キョン「どうしたんだよハルヒ」


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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 03:48:38.96 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「キョン、来たわよ」

ハルヒ「今日であんたも17歳ね」

ハルヒ「あんた、本当はもう高2なのよ」

ハルヒ「……誕生日おめでとう、キョン」

ハルヒ「あんたがこうなったのもあんたの誕生日だったわね」

ハルヒ「…もう三年もたつのね」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 03:51:51.10 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「長いような短いような…」

ハルヒ「あたしももう高2よ。あんたが寝てる間に成長したんだから」

ハルヒ「……いつになったら起きるの?キョン」


ハルヒ「……あんたが居ないと楽しくないわよ…」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 03:54:18.99 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「…花の水、変えてくるね」

ガラガラ…ピシャ







キョン「…ん?」

キョン「どこだここは…病院…?」

キョン「…なんで俺病院に居るんだ?」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 03:56:11.60 ID:/Knuc+7dO

キョン「たしか俺は市内探索を…」
ガラガラ

ハルヒ「!」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「キョン…!」

キョン「どうしたんだよハルヒ、そんなに驚いて」

ハルヒ「嘘…!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 03:58:56.76 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「キョン!」
キョン「おわっ」

ハルヒ「キョン…!」
キョン「は、ハルヒ!?(おいおいどうなってんだ…ハルヒが俺に抱き付いてくるなんて)」


ハルヒ「良かった…!」

キョン「す、すまん…離れてもらえるか?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:01:58.41 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「あ…ごめん…」

キョン「…いや…」

ハルヒ「…良かった……」

キョン「!は、ハルヒ!?なんで泣いてんだ?」

ハルヒ「嬉しくて泣いてんのよ!あんたが起きるなんて…」

キョン「起きるって…俺そんなに寝てたのか?」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:04:46.91 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「そうよ!三年間も植物人間状態だったのよ」

キョン「三年間も!?」

ハルヒ「…うん」

キョン「…ハルヒ、俺は今何歳だ」

ハルヒ「…17よ」

キョン「それっておかしくないか?」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:10:15.49 ID:/Knuc+7dO

キョン「俺は三年前にはお前とは会って居ない、会ったのは高校生になってからだ」

ハルヒ「え…?」

キョン「俺は三年前からの記憶がちゃんとあるんだ。高校生になってお前と出合って、お前に振り回されていたんだ。SOS団の団長のお前に」

ハルヒ「何言ってるのよキョン…!」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:14:17.98 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「あたしとあんたは幼馴染みでしょ!?」

キョン「…何言ってんだハルヒ?」

ハルヒ「こっちのセリフよ!」

キョン「お前と俺は幼馴染みなんかじゃない…」

ハルヒ「何言ってんのよ!」

キョン「お前はSOS団の団長だろ?」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:17:43.90 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「…SOS団…?」

キョン「我儘で気の強い、宇宙人や未来人や超能力者を追い求めているSOS団の団長、それがお前 ハルヒ「何言ってるの…キョン、どうしちゃったの…」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ ] 投稿日:2009/04/07(火) 04:21:51.50 ID:/Knuc+7dO

ハルヒ「宇宙人なんて居るわけないじゃない!」

キョン「…どうしたんだよハルヒ…」

ハルヒ「あんたこそどうしちゃったのよ!あたしはあんたの幼馴染みよ!」

キョン「ハルヒ…?」

ハルヒ「この三年間…あたしが…っ」

ガラガラ


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:25:45.45 ID:/Knuc+7dO

キョン母「キョン君…!」

ハルヒ「…っ…」

キョン「ハルヒ…帰るのか…?」

ピシャン

キョン母「キョン君!嘘!奇跡だわ…!」

キョン「おふくろ、俺、どのくらい寝てた?」

キョン母「三年間よ!ハルヒちゃんは毎日来てくれてたのよ…!」

キョン「毎日?おふくろハルヒのこと知ってるのか?」

キョン母「当たり前じゃない!」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:28:23.39 ID:/Knuc+7dO

キョン「(どうなってんだこりゃ…ハルヒのせいか?いや、あの様子を見ると違うよな…)」

キョン母「お母さん、お医者様呼んでくるわね」

キョン「え?あ、ああ」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:37:06.43 ID:/Knuc+7dO

キョン「…朝比奈さん」

なぜか俺は、無意識に朝比奈さんの名前を呟いた



あいたいな、朝比奈さんに

なぜか朝比奈さんにすごく会いたい
なぜだろう
長門でも古泉でもいいから、SOS団の面々に会いたかった
…ハルヒがどうかしちまったのか、俺がどうかしちまったのか
答えは前者だと願いたいがあの様子を見る限りそれはないだろう
多分俺が三年間寝てたってのは事実だ
じゃあ俺の高校生活はどうなるんだ?朝比奈さんは?あの無口な宇宙人は?にやけ面の超能力者は?我儘な神様は?


