1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 01:53:35.43 ID:Sg7od0rtO
古「…さて、これで僕らの役目もひとまず終了したと言えます」
長「…」
古「お疲れ様でした。長門さん」
長「いい」
古「あと我々にできるのは、せいぜいあの二人が
無事再会することを祈るのみ…といった所ですか」
長「…」
長「…今から約四分前、すでに彼等は合流している」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 01:54:28.76 ID:Sg7od0rtO
やっと立った…長かった
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 01:58:38.79 ID:Sg7od0rtO
古「おやそうでしたか。それでは、これで晴れてハッピーエンドというわけですね」
長「…」
古「ふふ」
まっがーれ♪まっがーれ♪まっgピ
古「はいもしもし、古泉です」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:00:52.85 ID:Sg7od0rtO
ハルヒ「あっ古泉君!?あたしだけど!」
古「これはどうも、涼宮さん」
ハ「どう、そっちは何か面白いもん見つかった?」
古「いえ…涼宮さんの気を惹きつけられそうな物は、残念ながら」
ハ「あっそう、まあいいわ!それでね、実は今あたしたち
○○ってとこにいるんだけど」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:05:09.02 ID:Sg7od0rtO
古「これはまた遠い所まで、ご苦労様です」
ハ「うんそれでね、いつもだったらもっかい合流してお茶でも飲むとこなんだけど
今回はそのまま解散で良いわ!今から帰ると、ちょっと遅くなっちゃうし。
有希にもそう伝えといて!」
古「はい。了解しました」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:06:42.76 ID:Sg7od0rtO
ハ「あっそれとね、さっきこっちでキョンと会ったわ!
ちょっと信じられない偶然よね」
古「彼に?本当ですか?」
ハ「うん。でもあいつ、荷物持たせようと思ったら逃げちゃったの!
ほんと団員にあるまじき行為よ」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:12:49.50 ID:Sg7od0rtO
…ふと気づいたんですが、今回のスレからの人にしてみれば
完全に意味不明な話になりそう
でも構わないんだ
チラ裏のオナニーSSを書くんだ
むしろ俺の人生がオナニーなんだ
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:14:24.73 ID:Sg7od0rtO
古「それはちょっといけませんね…」
ハ「でしょ?だから次の部活で過去最大の罰ゲームを課してやったわ。あっ、でも今からでも追加できるから
良いのあったら是非教えてちょうだい!片っ端から採用するから!」
古「(彼も気の毒な…)了承しました。考えておきましょう」
ハ「うんお願い!そんじゃおつかれー!」ブツッ
古「…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:18:35.18 ID:Sg7od0rtO
次の日、学校にて
ハ「…」
ガラガラー
キ「うーす」
ハ「!待ってたわよキョン、あんた今日の放課後は覚悟しなさ……」
ハ「…って、どうしたのよその足!?」
キ「あ?…ああ、えーと、これはだな…
昨日お前と別れた後で、ちょっとな…」
ハ「ちょっとってもんじゃないわよ…包帯ぐるぐる巻きじゃない」
キ「いや、見た目が大仰なだけだ!怪我はほんと、大したこと無いから…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:23:38.65 ID:Sg7od0rtO
ハ「確かにあの時、あんたらしくもない切迫詰まった顔してたし…
何かあるんだろうとは思ってたけど」
ハ「本当にあんた、あの後友達と何があったのよ?」
キ「い、いやあ…はは」
キ「(言えん…本当のことなんか)」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:25:19.01 ID:Sg7od0rtO
回想、前日の帰り道
佐『くっく…なら遠慮なく言わせてもらおう。そうだな…中学の頃から、今日まで。
たぶん僕はずっと君のことが―』
キ「……」
キ「……」
キ「……おっと!あぶね…」
キ「(どうもいかんな…さっきからずっとあれのことを考えてしまう)」
キ「(まさか、佐々木の口からあんな言葉を聞く日がくるとはね…)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:29:25.33 ID:Sg7od0rtO
キ『すまん』
佐『…え?』
キ『あ、いや断じてそういう意味じゃない!
…ただ今日一日、あまりに色々なことがあっただろ?
さすがに混乱してな…何と言って良いやら』
佐『…』
キ『…すまん。お前の言葉に対するちゃんとした返事を、今俺は持ち合わせちゃいねえ。
なんというか…整理したいんだ。できれば、少し時間をかけて』
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:36:42.78 ID:Sg7od0rtO
キ「あの時は一応ああ言ったが、どうしたものか…」
キ「仮に俺と佐々木が付き合うとする。
だがもし、それがハルヒにばれたら?」
キ「……やめよう、誰も得しない仮定をするのは」
キ「そもそも佐々木が俺に求めてるのは、俺の思うもので合っているのか…?」
―ぐらり
キ「(バランス崩した。立て直―あ、無理)」
キ「(結構スピード出て)」
ガシャガシャ、ガッシャン!
