1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 18:14:50.18 ID:NuWe091R0
今日も何事もなく授業が終わった。しかし暑いな、制服が冬物から夏物に変ったがそれでも暑い。
谷口「ようキョン。調子はどうだ?」
キョン「ああ、暑いところに暑苦しい奴が着たか・・・」
谷口「失礼な!俺はクールでナイスなイケm」
国木田「ハハハ」
谷口「ムカッ、女顔野郎に笑われたくは無い。」
国木田「それは褒め言葉としてもらっておくよ。そういえば涼宮さんは?」
キョン「ああ、ホームルームが終わったらそそくさと教室でてったよ。部室に居るんだろ。」
谷口「あいつも最近は表情が柔らかくなったよな。何か普通の奴になったよな」
キョン「そうか?相変わらず・・・・ いや、なんでもない。」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:15:40.19 ID:NuWe091R0
教室を出ると部室に向かって歩き出した。部活も何事もなく終わり、のほほんとした一日になってほしいなと・・・
キョン「入るぞー。ハルヒ居るかー?」
扉を開けると朝比奈さんに長門、古泉が椅子に座って何か話し合っていた。
みくる「本当に消えたんですか?」
長門「涼宮ハルヒの生体反応が消えた。現実世界には居ないと思われる。」
古泉「多分閉鎖空間に迷い込んでしまったのかもしれません。」
ハルヒが消えただと?一体どういうことだ!
キョン「本当か?ハルヒが居なくなったって!」
古泉「来てたんですか。」
詳しい話を長門と古泉から聞いた。何とかあいつを探し出して連れ戻さなくては・・・ 面倒な一日が始まりそうだ。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:16:21.66 ID:NuWe091R0
古泉「・・・・はい。わかりました。これから校門に向かいます。」
古泉「涼宮さんの所在が判明しました。迎えが来ているので行きましょう。」
手際がいいな。流石ハルヒのストーカーくらb あんま言うと殺されそうなのでやめよう。
下駄箱で靴を履き替えて校門に向かって走る。
運転手「お待ちしておりました。急いでお乗りください。」
現場に向かうため、車が発進する。俺達の乗用車の後ろに一台のトレーラーが追走してきた。
長門「あれは何?」
古泉「秘密兵器です。前回の騒動の時に手も足も出なかったので、今回の事を予期して作っていたそうで。」
みくる「秘密兵器ってなんなんですか?」
古泉「後のお楽しみです。」
凄く気になる。結構大きなトラックに何が乗っているのか。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:17:44.65 ID:NuWe091R0
車が止まる。そこは人気の無い工業地区だった。こんなところがこの街にあったんだな。
車から降りると古泉と長門が何かを必死に探し始めた。
しばらく見ていると長門が手を出して何かに触れる。
長門「あった。境界線。」
それを聞いて古泉が長門に近寄る。境界線を越えて中に入ろうとするがどうやら入れないようだ。
キョン「入れないのか?それじゃあハルヒは・・・」
長門「・・・・・」
朝比奈「そういえば秘密兵器がどうとか言ってましたけど。」
古泉「ええ。使わせてもらいましょう。皆さん付いてきてください。」
トレーラーに向かって歩き出す古泉。トレーラーの運転手に話しかけている。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:18:29.55 ID:NuWe091R0
古泉「お待たせしました。」
シートが外れ秘密兵器の姿が露になる。
キョン「で、でけえ!」
朝比奈「凄いですね!」
目の前に一台のロボットが現れた。左手に銃。右手に盾ををつけていた。
古泉「強力な閉鎖空間の探索用に機関が開発したロボットです。長門さんとキョン君に乗ってもらいます。」
長門「・・・・わかった。」
キョン「な、なんでだ!閉鎖空間には普通の人間は入れないんじゃ・・・」
古泉「このロボットは妄想と現実がぶつかる時に生まれるエネルギーを利用して動きます。
妄想は涼宮さんの作り出した閉鎖空間。その中で現実的な人間は相反する物。」
キョン「俺が現実的な人間だってか?」
古泉「この中では一番現実的な人間です。」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:19:11.00 ID:NuWe091R0
