1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:10:28.18 ID:1C9/TOEU0
俺(キョン)は、長門のその言葉に、口にしていたストレートハーブティーを吹き出す場面かどうか悩んだ。
たっぷりと、そう、五秒ほど悩んでから、ハーブティーを吐き出した。
何故かと言うと、長門があまりにも突拍子もないことを言い出したからだ。
「長門、ハルヒの力を超えたのかい?」
俺が尋ねると、長門は一つ頷いてニヤリと笑う。
「長門の力は、涼宮ハルヒの力よりも上、世界改変をさらに改変できるのだ」
長門はそう言った。普段の長門よりも随分と感情的であったため、俺はしばし驚きの感情に襲われた。
古泉が「おやおや」と言い、朝比奈さんが「へぇ」と言った。二人とも、それなりに驚いているようだ。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:11:59.30 ID:1C9/TOEU0
「しかしなぁ」
俺は言う。
長門が手をあげた。
「なんだ、長門?」
「信じられない、と言いたいのであろう?」
長門が俺の心を見透かしているといわんばかりに、自信有り気にそう言う。
「そうだ」
俺は本当にそう言おうと思ってたので、肯定した。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:13:20.35 ID:1C9/TOEU0
「僕も彼と同意見ですねぇ」
古泉も「ふっふーん」と笑いながら、俺の意見に同意した。
「私も…」
「朝比奈さんはいいです、それよりハーブティーのおかわりを下さい」
「彼の言うとおりです」
朝比奈さんの意見を遮断する。こんな役立たずの意見など聞いても、そう、無意味だ。
時間は無限ではあるが、しかし俺にとってしてみれば有限である。なので、朝比奈さんにかまっている時間などもったいない。
俺は朝比奈さんにカップを渡した。
朝比奈さんは「わかりましたよ」とカップを受け取る。
そう、それでいい。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:14:49.69 ID:1C9/TOEU0
「で、長門。俺は信じられないわけなんだが」
「僕もです」
俺と古泉が、再び長門との会話へと戻る。
長門は俺たちをバカにしたような目で見る。
「長門の言葉が信じられないのも分かる、それほどまでに涼宮ハルヒは強い」
長門の言葉に、俺と古泉は頷く。
「なら、今から長門は涼宮ハルヒを倒してしんぜよう」
そう言うと、長門は隣で居眠りをしていたハルヒを起こす。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:16:47.73 ID:1C9/TOEU0
「おい、起きるのである」
「はい、おきました」
ハルヒが起きた。そしてニヤリと笑う。
「有希、話は寝ながら聞いたわ。しかし片腹痛いわ、私を倒そうなんてね」
ハルヒが首をポキポキ鳴らす。
いかん、ハルヒのやつヤル気だ。
「おい、ハルヒ!」
「キョンは黙ってなさい!」
ハルヒに言われ、俺は仕方なく黙った。
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:18:28.66 ID:1C9/TOEU0
「さぁ有希、証明して見せてよ!私より強いってことを!」
ハルヒがファイティングポーズを取る。
「無様、もう既に勝敗は決しているのである。長門の勝ち」
長門が言った。
瞬間、ハルヒの体が吹き飛び、壁へと叩きつけられる。
「うわああああああ!」
ハルヒが悲鳴をあげ、気絶する。
「ハルヒが…負けた…?」
「そ、そんな!機関全員で戦ってもまず勝てないであろうとされている涼宮さんが、こんなアッサリ!」
俺と古泉は、驚きのあまり腰を抜かした。
それほどまでに、異様な光景。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:20:22.54 ID:1C9/TOEU0
「どう、これで信じる気になったのだ?」
長門がこちらを向く。
ハルヒはインファイトでは無敵の強さを誇っていた。しかし今の長門はなんだ、ハルヒに触れてすらいない。
長門には!間合いという!概念が!存在しないっていうのか!
「こ、これが長門の力…」
「か、勝てない…」
俺と古泉は絶望という色に塗りつぶされた、キャンパス!
