1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 19:45:44.03 ID:JnPGSSig0
キョン「すっかり掃除が長引いちまったな」
コンコン ガチャッ
キョン「んっ?誰もいない…?」
ハルヒ「キョ、キョン…」
キョン「んおっハルヒ…とみんなもか。そんな隅っこで固まって何してんだ?」
ハルヒ「あ、あれ…」
キョン「あれって…何か黒っぽい物が……ん?」
カササササ
キョン「おおう…ゴッキー…」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 19:47:46.16 ID:JnPGSSig0
キョン「部室にGが出るなんて初めてだな。というかみんなGは苦手なのか?」
ハルヒ「何よ悪い?私にだって苦手なものの1つや2つあるわよ!」
みくる「駄目ですぅ〜無理ですぅ〜怖いですぅ〜〜」
長門「……」
古泉「いえ別に苦手というわけではないんですけどね。ただここで僕があっさり退治してしまうのも何ていうか面白くないというか」
キョン「……」グイグイグイ
古泉「ちょちょちょっ押すな馬鹿!おいこらおいっ!!!」
キョン「……」
古泉「……」
キョン「…怖いなら怖いと素直に言え」
古泉「すみません…」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 19:53:35.19 ID:JnPGSSig0
キョン「俺もどっちかっていうとGは苦手だからなぁ。どうしたもんか」
ハルヒ「何よ情けないわね。こういうのは男の仕事でしょ!というかあんた雑用係でしょ!あんたが何とかしなさいよ!」
古泉「涼宮さんもこう言っていることですし、お願いしますよ」
キョン「お前らなぁ…」
みくる「キョンくん〜〜お願いしますぅ〜〜」フルフル
キョン「やれやれ」
キョン「何か叩くものは…この雑誌でいいか、うしっ!」
キョン「動くなよ〜」ソロリソロリ
!!!カササササササッ
キョン「ぎゃ〜うごいた〜〜!!!」バタバタ
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:01:13.02 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「…ゴキブリ退治ができない男って最低よ、キョン」
キョン「それは偏見というものだ。信じられんスピードで動くGほど恐怖感を煽られるものはそうそうないぞ…」
古泉「あなたでも駄目となると、さてどうしましょうか?」
キョン「何かG退治の道具はないのか?バル○ンとかゴ○ジェットとか」
ハルヒ「そんな都合のいいもの部室にないわよ」
キョン「しょうがない。ちょっと外行って買ってくるか…ん?」ガチャガチャ
みくる「どうしたんですか、キョンくん?」
キョン「ドアが開かない…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:08:25.81 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「ハァ?何言ってんのよあんた、ってあれ?ホントに開かない」ガチャガチャ
キョン「お前が普段からバンバン乱暴に開け閉めするから、立て付けが悪くなってるんじゃないか?」
古泉「おやおや、困りましたね」
ハルヒ「何よ私のせいだって言うの?こんなものはこうして」グギギギ
キョン「お、おい、そんな乱暴に引っ」
ハルヒ「どっせい!!!」
ゴワギンッ
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「ノブ取れちゃった…」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:18:44.30 ID:JnPGSSig0
キョン「なんつう馬鹿力…」
ハルヒ「何ようっさいわね!取れちゃったものは仕方ないでしょ!」
キョン「開き直るな!」
みくる「ふえ〜ん、どうするんですか〜」
ハルヒ「フンッ、こんなものドアごと蹴破ればいいのよ!」スゥゥ
キョン「うおぃ、乱暴にするなってさっきからあれほど」
カササササササササササッ
「「こっち来たぁぁぁ!!」」ワーキャードタバタ
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:28:32.90 ID:JnPGSSig0