わけが解らん

俺は白い天井に向かって呟いた
ショートカットの宇宙人でも来て説明してくれたらいいんだが

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 04:48:50.50 ID:/Knuc+7dO

数日後
医者「おめでとうございます、もうすぐ退院できますよ」

キョン母「良かったわねキョン君!」

医者「これはまさに奇跡ですね、後遺症も何も残らないなんて。リハビリも必要ありませんよ」

長々と話す医者の話が、俺には他人のことを話しているように聞こえた
この数日間、ハルヒは一度も見舞いには来なかった

母の話によれば、俺は三年前に事故で意識不明の状態となり、三年間植物人間状態だったらしい
無論、そんなことは記憶にはないのだが、母には言わなかった
言ったら面倒くさいことになりそうだからな

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/07(火) 04:54:06.41 ID:/Knuc+7dO

いったいどうなってんだ?
ハルヒと俺が幼馴染みなわけがない
高1の春に、俺はハルヒと出会ったはずだ
だがこの世界ではそうではないらしい
つまりここは俺が住んでいた世界とは違うってことか?

説明に来てくれよ、宇宙人でも超能力でもいいから


そんなことを毎日考えているうちに、俺は退院日を迎えた

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:03:39.97 ID:/Knuc+7dO

病院の玄関で小西まなみ似の看護婦から花束を貰い、俺は何人かの看護婦に見送られタクシーに乗り込む

タクシーの窓から見える風景は、どことなく見覚えのあるものだった

キョン母「それにしても良かったわ…本当によかった…妹ちゃんもきっと喜ぶわよ」

キョン「…そうだな」

妹は喜ぶのだろうか
シャミセンは居るのだろうか

なんだか俺は、家に帰るのが不安だった


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:09:53.94 ID:/Knuc+7dO

キョン「…ただいま」
この家のドアノブを握り締めるのも久し振りな気がするな
ドアノブを回し、ドアを開けるとそこには生意気な、可愛い妹がいた

妹「キョン君だ!」

驚いたような、どこな怖がっているような顔だった
おいおい、なんだその反応は
キョン妹「えへへー成長したねー」

妹は、ほっとしたのかどこかいたずらな笑顔を見せた
妹から成長したねと言われるのは、兄としてとても複雑な気分である


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:15:08.49 ID:/Knuc+7dO

靴を脱ぎ自宅に上がると、俺はふとシャミセンのことを思い出した
キョン「なあ、シャミセンは?」

キョン母「シャミセン?シャミセンなんてあったかしら」

どうやら楽器と勘違いしているらしい
キョン「そうじゃなくて猫だよ、猫」

キョン母「猫なんてうちには居ないわよ」

キョン妹「キョン君へんなの」


……やっぱりか


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:17:19.70 ID:/Knuc+7dO

ぎょきゃー!

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:30:33.99 ID:/Knuc+7dO

キョン母「キョン君ご飯できたわよ、起きなさい」

…はっ、うっかり寝てた
あの後疲れてソファーで眠ってしまったらしい
時計を見ると、針は7をさしていた
そろそろ腹も減った頃だ

キョン「いただきます」
キョン妹「いっただきまーす」
飯の内容は、アジの塩焼きに味噌汁、肉じゃがといった、健康的な男子高校生にはちと足りないような気もするが、病院食ばかり食べていた俺の腹を満たすには十分だった
そもそも俺は健康的かどうかも解らないしな
自分では健康的と思っているのだが

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:42:36.90 ID:/Knuc+7dO

キョン「ご馳走さま」

キョン母「ねぇキョン君、退院したばかりのキョン君にいきなりこんな話するのもなんだけど…」

キョン「なんだ?」

キョン母「高校の話なんだけど…」
キョン母「キョン君は中学生二年生から植物人間状態になってたから高校の勉強は全然解らないでしょう?だから高校は特別に一年から入るとか、キョン君がいいのならだけど」

ペラペラと俺の高校について話す母が、俺には赤の他人のことを話している赤の他人にしか見えなかった

ああ、大変だな。
俺にそんな話をされてもこのぐらいにしか思えない
俺は高校生として勉強した記憶があるのだ
テストを受けて赤点ギリギリになったことも、鮮明に思い出せる
そんな人間に今更高校入学の話をしても、他人の話にしか聞こえない
俺はなんで母親にこんな話をされてるんだ?
解らない、いったい何が起こってるんだ
なんで俺、ここにいるんだ?


宇宙人、でもいて説明してくれたらな


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:45:04.18 ID:/Knuc+7dO

もう知らんっ!ぼかぁもう寝るっ!

