1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 00:56:45.09 ID:vfWemPiqO
キョン「エイプリルフールだから…という事か?」
ハルヒ「当然じゃない!こんな楽しいイベント、みすみす逃す手はないわ!」
キョン「やれやれ…。今から嘘をつくと言われて聞く嘘が面白いか?」
ハルヒ「それはアンタ次第じゃない。ほら、早く嘘をつく!」
キョン「アホらしい。付き合いきれん」ガタッ
ハルヒ「ちょっと、どこ行くの?」
キョン「あのなぁ…もうお前の暴走には付き合いきれん」
ハルヒ「…ふぅん?良い度胸じゃない。覚悟は出来てるんでしょうね?」
キョン「どうにでもしろ。もう疲れた。俺はな…お前の事が大っ嫌いだ」
ハルヒ「え…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:00:01.33 ID:vfWemPiqO
キョン「じゃあな。俺は先に帰るぞ」
ハルヒ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「嘘よね?エイプリルフールだもんね」
キョン「はぁ…。ああ、嘘うそ。じゃあな」
ハルヒ「…待ちなさい」
キョン「まだ嘘をついて欲しいのか?」
ハルヒ「…嘘よね?」
キョン「ああ、嘘だ。じゃあまたな」
ハルヒ「…待ってよ!」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:03:11.56 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「キョン、あんたふざけてるんでしょ?」
キョン「ふざけてるもんか。俺はお前が大っっ嫌いだ。まだ足りないか?」
ハルヒ「…ねぇ、好きって事?嘘よね?」
キョン「だから何度言わせりゃ気が済むんだ。嫌いだ」
ハルヒ「もう!嘘つくな!どっち?!」
キョン「嫌いだ」
ハルヒ「くっ…」じわ
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:06:50.33 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「もういい。帰る」
キョン「そうか。じゃあな」
ハルヒ「あんたも帰るんでしょ?あたしも一緒に帰ってあげるわ。途中までだけど」
キョン「ああ、あれ嘘なんだ。本当は今から部室に行こうと思ってた」
ハルヒ「…」じわ
キョン「また明日な。皆にはお前は休みって伝えとくよ」
ハルヒ「あ、あたしも嘘!やっぱり帰んないから!」
キョン「なんだ嘘か」
ハルヒ「そうよ!ほら、一緒に部室行くわよ!」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:10:16.81 ID:vfWemPiqO
コンコン
みくる「はぁーい、開いてます」
ガチャ
キョン「こんにちは、朝比奈さん。今日もお疲れ様です」
みくる「うふ、お疲れ様。今お茶入れますね。涼宮さんは何が良いですか?」
ハルヒ「あ、あたしは紅茶お願い」
キョン「あぁ、朝比奈さん。ハルヒのは入れなくていいですよ」
みくる「ふぇ?」
ハルヒ「なっ…」
キョン「俺が入れますから」
ハルヒ「……え?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:13:48.71 ID:vfWemPiqO
キョン「だから朝比奈さん、俺の分だけお願いします」
みくる「あ、はぁい。クス、涼宮さん良いなぁ」
ハルヒ「えへへ…」
キョン「なんなら朝比奈さんの分も入れましょうか?」
みくる「良いんですか?じゃあお願いしちゃおうかなぁ」
キョン「では、ちょっと待ってて下さいね」
みくる「はぁい」
ハルヒ「キョン、ちゃんと美味しく入れなさいよ。まずかったら承知しないから!」
キョン「はいはい。人の好意は素直に受け取れ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:16:41.29 ID:vfWemPiqO
キョン「さて…と、古泉、今日は将棋でどうだ?」
古泉「良いですね。今日は何か賭けましょうか?」
キョン「珍しいな、お前から言い出すとは。自信あるのか?」
古泉「んふ、実は少し勉強しましてね。昨日までの僕とは一味違いますよ」
キョン「期待はしてないが、楽しめそうだな」
