわ、風もないのに花びらが! やっぱり呪いの人形なのね、ますますほしくなったわっ!
     一体どういう原理なのか、この人形ともども調べないといけないわね……っ!」



よし、俺は終わらせれそうにないから>>1自らここからエロ展開にでもなんにでもつなげてくれ
1時まで見てる

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 01:30:02.02 ID:qSQ+agav0

キョン「お、おい!この花びら襲ってくるぞ!」

古泉「こ、これは危険ですね」

真紅「翠星石を解放しなさい。それで手じまいにしてあげるわ」

ハルヒ「うりゃああああああああ!」ゴッ

真紅「っ!?ホーリエ!」

キョン「は、花びらがおさまった」

ハルヒ「ふん。この赤い光が動力源だと踏んだけど違ったようねでもうっとおしい花弁は消えたわね」

真紅「くっホーリエを離しなさい!」

ハルヒ「いやよ。こんな不思議な現象を起こす人形をみすみす逃がすわけないじゃない!」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 01:37:48.70 ID:qSQ+agav0

キョン「(不思議というか異常というか……)」

ハルヒ「さぁ!真紅だっけ?観念しなさい!」

真紅「ふざけないで。誇り高きローゼンメイデンが辱めをうけるものですか」

ハルヒ「あっそ。これでも?」

翠星石「いやあああああああ!やめやがれですぅ!毛虫を近づけるなですぅ!」

キョン「後ろでに縛られた翠星石とかいう人形は朝比奈さんが捕まえている。
朝比奈さんも近づけられる毛虫にあからさまな嫌悪感をあらわにしている。
ふひひ。」

古泉「(シッ声に出ていますよ)」

翠星石「ひぃいいいいいい」

真紅「!翠星石!や、やめなさい」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 01:47:45.92 ID:qSQ+agav0

長門「毛虫以上に爬虫類の方が生理的嫌悪感を増長させられると思われる。ヘビを持ってきた」

ハルヒ「有希ナイスよ!ほらほら〜これでもくらいなさい」

キョン「朝比奈さんの方も異様におびえてるぞ」

翠星石「いやああああ!ヘビいやああああ!近づけるなですう!」

真紅「!す、翠星石!」

ハルヒ「動いちゃダメよ。あんたみたいな呪いの人形はどんな攻撃をしかけてくるかわからないわ
そこから一歩でも動いたら、この子をヘビが噛むわよ。ヘビが!」

真紅「な、なんて卑怯なの」


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:00:49.43 ID:qSQ+agav0

古泉「……ときに長門さん。ヘビなんてどこにいたんですか?」

長門「もらった」

古泉「誰にです」

長門「……」ジー

キョン「……向こうのあの小さい子供か?」

真紅「あ、あれは!」

???「僕だよ」

翠星石「ああっ!そ、蒼星石!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:09:36.19 ID:qSQ+agav0

蒼星石「やぁ真紅。翠星石」

ハルヒ「なによ!また仲間出現なわけ?」

蒼星石「初めましてSOS団のみなさん。僕翠星石の双子の妹で蒼星石といいます」

みくる「は、はじめまして朝比奈みくるでしゅ」

ハルヒ「みくるちゃん!得体のしれない人形に自己紹介しないの!」

みくる「ひゃ、ひゃい!」

キョン「そう言うお前は得体のしれない能力を持っているんだがな」

古泉「(シッ聞こえてますよ)」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:23:03.12 ID:qSQ+agav0

真紅「蒼星石。あなた。どういうつもり?」

蒼星石「真紅。とりあえず君は黙っていてくれないかな。で、涼宮さん」

ハルヒ「なによ」

蒼星石「僕はあなた方の邪魔をするつもりはありません」

ハルヒ「呪い人形の仲間じゃないの?」

蒼星石「一応同じタイプの人形……という点は間違いありません。でも必ずしも仲間というわけではありません」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:34:09.33 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「どういうこと?説明しなさい」

蒼星石「僕たちについてはWIKIペディアを調べてください」

キョン「投げたな」

ハルヒ「なるほど。よーするに戦う事を運命付けられた人形同士ってことね」

蒼星石「はい。僕がそこにいる第五ドールの真紅と姉の翠星石を救う理由はありません」

ハルヒ「そっちは納得したわ。でももう一つ。あなたの口ぶりはあたしたちの事を知ってるような口ぶりよね。
それはなぜ?」

蒼星石「簡単です。以前から興味があったからです。」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:49:14.73 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「呪いの人形の世界にもあたし達の素晴らしさが伝わってるってわけね!」

キョン「……そこまで言ってないだろ。てか呪いの人形の世界ってなんだよ」

古泉「……さぁ」

蒼星石「(ふっ、うわさ通りのキチガイっぷりだな)」

ハルヒ「で、蒼星石だっけ?一番肝心な事を聞くわ」

蒼星石「僕に応えられる範囲であれば、お答えします」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 02:55:11.85 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「あなたの目的は何?」

蒼星石「偉大なるSOS団団長涼宮ハルヒさんに協力してもらうことです」

ハルヒ「どういうことよ」

蒼星石「僕は真紅達を含めたすべてのドールのローザミスティカを集めてアリスになります。
だからあなた達が一通り楽しんだ後は、真紅と翠星石の処理してほしいんです」

翠星石「な、何を言ってるんですかっ!」

蒼星石「翠星石。僕は本気だよ?」

真紅「あ、あなた!」

ハルヒ「ふぅん。人形退治に力を貸せってわけね。それで見返りは?」

蒼星石「その他の薔薇乙女達をここに誘導してきます」

真紅「!あなた!売るつもりなの?」

翠星石「ひ、ひどいですぅ」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 14:53:54.85 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「さ、ここじゃ目立つし部室に連行するわよ!」

蒼星石「さぁ真紅も抵抗を止めて大人しくするんだ」サッ

真紅「そ、それは私のくんくん人形!」

蒼星石「さぁさぁ大人しくしないと僕のハサミでグサッと……」

真紅「やめてええええええええええ!」ガクッ

キョン「……意外とあっさりと落ちたな」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:00:43.18 ID:qSQ+agav0

‐SOS団部室兼文芸部室

キョン的状況説明

あの後、真紅とかいう人形はあっさり降参してハルヒに従ったぞ。
今は翠星石とかいう人形と一緒にイスに縛りつけられている。
古泉の鼻息が荒くてうざい。というかクサイ。ニンニク食べたな。

古泉「……全部聞こえてますよ」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:04:10.85 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「で。思わず縛りつけちゃったけど」

キョン「光景だけ見てると間違いなく幼女監禁だな」

真紅「くんくんくんくんっ……」

翠星石「い、いい加減ヘビを捨てやがれですぅ!」

キョン「長門。ヘビを山に帰してやれ」

長門「わかった」ニョロニョロ


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:06:09.65 ID:qSQ+agav0

古泉「大体それマムシですよ」

みくる「ひっ!」

蒼星石「甲山で捕まえてきました」

ハルヒ「さぁしゃべる人形を2体も手にれたんだし」

キョン「どうするんだ?」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:28:12.73 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「……何も考えてなかったわね」

キョン「おい……」

蒼星石「……」

古泉「……きょ、今日はもうこのくらいにして帰りませんか?明日皆で意見を出し合うというのは」

キョン「この二人はどうするんだ?とりあえずしゃべる人形にうろつかれちゃマズイだろ」

ハルヒ「そうね!今日はこの二人は部室においておきましょう」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:30:47.95 ID:qSQ+agav0

真紅「閉じ込める気!?」

翠星石「い、いやですぅ 夜の学校に置き去りなんてやめやがれですぅ!」

古泉「蒼星石さんはどうしますか?」

蒼星石「僕はマスターの所に帰ります」

翠星石「そ、そんな!見捨てるのですか?翠星石達がこんな所に一人で置き去りにされてもいいというのですか?」

蒼星石「……ふふふ」

ハルヒ「このくんくんとかいう人形を置いていってあげるから寂しくないわよ!」

真紅「!くんくんっ!」


翠星石「いやああああああああああ」


翠星石の悲鳴が響きわたる部室を後に俺たちは帰路についた。
ちなみにマムシはちゃんと山に帰したので大丈夫だ。


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:45:57.92 ID:qSQ+agav0

‐その深夜

翠星石「っく……ひっく……」

真紅「……いい加減泣きやむのだわ」

ガサガサッ

真紅「ひぃ」

翠星石「す、翠星石は怖いから泣いてるわけではないですぅ」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:48:01.20 ID:qSQ+agav0

