1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:15:33.51 ID:sh7StgcQO
【〇×商事】
ハルヒ「キョン、企画書まだ出来ないの?」
キョン「遅れてすみません!こちらです!」
ハルヒ「ん?なによ、これ?子供の落書き?」
キョン「い、一応…企画書ですが…」
ハルヒ「はぁ?こ〜んな幼稚な内容で企画書?笑わせてくれるわね!」
キョン「くっ…」
ハルヒ「あんたってへなちょこサラリーマンは、何度やり直したらまともなの持ってくるのよ!」
キョン「申し訳ございません…」
ハルヒ「もういいわ!有希!この企画書お願い!」
長門「…了解」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:16:58.62 ID:sh7StgcQO
【休憩室】
朝比奈「はい、お茶です!」
キョン「ありがとうございます…」
朝比奈「気にしちゃ駄目ですよ?叱られたくらいで」
古泉「不思議なことに、涼宮さんが別の部署から部長に就任して以来、怒鳴られてるのはあなただけですね?」
キョン「ははっ…それだけ俺の仕事が気にいらないんだろ?」
長門「それは違う…あなたの企画書は良く出来てた…」
キョン「ありがとな、長門…」
古泉「なるほど…ということは彼女はむしろ、あなたに期待して怒鳴ってるんじゃないでしょうか?」
キョン「冗談はよせ!俺なんか万年平社員だぞ?どこのどいつが期待するってんだよ?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:18:15.75 ID:sh7StgcQO
谷口「まぁそう卑屈になるなって!」
キョン「だってそうだろ?期待するなら長門や古泉にするべきだ!なにも俺じゃなくていい!」
朝倉「はぁー、キョン君はなにも分かってないのね?」
キョン「…どういう意味だ?」
朝倉「まぁいいわ…じきにあなたにも分かる時が来るでしょ、涼宮部長の本心がね!」
谷口「なぁなぁ朝倉…お前もそろそろ本心を話してくれていい頃じゃないのか?」
朝倉「私の本心って?」
谷口「お前が俺を、す…」
朝倉「っごーく、キモイって思ってるってこと?」
古泉「ですよね」
朝比奈「だよね」
長門「よね」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:19:31.22 ID:sh7StgcQO
【居酒屋・鶴屋】
鶴屋「へい!らっしゃい!」
キョン「鶴さん、いつもの…」
鶴屋「はいよ!」
キョン「(仕事帰りの居酒屋が一番落ち着く)はぁ…」
鶴屋「おや、元気ないねぇ?また例の部長かい?」
キョン「そうなんすよ…またこっぴどく叱られちゃって…」
鶴屋「そっかぁ!話ならとことん聞くにょろね!」
カランカラン
鶴屋「へいらっしゃい!」
ハルヒ「鶴さん!いつもの!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:20:27.98 ID:sh7StgcQO
キョン「ぬわぁ!」
ハルヒ「あっ…あっ…あんた、何でここに?」
鶴屋「こちら、うちの常連客のキョン君!」
ハルヒ「あんたもここの常連だったわけ?」
キョン「えぇ…部長もですか?」
ハルヒ「やだやだ…出来の悪いへなちょこ野郎と同じ居酒屋で呑んでたなんてね…」
鶴屋「ってことは…なるほど!キョン君の部長ってハルにゃんだったわけか!」
ハルヒ「そうよ!この糞使いものにならない部下の上司が私!」
キョン「うっ…」
鶴屋「まぁまぁ!酒の席で、そういう話はなしにょろ!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:21:28.07 ID:sh7StgcQO
スチャ
キョン(ちっ…結局隣に座るのかよ…)
ハルヒ「なによ、その顔?私が隣に座って文句あるわけ?」
キョン「いぇ、別に…」
ハルヒ「ならいいけど!」
鶴屋「生中2つ!お待たせしました!」
ハルヒ「じゃあ一応、乾杯…」
カンッ
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:22:24.36 ID:sh7StgcQO
鶴屋「同じ会社の社員なのに、どうして今まで鉢合わせしなかったんだろ?」
ハルヒ「こいつは退社時刻になったら早々に帰るけど、私は部長でしょ?
だからまだ残っていろいろやらなきゃいけないのよ!」
鶴屋「なるほど。それで、二人がここに寄る時間がズレてたってわけか!」
ハルヒ「そう!…それにしても、平社員はホントお気楽でいいわよね?
部長ともなると重い任務や責任がのしかかってきて大変よ!」
キョン「…お察しします」
ハルヒ「私の気持ちを察してるなら、もっとまともな仕事しなさいよ!このグズ!ノロマ!出来損ない!」
鶴屋「まぁまぁ…」
ハルヒ「鶴さん、もう一杯ついで!呑まないとやってられないわ!」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:23:30.00 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「ゴクゴク…ぷはぁ〜!あんた独身?」
キョン「…えぇ」
ハルヒ「ふふ、そりゃそうよね!あんたなんかを好きになる女がいるなら顔を見てみたいわよ!」
キョン「くっ…部長も独身ですか?」
ハルヒ「そうよ?なんか文句ある?」
キョン「…いぇ」
ハルヒ「私はねぇ、男になんか興味はないの!
