古泉「わあ、また花のプレゼントですか」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 14:54:35.81 ID:SIpWOF6K0

古泉「菊の花だなんて、嬉しいです」

男子「お前にプレゼントだ」にやにや

古泉「本当に貰ってもいいんですか」

男子「ああ、いいぜ」にやにや

古泉「ありがとうございます」


女子「あれっていじめよね……」

女子「古泉くん、気付いてないのかな」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 14:57:32.80 ID:SIpWOF6K0

古泉「それで、毎朝毎朝花のプレゼントが机の上にあるんです」

みくる「ほぇ〜、いいですねぇ」

古泉「いつも菊の花なので、何か意味があるのかと思い花言葉を調べたんです」

みくる「ふんふん」

古泉「そしたら、『純愛』『高潔』『清浄』『私を信じてください』『真の愛』などが出てきたんです」

みくる「凄いですねぇ」



キョン(……それって、いじめじゃないのか?)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 14:59:09.69 ID:SIpWOF6K0

古泉「僕はたくさんあるので、朝比奈さんにも一本あげますよ」

みくる「いいんですかぁ?」

古泉「はい、いつもお茶を貰ってるお礼です」

みくる「うわぁ、嬉しいです。えへへ、いい匂いですねぇ」

古泉「はい、すごくいい匂いです」



キョン(まあ、でも気づいて無いみたいだし、いいか……)

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:01:16.47 ID:SIpWOF6K0

古泉「もぐもぐ」

男子「よお、古泉」だぼだぼ

古泉「うわあ、何するんですか」

男子「ご飯に牛乳かけると美味いんだぜ」

古泉「見るからにきもちわるいです」

男子「大丈夫だから、食ってろって」くけけ

古泉「…………」ぱく

男子「どうだ?」

古泉「おいしいです!」

男子「え」

古泉「すごい、本当にすごく美味しいです。男子くんの、ご飯にもかけてあげます」だぼだぼ

男子「あ、おい……」

古泉「美味しい食べ方を教えて頂いて、ありがとうございます」にこ

男子「…………」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:04:29.38 ID:SIpWOF6K0

古泉「今日は美味しいご飯の食べ方を教えてもらいました」

みくる「わあ、私にも教えてください」

古泉「ご飯に牛乳をかけるんです」だぼだぼ

みくる「うう……」

古泉「見た目はきもちわるいですが、美味しいですよ。食べてみてください」

みくる「ぱく…………おぇ」

古泉「あ、あれ? 美味しくないですか?」

みくる「すごく……まずいでしゅ」

古泉「なんででしょう。ご飯が腐ってるんでしょうか」



長門(古泉一樹は、味覚障害……)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:07:57.02 ID:SIpWOF6K0

古泉「ふむ、親しい友人の名前、ですか」

男子「よお、古泉」にやにや

古泉「あ、ここにあなたの名前を書いてもいいですか?」

男子「……は?」

古泉「駄目ですか?」

男子「駄目に決まってるだろ、別に俺とお前は親しくねーし」

古泉「美味しいご飯の食べ方を教えてくれたじゃないですか」

男子「お前、味覚おかしいんじゃねーの? あんなの普通おいしくねーんだよ!」だだだっ

古泉「走っていってしまわれました……女の子の日だったのでしょうか……」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:09:26.29 ID:SIpWOF6K0

古泉「すみません」

キョン「ん?」

古泉「親しい友人の名前の欄に、あなたの名前を書いても宜しいですか?」

キョン「構わんが……」

古泉「これで、一人埋まりました」

キョン「…………古泉」

古泉「何ですか」

キョン「真面目な話なんだが、お前、いじめられてるんじゃないのか?」

古泉「え」

キョン「いや、……ちょっとした冗談だ、悪いな」

古泉「なんだ、冗談ですか」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:12:06.62 ID:SIpWOF6K0

男子「おい」

古泉「はい」

男子「どこに行ってたんだ」

古泉「いえ、少し野暮用で」

男子「ふーん、とりあえずお前がどっか行ってる間に、教科書捨てといたから」

古泉「え」

男子「ふん」

古泉「ありがとうございます!」

男子「は」

古泉「僕が授業受けたくないのを知ってらしたんですね。教科書が無いなら、
    授業を受ける必要もありません。ばんばんざいです」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:14:27.83 ID:SIpWOF6K0

