ハルヒ「今回は古泉君が主役よ!」


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5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:44:02.39 ID:/kw+NLjk0

古泉「え?僕が主役ですか?」

ハルヒ「そうよ!今度の文化祭は古泉君が主役で映画を撮るわよ!」

キョン「おいおい…誰が観に来るんだよそれは…」

ハルヒ「前回はみくるちゃんで男子客がメインだったでしょ?」

キョン「それはそうだが…って、今度は女子客を狙うってワケか?」

ハルヒ「そうよ!そして来年の文化祭は私が主役で…んふ…」

キョン「何を企んでるのか知らんが、そう上手いこと話が進むとは思えんがな…」

古泉「…(僕が…主役…うへ…へへへ)」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:44:43.19 ID:/kw+NLjk0

古泉「(おっと、顔が緩んでしまいました)と、ところで涼宮さん、どんなお話なんですか?」

ハルヒ「よく聞いてくれたわね…現代の学校が舞台よ」

古泉「学園モノですか…青春ドラマ…なわけがないですね」

ハルヒ「当り前じゃない。そんな陳腐なストーリーを私が考えるわけないでしょ?」

キョン「で?どんな崇高なストーリーをお考えですか?団長様は」

ハルヒ「なにか引っかかる言い方ね…まぁいいわ。一言で言うと、学園SFドラマね!」

キョン「SF?まさか主人公がサイキッカーでした、とかってオチじゃないだろうな」

ハルヒ「あら、キョンにしては鋭いわね。その通りよ」

古泉「…涼宮さん、確認ですが…主人公は僕なんですよね?」

ハルヒ「そうよ?古泉君が主役の高校生サイキッカーよ!」

キョン「…おいおい」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:45:23.84 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「超能力があるとは言っても、普段から使えるわけじゃないのよ」

キョン「…いつ使えるんだ?」

ハルヒ「限られた空間でだけ超能力を使えるの。普段はドコにでもいるただの学生って設定よ!」

古泉「そ、その空間とは…?」

ハルヒ「細かいところはこれから詰めていく予定だけど、閉ざされた空間ってことで『閉鎖空間』って名付けたわ!」

キョン「…その『閉鎖空間』とやらは、どこにあるんだ?」

ハルヒ「んー…そうね…神出鬼没…で誰か…そうね…誰かの心と…ブツブツ」

キョン「(ヒソヒソ)…おい、小泉…これは偶然なのか?」

古泉「(ヒソヒソ)わかりません…僕がこの力を持ったこと自体、涼宮さんの願望である可能性が高いですから…」

キョン「(ヒソヒソ)で…どうすんだ?」

古泉「(ヒソヒソ)どう…と言われまして…やるしかないんじゃないですかね…」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:46:05.17 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「うん、決まったわ!」

キョン&小泉「!!」

ハルヒ「『閉鎖空間』はとある女生徒の精神状態によって発生するものなのよ!」

キョン「そ、そうなのかー…その女生徒の精神が不安定になると発生するのかー…」

古泉「で、僕がその中に入って神人と戦って世界が崩壊しないように頑張ればいいんですね」

ハルヒ「そう!その通りよ!さすが古泉君、話が早…あれ?神人の話なんてしたかしら?私」

キョン「(!!…バ、バカ!!)」

古泉「あ、い、いえいえ、なんとなく適当に言ってみただけですよ。まさか当たってるなんて、ははは」

ハルヒ「そうなの?そんなに在り来たりだったかしら…」

古泉「そんなことないですよ。さすが涼宮さん。御見それしました」

ハルヒ「そ、そうかしら?ま、まぁね!私の手にかかれば原案を出すなんてチョロいわよ!」

キョン「…はぁ…どうすんだよ…」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:47:27.32 ID:/kw+NLjk0

(翌日)

みくる「…ふぇ!?古泉君が超能力者の役…ですか?」

長門「…」

キョン「そうなんですよ…ハルヒのやつが考えたとかで文化祭でやるハメに…」

長門「…あくまでもただ演じるだけ…問題はない」

キョン「そうは言ってもだな、長門…こっちとしては気が気じゃないぞ」

みくる「そうですねぇ…余計なことを言ってしまいそうで怖いですね…」

キョン「ですよね…なんとか考えなおしてくれないもんかな…」

長門「…おそらく無理」

キョン「…まぁ、俺たちは極力関わらないようにして、小泉に頑張ってもらうしかないか…」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:48:08.31 ID:/kw+NLjk0

(放課後)

ハルヒ「みんな揃ったわね!?」

キョン「なんだよ改まって集合って」

ハルヒ「今度の文化祭の話をするために集まってもらったのよ」

キョン「映画の話か?それなら俺からみんなに伝えちまったよ」

ハルヒ「あら、そうなの?まだキョンには配役の話をしてなかったと思ってたけど」

キョン「古泉が主役だって話だろ?お前思いっきり言って…まさか…主役以外に…?」

ハルヒ「ふふふー…そうよ!今回はみんなにも演じてもらうことにしたわ!」

みくる「ふえぇえぇぇ!?またですかぁぁぁ!?」

長門「…ペラッ(読書)」

古泉「いささか…嫌な予感がしますね…」

キョン「…俺は悪い予感しかしない」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:48:49.82 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「まずはみくるちゃん!」

みくる「はいぃぃぃぃっ!」

ハルヒ「みくるちゃんは今回も重要な役よ」

みくる「重要な役…ですかぁ…?うぅ…」

ハルヒ「そうよ!話の大筋は聞いてるかしら?」

みくる「はい…一応キョン君から聞いてますけど…うぅ」

ハルヒ「そう。なら話は早いわ!みくるちゃんが『閉鎖空間』の原因となる女生徒よ!」

みくる「!!?」

キョン「!!?」

古泉「!!?」

長門「…ぺrビリリリっ!!(!!?)」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:49:31.13 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「次はユキね!」

長門「…なにをすれば?」

ハルヒ「ユキは未来からやって来た人間よ!」

みくる「!!?」

キョン「!!?」

古泉「!!?」

長門「…(ググッ)ビリリっ!!(!!)」

ハルヒ「あまり本編とは関わりはないんだけれど、みくるちゃんを観察しに来たって感じよ」

キョン「…おいおい…まさか…

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:50:12.94 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「次は私ね」

キョン「…ゴクリ」

古泉「…ゴクリ」

みくる「…ゴクリ」

長門「…ビリリ」

ハルヒ「私は宇宙人よ!正確には宇宙人と言っても対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド(ry」