長門の圧倒的な存在感に、動けずにいた。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:21:18.96 ID:1C9/TOEU0
「ハーブティーがはりましたよー」
しかしそんな殺気を感じることの出来ない朝比奈さんが、呑気にハーブティーを俺のほうへと持ってくる。
「朝比奈さん、バカヤロウ!」
俺は叫んだ。
「ふぇ?」
朝比奈さんが俺の叫び声にビクリと身を震わせ、あろうことか立ち止まる。
「無様である」
長門の言葉と共に、朝比奈さんの着ていたメイド服が弾け、その美しい裸体があらわになる。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:22:54.90 ID:1C9/TOEU0
「きゃあああ!」
朝比奈さんが叫ぶが、時すでに遅かった。
長門が十人に分身し、メイド服という防御を失った朝比奈さんに、拳を100発打ち込む。
「うわあああああああああ!」
朝比奈さんが悲鳴と共に、その場に倒れた。パンツは白だった。
「あ、朝比奈さん!」
残ったのは、ハーブティーの香りだけ。そう、それだけだった。
朝比奈さんも、負けた。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:24:44.10 ID:1C9/TOEU0
「この世は弱肉強食、弱者はこうなる運命である」
長門の言葉に、古泉が立ち上がる。
「ですが僕は弱者を守る、そういう強者になりたいんだ!」
古泉の叫びに、俺は震えた。
古泉は今、怒っている。そう奴は正義の組織に身をおくもの。長門の独裁的な行動に、やつ自身の魂が震え、燃えたのだ。
「戦う!」
古泉の体が、真っ赤に染まった。
古泉の戦闘モードである。古泉の怒りの炎が、閉鎖空間でないこの場で古泉の力を解放したのだ。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:26:37.08 ID:1C9/TOEU0
「古泉一樹、楽しめそうにもないのである」
しかし長門はそんな古泉すらも、雑魚としてしか見ていない。
長門の奴、一体どれほどのパワーを蓄えているというのだろうか。
「うおおおお!パンチ!」
古泉のすべての力を込めた拳が、長門に遅いかかる。
「しかし、長門はそれを予想したのである」
長門はその場にしゃがみ、古泉の渾身の拳は空を斬る。
「ボディーがガラ空きなのである」
「し、しまったぁ!」
長門砲が、古泉のボディーに炸裂した。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:28:36.21 ID:1C9/TOEU0
「古泉ー!!!」
「うわあああああああああああああああ!」
古泉がSOS団部室の天井に叩きつけられ、そして落下する。
「更に」
長門がその落下地点へと立つ。
「長門…?――ッ!やめろおおおおおお!」
「無理な相談である」
長門は落下してくる古泉に向け、さらに50発の拳を叩き込む。
「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
古泉の悲鳴が、そう、乱舞する。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:30:08.97 ID:1C9/TOEU0
「こ、古泉…」
そうして地面へと叩きつけられた古泉は、ピクリとしか動かなくなった。
「長門、最強」
長門が笑って言う。
長門のこんな笑いは、生まれてはじめて見た。
「長門、なんでこんなことをするんだ!?」
「黙れである」
長門の睨みで、俺は部室の壁へと叩きつけられた。
「ぐあ!」
「なんの能力も持たない貴方には、分かるまい。最強を欲する、この気持ち」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:31:28.05 ID:1C9/TOEU0
長門の言葉に、俺は首をふる。
「分かりたくもない!仲間を傷つけてまで手に入れたい最強、それを欲する気持ちなど!」
「だから貴方は阿呆なのである」
長門が手を振り上げた。
「失せろ、一般市民」
その手が振り下ろされた瞬間、部室の空気の流れが一瞬で逆流し、俺の体を締め付ける。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:33:07.21 ID:1C9/TOEU0
「うおおおおおおおおおお!」
俺は悲鳴をあげた。長門の力は、もう無敵の状態にまで高みにきている。
この世でもう長門を倒せるやつなど、いない。
「いいえ、いるわ!」
その声はハルヒで、俺は懐かしい気持ちになりつつも、ハルヒを見た。
ハルヒは満身創痍で、もう体を満足に動かすことすら出来ていない。
「さすが涼宮ハルヒ、元世界最強、意外にしぶといのである」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:34:46.48 ID:1C9/TOEU0
「キョン!聞いて!」
長門がハルヒに手を向ける。
部室の空気が、ハルヒの体に愛撫を開始する。
「いやああ!」
ハルヒが叫ぶ。ハルヒの胸が、乱暴に弄られる様を俺は見ていた。正直たまりません。
