ハルヒ「見てアレ、キモくない?w」


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393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 03:05:25.20 ID:TZodjYos0

それでは、162の続きから

ハルヒ「……どうして、こうなったかなぁ」


それを聞いた古泉は、自分が当て馬にされていたとようやく気がついたらしい。
程無く、涼宮の方から別れをきりだしたそうだ。勝手な奴だ。


それから1月くらいたったときの事、俺はあることに気が付いた。



397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 03:19:22.79 ID:TZodjYos0

涼宮がクラスメイトと談笑していた。珍しい事もあるもんだ。

「なあキョン、あいつ、友達いたっけ」

谷口が話しかけてきた。

「記憶に無いな」

涼宮は容姿端麗、スタイル抜群、成績優秀ではあったが、あの性格のせいでクラスの連中からは敬遠されていた。
その涼宮と付き合うきっかけになったのは、まだあいつの性格が知れ渡ってない頃、席が近くになった時にお近づきになろうと
俺から話しかけてからだった。

「あいつもああやって笑っているとかわいいのになあ」

知らん。俺にはもう関係のない話だ



398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 03:29:42.37 ID:TZodjYos0

…昼休みになったので、教室を出て有希の所へ向かう。
昼は有希の手作り弁当を一緒に食べるのが日課になっていた。
元々は俺の教室で食べていたのだが、谷口のアホに冷やかされてからは彼女の所属する文芸部室で食事する様になった。

…教室を出る時、視界の端に朝倉達と机を並べて弁当を食べる涼宮の姿が見えた。

399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 03:43:07.68 ID:TZodjYos0

文芸室で有希と弁当を食べる。
密室で二人きりで食べるのはちょっと照れくさいので、彼女の教室で食事を取ることを提案したら真っ赤になって却下された。
食事が終って、授業が始まるまでここでまったりしていようと机にうつぶせると、扉が勢いよく開いて鶴屋さんがやってきた。

「やあ、キョンくんっ、有希っこ、恋人たちのまったりタイムを邪魔して悪いが、本日放課後、例の喫茶店に集合だよっ。」

いつもの親睦会か

「わかりました。」

「今日はちょっと君たちに聞きたいことがあるんだよ。」

何だろう、改まって

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 03:59:51.62 ID:TZodjYos0

放課後、有希と喫茶店に向かう

「こんにちは、キョンくん、長門さん」

「遅かったですね。何か所用でも」
週番だったんだよ、そう答える。
「とりあえず、何か頼むっさ」

「じゃあ、ホットコーヒーを」
「…わたしも」

注文の品が届いて、しばらく談笑の後、鶴屋さんが

「それじゃあ、本題に入ろうか。実は、涼宮さんのことなんだけど。」

今更あいつに関する何の話があるというのだろうか

「実は、昨日彼女がみくると一樹くんの所へ謝りにきたんだよ」

何だって






405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 04:26:19.49 ID:TZodjYos0

「それで、キョン君たち何か知らないかと思ってね。彼女の元彼で同じクラスだし、彼女に何か言ったとか。」

驚天動地だ、あいつが人にあやまるだなんて

「あいつとは、朝比奈さんと古泉がよりをもどすちょっと前に話したきり何も話していません。朝比奈さんと古泉の所へはなんて言ってきたんです。」

「昨日のお昼にわたしがお手洗いに行く途中の廊下で、彼氏を取っちゃってごめんなさいって。」
「僕のところへは迷惑かけてごめんなさいですね。まあ、最初に彼女の押しに負けた僕も悪いのですが。」
全くだ、反省しろ。自主性のない奴め

「…わたしのところにも来た」
初耳ですよ、有希さん

「ひどいこと言ってごめんなさいって」
信じられん。

「彼女って、思ったよりいい人じゃないんかね。」

…何か企んでいるんじゃないだろうか。そう言ったら皆から白い目で見られた。



407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 05:03:41.28 ID:TZodjYos0

それから2ヵ月が過ぎた。その間に涼宮は朝倉達のグループの1人として、学校行事等のイベントでクラスの中心的な役割を果たすようになっていた。
そのせいか、クラスにいる時の奴はいつも笑顔だった。友達も大勢出来て、学校生活が楽しくてたまらないのだろう。

更に谷口から聞いた話だと、その前後から何人もの男子生徒から告白されているらしい。
正にわが世の春だな、奴の犠牲者はかわいそうだが、

「でも、誰もOKもらってないらしいぜ?…俺も聞いた話だから知らないけど。…ハァ…」

成程、お前も玉砕した口か

「な、なに言ってんだお前っ、そんな訳ないだろ」

図星かよ

「俺のことは置いといて、断り続けてるってことは、まだお前に未練があるのかもな」

何言ってやがる、俺には有希がいるし

「そうだったな、でも、今の涼宮と比べたら明らかに見劣りするぜ」

とりあえず、殴りました。



…それにしても、いい笑顔だな。俺と付き合っているときには、あんな顔ほとんど見せなかったくせに……

 いかん、俺は今何を考えた。

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 05:21:09.61 ID:TZodjYos0

昼休み、また文芸部室で昼食をとる。

有希との交際は、内気な彼女の性格もあって、この2か月であまり進展はない。
毎日彼女の作った弁当を食べ、放課後には週に2,3日鶴屋さん達と遊び、休日には、たまに2人で遊びに行く程度だ。
満足といえば満足だが、俺も血気盛んな若者であるので、もう少し先の領域へと踏み込んでみたいというのは、仕方のない事だろう。
少し勇気を出してみるか