私が愛するのは仕事と酒と金だけ!他にはなにもいらないわ!」
キョン「確かに…部長ほど優秀な方なら、一人で生きていけるんでしょうね」
ハルヒ「その通りよ!私は誰にも頼らない!信じるのは己の意志と能力のみよ!」
ハルヒ「鶴さん!もう一杯ちょうだい!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:24:19.04 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「私は一人で……生きてく…の…Zzz」
キョン(やれやれ…散々俺に愚痴ったあげく酔い潰れるとは…)
鶴屋「ハルにゃんが酔い潰れるなんて珍しいね!」
キョン「そうなんですか?」
鶴屋「うん!いつもは店の奥でチビチビ呑んですぐに帰っちゃうからさ!」
キョン「へぇ…」
鶴屋「強気な発言ばかりしてるけど、本当は寂しいんだと思うんだ…」
キョン「そうですかね?」
鶴屋「そうだよ!寂しさを全く感じない人間なんて、この世にいないにょろね!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:25:09.29 ID:sh7StgcQO
鶴屋「そういえば最近、少し気になる男性社員が出来たって言ってたにょろ!」
キョン「気になる男性社員?気になるって異性として…ですかね?」
鶴屋「たぶん、そうにょろね!」
キョン(誰だろ…おそらく古泉…国木田って可能性もあるか?)
鶴屋「ハルにゃん!そろそろ起きなさい!」ペチペチ
ハルヒ「うーん…Zzzz…」
キョン「…起きませんね」
鶴屋「キョン君…悪いけど、ハルにゃんを家まで送ってくれるかなぁ?」
キョン「お、俺がですか?」
鶴屋「お願いにょろ!部下なら住所も分かると思うし!」
キョン「はぁ…分かりました」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:26:07.39 ID:sh7StgcQO
【マンション・カラアゲ】
キョン「よいしょ…(部長本人は軽いけど、部長の鞄が重たい…)着きましたよ!」
ハルヒ「鍵…右のポッケ…」
キョン「はいはい…」
カチャ キーッ
キョン「お邪魔します!(質素な部屋だな…物が少なめで…)」
ハルヒ「ベッド…ベッドまで運ん…で…」
キョン「分かりましたよ!鞄はここ置いときますね!」
パタン
キョン「よいしょ…よいしょ…降ろしますよ?」
ハルヒ「うん…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:27:03.62 ID:sh7StgcQO
キョン「はぁー、疲れた…」
ハルヒ「み、水…ちょうだい…」
ジャー キュッ
キョン「はい、お水です」
ハルヒ「ん、ありがと…ゴクゴク…」
キョン「じゃあ俺は帰るんで、戸締まり気をつけてくださいね!」
ハルヒ「……」
キョン「ではまた明日!」
ギュッ
キョン「?」
ハルヒ「キョン…行かないで…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:28:20.00 ID:sh7StgcQO
キョン「まだなにか用があるんですか?」
ハルヒ「そばに…いて欲しいの…」
キョン「もう、終電が来るんですけど…」
ハルヒ「泊まっていけばいいじゃない…うちに…」
キョン「そうは言っても…明日の出勤が早いので、これで」
チュッ
キョン「!」
ハルヒ「お願い…帰らないで…」
キョン「部長…」
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――――
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18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:29:04.13 ID:sh7StgcQO
ジリリリリ
ハルヒ「んん…」
バチンッ
ハルヒ「ふぐぅ…朝?…頭痛い…」ズキズキ
キョン「う〜ん…」ゴロン
ハルヒ「!」
ハルヒ「な、なに?どうしてこいつが…ここにいるのよ…?」
バッ
ハルヒ「嘘でしょ?私もこいつも、真っ裸じゃない…」
ハルヒ(えっと…昨晩はこいつと居酒屋で呑んで、それから…)
ハルヒ(それからどうしたんだっけ…思い出せない…)
キョン「ふわぁ…部長、朝ですか?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:30:06.30 ID:sh7StgcQO
キョン「ふわぁ…おはようございます」
ハルヒ「呑気に挨拶してる場合じゃないわよ!どうしてあんたがここにいるわけ?」
キョン「どうしてって…無理やり部長が泊まらせたんじゃないですか」
ハルヒ「はうぅ!…そういえば、そんな気が…で、その後は?」
キョン「その後というのは?」
ハルヒ「誤魔化さないでよ!その後よ!その後!」
キョン「その後…部長が上に乗っかって来て、俺達は生で性交…」
ハルヒ「あぁ、もういい…続きは話さなくていいわ、ありがと…」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:31:10.70 ID:sh7StgcQO
キョン「なんか、すいませんでした…俺が断りきれなかったばっかりに…」
ハルヒ「いいのよ、悪いのは私なんだから…ごめんなさいね…」
キョン「うおっ!じ、時間!時間!」
ハルヒ「時間?ウソ!いけない、入社時刻過ぎてる!」
キョン「すいません!シャワー借りていいですか?」