真紅「蒼星石のことね」

ガサガサ

真紅「か、風の音よ。風の音だわ」

翠星石「復唱しなくても解ってるですぅ……」

真紅「……」

翠星石「蒼星石。どうしてこんなことをするのですか……翠星石にはちっとも解らないですぅ」

真紅「……」

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 15:59:03.70 ID:qSQ+agav0

‐廊下側

蒼星石「ふふふ。案の定、真紅は怯えているね。これでJUM君に喜んでもらえそうだ」ジー

(それにしても、JUM君も鬼畜だなぁ。いつも真紅に奴隷扱いされている腹いせに
深夜の学校に閉じ込めて、怯えた姿を撮影しろだなんて……)

(え?翠星石?それは僕の趣味だよ。でも残念だね。あんまり怖がってる様子じゃないなぁ)


蒼星石「それにしても翠星石もマヌケだったなぁ」


168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:05:08.57 ID:qSQ+agav0

‐‐‐‐‐‐およそ10数時間前

JUM「あーくそ!真紅め。いつもいつも俺様を奴隷あつかいしやがって!」

蒼星石「ほんとにひどいよね。最近の真紅のジュン君への暴言は少し目に余るものがあると僕も思うよ」

JUM「だろ?いくらなんでも奴隷じゃねんだよ!」

蒼星石「……」

JUM「ああー仕返ししてえ〜〜 丑三つ時に学校に閉じ込めて撮影した動画をニ○ニ○にうpしてやるううう」

蒼星石(ジュン君は僕にだけ素顔を見せてくれる。普段どちらかというとおとなしい口調のジュン君だけど
僕にだけは本音を打ち明けてくれる。ジュン君はいつも僕にだけ……)

蒼星石「……僕がジュン君の力にならなくっちゃ……」

JUM「え?何かいったか?」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:15:28.80 ID:qSQ+agav0

蒼星石「……ジュン君……僕が」

蒼星石(そうだ……どうせなら翠星石も……
翠星石はいつもジュン君に色目を使ってうざかったんだ。
しかもツンデレ気どりで表面上ジュン君に冷たく当たるし……
鈍感なジュン君がどれだけ傷ついたと思ってるんだ……!)


蒼星石「ごめんジュン君。出かけてくるね!」

JUM「あ、ああ……?」


182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:21:13.63 ID:qSQ+agav0

――呪いの人形集いの館(桜田家居間)

翠星石「今日のおやつは特製スコーン いっぱいいっぱいスコーンですぅ♪」

蒼星石「(好都合。翠星石一人だね)」

蒼星石「ねえ翠星石」

翠星石「蒼星石来てたのですか。何か用ですぅ?」

蒼星石「うん。ジュン君がね。うわ言のように生キャラメルが食べたいって言ってたんだ」

翠星石「生キャラメル?」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:25:43.78 ID:qSQ+agav0

蒼星石「うん。それでね。今日のおやつにさりげなく生キャラメルを出せば
翠星石はバッチリ良いお嫁さんをアピールできるんじゃないかな?」

翠星石「!そ、それはグッドアイデアですぅ!蒼星石感謝ですぅ!」

蒼星石「良いんだよ。僕は君が幸せになってくれればそれでいいんだ」

翠星石「そ、それで生キャラメルというのはどこに行けば手に入るですかっ!?」

蒼星石「うん。河川敷に雑草といっしょにたまに生えてるよ」

翠星石「さっそく採ってくるです!」ドタドタガチャ!


蒼星石「……さて」

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:33:37.12 ID:qSQ+agav0

‐‐県立西宮北

蒼星石「確かここだったかな」キョロキョロ

蒼星石「あ、黄色いカチューシャ あれがそうか」

ハルヒ「あー 何か今日も暇ね。どこかにしゃべる呪い人形でも落ちてないかしら」

蒼星石「今だっ!」


蒼星石裏声 『えー!まじぃ?動く人形!?そんなのいるわけないじゃん』

蒼星石裏声その2 『まさか噂の呪いの人形〜〜?』

蒼星石裏声ミッ○ー『河川敷で「生キャラメル生キャラメル」って呟きながら歩いてるんですって』


ハルヒ「!!動く人形!?生キャラメル!?さては生キャラメルを食べられずにこの世を去った
子供の怨念が人形に宿ってるのね!大発見だわ。河川敷ねっ!」 ドドドド

蒼星石「……足早いなぁ……」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:41:51.66 ID:qSQ+agav0

‐‐翠星石

翠星石「生キャラメル生キャラメル。どこですかぁ?生キャラメル早く出てきやがれですぅ」

……ドドドドド

翠星石「な、なんですかっ!?このマグニチュードは!」

ハルヒ「うりゃあああああああああ」ガッシ

翠星石「きゃああああああ」

ハルヒ「あんたが呪いの人形ね!観念なさい!」

翠星石「な、なんなんですかっ!お前は誰ですか!」

ハルヒ「黙りなさい。」

翠星石「ひっ」

ハルヒ「連行するわ」

翠星石「は、離しやがれですぅううう!」


205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 16:47:47.31 ID:qSQ+agav0

‐‐そして今にいたる

蒼星石「それにしても生キャラメルって河川敷に生えてるのかな」

(まぁいずれにしても、SOS団という連中なら存分に楽しませてくれるよね)


……ヒタヒタ

蒼星石「!誰かこっちにくる。え?あ、あれは」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:00:20.87 ID:qSQ+agav0

‐‐SOS団部室

翠星石「……蒼星石はきっと本心からやっているわけではないです」

真紅「何か事情があるのだわ」

翠星石「とっと翠星石達が知らない間に蒼星石を怒らせるような事をしたに違いないです」


ガチャガチャ

真紅「ひっ!か、風の音よ!風の音だわ」

翠星石「っ!ち、違うです。誰かが扉を開ける音です」

真紅「だ、だ、誰っ!?」

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:12:52.98 ID:qSQ+agav0

???「……ハァハァ」

真紅「あ、あなたは!」

翠星石「な、なんなのですか。どうしてそんな血走った目をしてるですか」

???「ふひひ」ジー……ゴソゴソ

翠星石「な、何をチャックをおろしてるです。な、何を出そうとしてるですか!」

真紅「け、汚らわしいのものを出さないで頂戴!」

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:20:30.49 ID:qSQ+agav0

???「ハァハァ」シコシコ

翠星石「!!や、やめやがれですぅうう!」

真紅「い、いや……お、おとうさま」

真紅&翠星石「い、いやああああああああああ!」

ドピュァアアアアアア!


‐‐廊下側

蒼星石「……とんでもない映像が取れてしまった。まさかこんなことが起こるなんて
予想以上の事態だよ。で、でもあれって……」

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:28:16.11 ID:qSQ+agav0

‐‐次の日

キョン「今日も昨日と同じ良い天気なわけだが。おそらく今日のハルヒも単なる能天気でしかない。
また、あのしゃべる人形達の扱いについて部活で話すんだったなと思うと
いつもの早朝ハイキングコースも一段と悪意を帯びて、俺の気持ちを億劫にさせるものなのさ」

古泉「随分と饒舌ですね」

キョン「そうでもない。昨日色々ありすぎて体の節々が痛い」

古泉「中々に骨の折れるアンティーク達でしたからね」

キョン「それにしても古泉。お前随分とさわやかだな」

古泉「そうですか?」

キョン「ああ。サワヤカというかキモヤカともいえるレベルだ。一発抜いた後の賢者タイムなみだろ」

古泉「これはこれは。随分とひどい言われようですね。ふひひ……」

キョン「ま、とりあえずまた後でな」

古泉「はい」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:35:23.58 ID:qSQ+agav0

‐‐教室

谷口「おいキョン!」

キョン「お、谷口か。今日はえらく早い出勤だな」

谷口「バーカ。お前が遅いだけっての」


 時計を見るといつもより遅い、ギリギリの時間だった。
 となれば一緒に登校した古泉もギリギリだったことになるな。
 あいつにしては珍しいもんだ。夜更かしでもしたのか。


260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:40:14.14 ID:qSQ+agav0

国木田「谷口そんなこと話してる場合じゃないだろう?」

谷口「あおっと、そうだったぜ。WAWAWA忘れてた。涼宮が探してたぜ。大至急部室に来いだとさ」

国木田「追記。来なければ死刑だってさ」

キョン「……やれやれ」


267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:46:25.29 ID:qSQ+agav0

長門「……」

キョン「長門。お前も呼ばれたのか?」

長門「そう」

キョン「もうすぐ授業が始まるぞ」

長門「いい」

キョン「ダメだろ」

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:48:56.41 ID:qSQ+agav0

長門「昨日のヘビに情報操作を行う。第三者の目には今のあなたはあなたとして認識されない」

キョン「……ヘビ気に入ったのか?」

長門「早く」

キョン「あ、ああ解った」


 珍しく急かす長門にひっぱられ、俺は文芸部室ならぬSOS団部室に向かったわけだが……
 到着した俺を待ち構えていた風景は一種異様なものですらあった。

 恐ろしいものに取りつかれたように怯える真紅。
 泣きじゃくる翠星石。
 そして状況に不似合いの、異彩を放つ鮮やかなカチューシャを誇る我らが団長。

279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 17:56:12.10 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「来たわね」