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 05:56:46.44 ID:/Knuc+7dO

気付くと俺は玄関へ向かっていた
キョン母「ちょっとキョン君」

キョン「コンビニいってくる」
ドアノブに手をかけ、ドアを押す
キョン母「すぐ戻って来なさいよ?」
ギィ、バタン
ドアが閉まるのを確認して、俺はコンビニとは反対方向に向かって歩いていた
もう春だと言うのに、妙に寒い
もう少し着込んでくるべきだったか
そんなことを考えながら、俺はあいつの一人暮らしにしては贅沢なマンションに向かって歩いていた

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 06:13:14.47 ID:/Knuc+7dO

数分後
目的地が見えてきた
寒いのでやや小走りで向かう
近くにあった自販機でコーヒーを買った
朝比奈さんのお茶が飲みたい。コーヒーは朝比奈さんが入れるお茶に比べたら比べる価値もないほど不味かった


着いた。
相変わらずでかいマンションだ
俺はオートロック式のマンションの玄関に立ち、部屋の番号を――――

待てよ
あいつは、あの宇宙人は居るのだろうか
ここは俺がいた世界ではないんだ
いたとしても俺のことを知らないかも知れない

…ええい、いちかばちだ!

俺は部屋の番号を
押した


…なかなか出ない
さっきから呼び出し音が五回かかった

ガチャ
出た!
「…あい、なんすか」
案の定、インターホンから聞こえてきたのは、汚いおっさんを連想させるような声だった

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 06:37:41.07 ID:/Knuc+7dO

俺は頭にでっかいタライが落ちて来て、深い穴へ落ちていくようなそんな錯覚に囚われていた
長門が居ない?あいつはどこにだっているスーパー宇宙人だろ?

「…チッ」
インターホンから舌打ちが聞こえ、それ以上何も聞こえて来なかった

長門が居ない
この世界には、長門が――
絶望感。もう俺には何も無い
俺は、どうしたら、
「あの…」
ん?この声、確かに聞き覚えがある。もしかして、

俺はとっさに振り向く、と そこには―――
「退いて貰えます?そこ…」

眼鏡をかけたショートカットのどこか弱気そうな
見慣れた宇宙人の姿があった

キョン「長、門?」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 06:48:26.00 ID:/Knuc+7dO

………ん?前にも同じようなことがあったような
確かにこの長門は長門だが、長門じゃあないような
…ってそんなこたぁどうだっていいんだよ!
これは長門だ!長門に会えたんだよ!
俺の脳内は今長門に会えた喜びと希望で満ち溢れている!
キョン「長門!」
俺は長門の肩を掴む、と長門がひっと声を漏らした
…ん?なんだ?この違和感
長門はこんな感情を顔に出す奴ではない。仮に出したとしても俺にしか解らない。だがこの長門の顔はどうだ?
この表情は10人中10人が解るだろう、怯えてる表情だと言うことが
長門「は、放して…」
その怯えかたは、どことなく朝比奈さんを連想させるものだった



おやすみ

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 07:04:42.59 ID:/Knuc+7dO

キョン「長門、聞いてくれ!」
気付くと俺は今まであった出来事を怒濤の勢いで長門に話していた

俺は三年前に事故にあい、三年間植物人間で、おまけにハルヒは幼馴染みとか言い出すんだ。おかしいよな?これは誰がしくんだことなんだ?ハルヒか?それとも俺?それとも他の誰か?

なあ教えてくれよ、
キョン「長門!」

長門は、怯えた表情で、俺をまるで怪物を見るような目で見つめこう言い放った
長門「あなた…誰ですか…」

この言葉は、最後の希望の光を消すのには充分すぎる言葉だった



本当に寝る

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:01:03.74 ID:/Knuc+7dO

キョン「長…門…」
長門「…あああの私家に…」
キョン「あ、ああすまん」俺はインターホンの前から退く
長門はほっとしたようなだけどまだどこか怯えてるような顔になって、ボタンを押した
405
長門の部屋の番号だ
………うわ、最低だ俺
長門はこちらをちらちら見てくる
早く帰れと催促しているように見える
しかし俺はその場から動けなかった
ガチャ
「はい、どなたですか?」これまた聞き覚えがある声だ。忘れるはずもない、あの声
「死んで」
ああ、嫌な記憶が蘇る!