ハルヒ「ねぇキョン、お茶は…?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:21:05.54 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「こぉら!キョン!」
キョン「うわ!びっくりした、なんだいきなり」
ハルヒ「アンタ、あたしをからかうのも良い加減にしなさいよ!」
キョン「何の話だ」
ハルヒ「だから、あたしとみくるちゃんにお茶を…」
キョン「ああ、あれは嘘だ」
みくる「ふぇ?」
ハルヒ「……フン。良いわよ、あたしが自分で入れるから」
カチャカチャ
ハルヒ「…」じわ
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:24:07.66 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「キョン、命令よ。もう嘘はついちゃダメ」
キョン「お前の事を大っっっ嫌いだとか?」
ハルヒ「う…そ、そうよ。わかったわね?嘘禁止!」
キョン「俺、まだ今日は一つも嘘ついてないんだが」
ハルヒ「え?……じゃあ、嫌いって…え?」
キョン「すまん、嘘だ」
ハルヒ「こ…このバカキョン!!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:28:26.85 ID:vfWemPiqO
キョン「ところでハルヒ」
ハルヒ「なによ?」
キョン「今日、俺の家族みんな出かけてて、明日まで誰もいないんだよ」
ハルヒ「あっそ。どうせ嘘でしょ?」
キョン「まぁ聞けよ。それでな、当然俺は晩飯なんか作れん訳だ。そこで折り入って頼みがある」
ハルヒ「……ふん。まぁ一応聞くだけ聞いてあげるわ。なに?」
キョン「今日の夜、家に来てくれないか?」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:32:26.00 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「嘘なんでしょ?」
キョン「嘘じゃないさ。だからこうして頼んでる。ダメか?」
ハルヒ「もう!これが嘘だったらアンタの命はないと思いなさいよ?」
キョン「ダメか…。お前に頼りたかったんだが、しかたないな」
ハルヒ「え?」
キョン「すまん長門、頼めるか?」
長門「構わない。カレーで良ければ作りに行く」
キョン「助かるよ。サンキューな、長門」
ハルヒ「待ちなさい!行く!あたしが行くから!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:37:01.44 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「しょ〜〜がないわねぇ。ふがいない団員を持つと大変だわ」
長門「…行く?」
ハルヒ「うん、行くわ。有希にこんな事頼めないもんね」
キョン「すまんな。材料は揃えとくよ」
ハルヒ「当然ね。何が食べたいの?」
キョン「お前が作ってくれるのならなんでも良いさ」
ハルヒ「…わかった、任せときなさい」ひくひく
みくる(あ、喜んでる…。素直に笑えばいいのになぁ)
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:39:26.15 ID:vfWemPiqO
長門「…」パタン
ハルヒ「あ、もう終わりね。さて、男性陣は出る出る!みくるちゃんのお着替えよ!」
キョン「へいへい」
古泉「それでは外でお待ちしておりますね」
ガチャ
バタン
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:43:01.99 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「ねぇ、みくるちゃん」
みくる「はい?」
ハルヒ「あいつ…何作ったら喜ぶかしら」
みくる「うふふ。キョン君も言ってたじゃないですか。涼宮さんの料理ならなんでもって」
ハルヒ「そっかぁ…何作ろうかな」
みくる「ふふ、愛情がこもってればなんでも喜んでくれますよ」
ハルヒ「あ、愛情なんておおげさよ。あいつに愛情こめる料理なんてもったいないわ!」かぁぁ
みくる「あ、ちょっと涼宮さん、声大きい…」
ハルヒ「あ…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:46:58.01 ID:vfWemPiqO
みくる「着替え終わりましたよ。お待たせしましたぁ」
ガチャ
キョン「いえいえ。じゃあ行きますか」
ハルヒ「…ねぇ、キョン」