古泉「乗ってください。涼宮さんを助けるためにはこれしかありません。」
キョン「わ、わかったよ。乗ればいいんだろう?」
トレーラーの二台に上がり、古泉が胸部に付いたスイッチを廻す。するとコクピットのハッチが開いた。
古泉「さぁ、乗ってください。」
複座式のコックピット、案外中はすっきりしていた。これがロボットの操縦席なのか・・・
後ろに座るように言われ、中に入る。椅子に寝転がるように座り、シートベルトを締める。
前の座席に長門が乗り込むとハッチが閉められる。
キョン「く、暗い。」
古泉「聞こえますか長門さん?緑色に光っているボタンを押してください。」
長門「わかった。」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:20:03.25 ID:NuWe091R0
長門がボタンを押すといきなり回りが明るくなった。
キョン「うぉ!まぶしっ!」
外の様子が映し出される。全面スクリーンって奴か?プラネタニウムを思い出す。
座席の横のスピーカーから古泉の声が
古泉「起動しましたね。これから操縦方法を説明します。操縦はいたって簡単。
キョン君はゲームのコントローラーを使ってロボットを動かしてもらいます。
長門さんはレーダーを使っての索敵、警戒を行ってください。キーボードで細かい操作を頼みます。」
長門「マニュアルは?」
古泉「F1キー押してください。」
古泉から操縦方法を聞かされる。どうやらゲーム感覚でやればいいらしい。
キョン「こんなんで大丈夫なのか?」
長門「大体のシステムと設定を理解した。細かい操作は任せて。」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 18:20:44.01 ID:NuWe091R0
古泉「リフト、降ろしてください。」
ガコンッ・・・ 荷台が地面に付く。
長門「直立させる。」
キーボードを叩きエンターキーを押すと機体が揺れ、立ち上がった。
古泉「説明通りに動かして下さい。マップの目標地点に向かって移動して。」
コントローラのスティックを倒すと前に歩き出した。L1で右にR1で左に横移動。
数歩歩くと、先ほど長門達が見つけた境界線にたどり着く。
古泉「右スティックを深く押し込んで、フィールドを展開してください。」
言われたとおりに押す。すると目の前の空間が歪み出した。
古泉「これで中に入れます。私達は通信で後方からサポートします。行ってらっしゃい。」
キョン「本当に大丈夫なんだろうな?」
長門「問題無い。行ける!」
どうやら長門は凄く乗り気らしい。まあ、ハルヒを助けるにはこれしかないのだから仕方ないだろう。
しかしハルヒの奴、よくもまあ俺に面倒を押し付けやがる。ったく・・・
終わり
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 18:47:55.85 ID:NuWe091R0
周りが薄暗い。さっきまでは日が昇っていたのに。閉鎖空間に入った証拠か。
霧がかかっていて余計怖い。俺がここに来るのも三回目だが、何度きても怖い物は怖い。
古泉「聞こえますか?」
古泉の声が聞こえる。無事に外と連絡が取れる事がわかって一安心した。
キョン「ああ、聞こえてる。で、どうすればいいんだ?」
古泉「長門さん、マップ開いてください。」
長門「わかった。」
後部座席のサブモニターにマップが表示される。
古泉「少し移動すると道路があります。とりあえずそこに言ってください。」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 19:01:07.01 ID:NuWe091R0
歩いて道路まで進む。本当にゲーム感覚で操縦できるんだなこのロボット。
古泉「でましたね。これでローラーダッシュが仕えます。ナビの指示に従って、
涼宮さんの居るところまで移動してください。」
×ボタンを押すと機体が前に進み出す。歩くとは違う感覚、車に乗ってるみたいだ。
キョン「誰も居ないな。この街。」
長門「閉鎖空間の中では普通。」
しばらく走っているが、人っ子一人いない。たまに車が止まっているが誰も乗っていない。
古泉「もう少しで涼宮さんが居るところにたどり着きます。」
順調に進んで居た。だが、順調すぎて何かが怖かった。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 19:30:15.72 ID:NuWe091R0