…って、なんで朝倉?
朝倉は消えたはず…そうか、こっちの世界では長門と朝倉がいっしょに暮らしてんのか
なんか…もう…
長門「私、あけて」
朝倉「はいはい、長門さんね」

自動ドアが開き、長門は小走りでマンションの中へ入っていった。

駄目だ。あの完璧な宇宙人もただの人間になりさがっちまってる。

俺は、どうしたら

ピュウ、と冷たい風が吹いた
いつになったら春は来るんだ

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:13:46.52 ID:/Knuc+7dO

とりあえず俺は自宅へ向かうことにした
ここで立ち止まったって何も始まらないしな
とかなんとか考えるうちに数分後、自宅に着いた

あんがい近いんだな

ドアノブを回してドアを開く
キョン「ただいまー…」
随分遅くなっちまった
キョン母「遅かったわね」
キョン「まあな」

キョン母「お風呂入ってるわよ」

キョン「今日はやめとく」

疲れた
重い足を上げて階段を上り、自室に向かう
やけに静かだ
隣りの部屋のがきんちょはどうやら眠ったらしい


112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:18:43.50 ID:/Knuc+7dO

なんかこの部屋に入るのも久し振りな気がするな
ギィ、と鈍い音がしてドアが開く

…なんだこの部屋は
ここは、俺の部屋じゃない
違う、絶対に違う

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:31:18.16 ID:/Knuc+7dO

そこらじゅうに宇宙の本や、科学の本が散らばっている
ベッドやタンスなどの配置も違う
地球儀なんて俺は持っていない
世界のエイリアンだと?ふざけんな
机は難しい文字、俺でも読めないわけの解らん古代文字のようなものがびっしりかかれたノートが散らばっている……俺が?いやいやないない

そのほかにも、あれだ、いかにもハルヒが好きそうな本などがびっしりとある
長門が読みそうなSF小説もあった
そして一番奇妙なのが

部屋のそこらじゅうの壁に、下手な落書きがしてあることだ。いや、下手と言うよりはわざと下手に書いているような絵だ
妹が書いたのか?そう考えるのが自然だが、この絵は子どもが書いたようなものじゃない。どこか不自然だ
まさに、シュールと言う言葉が似合う絵だ。気持ち悪い。妹はこんな絵は書かない、断言できる
じゃあ誰が書いたんだ?

冷や汗が流れた

…なんだこの部屋は!
これは聞かずにはいられなかった
階段をかけおりて、母に訪ねる
キョン「なんなんだあの部屋は!」


116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:43:08.01 ID:/Knuc+7dO

キョン母「え…?」

キョン「俺の部屋だよ!」

キョン母「あ、あの…三年前から一度も触ってないわ…なんでキョン君そんなに驚いてるの?」

どうなってんだ
三年前からそのまま?有り得ないだろ、じゃああの落書きやヘンテコな文字は俺が書いたって言うのかよ

キョン母「…キョン君?どうしたの…?」

俺はどうしちまったんだ
三年前の俺はいったい何がしたかったんだ

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 08:52:48.04 ID:/Knuc+7dO

俺は階段をかけあがり部屋に戻った
母が不審な目をしていたがそんなことはどうでもいい

疲れた
もういい、部屋のことは明日考えよう
俺はベッドの上で横になった
仰向けに寝ても右向きに寝ても奇妙な絵があるので落ち着いて寝れない
俺は目を閉じた。何も考えない様にしよう。そしたら早く寝れるだろう

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 09:04:25.49 ID:/Knuc+7dO

次の日
目が覚めたら時計の針は1をさしていた
春休みだからって遅く起きすぎたな
とりあえず布団からでる
気持ち悪い絵は見ないように、逃げるようにして俺は部屋を出た

キョン妹「キョン君ねぼうー」
…相変わらずのうてんきだな人の気も知らずに

キョン妹「あのね、お母さん仕事いったよ」
そうか
キョン妹「あたしも遊びに行って来るから!」
彼氏か?
キョン妹「ばか!」
妹はペロッと舌を出すと玄関へ向い歩いていった
最近のがきはませてるな

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 09:37:55.71 ID:/Knuc+7dO

さて、一人になったわけだが
あの通り宇宙人は役に立たない
携帯を開いてアドレス帳を見る
池田…江波…木村
そこに古泉の文字は無かった
くそ、あいつの携帯番号なんて知らねーよ
確か…忘れたよんなもん
まぁかけても多分でねーだろな。美少女みたいなのがでてくればいいんだが。そんで会ったりとかして?セックスとか?んなばななでもあれピーンポーン
チャイム音が俺の最高にくだらん思考を遮った
誰だ?