キョン「ドアの前を占拠されてしまった…」
ハルヒ「あーもーどーすんのよ!」ダンダン
キョン「騒ぐなGに刺激を与えるなこれ以上事態を悪化させるな」
古泉「これで奴を何とかしない限り、脱出は不可能になってしまいましたね」
みくる「はぅぅぅぅ」
長門「……」
キョン「なぁ長門、こんなことを頼むのは気が引けるが、お前の情報操作であのG何とかならんか?」ヒソヒソ
長門「無理」
キョン「何でだ?」ヒソヒソ
長門「今の私は情報操作が使えない。普通の人間とほぼ変わらない」
キョン「!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:34:38.76 ID:JnPGSSig0
キョン「どういうことだ?また急進派とやらの攻撃を受けたのか!」ヒソヒソ
長門「違う」
キョン「ならなぜ!」ヒッソヒソ
長門「以前コンビニに買い物に行った時、期間限定の高級カレープリンが売られていた」
長門「私はどうしても食べたかった。しかしお金が足りなかった」
長門「私はどうしても食べたかった。だから情報操作で高級カレープリンの値段を10円に書き換えた」
キョン「……」
長門「おいしかった。怒られた。罰として1週間のあいだ情報操作は使用禁止になった」
キョン「…だめでしょ」
コチン
長門「ごめんなさい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:37:59.23 ID:JnPGSSig0
キョン「やれやれ…しかし情報操作は使えなくてもお前ならGくらい平気だろ?」ヒソヒソ
キョン「ほら、こいつで1発ペチッとやってきてくれないか?女の子にこんなことを頼むのは情けないが」ヒソヒソ
長門「それ無理」
キョン「なぜに!」
長門「怖い」
キョン「……」
みくる「ふえ〜〜んひょえ〜〜〜ん」
キョン「あの人は論外だしなぁ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:45:45.22 ID:JnPGSSig0
キョン「古泉、お前普段からあんな馬鹿デカい神人を相手にしてるんだから、Gくらい何とかならんのか?」ヒソヒソ
古泉「いやぁ、あれはあくまで超能力が使えるからこそ勇気を持って戦えるのであって、今の僕はあまりに無力ですよ」ヒソヒソ
キョン「それに以前、巨大なカマドウマと戦ったこともあったろ。あれに比べればGなんてたいしたことないだろ!」ヒソヒソ
古泉「あれも虫というよりは怪獣という感覚で戦ってましたからね。生理的な嫌悪感でGに勝るものはないですよ」ヒソヒソ
キョン「…役に立たん超能力者だな」ヒソヒソ
古泉「ははは、すみません」ヒソヒソ
キョン「そういや今閉鎖空間はどうなってんだ?大丈夫なのか?」ヒソヒソ
古泉「先ほどから携帯が鳴りっぱなしですよ」ブゥーブゥー
キョン「やりやり」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:49:00.19 ID:JnPGSSig0
〜一方その頃〜
閉鎖空間
新川「こ、これは…」
多丸兄「見渡す限り…」
多丸弟「青白く光るGの大群…」
森「キャーキャーイヤー!!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:54:47.95 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「こうなったらあのGに何か投げつけて、Gがドアから離れた隙に蹴破って脱出するわよ!」
キョン「物を壊すのは感心せんがそれしかないか。まさか窓から飛び降りるわけにはいかんし」
ハルヒ「よ〜し、そりゃぁぁ〜」ブンッ
キョン「だぁぁ俺のカバン!」
ガンッ !!カサササササササッ
ハルヒ「よし今よ!みんなドアまで走って!」ダッ
キョン「あとで覚えてろよコンニャロウ!」ダッ
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:59:30.68 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「作戦成功!あとはドアを蹴破るだけね!せ〜の…」
みくる「あ、あの〜涼宮さん…」
ハルヒ「何よみくるちゃん!今は話しかけないで!」
みくる「この足元にある黒っぽいモノ、何ですか〜?」
ハルヒ「黒っぽいモノ?ん〜」ジ~
古泉「これは…Gですね」