しばらくするとマップに到着と言う文字が出る。
古泉「つきましたね。涼宮さん見えますか?」
キョン「暗くてよく見えん。本当にここに居るのか?」
長門が何かを調べている。モニターの色が変る。
長門「居た。赤外線カメラで見る限り涼宮ハルヒの姿に見える。」
青い風景の中に赤い人影があった。
古泉「外部スピーカーを使って、話し掛けてみてください。」
キョン「ハルヒー、聞こえるか?返事しろ。」
人影がこちらに近づいてきた。
ハルヒ「キョン?」
キョン「大丈夫か?ハルヒ?」
ハルヒ「ここどこなのよ、それよりそのロボットは何?」
キョン「あ、ああ。話せば長くなる。兎に角ここから出よう!」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 19:44:49.34 ID:NuWe091R0
ハルヒを手に乗せると、元来た道を進んで、入り口まで戻る。
ハルヒ「教室を出て、部室に移動したらいきなり光に包まれて、気付いたらあそこに居たの。」
どうやったらこいつがここに来れるのかは知らんが、ハルヒが無事でよかった。
キョン「もうすぐ出口だ。早くここから出よう。」
「ウォーンウォーン」 な、何だ!?周囲を見渡すと青白く光る巨人が遠くに見えた。
キョン「あれは!」
長門「神人」
古泉「早くそこから逃げてください!今の状態では!」
神人がこちらに向かってきた。歩いてるだけだがサイズが違う。すぐに追いつかれる。
長門「この機体のスペックなら、敵を足止めできる。」
コクピットのハッチが開いた。
長門「乗って」
ハルヒ「わ、わかったわ!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 19:56:19.40 ID:NuWe091R0
古泉「武装の安全装置を解除しました。暴れちゃってください。」
長門「FCS起動。システムを戦闘モードに移行。」
機体をターンさせ、バックで目的地まで進む。神人がどんどんこちらに近づいてくる。
長門「撃って。」
敵の足元にロックが定まり、□ボタンを押してライフルを発射する。その反動で機体が揺れる
キョン「やったか!」
足を撃たれ、もつれた巨人が倒れこんでくる。
ハルヒ「こっちに倒れて来るわよ!」
長門「ローラーダッシュの速度をあげた。ターンして全力で逃げて。」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 20:05:02.29 ID:NuWe091R0
再びターンさせると全力で逃げた。巨人がこちらに向かって倒れこんでくる。
それに潰されればひとたまりも無い。だからでぐちにむかって全力で走り抜けた。
やがて巨人が立ち上がって再び追いかけてくる。だが、もう出口はすぐそこ!
フィールドを展開して境界線にぶつかった。
キョン「いっけええええええええええええええ」
一瞬光に包まれると夕暮れの工場地区にたどり着いた。どうやら現実に戻ってこれたようだ。
古泉「皆さん無事ですか?」
キョン「あ、ああ。なんとかな」
長門「問題ない。」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 20:10:58.21 ID:NuWe091R0
ハルヒ「みくるちゃんに古泉!そんなところで何やってるの?」
みくる「無事・・・だったみたいですね!よかったです。」
一息つくと長門がハッチを開けてくれた。外の空気がおいしい。
キョン「ったく。世話かけやがって。もうこんな冷や冷やもんはごめんだよ。生きた心地がしない。」
目の前の境界線が歪み、そこから巨人の指が出てきた。」
巨人「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ」
キョン「まだくるのか?」
だが、ゆがみは消え、指は閉鎖空間に戻っていった。
古泉「やつらはこちらの世界にはでて来れません。」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/06(水) 20:14:40.10 ID:NuWe091R0
終わった。とても忙しい一日だった。だが、ハルヒが無事でよかった。
でもハルヒが無事で居る限り、俺はまたこんな事に巻き込まれるのだろう。
まあ、そんな楽しい世界もありかなって思ってしまった。
古泉「あなたにとって、現実を望む力が一番の武器です。」
終わり