とりあえず出てみることにする。俺は玄関へ向かった

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 09:51:19.14 ID:/Knuc+7dO

キョン「はーい…」
ドアを開けるとそこには
古泉「宅配便です」

見知れたにやけ面があった

キョン「古泉…!」
俺は今どれほど間抜けな顔をしているのだろうか
こんな偶然いや、奇跡か?
すごすぎる

で、当の古泉は
困ったような喜んでいるような驚いているような
言葉ではいい表せないような微妙な表情をしていた


無音

おい、古泉なんかしゃべれよ。俺もなんていったらいいかわかんねーよ

古泉「…あの」
先に口を開いたのは古泉だった


148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 10:05:02.92 ID:/Knuc+7dO

古泉「僕は貴方とお会いしたことは…」
ほら来た
やっぱりこいつも知らないのか
キョン「あのさ、」

古泉「なんでしょう?」
こいつのポーカーフェースは変わっていなかった
キョン「お前、涼宮ハルヒって知ってるか」
長門の時のような失敗は侵さない
こいつはもしかしたら俺を騙しているかもしれないんだ
可能性はまだある
さあ、どうなんだ
古泉は悩むように眉間に皺を寄せている
わざとか!?わざと悩む演技をしているのか!?
さあ、どうなんだ?!
古泉「存じ上げませんね」
あっさりと言いやがった

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 10:15:54.96 ID:/Knuc+7dO

古泉「で、宅配便のことなんですが」
ズシッとした重みのある箱を渡された
おいおいなんだこりゃ
古泉「サインを頂けますか?」
まるでさっきの会話なんて無かったことのように俺に紙のペンを渡す
くそ、ムカツクな
俺は箱を置いて、紙にサインをした
古泉「ありがとうございました」
古泉は紙を受け取り、一礼して俺の前から去って行った
このまま返すのも癪に障るが、引き止めたらなんだか俺が馬鹿みたいだから引き止めなかった
あいつもただの人間だ

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 10:25:31.72 ID:/Knuc+7dO

なんなんだよ、一体
もしかしたら俺は本当に植物人間だったのだろうか
今までハルヒたちとやって来たことは全て夢、俺が三年間見て来た夢だったり…

いやいやないだろそれは
いくらなんでもリアリティーすぎだぜ。いや、でも宇宙人とかリアルじゃないけどな
それにハルヒと幼馴染みなんて記憶もないし俺の部屋に落書きをした覚えもない

だからあれだ、前あったハルヒが消えた時みたいな世界だ
きっとまたどっかのヒューマノイドインターフェースが助けて…

くれるのか?

不安だ。このまま一生を過ごしてしまったら

このまま何もなく…
……あれ?おかしいな、俺はこんな日常を望んでいたはずだろ?我儘な神様から解放されて、平和な日常を送りたい、そう
…………願っていたのか?

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 10:30:31.51 ID:/Knuc+7dO

…喉かわいたな
ソファーから起き上がり、冷蔵庫に麦茶をとりにいこうとするとき、さっきの宅配物がふと目についた
送り主は誰だろうか

涼宮ハルヒ

自称幼馴染み元我儘神様からだった

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 10:54:54.21 ID:/Knuc+7dO

はて、誰に送って来たのだろうか
母もハルヒとは面識がある、妹も然り
宛先に名前が書いていないだが家族の中で一番ハルヒと親しいのは多分俺だ
なんせ毎日見舞いに来てくれたらしいからな

……開けても、いいよな?

俺はそっとテープを剥す
なんだろう、見てはいけない気が――――
…………ええい!
ビリビリとテープが剥がれる音がした

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 11:09:31.93 ID:/Knuc+7dO

中に入っていたのは、

キョン「…なんだ、ただの人形じゃないか」

なぜ自分は箱を開けるとき、あんなにスリルを感じたのだろうか
気が抜けた
人形を手に取ってみる
熊の人形だ。なかなかの重量、どうりで箱が重かった訳だ
妹宛てだろうか?熊の首についているリボンに、便箋のような物が引っ付いている
キョン「なんだ?」

封を切り、手紙を開けてみる
微妙に黄ばんでいる。古い紙なのだろうか。ところどころ土のようなもので汚れている
四つ折りにされているその紙を開く
妙に緊張する。手が汗ばんでいるのが解る
手紙を開くと、
……なんだこりゃ、白紙じゃないか
どうゆうつもりだあいつ?
…なんだかバカバカしい。俺のスリルを返せ
いや、もしかしたら裏になんか書いてあるかもしれんぞ。可能性は捨て切れん
と、手紙を裏がえす、するとそこには幼稚園児のような汚い字の短い文章があった

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 11:17:53.24 ID:/Knuc+7dO

ところどころ掠れているが、多分こう書いているのであろう
『ゆびきりげんまん うそついたら いっしょういっしょ』

……この難解な文字を解読できた俺は凄いが、解読しても意味がわからん
難解な文字と言えば、机の上にあった古代文字みたいなのを思い出した
まあそれはどうでもいいとして、なんなんだあいつは。俺のことをからかっているのか?いや、妹をからかっているのかもしれん
それにしても、なんだかこの手紙、不気味だ
遊びのような、遊びじゃないような
いったいなんなんだ、何がしたいんだあの自称幼馴染みはよ