ハルヒ「バカ!そんな悠長なことしてられるわけないでしょ!さっさと服着て出掛けるわよ!」
キョン「そうですね!」
ハルヒ「あぁ!もう…精液が背広まで飛んでる!」ゴシゴシ
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:32:04.24 ID:sh7StgcQO
【〇×商事】
重役1「大事な会議に遅れてくるとはどういうことかね!涼宮君!」
ハルヒ「申し訳ございません!」
重役2「さっき君の部下と一緒に入社する姿が見えたが、まさか彼と寝てたんじゃないだろうね?」
ハルヒ「…そのようなことはございません!」
重役3「ははっ、真に君もその歳でまだ独身だから疑われても仕方ありませんな!」
ハルヒ「(むかっ!)…本当に申し訳ありませんでした…」ペコッ
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:33:05.68 ID:sh7StgcQO
【休憩室】
朝比奈「キョン君が遅刻なんて珍しいですね?」
古泉「涼宮部長と一緒に入社する姿が見えましたが、彼女が何か関係あるんですか?」
キョン「それが…」
谷口「おいキョン!まじかよ、それ!」
国木田「驚きだね!部長がキョンと寝たなんて!」
キョン「ははっ…流れでつい、ね…」
谷口「で、どうだった?部長の締まり具合は?」
朝倉「やめなさいよ!そんないやらしい質問するの!」
谷口「へへっ、気になるじゃんか!」
キョン「そうだなぁ…俺も酔ってたからよくは憶えてないんだ…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:34:08.64 ID:sh7StgcQO
長門「……不思議」
朝比奈「確かにそうですね!あんなに叱ってたキョン君を部長が誘うなんて…」
朝倉「はぁ…あんた達、何にも分かってないのね!」
古泉「朝倉さんはどう解釈します、この度の一連のことを?」
朝倉「そんなの簡単よ!部長はキョン君が好きなの!でも素直になれなくて、その反動でいつも叱ってたのよ!」
朝比奈「なるほど…そういうわけですか!」
谷口「じゃあ、もしかして朝倉が俺に冷たいのも、俺のことが好きだからなのか?」
朝倉「長門さん…彼、殺しちゃってもいいかしら?」
長門「……許可する」
谷口「そ、それは性的に殺すって意味でしょうか?ハァハァ」
グサッ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:35:02.84 ID:sh7StgcQO
朝倉「それで、キョン君はどうするの?」
キョン「どうするったって…」
朝倉「まさか涼宮部長は誰でも良くて、あなたを誘ったんだと思ってるわけじゃないわよね?」
キョン「だって、俺だぞ?どんな理由で選ぶってんだよ?」
朝倉「少なくとも谷口よりは魅力的よ!」
古泉「ですよね」
朝比奈「だよね」
長門「それには激しく同意せざるを得ない」
谷口「はぁー、これだからゆとり共は…」
キョン「部長が俺のことを、か…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:36:04.67 ID:sh7StgcQO
【夕方・職務室】
ハルヒ「仕事の終わった人は帰っていいわよ!お疲れさま!」
朝倉「部長、お疲れさまでした!」
ハルヒ「お疲れ!」
朝比奈「ご苦労さまです!」
ハルヒ「気をつけて帰ってね!」
古泉「お疲れさまでした!」
ハルヒ「また明日!」
谷口「お疲れ〜っす!」
ハルヒ「……」
谷口「あれ?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:37:05.53 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「さてっと…どうしてあんただけが残ってるのかしら?」
キョン「手伝いますよ!部長の仕事!」
ハルヒ「え?」
キョン「今日遅刻して来た分、罰でたくさん仕事を任されたんでしょ?」
ハルヒ「それは…そうだけど…」
キョン「俺じゃ力不足かもしれませんが、出来るだけの協力はさせてください!」
ハルヒ「あ、ありが…あんたも同犯なんだから当然よ!はい、これ!」
キョン「うしっ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:38:08.09 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「……」カリカリカリ
キョン「……」カリカリカリ
ハルヒ「なんか黙って仕事するのもなんだから、少し話しながらやりましょ?」
キョン「いいですよ」
ハルヒ「あんた中途採用だったわよね?ここ来る前はなにしてたの?」
キョン「別の会社で働いてましたよ。服務規程違反でクビにされましたが」
ハルヒ「違反ってなにしたのよ?」
キョン「同僚を自転車の荷台に乗せて一緒に入社してたら、社内恋愛だと勘違いされたんです」
ハルヒ「へぇ…今時、社内恋愛に厳しいとこなんてあるのね…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:39:03.94 ID:sh7StgcQO
キョン「俺からも質問していいですか?」
ハルヒ「いいわよ!」
キョン「部長は社内恋愛についてどう思います?」
ハルヒ「えっ!…えーと、どうかしら…」
キョン「率直に答えてください」
ハルヒ「うーん…少なくとも、私には社内の同僚を好きになる人の気持ちは分からない…かな…」
キョン「そうですか…」