「有希、今度の休みなんだけど、家に来ないか。」

「え、……ごめんなさい、その日はちょっと用事が」

…またか



409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 05:48:18.14 ID:TZodjYos0

その後、さしたる会話もないまま昼休みが終わり、教室に戻る

俺の席に朝倉が座って涼宮と談笑していた。朝倉の取り巻きの男女も周りにいて笑っている。

「あら、ごめんなさい。」

朝倉が俺の席から立ち上がると、取り巻き連中も自分の席に戻って行った。

「また後でね、涼宮さん」

「うんっ」笑顔で答える涼宮。次の授業の準備を始めた

「…何」
「なんでもない」無意識に涼宮の挙動を見ていたらしい 数か月振りの会話だな

俺は前を向くと、ホームルームまで机に突っ伏して寝ていた



放課後、有希と一緒に帰宅しようとして忘れものに気づき、教室に戻ると涼宮がいた。そういえば週番だったな


413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 06:43:46.29 ID:TZodjYos0

「お前が真面目に仕事するなんてな」
「…あたしとは、話さないんじゃなかったの」不機嫌な顔だな、当り前か
「忘れものしたんだよ」
「じゃあ、取って帰れば」そっけなく答える涼宮
自分の机から目的の品物を取り出し、思わずこの間の事を聞いてみた。
「お前、有希や朝比奈さんに謝ったんだってな」
「…悪いことしたからね」
「最近朝倉達と仲良いよな」
「別に、クラスの人と今まであんまり話していなかったから話してみようと思っただけよ」
こんな感じで俺が話しかけ、涼宮が答えるという形で、気がついたら30分くらい話し込んでいた
最初は仏張面だった涼宮も、話し込んでいるうちにだんだん顔が緩み、最後には笑顔をみせてくれた


414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 06:53:21.43 ID:TZodjYos0

「あの…」しまった、話しこんでいて有希のことを忘れていた
「あんた、彼女待たせてなにやってんの」五月蝿い、半分はお前のせいだろ
「じゃあな」別れの挨拶をして教室を出る


帰り道、有希は一言も口を利かなかった
別れ際に小さな声で「まだ、好きなの?」と言った
何のことだ 「…ううん、なんでもない」

「じゃあ、また明日な」声を掛けて有希と別れた








「あたしのこと、すき?」

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 07:20:36.97 ID:TZodjYos0

それから、俺は涼宮とまた話すようになった。放課後に話したことが禊ぎになったようだ。
以前の彼女は不機嫌な顔をして文句をがなりたてるという感じだったのだが、今は笑顔をかかさない。
話も面白く、彼女の周りには人の輪がたえなかった。自分もその輪の中に入るのを楽しんでいた。

俺には有希という彼女はいたが、彼女は内気で、話すのを苦手としていた為、こういった楽しみは得られなかった。
朝比奈さん、鶴屋さんが受験のため、彼女らとの交流が少なくなったこともあって、クラスの連中との会話が大きな楽しみとなった。

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 07:50:01.71 ID:TZodjYos0

有希との交際は現状維持のままだった。清く正しい男女交際。まことに学生の身分にふさわしいが、思春期の男子にとってそれは淡白すぎた。
あっさりとした食事ばかりでは飽きが来る。たまには油ののった肉や刺激の強い食事を取りたくなるのも人の性だ。
そんな状況下で、かつて谷口が言っていた「お前に未練があるんじゃねーの」とセリフと
交際の申し出を断り続ける涼宮という現実は、俺にある種の勘違いをさせたとしても仕方ないだろう。

そんな感じで俺は積極的に涼宮に話しかけるようになっていた。まあ、クラスメイトと話しているだけで別に浮気しているわけでなし、これに危機感を持った有希が大胆な行動に出るかもしれないという期待もあった。
こうして、俺は再びクラスで涼宮と最も親しい男子の称号を手にいれた。


そんな時、うちのクラスに転校生が来るという話を聞いた。

432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 11:09:18.92 ID:TZodjYos0

一度涼宮に言ったことがある。「今のお前なら振ったりしなかったのに」と
言った直後に失言に後悔したが、涼宮は笑ってそれに答えて「有る人に話を聞いて貰って、考えるところがあったのよ。」と言った。
誰か聞いたが、その時は教えてくれなかった。

それからしばらくして、噂の転校生がやってきた

「○○から転校してきました、水嶋ヒロです。宜しくお願いします。」それが転校生の第一声だった。
転校生を見た女子の半分は嬌声をあげ、半分はぼうっとしている。男子は例外なく面白くない顔だ。かく言う俺もだが。無理もない、古泉をも超える美形だ。
それより気になるのは、転校生が入ってくるときに涼宮が「ヒロ」とつぶやいていたことだった。


岡部「水嶋の席は、とりあえずあそこだ。」涼宮の横を指す。つまりは、俺の斜め後ろだ。
転校生が、指定された席に着き、挨拶をするのが聞こえた。
「よろしく、ハルヒ」「うんっ」
ハルヒ……名前を呼びすて…知り合いなのか?    何か気に食わないな、そう思いつつ机に突っ伏した。

435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 11:45:34.84 ID:TZodjYos0

授業が終わり、休憩に入ったとたん、転校生の周りには人だかりが出来た。恒例の質問タイムだ。
俺は何故か、話の輪に参加する気が無かったので、続けて自分の席で惰眠をむさぼっていた。

朝倉が中心となってお決まりの質問を浴びせている。前の学校の事、家族の事、趣味や好物などなど、後の席なのでまる聞こえだ。
いくつかの質問の後、本題であろう質問が浴びせられた。

朝倉「ヒロくんって、彼女とか居るの?」「居るよ」即答かよ、残念だったな女共。

「どんな子?」朝倉、食いつくなあ。狙っていたのか。
「君たちのほうがよく知っているんじゃないのかな、ねえハルヒ」そう答える水嶋。

……は?