キョン「あ、ああ」

みくる「あ、あのキョン君…・・古泉君は?」

キョン「あ、おはようございます。あいつはたぶん教室だと思います」

みくる「そ、そうですかあ(ホッ)」

長門「……」

キョン「で、なんなんだ?こんな朝っぱらから」

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:01:21.74 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「これを見なさい」

キョン「人形が泣いてるな。また毛虫でも押し付けたのか?」

ハルヒ「違うわよ!あたしが朝来たときにはもう泣いてたわ」

みくる「あ、あのこれキョン君。」

 朝比奈さんの木目細かな手が、み目麗しい手つきで指差したのは
 泣きじゃくるドールのドレスだった。


290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:05:41.92 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「……見事にカピカピよ」

キョン「……みたいだな。なんかよくわからんがペンキでもぶっかけられたのか?」

ハルヒ「変な臭いがするわ」

キョン「まぁペンキは臭うからな」

長門「違う」


 わざととぼける俺の意に反して
 発言したのは、意外にも長門だった。


294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:10:26.52 ID:qSQ+agav0

長門「これは‐‐」

みくる「!あ、赤ちゃんを作るホワイトソースですうう!」

キョン「……」

 禁則を口にしそうになった長門を朝比奈さんの機転が救った。
 ハルヒもここにきて口にすることは憚られていたに違いない。

ハルヒ「ゴホン!で、そ、その赤ちゃんのソースがぶっかけた人がいるわけよ」

 何を顔赤らめてるんだ。こいつは。

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:15:11.16 ID:qSQ+agav0

キョン「……はぁ?」

ハルヒ「解る?夜中のうちに忍び込んで、この二人にイタズラをした変態がいるわけよ!」

キョン「……」

ハルヒ「良いかしら?これはゆゆしき事態よ!SOS団に対する挑戦ともとれるわ」

キョン「……そうなのか?」

ハルヒ「そうよ!今日はこの子たちについて尋問しようと考えてたけど、変更よ!
この子たちを泣かせた犯人を捕まえるわ!こっちの方が大事件よ」

307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:19:28.16 ID:qSQ+agav0

キョン「二人に聞けば一発でわかるだろ」

ハルヒ「要領を得ないのよ。翠星石は泣いてるし、真紅は血走った眼がどうとか言うだけ放心状態だし」

キョン「……で、俺たちが犯人を探すのか……」

ハルヒ「そうよ!解ったら調査に向かいなさい!」


 そこまで言って、俺と長門と朝比奈さんは追い出された。
 どうやらハルヒはもう少し現場を調査するらしい。

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:23:01.19 ID:qSQ+agav0

キョン「……あの朝比奈さん」

みくる「わ、私もよくわからないんです。今朝学校についたら
すごい剣幕の涼宮さんに部室に連れていかれて」

キョン「……何か心当たりありませんか?」

みくる「え、えっ?な、何がですか?」

321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:26:59.45 ID:qSQ+agav0

キョン「朝比奈さん。どうして俺が部室についたときに古泉について聞いたんですか?」

みくる「え、え?な、何がですか?こ、こ、こ古泉君がどうしたんですかぁ?」

 俺は少し間をおき、息をためる。
 少しの間と、真剣な表情で問いかけられた場合
 人に幾ばくかの萎縮的効果を与えることは、俺の短い人生経験でも
 体感済みだ。


333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:32:51.34 ID:qSQ+agav0

キョン「……朝比奈さん」

みくる「ひゃ、ひゃいっ!」

キョン「古泉と言ってください」

みくる「え、え、え?こ、古泉君?」

キョン「もう一度落ち着いて『古泉』です」

みくる「こ、こ、こ、こ、こい、古泉君ですかぁ?」

339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:38:08.74 ID:qSQ+agav0

キョン「……」

みくる「……」

キョン「……朝比奈さん」

みくる「ひゃ、ひゃいっ!」

キョン「古泉のこと疑っていませんか?」


341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:40:26.80 ID:qSQ+agav0

みくる「……あ、あの、その……き、禁則!そうっ!禁則事項です!」

 やれやれ。仕方ない……
 助け船を出してやるか。

キョン「朝比奈さん。俺はぶっちゃけ古泉を疑っています」

みくる「ふぇっ!?」

345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:47:31.51 ID:qSQ+agav0

キョン「考えてみれば今日のあいつには、そうした気配がありました。例えば普段より遅い登校時間。」

みくる「……」

キョン「昨日の……いや、今日になるんですかね。まぁ夜中に忍び込んで事に及んでいたんならば寝不足でしょうし」

みくる「……」

キョン「それに今日のあいつは、少し疲れが見えていました。心なしか坂道で息も切れていたようですし。
これは単純です。体力の源を放出したわけですからスタミナが落ちてるわけですからね」

347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 18:51:38.55 ID:qSQ+agav0

みくる「そ、そうなん……ですか?」

キョン「……俺は包み隠さず話しました。朝比奈さんも話してくれますね?」

みくる「……っう……ひっ……く。は、はい……」

 朝比奈さんは返事を返してくれた。
 心苦しい嗚咽とともに、まるで忌まわしい何かを吐き出すかのように……


354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:05:04.54 ID:qSQ+agav0

みくる「わ、わたし。わたし信じられない。こ、古泉君がこんなことをするなんて」

キョン「何があったんですか?」

みくる「あ、あの実は……こ、これ涼宮さんには内緒にしてくださいね。長門さんも」

長門「わかった」


 それまで聞きに徹していた長門がおもむろに返事をした。


キョン「解りました。俺も言いません」

359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:11:04.15 ID:qSQ+agav0

みくる「じ、実は今日の夜、わ、わたし学校に忍び込んだんです……!」


 これまた大胆な。
 朝比奈さんには似合わないシーンだ。


みくる「そ、その。こんな所に二人きりで閉じ込められてるお人形さんがかわいそうで……さ、差し入れを持ってきたんです」

キョン「なるほど……」

みくる「あ、あの。ほ、本当は逃がしてあげようと思ってたんです。す、涼宮さんがあまりにも一方的すぎたから……」


366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:18:04.42 ID:qSQ+agav0

キョン「解りますよ」

 朝比奈さんはやはり女神だろう。朝比奈さんがいるいつかの未来の辞書には
 女神の項目には3行目に朝比奈さんの名前があるに違いない。

みくる「そ、そしたら」

キョン「古泉が?」

みくる「あ、いえ。直接現場を見たわけじゃないんです……」

キョン「なるほど、古泉が居たと」

みくる「……はい。私が見た時古泉君は部室の前にいました。その時の異様な笑顔と不気味な光景が忘れられなくて……」

371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:22:19.84 ID:qSQ+agav0

 それはもっともだ。
 深夜の学校に忍び込んだ男子高校生が、しゃべる人形が監禁されている部屋を
 前に笑顔で佇んでいる。まさに不気味な光景だろう。

 ましてや、臆病な朝比奈さんのことだ。
 真夜中にそんなシーンを見せつけられてしまっては
 やむを得ないだろう。


みくる「それでそのまま怖くなって帰ったんですけど、朝になって……」

 この事件。朝比奈さんが疑うのには合理的な理由はあるわけか。

376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:25:57.21 ID:qSQ+agav0

キョン「仕方ありません。丑三つ時にそんなものを見せつけられたら誰だって怖いですよ」

長門「……」

みくる「わ、わたし、し、信じられなくって」

キョン「まだ決断には早いですよ」

みくる「……え?」

キョン「朝比奈さんが見たのは深夜の廊下ですよね?」

みくる「は、はい」

380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:31:00.47 ID:qSQ+agav0

キョン「俺も古泉があやしいとは言いましたが、第三者の見間違いという可能性も否定できません」

みくる「そ、そうですね!視界も暗かったし……」

キョン「はい。俺たちは別人犯人説で動きましょう!古泉はそんな奴じゃないって信じてあげましょう」


 気がついたら中庭だった。朝比奈さんの話を聞いている間に随分と足は動いていたようだ。
 その時だった。


古泉「おや?みなさんお揃いで。何かありましたか?」

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:37:02.25 ID:qSQ+agav0

キョン「!古泉」

みくる「わ、わたし何もしりましぇええん!」

古泉「……?どうされたんですか」

キョン「い、いやなんでもないぞ。それより古泉どうしたんだ」

古泉「彼女に呼ばれたんですよ」

キョン「ハルヒにか?」

古泉「はい。それで皆さんに声をかけたわけですが」

キョン「……わかった。部室に戻ろう」


390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:44:43.84 ID:qSQ+agav0

古泉「これは一体どういう趣向でしょうか……?」

 古泉のニヤケ面にわずかなほころび生まれていた。
 ポーカーフェイスの美少年は、今かつて体験した事がないであろう状況におかれていた。

 文芸部室――通称SOS団部室
 こいつは今、拘束衣を着せられ、目隠しをされた上に椅子に縛りつけられていた。

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 19:49:28.44 ID:qSQ+agav0

キョン「……どこのブリタニア軍の取り調べだよ」

古泉「涼宮さん。さすがに理由を説明していただきたいのですが」

ハルヒ「黙りなさい。この子が全て説明してくれるわ」

キョン「この子?」

蒼星石「おはようございます。皆さん」


395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 20:07:37.78 ID:qSQ+agav0