男子「あと、弁当も捨てといたから」

古泉「わあ、今日は学食の気分だったんです!」

男子「…………」

古泉「やっぱり、親しい友人の欄には、あなたの名前を書きます。
    だって、あなたは僕の喜ぶことばかりしてくれるじゃないですか」

男子「ちっ、うるせーよ」だんっ

古泉「うわ、なんですか」

男子「このくそが、偉そうな口聞いてんじゃねーぞ」だんだんっ

女子「ちょ、ちょっと、暴力はやめなさいよ」

男子「ちょっと良い顔してるからって、調子乗りやがって!」ぼこぼこっ

古泉「へへ」

男子「何、笑ってるんだよ」

古泉「怪我が増えたらバイトを休めます。嬉しいです」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:18:29.21 ID:SIpWOF6K0

先生「なんで、こんなことをしたんだ。答えなさい」

男子「古泉くんが、僕に『馬鹿』と言いました」

先生「本当か」

古泉「言いません、そんなこと。男子くんは、僕の親しい友人です」

先生「本当か」

古泉「はい。僕のご飯に、牛乳をかけてくれます。とても美味しかったです。
    毎朝、僕の机の上に菊の花をおいてくれます。とてもいい匂いです。
    僕が授業をうけなくてもいいように、教科書を捨ててくれます。とても優しいです」

先生「…………」

男子「先生、僕はそんなことしてません」

先生「目を見れば、どちらが正しいことを言っているかは分かる。
    あとでクラスメイトにも聞けば分かることだ。古泉、お前はもういい。戻っていなさい」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:20:45.22 ID:SIpWOF6K0

みくる「哀しそうですねぇ、どうしたんですかぁ?」

古泉「僕の友達が退学になりました」

みくる「え」

古泉「僕を殴ったせいで、退学になりました」

みくる「…………」

古泉「僕がバイトに行きたくなさそうな顔をしてたのがいけなかったんです。
    男子くんは何も悪くなかったのに、僕がバイトに行けないように殴ってくれたのに」

みくる「お茶でも飲んで落ち着きましょう」

古泉「そうします」



キョン(まだ、いじめられてたことに気付かないのか……)

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:22:59.89 ID:SIpWOF6K0

男子「はじめまして。男子くんの代わりに転入することになりました。男子です」

クラス「わあああ」ぱちぱち

先生「それじゃあ、席は古泉の隣だ」

古泉「よろしくお願いします」

男子「誰がお前なんかと」げしげし

古泉「わあ、ありがとうございます」

男子「は?」

古泉「僕の足が水虫なのを知ってて、僕の足を押しつぶしてくれてるんですね。
    でも、水虫って潰しても治らないんです」

男子「馬鹿じゃねーの、お前」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:25:07.92 ID:SIpWOF6K0

男子「退学した男子と俺は友達だ」

古泉「僕も友達でした」

男子「お前なんか友達じゃねーよ。あいつはお前のせいで退学になったんだからな」

古泉「それは、本当に悪いと思っています」

男子「そのヘラヘラした顔がムカつくんだよ!」どんっ

古泉「壁を叩いたら、男子くんの手が痛いと思います」

男子「そういうことを言って、男子に殴らせて退学に追い込んだんだろ。
    俺は、そうはいかないからな。ふざけるなよ」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:26:38.55 ID:SIpWOF6K0

古泉「男子くんの代わりに、男子くんが来ました」

みくる「そうですかぁ」

古泉「仲良くなれそうです」

みくる「よかったですねぇ」

古泉「僕は壁によりかかっていたのですが、壁に嫉妬したのか、壁を叩いていました」

みくる「独占欲ですねぇ」



長門(……鈍感)