「どういうこと、ハルヒ?」「どこで知り合ったの」女子連中が一際大きな声をあげて、今度は涼宮を質問ぜめにする。
涼宮は珍しくおろおろしていた。
そうしているうちに休み時間が終わろうとしていた。解散の間際に朝倉が、「後でつつみ隠さず話してもらうからね」捨て台詞を残して行った。
「もうっ、どうして言っちゃうかな」「ゴメン、ゴメン」
…何かもやもやするな。






438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 12:18:00.96 ID:TZodjYos0

次の日から、休み時間の雑談の中心は水嶋になった。顔が良くて、気さくな男だ。彼女がいても女子の人気は高かった。
更に、成績優秀、スポーツ万能、性格の良さがクラスに知れ渡り、面白い話題を提供することが出来るため、男子も彼の周囲に集まった。
…俺はなんとなく気にくわなかったので、会話には参加しなかった。

変わったといえば、涼宮もこの日から変わった。化粧してくるようになったのだ。まあ、高校生らしいナチュラルメイクだが。
仲間の朝倉達は、前から化粧をしているようだったが、涼宮だけは違った。
…気に食わなかった

谷口が話しかけてきた「あいつ、最近きれいになったと思わねえか?」五月蝿いぞ
   「化粧もしてるし、やっぱあいつの為かな」
   「お前に未練があるなんて言ったけど、とんだ勘違いだったわwww」
ムカついたので殴った




441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 12:33:55.71 ID:TZodjYos0

昼休み、文芸部室にて有希と昼食をとる。
あいかわらず、会話らしい会話がない。俺の話に短く返すだけだ。
まあ、毎日弁当を作ってくれるのはありがたいが。おかげで、親からもらう昼飯代がそのままこずかいになっている。



「お前、化粧とかしないの?」
「え、うっうん。したことないし」
「ふぅん」

会話が続かない。
付き合ってから結構たつのに、こいつとの仲は進展しない。たまに遊びに行って別れ際にキスするくらいだ。
俺、こいつのどこが好きになって付き合っているんだろう、ふとそんなことを考えた。

バタン!!!ドアが勢いよく開いて鶴屋さんが現れた。



443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 12:55:41.71 ID:TZodjYos0

「やぁやぁ二人とも、久し振りだねえ」

「鶴屋さん、どうしたんですか」

「実は、二人に相談があってねぇ、本日放課後、いつものところでいいかな?」

「わかりました、古泉達には。」

「今回は抜きだよ、…実はあの二人の事なのさ」

「何か、あったんですか?」

「それは後から話すよ、それじゃ放課後」

そして、放課後。

446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 13:33:58.86 ID:TZodjYos0

喫茶店にて、鶴屋さんは開口一番
「実は、あの二人別れそうなのさ」と言った

はい?
「…どうしてですか」有希が問う

「実はみくるねぇ、受験勉強が結構行き詰っていてね、大分ストレスがたまっていたんだ。それで一樹クンが気分転換に遊びに誘ったりしていたんだけど」
何となくわかった、空気を読まずにしつこく誘って怒らせた、と

「うん、そしたら今度はほとんど連絡がなくなって、また浮気でもしているんじゃって心配して」
「前科がありますからね」…勝手な話だ

「一樹クンは、意外と気の弱いところがあるからっていって、話し合ってみるように言ったんだけどね」
「それでも一旦こじれると、、なかなかね」
「…それでわたしたちは何をすれば」

どうやら、俺達には古泉と話してみてくれ、みくるはあたしが説得するから、ということらしい
鶴屋さんいわく、最悪二人が別れることになったとしても、受験に影響が出ないようにしたいらしい、難しいな

その後、雑談の後解散となった、
「そういえば、キョンくんのクラスに転校生がきたってね、すごくかっこいいらしいね」帰り際にそう聞かれた。
「え、ええ、…涼宮の彼氏らしいですよ」
「へえー」
喫茶店からの帰り道、普段は話さない有希が涼宮の彼氏についてしつこく聞いてきた……何なんだ、気に食わないな


449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 14:01:39.64 ID:TZodjYos0

次の日、古泉のクラスに行って話してみた、古泉いわく
「僕としてもいろいろやってみたんですけどねぇ、相手を思っての行動が全て疑われて、非難されてはさすがに、ね」

よりをもどすつもりはないのか、と聞いてみると
「こちらがそのつもりでも、あちらがああではね」疲れた表情で言った
「まあ、僕には前科がありますからね、仕方ないのかもしれません。気を遣っていただいたのに、申し訳ありません。」

鶴屋さんの方も同じ様な結果だったらしい。間に俺達を置いた話し合いを行った結果、とりあえず冷却期間を置こうということになった
実質、別れたも同じだな、あんなに似合いのカップルだったのに