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 11:27:59.24 ID:/Knuc+7dO

…あーもーわけ分かんねーよ…

……………


あ、そういえば
俺は麦茶を飲みに冷蔵庫に来たんだ
そこら辺にあったコップを適当にとり、麦茶をつぐ
うむ、うまそうだ
俺は麦茶をいっきに飲み干した
麦茶は乾いた喉を潤すのに、最適な飲み物である。うまい

………暇だからテレビでも見るか


194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 11:35:28.79 ID:/Knuc+7dO

適当にバラエティー番組でも見る
俺の知らない芸人ばかりだ
こっちの世界とあっちの世界はやはり別物なんだな
ポテチを食いながらテレビを見る
ああ、幸せだ


バラエティー番組が終わり、再放送のドラマが始まった
恋愛物だ。恋愛物はあまり好きではないが、変えるのもめんどくさいのでそれを見ることにした

……こんな人間がつい最近まで、植物人間だったなんて誰も信じねーよなー
…って俺は植物人間じゃない、でもこの世界では…


あーややこしい
もういい、何も考えずにドラマを見るんだ
おぉ、セックスシーンではないか
ふむ、……終わっちまった短いな

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 11:59:16.82 ID:/Knuc+7dO

ドラマも終わり、6時になるとニュースが始まった
小学生が親を殺した、残酷なニュースだ
他のチャンネルもこの話題で持ち切りだ。
小学生のくせに凄いな、こいつ
俺はふとハルヒから送られてきた手紙を手にした
これはもしかしてハルヒが昔書いた手紙か?
じゃないとおかしいよな
手紙が黄ばんでるとことか、文字とか
…なんでそんな手紙わざわざ送ってくるんだ?
ハルヒ、お前はまだ神様なのか?それともただの人間なのか?


無論、答えが返ってくるはずは無い

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 12:23:43.86 ID:/Knuc+7dO

そうだ、ハルヒと直接話せば、
俺は手を伸ばして携帯を手にとり、開く
アドレス帳を見る
佐伯、柴田…あった!涼宮!
急いで電話をかける
何をそんなに焦っているんだ
手が震える
何をそんなに緊張してるんだ

ピッ
俺は、発信ボタンを押した

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 12:29:03.01 ID:/Knuc+7dO

プルルルル…プルルルルル…
なんどかコール音が鳴り響く
繋がるだろうか?繋がったとしても何を話す?
手紙のことか?宇宙人のこと?未来人のこと?それとも――――「ただいま留守にしております」

携帯から聞こえてきた声はハルヒではなく、無機質な女の声だった

「ピーと言う発信音の」
ブチッ
俺は電話を切った
おいおい…ハルヒにも見捨てられちまったのかよ

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 12:44:09.73 ID:/Knuc+7dO

しばらくすると妹と母が帰ってきた
帰り道で会ったらしい

キョン母「今日はキョン君の好きな唐揚げよ」

そんなもん全然うれしくねー
と、内心で思いつつ俺は母に喜びの言葉を伝えた
母はさらに張り切ったようだ
そういや一日ダラダラ過ごしたけど、本当なら市内探索してたはずだよな

…はぁ

俺の隣りで疲れて眠っているがきんちょに一応毛布をかけてやる俺は優しい

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 12:56:30.75 ID:/Knuc+7dO

飯を食べ、風呂に入った
あとは寝るだけだ

あの部屋で寝るのかと思うと、かなり部屋へ向かう気が引けるが、俺の眠気はMAXなのでとりあえず向かうことにした
ドアノブに手をかけ、ドアを開ける
相変わらず奇妙な部屋だ
この部屋に慣れることなんてくるのだろうか

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:03:21.43 ID:/Knuc+7dO

とりあえず横になり目を瞑る

何も考えるな、考えるな…考えるな…

…古泉も俺のことを知らなかった
みんな俺がいた世界を知らない。俺を知らない
もしかして、この世界の誰も俺のことを知らないんじゃ―――

そう考えると、涙がでてきた
ドラえもんであった独裁スイッチっつー話を思い出した。
…いい年した男が泣くなよな。馬鹿じゃねーのか



227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:17:55.04 ID:/Knuc+7dO

じゃあ聞くけどお前らマンコとアナルどっちが好き?