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:43:16.02 ID:Sg7od0rtO
>>18
そうだねごめん
要約としてはこんなかんじ
・キョンと佐々木デート
・時を同じくしてSOS団パトロール
・ハルヒ能力「キョンに偶然会いたい」発動
・長門、古(ry) の援護でやりすごすも、結局避けられずに遭遇
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 02:49:38.01 ID:Sg7od0rtO
・佐々木ショック。先帰る
・キョン追いかける→追いつく
・帰り道キャッキャウフフ
前回はこんな感じで終わりました。
自分本当に読み手のニーズが分かってない。反省。
前回投下したやつは一応残ってますが、いかんせん断片的です
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 03:10:06.19 ID:Sg7od0rtO
キ「…はは」
ハ「もう病院でちゃんと診てもらったわけ?」
キ「あ、いや、昨日は結構遅くなったからな。
今日行こうと思ってた」
ハ「…まあその脚じゃ仕方ないわよね。
良いわ、欠席認めてあげるから放課後行ってきなさい」
キ「そうか。すまんなハルヒ」
ハ「いーのよ。怪我したあんたに罰ゲームさせても、大して面白くないもの」
キ「はは…(やはり帳消しにはならんか)」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 03:12:22.22 ID:Sg7od0rtO
キ「…というわけで、現在自宅療養中だ」
古「それも結構ですが、せっかくの涼宮さんのご厚意です。
速やかに病院へ行くのが良いと思われますが」
キ「もう行ったさ、お馴染みのとこにな」
古「ほう」
キ「なんか裏口みたいなとこ通されて、信じられんくらい早く診てもらえた」
古「そうでしたか。ではお大事に」
キ「ありがとよ」
古「あとこれは余談ですが、やはりあの後
小規模ではあるものの閉鎖空間が発生しました」
キ「本当に悪かったよ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 03:19:02.22 ID:Sg7od0rtO
キ「はいはい、わかったよ。それじゃーな…っと」ピ
キ「ふう。さて」
キ「…」
キ「やることねーな…」
キ「平和だ……」
キ「…」
キ「……くかー…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 03:26:26.08 ID:Sg7od0rtO
…ピンポーン
妹「はーい!」ぱたぱたぱた
ガチャ
妹「あ!こないだのお姉ちゃん?」
佐「ふふ、こんにちは」
妹「えっとね、キョンくんだよね!?」
佐「うん。お願いできる?」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 03:41:56.11 ID:Sg7od0rtO
妹「あ!でもねーさっきシャミがキョンくんの部屋行って、そのまま帰ってこないからね
たぶんキョンくん寝てるよ?」
佐「そっか。じゃお姉ちゃん、出直した方がいいかな?」
妹「ううん!入っちゃって良いと思うよ!」
佐「うわっ!…とっと。
それじゃせっかくだから、お邪魔しちゃおう」
妹「はいどーぞー!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 04:00:02.15 ID:Sg7od0rtO
妹「…ここがキョンくんのお部屋!」
佐「うん、ありがと」
妹「ごゆっくりー!」ぱたぱたぱた
佐「…さてさて」
コンコン
佐「キョン、いるかい?悪いが入らせてもらうよー?」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 04:27:44.47 ID:Sg7od0rtO
ガチャ
シャミ「!」
佐「やや、猫くんだ」
シ「…」
佐「悪いね。せっかくくつろいでたのにね」さわさわ
シ「…」ごろごろ
佐「くっく、人懐っこいね君は」
シ「…」とてとて
佐「ほんと悪いね。何か追い出すようで」
シ「…」ちらり
佐「良かったら、後でまたおいで。なでてあげる」
シ「にゃあ」
バタン
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 04:50:08.23 ID:Sg7od0rtO
キ「……zz」
佐「それで君は、やっぱり眠ってたわけだ」
佐「弱ったな。起こすのも悪いし」
キ「……zz」
佐「…まぁ良いかな。このまま寝顔を拝見させてもらうのも」
佐「他に座るものもないし…
キョン、悪いがちょっと隣失礼するよ」
キ「……zz」
佐「♪」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 05:09:42.16 ID:Sg7od0rtO
佐「♪」
キ「…zz」
佐「♪」つんつん
キ「…zz」
佐「(ふぁ…)」
キ「……zz」
佐「…」ごそごそ
キ「……zz」
佐「…すやすや」