キョン「(ボソボソ)…まんまSOS団じゃねーか…」

古泉「(ボソボソ)…ですね」

みくる「(ボソボソ)…私が…涼宮さん役ですかぁ…うぅぅぅ」

長門「(ボソボソ)…牛乳女役…」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:50:54.38 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「と、こんなところかしらね」

キョン「…ん?」

ハルヒ「来週までにみんなの台本を用意してくるから、待っててね」

キョン「お、おい、ハルヒ!」

ハルヒ「なによ?バカキョン」

キョン「いや、俺の役は…?」

ハルヒ「あー…ごめんごめん、忘れてたわ」

キョン「なっ…!?」

ハルヒ「そうねー…うん、キョンは平凡な学生の役ね!中にはなんの取り柄もない普通の学生も必要よね!」

キョン「…」

みくる「…キョン君…」

古泉「…似たような境遇ですが、同情します」

長門「…取り柄無し…」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:51:34.88 ID:/kw+NLjk0

(翌週)

ハルヒ「はい!台本出来たわよ!」

古泉「これはまた…なかなかの厚さですね…」

みくる「ふえぇ…こんなの覚えきれませんよぉ…」

長門「…問題ない」

キョン「…」

ハルヒ「どうしたのよキョン、黙っちゃって」

キョン「いや…あのな…」

ハルヒ「今回はちゃんと忘れずにあんたの台本も作って来たのよ?」

キョン「あ、あぁ…それは良いんだけどな…」

ハルヒ「なによ?不満があるならハッキリ言いなさいよ」

キョン「じゃぁ言わせてもらうが、なんで俺の台本はスーパーのチラシの裏紙1枚だけなんだ!?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:52:16.39 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「平凡すぎて台詞が思いつかなかったのよ。アドリブでなんとかしなさい」

キョン「お前なぁ…それじゃ台本なんかないものと同じじゃないか!」

ハルヒ「言われてみればその通りね…わかったわ!じゃぁキョンは全部アドリブでいいわよ!」

キョン「なっ…い、いや、そうじゃなくてだな…!」

古泉「自ら墓穴を掘った形ですね…さすがです」

みくる「キョン君…」

長門「…いつもみたいにぼけーっとしてればいい」

キョン「な、長門!?」

長門「…なに?」

キョン「お前今サラっとひどいこと言わなかったか!?」

長門「…言っていない」

キョン「そ、そうか…気のせいか…」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:52:57.23 ID:/kw+NLjk0

(数日後)

古泉「『あー…わりぃ!ちょっとバイト入ってんだわ!部長によろしくいっといてくれよ!』」

長門「『あー…、例のバイトね?わかった、伝えておくわよ』」

キョン「『お、おぅ、が、がんばってこいよ』」

ハルヒ「『…彼はまたバイト?大変ね…』」

(ガラガラッ…ピシャっ!)

みくる「『よ、よーそろー!み、みんな集まってるわよ!?』」

ハルヒ「ちょっとちょっとみくるちゃん!台詞噛みまくりじゃない!」

みくる「あうぅぅ…ごめんなさいぃ…」

キョン「あー、すまんハルヒ、俺も噛み噛みだった」

ハルヒ「あんたはどうでもいい役だからいいのよ」

キョン「…」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:53:38.31 ID:/kw+NLjk0

(休憩中)

古泉「ふぅ…色々と気を使いますけど、案外なんとかなるものですね」

キョン「そうだな…俺も自分のアドリブに自信が持ててきたぜ」

長門「…プッ」

キョン「!?」

みくる「全然なんとかなりませんよぉぉぉぉ…気を使って演技どころじゃありません…うぅ」

キョン「いえいえ、朝比奈さんの演じる女生徒もなかなか新鮮でしたよ」

長門「…プッ」

みくる「!?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:54:38.04 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ほらほら、いつまでも休んでないで!続き撮るわよ!」

キョン「やれやれ…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

古泉「『おーっす!あれ?お前しかいねーの?』」

キョン「『あぁ、まだみんな来てないみたいだ…ヨ?』」

ハルヒ「『…私、いるけど』」

古泉「『なんだよ…しょうがねーなぁ…じゃぁオセロでもやるか?』(…ヨ?ってなんですか)」

キョン「『よし、じゃあ相手になってやる!』(…いや、すまん)」

ハルヒ「『ねぇ…ちょっと…』」

古泉「『今日もアレだ…負けたヤツのジュース奢りな!』」

キョン「『おーけーべいべー、今日こそ負けないZE!』」

古泉「『俺こそ負けないさ!』(…アドリブやりすぎです)」

ハルヒ「『…はぁ…もういい…本でも読む…』」

長門「(…そういう位置づけだったの)」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:55:30.22 ID:/kw+NLjk0

みくる「『お、おーっす!き、今日も集まってるかね諸君!』」

古泉「『お?ブチョーおっす!長門がまだ来てないみたいだぜ』」

長門「『ごっめ〜ん!遅くなっちゃった!委員会が長引いちゃってさぁ!』」

みくる「『な、なんだよしょうがないやつだZE☆…ははは…はぁ』」

キョン「『それはそうと朝比奈、今日は何するんだ?』」

みくる「何って…えと…あれ?なんでしたっけ?」

ハルヒ「み〜く〜る〜ちゃ〜んっ!!」

みくる「ひうぅぅぅ、すびばぜええぇぇぇ〜〜ん!!」

ハルヒ「部活で集まってるんでしょ!?鍋奉行部がやることなんてひとつしかないじゃない!」

みくる「あうぅ…もう鍋の季節は終わるのでどうするのかと…」

ハルヒ「そんなものは関係ないの!まったく…じゃぁ鍋奉行レッスンの下りから始めるわよ!」

みくる「は、はいぃぃ…」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:56:20.80 ID:/kw+NLjk0

(数時間後)

ハルヒ「っふぅ〜!何気にいい運動になるわね!」

キョン「結構走りまわったりしてるからな」

みくる「…何も…言えねぇ…ぜぇぜぇ…」

長門「…今のちょっと面白い」

古泉「それじゃ、暗くなってきましたし今日はこんなところにして帰りましょうか」

ハルヒ「そうね、このペースなら文化祭には余裕で間に合うわ!」

キョン「おー、腹減ったしもうクタクタだ」

ハルヒ「な、なんなら帰りになにか食べに行く?」

キョン「いや、いい、今日は妹がなにか作ってるらしいし」

ハルヒ「そう…ま、いいわ…じゃ、みんな解散!」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:57:44.96 ID:/kw+NLjk0

(帰り道)

キョン「ところでハルヒ…」

ハルヒ「…ん?なによ?」

キョン「今回の話…一人で考えたのか?」

ハルヒ「当り前じゃない」

キョン「なんで今回は前回と違って現実に近い話にしたんだ?」

ハルヒ「んー…なんとなくよ。…うん、なんとなく」

キョン「?ならいいんだが…」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:58:40.96 ID:/kw+NLjk0