みくる「おはようございます」

ハルヒ「呑気に挨拶してる場合じゃないでしょ!みくるちゃん」

みくる「ご、ごめんなさい」

キョン「蒼星石だったっけ?何を説明してくれるんだ?」


 まぁ、聞くまでもないだろう。幼女‐‐もといしゃべるドールイタズラ事件についてだな。

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 20:48:49.60 ID:qSQ+agav0

蒼星石「実は僕。昨日の夜から深夜にあたりまで、ここの教室の前にいたんです」

ハルヒ「それは何故かしら?」

蒼星石「二人が逃げないように見張っていたんです」

ハルヒ「で、そうしたら?」

蒼星石「……」

436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 20:57:20.48 ID:qSQ+agav0

 まさか……こいつまで居たとは誤算だった。まずいな。ピンチだぜ。

ハルヒ「言いにくいようならあたしが代わりに言うわよ」

蒼星石「……いえ、僕が言います。その人のためになりませんし」


 そういって蒼星石は毅然とした視線をまっすぐに向けた。目の前の男‐‐古泉一樹に。


蒼星石「この部室の扉の前に僕はいました。その時、足音が聞こえてきたので僕は反射的に隠れてしまったわけなんですが」

439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 20:59:14.13 ID:qSQ+agav0

みくる「え?え?」

キョン「……廊下のどこに隠れるところがあるんだ?」

蒼星石「これでやり過ごしました」


 蒼星石はそう言うと、何やら布地のようなものを取り出した。
 それは廊下の壁と同じ色をした面積の広いマントだった。
 なるほど、これで壁と同化してごまかしたってか。

 無理のあるカムフラージュだが、深夜の暗い廊下ならば効果的かもしれない。
 おそらく、朝比奈さんも気付かなかったんだろうな。

449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 21:03:16.59 ID:qSQ+agav0

蒼星石「そうしたら人がやってきたんです」

ハルヒ「それは誰だったわけ?」

蒼星石「この人でした」


 そう言って、このボーイッシュなドールは古泉を指差した。
 もちろん目隠しされた当人には判るよしもないだろうが……


ハルヒ「古泉君。あなたは昨日学校に忍び込んだわね。それはなぜ?」

467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 21:12:17.40 ID:qSQ+agav0

古泉「……」

ハルヒ「そう。じゃあ別の質問にするわ」

 ハルヒの腕章が光る。
 よく見ると腕章はいつぞやの「名探偵」だった。

ハルヒ「今朝、この二人のドールたちが何者かに乱暴されたの」


 翠星石がかすかに「ひっ」と悲鳴を上げ
 真紅は怯えたような視線を向ける。

481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 21:31:31.67 ID:qSQ+agav0

ハルヒ「身に覚えはあるかしら?」

古泉「……」

蒼星石「きっとこの人です。この人が僕の姉妹達を凌辱したんだ!」

古泉「待っていただけますか?」


 そこにいたり、疑惑の張本人がようやく口を開いた。
 古泉よ、何と切り抜けるんだ。いいぞ。がんばれ。

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 22:11:16.65 ID:qSQ+agav0

古泉「蒼星石さん。あなた方はアリスという少女になるために、争う関係でしたよね。例え姉妹であっても」

蒼星石「……それが何か?」

古泉「おかしくないですか?普段争う間柄であるはずのあなたが、今は彼女たちを守る立場にある」

蒼星石「そ、それは……あ、あなたに穢された彼女たちはもう「乙女」じゃない
もう彼女たちのローザミスティカを手に入れても、究極の少女たるアリスにはなれない!」

古泉「なるほど、そうかもしれません。僕には確認するすべはありません」

501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 22:14:48.18 ID:qSQ+agav0

蒼星石「だから……!知らないから翠星石と、真紅を傷つけたというの?」

古泉「……矛盾していますね」

蒼星石「な、何がですか」

古泉「そもそも、そこの二人。真紅さんと翠星石さんが、ここに連れてこられた原因ですが……」

蒼星石「……!」

古泉「それは、あなたではありませんでしたか?」

503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 22:25:06.54 ID:qSQ+agav0

蒼星石「そ、それは」

ハルヒ「……そういえばそうだったわね」

古泉「そもそも蒼星石さん。あなたは彼女たち二人を半ば脅すようなやりくちでSOS団に引き渡しました」

蒼星石「……」

古泉「積極的に二人に危害を加えようとしていた人物が、なぜ今になって彼女達が受けた暴行についてここまで問題にするのでしょうか」

蒼星石「き、詭弁だね」

古泉「そこですでに問題があります。SOS団には僕と、そしてもう一人男性が居ます。」

 目隠しをされた古泉は、迷いなく俺の方を向いていた。
 本当は見えてるだろこいつ。

521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 23:35:19.28 ID:qSQ+agav0

蒼星石「そ、それがどうしたっていうのかな」

古泉「まそもそも男性が二人もいるような集団に、魅力的な女性を二人も預けるという時点で、彼女たちの貞操の
危機を感じませんでしたか?」


 聞き捨てならんぞ古泉。それは俺が人形相手に淫らな行為をする人間だってことか。



524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 23:40:25.02 ID:qSQ+agav0

蒼星石「そ、それは……ま、まさかドール相手に事に及ぶ人間が居るなんて誰が考えるのさ」

古泉「……まぁいいでしょう。涼宮さん」

ハルヒ「何?」

古泉「このように、彼女――蒼星石さんの言動は昨日の行動と目的と矛盾しています。
そして、このタイミング……全てがあからさまに僕を犯人としめすこの状況」


 古泉はそこで少しおき、軽く顔を振った。

525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 23:43:16.24 ID:qSQ+agav0

古泉「全ては僕を犯人に仕立て上げるための罠……と考えられませんか?」

 確かにそうかもしれん。そもそも昨日の蒼星石の言動と今日の発言とは一貫性がない。
 昨日は俺たちに「処理を頼む」と言っていたような気がする。
 そんな人間、もとい人形が今日は一転して庇う態度だ。……妙だ。

キョン「たしかに、古泉を犯人扱いするには早急すぎだな」

ハルヒ「……どういうつもりよ!蒼星石!あんたの自作自演じゃないの!さてはあんた
SOS団の内部崩壊を狙った生徒会の回しものね!」

526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/08(金) 23:48:11.20 ID:qSQ+agav0

蒼星石「ぼ、僕じゃない。僕は知らない」

古泉「……まだ彼を責めるのも早計です」

蒼星石「ぼ、僕は女の子だよ……」

ハルヒ「古泉君……この子のせいで疑われてるのよ。なんで庇うのよ」

蒼星石「……ぅぅ」

古泉「この事件は深夜に起こったと考えるべきです」

531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:07:38.43 ID:RU0L3TPq0

ハルヒ「そうね」

古泉「蒼星石さんはこう主張しました。深夜に人物がやってきたと。そしてそれが僕であったと」

蒼星石「そ、そうさ!きっと君が」

古泉「合理的に考えてこの時点で問題が二点。細かくすれば三点なのですが」

キョン「早く言え」

古泉「クス、失礼。それでは一つ。深夜の校舎。県立高校において果たして電灯がついていたでしょうか」

みくる「つ、ついてません!」

 朝比奈さんは実際見てるわけだしな。だが古泉よ。
 お前は『実間違い』と主張したいんだろうが、それだけでは弱いぞ。

533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:13:22.21 ID:RU0L3TPq0

ハルヒ「なるほど、暗い廊下にいて果たして顔がハッキリ見えたかという問題ね」

古泉「はい。ですがそこに一つ疑問点があります。蒼星石さん」

蒼星石「……何かな」

古泉「あなたは、僕を見たとおっしゃった。そして僕が彼女たちに悪さをした犯人だと」

蒼星石「そうだよ!」

古泉「現場を見ましたか?」

535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:20:38.24 ID:RU0L3TPq0

蒼星石「そ、それは……」

古泉「そもそも僕があなたの言動に疑問を持ったのはそこなのです。それに何かしら奥歯の挟まった感じが否めなかった」

蒼星石「き、君が来たんだよ。きっと君が……!」

古泉「はい。そこまで。『きっと』 あなたは最初にもそう言いました
『きっとこの人です。この人が僕の姉妹達を凌辱したんだ!』でしたか?」

長門「間違いない」

古泉「長門さんありがとうございます。さて、『きっと』という言葉は『に違いない』という予想を含んだ言葉です」

ハルヒ「そうね。きっとそうだろう。きっとそうに違いない。希望的観測を含んだ言葉ともいえるわね。蒼星石?」

蒼星石「……」

537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:27:45.83 ID:RU0L3TPq0

古泉「この時点で断言できること二つは、彼……失礼。彼女は僕乏しき人物を見たと主張しました。
つまり犯行現場のすぐ近くにいたということ。
そしてもう一つ。その後、その怪人物の行動までは見ていないという事です。」