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:25:06.38 ID:/Knuc+7dO

気付くと朝になっていた
時計を見れば6時、なんだやけに早起きだな
よし、とりあえず着替えるか
俺はタンスの戸を引いた
母が揃えてくれたのだろう
新品の服がたくさん並んでいた

キョン「…ありがとう」

自分でいった後、妙にこっぱずかしくなって新品の服に着替えた
…やっぱり壁の落書きがどうしても視界に入る
いつみても奇妙だ
俺は着替えたあと、すぐに一階へと下りて行った

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:32:14.52 ID:/Knuc+7dO

顔を洗う
水が目の中に入って来て痛い
タオルで拭いたあと気付いたが、新品の服が少し濡れた
まあいいやこのくらい
リビングへ行くとテレビが点けっ放しになっていた
もう誰か起きているのか
キッチンをみると混ぜかけ卵があった
母さん起きるの早いな…

ソファに座り、テレビを見る
朝っぱらからまた小学生が親を殺した事件を報道している
朝から気分が悪くなるので止めてほしいのだが
俺はチャンネルを変えた

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:36:23.65 ID:/Knuc+7dO

しばらくすると、母が恐らくトイレから戻ってきた
キョン母「あらキョン君早いのね。そんなおめかししちゃって」

化粧を落とした母の顔なんて久し振りに見る。なんだか別人みたいだ。化粧ってこえーな

キョン母「ふんふんーふん」
陽気に鼻歌を歌いながら卵を混ぜる母の姿は、なんだかとても久し振りに母を見た様な気分になった



242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:39:59.69 ID:/Knuc+7dO

朝飯を食ったあと、俺は出かける準備を始めた
キョン妹「キョン君どこいくのー」
…最も、行く場所なんてものはないのだが

キョン「散歩だよ、散歩」

妹の問いに適当に答え、俺は玄関へ向かった

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:48:21.32 ID:/Knuc+7dO

とりあえずそこら辺を適当にブラブラする
まぁ町並は変わってないんだよな…
そんなことを思いながら歩いていると、

…あ、あれは
長門と、古泉だよな
また会ったな
あんなところで何してんだ。しかも二人で
二人で…

…あの二人、こっちの世界でも面識があるのか!
俺はこのときなんだかとても嬉しかった
久し振りにSOS団を見たような気がして
話しかけてやろうか!SOS団復活か!やっぱりあれは俺を騙すための演技―――
え?
なんで?なんだあれは

俺は多分この時、この世界で一番あほな顔をしていたんだろう

……古泉と、長門が、

チッスしてるよーー!




て、えええええええええええええええ!!!

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:51:46.81 ID:/Knuc+7dO

なんだこれは現実か?ほっぺを捻る
…痛いじゃないか
おいおいおいおい
これは喜ぶべきなのか?なんで朝っぱらから公園でチッス?馬鹿?馬鹿なの?
長門と古泉はつまり、この世界では付き合ってるっつぅことか


えええええええええええええええ!!!!

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 13:57:57.18 ID:/Knuc+7dO

なんなんだよそれ!
俺の体は動き出せずにはいられずに、長門と古泉のところへ向かう
5メートルぐらいに距離が縮まると、長門が俺に気付きひっと声を漏らした
そんな長門を庇うように古泉が前にでる
おいおい俺は悪者扱いかよ

キョン「あ、あのさ」

古泉「何ですか?」
完全に不審者を見るような目だな

キョン「その…」
単刀直入に言おう

キョン「付き合ってんの?」
そう言ったとたん、長門の顔はりんごのように赤くなった
あ、この前は眼鏡だったのに今日はコンタクトだ

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:05:51.20 ID:/Knuc+7dO

古泉「それが何か?」
古泉は眉間に皺をよせ、目を吊り上げて怒っている
デートを邪魔されて怒ってんのか

…どうやら本当にただの人間らしい
もう可能性は…いや、まだ捨て切れん…
じゃあこれを最後の質問としよう
キョン「あのさ、」

キョン「宇宙人とか超能力者って、いると思うか?」

四つの目は、完全に変人を見る様な目で俺を睨んでくる
…これで可能性は消えた。奴等が変人である可能性が

キョン「…じゃあな」
俺はその場を後にした
もうアイツらに会うことも…あ、いや学校で会うかも…

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:11:46.54 ID:/Knuc+7dO

それにしてもあの二人がな…

喉が渇いたので適当に近くのコンビニに入る、とそこには
「いらっしゃいませ〜」

俺のマイ・エンジェル光臨

童顔の顔に合わない豊富な胸。それでいてこの違和感のなさ…!ああ、いつ見ても素晴らしい!