キ「……zz」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 05:25:53.95 ID:Sg7od0rtO
キ「OK、今俺の身に起こったことをありのままに説明するぜ」
佐「…すやすや」
キ「『寝て起きたら、何故か佐々木に添い寝されてた』…why、なぜ?」
佐「…すやすや」
キ「あーあ、こいつ制服のままじゃねえか。
皺になるぞ…うむ?」
キ「(そういやこいつの制服姿、初めて見るかもしれん…)」
キ「(不可抗力で少し乱れているのが、またなんとも)」
佐「…すやすや」
キ「……」
キ「じゃなくて!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 05:56:51.45 ID:Sg7od0rtO
キ「ともかく、まずは起こすべきだよな…」
キ「おい佐々木、起きろ。朝だ」
佐「…ぅ?」
キ「おっす、おはよ。」
佐「…」
キ「…」
佐「……すやすや」
キ「寝んな」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 05:59:22.28 ID:Sg7od0rtO
佐「…ああキョン、やっと目が覚めたんだ」
キ「それはこっちのせりふだ」
佐「くっくっ…手厳しいね。
昨日の今日だよ、もう少し優しくしてくれても良いんじゃないか」
キ「やれやれ。…それで、昨日の今日だというのに、
お前さんはどういった用件かな?」
佐「用件…?」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:03:04.89 ID:Sg7od0rtO
佐「用件、用件…か。特には無いな」
キ「はい?」
佐「強いて言えば、そうだな…また君の声が聞きたくなった。
それで君を訪ねる理由としては充分だと思うんだよ、僕は」
キ「またそうやって平然と恥ずかしいことを…」
佐「それとだね、会話の流れを汲んで言い出せなかったんだが」
キ「?」
佐「できるなら、その脚の怪我の説明も
きちんとしてもらいたいもんだ」
キ「うっ…」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:14:22.99 ID:Sg7od0rtO
キ「(こいつのことだ、下手な嘘は通用するまい。
…洗いざらい話すしかねーか)」
佐「?どうしたのさ」
キ「…いや実はな、あの後の帰り道で」
(中略)
佐「ははあ?僕のことを考えて…」
キ「うぐ…」
佐「なるほどねぇ?…くっくっw可愛いとこあるじゃないか。君も」ニヤニヤ
キ「(反論できねぇ!!何これ)」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:21:22.36 ID:Sg7od0rtO
キ「(あの時と言えば…そうだ)」
佐「〜♪」
キ「(あの時の返事、俺まだ保留のままじゃねーか!)」
佐「?」
キ「(…佐々木のやつ、本当はそれを聞きに来たんじゃないのか?)」
佐「…ああキョン、昨日と言えばさ」
キ「(考える隙を与えない!?)」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:33:30.83 ID:Sg7od0rtO
佐「昨日帰りに、僕が君に言ったことなんだけど…」
キ「(困ったぞ。どう返事したものか…)」
キ「(とりあえず、時間を稼いでみたり)な、なぁ!佐々木よ」
佐「うん?」
キ「あー…なんだ、そういう話なら、外でも歩きながらしないか?」
佐「僕はかまわないけど…君が大丈夫なのかい?その脚で」
キ「うっ」
佐「それにその…もう下校中の涼宮さんに出くわすことは無いかい?」
キ「うぐっ!」
佐「それ自体は全く構わないんだがね。
ここぞという時に君を持っていかれるのは、もう御免被りたい」
キ「はは…」
佐「キョン、きみ今の提案何も考えずにしただろう?」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:36:44.25 ID:Sg7od0rtO
キ「いや!脚は問題無いんだ。
その証拠に、今日もちゃんと自力であの坂道を登校したぞ」
佐「…なら」
キ「ハルヒのことは、ちょっとだけ待ってもらえるか!」
佐「…?」
キ「あいつなら、分からんってことは無いと思うが…」ポチポチ
プルルルル、プルルルル
長「…電話」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:43:21.85 ID:Sg7od0rtO
キ「…ああすまんな。恩に着る…それじゃ」ピ
佐「…?」
キ「大丈夫だ。ハルヒに会うことは、ほぼ100%あり得ない」
佐「…その根拠の出どころは大いに気になるが、
まぁ君のその自信に免じて信用しよう」
キ「…じゃあ行くか」
佐「くっくっ…ああ」
コンコン
キ「?」
妹「キョンくーんお茶とお菓子だよー、入れてー」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 06:45:37.19 ID:Sg7od0rtO
キ「おお?ありがたいが、これから出かけるからいらない。
お前食っとけ」
妹「えぇー!?」
佐「くっくっ…まぁ良いじゃないかキョン。
せっかく妹さんが用意してくれたんだ。頂いてからでも良いだろ?」