ハルヒ(私のバカ!今はもっと別な答え方するところでしょ!)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:40:04.91 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「あとは、あんたのが終わればおしまいね!」
キョン「そうですね!」
ハルヒ「まったく、本当にあんたはノロマなんだから!」
キョン「すみません…」
ハルヒ「あんたのアホ面眺めてても退屈だから、ちょっと外で飲み物買って来るわね!」
【コンビニ】
ハルヒ「はぁ…」
ハルヒ「どうして素直になれないんだろ…」
ハルヒ「好きであればあるほど、反対に嫌われる言動をとってしまうのはなぜ…」
ハルヒ「もう若くないのに…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:41:03.68 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「お疲れさま!差し入れ買ってきたわよ!」
キョン「ありがとうございます…ってここで酒なんか飲んで大丈夫ですかね?」
ハルヒ「大丈夫よ!うちはそういうのあまいし!」
プシュ
ハルヒ「じゃあ乾杯!」
キョン「はい、いただきます!」
カンッ
ハルヒ「ゴクゴク…」
キョン「ゴクゴク…」チラッ
ハルヒ「もしかして、また酔い潰れるんじゃないかって疑ってる?」
キョン「い、いえ…」
ハルヒ「大丈夫よ!今日は昨日みたいに飲み過ぎたりしないから!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:42:12.36 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「ヒクッ…重役のクソジジイども!さっさと死んじまえ!」
キョン「もうそのへんでやめといた方が…」
ハルヒ「うるさい!あんたにそんな忠告、言われたくないわよ!ゴクゴク」
キョン「ああ、ああ…」
ハルヒ「なによ?なんか文句あるわけ?」
キョン「いえ…」
ハルヒ「ほら!あんたももっと飲みなさいよ!」
キョン「へいへい、わかりましたよ」
プシャ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:43:04.81 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「うぅ…気持ち悪い…」
キョン「言わんこっちゃない…(俺もかなり酔ってきたな…)」
ハルヒ「どう思った?」
キョン「…なにがです?」
ハルヒ「どう思ったって聞いてるのよ!…私を抱いたとき…」
キョン「…こんなに綺麗な人を抱いていいのかな、って思いましたよ…」
ハルヒ「ふん…本当はこんな陰険な部長と何で寝なきゃいけないんだー、とかって思ったんでしょ?」
キョン「そんなことないですって!」
ハルヒ「そんなことあるわよ!」
キョン「ない!」
ハルヒ「ある!」
チュッ
ハルヒ「!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:44:06.57 ID:sh7StgcQO
ムチュ
ハルヒ「…どう…して?」
キョン「信じて欲しかったからですよ…部長に…」
ハルヒ「え…?」
キョン「部長は綺麗です…誰よりもずっと…」
ギュッ
ハルヒ「ちょ、ここじゃマズイわよ…」
チュッ
ハルヒ「ん、んん…駄目だって…」
―――――――――――
―――――――――
――――――
――――
――
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:45:17.25 ID:sh7StgcQO
谷口「ふっ、あいつらも俺が早出で仕事に打ち込む姿を見たら、見直すに違いないぜ!」
ガラッ
谷口「おはようございま〜すって、まだ誰もいるわけないよな!」
ゴロン
谷口「ん?なんの音だ?」
スタスタスタ
ピタッ
谷口「WAWAWA…」
キョン「うーん…」ゴロン
ハルヒ「ふぐぅ…例によって、また頭痛が…」ズキズキ
谷口「し、失礼しました!」
ダッダッダ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:46:06.12 ID:sh7StgcQO
【休憩室】
朝倉「なるほど、それで涼宮部長のスーツに少し皺がついてるわけね!」
朝比奈「でもキョン君と涼宮部長、いつも通りに仕事してるように見えますけどね…」
谷口「信じてください!裸の二人をこの目で見たんですから!」
古泉「体の関係だけで、まだ付き合ってはいないんでしょうかね?」
朝倉「あの感じだと、おそらくそうね…大量のビールが捨ててあったし、酒の勢いでエッチしたんじゃないかしら?」
谷口「朝倉が“エッチ”って言うの、セクシーでいいな…頼む!もう一回言ってくれよ!」
朝倉「エッチ」
谷口「うお〜、いい!もう一回…囁くように…」
国木田「エッチ」
谷口「くぅ〜!ぞくぞく来るぜ…もう一回…」
古泉「エッチ」
谷口「あぁ、いい…すごくいい…すごくいいよ…」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:47:13.23 ID:sh7StgcQO
朝倉「ちょっとお時間とらせてもいいかしら?」
キョン「…なんの話だ?」
朝倉「二晩続けて寝るとは、さぞかし体の相性がいいんでしょうね?」
キョン「な、なぜそれを知ってる?」
朝倉「さぁ…なぜかしらね?付き合う気はないの、部長と?」
キョン「少なくとも俺は部長のことが好きだ…でも部長は…」