キョン「え?でもさっき追い払ったGはあそこの窓の下に…」
長門「……」
カサカサカサカサカサカサ
「「2匹目でたーーー!!!」」ワギャーヒードッスンバッタン
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:30:38.11 ID:JnPGSSig0
古泉「さらに事態が悪化してしまいましたね」
ハルヒ「ドアの前と窓の下…挟まれたわね…」
キョン「俺の…俺のカバンの犠牲が…」
みくる「ぴ〜〜もう嫌ですぅ〜〜」
長門「みんなもっと冷静になって前向きに考えるべき。諦めなければ必ず道は開ける」
キョン「長門」
長門「何?」
キョン「そんな本棚にしがみついた状態で言われてもあまり説得力はないぞ。コアラかお前は」
長門「……」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:36:06.74 ID:JnPGSSig0
キョン「しかし長門の言うとおりだな。諦めるわけにはいかん」
キョン「それに考えてもみろ。俺達人間と比べてこいつらGはこんなに小っさいんだぞ」
キョン「こんな小っさい存在に人間様が振り回されるなんて情けないと思わんか?」
ハルヒ「ん〜言われてみればそうなんだけど…そうよね、私達人間が本気になればこんな奴ら大したことないわよね!」
ハルヒ「よっし、みんな気を強く持って!さっきの作戦もう1回いくわよ!」
キョン「俺のカバンはもう投げるなよ」
ハルヒ「わかったわよ、ケチねぇ。じゃあこのスリッパを…」
古泉「ん?ちょっと待ってください」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:40:34.47 ID:JnPGSSig0
キョン「どうした古泉?」
古泉「何だか窓側のGの様子が…先程より少し大きく見えるような…?」
キョン「…確かにそう見えるな。気のせいか床より少し浮いているような…!!!」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン
キョン「だぁぁぁぁぁ飛ぶなぁぁぁぁぁぁ!!」
ハルヒ「イヤーーキャーー気持ち悪いーーー!!!」
古泉「ふんもっふ!!もっふもっふ!!!」
長門「私は机、私は机…」ブツブツ
みくる「」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:46:18.13 ID:JnPGSSig0
〜一方その頃〜
閉鎖空間
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザッ
新川「おおう、一斉に襲い掛かってきおった」
多丸兄「これでもくらえ!ゴキ○ジェットバズーカ!!」ズドーン
多丸弟「ちええい!バル○ンタイフーン!!」ブワァァァ
森「いやーーたすけてーーおかーさーん!!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:55:29.40 ID:JnPGSSig0
キョン「えらい目にあった…奴はどこへいった?」
古泉「天井に張り付いてます…」
ハルヒ「みくるちゃんが動かなくなったわ…どうやら限界を超えちゃったみたいね…」
長門「……」
キョン「長門、大丈夫か?」ポン
長門「!!」ビクッ
長門「私は机、ワタシハツクエ…」ブツブツ
キョン「落ち着け。戻って来ーい長門ー」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:00:44.66 ID:JnPGSSig0
古泉「このままではジリ貧ですね…何とかしなくては」
キョン「だな。しかしG対策グッズは何もないしなぁ」
ハルヒ「結局原始的に何かで叩き潰すしかないってわけね」
ハルヒ「というわけで、いきなさいキョン!」
キョン「だから何で嫌なことは全部俺にやらせるんだよ!」
ハルヒ「それはあんたが雑用係だからよ!」
キョン「お前それで何でも押し切れると思ってないか?」
キョン「ちくしょう、やればいいんだろやれば」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:10:33.38 ID:JnPGSSig0
古泉「おや?」
キョン「今度は何だ古泉!」
古泉「先程まで天井にいたGの姿が見当たりません」
キョン「へ?」
キョロキョロ シーン
キョン(どこだ?どこにいった!)