キ「佐々木がそう言うなら…」
妹「わーい!じゃあ、あたしもお菓子ー!」
佐「くっくっ…」
キ「やれやれ」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 15:49:03.29 ID:Sg7od0rtO
キ「んじゃ、少しの間出かけるぞ」
佐「またね、妹ちゃん」
妹「うん!また来てねお姉ちゃん!」
バタン
佐「…くっくっw可愛い妹さんじゃあないか」
キ「否定はせんよ。まぁ少し鬱陶しいとこもあるがね」
佐「だが、早くもお義姉さんと呼ばれるとは」
キ「ぶっ!…いや、それお前の漢字変換次第だろーが」
佐「ほんとにつれないねキョンは。…で、どこへ行くんだ?」
キ「んー…とりあえずあっち」
佐「本当に無計画だったんだな君は」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:00:35.06 ID:Sg7od0rtO
佐「ま、良いだろ。それじゃ歩こうか」
キ「ああ」
キ「(…さてさて)」
キ「(さっきは妹のおかげで、図らずも考える時間を得た)」
キ「(その間俺は、無い頭を必死でフル回転させてたわけたが)」
キ「(…正直、答えが出るはずも無い)」
キ「(もちろん、付き合うどうこうなら、俺が佐々木を嫌いなわけもない。
となると、目下の問題はハルヒだけなわけで…)」
キ「(そうすれば、物事はもう少しシンプルに進んでいくのだろうが…)」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:14:47.66 ID:Sg7od0rtO
キ「(だが…こいつが望んでるものは)」
佐『くっくっ…これは奇遇だ。
実は僕も、デートの相手を横から取られて、泣く泣く帰るところなんだがね』
佐『ねぇキョン、君以外の誰かといても、結局独りな気がするんだよ。
どうすればいい?』
佐『この先何があっても、絶対に繋がりを切らないでくれ。僕と離れないでくれ』
キ「(…何かもう、そういうのを超越してしまってる気がする)」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:28:37.58 ID:Sg7od0rtO
佐「キョン?」
キ「…ああすまん。なんだった?」
佐「いや…ただ、君はずっと僕との会話も上の空で
一体何を考えてる?ってね」
キ「!……ばれてたのか」
佐「今だけじゃないよ。さっき妹さんとお茶を飲んでる間も、ずっと上の空だったろう?
こちらから話を振っても、決まって生返事だった」
キ「…」
佐「…少し、悲しかった」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:37:52.13 ID:Sg7od0rtO
キ「…悪かった」
佐「…いや良いんだ。
君がいつ思考に耽ようとも、それは君の自由なのさ」
佐「…ただ情けないが、僕はそんな君の言動にさえ逐一
一喜一憂してしまう。…これは僕の方の問題に他ならないから、
君にしてみれば迷惑だろうと思うけど」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:41:06.76 ID:Sg7od0rtO
佐「だから、これは僕の勝手な意見になってしまうが…
それを承知で聞いてもらえるなら」
キ「……」
佐「僕としてはそうしてやきもきする位なら、洗いざらい話してもらう方がずっとありがたい。
どうも昨日のことで、僕と君の間に認識のずれが生じてる気がしてならない」
キ「佐々木…」
佐「――あ」
しとしと
佐「少し…降ってきたね」
キ「…」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 16:54:38.38 ID:Sg7od0rtO
キ「…そうだな。お前の言うことももっともだ。
正直すまんかった」
佐「うん」
キ「そもそもお前に隠し通せると思ったのが、間違いだった」
佐「くっくっ…なんだそれは」
キ「いや実は本音を言ってしまうとだな、佐々木。
俺は付き合うとかどうとか、そういうのはどうも…」
佐「はいそこまで!」
キ「なんと!?」
佐「くっく…なるほどね。そこがまず食い違いだ」
キ「…はい?」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 17:13:02.19 ID:Sg7od0rtO
佐「いや…だがこれは僕の言い方にも問題があったな。
なるほど、普通は付き合うと言うとそういう…」
キ「あの、佐々木…?」
佐「うん?ああ、そうだね。まずは誤解を解いてしまおう」
キ「…」
佐「良いかいキョン?僕は君に『付き合って欲しい』と言ったわけじゃないよ。
ただ『好きだ』と、そう言った。…違うかい?」
キ「…?」
佐「だからこれは選択を迫ったわけでもなんでも無い、ただの会話だ。
…なのにまさかそこで保留されるなんて、僕には予測がつかなかった」
キ「あ…」
佐「しかもその内容が内容なだけに、ことさら不安にさせられた。」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 17:16:51.87 ID:Sg7od0rtO
キ「…ああ…」
佐「くっくっ…そうだろ?