その後、鶴屋さんから二人が正式に分かれたと聞いた。鶴屋さんは話の終わりに「みくるのフォローを全力でするよ」と言った
それを最後に、卒業まで鶴屋さん達と話すことはなくなった。

451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 14:26:24.51 ID:TZodjYos0

クラスでは、相変わらず水嶋が人気者だった。休憩のたびにまわりで雑談がおこなわれて、楽しげな声が上がる。
こいつの転校以来、俺がその輪に加わることは無くなったが、誰も気にしていない様だ。前はあれだけ俺と話していた涼宮も、水嶋との話に夢中になっている
あいつの為に化粧までしてきて
気に食わないな
席替えでこいつらと離れられればいいのに

谷口が話しかけてきた「あいつら、本当に仲が良いよな」知らん
              「ナンパで知り合ったらしいぜ、あいつら」聞いてない
              「俺もナンパで彼女をゲットするかな」好きに生きろ

五月蝿いので、とりあえずボコりました

その日、ホームルームの時間に席替えがあった
俺は、窓側の最後尾という一番いい席を引き当てた
が、喜びもつかの間の事だった
涼宮が2つ前、その隣が水嶋だったから

 

458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 14:53:45.48 ID:TZodjYos0

次の日、登校前に有希からメールがあった。熱が出て学校を休むので、昼食を用意してとの内容だった。
噂に聞くのみで一度も利用したことのない地獄の学食や売店に行くのはためらわれたので、登校途中に菓子パンを買っていくことにして、有希には帰りに見舞いに行くとメールを返した。

授業を適当に受けて、昼飯の時間になったので菓子パンを取り出す。谷口と国木田が寄ってきた。
「珍しいね、キョンが教室にいるなんて」
「遂に捨てられたか」
風邪で休んでいるだけだと返す
「なあ、外出て食わないか。」谷口がそう言うと
「あれを見せつけられるのは、確かにつらいかも」国木田も同意した
「何のことだ」
無言で後ろを指す谷口。そこには、手作りと思われる弁当をさしだす涼宮の姿があった。


459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 15:13:52.11 ID:TZodjYos0

教室を出て中庭で二人と食事を取りながら聞いてみる「涼宮は朝倉達と食ってなかったっけ」

「あいつが越してくる前まではな」
「最初は朝倉さん達も一緒だったんだけどね」
「あの馬鹿ップルぶりを見せつけられながら飯なんて食えないって」
二人の話だと古典的な「あーん」をやっているらしい

「そんな感じだと、クラスの反感を買わないか」期待して聞いてみる
「ところが、そうでもないんだよ」
「お似合いだからね、二人は」

面白くないな、何故か、

教室に戻った後も二人がいちゃついていたので、視界に入らないように授業がはじまるまで机に突っ伏した。

463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 15:40:41.19 ID:TZodjYos0

放課後、帰宅途中にまたしても忘れものに気づき、教室に戻る
引き戸を開けようと前に立つと中からくぐもった喘ぎ声のような音が聞こえてきた

まさか、と思い隙間から覗いてみる、そこには
「…んっ、あぁ、はぁ、はぁ、んちゅ」

涼宮が水嶋と抱き合ってキスしていた
それも、舌を絡めあい、互いの唇をむさぼるようなディ―プキスだ
唾液の水音のみが静かな教室に響いている
二人の顔は紅潮していて、行為に興奮しているのが見て取れた

やがて、涼宮は水嶋の手を取ると自ら胸に押し当てた。
制服の上からでも大きさを主張するそれを、水嶋はもみしだいていた。
もう片方の手はすでにスカートの中に入れられ、緑のストライプの下着の上をまさぐっていた。

俺は、この淫微な光景から目を離せなくなった





466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 16:04:30.81 ID:TZodjYos0

二人の行為はどんどんエスカレートしていき、最後の行為を始めようとしていた。
下着を下ろし胸をあらわにした涼宮は、上気し呆けた顔と抜群のスタイルもあいまってとてもいやらしく、また、美しかった。
水嶋はこれからその涼宮を我がものにするのだ、そう考えると非常に妬ましく、悔しかった。俺の昔の女なのに

突然、メールの着信を知らせる電子音が鳴り響いた。
「誰っ!」
やばい、動揺した俺はすぐにとなりの教室に逃げ込んだ。ややあって、着衣を正した涼宮達が廊下に出てくる
「見られたかしら」
「やっぱ、学校でやるのは危ないな」
「興がそがれちゃったわね」
「帰ってから続きしようか」
など、話している

二人の気配が消えたあと、一目散に家へと帰ってオナニーして寝た
有希の見舞いと忘れもの、メールのことを思い出したのは翌朝だった


468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 16:23:53.13 ID:TZodjYos0

次の日、涼宮達の顔がまともに見れなかった。
昨日のメールは有希からで、インフルエンザらしく今日も休むという事だった。移るから見舞いにこないでよかったらしい
また菓子パンを持って中庭で飯だ。
飯を食いながら考えた。あいつら、行為を見られたことを気にしていないのだろうか、と
一度気になると、その考えが頭からはなれなかった。

確か来週、涼宮は週番だったな。その時にでも聞いてみよう。
そんなことを決心していた。

471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 16:56:43.50 ID:TZodjYos0

そして、次の週の放課後に忘れものを取りにきたふりをして、教室にいた涼宮と久しぶりに話をした
ちなみに有希はまだ休んでいる

「…また、忘れもの?」
「ああ。…そういえば久しぶりに話したな」
「…そういえばそうね」そっけなく返される。前は、もっと会話が弾んでいる感じだったのだが
どんな話題だったら話が繋がるかな