古泉(姿が見えるのも怖いが、いると分かっているのに姿が見えないのはもっと怖い…)
ハルヒ(何よ何よ!まさかもう既に近くにいるんじゃ…)
みくる「みくるビーム!!!!!!!!!!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:11:29.13 ID:JnPGSSig0
キョン「だあああああああっ!」ビックゥ
ハルヒ「ちょっとみくるちゃん!驚かさないでよ!」ビクビク
古泉「殺す気か貴様ぁ!心臓止まるかと思たやんけぇ!!」バックンバックン
長門「ホータールノーヒーカーーリー」
キョン「ま、まぁみんな落ち着け。朝比奈さんはさっきから気絶したままだ」
キョン「きっと悪夢にうなされてうわ言でも口走ったんだろう…」
ハルヒ「はた迷惑ね…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:20:32.23 ID:JnPGSSig0
長門「あなたに頼みたいことがある」
キョン「ん、どうした長門?」
長門「私にこれ以上エラーが蓄積されると、また暴走して世界を改変する恐れがある」
長門「そうなる前に強制的にスリープモードに移行する必要がある」
長門「私の首の後ろにあるほくろから1本だけ生えている毛を引っ張って」
キョン「えーと、これか?」クイッ
プツン パッタリ
キョン「長門!」
古泉「どうやら怖さに耐え切れず、無理矢理眠ってしまわれたようですね」
古泉「ドラえもんのしっぽのようなモノですね」
キョン「…ずるいぞ長門ぉ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:23:33.95 ID:JnPGSSig0
〜一方その頃〜
閉鎖空間
新川「ぬおおお、離れんかぁ〜!」ブンブン
多丸兄「ギャァァァ、目に口にぃ!!」ゴボゴホ
多丸弟「くそっ数が多すぎてキリがない…」
森「ちょ、そ、そこはだめ!あ、あん…」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:30:28.39 ID:JnPGSSig0
古泉「それで結局さっきの天井Gはどこに…?」
キョン「ドアの前で2匹仲良く並んでるぞ…」
古泉「もうそろそろ下校時間になってしまいますね」
古泉「このままではGとともに1晩過ごすはめになってしまいます」
キョン「それだけは回避せねば。こうなったら誰かに助けを求めて来てもらうか。SOS団だけに」
ハルヒ「ちょっと!そんな情けない真似できるわけないでしょ!」
ハルヒ「『SOS団はG1匹すらまともに対処できない無能な集団』だなんて笑われてもいいの?!」
キョン「じゃあどうするんだよ。このままじゃいつまで経っても出られないぞ?」
ハルヒ「むうう…」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:35:33.48 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「なら最初の作戦でいくわよ!」
キョン「最初の作戦?」
ハルヒ「こいつをあいつらにぶつけて、あいつらが怯んだ隙にドアを蹴破って脱出する!」
キョン「あああもう落ち着けって…ん?ハルヒそれ何持ってんだ?」
ハルヒ「何って?何か黒っぽい小さな塊…」
ガサガサガサガサガサガサ
ハルヒ「3匹目ーー!!!」ブンッ
キョン「ほわーー!こっち投げんな馬鹿!!!」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:40:39.41 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「もうやだぁ」クスン
キョン「泣きたいのはこっちだ。あやうくGとキスするところだったぞ…」
古泉「しかしどんどんGが増えてきますね。今この部室に何匹いるんでしょう?」
キョン「やめろ、考えたくもねぇ」
ハルヒ「そもそも何でこんなにGが出てくんのよ…今まで1度も出たことなかったのに」
古泉「確かにそうですね。何か原因があるのでしょうか」
キョン「原因ねぇ…」
ハルヒ「あ」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:47:24.66 ID:JnPGSSig0
キョン「何だハルヒ、何か思い当たることでもあるのか?」
ハルヒ「以前昼休みに、コンピ研の連中がでっかい箱を運んでるのを見たのよ」
キョン「それで?」
ハルヒ「ゲームの第4弾が完成したお祝いだとか言ってたわね。おいしそうなケーキが入ってたわ」
キョン「ふむふむ」
ハルヒ「で、私はそれを丸ごと貰ってきたんだけど」
キョン「それは強奪というんだ」
ハルヒ「放課後にみんなで食べようと思ってて、今の今まですっかり忘れてたわ」
キョン「ちなみにそれはいつの話だ?」
ハルヒ「9ヶ月前よ」
キョン・古泉「……」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:50:36.00 ID:JnPGSSig0
キョン「その箱は今どこにある?」
ハルヒ「窓側の部屋の隅っこに置いてあるわ」
キョン「何故あんなところに?」