(ハルヒ自宅)

ハルヒ「なんとなく…ふふ…そんなわけないじゃない…」

ハルヒ「みんな、私が何にも気付いてないとでも思ってるのかしらねー…」

ハルヒ「ふふ…そろそろ、遊んでみようかしら…うふふ…♪」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 16:59:25.54 ID:/kw+NLjk0

(翌日)

古泉「こんにちは。みなさんお揃いで…おや?涼宮さんの姿が見えませんね?」

キュン「あぁ、なんだか後から来るから先に行っててくれとか言ってたぞ」

古泉「またなにか企んでいるのかもしれませんね…すいません、考え過ぎですね」

キョン「いや…あの目つきは…本気でなにか企んでいたのかもしれん…」

みくる「うぅ…これ以上なにを企むと言うんですかぁ…」

長門「…(ぺらっ)」

キョン「まぁ、ハルヒが来てみないことにはなにもわからないけどな」

古泉「そうですね、あまり考え込んでも仕方ないです」

みくる「うぅ…そうですけどぉ…」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:00:06.07 ID:/kw+NLjk0

ガラガラピッシャン! !

ハルヒ「みんな待たせたわね!」

キョン「おいおい、そのうち扉が壊れ…って、なんだその台本みたいなものは」

ハルヒ「みたいなものじゃなくて、台本よ!後半書き直したの!」

みくる「ふえぇ!?また覚えなきゃいけないんですかぁ!?」

ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん、話の大筋はそんなに変えてないから」

古泉「とはいえ…あきらかに前よりも分厚くなってますよ?」

ハルヒ「そう?ほんのチョットよほんのチョット!」

長門「…これくらいなら問題ない」

キョン「…で、例の如く俺の台本はないわけか」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:00:47.53 ID:/kw+NLjk0

古泉「(まったく…涼宮さんのわがままにも困ったものです…)」

古泉「(どんな風に変えてきたんでしょうかね…って…こ、これは!?)」

みくる「(…ふえぇぇぇぇ!?こ、これやるんですかぁぁぁぁぁ!?)」

長門「(…これ…は…?)」

キョン「…ん?どうしたんだみんな、そんな驚いた顔して」

ハルヒ「きっと私の考えたストーリーがみんなの予想を上回ったのね!」

古泉「…ちょっと来て下さい」

キョン「な、なんだ急におい引っ張るな!」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:01:31.50 ID:/kw+NLjk0

古泉「これは…この台本は…」

キョン「なんなんだよ?その台本がどうかしたのか?」

古泉「…ひとつだけ確認します」

キョン「なんだ?」

古泉「涼宮さんが台本を作るのを手伝ったりしていませんよね?」

キョン「俺が?なんでそんな面倒くさいことをしなきゃならないんだ」

古泉「長門さんも…朝比奈さんも…まさかこんな台本作るのを手伝うわけないでしょうし…」

キョン「おいおい、一体なにが書かれてるっていうんだよ?」

古泉「…ひとつだけハッキリしました」

キョン「なにがだ?」

古泉「涼宮さんは…みなさんの…そしてご自分の正体に気付いています」

キョン「な、なんだと!?…それってまずいのか?」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:04:31.41 ID:/kw+NLjk0

古泉「まずいなんてものではありませんよ…」

キョン「具体的に、どうまずいんだ?」

古泉「涼宮さんがご自分の力に気付いたということは、その力を意のままに操れるということです」

キョン「あぁ、そうだな」

古泉「涼宮さんの力はこの世界を思いのままに変えることが出来ます」

キョン「そういえばそうだったな」

古泉「つまり…涼宮さんがその気になれば、世界を支配することも可能だということです」

キョン「ふーn…なんだと!?」

古泉「(本当に重大さがわかっているのでしょうかこの人は…)」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:07:35.40 ID:/kw+NLjk0

キョン「しかし…なんでハルヒが気付いたと思うんだ?」

古泉「ここを見て下さい…」

キョン「…これは…朝比奈さんの役のセリフか」

古泉「えぇ、そうです…」

キョン「何々…『私の力を使えば何でも出来るわ』か…」

キョン「確かにちょっと意味深な気もするが、考え過ぎじゃないのか?」

古泉「…その後の台詞までちゃんと読んでください」

キョン「…『宇宙人だろうと超能力者だろうと未来人だろうと…SOS団団長の私にかかれば…』…ってSOS団!?」

古泉「台本としては先ほどの台詞は"言い間違い"といった形で強引に話を進めています」

キョン「ってことは、"書き間違い"じゃないってことだな…」

古泉「えぇ…」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:14:21.19 ID:/kw+NLjk0

長門「…間違いなく涼宮ハルヒは気付いてる」

キョン「な、長門!?」

長門「…最近、まるで実験をしているかのような世界の改変が見つかったことからも、容易に推測できる」

キョン「って…それで気付いてなかったんじゃないのか?」

長門「…容易に推測できる」

キョン「…」

みくる「あうぅ…バレてるなんてことがバレたら…うぅ…」

キョン「!?朝比奈さんまで!?」

古泉「おやおや、皆さん来てしまっては…困ったものです」

キョン「古泉の言うとおり、みんな来ちゃったら認めたようなもんじゃないか!」

長門「今更取り繕っても無駄」

みくる「涼宮さんは…『あれぇ?二人は行かなくていいのぉ?』と仰ってました…」

キョン「…ハルヒ…」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:15:44.66 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ふふ…みんな慌てちゃって…面白いなぁ」

ハルヒ「そりゃそうよね?私の力さえあればなんでも思い通りなんだもの…」

ハルヒ「ふふ…ふふふ…あはははははははははははははははははははははは」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

古泉「とりあえず、僕は機関に向かいます」

キョン「そ、そうだな…」

長門「私もやることがある」

キョン「わ、わかった…」

みくる「あうぅ…私も…報告してこないと…うぅぅぅ…」

キョン「が、頑張ってください」

キョン「……」

キョン「…俺はどうすればいいんだ?」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:16:25.42 ID:/kw+NLjk0