つまり君はあの時、厳密には『イエス』か『ノー』で返事を選ぶ必要は無かったんだ」
キ「!」
佐「ねえキョン。あの時君に保留されたまま、僕は今もどっちつかずで不安定だ。
…今までずっと聞けないでいる、僕の望む君からの返事は―」
ぎゅっ
キ「『ありがとう。そう言ってもらえてうれしい』」
佐「…そう。それが正解だよ。キョン」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 19:34:42.69 ID:Sg7od0rtO
佐「…♪」ぎゅ
キ「…」
佐「ねぇ、キョン?」
キ「…」
佐「誤解しないでもらいたいんだが、僕は今凄く幸せだ。
可能ならずっとこうしていたい」
キ「…」
佐「だけど、これは流石に」
キ「ああ、わかってるさ」
佐「…流石にね」
…ぱらぱらぱらぱら
佐「ちょっとこれは…無視できないよね」
キ「マジで空気読んで欲しいな雨」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 19:43:34.07 ID:Sg7od0rtO
キ「やばい。更に強くなってきやがった」
佐「参ったな…傘を持ってないんだ。予報では言ってなかったから」
キ「落ち着いとる場合か。走るぞ!」
佐「えっ…良いけど、どこへ?」
キ「心当たりがある。ほら、手」
佐「あ……うん」
ザァァァァァ…
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 19:56:18.45 ID:Sg7od0rtO
キ「(恐らく、あそこなら…!)」
佐「はぁ、はぁ…」
ばしゃ、ばしゃ、ばしゃ
キ「…よし思った通りだ。このベンチなら」
佐「キョン…はぁ…ここは…?」
キ「ああ、俺たち御用達の場所でな。
ここなら良い具合に木が雨を遮っ…ぶっ!」
佐「?」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:08:49.15 ID:Sg7od0rtO
キ「佐々木お前それ…!」
佐「?」
キ「…だーもう!雨で透けてんだよ!制服が」
佐「ん?…あぁ…///」
キ「…って何故そんなに落ち着いてんだお前は」
佐「いやその…こういうのは、僕でも嬉しいものなのかい?」
キ「なっ…!」
佐「なんというか…キョンはどこかこう、
僕を女性として見てくれていない気がしていたから」
キ「…んなわけあるか。アホな事言ってないで、とりあえずこれでも着てろ」パサ
佐「くっくっ…ありがとう」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:20:38.78 ID:Sg7od0rtO
キ「しかし…参ったな。これはしばらく止みそうに無いぞ」
佐「…」
キ「やむを得ん、コンビニまでひとっ走りして買ってくるよ。
…そうだな、ついでに温かい飲み物も」
佐「…」
キ「悪いが佐々木はここで待っててくれ。すぐ戻る」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:34:56.22 ID:Sg7od0rtO
佐「…キョン」
キ「ん?ああ、俺は大丈夫だ。こうしてフード被れば、少しくらいは」
佐「キョン!」ぐいっ!
キ「――!?」
佐「また…一人にするのか?」
キ「…!」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:40:32.62 ID:Sg7od0rtO
キ「…!ああ」
佐「…」
キ「そ、そうだよな。雨で日も暮れかけてる中、
お前を一人放り出していくわけにはいかないよな…」
佐「…ごめん」
キ「お前が謝ることじゃないさ。俺がうかつだったんだ。
…しかし、となると動けないな」
佐「そうでもないさ。
僕も一緒に買いにいくのも良いし、このまま二人歩き続けても良い」
キ「いや、お前そんな」
佐「だが…雨の中、独り濡れて待っているという惨めさだけは」
佐「とても、耐えられる気がしない」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:56:06.61 ID:Sg7od0rtO
…ひた、ひた
キ「わかってるさ。大丈夫、一人で買いに行くのはやめるよ」
佐「…すまない」
キ「気にすんな。小降りになった頃合を見て、二人で行こう」
…ひた、ひた
佐「以前の僕はこんなこと無かったんだが…どうもいけないね」
キ「…(何か、足音がしないか?)」
佐「君に会う度に、弱くなってく気がする。今もなんだか…
足音のようなものが聞こえてね。疲れてるのかな」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 20:58:52.02 ID:Sg7od0rtO
…ひた、ひた
キ「いや佐々木…それ、俺にも聞こえるんだが」
佐「え」
キ「というか、だんだん近づいてないか?」
佐「そんな、やめてくれよ…」
キ「(…何だ?不審者?…いやだが、男の俺が傍にいるのに)」
キ「…そ、そこに誰かいるのか?」
…ひた、ひた、ひた、ピタッ
長門「…」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:10:29.52 ID:Sg7od0rtO
長「…」
キ「長門?長門じゃないか!」
佐「あ、たしか涼宮さんの…」
長「…」
キ「お前一体、どうしてここに」
長「…」スッ
キ「あー…晩ごはん?」
長「…」こくん
キ「そ、そうか」
長「そう」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:21:36.18 ID:Sg7od0rtO
キ「そうだ長門、今急いでるか?」
長「…」ふるふる
キ「だったら少しの間、ここで佐々木を見ててもらえないか?」
長「わかった」
佐「いやキョン、それはどうなんだ…?