ハルヒ「団活の邪魔になると思って移動させたのよ」
キョン「ケーキは普通要冷蔵だろう?」
ハルヒ「次の授業のチャイムが鳴ったせいで慌てていて、冷蔵庫の存在をすっかり忘れてたのよ」
ハルヒ「ついでにその時点で、箱の中身が何なのかもしっかり忘れてたわ」
ハルヒ「そっかーそのせいでGが大量発生したのかー」ナットクナットク
キョン「この馬鹿ちんが!」スパーン
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:55:31.19 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「いだぁ!ちょっと、そんなハリセンどこから出したのよ!」
キョン「やかましいわ!ったく…」
古泉「確かにあの箱の中から微かにガサゴソという音が聞こえてきますね」
キョン「ということは、まだまだいるってことか」
ハルヒ「そういえば中にジュースも入ってたから水分もバッチリだわ、元気いっぱいね」
キョン「こんにゃろう…お前のせいで2人が犠牲になったことを忘れんじゃねーぞ」
ハルヒ「わ、悪かったわよ。謝るわよ!」
キョン「やれやれ」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:57:29.79 ID:JnPGSSig0
〜一方その頃〜
閉鎖空間
新川「ふぬーー死んでなるものか、死んでなるものかーー!」
多丸兄「」
多丸弟「」
森「」ビクンビクン
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:01:54.12 ID:JnPGSSig0
キョン「とりあえずその箱には絶対に触るな。これ以上の地獄絵図はもう見たくない」
古泉「脱走兵の3匹はドア付近に集中してますね」
キョン「よし箱のことはいったん忘れて、脱出に全精力を傾けるぞ」
みくる「う〜〜ん」ムニャムニャ
ゴロゴロゴロゴロ
古泉「ちょ、ちょっと朝比奈さん!」
ハルヒ「そっちにはG箱が!」
みくる「みくるローリングチョップ〜」
バーン
キ・ハ・古「……」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ…
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:04:45.38 ID:JnPGSSig0
キョン「ノギャワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
古泉「キョェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ」
ハルヒ「」
キョン「ハ、ハルヒーしっかりしろー!」
キョン「古泉!は、早く机の上に避難を!動かない他の3人も引き上げるんだ!」
古泉「絶対わざとだろ!あの雌豚ぁぁぁぁぁ!」
キョン「いいから手伝え!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:08:37.27 ID:JnPGSSig0
古泉「ハァ、ハァ、な、何とか全員避難できましたね…」
キョン「床一面Gだらけ…」
古泉「涼宮さんも陥落して、とうとう我々2人だけになってしまいましたね」
キョン「…普通こういう場面は男女2人だろ…何で男2人で生き残らねばならんのだ」
古泉「そんなこと僕に言われましても…」
キョン「ハァ…で、これからどうするよ?」
古泉「先程も出た案ですが、携帯で外部に助けを求めてみては?」
キョン「もうそれしかないだろうな。自力でどうにかなるとは思えん」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:12:41.30 ID:JnPGSSig0
キョン「とりあえず鶴屋さんに掛けて見よう」
トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル
キョン「出ないな…なら国木田だ」
トゥルルルル トゥル
国木田『もしもしキョン、どうしたんだい?』
キョン「おおっ国木田!実はかくかくしかじかでな。助けに来てほしい」
国木田『ごめんキョン。実は以前からバイトを始めようと思っててね』
国木田『今日がその初日なんだよ。だから他の人をあたってくれないかな?じゃあね』プツッ
キョン「もしもし、うおいちょっと待ってくれ!カンバックKUNIKIDAー!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:15:33.47 ID:JnPGSSig0
キョン「結局他も全滅か…」
古泉「こちらも全滅です。生徒会長に『知るか』の一言で切られた時には殺意すら芽生えましたよ」
キョン「先生に助けを求めるのも気が引けるし…」
キョン「世の中には部屋にGが出たくらいで110番するようなアホがいるみたいだが、そこまではしたくない」
古泉「そういえば谷口君には電話しないのですか?」
キョン「あいつに助けを求めるなんて死んでも嫌だ」
古泉「ですよね」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:18:40.74 ID:JnPGSSig0