ガラガラピッシュン…

ハルヒ「あら、キョン…遅かったじゃない?みんなはどうしたのよ?」

キョン「あ、あぁ…古泉はバイトがあるって帰った」

ハルヒ「ユキとみくるちゃんは?」

キョン「ふ、二人ともなんか用事があるって言ってたぞ…」

ハルヒ「ふ〜ん?団活よりも大事な用事ねぇ?へぇ?(ニマニマ)」

キョン「お、俺も今日はもう帰ることにする」

ハルヒ「あらそうなの?じゃあ私も帰ろうかしら」

キョン「お、おう!また明日な!」

ハルヒ「せっかくなんだから、一緒に帰るわよ?まさか断ったりしないわよね?」

キョン「…っ!…あ、あぁ、そうだな…たまには一緒に帰るか!はは!」

ハルヒ「なんだか微妙な反応ね…まぁいいわ」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:17:18.16 ID:/kw+NLjk0

(下校中)

キョン「な、なぁ…ハルヒ…」

ハルヒ「なによ?」

キョン「単刀直入に聞くぞ…」

ハルヒ「なんなのよ改まって」

キョン「…いつから…気付いてたんだ?」

ハルヒ「…さぁ?なんのこと?」

キョン「なんのことって…みんなのこととかお前のことだよ!」

ハルヒ「キョンが何を言ってるのかさっぱりわからないわよ」

キョン「この期に及んでとぼけるのはナシだろ…」

ハルヒ「…つまんないわねぇ」

キョン「!!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:18:00.06 ID:/kw+NLjk0

キョン「…で?なんでわかったんだ?」

ハルヒ「…まずおかしいと気付いたのはユキね」

キョン「長門?」

ハルヒ「えぇ、そうよ」

キョン「何がおかしいんだ?」

ハルヒ「たまに人間とは思えない力を発揮してるわよね?あからさまに」

キョン「そ、それは…まぁ…」

ハルヒ「それを見て疑問に思うなって言う方が無理な話じゃない?」

キョン「ぐ…確かに…お前の言う通りだ…」

ハルヒ「それで気になり始めて…朝倉さんと会話してるのを偶然聞いちゃったのよ」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:19:25.36 ID:/kw+NLjk0

キョン「(長門たちを盗み聞き!?…バレそうなもんだけどな)」

ハルヒ「そこはほら、私の力のおかげなんじゃないのかしら?」

キョン「なるほど…って…おいハルヒ」

ハルヒ「私が見つかりたくないと思ってたから、あの二人にも認識されなかったのよねー、きっと」

キョン「…おい!ちょっと待てハルヒ!」

ハルヒ「?なによ大きな声出してうるさいわね」

キョン「…ハルヒお前…今…心読んだのか?」

ハルヒ「今さらね…私がそんな力を望んで手に入れるのがそんなに不思議?」

キョン「なるほど…な…はは…」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:20:23.33 ID:/kw+NLjk0

キョン「つまりなんでもお見通しってことか…」

ハルヒ「そうでもないわよ?周りの心の声が絶えず流れてきてもウザいし、集中したときだけ聞こえるような力にしたもの」

キョン「…随分都合のいい力だな」

ハルヒ「私の都合のいいようにするのは当たり前じゃない」

キョン「…そうだな」

ハルヒ「ユキが宇宙人…対有機生命体コンタクト用ヒューマn」

キョン「宇宙人で良い」

ハルヒ「そうね…ユキが宇宙人だと気付いてから、もしかしたら他のみんなも?って疑うようになったわ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:21:12.34 ID:/kw+NLjk0

キョン「も、もしかして俺も疑われてたのか!?」

ハルヒ「あんたが疑いようもないバカなのは周知の事実じゃない」

キョン「…え、演技かもしれないじゃないか」

ハルヒ「あんたに限ってそれはないわ」

キョン「(ハルヒめ…後で覚えとけよ!)」

ハルヒ「聞こえてるわよ」

キョン「嘘ですすいませんでした」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:21:53.71 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「次に気付いたのは古泉君よ」

キョン「古泉…って、普段はなんの力もないんだぞ!?なんでわかったんだよ!」

ハルヒ「熱くなってボロボロと喋り捲ってるわよ?」

キョン「っ!?」

ハルヒ「ま、もう知ってることだしどうでもいいけどね…」

キョン「…で、古泉の力にはなんで気付いたんだ?」

ハルヒ「そうね…2ヵ月程前のこと覚えてるかしら?いつもの如くあんたと喧嘩したときよ」

キョン「あぁ…覚えてるぞ。あれは今年一番の大ゲンカと言っても良かった」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:23:07.28 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「その夜ムシャクシャして寝付けなかったから、近所を散歩してたのよ」

キョン「…」

ハルヒ「そしたら古泉君が女の人と車から降りて来たのよ。大スクープ!?とか思ったわ」

キョン「…まさか」

ハルヒ「そのまま後を尾けてみたわ…そしてそのまま二人は消えて行ったの…」

キョン「お楽しみでしたね!?」

ハルヒ「閉鎖空間によ」

キョン「…あ、あぁ、機関の人か」

ハルヒ「…何を想像したのよこのバカキョン」


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:24:10.39 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「正直みくるちゃんに関しては、つい最近まで気付かなかったわ」

キョン「朝比奈さんは特別な力があるわけでもないからな…」

ハルヒ「えぇ…だから、みくるちゃんは普通の人なのかと信じかけてたもの」

キョン「…で、なんでわかったんだ?」

ハルヒ「…私が心を読めるようになったのは3週間程前からよ」

キョン「3週間前…俺変なこと考えてなかったよな…って、それがなんなんだ?」

ハルヒ「ホント鈍いわねあんた…誰の心でも読めるようになったのよ?」

キョン「…!!…そういうことか…」

ハルヒ「そういうこと」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:25:15.22 ID:/kw+NLjk0

キョン「ってことは…長門か古泉がバレた時点で、自分の力にも気付いてたってことか…」

ハルヒ「そうよ。正確には、ユキと朝倉さんの会話にばっちり入ってたもの」

キョン「なるほど…な…」

ハルヒ「最初は自分にそんな特別な力があるなんて半信半疑だったわ」

キョン「…」

ハルヒ「けど…色々試してみてハッキリと気付いちゃったのよね」

キョン「…そうか……それが長門の言っていた実験ってやつか…」

ハルヒ「なんだ、ユキはそんなことまでわかっちゃうんだ」

キョン「…聞かなかったことにしてくれ」

ハルヒ「それ無理♪」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:26:00.44 ID:/kw+NLjk0

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「…もう聞きたいことは終わり?」

キョン「…あとひとつだけ最後に聞かせてくれ…」

ハルヒ「…なに?」

キョン「お前は…この世界を…どうするつもりなんだ?」

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「…残念、時間切れね!今日はここでお別れよ!じゃあね、キョン!」

キョン「お、おい!ハルヒ!…くそ…一番重要なことを聞けなかった…」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:26:49.30 ID:/kw+NLjk0

(翌日)