ハルヒ「ふん。そうなるわね」

古泉「ここで浮かび上がってくるのがもう一つの問題です。
現場にいたあなたが、なぜ一部始終を見ていなかったのですか?」

蒼星石「そ、それは」

古泉「何か訳が?いずれにせよ、行動に論理性がありません
こうなると二人のドールが逃げるために監視をしていたというあなたの発言も疑わしくなります」

544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:50:46.45 ID:RU0L3TPq0

キョン「いや、少し待て。そもそも蒼星石が居たかどうかすらあやしいぞ」

ハルヒ「どういうことよキョン」

キョン「恐らく見てた人物が一人いるんだよ」

みくる「キョ、キョン君……」

キョン「この際だ。ぶっちゃけちゃいましょう。ハルヒ。実は昨夜、朝比奈さんもその現場にいたんだ」

古泉「……朝比奈さんが……?」

ハルヒ「どういうことよ、みくるちゃん」


545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:55:41.06 ID:RU0L3TPq0

みくる「ひゃ、ひゃい!あ、あの」

ハルヒ「夜中に学校に忍び込んだの?」

みくる「ひゃ、ひゃい!ご、ごめんなさい」

ハルヒ「勝手に入っちゃだめじゃない!不良よ」

キョン「お前が言うか」

ハルヒ「何でそんなことしたの?」


546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 00:57:31.90 ID:RU0L3TPq0

みくる「あの……二人がかわいそうで……」

ハルヒ「二人?翠星石と真紅のことね」

みくる「は、はい。暗い所で閉じ込められて……せめて差し入れでもしてあげようと思って……」

ハルヒ「この際何をしてたか問わないわ。で、何を見たの?」

みくる「……たぶん男の人です。でもうちの高校の制服でした」

ハルヒ「それは古泉君だったの?」

548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 01:06:13.71 ID:RU0L3TPq0

みくる「じ、実は私も最初はそうじゃないかと思ったんです。そ、その……たぶんその人笑ってたからです」

ハルヒ「笑顔だったのね」

みくる「でも、暗かったので顔までは分かりませんでした」

ハルヒ「それで、その人はその後どうしたの?」

みくる「わ、わかりません。こ、怖くて逃げちゃったんです……」

ハルヒ「……まぁ、みくるちゃんなら仕方ないわね。むしろ良くやったと褒めるべきだわ!」

蒼星石「き、君は……」

ハルヒ「この際その人物が古泉君だったかどうかはどうでもいいわ。重要なのは蒼星石がそこにいたかどうかよ」


550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 01:14:37.85 ID:RU0L3TPq0

みくる「いませんでした」

キョン「……いくら朝比奈さんでも、そんなちゃちなトリックで隠れている人形に気付かないわけないだろうな
夜中の校舎で神経過敏になってりゃなおさらだ」

ハルヒ「……」

蒼星石「ち、違う!僕は確かにいたんだ!」

古泉「ですがそれを証明できる人はいません」

蒼星石「そ、そうさ!それなら君だって同じ条件じゃないか!」

古泉「はい。おっしゃる通りです」


551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 01:17:06.36 ID:RU0L3TPq0

蒼星石「な、なら……!」

古泉「あなたも同レベル程度に疑わしいという事ですよ。ククク」

蒼星石「……ぁ」

 古泉。よく逃げ切った。あとは任せろ

キョン「ハルヒ。今の時点で古泉を犯人扱いするのは早い。冤罪はこうして生まれるんだ!」

古泉「それでも僕はやっていません」

ハルヒ「蒼星石を捕まえなさい!」

蒼星石「な!やっ、やめて」

長門「大人しくするべき」

ハルヒ「潔白が証明されるまでは推定死刑よ!古泉君は処分保留につき解放!無罪証明の証拠を探しなさい!
    蒼星石は拘束するわ」

 いや、その理屈はおかしいだろうが
 とりあえず、蒼星石はあからさまに怪しいし逃がすわけにはいかないだろう。
 当面はなんとかなる。別人だっていう証拠を見つけるんだ。

552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 01:19:22.59 ID:RU0L3TPq0

さて、さすがに一日中レスを続けて疲れたよ

最初はワインのツマミに誰かSS書いてくれたらなぁ程度だったんだけど
気がついたらワイン飲みながら自分で書くことに


一日中支援してくれた人達ありがとうございました

705 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 19:45:56.50 ID:RU0L3TPq0

キョン「さて、とりあえずなんとかなったな」

古泉「まさか、あなたと朝比奈さんが僕の味方をしてくれるとは思いませんでしたよ」

キョン「……正直、俺も朝比奈さんも最初はお前が怪しいと思ってたんだ」

みくる「キョ、キョン君っ!」

古泉「これは心外です」

キョン「……ドールたちを見た時のお前の反応がどうも気色悪かったからな」

古泉「これはこれは。普段の態度を改めないといけませんね。フヒヒ」

708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 19:50:35.33 ID:RU0L3TPq0

キョン「……一応聞いておくぞ。お前、あの二人に何もしてないんだな?」

古泉「はい。神に誓いましょう」

キョン「お前が言う神ってのはハルヒだろ。あいつに誓ってもしょうがないだろ」

みくる「あ、あの!そんなことより犯人を真犯人を探しませんか?」

古泉「……そうですね。何か心当たりが?」

みくる「あ、あの。わたしはこんな事は言いたくないんですが、蒼星石ちゃんが怪しいと思っています」


710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 19:53:02.61 ID:RU0L3TPq0

キョン「俺もだ」

古泉「……なるほど」


 そう言う古泉は何かしらを思案しているようなそぶりだった。
 こいつも蒼星石が怪しいと思ったから、あそこまでハルヒに食いついたんだろう?


キョン「お前だって蒼星石が怪しいとにらんでるんだろ?」

古泉「……はぁそれなんですが。正直微妙ですね」

713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 19:56:33.84 ID:RU0L3TPq0

みくる「え、え?どういうことですか?」

古泉「彼の言葉を覚えていますか?」

キョン「彼?」

古泉「蒼星石です」

キョン「……蒼星石は女だぞ?」


716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 20:01:42.61 ID:RU0L3TPq0

古泉「そうでした、失礼。彼女ですね」

みくる「(……男の子だと思ってたんですね)」

古泉「どうも彼女の言動が引っ掛かるんですよ」

キョン「どういうことだ?単純に蒼星石が犯人でお前に罪を着せようとしてただけだろ」

古泉「彼女は僕を見たと主張したにもかかわらず、事の顛末まで見ていません」

719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 20:05:53.49 ID:RU0L3TPq0

キョン「……」

古泉「どうしてそのような中途半端な主張をしたのでしょうか」

キョン「……」

古泉「僕を犯人扱いしたいのならば、そのまま全てを見たと言い張ればいいだけです」

キョン「……確かに。でもこう考えられないか?」

720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 20:07:10.82 ID:RU0L3TPq0

 俺はお前みたいに回りくどいのが苦手だからな。直球でいくぞ。


キョン「逆に、蒼星石が『お前を見た』という証言自体は本当かもしれない」

古泉「……ほう?」

キョン「確認する。お前は夜中に学校に来なかったんだな?」

古泉「……」

キョン「答えろ」


723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/09(土) 20:10:03.57 ID:RU0L3TPq0

古泉「……ふひひ」

みくる「……あ、あの古泉君……?」

古泉「……禁則事項ですよ」

キョン「……まぁいい。俺はあんまり興味はないしな。どうせどこぞの変質者が夜中に忍び込んで
   たまたまあった人形に悪さでもしたんだろうさ」

古泉「……いずれにせよ、あの二人のドールに悪戯をした人物は蒼星石でも僕でもありません
   それが僕の見解です」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:04:29.73 ID:uMRLbh/I0

古泉が開放されたところから再開する


キョン「さて、とりあえずなんとかなったな」

古泉「まさか、あなたと朝比奈さんが僕の味方をしてくれるとは思いませんでしたよ」

キョン「……正直、俺も朝比奈さんも最初はお前が怪しいと思ってたんだ」

みくる「キョ、キョン君っ!」

古泉「これは心外です」

キョン「……ドールたちを見た時のお前の反応がどうも気色悪かったからな」

古泉「これはこれは。普段の態度を改めないといけませんね。フヒヒ」

キョン「……一応聞いておくぞ。お前、あの二人に何もしてないんだな?」

古泉「はい。神に誓いましょう」

キョン「お前が言う神ってのはハルヒだろ。あいつに誓ってもしょうがないだろ」

みくる「あ、あの!そんなことより犯人を真犯人を探しませんか?」

古泉「……そうですね。何か心当たりが?」

みくる「あ、あの。わたしはこんな事は言いたくないんですが、蒼星石ちゃんが怪しいと思っています」


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:05:58.45 ID:uMRLbh/I0

キョン「俺もだ」

古泉「……なるほど」


 そう言う古泉は何かしらを思案しているようなそぶりだった。
 こいつも蒼星石が怪しいと思ったから、あそこまでハルヒに食いついたんだろう?