「き、キョン!聞いて!」
「聞いてますよ」
俺は答えた。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:36:49.46 ID:1C9/TOEU0
「有希を倒すのよ!」
「な!?」
俺は驚いた。長門を倒すなんて、無理だからだ。
俺の無力じゃ、勝てやしないさ。
「む、無理だ!」
しかしハルヒは首をふる。もう服は脱がされ、下着姿だった。
「いやぁ!有希、やめなさい!」
「やーめないのである」
長門はハルヒが脱がされていく様をニタニタしながら見ていた。
「なら仕方ないわ!キョン!承認するわ!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:38:04.71 ID:1C9/TOEU0
「なッ!しまったのである、まだその手があったのである!」
長門が目を見開き、叫んだ。
今の長門を驚かせるなど、ハルヒは一体なにを考えている。なんの手があるというのだ。
そしてハルヒは顔を真っ赤に染めて、愛撫に耐えていた。もう胸は滅茶苦茶にされ、俺の股間も滅茶苦茶にしてほしい気分だった。
「キョン!ジョン・スミス開放承認よ!」
ハルヒの言葉を聞いた瞬間、俺は射精した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
そして、俺はヒカリの中を突き進み、そして俺は。
ジョン・スミスになった。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:39:24.32 ID:1C9/TOEU0
「不覚である、スミスを復活させてしまうとは」
長門の言葉に、しかし俺はフフと笑う。
そう、長門、キミのココロが分かるから。
「長門、悲しい少女よ」
俺の言葉に、長門は激怒した。
「長門は悲しくないのである!そうなのである!」
しかし俺は首を横にふる。
「キミの悲しみは、存分に伝わってきている。そう、まるで深夜の海だ。悲しいよ…それは…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:41:36.31 ID:1C9/TOEU0
長門が世界最強の能力で俺を倒そうとしてきたが、俺はそれをすべて回避する。
俺には誰も触れれない。
俺が触れていいのは、悲しみに沈む少女だけ。
俺の心は、清き水。そう、どんな穢れも落としてやるよ。
「長門、俺がお前の氷、溶かしてやるよ」
俺は全エネルギーを右手に集める。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:43:45.05 ID:1C9/TOEU0
「こ、このパワーは長門以上なのである!」
「長門、受け取れ!『ソーラー・オーバー・ソルティー・ナックル』!!!!!!」
ヒカリが見え、長門の邪悪な心を、俺は殴りぬけた。
それはそう、レンモが弾ける芳醇な香り。
キミにも聞こえる、そのハーモニー。
長門、優しい女の子よ。
キミのココロの鎖は今断ち切られん。
そして、俺の――勝ちだ。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:46:11.41 ID:1C9/TOEU0
「キョン、勝ったわ!有希も元に戻ったわ!」
ハルヒが泣きながら、そう言った。
「みんな、ゴメンなのである。長門おかしかった」
長門も涙しながら、俺たちに謝る。
「いいんですよ、長門さん。私たちは仲間じゃないですか」
「朝比奈さんの言うとおりだ、長門。俺たちは仲間で、その力がお前の邪悪なるココロを上回ったんだ」
「そうだ!これは我々の友情の勝利でしょう!」
古泉が腕を振り上げて叫んだ。
「ハルヒ、SOS団は無敵だ」
「えぇ、その通りよ、キョン」
夕日を見ながら、俺たちは更に深まった絆を噛締めたのであった。
TO BE end.
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:50:05.43 ID:1C9/TOEU0
以上でこのSSは終了だ。
見ていた諸君は、この俺に出会えたことの喜びで一杯だとは思う。
しかしそれだけで終わらないで欲しい。
俺は最近SSスレをよく立てているが、そこらの雑魚のものとは違う。
俺のはVIPをよくするためのSS、それに尽きる。
俺の背に続くものは、受け入れる。
ついて来い、ともにVIPを変えよう。
俺の才能に、魅入られし者たちよ、これで俺の言葉は以上である。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 11:54:50.09 ID:1C9/TOEU0
そうそう、まとめブログのヒトは遠慮なく載せてくれ。
以前にもハルヒと禁書目録、四本、SSを書いたが、
皆俺におびえているのか、なかなか載せてくれない。
安心してくれていい、俺は心は広いほうだから。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/13(金) 12:10:46.23 ID:1C9/TOEU0
長門「爽快感!」
キョン「あぁ、そうだ、その爽快感を忘れるな」
ハルヒ「SOSO団の力は、そこから始まるのね」
古泉「そうだ!我々は爽快でしょう!」
朝比奈「そうですね」
完