キョン「うん?ああ、さっきの事なら気にしてないぞ」
ハルヒ「違うの」
キョン「愛情なんてなくったって、お前が料理作ってくれるならありがたく頂くよ」
ハルヒ「だから、違うって言ってんでしょ!」
キョン「愛情まで望むなんて身分不相応だしな」
ハルヒ「嘘!あれは嘘!」
キョン「え?」
ハルヒ「ちゃ…ちゃんと愛情こめて作ってあげるって言ってんの!」かぁぁ
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:52:13.12 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「さぁキョン、行くわよ!」
キョン「行くって、下校中だぞ?どこにだ」
ハルヒ「決まってるじゃない!晩御飯の買い出しよ!」
キョン「ああ、なるほど」
ハルヒ「…あたしもお腹空いたし、あんたも一回帰ってから行くの面倒でしょ?」
キョン「まぁ、腹は減ったが」
ハルヒ「でしょ?ほら、さっさと一緒に買い出し行くわよ!」ニコニコ
キョン「ハルヒ、すまん」
ハルヒ「ん?」ニコニコ
キョン「家族居ないっての、嘘なんだ」
ハルヒ「…………そう」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 01:57:40.75 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「なによ!!」
キョン「泣くことないだろ?」
ハルヒ「泣くかバカッ!!もう知らないわよアンタみたいな最低男!」
キョン「嘘なんだって。本当に家族居ないんだ」
ハルヒ「……は?」
キョン「すまん。ちょっとからかっただけだ。さっさと買い出し行こうぜ」
ハルヒ「…この…バカキョン!」
キョン「はは、すまんって。叩くな叩くな」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:01:56.82 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「もう二度と嘘ついたら許さないから」
キョン「だからなんべんも謝ってるじゃないか。十分罰も受けただろ…」
ハルヒ「あんたの罪はパンチ10発くらいで許されるもんじゃないわよ」
キョン「だからって顔にパンチしなくても…」
ハルヒ「まだ文句あるっての?」
キョン「…反省してます」
ハルヒ「まったく…。で?」
キョン「で?」
ハルヒ「何が食べたいのかって聞いてんの!ここに来た目的忘れたんじゃないでしょうね」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:05:42.81 ID:vfWemPiqO
キョン「じゃあ…お前が1番得意なのが良いな」
ハルヒ「そんな事言われたら、作り手のハードルが上がるじゃない」
キョン「まぁお前の料理の腕は知ってるし、しかも今日は愛情入りだからな。期待もするさ」
ハルヒ「…!」
ハルヒ「ふん。変な事言ってないで、さっさとカート持ってきなさい」ぷいっ
キョン「はいはい」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:17:29.42 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「豚肉安売りね。生姜焼きでも良い?」
キョン「もちろん。なんでも良いさ」
ハルヒ「じゃ、あとはサラダとスープね」
キョン「さすが、家庭的だな」
ハルヒ「そう?料理くらい出来なきゃね」
キョン「男はお前みたいな嫁さんが貰えたら幸せだろうな」
ハルヒ「……」
キョン「俺が嫁に欲しいくらいだ」
ハルヒ「ふん、もう嘘は聞き飽きたわよ」
キョン「そうかい。本気だったのにな」
ハルヒ「はいはい。そういう事にしといてあげるわ」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「なによ」ぷいっ
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:22:34.28 ID:vfWemPiqO
店員「以上8点、1620円です」
キョン「はい。あー…ハルヒ、20円あるか?」
ハルヒ「あるわよ。はい」
店員「はい、ちょうどお預かりします」
ハルヒ「ねぇ」
キョン「ん?」
ハルヒ「夫婦みたい?」
キョン「かもな」
ハルヒ「バカ、自惚れるんじゃないわよ」
キョン「お前が言い出したんだろ。馬鹿な事言ってないでさっさと帰ろうぜ」
ハルヒ「ふふん」ニコニコ