古泉「世の中冷たいですよね」
キョン「そーだな…」
古泉「何かもう何もかもどうでもよくなってきました」
キョン「そーだな…」
古泉「あ、Gが1匹天井に張り付いてます」
キョン「そーだな…」
古泉「我々の真上まで移動して来ました」
キョン「そーだな…」
古泉「落ちてきました」
キョン「そーだキャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」バタドタ
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:21:53.07 ID:JnPGSSig0
キョン「いかんいかん、このまま負けてたまるか!」
キョン「今まで散々失敗してきたが今度こそ成功させる!ドアぶち破り作戦だ!」
古泉「またそれですか…」
キョン「もうGが怖いだのなんだの言ってられん。覚悟を決めてやる」
キョン「古泉、お前は何か物を投げてドア付近からGを遠ざけてくれ。Gの室外への逃亡を少しでも防ぐためにもな」
キョン「その隙に俺がドアをぶち破って脱出し、G殲滅グッズを買ってくる」
古泉「わかりました。しかしいいんですか?あなたにそんな危険なことを…」
キョン「ああ…」
キョン「俺がやらなきゃ誰がやる!」
キョン「というかさっきドサクサに紛れて俺のことを盾にしやがったお前など信用できん!」
古泉「……すみません」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:24:38.59 ID:JnPGSSig0
古泉「よし、いきますよ…ふんっもっっっぷ!」ブンッ
ドガン !ザザザザザザザザザザザ
キョン「Gどもが離れた!よし今だ!」ダッ
グチャグチャグチャ
キョン「ひいぃぃぃ、足の裏にとても嫌な感触が!」
キョン「何のこれしき!喰らえ、ラ○ダーキック!」
ぺきょ
キョン「ぺぎゃぁぁぁ、足が、足がぁぁぁぁぁぁ!」
古泉「何やってるんですか、あなたは…」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:28:30.52 ID:JnPGSSig0
古泉「フゥ、救出するほうの身にもなってくださいよ」
キョン「…スミマセン」
古泉「幸い足は軽く捻っただけのようですね」
古泉「こうなれば僕が行くしかありませんね」
キョン「古泉…」
古泉「そう心配しないでください。大好きなSOS団の為ならばいくらでも力が湧いてきますよ」
キョン「…すまんな、古泉」
古泉「いえいえ、ではいきますよ!」
キョン「よし!」
国木田「お〜い、キョンいるかい?」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:32:31.50 ID:JnPGSSig0
キョン「!!!その声は国木田か、どうしてここに?」
国木田「あれからやっぱり心配になってきてね、さぼってきちゃった」
国木田「バル○ンも買ってきたよ」
キョン「…ありがとう国木田。やっぱり持つべきものは友達だな」
国木田「いいんだよキョン。バイトよりも友達のほうが大切だから。て、あれ?開かないね」ガチャガチャ
キョン「ああそうだった。国木田、悪いが体当たりなりなんなりして無理矢理開けてくれないか」
国木田「ん、わかった。やってみるよ」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:35:32.04 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「ん…」
みくる「ほにゃ…?」
古泉「おや?2人とも目が覚めましたか。今から脱出しますよ」
ハ・み「……」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ
ハルヒ「いやーーーー夢じゃなかったーーーーー!」
みくる「あびきょーかんですぅあびきょーかんですぅ!!」
キョン「2人とも落ち着け…ほら長門も目ぇ覚まして」クイッ
カチリ ブゥーン
長門「……あと5分」
キョン「やかましい」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:38:32.84 ID:JnPGSSig0
キョン「よし、まずはコイツを投げてっと」ブンッ
ガンッ !!ザザザザザザザザザザザザザザ
キョン「今だ!国木田、扉をぶち破れ!」
国木田「わかった!せ〜の、それっ!」ドンッ
バーン
キョン「開いた!国木田、バル○ンよこせ!」
国木田「うん、それっ!」ブンッ
パシィ
キョン「おっし、セット完了!スイッチオン!」カチリ
バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
キョン「よし、みんな脱出だ!」
ワーキャーバタバタドタバタ
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:41:32.31 ID:JnPGSSig0
ハルヒ「全員脱出成功!早くドア閉めて!」
古泉「はい!」バタン
キョン「やった…やった…俺達は勝ったんだぁぁぁぁぁぁ!」
みくる「ふぇ〜ん怖かったですよぅ」
長門「…強敵だった」
国木田「みんな良かったね」