第一彼女は、僕より小柄な女の子じゃないか」
キ「何を言うか、長門は俺の百倍頼りになる」ぽんぽん
長「…」
佐「それは君、ちょっと自分の頼り無さに自信を持ち過ぎじゃないか?」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:26:46.47 ID:Sg7od0rtO
キ「というわけで、頼んだぞ」
長「まって」
キ「?」
長「使って」スッ
キ「傘…いいのか?」
長「ここにいるなら、必要無い」
キ「そうか…悪いな。じゃ遠慮なく」
長「気をつけて」
キ「ああ、行ってくるよ」
ばしゃ、ばしゃ、ばしゃ…
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:35:01.53 ID:Sg7od0rtO
長「…」
佐「…」
長「…大丈夫」
佐「…?」
長「取らない」
佐「えっ…」
長「私は、あなたたちの味方」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:39:58.72 ID:Sg7od0rtO
長「…」スッ
佐「?」
長「お友だち」
佐「ああ…ありがとう」
長「…」
佐「そうだね。よろしく長門さん」
長「そう」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 21:45:32.79 ID:Sg7od0rtO
すみません
長門と佐々木の会話が予想以上に難航してます
というかこの二人だと会話が成り立ちません
少し頭捻ってきます
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:02:12.08 ID:Sg7od0rtO
長「…」
佐「…」
長「…大丈夫」
佐「…?」
長「取らない」
佐「えっ…」
長「私は、あなたたちの味方」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:03:14.23 ID:Sg7od0rtO
長「…」スッ
佐「?」
長「お友だち」
佐「ああ…ありがとう」
長「…」
佐「そうだね。よろしくね長門さん」
長「そう」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:09:45.94 ID:Sg7od0rtO
佐「ねえ長門さん、少し僕の話を聞いてくれるかい?」
長「…」こく
佐「ありがとう」
長「いい」
佐「キョンは、今の彼の居場所でうまくやってる。
…それは涼宮さんであり、あなたたちSOS団でもあるんだけど」
長「…」
佐「つまり僕は、キョンにしてみれば昔の友達なんだよね。
…中学校という、もう通過してしまった地点のね」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:13:15.24 ID:Sg7od0rtO
佐「その僕がいつまでも付いてまわるのは、彼にとって
足枷に他ならない気がするんだ」
佐「実際再会するまで、僕らはどちらからも連絡を取らなかった。
…会わずにやっていけると、まだ信じていられたんだ」
佐「でもある日、駅で偶然会ってさ…思い出してしまったんだ。色々とね」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:18:11.95 ID:Sg7od0rtO
佐「それから、キョンのことしか考えられないようになった。
もう一度会う約束をこぎつけて、次会う時には好きだと打ち明けてしまった」
佐「だが、ならその次は?…その一番果てまで進むと、僕らは何に辿り着く?」
長「……」
佐「…すまないね。会ったばかりの僕から
こんな話聞いても困るよね。あなたも」
長「…いい」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:24:02.06 ID:Sg7od0rtO
佐「ねぇ長門さん。少し前までは、全く会わなくても平気だった。
…でも今は違う」
長「…」
佐「でもまだ今なら、たまに会うだけで満足できる。
キョンの彼女になれなくても良い」
長「…」
佐「いつか、これにも満足できなくなるのかな。…そうなるくらいなら」
佐「…僕は、今の内に彼から離れた方が良いのだろうか…?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:29:30.93 ID:Sg7od0rtO
佐「…キョンはね、君に並々ならぬ信頼を置いているみたいだよ」
長「そう」
佐「そうだよ。あのキョンが、君のことになると実に饒舌になる」
長「…」
佐「…正直、羨ましい」
長「…」
佐「彼の高校の同級生でいられる、長門さんがね…」
長「…」
佐「…」
長「…私は私」
佐「え?」
長「あなたは、あなた」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:35:50.90 ID:Sg7od0rtO
長「涼宮ハルヒ」
佐「え?」
長「どう思う…?」
佐「どうって…魅力的な女性だね。才色兼備で、笑顔が素敵で」
長「…」
佐「実に…うん、キョンと付き合ったならお似合いだと思うよ」
長「…そうなって欲しい?」
佐「え?」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:40:41.37 ID:Sg7od0rtO
支援は多ければ多いほどありがたい
これ、自分が休憩の合間に落ちて急に再開したから、実は今投下してるのは推敲なしの即興
次の一つをなんとか投下することだけ考える…の繰り返し
もう見てくれる人も少ないし、新しく見ようとするにはちとキツい
次落ちたら終わりだと思ってる
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:48:51.90 ID:Sg7od0rtO
佐「…どうかな。男女としてキョンと付き合うことはまだ考えられないし、
今はこうしてたまに会えるだけで満足…」