キョン「お前だって蒼星石が怪しいとにらんでるんだろ?」

古泉「……はぁそれなんですが。正直微妙ですね」

みくる「え、え?どういうことですか?」

古泉「彼の言葉を覚えていますか?」

キョン「彼?」

古泉「蒼星石です」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:06:39.48 ID:uMRLbh/I0

キョン「……蒼星石は女だぞ?」

古泉「そうでした、失礼。彼女ですね」

みくる「(……男の子だと思ってたんですね)」

古泉「どうも彼女の言動が引っ掛かるんですよ」

キョン「どういうことだ?単純に蒼星石が犯人でお前に罪を着せようとしてただけだろ」

古泉「彼女は僕を見たと主張したにもかかわらず、事の顛末まで見ていません」

キョン「……」

古泉「どうしてそのような中途半端な主張をしたのでしょうか」

キョン「……」

古泉「僕を犯人扱いしたいのならば、そのまま全てを見たと言い張ればいいだけです」

キョン「……確かに。でもこう考えられないか?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:08:19.19 ID:uMRLbh/I0

 俺はお前みたいに回りくどいのが苦手だからな。直球でいくぞ。


キョン「逆に、蒼星石が『お前を見た』という証言自体は本当かもしれない」

古泉「……ほう?」

キョン「お前は夜中に学校に来なかったんだな?」

古泉「……」

キョン「答えろ」

古泉「……ふひひ」

みくる「……あ、あの古泉君……?」

古泉「……禁則事項ですよ」

キョン「……まぁいい。俺はあんまり興味はないしな。どうせどこぞの変質者が夜中に忍び込んで
   たまたまあった人形に悪さでもしたんだろうさ」

古泉「……いずれにせよ、あの二人のドールに悪戯をした人物は蒼星石でも僕でもありません
   それが僕の見解です」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:09:27.08 ID:uMRLbh/I0

キョン「……何かしら見当がついてそうな物言いだな」

古泉「……いずれにせよ、どうやら疑われているようなので、僕は僕で調べるとしましょう。これ以上あなたに嫌われるのは困りますからね」


 そう告げると、古泉は一人で一人で消えていった。廊下に静寂が訪れる。
 というか授業中だろ今。教師連中が一人も注意してこないんだが。

 どうやら長門の情報操作とやらは完璧なようだ。……やれやれ。

 その長門が静寂をいの一番に切り裂いたのは正直意外だった。


長門「古泉一樹は第三者が犯人と主張しているものと思われる」

キョン「長門か。長門はどう思うんだ?」

長門「……」

みくる「わ、わたしもがんばって調べましゅ!あんなかわいいお人形さんにあんなことする犯人は許せません!」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:10:24.77 ID:uMRLbh/I0

キョン「あ、朝比奈さん」


 朝比奈さんは珍しく、凛とした表情で古泉とは逆の方にかけていった。
 それはとにかく、朝比奈さんは蒼星石犯人説だろ。その場合、犯人じゃなくて犯人形では?
 等と考えている内に廊下には俺と長門だけが取り残された。

 とりあえずバラバラで調査か。

 でも、その前に……


キョン「長門。俺に言いたいことがあるんだろ?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:13:11.72 ID:uMRLbh/I0

 朝比奈さんが消えていく間、長門はずっと俺の顔を見ていた。
 こう言うときは言いたいことがあるというサインだろう。


長門「ある」


 ビンゴ。


キョン「なんだ?」

長門「人形にかけられていた物について」

キョン「……はしたない物に言及するのはやめなさい」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:15:02.93 ID:uMRLbh/I0

長門「違う。かけられていた量について」

キョン「……量?」

長門「あの人形に掛けられていたものは、複数人によるもの」

キョン「なっ!ま、まさか犯人は二人以上か」

長門「違う。聞いて」


 長門がわざわざ呼び止めてまで言う事に間違いはないだろう。
 赤ちゃんの素たるホワイトソース……ええい!まどろっこしい。
 精液は二人以上によるものだと?

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:17:47.77 ID:uMRLbh/I0

長門「構成物から同一人物だけのものではない。しかし全くの同時刻に掛けられたとは考えられない」

キョン「ど、どういうことだ長門っ!」


 俺はこみあげてくる妙な感覚に背筋をなでられることに耐えきれなかった。
 気がつけば長門に覆いかぶさるような姿勢でつめよっていた。
 俺を捉えていたのは二つのブラックホールだった。

 ブラックホールに周囲では時間が遅くなると聞く。
 いつの間にか俺の体感時間は、止まったような感覚にすらなった。

 長門の能面のような白い顔の表面に穿たれた二つの孔に、俺は囚われてしまったのかもしれない。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:27:40.04 ID:uMRLbh/I0

長門「人形に対する暴行事件は複数あったと考えられる」

キョン「……つまり」

長門「別の意思を持って行動した犯人が二人以上いるということ」

キョン「……解り易く説明してくれないか」

長門「その必要はない」

キョン「……え?」

長門「あなたには全てを知る必要がある」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:46:55.94 ID:uMRLbh/I0

 ふいに意識が遠のいた。
 廊下の壁の色が反転し、視界が真っ白に変わっていく中
 最後に記憶に残っているのは長門が俺の手を握っているところだった。


キョン「……」

長門「……」

キョン「……ぅ……」

長門「起きて」

キョン「長門か……ここは?」

長門「午前一時半の校舎内。事件のあった時間帯」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 00:55:53.43 ID:uMRLbh/I0

キョン「……なるほど。でもまずくないか?」

長門「どうして?」

キョン「朝比奈さんや蒼星石がいるんだろう?」

長門「問題ない。意識単位で空間との情報結合を施しているだけ。『この世界』の人間が我々にコンタクトすることはない」

キョン「……透明人間ってことでOKか?」

長門「通俗的な言い方をすれば概ね間違いではない」

キョン「……よし。じゃあ事件の全貌を拝ませてもらうか」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:00:27.86 ID:uMRLbh/I0

  俺が記憶が飛んだ場所と同じ場所に転がっていたわけで
  事件現場となるSOS団部室に戻らなければならない。

キョン「あ、あれは……」


 シルクハットに艶の良い短い髪。
 俺の目の前に映ったのは、紛れもない蒼星石だった。
 どうやら向こうからは本当に見えないようだな。

キョン「あいつ本当にいたんだな。」

長門「……もう一人くる」

キョン「っ!古泉か!?」

長門「……違う」

キョン「……え?」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:11:26.02 ID:uMRLbh/I0

 俺の予想とは裏腹に、現れたのは意外な人物だった。
 それは朝比奈みくるだった。


キョン「あ、朝比奈さんか。そう言えば差し入れにきたっていってたな」

 朝比奈さん本当に来たんだな。そんなにあの二人の人形の事を心配していたのか。
 こんな不気味な夜の学校に、ただそれだけの為に不良行為を起こすとは……
 朝比奈さん。あなたこそ自愛の女神ですよ。どこかの団長--今は名探偵か?――に爪の垢を煎じて
 バケツ一杯飲ませてやりたいですよ。

 見れば朝比奈さんはスーパーの袋を手に提げている。あれが差し入れか?

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:22:09.77 ID:uMRLbh/I0

キョン「差し入れか。あなたって人は……でも確か、部屋に入るまえに」

 ……え?