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:28:26.29 ID:SIpWOF6K0

男子「よお、古泉」

古泉「おはようございます」

男子「昨日ノート取りわすれちゃってさ、ちょっとノート貸してくれよ」

古泉「ええ、いいですよ。どうぞ」

男子「ふん」びりびり

古泉「…………」

男子「は、どうするんだよ、これ。俺がノートやぶっちまったから、もうテスト勉強できねぇなぁ?」

古泉「僕は字が汚いので、ノートを取っても、どうせ読めないです」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:30:42.86 ID:SIpWOF6K0

男子「は? じゃあ、なんでお前ノート取ってるんだよ」

古泉「ノート点検があるからです」

男子「じゃあ、ノート点検の点数なくなっちまうなぁ?」

古泉「この間、点検を済ませたばかりなので、もうしばらくノート点検はないです。
    今日から、新しいノートに書きはじめれば、点数は充分貰えます」

男子「…………」

古泉「すみません。僕の字が下手だから、読む気が失せて、ノートを破ったんですよね。
    今日からは、もっと上手に書きます」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:35:52.09 ID:SIpWOF6K0

古泉「あれ、僕の体操服……」

男子「ほらよ。落ちてたぜ」

古泉「ありがとうございます。あれ……」

男子「デコレーションしてやったぜ。スタイリッシュだろ」くけけ

古泉「『死ね』『屑』『間抜け』『インポ』……」

男子「そんな文字が書いてある体操服を着てくる勇気があるなら、着てこいよ。
    今日は男女共同で体育だからな。赤っ恥をかくことになるぞ」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:38:22.11 ID:SIpWOF6K0

古泉「そんなことないです、自信を持ってください!」

男子「は」

古泉「すごく良いデザインだと思います。死ね、という字に被さるように書かれた屑に、
    秘められた才能を感じざるを得ません」

男子「…………」

古泉「僕、これを着て体育します。皆に、男子くんの才能を知ってもらいます」

男子「え、おい、ま、待てよ」

古泉「先生、見てください! これ、男子くんが僕の体操服をデザインしてくれたんです」

男子「待て! 言うな! 絶対に言うな!」

古泉「そんなに自信が無いんですか?」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:40:01.96 ID:SIpWOF6K0

男子「お前、わけわかんねーよ。わざとやってんのか? 天然なのか?」

古泉「天然? ふむ、難しい質問ですが、人から生まれたので、人工でしょうか」

男子「…………」

古泉「どうしたんですか?」

男子「なんだか、お前にすごく申し訳なくなってきた」

古泉「どうしてですか」

男子「俺は、お前のことをいじめてたんだ。男子も、そうだ。お前のことをいじめてた」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:42:05.38 ID:SIpWOF6K0

古泉「今日はエイプリルフールじゃないですよ」

男子「ああ、そうだ。嘘じゃない。俺はお前と友達じゃないし、男子もお前と友達じゃない」

古泉「…………」

男子「でも、お前は馬鹿みたいに純粋に、周りのことを受け入れる」

古泉「…………」

男子「そんなお前を見てたら、すごく申し訳なくなった……今まで、ごめんな」

古泉「どうしてですか。僕、嬉しかったです。こんな素敵な体操服もらえて、嬉しかったです」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:43:44.83 ID:SIpWOF6K0

男子「はあ……お前、俺以外にも、誰かに苛められてたりするんじゃないのか」

古泉「そんなことないです。皆、優しいです」

男子「部活には、何か入ってんの?」

古泉「はい。SOS団に!」

男子「SOS団……?」

古泉「放課後、見に来ますか? とても、楽しい部活です!」

男子「…………」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:45:24.78 ID:SIpWOF6K0

古泉「今日は、お客さんを連れてきました」

みくる「わくわくです」

古泉「僕の友達の男子くんです」

みくる「うわぁ、リーゼントでしゅねぇ」

キョン(おいおい……古泉を苛めてるやつってこいつじゃないのか……?)