ガラガラピション…

谷口「おーっす!キョン!朝から相変わらず湿気たツラしてんなぁ!」

キョン「…ほっとけ」

国木田「どうしたの?…なんだか元気ないみたいだけど」

谷口「どーせ昨日の夜頑張り過ぎたんだろ?ひとりで!」

キョン「あー…いや、なんでもない、平気だ」

国木田「そうかい?あまり無理はしちゃダメだよ」

谷口「若いんだからほっとけば回復するっつーの!なぁ?キョン!」

キョン「…ありがとな、国木田」

谷口「…あれ?会話噛み合ってるようで実は俺スルー?」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:27:41.50 ID:/kw+NLjk0

キョン「(ハルヒは…まだ来てないのか…)」

谷口「あぁ、なんだ…カミさんが来てないから元気ないだけか!」

国木田「ちょっとやめなよ…様子がおかしいって…」

谷口「そんなことないって、これがいつも通りのキョンだろ?」

国木田「いつも通り…ならいいんだけど…」

谷口「お前は心配し過ぎなんだってーの!それでも中学からの付き合いかぁ?」

キョン「谷口」

谷口「あん?」

キョン「少し静かにしろ」

谷口「…は…はい…(ゾクゾク)」

国木田「…キョン…」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:29:15.94 ID:/kw+NLjk0

キョン「(ハルヒ…来ないつもりか…)」

キョン「(とりあえず、放課後になったらみんなと色々と話さないとな…)」

朝倉「----」

キョン「(って言っても…何を話したらいいのやら…)」

朝倉「---ーい?」

キョン「(実際のところ、俺には何もできないだろうしな…)」

朝倉「おーい?」

キョン「(そう考えると、俺は何もしない方が…)」

朝倉「もっしもーーーし!!!!」

キョン「…ん?」

朝倉「あぁ、良かったやっと気付いてくれた…」


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:30:08.16 ID:/kw+NLjk0

キョン「あぁ、朝倉…もしかして、長門から何か聞いたのか?」

朝倉「当然聞いてますとも。こんな大事なこと、長門さんが黙ってるわけないでしょ?」

キョン「それもそうだな…で?なんだ?」

朝倉「今日の放課後、ちょっとした話し合いをしたいの」

キョン「あぁ、俺も今考えていたところだ。みんなで集まっ」

朝倉「私と長門さんとあなただけで、ね」

キョン「…は?」

朝倉「じゃ、そういうことだから。よろしくね」

キョン「お、おいおい、ちょっと待てよ…はぁ…俺の意見は無視かよ…」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:30:55.04 ID:/kw+NLjk0

(休み時間)

キョン「…ん?…古泉?」

古泉「ちょっとよろしいですか?」

キョン「あぁ…俺も話があったんだ」

古泉「本日の放課後、機関の人間を交えて話し合いをする予定なんです」

キョン「そうなのか…ってことは、もともと放課後お前と話をするのは無理だったんだな」

古泉「いえ、その場にあなたにも出席していただきたいのです」

キョン「…は?」

古泉「本当は長門さんや朝比奈さんとも話したいことがあるのですが…」

キョン「お、おい…古泉?」

古泉「とりあえず、また放課後迎えに来ますから。それではまた」

キョン「おい!おいって…あぁぁもぉ!なんだってんだよ!」


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:31:42.03 ID:/kw+NLjk0

(昼休み)

みくる「キョンくーーーーん!」

キョン「朝比奈さん?」

みくる「はぁ…はぁ…」

キョン「どうしたんです?そんなに急いで…ってまさか…」

みくる「今日の放課後…一緒に来て欲しいんですっ…!」

キョン「やっぱりですか…というか、声が大きいので周りに勘違いされますよ」

みくる「!?ふえぇ!?…ほ、放課後迎えに来ますからぁぁぁぁぁぁ!!!」

キョン「あー…断る暇すらなく、か…まったく…」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:33:42.37 ID:/kw+NLjk0

(授業中)

キョン「(さて…どうしたもんかな…)」

キョン「(それぞれの立場上…今回は自分たちの組織内ですら話がまとまってないんだろうな…)」

キョン「(かといって…俺が参加したところでどうにかなるものなのか…?)」

キョン「(…いや、きっと力にはなれないだろう…な)」

キョン「(俺には…俺にしか出来ない何かがあるんじゃないか…?)」

キョン「(それぞれの組織において、鍵と称されている俺じゃなくて…)」

キョン「(ただの一般人である俺にしか出来ない事が…)」

キョン「(…よし、やってみるか)」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:35:06.91 ID:/kw+NLjk0

(放課後)

ガラガラピッシュン

古泉「迎えに来ましたよ」

みくる「キョンく〜ん…?」

朝倉「…キョン君ならいないわ」

古泉「おや、朝倉さん…まさかあなたがたが彼に何かを…?」

みくる「…ふぇっ!?そ、そんな!?」

朝倉「何を勘違いしてるのかしらないけれど、HRが終わる頃にはもういなかったわよ…まったく」

古泉「逃げられ…ましたか…」

みくる「ふえぇぇ……」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:35:48.07 ID:/kw+NLjk0

キョン「(わるいなみんな…俺は俺なりにやらせてもらう…)」

キョン「(今回はみんなの力に頼ってもどうにもならない気がするんだ…)」

キョン「(今までと違って、ハルヒは全てわかってるんだからな…) 」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:36:48.33 ID:/kw+NLjk0

ピンポーン

ハルヒ「はーい…って、あら、キョンじゃない」

キョン「!?…すごいな、インターホン越しに相手がわかる力もあるのか」

ハルヒ「…本気かしら?」

キョン「俺はいつだって本気だ」

ハルヒ「正真正銘のバカキョンね…カメラ機能も知らないの?」

キョン「…いや、知ってたぜ」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:38:00.07 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「それで、何の用なのかしら?」

キョン「ちょっと、そこの公園で話でもしないか?」

ハルヒ「構わないけど…なに?まさか命ごいとか言わないわよね」

キョン「しないとマズイのか?」

ハルヒ「言ってみただけよ」

キョン「あぁ、わかってる」

ハルヒ「(…キョンのくせに妙に落ち着いてるわね…)」

ハルヒ「(なんでかしら…全然心が読めないわ…)」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:38:42.97 ID:/kw+NLjk0

(公園)

ハルヒ「で…話ってなんなのよ?」

キョン「昨日の話の続きだ」

ハルヒ「昨日って…あぁ、世界をどうするつもりかってやつ?」

キョン「それだ」

ハルヒ「そうねぇ…どうしようかしら」

キョン「…」

ハルヒ「世の中宇宙人や超能力者がいるのが当たり前で…とかはどう?」

キョン「なんだそりゃ」

ハルヒ「面白そうだから言ってみただけよ」

キョン「おい、ハルヒ!俺は真面目に聞いてるんだ!」


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:39:24.61 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ちょっとふざけただけじゃない!うるさいわよバカキョン!」