「そういえば、お前あの転校生と付き合っているんだよな」
「もう転校してだいぶ経っているんだけどね、一応彼が転校してくる前からだけどね」
やはりうまく食いついた、癪だが
「どこで知り合ったんだ、谷口はナンパとか言っていたけど」
「まあ、そんなところね、あたしが一人でぶらついていたら声かけられたのよ」
そこから二人の出会いについて長々と聞かされた
いわく、はじめは、邪険にあつかっていたのだが、人づきあいで悩んでいるのを見破られ、それに対するアドバイス等をうけ、半真半疑で実行したところ
友人が出来て学校が楽しくなった、全て彼のおかげだと
そのアドバイスというのが一言でいえば「かわいいんだから、笑っていた方がいいよ」だそうだ

それから連絡先の交換を行い、交際が始まったらしい
その話をしている間中涼宮は赤くなって照れていた。俺と付き合っているときは、笑うことさえほとんどなかったのに



472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 17:24:29.73 ID:TZodjYos0

人ののろけ話を聞かされることほど苦痛なことはないな、そう考えていると

「あたし、あんたに感謝しているのよ」
いきなりそう言われた
「だって、あんたがわたしを振らなきゃ彼と出会えなかった訳だしね」
それはそうだが、そんな言い方あるか

「今思うとあたし、あんたのことがそんなに好きじゃなかったのよ」
「友達いなくてさみしかったから、最初にあんたに声かけられてうれしかったのを恋心と勘違いしたんだわ」
そこまで言うか

「あんたはあたしの悩みを理解できなかったし、あたしはあんたを理解しようとしなかった」
「だから、別れることになったのは必然なのよ」
…………

俺が、何も答えられずにいると
涼宮は「最後にお願いがあるのよ」と言った。
何だ?
「あんた、前に言ったわよね、あたしとは二度と口をきかないって。あれを厳密に実行して欲しいのよ」
なん……だと
「もちろん、あたしも二度とあんたとは口きかないわ、どう?」
何でそんなことを
「決まっているじゃない、あんたと付き合っていたことはクラス全員知っているのよ、ヒロの耳に入って勘違いされたら嫌じゃない」
彼に限ってそんなことはないけどね、と涼宮は付け加えた

「それじゃ、よろしくね」涼宮はそう言うと話は終わったとばかりに週番の仕事に戻った
俺は、それ以上話せず、帰路についた。

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 17:40:44.51 ID:TZodjYos0

次の日、まだ有希は休んでいる

教室には何故か入りずらかった。昨日言われたことが気になっているのだろうか、かつて俺がいったことなのに
2つめ前の席を見る
あいかわらずいちゃついている涼宮達が見える、休憩時には談笑の輪が出来ている

そういえば、クラスの連中で毎日話しているのって谷口と国木田くらいだな、有希ともしばらく会っていない
あいつはいてもほとんどしゃべらないけどな

さあ、昼飯だ
菓子パンをもって中庭に出た。

478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 17:53:09.38 ID:TZodjYos0

谷口達と昼飯を食べ、話をしていると後ろから呼ばれた
「ちょっと、いいかな」

振り返るとそこにいたのは水嶋ヒロだった

「キョンくんだっけ、ちょっと話があるんだけど、いいかな」
何だ、俺に何のようだ

「ここではまずいから、ちょっと付き合ってほしいんだけど」
国木田と谷口を見る
二人は俺に手を振っている、薄情な奴らだ

しょうがないので、水嶋についていくことにする

屋上についたところで、奴は話し始めた

479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 18:19:12.21 ID:TZodjYos0

屋上にて開口一番「キョンくんとは、初めて話すよね」

「…そうだな、話す必要もなかったが」

「まあ、そんなことを言わないで、同じクラスだし仲良くしようよ」さわやかに笑いながら話す
「それで、何の用だ。」ムカつく男だ

「ハルヒのことなんだけど、君、前に付き合ってたんだよね」
それがどうした
「まだ、未練があるんじゃないかと思ってね、君から振ったのは聞いていたけど」
…俺にはもう関係ない
「そんな事はない、第一俺には彼女がいる」
「ふーん、それならよかった」そうかい

「俺からもきいていいか」「どうぞ」
「涼宮とどうして付き合うことになったんだ」
「話せば長くなるけど、一言でいうとナンパかな。君と別れてから一人で街をうろついていることが多かったらしいから、保護の意味もあったかな」
よく言うぜ
「話してすぐに、彼女は寂しいんだということがわかったから、僕流の友達を作る方法を伝授したのさ」
「そうしてなし崩しに付き合うことになったんだよ」
「偶然ここに転校してきてびっくりしたよ、彼女がいるとは思わなかったから」

481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 18:46:58.17 ID:TZodjYos0

「転校してきて彼女が皆から好かれているのを見て、うれしくなったよ」
「男も女も付き合う相手によって、よくも悪くも変わるからね」
嫌味かよ

「まあ、彼女の欠点といえば、ちょっと幼稚なところかな。だからわがままも言うけど、気の許した相手にしか甘えないからむしろ光栄かな」
「幼稚な奴に手を出したのかよ」思わず口走ってしまった