有希(……ユニーク)

ハルヒ「ん? 誰よ、それ」

古泉「男子くんです」

ハルヒ「追い出しなさい! 目障りよ!」

男子(………………)

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:46:39.96 ID:SIpWOF6K0

古泉「すみません、男子くん。わざわざ連れて来ておきながら、追い出してしまって……」

男子「いや、それはいいけど……あの、気の強い女は一体……」

古泉「団長の涼宮さんです」

男子「……あいつ、いつもあんな感じなのか?」

古泉「そうです」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:48:25.43 ID:SIpWOF6K0

男子「お前、あいつに苛められてるんじゃないのか?」

古泉「そんなことないです。涼宮さんは、優しい人です」

男子「どこがだよ。……お前、なんであの部に入ったんだ?」

古泉「転入してきた早々に、涼宮さんが僕の教室まで来て、『入らないと死刑だから!』って」

男子「強制じゃねーか」

古泉「強制じゃないですよ。ちょっとした部活紹介です」

男子「でも、そのまま入部させられたんだろ?」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:50:57.93 ID:SIpWOF6K0

古泉「自発的に入りました」

男子「……普段の活動は」

古泉「休日に町内を練り歩きます」

男子「何のためにだ」

古泉「不思議探しです。割り箸を引いて、グループ分けをします。涼宮さんは、彼のことが好きなので、
    彼と一緒になれないと、僕に酷く当たります」

男子「…………」

古泉「僕が、彼女と同じくじを引いてしまうからいけないんです。彼女のせいじゃないです」

男子「…………」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:52:27.86 ID:SIpWOF6K0

ハルヒ「ちょっと、古泉くん! いつまで見送りしてんのよ!」

古泉「あ、すみません! それじゃあ、男子くん。また明日」

男子「…………」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:54:13.97 ID:SIpWOF6K0

みくる「男子くん、リーゼントでしゅたねぇ」

古泉「イカしてます」

みくる「イカれてます」

古泉「ふ、有り難いことです」

みくる「…………」

古泉「朝比奈さん、じきに来ますよ」


ハルヒ「こらそこ! 何、こそこそ喋ってんのよ!」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:55:27.21 ID:SIpWOF6K0

古泉「おはようございます、男子くん」

男子「……昨日、あれから考えたんだ」

古泉「何をですか」

男子「あの女のことだ」

古泉「あの女?」

男子「ほら、お前ん所の部長の」

古泉「涼宮さんですか?」

男子「そう、そいつだ」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:57:08.44 ID:SIpWOF6K0

男子「どう考えても、お前を苛めてるようにしか思えない」

古泉「そんなこと」

男子「クラスメイトの奴にメールで聞いたりもした。
    この学校じゃ、涼宮のことを知らない奴は居ないだろう、ってくらいの問題児らしいな」

古泉「皆に注目されているんです」

男子「古泉、お前のお人よしは、長所でもあり短所でもある」

古泉「…………」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 15:59:18.59 ID:SIpWOF6K0

男子「苛めていた俺が言うのも何だが、体操服に落書きをされたり、
    ノートを破られたりしても、平気な顔をするお前は、勇敢を通りこして、痛々しい」

古泉「…………」

男子「古泉、俺はお前の友達だ」

古泉「友達です」ぱああ

男子「友達は友達の傷付いているところを見るのは嫌だ」

古泉「僕は、涼宮さんに傷つけられたことは一度も……」

男子「お前が気づいて無いだけで、涼宮はお前を何度も傷つけた筈だ」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:01:23.33 ID:SIpWOF6K0

男子「とりあえず、お前があの部活から抜けれるように俺が……」

古泉「それは、無理でしょう」

男子「何でだ」

古泉「そんなこと、彼女が許す筈ありません。
    それに、僕は部活を楽しいと思ってるんです」

男子「…………」

古泉「心配して下さってありがとうございます。嬉しかったです」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:02:37.17 ID:SIpWOF6K0

ハルヒ「喉が渇いたわね」

みくる「お茶を……」

ハルヒ「みくるちゃんのお茶も飲みたいけど、ジュースが飲みたいのよ!」

古泉「僕が買ってきます」

ハルヒ「あら、いいの? 悪いわね」

古泉「何が良いですか?」

ハルヒ「冷たかったら、なんでもいいわよ。それじゃ、お金ね」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:04:12.31 ID:SIpWOF6K0