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:27:09.06 ID:vfWemPiqO
ガチャ
キョン「ただいまーっと」
ハルヒ「お邪魔します。本当に家の人居ないのね」
キョン「ここまで来てまだ疑ってたのか?」
ハルヒ「アンタがくだらない嘘ばっかりつくからよ」
キョン「お前の命令だったと思うんだけどなぁ」
ハルヒ「あら、そうだったかしら?」
キョン「お前なぁ…」
ハルヒ「よし、早速作るわよ。アンタは着替えて来たら?」
キョン「おう、助かるよ。なんか手伝うか?」
ハルヒ「そうね。じゃあ着替えて来たらお願いするわ」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:30:00.14 ID:vfWemPiqO
キョン「お待たせ。ちょっとラフだけど勘弁してくれ」
ハルヒ「スウェットねぇ。あたしも制服じゃちょっとな…着替え持ってくれば良かったかも」
キョン「俺ので良ければ貸してやるぞ?」
ハルヒ「……うん、借りる」
キョン「ちょっと待ってろ。Tシャツとジャージで良いか?」
ハルヒ「別になんでも良いわよ」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:33:38.53 ID:vfWemPiqO
キョン「ほら、着替え。妹の部屋使って良いぞ」
ハルヒ「ん。ありがと」
キョン「それ今朝着てたやつだけど構わんよな?」
ハルヒ「はぁ!?」
キョン「はは、嘘だ嘘」
ハルヒ「…アンタ、もう嘘つくなって言ったでしょ」
キョン「すまんすまん。さぁ早く着替えて作ろうぜ。腹ぺこなんだ」
ハルヒ「…ん。ちょっと待ってなさい」
ガチャ
バタン
ハルヒ「い、一応ね、一応。もし本当に着た後だったら嫌だし」すぅぅ…
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:37:44.41 ID:vfWemPiqO
ガチャ
ハルヒ「…お待たせ。ちょっと大きすぎない?」
キョン「まぁ俺も一応男だからな。ちょっと大きいくらいがかわいいんじゃないか?」
ハルヒ「アンタ、いちいち恥ずかしい事言わないの!ほら、さっさと作るわよ!」
キョン「はいはい。俺は何すれば良いんだ?」
ハルヒ「そうね…って言っても生姜焼きだからほとんどやる事ないんだけど。じゃあトマト切っててくれる?」
キョン「はいよ、了解」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:41:58.49 ID:vfWemPiqO
キョン「…」
トントン トントン
キョン「あ痛っ!」
ハルヒ「わ!びっくりした、どうしたのよ?」
キョン「痛た…ちょっと指切っちまった」
ハルヒ「鈍臭いわねぇ。ちょっと見せなさい」
キョン「まぁちょっと血が出てるだけだから大丈夫だとは思うけど」
ハルヒ「本当、たいしたことないわ。こんなの口にくわえて舐めてれば治るわよ」
キョン「そうだな。おー痛…」
ハルヒ「ん」
キョン「ん?」
ハルヒ「指。貸しなさい」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:46:06.27 ID:vfWemPiqO
キョン「え?」
ハルヒ「何してんの、ほら早く出しなさい」ぐいっ
キョン「ちょっと待て!それは色々とまずい!」
ハルヒ「あー…」すっ
キョン「ちょ…!」
ハルヒ「バカ。間抜け面。本当にやると思ったって訳?」
キョン「こいつ…やられた…」
ハルヒ「ふふん、散々嘘つかれた仕返しよ。ほら、さっさと傷口洗って絆創膏貼って来なさい」
キョン「仕返しか…やれやれだ」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:52:19.38 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「はい、お待ちどうさま」
キョン「おお、相変わらずなんでも出来るな。美味そうだ」
ハルヒ「当たり前じゃない。ほら、食べましょ。お腹ペコペコなんだから」
キョン「そうだな。いただきます」
ハルヒ「いただきます」
ぱくっ
キョン「…」もぐもぐ
ハルヒ「…」もきゅもきゅ
キョン「うん、美味い。文句なしだ」
ハルヒ「これが嘘だったら許さないわよ」
キョン「当たり前だろ。嘘ついて良い時と悪い時くらいわかってる。本当に美味いよ、ハルヒ」
ハルヒ「ふん。当たり前。まずいなんて言ったら二度と作らないわよ」
キョン「愛情入りだもんな」