朝倉「部長は…?」
キョン「…本人の口から俺を好きだって言葉を聞かない限り、どうしようも出来ないんだよ…」
朝倉「誰とも酒を同席しない、まして仕事以外の話を一切しない彼女があなたとは性交までしてるのよ?」
キョン「……」
朝倉「それがなにより、あなたを好きな証拠だとは思わないの?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:48:07.40 ID:sh7StgcQO
【昼休み】
ハルヒ「あ〜、お腹ぺこぺこ!」
キョン「部長!同席してもよろしいですか?」
ハルヒ「あっ…えっ…べ、別にいいわよ!」
キョン「ありがとございます!」
スタスタスタ
キョン「昼食はいつもどこでお取りになるんですか?」
ハルヒ「行きつけの定食屋があってね、そこが美味いのなんの!」
キョン「それは楽しみですね!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:49:06.30 ID:sh7StgcQO
【定食屋・女未亭】
ハルヒ「ここよ、ここ!おんなみてい!」
キョン「こ、ここですか…」
ガラガラ
キョン妹「いらっしゃいませ!」
ハルヒ「永遠の妹定食一つ!」
キョン妹「はいよーって…キョンくん!」
キョン「よ、よお!ご無沙汰!」
ハルヒ「え?知り合い?」
キョン「えぇ…」
キョン妹「何を隠そう!このキョンくんの妹が私でーす!」
ハルヒ「うそ…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:50:09.94 ID:sh7StgcQO
キョン妹「この常連さんが例の部長さんだったんだぁ!」
キョン「こらこら、タメグチはやめなさい!」
キョン妹「えへっ!部長さんは独身なんですか?」
ハルヒ「まぁ、一応ね…」
キョン妹「そうなんですか!良かったねぇ、キョンくん!」
キョン「俺に振るな…」
キョン妹「旦那にどうです、うちの兄は?割りと頼りがいある方なんですよ、こう見えても!」
キョン「おいおい、相手を困らせるような質問はやめろよ!」
ハルヒ「別に?困ってないわよ?」
キョン「え…?」
ハルヒ「結婚相手にも困ってないし、この質問にも困ってなんかない!」
キョン「ははっ…そうですか…」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:51:07.55 ID:sh7StgcQO
キョン妹「お飲み物は“お兄ちゃんミルク”と“妹汁”のどちらかからお選びください!」
ハルヒ「じゃあ、30円増しの“兄妹合体ミックス”一つ!」
キョン妹「ありがとうございます!」
キョン「ちょっ、ちょっと待った!」
キョン妹「ん?」
キョン「このおかしなメニュー名はなんとかならないのか?」
キョン妹「えへっ♪お客さんの評判がスゴくいいんだよ♪」
キョン「そうは言ってもなぁ…」
ハルヒ「あんた本当にわかってないのね!ビジネスってのは顧客ニーズに答えるのが全てなのよ!」
キョン「へいへい…」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:52:05.04 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「ごちそうさま!今日も美味しかった!また来るわね!」
キョン妹「いつもご贔屓いただき、ありがとうございます!」ペコッ
キョン「じゃあな!」
キョン妹「ばいばーい!部長をお嫁さんに出来るよう、頑張ってね!」
キョン「おぅ!」
ガラガラ
ハルヒ「よし!またバリバリ働くわよ!」
キョン「部長!」
ハルヒ「なに?」
キョン「いや、涼宮さ…ハルヒ!」
ハルヒ「?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:53:08.67 ID:sh7StgcQO
キョン「俺はサラリーマンになって以来、ただなんとなく無気力で生きてきたように思う…」
キョン「でもハルヒが部長として来て俺を怒鳴り始めてからは、毎日が本当に驚くほど生き生きして思えたんだ!」
ハルヒ「…キョン」
キョン「こんな俺に正面からぶつかって、鼓舞してくれる人はこの世でハルヒしかいない!」
キョン「俺なんかじゃ釣り合わないってわかってる…身分も器の大きさも…」
キョン「でも、どうしても好きなんだ!ハルヒ!俺と付き合ってくれ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:54:06.29 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「……」
ザワザワ
ハルヒ「バ、バカ!こんな路上で告白するやつがあるかー!」
キョン「すいません!」
ハルヒ「…本当に私でいいの?」
キョン「え?」
ハルヒ「だから!本当に私で……わ、私に告白するなんて100万年早いわよ!」
キョン「……」
ハルヒ「…でも、そうねぇ…平社員から昇進したあかつきには、考えてあげてもいいわ!」
キョン「あ、ありがとうございます!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:55:06.70 ID:sh7StgcQO
【職務室】
ハルヒ「さぁ、みんな!次のプロジェクトに向けて会議を開くわよ!」
古泉「張り切ってますね、涼宮部長」
朝比奈「なにか良いことがあったのでしょうか?」
朝倉「ふふっ、どうやら成功したみたいね…」
谷口「せ、性交?」
長門「ちっ…なぜ彼を殺しきらなかった?」
朝倉「喜んでナイフに刺されるから不気味だったのよ…」