 俺の目に映った光景は、俺の記憶するイメージとは違うものだった。
 朝比奈さんは、ためらいなく進み闇の支配する文芸部室に消えていったのである。

キョン「!そ、蒼星石は!?」

 そのまま入ると部屋の前で見張って?いた蒼星石に普通に見られることになる。
 蒼星石は……

キョン「うわ……あいつ本当に隠れ身の術で隠れてやがる」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:25:30.31 ID:uMRLbh/I0

 蒼星石は、古泉とのやり取りの中で出てきたマントで普通に壁と同化していた。
 予備知識として知っていたから解ったものの、やはり電灯がなければ効果はあるみたいだな。

キョン「朝比奈さん……あなたは一体」 

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:31:32.12 ID:uMRLbh/I0

 思い返せば最初からあいつがうざかったのかもしれない。何より邪魔だった。いつも彼のそばでほほ笑んでいたあいつが。
 その感情が、決定的になったのいつだったのだろう。

 たぶんそう。あの時。

 しゃべる人形が逃げた時、二手にわかれて探すことになった。彼は迷わずあいつと行動することになった。
 いや、あいつが彼を奪ったのだ。

 古泉一樹。

 でも今日でおしまいだ。あいつはSOS団から追放されることになる。
 彼のそばにいられなくなる。
 

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:33:00.25 ID:uMRLbh/I0

深夜1時30分頃


みくる「……古泉君。涼宮さんはこういうことは許さない人ですから。覚悟してくださいね」


ガチャガチャ


真紅「だ、誰lなの!?」

翠星石「す、翠星石に指一本触れたらジュンが黙ってないですよ!ジュ、ジュンは空手の達人なのです!
    おまえなんかギタギタのコッテコテなのですよ!」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:33:57.79 ID:uMRLbh/I0

みくる「……うるさいダッチワイフでしゅね」

真紅「え!そ、その声」

翠星石「す、翠星石はそんな安物の人形じゃねえです!」

みくる「安心してください。殺したり分解したりしにきた変質者じゃないですよ」

真紅「こんな所に閉じ込める一味の言葉は信用できないのだわ」

みくる「ふふふ。お腹すいてると思って。差し入れを持ってきたんですよ?」

真紅「……帰って頂戴」

翠星石「し、真紅。そこまで言う必要はないのではないですか?お、お前。ど、どうしてもというのなら、
    翠星石はもらってやってもいいのですよ」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:35:46.04 ID:uMRLbh/I0

みくる「……断ってもくれてやるつもりなんですけどね。うふふ」

真紅「な、何をするつもり!」

翠星石「ひゃっ!な、なんですかそれは」

みくる「……」


 そして私は、あらかじめ用意しておいた「モノ」をわめく人形たちにぶっかけたのだ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:37:18.04 ID:uMRLbh/I0

翠星石「く、臭いですぅ!」

真紅「な、なんなのこれは」


 これでいい。涼宮ハルヒは登校一番に部室に来るだろう。そして真っ先にこの惨状を目にする。
 疑われるのはあいつだ----古泉一樹。

 あの男の行動は予定調和だ。今夜あいつは来るだろう。そのあいつに罪を着せることくらいたやすい。


みくる「……古泉君が来るか一応確認してから帰った方がいいですね」


 余りの臭さと、ショックに二人は気絶してしまったようだ。
 正直、わめかれなくて都合がいい。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:43:18.73 ID:uMRLbh/I0

深夜1時40分頃 廊下

蒼星石「……とんでもない映像が取れてしまった。まさかこんなことが起こるなんて
予想以上の事態だよ。で、でもあれって……」


 蒼星石が目撃した現場。
 少女が鬼気迫る表情で、何か液体を身動きの取れないドールたちに振りまく……
 まさに予想だにしなかった光景に、吐き気を催したのかもしれない。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:44:41.95 ID:uMRLbh/I0

蒼星石「……ぅ。嫌なものを見ちゃったな。……ジュン君にあいたいな……」


 踵を返し、帰路につこうとした蒼星石は、廊下を曲がったところですさまじい力で押し倒された。


蒼星石「うぅ。な、何」

???「ふひひひひ」

蒼星石「き、君は……」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:45:34.32 ID:uMRLbh/I0

古泉「お口はチャックですよ」

蒼星石「や、やめて!何をする気なんだ君は。ぬ、脱がさないで」

古泉「はぁはぁ……僕はね。『彼』も好きですけど、君のような美少年もタイプなんですよ」

蒼星石「ぼ、僕は……ああっ!」


 蒼星石はその時点ですでに下着一枚になっていた。
 古泉という男は、どうも手慣れているようだった。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:46:48.59 ID:uMRLbh/I0

古泉「おや……」

蒼星石「み、みないで」

古泉「……女。だったんですか……?」

蒼星石「ロ、ローゼンメイデンは薔薇乙女だよ!男が混ざってるわけ」

古泉「黙れ」

蒼星石「ひっ」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 01:49:20.30 ID:uMRLbh/I0

古泉「……汚らわしい。興が覚めてしまいました。ですが……」

 古泉な自分の股間に目をやった。
 蒼星石にとっての暴力の象徴がそこにあった。

古泉「……ここまで育てたものをしまうわけにはいきません……!」

蒼星石「や、やめてっ!前はやめて!」

古泉「そちらに興味はありません。ふんもっふ!」

蒼星石「い、いやああああああああ」




古泉「……ふぅ。さて、目的も果たしましたし帰りますか。いや、その前にあの人形たちの様子でも見ておきましょうか……」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:05:23.55 ID:uMRLbh/I0

2時頃

蒼星石「……ぅぅ……ひどいよ。なんでこんな……」

 解放された蒼星石は、ふらつく足で立ちあがった。
 服は汚れてしまった下着以外は、とりあえずは整えてあった。

 そんな蒼星石を待っていたのは、さらなる衝撃の人物だった。


蒼星石「……え?ま、まさか……うそだよね」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:07:13.60 ID:uMRLbh/I0

 例えば人の行動というのはコントロールできるか。100%とは言えないが答えはイエスだと思う。
 自分の事を好きな人物。そうした人間の前でわざとらしく「生キャラメルが食べたい」
 と言えばかなりの確率で、その人物は生キャラメルを買ってきてくれるだろう。

 例えば、僕の事を好きな人物がいる。 そして僕はふだんから
 その人物の恋敵ともいえる別の人物からひどい仕打ちを受けているとしよう。

 溜まりに溜まったある時、もし僕が「悔しい」とか「どうしても仕返しがしたい」と言えばどうだろうか。
 その人物は、僕の代わりに仇討ちしてくれるかもしれない。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:07:53.58 ID:uMRLbh/I0

JUM「蒼星石もバカだな」

 桜田ジュンはほくそ笑んでいた。こうも簡単に物事が進むとは。
 蒼星石が上手くいけばそれでよし。上手くいかなければ別段どうでもよかった。


JUM「文芸部室は……と、あそこか」

ガチャガチャ

真紅「……ぅ、…っ!だ、誰なの!?翠星石。気を失っている場合じゃないわよ!」

翠星石「う、う〜ん……」

真紅「答えなさい!あなたは誰なの」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:08:57.91 ID:uMRLbh/I0

 ジュンは正直いらだった。普段奴隷扱いし、こき使っていた人物の顔すらわからないとは。
 例え狭い暗闇の教室とはいえ、雰囲気や気配で察する事はできそうものなのに。
 それが一層ジュンの復讐心に火をつけることになった。

JUM「やぁ真紅、僕だよ」

真紅「ジュ、ジュン!た、助けに来たのね。早く解きなさい」

JUM「……」

翠星石「ジュ、ジュンなのですかっ!?は、はやく縄を解きやがれです!」

 こいつらは。状況を理解しちゃいない。こんな状況でも上から目線か。
 銀行かお役人のつもりか。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:09:38.14 ID:uMRLbh/I0

JUM「ククク」

真紅「な、何をするつもりなの」

翠星石「な、なんでファスナーをおろしてやがるですか!ここは便所じゃねーですよ!」

JUM「ハァハァ」

真紅「ジュン!冗談はやめて頂戴」

翠星石「そ、そういうことは部屋で一人でやるもんです!」

JUM「その部屋を占領してるのは誰だい?」

翠星石「……え?」

JUM「僕のプライベートを弄んで、僕の尊厳を踏みにじってるのは誰だい?」


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:11:00.03 ID:uMRLbh/I0

真紅「ジュ、ジュン聞きなさい」

JUM「うるせえよ不人気」

真紅「あ、あなたは!」

翠星石「な、なんなのですか。どうしてそんな血走った目をしてるですか」

JUM「ふひひ」

翠星石「な、何をチャックをおろしてるです。な、何を出そうとしてるですか!」

真紅「け、汚らわしいのものを出さないで頂戴!」

JUM「君たちは、この僕を侮りすぎたんだ。そうさ!君たち二人はクーリングオフだ!」

翠星石「!!や、やめやがれですぅうう!」

真紅「い、いや……お、おとうさま」

真紅&翠星石「い、いやああああああああああ!」

ドピュァアアアアアア!