長「……」
佐「その理屈なら、キョンに誰か他の彼女ができても構わないはず…だけど」
キ『だからな、俺で良いならお前にも手を貸してやるさ』
佐『僕にも…本当に?』
キ『そうだ。…佐々木、もうお前を独りにはしない。
気付けなくて、すまんかった。』
佐「…そんなの、嫌だよ」
長「そう」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/14(火) 23:56:06.43 ID:Sg7od0rtO
長「それが、真実」
佐「…!」
長「自分で結論を出した後から行動でそれをなぞるのは、確かに正確」
長「…でも、それはとても退屈」
佐「…」
長「まず、実行すれば良い」
長「問題が生じたなら、そのとき修正すれば良い」
長「…今の私が、そうするように」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:05:30.13 ID:rl+UrHWhO
佐「…でも彼と涼宮さんには、並々ならぬ結びつきがある。違うかい?」
長「…」
佐「僕が見たところ、涼宮さんも、きっとキョンのことが…違うかい?」
長「…涼宮ハルヒが膨大な情報を生むとき、そこには高い確率で彼との関連性がある」
長「それは事実」
佐「つまり、僕が彼と一緒にいることは
そのままあなたたちの手を煩わせる原因になる…」
長「…そのときは――」
長「――そのとき。」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:18:16.27 ID:rl+UrHWhO
佐「え…?」
長「涼宮ハルヒの観測、及び能力の暴走の抑制…それが私の役目」
佐「…?」
長「でもその手段に、彼やあなたの自意識の抑制を選択するのは
私にとってとても不本意なこと」
長「私という個体は彼に対して一定以上の好感を抱いている。
…もちろんあなたにも、涼宮ハルヒにも」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:20:27.10 ID:rl+UrHWhO
佐「…長門さん」
長「それらの個体が自らの意思に従って行動した結果、世界が滅ぶなどという理不尽なこと」
長「…私が、させない。」
佐「…」
長「そのために、私がここにいる」
佐「…」
長「私、朝比奈みくる、古泉一樹がいる」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:27:53.47 ID:rl+UrHWhO
キ「…ううむ、これは俺が入って良いのか…?」
キ「…あ、でもどうやら一段落したみたいだな」
キ「よし、いかにも今帰ったばかりという感じで…」
キ「おーい、佐々木ー、長門ー!」
佐「あ…ちょうどキョンが帰ってきたみたいだよ」
長「………そう」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:38:26.30 ID:rl+UrHWhO
キ「二人で、何話してたんだ?」
長「…」
佐「くっくっ…それは教えられないね、長門さん」
キ「…?まぁ良いや。はいこれ、温かいコーヒー」
佐「ああ、ありがとう」
キ「長門、時間とって悪かったな。良かったらこれもってけ」
長「…そう」
キ「さあ、んじゃ帰るか佐々木」
佐「ああ。今日はどうもありがとう長門さん」
長「晩ごはん」
キ「?」
長「食べていかないの…?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:47:14.53 ID:rl+UrHWhO
キ「…ああ、今日は遠慮しとくよ。あまりに急だし、びしょ濡れだしな」
長「…おふろ、使う?」
キ「ぶっ!!」
佐「ありがたいけど長門さん、また次の機会にさせてもらうよ。
その時は是非、今日のお礼もさせてもらいたいものだね」
長「…必要ない。私はあなたの質問に答えただけ」
佐「くっくっ…でも良いのさ。僕が個人的にしたいんだ」
長「…そう」
キ「(なんか、さっきより仲良くなってるか?)」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 00:57:57.28 ID:rl+UrHWhO
キ「…さて、じゃ俺らも帰るか佐々木」
佐「ああ。だがその前に一つ良いかな」
キ「?おお」
佐「…何故君は、傘を二本買ってきた?」
キ「あ…いや、なんとなく」
佐「…はあ、封を着るのはそれだけで良いよ。
それで、君が持つんだ」
キ「分かりましたよって…おいおい、あんまりくっつくな」
佐「くっくっ…悪いが、お断りだ」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 01:07:31.52 ID:rl+UrHWhO
佐「…ねえ、キョン」
キ「ん?」
佐「好きだ」
キ「…頼むからもう少し心の準備をさせてくれ」
佐「くっくっ…だが、君はどうだい?」
キ「ん?」
佐「正味な話、どう思ってる?僕のこと」
キ「……まさか第2撃があるとはね」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 01:13:25.39 ID:rl+UrHWhO
キ「言わせるのか?こんだけ態度で示してる俺に、今さら?」
佐「ああそうだ。最後にちゃんと、僕の好きな君の声で確認しておきたい」
キ「…頼む、マジで勘弁してくれ。
ほんと苦手なんだ、こういうの」
佐「む…分かった、じゃあ歩み寄ろう。
君の言う、態度ってやつで示してくれ」
キ「…今ここで?」
佐「勿論」
キ「…だがお前、こんな公の場で」
佐「確かに公共の場だが、公衆の面前では無いさ。…いないからね。
…ほらほら、これ以上僕を不安にさせないで欲しいな」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 01:30:32.08 ID:rl+UrHWhO
佐「っ…!」
キ「……これで良いか?」
佐「…そうだな、欲を言えばもう少し」
キ「頼む、また今度埋め合わせるから!