ハルヒ「ま……まぁね。ちょっとくらいは入れてやったかも」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 02:57:45.01 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「ところでキョン」
キョン「ん?」もぐもぐ
ハルヒ「あたしの事大嫌いって言ったわよね?あれは?」
キョン「ああ、どう思う?」
ハルヒ「…さぁ?あんたの口から聞かないと信じられないわ」
キョン「黙秘権を行使する」
ハルヒ「黙秘権を剥奪するわ」
キョン「なんでもありだな。じゃあお前はどうなんだ」
ハルヒ「あたし?アンタの事を?」ニヤニヤ
キョン「ああ、もちろん」
ハルヒ「大っっっっっっ嫌い!」
キョン「なんで満面の笑みなんだよ」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:03:44.53 ID:vfWemPiqO
キョン「…そうかぁ、俺は嫌われてたのか」
ハルヒ「あら、好かれてると思ってたの?案外自信過剰じゃない」
キョン「言ってくれるな。俺はな、ハルヒ」
ハルヒ「なに?」ニヤニヤ
キョン「お前の事が大好きなんだぞ?」
ハルヒ「へぇー?本気?」
キョン「嘘かも知れんな。しかし本気かも知れん」
ハルヒ「ふふん、後悔する事になるわよ」
キョン「?」
ハルヒ「まぁ良いわ。ごちそうさま」
キョン「ああ、ごちそうさま。美味かったよ」
ハルヒ「ふふ、お粗末様」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:07:02.30 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「さて、と」すっ
カチャカチャ
キョン「ああ、皿洗いくらいするよ。そんな事までさせられん」
ハルヒ「良いのよこれくらい。量も少ないしやっちゃうわ」
キョン「なんか悪いな。終わったらアイスでも食おう」
ハルヒ「そうね。いただくわ」
カチャカチャ
カチャカチャ
キョン「もう8時か…。あんまり長居させる訳にもいかないな」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:11:15.15 ID:vfWemPiqO
キョン「終わったか?何から何までありがとうな、助かった」
ハルヒ「まったく、不出来な団員を持つと苦労するわね。あたしが居なきゃ何も出来ないんだから」
キョン「そうかもな。感謝してるよ、いつも」
ハルヒ「あら、殊勝ね。エイプリルフールだから?」
キョン「…変だな。エイプリルフールは嘘つく日なのに、いつもより本音が出るな」
ハルヒ「ふふ、そんなもんじゃない?だから面白いのよ」
キョン「だな。ほらアイス。チョコとバニラどっちが良い?」
ハルヒ「両方ね」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:14:58.75 ID:vfWemPiqO
キョン「バカ、欲張るな。二つしかないんだから。じゃあ俺がバニラな」ペロペロ
ハルヒ「あんたのを一口くれれば万事解決よ」
キョン「一口って…食べかけだぞ?」
ハルヒ「ふふん、あたしは構わないけど?」
キョン「ほう、よく言った。食べたければ食べても良いんだぜ?」
ハルヒ「ふぅん。それ嘘でしょ?」
キョン「ああ、嘘だ」
ハルヒ「知ったこっちゃないわ」パクッ
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:21:44.52 ID:vfWemPiqO
キョン「さて、もう遅いな。あんまり遅くまで引き止めるのも悪いし」
ハルヒ「もう9時か。そうね、そろそろ…」
キョン「ま、今日みたいなのもたまには面白いかもな」
ハルヒ「そうね。エイプリルフールに限って普段言わないような事も言えるし」
キョン「嘘が嘘かどうかなんて、聞かなくてもわかるしな」
ハルヒ「それはどうかしらねぇ?ま、今日の所は許しといてあげるわ」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:27:14.99 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「じゃああたしは帰るけど…もう嘘つかなくて良いの?」
キョン「なんだ、嘘ついて欲しいのか?」
ハルヒ「あんたがどーしても嘘をつきたいなら聞いてあげなくもないわよ」
キョン「やれやれ…しょうがないな」
ハルヒ「ふふん」ニヤニヤ