キョン「…わるい」

ハルヒ「ねぇキョン…実際、どんなふうになったら面白いと思う?」

キョン「…俺が言うことに意味があるのか?」

ハルヒ「さぁ?言ってみなければわからないわよ」

キョン「…そうだな……」

ハルヒ「…」

キョン「俺は…今のままが一番良い」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:40:17.59 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「…キョンらしい平凡なつまらない答えね」

キョン「悪かったな、俺は平凡が好きなんだ」

キョン「今みたいに古泉がいて長門がいて朝比奈さんがいて…」

キョン「そしてその中心にはハルヒがいて…」

キョン「俺の周りでやかましく騒いでて…」

キョン「なんだかんだ文句言いながらも、いつでもそばにいて…」

キョン「そんな平凡な日常がたまらなく大好きなんだ」

ハルヒ「…一歩間違ったら告白みたいに聞こえるわね、なんだか」

キョン「あながち間違ってもいない」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:41:26.24 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ど、どういう…ことよ…」

キョン「さっきのは告白ではないが…

ハルヒ「…(ドキドキ)」

キョン「告白もするつもりってことだ」

ハルヒ「あ、あああああんたが何を言いたいのかさっぱりわからないわよ!」

キョン「そうか?俺なりにわかりやすく言ってるつもりだが」

ハルヒ「キョンなりにじゃなくて、誰にでもわかるように言いなさいよ!」

キョン「お前が好きだ」

ハルヒ「…っ!?」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:42:26.92 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「な、なによそれ…そんなこと言われたって…私は考えを変えないわよ!」

キョン「別にそんなつもりで言ったわけじゃないんだから、構わない」

ハルヒ「じゃあどういうつもりよ!?」

キョン「確かにお前に会いに来た理由は、お前が勘繰ってる通りだ」

ハルヒ「…そうだろうと思ったわ」

キョン「だけどな、話してるうちにそんなことどうでもよくなってきちまったんだ」

ハルヒ「…」

キョン「ただ、俺がお前を思ってることを伝えたくなった」

ハルヒ「…返事、今すぐ必要かしら?」

キョン「いや、ゆっくり考えてくれ…今日は帰る」

ハルヒ「…わかったわ」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:43:14.31 ID:/kw+NLjk0

(ハルヒ宅)

ハルヒ「(キョンが私の事を…?ほ、本気かしら…)」

ハルヒ「(これって…私がその気になればキョンと付き合えるってことよね…?)」

ハルヒ「(私の力があれば今更って気もするけど…)」

ハルヒ「(…でも力を使って言われても嬉しくはないものね)」

ハルヒ「(…キョンと恋人同士…かぁ…えへへ)」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:45:05.43 ID:/kw+NLjk0

(キョン宅)

キョン「(…とりあえず、第一段階は終了だな)」

キョン「(後は…結果次第になっちまうけど)」

キョン「(頼むぜハルヒ…俺の計画を狂わせないでくれよ…)」

キョン「…ふぅ…(しっかし、世界のためとはいえ緊張したぜ…)」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:46:10.66 ID:/kw+NLjk0

(翌日昼休み)

古泉「…え?涼宮さんに告白した…ですって?」

キョン「あぁ、そう言った」

古泉「なんでまたこんな時に…」

キョン「ちょっと考えがあってな…」

古泉「考え…ですか」

キョン「何か企んでること、ハルヒには言うなよ?」

古泉「もちろんですよ」

古泉「けど…あまり機関を忙しくさせないでくださいね」

キョン「あぁ…無理かもしれんが、善処はしてみよう」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:47:21.32 ID:/kw+NLjk0

(放課後)

ハルヒ「キョン…ちょっといいかしら?」

キョン「あぁ、なんだ?」

ハルヒ「いいから、ちょっと来なさい」

キョン「そんな引っ張らなくたって行くっての」

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「…」

ハルヒ「この辺でいいわ」

キョン「で、わざわざ中庭なんかに連れてきて、なんなんだ?」

ハルヒ「…昨日の返事をしてあげようかと思っただけよ」

キョン「昨日の?…あぁ、あれか(…来たか)」


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:48:36.82 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「………ぁ……ょ…」

キョン「え?なんだ?」

ハルヒ「…………ぁげても…ぃ…ょ」

キョン「…よく聞こえないんだが」

ハルヒ「付き合ってあげてもいいって言ってるのよ!!」

キョン「…まじか?」

ハルヒ「な、なによ?嫌そうね!!」

キョン「い、いやいやいやいや、そんなことはない嬉しいぞハルヒ」

ハルヒ「そ、そう!よかったじゃない!ふ、ふん!」


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:50:37.62 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「じ、じゃあ私は先に部室に行ってるわよ!」

キョン「…あ、あぁ…」

ハルヒ「あんたもさっさと来なさいよね!みんなにも報告するんだから!」

キョン「ま、まじか?」

ハルヒ「団長としてのケジメよ!」

キョン「…(まぁ、その方がやりやすくなるか)」

ハルヒ「遅れるんじゃないわよ!」(タッタッタッタッタ…)

キョン「…さて、とりあえずのハードルは、クリアした…かな」

キョン「自分で考えたこととはいえ…こっからは気が重いな…」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:51:24.18 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「みんな集まったわね!?」

古泉「どうしたんですか?あらたまって」

みくる「ふえぇ?」

長門「…」

キョン「…」

ハルヒ「実は…団長としてみんなに伝えておかなければいけないことが出来たの…」

キョン「…」

ハルヒ「私、キョンと付き合うことになったわ」

みくる「ふえぇ!?」

長門「…!!」

ハルヒ「団長として団員との恋愛なんて恥ずべきことなんだけど…ケジメとして報告させてもらったわ!」


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:53:44.47 ID:/kw+NLjk0

古泉「それはそれは…おめでとうございます」

みくる「おめでとうございます!」

長門「…呪われろ(ボソッ)」

ハルヒ「何か言ったかしら?ユキ」

長門「おめでとう、と言っただけ」

ハルヒ「そう?ありがとう」

古泉「涼宮さんを大切にしてくださいね」

キョン「あぁ、任せとけ」

長門「…チッ」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:55:10.32 ID:/kw+NLjk0