古泉「なるほど、これはぶっといお注射が必要のようですね」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:56:05.48 ID:sh7StgcQO
【会議中】
プルルルル
キョン「!」
ハルヒ「あんたってグズは本当に…会議中は電話きれって言ってるでしょうが!」
キョン「すみません、部長!」
ササッ キッ
キョン「もしもし!」
佐々木「やぁ!久しぶりだね!」
キョン「その声は佐々木か!悪い、今会議中なんだ…」
佐々木「くっくっ、それは失礼しました!会って話がしたいんだ!今晩、いいかな?」
キョン「おお!大丈夫だ!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:57:05.48 ID:sh7StgcQO
【居酒屋・鶴屋】
鶴屋「おっ!キョン君、今日は別嬪さんを連れての来店だね!」
キョン「奥のテーブル席借ります!」
鶴屋「どうぞ、どうぞ!」
佐々木「ここが君のよく通う店かぁ!うん、レトロな趣きで溢れたいい店だね!」
キョン「まぁな!で、話というのは…」
カランカラン
鶴屋「へいらっしゃい!」
ハルヒ「鶴さん、いつもの…ん?あれはキョン…と誰?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:58:05.54 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「(誰よあの女…気になる…)鶴さん!奥のテーブル借りるわね!」
鶴屋「はいよ!」
ハルヒ(ここなら二人にバレずに話が聞けるわ…)スチャ
キョン「で、話というのは…」
佐々木「近々、優秀な仲間を集めてベンチャーを起業しようと思ってるんだ!」
キョン「へぇ…いま勤めてる会社は辞めるんだな?」
佐々木「そういうことになるね!」
キョン「そっか…それは大変だなぁ…」
佐々木「キョン!僕には君が必要なんだ!」
ガタンッ
佐々木「ズバリ言わせてもらう!キョン!僕とまた、一緒に夢を追いかけてみないか?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:59:05.15 ID:sh7StgcQO
ハルヒ(…へ?)
キョン「え?…どうして俺なんだ?俺なんか無能でグズのノロマだし…」
佐々木「人柄だよ!君という人間に僕が惚れこんでるんだ!」
キョン「佐々木…」
佐々木「憶えてるかい?まだ僕らがサラリーマンの駆け出しだった頃を」
キョン「あぁ…いろいろあったな…」
佐々木「いま振り返ってみると、僕は随分君に助けられてきたって思う…」
佐々木「いまの僕がいるのは君のお陰なんだ!」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:00:06.42 ID:sh7StgcQO
佐々木「だから是非とも君に来て欲しい!」
キョン「…佐々木」
佐々木「そして仕事だけではなく、君とはプライベートでも……話は以上だ!返事は今週中にもらいたい!」
キョン「あぁ、わかった…」
佐々木「じゃあ、また!」
カランカラン
キョン「ふぅ…」
キョン「“また一緒に夢を”か…」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:01:49.34 ID:sh7StgcQO
ハルヒ(今のが前に言ってた“社内恋愛”と間違われた娘かしら…)
ハルヒ(だとしたら、あいつにとって、あの娘を追いかけた方が幸せなのかもしれない…)
ハルヒ(こんな偉そうで目障りな部長を好きになるよりは…)
ハルヒ(でも、私は…)
キョン「ぶ、部長!いらっしゃってたんですか!」
ハルヒ「はっ!…え…えぇ、いたわよ!そして耳障りなあんたらの会話も全て聞かせてもらったわ!」
キョン「そうでしたか…」
ハルヒ「…行けばいいじゃない」ボソッ
キョン「え?」
ハルヒ「だから…あの小娘の話に乗れって言ってんのよ!」
キョン「部長…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:03:03.96 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「今の会社なんか辞めちゃって、あの娘のところに行けばいいじゃない!」
キョン「でも…俺は…」
ハルヒ「そもそも、あんたなんか辞めてもらった方が私にとって好都合なのよ!」
キョン「そんな…」
ハルヒ「だって…だって、あんたより優秀な代わりの人材なんてそこら中に腐るほどいるんだから!」
ダッダッダ
鶴屋「あ、ハルにゃん!お代!」
カランカラン
ハルヒ「うっ…ううっ…」ポロ ポロ
ハルヒ「なに言ってんだろ私…なんで素直になれないのよ…」ポロ ポロ
ハルヒ「うっ…くっ…わーん!」ポロ ポロ
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:04:06.76 ID:sh7StgcQO
キョン「くそ…なんで…」ポロ ポロ
スッ
谷口「とりあえず、涙を拭けよ」
キョン「た、谷口!なんでお前が!」
谷口「たまたま寄ってみたんだが…わりぃ、話は全て聞いちまった…」
キョン「そうだったのか…」
谷口「ふぅ、難しいものだな…恋愛ってやつは…尻がズキズキするぜ…」ズキズキ
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:05:03.45 ID:sh7StgcQO
プルルルル
ガチャ
ハルヒ「もしもし、お母さん?うん、私…」