キョン「ハルヒ、いつも振り回されてるけど、なんだかんだ俺も楽しんでる」
キョン「お前のおかげで退屈しない日々を送れてる。お前に会えて良かった」
キョン「ありがとうな、ハルヒ」
ハルヒ「それから?」ニヤニヤ
キョン「好きだ」
ハルヒ「ふんふん」ニヤニヤ
キョン「帰したくない。泊まって行ったって良い」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:31:05.33 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「ぷっ…」
キョン「…ふぅ。全部嘘だ。妄言だ。忘れろよ」
ハルヒ「あははは!」
キョン「…そんなに笑うな。死にたくなる」
ハルヒ「はぁ、笑わせて貰ったわ。さて、さっきのあたしの言葉、覚えてる?」
キョン「後悔するぞ、ってやつか?もう十分後悔したさ…」
ハルヒ「そう、それ。良い事を教えてあげるわ。心して聞きなさい」
キョン「な、なんだ?」
ハルヒ「エイプリルフールってのはねぇ?嘘ついて良いのは午前中だけなの」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:36:58.01 ID:vfWemPiqO
キョン「……マジか?」
ハルヒ「そよ。えらくマジ。知らなかったの?」
キョン「マジか……」
ハルヒ「好きで、帰したくなくて?泊まって行け?」
キョン「……」
ハルヒ「ふぅん。アンタ、あたしの事をそんなふうに思ってたの」
キョン「……」
ハルヒ「SOS団員としてあるまじき行為ね。自覚が足りないんじゃない?」
キョン「もう何も言わん。殺してくれ」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:43:24.40 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「泊まるどころか、本来なら極刑ものだわ」
キョン「…妄言だ。妄言なんだ。忘れてくれ」
ハルヒ「ふふん。だから後悔するって言ったでしょう?」
キョン「……後悔…はしてないかな」
ハルヒ「…へ?」
キョン「死ぬ程恥ずかしいが、後悔はしてない。もともと嘘じゃないしな」
ハルヒ「…言うじゃない。ま、今日の所は勘弁してあげる」
キョン「そうかい。そりゃありがたいよ」
ハルヒ「ま、さすがに本当に泊まる訳にもいかないしね。面白い事も聞けたし、仕返しは十分かな」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:48:36.50 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「これに懲りたら、二度と団長をからかおうなんて思わない事ね。わかった?」
キョン「ああ、身をもって痛感したよ」
ハルヒ「じゃ、あたしは帰るから」
キョン「…今日はありがとうな。助かったよ」
ハルヒ「団員の面倒見るのも団長の責任だからね」
キョン「そうかい。気をつけてな。送ろうか?」
ハルヒ「ふふ、送り狼が怖いから遠慮しとくわ。じゃあね」
ガチャ
バタン
キョン「……やられたな」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 03:52:44.25 ID:vfWemPiqO
ハルヒ「…好きだ、か」
トテトテ
ハルヒ「悪い気分はしないかな…」
トテトテ
ハルヒ「…よくあんな恥ずかしい事言えるわよね。本当に泊まるって言ったらどうすんのよ」
トテトテ
ハルヒ「こんなに真っ赤な顔して…送ってもらえる訳ないじゃない、バカキョン」
トテトテ
ハルヒ「はぁ…」
トテトテ
ハルヒ「…ふふ、ちょっと良いエイプリルフールだったかな」
おわり
270 名前: ◆r3yksmPHg2 [] 投稿日:2009/04/01(水) 03:54:02.83 ID:vfWemPiqO
支援thxでした。
こんな夜中の突発ネタSSにお付き合いいただきありがとうございます。
ちなみに、エイプリルフールの午前中はマジです
286 名前: ◆r3yksmPHg2 [] 投稿日:2009/04/01(水) 04:00:30.21 ID:vfWemPiqO
エイプリルフールの起源は不明という事なので、こういう普段言えないような事が言いやすくなるように
あえて「嘘をつく日」が出来たんだとしたら面白いかなと思って書いてました。
それから、おそらくこれが最後のSSになると思います。
今まで数多くのSSを支援してくださった方々、読んでくださった方々、本当にありがとうございました。