それを聞いた水嶋は、
「やっぱりお前か」笑顔が消え

次の瞬間には胸倉を掴まれ、フェンスにたたきつけられていた
身長差が10センチ以上はあり、細身ながら仮面ライダーのように締まった体から放たれる威圧感におびえ
「な、何が」と答えるのが精一杯だった
「とぼけるなよ、見ていたんだろ、この前」
「は、放してくれ」
胸倉をつかむ手をはなし、続きを促す水嶋……怖え
正直に答えるしかなかった
「たまたま忘れものを取りにいっただけだ」「本当か」鬼の形相でにらみつけられる
「写真とかは撮ってないか」「撮ってない」目がそらせない

しばらく睨まれた後、「嘘は言っていないみたいだな」解放された

水嶋は笑顔に戻ると「ごめんね、手荒なまねして。今日の事は二人だけの秘密だよ」といって去っていった
俺はうなずくしかなかった

486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 19:03:13.68 ID:TZodjYos0

教室に帰って自分の席に着く
前を見るのが怖いので、机に突っ伏していると耳元で誰かが囁いた
「さっき言い忘れたんだけど、残念だったね」水嶋だ
「何がだ」
「ハルヒ、僕が初めてだったよ」

その日は帰ってすぐオナニーして寝た
有希のメールに気が付いたのは、次の日の朝だった

489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 19:24:45.67 ID:TZodjYos0

次の日から、一つ変化があった
水嶋が俺に話しかけてくるようになった、どういうつもりだ
涼宮が複雑そうな顔で見ている
体育の授業や休憩中に2,3回言葉を掛けてくる
仲良くしたいとは言っていたが、まさか本気では有るまい

昼休みになり、腑に落ちない気分のまま文芸部室に向かった。有希から回復したとの連絡があったからだ
ひさしぶりに有希手製の弁当を味わって、嫌な事は考えないようにしよう

「久しぶり、もう体のほうはいいのか」
「うん…」

相変わらず短い返答だ、まあいい、お昼にするか

料理がうまいのは有希の最大の調書だな、他の長所はすぐには思いつかないが







490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 19:56:02.83 ID:TZodjYos0

弁当を食い終わって有希と話す

相変わらず、会話にならない
こちらが聞いたことに対して「うん…」と返すのみ
「休み中俺と会えなくて寂しかったか」「体、大丈夫か」何を聞いても答えは同じ

俺は有希を内気でやさしい女の子と思っていたが、やさしいのはともかく、内気なのと暗いのとでは何か違いがあるのだろうか
こいつがこんなではいつまでたっても交際の進展はないのではないのだろうか
クラスには遥か先に進んでいる者もいるというのに、俺の元カノと


俺は性懲りもなく誘ってみた 「…ごめんなさい」 ほらな
だが、その後がいつもと違った
「…あなたがなにを求めているのかわかってはいるの、でもまだ怖いの、それに…」
「あなたが本当にわたしのことを好きかわからないの、…ひょっとしたら、まだ彼女の事が好きかもって思うと…」

…後になって考えてみると、有希にしてみれば最大級の訴えだったのだろう、ずっと不安を感じていたに違いない
だが、この時の俺にはそれを考える余裕はなかった
有希にしてはめずらしい長口上に、頭に来ていた
気がつくと、机の上に有希を押し倒していた



499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/05(火) 20:35:06.72 ID:TZodjYos0

「嫌、やめて」拒絶のよわよわしい声を無視して、俺は有希の体をまさぐった
薄い体だが、それなりに柔らかい感触が掌に伝わる

「お願い、やめっ、ん、んむ、」無理やり唇を重ね、舌を突っ込む
さっき食べた弁当の味がしたが、余計に興奮した

右手で胸をまさぐり、左手でふとももの内股をなでる、その手をだんだん上へと進ませ、下着の上へと進ませる
股間のうえを何度もなぞる、右手はブラウスをめくり上げて、ブラのカップの中へと進ませた


下着の隙間から指を差し入れて幼い性器をいじったときも、ブラをずり上げて露出した乳首をしゃぶった時も、有希は小さい声でやめてというだけだった
こんな時にも小さな声しか出せない有希を腹立たしく思ったが、むしろ都合がいい、そう思い直した

スカートとパンツを脱がし、足の間に体を入れて、割れ目を指でまさぐった、片手で開き、もう一方の手で入口の周りを丸くなでまわした
その間、有希は両手を顔に当てて、小さな声で「やめて、許して」と念仏を唱えるようにつぶやき、さめざめと泣くのみだった

103 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:10:56.33 ID:Jy2lHhP50

有希の体をしばらくまさぐっていると、俺の我慢が限界にきたので一物を取り出す。
膣に指を第一関節まで挿入し周りの壁を擦るように愛撫していたら、ねっとりとした汁が分泌されて来たので準備よしと判断した。
結局のところ、愛情を確認するにはこれしかないよな、そううそぶくと俺は入口に先っちょをあてがった。

ところが、今まで蚊の泣くような声で「ゆるして」と、すすり泣くのみだった有希が、性器が触れ合ったとたん

「イヤーーーーーーーー、いやいやいやいやいやいや嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ーっ」
と、大音声で叫び始めた。今までに有希がこんな大きな声を出したことは無かった
同時に、机の上で渾身の力を振り絞って暴れ始めた。