ハルヒ「やっぱり最初からサラリーマンなんて向いてなかった…」
ハルヒ「お父さんの言った通り、実家に帰って地元で結婚相手でも探すことにしたから…」
ハルヒ「うん、もういいの…」
ハルヒ「週末には帰るから…うん…じゃあね」
ガチャ
ツー ツー
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:06:06.26 ID:sh7StgcQO
谷口「おい!起きろよ、キョン!」
キョン「ん…」
谷口「もう会社に向かわねぇと入社時刻に遅れちまうぜ!」
キョン「おぅ…わかった…」
スタスタスタ
谷口「たまには朝まで飲み明かすのも悪くないな!」
キョン「あぁ…」
谷口「そんな深刻そうな顔するなって!話せば部長もわかってくれるよ!」
キョン「…だといいんだが」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:07:05.78 ID:sh7StgcQO
【○×商事】
谷口「ちーっす…ってあれ?みんな何かあったの?」
朝比奈「今朝部屋に入ったら、部長の机にこんなものが…」
キョン「た、退職届け?部長がなんで?」
谷口「もしかして、昨日の一件で思いつめたんじゃ…」
朝倉「昨日の一件?また部長と揉めたわけ?」
谷口「揉めたっていうか…部長が勝手に思い上がったっていうか…な?」
長門「…春の珍事」
古泉「えぇ…まさかこのような事態に陥るとは予想外でした…」
キョン「やめる…」ボソッ
朝比奈「え?キョンくん…なんて?」
キョン「もうこんな会社辞めてやる!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:08:04.76 ID:sh7StgcQO
朝倉「じ、冗談言わないでよ!」
キョン「冗談なんかじゃない!」
朝倉「ちょっと…マジなの?」
ダッダッダッダ
朝比奈「キョンくん!」
朝倉「待ちなさいよ!」
古泉「見失う前に追いかけますか?」
谷口「まさか、あいつ…引き抜きの話に乗るつもりなんじゃ…」
古泉「引き抜き?なんですか、その話は?」
谷口「俺もたまたま昨晩、聞いてしまったんだが…」
朝比奈「詳しく聞かせてください!」
谷口「…実は昨日の夜に…」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:09:07.24 ID:sh7StgcQO
朝比奈「じゃあ、キョンくんは部長を捨てて佐々木さんの元へ?」
谷口「おそらくは…」
長門「…酷い」
古泉「結果、この職場も捨て、僕らも捨てられたわけですか…」
朝倉「違う!」
朝比奈「…違うって何がですか、朝倉さん?」
朝倉「彼は万年平社員の無能なやつだけど、仲間を裏切ることは一度もなかった…」
谷口「確かにな…」
朝倉「きっと、彼にも考えがあるのよ!この局面を打開する考えが!」
古泉「なるほど、だとしたら僕らがすべきことはたった一つ!」
谷口「全力であいつの背中を押してやるしかないな!」
長門(…こくん)
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:10:06.68 ID:sh7StgcQO
【喫茶店】
カランカラン
佐々木「こっち、こっち!」
スタスタスタ スチャ
佐々木「それで、話というのは?」
キョン「辞表を出してきた…会社に…」
佐々木「そうか!じゃあ来てくれるんだね!」
キョン「いや…」
佐々木「え?」
キョン「この話はなかったことにして欲しい…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:11:04.72 ID:sh7StgcQO
佐々木「で、でも…」
キョン「すまん…もう決めたことなんだ…」
佐々木「わ、悪くない話だと思うんだ…給料だって今よりずっと…」
キョン「今更になって、やって気づいたんだよ!」
佐々木「!」ビクッ
キョン「俺の夢は、サラリーマンになって金をたくさん儲けるなんて、つまらないことじゃないんだ…って!」
佐々木「キョン…」
キョン「俺はそれよりも、もっと大切なものを追いかけることにしたんだ!」
佐々木「もっと大切なもの?一体、それはなんだい?」
キョン「“憧憬(あこがれ)”だよ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:12:10.07 ID:sh7StgcQO
佐々木「憧憬?」
キョン「あぁ!最近になって、やっと俺にも尊敬できる人が出来たんだ!」
キョン「そして俺は一生、その人に付いていくと決めた!」
キョン「だから…お前とは一緒に働けない…」
キョン「勝手なことを言ってすまない…でも俺は、どうしても彼女を追いかけたいんだ!」
佐々木「…やれやれ、本当に君ってやつは昔から変わってないなぁ…」
キョン「そうか?」
佐々木「あぁ、そうとも…くっくっ、決意したからには必ず掴んでくれよ!その憧憬とやらを!」
キョン「おぅ!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:13:12.19 ID:sh7StgcQO
キョン「ふぅ…(これで良かったんだ…)」
朝比奈「おーい、キョンくーん!」
キョン「朝比奈さん!それにみんな!」
古泉「あなたの跡をつけてここまで来ました!話は全て聞かせてもらいましたよ!」
キョン「そうだったのか…でも部長は今どこにいるのやら、さっぱり…」
長門「…わかった」
キョン「え?」
朝比奈「わかったんです!部長の居所が!」
朝倉「このアホがファインプレー咬ましてくれたのよ!」