キョン「ありがとう国木田。お前のおかげだよ」
国木田「いいんだよ」
キョン「バイトの件はすまなかったな。今度何か奢らせてくれ」
国木田「そんなの別にいいのに」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:43:33.41 ID:JnPGSSig0
〜一方その頃〜
新川「長い長い戦いだった…多くの犠牲者を出してしまった…」
多丸兄「か、勝手に…」
多丸弟「殺さないでください…」
森「……おうちかえるぅ」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:46:44.90 ID:JnPGSSig0
1時間後
キョン「おおう、Gが1匹残らず死んでいる」
古泉「凄まじい光景ですね」
ハルヒ「あ、あの、キョン…」
キョン「ん、何だハルヒ?」
ハルヒ「何か今回はいろいろ我侭言ったり、ひどいこと押し付けようとしたりしちゃって、その…ごめんね…」
キョン「何だそんなことか。別にいいさ」
みくる「あの、キョンくん…私も気絶している間にいろいろひどい事しちゃったようで…ごめんなさい!」
キョン「いいんですよ、気にしてないです」
長門「私も今度からはちゃんとばれないように、カレープリンの値段を書き換える、頑張る」
キョン「お前は反省しなさい…」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:49:46.97 ID:JnPGSSig0
キョン「さてと、窓開けて換気しないとな。荷物も取ってくるか」
ハルヒ「気をつけてね」
キョン「おう」トットット
みくる「ぴ…ぴ…ぴ…ぴっくちっ!!」
キョン「うおっ!」ビックゥ フラフラ
古泉「あ、危ない!倒れる!」
ズシーン
ハルヒ「倒れた…大量のGの上に…うつ伏せで…」
みくる「ご、ごめんなさいキョンくん、大丈夫ですかぁ!?」
プツン
長門「何かが切れた…」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:52:29.05 ID:JnPGSSig0
キョン「フフフフフ…」ユラ~リ
古泉「だ、大丈夫ですか?」
キョン「フヒヒヒヒ…」ガッシ
ハルヒ「な、何でGの死骸を両手に鷲掴みにしてんの…?」
キョン「フハハハハ…」ズンズンズン
みくる「な、何でそのままこっちに来るんですかぁ〜!?」
キョン「アッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」ズダダダダ
長門「危険」
ハルヒ「きょ、キョンが壊れた〜!!!」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:55:29.99 ID:JnPGSSig0
キョン「ブヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ」ズドドドド
長門「こっちに来ないでこっちに来ないでこっちに来ないで」ブツブツ
みくる「ふゃーーん!ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!」アワアワ
古泉「ひぃぃぃぃ!こっ!こかっ!げろろろろ」ビチャビチャ
ハルヒ「みんな!逃げるわよ!」
国木田「あ〜あ…」
キョン「フォォォォヒャッホォォォォォォォォォォゲッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」ズギャギャギャギャ
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:58:01.30 ID:JnPGSSig0
鶴屋「おんや?あれは…」
鶴屋「キョンくんたちじゃないっか」
鶴屋「お〜いキョンく〜ん、さっきは電話に出られなくてゴメンよ〜マナーモードで気づかなくてさ〜」
ハルヒ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
みくる「ぴぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
古泉「おぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
長門「」
キョン「バハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」ボリボリボリ
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:59:27.30 ID:JnPGSSig0
鶴屋「何だか楽しそうだねぇ」
ハルヒ「もういやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
みくる「クェrチュイオp@「アsdfghjkl;:」zxcvbンm、。・\」
古泉「」
長門「」
鶴屋「お〜い、こんな時間まで楽しく鬼ごっこか〜い?」
ハルヒ「」
みくる「」
古泉「」
長門「」
鶴屋「うんうん、みんな仲がいいのが1番っさ!」
キョン「ヌゥバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
おしまい