というか、今のお前びしょ濡れで生々しいんだよ!」
佐「…む、当の本人が良いと言ってるんだから、気にすることなどないのに」
キ「俺自身の自制心だ!」
佐「そうか。我慢強いな君は」
キ「お前、まさかわざと…!」
佐「くっくっ…w」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 01:43:46.45 ID:rl+UrHWhO
佐「…まあ、このくらいで許そう。じゃあキョン、僕はこれで」
キ「ん?いーよ、送るよ。いつも通り家の前までな」
佐「だがこれ以上こっちへ来てしまうとなると、逆に君の家は遠ざかるだろう。
今日は自転車でも無いし、濡れたまま風邪でもひいたら大変だ」
キ「む…」
佐「それにねキョン、ゆっくりやると決めたんだ。
時間はあるんだ。もっと気楽に捉えて…でも、僕なりにしっかり考えた上で望みたい。
…それで困ったときは、長門さんの出番だ」
キ「…よくわからんが、最後のは同調する」
佐「あと、二本目の傘もあることだしね」
キ「ん、結構根に持ってんな?お前」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 01:53:14.05 ID:rl+UrHWhO
佐「君とはもうしばらく、このままの関係を続けたいんだ。
恋人になって欲しいと、いつか言うかもしれない。…でも今じゃない」
キ「む…」
佐「…ただ、いつ連絡しても大丈夫なようにしていてもらえるかい?
それはこれからも、僕の支えになる」
キ「あぁ。そこはバッチリ任せておけ」
佐「くっくっ…恩に着るよ。…次はたぶん、この傘を返しに伺うと思う」
キ「あと、その服もな」
佐「ああそうか。よし、二回に分けて返しに行こう」
キ「…好きにすれば良いさ」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 02:01:26.42 ID:rl+UrHWhO
キ「…」
キ「…お、メール。…ハルヒからか」
件名:こらーっ!
本文
『有希にきいたわ!もう走れるくらいに回復してるって本当なの!?
それなら明日はちゃんと部活きなさいよね』
キ「…長門よ、教えてくれるな…って、どーせあいつが
強引に聞き出したんだろうがな…」
キ「『わかってるとも』…と」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 02:09:35.62 ID:rl+UrHWhO
キ「ん?もう一通…おお、今度は佐々木か」
件名:次の予定
本文
傘返すのだけど、次の日曜でどうだい?
それと、長門さんが何をすれば喜んでもらえそうか教えて欲しい
…というのを口実に、また後で電話したいが、構わないね?
キ「うぉ、早いな…『7時以降で頼む』…と」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 02:18:23.65 ID:rl+UrHWhO
キ「これでよし…と」パタン
キ「ん?…おお。やれやれ、随分長かったな…」
佐「ふむ…夜の7時か。
…ん?ああ、ようやく…」
二人「雨――やんだな。」
fin
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 02:31:21.86 ID:rl+UrHWhO
あー終わった…ありがとう
>>87
即興にしてはうまくいったと思う。
前回の教訓で、終わり方は割と早めに決まっていたし…
ただもうSSは当分良いかな
特にハルヒはキャラの口調が独特過ぎて会話が大変すぎる
もしまた書けと言われたら超尻込む
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/15(水) 02:50:41.62 ID:rl+UrHWhO
ツンデレっぽい同級生に行動安価
というスレをこなたが立てるというSSを考えていたけど
あまりに大変ぽいので泣く泣く断念しました
次は普通の男と女の話がやりたいです
あと明日までこのスレが持つと見積もって途中で寝てしまった方々には
悪いことをしました
紛らわしくてすみません
>>94みたいな人も、さーせん。