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 02:15:32.87 ID:uMRLbh/I0

2時15分頃 廊下

蒼星石「そ、そんな……ジュ、ジュン君……う、うそだよね?」

(どうしよう。このままじゃジュン君が変態になってしまう。違う。何かの間違いなんだ。
僕のジュン君は変態なんかじゃない!これは嘘だ。嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!)

(……僕がジュン君を守らなきゃ)

(そうだ。あいつだ。あのニヤケた男が犯人なんだ!きっと、ジュン君もここに来る途中にあの変態に乱暴されたんだ。
それで混乱して、あんな行動をとってるんだ!
心やさしいジュン君はきっと真紅と翠星石を助けに来ただけなんだ!)

(そんな優しいジュン君の純情を踏みにじるなんて、あの男許さない!絶対に許さない……!)



蒼星石「……古泉一樹……!」

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:19:40.50 ID:uMRLbh/I0

キョン「……」

長門「……」


 一連のあらましを俺たちは、文芸部室で見ていた。
 蒼星石はふらつき足取りでどこかに消え、人形二体に己の邪心をぶちまけた眼鏡の男も去った後。


キョン「……なんていうかあれだな。信じられん」

長門「そう」

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:25:06.75 ID:uMRLbh/I0

キョン「古泉め。まんまと嘘つきやがって。バッチリ犯人の一人じゃねえか」

長門「古泉一樹は嘘をついてはいない」

キョン「長門」

長門「あなたの問い詰めに彼はこう返した」

 『あの二人のドールに悪戯をした人物は蒼星石でも僕でもありません』

長門「嘘はついていない」


268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:33:44.85 ID:uMRLbh/I0

キョン「……古泉め。やってくれるぜ」

長門「そう」

キョン「あいつが凌辱したのは蒼星石だったのか」


 なるほど。古泉が来たことを隠す理由は説明がつく。
 そして蒼星石がかたくなに古泉を犯人に仕立て上げようとした理由も
 古泉のその後の行動を見ていないことも説明がつく。

キョン「……一ついいか」


271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:38:34.33 ID:uMRLbh/I0

長門「何」

キョン「あの眼鏡の男はなんだ?」

長門「桜田ジュン。真紅と翠星石の飼い主」

キョン「そうか。なんであんな暴挙に出たんだ?」

長門「彼は彼女たちによって日常的に肉体的、精神的な暴行を受けている」


 俺がハルヒにされてるように……か。

274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:43:14.56 ID:uMRLbh/I0

キョン「……解る気もするな」

長門「彼は最初は我慢していた。彼女たちに好意を寄せていたから」


 分かる。好きな気持ちがいつの間にか憎悪に代わるんだ。


キョン「……俺もいつかああなるのか」

長門「私がさせない」

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:45:46.94 ID:uMRLbh/I0

 長門。お前ならそう言ってくれると思ってたぜ。


キョン「……もういいか?事件は解ったろう」

長門「……」


 長門は静かに俺を見つめていた。再びブラックホールの感覚がよみがえる。


長門「……まだ」

277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:48:45.84 ID:uMRLbh/I0

キョン「え?」


 長門のいつのまにかすがるような瞳をしていた。


長門「教えてほしい」

キョン「な、何をだ」

長門「今朝の朝比奈みくるとのあなたの会話の意味と理由」

キョン「何の話だ」

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:57:36.71 ID:uMRLbh/I0

長門「あなたが朝比奈みくるを問い詰めた時」


 朝比奈さんが古泉を疑ってるんじゃないかって詰問したときか。
 確かそれで朝比奈さんが学校に忍び込んだことがわかったんだ。

キョン「あ、ああ。確かそれで朝比奈さんが丑三つ時に学校に来たことがわかったんだよな」

長門「……」


 長門の瞳に、何かの色が映るのがわかった。それは深い憐憫を湛えた色だった。

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 15:59:04.21 ID:uMRLbh/I0

長門「あなたがなぜ丑三つ時と断言できたか問いたい」

キョン「……え?」

長門「丑三つ時とは広義では深夜の意味。しかしながら、深夜とは2時〜3時のこと」

キョン「……」

長門「あなたは夜中に学校に入ったと言っただけの朝比奈みくるに対しこう言った」


 『仕方ありません。丑三つ時にそんなものを見せつけられたら誰だって怖いですよ』

285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:03:12.05 ID:uMRLbh/I0

長門「それ以前にも事件に関する時間は触れられていなかった」

キョン「ああ」

長門「あなたはその時点で事件が起こっていた時間を特定していたことになる」

キョン「……」

長門「教えてほしい」

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:06:48.10 ID:uMRLbh/I0

 気がつけば長門は俺の胸に顔を押し付けるような体勢だった。
 ブレザーの襟を長門が小さな手でにぎる。

キョン「さ、さあ?俺の勘違いじゃねえか?」

長門「……」


 そこに至って長門が俺の胸に顔を押し付けている真意を察した。
 こいつ俺の心臓の音を聞いてやがる。


288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:08:39.58 ID:uMRLbh/I0

長門「他にもある」

キョン「……」

長門「あなたは人形にかかっているものを『精液』と断言した」

キョン「そりゃそうだろう朝比奈さんだって」

長門「朝比奈みくるは『赤ちゃんを作るホワイトソース』といっただけ」

キョン「……どう考えてもそれは」

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:10:29.75 ID:uMRLbh/I0

長門「それはミルクの事」

 ……え?

長門「朝比奈みくるは腐った牛乳を人形にかけただけ」

キョン「そ、そんなバカな!」

 古泉のせいにするために、振りかけたんだろ。
 それがなぜミルクなんだよ!

長門「朝比奈みくるが男性の体液を手に入れられるとは考えられない」

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:12:36.70 ID:uMRLbh/I0

キョン「……」

長門「ミルクを腐らせて発酵させれば男性の体液に見えるだろうと朝比奈みくるは考えた。これは無知だったから」

キョン「じゃ、じゃあ……あれは!あいつだ。桜田ジュンというやつは」

長門「彼はまだ射精できない」

 バカな……!

長門「彼は狂喜につかれて失禁しただけ」


297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:17:47.67 ID:uMRLbh/I0

 そ、それじゃあ……


長門「あの人形に掛けられていた液体のうち精液と呼べるものは一つだけしかない」

キョン「……」

長門「あなたはその一つを断言したこととなる」


 ここまでだな。

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:20:00.58 ID:uMRLbh/I0

キョン「……長門。お前には勝てんよ」

長門「……」

キョン「もうじき解るだろう。見てれば解る」


 真紅と翠星石。二体のローゼンメイデンが嗚咽を漏らす、いつものSOS団部室。
 この日、三人目の来訪者が現れた。



「ふひひひひ 真紅たん 翠星石たん。キョンキョン今行くよぉ」


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:39:01.87 ID:uMRLbh/I0

 俺は、真紅と翠星石とお医者さんごっこをするために深夜、校舎に忍び込んだ。

 そこで何やらカメラを回している蒼星石を発見した。
 蒼星石がいては出るに出れない俺は、隠れ身の術で様子をうかがうことにしたのだ。

 そう、カムフラージュしていたのは蒼星石だけではなかったのだ。

 そうこうしている内に、朝比奈さんが現れた。
 朝比奈さんは部室に入り、少ししてから出てきた。が、その表情からおおよその事態はつかめた。

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:42:05.25 ID:uMRLbh/I0

 朝比奈さんが去った後、帰ろうとした蒼星石を古泉が襲った。

 古泉は、どうやら蒼星石を男の子だと勘違いしていたようだった。

 古泉は股間に装着したペットボトルから飲み物を放出し
 人形の下着に掛けることを快楽にしている事は知っていた。
 特殊な性癖だと思う。

 蒼星石は何か勘違いしていたようだが、下着にコーラを掛けられていたようだった。
 床にこぼれた液体を舐めたのでこれは確定だ。


328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/10(日) 16:43:37.48 ID:uMRLbh/I0

 その後……古泉が去った後。蒼星石はうつろな瞳でカムフラージュしている俺の前を通り過ぎていった。

 その入れ換わりで、別の人物がやってきた。

 眼鏡をかけたそいつは誰かはしらなかったが、その後驚愕の表情で、そいつの後をつけ戻っていた
 蒼星石の雰囲気でおおよその見当はついた。

 時は満たされり!天は我に味方せり!

 朝比奈さん。古泉。そして蒼星石と謎の眼鏡。
 この四人にまぎれて、欲望を満たす計画が舞い降りたのはその時だった。



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