「まずい、いくら昼休みの部室棟が人がいないとはいえ、誰かが来ないとは限らない」
有希の初めて見る狂態に一瞬ひるむが、我に返り慌てて有希を静かにすることを考えた。
取り合えず、有希のにあてがった一物を放し、左手で胸倉をつかむと、右手で頬を2,3発ひっぱたいてみた
胸倉をつかむときにギョっとした顔がカンに障ったので思いのほか力が入ってしまったが、効果てきめんで静かになった
唇を切ったのか、端から血を流している、虚ろな瞳は焦点があっていないが、自業自得だ

さあ、仕切り直しだ、再び一物をあてがうと、有希が俺を非難めいた眼で見ていた
思わず「なんだよ、お前俺の事好きなんだろ!だったら何で駄目なんだ!涼宮なんてもう彼氏とやりまくってるんだぞ、もしかしたら俺が相手だったかもしれなかったのに!」
   「そうだよ、お前が現れなきゃ、俺はあいつと今頃うまいことやってたんだ!」と怒鳴りつけた

   「………」有希は両の瞳からただ静かに涙を流すのみだった、暗い奴だ、確かに涼宮のいっていた通りキモい女だな


107 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:16:14.58 ID:Jy2lHhP50

バタン、いきなり部室のドアが開いた。

入口の方に振り向いた途端、意識が飛ぶほどの衝撃を受けて壁に吹き飛ばされた。

「大丈夫ですか」この声は、古泉か?

頬が痛い、立ち上がろうとしたが頭がくらくらして立ち上がれない

ようやく起き上がると、古泉と、その後ろに隠れるように古泉のブレザーで体を隠している有希が立っていた。

「最低な人ですね、女性をものにするのに暴力を使うなんて」
とっさに言い訳しようとしたが、弁解の余地がないのは有希を見れば一目でわかる
「これは立派な犯罪ですよ」
そんな、俺はただ…
「長門さんしだいですが、覚悟はしておいて下さいね」
 …自分の彼女ともっと仲良くなりたかっただけなのに
「…長門さん、保健室に行きましょう」
古泉につれられ、有希は出て行った。ドアを開けて一瞬こちらを見た顔は、悲しいような、寂しいような、そんな表情だった。
後に残されたのは、だらしなく一物をさらした俺のみだった。さっきまで天を突かんばかりだったそれは、いまや見る影もなく萎れていた。

ふと、弁当箱が目に付いた。そういえば、病み上がりだったな、あいつ
それなのに、早起きして弁当を作ってくれたのか、俺の為に
そんなあいつに俺は何をした?暴言を吐いて、暴力を振るって、操を無理やり奪おうとしたのだ。あいつが俺の気持ちを信じられないと言ってたのも無理がない

それから俺は一人、有希との思い出を思い返し、それを共にした恋人を永遠になくしたことを放課後まで嘆いていた


110 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:23:32.88 ID:Jy2lHhP50

次の日、俺は有希に謝ろうと彼女の教室に向かったが、有希は休みだった。
電話もメールも着信拒否になっていたし、直接会って謝りたかった。
そうして1週間通い詰めたが、彼女は学校に来なかった。あの日の弁当箱はクラスメートにことづけた。
直接彼女の家に行くことも考えたが、いろんなことを考えると、気が重くてとても出来そうになかった。
だから、こちらに行くのも気が重いが、古泉に相談してみる事にした

「何しにきたんですか」それが、第一声だった。
「長門さんはあなたを訴えなかった様ですね、最も許す事はあり得ませんが」
「相談があるんだ」
「あなたの力になるつもりはありません」
「おれの事じゃない、有…長門の事だ」
「…いいでしょう、放課後に例の喫茶店で」
「わかった」




113 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:28:51.73 ID:Jy2lHhP50

こうして久しぶりにここに来た訳だが、友人との談笑ではなく、解決法すらわからない問題を抱えているわけで、気が滅入ることこの上ない
全ては自分で蒔いた種だが


「長門があれから学校に来ていないのは知ってるか」
「ええ、恋人と信じた人にあんな仕打ちを受ければ、無理もないでしょう」
「メールも電話も拒否されていて連絡が取れない」
「そうでしょうとも、真坂そんなもので謝ろうというんじゃないでしょうね、あの様なことをしておいて」
「あいつの家に行こうとも思ったんだが」
「一番会いたくない相手が最後の逃げ場までやってきたら、僕なら自殺します」

こちらの問いに嫌味を交えて答えていた古泉だったが、俺が再び有希を学校に戻して楽しい学生生活をおくらせてやりたい、その為ならなんでもやる事を伝えると
「わかりました、なんとかしましょう」と、請け負ってくれた
ありがとう、古泉
「長門さんは僕にとってもかけがえのない友人ですし、貴方にはみくるとの時に世話になっていますからね」
「ただし、あなたはもう二度と彼女と会わないで下さい」


………………………………………………………………………………………………………………さよなら、有希………………………


あともうちょっとで終わる予定

116 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:37:56.48 ID:Jy2lHhP50

それからしばらくして、有希……いや、もう名前で呼ぶ資格はないな
長門が学校に来ていると古泉から聞いた。何度も連絡を取り、彼女の家まで行って慰めたらしい
俺の謝罪も伝えてくれたそうだ、ありがとう、古泉
ただ、俺のしたことは許しても、植えつけられた恐怖は拭い切れないらしく、俺とは会いたくないそうだ、
古泉はその後も長門のケアに当たり、いつしか二人は付き合い始めたと聞いた
良かった、これで長門も立ち直れるな