朝比奈さんがいた

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:22:46.05 ID:/Knuc+7dO

おいおいおいおい
今日はなんてすげー日なんだ
(元)SOS団のメンツに三人も会えるなんて!
そして一番会いたかった…俺のマイスウィートウェンジェル!彼女なら!きっと俺の心を癒してくれるであろう…
キョン「朝比奈さん!!」

みくる「…えぇ?」

270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:27:23.64 ID:/Knuc+7dO

朝比奈さんは
タコと交尾をしているイカでもみるような目を俺に向けていた
みくる「あのぅ…な、なんであたしの名前…」

あ、やっぱりそうなのか
みくる「ほ、他のお客様のご迷惑に…」

俺は後ろを向く
いつの間にか俺の後ろには数人の列が出来ていた
あ…すいません
俺は一礼してその場から退いた



276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:35:38.90 ID:/Knuc+7dO

んで、客もいなくなったところで
キョン「朝比奈さんは!」

みくる「はひぃ!」

ヤバい、俺興奮しすぎだ。落ち着くんだ
ゴホン、と咳払いを一つして

キョン「涼宮ハルヒをご存じですか?」

みくる「す、すずみや?」

キョトンとした表情も可愛いです朝比奈さん


299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:44:26.75 ID:/Knuc+7dO

俺はしばらく考える朝比奈さんを堪能し、結論を出したのか朝比奈さんは口を開いた

みくる「すいません、知らないです」

あ、そうですよねー
キョン「いえいえ、こちらこそ邪魔してしまいすいません」

朝比奈さんが見れただけで十分じゃあないか
…とはいえ、宇宙人未来人超能力者、全滅か

みくる「あ、あの…」

何か言いたげな朝比奈さんも可愛いです
みくる「また…来てくださいね」

この笑顔に惚れないやつは人間じゃないと断言してもいい。ああ、俺はなんて幸せものなんだ!
帰りたくなかったが、俺はその場を後にした

絶対また来ます!毎日でも来ます!
と俺が告げると、朝比奈さんは微妙な笑顔をみせてくれた
それはちょっと…とでも言いたげな表情だ

それでもいいんだ!それでも!


333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 14:53:30.77 ID:/Knuc+7dO

その日俺は、天に召されても良いような気分で家までの道のりを辿った
頭の中は朝比奈さんでいっぱいだ
健康的な男子ならこれをオカズにしないやつはいないと断言しよう
鈍い音がしてドアが開く
キョン「たっだいまー」
お兄さまのお帰りだぞー!出迎えろ妹よ!

378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 16:44:25.03 ID:/Knuc+7dO

春だね

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 16:49:29.53 ID:/Knuc+7dO

なんだ誰も居ないのか
ったく鍵ぐらい閉めてけよ、不用心だな
俺は玄関の鍵を閉めて自宅に上がった
あの感動を忘れないうちに実行しなければ!
おれは階段をかけ上がった

あ、そういえば今何時だ?

時計を見ると、三時
おやつの時間だ
そういえば飯食ってねぇな

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 16:56:36.80 ID:/Knuc+7dO

うむ
あの部屋で自粛行為にふけるか、昼飯を食うか


俺は後者を選んだ

空っぽの胃袋を満たすために台所へ向かう
あんな部屋で自粛行為すんのもな…

385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/07(火) 17:01:10.53 ID:/Knuc+7dO

適当に食べれるもんを探していると、札幌一番味噌ラーメンを発掘した
ふむ、俺の腹を満たすには充分な食材だ

さっそく調理をするか

387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 17:05:56.55 ID:/Knuc+7dO

鍋に適量の水をいれ、コンロの上にのせ火をつける
後は沸騰するのをまち、麺を湯で、粉を入れるだけだ

インスタントラーメンとはなんと画期的な食材であろうか
発明したやつは天才だと改めて思う

389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 17:11:08.40 ID:/Knuc+7dO

そうこう考えているうちにお湯が沸いた
俺は袋を開け、麺を入れる
端でつついたりして、柔らかさを確かめる

うむ、このぐらいの硬さでいいだろう。麺は硬めの方がうまいと思うぞ
火を止め、粉を入れて粉を湯に溶かす

…完成。成功だな、うまそうだ

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 17:17:40.80 ID:/Knuc+7dO

麺を鍋から丼にうつし、ネギをかける

…おっと、忘れてたぜ
最後に仕上げの七味をかけて…

うーむうまそうだ

俺は箸で麺を掴む
そして口に運び…うまい!
これは最高傑作だ。素晴らしい

402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 17:33:02.23 ID:/Knuc+7dO

さて、昼飯も食い終わったところで

何をするか
自粛をする気にはなれない
自粛とは計画を立ててするものではない、本能的にするものなのだ
俺の息子はあまり元気がない
朝比奈さんに会っていたときはあんなに元気があったと言うのに
朝比奈さんの笑顔を思い出してもなぜか元気がない
はぁ…暇だなぁ…
pcでもしようかな…



……あれ?なんか、俺この世界に慣れてきてる?

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/07(火) 17:55:53.54 ID:/Knuc+7dO

続きは残ってたら書くと思います
じゃあおやすミンゴスん



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