古泉「…………」

男子「古泉」

古泉「あれ、男子くん。わあ、サッカー部のユニフォーム似合ってます」

男子「まだ仮入部だけどな。お前は、どこに行くんだ?」

古泉「ええ。涼宮さんのジュースを買いに……」

男子「お前が?」

古泉「はい、僕が」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:06:53.69 ID:SIpWOF6K0

男子「なんでだよ、涼宮が自分で買いにいけばいいだろうが」

古泉「…………」

男子「お前が買いに行く必要ないだろ」

古泉「良いんです。僕の仕事ですから。涼宮さんは、僕の大切な友達ですから」

男子「……そんなの友達って言わねぇぞ」

古泉「いいんです。ほら、男子くんも早く部活に戻らないと……」

男子「…………」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:09:17.44 ID:SIpWOF6K0

男子「…………」

涼宮「あれ、あんたなの? 私を呼び出したのは」

男子「そうだ」

涼宮「誰よ、あんた。ん? どっかで見たことある顔ね……」

男子「…………」

涼宮「あ、前に古泉くんがつれてきた男子でしょ?
    古泉くんって、どこか抜けてるのよね。あんたみたいなリーゼント連れてこられてもさー」

男子「確かに、古泉は少し抜けてるが、お前に馬鹿にされていい人間じゃない」

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:11:15.84 ID:SIpWOF6K0

涼宮「は?」

男子「古泉は、人が良すぎるだけだ」

涼宮「…………」

男子「SOS団から、古泉を解放してくれ」

涼宮「はあ?」

男子「昨日、古泉にジュースを買いに行かせてただろ」

涼宮「なんのことよ」

男子「とぼけるな! 俺は知ってるぞ」

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:13:08.04 ID:SIpWOF6K0

涼宮「仮に買いに行かせてたとして、あんたに何の関係があるのよ」

男子「俺は古泉の友達だ」

涼宮「ぷ、気持ちわる」

男子「…………」

涼宮「ジュース買いにいかせようが、どうしようが、私の勝手でしょ。部員は全員、私の玩具なんだから」

男子「…………」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:14:52.83 ID:SIpWOF6K0

男子「そうか。じゃあ、俺もお前の玩具でいい」

涼宮「は?」

男子「俺もお前の玩具だ。殴るなり、なんなりすればいい」

涼宮「部員になりたいの?」

男子「殴れよ」

涼宮「ほんっとに、きもちわるいわね。エムなの?」

男子「口だけだな。怖くて、手は出せないのか」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:16:41.07 ID:SIpWOF6K0

涼宮「はぁ?」

男子「殴れよ。殴れないのか」

涼宮「殴れるわよ! 殴れるに決まってるでしょ」どがっ

男子「ふ、そんなもんか」

涼宮「甘くみてんじゃないわよ」ががっ

男子「くっ……これで終わりか?」

涼宮「あんたこそ、偉そうな口聞いてんじゃないわよ! うめいてるじゃない!」どがっぐがっ

男子「っ…………」


女子「きゃーーーーーーー、喧嘩よ、喧嘩してるわーーーーーーー」

涼宮「!!!」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:19:45.94 ID:SIpWOF6K0

男子「ふ」にや

涼宮「あんた、まさか」

先生「なんだ、この騒ぎは」

女子「涼宮さんが、あのリーゼントを殴ってたんです!」

先生「本当か?」

涼宮「違います! このリーゼントが挑発してきて!」

先生「本当か?」

男子「先生、俺は確かにリーゼントだけど、そんなことはしません」

涼宮「嘘です! こいつが挑発してきて!」

先生「涼宮、お前はいつもわけのわからないことをしているな。
    この間は、チャイナ姿で勧誘をしていた。朝比奈を無理矢理連れて、だ。
    部活動中に、朝比奈に、メイド姿で居るように脅迫もしているらしいな」

涼宮「そんなこと!」

先生「お前みたいな変なやつと、リーゼント。世間はどちらを信じると思う?」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:21:51.71 ID:SIpWOF6K0