あとは、自分の駄目さ加減をなんとかしよう。もう、二度と大事な人を失わないように。


118 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:48:38.91 ID:Jy2lHhP50

それから、俺は再びクラスの連中と談笑するようになった。
水嶋は相変わらず俺に話しかけてきたし、話しているうちにこいつがいいやつだとわかった。
(屋上での一件は怖かったが)
そんな感じで、休憩時はクラスメイトと談笑、昼は谷口達と一緒に食べるようになった
谷口には長門に振られた(そういう話になっている)ことをからかわれたのでとりあえず殴っておいた。

ただ、涼宮だけが面白くなさそうにこちらを見ていた


121 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 00:55:35.12 ID:Jy2lHhP50

2学期に入り、最初のホームルームで席替えがあった
今度の席は廊下側の前から二番目だ
前の席には委員長の朝倉だった
「よろしくね」
こいつはクラスの女子の中心人物で、涼宮と並ぶ美人でもある、眉毛がちょっと太いが、仲良くしておいて損はないな
そんな感じで話しかけようとしていると、何処からか視線を感じた
さりげなく辺りを見回す

涼宮は、窓際最後尾の席で一つ前の彼氏と談笑中

谷口、国木田も談笑中

ふと、一人の男子生徒と目が合った
たしか、山根とかいうアイドル研究会に属する奴だ
目が合った瞬間に目をそらされた

話した事はないはずだが、なんなんだ一体


123 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 01:07:37.76 ID:Jy2lHhP50

次の休み時間、トイレに行き用を足していると後ろから声をかけられた

例の山根だ
「何か用か」
「席代わってくれよ」
いきなり何を言い出すんだこいつは
「僕は目が悪いんだ、代わってくれよ」
なるほど、確かに眼鏡だ
「だったら、教卓の真ん前にしてもらったらどうだ」
「…お前も匂いを嗅ぐ気か」
何のことだ?
「朝倉さんの匂いだよ、今まで僕が独占していたのに」
…何てかわいそうな奴だ、だが、朝倉を魔の手から救わなければならない
「お前が何を言っているのかわからんが、代わるつもりはない」

「…覚えてろよ」





129 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 01:25:38.51 ID:Jy2lHhP50

それから、教室に帰って朝倉にトイレであったことを伝えると、朝倉は青い顔をして
俺に礼を言った。

数日後、例の山根が急に転校していった。

この事をきっかけに、俺は朝倉と良く話すようになった
かつて俺が付き合っていた長門有希と幼馴染ということも知った
長門との顛末について知っているのではないかとびくびくしたが
朝倉は「人の色恋沙汰に首をつっ込んだりしないわよ、面倒なことになるからね」とだけいった
こんな感じで俺は朝倉と仲良くなっていった


135 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 01:44:01.83 ID:Jy2lHhP50

ある日のこと、体育の授業を終えた俺は着替えて自分の教室に戻っていた
女子もすでに着替えを終わらせて休憩中に思い思いの相手と話したり、次の授業に備えていた

俺は次の授業の準備をしている朝倉に話しかけ、予令まで雑談をしていた
予令が鳴って朝倉が前を向いたその時、むわっと朝倉の体臭が立ち上り、俺の鼻孔に吸い込まれた

…成程、山根がこだわるのも分かる、本能に直撃するスメルだよこれは



141 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 01:53:10.99 ID:Jy2lHhP50

たとえて言うならこの匂いは、熟女が一戦交えたかのような、汗と性的な分泌物と若干の排泄物の匂いがした


俺は無意識のうちにこの匂いを求め、わずかな匂いも逃すまいと行動に出た
その結果、呼吸は速く荒々しくなり、姿勢は少しでも発生源に近づこうと中腰になっていた
朝倉「何かうるさいなあ?」


146 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 02:13:44.00 ID:Jy2lHhP50

その頃の涼宮ハルヒ

「なんでヒロはキョンと話すのかしら」
学園生活にも恋愛にも何の不満もない彼女のたった一つの気がかりは今彼のヒロが、元彼のキョンに話しかけることだった
かつて自分はヒロの為に、キョンと互いに口をきかないという約束を取り付けたのだが、当のヒロ自身がキョンに話しかけている為、面白くない
さりとて、ヒロに意見することも、嫌われるのではないかと躊躇していた
そんな訳で彼女は次第にストレスを溜めていき、こう考えるようになった
「あいつ邪魔よね、どっか行ってくれないかしら」
こうして、彼女は自らのテリトリーからキョンを排除するための弱みを握れないかとキョンを観察するようになった

そんな中、彼女の眼に飛び込んできたのは、前の席の女子の匂いを嗅ごうと空気椅子をしながら前傾姿勢を取っているきょんの姿だった。
彼女は思わず指をさして叫んだ

「見てアレ、キモくない?w」


その後、キョンの姿を見たものはいなかった











                                                    完

155 名前:ちんかす[] 投稿日:2009/05/06(水) 02:35:28.43 ID:Jy2lHhP50

こんな終わりかたですみません。初めてSS書いた上に即興だったので投下も遅くgdgdになってしまいました。
でも、10代の恋愛なんてこんなもんですよね。
ほんとは長門エンドで終わろうとしたんですけど。
あと、ヒロくんごめんなさい、変な事やらせちゃって
あまたのSSでは出したとたんすんなり話がまとまる便利キャラとして使われていたのですが、結婚して神通力が落ちたかな。

次何か書くときは全部書き溜めてからやります。

丸一日張り付いていたので眠くて仕方がないので寝ます。
皆さんありがとうございました。おやすみなさい。



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