キョン「…さて、報告はもういいだろ…ハルヒ」

ハルヒ「え…な、なによ?」

キョン「今日はもうお開きにしよう」

ハルヒ「な、なに言ってんのよ!?まだなにもしてないじゃない!」

キョン「今日は団活は中止にして、帰りながらデートしようぜ」

ハルヒ「な、なによ…しょ、しょうがないわね!」

キョン「そういうわけでみんな、悪いが俺達はもう帰る」

ハルヒ「みんなも帰っていいわよ!」

古泉「はい、お疲れ様です」

みくる「…らぶらぶですねぇ」

長門「…ブツブツブツブツブツブツ」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:56:27.20 ID:/kw+NLjk0

前回分はここまでで終わりです
多少修正(追加)もしてますが、話は変わっていません

これからが新規分となります
また前回同様、ひっそりとオナニーを続けさせていただきます

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:02:02.74 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ちょっとキョン!もうちょっとゆっくり歩きなさいよ!」

キョン「あ、あぁ、悪い…つい一人のペースで歩いちまった」

ハルヒ「まったく…デリカシーのかけらもない男ね!」

キョン「そういうなよ…これでも一応お前の彼氏なんだからな」

ハルヒ「そ、そうなのよね…か、彼氏なのよね…」

キョン「…ハルヒ、顔真っ赤だぞ」

ハルヒ「っ!?う、うるさいわね!!」

キョン「あ、ちょっと寄り道してもいいか?」

ハルヒ「?良いけど…どこに行くのよ?」

キョン「すぐ近くだ」


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:04:43.50 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ここ?」

キョン「あぁ」

ハルヒ「なんだ、服を見たかったの」

キョン「ハルヒと一緒にな」

ハルヒ「そんなの一人でもいいじゃない、子供じゃないんだから」

キョン「そうは言ってもだな、お前の好みがわからないとな…デート用の服なんだから」

ハルヒ「なっ…そ、そうね!キョンのセンスじゃ恥ずかしくて一緒に歩けないものね!」

キョン「…そこまでひどくはないと思うんだが」

ハルヒ「ほ、ほら!さっさと中に入るわよ」

キョン「やれやれ…」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:13:27.13 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「これカッコイイわね!」

キョン「そ、そうなのか…?…どう見ても俺には似合いそうにないが…」

ハルヒ「…そうね」

キョン「はっきり言うなおい」

ハルヒ「あ!これなら似合いそうじゃないかしら?」

キョン「お、いいじゃないか」

ハルヒ「でしょ!私のセンスに間違いはないわよ!」

キョン「あぁ、ちょっと試着してみる」

ハルヒ「あ、じゃあついでにこれも着てみなさいよ」

キョン「お、おぉ」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:15:18.81 ID:/kw+NLjk0

古泉「…清々しいほど普通ですね」

みくる「羨ましいです…」

長門「…」

古泉「これなら問題なさそうですし、我々も帰りましょうか」

みくる「そうですねぇ…」

長門「…」

古泉「では、私は失礼しますね(長門さんが怖いですし)」

みくる「あ、じゃあ私も帰ります(長門さんが怖いですし)」

長門「…」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:18:41.96 ID:/kw+NLjk0

キョン「…どうだ?」

ハルヒ「…な、なかなか似合ってるわよ!さすが私が選んだだけはあるわね!」

キョン「そうか?…もう一着も着てみるか」

ハルヒ「え、えぇ、そうしなさいよ」

ハルヒ「(か…かっこいいじゃないのよ…悔しいけど)」

ハルヒ「(なんか…こうしてるだけでデートみたいなもんよね)」

ハルヒ「(しかも服を買ってるってことは…休日にもデートしたいってことよね!?)」

ハルヒ「(わ、私は何を着て行けば…キョン好みの服なんてあったかしら…)」





長門「…」(ジーッ)

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:22:19.36 ID:/kw+NLjk0

キョン「ちょっと調子に乗って買い過ぎたな…」

ハルヒ「私の選んだ服なんだからいいじゃない」

キョン「それはそうなんだが…デート費用も残しておかないとな」

ハルヒ「そ、そんなの…お金がないなら公園を散歩するとかくらいでも…」

キョン「それはちょっとなぁ…」

ハルヒ「な、なによ!私と一緒にいるだけじゃ不満だって言うの!?」

キョン「ハルヒとの初めてのデートなんだ、もっとデートらしいデートがしたい」

ハルヒ「キョン…」




長門「…」(ジーッ)

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:24:57.22 ID:/kw+NLjk0

キョン「それじゃ、今度の日曜は空けておけよな」

ハルヒ「わ、わかったわ…せいぜい楽しませなさいよ!」

キョン「はいはい、お任せ下さいお姫様」

ハルヒ「そ、それじゃ!また明日学校でね!」

キョン「あぁ、また明日な」

キョン「…」

キョン「…ふぅ」

キョン「…頑張るか」




長門「…」(ジーッ)

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:28:02.21 ID:/kw+NLjk0

(ハルヒ宅)

ハルヒ「今度の日曜日かぁ…」(ポーッ)

ハルヒ「土曜日はいつも通り不思議探索をするとして…」

ハルヒ「学校でも毎日会ってるのに土日も会えちゃうのね!」

ハルヒ「しかも日曜日は正真正銘二人っきり…」

ハルヒ「わ、私も服用意しとかなきゃ!」

ハルヒ「…し、下着も念のためセットの方がいいわよね…」

ハルヒ「キョンって、可愛い感じの方が好きなのかしら…」

ハルヒ「…って、今から悩んでてもしょうがないわ!もう今日は寝ましょう!」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:31:49.65 ID:/kw+NLjk0

(日曜日)

ハルヒ「はぁ…はぁ…」(タッタッタッタッタ)

ハルヒ「(まさか寝坊しちゃうなんて!)」(タッタッタッタッタ)

ハルヒ「(昨日の深夜の特番なんか見るんじゃなかったわ!)」(タッタッタッタッタ)

ハルヒ「(そもそもあんな時間にチュパカブラス特集なんて組むテレビ局が悪いのよ!)」(タッタッタッタッタ)

ハルヒ「(私の力で私の興味ありそうな番組は全部ゴールデンにしちゃおうかしら…)」(タッタッタッタッタ)

ハルヒ「はぁ…はぁ…」(タッタッタッタッタ)

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:35:16.68 ID:/kw+NLjk0

キョン「…お?」

ハルヒ「はぁ…はぁ…わ、悪かったわね…はぁ……遅く…なったわ…はぁ…はぁ…」

キョン「いや、時間ぴったりなんだから謝らなくてもいいぞ」

ハルヒ「はぁ…そ、そうよね…はぁ…はぁ…あんたが早すぎる…のよね…はぁ…はぁ…」

キョン「とりあえず、息を整えろ」

ハルヒ「え、えぇ……すぅーー……はぁーー……すぅーー……はぁーー…………ふぅ」

キョン「落ち着いたか?」

ハルヒ「えぇ、もう大丈夫よ!」

キョン「よし、じゃぁ行くか」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:49:56.22 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「ところで、どこに行くのよ?私何も聞かされてないわよ?」