谷口「へへっ…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:14:06.56 ID:sh7StgcQO
谷口「実家の農園に帰ったらしい!」
キョン「そうか!向かってみるよ!」
古泉「本当に行ってしまうんですね?」
キョン「あぁ!短い間だったけど、本当にありがとうな!」
朝比奈「淋しくなりますね…」
キョン「なぁに、またみんなで飲みにでも行きましょう!」
谷口「後の職場のことは俺に全て任せろ!」
朝比奈「かっこいい…下のお口が濡れちゃいそうです…///」
長門「…彼の一言に体が熱ってる…これが愛///」
朝倉「…なんていい男なの…もう我慢できな…あん、ああ///」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:15:10.90 ID:sh7StgcQO
【とある農園】
グイッ グイッ
ハルヒ「あぁ、もう!このジャガイモは!」
ハルヒ「どうして、こう…なかなか抜けないのよ…」
ハルヒ「おりゃあ!」
ズルッ
ドテッ
ハルヒ「うぅ…いてて…」
キョン「手を貸そうか?」
ハルヒ「自分で立てるからいい…はっ!」
キョン「よお!」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:16:42.08 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「…どうして来たのよ?」
キョン「涼宮ハルヒに逢いたくて来た…」
ハルヒ「じゃあもう逢えたじゃない!さっさと帰って働きなさいよ!」
キョン「辞めてきた!」
ハルヒ「え?」
キョン「会社を辞めてきた!」
ハルヒ「うそ…どうして…」
キョン「ハルヒのことが大好きだからさ!」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:18:03.74 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「バカじゃないの!私を追いかけたっていいことなんてないじゃない!」
ハルヒ「見なさいよ!今の私は全てを失ってこんな田舎で芋をつついてるのよ!」
ハルヒ「なにも残ってないんだから…今の私にはなにもない!」
キョン「俺がいる!」
ハルヒ「え…?」
キョン「俺が側にいる!いつだって!」
ハルヒ「……」
キョン「だから、ハルヒにも俺の側にいて欲しいんだ!ずっと…永遠に!」
ハルヒ「…キョン」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:19:04.85 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「はぁ…あんたってやつはどうしようもなく物好きなやつね!」
キョン「そうとも」
ハルヒ「こんな、どうしようもない人間を好きになるなんて、本当にどうしようもないわ!」
キョン「あぁ、そうだ」
ハルヒ「でも…好き…」ポロ ポロ
キョン「……」
ハルヒ「あなたのことが好き!大好き!…もうどうしようもないくらい…」ポロ ポロ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:20:08.19 ID:sh7StgcQO
キョン「…さっきから気になってたんだが、顔に泥ついてるぞ?」
ハルヒ「え…どこ?」
キョン「ほっぺのとこ」
ハルヒ「ほっぺ?う〜ん…とれた?」
ゴシゴシ
キョン「まだついてる」
ハルヒ「うそ!う〜ん…これでとれた?」
キョン「ふっ、俺がとってやろうか?」
ハルヒ「ごめん、頼むわ…」
スタスタスタ
チュッ
ハルヒ「!」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:21:15.74 ID:sh7StgcQO
ハルヒ「…だ、騙したわね!」
キョン「へへっ」
ハルヒ「こ、こういうことは気持ちの準備ってものがいるんだから、前もって確認しなさいよ!」
プイッ
キョン「ハルヒ…キスしていいか?」
ハルヒ「…うん」
ギュッ
チュッ
―――――――――――
―――――――――
――――――
――――
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80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:22:13.10 ID:sh7StgcQO
【北高】
ハルヒ「…で、最後はキスしておしまいってわけ!次の文化祭の劇はこのシナリオで行くわよ!」
キョン「おいおい…どう見たって高校生向きの内容じゃないだろ、これ!」
ハルヒ「はぁ?なに?どこが?」
キョン「部長と平社員が一夜を過ごすシーンだよ!」
ハルヒ「別にいいじゃない!社会人ともなればこれしきやるでしょ!」
キョン「そういう問題じゃなくてだな…」
ハルヒ「大丈夫よ!ラブシーンは途中で切るから!それともなに?最後までやりたいの?」
キョン「ごくっ…最後まで…」
ハルヒ「どう?やる?本当に体の相性、試してみる?」
キョン「じ、じゃあ…お言葉に甘えて…」
ハルヒ「バカキョン!あんたが私と寝るなんざ、100億年早いのよ!」
完
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:23:05.90 ID:sh7StgcQO
板汚し、自己満オナニー、駄文クソスレ失礼しました!m(__)m
支援してくれた人、どうもありがとうございました!(^ω^)