男子「よお、古泉」

古泉「ど、どうしたんですか、その顔」

男子「へへ、ちょっと痛かったけど、でも、もう大丈夫だ」

古泉「一体何が……」

男子「涼宮を停学まで追い込んだ」

古泉「…………」

男子「部活動も禁止だそうだ。お前は自由だ」

古泉「…………」

男子「なんで、そんな顔をするんだ。怒ってるのか」

古泉「明日になれば、分かりますよ」

男子「…………?」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:24:21.00 ID:SIpWOF6K0

男子「昨日、古泉はあんなことを言ってたが、一体……ん?」

涼宮「あはは、本当に?」

鶴屋「めがっさ本当だよっ」

男子「あいつ、なんで……おい!」がばっ

涼宮「え、な、何よ」

男子「お前、なんでここに居るんだよ! 停学処分だろ!」

涼宮「はぁ? 何よ、誰あんた」

男子「お前は昨日俺を殴って停学処分に……」

鶴屋「いこっ、ハルにゃん。リーゼントの言うことなんて気にしなくて良いよっ」

涼宮「そ、そうね。ふんっ、キチガイは黙って家で寝てなさい!」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:27:06.72 ID:SIpWOF6K0

男子「よお、古泉」

古泉「おはようございます」

男子「お前は、こうなることが予測済みだったのか」

古泉「こうなる、とは」

男子「昨日のことは、なかったことになってるってことだ」

古泉「はは、そうですね」

男子「なんでだ……一体どういうことだ……」

古泉「彼女には、願望を実現させる能力があるんです」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:29:33.72 ID:SIpWOF6K0

男子「は……」

古泉「信じて下さらないかもしれませんが、彼女には願望を実現させる能力があります。
    そもそも、あのSOS団という部活がどうして消されないか、分かりますか?
    教師に疎まれながらも、けれど活動を強く否定されることはない。どうしてでしょうか」

男子「…………」

古泉「彼女が願っているからですよ。『ある程度の否定は許すけれど、完全な否定は許さない』とね」

男子「そんな……」

古泉「昨日のこともそうです。『私が停学処分なんか有り得ない。無かったことにしてやる。全部』」

男子「…………」

古泉「あなたの存在ごと消されなかっただけでも奇跡です」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:32:20.56 ID:SIpWOF6K0

男子「じゃあ、お前はずっと逃げられないのか」

古泉「そういうことになりますね」

男子「…………」

古泉「そんな顔しないでください。嬉しかったです、とても。
    ……いえ、やっぱり嬉しくはないです。だって、顔にそんな怪我までして……。
    涼宮さんも酷い方です。停学処分という事実だけ消すなんて。
    ……あなたのこの怪我も消してくれれば良かったのに……」

男子「なんで、そんなに俺のこと……」

古泉「友達だからですよ」

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:34:42.88 ID:SIpWOF6K0

男子「…………」

古泉「友達だからですよ」にこ






男子(俺みたいなリーゼントに、こんなに純粋に接してくれるのはこいつだけだ)

男子(こいつは、すごく優しいやつだ)

男子(それなのに、涼宮は……涼宮は………………)

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/19(日) 16:41:39.02 ID:SIpWOF6K0

みくる「古泉くん、何見てるんですかぁ」

古泉「彼女の事故現場ですよ。ここからでも、よく見えます」

みくる「私は眼が悪いから、よく見えないや」

古泉「それは残念です。それにしても、こんなに呆気ないとは思いませんでしたよ。
    彼女が死ぬことによって、何か世界が影響があると思ったのに、結局何もありませんでしたからね」

みくる「私たちって何だったんでしょうね」

古泉「まあ、でも、自由になれたからいいですよね。朝比奈さんも、明後日未来に帰るんでしょう?」

みくる「はい。久しぶりに家族に会えます」

古泉「嬉しいですねぇ」

みくる「古泉くんは?」

古泉「僕は少年刑務所に入れられた大事な大事な友人の元へ行きますよ」

みくる「ああ、涼宮さんをバイクで轢き殺したあのリーゼントの?」

古泉「ええ。僕の純粋さが余程珍しかったんでしょうねぇ、まさかここまでしてくれるとは」

みくる「友情ですね」

古泉「ふ。事故現場、次から次へと人が群がってきますね。わあ、また花のプレゼントですか」

                                                (完)



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