キョン「別に変なところには連れてったりしないから安心しろ」

ハルヒ「あやしいわねー…教えなさいよ!」

キョン「行けばわかるって…心読んだりするなよな?」

ハルヒ「そんな野暮なことしないわよ…しょうがないわね、ついて行ってあげるわ」

キョン「それじゃ…まずはバス停まで行くぞ」

ハルヒ「バス停?ずいぶん遠出するのね」

キョン「初めてのデートだからな、気合い入れていくさ」

ハルヒ「そ、そうね…」

キョン「えーと…お、次のバスもすぐ来るみたいだな」

ハルヒ「そ、そうなんだ…」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 18:56:07.62 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「(…あっ…キョンの服…)こ…この前買った服着てきたのね」

キョン「ん?…あぁ、せっかく今日のために買ったんだからな」

ハルヒ「や、やっぱりなかなか似合ってるじゃない…」

キョン「お前のセンスのおかげ、なんだろ?」

ハルヒ「そ、そうよ!感謝しなさいよね!」

キョン「あぁ、ありがとな」

ハルヒ「(な、なによ…やけに素直じゃない…それより…)」

キョン「…あー…安心しろハルヒ、俺の好みど真ん中ストライクだ」

ハルヒ「!?…あ、あんたの好みはわからないから私も大変だったのよ!」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:00:36.07 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「(キョン…まさか心が読めるわけじゃないわよね?)」

キョン「…なんだその眼は?お前と違って俺は心は読めないから安心しろ」

ハルヒ「!?…な、なんでわかるのよ!」

キョン「お前がわかりやす過ぎるだけだ」

ハルヒ「悪かったわね!単純で!」

キョン「あぁ、単純だな」

ハルヒ「な、なによ!悪いかしら!?」

キョン「単純でわかりやすいくせに強がるから可愛くて仕方がないんだけどな」

ハルヒ「な、な、な、な、な、な、な、な、な…」

キョン「落ち着けハルヒ」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:05:29.46 ID:/kw+NLjk0

キョン「お?バスが来たみたいだ」

ハルヒ「そ、そそ、そうね!は、早く乗りましょう!」

キョン「そんな慌ててもバスのドアが開くのが早まるわけじゃないぞ」

ハルヒ「わ、わわわかってるわよ!」

キョン「はは、本当に可愛いなハルヒは」

ハルヒ「…っっっっっっ!!!???」

−プシューッ

キョン「お、開いたぞ。さ、乗ろうぜ」

ハルヒ「え、えぇ…(こんなんで今日一日もつのかしら私…)」

−プシューッ




(座席最後部)

長門「…」ジーッ

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:10:33.84 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「それにしてもキョン」

キョン「ん?」

ハルヒ「ずいぶん遠くまで行くのね」

キョン「あぁ、もうちょっとだ」

ハルヒ「もうちょっとって…海まで見えてきたけど…」

キョン「あぁ、そうだな」

ハルヒ「まさか海で泳ぐ気?まだ早いわよ?」

キョン「さすがにそれはないから安心しろ」

ハルヒ「それならいいけど…」



(座席最後部)

長門「…」ジーッ

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:17:08.98 ID:/kw+NLjk0

−プシュー

キョン「着いたぞ」

ハルヒ「ここって…」

キョン「見ての通りだ」

ハルヒ「…水族館?」

キョン「あぁ、どっからどう見ても水族館だな」

ハルヒ「どうして水族館を選んだのよ?」

キョン「海には不思議な生物がいっぱいいるだろ?ハルヒも興味があるんじゃないかと思ってな」

ハルヒ「あ、あんたにしてはなかなかな良い選択じゃない」

キョン「お褒めにあずかり光栄でございます」




-プシュー ブロロロロ

長門「…」ジーッ

長門「…津波来い」ボソッ

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:21:24.34 ID:/kw+NLjk0

キョン「高校生2人お願いします」

ネーチャン「はーい…高校生2人で…3600円になります」

キョン「あ、はい」

ネーチャン「4000円お預かりしまーす…400円のお返しです」

キョン「はい」

ネーチャン「こちらがチケットになります。ごゆっくりお楽しみくださ〜い」

キョン「どうも」

キョン「ほれ、ハルヒ」

ハルヒ「あ、ありがと…じゃあ行くわよ!」

キョン「お手柔らかに、な」




長門「…チケッ…ト?」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:26:27.30 ID:/kw+NLjk0

長門「…1枚」

ネーチャン「…あら?お嬢ちゃん1人なの?」

長門「1人」

ネーチャン「中は結構暗いわよ?大丈夫?」

長門「問題ない」

ネーチャン「そう?それじゃ…えーと…中学生1枚で1400円になります」

長門「…中学生」

ネーチャン「あ、あれ?し、小学生だったかしら?ごめんなさいねぇ…小学生はっと…1000円ね」

長門「…」

ネーチャン「…」

長門「…はい」

ネーチャン「はい、ありがとう。じゃあこれチケットね?気を付けて行くのよ〜?」

長門「…大丈夫」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:32:08.43 ID:/kw+NLjk0

ハルヒ「な、なにコイツ!?普通に気持ち悪いわね」

キョン「あぁ、それはオニカサゴだな?」

ハルヒ「オニカサゴ?鬼なの?」

キョン「普通に魚だ。毒がある魚だけどな」

ハルヒ「へぇ…あ!キョン!あれは!?」

キョン「あれはミノカサゴ…さっきと同じくカサゴの仲間で、あれも毒がある魚だ」

ハルヒ「何気に詳しいわねキョン」

キョン「今日の為に調べたに決まってるだろ」

ハルヒ「むむむ…こうなったらキョンも知らない魚を見つけてやるわ!」

キョン「なんでそんなところで対抗意識燃やしてるんだ…」



長門「…」(キョロキョロ)

長門「…」ジーッ

長門「…美味しそう」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:33:37.67 ID:/kw+NLjk0

今職場なのでそろそろ帰って続きは自宅でやります
出来ればご飯も食べたいので、2時間後くらいには戻る予定です

今日こそ完結させたいので、保守していただけると助かります

122 名前: ◆MhatVGlB4. [sage] 投稿日:2009/04/14(火) 19:38:13.04 ID:/kw+NLjk0

必要かどうかわかりませんが、念のため酉を



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